JP5312487B2 - エレベータ用安全装置 - Google Patents

エレベータ用安全装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5312487B2
JP5312487B2 JP2010547327A JP2010547327A JP5312487B2 JP 5312487 B2 JP5312487 B2 JP 5312487B2 JP 2010547327 A JP2010547327 A JP 2010547327A JP 2010547327 A JP2010547327 A JP 2010547327A JP 5312487 B2 JP5312487 B2 JP 5312487B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating body
rotation
engagement disk
stopping
engagement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010547327A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010084565A1 (ja
Inventor
直之 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2010084565A1 publication Critical patent/JPWO2010084565A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5312487B2 publication Critical patent/JP5312487B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B5/00Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators
    • B66B5/02Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators responsive to abnormal operating conditions
    • B66B5/04Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators responsive to abnormal operating conditions for detecting excessive speed
    • B66B5/044Mechanical overspeed governors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B5/00Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators
    • B66B5/02Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators responsive to abnormal operating conditions

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)

Description

この発明は、アクチュエータの駆動により非常停止手段を動作させるエレベータ用安全装置に関するものである。
従来のエレベータの非常止めシステムでは、調速機ロープを拘束するための押し付けシューが、電磁アクチュエータにより開放位置と拘束位置との間で変位される(例えば、特許文献1、図12、図13参照)。
また、他の従来のエレベータの非常止めシステムでは、枠体に対して水平に変位可能な可動ベースにラッチが回動可能に取り付けられている。ラッチは、電磁アクチュエータにより回動され、調速機綱車と一体に回転されるラチェットに係合される。ラッチがラチェットに係合されると、ラチェットの回転により可動ベースが変位され、可動ベースに連動して押し付けシューが拘束位置へ変位され、調速機ロープが拘束される(例えば、特許文献1、図14参照)。
WO2005/102899
上記のような従来の非常止めシステムのうち、押し付けシューを電磁アクチュエータにより変位させる方式では、押し付けシューを拘束位置から開放位置に復帰させるための移動量が大きいため、電磁アクチュエータが大型化する。
また、電磁アクチュエータによりラッチを回動させてラチェットに係合させる方式では、ラッチを電磁アクチュエータで直接回動させているため、復帰動作時に電磁アクチュエータのみによりラッチを解除位置まで引き戻す必要があり、電磁アクチュエータが大型化する。さらに、ラッチは、調速機綱車及びラチェットの回転力を受けるため、深くしっかりとラチェットに係合させる必要があり、これによりラッチを係合位置から解除位置まで引き戻す距離が大きくなり、電磁アクチュエータが大型化する。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、アクチュエータにより非常停止手段を即座に動作させることができるとともに、アクチュエータの小型化を図ることができるエレベータ用安全装置を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータ用安全装置は、かごの昇降に伴って回転される回転体、回転体の回転を機械的に停止させる回転体停止機構、回転体の回転が停止されることによりかごを非常停止させる非常停止手段、回転体と同軸に設けられ、回転体に対して相対的に回転可能であり、かつ回転体よりも小径であり、通常時には回転体と一体に回転される係合ディスク、係合ディスクの回転を機械的に停止させる係合ディスク停止機構、係合ディスク停止機構を動作させ係合ディスクの回転を停止させるアクチュエータ、及び係合ディスクの回転が係合ディスク停止機構により停止されたとき、係合ディスクに対する回転体の相対的な回転に連動して回転体停止機構を動作させて回転体を停止させる連動機構を備えている。
この発明の実施の形態1によるエレベータを示す構成図である。 図1の調速機を示す正面図である。 図2の電磁アクチュエータへの通電を遮断したときの上部起動装置の動作を示す正面図である。 図3の後段の状態を示す正面図である。 図4の後段の状態を示す正面図である。 図2の調速機の復帰動作中の状態を示す正面図である。 図2の調速機のフライウエイトが拡がった状態を示す正面図である。 この発明の実施の形態2による調速機の要部を示す正面図である。 この発明の実施の形態3による調速機の要部を示す正面図である。 図9のトリップレバーとトリガ板との係合状態を示す構成図である。 図9の電磁アクチュエータへの通電を遮断したときの上部起動装置の動作を示す正面図である。 図11の後段の状態を示す正面図である。 この発明の実施の形態4によるエレベータ用安全装置の要部を示す正面図である。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータを示す構成図である。図において、昇降路1内の上部には、駆動装置2が設置されている。駆動装置2の駆動シーブ2aには、懸架手段としての主索3が巻回されている。主索3の一端部には、かご4が吊り下げられ、主索3の他端部には、釣合重り5が接続されている。昇降路1内には、かご4の昇降を案内する一対のかごガイドレール6と、釣合重り5の昇降を案内する一対の重りガイドレール(図示せず)とが設置されている。
