図1は、本発明に係る画像形成装置の要部を説明するための説明図である。図1に示すように、画像形成装置10は、感光体ドラム11と、帯電器12と、露光装置13と、現像装置20と、トナーコンテナ30と、中間転写ベルト14と、転写ローラ15と、クリーニングブレード16と、除電器17とを備えて構成されている。
前記装置本体11は、その周面に静電潜像およびトナー像を形成させるものであり、図1においてドラム心回りに時計方向に向けて回転可能に画像形成装置10の図略の装置本体内に配設されている。
前記帯電器12は、例えばコロナ放電によってその周面に一様な帯電処理を施すものである。かかる帯電器12は、前記感光体ドラム11の直上位置に設けられ、ドラム心回りに回転している感光体ドラム11の周面に向けて照射されるコロナ放電によって当該周面が帯電されて行く。なお、コロナ放電に代えて高圧電圧が印加された帯電ローラを感光体ドラム11の周面に当接させることにより当該感光体ドラム11の周面に帯電処理を施すようにしてもよい。
前記露光装置13は、露光装置13により帯電処理が施された感光体ドラム11の周面に、読み取ったり、あるいはコンピュータ等の外部機器から伝送されたりした画像情報に基づくレーザー光を照射し、これによって当該感光体ドラム11の周面に静電潜像を形成させるためのものである。
前記現像装置20は、ドラム心回りに回転している感光体ドラム11の周面にトナーを供給して静電潜像に沿ったトナー像(可視像)を形成させるためのものであり、前記露光装置13の下方で、かつ、感光体ドラム11の直右方位置に配設されている。本実施形態では、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤が用いられる。
かかる現像装置20は、前記感光体ドラム11のドラム心の延びる方向(図1の紙面に直交する方向)に長尺のケーシング21と、このケーシング21の図1における右側位置に並設された前記ドラム心方向に延びるトナー攪拌用の2本の攪拌スクリュー22と、左側の攪拌スクリュー22のさらに左方位置に攪拌スクリュー22と平行に配設された現像ローラ23とを備えている。現像ローラ23は、ローラ心回りに反時計方向に向けて回転可能に設けられ、その周面が感光体ドラム11の周面と対向配置されている。
一方、ケーシング21の左面開口の上縁部には、現像ローラ23の周面に積層されたトナーの厚さを所定の値に規制するブレード24が設けられている。
また、ケーシング21の天板には、トナーコンテナ30からのトナーを受け入れるためのトナー受入口25と、このトナー受入口25を開閉するためのシャッタ部材26とが設けられている。前記シャッタ部材26は、トナー受入口25を開閉するべくスライドするシャッタ板261と、このシャッタ板261に開閉動作を行わせるソレノイド装置262とを備えている。
そして、トナーコンテナ30内のトナーを現像装置20へ補給するときは、ソレノイド装置262への通電によって当該ソレノイド装置262が励磁されてシャッタ板261が開放される。一方、一旦開放されたシャッタ板261が閉止されるときは、ソレノイド装置262への通電が遮断され、これによる図略の付勢部材の付勢力でシャッタ板261が閉止される。
トナーコンテナ30は、現像装置20にトナーを補給するためのものであり、現像装置20に対して着脱可能に装着される。トナーコンテナ30が空になると、新旧交換される。本実施形態では、トナーコンテナ30にはトナー残量センサが備えられていない。このトナーコンテナ30については、後に図2を基に詳細に説明する。
現像装置20のケーシング21の側板内部には、現像装置20内部のトナーの濃度を検出するトナー濃度センサ(残量センサ)40が配置されている。トナー濃度センサ40は、現像装置20に貯留されている現像剤の透磁率を測定することで、トナーとキャリアとの混合比に基づきトナー濃度を検出する。トナー濃度センサ40が、現像装置20内のトナー濃度が所定値以下になったことを検出すると、トナーコンテナ30からトナーが現像装置20へ補給させる補給動作が行われる。もし、補給動作が形式的には行われたにも拘わらず、トナー濃度センサ40がトナー濃度の上昇を検知しない場合は、トナーコンテナ30内にトナーが貯留されていないと判定することができる。
なお、トナー濃度センサ40は、現像装置20のトナー受入部に設けられたシャッタ部材(図略)の開閉制御の要素としても使用される。このように、センサ用途を兼用させることで、装置コストを低く抑えることができる。
