JP5329860B2 - 複合シートおよびその製造方法 - Google Patents

複合シートおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5329860B2
JP5329860B2 JP2008182991A JP2008182991A JP5329860B2 JP 5329860 B2 JP5329860 B2 JP 5329860B2 JP 2008182991 A JP2008182991 A JP 2008182991A JP 2008182991 A JP2008182991 A JP 2008182991A JP 5329860 B2 JP5329860 B2 JP 5329860B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber web
fibers
long
short
short fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008182991A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010018931A (ja
Inventor
幸弘 木原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP2008182991A priority Critical patent/JP5329860B2/ja
Publication of JP2010018931A publication Critical patent/JP2010018931A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5329860B2 publication Critical patent/JP5329860B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

本発明は、短繊維ウェブと長繊維ウェブとが積層してなる複合シートに関するものである。
嵩高性を有する布帛としては、内層に繊維ウェブを配して前記繊維ウェブの両表面に織編物等の布帛で覆った中綿入りの衣料用布帛やキルティング布帛、内層にコットン等の吸水性繊維ウェブを配して吸水性繊維ウェブの両表面をガーゼや不織布等で覆った化粧パフ等が挙げられる。例えば、特許文献1には、中綿の内層は実質的に交絡せず、中綿の表裏面の繊維相互間は交絡してなる中綿およびこの中綿が布帛にて被覆されてなる衣料材料が提案されている。このような中綿および中綿入りの材料は、中綿を構成する内層の繊維は単に堆積しただけのものであるため、繊維間の空隙が大きく、嵩高なものである。
しかしながら、このような中綿入り布帛をロール状の反物とした際、内層の中綿が嵩高であるため、ロール芯の径が小さいと布帛の表面と裏面とにひずみが生じて皺が発生することとなり、一方、これを防ぐためにロール芯の径を大きくすると、ロール状反物の径が大きくなって取り扱い性に劣ることとなる。
特開2005−60856号公報
本発明は、材料段階においてロール状の反物とした際でもひずみによる皺が生じにくく、取り扱い性の良好な嵩高なシートを提供することを本発明の課題とする。
本発明は、表面には熱可塑性短繊維を含む短繊維ウェブが配され、前記短繊維ウェブ層の間に、多数の熱可塑性長繊維が堆積してなる長繊維ウェブが配された複合シートであって、
両表面層の短繊維ウェブは、それぞれ構成繊維同士が水流交絡処理によって交絡一体化し、
短繊維ウェブと長繊維ウェブとの層間では、短繊維ウェブの構成繊維が長繊維ウェブ表面存在する一部の長繊維交絡し、
長繊維ウェブを構成する長繊維同士は、繊維表面の一部が軟化することによって仮熱接着しており、
複合シートには、熱可塑性短繊維および熱可塑性長繊維が軟化または溶融することによって、両表面の短繊維ウェブと長繊維ウェブとが熱圧着されてなる熱圧着区域と、両表面の短繊維ウェブと長繊維ウェブとが熱圧着されていない非熱圧着区域とを有し、個々の非熱圧着区域は熱圧着区域によって囲繞されており、
該複合シートは、簡易衣料、キルティング材、化粧用パフのいずれかに用いられ、これらの用途に適用する際には、複合シートを揉むことによって長繊維同士の仮熱接着が解かれて非熱圧着区域を嵩高な状態にして使用するものであることを特徴とする複合シートを要旨とするものである。