かご4の下部には、かごガイドレール6に係合してかご4を非常停止させる非常停止手段としての非常止め装置7が設けられている。かごガイドレール6の上端部近傍には、調速機支持部材8が固定されている。この調速機支持部材8上には、かご6の過速度を検出して非常止め装置7を動作させる調速機9が支持されている。
昇降路1のピット付近には、張り車装置10が設けられている。調速機9及び張り車装置10には、調速機ロープ11の上端部及び下端部がそれぞれ巻き掛けられている。調速機ロープ11は、レバー12を介して非常止め装置7に接続されており、かご4の昇降に伴って循環移動される。
調速機9には、停止指令信号に応じて非常止め装置7を動作させる上部起動装置13が設けられている。張り車装置10には、停止指令信号に応じて非常止め装置7を動作させる下部起動装置14が設けられている。
図2は図1の調速機9を示す正面図である。図において、調速機ロープ11が巻かれた回転体としての綱車21は、綱車軸22を中心に回転自在に基台23に支持されている。綱車21は、かご4の昇降に伴って回転される。また、綱車21は、かご4の走行方向に対応した方向へ、かご4の走行速度に対応した速度で回転される。
綱車21の側面には、ピン24aを中心に回動自在な第1のフライウエイト25aと、ピン24bを中心に回動自在な第2のフライウエイト25bとが取り付けられている。これらのフライウエイト25a,25bは、リンク26により互いに連結されている。
第1のフライウエイト25aの一端部には、作動片37が固定されている。第1及び第2のフライウエイト25a,25bは、綱車21の回転による遠心力により回動される。これにより、作動片37は、綱車21の径方向外側へ変位される。第1のフライウエイト25aの他端部と綱車21との間には、遠心力に対抗する平衡ばね27が設けられている。
基台23には、駆動装置2のブレーキ装置(図示せず)を動作させるかご停止用スイッチ28が取り付けられている。かご停止用スイッチ28は、作動片37により操作されるスイッチレバー28aを有している。
綱車軸22には、綱車21に対して相対的に回転可能な係合ディスク(小ラチェット)42が設けられている。係合ディスク42は、綱車21よりも小径である。また、係合ディスク42は、通常時には綱車21と一体に回転される。係合ディスク42の外周部には、複数の歯が全周にわたって連続して設けられている。また、係合ディスク42の一方の側面には、綱車軸22を囲繞する円筒状のガイド部42aが設けられている。
ガイド部42aには、回転規制部42bが設けられている。回転規制部42bは、ガイド部42aの外周部から接線方向へ突出している。また、回転規制部42bの先端部は、直角に折り曲げられており、通常時には綱車21のスポーク部に当接している。これにより、係合ディスク42は、綱車21に対する反時計方向(図2)への相対的な回転は規制されており、時計方向(図2)への相対的な回転のみ許容されている。
綱車21の側面には、ピン24aを中心に回動可能な爪29が設けられている。ガイド部42aには、伝達部材としてのL字形のばね線43の基端部が約90度巻き付けられている。ばね線43の先端部は、爪29の一端部に接続されている。
爪29の他端部には、第1のフライウエイト25aに当接した当接片29aが設けられている。これにより、爪29は、第1のフライウエイト25aの反時計方向(図2)への回動に連動して反時計方向へ回動される。
基台23には、綱車軸22を中心に回転可能な主ラチェット(大ラチェット)30が設けられている。主ラチェット30は、係合ディスク42よりも大径である。主ラチェット30の外周部には、複数の歯が全周にわたって連続して設けられている。綱車21が反時計方向(図2)へ回転しているときに第1のフライウエイト25aが予め設定された量だけ回動されると、主ラチェット30の歯に爪29が係合する。
主ラチェット30には、軸41aを中心に回動可能な係止アーム41が搭載されている。軸41aは、係止アーム41の長手方向の中間部に設けられている。係止アーム41の中間部、即ち軸41aの近傍には、係合ディスク42の歯と係合するストッパ部41bが設けられている。基台23と係止アーム41の一端部(上端部)との間には、引きばね44が設けられている。引きばね44は、ストッパ部41bが係合ディスク42の歯に係合する方向(図2の時計方向)へ係止アーム41を付勢する。
係止アーム41の他端部(下端部)には、ピン41cが設けられている。ピン41cには、リンク部材としてのリンク板45が連結されている。軸41aからピン41cまでの距離は、軸41aから引きばね44の接続部までの距離よりも大きい。
リンク板45には、ピン41cが挿入された長穴45aが設けられている。基台23には、電磁アクチュエータ46が固定されている。電磁アクチュエータ46は、リンク板45に連結された可動子46aと、可動子46aを吸引する電磁マグネット46bとを有している。
可動子46aは、電磁マグネット46b側へ引き寄せられた通常位置(図2)と、電磁マグネット46bから突出しストッパ部41bを係合ディスク42に係合させる停止位置(図3)との間で水平方向へ変位可能である。
さらに、電磁アクチュエータ46は、リンク板45が電磁マグネット(アクチュエータ本体)46bから約5mm以下まで近寄っており、かつ引きばね44の荷重が可動子46aに作用していない状態で、極めて僅かな可動子46aの摺動ロス荷重のみを吸引できる能力を有している。また、電磁アクチュエータ46は、可動子46aが電磁マグネット46bに密着した状態で、引きばね44の荷重に打ち勝ち、係止アーム41が図の時計方向へ回動しないよう可動子46aを保持する保持力を有している。
上部起動装置13は、係止アーム41、係合ディスク42、ばね線43、引きばね44、リンク板45及び電磁アクチュエータ46を有している。また、下部起動装置14の構造は、上部起動装置13と同様である。
基台23に回動自在に取り付けられたアーム31には、調速機ロープ11に押し付けられるシュー32が回動自在に取り付けられている。アーム31のばね受け部31aには、ばね軸33が貫通されている。ばね軸33の一端部と主ラチェット30との間には、接続レバー34が接続されている。ばね軸33の他端部には、ばね受け部材35が設けられている。ばね受け部31aとばね受け部材35との間には、シュー32を調速機ロープ11に押し付けるためのロープ掴みばね36が設けられている。
実施の形態1において、綱車21の回転を機械的に停止させる回転体停止機構は、アーム31、シュー32、ばね軸33、接続レバー34、ばね受け部材35及びロープ掴みばね36を有している。
また、係合ディスク42の回転を機械的に停止させる係合ディスク停止機構は、係止アーム41、引きばね44及びリンク板45を有している。また、電磁アクチュエータ46は、係合ディスク停止機構を動作させ係合ディスク42の回転を停止させる。