本実施形態では、トナーコンテナ30内にはトナー残量センサを設けず、現像装置のトナー濃度センサ40を用いてトナーコンテナ30内のトナー残量を推定する構成である。トナーコンテナ30は、トナーが空になると新品と交換される、いわゆる使い捨ての容器であるため、かかる容器に高価なセンサを設けると、トナーコンテナ30のコストが嵩み、経済的に不利になる。このような不都合は、本実施形態では解消される。
トナー濃度センサ40の検出力が低下するのを防止するために、検出面をクリーニングする清拭部材221が、図2における右側の攪拌スクリュー22に設けられている。この清拭部材221は、攪拌スクリュー22が1回転する都度、トナー濃度センサ40の検出面を清拭する。従って、トナー濃度センサ40の検出力の低下が防止される。
前記クリーニングブレード16は、感光体ドラム11の周面に残留している残留トナーを取り除くものであり、ゴムなどの柔軟性材料によって形成され、その先端縁部が感光体ドラム11の周面に当接されている。従って、感光体ドラム11がドラム心回りに回転すると、その周面に残留している残留トナーは、このクリーニングブレード16の先端縁部によって掻き取られることになる。
前記除電器17は、感光体ドラム11の周面の残留電荷を取り除くためのものであり、クリーニングブレード16と前記帯電器12との間に介設されている。かかる除電器17は、複数のLED光源が感光体ドラム11のドラム心方向に向けて並設されて構成されている。かかる複数のLED光源からの光が感光体ドラム11の周面に照射されることにより、当該周面に残留していた電荷が除去される。
そして、このような1組の感光体ドラム11,帯電器12、露光装置13、現像装置20、トナーコンテナ30、クリーニングブレード16および除電器17によって1つの画像形成部が形成される。
このような画像形成部は、本実施形態においては、4組が並設されている。図1には4組の内の最も左側のもののみが示されている。かかる4組の画像形成部の内の図略の最も右側のものは、マゼンタ色のトナーが使用されるマゼンタ用の画像形成部であり、その左隣にはシアン色のトナーが使用される図略のシアン用の画像形成部が配設され、さらにその左隣にはイエロー色のトナーが使用される図略のイエロー用のトナー搬送装置20が配設されている。そして、さらにその左隣には、図1に示されたブラック色のトナーが使用されるブラック用の画像形成部が配設されている。
前記中間転写ベルト14は、各感光体ドラム11の周面と当接され、これによって感光体ドラム11の回転と同期しながら周回することによって感光体ドラム11のトナー像が転写されるものである。かかる中間転写ベルト14は、4組の画像形成部の直下位置において、これら4組の画像形成部に亘るように周回可能に配設されている。
このような中間転写ベルト14は、最も左側のブラックトナー用の画像形成部のさらに左側に配設された駆動ローラ141と、最も右側のマゼンタ用の画像形成部のさらに右側に配設された図略の従動ローラとの間に掛け回されている。そして、かかる中間転写ベルト14は、図略の駆動モータの駆動による駆動ローラ141のローラ心回りの反時計方向へ向かう回転によって反時計方向に向けて周回される。
また、前記転写ローラ15は、各感光体ドラム11の直下位置において、周面が中間転写ベルト14を介して感光体ドラム11の周面とそれぞれ対向配置されている。かかる各転写ローラ15には感光体ドラム11の周面のトナー像と逆の電荷が帯電されている。従って、中間転写ベルト14が感光体ドラム11と転写ローラ15とで挟持された状態で周回すると、感光体ドラム11の周面に形成されているトナー像が転写ローラ15によって引き剥がされ、中間転写ベルト14の表面に転写されることになる。
そして、中間転写ベルト14が周回することによりその表面に対しマゼンタ用画像形成部の感光体ドラム11によるマゼンタトナーのトナー像の転写が行なわれ、ついで中間転写ベルト14の同一位置にシアン用画像形成部の感光体ドラム11によるシアントナーのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、ついで中間転写ベルト14の同一位置にイエロー用画像形成部の感光体ドラム11によるイエロートナーのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、最後に中間転写ベルト14の同一位置にブラック用画像形成部の感光体ドラム11によるブラックトナーのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、これによって中間転写ベルト14の表面にカラーのトナー像が形成される。
