JP5305777B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法の如き記録方法に用いられるトナーに関するものである。
従来の電子写真法は、様々な手段により感光ドラム上に帯電した後、電気的な潜像を形成し、次いで上記潜像にトナーを現像し、紙の如き転写材にトナー像を転写した後、加熱及び加圧手段により定着し、トナー画像を得るものである。
近年、プリンター、複写機において、長期に渡ってプリントしても初期と変わらぬ高信頼性や長期保存時の品質安定性、環境への対応への要望が益々強くなってきている。
高信頼性とは、長期に渡ってプリントしても初期画像と変わらないレベルを出力し続けることに加えて、ユーザーフレンドリーの優れたマシンを提供することである。具体的には、各環境下や各種転写材料であっても、良好な現像性を維持することである。
また、環境への対応とは、低消費電力による省エネルギー対応を示し、具体的には良好な低温定着性や耐巻きつき性を示すことである。
また、品質安定性とは、長期保存時においてもトナーの劣化が少なく、保存前後において変わらないレベルの現像特性、定着特性を示すことである。具体的には、各環境下での長期保存前後においてもトナー物性が変化しないことである。
熱定着方式において、低温で定着することができ、かつ、保存性の良好な電子写真用トナー組成物を提供すること、ヒートロール定着方式において、オフセットが防止された電子写真用トナー組成物を提供することを目的として、樹脂外殻を構成する樹脂が、ガラス転移点が80乃至140℃であるポリウレアおよび/またはポリウレタンであり、かつ樹脂外殻の平均厚さが0.005乃至0.5μmであることを特徴とするトナー粒子を含有するトナーが提案されている(特許文献1参照)。
また、高温高湿環境下においても耐ブロッキング性に優れ、低温で定着し、離型性に優れ、安定して高い現像性を示し、高い画像濃度が得られ、長期間の使用で性能の変化のないトナーが知られている(特許文献2参照)。そして、該トナーとして、高軟化点樹脂(A)及び低軟化点物質(B)の少なくとも2種の成分を含有しており、かつ、該高軟化点樹脂(A)を主体とするA相と該低軟化点物質(B)を主体とするB相とに分離した構造を有していて、トナー粒子表面からトナー粒子径の0.15倍の深さまでの表面近傍には、該B相が存在せず、該トナー粒子の高軟化点樹脂(A)と低軟化点物質(B)との成分比は、A:B=50:50乃至95:5であり、該低軟化点物質(B)は、30乃至130℃の融点を有するワックスを有しており、該トナー粒子の有機溶剤及び重合性単量体の総含有量が1,000ppm以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーが提案されている(特許文献2参照)。
また、低い定着温度と均一溶融性を有し、しかも保存性(耐ブロッキング性)に優れた重合トナーとその製造方法を提供すること、複写や印刷の高速化、フルカラー化、省エネルギー化に対応することができる重合トナーとその製造方法を提供すること、OHPシート上に印字し、定着した場合に、優れた透過性(OHP透過性)を示すトナー像を形成することができる重合トナーが知られている(特許文献3参照)。このようなトナーとして
、分散剤を含有する水系分散媒体中で、少なくとも着色剤とガラス転移温度が70℃以下の重合体を形成し得るコア用重合性単量体とを含む重合性単量体組成物を、マクロモノマーの存在下に懸濁重合して得られた体積平均粒径(dv)が0.5〜20μmで、体積平均粒径(dv)と個数平均粒径(dp)との比(dv/dp)が1.7以下の着色重合体粒子からなるコア粒子が、該コア粒子の存在下にシェル用重合性単量体を懸濁重合して得られた、該コア粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有し、平均膜厚0.005〜0.05μmの重合体層からなるシェルで被覆されており、トルエン不溶解分が50%以下であるコアシェル型構造の懸濁重合トナーが提案されている(特許文献3参照)。
適度な画像光沢を与え、良好な色再現性を付与し、画像光沢の均一安定性を確保する目的で、結着樹脂の重量平均分子量が8,000乃至50,000、かつガラス転移点が40乃至55℃で、表面近傍に該結着樹脂より重量平均分子量が2倍以上高く、ガラス転移点が5℃以上高い熱可塑性樹脂を存在させたトナーが提案されている(特許文献4参照)。
このように、相対的に柔らかい(低Tg,低軟化点)トナー内層を相対的に硬い(高Tg,高軟化点)トナー外層で保護することによって耐久性と定着性を両立させる検討は多数行われている。上記特許文献のトナーにおいてはいずれの場合にもトナー内層とトナー外層の間に界面が存在し、また、比較的薄いトナー外層でトナー内層を保護している。そのため、画像を高速で連続して出力するなど持続的にトナーがストレスを受けた場合に外層の剥離や削れを生じやすく、トナー内層が露出しトナーの表面性が急激に変化するという問題点があった。また、上記問題点を解決するためにトナー外層を厚く設計した場合、低温定着性、画像光沢性に弊害を生じるという問題点があった。
現状においては更なる出力の高速化が要求されており、良好な定着性、画像高光沢性を維持した上で、高耐久性と保存安定性を十分に満足するトナーが待望されている。
特許第2827697号公報 特許第3184626号公報 特許第3429986号公報 特開2006−053353号公報
本発明が解決しようとする課題は、トナーの現像性の向上、トナーの定着性の向上及びトナーの保存性の向上を達成することにある。
本発明のトナーは、結着樹脂、極性樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
以下の測定方法によって求められる、
該トナーにUV光硬化性組成物を浸透させた際の、浸透時間5秒における浸透膜厚L(μm)、
浸透時間5秒から10秒の間における平均浸透速度Va(μm/s)、及び、
浸透時間10秒から15秒の間における平均浸透速度Vb(μm/s)が
下記式(1)〜(3)を満たし、かつ、
トナーの100℃における粘度が3.0×10乃至4.5×10Pa・sであることを特徴とする。
0.30≦L≦0.60 式(1)
0.040≦Va≦0.070 式(2)
Va<Vb 式(3)
測定方法:
(a)該トナーをUV光硬化性組成物D−800(東亞合成株式会社製)中に置き、5秒間、該UV光硬化性組成物を浸透させサンプルを調製後、照射器LUXSPOT−II(日本電子デ−タム株式会社製)の照射部から3.0±0.1cmの距離に該サンプルを置き、出力150WでUV光を30秒間照射し、該UV光硬化性組成物を該トナー中にて硬化させて該UV硬化性組成物を浸透・硬化させたトナーを得る。該UV硬化性組成物を浸透・硬化させたトナーを、ULTRACUT UCT(ライカマイクロシステムズ株式会社製)でカットし、50乃至100nmの厚さのトナー切片を得る。該トナー切片を電界放出形走査電子顕微鏡S−4800(日立ハイテク株式会社製)を用いて観察し、該トナー切片の透過電子像を得る。
得られた透過電子像において、該トナー切片中の長軸方向における該UV光硬化性組成物が浸透した膜厚Lx、及び、短軸方向における該UV光硬化性組成物が浸透した膜厚Lyを測定し、該UV光硬化性組成物の浸透時間5秒における浸透膜厚Lを、
L=(Lx+Ly)/2、
と定義する。
(b)該UV光硬化性組成物の浸透時間を5秒間から10秒間に変更する以外は、該(a)と同様の操作を行い、浸透時間10秒における浸透膜厚L 10 を測定し、浸透時間5秒から10秒の間における平均浸透速度Vaを、
Va=(L 10 −L)/5、
と定義する。
(c)該UV光硬化性組成物の浸透時間を5秒間から15秒間に変更する以外は、該(a)と同様の操作を行い、浸透時間15秒における浸透膜厚L 15 を測定し、浸透時間10秒から15秒の間における平均浸透速度Vbを、
Vb=(L 15 −L 10 )/5、
と定義する。
本発明により、トナーの現像性の向上、トナーの定着性の向上及びトナーの保存安定性の向上が達成される。
本発明は、トナーの現像性の向上、トナーの定着性の向上及びトナーの保存安定性の向上を同時に満足している。
<1>トナーの現像性の向上は以下の3点を意味する。
(i)トナー規制部材とトナー担持体との間での摺擦による強靭性が大きく、連続して画
像出力してもトナーの帯電特性の変化が少なく、高現像効率を得ること。
(ii)トナー破壊や融着によるトナー規制部材とトナー担持体間への異物挟み込みによる周方向のスジや、トナー担持体とトナー端部シ−ル間への異物挟み込みによるトナー飛散が無いこと。
(iii)トナー担持体の長手方向のトナーコート量が均一であり、感光体上への現像が均
一であること。
<2>トナーの定着性の向上は以下の2点を意味する。
(i)軽圧定着システムにおいてはトナーの低温定着性を確保すること。
(ii)転写材と定着部材との高温時の転写材の耐巻きつき性を確保すること。
<3>トナーの保存性の向上は以下を意味する。
50℃3日放置後においてもトナーの凝集が少ないこと。
本発明の特徴を以下に示す。
メカニズムは明らかでないが、本発明者らはUV光硬化性組成物の樹脂に対する浸透速度(以下VUVとも言う)の大小は樹脂の分子鎖の運動性に起因すると考えている。すなわち、樹脂の分子鎖の運動性が高いほどVUVは大きく、運動性が低いほどVUVは小さいと推定している。そこで、本発明者らはVUVを決める要因として樹脂のTg、架橋度、分子量などが複合的に作用していると推定している。
このとき、樹脂の分子鎖の運動性が大きく、VUVが大きいほど加熱加圧時にトナーが溶融しやすく、また、ワックスが表面に染み出しやすい。反面、耐ストレス性や耐熱性は低い。対して、樹脂の分子鎖の運動性が小さく、VUVが小さいほど耐ストレス性や耐熱性は高い。反面、加熱加圧時にトナーが溶融しにくく、また、ワックスが表面に染み出しにくい。すなわち、トナー内層にはVUVの大きな樹脂を用いることが好適であり、トナー外層にはVUVの小さな樹脂を用いることが好適であると推定される。
本発明のL,Va及びVbはトナー中にUV光硬化性組成物が浸透する際の浸透時間5秒における浸透膜厚、5秒以上10秒以下における平均浸透速度および10秒以上15秒以下における平均浸透速度をそれぞれ表す。すなわち、Lはトナー表層付近のVUVに関係し、VaおよびVbはよりトナー内層のVUVに関係する。
ここで、本発明においてL,Va,及びVbが式(1)、(2)、(3)の関係を満たすことは以下のことを表していると推測される。すなわち、低VUVの極性樹脂と高VUVの結着樹脂からなるトナーにおいて、極性樹脂濃度がトナー外層では濃く、トナー内層では薄いという濃度勾配をもって存在していることを表していると推測される。
すなわち、外層が低VUVの樹脂、内層が高VUVの樹脂からなり、外層と内層が一部相溶したコアシェル構造をもつトナーを考えた場合には浸透速度は外層から内層にかけて徐々に変化する挙動を示すことが予想される。このとき、浸透時間5秒における浸透速度は外層中における浸透速度と内層中における浸透速度の間となると予想される。このときLの値は明確に相分離したコアシェル構造の場合と比較して大きくなる。また、浸透速度が徐々に変化することからVa<Vbとなることが予想される。
このことから、上記トナーのL,Va及びVbを本発明の範囲内にすることで、トナー内層に主に存在する結着樹脂とトナー外層に主に存在する極性樹脂の間の密着性を高めることとなる。さらには、トナー外層を構成する樹脂がトナー表層近傍から内部に向けて濃度勾配を持って存在していることとなる。そのため、連続出力によってトナーにストレスが加えられた場合にトナー外層の剥離や削れが発生しにくく、また、トナー表面に欠損を生じた場合にも表面性の変化が小さい。よって、高現像効率、周方向のスジの減少、トナー飛散の減少を達成することができる。また、上記特徴から、連続出力によってトナーに持続的にストレスが与えられた場合においてもトナー内層が露出しにくいため、トナー内層を充分に軟らかく設計することが可能となる。さらに、トナー内層とトナー外層の間に界面が存在しないことで定着時のワックスのブリード性が向上する。よって、現像特性、保存安定性を低下させることなく良好な低温定着性や転写材の高温時の対巻きつき性を達成することができる。
具体的にはトナーのLは0.30乃至0.60μmに存在する。好ましくは0.30乃至0.50μmに存在する。
上記Lが0.30乃至0.60μmに存在する場合には上記理由によりトナー内層とトナー外層の密着性が高まる。よって、充分なトナーの強靭性が得られる。また、定着時におけるワックスのブリード性が向上する。そのため現像特性、定着特性が向上する。また、トナー外層の厚み、樹脂の分子鎖の運動性が最適範囲となる。よって、保存安定性が向上する。
上記Lが0.30乃至0.60μmに存在する場合には、トナー内層とトナー外層の密着性が最適なものとなり、そしてトナー外層の樹脂の分子鎖の運動性が最適なものとなる。これらにより、現像特性、定着特性への弊害を防止できる。上記Lが0.30乃至0.50μmに存在する場合には上記効果はより向上する。
トナーのVaは0.040乃至0.070μm/sに存在する。
上記Vaが0.040乃至0.070μm/sに存在する場合にはトナー内層とトナー外層の樹脂の分子鎖の運動性が最適な範囲となる。また、トナー内層とトナー外層の密着性が高まる。よって、充分なトナーの強靭性が得られる。また、定着時におけるワックスのブリード性が向上する。そのため現像特性、定着特性が向上する。
上記Vaが0.040μm/s以上であることで、トナー外層の樹脂の分子鎖の運動性が好適なものとなり、また、トナー内層とトナー外層の密着性が好適なものとなる。これにより、現像特性、低温定着性への弊害を防ぐことができる。
上記Vaが0.070μm/s以下であることで、トナー外層の樹脂の分子鎖の運動性が好適なものとなり。また、トナー内層とトナー外層の密着性が好適なものとなる。これにより、現像特性、保存安定性への弊害を防ぐことができる。
トナーのVaとVbはVa<Vbの関係を満たす。