さらに、連動機構は、主ラチェット30、爪29及びばね線43を有している。また、連動機構は、係合ディスク42の回転が係合ディスク停止機構により停止されたとき、係合ディスク42に対する綱車21の相対的な回転に連動して回転体停止機構を動作させて綱車21を停止させる。
具体的には、主ラチェット30は、回転されることにより回転体停止機構を動作させる。爪29は、係合ディスク42に対して綱車21が相対的に回転されることにより主ラチェット30に係合して主ラチェット30を綱車21とともに回転させる。ばね線43は、係合ディスク42に対して綱車21が相対的に回転されることにより主ラチェット30に係合する方向へ爪29を回動させる。
また、停止動作伝達機構は、上記の係合ディスク停止機構と連動機構と係合ディスク42とを有しており、可動子46aを停止位置へ変位させてから綱車21が停止されるまでの綱車21の回転に伴って可動子46aを通常位置側へ復帰させる。
次に、動作について説明する。かご4の通常走行中及び停止中は、電磁アクチュエータ46が常に通電状態にされている。これに対して、駆動装置2のブレーキ故障が発生したり、主索3と駆動シーブ2aとの間のトラクション力が何等かの原因で失われたりして、アンバランス荷重によりかご4が意図せずに動いた場合、及び主索3の切断が検出された場合、制御システムから停止指令信号が出されて電磁アクチュエータ46への通電が遮断される。
図3〜図5は図2の電磁アクチュエータ46への通電を遮断したときの上部起動装置13の動作を示す正面図である。なお、図3〜図5では、異常が検出された際のかご4の移動方向に対応して綱車21は図の反時計方向へ回転しているものとする。
電磁アクチュエータ46への通電が遮断されると、図3に示すように、引きばね44の荷重で係止アーム41が図の時計方向へ回動され、可動子46aが停止位置まで変位されるとともに、ストッパ部41bが係合ディスク42の歯に係合される。
この後、綱車21は、かご4の移動により図の反時計方向へさらに回転され続ける。このため、図4に示すように、ばね線43がガイド部42aの外周面に沿って湾曲され、爪29が図の反時計方向へ回動されて、爪29の先端が主ラチェット30の歯に係合する。また、回転規制部42bは、綱車21のスポーク部から離れる。
爪29が主ラチェット30に係合すると、綱車21の回転が爪29を介して主ラチェット30に伝達され、図5に示すように、主ラチェット30が図の反時計方向へ回転される。主ラチェット30の回転は、接続レバー34、ばね軸33、ばね受け部材35及びロープ掴みばね36を介してアーム31に伝達され、アーム31が図の反時計方向へ回動される。
これにより、シュー32が調速機ロープ11に当接され、さらにロープ掴みばね36によりシュー32は調速機ロープ11に押し付けられる。このように、シュー32が調速機ロープ11に押し付けられると、調速機ロープ11の循環移動が停止され、かご4の移動によりレバー12が操作されて、非常止め装置7が動作する。
また、主ラチェット30が図の反時計方向へ回転されると、係止アーム41の軸41aの位置も図の反時計方向へ移動される。このとき、ストッパ部41bが係合ディスク42に係合した状態のまま係止アーム41が移動されることにより、リンク板45がピン41cにより電磁アクチュエータ46側へ移動され、可動子46aがリンク板45を介して通常位置近傍まで電磁マグネット46b側に押し込まれる。
次に、非常停止後の復帰動作について説明する。図6は図2の調速機9の復帰動作中の状態を示す正面図である。非常停止後に安全が確保されると、まず電磁マグネット46bが励磁され、可動子46aが通常位置に吸引され保持される。
このとき、引きばね44の荷重によりストッパ部41bが係合ディスク42に押し付けられており、引きばね44の荷重は可動子46aには作用していない。このため、可動子46aとリンク板45とを電磁アクチュエータ本体側へ引き寄せるのに必要な力は、極めて僅かな摺動ロス荷重のみである。また、非常停止時には可動子46aが電磁アクチュエータ本体に押し込まれるため、可動子46aを引き寄せる距離は短くて済む。
この後、僅かな吸引力で可動子46aを保持したまま、非常制動時の移動方向とは反対の方向へかご4を移動させることにより、非常止め装置7を復帰させる。このとき、綱車21と主ラチェット30とは、図6の時計方向へ回転される。このとき、爪29は、ばね線43の復元力により主ラチェット30の歯から離れる。
また、可動子46aとリンク板45とが電磁マグネット46bの適切な保持力により保持されているため、リンク板45の長穴45aの左端部にピン41cが当接すると、ストッパ部41bが係合ディスク42から離れ始め、引きばね44の荷重がピン41cに作用し始める。そして、かご4を復帰方向にさらに移動させ、綱車21を図6の時計方向へ回転させると、調速機9は図2の状態に復帰する。
なお、綱車21のスポーク部に回転規制部42bが当接されると、係合ディスク42は綱車21と同期して図の時計方向へ強制的に回転されるため、ストッパ部41bの係合ディスク42への係合がより確実に解除される。
このようなエレベータ用安全装置では、綱車21に対して相対的に回転可能であり、かつ通常時には綱車21と一体に回転される係合ディスク42を綱車21と同軸に設け、電磁アクチュエータ46が係合ディスク停止機構を介して係合ディスク42の回転を停止させると、係合ディスク42に対する綱車21の相対的な回転に連動して綱車21の回転が停止され非常止め装置7が制動動作されるので、電磁アクチュエータ46により非常止め装置7を即座に動作させることができる。
また、電磁アクチュエータ46は、綱車21の回転を停止させる回転体停止機構を直接動作させず、係合ディスク停止機構を動作させて係合ディスク42を停止させるだけであるため、可動子46aの引き戻しを電磁アクチュエータ46のみで行う必要がなく、また爪29の復帰動作を電磁アクチュエータ46で直接行う必要もない。従って、電磁アクチュエータ46の小型化を図ることができ、電磁アクチュエータ46を基台23の内側に配置して省スペース化を図ることもできる。
さらに、係合ディスク停止機構は、中間部にストッパ部41bが設けられた係止アーム41と、係止アーム41の一端部に接続された引きばね44と、係止アーム41の他端部と電磁アクチュエータ46との間に連結されたリンク板45とを有しているので、簡単な構成により係合ディスク42を停止させることができ、電磁アクチュエータ46を小型化することができる。
さらにまた、係止アーム41が主ラチェット30の側面に搭載されており、主ラチェット30の回転により係止アーム41が変位されると、リンク板45を介して可動子46aが通常位置側に戻されるので、簡単な構成により、電磁マグネット46bによる可動子46aの引き戻し距離を短縮することができ、電磁アクチュエータ46を小型化することができる。
また、連動機構は、主ラチェット30と、爪29と、係合ディスク42と爪29との間に設けられたばね線43とを有しているので、簡単な構成により、係合ディスク42に対する綱車21の相対的な回転に連動して回転体停止機構を動作させることができる。
さらに、係合ディスク42にガイド部42aを設け、伝達部材としてばね線43を用いたので、爪29の復帰動作も容易に行うことができる。
