JP5307317B2 - 液状硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、保存安定性に優れ、光ファイバ被覆層形成時の揮発成分による硬化光ランプのカバーである透明筒状体の汚染が少なく、かつ、応力緩和速度が速い硬化被膜を与える液状硬化性樹脂組成物に関する。
光ファイバは、ガラスを熱溶融紡糸して得たガラスファイバ素線に、保護補強を目的として樹脂を被覆して製造されている。この樹脂被覆としては、光ファイバの表面にまず柔軟な第一次の被覆層を設け、その外側に剛性の高い第二次の被覆層を設けた構造が知られている。これらの樹脂被覆を施された複数の光ファイバ素線を結束材料で固めたテープ状光ファイバや光ファイバケーブルもよく知られている。光ファイバ素線の第一次の被覆層を形成するための樹脂組成物をプライマリ材、第二次の被覆層を形成するための樹脂組成物をセカンダリ材、複数の光ファイバ素線の結束材料として用いられる樹脂組成物をバンドリング材と称している。また、複数のテープ状光ファイバや光ファイバケーブルをさらに結束材料でまとめる場合もあり、このとき用いられる結束材料もバンドリング材と称している。これらの樹脂被覆方法としては、液状硬化性樹脂組成物を塗布し、熱または光、特に紫外線により硬化させる方法が広く用いられている。
光ファイバ素線や第一次被覆光ファイバ素線に被覆層を形成する際には、樹脂塗布装置によって液状硬化性樹脂組成物が塗布され、光照射装置内の筒状体を通過するときに光照射装置から発光する光により硬化する。この場合、樹脂を硬化させる光としては紫外線が、この紫外線の発光源としては水銀ランプやメタルハライドランプが主に用いられ、光照射装置内の筒状体としては石英管がその透明性から使用されている(特許文献1〜5参照)。
樹脂塗布装置によって塗布された樹脂は光照射を受けて硬化する時に、照射光中の熱線成分や反応熱により発熱し、一部の樹脂が揮発する。揮発成分が筒状体に付着すると、光照射装置からの光がこの付着物によって減衰し、樹脂の十分な硬化が得られない場合がある(特許文献6及び7参照)。
また、このような光ファイバにおいては、多心光ファイバケーブル実現等のため、細径化ないし被覆の薄肉化が求められているが、光ファイバ強度を劣化させずに、これらを実現するのは困難であった。光伝送特性及び機械特性を維持しつつ、被覆を薄肉化した被覆光ファイバとして、特定の応力緩和時間を有するもの(特許文献8)や、特定のラジカル硬化性化合物を用いた、応力緩和性に優れた硬化被膜を与える放射線硬化型組成物(特許文献9)等が提案されている。
しかしながら、これらの硬化被膜等では、応力緩和時間を十分短くすることができず、被覆の肉薄化等の問題を解決することはできなかった。
特開平4−35718号公報 特開平4−77331号公報 特開平4−224142号公報 特開平4−260638号公報 特開平4−260639号公報 特開平6−144883号公報 特開2000−154044号公報 特開平8−5877号公報 特開平2001−31731号公報
本発明の課題は、液状硬化性樹脂組成物としての保存安定性に優れ、光ファイバ被覆層形成時の揮発成分による透明筒状体の汚染が少なく、かつ、応力緩和速度が速い硬化被膜を与える液状硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、特定の2種のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、特定の(メタ)アクリレート系モノマーを組合わせることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)並びに(C):
(A)少なくとも下記2種のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A1)及び(A2)、
(A1):(a)ポリエーテルポリオール、(b)ポリイソシアネート、および(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物である、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、
(A2):(b)ポリイソシアネート、および異なる2種以上の(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物である、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、
(B)下記式(1)で表される化合物
CH2=CR1COOR2 (1)
[式中、R1は、水素原子又はメチル基であり、R2は、直鎖又は分岐鎖の炭素数4〜12のアルキル基である。]、
(C)重合開始剤
を含有する液状硬化性樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、当該液状硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化被覆、及び当該硬化被膜を有する光ファイバを提供するものである。
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、保存安定性に優れ、かつ、応力緩和速度が速く、十分なヤング率を示す硬化被膜を与えることができる。また、光ファイバ被覆層形成時の揮発成分による硬化光ランプのカバーである透明筒状体の汚染が少ないものである。光ファイバのセカンダリ材、テープ材等として、特にセカンダリ材として、好適である。
以下に、本発明の液状硬化性樹脂組成物について、詳細に説明する。
1.(A)成分:
本発明の(A)成分であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、少なくとも下記2種のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A1)および(A2)を含有してなることが必要である。
(A1):(a)ポリエーテルポリオール、(b)ポリイソシアネート、および(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物である、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、
(A2):(b)ポリイソシアネート、および異なる2種以上の(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物である、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー。
