JP2003147031A - 液状硬化性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

液状硬化性樹脂組成物およびその硬化物

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JP2003147031A
JP2003147031A JP2001348970A JP2001348970A JP2003147031A JP 2003147031 A JP2003147031 A JP 2003147031A JP 2001348970 A JP2001348970 A JP 2001348970A JP 2001348970 A JP2001348970 A JP 2001348970A JP 2003147031 A JP2003147031 A JP 2003147031A
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acrylate
meth
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curable resin
liquid curable
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JP2001348970A
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Hiroshi Uchida
浩史 内田
Hiroteru Obara
浩輝 小原
Zen Komiya
全 小宮
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JSR Corp
Koninklijke DSM NV
Original Assignee
JSR Corp
DSM NV
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦力や貼り付き性を低減した表面を有する
硬化物となり得る、光ファイバの被覆材用としても好適
な液状硬化性樹脂組成物およびその硬化物を提供するこ
と。 【解決手段】 重合性オリゴマー(A)と重合性モノマ
ー(B)を含有する液状硬化性樹脂組成物であって、硬
化物の表面の凹凸の算術平均粗さが0.006μm〜2
μmであり、硬化物中に存在する長さ5μm以上の構造
体が5個/mm 3以下であることを特徴とする液状硬化
性樹脂組成物よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種被覆材、特に
光ファイバ用被覆材として好適な液状硬化性樹脂組成物
に関し、さらに詳細には、硬化後の表面の摩擦が小さ
く、貼り付き性も小さい液状硬化性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ファイバは、ガラスを熱溶融紡糸して
得たガラスファイバに、保護補強を目的として樹脂を被
覆して製造されている。この樹脂被覆ファイバとして
は、ガラスファイバの表面にまず柔軟な第一次の被覆層
を設け、その外側に剛性の高い第二次の被覆層を設けた
光ファイバ素線、複数の光ファイバ素線を結束材料で固
めたテープ状光ファイバや光ファイバケーブル、光ファ
イバ素線にさらに被覆層を施すことにより取り扱いやす
い太さにした光ファイバコード等が知られている。ま
た、光ファイバ素線、テープ状光ファイバ、光ファイバ
コード等を集合した構造の光ファイバケーブルもよく知
られている。ガラスファイバへの樹脂被覆方法として
は、ガラスファイバに液状硬化性樹脂組成物を塗布し、
熱または放射線、特に紫外線により硬化させる方法が広
く用いられている。
【0003】これらの被覆材は、光ファイバのボビンへ
の巻き取り性向上、ケーブル化したときの伝送ロス低
減、エアーブローにより配管内に光ファイバを配線する
ときの管内面への光ファイバの貼り付き低減のため、被
覆材の摩擦力や貼り付き性の低い材料が求められてい
る。摩擦力や貼り付き性を低減する方法として、組成物
に固体微粒子を添加することにより硬化物表面に凹凸を
形成する方法(特開平8−333524、特開平9−3
24136)や、特定の構造を有する変性シリコーンを
添加し、その潤滑作用により摩擦力を低減する方法(特
開平9−27885、特開平9−328632)が知ら
れている。ところが、組成物に固体微粒子を添加するこ
とにより硬化物表面に凹凸を形成する方法は、その光フ
ァイバに側圧がかかったとき、被覆中の固体微粒子とそ
の周りの樹脂の弾性率差によりガラスファイバに不均一
な応力が伝わるためマイクロベントが生じて伝送ロスが
大きく増加する問題がある。さらに、固体微粒子を含ん
だ組成物では濾過が困難なために、予定外に混入した異
物を取り除くことができないという問題がある。また、
特定の構造を有する変性シリコーンを添加し、その潤滑
作用により摩擦力を低減する方法においては、摩擦力や
貼り付き性の低減が不十分であったり、その被覆層の上
にさらに被覆層を設ける場合の接着性が低下し易く、ま
た、被覆層上にインキ等で文字や記号を印刷する場合
に、インキの載りが悪いとか、印刷がはがれ易いという
問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、硬化
物表面の凹凸の形状を制御することにより、摩擦力や貼
り付き性を著しく低減した表面を有する硬化物を製造可
能な液状硬化性樹脂組成物およびその硬化物を提供する
ことにある。本発明のさらなる課題は、光ファイバの伝
送特性に悪影響を及ぼさずに、摩擦力や貼り付き性を著
しく低減した表面を有する光ファイバの被覆材用の液状
硬化性樹脂組成物およびその硬化物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的および
利点は、重合性オリゴマー(A)と重合性モノマー
(B)を含有する液状硬化性樹脂組成物であって、硬化
物の表面の凹凸の算術平均粗さが0.006μm〜2μ
mであり、硬化物中に存在する長さ5μm以上の構造体
が5個/mm3以下であることを特徴とする液状硬化性
樹脂組成物によって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳述するが、それに
より本発明の他の目的、利点および効果が明らかとなろ
う。
【0007】本発明の液状硬化性樹脂組成物の硬化物
は、その表面に凹凸を有するものであり、算術平均粗さ
が0.006〜2μm、好ましくは0.01〜1.5μ
m、さらに好ましくは0.02〜1μm、特に好ましく
は0.04〜1μmである。硬化物表面の凹凸の算術平
均粗さが0.006μm未満では、硬化物の摩擦力と貼
り付き性が大きくなるので好ましくない。算術平均粗さ
が2μmを超える場合は、光ファイバの伝送特性を悪化
する場合があり、好ましくない。