なお、前記駆動ローラ141の下方位置には、中間転写ベルト14の表面に形成されたトナー画像の画像濃度を検出するための画像濃度センサ142が設けられている。この画像濃度センサ142の検出結果は、画像形成処理の制御に利用される。
また、画像形成装置10には、装置本体内における各画像形成部の下方位置に複数枚の用紙を貯留する図略の用紙貯留部が設けられている。そして、画像形成処理が実行される都度、用紙貯留部に貯留されている用紙束から1枚ずつの用紙が繰り出されて前記図略の従動ローラに掛け回された中間転写ベルト14と、この中間転写ベルト14に対向配置された図略の第2転写ローラとの間のニップ部に供給される。用紙がこのニップ部を通過するときに、中間転写ベルト14の表面に形成されていたカラーのトナー画像が用紙に転写される。
カラーのトナー画像が転写された用紙は、引き続き図略の定着装置へ搬送され、当該定着装置において加熱による定着処理が施される。ついで、定着処理が完了した用紙は、画像形成装置10の装置本体の適所に設けられた排紙トレイへ排出される。
以下、図2を基に必要に応じて図1を参照しながらトナーコンテナ30について説明する。図2は、図1に示すトナーコンテナ30のII−II線視の断面略図である。トナーコンテナ30は、現像装置20に対し着脱可能に装着された状態でトナーを補給する。トナーコンテナ30は、図2に示すように、中間転写ベルト14の周回方向に直交する幅方向に長尺の箱形を呈した筐体31と、この筐体31に内装されたスクリューフィーダ(トナー搬送手段)32とを備えた基本構成を有している。
前記筐体31は、互いに対向した一対の短尺壁311と、これら各短尺壁311をそれぞれ挟んで対向配置された一対の長尺壁312と、これら一対の短尺壁311および長尺壁312によって囲繞された空間の底部の開口を覆って閉止する円弧底板(底壁、トナー搬送経路)313と、同上面の開口を覆って閉止する天板314とを備えている。
このような筐体31において、円弧底板313の図2における左方の短尺壁311近傍には、トナーを現像装置20へ補給するためのトナー補給口315が開口されている。
前記短尺壁311は、図1に示すように、五角形状に設定されている。かかる短尺壁311は、上部の矩形状を呈する矩形部311aと、この矩形部311aの下部に連設された逆三角形状を呈する逆三角形部311bとからなり、下方に向かって先細りの漏斗状に形成されている。前記円弧底板313によってトナーを順方向および逆方向のいずれかに搬送するためのトナー搬送経路が形成されている。
トナー補給口315は、円弧底板313の左端ではなく、その左端から僅かに中央に寄った位置に配置されている。これにより、円弧底板313(トナー搬送経路)はトナー補給口315を境にして長尺の部分(図2の右側)と短尺の部分(図2の左側)を有している。
円弧底板313上のトナーは、スクリューフィーダ32が順回転されることによって当該円弧底板313に沿い順方向(すなわち、トナー補給口315を境にしてトナーが長尺側のスクリューフィーダ32に対応した領域からトナー補給口315へ向かわされる方向(図2において円内数字「1」で示す白抜き矢印の矢視方向))に向けて搬送される。
これに対し、スクリューフィーダ32が逆回転された場合には、円弧底板313上のトナーは、円弧底板313に沿い逆方向(すなわち、トナー補給口315を境にして短尺側のスクリューフィーダ32に対応した領域(すなわちデッドスペース35)からトナーがトナー補給口315へ向かわされる方向(図2において円内数字「2」で示す白抜き矢印の矢視方向))に向けて搬送される。
また、前記長尺壁312は、短尺壁311の矩形部311aに対応して設けられた上下方向に延びる鉛直部312aと、この鉛直部312aの下縁部から前記短尺壁311の逆三角形部311bの縁部に対応し傾斜して設けられた傾斜部312bとからなり、これによって筐体31は、端面視で下部が先細りの漏斗状に形成されている。