また、本発明の(A)成分として、前記(A1)および(A2)以外のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A3)を配合することもできる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A1)は、(a)ポリエーテルポリオール、(b)ポリイソシアネート、および(c)水酸基含有(メタ)アクリレートから合成される。すなわち、ポリイソシアネートのイソシアネート基を、ポリオール化合物の水酸基及び/又は水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基と反応させることにより製造される。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A2)は、(b)ポリイソシアネート、および異なる2種以上の(c)水酸基含有(メタ)アクリレートから合成される。すなわち、ポリイソシアネートのイソシアネート基を、異なる2種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基と反応させることにより製造される。異なる2種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることにより、得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A2)の構造の対称性を乱して、結晶性を低下させることにより、本発明の液状硬化性組成物の保存安定性を改善することができる。
ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートからウレタン(メタ)アクリレート(A1)を合成する場合、ポリオール化合物に含まれる水酸基1当量に対してポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が1.1〜2当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.1〜1当量となるようにするのが好ましい。一方、ポリイソシアネート化合物と異なる2種以上の水酸基含有(メタ)アクリレートとからウレタン(メタ)アクリレート(A2)を合成する場合、ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基と水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が当量となるようにするのが好ましい。また、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレートの量の調整によりウレタン(メタ)アクリレート(A1)とウレタン(メタ)アクリレート(A2)を同時に合成することもできる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A3)としては、ウレタン(メタ)アクリレート(A1)および(A2)と異なるウレタン(メタ)アクリレートであれば、特に限定されない。ウレタン(メタ)アクリレート(A3)の具体例としては、(a’)ポリエーテルポリオール以外のポリオール、(b)ポリイソシアネート、および(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(b)ポリイソシアネート、および1種の(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー等を挙げることができる。
これらの反応を実施する具体的方法としては、例えばポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を一括して仕込んで反応させる方法;ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物を反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させる方法;ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させ、次いでポリオール化合物を反応させる方法;ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させ、次いでポリオール化合物を反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させる方法などが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造に用いられるポリイソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。芳香族ポリイソシアネートとして、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族ポリイソシアネートとして、例えば、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。脂肪族ポリイソシアネートとして、例えば、1,6−ヘキサンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。これらのうち、2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。
これらのジイソシアネート化合物は、単独で用いても、2種以上併用しても良い。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造に用いられる水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、水酸基が第一級炭素原子に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第一水酸基含有(メタ)アクリレートという)、水酸基が第二級炭素原子に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第二水酸基含有(メタ)アクリレートという)を用いることが好ましい。水酸基が第三級炭素原子に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第三水酸基含有(メタ)アクリレートという)はイソシアネート基との反応性に劣るため好ましくない。
第一水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、下記式(2)
CH2=C(R3)-COOCH2CH2-(OCOCH2CH2CH2CH2CH2)m-OH (2)
