JP5307114B2 - 光ファイバ - Google Patents

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Description

本発明は、光通信用の光伝送路として用いられる光ファイバに関するものである。
従来、光通信用の光伝送路として、ITU−T(国際電気通信連合)G.652に定義される標準のシングルモード光ファイバ(Single Mode Optical Fiber:SMF)が最も多く使用されている。
長距離光通信の光伝送路として用いる光ファイバには、伝送距離をより延長し、また光中継器としての光増幅器の負荷を低減するために、標準のSMFよりも一層の低伝送損失が求められており、また非線形光学現象による光信号の品質の劣化を抑制し、伝送距離をより延長するために、標準のSMFよりも一層の低非線形性が求められている。また、特に、陸上伝送路として敷設される光ファイバケーブルに用いられる光ファイバは、ケーブルのスロットに収容する際に曲げ、側圧が掛かるため、低曲げ損失であることも求められている。
低伝送損失を実現する光ファイバとして、コア部を、ゲルマニウムを含まない純シリカガラスとし、クラッド層にフッ素を添加した光ファイバや、コア部に塩素を添加し、クラッド層にフッ素を添加した光ファイバが開示されている(たとえば特許文献1参照)。なお、ここで純シリカガラスとは、屈折率調整用のドーパントが添加されていないシリカガラスを意味する。
国際公開第00/42458号パンフレット
しかしながら、従来の低伝送損失を実現する光ファイバは、クラッド層全体にフッ素を添加しているため、製造時に大量のフッ素が必要となる。その結果、光ファイバが高価であるという問題があった。
また、標準のSMFについては、これを光伝送路として用いるための様々な技術が蓄積されているため、標準のSMFと同等の特性を有しつつ、より低伝送損失、低非線形性である光ファイバが求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、標準のSMFと同等の特性を有しつつ、低伝送損失、低非線形性であり、かつ安価な光ファイバを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光ファイバは、シリカガラスからなる光ファイバであって、ゲルマニウムを含む中心コア部と、フッ素を含み、前記中心コア部の外周に形成され、前記中心コア部よりも屈折率が低い外側コア層と、純シリカガラスからなり、前記外側コア層の外周に形成され、前記外側コア層よりも屈折率が高くかつ前記中心コア部よりも屈折率が低いクラッド層と、を備え、前記中心コア部の前記クラッド層に対する最大の比屈折率差Δ1が0.30〜0.35%であり、前記外側コア層の前記クラッド層に対する比屈折率差Δ2が−0.10〜−0.04%であり、前記比屈折率差Δ1と前記比屈折率差Δ2との比が2.5〜7.5:1であり、前記中心コア部の直径aが9.0〜10.5μmであり、前記外側コア層の外径に対する前記中心コア部の直径の比a/bが0.2〜0.35であり、カットオフ波長が1310nm以下であり、ゼロ分散波長が1285〜1345nmであり、波長1550nmにおいてモードフィールド径が10.5μm以上かつ伝送損失が0.185dB/km以下かつ曲げ損失が15dB/m以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバは、上記の発明において、前記中心コア部は、屈折率分布形状が中心部において窪み部を有し、該窪み部における前記クラッド層に対する最小の比屈折率差Δ1´が0.26〜0.32%であることを特徴とする。
本発明によれば、標準のSMFと同等の特性を有しつつ、低伝送損失、低非線形性であり、かつ安価な光ファイバを実現できるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光ファイバの断面および対応する屈折率分布形状を模式的に表した図である。 図2は、実施の形態の変形例に係る光ファイバの屈折率分布形状を模式的に表した図である。 図3は、図2に示す屈折率分布形状を有する光ファイバにおいて、比屈折率差Δ1´とモードフィールド径および曲げ損失との関係の一例を示す図である。 図4は、本発明の実施例1〜6、比較例1〜6の光ファイバの設計パラメータおよび光学特性を示す図である。 図5は、図4に示す実施例5および比較例6の光ファイバのラマンゲイン係数のスペクトルを示す図である。 図6は、図4に示す比較例6の光ファイバ同士を融着接続した場合の接続損失のヒストグラムを示す図である。 図7は、図4に示す実施例5の光ファイバ同士を融着接続した場合の接続損失のヒストグラムを示す図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る光ファイバの使用状態を模式的に表した図である。
