JP2010235812A - 液状硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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孝彦 黒澤
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祐徳 山下
Osamu Kamo
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今井  博和
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Abstract

【課題】樹脂液の安定性及び粘度特性が良好であり、かつ硬化物の耐水性が良好で、特に光ファイバのプライマリ材として有用な液状硬化性樹脂組成物の提供。
【解決手段】
(A1)数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールに由来する構造単位を2個以上及びエチレン性不飽和基を2個有するウレタン(メタ)アクリレート、
(A2)数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールに由来する構造単位を2個以上、エチレン性不飽和基を1個及び炭素数1〜3のモノアルコール由来の構造単位を有するウレタン(メタ)アクリレート、
(B)下記式(1)で表されるアルキル(メタ)アクリレート、
CH2=C(R1)COO−(CH2n−CH(CH32 (1)
(R1は水素原子又はメチル基を示し、nは4〜8の整数を示す)
及び
(C)重合開始剤
を含有する光ファイバのプライマリ材用液状硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、光ファイバ被覆材、特に光ファイバのプライマリ材として好適な特性を有する液状硬化性樹脂組成物に関する。
光ファイバは、ガラスを熱溶融紡糸して得たガラスファイバ素線に、保護補強を目的として樹脂を被覆して製造されている。この樹脂被覆としては、光ファイバの表面にまず柔軟な第一次の被覆層(以下、「第一次被覆層」ともいう。)を設け、その外側に剛性の高い第二次の被覆層(以下、「第二次被覆層」ともいう。)を設けた構造が知られている。これらの樹脂被覆を施された複数の光ファイバ素線を結束材料で固めたテープ状光ファイバや光ファイバケーブルもよく知られている。光ファイバ素線の第一次の被覆層を形成するための樹脂組成物をプライマリ材、第二次の被覆層を形成するための樹脂組成物をセカンダリ材、複数の光ファイバ素線の結束材料として用いられる樹脂組成物をバンドリング材と称している。また、複数のテープ状光ファイバや光ファイバケーブルをさらに結束材料でまとめる場合もあり、このとき用いられる結束材料もバンドリング材と称している。これらの樹脂被覆方法としては、液状硬化性樹脂組成物を塗布し、熱又は光、特に紫外線により硬化させる方法が広く用いられている。
これらの被覆材のうち、プライマリ材においては硬化物が柔軟であることが必要である。さらにプライマリ材には、ガラスファイバに対する一次被覆であることから、樹脂液の安定性及び硬化物の耐水性に優れていることの他に、高速塗布性に優れている必要性から、特に安定した粘度特性が要求されている。このようなプライマリ材に有用な液状硬化性樹脂組成物としては、ガソリン中での膨潤性の低い脂肪族ウレタンオリゴマーを有する組成物(特許文献1)、脂肪族ウレタンオリゴマー及び炭化水素モノマーを含有する組成物(特許文献2)、特定のシランカップリング剤を配合した組成物(特許文献3)等が知られている。また、直鎖状アルキル基を有するアクリレートモノマーを採用することにより高速塗布性に優れた光ファイバのプライマリ材用液状硬化性樹脂組成物も知られている(特許文献4)。
特開平5−306146号公報 特開平5−306147号公報 特開2001−130929号公報 特開2005−263946号公報
しかしながら、直鎖状アルキル基を有するアクリレートモノマーを採用したプライマリ材の場合、同モノマーの構造上の理由から組成物中での結晶性が高いため、特に組成物を低温環境下に置いた場合に、樹脂液の保存安定性を低下させる場合があった。
従って、本発明の目的は、樹脂液の保存安定性、特に低温環境下における保存安定性が良好であり、かつプライマリ材として好適な硬度(ヤング率)を有する液状硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記特性を有する組成物を得るべく種々検討した結果、特定構造のウレタン(メタ)アクリレートの混合物と、特定の分岐構造を有するアクリレートモノマーを組み合わせることにより、これらの課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の成分(A1)、(A2)、(B)及び(C):
(A1)数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールに由来する構造単位を2個以上及びエチレン性不飽和基を2個有するウレタン(メタ)アクリレート、
(A2)数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールに由来する構造単位を2個以上、エチレン性不飽和基を1個及び炭素数1〜3のモノアルコール由来の構造単位を有するウレタン(メタ)アクリレート、
(B)下記式(1)で表されるアルキル(メタ)アクリレート、
CH2=C(R1)COO−(CH2n−CH(CH32 (1)
(R1は水素原子又はメチル基を示し、nは4〜8の整数を示す)
(C)重合開始剤
を含有する光ファイバのプライマリ材用液状硬化性樹脂組成物を提供するものである。
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、保存安定性、特に組成物を低温環境下に置いた場合に樹脂液の保存安定性が良好であり、高速塗布性に好適な組成物粘度を有している。また、プライマリ材として好適な硬度(ヤング率)を有している。従って、本発明の組成物は、光ファイバ被覆材、特にプライマリ材として有用である。
[液状樹脂組成物]
