JP5302701B2 - タイヤ形状検査方法,タイヤ形状検査装置 - Google Patents

タイヤ形状検査方法,タイヤ形状検査装置 Download PDF

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Description

本発明は,凹凸のあるマークが形成されたタイヤのサイドウォール面の形状欠陥を検査するタイヤ形状検査方法及びその装置に関するものである。
タイヤは,ゴムや化学繊維,スチールコード等の各種材料が積層された構造を有し,その積層構造に不均一な部分が存在すると,空気が充填された場合に相対的に耐圧性の弱い部分においてバルジと呼ばれる***部(凸部)や,デント又はデプレッションと呼ばれる窪み部(凹部)が生じる。そのようなバルジやデント等の形状欠陥が生じるタイヤは,安全上の問題或いは外観不良の問題から,検査して出荷対象から除外する必要がある。
通常,タイヤの形状検査においては,まず,所定の変位センサがタイヤの表面(サイドウォール面やトレッド面)に対向配置された状態で,タイヤが回転機により回転駆動される。
例えば,特許文献1には,回転するタイヤの表面にスリット光(ライン光)を照射してそのスリット光の像を撮像し,その撮像画像に基づいて光切断法による形状検出を行うことによってタイヤの表面高さを検出する技術について示されている。これにより,タイヤ表面の周方向360°の範囲に渡る多数の位置について表面高さ測定値の分布情報が得られる。こうして得られる情報は,サイドウォール面やトレッド面の周方向360°の範囲に渡る各位置の表面高さ測定値が,タイヤの半径方向を表す第1の座標軸(例えばX軸)及びタイヤの周方向を表す第2の座標軸(例えばY軸)からなる2次元の座標系内に前記表面高さ測定値が配列された情報(以下,表面高さ分布情報という)となる。従って,前記表面高さ測定値が画像データにおける各画素の輝度値に相当すると考えれば,前記表面高さ分布情報は,計算機(画像処理装置)上でモノクロの画像データと同様に取り扱うことができる。
さらに,タイヤの形状検査においては,前記表面高さ分布情報に基づいて,前記サイドウォール面の形状欠陥検査処理を実行する。
ところで,タイヤのサイドウォール面には,製品の型式やサイズ,メーカのロゴ等を表示する凹凸のあるマーク(以下,表示マークという)が形成されている。このため,サイドウォール面の形状欠陥検査処理においては,前記表示マークの凹凸が形状欠陥として誤検知されないようにする必要がある。
従来の形状欠陥検査処理においては,前記表面高さ分布情報におけるタイヤの周方向の1ライン分(前記第1の座標軸方向の1ライン分)の測定値にローパスフィルタ処理を施して得られるデータに基づいて,タイヤ周方向における変化が許容範囲内であるか否かを判別することがよく行われる。
例えば,特許文献3の段落0003には,タイヤの周方向の1ライン分の測定値に高速フーリエ変換処理を施して得られたデータから高周波成分を除去し,残りのデータに対してさらに逆フーリエ変換処理を施すことによって前記ローパスフィルタ処理を実現する例が示されている。
また,特許文献2には,タイヤの周方向の1ライン分の測定値と放物線との接点を算出し,算出された接点の2点間を直線補間することにより,高速フーリエ変換処理に代わるローパスフィルタ処理を実現することについて示されている。
また,特許文献3には,タイヤの周方向の1ライン分の測定値に対して平滑微分処理を施して得られるデータから,測定値変化の急峻な立ち上がり位置から急峻な立ち下がり位置までの範囲を前記表示マークが存在する範囲として検出し,その範囲を検査対象から外すことについて示されている。
以上に示した従来技術は,タイヤの周方向において,検出すべき形状欠陥の部分の表面高さの変化は比較的緩やかであるのに対し,前記表示マークの部分の表面高さの変化は急峻であることを前提にしている。
特開平11−138654号公報 特開平5−215530号公報 特開2004−156919号公報
図8は,タイヤのサイドウォール面の前記表示マークMの一例をタイヤの半径方向及び周方向をそれぞれX軸及びY軸とする座標系内で模式的に表した図である。
タイヤ表面から***した前記表示マークMは,図8に示されるように,タイヤの周方向(Y軸方向)に伸びるエッジ部や,タイヤの周方向に対し鋭角をなす方向に伸びるエッジ部を有していることが多い。このため,タイヤの周方向1ライン分の表面高さ測定値が,図8における波線La上の測定値のように,前記表示マークのエッジ部周辺の測定値を含むことがある。図8における波線La上の表面高さ測定値は,前記表示マークMに起因する値の変化が比較的緩やかである。
そのため,タイヤの周方向1ライン分の表面高さ測定値に対し,ローパスフィルタ処理や平滑微分処理を施す従来の形状欠陥検査処理では,形状欠陥に起因する測定値の変化と前記表示マークに起因する測定値の変化とを明確に区分することが難しいという問題点があった。その結果,前記表示マークの部分を形状欠陥部分であると誤検知したり,形状欠陥部分を前記表示マークの部分であると誤認識して形状欠陥の検知漏れが生じたりすることがあった。