上記Va及びVbの関係がVa<Vbの場合には、トナー外層を構成する樹脂がトナー表層近傍から内部に向けて濃度勾配を持って存在している。また、トナー内層とトナー外層の密着性が高い。よって、現像特性、低温定着性が向上する。
上記トナーのL,Va及びVbに関する上記条件は、重合性単量体の組成比等を調整し、また、結着樹脂と極性樹脂の間の樹脂種や共重合比などの組成差を小さくすることで満たすことが可能である。
トナーの100℃での粘度を本発明の範囲内にすることでトナーの加熱加圧時におけるワックスのブリード性が大きくなり、定着時にワックスの染み出しを促進する。よって、
トナーの低温定着性や転写材の高温時の耐巻きつき性を向上させることができる。
具体的にはトナーの100℃での粘度は3.0×10乃至4.5×10Pa・sである。トナーの100℃での粘度は、好ましくは5.0×10乃至2.5×10Pa・sである。
上記トナーの100℃での粘度が3.0×10乃至4.5×10Pa・sである場合には、適度なワックスのブリード性により耐高温巻きつき性が向上する。さらに紙との付着力が向上し、低温定着性が向上する。
上記トナーの100℃における粘度が5.0×10乃至2.5×10Pa・sである場合には、上記効果は更に向上する。
上記トナーの100℃における粘度が3.0×10Pa・s以上の場合には、トナーのTgが好適なものとなる。よって、現像特性、保存安定性への弊害を防ぐことができる。
上記トナーの100℃における粘度が4.5×10Pa・s以下である場合には、トナーのTgが好適なものとなる。よって、ワックスのブリード性が低下することによる、耐高温巻きつき性への弊害を防ぐことができる。さらに、紙との付着力が低下し、低温定着性への弊害を防ぐことができる。
また、上記トナーの100℃における粘度に関する上記条件は重合性単量体の組成比等を調整することで満たすことができる。
トナーのVaとVbの比を下記の範囲内にすることでトナー外層とトナー内層の密着性をより強めることができる。
具体的には
トナーの前記Va,Vbが下記条件:
1.2≦Vb/Va≦2.0
の関係を満たすことが好ましく、下記条件:
1.4≦Vb/Va≦1.8
の関係を満たすことがより好ましい。
上記トナーのVa,Vbの関係が1.2≦Vb/Va≦2.0を満たす場合には、トナー外層を構成する樹脂がトナー表層近傍から内部に向けて濃度勾配を持って存在している。また、トナー内層とトナー外層の密着性が高い。よって、現像特性、低温定着性が向上する。
上記トナーのVa,Vbの関係が1.4≦Vb/Va≦1.8を満たす場合には上記効果は更に向上する。
上記トナーのVa,Vbの関係が1.2≦Vb/Vaの場合には現像特性、保存安定性への弊害を防ぐことができる。
上記トナーのVa,Vbの関係がVb/Va≦2.0の場合には保存安定性への弊害を防ぐことができる。
トナーのR(25)を下記の範囲内にすることでトナーの外層を最適な硬さに設計することができる。よって、より一層トナーの強靭性を高めることができ、高現像効率、周方向のスジの減少、トナー飛散の減少を達成することができる。ここで本発明におけるトナーのR(25)とは、後述するように、25℃において負荷速度9.8×10−5N/secで2.94×10−4Nの荷重を該トナーにかけてから除荷するまでの変位曲線において、荷重をかけ始めてから終了するまでの変位曲線の傾きをいう。
具体的にはトナーの25℃において負荷速度9.8×10−5N/secで2.94×10−4Nの荷重を該トナーにかけてから除荷するまでの変位曲線において、荷重をかけ始めてから終了するまでの変位曲線の傾きR(25)が下記条件:
4.90×10−4≦R(25)≦1.27×10−3
を満たすことが好ましい。
上記トナーのR(25)が4.90×10−4以上であることにより、トナー外層の機械的強度が好適なものとなる。よって、トナー外層が機械的ストレスによって潰れにくくなるため、現像特性への弊害を防ぐことができる。
上記トナーのR(25)が1.27×10−3以下であることにより、トナー表層の機械的強度が好適なものとなる。よって、トナー外層が機械的ストレスによって欠損しにくくなり、現像特性への弊害を防ぐことができる。
これらによって、トナーの強靭性が高まり現像特性が向上する。
また、上記トナーのR(25)に関する上記条件は重合性単量体の組成比等を調整し、また、結着樹脂と極性樹脂を適切に選択することで満たすことが可能である。
トナーの重量平均粒径(D4)を下記の範囲内にすることでトナー外層の厚みとトナーの重量平均粒径(D4)の関係を好適な範囲にすることができる。よって、保存安定性、現像特性の向上を達成することができる。
具体的には、トナーの重量平均粒子径(D4)が4.0乃至9.0μmであることが好ましい。
上記トナーの重量平均粒子径(D4)が4.0μm以上である場合には、トナー外層の厚さが充分なものとなる。よって、トナー内層がトナー外層によって適切に保護されないことによる、現像性および保存安定性への弊害を防ぐことができる。また、上記トナーの重量平均粒子径(D4)が9.0μm以下であることによりトナー外層が好適なものとなる。よって、加熱加圧時のワックスの染み出しが良好となるため、低温定着性および耐高温時巻きつき性への弊害を防ぐことができる。
これらによって、加熱加圧時のワックスの染み出しを阻害することなくトナー内層がトナー外層によって保護されるため、現像特性、定着特性および保存安定性が向上する。なお、本発明において、上記トナーの重量平均粒子径(D4)は、例えば、トナー粒子の製造方法として懸濁重合法を用いる場合には造粒時の撹拌条件を調整すること、粉砕法を用いる場合には粉砕強度や時間を調整することによって調整することができる。
トナー中の極性樹脂の結着樹脂100質量部に対する部数を下記の範囲内にすることでトナーの外層の厚みを最適に設計することができる。よって現像特性、保存安定性、転写特性および定着特性の向上を達成することができる。
具体的には極性樹脂が上記結着樹脂100質量部に対して合計で10乃至50質量部含有されていることが好ましい。
極性樹脂が上記結着樹脂100質量部に対して合計で10乃至50質量部含有されている場合には、トナー外層の厚みが好適な範囲となる。よって、加熱加圧時におけるワックスの染み出しを阻害することなくトナー内層がトナー外層によって保護されるため、現像特性、定着特性および保存安定性が向上する。
極性樹脂が上記結着樹脂100質量部に対して合計で10質量部以上含有されている場合には、トナー外層の厚みが充分なものとなる。よって、トナー内層がトナー外層によって適切に保護されないことによる、現像特性、保存安定性への弊害を防ぐことができる。
極性樹脂が上記結着樹脂100質量部に対して合計で50質量部以下含有されている場合には、トナー外層の厚みが好適なものとなる。よって、加熱加圧時におけるワックスの染み出しが阻害されることがないため定着特性への弊害を防ぐことができる。
トナー中の極性樹脂のガラス転移点(Tg)を下記の範囲にすることでトナー外層の耐熱性が好適なものとなる。よって、保存安定性が向上する。
具体的には極性樹脂のガラス転移点(Tg)が70乃至120℃であることが好ましい。
極性樹脂のTgが70乃至120℃である場合には、加熱加圧時のワックスの染み出しを阻害せずにトナー内層を保護することが可能となる。よって、保存安定性が向上する。
極性樹脂のTgを70℃以上とすることで、保存安定性への弊害を防ぐことができる。
極性樹脂のTgを120℃以下とすることで、定着特性への弊害を防ぐことが出来る。
なお、本発明においてトナー中にx種類の極性樹脂が含まれるとき、k種類目の極性樹脂のトナーに含有される極性樹脂全体の重量に対する重量分率をw、Tgをt(K)とする。そのとき、本発明における極性樹脂のTg(K)は下記式で定義される。
1/Tg=(w/t+w/t+・・・+w/t
また、
Tg(℃)=Tg(K)―273
と定義する。
なお、本発明で用いる極性樹脂のガラス転移点(Tg)は、例えば極性樹脂のモノマー組成を調整することにより調整することができる。
トナー中の極性樹脂の酸価を下記の範囲内にすることでトナー外層とトナー内層の密着性を好適なものに設計することができる。よって、連続出力によってトナーにストレスが加えられた場合の強靭性が高まり、高現像効率、周方向のスジの減少、トナー飛散の減少を達成することができる。
具体的には極性樹脂の酸価は3.0乃至30.0mgKOH/gであること
が好ましい。
極性樹脂の酸価が3.0mgKOH/g以上であることによって、トナー外層が形成されやすくなり、30.0mgKOH/g以下であることによって、トナー内層とトナー外層の密着性が高まる。これらによって、トナーの強靭性が高まるため、現像特性が向上する。
なお、本発明においてトナー中にx種類の極性樹脂が含まれるとき、k種類目の極性樹脂のトナーに含有される極性樹脂全体の重量に対する重量分率をw、酸価をAv(mgKOH/g)とする。そのとき、本発明における極性樹脂のAv(mgKOH/g)は下記式で定義される。
Av=wAv+wAv+・・・+wAv
極性樹脂としては、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如き含窒素単量体の重合体もしくは含窒素単量体とスチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;アクリロニトリルの如きニトリル系単量体;塩化ビニルの如き含ハロゲン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸の如き不飽和カルボン酸;不飽和二塩基酸;不飽和二塩基酸無水物;ニトロ系単量体の重合体もしくはそれとスチレン系単量体との共重合体;ポリエステル;エポキシ樹脂;が挙げられる。より好ましいものとしてビニル系重合体が極性樹脂と結着樹脂との密着性を良好にするために好ましい。
なお、本発明で用いる極性樹脂の酸価は、例えばモノマー中の酸成分の量を調整することにより調整することができる。
本発明で用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニル;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は混合して使用される。
スチレン共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドジテル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。これらビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。前記ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビ
ニルイソプロピルケトンのようなビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、前記した単官能性重合性単量体を単独で或いは2種以上組み合わせて、又は前記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
特に架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。以下の、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物等が例示できる。これらは、単独もしくは混合として使用できる。好ましい添加量としては、結着樹脂100質量部に対し0.001乃至15質量%である。
本発明に用いられるワックスは、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム如きの石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体等。誘導体としては酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物などが挙げられる。さらには、以下のものが挙げられる。高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸の如きの脂肪酸;酸アミドワックス;エステルワックス;硬化ヒマシ油及びその誘導体;植物系ワックス;動物性ワックス等。この中で特に、離型性に優れるという観点からエステルワックス及び炭化水素ワックスが好ましい。
上記ワックスは結着樹脂100質量部に対し1乃至40質量%を含有させることが好ましい。より好ましくは、3乃至25質量%であることがよい。
ワックスが1乃至40質量%の場合には、トナーの加熱加圧時に適度なワックスのブリード性を持てることにより、高温時の耐巻きつき性が向上する。さらに、現像時や転写時のトナーへのストレスを受けてもトナー表面へのワックスの露出が少なく、トナー個々の均一な帯電性を得ることができる。
本発明では、帯電制御や水系媒体中の造粒安定化を主目的として、スルホン酸基を側鎖
に持つ高分子が用いられることが好ましい。その中で特にスルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を含有する重合体又は共重合体を用いることが好ましい。
上記重合体を製造するためのスルホン酸基を有する単量体として、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸が例示できる。
本発明に用いられるスルホン酸基等を含有する重合体は、上記単量体の単重合体であっても構わないが、上記単量体と他の単量体との共重合体であっても構わない。上記単量体と共重合体をなす単量体としては、ビニル系重合性単量体があり、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。
単官能性重合性単量体としては以下の、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン系重合性単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン等が例示出来る。