本発明の液状硬化性樹脂組成物に用いられる成分(A)の重合性オリゴマーであるウレタン(メタ)アクリレートは、下記(A1)、(A2)成分を含有する混合物であり、さらに(A3)成分を含有することもできる。本発明の液状硬化性樹脂組成物は、下記内容の成分(A)を有しているため、硬化物とした場合の架橋密度が制御されており、プライマリ材として好適なヤング率を有する光ファイバの第一次被覆層を得ることができる。
(A1)数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールに由来する構造単位を2個以上及びエチレン性不飽和基を2個有するウレタン(メタ)アクリレート、
(A2)数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールに由来する構造単位を2個以上、エチレン性不飽和基を1個及び炭素数1〜3のモノアルコール由来の構造単位を有するウレタン(メタ)アクリレート、
(A3)数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールに由来する構造単位を2個以上、エチレン性不飽和基を1個及びγーメルカプトプロピルトリメトキシシラン由来の構造単位を有するウレタン(メタ)アクリレート。
成分(A1)のウレタン(メタ)アクリレートは、数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られ、下記式(2)で表される構造を有している。
H−I−(POL−I)n−I−H (2)
[上記式中、Hは水酸基含有(メタ)アクリレートであり、Iはポリイソシアネートであり、POLは数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールである。nは2〜4である。]
成分(A1)に用いられる脂肪族系ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、1,500〜3,000が好ましく、15,00〜2,500がさらに好ましい。一般に、脂肪族系ポリエーテルポリオールは柔軟な構造を有しているため、その分子量が大きくなると硬化物のヤング率は低下し、分子量が小さくなると硬化物のヤング率は上昇する。よって、上記分子量範囲とすることにより、プライマリ材として好適なヤング率を得ることができる。なお、ここで、脂肪族系ポリエーテルポリオールの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定されるポリスチレン換算数平均分子量である。
成分(A2)のウレタン(メタ)アクリレートは、数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートと炭素数1〜3のモノアルコールを反応させて得られ、下記式(3)で表される構造を有している。
H−I−(POL−I)n−I−AL (3)
[上記式中、H、I、POLおよびnは、式(2)の場合と同様である。ALは炭素数1〜3のモノアルコールに由来する構造を示す。]
成分(A2)に用いられる脂肪族系ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、成分(A1)の場合と同様である。
成分(A2)は、成分(A1)と異なり、エチレン性不飽和基を1個のみ有しているため複数のエチレン性不飽和基による架橋反応に寄与することができない。このため、成分(A1)に加えて成分(A2)を用いることにより、硬化物のヤング率をプライマリ材として好適な範囲に調整することが可能となる。
成分(A3)のウレタン(メタ)アクリレートは、数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとγーメルカプトプロピルトリメトキシシランを反応させて得られ、下記式(4)で表される構造を有している。
H−I−(POL−I)n−I−SL (4)
[上記式中、H、I、POLおよびnは、式(2)の場合と同様である。SLはγーメルカプトプロピルトリメトキシシランに由来する構造を示す。]
成分(A3)に用いられる脂肪族系ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、成分(A1)の場合と同様である。
成分(A3)は、成分(A2)と同様、エチレン性不飽和基を1個のみ有しているため複数のエチレン性不飽和基による架橋反応に寄与することができない。このため、成分(A1)、(A2)に加えて成分(A3)を用いることにより、硬化物のヤング率をプライマリ材として好適な範囲に調整することが可能となる。
さらに、成分(A3)は、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン由来の構造を有することにより、一次被覆層とガラスファイバとの密着性を向上させて、強度の高い一次被覆層を形成することができる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)、(A2)、(A3)の合成で用いられるポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。芳香族ジイソシアネートとして、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族ジイソシアネートとして、例えば、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。脂肪族ジイソシアネートとして、例えば、1,6−ヘキサンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
このうち経済性及び安定した品質の組成物が得られる点から、芳香族ジイソシアネートがより好ましく、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートが特に好ましい。これらのジイソシアネートは単独で用いても、2種以上併用しても良い。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)、(A2)、(A3)の製造に用いられる脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコール及び二種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオールなどが挙げられる。