また,タイヤの周方向1ライン分の表面高さ測定値が,図8における波線Lb上の測定値のように,他から孤立した一連の前記表示マークMにおける複数箇所の***部Mt及びそれらの間の非***部Mbの測定値を含む場合もある。ここで,前記非***部Mbは,前記表示マークMの表示範囲内における窪み部であるともいえる。
一連の前記表示マークMの輪郭の内側に位置する前記非***部Mbは,形状欠陥(バルジやデント)とは無関係に高さ変化が大きくなりがちであるため,形状欠陥検査の対象から除外することが望ましい。
しかしながら,前記従来の形状欠陥検査処理では,一連の前記表示マークの輪郭内に位置する非***部の測定値が,形状欠陥検査の対象に含まれるため,その非***部を形状欠陥部分であると誤検知し得るという問題点もあった。
一方,プロセッサにより,前記表面高さ分布情報に基づいて,その座標系における前記表示マークMの位置を自動検出し,前記表示マークMを囲む領域を形状欠陥検査の対象から除外する領域として予め自動設定することが考えられる。
しかしながら,前記表面高さ分布情報に基づいて前記表示マークMの位置を自動検出する処理は,プロセッサによる演算の負荷が高い。そのため,検査対象となるタイヤそれぞれについて,プロセッサにより前記表示マークMを囲む領域を自動設定することは,タイヤの検査工程の大幅な時間短縮を阻害する要因となるという問題点があった。さらに,様々な表面形状を有する多種類のタイヤ全てについて,全く例外なく確実に前記表示マークMを囲む領域を自動設定することは非常に難しいという問題点もあった。
また,前記表面高さ分布情報の座標系における前記表示マークMの位置に対応する特定の領域を,形状欠陥検査の対象から除外する領域として予め登録しておくことも考えられる。
しかしながら,タイヤのサイドウォール面に存在する多数の前記表示マークMそれぞれについて,その位置を確認しながら形状欠陥検査の対象から除外する多数の領域を一つ一つ設定する作業は,非常に手間であるという問題点があった。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,凹凸のあるマーク(前記表示マーク)が形成されたタイヤのサイドウォール面の形状欠陥を検査する際に,表面高さ測定値から,マークが形成された範囲の測定値を確実にかつ誤認することなく除去する処理を高速で実行することにより,正しい形状欠陥検査を短時間で行うことができるタイヤ形状検査方法及びその装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係るタイヤ形状検査方法は,凹凸のあるマークが形成されたタイヤのサイドウォール面についての表面高さ分布情報に基づいて,前記サイドウォール面の形状欠陥検査処理を実行する方法であって,次の(1−1)〜(1−6)に示される各工程を実行する方法である。ここで,前記表面高さ分布情報は,前記サイドウォール面を周方向に走査して測定された前記サイドウォール面の全周範囲に渡る各位置の表面高さ測定値が前記タイヤの半径方向を表す第1の座標軸及び前記タイヤの周方向を表す第2の座標軸からなる2次元の座標系内に配列された情報である。
(1−1)検査対象の前記タイヤの種類ごとに定められる前記タイヤのサンプルから得られた前記表面高さ分布情報であるサンプル表面形状情報に基づいて前記凹凸のあるマークの位置を自動検出し,その凹凸のあるマークの存在範囲を囲むマスク範囲の座標情報を自動設定するマスク範囲自動設定工程。
(1−2)前記サンプル表面形状情報に基づく表面形状画像と前記マスク範囲の座標情報に基づくマスク範囲画像とを重ねて表示手段に表示させる画像出力工程。
(1−3)前記画像出力工程と並行して,所定の操作部を通じた操作入力に応じて前記マスク範囲の座標情報を変更するマスク範囲変更工程。
(1−4)前記マスク範囲変更工程による変更後の前記マスク範囲の座標情報と前記サンプル表面形状情報の一部又は全部である登録表面形状情報とを記憶手段に記憶させる情報登録工程。
(1−5)検査対象の前記タイヤごとに得られた前記表面高さ分布情報である検査用表面形状情報と前記登録表面形状情報との照合により前記検査用表面形状情報と前記マスク範囲の座標情報との間の座標系のずれを検出する座標系ずれ検出工程。
(1−6)前記座標系のずれを修正した上で前記検査用表面形状情報における前記マスク範囲の座標情報に相当する範囲の前記表面高さ測定値を形状欠陥検査処理の対象から除外する処理を行うマスク範囲検査除外工程。
なお,上記の6つの工程は,通常,所定のプロセッサにより実行される。また,上記の6つの工程それぞれが,個別のプロセッサにより実行される場合の他,1つのプロセッサが複数の工程を併せて実行することも考えられる。もちろん,本発明に係るタイヤ形状検査方法の実施にあたり,用いられるプロセッサの数及びそれらのプロセッサにより前記6つの工程をどのように分担して実行するかについては,特に限定されない。