前記円弧底板313は、一対の長尺壁312の各傾斜部312bの下縁部間に架設されて形成されている。かかる円弧底板313は、図1に示すように、端面視で上に凹の円弧状に形成されている。筐体31内のトナーは、長尺壁312の互いに対向した一対の傾斜部312bに誘導されて円弧状の円弧底板313へ向かわされる。
また、円弧底板313には、トナー補給口315を開閉可能に閉止するためのシャッタプレート316が設けられている。このシャッタプレート316は、トナーコンテナ30が現像装置20に装着されていない状態では図略の付勢部材の付勢力によってトナー補給口315を閉止している。これに対しトナーコンテナ30が現像装置20に装着されるときには、シャッタプレート316が現像装置20の一部と干渉し、これによって当該シャッタプレート316は、付勢部材の付勢力に抗してトナー補給口315を開放するようになされている。
前記スクリューフィーダ32は、筐体31内に貯留されたトナーをトナー補給口315へ向けて搬送するものである。かかるスクリューフィーダ32は、トナーコンテナ30内に形成されたトナー搬送経路である円弧底板313上に配設され、当該トナーコンテナ30内のトナーを、順回転されることで前記円弧底板313に沿った順方向に搬送するとともに、逆回転されることで前記円弧底板313に沿った逆方向に搬送するように螺設方向が設定されている。
このようなスクリューフィーダ32は、筐体31の円弧底板313に沿って一対の短尺壁311の逆三角形部311bの下端部間に架設されたフィーダ軸321と、このフィーダ軸321に同心で一体的に付設されたスパイラルフィン322とを備えている。
前記フィーダ軸321は、短尺壁311の逆三角形部311bの曲率中心と同心に設定されている。また、スパイラルフィン322は、螺旋の方向がスクリューフィーダ32の全長に亘って同一に設定されている。
このようなスクリューフィーダ32のフィーダ軸321の図2における短尺壁311を貫通して外側へ突出した部分には、同心で一体回転可能にギヤ33が取り付けられている。このギヤ33には、画像形成装置10の装置本体内の適所に据え付けられた駆動モータ(駆動源)34の駆動力が、所定のギヤ機構341を介し減速された状態で伝達される。
そして、駆動モータ34の順駆動によりスクリューフィーダ32がフィーダ軸321回りに順方向に向けて回転されると、筐体31内のトナーは、図2の円内数字「1」の白抜き矢印で示すように、左方へ向かって搬送される。これに対し、スクリューフィーダ32がフィーダ軸321回りに逆方向に向けて回転されると、筐体31内のトナーは、図2の円内数字「2」の白抜き矢印で示すように、右方へ向かって搬送される。
従って、筐体31内におけるトナー補給口315より右側にスクリューフィーダ32によって搬送され得る所定量以上のトナーが存在する場合には、スクリューフィーダ32が順方向に回転されると、トナー補給口315より右側のトナーは、トナー補給口315へ向けて搬送される。これに対し、筐体31内に前記所定量に満たない量のトナーしか存在しない場合には、スクリューフィーダ32が順方向に回転しても、当該トナーは、トナー補給口315へ向けて搬送されない。
ところで、筐体31内にスクリューフィーダ32を順方向に向けて回転させることにより左方へ向けて搬送し得る量のトナーが存在する場合、トナー補給口315より右側にあるトナーは、スクリューフィーダ32の順回転によってトナー補給口315へ向けて搬送され、一部は当該トナー補給口315を通って現像装置20へ補給されるが、残部は、トナー補給口315の左側の下方隅部に形成されたデッドスペース35に向けて次々と送り込まれ、このデッドスペース35に押圧されながら堆積されて堆積トナーDになる。
従って、スクリューフィーダ32の順方向回転によるトナー補給が不可となった後に、スクリューフィーダ32を逆回転させれば、上記の堆積トナーDを利用して、ある程度の期間(枚数)の画像形成を行わせることができる。すなわち、スクリューフィーダ32の順回転によって筐体31内のトナーをトナー補給口315へ向けて搬送し得なくなったときをニアエンドの状態と扱い、その後はスクリューフィーダ32を逆回転させることによって、トナー補給口315の左側のデッドスペース35に堆積している堆積トナーDを、図2の円内数字「2」の白抜き矢印で示すように右方へ向かって搬送し、トナー補給口315から現像装置20へ補給させる。