上記イオン重合性環状化合物としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステルなどの環状エーテル類が挙げられる。
二種以上の上記イオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオールの具体例としては、例えばテトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシドなどの組み合わせより得られる二元共重合体;テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシド及びエチレンオキシドの組み合わせより得られる三元重合体などを挙げることができる。
また、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミンなどの環状イミン類;β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチドなどの環状ラクトン酸;あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。
上記脂肪族ポリエーテルジオールは、例えばPTMG650、PTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学社製)、PPG400、PPG1000、EXCENOL720、1020、2020(以上、旭オーリン社製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂社製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400、PTGL2000(以上、保土谷化学工業社製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B、EO/BO4000、EO/BO2000(以上、第一工業製薬社製)、Acclaim 2200、2220、3201、3205、4200、4220、8200、12000(以上、住友バイエルウレタン社製)等の市販品としても入手することができる。
これらの脂肪族ポリエーテルポリオールのうち、1種又は2種以上の炭素数2〜4のイオン重合性環状化合物の開環重合体であって、平均分子量1000〜5000のジオールを用いるのが、樹脂液の高速塗布性と被覆材の柔軟性の両立の点から好ましい。このような好ましいジオール化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド及びイソブテンオキシドから選ばれる1種又は2種以上のオキシドの開環重合体であって、平均分子量1000〜4000のものが挙げられる。特に平均分子量1000〜3000のプロピレンオキシドの開環重合体が好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)、(A2)、(A3)の合成で用いられる水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、水酸基が第一級炭素原子に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第一水酸基含有(メタ)アクリレートという)、及び水酸基が第二級炭素原子に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第二水酸基含有(メタ)アクリレートという)を用いることが好ましい。水酸基が第三級炭素原子に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第三水酸基含有(メタ)アクリレートという)はイソシアネート基との反応性に劣るため好ましくない。
第一水酸基含有(メタ)アクリレートとして、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第二水酸基含有(メタ)アクリレートとして、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)の合成において、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等から選ばれるウレタン化触媒を、反応物の総量に対して0.01〜1質量%を用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常5〜90℃、特に10〜80℃で行うのが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、本発明の液状硬化性樹脂組成物全量100質量%に対して、30〜90質量%、さらに35〜85質量%、特に45〜75質量%配合することが好ましい。45質量%未満では弾性率の温度依存性が大きく、90質量%以上では液状硬化性樹脂組成物の粘度が高くなることがある。
ウレタン(メタ)アクリレート(A1)、(A2)、(A3)は、それぞれ成分(A)の全量100質量%に対して、成分(A1)が40〜80質量%、成分(A2)が20〜40質量%、成分(A3)が0〜20質量%であることが好ましく、成分(A1)が50〜70質量%、成分(A2)が25〜35質量%、成分(A3)が5〜15質量%であることがさらに好ましい。
本発明の組成物に用いられる成分(B)は、下記式(1)で表されるアルキル(メタ)アクリレートである。
CH2=C(R1)COO−(CH2n−CH(CH32 (1)
(R1は水素原子又はメチル基を示し、nは4〜8の整数を示す)
成分(B)は、(メタ)アクリロイル基に結合した炭化水素基が分岐構造を有しているため、分岐構造を有していない(メタ)アクリレートモノマーと比較して組成物中で結晶化しにくく、このため組成物の保存安定性、特に低温条件下における保存安定性が改善される効果を有している。
成分(B)の具体例としては、例えばイソヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘプチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、工業上の利用容易性の点からイソノニル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
