JP5315685B2 - 制電性アクリル系樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、制電性アクリル系樹脂組成物に関する。より詳しくは、電子、光学部品の包装材に用いる透明性に優れた制電性アクリル系樹脂組成物に関する。
ICチップに代表される電子部品や光学部品の包装材については、静電気対策が求められている。特許文献1(特開2003−261774号公報)には、イオン化合物としてのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを含む制電性樹脂組成物が、高い静電気消散機能を有し、持続性、成形加工性に優れた、着色しない制電性樹脂組成物として開示されている。しかし、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが高価な材料であるため、成形品全体を当該制電性樹脂組成物で作製した場合にはコスト高を招き、高付加価値の特殊用途にしか使用できない。
そこで、特許文献2(特開2003−41194号公報)には、成形品の表面に、制電性樹脂組成物の塗膜を形成する経済性に優れた制電性塗料が開示されている。
一方で、包装材自体の形態が、従来のコンテナ等の容器から、キャリアテープや光学部品用途の保護フィルムに代表されるように、テープ化やフィルム化が進んでいる。
特に、保護フィルムは、液晶ディスプレイの普及に伴って伸長著しく、使用例としては、液晶ディスプレイに用いられる偏光板やそれに準ずる積層体等の光学部品等に、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン等からなる透明なフィルムが粘着層を介して積層されて使用される。
保護フィルムは、液晶ディスプレイ等に組み込みが完了した後に光学部品等から剥離除去されるが、剥離する際に生じる静電気により液晶や電子回路が破壊されるトラブルの発生が問題となっている。保護フィルム表面に制電性樹脂を塗工するだけでは、剥離時に発生する静電気の抑制には十分な効果が得られていない。
そこで、保護フィルムの粘着層を形成するための、粘着性を有する制電性樹脂組成物が求められ、特許文献3(特開2005−206776号公報)には、過塩素酸リチウムとアルキレンオキサイド鎖を有するモノマーを含むアクリル樹脂系粘着剤が開示されている。しかし、剥離性を付与する為に、架橋剤でアクリル樹脂を硬化することで、アルキレンオキサイド鎖の分子運動が阻害され、イオン電導性が低下する。その結果、近年の液晶テレビの大画面化に伴い、保護フィルム自体も大面積化し、かつ、剥離速度も速くなる為に、剥離時に生じる静電気を防止する効果が十分得られていない。
特開2003−261774号公報 特開2003−41194号公報 特開2005−206776号公報
本発明は、塗料、粘着剤等に使用可能な制電性アクリル系樹脂組成物であって、架橋剤で架橋した後にもイオン電導性が低下せず、特に、液晶ディスプレイの製造に用いられる偏光板等の光学部材の表面保護フィルム用の粘着層として好適な、透明な、剥離時の静電気の発生が少ない制電性アクリル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、水酸基及びアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系樹脂(A)、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)及びイオン化合物(C)を含有する制電性アクリル系樹脂組成物であって、
前記アクリル系樹脂(A)が、一級の水酸基を有し、アルキル鎖の炭素数が3〜20であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを必須の構成成分とするものであり、
前記イオン化合物(C)が、下記式にて示される化合物(C1−1)〜(C1−15)から選ばれる少なくとも一種の有機カチオン−アニオン塩であることを特徴とする制電性アクリル系樹脂組成物に関する。

また、本発明は、水酸基及びアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系樹脂(A)100重量部に対して、イオン化合物(C)を0.01〜10重量部含むことを特徴とする上記いずれかの発明の制電性アクリル系樹脂組成物に関する。
また、本発明は、水酸基及びアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系樹脂(A)のアルキレンオキサイド鎖の付加モル数が、4〜16であることを特徴とする上記いずれかの発明の制電性アクリル系樹脂組成物に関する。
また、本発明は、水酸基及びアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系樹脂(A)のアルキレンオキサイド鎖がエチレンオキサイド鎖であることを特徴とする上記いずれかの発明の制電性アクリル系樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)が、3官能イソシアネート化合物であることを特徴とする上記いずれかの発明の制電性アクリル系樹脂組成物に関する。
さらにまた、本発明は、プラスチックフィルム基材の少なくとも片面に上記いずれかの発明の制電性アクリル系樹脂組成物から形成される粘着層が積層されてなることを特徴とする光学部材用保護フィルムに関する。
本発明により、塗料、粘着剤等に使用可能な制電性アクリル系樹脂組成物であって、架橋剤で架橋した後にもイオン電導性が低下せず、特に、液晶ディスプレイの偏光板等の光学部材の表面保護フィルム用の粘着層として好適な、剥離時の静電気の発生が少ない制電性アクリル系樹脂組成物が得られるようになった。
本発明に用いられる、水酸基及びアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系樹脂(A)は、水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)と、アルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系モノマー(a2)と必要に応じてこれらと共重合可能な他のアクリル系モノマー(a3)から合成することができる。