また、本発明は、多数の熱可塑性長繊維が堆積し、かつ長繊維同士は繊維表面の一部が軟化することによって仮熱接着している長繊維ウェブの両表面に、熱可塑性短繊維を含む短繊維ウェブを積層し、積層物の両表面に高圧液体流処理を施して、両表面の短繊維ウェブの構成繊維同士を交絡一体化させるとともに、短繊維ウェブの構成繊維が長繊維ウェブ表面に存在する一部の長繊維に交絡させ、次いで、複数の凹部と前記凹部を囲繞する凸部を有する熱エンボスロールを用いた熱エンボス装置に通して、両表面の短繊維ウェブと長繊維ウェブとが熱圧着されている熱圧着区域と、両表面の短繊維ウェブと長繊維ウェブとが熱圧着されていない非熱圧着区域とを形成させることを特徴とする上記載の複合シートの製造方法を要旨とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における短繊維ウェブを構成する短繊維としては、水流交絡処理における水流の作用によって、繊維が動き、交絡することができるものであれば特に限定されず、その素材としては、木綿、レーヨンやリヨセル等のセルロース系繊維、ポリエステル系繊維やポリオレフィン系繊維等の熱可塑性繊維等が挙げられる。繊維長は、交絡性を考慮して、10〜70mm程度がよい。繊維の単糸繊度もまた、交絡性を考慮して、1〜6デシテックス程度がよい。
本発明において、短繊維ウェブは熱可塑性短繊維を含む。熱可塑性短繊維を含む理由は、複合シートに、熱圧着区域を良好に形成させるためである。すなわち、熱圧着区域を形成する際に、熱圧着区域に存在する熱可塑性短繊維が熱および圧力が加わることによって溶融または軟化させるためである。熱可塑性短繊維は、後述する熱可塑性長繊維との相溶性が良好なものがよいため、熱可塑性長繊維と同種の重合体であることが好ましい。生産性や機械的強度が優れることから、熱可塑性短繊維および熱可塑性長繊維ともにポリエステル系繊維であることが好ましい。短繊維ウェブは、熱可塑性短繊維のみからなるものであっても、熱可塑性短繊維とセルロース系繊維等の他の繊維とが混合してなるものであってもよい。複合シートの用途に応じて適宜選択すればよい。熱圧着区域を良好に形成するためには、短繊維ウェブ中に熱可塑性短繊維が10質量%以上含有することが好ましい。
両表面に配する短繊維ウェブのそれぞれの目付は特に限定されず、複合シートの用途に応じて適宜選択すればよいが、15〜80g/m程度がよい。
本発明における長繊維ウェブは、多数の長繊維が堆積してなるものであり、長繊維同士は、繊維表面の一部が軟化することによって仮熱接着している。ここで、仮熱接着とは、熱接着点において、繊維を構成する熱可塑性重合体が繊維形態を失って溶融または軟化することによって熱融着しているものではなく、繊維を構成する熱可塑性重合体が繊維形態を維持しながら繊維表面の一部のみ軟化することにより接着したものであり、揉み等の軽い物理的な力を加えることによって、その仮熱接着した部分は接着状態から解かれて、個々の繊維が単に堆積してなる状態に戻る程度の接着状態をいう。仮熱接着は、多数の長繊維が堆積してなるウェブを熱エンボス装置に通すことによって形成するとよい。熱エンボス装置に通す際、ロールの表面温度は、熱可塑性長繊維を構成する重合体の融点よりも40℃以上低い温度に設定するとよい。処理速度や線圧にもよるが、ロールの表面温度を(融点−40)℃の温度を超えて高い温度に設定すると、接着状態が強固となって、目的とする長繊維ウェブおよび複合シートを得ることができない。なお、長繊維が融点の異なる2種以上の重合体が複合されたものである場合は、長繊維の繊維表面を構成する重合体のうち、融点の低い重合体の融点を基準としてロールの表面温度を設定する。
熱可塑性長繊維は、ポリエステル系長繊維やポリオレフィン系長繊維が挙げられる。複合シートの用途に応じて、素材は適宜選択すればよいが、上記したように、生産性や機械的強度が優れることから、ポリエステル系繊維を用いることが好ましい。
多数の熱可塑性長繊維が堆積してなる長繊維ウェブは、公知のスパンボンド法によって容易に得ることができる。
長繊維ウェブの目付は、特に限定されないが、15〜100g/m程度がよい。長繊維の単糸繊度は、1〜10デシテックス程度がよい。