(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、mは1〜3の数を示す)
で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第二水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造に用いられるポリエーテルポリオール化合物としては、例えば脂肪族ポリエーテルジオール、脂環式ポリエーテルジオールあるいは芳香族ポリエーテルジオール等のポリエーテルジオール類等が挙げられる。これらのポリオール化合物は、単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
脂肪族ポリエーテルジオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコールおよび二種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオール等が挙げられる。
上記イオン重合性環状化合物としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、
ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。
二種以上の上記イオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオールの具体例としては、例えばテトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシドなどの組み合わせより得られる二元共重合体;テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシドおよびエチレンオキシドの組み合わせより得られる三元重合体などを挙げることができる。
また、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類;β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸;あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。
上記脂肪族ポリエーテルジオールは、例えばPTMG650、PTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学社製)、PPG400、PPG1000、PPG2000、PPG3000、EXCENOL720、1020、2020(以上、旭硝子ウレタン社製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂社製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400、PTGL2000(以上、保土谷化学工業社製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B、EO/BO4000、EO/BO3000、EO/BO2000、EO/BO1000、EO/BO500(以上、第一工業製薬社製)等の市販品としても入手することができる。
脂環式ポリエーテルジオールとしては、例えば水添ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオール、水添ビスフェノールFのアルキレンオキシド付加ジオール、1,4−シクロヘキサンジオールのアルキレンオキシド付加ジオール等が挙げられる。
さらに、芳香族ポリエーテルジオールとしては、例えばビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオール、ビスフェノールFのアルキレンオキシド付加ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキシド付加ジオール、ナフトハイドロキノンのアルキレンオキシド付加ジオール、アントラハイドロキノンのアルキレンオキシド付加ジオールなどが挙げられる。上記芳香族ポリエーテルジオールは、例えばユニオールDA400、DA700、DA1000、DA4000(以上、日本油脂社製)等の市販品としても入手することができる。
一方、任意成分であるウレタン(メタ)アクリレート(A3)に用いることができる(a’)ポリエーテルポリオール以外のポリオールとしては、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール、その他のポリオール化合物を挙げることができる。
ポリエステルジオールとしては、例えば多価アルコールと多塩基酸とを反応させて得られるポリエステルジオール等が挙げられる。上記多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等が挙げられる。多塩基酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。
上記のポリエステルジオールのうち市販品としては、例えばクラポールP−2010、P−1010、L−2010、L−1010、A−2010、A−1010、F−2020、F−1010、PMIPA−2000、PKA−A、PNOA−2010、PNOA−1010(以上、クラレ社製)等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては、例えばポリテトラヒドロフランのポリカーボネート、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートなどが挙げられ、市販品としてはDN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン社製)、PC−8000(PPG社製)、PC−THF−CD(BASF社製)等が挙げられる。
ポリカプロラクトンジオールとしては、例えばε−カプロラクトンとジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。ここで用いられるジオールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。これらのポリカプロラクトンジオールは、プラクセル205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル化学工業社製)等の市販品として入手することができる。