多官能性重合性単量体としては以下の、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が例示できる。
そして上記スルホン酸基等を有する重合体は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し0.01乃至5.00質量%を含有することが好ましい。より好ましくは、0.1乃至3.0質量%である。
上記スルホン酸基等を有する重合体が0.01乃至5.00質量%の場合には、十分な帯電性がとれ均一な転写性を得ることができる。さらに、ポジ成分を有する分散安定剤を用いる水系媒体中での造粒工程においては、電気2重層の形成を強めるために、トナー粒子サイズのシャープな分布を得ることが出来る。
本発明のトナーには、帯電特性を安定化するために上記スルホン酸基を側鎖に持つ高分子の他に、帯電制御剤を配合してもよい。帯電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる帯電制御剤が好ましい。さらに、トナーを直接重合法にて製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない帯電制御剤が特に好ましい。具体的な化合物としては、負帯電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。正帯電制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
これらの帯電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではない。内部添加する場合は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1乃至10質量部、より好ましくは0.1乃至5質量部の範囲で用いられる。また、外部添加する場合、トナー100質量部に対し、好ましくは0.005乃至1.0質量部、より好ましくは0.01乃至0.3質量部である。
本発明に用いられる黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い各色に調色されたものが利用される。特に染料やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。
本発明に用いられるイエロー着色剤としては、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、128、129、138、147、150、151、154、155、168、180、185、214、C.I.ソルベントイエロー93、162等が例示できる。
本発明に用いられるマゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レ−キ化合物、ナフト−ル化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレット19等が例示できる。
本発明に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レ−キ化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し1乃至20質量部添加して用いられる。
さらに本発明のトナーは、着色剤として磁性材料を含有させ磁性トナーとすることも可能である。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。磁性材料としては、以下の、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムの如き金属の合金及びその混合物等が例示できる。
上記磁性体は、より好ましくは、表面改質された磁性体が好ましい。重合法により磁性トナーを調整する場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。
これらの磁性体は個数平均粒径が2μm以下、好ましくは0.1乃至0.5μmのものが好ましい。トナー粒子中に含有させる量としては重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し20乃至200質量部、特に好ましくは結着樹脂100質量部に対し40乃至150質量部がよい。
更に本発明のトナーにおいて、トナー粒子の流動性を向上させる目的で、流動性向上剤をトナー粒子に添加してもよい。流動性向上剤としては、以下の、フッ化ビニリデン微粉未、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛の如き脂肪酸金属塩;酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末の如き金属酸化物または、上記金属酸化物を疎水化処理した粉末;及び湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如きシリカ微粉末または、それらシリカにシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルの如き処理剤により表面処理を施した表面処理シリカ微粉末等が例示できる。
流動性向上剤は、トナー粒子100質量部に対して、0.01乃至5質量部を使用することが好ましい。
本発明のトナーの製造方法としては、以下の方法が挙げられる。従来からの粉砕法;トナー必須成分から構成される乳化液を水系媒体中で凝集させる乳化凝集法;有機溶媒中にトナー必須成分を溶解させた後、水系媒体中で造粒後有機溶媒を揮発させる懸濁造粒法;トナー必須成分を溶解させた重合性単量体を直接水系媒体中で造粒後重合する懸濁重合法や乳化重合法;その後シード重合を利用しトナーに外層を設ける方法;界面重縮合や液中乾燥に代表されるマイクロカプセル法。
これらの中で、本発明の作用効果を発揮しやすいものとして、特に懸濁重合法が好ましい。この懸濁重合法においては、重合性単量体にワックス及び着色剤(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、帯電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散せしめて重合性単量体組成物とする。その後、この重合性単量体組成物を分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌器を用いて分散し、そして重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものである。上記トナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要により流動性向上剤を混合し表面に付着させることで、本発明のトナーを得ることができる。
重合反応を効率的に進行させることを目的として、反応容器内の溶存酸素を管理するこ
とが好ましい。溶存酸素が少なければ重合反応は効率化する。その結果、現像性や転写性に悪影響を及ぼす低分子量成分が抑制でき、優れた高現像効率、高転写効率、均一性を得られる。
この懸濁重合法でトナーを製造する場合には、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているため、帯電量の分布も比較的均一となり現像特性が満足できるトナーが得られやすい。また外添剤への依存度が少ない高い転写性を維持するトナーが得られやすい。
懸濁重合法によるトナーを製造する際の重合性単量体としては上記単官能性重合性単量体、多官能性重合性単量体が挙げられる。
本発明に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。好ましくは、重合反応時の反応温度における半減期が0.5乃至30時間のものである。また重合性単量体100質量部に対し0.5乃至20質量部の添加量で重合反応を行うと、通常、分子量1万乃至10万の間に極大を有する重合体が得られ、適当な強度と溶融特性を有するトナーを得ることができる。
重合開始剤としては、以下の、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレ−ト、t−ブチルパーオキシイソブチレ−ト、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド如きの過酸化物系重合開始剤等が例示できる。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
上記水系媒体には、分散安定剤を添加する。分散安定剤として使用する無機化合物としては以下の、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が例示できる。
有機化合物としては以下の、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等が例示できる。これらの分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2乃至20質量部を使用することが好ましい。
また、これら分散安定剤の微細な分散のために、0.001乃至0.1質量部の界面活性剤を使用してもよい。分散安定剤の所期の作用を促進するためのものである。具体例としては以下の、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が例示できる。
分散安定剤として、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、より細かい粒子を得るために、水系媒体中にて上記無機化合物を生成させて用いてもよい。
例えばリン酸カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合するとよい。
以下に本発明の物性値の測定方法について説明する。
<トナーのL、Va及びVbの測定>
本発明における、UV光硬化性組成物を浸透させた際の、浸透時間5秒における浸透膜厚L(μm)、5秒以上10秒以下における平均浸透速度Va(μm/s)、10秒以上15秒以下における平均浸透速度Vb(μm/s)は以下の方法で測定される。
測定試料は以下のようにして作製した。
測定対象のトナーを例えばUV光硬化性組成物D−800(東亞合成株式会社製)中に置き、5秒間UV光硬化性組成物を浸透させた。その後、例えば照射器LUXSPOT−II(日本電子デ−タム株式会社製)の照射部から3.0±0.1cmの距離にサンプルを置き、出力150WでUV光を30秒間照射し、上記UV光硬化性組成物をトナー中にて硬化させた。UV光硬化性組成物浸透・硬化後のトナーを例えばULTRACUT UCT(ライカマイクロシステムズ株式会社製)を用いて50乃至100nmの厚さのトナー切片とした。上記トナー切片を例えば電界放出形走査電子顕微鏡S−4800(日立ハイテク株式会社製)を用いて観察し、上記トナー切片の透過電子像(STEM像)を得た。
上記透過電子像におけるUV光硬化性組成物の浸透膜厚をLとした。なお、浸透膜厚は上記トナー切片中の長軸方向におけるUV光硬化性組成物の浸透膜厚をLx、UV光硬化性組成物の短軸方向における浸透膜厚をLyとしたとき、
L=(Lx+Ly)/2
と定義した。
また測定誤差を極力無くすため、トナーの個数平均粒径D1の±0.2μmのものを選択して測定した。測定に関しては任意の粒子100個を選んで測定し、測定結果として得られたLについて、最大値、最小値からそれぞれ10個を除いた残り80個をデ−タとして使用し、その80個の相加平均値としてLを求めた。
同様に、10秒間UV光硬化性組成物を浸透させたトナーについて切片を作製した。上記トナー切片におけるUV光硬化性組成物の浸透膜厚をL10とした。このとき、Vaを、
Va=(L10−L)/5
と定義した。
同様に、15秒間UV光硬化性組成物を浸透させたトナーについて切片を作製した。上記トナー切片におけるUV光硬化性組成物の浸透膜厚をL15とした。このとき、Vbを、
Vb=(L15−L10)/5
と定義した。
このときの浸透膜厚と浸透時間の関係のイメージを図1に示す。ここで、図1において浸透時間0秒における浸透膜厚が0μmでないのは、UV光照射中のUV光硬化性組成物の浸透によるものと考えられる。
なお、本発明に用いられるUV光硬化性組成物としては、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル変性オリゴマーおよび光重合開始剤を含む混合物が用いられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル100質量部に対してポリエステル(メタ)アクリレート50乃至200質量部、光重合開始剤0.1乃至20質量部を含む組成物であることがよい。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、以下のトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ビスフェノールAEO変性ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が例示できる。この中で特に、UV光硬化性に優れるという観点からトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、トリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレートを用いることがより好ましい。
上記アクリル変性オリゴマーとしては、以下の(メタ)アクリル変性ポリエステルオリゴマー、(メタ)アクリル変性ポリウレタンオリゴマー、(メタ)アクリル変性エポキシオリゴマー、(メタ)アクリル変性ポリエチレングリコールオリゴマー、(メタ)アクリル変性ポリプロピレングリコールオリゴマー等が例示できる。この中で特に、UV光硬化性に優れるという観点からアクリル変性ポリウレタンオリゴマーを用いることが好ましい。