本発明の複合シートは、両表面に短繊維ウェブが配され、短繊維ウェブの間に、多数の熱可塑性長繊維が堆積してなる長繊維ウェブが配されている。両表面の短繊維ウェブは、それぞれ構成繊維同士が水流交絡処理によって交絡一体化し、短繊維ウェブと長繊維ウェブとの層間では、短繊維ウェブの構成繊維が長繊維ウェブ表面に存在する一部の長繊維に交絡している。水流交絡処理は、公知のいわゆるスパンレース処理を施せばよい。具体的なスパンレース処理については後述する。本発明では、長繊維ウェブを構成する繊維同士は積極的に水流交絡していないため、例えば、手で軽く揉むことによって、堆積してなる長繊維同士の繊維間空隙がより大きくなり、嵩高い複合シートとすることができる。また、短繊維ウェブと長繊維ウェブとの層間にて、長繊維の一部に短繊維が絡むことによって、軽く揉むことにより長繊維群は偏在することなく容易に長繊維同士の接着を解くことができる。
本発明の複合シートは、熱可塑性短繊維および熱可塑性長繊維が軟化または溶融することによって、両表面の短繊維ウェブと長繊維ウェブとが熱圧着されてなる熱圧着区域と、両表面の短繊維ウェブと長繊維ウェブとが熱圧着されていない非熱圧着区域とを有し、個々の非熱圧着区域は熱圧着区域によって囲繞されている。
本発明の複合シートは、熱圧着区域によって短繊維ウェブおよび長繊維ウェブとが一体化したものである。図1〜3に熱圧着区域および非熱圧着区域の形状の概略図の一例を示すが、熱圧着区域(図では黒線の個所)は、図1に示すような格子状や図2に示すようにハニカム状等の形態をしており、非熱圧着区域(図では黒線部分に囲まれた白い個所)を囲繞している。非熱圧着区域では、繊維は熱圧着による熱の影響を受けておらず、構成繊維同士が交絡した短繊維ウェブ/多数の長繊維が堆積してなる長繊維ウェブ/構成繊維同士が交絡した短繊維ウェブの順にてウェブが積層となっている。
非熱圧着区域の個々の大きさは、複合シートの用途に応じて適宜設定すればよいが、0.5〜40cm程度が適当である。0.5cm未満であると、個々の非熱圧着区域の大きさが小さくなりすぎて、長繊維同士の繊維間空隙を保持させて嵩高感を保持させることが困難となりやすく、一方、40cmを超えてもまた、非熱圧着区域と熱圧着区域との凹凸差が明瞭でなくなり、非熱圧着区域の嵩高感を呈しにくくなる。
次いで、本発明の複合シートの製造方法について説明する。まず、短繊維ウェブと長繊維ウェブとをそれぞれ準備する。
短繊維ウェブは、短繊維ウェブを構成する短繊維群をカード機に通して、ウェブを得る。短繊維ウェブとして、複数種の短繊維を混綿したものを用いる場合は、ぞれぞれの短繊維群を均一に混合してカード機に通す。カード機は短繊維群を針布で梳る機械であり、カード機の入口に絡み合った短繊維群を投入すると、これらの短繊維群が針布で梳られ、カード機の出口から開繊および集積された状態のシート状物が排出される。排出されたシート状物は、そのままの状態で搬送され、または二層以上に積層され、または適宜折り畳まれ(クロスレイド等)、短繊維ウェブが形成される。
長繊維ウェブは、公知のスパンボンド法によって多数の長繊維が堆積させる。すなわち、熱可塑性重合体を紡糸口金より溶融紡出し、紡出された糸条を冷却した後、エアサッカーにて牽引細化して、次いで公知の方法で開繊した後、移動堆積装置上に多数の長繊維を堆積させる。この際、エアサッカーで牽引速度は、3000〜6000m/分程度がよい。熱可塑性重合体が分子配向して良好な機械的強度を有する繊維が操業性良く得られるためである。
次いで、得られた多数の長繊維が堆積してなる長繊維ウェブは、熱エンボス装置に通して、繊維同士を仮熱接着する。熱エンボス装置は、一対の凹凸ロールからなるものや凹凸ロールとフラットロールからなるものが挙げられる。熱エンボス装置のロールの表面温度は、上述したように、熱可塑性長繊維を構成する重合体の融点よりも40℃以上低い温度に設定するとよい。熱可塑性長繊維がポリエチレンテレフタレート(融点260℃)からなるものであれば、ロールの表面温度は190〜220℃がよい。
得られた短繊維ウェブと長繊維ウェブとは、長繊維ウェブの両面に短繊維ウェブを積層し、短繊維ウェブ/長繊維ウェブ/短繊維ウェブの順に積層した積層物とする。この積層物をメッシュ状支持体に担持し、積層物側から高圧液体流を施し、短繊維ウェブ内の構成繊維同士を交絡一体化させるとともに、短繊維ウェブの構成繊維が長繊維ウェブ表面に存在する一部の長繊維に交絡させる。