本発明に係るタイヤ形状検査方法において,前記(1−1)の工程は,前記凹凸のあるマークの位置を自動検出する処理を含むため,プロセッサによる演算負荷が比較的高い工程である。本発明によれば,演算負荷の高い処理を含む前記(1−1)〜(1−4)の各工程は,タイヤの種類ごとに1つのサンプルタイヤについて実行すればよい。
一方,検査対象のタイヤごとに実行される前記(1−5)及び(1−6)の各工程の処理は,プロセッサによる演算負荷が比較的低い処理であり,実用的なプロセッサによっても高速で実行できる。そのため,本発明に係るタイヤ形状検査方法は,検査対象のタイヤ各々についての検査工程の時間短縮を阻害しない。
また,前記マスク範囲自動設定工程の実行により,様々な表面形状を有する多種類のタイヤ全てについて,全く例外なく確実に前記凹凸のあるマークを囲む前記マスク範囲を自動設定することは非常に難しい。これに対し,前記マスク範囲変更工程の実行により,前記サイドウォール面の表面形状の画像上において,自動設定された前記マスク範囲を目視確認しつつ,そのマスク範囲を手動操作で補正することが可能である。そのため,様々な表面形状を有する多種類のタイヤについて,正しい前記マスク範囲を確実に設定することができる。しかも,前記マスク範囲変更工程における手動操作の作業は,自動設定された前記マスク範囲における不備のある一部に対してのみ行われればよい。そのため,前記マスク範囲変更工程における手動操作の作業は,前記サイドウォール面に存在する多数の前記凹凸のあるマークの全てについて一つ一つ手動で前記マスク範囲を設定する作業に比べれば,はるかに簡易な作業である。
ところで,前記表面高さ分布情報における前記表面高さ測定値は,所定の回転軸にセットされたタイヤを回転させつつそのタイヤのサイドウォール面を走査して得られる。その際,前記サイドウォール面における走査の開始位置は,特に定められていないことが一般的である。また,タイヤ形状検査装置は,通常,前記回転軸にセットされたタイヤの向きを検出し,その検出結果を記録する機能を備えていない。従って,タイヤ形状検査装置により得られる前記表面高さ分布情報において,タイヤの周方向に相当する座標軸上の座標と実際のタイヤの周方向の位置との対応関係は,検査対象となるタイヤごとに統一されていない。そのため,検査対象となるタイヤごとに得られる前記表面高さ分布情報各々について,前記マスク範囲変更工程により得られる前記マスク範囲の座標情報との間の座標系のズレを検出及び修正する必要がある。
本発明に係るタイヤ形状検査方法によれば,前記座標系ずれ検出工程において前記座標系のズレを自動検出し,その検出結果に応じて前記座標系のずれを修正するため,形状欠陥検査処理の対象から除外する範囲を正しく設定できる。
また,本発明に係るタイヤ形状検査方法が,次の(1−7)及び(1−8)に示される要件を満たしていることも考えられる。
(1−7)前記登録表面形状情報が,前記サンプル表面形状情報における前記第1の座標軸の方向の特定座標での前記第2の座標軸の方向全体に渡る前記表面高さ測定値である。
(1−8)前記座標系ずれ検出工程が,前記検査用表面形状情報における前記第1の座標軸の方向の前記特定座標での前記第2の座標軸の方向全体に渡る前記表面高さ測定値と前記登録表面形状情報とを,前記第2の座標軸方向における位置をシフトしつつ照合することにより,前記第2の座標軸方向の前記座標系のずれを検出する工程を含んでいる。
通常,問題となる前記座標系のズレは,タイヤの周方向に相当する座標軸の方向においてのみ生じることが多いため,前記(1−8)の工程により,簡易に前記座標系のズレを検出できる。
また,本発明に係るタイヤ形状検査方法の具体例として,前記マスク範囲自動設定工程が,次の(1−9)〜(1−11)に示される各工程を含むことが考えられる。
(1−9)前記サンプル表面形状情報に対する2次元のエッジ検出処理により前記凹凸のあるマークのエッジを検出し,検出された2次元のエッジ分布情報を記憶手段に記憶させる2次元エッジ検出工程。
(1−10)前記2次元のエッジ分布情報に対してラベリング処理を施し,その処理結果であるラベル分布情報を記憶手段に記憶させるラベリング工程。
(1−11)前記ラベル分布情報におけるラベル値ごとのフィレ座標に基づいて前記凹凸のあるマークの存在範囲を囲む前記マスク範囲の座標を設定し,その座標を記憶手段に記憶させるマスク範囲設定工程。
ここで,前記2次元エッジ検出工程では,例えば,前記表面高さ分布情報に対して2次元の平滑微分処理と2値化処理とを順次施すことにより前記凹凸のあるマークのエッジを検出する。そして,その処理結果である2値分布情報又は該2値分布情報に予め定められた補正処理を施して得られる補正後の前記2値分布情報を前記2次元のエッジ分布情報として検出する。なお,前記2次元の平滑微分処理の一例は,2次元のソーベルフィルタ処理である。