本実施形態においては、トナー濃度センサ40の検出結果を基にスクリューフィーダ32の回転方向を制御して堆積トナーDを有効に利用するべく制御する制御部(制御手段)50が設けられている。以下、図3を基に制御部50について説明する。図3は、制御部50による制御を説明するためのブロック図である。
図3に示すように、制御部50は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)51と、このCPU51に付設された読み出し専用のROM(Read Only Memory)52と、同読み書き自在のRAM(Random Access Memory)53とを備える。
ROM52には、本制御を実行するためのプログラムや不変定数等が記憶されており、画像形成装置10に電源が入れられる都度、当該プログラムがCPU51に読み込まれ、以後このプログラムに基づきスクリューフィーダ32の回転方向の制御が実行される。これに対し、RAM53は、制御動作において、一時的に用いられる各種のデータを一時的に書き込んだり読み出したりする領域として使用されるものである。なお、RAM53は、タイマ531を有している。このタイマ531は、後述のフィーダ回転方向判別部511の判別結果に基づき経過時間を計測する。
前記CPU51は、トナー濃度センサ40の検出結果に基づきスクリューフィーダ32の回転方向を判別するフィーダ回転方向判別部511と、このフィーダ回転方向判別部511の判別結果に基づき前記シャッタ部材26、駆動モータ34および画像形成装置10の装置本体の適所に設けられた報知部54(図3)に向けて制御信号を出力する制御信号出力部512とを備えている。
前記トナー濃度センサ40は、その周囲に存在する現像剤の透磁率を測定してその測定結果に基づきトナーの濃度(トナーとキャリアとの混合比)を検出するものである。そして、かかるトナー濃度センサ40によって検出されたトナーの濃度を示す検出信号は逐一フィーダ回転方向判別部511へ入力される。
フィーダ回転方向判別部511は、この入力された検出信号に基づきスクリューフィーダ32の駆動回転の方向を判別するとともに、この判別結果に基づき制御信号出力部512へ向けて当該制御信号出力部512がどのような制御信号を出力するべきかの指令信号を出力する。
そして、入力されたトナーの濃度が予め設定された所定の下限濃度(この下限濃度はROM52に記憶されている)以下になった場合、すなわち現像装置20内に充分な量のトナーが存在しなくなった場合には、制御信号出力部512は、駆動モータ34に向けて順駆動を行わせるための制御信号を出力する。これによってスクリューフィーダ32が順回転するため、トナーコンテナ30内に充分な量のトナーが存在する場合には、当該トナーコンテナ30内のトナーが現像装置20へ補給されることになる。トナー濃度が上限濃度を超えたときは、制御信号出力部512は、駆動モータ34へ向けて駆動停止の制御信号を出力するため、スクリューフィーダ32は停止され、現像装置20へのこれ以上のトナーの補給は行われない。
すなわち、トナーコンテナ30内に充分な量のトナーが貯留されている場合には、現像装置20内のトナーの高さレベルが、第1下限濃度に対応した高さレベルと、上限濃度に対応した高さレベルとの間に位置するように補給制御される。なお、本実施形態においては、トナーコンテナ30から現像装置20へトナーの補給が行われるとき、当該トナーの補給が完了するまで画像形成処理は一時中断される。
これに対し、トナーコンテナ30内のトナー量がスクリューフィーダ32の順回転ではトナー補給口315へ向けて搬送することができない程度にまで低下してしまったとき、すなわちトナーコンテナ30内のトナー量がニアエンド状態になっているときには、フィーダ回転方向判別部511は、トナー濃度センサ40からの検出信号に基づきそのことを判別し、制御信号出力部512に駆動モータ34に逆駆動を行わせる制御信号を出力させ、スクリューフィーダ32にその逆回転によってデッドスペース35に堆積されている堆積トナーDをトナー補給口315へ向けて搬送させる制御をする。
かかる制御を行うために、トナー濃度センサ40がトナー濃度の第1下限濃度を検出したとき、前記タイマ531を始動させると共にスクリューフィーダ32を順回転させ、予め設定された時間(例えば数分〜10数分程度、この時間はROM52に記憶されている)が経過したとき検出されたトナーの濃度が第1下限濃度よりも低位の第2下限濃度以下になっているか否かがフィーダ回転方向判別部511により判別される。