さらにまた、図7に示すように、可動子46aが電磁アクチュエータ本体側に保持されたままであっても、かご4の速度が予め設定された過速度に達すると、フライウエイト25aにより爪29が回動され、爪29の先端が主ラチェット30に係合する。これにより、主ラチェット30が図の反時計方向へ回転され、上記と同様に非常止め装置7が動作する。
このとき、ばね線43は、図7に示すように、ガイド部42aの外周面から離れるように変位されるだけである。このため、共通の爪29を用いて、電気式動作機構と機械式動作機構とを比較的低コストで併設することができる。
従って、電磁アクチュエータ46に通電したままの状態、又は何等かの故障で電磁アクチュエータ46の通電を遮断しても可動子46aや係止アーム41が動かない場合でも、かご4が過速度に達すると、遠心力によるフライウエイト25aの回動により従来通り非常止め装置7を動作させることができる。
また、張り車装置10に設けた下部起動装置14を、かご4が上方向へ移動した際に非常止め装置7を動作させるように構成することで、上下両方向とも電気的に非常止め装置7を起動させることができる。
さらに、異常検出時のみではなく、検査時に電磁アクチュエータ46への通電を遮断することにより、非常止め装置7の動作試験を容易に行うことができる。
実施の形態2.
次に、図8はこの発明の実施の形態2による調速機の要部を示す正面図であり、エレベータ全体の構成は実施の形態1と同様である。図において、回転体である綱車70の外周部には、調速機ロープ11が挿入されるロープ溝が設けられている。実施の形態2では、ロープ溝の断面形状がV字形にされており、これにより調速機ロープ11との摩擦力が増大されている。
このため、張り車装置10の質量を増やして調速機ロープ11のテンションを適切に確保することにより、綱車70の回転を止めれば非常止め装置7を起動させるのに必要な綱車70と調速機ロープ11の摩擦力を確保することができる。
これにより、実施の形態1(図2)における調速機ロープ11を把持するための部品、即ちアーム31、シュー32、ばね軸33、接続レバー34、ばね受け部材35及びロープ掴みばね36等が省略されている。また、綱車70の回転を止めるため、主ラチェット77は、実施の形態1とは異なり、固定軸である綱車軸22に対して回転しないように固定されている。
綱車70の綱車軸22には、綱車70とは相対的に回転可能な係合ディスク(小ラチェット)72が設けられている。係合ディスク72の外周部には、複数の歯が全周にわたって連続して設けられている。また、係合ディスク72には、綱車70に対する相対的な回転によって第1及び第2のフライウエイト74a,74bを拡げる形状を有するカム板71が一体に設けられている。
フライウエイト74a,74bには、回転自在のローラ75a,75bがそれぞれ設けられている。係合ディスク72には、カム板71をローラ75a,75bに常時当接させる捻りばね73が取り付けられている。
基台23(図2)には、軸76aを中心として回動自在な係止アーム76が設けられている。係止アーム76には、係合ディスク72の歯と係合するストッパ部76bが設けられている。ストッパ部76bは、係合ディスク72の軸方向に平行に突出している。また、係止アーム76の上端部と基台23との間には、引きばね44(図2)が設けられている。引きばね44は、ストッパ部76bが係合ディスク72の歯に係合する方向(図8の時計方向)へ係止アーム76を付勢する。
係止アーム76の下端部には、ピン76cが設けられている。ピン76cには、リンク板45が回転自在に連結されている。基台23には、電磁アクチュエータ46が固定されている。電磁アクチュエータ46は、リンク板45に連結された可動子46aを有している。また、電磁アクチュエータ46は、引きばね44に抗して、係合ディスク42の歯からストッパ部41bが離れる方向(図8の反時計方向)へ係止アーム41を回動させる。
実施の形態2において、綱車70の回転を停止させる回転体停止機構は、主ラチェット77と、爪29とを有している。また、連動機構は、カム板71と、フライウエイト74a,74bと、ローラ75a,75bとを有している。
係合ディスク72の回転が係合ディスク停止機構により停止されると、カム板71の回転も停止され、係合ディスク72に対する綱車70の相対的な回転によりカム板71に沿ってローラ75a,75bが綱車70の径方向外側へ変位される。これにより、フライウエイト74a,74bが回動され、回転体停止機構が動作、即ち爪29が主ラチェット77に係合する。他の構成は、実施の形態1と同様である。
次に、動作について説明する。かご4の通常走行中及び停止中は、電磁アクチュエータ46が常に通電状態にされている。これに対して、駆動装置2のブレーキ故障が発生したり、主索3と駆動シーブ2aとの間のトラクション力が何等かの原因で失われたりして、アンバランス荷重によりかご4が意図せずに動いた場合、及び主索3の切断が検出された場合、制御システムから停止指令信号が出されて電磁アクチュエータ46への通電が遮断される。
電磁アクチュエータ46への通電が遮断されると、引きばね44の荷重で係止アーム76が図8の時計方向へ回動され、ストッパ部76bが係合ディスク72の歯に係合する。
この後、綱車70は、かご4の移動により図8の反時計方向へさらに回転され続ける。このとき、フライウエイト74a,74bのローラ75a,75bはカム板71に接触した状態であるため、フライウエイト74a,74bは、ピン24a,24bを中心として図8の反時計方向へ回動されて拡げられる。
フライウエイト74aが拡げられることにより、爪29が図8の反時計方向へ回動され、爪29の先端が主ラチェット77の歯に係合する。これにより、綱車70の回転が停止され、調速機ロープ11と綱車70のロープ溝との間の摩擦力により調速機ロープ11が摩擦保持され、非常止め装置7が動作する。
このようなエレベータ用安全装置によっても、電磁アクチュエータ46により非常止め装置7を即座に動作させることができるとともに、電磁アクチュエータ46の小型化を図ることができる。また、共通の爪29を用いて、電気式動作機構と機械式動作機構とを比較的低コストで併設することができる。
実施の形態3.
次に、図9はこの発明の実施の形態3による調速機の要部を示す正面図である。図において、綱車21の側面には、ピン24aと平行な軸61を中心に回動可能なトリップレバー62が取り付けられている。トリップレバー62は、爪29に係合する突起部62aを有している。
また、トリップレバー62は、その一部が第1のフライウエイト25a(図2)に当接しており、フライウエイト25aの回動により軸61を中心として回動される。軸61には、トリップレバー62をフライウエイト25aに当接させる方向(図9の時計方向)へ付勢する捻りばね63が設けられている。
爪29と綱車21との間には、主ラチェット30に係合する方向へ爪29を付勢する引きばね64が設けられている。爪29は、通常はトリップレバー62の突起部62aと係合し主ラチェット30から離れているが、トリップレバー62との係合が外れると引きばね64のばね力により回動され、主ラチェット30に係合する。