前記2次元エッジ検出工程は,2次元の情報である前記表面高さ分布情報に対し,2次元情報のままエッジ検出処理を施すことにより,前記表示マーク(凹凸のあるマーク)のエッジ検出を行う工程である。これにより,前記表示マークのエッジ部(輪郭部)が2次元座標におけるいずれの方向に伸びて形成されていても,そのエッジ部が確実に検出される。なお,2次元のエッジ検出処理は,各種の2次元の微分処理が採用され得る。
さらに,前記ラベリング工程により,他から孤立した一連の前記表示マークごとに同じラベル値が設定され,前記マスク範囲設定工程では,その一連の表示マークごとに,その表示マークを最小範囲で囲む矩形範囲の座標(前記ラベル値ごとのフィレ座標)が検出される。なお,前記ラベリング処理は,2値画像情報とみなせる前記2次元のエッジ分布情報(2値分布情報)について,連結画素ごとに同じラベル値を設定する処理である。
そして,前記マスク範囲設定工程により,前記ラベル値ごとのフィレ座標に基づいて,前記表示マークの存在範囲を含むマスク範囲,即ち,前記表面高さ測定値を形状欠陥検査の対象から除外する範囲が設定される。これにより,一連の前記表示マークの輪郭内に位置する非***部の測定値を,形状欠陥検査の対象から除外することができ,その非***部を形状欠陥部分であると誤検知することを回避できる。
また,前記画像出力工程が,前記操作入力に応じて表示位置が移動するカーソル画像を前記表示手段に表示させる工程を含むことが考えられる。
さらに,前記マスク範囲変更工程が,前記カーソル画像の表示位置に対応する座標について前記マスク範囲の座標情報を変更する工程を含むことが考えられる。これにより,マウス等の操作部に対する簡易な操作によって前記マスク範囲の座標情報を変更することができる。
また,前記マスク範囲検査除外工程が,前記検査用表面形状情報における前記マスク範囲の座標情報に相当する範囲の前記表面高さ測定値をその範囲以外の前記表面高さ測定値に基づく補間値に置き換える工程であることが考えられる。この補間値は,直線補間値や2次曲線補間値等,変化の緩やかな値である。これにより,前記マスク範囲の有無に関わらず同じアルゴリズムで形状欠陥検査処理を実行できる。
また,前記マスク範囲補間工程の具体例としては,前記プロセッサが,前記第2の座標軸方向の1ラインごとに,前記表面高さ分布情報における前記マスク範囲外の前記表面高さ測定値に基づく直線補間により前記マスク範囲内の表面高さ測定値の補間値を算出することが考えられる。
また,前記2値分布情報に対して施される前記予め定められた補正処理が,画像処理の分野で行われる膨張処理を含むことが考えられる。
これにより,前記表示マークの輪郭の一部に表面高さの立ち上がり(変化)が比較的緩やかな部分が含まれる場合でも,その部分が前記表示マークの輪郭内に含まれる部分として認識され,ラベル値の割り当てが確実に行われる。
また,本発明では,前記マスク範囲設定工程において,前記ラベル値ごとのフィレ座標により特定される矩形範囲それぞれを前記マスク範囲として設定することも考えられる。しかしながら,前記ラベル値のフィレ座標により特定される矩形範囲には,形状欠陥検査の対象とすべき範囲も含まれ得るため,さらに子細に前記マスク範囲を設定することが望ましい。
そこで,本発明において,前記ラベリング工程が下記の(1−12)に示される条件を満たし,さらに,前記マスク範囲設定工程が下記の(1−13)及び(1−14)に示される各工程を有することが考えられる。
(1−12)前記ラベリング工程が,前記全周範囲の両端の座標が隣接するものとして,前記2次元のエッジ分布情報(2値分布情報)に対してラベリング処理を施し,その処理結果であるラベル分布情報を記憶手段に記憶させる工程であること。
(1−13)前記ラベル分布情報における前記ラベル値ごとにそのフィレ座標に基づいて前記第2の座標軸方向における前記ラベル値の存在範囲のパターンが予め定められた3種類の存在パターンのいずれであるかを判別し,その判別結果を記憶手段に記憶させるラベル存在パターン判別工程。
(1−14)前記第2の座標軸方向の1ラインごとに,該1ライン上に存在する前記ラベル値それぞれの前記存在パターンの判別結果及び位置に応じて前記マスク範囲の座標を設定し,その座標を記憶手段に記憶させるライン毎マスク範囲設定工程。
なお,前記予め定められた3種類の存在パターンは,前記ラベル値が前記全周範囲全体に渡り連なって存在する第1の存在パターンと,前記ラベル値が前記全周範囲の一方の端部を含む領域と他方の端部を含む領域とに分離して存在する第2の存在パターンと,その他の状態である第3の存在パターンとの3つである。
より具体的には,前記ライン毎マスク範囲設定工程において,前記プロセッサが,前記第2の座標軸方向の1ラインごとに,前記存在パターンの判別結果に応じて次の(1−15)〜(1−17)に示される処理を実行することが考えられる。
(1−15)前記存在パターンの判別結果が前記第1の存在パターンである前記ラベル値について,そのラベル値の数に応じてそのラベル値が存在する位置のみを前記マスク範囲に設定するか前記第2の座標軸方向1ライン分全てを前記マスク範囲に設定するかのいずれかの処理を実行する。