符号の説明
1、1〜142 光ファイバ
2 中心コア部
3 外側コア層
4 クラッド層
10 光ファイバケーブル
20、30 光伝送装置
d 窪み部
L1〜L4 線
P1、P11、P12、P13、P2、P21 屈折率分布形状
S1〜S41 接続点
以下に、図面を参照して本発明に係る光ファイバの実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、本明細書において、曲げ損失とは、光ファイバを直径20mmに巻いた状態での曲げ損失を意味するものとする。また、その他の特に定義しない用語については、ITU−T G.650.1における定義、測定方法に従うものとする。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る光ファイバの断面および対応する屈折率分布形状を模式的に表した図である。図1に示すように、この光ファイバ1は、シリカガラスからなる光ファイバであって、ゲルマニウムを含む中心コア部2と、フッ素を含み、中心コア部2の外周に形成された外側コア層3と、純シリカガラスからなり、外側コア層3の外周に形成されたクラッド層4とを備えている。
そして、屈折率分布形状P1が示すように、中心コア部2はステップ型の屈折率分布形状P11を有し、外側コア層3は中心コア部2よりも屈折率が低いほぼ一様の屈折率分布形状P12を有し、クラッド層4は外側コア層3よりも屈折率が高くかつ中心コア部2よりも屈折率が低い屈折率分布形状P13を有する。
この光ファイバ1は、設計パラメータとして、中心コア部2のクラッド層4すなわち純シリカガラスに対する最大の比屈折率差Δ1が0.30〜0.35%、外側コア層3のクラッド層4に対する比屈折率差Δ2が−0.10〜−0.04%、比屈折率差Δ1と比屈折率差Δ2との比が2.5〜7.5:1、中心コア部2の直径aが9.0〜10.5μm、外側コア層3の外径に対する中心コア部2の直径の比a/bが0.2〜0.35に設定されている。
なお、中心コア部2の最大屈折率をn、外側コア層3の屈折率をn、クラッド層4の屈折率とnとすると、比屈折率差Δ1、Δ2は、以下の式(1)、(2)により定義される。
Δ1(%)={(n 2−n 2)/2n 2}×100 ・・・ (1)
Δ2(%)={(n 2−n 2)/2n 2}×100 ・・・ (2)
また、中心コア部2の直径aは、中心コア部2と外側コア層3との境界領域でΔ1の1/2の比屈折率差を有する位置における径とする。また、外側コア層3の外径bは、外側コア層3とクラッド層4との境界領域でΔ2の1/2の比屈折率差を有する位置における径とする。
この光ファイバ1は、上記構造および屈折率分布形状を有することによって、その光学特性について、カットオフ波長が1310nm以下であり、ゼロ分散波長が1285〜1345nmであり、さらに波長1550nmにおける光学特性について、モードフィールド径(Mode Field Diameter:MFD)が10.5μm以上、伝送損失が0.185dB/km以下、曲げ損失が15dB/m以下となっている。すなわち、この光ファイバ1は、標準のSMFと同等の特性を有しつつ、低伝送損失、低非線形性となっている。
すなわち、標準のSMFは、ステップ型の屈折率分布形状を有し、ゲルマニウムを添加したコア部と、コア部の外周に形成した純シリカガラスからなるクラッド層とを備え、コア部の直径を8.5μm程度とし、コア部のクラッド層に対する比屈折率差を0.35%程度にすることによって、1310nm以下で典型的には1260nmのカットオフ波長と、1285〜1345nmで典型的には1310nmのゼロ分散波長を実現している。また、標準のSMFの波長1550nmにおける典型的な光学特性については、MFDが10.4μm程度、伝送損失が0.19dB/km程度、曲げ損失が15dB/m以下である。