この高圧液体流は、孔径0.05〜2.0mmの噴射孔が、噴射孔間隔0.05〜10mmで一列又は複数列配置されている噴射装置を用い、水を噴射孔から1.5〜30MPaの圧力で噴射して得られるものである。そうすると、高圧液体流はウェブに衝突して、短繊維に運動エネルギーを与える。この運動エネルギーにより、短繊維ウェブ内の短繊維同士が相互に交絡する。また、短繊維は、長繊維の一部に絡みつく。高圧液体流処理は、一方の短繊維ウェブ側より施した後、積層物をひっくり返して、他方の短繊維ウェブ側より同様に高圧液体流を施して、他方の短繊維ウェブ内の構成繊維同士を交絡一体化させるとともに、他方の面における短繊維ウェブの構成繊維が長繊維ウェブ表面に存在する一部の長繊維に交絡させる。
高圧液体流を施した積層物は、水が含浸されているため、絞って過剰な水分を除去した後、熱風乾燥機等に通して、残余の水を蒸発除去する。次いで、得られた積層物を複数の凹部と前記凹部を囲繞する凸部を有する熱エンボスロールを用いた熱エンボス装置に通して、積層物の両表面の短繊維ウェブと長繊維ウェブとが熱圧着されている熱圧着区域と、両表面の短繊維ウェブと長繊維ウェブとが熱圧着されていない非熱圧着区域とを形成させる。熱エンボス装置は、一対の凹凸ロールからなるものであっても、凹凸ロールとフラットロールからなるものであってよい。一対の凹凸ロールからなるものを用いる場合は、一対のロールが有する凸部が当接するように配置したものを用いる。凸部および凹部の形態によって、複合シートに形成させる熱圧着区域および非熱圧着区域の形態が決定される。熱エンボス処理において、ロールの表面温度は、熱可塑性短繊維および熱可塑性長繊維を構成する重合体の融点未満の温度とする。好ましくは、融点未満〜融点より30℃低い温度の範囲に設定する。
以上により、本発明の複合シートを得ることができる。
本発明の複合シートは、易衣料の材料として用いるまた、キルティング材として、マットやワイパー等の各種の生活資材として使用するまた、例えば、1個の非熱圧着区域の大きさを一辺の長さが3〜5cmの四角形とし、熱圧着区域に沿って、個々の非熱圧着区域毎に溶断等により切断することによって、化粧用パフとして用いる
本発明の複合シートは、両表面に構成繊維同士が交絡してなる短繊維ウェブ層が配され、短繊維ウェブ層の間に、繊維表面の一部が軟化することによって仮熱接着してなる長繊維ウェブが配されている。複合シートの内層となる長繊維ウェブの構成繊維が単に堆積しているのではなく、繊維表面の一部が軟化することによって仮熱接着しているため、繊維間の空隙は大きくなりすぎず嵩密度も小さくなり、運搬時や保管時等において、ロール状の反物とした際でもひずみによる皺が生じにくく、また、ロール径が大きくならずに取り扱い性が良好となる。
また、両表面の短繊維ウェブと内層に存在する長繊維ウェブとは、特定の熱圧着区域によって熱圧着されて、熱圧着区域によって囲繞された非熱圧着区域が形成されており、複合シートを各種用途に使用する際は、複合シートを軽く揉むことによって、長繊維同士の仮熱接着を容易に解いて非熱圧着区域を嵩高な状態とする
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各特性値は、以下のようにして求めた。
(1)ポリエステルの極限粘度[η]:フェノールと四塩化エタンとの等質量比の混合溶媒100ccに試料0.5gを溶解し、測定した。
(2)融点(℃):パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−7型を用い、昇温速度20℃/分で測定した。
(3)長繊維の繊度:紡出したフィラメント10本をJIS L 1015の繊度(振動法)に準拠して測定し、得られた値の平均値をフィラメント繊度とした。
(4)短繊維の繊度:JIS L 1015 正量繊度 A法に準拠して測定した。
(5)目付(g/m):標準状態の試料から縦10cm×横10cmの試料片各10点を作成し、各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算して不織布の目付(g/m)とした。
[長繊維ウェブの準備]
長繊維ウェブの製造例A