【0008】前記の「算術平均粗さ」は、JIS B0
601に示されるものであり、下記式(1)で表され
る。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、Lは基準長さ、f(x)は粗さ曲
線を示す。
【0011】本発明の液状硬化性樹脂組成物の硬化物は
透明体であるが、内部を顕微鏡で観察したとき、粒状等
に光の透過性の異なる部分が認められることがある。本
発明では、この部分を「構造体」という。構造体の長さ
は、その構造体が入ることのできる最小の球の直径と
し、複数の構造体同士が接触し合っている場合は、その
全体をひとつの構造体と見なす。構造体の数は、硬化物
1mm3当りに換算して、長さ5μm以上の構造体が5
個以下、好ましくは長さ2μm以上の構造体が5個以
下、さらに好ましくは長さ1μm以上の構造体が5個以
下である。長さ5μm以上の構造体が5個/mm3を超
えると、光ファイバに与えられた外力がガラスファイバ
に不均一に伝わり、マイクロベントを生じて伝送特性を
低下させることがあり、好ましくない。
【0012】本発明の液状硬化性樹脂組成物の硬化物表
面の凹凸は、その相互間の間隔の平均が、好ましくは2
0μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ま
しくは5μm以下である。凹凸の形状に方向性が見られ
るときは、凹凸の間隔が最も小さくなる方向で測定した
算術平均粗さ及び凹凸の平均間隔を、その硬化物の算術
平均粗さ及び凹凸の平均間隔とする。凹凸の平均間隔が
20μmを超えると、光ファイバに与えられた外力がガ
ラスファイバに不均一に伝わり、マイクロベントを生じ
て伝送特性を低下させることがあり、好ましくない。
【0013】液状硬化性樹脂組成物硬化物の表面に凹凸
を生じさせる方法として、本発明の液状硬化性樹脂組成
物は、塗布時は平らな表面であったものが硬化により凹
凸を形成する。また、本発明の液状硬化性樹脂組成物
は、実質的な量の微粒子を含有しなくても表面の凹凸を
形成可能なものである。
【0014】本発明で使用する重合性オリゴマー(A)
は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、エ
ポキシ基、オキセタン基等の重合性官能基を1分子中に
1個または複数個有し、かつ、分子骨格に繰り返し単位
を有する化合物をいう。本発明の組成物を光ファイバ用
被覆材として用いる場合の重合性オリゴマー(A)とし
ては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル
(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアクリル
(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート
等のオリゴマーが好んで用いられ、このうちウレタン
(メタ)アクリレートオリゴマーが特に好ましい。上記
のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、通常、
ポリオール化合物、ジイソシアネート化合物および水酸
基含有(メタ)アクリレートを反応させることにより製
造されるが、これ以外の原料を反応させて製造したもの
であってもよい。
【0015】重合性オリゴマー(A)として使用される
ウレタン(メタ)アクリレートの製造に用いられるポリ
オール化合物は、例えば脂肪族ポリエーテルジオール、
脂環式ポリエーテルジオールあるいは芳香族ポリエーテ
ルジオールなどのポリエーテルジオール類、ポリエステ
ルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラ
クトンジオールなどが挙げられる。これらのポリオール
は、単独でまたは二種以上を併用して用いることもでき
る。ポリオールとしてはジオール類とジイソシアネート
との反応によって合成される2価以上のポリオールも用
いることができる。これらのポリオールにおける各構造
単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブロ
ック重合、グラフト重合のいずれであってもよい。
【0016】脂肪族ポリエーテルジオールとしては、例
えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレ
ングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデ
カメチレングリコールおよび二種以上のイオン重合性環
状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオ
ールなどが挙げられる。
【0017】上記イオン重合性環状化合物としては、例
えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−
1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロ
ロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチル
テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、
ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘ
キセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリ
ン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノ
オキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタ
ン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセン
オキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシ
ジルエーテル、安息香酸グリシジルエステルなどの環状
エーテル類が挙げられる。
【0018】二種以上の上記イオン重合性環状化合物を
開環共重合させて得られるポリエーテルジオールの具体
例としては、例えばテトラヒドロフランとプロピレンオ
キシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロ
フラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロ
フラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロ
ピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキ
シドとエチレンオキシドなどの組み合わせより得られる
二元共重合体;テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキ
シドおよびエチレンオキシドの組み合わせより得られる
三元重合体などを挙げることができる。
【0019】また、上記イオン重合性環状化合物と、エ
チレンイミンなどの環状イミン類;β−プロピオラクト
ン、グリコール酸ラクチドなどの環状ラクトン酸;ある
いはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合さ
せたポリエーテルジオールを使用することもできる。
【0020】上記脂肪族ポリエーテルジオールは、例え
ばPTMG650、PTMG1000、PTMG200
0(以上、三菱化学(株)製)、PPG400、PPG
1000、EXCENOL720、1020、2020
(以上、旭オーリン(株)製)、PEG1000、ユニ
セーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂
(株)製)、PPTG2000、PPTG1000、P
TG400、PTGL2000(以上、保土谷化学工業
(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−5、P
BG2000A、PBG2000B、EO/BO400
0、EO/BO2000(以上、第一工業製薬(株)
製)などの市販品としても入手することができる。脂環
式ポリエーテルジオールとしては、例えば水添ビスフェ
ノールAのアルキレンオキシド付加ジオール、水添ビス
フェノールFのアルキレンオキシド付加ジオール、1,
4−シクロヘキサンジオールのアルキレンオキシド付加
ジオールなどが挙げられる。
【0021】さらに、芳香族ポリエーテルジオールとし
ては、例えばビスフェノールAのアルキレンオキシド付
加ジオール、ビスフェノールFのアルキレンオキシド付
加ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキシド付加
ジオール、ナフトハイドロキノンのアルキレンオキシド
付加ジオール、アントラハイドロキノンのアルキレンオ
キシド付加ジオールなどが挙げられる。上記芳香族ポリ
エーテルジオールは、例えばユニオールDA400、D
A700、DA1000、DA4000(以上、日本油
脂(株)製)などの市販品としても入手することができ
る。
【0022】ポリエステルジオールとしては、例えば多
価アルコールと多塩基酸とを反応させて得られるポリエ
ステルジオール等が挙げられる。上記多価アルコールと
しては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジ
オール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等が挙
げられる。多塩基酸としては、例えばフタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジ
ピン酸、セバシン酸等が挙げられる。上記のポリエステ
ルジオールの市販品としては、例えばクラポールP−2
010、P−1010、L−2010、L−1010、
A−2010、A−1010、F−2020、F−10
10、PMIPA−2000、PKA−A、PNOA−
2010、PNOA−1010(以上、クラレ(株)
製)等が挙げられる。
【0023】ポリカーボネートジオールとしては、例え
ばポリテトラヒドロフランのポリカーボネート、1,6
−ヘキサンジオールのポリカーボネートなどが挙げら
れ、市販品としてはDN−980、981、982、9
83(以上、日本ポリウレタン(株)製)、PC−80
00(PPG社製)、PC−THF−CD(BASF社
製)などが挙げられる。
【0024】ポリカプロラクトンジオールとしては、例
えばε−カプロラクトンとジオールとを反応させて得ら
れるポリカプロラクトンジオールなどが挙げられる。こ
こで用いられるジオールとしては、例えばエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブ
チレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。これら
のポリカプロラクトンジオールは、プラクセル205、
205AL、212、212AL、220、220AL
(以上、ダイセル化学工業(株)製)などの市販品とし
て入手することができる。
【0025】上記以外のその他のポリオールとしては、
例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノ
ールA、水添ビスフェノールF、ジシクロペンタジエン
のジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノー
ル、ペンタシクロデカンジメタノール、β−メチル−δ
−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒ
ドロキシ末端水添ポリブタジエン、ヒマシ油変性ポリオ
ール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物お
よび末端モノオール化合物、ポリエーテル変性ポリジメ
チルシロキサンのポリオールおよびモノオール、ポリジ
メチルシロキサンカルビトール変性ポリオールおよびモ
ノオールなどが挙げられる。
【0026】上記ポリオール化合物中、好ましくは脂肪
族ポリエーテルジオール、具体的には、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコールなどが好ましく、その数平均分子量が
4,000以上、さらには6,000以上、特に8,0
00以上であるものが好ましく、上限は20,000ま
でのものが好ましい。
【0027】重合性オリゴマー(A)として使用される
ウレタン(メタ)アクリレートの製造に用いられるジイ
ソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ジイソシ
アネート、脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシア
ネート等が挙げられる。芳香族ジイソシアネートとし
て、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,
6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジ
イソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニ
レンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシア
ネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビ
ス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソ
プロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジ
フェニルプロパンジイソシアネート、テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート、等が挙げられる。
【0028】脂環族ジイソシアネートとして、例えば、
イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シ
クロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタン
ジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、
2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネー
トメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、等が挙
げられる。脂肪族ジイソシアネートとして、例えば、
1,6−ヘキサンジイソシアネート、2,2,4−トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート、等が挙げられる。このうち、2,4−トリ
レンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート
が、特に好ましい。これらのジイソシアネートは単独で
用いても、2種以上併用しても良い。
【0029】重合性オリゴマー(A)として使用される
ウレタン(メタ)アクリレートの製造に用いられる水酸
基含有(メタ)アクリレート化合物としては、水酸基が
第一級炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート
(第一水酸基含有(メタ)アクリレートという。)、お
よび、水酸基が第二級炭素に結合した水酸基含有(メ
タ)アクリレート(第二水酸基含有(メタ)アクリレー
トという。)を用いることが好ましい。水酸基が第三級
炭素に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第三
水酸基含有(メタ)アクリレートという。)は、イソシ
アネート基との反応性に劣るため好ましくない。
【0030】第一水酸基含有(メタ)アクリレートとし
て、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
エタンジ(メタ)アクリレート、および下記式(2)で
表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。 CH2=C(R1)-COOCH2CH2-(OCOCH2CH2CH2CH2CH2)n-OH 式(2) (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、nは1
〜3の数を示す)
【0031】第二水酸基含有(メタ)アクリレートとし
て、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、等が挙げられ、また、アルキルグリシジル
エーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メ
タ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メ
タ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物が挙
げられる。
【0032】水酸基含有(メタ)アクリレートの一部
を、イソシアネート基に付加しうる官能基を持った化合
物で置き換えて用いることもできる。例えば、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシランなどを挙げることができる。これ
らの化合物を使用することにより、ガラス等の基材に対
する良好な密着性を得ることができる。
【0033】ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
を製造するとき、ポリオール化合物、ジイソシアネート
化合物および水酸基含有(メタ)アクリレートのそれぞ
れの使用割合は、ポリオール化合物に含まれる水酸基1
当量に対して、ジイソシアネート化合物に含まれるイソ
シアネート基が1.1〜2当量、水酸基含有(メタ)ア
クリレートの水酸基が0.1〜2当量の範囲で、かつ、
イソシアネート基に対して、ポリオール化合物および水
酸基含有(メタ)アクリレートに含まれる水酸基が当量
ないし水酸基が小過剰となる割合で反応させるのが好ま
しい。例えば、ポリオール化合物に含まれる水酸基1当
量に対して、ジイソシアネート化合物に含まれるイソシ
アネート基が2当量、水酸基含有(メタ)アクリレート
の水酸基が1当量反応させることができる。
【0034】ポリオール化合物、ジイソシアネート化合
物および水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて
ウレタン(メタ)アクリレートを製造する方法は特に制
限されないが、例えば次の(1)〜(4)の方法に従っ
て行われる。 (1)ポリオール化合物、ジイソシアネート化合物およ
び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を一括して仕
込んで反応させる方法。 (2)ポリオール化合物およびジイソシアネート化合物
を反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレート化
合物を反応させる方法。 (3)ジイソシアネート化合物および水酸基含有(メ
タ)アクリレート化合物を反応させ、次いでポリオール
化合物を反応させる方法。 (4)ジイソシアネート化合物および水酸基含有(メ
タ)アクリレート化合物を反応させ、次いでポリオール
化合物を反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アク
リレート化合物を反応させる方法。
【0035】これらの反応においては、ナフテン酸銅、
ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラ
ウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ
〔2.2.2〕オクタン、2,6,7−トリメチル−
1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等から
選ばれるウレタン化触媒を、反応物の総量に対して0.