なお、本明細書におけるカットオフ波長とは、ITU−T G.650.1において定義されるファイバカットオフ波長λcである。
これに対して、本実施の形態に係る光ファイバ1は、中心コア部2の比屈折率差Δ1を標準のSMF以下の0.30〜0.35%にすることによって、ゲルマニウムの含有量を低減し、中心コア部2におけるゲルマニウムによるレイリー散乱を低減することによって伝送損失を低減しており、それと同時に曲げ損失が増大しない程度の大きさの比屈折率差としている。また、外側コア層3を設け、この比屈折率差Δ2を−0.10〜−0.04%にすることによって、曲げ損失を低減しつつ、伝送損失の増大とMFDの縮小を抑制している。また、Δ1とΔ2との比を2.5〜7.5:1にすることによって、中心コア部2と外側コア層3とのガラスの粘度を整合させ、界面における歪みの発生を抑制し、伝送損失をさらに低減している。さらに、比a/bを0.2〜0.35にすることによって、MFDを拡大しつつ、カットオフ波長および曲げ損失のバランスを適正な範囲に維持している。その結果、カットオフ波長、ゼロ分散波長、曲げ損失において標準のSMFと同等の特性を有しつつ、MFDがより大きくなり有効コア断面積もより大きくなるために非線形性が低減し、かつ伝送損失が低減したものとなる。また、クラッド層全体にフッ素を添加する光ファイバと比較して、フッ素の使用量がきわめて低減されるため、安価なものとなる。なお、Δ1:Δ2を3:1とすれば、中心コア部2と外側コア層3とのガラスの粘度が最もよく整合し、界面において歪みの発生が最も抑制されるため、伝送損失が最も低減される。
以上説明したように、本実施の形態に係る光ファイバ1は、標準のSMFと同等の特性を有しつつ、低伝送損失、低非線形性であり、かつ安価な光ファイバとなる。
(変形例)
つぎに、本実施の形態の変形例について説明する。本実施の形態に係る光ファイバ1は、中心コア部2の屈折率分布形状P11がステップ型であったが、本変形例に係る光ファイバは、中心コア部の屈折率分布形状が中心部において窪み形状を有している。
本変形例に係る光ファイバは、図1に示す光ファイバ1と同様に、シリカガラスからなる光ファイバであって、ゲルマニウムを含む中心コア部と、フッ素を含み、中心コア部の外周に形成された外側コア層と、純シリカガラスからなり、外側コア層の外周に形成されたクラッド層とを備えている。この変形例に係る光ファイバの中心コア部の直径、外側コア層の外径もそれぞれa、bであり、光ファイバ1と同じである。
図2は、実施の形態の変形例に係る光ファイバの屈折率分布形状を模式的に表した図である。図2において、屈折率分布形状P2のうち、外側コア層およびクラッド層の屈折率分布形状は、光ファイバ1と同じ屈折率分布形状P12、P13である。一方、中心コア部の屈折率分布形状P21は、光ファイバ1のものとは異なり、中心コア部の外周近傍において最大の比屈折率差Δ1を有し、そこから中心部に向かって屈折率が滑らかに減少し、中心部において窪み部dを有している。比屈折率差Δ1は実施の形態と同様に0.30〜0.35%である。一方、窪み部dにおけるクラッド層に対する最小の比屈折率差Δ1´は0.26〜0.32%である。
なお、この比屈折率差Δ1´は、窪み部dにおける最小屈折率をn´、クラッド層の屈折率をnとすると、以下の式(3)により定義される。
Δ1´(%)={(n´2−n 2)/2n 2}×100 ・・・ (3)
このように、中心コア部の屈折率分布形状が中心部において窪み部を有し、その比屈折率差Δ1´を0.26〜0.32%にすることによって、実施の形態と同様に、カットオフ波長が1310nm以下であり、ゼロ分散波長が1285〜1345nmであり、さらに波長1550nmにおける光学特性について、MFDが10.5μm以上、伝送損失が0.185dB/km以下、曲げ損失が15dB/m以下となる。これに加えて、この変形例に係る光ファイバでは、カットオフ波長を一定の値に維持しつつよりMFDの大きい光ファイバを実現できる。以下、具体的に説明する。