融点260℃、極限粘度[η]0.68のポリエチレンテレフタレートを準備し、公知の溶融紡糸装置を用い、繊維断面が円形となる複合紡糸口金より、紡糸温度283℃で溶融紡出した。紡糸口金とエアーサッカーまでの距離は150cmに設定し、紡出糸条をエアーサッカーに導入した。そして、エアーサッカーにて、紡糸速度5000m/分となるよう牽引した後、公知の開繊器を用いて開繊し、長繊維を搬送装置上に捕集堆積せしめ単糸繊度が3.0デシテックスのポリエステル長繊維からなるウェブとした。このウェブを圧接点面積が0.8mm、圧接点密度16個/cm、圧接面積率12.8%となるエンボスロールとフラットロールからなる熱エンボス装置に通した。熱エンボス条件は、線圧490N/cm、両ロールの表面温度210℃に設定した。得られた長繊維ウェブの目付は、40g/mであった。得られた長繊維ウェブを長繊維ウェブAとした。長繊維ウェブAには、熱エンボス加工による接着部が施されているが、長繊維ウェブAを手でほぐすと、接着部は容易に解けて繊維がばらばらの状態となり、接着部は仮熱接着の状態であった。
長繊維ウェブの製造例B
長繊維ウェブの製造例Aにおいて、熱エンボス条件として、両ロールの表面温度を235℃に設定したこと以外は、長繊維ウェブの製造例Aと同様にして長繊維ウェブBを得た。長繊維ウェブBには、熱エンボス加工による強固な熱接着部が形成されていた。
長繊維ウェブの製造例C
長繊維ウェブの製造例Aにおいて、熱エンボス装置に通さず、ウェブ搬送装置上に多数の長繊維が捕集堆積してなる長繊維ウェブを長繊維ウェブCとした。
実施例1
精練・漂白処理してなる木綿繊維であって、紡績油剤が0.5質量%付着してなる木綿繊維(平均繊維長約25mm)とポリエチレンテレフタレート(融点260℃)からなるポリエステル短繊維(単糸繊度が2.2デシテックス、繊維長51mm融点256℃)とを、木綿繊維/ポリエステル短繊維が質量比で80/20となるように混ぜ合わせ、サンプルローラーカード機(大和機工社製)に前記混綿を投入して、目付40g/mの短繊維ウェブを作成した。
上記短繊維ウェブと長繊維ウェブAとを、短繊維ウェブ/長繊維ウェブA/短繊維ウェブの順に積層して積層物とし、この積層物を100メッシュのステンレスネット上に載せて、孔径径0.13mmの噴射孔が孔間隔0.5mmで1列配置されてなる噴射装置を用い、水圧8.28MPaの高圧液体流を噴射した。次いで、積層物をひっくり返して、同様の高圧液体流を噴射した。次いで、マングルロールで余剰水分を絞った後、乾燥処理を行った。
次いで、得られた積層物を図1に示すごとき格子状の熱エンボス加工が施される熱エンボス装置に通して熱エンボス加工を施し、本発明の複合シートを得た。熱エンボス条件は、1個の非熱圧着区域の面積が25cm、非熱圧着区域の面積率が69.4%となるエンボスロールを用い、線圧147N/cm、両ロールの表面温度235℃に設定した。
比較例1
実施例1において、長繊維ウェブとして、長繊維ウェブBを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の複合シートを得た。
比較例2
実施例1において、長繊維ウェブとして、長繊維ウェブCを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の複合シートを得た。
実施例1の複合シートは、両表面の短繊維ウェブは、構成繊維同士が交絡し、表面はソフト感を有し風合いの良い状態でありながら型くずれや毛羽立ちや繊維抜けのないものであった。シートを切断することにより、非熱圧着区域の切断面より長繊維ウェブを観察すると、長繊維同士が仮熱接着した箇所が一部残存していた。また、一部の短繊維が長繊維ウェブ表面に存在する一部の長繊維に絡んでいた。厚みも比較的薄く嵩密度も小さいため、ロール状に巻き取ることも可能であり運搬時や保管時に省スペースとすることができ、取り扱いに優位なものであった。また、複合シートを軽く揉むことにより、両表面の短繊維ウェブに絡んだ長繊維が引っ張られて長繊維ウェブの繊維同士の空隙が大きくなり、程良いボリューム感と優れた風合いを兼ね備えた嵩高な複合シートとなった。
比較例1の複合シートを切断することにより、非熱圧着区域の切断面を観察すると、長繊維同士の熱接着部は全く外れることなく存在し、また、短繊維が長繊維に絡んでなかった。複合シートは、嵩高性を兼ね備えたものではなく、本発明が目的とするものではなかった。
比較例2の複合シートを切断することにより、非熱圧着区域の切断面を観察すると、長繊維は単に堆積しただけの状態であり、安定したシート形態を保持しながら、ロール状に巻き取ることは困難であり、巻き取りの際にひずみにより皺が生じて品位が劣るものであった。