01〜1重量%を用いるのが好ましい。また、反応温度
は、通常5〜90℃、特に10〜80℃で行うのが好ま
しい。
【0036】本発明において用いられる重合性オリゴマ
ー(A)中のポリオール成分に由来する構造部分の数平
均分子量は、好ましくは4,000以上であり、さらに
好ましくは6,000〜20,000であり、特に好ま
しくは8,000〜20,000である。重合性オリゴ
マー(A)中のポリオール成分は、1量体あるいは多量
体であってもよい。この範囲内では特に良好な硬化物表
面形状が得られる。数平均分子量が20,000を超え
ると、均一な液状硬化性樹脂組成物を得ることが困難と
なることがある。なお、当該ポリマー成分に由来する構
造部分の数平均分子量は、原料として用いるポリマー成
分の数平均分子量と略同一である。
【0037】また、本発明の液状硬化性樹脂組成物中に
おける重合性オリゴマー(A)は、塗工性、硬化物の柔
軟性等を維持するために、10〜70重量%配合するの
が好ましく、10〜60重量%配合するのがさらに好ま
しい。重合性オリゴマー(A)として高分子量の成分を
用いたとき、本発明の液状硬化性樹脂組成物が均一に相
溶しない場合もあるが、その硬化物中に存在する長さ5
μm以上の構造体が5個/mm3以下、好ましくは2μ
m以上の構造体が5個/mm3以下、さらに好ましくは
1μm以上の構造体が5個/mm3以下であれば、差し
支えはない。
【0038】本発明で用いられる重合性モノマー(B)
としては、単官能性化合物と多官能性化合物が挙げられ
る。単官能性化合物としては、例えばN−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラク
タム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル
(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)ア
クリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4
−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリ
ロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジ
ン等が挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イ
ソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アク
リレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル
(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレー
ト、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソ
ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフ
リル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール
(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)
アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イ
ソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)
アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリ
レート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニル
エーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシル
ビニルエーテルを挙げることができる。
【0039】上記の重合性モノマー(B)の単官能性化
合物の市販品として、アロニックスM111、M11
3、M114、M117(以上、東亞合成(株)製);
KAYARAD、TC110S、R629、R644
(以上、日本化薬(株)製);IBXA、ビスコート3
700(大阪有機化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0040】また多官能性化合物としては、例えばトリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシ
エチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエ
チル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ト
リス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メ
タ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオ
キサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオー
ルのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAの
エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加
体のジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノー
ルAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを
付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。また、
市販品としては、例えばユピマーUV SA1002、
SA2007(以上、三菱化学(株)製);ビスコート
700(大阪有機化学工業(株)製);KAYARAD
R−604、DPCA−20、−30、−60、−1
20、HX−620、D−310、D−330(以上、
日本化薬(株)製);アロニックスM−210、M−2
15、M−315、M−325(以上、東亞合成(株)
製)等が挙げられる。
【0041】重合性モノマー(B)に用いられる多官能
性化合物として、2分子の水酸基含有(メタ)アクリレ
ートと1分子のジイソシアネート化合物の反応により得
られるウレタン(メタ)アクリレートも使用できる。こ
のウレタン(メタ)アクリレートの製造においては、重
合性オリゴマー(A)として使用されるウレタン(メ
タ)アクリレートの製造に用いられる化合物として例示
した水酸基含有(メタ)アクリレートとジイソシアネー
ト化合物を使用でき、それぞれ2種以上の化合物を使用
しても良い。上記の単官能性化合物と多官能性化合物