上記光重合開始剤としては以下の2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンの如きアルキルフェノン系光重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドの如きアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムの如きチタノセン系光重合開始剤等が例示できる。
また、上記UV光硬化性組成物には紫外線吸収剤および重合促進剤を含んでもよい。
上記紫外線吸収剤としては以下の、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が例示できる。
上記重合促進剤としては以下の、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエートの如きアミノベンゾエート系重合促進剤等が例示できる。
<粘度の測定>
トナーの100℃での粘度は以下の方法で測定される。
装置として、例えば、フローテスターCFT−500D(株式会社島津製作所製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い、下記の条件で測定を行う。
・サンプル:約1.0gのトナーを秤量し、これを加圧成型器で成型してサンプルとする。
・ダイ穴径:0.5mm
・ダイ長さ:1.0mm
・シリンダ圧力:9.807×10(Pa)
・測定モ−ド:昇温法
・昇温速度:4.0℃/min
上記の方法により、温度50℃乃至200℃におけるトナーの粘度を測定し、温度100℃での粘度を求める。
<微小圧縮試験>
トナーの微小圧縮試験における負荷速度9.8×10−5N/secで2.94×10−4Nの荷重を該トナーにかけてから除荷するまでの変位曲線において、荷重をかけ始めてから終了するまでの変位曲線の傾きR(25)は以下の方法で測定される。
図2を参照しながら微小圧縮試験の測定方法について説明する。
図2は本発明の微小圧縮試験でトナーを測定した際のプロファイル(変位曲線)であり、横軸はトナーが変形した変位量、縦軸はトナーにかけている荷重量を表している。
装置として、例えば、超微小硬度計ENT1100(エリオニクス株式会社製)を用いた。使用圧子は20μm×20μm四方の平圧子を用いて測定した。
1−1は試験を始める前の最初の状態であり、最大荷重2.94×10−4Nに対し、9.8×10−5N/secのスピードで荷重を掛ける。最大荷重に到達直後は1−2の状態であり、このときの変位量をX(μm)とする。1−2の状態で0.1secの間その荷重で放置する。放置終了直後の状態が1−3を示しており、このときの最大変位量をX(μm)とし、さらに最大荷重を経て9.8×10−5N/secのスピードで除荷し、荷重が0になったときが1−4の状態である。このときの変位量をX(μm)とする。
変位曲線の傾きR(25)は1−1から1−2までの変位曲線を一次直線と近似し、その直線の傾きX/(2.94×10−4)(μm/N)として算出した。
実際の測定はセラミックセル上にトナーを塗布し、トナーがセル上に分散するように微
小なエアーを吹き付ける。そのセルを装置にセットして測定する。
また測定の際にはセルを温度制御が可能な状態にし、このセルの温度を測定温度とした。すなわちR(25)はセルの温度を25℃として測定した。本発明における微小圧縮試験においては、セルの上にトナーを分散させた後、セルを本体に設置する。その後、セルが測定温度に到達してから10分以上放置した後、測定を開始する。
測定は装置付帯の顕微鏡を覗きながら測定用画面(横幅:160μm 縦幅:120μm)にトナーが1粒で存在しているもの選択する。変位量の誤差を極力無くすため、トナーの個数平均粒径D1の±0.2μmのものを選択して測定する。なお、測定用画面から任意のトナーを選択する。測定画面上でのトナー粒子径の測定手段は超微小硬度計ENT1100付帯のソフトを用いてトナー粒子の長径と短径を測定した。そして、それらから求められるアスペクト比[(長径+短径)/2]の値がD1の±0.2μmとなるトナーを選択して測定した。
測定デ−タに関しては任意の粒子100個を選んで測定し、測定結果として得られたR(25)について、最大値、最小値からそれぞれ10個を除いた残り80個をデ−タとして使用し、その80個の相加平均値としてR(25)を求めた。
<トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)の測定>
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension Sys
tem Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<極性樹脂のガラス転移点(Tg)の測定>
本発明における極性樹脂のガラス転移点(Tg)は以下の条件にて測定し、昇温1回目のDSC曲線のピーク位置からそれぞれ求める。
<測定条件>
・20℃で5分間平衡を保つ
・1.0℃/minのモジュレーションをかけ、140℃まで1℃/minで昇温
・140℃で5分間平衡を保つ
・20℃まで降温
示差走査熱量計(DSC測定装置)は、DSC−7(パーキンエルマー社製)、DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)等を用い、ASTM D3418−82に準じて以下のように測定する。測定サンプルは2乃至5mg、好ましくは3mgを精密に秤量する。それをアルミニウム製のパン中に入れ、対照用に空のアルミパンを用い、測定範囲20〜140℃の間で、昇温速度1℃/minで測定を行う。
ここでいうガラス転移点は中点法で求める。
<極性樹脂の酸価の測定>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。極性樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した結着樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
次に本発明のトナー粒子の製造方法を用いて製造したトナーを用いた画像形成方法の例について図3、図4、図5および図6を用いて説明する。
本実施例で用いた画像形成装置(接触1成分現像システム)の構成を図4に示す。該画像形成装置は転写方式電子写真プロセスを用いたレーザービームプリンタである。
図4は、本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置の一例を示す断面模式図である。
画像形成装置100は4個の画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdを縦方向に
並設している。そして、各画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdには、各々、装着手段(不図示)によってプロセスカートリッジ7(7a、7b、7c、7d)が着脱可能に装着される。なお、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、ブラック色の各カートリッジ7a、7b、7c、7dは同一構成である。
本模式図では、画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdは、縦方向に僅かに傾斜して並設されているが、傾斜することなく縦方向に整列して設けてもよい。また、プロセスカートリッジ7は、図3に例示したものと同じであっても良いし、異なっていても良い。
各カートリッジ7(7a、7b、7c、7d)は、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を備えている。感光体ドラム1は、駆動手段(不図示)によって、同図中、反時計回りに回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に以下の手段が設けられている。(A)感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電手段2(2a、2b、2c、2d)。(B)画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1に静電潜像を形成するスキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)。(C)静電潜像に現像剤(以下、「トナー」という。)を付着させてトナー像として現像する現像手段4(4a、4b、4c、4d)。(D)感光体ドラム1上のトナー像を記録媒体Sに転写させる転写装置5。(E)転写後の感光体ドラム1表面に残ったトナーを除去するクリーニング手段6(6a、6b、6c、6d)。
ここで、感光体ドラム1と、プロセス手段である、帯電手段2、現像手段4、クリーニング手段6は、カートリッジ枠体により一体的に構成してカートリッジ化されカートリッジ7を構成している。
感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)は、シリンダの外周面に感光層を設けて構成したものである。感光体ドラム1は、その両端部を支持部材によって回転自在に支持されている。そして、一方の端部に駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達されることにより、反時計周りに回転駆動される。
上記感光体としては、a−Se、CdS、ZnO、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光体ドラムが好適に使用される。また、上記OPC感光体における有機系感光層の結着樹脂は、特に限定するものではない。中でもポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性に優れ、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくいため好ましい。
帯電手段2(2a、2b、2c、2d)としては、接触帯電方式のものを使用している。帯電手段2は、ローラー状に形成された導電性ローラーである。このローラーを感光体ドラム1表面に当接させるとともに、このローラーに帯電バイアス電圧を印加する。これにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させる。
帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラーの当接圧が線圧として0.05〜5N/cmである。また印加電圧としては、直流電圧或いは直流電圧に交流電圧を重畳したものが好適に用いられる。直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧=0.5〜5dVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVであることが好ましい。また、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜±5kVであることが好ましい。
帯電ローラー以外の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、非接触のコロナ帯電に比べて、高電圧が不必要になる、オゾンの発生が低減するといった効果がある。接触帯電手段としての帯電ローラー及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
スキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)は、レーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が、高速回転されるポリゴンミラー(不図示)及び結像レンズ(不図示)を介して帯電済みの感光体ドラム1表面を画像情報に応じ露光する。これによって、感光体ドラムに静電潜像を形成する。
現像手段4(4a、4b、4c、4d)は、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、ブラック色の各色のトナーを夫々収納したトナー容器41から構成され、トナー容器41内のトナーを送り機構42によってトナー供給ローラー43へ送り込む。
前記トナー供給ローラー43は、図示時計方向に回転し、トナー担持体としての現像ローラー40へのトナーの供給、及び、静電潜像の現像化に寄与せず現像ローラー40上に残留したトナーのはぎとりを行う。
現像ローラー40へ供給されたトナーは、現像ローラー40外周に圧接されたトナー規制部材44によって現像ローラー40(時計回り方向に回転)の外周に塗布され、且つ電荷を付与される。そして、潜像が形成された感光体ドラム1と対向した現像ローラー40に現像バイアスを印加する。そして、潜像に応じて感光体ドラム1上にトナー現像を行う。
転写装置5には、すべての感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)に対向し、接するように循環移動する静電転写ベルト11が設けられている。この転写ベルト11は、駆動ローラー13、従動ローラー14a、14b、テンションローラー15に張架されていて、図中左側の外周面に記録媒体Sを静電吸着する。そして、転写ベルト11は、感光体ドラム1に記録媒体Sを接触させるべく循環移動する。これにより、記録媒体Sは転写ベルト11により転写位置まで搬送され、感光体ドラム1上のトナー像を転写される。
この転写ベルト11の内側に当接し、4個の感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d
)に対向した位置に転写ローラー12(12a、12b、12c、12d)が並設される。これら転写ローラー12には、転写時にバイアスが印加されて、電荷が静電転写ベルト11を介して記録媒体Sに印加される。このとき生じた電界により、感光体ドラム1に接触中の記録媒体Sに、感光体ドラム1上のトナー像が転写される。