図3は、図2に示す屈折率分布形状を有する光ファイバにおいて、比屈折率差Δ1´とMFDおよび曲げ損失との関係の一例を示す図である。なお、図3は計算によるものであり、Δ1を0.32%、Δ2を−0.08%、a/bを0.34とし、カットオフ波長を約1280nmに維持しながらΔ1´を変化させている。また、MFDおよび曲げ損失はいずれも波長1550nmにおける値であり、線L1はMFDが10.5μmの位置を示し、線L2は曲げ損失が15dB/mの位置を示している。
図3に示すように、窪み部の深さが深く、すなわちΔ1´が小さくなるにつれて、MFDが増大するので好ましいが、曲げ損失も増大している。図3に示す条件においては、Δ1´をおおよそ0.26〜0.28%にすれば、実施の形態と同様にMFDが10.5μm以上かつ曲げ損失が15dB/m以下を実現できる。さらに、Δ1を0.30〜0.35%の間で変化させながら同様の計算を行なった結果、Δ1´を0.26〜0.32%にすれば、MFDが10.5μm以上かつ曲げ損失が15dB/m以下を実現することができることが確認された。
なお、本実施の形態およびその変形例に係る光ファイバは、例えば以下のようにして製造することができる。まず、VAD(Vapor-phase Axial Deposition)法により中心コア部、外側コア層を形成するためのコアスートを合成する。この際、中心コア部となる部分を合成するためのバーナに添加剤としてゲルマニウムを含むガスを流し、外側コア層となる部分を合成するためのバーナに添加剤としてフッ素を含むガスを流す。そして、合成したコアスートを熱処理により脱水・透明化することによりコアロッドを形成する。
つぎに、形成したコアロッドを所定の外径に加熱延伸した後に、OVD(Outside Vapor Deposition)法により延伸したコアロッドの外周にクラッド層となるスートを合成し、これを熱処理により脱水・透明化することにより、光ファイバ母材を形成する。最後に、この光ファイバ母材を用いて、本実施の形態およびその変形例に係る光ファイバを製造できる。なお、変形例に係る光ファイバの屈折率分布形状における窪み部は、中心コア部となる部分を合成するためのバーナの位置やガス条件の調整により形成できる。
(実施例1〜6、比較例1〜6)
つぎに、本発明の実施例1〜6として本実施の形態(実施例1、2)とその変形例(実施例3〜6)に従う光ファイバを製造し、比較例1〜6としていずれかの設計パラメータが本実施の形態とその変形例の範囲外の光ファイバを製造した。図4は、本発明の実施例1〜6、比較例1〜6の光ファイバの設計パラメータおよび光学特性を示す図である。また、図4において、「Aeff」は有効コア断面積を意味し、「n2」は2次の非線形屈折率を意味する。また、「n2/Aeff」は、光ファイバの非線形性を示すパラメータである。すなわち、光ファイバの非線形定数γは、波長をλとしてγ=(2π/λ)・(n2/Aeff)で表され、非線形定数はn2/Aeffに比例する。また、「MFD」、「Aeff」、「曲げ損失」、「伝送損失」、「n2/Aeff」は、いずれも波長1550nmでの値を示す。また、「ラマンゲイン」は波長1420nmの励起光で励起した場合の波長1550nmでのラマンゲイン係数を示す。また、比較例6は、標準のSMFの一例である。
図4に示すように、実施例1〜6の光ファイバは、設計パラメータとして、Δ1が0.30〜0.35%であり、窪み部を有する場合はΔ1´が0.26〜0.32%であり、Δ2が−0.10〜−0.04%であり、Δ1とΔ2との比が2.5〜7.5:1であり、aが9.0〜10.5μmであり、a/bが0.2〜0.35である。その結果、実施例1〜6の光ファイバは、カットオフ波長が1310nm以下、ゼロ分散波長が1285〜1345nm、MFDが10.5μm以上、伝送損失が0.185dB/km以下、曲げ損失が15dB/m以下という特性を有するものとなる。特に、実施例3の光ファイバは、Δ1:Δ2が3:1であり、伝送損失が0.169dB/kmと最も低くなっている。
一方、比較例1〜5の光ファイバは、Δ1´、Δ2、a/bのいずれか一つが上記範囲から外れており、比較例6の光ファイバは標準のSMFであるため、MFDおよび/または伝送損失が所望の値を満たさないものとなっている。特に、比較例2の光ファイバは、その曲げ損失も高いものとなっている。