本発明の熱圧着区域および非熱圧着区域の形状の一例を示す概略図である。 本発明の熱圧着区域および非熱圧着区域の形状の他の一例を示す概略図である 本発明の熱圧着区域および非熱圧着区域の形状の他の一例を示す概略図である

Claims (3)

  1. 表面には熱可塑性短繊維を含む短繊維ウェブが配され、前記短繊維ウェブ層の間に、多数の熱可塑性長繊維が堆積してなる長繊維ウェブが配された複合シートであって、
    両表面層の短繊維ウェブは、それぞれ構成繊維同士が水流交絡処理によって交絡一体化し、
    短繊維ウェブと長繊維ウェブとの層間では、短繊維ウェブの構成繊維が長繊維ウェブ表面存在する一部の長繊維交絡し、
    長繊維ウェブを構成する長繊維同士は、繊維表面の一部が軟化することによって仮熱接着しており、
    複合シートには、熱可塑性短繊維および熱可塑性長繊維が軟化または溶融することによって、両表面の短繊維ウェブと長繊維ウェブとが熱圧着されてなる熱圧着区域と、両表面の短繊維ウェブと長繊維ウェブとが熱圧着されていない非熱圧着区域とを有し、個々の非熱圧着区域は熱圧着区域によって囲繞されており、
    該複合シートは、簡易衣料、キルティング材、化粧用パフのいずれかに用いられ、これらの用途に適用する際には、複合シートを揉むことによって長繊維同士の仮熱接着が解かれて非熱圧着区域を嵩高な状態にして使用するものであることを特徴とする複合シート。
  2. 短繊維ウェブに含まれる熱可塑性短繊維および熱可塑性長繊維は、いずれもポリエステル系繊維であることを特徴とする請求項1記載の複合シート。
  3. 多数の熱可塑性長繊維が堆積し、かつ長繊維同士は繊維表面の一部が軟化することによって仮熱接着している長繊維ウェブの両表面に、熱可塑性短繊維を含む短繊維ウェブを積層し、積層物の両表面に高圧液体流処理を施して、両表面の短繊維ウェブの構成繊維同士を交絡一体化させるとともに、短繊維ウェブの構成繊維が長繊維ウェブ表面存在する一部の長繊維交絡させ、次いで、複数の凹部と前記凹部を囲繞する凸部を有する熱エンボスロールを用いた熱エンボス装置に通して、両表面の短繊維ウェブと長繊維ウェブとが熱圧着されている熱圧着区域と、両表面の短繊維ウェブと長繊維ウェブとが熱圧着されていない非熱圧着区域とを形成させることを特徴とする請求項1記載の複合シートの製造方法。
JP2008182991A 2008-07-14 2008-07-14 複合シートおよびその製造方法 Active JP5329860B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008182991A JP5329860B2 (ja) 2008-07-14 2008-07-14 複合シートおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008182991A JP5329860B2 (ja) 2008-07-14 2008-07-14 複合シートおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010018931A JP2010018931A (ja) 2010-01-28
JP5329860B2 true JP5329860B2 (ja) 2013-10-30

Family

ID=41704101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008182991A Active JP5329860B2 (ja) 2008-07-14 2008-07-14 複合シートおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5329860B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101777732B1 (ko) * 2014-08-27 2017-09-12 한국생산기술연구원 장섬유웹층을 포함하는 장섬유 부직포 예비성형체, 이의 제조방법과, 상기 장섬유 부직포 예비성형체를 포함하는 복합재료 및 이의 제조방법