綱車軸22には、綱車21に対して相対的に回転可能な係合ディスク65が設けられている。係合ディスク65は、通常時には綱車21と一体に回転される。係合ディスク65の外周部には、複数の歯が全周にわたって連続して設けられている。また、係合ディスク65の一方の側面には、綱車軸22を囲繞する円筒状のガイド部65aが設けられている。
ガイド部65aには、第1及び第2の回転規制部65b,65cが設けられている。第1の回転規制部65bは、綱車21のスポーク部に当接することにより、係合ディスク65が綱車21に対して図9の反時計方向への相対的に回転するのを規制する。また、第2の回転規制部65cは、第1の回転規制部65bが当接するスポーク部とは異なるスポーク部に当接することにより、係合ディスク65が綱車21に対して図9の時計方向へ相対的に回転するのを規制する。
従って、係合ディスク65は、綱車21に対して所定の角度範囲(鋭角の範囲)内のみで相対的に回転可能となっている。通常時は、第1の回転規制部65bがスポーク部に当接しており、第2の回転規制部65cは、対応するスポーク部から離れている。
トリップレバー62の突起部62aとガイド部65aとの間には、薄い板ばねで構成した伝達部材としてのトリガ板66が組み付けられている。トリガ板66の基端部は、ガイド部65aに固定されている。また、トリガ板66の先端部には、図10に示すように、矩形の開口部66aが設けられている。そして、開口部66aには、トリップレバー62の突起部62aが挿入されている。
主ラチェット30の側面には、係止アーム51が軸51aを中心に回動可能に設けられている。軸51aは、係止アーム51の長手方向中間部に設けられている。係止アーム51の長手方向中間部には、係合ディスク65の歯と係合するストッパ部51bが設けられている。ストッパ部51bは、係止アーム51の一方の側面から綱車軸22と平行に突出している。
係止アーム51の一端部(左端部)と主ラチェット30との間には、係合ディスク65に係合する方向へストッパ部51bを付勢する引きばね54が取り付けられている。基台23(図2)には、回動軸55aを中心に回動するガイド板55が設けられている。ガイド板55には、長穴55bが設けられている。
長穴55bには、係止アーム51の係合突起51cが挿入されている。係合突起51cは、係止アーム51の他方の側面から綱車軸22と平行に突出している。また、係合突起51cは、係止アーム51の長手方向のストッパ部51bと同じ位置に設けられている。また、ストッパ部51b及び係合突起51cは、軸51aと係止アーム51の他端部との間に設けられている。
基台23には、電磁アクチュエータ56が組み付けられている。電磁アクチュエータ56は、係止アーム51の上面に当接した可動子56aと、可動子56aを吸引する電磁マグネット56bとを有している。
可動子56aは、電磁マグネット56bから下方へ大きく突出した通常位置(図9)と、通常位置から上方へ変位されストッパ部51bを係合ディスク65に係合させる停止位置(図3)との間で変位可能である。また、可動子56aの係止アーム51に接する面(下端面)は、半球状である。
可動子56aは、通常位置にあるとき、係止アーム51の他端部に当接し、引きばね54に抗してストッパ部51bを係合ディスク65から離れた位置に保持する。
実施の形態3において、係合ディスク停止機構は、係止アーム51と、引きばね54とを有している。また、連動機構は、トリガ板66と、トリップレバー62と、爪29と、引きばね64と、主ラチェット30とを有している。
係合ディスク65の回転が係合ディスク停止機構により停止されると、トリガ板66の回転も停止され、トリガ板66に対する綱車70の回転によりトリップレバー62の爪29への係合が解除される。これにより、爪29が主ラチェット30に係合し、主ラチェット30が綱車21とともに回転され、回転体停止機構が動作される。
また、停止動作伝達機構は、上記の係合ディスク停止機構と連動機構と係合ディスク65とを有しており、可動子56aを停止位置へ変位させてから綱車21が停止されるまでの綱車21の回転に伴って可動子56aを通常位置側へ復帰させる。このとき、停止動作伝達機構は、可動子56aの自重を利用して可動子56aを通常位置側へ復帰させる。他の構成は、実施の形態1と同様である。
次に、動作について説明する。かご4の通常走行中及び停止中は、電磁アクチュエータ56が常に通電状態にされている。これに対して、駆動装置2のブレーキ故障が発生したり、主索3と駆動シーブ2aとの間のトラクション力が何等かの原因で失われたりして、アンバランス荷重によりかご4が意図せずに動いた場合、及び主索3の切断が検出された場合、制御システムから停止指令信号が出されて電磁アクチュエータ56への通電が遮断される。
電磁アクチュエータ56への通電が遮断されると、図11に示すように、引きばね54により係止アーム51が図の反時計方向へ回動されるとともに、可動子56aが停止位置へ変位される。これにより、ストッパ部51bが係合ディスク65に係合し、係合ディスク65の回転が停止される。
係合ディスク65の回転が停止されると、綱車21は図11の反時計方向へ回転され続け、トリップレバー62の突起部62aがトリガ板66の開口部66aに引っかかり、トリガ板66のばね力が捻りばね63のばね力に打ち勝つようになって、トリップレバー62は軸61を中心として図11の反時計方向へ回転される。
これにより、突起部62aと爪29との係合が外れ、引きばね64の荷重により爪29が主ラチェット30に係合する。そして、図12に示すように、主ラチェット30が回転され、レバー31が倒されるとともにシュー32が調速機ロープ11に押し付けられ、調速機ロープ11の循環が停止されて非常止め装置7が動作する。
また、主ラチェット30が回転される際、係止アーム51は、主ラチェット30とともに回転される。このとき、ガイド板55は、基台23に対して軸55aを中心として図の時計方向へ回動される。このため、ストッパ部51bは、ガイド板55の長穴55bに拘束されて係合ディスク65の歯から離れる。そして、この状態では、引きばね54のばねが長穴55bの縁部に作用することになる。また、可動子56aの軸線(上下方向)と係止アーム51とが交わる接触点は下方へ移動し、可動子56aは自重により通常位置の近傍に移動している。
即ち、電磁アクチュエータ56への通電が遮断された後、可動子56aは引きばね54の荷重で一旦上方向に移動するが、調速機ロープ11の循環を止める位置まで主ラチェット30が回転されると、係止アーム51が通常時の位置よりも下側に退避するので、可動子56aが自重で下側に移動する。
このように、主ラチェット30が回転されると、係合ディスク65の歯から係止アーム51のストッパ部51bが離れるとともに、可動子56aが自重で復帰するため、電磁マグネット56bは可動子56aを長い距離を吸引する必要がない。
また、非常止め装置7を動作させた後の復帰動作時は、電磁アクチュエータ56に通電して可動子56aを通常位置に保持した状態で、爪29をトリップレバー62側に再度係合させればよい(例えば、特開2002−370879号公報参照)。
このようなエレベータ用安全装置によっても、電磁アクチュエータ56により非常止め装置7を即座に動作させることができるとともに、電磁アクチュエータ56の小型化を図ることができる。また、共通の爪29を用いて、電気式動作機構と機械式動作機構とを比較的低コストで併設することができる。