(1−16)前記存在パターンの判別結果が前記第2の存在パターンである前記ラベル値について,前記全周範囲を二等分した各範囲において前記全周範囲の両端位置それぞれからその位置に対し最も離れた前記ラベル値の位置に至る範囲を前記マスク範囲に設定する処理を実行する。
(1−17)前記存在パターンの判別結果が前記第3の存在パターンである前記ラベル値について,そのラベル値の存在する位置全体に渡る範囲を前記マスク範囲に設定する処理を実行する。
以上に示した処理によれば,後述するように,前記表示マークのほぼ輪郭から内側の範囲に相当する必要最小限の範囲が前記マスク範囲として設定される。
ところで,タイヤにおける前記サイドウォール面は,一般に,前記表示マークの有無に関わらず基本的に前記第1の座標軸方向(半径方向)において湾曲している。そのため,前記サイドウォール面の湾曲度合いが急である場合,前記フィルタリング工程における2次元のソーベルフィルタ処理において,前記湾曲部が前記表示マークのエッジとして誤検出されることがあり得る。
そこで,前記プロセッサにより,次の(1−18)及び(1−19)に示される処理を実行することも考えられる。
(1−18)前記表面高さ分布情報における前記表面高さ測定値を,前記第2の座標軸方向の1ラインごとにその1ライン分の前記表面高さ測定値の平均値に応じて正規化する測定値正規化工程を実行する。
(1−19)前記2次元エッジ検出工程において,前記測定値正規化工程によって前記表面高さ測定値が正規化された前記表面高さ分布情報に対して2次元のエッジ検出処理を実行する。
これにより,前記サイドウォール面の本来の形状である湾曲部が前記表示マークのエッジとして誤検出されることを回避できる。
また,本発明は,本発明に係るタイヤ形状検査方法に基づいて,形状欠陥検査に用いられるタイヤのサイドウォール面の表面高さ分布情報を導出するタイヤ形状検査装置として捉えることもできる。
即ち,本発明に係るタイヤ形状検査装置は,相対的に回転するタイヤにおける凹凸のあるマークが形成されたサイドウォール面へのライン光の照射及びそのライン光の像の撮像を行い,その撮像画像に基づいて,前記タイヤの形状欠陥検査に用いられる表面高さ分布情報を導出する装置であり,次の(2−1)〜(2−9)に示される各構成要素を備える。
(2−1)前記サイドウォール面に一の光切断線が形成されるように,該光切断線における検出高さ方向とは異なる方向から複数のライン光を連ねて照射するライン光照射手段。
(2−2)前記サイドウォール面に照射された前記複数のライン光の像を,該複数のライン光それぞれの主光線が前記サイドウォール面に対して正反射する方向において撮像する撮像手段。
(2−3)前記撮像手段の撮像画像における光切断線の検出により前記サイドウォール面の全周範囲に渡る表面高さ分布情報を導出する光切断法形状検出手段。
(2−4)前記タイヤのサンプルから得られた前記表面高さ分布情報であるサンプル表面形状情報に基づいて前記凹凸のあるマークの位置を自動検出し,該凹凸のあるマークの存在範囲を囲むマスク範囲の座標情報を自動設定するマスク範囲自動設定手段。
(2−5)前記サンプル表面形状情報に基づく表面形状画像と前記マスク範囲の座標情報に基づくマスク範囲画像とを重ねて表示手段に表示させる画像出力手段。
(2−6)前記画像出力手段の処理と並行して,所定の操作部を通じた操作入力に応じて前記マスク範囲の座標情報を変更するマスク範囲変更手段。
(2−7)前記マスク範囲変更手段による変更後の前記マスク範囲の座標情報と前記サンプル表面形状情報の一部又は全部である登録表面形状情報とを記憶手段に記憶させる情報登録手段。
(2−8)検査対象の前記タイヤから得られた前記表面高さ分布情報である検査用表面形状情報と前記登録表面形状情報との照合により前記検査用表面形状情報と前記マスク範囲の座標情報との間の座標系のずれを検出する座標系ずれ検出手段。
(2−9)前記座標系のずれを修正した上で前記検査用表面形状情報における前記マスク範囲の座標情報に相当する範囲の前記表面高さ測定値を形状欠陥検査処理の対象から除外する処理を行うマスク範囲検査除外手段。
なお,「相対的に回転するタイヤ」とは,タイヤ自体がその回転軸を中心に回転する場合と,タイヤ自体は固定された状態で前記ライン光照射手段及び前記撮像手段がタイヤの回転軸を中心に回転する場合とを含むことを意味する。
本発明に係るタイヤ形状検査装置は,本発明に係るタイヤ形状検査方法と同様の作用効果を奏する。
本発明によれば,凹凸のあるマーク(前記表示マーク)が形成されたタイヤのサイドウォール面の形状欠陥を検査する際に,表面高さ測定値から,マークが形成された範囲の測定値を確実にかつ誤認する処理を高速で実行できる。その結果,本発明によれば,正しい形状欠陥検査を短時間で行うことができる。