給送部16は、画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdに記録媒体Sを給送搬送するものである。給送部16には、複数枚の記録媒体Sがカセット17に収納されている。画像形成時には給送ローラー18(半月ローラー)、レジストローラー19が画像形成動作に応じて駆動回転する。給送ローラー18は、カセット17内の記録媒体Sを1枚毎に分離給送した後、レジストローラー19に記録媒体S先端を突き当てて一旦停止させる。その後レジストローラー19は、転写ベルト11の回転と画像書出し位置の同期をとって、記録媒体Sを静電転写ベルト11へと給送する。
定着部20は、記録媒体Sに転写された複数色のトナー画像を定着させるものである。そして、定着部20は、加熱ローラー21aと、これに圧接して記録媒体Sに熱及び圧力を与える加圧ローラー21bとを有する。即ち、感光体ドラム1に形成されたトナー像を転写された記録媒体Sは定着部20を通過する際に、加圧ローラー21bで搬送されるとともに、加熱ローラー21aによって熱及び圧力を与えられる。これによって複数色のトナー像が記録媒体S表面に定着される。
画像形成の動作としては、カートリッジ7(7a、7b、7c、7d)が、画像形成タイミングに合わせて順次駆動される。そして、その駆動に応じて感光体ドラム1a、1b、1c、1dが、反時計回り方向に回転駆動される。そして、各々のカートリッジ7に対応するスキャナユニット3が順次駆動される。この駆動により、帯電ローラー2は感光体ドラム1の周面に一様な電荷を付与する。そして、スキャナユニット3は、その感光体ドラム1周面に画像信号に応じて露光を行って感光体ドラム1周面に静電潜像を形成する。現像手段4内の現像ローラー40は、静電潜像の低電位部にトナーを転移させて感光体ドラム1周面上にトナー像を形成(現像)する。
最上流の感光体ドラム1の周面上に形成されたトナー像の先端が、転写ベルト11との対向点に回転搬送されてくるタイミングで、その対向点に記録媒体Sの印字開始位置が一致するようにレジストローラー19が回転し記録媒体Sを転写ベルト11へ給送する。
記録媒体Sは吸着ローラー22と転写ベルト11とによって挟み込むようにして転写ベルト11の外周に圧接される。そして、転写ベルト11と吸着ローラー22との間に電圧を印加する。そして、誘電体である記録媒体Sと転写ベルト11の誘電体層に電荷を誘起して、記録媒体Sを転写ベルト11の外周に静電吸着させている。これにより、記録媒体Sは静電転写ベルト11に安定して吸着され、最下流の転写部まで搬送される。
このように搬送されながら記録媒体Sは、各感光体ドラム1と転写ローラー12との間に形成される電界によって、各感光体ドラム1のトナー像を順次転写される。
4色のトナー像を転写された記録媒体Sは、ベルト駆動ローラー13の曲率により静電転写ベルト11から曲率分離され、定着部20に搬入される。記録媒体Sは、定着部20で上記トナー像を熱定着された後、排紙ローラー23によって、排紙部24から画像面を下にした状態で本体外に排出される。
図2においては、定着部20に加熱ローラーを用いる方法を例示したが、本発明の画像形成方法には他の定着方法も好適に用いることができる。図5および図6には、発熱体を用いて耐熱性高分子フィルムを加熱し、トナー像の定着を行う装置を示す。
図5はフィルムに常にテンションが加わっている構造の定着装置である。
本発明において、発熱体はその熱容量が小さく、線状あるいは面状の加熱部を有するもので、加熱部の最高温度は100〜300℃であることが好ましい。
又、フィルムは、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが好ましく、これら耐熱性シートとしては耐熱性の高い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミド等のポリマーシートの他、アルミニウム等の金属シート及び金属シートとポリマーシートから構成されたラミネートシートが用いられる。
より好ましいフィルムの構成としては、これら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を有していることである。
51は装置に固定支持された加熱体であって、ヒータ基板52、通電発熱抵抗体(発熱体)53・検温素子54等よりなる。
ヒータ基板52は耐熱性・絶縁性・低熱容量・高熱伝導性の部材であり、例えば、厚み1mm・巾10mm・長さ240mmのアルミナ基板である。
発熱体53はヒータ基板52の下面(フィルム55との対面側)の略中央部に長手に沿って、電気抵抗材料を厚み約10μm・巾1〜3mmの線状または細帯状にスクリーン印刷等により塗工したものである。電気抵抗材料としては例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、TaN、RuO等が用いられる。
検温素子54は一例としてヒータ基板52の上面(発熱体53を設けた面とは反対側面)の略中央部にスクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等の低熱容量の測温抵抗体である。低熱容量のサーミスタなども使用できる。
本例の加熱体51の場合は、線状又は面状をなす発熱体53に対し画像形成スタート信号により所定のタイミングにて通電して発熱体53を略全長にわたって発熱させる。通電はAC100Vであり、検温素子54の検知温度に応じてトライアックを含む不図示の通電制御回路により通電する位相角を制御することにより供給電力を制御している。
加熱体51はその発熱体53への通電により、ヒータ基板52・発熱体53の熱容量が小さいので加熱体表面が所要の定着温度(例えば140〜200℃)まで急速に温度上昇する。
そしてこの加熱体51に耐熱性フィルム55が当接している。
熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム55には総厚100μm以下、20μm以上の耐熱性・離型性、強度・耐久性等のある単層或は複合層のフィルムを使用できる。
例えば、ポリイミド・ポリエーテルイミド(PEI)・ポリエーテルサルホン(PES)・4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)・ポリパラバン酸(PPA)、或いは複合層フィルム例えば20μm厚のポリイミドフィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)・PAF・FEP等のフッ素樹脂・シリコン樹脂等、更にはそれに導電材(カーボンブラック・グラファイト・導電性ウイスカなど)を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものなどである。
回転体たる支持ローラー58は例えばシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性体からなり、加熱体51にフィルム55を介して圧接され、ニップ部を形成すると共に、フィルム55を所定速度に移動駆動する。フィルム55との間に被加熱材としての記録材シートが導入されたときには、その記録材シートをフィルム55面に密着させて加熱体51に圧接し、フィルム55と共に移動駆動させる。
発熱体を用いて耐熱性高分子フィルムを加熱し、トナー像の定着を行う装置の他の形態
について示す。
図6はフィルムにテンションが加わらない状態がある構造を有する、定着装置である(テンションフリータイプ)。
本発明において、発熱体はその熱容量が小さく、線状あるいは面状の加熱部を有するもので、加熱部の最高温度は100〜300℃であることが好ましい。
又、フィルムは、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが好ましく、これら耐熱性シートとしては耐熱性の高い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミド等のポリマーシートの他、アルミニウム等の金属シート及び金属シートとポリマーシートから構成されたラミネートシートが用いられる。
より好ましいフィルムの構成としては、これら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を有していることである。
64は装置に固定支持された低熱容量線状加熱体であって、ヒータ基板64a、通電発熱抵抗体(発熱体)64b・表面保護層64c・検温素子64d等よりなる。
ヒータ基板64aは耐熱性・絶縁性・低熱容量・高熱伝導性の部材であり、例えば、厚み1mm・巾10mm・長さ240mmのアルミナ基板である。
発熱体64bはヒータ基板64aの下面(フィルム65との対面側)の略中央部に長手に沿って、電気抵抗材料を厚み約10μm・巾1〜3mmの線状または細帯状に塗工し、その上に表面保護層64cとして耐熱ガラスを約10μmコートしたものである。電気抵抗材料としては例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、TaN、RuO等が用いられる。また、電気抵抗材料の塗工方法としては、スクリーン印刷する方法等が用いられる。
検温素子64dは一例としてヒータ基板64aの上面(発熱体64bを設けた面とは反対側面)の略中央部にスクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等の低熱容量の測温抵抗体である。低熱容量のサーミスタなども使用できる。
本例の加熱体64の場合は、線状又は面状をなす発熱体64bに対し画像形成スタート信号により所定のタイミングにて通電して発熱体64bを略全長にわたって発熱させる。通電はAC100Vであり、検温素子64dの検知温度に応じてトライアックを含む不図示の通電制御回路により通電する位相角を制御することにより供給電力を制御している。加熱体64はその発熱体64bへの通電により、ヒータ基板64a・発熱体64b・表面保護層64cの熱容量が小さいので加熱体表面が所要の定着温度(例えば140〜200℃)まで急速に温度上昇する。
そしてこの加熱体64に耐熱性フィルム65が当接している。
熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム65には総厚100μm以下、20μm以上の耐熱性・離型性、強度・耐久性等のある単層或は複合層のフィルムを使用できる。
例えば、ポリイミド・ポリエーテルイミド(PEI)・ポリエーテルサルホン(PES)・4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)・ポリパラバン酸(PPA)、或いは複合層フィルム例えば20μm厚のポリイミドフィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)・PAF・FEP等のフッ素樹脂・シリコン樹脂等、更にはそれに導電材(カーボンブラック・グラファイト・導電性ウイスカなど)を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものなどである。
回転体たる支持ローラー62は例えばシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性体からな
り、加熱体64にフィルム65を介して圧接され、ニップ部を形成すると共に、フィルム65を所定速度に移動駆動する。フィルム65との間に被加熱材としての記録材シートが導入されたときには、その記録材シートをフィルム65面に密着させて加熱体64に圧接し、フィルム65と共に移動駆動させる。
図3は、本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置に好適に用いることのできる、プロセスカートリッジ7(以下、カートリッジともいう。)の断面模式図である。
カートリッジ7は、感光体ドラム1と、帯電手段2及びクリーニング手段6を備えたクリーナユニット50と、感光体ドラム1に形成された静電潜像を現像する現像手段4を有する現像ユニット4Aとを有する。クリーナユニット50を構成するクリーニング枠体31には、感光体ドラム1が軸受部材(不図示)を介して回転自在に取り付けられている。
感光体ドラム1には、感光体ドラム1の外周面に設けられた感光層を一様に帯電させるための帯電ローラー2、転写後に感光体ドラム1上に残った現像剤(残留トナー)を除去するためのクリーニングブレード60が接触している。クリーニングブレード60によって感光体ドラム1表面から除去されたトナー(除去トナー)は、クリーニング枠体31に設けられた除去トナー収納室35に納められる。
現像ユニット4Aは、トナーを収容する現像枠体45(45a、45b、45e)を有しており、現像ローラー40(矢印Y方向に回転)が軸受部材を介して回転自在に現像枠体45に支持されている。また、現像ローラー40と接触してトナー供給ローラー43(矢印Z方向に回転)とトナー規制部材44がそれぞれ設けられている。さらに現像枠体45には収容されたトナーを撹拌するとともにトナー供給ローラー43に搬送するためのトナー搬送機構42が設けられている。
そして、現像ユニット4Aがクリーナユニット50に対して揺動自在に支持されている。すなわち、現像枠体45の両端に設けた結合穴47、48とクリーナユニット50のクリーニング枠体31両端に設けた支持穴(不図示)を合わせ、クリーナユニット50両端からピン(不図示)を差し込んでいる。
また、支持穴を回転軸中心として現像ローラー40が感光体ドラム1に接触するように加圧バネ(不図示)によって現像ユニット4Aが常に付勢されている。