すなわち、フィーダ回転方向判別部511は、トナー濃度センサ40によるトナー濃度の検出値が予め設定された第1下限濃度以下になり、この状態が予め設定された時間の経過によってさらに下位の第2下限濃度以下になっていた場合、或いは第1下限濃度から実質的に濃度が上昇していない場合には、トナーコンテナ30内がニアエンド状態になっていると判別する。
第1下限濃度を超過した場合には、トナーコンテナ30からトナーが補給されたことを示しているため、フィーダ回転方向判別部511は、トナーコンテナ30内がニアエンド状態にはなっていないと判別する。
そして、フィーダ回転方向判別部511がトナーコンテナ30のニアエンド状態を判別すると、当該フィーダ回転方向判別部511は、そのことを指令信号として制御信号出力部512へ伝達する。
この指令信号が入力された制御信号出力部512は、まず、画像形成装置10の装置本体の適所に設けられた報知部(報知手段)54にそのことを報知させるための制御信号を出力する。報知部としては、装置本体の適所に設けられた操作パネル上のLCDを挙げることができる。この場合、LCDに例えば「トナーコンテナ内のトナーがニアエンド状態になりましたので、デッドスペースのトナーを搬送して補給します。」というような文字出力が行なわれる。また、かかる文字出力に代えて同一の内容を音声出力させるようにしてもよい。
これと同時に、制御信号出力部512は、今まで順駆動していた駆動モータ34に向けて逆駆動を行わせるための制御信号を出力する。これによる駆動モータ34の逆駆動でスクリューフィーダ32は、ギヤ機構341およびギヤ33を介して逆回転するため、筐体31内のデッドスペース35に堆積されていた堆積トナーDは、図2の円内数字「2」の白抜き矢印で示すように、逆方向に向けて搬送され、トナー補給口315およびトナー受入口25を介して現像装置20へ補給される。
そして、堆積トナーDを使い尽くし、トナーコンテナ30内が完全空状態になると、制御信号出力部512は、フィーダ回転方向判別部511からの指令信号に基づき、まず、駆動モータ34に向けて駆動停止信号を出力し、これによる駆動モータ34への電力供給停止によって駆動モータ34は停止する。
これと同時に制御信号出力部512は、シャッタ部材26のソレノイド装置262への通電が遮断される。これによってシャッタ板261は、付勢部材の付勢力によりトナー受入口25を閉止する。
また、これらと同時に制御信号出力部512は、報知部54に向けてトナーコンテナ30の交換を促すメッセージを表示させるための制御信号を出力する。この制御信号を受信した報知部54は、例えば、「トナーコンテナを新品と交換してください。」というようなメッセージを文字出力する。
以下、図4および図5を基に、制御部50による制御につき説明する。図4および図5は、制御部50によるスクリューフィーダ32の回転制御を説明するためのフローチャートであり、図4は、前半部分、図5は、後半部分である。このフローチャートでは、画像形成装置10の電源が入れられ、画像形成処理が実行可能になった状態以降を示している。
まず、ステップS1では、トナー濃度センサ40によって検出された現像装置20内のトナーの濃度が予め設定された第1下限濃度以下であるか否かがフィーダ回転方向判別部511によって判別される。この判別の結果、トナー濃度センサ40による検出トナー濃度が第1下限濃度を超えているとき(ステップS1でNO)には、所定のサンプリング周期に、再度ステップS1が実行するルーチンが繰り返される。
そして、現像装置20でのトナーの消費によりトナー濃度センサ40による検出トナー濃度が第1下限濃度以下になったとき(ステップS1でYES)は、制御信号出力部512からの制御信号により駆動モータ34が順駆動され、これによってスクリューフィーダ32が順方向に向けて回転(すなわち順回転)し(ステップS2)、トナーコンテナ30内のトナーが現像装置20へ補給される。
ついで、ステップS3で検出トナー濃度が上限濃度未満であるか否かが判別され、上限濃度を超えている場合(ステップS3でNO)、駆動モータ34が停止される(ステップS4)。これに対し、検出トナー濃度が上限濃度未満のとき(ステップS3でYES)には、駆動モータ34の駆動が継続される(ステップS5)。これによって現像装置20内へは引き続きトナーコンテナ30からのトナーが補給される。