本発明の実施形態に係るタイヤ形状検査装置Wの概略構成を表す図。 タイヤ形状検査装置Wが備えるセンサユニットにおける光源及びカメラの三次元配置を模式的に表した図。 タイヤ形状検査装置Wによるマスク範囲設定処理の手順の一例を表すフローチャート。 形状欠陥検査の途中で得られるタイヤのサイドウォール面の2値分布情報の一例を画像として表した図。 形状欠陥検査の途中で得られるタイヤのサイドウォール面の補正後2値分布情報の一例を画像として表した図。 形状欠陥検査の途中で設定されるタイヤのサイドウォール面のマスク範囲の一例を2値画像として表した図。 形状欠陥検査の途中で設定されるタイヤのサイドウォール面のマスク範囲の他の一例を2値画像として表した図。 タイヤのサイドウォール面の表示マークの模式図。 タイヤ形状検査装置Wによる形状欠陥検査処理の手順の一例を表すフローチャート。 タイヤ形状検査装置Wにおける画像出力処理による表示画面の第1例。 タイヤ形状検査装置Wにおける画像出力処理による表示画面の第2例。 タイヤ形状検査装置Wにおける画像出力処理による表示画面の第3例。 タイヤ形状検査装置Wにおける画像出力処理による表示画面の第4例。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本発明の実施形態に係るタイヤ形状検査装置Wは,回転するタイヤ1の表面に照射したライン光の像をカメラによって撮像し,その撮像画像に基づいて光切断法による形状検出を行うことにより,タイヤ1の表面高さ分布を測定する形状測定処理を実行する。この形状測定処理により,タイヤ1の表面の周方向360°の範囲に渡る各位置の表面高さ測定値の分布を表す表面高さ分布情報が得られる。なお,前記表面高さ分布情報の測定対象は,タイヤ1のトレッド面及びサイドウォール面である。
さらに,前記タイヤ形状検査装置Wは,前記形状測定処理により得られた前記表面高さ分布情報,又はその表面高さ分布情報の一部を必要に応じて修正した情報である検査用表面高さ分布情報に基づいて,タイヤ1の表面の形状欠陥検査処理を実行する。
まず,図1を参照しつつ,本発明の実施形態に係るタイヤ形状検査装置Wの全体構成について説明する。
図1に示すように,タイヤ形状検査装置Wは,タイヤ回転機2,センサユニット3,ユニット駆動装置4,エンコーダ5,画像処理装置6及びホスト計算機7等を備えている。
前記タイヤ回転機2は,形状検出の対象であるタイヤ1をその回転軸1gを中心に回転させるモータ等の回転装置である。
例えば,前記タイヤ回転機2は,タイヤ1を60rpmの回転速度で回転させる。これにより,タイヤ形状検査装置Wは,タイヤ1を1回転させる1秒の間に,後述するセンサユニット3によって,タイヤ1のトレッド面及びサイドウォール面の全周範囲の表面形状を検出する。
前記センサユニット3は,回転するタイヤ1の表面にライン光を照射する光源及びタイヤ1の表面上のライン光の像を撮像するカメラなどが組み込まれたユニットである。本実施形態では,タイヤ1の2つのサイドウォール面それぞれの形状測定に用いられる2つのセンサユニット3a,3cと,タイヤ1のトレッド面の形状測定に用いられる1つのセンサユニット3bとを併せて3つのセンサユニット3を備えている。
図2は,前記センサユニット3が備える機器の配置を模式的に表した図である。
図2に示すように,前記センサユニット3は,複数のライン光を出力する投光装置10と,カメラ20とを備えている。
図2において,X軸はタイヤ1の形状検出位置におけるタイヤ回転の円周に接する方向,Z軸はタイヤ1の形状検出位置における検出高さ方向(検出する表面高さの方向),Y軸はX軸及びZ軸に直交する方向を表す。
即ち,タイヤ1のサイドウォール面の形状検出に用いられる前記センサユニット3a,3cにおいては,Z軸はタイヤ1の回転軸1gの方向を表す座標軸であり,X軸はタイヤ1の半径方向(タイヤ1の回転軸1gに対する法線の方向)を表す座標軸である。
また,タイヤ1のトレッド面の形状検出に用いられる前記センサユニット3bにおいては,Z軸はタイヤ1の半径方向を表す座標軸であり,X軸はタイヤ1の回転軸1gの方向を表す座標軸である。
また,いずれの前記センサユニット3a,3b,3cにおいても,Y軸はタイヤ1の周方向を表す座標軸である。
なお,タイヤ1と座標軸との対応関係は,前記カメラ20の支持の態様に応じて変わり得る。
前記投光装置10は,複数(図2では3つ)のライン光源11〜13を備え,それら複数のライン光源11〜13により,タイヤ1の表面の一の線Ls上に1本の光切断線が形成されるように,その一の線Ls(光切断線)における検出高さ方向(Z軸方向)とは異なる方向から複数のライン光を連ねて照射する(隣り合うライン光の端部が互いに重なるように連ねて全体として一本のライン光を照射する)装置である。
また,前記カメラ20は,カメラレンズ22及び撮像素子21(受光部)を備え,タイヤ1の表面(トレッド面又はサイドウォール面)に連ねて照射された複数のライン光の像v1(前記一の線Ls上の光切断線の像)を撮像するものである。