成分(B)の(メタ)アクリレート化合物は、本発明の液状硬化性樹脂組成物全量100質量%に対して、8〜60質量%、特に10〜30質量%配合することが好ましい。8質量%未満では粘度が高くなり、硬化物の力学特性の向上の効果が少なく、60質量%を超えると揮発性が高くなるため好ましくない。また、成分(B)が、組成物中に含まれるエチレン性不飽和基を1個有する化合物(ただし、ウレタン(メタ)アクリレートを除く)の全量100質量%に対して、50質量%以上含まれることが好ましく、60〜80質量%含まれることがさらに好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物に用いる重合開始剤(C)としては、熱重合開始剤又は光重合開始剤を用いることができる。
本発明の樹脂組成物を熱硬化させる場合には、通常、過酸化物、アゾ化合物等の熱重合開始剤が用いることができる。具体的には、例えばベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−オキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物を光硬化させる場合には、光重合開始剤を用い、必要に応じて、さらに光増感剤を添加することができる。ここで、光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォフフィンオキシド;IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、DAROCUR1116、1173(以上、チバスペシャルティケミカルズ社製);LUCIRIN TPO(BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。また、光増感剤としては、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル;ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
重合開始剤(C)は、本発明の液状硬化性樹脂組成物全量100質量%に対して、0.1〜10質量%、特に0.3〜7質量%配合するのが好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、発明の効果を阻害しない範囲内でシランカップリング剤(D)を配合することもできる。成分(D)としては、特に限定されず、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を使用することができる。また、ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド等を用いることもできる。その市販品としては、SH6062、SZ6030(以上、東レ・ダウコーニングシリコーン社製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、被覆とガラスとの密着力の観点から、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。これらのシランカップリング剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
シランカップリング剤(D)は、本発明の液状硬化性樹脂組成物全量100質量%に対して、被覆とガラスとの密着力の維持の点から0.01〜2質量%、さらに0.1〜1.5質量%、特に0.5〜1.5質量%配合するのが好ましい。
本発明の組成物には、成分(A)、(B)以外の、エチレン性不飽和基を1個有する化合物(成分(E))やエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(成分(F))を配合することができる。
このような成分(E)の具体例としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等が挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ビニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルオキシエチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。 これらの(E)成分の中では、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタムが硬化速度の向上の観点から好ましい。
また、上記の重合性不飽和単量体の単官能性化合物の市販品として、アロニックスM−111、M−113、M−114、M−117(以上、東亞合成社製);KAYARAD、TC110S、R629、R644(以上、日本化薬社製);IBXA、ビスコート3700(大阪有機化学工業社製)等が挙げられる。
成分(E)は、本発明の液状硬化性樹脂組成物全量100質量%に対して、0.1〜20質量%、特に5〜15質量%配合するのが好ましい。
また、成分(F)としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。また、市販品としては、例えばユピマーUV SA1002、SA2007(以上、三菱化学社製);ビスコート700(大阪有機化学工業社製);KAYARAD R−604、DPCA−20、−30、−60、−120、HX−620、D−310、D−330(以上、日本化薬社製);アロニックスM−210、M−215、M−315、M−325(以上、東亞合成社製)等が挙げられる。
成分(F)は、硬化物中の架橋密度を高くする効果を有するため、過剰に配合すると硬化物のヤング率が過大となってプライマリ材として不適となる場合がある。このため、成分(F)の配合量は、本発明の液状硬化性樹脂組成物全量100質量%に対して、5質量%以下、特に3質量%以下にするのが好ましい。
また、上記成分以外に各種添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を必要に応じて配合することができる。