また、MFDが10.5μmよりも小さい光ファイバは、有効コア断面積も小さく、非線形性を表すn2/Aeff、ラマンゲイン係数も高くなっている。たとえば、実施例5と比較例6の光ファイバを比較すると、実施例5の光ファイバの方が、有効コア断面積が約20%大きく、n2/Aeffおよびラマンゲイン係数が約20%小さくなっている。
図5は、図4に示す実施例5および比較例6の光ファイバのラマンゲイン係数のスペクトルを示す図である。なお、図5において、横軸は周波数シフトであり、励起波長である1420nmからのズレを光の周波数で示したものである。すなわち、周波数シフトが13.1[THz]になるあたりでラマンゲインが最大となる。なお、このときの波長は1530nmである。また、線L3が比較例6の光ファイバのスペクトルを示し、線L4が実施例5の光ファイバのスペクトルを示す。図5に示すように、実施例5のラマンゲイン係数は、比較例6のラマンゲイン係数と比較して、ラマンゲインの最大値が低いだけでなく、波長1550nm近傍を含むスペクトル全体においてラマンゲインが低くなっている。
なお、光ファイバのn2/Aeff、すなわち非線形性が小さいと、たとえばハイパワーの光信号を入射した場合や、高速光伝送および高密度光伝送を行なう際に起こり得るSPM(Self Phase Modulation)、XPM(Cross Phase Modulation)などの非線形光学現象の発生を回避でき、これによる光信号の品質の劣化を防止できる。
また、光ファイバのラマンゲイン係数が小さいと、波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)技術を用いた広帯域光伝送を行なう際に起こり得るラマンチルトの問題を回避でき、これによりWDM光信号の劣化を防止できる。なお、ラマンチルトの問題とは、WDM光信号を用いて広帯域光伝送を行なう際に、短波長側に位置する光信号によりラマン利得が発生し、このラマン利得を発生させる光信号よりも長波長側のWDM光信号が増幅されるが、このラマン利得のスペクトルが図5に示すような傾斜(チルト)を有するために、増幅された長波長側の各光信号の強度が一様でなくなり、スペクトル上でチルトを有するようになり、WDM光信号に好ましくない偏差が生じるという問題である。
ところで、本実施の形態およびその変形例に係る光ファイバは、同種の光ファイバ同士を融着接続した場合に、その接続損失を標準のSMF同士の接続損失よりも低減することができる。以下、一例として、実施例5の光ファイバ同士および比較例6の光ファイバ同士を融着接続する実験の結果について説明する。なお、本実験では光ファイバを融着接続する融着接続機として古河電工社製S122M4を使用し、その接続条件の設定として単心の標準のSMFを融着接続する場合の設定を用いた。そして、融着接続した光ファイバの接続点における接続損失を、波長1310nmの光を用いて測定した。
図6は、図4に示す比較例6の光ファイバ同士を融着接続した場合の接続損失のヒストグラムを示す図である。なお、サンプルNは30とした。図6に示すように、比較例6の光ファイバの場合、接続損失の平均値(AVG)は0.023dB、標準偏差(STD)は0.041dBであった。
一方、図7は、図4に示す実施例5の光ファイバ同士を融着接続した場合の接続損失のヒストグラムを示す図である。なお、サンプルNは30とした。図7に示すように、実施例5の光ファイバの場合、接続損失の平均値(AVG)は0.005dB、標準偏差(STD)は0.010dBであり、標準のSMFの一例である比較例6の場合と比べて、接続損失がきわめて低くなり、かつそのばらつきも小さくなった。
なお、実施例5の光ファイバの接続損失が小さい具体的な理由は、MFDが標準のSMFよりも大きいため、融着すべき光ファイバ同士に軸ずれが生じても、MFDの大きさに対する軸ずれの割合が小さいため、接続損失に与える軸ずれの影響が相対的に小さくなるためであると考えられる。
また、図6、7に示す接続損失は、波長1310nmで測定したものであるが、接続損失の波長依存性は小さいので、波長1550nmにおいてもほとんど同一の接続損失となっている。
このように、本実施の形態およびその変形例に係る光ファイバは、伝送損失が小さいだけでなく接続損失も小さいから、この光ファイバを用いた光ファイバケーブルのスパンロスを、標準のSMFを用いた場合と比較して少なくとも1.5dB低減することができる。以下、具体的に説明する。