実施の形態4.
次に、図13はこの発明の実施の形態4によるエレベータ用安全装置の要部を示す正面図である。実施の形態4では、昇降路1の上部に、かご4が下方向へ走行しているときにのみ非常止め装置7を動作させる従来通りの機械式の調速機9が設けられている。そして、かご4が上方向へ走行しているときに非常止め装置7を動作させる電気式の第1の起動装置81aと、かご4が下方向へ走行しているときに非常止め装置7を動作させる電気式の第2の起動装置81bとが張り車装置10に設けられている。
かごガイドレール6の背面には、取付板82が固定されている。取付板82には、張り車装置10を支持する水平な軸83が設けられている。軸83には、取付腕84の基端部が回動可能に取り付けられている。取付腕84の基端部の外周部には、複数の歯84aが部分的に設けられている。
取付板82には、歯84aに係合可能なストッパ86が設けられている。ストッパ86は、軸83と平行なストッパ軸85に回動可能に取り付けられている。歯84a及びストッパ86の形状や位置は、図13の時計方向への取付腕84の回動は許容し、反時計方向への回動は規制するように設定されている。
これにより、調速機ロープ11に伸びが生じた場合は、張り車装置10が下方向へ移動することで調速機ロープ11の張力を保つことができ、また、張り車装置10が上方向へ移動することは防止されている。
次に、張り車装置10の構成について説明する。取付腕84の下部には、基台80が取り付けられている。基台80には、調速機ロープ11が巻き掛けられた第2の回転体である綱車87が取り付けられている。調速機ロープ11の上端部は、第1の回転体である調速機9の綱車21(図2)に巻き掛けられている。綱車87,21は、かご4の昇降に伴って回転される。また、基台80の下部には、調速機ロープ11に十分な張力を与えるための重り80aが組み付けられている。
第1の起動装置81aは、主に綱車87の一方の側面に配置されており、第2の起動装置81bは、主に綱車87の他方の側面に配置されている。第1の起動装置81aは、図13の反時計方向への綱車87の回転を止める。また、第2の起動装置81bは、図13の時計方向への綱車87の回転を止める。第1及び第2の起動装置81a,81bの構成は、実施の形態1の上部起動装置13の構成と同様であるため、具体的な説明は省略する。
但し、機械式に動作する調速機9が別に設けられているため、綱車87にはフライウエイトは設けられていない。また、綱車87には、爪89a,89bのストッパ部88a,88bが通常時に当接する当接部が設けられている。
次に、動作について説明する。まず、かご4が下方向へ移動している場合は、綱車87は図13の反時計方向へ回転されている。ここで、制御システムから停止指令信号が出されると、電磁アクチュエータ(第1及び第2のアクチュエータ)106a,106bへの通電が同時に遮断される。これにより、係止アーム101a,101bのストッパ部が係合ディスク102a,102bに当接する。
係合ディスク102a,102bは、図13の反時計方向へ回転されているため、係止アーム101aは係合ディスク102aの歯に係合して回転を止めるが、係止アーム101bは係合ディスク102bの外周に接触した状態で歯の緩やかな斜面を登り谷へと落ちる動作を繰り返し歯とは係合しない。このため、爪89aのみ主ラチェット90aと係合し、シュー92aが綱車87上の調速機ロープ11に押し付けられる。
この状態で、かご4が下方向への移動を継続すると、調速機ロープ11が取付腕84を図13の反時計方向へ回転させようとするが、ストッパ86によって阻止されるため、レバー12がかご4に対して相対的に上方向へ倒され、非常止め装置7が動作する。
次に、非常止め装置7を動作させた後の復帰動作について説明する。まず、電磁アクチュエータ106a,106bへの通電を開始する。このとき、主ラチェット90aの回転により、電磁アクチュエータ106aの可動子は、通常位置側に戻されているため、通電により通常位置に保持された状態となる。一方、電磁アクチュエータ106bの可動子は、停止位置に移動されたままである。
この後、非常止め装置7のかごガイドレール6への係合を解除するためにかご4を上方向へ移動させ綱車87を図13の時計方向へ回転させると、係止アーム101aが通常位置に復帰される。これとほぼ同時に、係止アーム101bは、係合ディスク102bの回転を拘束するため、爪89bが主ラチェット90bの歯に係合し、主ラチェット90bが図13の時計方向へ回転される。これにより、電磁アクチュエータ106bの可動子は、通常位置側に戻され、電磁アクチュエータ106bの吸引力で通常位置に保持される。
この後、かご4をもう一度逆に下方向へ移動させることにより、係止アーム101bが通常位置に復帰され、非常止め装置7及び起動装置81a,81bの復帰動作が完了する。
一方、かご4が上方向へ移動している場合は、綱車87は図13の時計方向へ回転されている。ここで、制御システムから停止例が出されると、電磁アクチュエータ106a,106bへの通電が同時に遮断される。これにより、係止アーム101a,101bのストッパ部が係合ディスク102a,102bに当接する。
係合ディスク102a,102bは、図13の時計方向へ回転されているため、上記とは逆に、係止アーム101bは係合ディスク102bの歯に係合して回転を止めるが、係止アーム101aは係合ディスク102aに係合しない。このため、爪89bのみ主ラチェット90bと係合し、シュー92bが綱車87上の調速機ロープ11に押し付けられる。
この状態で、かご4が上方向への移動を継続すると、調速機ロープ11が取付腕84を図13の反時計方向へ回転させようとするが、ストッパ86によって阻止されるため、レバー12がかご4に対して相対的に下方向へ倒され、非常止め装置7が動作する。復帰動作は、上記と同様である。
このようなエレベータ用安全装置によっても、電磁アクチュエータ106a,106bにより非常止め装置7を即座に動作させることができるとともに、電磁アクチュエータ106a,106bの小型化を図ることができる。また、起動装置81a,81bを張り車装置10に設けたので、電気式動作機構と機械式動作機構とを容易に設置することができる。
また、非常止め装置7を両方向に動作させる第1及び第2の起動装置81a,81bを張り車装置10側の1箇所に集約して配置したので、電磁アクチュエータ106a,106bのための配線や制御装置も1箇所に集約でき、装置構成をよりシンプルにすることができる。
なお、実施の形態4では図示していないが、電磁アクチュエータ106a,106bの可動子が通常位置に保持されていることを検出する手段を用いてもよい。この場合、可動子の保持を検出すると同時にかご4の移動を止めることにより、復帰動作の効率を向上させることができ、かごガイドレール6の損傷を抑制することができ、かごガイドレール6を補修する余分な手間を省くことができる。
また、実施の形態4では、調速機9を昇降路1の上部に配置し、第1及び第2の起動装置81a,81bを昇降路1の下部に配置したが、逆に配置してもよい。
さらに、実施の形態1〜4ではアクチュエータとして電磁アクチュエータを示したが、アクチュエータはこれに限定されるものではない。