は、単独で、あるいは、両化合物を同時に使用できる。
また、それぞれの化合物は、単独または二種以上を組合
わせて用いることができる。
【0042】本発明の液状硬化性樹脂組成物中における
重合性モノマー(B)の含有量は、該組成物全体に対し
て、好ましくは30〜90重量%である。さらに好まし
くは、重合性モノマー(B)中のウレタン(メタ)アク
リレートが20〜80重量%、特に好ましくは30〜8
0重量%、ウレタン(メタ)アクリレート以外の重合性
モノマー(B)が10〜70重量%、特に好ましくは1
0〜60重量%である。上記範囲の場合、塗工性および
硬化速度が適度に維持され、硬化物の靭性も適切で、し
かも硬化収縮率も低く優れている。
【0043】本発明の液状硬化性樹脂組成物には、必要
に応じて重合開始剤(C)を加えることができる。重合
開始剤(C)としては、硬化方法に応じて熱重合開始剤
または光重合開始剤等を用いることができる。本発明の
液状硬化性樹脂組成物を熱硬化させる場合には、過酸化
物、アゾ化合物等の熱重合開始剤が用いることができ
る。具体的には、例えばベンゾイルパーオキサイド、t
−ブチル−オキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニ
トリル等が挙げられる。
【0044】また、本発明の液状硬化性樹脂組成物を光
硬化させる場合には、光重合開始剤を用い、必要に応じ
て、さらに光増感剤を添加することができる。ここで、
光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベン
ズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェ
ニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノ
ン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシ
ベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、
ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサント
ン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキ
サントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1
−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−
プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6
−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペ
ンチルフォフフィンオキシド;IRGACURE18
4、369、651、500、907、CGI170
0、CGI1750、CGI1850、CG24−6
1、DAROCUR1116、1173(以上、チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ(株)製);LUCIRI
NLR8728(BASF社製);ユベクリルP36
(UCB社製)等が挙げられる。
【0045】光増感剤としては、例えばトリエチルアミ
ン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、
エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−
ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安
息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミ
ル;ユベクリルP102、103、104、105(以
上、UCB社製)等が挙げられる。重合開始剤(C)
は、本発明の液状硬化性樹脂組成物中に、0.1〜10
重量%、特に0.3〜7重量%配合するのが好ましい。
【0046】本発明の組成物は、硬化物表面に凹凸を形
成することにより硬化物表面の摩擦力や貼り付き性を低
減しているが、さらに摩擦力や貼り付き性を低減するた
めに変性シリコーン等の改質剤を用いることができる。
変性シリコーンとしてはポリエーテル変性シリコーン、
アルキル変性シリコーン、アルキルアラルキルポリエー
テル変性シリコーン等が用いられる。
【0047】本発明の液状硬化性組成物には、さらに微
粒子を含有しても良い。ただし、添加した微粒子を含む
構造体の数については、液状硬化性樹脂組成物およびそ
の硬化物の内部に存在する長さ5μm以上の構造体が5
個/mm3以下、好ましくは2μm以上の構造体が5個
/mm3以下、さらに好ましくは1μm以上の構造体が
5個/mm3以下でなければならない。
【0048】また、上記成分以外に各種添加剤、例えば
酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シラン
カップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活
性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、老化防止剤、
濡れ性改良剤、塗面改良剤等を必要に応じて配合するこ
とができる。ここで、酸化防止剤としては、例えばIR
GANOX1010、1035、1076、1222
(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)
製)、ANTIGENE P、3C、FR、GA−80
(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。紫外線吸収
剤としては、例えばTINUVIN P、234、32
0、326、327、328、329、213(以上、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、See
sorb102、103、501、202、712、7
04(以上、シプロ化成(株)製)等が挙げられる。
【0049】光安定剤としては、例えばTINUVIN
292、144、622LD(以上、チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製)、サノールLS770
(三共(株)製)、TM−061(住友化学工業(株)
製)等が挙げられる。シランカップリング剤としては、
例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品として、S
H6062、6030(以上、東レ・ダウコーニング・
シリコーン(株)製)、KBE903、603、403
(以上、信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0050】本発明の液状硬化性樹脂組成物には、前記