本発明に水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)を使用する目的は、被着体に対する粘着力を確保しつつ剥離性を確保するためである。さらに詳しく説明すると、粘着層を形成する際に使用する後述の水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)と、水酸基及びアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系樹脂(A)〔以下、単に「アクリル系樹脂(A)」と表記することもある〕中の水酸基との反応を利用して架橋構造を形成するが、アクリル系共重合体(A)の分子量を含めて制御することにより、粘着性と剥離性とのバランスをとることができる。よって、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーの合計を100重量%とした場合、水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)は0.5〜30重量%であることが好ましい。さらに好ましくは、1〜10重量%である。
水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)が0.5重量%未満の場合、粘着層としての凝集力が不足し、剥離性が低下して好ましくない。30重量%を超えると、架橋度が高くなりすぎて粘着性、制電性が乏しくなるので好ましくない。
本発明に用いられる、水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)は、一級の水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを必須の構成成分とするものであって、アルキル鎖の炭素数が3〜20であることが重要であり、4〜12であることが好ましい。
一級の水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのアルキル鎖の炭素数が2以下では、硬化剤として使用する、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)で架橋後にアルキレンオキサイド鎖の分子運動を阻害してしまうために、イオン化合物(C)による制電性も低下してしまい好ましくない。一方、20より多い場合は、硬化剤を増やしても粘着層としての凝集力が不足し、剥離性が低下して好ましくない。
一級の水酸基を有し、アルキル鎖の炭素数が3〜20であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとして、具体的には、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルや(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸18−ヒドロキシステアリル等が挙げられる。
上記化合物のうち、本発明では4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルや(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルが好ましい。
また、水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)として、本発明の効果を阻害しない範囲で、二級もしくは三級の水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類や、アルキル鎖の炭素数が2以下もしくは20を超えるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を併用してもよい。
本発明に用いられる、アルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系モノマー(a2)〔以下、単に「アクリル系モノマー(a2)」と表記することもある〕としては、エチレンオキサイド鎖を有するモノマー、プロピレンオキサイド鎖を有するモノマー、およびその両者を有するモノマーが挙げられる。
アルキレンオキサイド鎖の付加モル数、即ちアルキレンオキサイドの繰り返し単位の数としては、4〜16が好ましく、6〜12がより好ましい。アルキレンオキサイド鎖の付加モル数が16より大きくなると、重合の結果得られる共重合体の結晶性が高くなり、粘着性が著しく低下してしまい好ましくない。一方、アルキレンオキサイド鎖の付加モル数が4より小さくなると、制電性を得るのが困難になり好ましくない。
エチレンオキサイド鎖を有するアクリル系モノマー(a2)としては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートやポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
プロピレンオキサイド鎖を有するモノマーとしては、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートやポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明では、後述のイオン化合物(C)との相溶性を考慮して、エチレンオキサイド鎖を有するモノマーが好ましい。また、イソシアネート系架橋剤と、主剤中の、モノマー(a1)に由来する水酸基との反応性を阻害しないという点から、アルキレンオキサイド鎖の末端の水酸基がアルキル基で封鎖されたアルコキシ基であることが好ましい。本発明で用いられるアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系モノマー(a2)としては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが特に好ましい。
なお、本発明においては、末端が水酸基であるアルキレンオキサイド鎖を有するモノマーは、アクリル系モノマー(a2)に分類するものとする。