現像時には、トナー容器41内に収納されたトナーがトナー攪拌機構42によってトナー供給ローラー43へ搬送される。トナー供給ローラー43が、現像ローラー40との摺擦によって現像ローラー40にトナーを供給し、現像ローラー40上にトナーを付着させる。現像ローラー40上に付着されたトナーは、現像ローラー40の回転にともなってトナー規制部材44のところに至る。そして、トナー規制部材44がトナーを規制して所定のトナー薄層を形成し、所望の帯電電荷量を付与する。現像ローラー40上で薄層化されたトナーは、現像ローラー40の回転につれて、感光体ドラム1と現像ローラー40とが接近した現像部に搬送される。そして、現像部において、電源(不図示)から現像ローラー40に印加した現像バイアスにより、感光体ドラム1の表面に形成されている静電潜像に付着して、潜像を現像化する。静電潜像の現像化に寄与せずに現像ローラー40の表面に残留したトナーは、現像ローラー40の回転にともなって現像枠体45内に戻される。そして、トナー供給ローラー43との摺擦部で現像ローラー40から剥離、回収される。回収されたトナーは、トナー攪拌機構42により残りのトナーと撹拌混合される。
ここで現像ローラー40には弾性ローラーを用い、これを感光体ドラム1表面と接触させ
る方法を用いることができる。一般にトナー担持体と感光体が接触する現像方式においては、トナーの破損、変形が生じやすくなるが、本発明記載のトナーを用いた場合にはこうした変化を効果的に抑制することが出来るため、好ましい。
トナー担持体と感光体が接触する現像方式では、トナーを介して感光体と感光体表面に
対向する弾性ローラー間に働く電界によって現像が行われる。従って弾性ローラー表面或いは表面近傍が電位を持ち、感光体表面とトナー担持体表面の狭い間隙で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、または導電性ローラーの表面層に薄層の絶縁層を設ける方法が利用できる。さらには、該導電性ローラー上に感光体表面に対向する側を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体に対向しない側に導電層を設けた構成も可能である。また、トナー担持体として剛体ローラーを用い、感光体をベルトの如きフレキシブルな物とした構成も可能である。トナー担持体としてのローラーの抵抗値としては10〜10Ω・cmの範囲が好ましい。
トナー担持体の表面形状としては、その表面粗さRa(μm)を0.1〜3.0となるように設定すると、高画質及び高耐久性を両立できる。該表面粗さRaはトナー搬送能力及びトナー帯電能力と相関する。該トナー担持体の表面粗さRaが3.0を超えると、該トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、トナーの帯電性が改善されないので画質の向上は望めない。3.0以下にすることでトナー担持体表面のトナーの搬送能力を抑制し、該トナー担持体上のトナー層を薄層化すると共に、該トナー担持体とトナーの接触回数が多くなるため、該トナーの帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗さRaが0.1よりも小さくなると、トナーコート量の制御が難しくなる。
本発明において、トナー担持体の表面粗さRaは、日本工業規格(JIS)B06014.2.1項(改正年月日2001年1月20日、確認年月日2005年7月20日)に定める算術平均粗さである。本発明においては、表面粗さ測定器(小坂研究所社製サーフコーダSE3500)を用い、トナー担持体表面の任意の1点より、トナー担持体回転軸と平行となる方向に測定を行った。なお、カットオフ値は0.8mm、測定長さは2.5mm、測定速度は0.1mm/秒とした。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これは本発明をなんら限定するものではない。以下にトナーの製造方法について記載する。実施例中及び比較例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
(トナーの製造例)
<シアントナー1>
下記の手順によって懸濁重合法トナーを製造した。
下記の材料をTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、温度60℃にて10,000r/minで撹拌し、pH5.2の水系媒体を調製した。なお、下記の極性樹脂1及び極性樹脂2は、それぞれ表4に示されるモノマーを表4に示される組成比(質量部基準)でキシレン中にて溶液重合して得られたものを用いた。
・イオン交換水 1300.0質量部・リン酸三カルシウム 9.0質量部・10%塩酸 11.0質量部
また、下記の材料をプロペラ式撹拌装置にて100r/minで溶解して溶解液を調製した。
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂1 10.0質量部・極性樹脂2 10.0質量部次に上記溶解液に下記の材料を添加した。
・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
その後、混合液を温度60℃に加温した後にTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)にて、9,000r/minにて撹拌し、溶解、分散した。
これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8.0質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃にてTK式ホモミキサーを用いて10,000r/minで30分間撹拌し、造粒した。
その後、プロペラ式撹拌装置に移して100r/minで撹拌しつつ、温度70℃で5時間反応させた後、温度80℃まで昇温し、更に5時間反応を行い、シアントナー粒子を製造した。重合反応終了後、該粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、濾過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してシアントナー粒子を得た。
上記トナー粒子100質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粉体(個数平均1次粒子径:10nm、BET比表面積:170m/g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池製)で3,000r/minで15分間混合してシアントナー1を得た。シアントナー1の物性を表1に、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー2>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂1 15.0質量部・極性樹脂2 5.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー2を得た。
シアントナー2の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー3>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂1 5.0質量部・極性樹脂2 15.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー3を得た。
シアントナー3の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー4>
・スチレン 73.0質量部・n−ブチルアクリレート 27.0質量部
・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂1 10.0質量部・極性樹脂2 10.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー4を得た。
シアントナー4の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー5>
・スチレン 67.0質量部・n−ブチルアクリレート 33.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂1 10.0質量部・極性樹脂2 10.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー5を得た。
シアントナー5の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー6>
・スチレン 67.0質量部・n−ブチルアクリレート 33.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂3 10.0質量部・極性樹脂4 10.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー6を得た。なお、上記極性樹脂3及び極性樹脂4は、それぞれ表4に示されるモノマーを表4に示される組成比(質量部基準)でキシレン中にて溶液重合して得られたものを用いた。
シアントナー6の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー7>
・スチレン 73.0質量部・n−ブチルアクリレート 27.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂5 10.0質量部・極性樹脂6 10.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー7を得た。なお、上記極性樹脂5及び極性樹脂6は、それぞれ表4に示されるモノマーを表4に示される組成比(質量部基準)でキシレン中にて溶液重合して得られたものを用いた。
シアントナー7の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー8>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂1 7.5質量部・極性樹脂2 7.5質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー8を得た。
シアントナー8の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー9>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂1 12.5質量部・極性樹脂2 12.5質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー9を得た。
シアントナー9の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー10>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂5 5.0質量部・極性樹脂6 3.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー10を得た。
シアントナー10の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー11>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂3 22.0質量部・極性樹脂4 30.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部
・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー11を得た。
シアントナー11の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー12>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂7 10.0質量部・極性樹脂8 10.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー12を得た。なお、下記の極性樹脂7及び極性樹脂8は、それぞれ表4に示されるモノマーを表4に示される組成比(質量部基準)でキシレン中にて溶液重合して得られたものを用いた。
シアントナー12の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー13>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂9 10.0質量部・極性樹脂10 10.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー13を得た。なお、下記の極性樹脂9及び極性樹脂10は、それぞれ表4に示されるモノマーを表4に示される組成比(質量部基準)でキシレン中にて溶液重合して得られたものを用いた。
シアントナー13の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー14>
・スチレン 75.0質量部・n−ブチルアクリレート 25.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂11 10.0質量部・極性樹脂12 20.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー14を得た。なお、上記極性樹脂11及び極性樹脂12は、それぞれ表4に示されるモノマーを表4に示される組成比(質量部基準)でキシレン中にて溶液重合して得られたものを用いた。
シアントナー14の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー15>
・スチレン 65.0質量部・n−ブチルアクリレート 35.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂13 7.0質量部・極性樹脂14 3.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー15を得た。なお、上記極性樹脂13及び極性樹脂14は、それぞれ表4に示されるモノマーを表4に示される組成比(質量部基準)でキシレン中にて溶液重合して得られたものを用いた。