従って,サイドウォール面用の前記センサユニット3a,3cにおいては,前記投光装置10は,タイヤ1のサイドウォール面におけるタイヤ1の半径方向(Y軸方向)に沿う一の線Ls上に光切断線(1本の光切断線)が形成されるように,その一の線Ls(光切断線)における検出高さ方向(Z軸方向)とは異なる方向から複数のライン光を連ねて照射する。
一方,トレッド面用の前記センサユニット3bにおいては,前記投光装置10は,タイヤ1のトレッド面におけるタイヤの周方向に直交する方向に沿う一の線Ls上に光切断線が形成されるように,その一の線Ls(光切断線)における検出高さ方向(Z軸方向)とは異なる方向から複数のライン光を連ねて照射する。
なお,本実施形態では,タイヤ1の各面ごとに(前記センサユニット3ごとに)3つのライン光を照射することを例示するが,前記ライン光源11〜13の数を増減することにより,タイヤ1の各面ごとに2つのライン光,或いは4つ以上のライン光を照射することも考えられる。
また,前記投光装置10及び前記カメラ20は,不図示の保持機構により,前記ライン光源11〜13から出力される複数のライン光それぞれの主光線(中心線に沿う光)が,タイヤ1の表面に対して正反射する方向に前記カメラ20の視野範囲が存在するように保持されている。これにより,前記カメラ20は,複数のライン光それぞれの主光線がタイヤ1の表面に対して正反射する方向において複数のライン光の像を撮像する(前記撮像手段の一例)。
光沢のあるタイヤの表面にライン光が照射された場合,散乱反射光よりも正反射光の方が光量が大きくなる。これに対し,上記構成によれば,ライン光の強度を増強することなく,十分に高い撮像レート(例えば,1秒当たり4000フレーム以上)でライン光の像の撮像を行っても,タイヤの表面に照射したライン光の明瞭な像を得ることができる。
一方,前記ユニット駆動装置4(図1参照)は,センサユニット3それぞれをサーボモータ等の駆動装置を駆動源として移動可能に支持し,タイヤ1に対する各センサユニット3の位置を位置決めする装置である。前記ユニット駆動装置4は,所定の操作部に対する操作に応じて,又は外部装置からの制御指令に応じて,タイヤ1が前記タイヤ回転機2に対して着脱される前に,各センサユニット3をタイヤ1から離間した所定の退避位置に位置決めし,新たなタイヤ1が前記タイヤ回転機2に装着された後,各センサユニット3をタイヤ1に近接した所定の検査位置に位置決めする。
また,前記エンコーダ5は,前記タイヤ回転機2の回転軸の回転角度,即ち,タイヤ1の回転角度を検出するセンサであり,その検出信号は,前記センサユニット3が備えるカメラの撮像タイミングの制御に用いられる。
前記画像処理装置6は,前記エンコーダ5の検出信号に基づいて,前記センサユニット3が備えるカメラのシャッター制御(撮像タイミングの制御)を行う。例えば,前記画像処理装置6は,60rpmの速度で回転するタイヤ1が0.09°(=360°/4000)回転したことが前記エンコーダ5によって検出されるごとに,前記カメラのシャッターが切られるよう制御する。これにより,1秒間に4000フレームの撮像レートでの撮像が行われる。
さらに,前記画像処理装置6は,前記センサユニット3が備えるカメラによって撮像された画像,即ち,タイヤ1の表面に照射したライン光の像の撮像画像のデータを入力し,その撮像画像に基づいて光切断法による形状測定処理を実行し,その測定結果である表面高さ分布情報(タイヤ1の表面高さ測定値の集合)を内蔵されたフレームメモリに記憶させる。
前記画像処理装置6は,例えばDSP(Digital Signal Processor)によって実現される。
なお,光切断法による形状測定処理は周知であるのでここでは説明を省略する。
タイヤ1のサイドウォール面についての前記表面高さ分布情報は,そのサイドウォール面の周方向360°の範囲に渡る各位置の表面高さ測定値が,そのタイヤ1の半径方向を表す第1の座標軸(ここでは,X軸)及びタイヤ1の周方向を表す第2の座標軸(ここでは,Y軸)からなる2次元の座標系内に配列された情報である。
また,タイヤ1のトレッド面についての前記表面高さ分布情報は,そのトレッド面の周方向360°の範囲に渡る各位置の表面高さ測定値が,そのタイヤ1の回転軸に平行な方向を表すX軸及びタイヤ1の周方向を表すY軸からなる2次元の座標系内に配列された情報である。
以下,Y軸方向(第2の座標軸の方向)において前記表面高さ分布情報が占める範囲,即ち,タイヤ1の周方向360°分に相当するY軸の座標範囲のことを全周範囲Wyと称する。この全周範囲Wyにおける両端の座標(Y軸方向の始点の座標と終点の座標)は,実際のタイヤ1の表面上の周方向において隣接する位置に相当する。
また,前記表面高さ測定値が画像データにおける各画素の輝度値に相当すると考えれば,前記表面高さ分布情報は,前記画像処理装置6上でモノクロの画像データと同様に取り扱うことができる。よって,これ以降における"画素"という用語は,前述したX軸及びY軸からなる座標系における前記表面高さ測定値それぞれの位置(座標)を表す用語として記載されている。
なお,タイヤ1のサイドウォール面には,凹凸のあるマーク(文字,記号,図形等)が形成されており,以下,そのマークを表示マークM(図8参照)と称する。