本発明にアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系モノマー(a2)を使用する目的は、イオン化合物(C)とアルキレンオキサイド鎖とで錯体を形成させ、導電性を発現させるためである。よって、アルキレンオキサイド鎖の役割は非常に大きく、単に錯体形成の場を与えるだけでなく、イオン化合物(C)の移動媒体としての働きも同時に担っている。言い換えると、本発明における制電性は、イオン化合物(C)の量とアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系モノマー(a2)の含有量に依存する。
よって、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーの合計を100重量%とした場合、アルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系モノマー(a2)は、0.1〜40重量%が好ましく、1〜30重量%であることがさらに好ましい。
アルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系モノマー(a2)が0.1重量%未満の場合、制電性を得るのが困難になり、一方、40重量%を超える場合、アクリル系モノマー(a2)中に不純物として含まれている2官能モノマーの影響により、重合時にゲル化しやすくなるために好ましくない。
本発明に用いられる、上記の水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)及びアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系モノマー(a2)と共重合可能なモノマー(a3)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。本発明においては、粘着性を確保するという点で、アルキル鎖の炭素数が4〜24のアルキル(メタ)アクリレートを共重合に供することが好ましい。さらに好ましくは、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
これらのモノマー(a3)は、制電性アクリル系樹脂組成物としての望ましい物性を得る目的のため、適宜選択して単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。特に、粘着力を付与する為に、得られるアクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(以下、「Tg」ともいう)が0℃以下となるようにモノマー(a3)の種類を選択することが好ましい。
上述の水酸基を有するアクリル系モノマー(a1)、アルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系モノマー(a2)及びその他のモノマー(a3)等を共重合してなるアクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は20万〜100万であることが好ましく、30万〜70万であることがより好ましい。
20万未満では、必要な剥離性が得られにくく、100万を超えると、合成時の粘度が高くなり過ぎ、生産性が低下しやすいため好ましくない。
ところで、光学部材の中には非常に薄く、壊れやすいものがある一方、比較的丈夫なものもあり、保護フィルムをどのような被着体に貼着するかによって、保護フィルムの粘着層に要求される剥離力の大きさは異なる。
即ち、壊れやすい光学部材を被着体とする場合には、貼着後保護フィルムを剥離する際に被着体を損傷しないようにするために、剥離力は200g/25mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは100g/25mm以下である。
一方、比較的強靭な光学部材を被着体とする場合には、剥離力は1000g/25mm程度まで許容され得る。
尚、剥離時に制電性アクリル系樹脂組成物が被着体に残らないことは被着体がどのようなものであっても常に要求される。
制電性アクリル系樹脂組成物を用いてなる保護フィルムの剥離力は、主成分であるアクリル樹脂自体の有する凝集力及び、該主成分と、後述する硬化剤として機能する、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)との架橋の状況によって大きく影響を受ける。
一般に主成分に対して硬化剤を多量に用いることによって、剥離力を低下することができる。
また、一般に主成分の分子量を大きくすることによって、主成分自体の凝集力を大きくすることができる。本発明おいて、剥離時に200g/25mm以下の低剥離力が要求される場合には、主成分、即ちアクリル系樹脂(A)100重量部に対して硬化剤を1〜30重量部の量で用いることが好ましく、2〜20重量部の量で用いることがより好ましく、3〜15重量部の量で用いることがさらに好ましい。
尚、低剥離力発現の観点からは硬化剤は多い方が好ましい。しかし、多すぎると架橋が過度になり、制電性が低下するので、好ましくない。
次に、イオン化合物(C)について説明する。
本発明に用いるイオン化合物(C)は、下記式にて示される化合物(C1−1)〜(C1−15)から選ばれる少なくとも一種の有機カチオン−アニオン塩である。


また、イオン化合物(C)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましい。さらに好ましくは0.05〜5重量部である。0.01重量部未満では十分なイオン導電性が得られず、10重量部よりも多くイオン化合物(C)を含有しても導電性向上の効果がほとんど期待できなくなり、さらに粘着性が低下し好ましくない。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物においては、凝集力及び架橋度を上げるために、硬化剤として、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)〔以下、単に「化合物(B)」と表記することもある〕を使用することが重要である。
本発明に用いる化合物(B)としては、アクリル系樹脂(A)中に含まれる水酸基と反応し得る官能基を好ましくは1分子中に2個以上有するものが好ましい。例えば、公知の3官能イソシアネート化合物、公知の多官能エポキシ化合物を好適に使用することができる。これらは併用することもできる。