そして、トナーが補給されつつある状態で所定時間が経過する(ステップS6)と、今度は、ステップS7において、検出トナー濃度が第1下限濃度より低位の第2下限濃度以下であるか否かが判別され、第2下限濃度を超えている場合(ステップS7でNO)には、トナーコンテナ30内に未だ補給可能なトナーが存在すると判断されてステップS1に戻される。なお、このステップS7では、第1下限濃度と検出トナー濃度とを比較するようにしても良い。
これに対し、ステップS7において検出トナー濃度が第2下限濃度(又は第1下限濃度)以下の場合(ステップS7でYES)には、スクリューフィーダ32を順回転させた状態では、もはやトナーコンテナ30内に現像装置20へ補給するべきトナーが存在しないと判断され、駆動モータ34が停止される(ステップS8)。
引き続き、制御信号出力部512からの制御信号により報知部54は、トナーコンテナ30が、デッドスペース35に堆積している堆積トナーDを除いてトナーが存在しないニアエンド状態であることを報知する(ステップS9)。この報知によってユーザは、トナーコンテナ30内に補給するべきトナーが少量しか存在しないことを知ることができる。
ついで、駆動モータ34は、制御信号出力部512からの制御信号により逆駆動される(ステップS10)。これによるスクリューフィーダ32の逆方向へ向かう回転(逆回転)により、トナーコンテナ30のデッドスペース35内に堆積されていた堆積トナーDは、図2に白抜き矢印「2」に示すように、右方へ向けて搬送され、トナー補給口315を介して現像装置20へ補給される。
ついで、所定の時間が経過(ステップS11)した後、ステップS12において、検出トナー濃度が第2下限濃度以下になっているか否かがフィーダ回転方向判別部511によって判別され、第2下限濃度を超えている場合(ステップS12でNO)には、駆動モータ34の逆駆動が継続されたままでステップS11へ戻される。
そして、検出トナー濃度が第2下限濃度以下になったとき(ステップS12でYES)には、トナーコンテナ30内には、もはや現像装置20へ補給するべきトナーが存在しないと判断され、報知部54がトナーコンテナ30の交換を促すメッセージを報知する。ユーザは、この報知によってトナーコンテナ30の交換の時期が到来したことを知ることができる。
また、この報知と同時に駆動モータ34が停止され(ステップS14)、現像装置20のシャッタ部材26のシャッタ板261によってトナー受入口25が閉止される。その後ユーザは、トナーコンテナ30を新旧交換することになる。
以上詳述したように、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、トナーコンテナ30のトナー補給口315をトナー搬送経路の終端ではなく、終端から僅かに上流側に配置して堆積トナーDが形成されるようにしている。そして、ニアエンド状態が到来したときにスクリューフィーダ32を逆回転させることで、堆積トナーDをトナー補給口315へ向かわせるようにし、ある程度の期間はトナー補給を継続させることが可能としている。従って、ニアエンド後もある程度の枚数の用紙にプリント動作を行わせることができ、トナーコンテナ30の交換に余裕を持たせることができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、トナーコンテナ30が着脱可能に装着される画像形成装置10として、感光体ドラム11の他に中間転写ベルト14が像担持体として採用されているカラー印刷用のものを例に挙げて説明したが、かかるカラー印刷用のものであることに限定されるものではなく、中間転写ベルト14が採用されないカラー印刷用のものであってもよいし、モノクロ印刷用のものであってもよい。
(2)上記の実施形態では、現像剤としてトナーとキャリアとを含む二成分現像剤が用いられる例を示した。これに代えて、トナーのみで形成されている1成分系現像剤を用いることもできる。
(3)上記の実施形態においては、スクリューフィーダ32の逆回転が開始されるまでの間、トナーコンテナ30内のトナー濃度に応じてスクリューフィーダ32の回転方向を制御するべく、判別の基準値として第1下限濃度および第2下限濃度の2段階を設定しているが、1段階のみの下限濃度に基づきでスクリューフィーダ32の回転方向の制御を行ってもよい。