KR101777744B1 (ko) * 2014-10-28 2017-09-12 한국생산기술연구원 장 혼합섬유 웹층을 포함하는 예비성형체, 이의 제조방법과, 상기 예비성형체를 포함하는 열가소성 복합재료 및 이의 제조방법
KR101753867B1 (ko) 2015-06-26 2017-07-04 (주) 미벨라 탄성 복합 부직포 및 그 제조장치
JP7050281B2 (ja) * 2017-12-20 2022-04-08 ユニチカ株式会社 積層不織布
JP7237571B2 (ja) * 2018-12-27 2023-03-13 日本製紙クレシア株式会社 複合型不織布とその製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3201671B2 (ja) * 1993-02-17 2001-08-27 ユニチカ株式会社 複合不織布の製造方法
JP4191364B2 (ja) * 1999-04-26 2008-12-03 ユニチカ株式会社 面ファスナ雌材用不織布の製造方法
JP4716639B2 (ja) * 2002-10-10 2011-07-06 旭化成せんい株式会社 衛生材料用不織布
JP2006281545A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Asahi Kasei Fibers Corp 係止材用積層不織布
JP2007008145A (ja) * 2005-05-31 2007-01-18 Unitika Ltd 凹凸模様が付与されてなる不織構造体およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010018931A (ja) 2010-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100460474B1 (ko) 내구성스펀레이스직물또는부직포및이를제조하는방법
JP6242061B2 (ja) スパンレース複合不織布
JP5019991B2 (ja) スパンレース複合不織布の製造方法
JPH03137257A (ja) 複数のメルトブローマイクロ繊維から作られた孔明き不織布
JP5329860B2 (ja) 複合シートおよびその製造方法
JP2007008145A (ja) 凹凸模様が付与されてなる不織構造体およびその製造方法
JP2006104629A (ja) 凹凸模様が付与されてなるスパンレース不織布およびその製造方法
US20010000585A1 (en) Durable, absorbent spunlaced fabric structures
JP5902257B2 (ja) 複合不織シートの製造方法
JP2016089291A (ja) 2層構造不織布
JP2002105826A (ja) 開孔不織布及びその製造方法
US20040255440A1 (en) Three-dimensionally imaged personal wipe
JP3102451B2 (ja) 三層構造不織布及びその製造方法
JP6404089B2 (ja) 2層構造不織布
JPH073606A (ja) 積層不織布およびその製造方法
JP4916978B2 (ja) 短繊維からなるスパンレース不織布の製造方法
JP3102450B2 (ja) 三層構造不織布及びその製造方法
JP3262430B2 (ja) 生分解性積層不織構造体の製造方法
JP5026340B2 (ja) インテリアシートおよびその製造方法
JP2015193955A (ja) 浮き出し模様を持つ三層構造不織布及びその製造方法
JP7497016B2 (ja) 複合不織布及びその製造方法並びに複合不織布製造装置
JPH03860A (ja) 複合不織布およびその製造方法
JPH07125128A (ja) 生分解性積層不織構造体
JP6462344B2 (ja) 凹凸柄模様を持つ吸水性に優れた不織布の製造方法
JP3213460B2 (ja) 生分解性積層不織構造体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110708

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5329860

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150