公知の3官能イソシアネート化合物としては、公知のジイソシアネート化合物を3官能ポリオール成分で変性したいわゆるアダクト体、ジイソシアネート化合物が水と反応したビュレット体、ジイソシアネート化合物3分子から形成されるイソシアヌレート環を有する3量体(イソシアヌレート体)を使用することができる。
公知のジイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ジイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
本発明に用いられる3官能イソシアネート化合物を形成するジイソシアネート化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(「イソホロンジイソシアネート」とも言う)を使用することが好ましい。
上述の化合物(B)については、単独で、もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。柔軟性を重視する用途で使用する場合は、3官能イソシアネート化合物を使用することが好ましい。
ところで、光学部材の中には表面に特殊なコーティングをしたものもあり、面が平滑でなく、凹凸のあるものも多い。このような部材に保護フィルムを張り合わせる場合であっても、粘着層は、空気を巻き込むことなく、吸い付くように滑らかに凹凸に追従する必要がある。3官能イソシアネート化合物の中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートの3官能イソシアネート化合物は上記の追従性に優れている。このため、ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体を使用することがより好ましく、単独で、もしくは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記したように200g/25mm以下、好ましくは100g/25mm以下の低剥離力が求められる場合には、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して化合物(B)を1〜30重量部用いることが好ましく、2〜20重量部用いることがより好ましく、3〜15重量部用いることがさらに好ましい。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物には、アルキレンオキサイド鎖を有する化合物を配合することもできる。アルキレンオキサイド鎖を有する化合物としては、例えば、分子内にエチレンオキサイド鎖及び/またはプロピレンオキサイド鎖を有する化合物を使用することができる。特に、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンンブロック構造部を持つことが好ましく、化合物(B)中に占めるエチレンオキサイド鎖の含有率は10〜80重量%であることが好ましく、20〜50重量%であることがより好ましい。
また、化合物(B)の重量平均分子量は1000〜10000であることが好ましく、1000〜5000であることがより好ましい。
アルキレンオキサイド鎖を有する化合物(B)としては、具体的には例えば、商品名エパン420、450、720、750(第一工業製薬社製)等が使用できる。
なお、アルキレンオキサイド鎖を有する化合物におけるエチレンオキサイド鎖の含有率が10重量%未満では、十分なイオン電導性が得られにくく、80重量%よりも大きくなったり、重量平均分子量が10000を越えると、結晶性が高くなるためにイオン電導性が低下して好ましくない。
また、重量平均分子量が1000未満では、粘着層の表面にブリードしやすく、被着体表面を汚染しやすいため、好ましくない。
アルキレンオキサイド鎖を有する化合物は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対し、1〜40重量部、好ましくは5〜30重量部を配合する。アルキレンオキサイド鎖を有する化合物の配合量が1重量部未満の場合、十分な制電性が得られにくいことがあり、一方、40重量部を越える場合、粘着性が著しく低下してしまい好ましくない。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物には、さらに必要に応じて、他の樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂を併用することもできる。また、用途に応じて、粘着付与剤、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン等の充填剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、光安定剤、酸化防止剤等の添加剤を配合しても良い。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物を用いて形成される粘着層と、プラスチックフィルム、紙、布、発泡体等の基材とが積層された粘着シートを得ることができ、粘着層の表面を剥離シートで被覆しておくことができる。
粘着シートは、各種基材に制電性アクリル系樹脂組成物を塗布したり含浸したりし、これを乾燥・硬化することによって得ることができる。あるいは、剥離シート上に制電性アクリル系樹脂組成物を塗布し、これを乾燥し、形成されつつある粘着層表面に各種基材を積層し、アクリル系樹脂(A)中の水酸基と化合物(B)中のイソシアネート基、あるいはアクリル系樹脂(A)中のカルボキシル基と化合物(B)中のエポキシ基との反応を進行させることによっても得ることができる。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物は、基材として好ましくは透明なプラスチックフィルムに適用することによって、光学部材用の表面保護粘着フィルムを好適に得ることができる。