ここで、酸化防止剤としては、例えばIRGANOX1010、1035、1076、1222(以上、チバスペシャルティケミカルズ社製)、ANTIGENE P、3C、Sumilizer GA−80、GP(住友化学工業社製)等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばTINUVIN P、234、320、326、327、328、329、213(以上、チバスペシャルティケミカルズ社製)、Seesorb102、103、501、202、712、704(以上、シプロ化成社製)等が挙げられる。光安定剤としては、例えばTINUVIN 292、144、622LD(以上、チバスペシャルティケミカルズ社製)、サノールLS770(三共社製)、TM−061(住友化学工業社製)等が挙げられる。
本発明の組成物には、必要に応じて本発明の液状硬化性樹脂組成物の特性を損なわない範囲で他のオリゴマー、ポリマー、その他の添加剤等を配合することができる。
他のオリゴマー、ポリマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシロキサンポリマー、グリシジルメタアクリレート等が挙げられる。
なお、本発明の液状硬化性樹脂組成物は、熱及び/又は放射線によって硬化されるが、ここで放射線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等であり、特に紫外線が好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物の粘度は、ハンドリング性、塗布性の点から25℃において0.1〜10Pa・s、さらに1〜8Pa・sが好ましい。
本発明組成物の硬化物は、比較的低いヤング率を有するとともに優れた耐水性を有するので光ファイバのプライマリ材として有用である。ここで、当該硬化物のヤング率は25℃において0.1〜10MPaであることが好ましく、0.5〜5MPaであることがさらに好ましい。また、−40℃におけるヤング率は、30〜500MPaであることが好ましく、50〜300MPaであることがさらに好ましい。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、配合量は、特に記さない限り、質量部である。
合成例1 ウレタン(メタ)アクリレート(UA−1)の合成:
撹拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が2000のポリプロピレングリコール86.16部、2,4−トリレンジイソシアネート10.17部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.024部を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が25℃となるようにした。ジブチル錫ジラウレート0.80部を添加した後、攪拌しながら液温度を1時間かけて45℃まで徐々に上げた。その後、液温度を50℃に上げて反応させた。残留イソシアネート基濃度が1.34質量%(仕込量に対する割合)以下となった後、2−ヒドロキシエチルアクリレート3.57部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、反応させた。残留イソシアネート基濃度が0.1質量%以下になった時を反応終了とした。得られたウレタン(メタ)アクリレートをウレタン(メタ)アクリレート(UA−1)とする。ウレタン(メタ)アクリレート(UA−1)は、上記ポリプロピレングリコールに由来する構造単位を平均2.8個およびエチレン性不飽和基を2個有している。
合成例2 ウレタン(メタ)アクリレート(UA−2)の合成:
撹拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が2000のポリプロピレングリコール87.29部、2,4−トリレンジイソシアネート10.30部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.024部を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が25℃となるようにした。ジブチル錫ジラウレート0.80部を添加した後、攪拌しながら液温度を1時間かけて45℃まで徐々に上げた。その後、液温度を50℃に上げて反応させた。残留イソシアネート基濃度が1.34質量%(仕込量に対する割合)以下となった後、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.81部、メタノール0.50部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、反応させた。残留イソシアネート基濃度が0.1質量%以下になった時を反応終了とした。得られたウレタンアクリレートをウレタン(メタ)アクリレート(UA−2)とする。ウレタン(メタ)アクリレート(UA−2)は、上記ポリプロピレングリコールに由来する構造単位を平均2.8個、エチレン性不飽和基を1個および上記メタノール由来の構造単位を1個有している。
合成例3 ウレタン(メタ)アクリレート(UA−3)の合成:
撹拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が2000のポリプロピレングリコール85.12部、2,4−トリレンジイソシアネート10.04部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.024部を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が25℃となるようにした。ジブチル錫ジラウレート0.80部を添加した後、攪拌しながら液温度を1時間かけて45℃まで徐々に上げた。その後、液温度を50℃に上げて反応させた。残留イソシアネート基濃度が1.34質量%(仕込量に対する割合)以下となった後、γ−メルカプトキシプロピルトリメトキシシラン2.98部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.76部を添加し、液温度約60℃にて撹拌し、反応させた。残留イソシアネート基濃度が0.1質量%以下になった時を反応終了とした。得られたウレタンアクリレートをウレタン(メタ)アクリレート(UA−3)とする。ウレタン(メタ)アクリレート(UA−3)は、上記ポリプロピレングリコールに由来する構造単位を平均2.8個、エチレン性不飽和基を1個および上記γ−メルカプトキシプロピルトリメトキシシランに由来する構造単位を1個有しているが、炭素数1〜3のモノアルコール由来の構造単位は有していない。