上記以外のその他のポリオール化合物としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロデカンジメタノール、β−メチル−δ−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ヒマシ油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ポリオール等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)の好ましい態様としては、(a)成分としてポリプロピレングリコール、(b)成分として2,4−トリレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネート、および(c)成分として2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A2)の好ましい態様としては、(b)成分として2,4−トリレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネート、並びに(c)成分として2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、および2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。この場合、ウレタン(メタ)アクリレート(A2)は、ジイソシアネートの一方のイソシアネート基に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが結合し、他方のイソシアネート基に2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが結合した構造を有している。
ウレタン(メタ)アクリレート(A3)の好ましい態様としては、(b)成分として2,4−トリレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネート、および(c)成分として2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。この場合、ウレタン(メタ)アクリレート(A3)は、ジイソシアネートの両方のイソシアネート基に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのいずれか一種が結合した構造を有している。
また、ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造においては、ポリオール化合物とともにジアミンを併用することも可能である。このようなジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン等のジアミンや、ヘテロ原子を含むジアミン、ポリエーテルジアミン等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートの一部をイソシアネート基に付加しうる官能基を持った化合物で置き換えて用いることもできる。例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらの化合物を使用することにより、ガラス等の基材への密着性を高めることができる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造においては、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等から選ばれるウレタン化触媒を、反応物の総量に対して0.01〜1質量%を用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常5〜90℃、特に10〜80℃で行うのが好ましい。
本発明で用いるウレタン(メタ)アクリレート(A)の好ましい分子量は、ゲルパーミュレーションクロマトグラフ法によるポリスチレン換算の分子量で、通常500〜20,000であり、より好ましくは700〜15,000である。分子量が500未満ではその硬化被膜の破断伸びが低いことがあり、20,000を超えると粘度が高くなることがあり好ましくない。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、本発明の液状硬化性樹脂組成物中に、30〜90質量%、さらに55〜87質量%、特に65〜85質量%配合することが好ましい。30質量%未満では弾性率の温度依存性が大きく、90質量%以上では液状硬化性樹脂組成物の粘度が高くなることがある。
2.(B)成分:
本発明で用いる(B)成分は、下記式(1)で表される化合物である。
CH2=CR1COOR2 (1)
[式中、R1は、水素原子又はメチル基であり、R2は、直鎖又は分岐鎖の炭素数4〜12のアルキル基である。]
このような構造の(B)成分を配合することにより、石英管の汚染を抑制し、かつ、応力緩和速度が速い硬化物を与える液状硬化性組成物を得ることができる。
成分(B)の具体例としては、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。このうち、式(1)中のR2の炭素数が8又は9のものが、作業性の点から好ましく、特に、粘度が低く、樹脂液の安定性が良い点から2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。
成分(B)は、本発明の液状硬化性樹脂組成物中に10〜30質量%、特に15〜30質量%配合するのが、適度な粘度、ヤング率、応力緩和速度を兼ね備えたコート材を提供できるため好ましい。
3.(C)成分:
本発明で用いる成分(C)の重合開始剤としては、熱重合開始剤又は光重合開始剤を用いることができる。
本発明の樹脂組成物を熱硬化させる場合には、通常、過酸化物、アゾ化合物等の熱重合開始剤が用いることができる。具体的には、例えばベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−オキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物を光硬化させる場合には、光重合開始剤を用い、必要に応じて、さらに光増感剤を添加することができる。ここで、光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォフフィンオキシド;市販品として、IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、DAROCUR1116、1173(以上、チバスペシャルティケミカルズ社製)、LUCIRIN L