プラスチックフィルムとしては、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリウレタンフィルム、ナイロンフィルム、処理ポリオレフィンフィルム、未処理ポリオレフィンフィルム等が挙げられる。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物は、乾燥・硬化した際に2〜200μm程度の厚みになるように基材等に塗布することが好ましい。2μm未満であるとイオン導電性が乏しくなり、200μmを越えると粘着シートの製造、取り扱いが難しくなる。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物を用い、その用途、要求性能等を考慮した上で、種々の態様の制電粘着フィルムを得ることができる。
例えば、偏光板の保護フィルム用の制電粘着フィルムについて、図面に基づいて説明する。
図1は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム基材1とその一方の表面上に担持された粘着層2とからなる本発明による制電粘着フィルムを、粘着層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。
図2は、PETフィルム基材1の両面に粘着層2を設けてなる本発明による制電粘着フィルムを、一方の粘着層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。
図3は、PETフィルム基材1の一方の表面に制電コーティング剤層4を設け、さらにその上に粘着層2を担持させてなる本発明による制電粘着フィルムを、前記粘着層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。
図4は、PETフィルム基材1の一方の表面に粘着層2を設け、その反対側表面に制電コーティング剤層4を設けてなる本発明による制電粘着フィルムを、前記粘着層2によって偏光板3に貼付した状態を示す模式的断面図である。
光学部材、電子部材の表面保護用のフィルムに本発明の樹脂組成物を用いる場合、剥離帯電量をさらに低減するために、図3および図4に示すように、制電コーティング剤層を設けることも可能である。また、プラスチックフィルムに機能性を持たせる様な用途では、図2に示すように、基材フィルムの両面に粘着層を設け、一方の粘着層に、機能性フィルム(例えば、位相差フィルム、光学補償フィルム、光拡散フィルム、電磁波シールドフィルム等)をさらに貼り合わせることもできる。作業性及び製作コスト等を考慮すると、図1の態様が最も好ましい。
図3および図4に示すように粘着層とプラスチックフィルム基材との間、またはプラスチックフィルム基材の粘着層側でない反対側に粘着性を有しない制電コーティング剤層を設ける場合には、金属フィラー、4級アンモニウム塩誘導体、界面活性剤、導電性樹脂等を用いることができる。
金属フィラーとしては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンチモン等の金属酸化物、カーボン、銀、銅等の金属等が挙げられる。コーティング膜の透明性を考慮すると、酸化錫、酸化アンチモン等が好ましい。
4級アンモニウム塩誘導体としては、4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリレートモノマーの重合体、もしくは他の(メタ)アクリレートモノマーとの共重合体を使用することができる。また、本発明の制電性アクリル系樹脂組成物のTgを調整することで、制電コーティング剤層に用いることも可能である。
制電コーティング剤層は、塗膜として0.01μm〜10μmの厚さが好ましく、さらに好ましくは0.1μm〜5μmである。0.01μm未満では、静電気を防止する効果が十分に発揮できず、5μmを超えると、コスト、塗工性等に問題がある。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、例中、「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」をそれぞれ示すものとする。
(合成例1)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%〔表1に記載の「73」重量%の内の50重量%の意味;以下同様〕、BAの50重量%、4HBAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、粘度1500mPa・s、Mw(重量平均分子量)380,000であった。
(合成例2)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、アクリル酸6−ヒドロキシヘキシルの75重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、粘度1500mPa・s、Mw(重量平均分子量)380,000であった。
(合成例3)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、アクリル酸12−ヒドロキシラウリルの全量、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、粘度1500mPa・s、Mw(重量平均分子量)360,000であった。
(合成例4)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、4HBAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、粘度1600mPa・s、Mw(重量平均分子量)380,000であった。
(合成例5)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、4HBAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、粘度1700mPa・s、Mw(重量平均分子量)390,000であった。
(合成例6)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、4HBAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、粘度1700mPa・s、Mw(重量平均分子量)380,000であった。