Claims (5)

  1. かごの昇降に伴って回転される回転体、
    上記回転体の回転を機械的に停止させる回転体停止機構、
    上記回転体の回転が停止されることにより上記かごを非常停止させる非常停止手段、
    上記回転体と同軸に設けられ、上記回転体に対して相対的に回転可能であり、かつ上記回転体よりも小径であり、通常時には上記回転体と一体に回転される係合ディスク、
    上記係合ディスクの回転を機械的に停止させる係合ディスク停止機構、
    上記係合ディスク停止機構を動作させ上記係合ディスクの回転を停止させるアクチュエータ、及び
    上記係合ディスクの回転が上記係合ディスク停止機構により停止されたとき、上記係合ディスクに対する上記回転体の相対的な回転に連動して上記回転体停止機構を動作させて上記回転体を停止させる連動機構
    を備え
    上記係合ディスク停止機構は、
    上記係合ディスクに係合して上記係合ディスクの回転を停止させるストッパ部が中間部に設けられており、上記中間部を中心として回動可能な係止アームと、
    上記係止アームの一端部に接続され、上記ストッパ部が上記係合ディスクに係合する方向へ上記係止アームを付勢するばねと、
    上記係止アームの他端部と上記アクチュエータとの間に連結されたリンク部材と
    を有しており、
    上記連動機構は、上記回転体と同軸に設けられ回転されることにより上記回転体停止機構を動作させる主ラチェットを有し、
    上記係止アームは、上記主ラチェットの側面に回動可能に搭載されており、
    上記アクチュエータは、通常位置と、上記ストッパ部を上記係合ディスクに係合させる停止位置との間で変位可能な可動子を有しており、
    上記主ラチェットの回転により上記係止アームが変位されると、上記リンク部材を介して上記可動子が通常位置側に戻されるエレベータ用安全装置。
  2. かごの昇降に伴って回転される回転体、
    上記回転体の回転を機械的に停止させる回転体停止機構、
    上記回転体の回転が停止されることにより上記かごを非常停止させる非常停止手段、
    上記回転体と同軸に設けられ、上記回転体に対して相対的に回転可能であり、かつ上記回転体よりも小径であり、通常時には上記回転体と一体に回転される係合ディスク、
    上記係合ディスクの回転を機械的に停止させる係合ディスク停止機構、
    上記係合ディスク停止機構を動作させ上記係合ディスクの回転を停止させるアクチュエータ、及び
    上記係合ディスクの回転が上記係合ディスク停止機構により停止されたとき、上記係合ディスクに対する上記回転体の相対的な回転に連動して上記回転体停止機構を動作させて上記回転体を停止させる連動機構
    を備え、
    上記連動機構は、
    上記回転体と同軸に設けられ、回転されることにより上記回転体停止機構を動作させる主ラチェットと、
    上記回転体の側面に回動可能に設けられ、上記係合ディスクに対して上記回転体が相対的に回転されることにより上記主ラチェットに係合して上記主ラチェットを上記回転体とともに回転させる爪と、
    上記係合ディスクと上記爪との間に設けられ、上記係合ディスクに対して上記回転体が相対的に回転されることにより上記主ラチェットに係合する方向へ上記爪を回動させる伝達部材と
    を有しているエレベータ用安全装置。
  3. 上記係合ディスクには、円筒状のガイド部が設けられており、
    上記伝達部材は、上記係合ディスクに対して上記回転体が回転されることにより上記ガイド部の外周面に沿って湾曲されて上記爪を上記主ラチェットに係合させ、上記回転体が上記係合ディスクに対して逆方向へ回転されることにより復元力で上記爪の上記主ラチェットへの係合を解除するばね線である請求項記載のエレベータ用安全装置。
  4. かごの昇降に伴って回転される回転体、
    上記回転体の回転を機械的に停止させる回転体停止機構、
    上記回転体の回転が停止されることにより上記かごを非常停止させる非常停止手段、
    上記回転体と同軸に設けられ、上記回転体に対して相対的に回転可能であり、かつ上記回転体よりも小径であり、通常時には上記回転体と一体に回転される係合ディスク、
    上記係合ディスクの回転を機械的に停止させる係合ディスク停止機構、
    上記係合ディスク停止機構を動作させ上記係合ディスクの回転を停止させるアクチュエータ、及び
    上記係合ディスクの回転が上記係合ディスク停止機構により停止されたとき、上記係合ディスクに対する上記回転体の相対的な回転に連動して上記回転体停止機構を動作させて上記回転体を停止させる連動機構
    を備え、
    上記連動機構は、
    上記係合ディスクに一体に設けられているカム板と、
    上記回転体の側面に回動可能に設けられているフライウエイトと、
    上記フライウエイトに設けられ、上記カム板に当接されているローラと
    を有し、
    上記係合ディスクの回転が上記係合ディスク停止機構により停止されると、上記カム板の回転も停止され、上記係合ディスクに対する上記回転体の相対的な回転により上記カム板に沿って上記ローラが変位され、上記フライウエイトが回動され、上記フライウエイトの回動により上記回転体停止機構が動作されるエレベータ用安全装置。
  5. 上記回転体停止機構は、
    固定軸に固定された主ラチェットと、
    上記回転体の側面に回動可能に設けられ、上記フライウエイトの回動により上記主ラチェットに係合して上記回転体の回転を停止させる爪と
    を有している請求項記載のエレベータ用安全装置。
JP2010547327A 2009-01-20 2009-01-20 エレベータ用安全装置 Active JP5312487B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2009/050729 WO2010084565A1 (ja) 2009-01-20 2009-01-20 エレベータ用安全装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010084565A1 JPWO2010084565A1 (ja) 2012-07-12
JP5312487B2 true JP5312487B2 (ja) 2013-10-09