R8728(BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル;市販品として、ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
これらの中では、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが好ましく、これら2種類の(C)成分を併用すると、硬化物の透明性を長期間維持できるため、好ましい。
重合開始剤(C)は、本発明の液状硬化性樹脂組成物中に、0.1〜10質量%、特に0.3〜7質量%配合するのが好ましい。
4.(D)成分:
本発明の液状硬化性樹脂組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物を配合することもできる。このような化合物の具体例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造を有する(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート;その他、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート等の単官能性(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル等の多官能性(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(A)及び(B)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物(D)は、本発明の液状硬化性樹脂組成物中に、0〜60質量%、特に0〜30質量%配合するのが好ましい。
5.その他の成分:
また、本発明の液状硬化性樹脂組成物には、上記成分以外に各種添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を必要に応じて配合することができる。
ここで、酸化防止剤としては、例えばIRGANOX1010、1035、1076、1222(以上、チバスペシャルティケミカルズ社製)、ANTIGENE P、3C、
FR、GA−80(住友化学工業社製)等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばTINUVIN P、234、320、326、327、328、329、213(以上
、チバスペシャルティケミカルズ社製)、Seesorb102、103、501、202、712、704(以上、シプロ化成社製)等が挙げられる。光安定剤としては、例えばTINUVIN 292、144、622LD(以上、チバスペシャルティケミカルズ
社製)、サノールLS770(三共社製)、TM−061(住友化学工業社製)等が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品として、SH6062、6030(以上、トーレダウコーニングシリコーン社製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。
さらに、本発明の組成物には、必要に応じて他のオリゴマー、ポリマー、その他の添加剤等を、本発明の組成物の特性を損なわない範囲で配合することができる。
他のオリゴマー、ポリマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー、グリシジルメタアクリレート等が挙げられる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物の粘度は、ハンドリング性、塗布性の点から、25℃において、0.1〜10Pa・s、さらに1〜8Pa・s、特に2〜6Pa・sが好ましい。
なお、本発明の液状硬化性樹脂組成物は、熱及び/又は放射線によって硬化されるが、ここで放射線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等をいい、特に紫外線が好ましい。
本発明の硬化被膜は、前記の液状硬化性樹脂組成物を、硬化させることにより得られる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物を光ファイバ素線のセカンダリ材又は心線のテープ材として使用する場合には、硬化させて得られる硬化被膜のヤング率が100〜2,500MPaとなることが好ましく、また、光ファイバ素線のプライマリ材として用いる場合には、硬化被膜のヤング率が0.5〜3MPaとなることが好ましい。
また、硬化被膜に湿度50%で5%の延伸歪みを与えたとき、応力が、初期の応力の37%に減衰する時間で定義される応力緩和時間は、通常10分以内であり、好ましくは5分以内、特に好ましくは3分以内である。
本発明の光ファイバは、ガラスファイバが前述の硬化被膜で被覆された構造を有する。具体的には、ガラスファイバの表面に接して、前述の硬化被膜による一次被覆層を有し、その外側に、二次被覆層を有する構造を有している。あるいは、その外側にさらに着色被覆層を有していてもよく、さらには、複数のかかる光ファイバをテープ材等で1本に被覆したテープ構造を有していてもよい。二次被覆層、着色被覆層、及びテープ材層の材質としては、特に限定されるものではなく、公知の放射線硬化性組成物等を用いることができる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例1:(A)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの合成1]
攪拌機を備えた反応容器に、数平均分子量1000のポリプロピレングリコール180.88g、数平均分子量10000のポリプロピレングリコール9.02g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.182g、トリレンジイソシアネート257.22g、2−エチルヘキシルアクリレート95.80gを仕込み、これらを攪拌しながら、液温度が15℃となるまで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.605gを添加した後、温度が40℃以上にならないように注意しながら、1時間ほど攪拌した。室温になるまで攪拌した後、2−ヒドロキシプロピルアクリレート88.89gを、液温度が30℃を越えないように調節しながら滴下した。滴下終了後、液温度40℃で1時間撹拌した。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート220.77gを、液温度が60℃を越えないように調節しながら滴下した。滴下終了後、液温度60℃で撹拌した。残留イソシアネート基濃度が0.1質量%以下になった時を反応終了とした。得られたウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)をUA−1とする。UA−1の主成分は、下記式(3)で示されるウレタンアクリレートオリゴマー(A1)30g、下記式(4)で示されるウレタンアクリレートオリゴマー(A1)1g、下記式(5)で示されるウレタンアクリレートオリゴマー(A2)30g、および下記式(6)で示されるウレタンアクリレートオリゴマー(A3)18gの混合物である。