シアントナー15の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー16>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂6 10.0質量部・極性樹脂15 10.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー16を得た。なお、上記極性樹脂15は、表4に示されるモノマーを表4に示される組成比(質量部基準)でキシレン中にて溶液重合して得られたものを用いた。
シアントナー16の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー17>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂6 10.0質量部・極性樹脂16 10.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー17を得た。なお、上記極性樹脂16は、表4に示されるモノマーを表4に示される組成比(質量部基準)でキシレン中にて溶液重合して得られたものを用いた。
シアントナー17の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー18>
(極性樹脂の製造例)
シアントナー18に使用する極性樹脂17は以下の方法で製造した。
フラスコ中で下記の材料を混合し、水系媒体を調製した。
・イオン交換水 500.0質量部
・非イオン性界面活性剤 ノニポール400(花王製) 6.0質量部・アニオン性界面活性剤 ネオゲンSC(第一工業製薬製) 10.0質量部また、下記の材料を混合し、混合溶液を得た。
・スチレン 74.8質量部・α−メチルスチレン 15.0質量部・メタクリル酸 1.7質量部・メタクリル酸メチル 2.5質量部
上記の混合溶液を上記水系媒体中に分散・乳化して、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水溶液50質量部を投入した。次いで、系内を十分に窒素で置換した後、フラスコを撹拌しながらオイルバスで系内が温度70℃になるまで加熱し、重合を開始した。その後、n−ブチルアクリレート6.0質量部を0.1質量部/minの滴下速度で1時間かけて滴下した。滴下終了後4時間反応を継続し、極性樹脂17の微粒子分散液を得た。得られた分散液を遠心分離することにより、極性樹脂17を得た。
(トナーの製造例)
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂17 20.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー18を得た。
シアントナー18の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー19>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂1 7.0質量部・極性樹脂2 6.0質量部・極性樹脂18 7.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー19を得た。なお、上記極性樹脂18は、表4に示されるモノマーを表4に示される組成比(質量部基準)でキシレン中にて溶液重合して得られたものを用いた。
シアントナー19の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー20>
下記の手順によって乳化凝集法トナーを製造した。
(樹脂微粒子分散液の調製)
フラスコ中で下記の材料を混合し、水系媒体を調製した。
・イオン交換水 500.0質量部・非イオン性界面活性剤 ノニポール400(花王製) 6.0質量部
・アニオン性界面活性剤 ネオゲンSC(第一工業製薬製) 10.0質量部また、下記の材料を混合し、混合溶液を得た。
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部
上記の混合溶液を上記水系媒体中に分散・乳化して、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水溶液50質量部を投入した。次いで、系内を十分に窒素で置換した後、フラスコを撹拌しながらオイルバスで系内が温度70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これによりアニオン性樹脂微粒子分散液を得た。
(着色剤粒子分散液の調製)
・イオン交換水 100.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・非イオン性界面活性剤 ノニポール400(花王製) 1.0質量部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA 製ウルトラタラックス)により10分間分散し、着色剤粒子分散液を得た。
(離型剤粒子分散液の調製)
・イオン交換水 100.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部・カチオン性界面活性剤 サニゾールB50(花王製) 5.0質量部
上記成分を温度95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子分散液を得た。
(シェル形成用微粒子分散液1の調整)
・イオン交換水 100.0質量部・酢酸エチル 50.0質量部・極性樹脂1 10.0質量部
上記成分を混合撹拌した。その溶解液をIKA製ウルトラタラックスT50で乳化させながら、温度80℃で加熱して6時間保持することで脱溶剤を行い、シェル形成用微粒子分散液1を得た。
(シェル形成用微粒子分散液2の調整)
・イオン交換水 100.0質量部・酢酸エチル 50.0質量部・極性樹脂2 10.0質量部
上記成分を混合撹拌した。その溶解液をIKA製ウルトラタラックスT50で乳化させながら、温度80℃で加熱して6時間保持することで脱溶剤を行い、シェル形成用微粒子分散液2を得た。
(トナー粒子の作成)
上記樹脂微粒子分散液、上記着色剤粒子分散液、上記離型剤粒子分散液、及びポリ塩化アルミニウム1.2重量部を混合して、丸型ステンレス製フラスコ中でIKA製のウルトラタラックスT50を用い十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら温度51℃まで加熱した。温度51℃で60分保持した後、ここに上記シェル形成用微粒子分散液1およびシェル形成用微粒子分散液2を添加した。その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを6.5に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、撹拌軸のシ−ルを磁力シ−ルして撹拌を継続しながら温度97℃まで加熱して3時間保持した。その後、得られたスラリーをオートクレーブに移し、圧
力3.0×10Pa、温度120℃にて3時間加熱・撹拌した。反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに温度40℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで撹拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに5回繰り返した後、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子を得た。上記トナー粒子100質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:10nm、BET比表面積:170m/g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池製)で3,000r/minで15分間混合してシアントナー20を得た。
シアントナー20の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー21>
下記の手順によって粉砕法トナーを製造した。
・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100.0質量部(スチレン−ブチルアクリレート共重合比=70:30、Mp=22,000、Mw=35,000、Mw/Mn=2.4、TgA=45℃)
・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を溶解混練して粉砕した。その後、風力式分級機にて分級を行った。さらに、極性樹脂1と同一組成の樹脂微粒子(個数平均粒子径:300nm)10.0質量部を添加して、「ハイブリダイゼーション・システム」(奈良機械製)で処理することで極性樹脂1のシェル構造を形成した。続いて同様に、極性樹脂2と同一組成の樹脂微粒子(個数平均粒子径:300nm)10.0質量部を添加して、「ハイブリダイゼーション・システム」(奈良機械製)で処理することで極性樹脂2のシェル構造を形成した。その後、得られた粒子をイオン交換水500質量部中に分散し、オートクレーブ中で圧力3.0×10Pa、温度120℃にて3時間加熱・撹拌した。続いて、濾過・乾燥することによりトナー粒子を得た。上記トナー粒子100質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粉体(個数平均1次粒子径:10nm、BET比表面積:170m/g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池製)で3,000r/minで15分間混合してシアントナー21を得た。
シアントナー21の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー22>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂19 10.0質量部・極性樹脂20 10.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー22を得た。なお
、上記極性樹脂19及び極性樹脂20は、それぞれ表4に示されるモノマーを表4に示される組成比(質量部基準)でキシレン中にて溶液重合して得られたものを用いた。
シアントナー22の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー23>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂21 10.0質量部・極性樹脂22 10.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用し、また、リン酸三カルシウム9.0質量部を30.0質量部へ変更する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー23を得た。なお、上記極性樹脂21及び極性樹脂22は、それぞれ表4に示されるモノマーを表4に示される組成比(質量部基準)でキシレン中にて溶液重合して得られたものを用いた。
シアントナー23の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー24>
・スチレン 70.0質量部・n−ブチルアクリレート 30.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂23:飽和ポリエステル樹脂〔テレフタル酸とプロピレンオキサイド変性ビスフェノールAから脱水縮合反応により生成〕20.0質量部
(Mp=9000、Tg=72℃、酸価=12.0
mgKOH/g)
・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー24を得た。
シアントナー24の物性を表1に示し、評価結果を表3に示す。
<シアントナー25>
・スチレン 78.0質量部・n−ブチルアクリレート 22.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂1 10.0質量部・極性樹脂2 10.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー25を得た。
シアントナー25の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー26>
・スチレン 62.0質量部
・n−ブチルアクリレート 38.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・極性樹脂1 10.0質量部・極性樹脂2 10.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー26を得た。
シアントナー26の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー27>
・スチレン 78.0質量部・n−ブチルアクリレート 22.0質量部・帯電制御剤 FCA1001NS(藤倉化成社製) 2.0質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 7.0質量部・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部・ワックス HNP−51(融点77℃:日本精蝋社製) 8.0質量部
上記材料を使用し、極性樹脂1および極性樹脂2を使用せず、リン酸三カルシウム9.0質量部を30.0質量部へ変更する以外はシアントナー1と同様にしてシアントナー27を得た。
シアントナー27の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー28>