Family

ID=42355640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010547327A Active JP5312487B2 (ja) 2009-01-20 2009-01-20 エレベータ用安全装置

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP2380840B1 (ja)
JP (1) JP5312487B2 (ja)
KR (1) KR101199745B1 (ja)
CN (1) CN102216189B (ja)
WO (1) WO2010084565A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI122262B (fi) * 2009-10-21 2011-11-15 Kone Corp Hissin liikkeenrajoitin ja hissi
CN104159840A (zh) * 2012-03-06 2014-11-19 三菱电机株式会社 电梯用限速器和电梯装置
JPWO2013132587A1 (ja) * 2012-03-06 2015-07-30 三菱電機株式会社 エレベータ用調速機及びエレベータ装置
CN104837757B (zh) * 2012-12-10 2016-12-14 因温特奥股份公司 具有速度限制器的电梯***
CN108002168B (zh) * 2016-10-27 2021-04-02 奥的斯电梯公司 远程触发装置,限速器组件以及电梯
CN109720957B (zh) * 2017-10-27 2021-11-02 奥的斯电梯公司 促动器,远程触发装置,限速器以及电梯
CN109969898B (zh) * 2017-12-28 2021-12-24 奥的斯电梯公司 远程触发装置,限速器组件以及电梯
CN108083050A (zh) * 2018-01-08 2018-05-29 台州富士电梯制造有限公司 一种防爆限速器
US11034546B2 (en) 2018-06-28 2021-06-15 Otis Elevator Company Elevator governor
CN112424103B (zh) * 2018-07-24 2022-09-09 三菱电机株式会社 电梯的限速器
SE542493C2 (en) 2018-09-07 2020-05-26 Alimak Group Sweden Ab A mechanism for a safety device for a lift car, a safety device for protecting against unintended car movement of a lift car and a safety arrangement for a lift system

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0710411A (ja) * 1993-06-08 1995-01-13 Kone Oy エレベータの安全装置の起動方法および装置
JP2001080838A (ja) * 1999-09-10 2001-03-27 Toshiba Corp エレベータの調速機
JP2002370879A (ja) * 2001-06-12 2002-12-24 Mitsubishi Electric Corp エレベータ用調速機
WO2007135725A1 (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha エレベータ用調速機

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005102899A1 (ja) 2004-04-20 2005-11-03 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha エレベータの非常止めシステム
CN101233067B (zh) * 2006-05-22 2010-05-19 三菱电机株式会社 电梯用调速器

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0710411A (ja) * 1993-06-08 1995-01-13 Kone Oy エレベータの安全装置の起動方法および装置
JP2001080838A (ja) * 1999-09-10 2001-03-27 Toshiba Corp エレベータの調速機
JP2002370879A (ja) * 2001-06-12 2002-12-24 Mitsubishi Electric Corp エレベータ用調速機
WO2007135725A1 (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha エレベータ用調速機

Also Published As

Publication number Publication date
KR101199745B1 (ko) 2012-11-08
CN102216189A (zh) 2011-10-12
EP2380840A4 (en) 2018-01-10
EP2380840A1 (en) 2011-10-26
EP2380840B1 (en) 2021-11-17
WO2010084565A1 (ja) 2010-07-29
CN102216189B (zh) 2013-08-21
JPWO2010084565A1 (ja) 2012-07-12
KR20110052750A (ko) 2011-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5312487B2 (ja) エレベータ用安全装置
JP4745332B2 (ja) エレベータ用調速機
JP5026743B2 (ja) プログレッシブ安全装置
JP4905360B2 (ja) エレベータ用調速機
JP2008511521A (ja) エレベータシステムで使用する安全装置
JP2004338939A (ja) エレベータ用の安全装置
EP2402276B1 (en) Elevator speed governor
WO2010084563A1 (ja) エレベータ用安全装置
JP2002370879A (ja) エレベータ用調速機
JP5532753B2 (ja) エレベータの安全装置
WO2010084564A1 (ja) エレベータ用安全装置
JP2008007289A (ja) エレベーターの安全装置
JP4276036B2 (ja) エレベータ用調速機
JP5139142B2 (ja) エレベータのドア装置
KR101967590B1 (ko) 엘리베이터용 조속기 및 엘리베이터 장치
JP4326255B2 (ja) エレベータ用ガバナ
JP4044035B2 (ja) エレベータの安全装置
JP4456967B2 (ja) エレベータ用調速機
JP2010173776A (ja) エレベータ巻上機の制動力設定装置
JP4292201B2 (ja) エレベータの非常ブレーキ装置
JP5157648B2 (ja) エレベータ用調速機
JP2017178534A (ja) 調速機及びエレベーター
KR100857644B1 (ko) 엘리베이터용 조속기
JP2007153587A (ja) エレベータ巻上機のブレーキ解放装置
JP2017105597A (ja) エレベーター装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130321

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130702

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5312487

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250