HEA−TDI−PPG1000−TDI−HEA (3)
HEA−TDI−PPG10000−TDI−HEA (4)
HPA−TDI−HEA (5)
HEA−TDI−HEA (6)
[式(3)〜(5)中で、HEAは、ヒドロキシエチルアクリレート由来の構造をしめし、HPAは、ヒドロキシプロピルアクリレート由来の構造をしめし、TDIは、トルエンジイソシアナート由来の構造を示し、PPG1000は、数平均分子量1000のポリプロピレングリコール由来の構造を示し、PPG10000は、数平均分子量10000のポリプロピレングリコール由来の構造を示す。]
[製造例2:(A)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの合成2]
2−ヒドロキシプロピルアクリレートに替えて、2−ヒドロキシプロピルアクリレートと等モルの2−ヒドロキシエチルアクリレートを用いた点以外は、製造例1と同様にして、(A)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを合成した。得られたウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)をUA−2とする。UA−2は、上記式(3)で示されるウレタンアクリレートオリゴマー(A1)30g、上記式(4)で示されるウレタンアクリレートオリゴマー(A1)1g、および上記式(6)で示されるウレタンアクリレートオリゴマー(A3)48gの混合物である。上記式(4)で示されるウレタンアクリレートオリゴマー(A2)は、含まれていない。
実施例1
製造例1で得られたウレタンアクリレートオリゴマー(UA−1)の液温度を50〜60℃とし、2−エチルへキシルアクリレート114.95g、Irganox245(チバスペシャリティーケミカルズ社製)2.90g、Irgacure184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)29.03gを加え、均一な樹脂液になるまで撹拌して、液状硬化性樹脂組成物を得た。
実施例2〜4および比較例1〜5
表1に示す組成の液状硬化性樹脂組成物を、実施例1と同様にして製造した。
試験例1
(1)試験用フィルムの作成:
250μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布し、これを空気下で1J/cm2のエネルギーの紫外線を照射して硬化させ、試験用フィルムを得た。
(2)光ファイバの作成:
直径125μmの金属線上に、各液状硬化性樹脂組成物を直径200μmになるように塗布した。これを6kWのUVランプを用いて紫外線を照射し、線速100m/分で80分連続で線引した。この際、各液状硬化性樹脂組成物を塗布された金属線は、筒状体である石英管内を通過しながら、UVランプから紫外線を照射される。
(3)保存安定性:
各液状硬化性樹脂組成物の25℃における粘度を、粘度計B8H−BII(トキメック社製)で測定した。さらに耐久試験として、これらの組成物を25℃で7日間放置した後、再度粘度を測定した(以下、「耐久後粘度」という)。初期粘度と耐久後粘度の変化率を(1)式より算出した。粘度変化率が、20%以内の場合を「○」、20%を超えた場合を「×」と判定した。
粘度変化率(%)=100−(初期粘度値/耐久後粘度)×100 (1)
(4)応力緩和時間の測定:
上記フィルムから、幅6mm、長さ25mmの短冊状サンプルを作成した。温度23℃、湿度50%で1000mm/minの速度で歪み5%を与え、引っ張り試験機(島津製作所製、オートグラフAGS−50G)のクロスヘッドを停止して応力の変化をモニターした。応力が、初期の応力の37%に低下する時間を応力緩和時間とした。
(5)石英管透過率の測定:
線引実験で使用した石英管の可視・紫外線吸収スペクトルを、未使用の石英管をリファレンスとして測定し、250、300、350、400、および500nmの各波長における透過率(%)を求めた。
各実施例、比較例の構成(質量%)及び評価結果を表1に示す。
表1の結果より、本発明の液状硬化性樹脂組成物は、保存安定性に優れ、応力緩和時間が速い被膜を与える。また、硬化時に石英管に揮発成分を付着させないものである。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)、(B)並びに(C):
    (A)少なくとも下記2種のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A1)及び(A2)、
    (A1):(a)ポリエーテルポリオール、(b)ポリイソシアネート、および(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物である、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、
    (A2):(b)ポリイソシアネート、および異なる2種以上の(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物である、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、
    (B)2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
    (C)重合開始剤
    を含有し、組成物全量を100質量%として、成分(A)を65〜85質量%、成分(B)を10〜30質量%、成分(C)を0.1〜10質量%含有し、成分(A)及び(B)以外のエチレン性不飽和基含有化合物(ただし、イソボルニルアクリレートを除く)(D)を含有しない液状硬化性樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の液状硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化被膜。
  3. 請求項2記載の硬化被膜を有する光ファイバ。
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