オートクレーブ中での加熱・撹拌を行わない以外はシアントナー20と同様にしてシアントナー28を得た。
シアントナー28の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<シアントナー29>
オートクレーブ中での加熱・撹拌を行わない以外はシアントナー21と同様にしてシアントナー29を得た。
シアントナー29の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<マゼンタトナー1>
C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部を、C.I.ピグメントレッド122 10質量部に変更する以外はシアントナー1と同様にしてマゼンタトナー1を得た。
マゼンタトナー1の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<イエロートナー1>
C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部を、C.I.ピグメントイエロー93 7質量部に変更する以外はシアントナー1と同様にしてイエロートナー1を得た。
イエロートナー1の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
<ブラックトナー1>
C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部を、カーボンブラック8質量部に変更す
る以外はシアントナー1と同様にしてブラックトナー1を得た。
ブラックトナー1の物性を表1に示し、評価結果を表3に、使用した極性樹脂の物性を表4に示す。
(実施例1乃至24、比較例1乃至8)
表1に記載のトナーを、表2に記載のように組み合わせにて評価した。
その結果を表3に記載する。
Figure 0005305777
Figure 0005305777
Figure 0005305777
Figure 0005305777
以下に本発明の評価方法および評価基準について説明する。
(1)現像効率/周方向のスジ/トナー飛散/トナーコート均一性について
図4に示す接触1成分現像システムの画像形成装置LBP−5400(キヤノン株式会社製)改造機において、図3に示す現像器に実施例及び比較例記載のトナーを190g充填したものを作る。低温常湿環境下(10℃/50%RH)及び高温高湿環境下(30℃/85%RH)にて24時間放置する。この際、転写紙も同様に放置する。その後、濃度検知補正をして、印字比率1%のチャートにて連続出力を実施する。総出力枚数が100枚、5000枚の時に、現像効率/周方向のスジ/トナー飛散/トナーコート均一性の確認をする。
現像効率を測定する際には、前記100枚、5000枚の連続出力後にベタ全域画像(トナー乗り量0.55mg/cm)を1枚出力中に強制的に本体電源を切る。トナー担持体上の現像前トナーと感光ドラム上に現像されたトナーの単位面積当たりの重量を測定し、以下式にて現像効率を測定する。
現像効率=感光ドラム上に現像されたトナー/トナー担持体上の現像前トナー×100
評価は以下に示す判定A、B、C、Dに準じる。
A:低温常湿環境下及び高温高湿環境下ともに95%以上の現像効率であり、実使用上全く問題ないレベル。
B:低温常湿環境下及び高温高湿環境下ともに88%以上95%未満の現像効率であり、実使用上問題ないレベル。
C:高温高湿環境下にて80%以上88%未満の現像効率となるが、実使用上問題となる可能性が低いレベル。
D:低温常湿環境下及び高温高湿環境下ともに80%以上88%未満の現像効率もしくはそれより悪い現像効率となり、実使用上問題となる可能性が高いレベル。
周方向のスジ及びトナー飛散を確認する際には、前記100枚、5000枚の連続出力後にベタ全域画像(トナー乗り量0.55mg/cm)を1枚出力した後に、現像容器を分解しトナー担持体の表面及び端部を目視して行った。以下に判定基準を示す。
A:5000枚出力後の評価において、トナー担持体の表面や端部にはトナー破壊や融着によるトナー規制部材とトナー担持体間への異物挟み込みによる周方向のスジや、トナー担持体とトナー端部シール間への異物挟み込みによるトナー飛散は全く無く、実使用上全く問題ないレベル。
B:5000枚出力後の評価において、トナー担持体とトナー端部シール間への異物挟み込みによるトナー飛散が若干見受けられるものの、実使用上問題ないレベル。
C:5000枚出力後の評価において、トナー飛散が若干見受けられ、周方向のスジも端部で1乃至4本見受けられるが実使用上問題となる可能性が低いレベル。
D:5000枚出力後の評価において、トナー飛散が見受けられ、周方向のスジも全域で5本以上見受けられ、実使用上問題となる可能性が高いレベル。
トナーコート均一性を確認する際には、前記100枚、5000枚の連続出力後にハーフトーン全域画像(トナー乗り量0.20mg/cm)を1枚出力中に強制的に本体電源を切り、現像された感光ドラム上のドット再現性を確認した。光学顕微鏡で100倍に拡大したものを目視しながら評価を行った。以下に判定基準を示す。
A:5000枚出力後の評価においても、ドット再現性は良好で、実使用上全く問題ないレベル。
B:5000枚出力後の評価において、ドット再現性に若干の乱れが生じるものの、実使用上問題ないレベル。
C:100枚、5000枚出力後の評価において、ドット再現性に若干の乱れが生じるが、実使用上問題となる可能性が低いレベル。
D:100枚、5000枚出力後の評価において、ドット再現性の乱れが大きく、使用上問題となる可能性が高いレベル。
(2)低温定着性/高温時巻きつき性について
図4に示す接触1成分現像システムの画像形成装置において、図3に示す現像器に実施例及び比較例記載のトナーを190g充填したものを作り、低温常湿環境下(10℃/50%RH)にて48時間放置する。その後、10mm×10mmの四角画像が転写紙全体に均等に9ポイント配列された画像パターンの未定着画像を出力する。単色トナー乗り量は、0.2mg/cmのハーフトーン画像を出力する。上記未定着画像を用いて定着開始温度を評価した。なお、定着領域の評価は紙種としてFox River Bond(90/cm)を使用した。
定着機はオイル塗布機能のない40mmφの熱ローラ温調制御可能な外部定着機にて、150mm/secの定着条件で測定した。尚、このときのローラ材質としては、上部、下部ともに、PFAを使用した。ニップ幅は6mmとした。
また、定着開始の判断は、定着画像(低温オフセットした画像も含む)を50g/cmの荷重をかけ、シルボン紙〔Lenz Cleaning Paper “dasper(R)”(Ozu Paper Co.Ltd)〕で2回摺擦する。そして、摺擦前後の濃度低下率が20%未満になる温度を定着開始点と定義し、この温度を低温定着性の評価に用いた。
また、高温時巻きつき性については目視で確認した。巻きつき無く通紙できた温度の最大温度を「高温時巻きつき性」を評価するための温度とした。
(3)保存安定性について
50mlのポリカップにトナーを5g秤量し、温度50℃の恒温槽に72時間放置した。その後、トナーの状態を目視により評価した。以下に判定基準を示す。
A:全く凝集しておらず、実使用上全く問題ないレベル。
B:若干凝集が見られるが僅かな外力で崩れ、実使用上問題ないレベル。
C:やや凝集しているものの手でほぐすことで崩れ、実使用上問題となる可能性が低いレベル。
D:強く凝集しており手でほぐしても崩れず、実使用上問題となる可能性が高いレベル。
トナーのUV光硬化性組成物浸透時における浸透時間−浸透膜厚曲線と本発明におけるL,Va及びVbを示す図である。 トナーの微小圧縮試験における荷重−変位曲線である。 本発明に係るプロセスカートリッジの断面説明図である。 本発明の画像形成方法を実施する装置の一例の概略構成図である。 本発明に係る他の定着装置の概略構成図である。 本発明に係る他の定着装置の概略構成図である。
符号の説明
Pa、Pb、Pc、Pd 画像形成ステーション
1(1a〜1d) 感光体ドラム(像担持体)
2(2a〜2d) 帯電手段
3(3a〜3d) スキャナユニット
4(4a〜4d) 現像手段
4A 現像ユニット
5 静電転写装置
6(6a〜6d) クリーニング手段
7(7a〜7d) プロセスカートリッジ
11 静電転写ベルト
12(12a〜12d) 転写ローラー
13 ベルト駆動ローラー
14a、14b 従動ローラー
15 テンションローラー
16 給送部
17 カセット
18 給送ローラー
19 レジストローラー
20 定着部
21a 加熱ローラー
21b 加圧ローラー
22 吸着ローラー
23 排紙ローラー
24 排紙部
31 クリーニング枠体(カートリッジ枠体)
35 除去トナー収納室
40 現像ローラー(トナー担持体)
41 トナー容器(現像剤収納部)
42 トナー搬送機構
43 トナー供給ローラー
44 トナー規制部材(ブレード)
45(45a、45b、45e) 現像枠体(カートリッジ枠体)
47、48 結合穴
50 クリーナーユニット
51、64 加熱体
52、64a ヒーター基板
53、64b 通電発熱抵抗体(発熱体)
54、64d 検温素子
55、65 耐熱性フィルム
56、57 ベルト支持ローラー
58 支持ローラー
60 クリーニングブレード
62 支持ローラー(回転体)
63 ベルト支持体
64c 表面保護層
100 画像形成装置本体
S 記録媒体(記録材シート)

Claims (8)

  1. 結着樹脂、極性樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    以下の測定方法によって求められる、
    該トナーにUV光硬化性組成物を浸透させた際の、浸透時間5秒における浸透膜厚L(μm)、
    浸透時間5秒から10秒の間における平均浸透速度Va(μm/s)、及び、
    浸透時間10秒から15秒の間における平均浸透速度Vb(μm/s)が
    下記式(1)〜(3)を満たし、かつ、
    該トナーの100℃における粘度が3.0×10乃至4.5×10Pa・sであることを特徴とするトナー。
    0.30≦L≦0.60 式(1)
    0.040≦Va≦0.070 式(2)
    Va<Vb 式(3)
    測定方法:
    (a)該トナーをUV光硬化性組成物D−800(東亞合成株式会社製)中に置き、5秒間、該UV光硬化性組成物を浸透させサンプルを調製後、照射器LUXSPOT−II(日本電子デ−タム株式会社製)の照射部から3.0±0.1cmの距離に該サンプルを置き、出力150WでUV光を30秒間照射し、該UV光硬化性組成物を該トナー中にて硬化させて該UV硬化性組成物を浸透・硬化させたトナーを得る。該UV硬化性組成物を浸透・硬化させたトナーを、ULTRACUT UCT(ライカマイクロシステムズ株式会社製)でカットし、50乃至100nmの厚さのトナー切片を得る。該トナー切片を電界放出形走査電子顕微鏡S−4800(日立ハイテク株式会社製)を用いて観察し、該トナー切片の透過電子像を得る。
    得られた透過電子像において、該トナー切片中の長軸方向における該UV光硬化性組成物が浸透した膜厚Lx、及び、短軸方向における該UV光硬化性組成物が浸透した膜厚Lyを測定し、該UV光硬化性組成物の浸透時間5秒における浸透膜厚Lを、
    L=(Lx+Ly)/2、
    と定義する。
    (b)該UV光硬化性組成物の浸透時間を5秒間から10秒間に変更する以外は、該(a
    )と同様の操作を行い、浸透時間10秒における浸透膜厚L 10 を測定し、浸透時間5秒から10秒の間における平均浸透速度Vaを、
    Va=(L 10 −L)/5、
    と定義する。
    (c)該UV光硬化性組成物の浸透時間を5秒間から15秒間に変更する以外は、該(a)と同様の操作を行い、浸透時間15秒における浸透膜厚L 15 を測定し、浸透時間10秒から15秒の間における平均浸透速度Vbを、
    Vb=(L 15 −L 10 )/5、
    と定義する。
  2. 前記Va及びVbが下記条件:
    1.2≦Vb/Va≦2.0
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 25℃において、負荷速度9.8×10−5N/secで負荷0Nの状態から2.94×10−4Nまで荷重を該トナーにかけてから除荷するまでの、微小圧縮試験で得られる変位曲線において、荷重をかけ始めてから終了するまでの変位曲線の傾きをR(25)(μm/N)としたとき、R(25)が下記条件:
    4.90×10−4(μm/N)≦R(25)≦1.27×10−3(μm/N)
    を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該極性樹脂が該結着樹脂100質量部に対して合計で10乃至50質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 該トナー中に含有される極性樹脂の酸価が3.0乃至30.0mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 該トナー中に含有される極性樹脂のガラス転移点(Tg)が70乃至120℃であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 該トナー粒子は、重合性単量体、極性樹脂、着色剤、及びワックスを含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散、造粒し、重合性単量体を重合することにより得られることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 該極性樹脂がビニル系重合体であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
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