の添加剤以外にも、必要に応じて本発明の組成物の特性
を損なわない範囲で他のオリゴマー、ポリマー、その他
の添加剤等を配合することができる。また、本発明の液
状硬化性樹脂組成物には、通常、実質的な量の非重合性
希釈剤を含有しない。他のオリゴマー、ポリマーとして
は、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、エポキ
シ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサ
ンポリマー、グリシジルメタアクリレート等が挙げられ
る。
【0051】本発明の液状硬化性樹脂組成物は、物品の
表面に塗布し、紫外線、可視光線、赤外線、電子線等の
放射線を照射、および/または、加熱することで、短時
間で硬化物を形成できる。放射線として好ましいもの
は、紫外線である。本発明の硬化物は、微小な凹凸を有
するので、つや消し塗膜として有用である。本発明の組
成物を用いてガラスファイバを被覆する場合、光学ガラ
ス母材を、例えば1〜5m/秒の速度で線引きし、これ
にプライマリーコーティング剤を被覆し、紫外線照射に
より硬化し、次いで本発明の液状硬化性樹脂組成物をト
ップコーティング剤として、プライマリコートの上に好
ましくは20〜300μmの厚さで被覆する。硬化は、
通常、低圧または高圧水銀灯、キセノン灯等を用いた紫
外線照射により行う。本発明の組成物を光ファイバの被
覆材、特にトップコートに用いると、表面の摩擦が小さ
く、相互の貼り付き性も小さいので好ましい。複数本の
光ファイバを束ねる光ファイバテープ用被覆材(テープ
の結束材)としても好適である。
【0052】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 《重合性オリゴマー(A)の合成例1》撹拌機を備えた
反応容器に、数平均分子量が8,000のポリプロピレ
ングリコール931.4g、トリレンジイソシアネート
40.5g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
0.24g、フェノチアジン0.08gを仕込み、これ
らを撹拌しながら液温度が20℃となるまで冷却した。
ジブチル錫ジラウレート0.80gを添加した後、液温
度40℃で2時間攪拌した。次に、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート27.0gを液温度が60℃を超えない
ように調節しながら滴下した。滴下終了後、液温度60
℃で撹拌した。残留イソシアネート基濃度が0.1重量
%以下になった時を反応終了とし、ウレタンアクリレー
トオリゴマーを得た(これをオリゴマー(a−1)とす
る)。
【0053】《重合性オリゴマー(A)の合成例2》撹
拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が2,000の
ポリプロピレングリコール774.3g、トリレンジイ
ソシアネート134.7g、2,6−ジ−t−ブチル−
p−クレゾール0.24g、フェノチアジン0.08g
を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が20℃となる
まで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.80gを添
加した後、液温度40℃で2時間攪拌した。次に、2−
ヒドロキシエチルアクリレート89.8gを液温度が6
0℃を超えないように調節しながら滴下した。滴下終了
後、液温度60℃で撹拌した。残留イソシアネート基濃
度が0.1重量%以下になった時を反応終了とし、ウレ
タンアクリレートオリゴマーを得た(これをオリゴマー
(a−2)とする)。
【0054】《ウレタンアクリレートの合成例1》撹拌
機を備えた反応容器に、トリレンジイソシアネート42
8.1g(2.458モル)、2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール0.24g、フェノチアジン0.08
g、ジブチル錫ジラウレート0.80gを仕込み、これ
らを室温で撹拌した。2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト570.7g(4.92モル)を液温度が60℃を超
えないように調節しながら滴下した。滴下終了後、液温
度60℃で撹拌した。残留イソシアネート基濃度が0.
1重量%以下になった時を反応終了とし、ウレタンアク
リレートを得た(これをウレタンアクリレート(b−
1)とする)。
【0055】《ウレタンアクリレートの合成例2》撹拌
機を備えた反応容器に、トリレンジイソシアネート41
3.8g(2.376モル)、2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール0.24g、フェノチアジン0.08
g、ジブチル錫ジラウレート0.80gを仕込み、これ
らを撹拌しながら室温で攪拌した。2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート309.2g(2.377モル)を液
温度が40℃を超えないように調節しながら滴下した。
滴下終了後、液温度40℃で1時間撹拌した。次に、2
−ヒドロキシエチルアクリレート275.7g(2.3
77モル)を液温度が60℃を超えないように調節しな
がら滴下した。滴下終了後、液温度60℃で撹拌した。
残留イソシアネート基濃度が0.1重量%以下になった
時を反応終了とし、ウレタンアクリレートを得た(これ
をウレタンアクリレート(b−2)とする)。
【0056】実施例1、比較例1〜3 撹拌機を備えた反応容器に表1に示す配合比で化合物を
仕込み、液温度60℃で2時間撹拌し、実施例および比
較例の液状硬化性樹脂組成物を得た。得られた液状組成
物の粘度を、トキメック製粘度計B8H−BIIを使用し
て25℃で測定した。結果は、表1に示した。この液状
組成物を381μm厚のアプリケーターを用いてガラス
上に塗布し、1分間静置したのち、3.5kWメタルハ
ライドランプ(オーク(株)製SMX−3500/F−
OS)を用いて空気雰囲気下で500mJ/cm2の紫
外線を照射し、実施例および比較例のフィルム状で厚さ
約200μmの硬化物を得た。
【0057】硬化物の物性は下記の方法で測定し、結果
を表1に示した。 1)硬化物表面の形状の測定方法 実施例および比較例で得られた硬化物フィルム表面は、
ガラス面側と空気面側があるが、空気面側の表面形状
を、超深度形状測定顕微鏡(キーエンス社製;VK−8
500)を用いて測定した。実施例1の硬化物、比較例
1の硬化物、および比較例3の硬化物は、レンズ倍率1
00倍、光学ズーム4倍、デジタルズーム1倍、カット
オフ値8μm、スムージング単純平均±4、評価長さ3
0μmで測定した。比較例2の硬化物は、レンズ倍率1
0倍、光学ズーム1倍、デジタルズーム1倍、カットオ