(合成例7)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、4HBAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、粘度400mPa・s、Mw(重量平均分子量)115,000であった。
(合成例8)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、粘度1300mPa・s、Mw(重量平均分子量)350,000であった。
(合成例9)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、2HEAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、粘度1500mPa・s、Mw(重量平均分子量)330,000であった。
(合成例10)
表3に示す組成比(重量比)のモノマーから構成されるアクリル系樹脂を以下の要領で得た。
即ち、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコを用い、反応釜に2EHAの50重量%、BAの50重量%、2HBAの50重量%、溶剤として酢酸エチル、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
残りのモノマーの全量に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈した。この反応溶液は、固形分41%、粘度2500mPa・s、Mw(重量平均分子量)400,000であった。
<イオン化合物(C):ボロン系の有機カチオン−アニオン塩の製造>
<合成例11> アンモニウム塩系の化合物(C1−1)の合成
ナトリウムテトラフェニルボレート 342gを、イオン交換水5Lに溶解させた。そこに、テトラブチルアンモニウムブロマイド 322gをイオン交換水5Lに溶解させたものを徐々に添加した。5時間攪拌した後、析出物をろ取することにより、下記式にて示される化合物(C1−1)を 373g得た。元素分析(組成式:C4056BN 計算値(%):C, 85.53; H, 10.05; N, 2.49 実測値(%):C, 85.55; H, 10.52; N, 2.66)により確認した。

<合成例12〜24> 化合物(C1−2)、化合物(C1−4)〜(C1−15)の合成
ナトリウムテトラフェニルボレートの代わりに表4に示すボレートを、テトラブチルアンモニウムブロマイドの代わりに表4に示すアンモニウム塩を用いた他は合成例11と同様にして化合物(C1−2)、化合物(C1−4)から化合物(C1−15)を合成した。元素分析の測定結果を表5に示す



[実施例16]〜[実施例30]
合成例10で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(C1−1)〜(C1−15)をそれぞれ1.0部、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体の37%酢酸エチル溶液 10部を配合し粘着剤を得た。
得られた粘着剤を剥離紙に乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)を積層し、この状態で室温で2日間経過させ、試験用粘着シートを得た。
該粘着シートを用いて、以下に示す方法に従って、粘着力、剥離帯電、再剥離性、透明性の評価を行った。
<粘着力>
試験用粘着テープを25mm幅に裁断し、剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層を厚さ2mmのガラス板に23℃−50%RHにて貼着し、JIS Z−0237に準じてロール圧着した。圧着から24時間経過後、ショッパー型剥離試験器にて剥離強度(180度ピール、引っ張り速度300mm/分、単位;g/25mm)を測定した。
<剥離帯電>
A4サイズの試験用粘着シートの剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層を偏光板に23℃−50%RHにて貼着し、ハンドロールで圧着した。圧着から24時間経過後、ガラス板上で、試験用粘着シートを偏光板から剥離して、偏光板表面の静電気を静電気測定器(シシド静電気株式会社製「STATION DZ3」)で10箇所測定して絶対値が最大の値を剥離帯電とした。
<再剥離性>
試験用粘着テープの剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層をガラス板に貼着した後、60℃−95%RHの条件下に24時間に亘って放置し、23℃−50%RHに冷却した後、ガラス板から剥離し、ガラス板への糊移行性を目視で評価した。具体的には、剥離後の状態を以下の4段階で評価した。
ガラス板への糊移行の全くないもの ◎
ごくわずかにあるもの ○
部分的にあるもの △
完全に移行しているもの ×
<透明性>
試験用粘着テープの剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層をガラス板に貼着した後、60℃−95%RHの条件下に24時間に亘って放置し、23℃−50%RHに冷却した後、目視で評価した。
無色透明なもの ◎
ごく僅か曇っているもの ○
白濁、凝集物が見られるもの △
全面に白濁、凝集物が見られるもの ×
<追従性>
A4サイズの試験用粘着シートの剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層を偏光板に23℃−50%RHにて、長辺センター部を1cm幅で線状に部分貼着した後に、両端を放し、端部までの全面が空気を巻き込むことなく自重で速やかに且つ滑らかに貼着するまでの時間を測定して評価した。
30秒以下 ◎
30〜60秒 ○
60秒以上 △
[実施例33]
トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体の37%酢酸エチル溶液 10部の代わりに、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体の37%酢酸エチル溶液6部を用いたこと以外は、実施例23と同様にして粘着剤を得て評価した。
[実施例34]
トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体の37%酢酸エチル溶液 10部の代わりに、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体の37%酢酸エチル溶液6部を用いたこと以外は、実施例23と同様にして粘着剤を得て評価した。
[比較例1、2、3]
合成例10で得られたアクリル系樹脂溶液の代わりに合成例5、8、9で得られたアクリル樹脂溶液をそれぞれ用い、化合物(C1−1)の代わりにリチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドを用いたこと以外は、実施例16と同様にして粘着剤を得、実施例16と同様に評価した。
[比較例4]
合成例5で得られたアクリル系樹脂溶液の代わりに合成例8で得られたアクリル樹脂溶液を用い、「トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体の37%酢酸エチル溶液」を用いないこと以外は比較例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
[比較例5]
合成例5で得られたアクリル系樹脂溶液の代わりに合成例1で得られたアクリル樹脂溶液を用い、「リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド」を用いないこと以外は比較例1と同様にして粘着剤を得て評価した。
以上のように本発明の制電性アクリル系樹脂組成物は、液晶ディスプレイの偏光板等の光学部材の表面保護フィルム用の粘着層として用いた場合に、剥離時の静電気の発生が少なく、透明性、再剥離性、自接着性に優れているが分かる。
これに対して、比較例1に示したアクリル系樹脂組成物は、アルキレンオキサイド鎖を有しないアクリル系樹脂のため、イオン化合物が溶解せずに凝集し、剥離帯電、再剥離性、透明性が不良となっている。比較例2に示したアクリル系樹脂組成物は、水酸基を有しないアクリル系樹脂のため、粘着力が高く、再剥離性が不良であった。比較例3に示したアクリル系樹脂は2−ヒドロキシエチルアクリレートを使用している為にイオン導電性が低下し剥離帯電圧が高い。比較例4に示したアクリル系樹脂組成物は、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)が含まれていないため粘着力が高く、再剥離性が不良であった。比較例5に示したアクリル系樹脂組成物は、イオン化合物(C)を含有していないため、イオン電導性が低く、剥離帯電が不良となった。
本発明の制電性アクリル系樹脂組成物は、塗料、粘着剤等に使用可能な制電性アクリル系樹脂組成物であって、架橋剤で架橋した後にもイオン電導性が低下せず、且つ、透明性に優れるので、被着体表面を所定の期間、機械的及び電気的に保護するための表面保護フィルムとして好適であり、例えば、液晶パネル、プラズマディスプレイ、偏光板、CRT(ブラウン管)等の光学部品の表面保護用粘着フィルム形成に好適に用いられる。
PETフィルム基材とその一方の表面上に担持された粘着層とからなる本発明による制電粘着フィルムを、粘着層によって偏光板に貼付した状態を示す模式的断面図である。 PETフィルム基材の両面に粘着層を設けてなる本発明による制電粘着フィルムを、一方の粘着層によって偏光板に貼付した状態を示す模式的断面図である。 PETフィルム基材の一方の表面に制電コーティング剤層を設け、さらにその上に粘着層を担持させてなる本発明による制電粘着フィルムを、前記粘着層によって偏光板に貼付した状態を示す模式的断面図である。 PETフィルム基材の一方の表面に粘着層を設け、その反対側表面に制電コーティング剤層を設けてなる本発明による制電粘着フィルムを、前記粘着層によって偏光板に貼付した状態を示す模式的断面図である。
1:PETフィルム基材
2:粘着層
3:偏光板
4:制電コーティング剤層

Claims (6)

  1. 水酸基及びアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系樹脂(A)、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)及びイオン化合物(C)を含有する制電性アクリル系樹脂組成物であって、
    前記アクリル系樹脂(A)が、一級の水酸基を有し、アルキル鎖の炭素数が3〜20であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを必須の構成成分とするものであり、
    前記イオン化合物(C)が、下記式にて示される化合物(C1−1)〜(C1−15)から選ばれる少なくとも一種の有機カチオン−アニオン塩であることを特徴とする制電性アクリル系樹脂組成物。

  2. 水酸基及びアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系樹脂(A)100重量部に対して、イオン化合物(C)を0.01〜10重量部含むことを特徴とする請求項1記載の制電性アクリル系樹脂組成物。
  3. 水酸基及びアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系樹脂(A)のアルキレンオキサイド鎖の付加モル数が、4〜16であることを特徴とする請求項1または2記載の制電性アクリル系樹脂組成物。
  4. 水酸基及びアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系樹脂(A)のアルキレンオキサイド鎖がエチレンオキサイド鎖であることを特徴とする請求項1ないしいずれか1項に記載の制電性アクリル系樹脂組成物。
  5. 水酸基と反応し得る官能基を有する化合物(B)が、3官能イソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1ないしいずれか1項に記載の制電性アクリル系樹脂組成物。
  6. プラスチックフィルム基材の少なくとも片面に請求項1ないしいずれか1項に記載の制電性アクリル系樹脂組成物から形成される粘着層が積層されてなることを特徴とする光学部材用保護フィルム。
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