図8は、本実施の形態に係る光ファイバの使用状態を模式的に表した図である。図8において、符号10は光ファイバケーブルであり、符号20、30は光伝送装置である。光ファイバケーブル10は、陸上伝送路として光伝送装置20と光伝送装置30とを接続するように敷設されている。光ファイバケーブル10は図1に示す光ファイバ1と同様の構成を有する本実施の形態に係る光ファイバ1〜142をその接続点S1〜S41で融着接続した構成を有する。なお、現在の日本国内で陸上伝送路として敷設されている光ファイバケーブルを想定すると、光伝送装置20、30間のスパンは80kmであり、光ファイバ1〜142の平均の長さは2kmであり、平均して2km毎に接続点S1〜S41が存在する。また、光ファイバケーブル10には、光増幅器等の各種光通信用装置やこれらを接続するコネクタ等が介挿される場合があるが、ここではこれらについては考慮しないものとする。
ここで、光ファイバ1〜142の伝送損失をそれぞれα[dB/km]、光ファイバケーブル10の長さをL[km]、接続点S1〜S41の接続損失をそれぞれα[dB]、接続点S1〜S41の数をxとすると、光ファイバ1〜142の伝送損失と接続点S1〜S41の接続損失のみを考慮した光ファイバケーブル10のスパンロスAtotal[dB]は以下の式(3)で表される。
total=αL+αx ・・・ (3)
ここで、光ファイバ1〜142の伝送損失αとして図4の実施例5の値である0.180dB/kmを用い、接続点S1〜S41の接続損失αとして図7に示す実験の平均値である0.005dBを用いると、波長1550nmにおけるスパンロスAtotalは、以下のようになる。
total=0.180×80+0.005×41=14.6dB
一方、標準のSMFを用いて光ファイバケーブルを構成した場合のスパンロスAtotalは、標準のSMFの伝送損失αとして図4の比較例6の値である0.190dB/kmを用い、接続点S1〜S41の接続損失αとして図6に示す実験の平均値である0.023dBを用いると、以下のようになる。
total=0.190×80+0.023×41=16.1dB
すなわち、実施例5の光ファイバを用いた場合、光ファイバケーブルのスパンロスを、標準のSMFを用いた場合と比較して1.5dBだけ低減することができる。このように光ファイバケーブルのスパンロスを低減することによって、これとともに用いる光信号光源としてのレーザ装置や光増幅器の出力を節約でき、その消費電力も節約できるとともに、ハイパワーの光の使用に伴う不要な非線形光学現象の発生を抑制することができる。
本発明は、光通信用の光伝送路、特に長距離の陸上伝送路として用いられる光ファイバに好適に利用できる。

Claims (2)

  1. シリカガラスからなる光ファイバであって、
    ゲルマニウムを含む中心コア部と、
    フッ素を含み、前記中心コア部の外周に形成され、前記中心コア部よりも屈折率が低い外側コア層と、
    純シリカガラスからなり、前記外側コア層の外周に形成され、前記外側コア層よりも屈折率が高くかつ前記中心コア部よりも屈折率が低いクラッド層と、
    を備え、前記中心コア部の前記クラッド層に対する最大の比屈折率差Δ1が0.30〜0.35%であり、前記外側コア層の前記クラッド層に対する比屈折率差Δ2が−0.10〜−0.04%であり、前記比屈折率差Δ1と前記比屈折率差Δ2との比が2.5〜7.5:1であり、前記中心コア部の直径aが9.0〜10.5μmであり、前記外側コア層の外径に対する前記中心コア部の直径の比a/bが0.2〜0.35であり、カットオフ波長が1310nm以下であり、ゼロ分散波長が1285〜1345nmであり、波長1550nmにおいてモードフィールド径が10.5μm以上かつ伝送損失が0.185dB/km以下かつ直径20mmに巻いた状態での曲げ損失が15dB/m以下であることを特徴とする光ファイバ。
  2. 前記中心コア部は、屈折率分布形状が中心部において窪み部を有し、該窪み部における前記クラッド層に対する最小の比屈折率差Δ1´が0.26〜0.32%であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
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