フ値8μm、スムージング単純平均±4、評価長さ1,
000μmで測定した。
【0058】2)硬化物中に存在する構造体の測定方法 実施例および比較例で得られた硬化物中に存在する構造
体を光学顕微鏡を用いて観察し、5μm以上の構造体の
単位体積(mm3)当りの個数を計測した。なお、構造
体の長さは、その構造体が入ることのできる最小の球の
直径を言い、複数の構造体同士が接触し合っている場合
は、その全体をひとつの構造体と見なした。
【0059】3)弾性率測定方法 実施例および比較例で得られた硬化物フイルムを、6m
m幅の短冊状に切り、弾性率測定用の試験片とした。こ
れを用いてJIS K7127に準拠して弾性率を測定
した。このとき標線間距離25mm、温度23℃、湿度
50%RHの環境下で、引張速度1mm/minで測定
した。
【0060】4)摩擦力測定方法 実施例および比較例で得られた硬化物フィルムの空気面
同士の摩擦力を測定した。表面性測定機(新東科学
(株)製;TYPE−HEIDON・14)を用いて、
接触面積4.0cm2、速度300mm/minで測定
した。このとき、接触面に与える加重は、0.098
N、0.20N、0.49N、0.98Nの4条件で、
温度23℃、湿度50%RHの環境下において測定し
た。
【0061】5)貼り付き性測定方法 実施例および比較例で得られた硬化物の空気面同士の貼
り付き性を測定した。硬化物フィルムを5cm角の大き
さで2枚切り取り、空気面同士を4cm×5cmの範囲
で重なるように合わせたものを2枚のガラス板の間に挟
み、0.98Nの加重を1分間かけてから硬化物フィル
ムを取り出した。重ね合わせた硬化物フィルムの片方を
速度1,000mm/minで引張り上げたとき、硬化
物が重なったまま2枚共持ち上がる場合を「貼り付き性
有り」、2枚が剥がれて1枚しか持ち上がらない場合を
「貼り付き性無し」とした。
【0062】
【表1】
【0063】表の説明; Irgacure 184:光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ(株)製) Irganox 1035:酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ(株)製) アートパール G-400:平均粒子径15μmの架橋性ポリ
メタクリル酸メチル粒子(根上工業(株)製) 変性シリコーンSH230:アルキル変性シリコーン(東レ
・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
【0064】表1の実施例1の結果より、表面凹凸の算
術平均粗さが0.006μm以上、硬化物の内部に存在
する長さ5μm以上の構造体が5個/mm3以下である
本発明の液状硬化性樹脂組成物の硬化物は、摩擦力と貼
り付き性が低く、光ファイバの伝送特性に悪影響を及ぼ
さないことが明らかである。比較例1〜3は、本発明の
重合性オリゴマー(A)を含まないものである。比較例
1は、数平均分子量2,000のポリオール成分を用い
て合成した重合性オリゴマーを配合したものであるが、
硬化物の摩擦力が著しく大で、貼り付き性があるもので
あった。比較例2は、ポリマー粒子を配合して凹凸を付
与したものであり、摩擦力は小で、貼り付き性もないも
のであったが、凹凸の平均間隔が大で、また、硬化物中
の長さ5μm以上の構造体数が著しく大であって、光フ
ァイバの伝送特性に悪影響するものであった。比較例3
は、比較例1の組成物に変性シリコーンを配合したもの
であり、摩擦力は比較的小であったが、貼り付き性があ
り、比較例2と同じく、硬化物中の長さ5μm以上の構
造体数が著しく大であって、光ファイバの伝送特性に悪
影響するものであった。
【0065】
【発明の効果】本発明の液状硬化性樹脂組成物から得ら
れる硬化物は、適度な弾性率を有し、摩擦力や貼り付き
性が低い特徴があるので、本発明の組成物は、被覆材、
特に光ファイバ用被覆材および光ファイバ被覆用テープ
材として適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 浩史 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 小原 浩輝 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 小宮 全 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H050 BB07W BB14W BB32W BB33W 4J027 AB10 AC03 AC04 AC06 AE02 AE10 AF05 AG02 AG03 AG04 AG05 AG06 AG09 AG12 AG13 AG14 AG23 AG24 AG27 AG32 AJ01 AJ08 AJ09 BA04 BA07 BA08 BA11 BA12 BA13 BA14 BA15 BA17 BA19 BA20 BA24 BA26 CA10 CB03 CB09 CB10 CC04 CC05 CC06 CD03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性オリゴマー(A)と重合性モノマ
    ー(B)を含有する液状硬化性樹脂組成物であって、硬
    化物の表面の凹凸の算術平均粗さが0.006μm〜2
    μmであり、硬化物中に存在する長さ5μm以上の構造
    体が5個/mm3以下であることを特徴とする液状硬化
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 凹凸の平均間隔が20μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の液状硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記重合性オリゴマー(A)中のポリオ
    ール成分に由来する構造部分の数平均分子量が4,00
    0以上であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の液状硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 光ファイバの被覆材として用いられる請
    求項1〜3のいずれか一に記載の液状硬化性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記光ファイバの被覆材が、光ファイバ
    被覆用テープ材であることを特徴とする請求項4記載の
    液状硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の液状硬
    化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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