実施例1〜3、比較例1〜2
表1に示す組成の液状硬化性樹脂組成物を製造し、下記の方法に従い、物性値を評価した。
[評価方法]
(1)樹脂液保存安定性:
液状硬化性樹脂組成物を−36℃で30日間静置した後、目視で観察して保存安定性を評価した。透明であった場合を「○」、白濁が認められた場合を「×」とした。
(2)破断強度および破断伸び:
200μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布し、これに空気中で1J/cm2のエネルギーの紫外線を照射して硬化させ、試験用フィルムを得た。引張試験器(島津製作所社製、AGS−50G)を用い、試験片の破断強度および破断伸びを下記測定条件にて測定した。
引張速度 :50mm/分
標線間距離(測定距離):25mm
測定温度 :23℃
相対湿度 :50%RH
(3)粘度:
実施例及び比較例で得られた組成物の25℃における粘度を、粘度計B8H−BII(トキメック社製)で測定した。
(4)ヤング率:
実施例及び比較例で得られた組成物の硬化後のヤング率を測定した。354μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布し、これを空気中で1J/cm2のエネルギーの紫外線を照射して硬化させ、試験用フィルムを得た。この硬化フィルムから延伸部が幅6mm、長さ25mmとなるように短冊状サンプルを作成した。温度25℃、湿度50%の条件下で引張り試験機AGS−1KND(島津製作所社製)を用い、JIS K7127に準拠して引張試験を行った。引張速度は1mm/minで、2.5%歪みでの抗張力からヤング率を求めた。
(5)硬化速度:
実施例及び比較例で得られた組成物の硬化速度を測定した。200μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布し、これを空気中で20mJ/cm2及び1J/cm2のエネルギーの紫外線を照射して硬化させ、試験用フィルム二種類を得た。この硬化フィルム二種類から、それぞれ延伸部が幅6mm、長さ25mmとなるように短冊状サンプルを作成した。温度23℃、湿度50%にて、引張り試験機AGS−1KND(島津製作所社製)を用い、JIS K7127に準拠して引張試験を行った。引張速度は1mm/minで、2.5%歪みでの抗張力からヤング率を求めた。20mJ/cm2で硬化させた試験用フィルムのヤング率と500mJ/cm2で硬化させた試験用フィルムのヤング率の比を式(1)より算出して、組成物の硬化速度を評価した。
(数1)
硬化速度(%)
=[200mJ/cm2硬化フィルムヤング率]/[1J/cm2硬化フィルムヤング率] (1)
Figure 2010235812
表中、
N−ビニルカプロラクタム:サートマー社製、
2−エチルヘキシルアクリレート:下記式で表される化合物(BASF社製)
CH2=CHCOO−CH2CH(CH2CH3)−(CH23−CH3
ラウリルアクリレ−ト:下記式で表される化合物(共栄社化学社製)
CH2=CHCOO−(CH211−CH3
ルシリン:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製)
表1から明らかなように、本発明の組成物は、光ファイバ被覆剤として適切な樹脂液粘度を有し、プライマリ材として好適なヤング率を与えると共に、樹脂液の保存安定性および硬化物の耐水性に優れていることがわかる。(B)成分に替えて化学式(1)に該当しないアクリレートモノマーを用いた場合には、2−エチルヘキシルアクリレートのように分岐構造を有するアルキル鎖である場合、ラウリルアクリレートのように直鎖状アルキル鎖である場合のいずれにおいても保存安定性が低下し、ヤング率が過大となった。また、ウレタン(メタ)アクリレートが(A1)成分のみであって(A2)成分を含まない場合には(比較例2)、ヤング率が過大となりプライマリ材として不適となった。

Claims (6)

  1. 次の成分(A1)、(A2)、(B)及び(C):
    (A1)数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールに由来する構造単位を2個以上及びエチレン性不飽和基を2個有するウレタン(メタ)アクリレート、
    (A2)数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールに由来する構造単位を2個以上、エチレン性不飽和基を1個及び炭素数1〜3のモノアルコール由来の構造単位を有するウレタン(メタ)アクリレート、
    (B)下記式(1)で表されるアルキル(メタ)アクリレート、
    CH2=C(R1)COO−(CH2n−CH(CH32 (1)
    (R1は水素原子又はメチル基を示し、nは4〜8の整数を示す)
    (C)重合開始剤
    を含有する光ファイバのプライマリ材用液状硬化性樹脂組成物。
  2. 更に、成分(A3):
    (A3)数平均分子量1,000〜4,000の脂肪族系ポリエーテルポリオールに由来する構造単位を2個以上、エチレン性不飽和基を1個及びγーメルカプトプロピルトリメトキシシラン由来の構造単位を有するウレタン(メタ)アクリレート
    を含有する請求項1に記載の光ファイバのプライマリ材用液状硬化性樹脂組成物。
  3. 成分(A3)が、γーメルカプトプロピルトリメトキシシランに由来する構造を有している請求項2に記載の光ファイバのプライマリ材用液状硬化性樹脂組成物。
  4. 成分(B)が、組成物中に含まれるエチレン性不飽和基を1個有する化合物(ただし、ウレタン(メタ)アクリレートを除く)の全量100質量%に対して、50質量%以上含まれる請求項1〜3のいずれか一に記載の光ファイバのプライマリ材用液状硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一に記載の液状硬化性樹脂組成物を硬化して得られる光ファイバの第一次被覆層。
  6. 請求項5に記載の第一次被覆層を有する光ファイバ。
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