さらに,前記画像処理装置6は,タイヤ1のサイドウォール面の前記表面高さ分布情報については,形状欠陥検査の対象から除外すべき前記表示マークMの存在する範囲内の表面高さ測定値を変化の緩やかな補間値に置き換える表面高さ分布情報修正処理を実行する。そして,前記表面高さ分布情報修正処理により得られたサイドウォール面に関する情報,及びタイヤ1のトレッド面の前記表面高さ分布情報は,前記検査用表面高さ分布情報として前記ホスト計算機7に伝送される。
前記ホスト計算機7は,計算機本体71,操作部72及び表示装置73を備えている。前記計算機本体71は,各種データ処理を行うプロセッサであるCPU,ハードディスクドライブ等のデータ記憶手段等を備えたパーソナルコンピュータ等の本体である。また,前記操作部72は,キーボード,マウス等の情報入力用の操作部である。また,前記表示装置73は,文字情報や画像情報等を表示する液晶表示装置やCRTディスプレイ等のディスプレイである。
前記ホスト計算機7は,前記計算機本体71における前記CPUが予めメモリに記憶されたプログラムを実行することによって各種の演算及び演算結果の出力を行う。
具体的には,前記ホスト計算機7は,前記画像処理装置6から取得したタイヤ1の各面の前記検査用表面高さ分布情報に基づいて,形状欠陥検査処理を実行する。この形状欠陥検査処理は,タイヤ1の各面の前記検査用表面高さ分布情報が,タイヤ1の各面ごとに予め設定された許容条件を満たすか否かを判別し,その判別結果を所定の表示部に表示,或いは所定の制御信号として出力する処理である。
次に,図3に示されるフローチャートを参照しつつ,前記画像処理装置6及び前記ホスト計算機7により実行されるタイヤのサイドウォール面に関する前記表面高さ分布情報についてのマスク範囲設定処理の手順の一例について説明する。図3に示される処理が実行される前に,前述した要領で形状測定処理が実行され,タイヤ1のサンプルのサイドウォール面についての前記表面高さ分布情報が前記画像処理装置6のフレームメモリに記憶されているものとする。なお,以下に示されるS1,S2,…は,処理手順(ステップ)の識別符号を表す。
図3に示される処理は,検査対象となるタイヤの種類ごとに予め用意されたタイヤのサンプルから得られた前記表面高さ分布情報に対して実行される処理である。即ち,図3に示されるステップS1〜S17の処理は,検査対象のタイヤの種類ごとに定められた1つのサンプルタイヤについてのみ実行される。
[ステップS1]
まず,前記画像処理装置6は,サイドウォール面の前記表面高さ分布情報について測定値正規化工程(S1)を実行する。具体的には,前記画像処理装置6は,前記表面高さ分布情報における前記表面高さ測定値を,Y軸方向の1ラインごとにその1ライン分の前記表面高さ測定値の平均値に応じて正規化し,正規化後の前記表面高さ分布情報を内蔵するフレームメモリに記憶させる。正規化後の値は,例えば,前記表面高さ測定値それぞれからそれらの平均値を差し引いた値である。
また,前記表面高さ分布情報に,所定輝度以上の光切断線が検出されなかった位置についての仮の測定値(例えば,ゼロ)が含まれている場合には,前記画像処理装置6は,その仮の測定値を除いて前記表面高さ測定値の平均値を算出する。さらに,前記画像処理装置6は,Y軸方向の1ラインごとに,その1ラインに含まれる前記仮の測定値を他の測定値に基づく補間値,例えば,前記表面高さ測定値の平均値に置き換える。
このステップS1の処理により得られる正規化後の値は,タイヤ1のサイドウォール面の本来の形状である半径方向(X軸方向)における湾曲形状の成分が除去された表面高さ情報である。なお,前記表示マークMがないと仮定したサイドウォール面の半径方向の理想形状を予め設定し,前記表面高さ測定値それぞれからその理想形状の値を差し引いた値を正規化後の値とすること等も考えられる。
なお,前記画像処理装置6は,前記測定値正規化工程(S1)によって前記表面高さ測定値が正規化された前記表面高さ分布情報を,以下に示すステップS2〜S15の処理に用いるためにメモリに確保しておくとともに,前記ホスト計算機7に対して送信する。
[ステップS2]
次に,前記画像処理装置6は,前記測定値正規化工程(S1)によって前記表面高さ測定値が正規化された前記表面高さ分布情報に対して2次元のソーベルフィルタ処理を施し,その処理結果である勾配値分布情報を内蔵するフレームメモリに記憶させるフィルタリング工程を実行する(S2)。
ソーベルフィルタ処理は,ある注目画素及びその周囲の画素からなる予め定められた数の画素群それぞれの値(正規化された表面高さ測定値)に対し,その位置に応じて予め定められた係数をそれぞれ乗算した結果を合計する処理である。また,2次元のソーベルフィルタ処理では,X軸方向及びY軸方向それぞれに対応する2つの係数行列を用いて,前述した計数の乗算及び乗算結果の合計を行い,両合計の2乗和の平方根を処理結果として算出する。その結果,サイドウォール面の表面高さの勾配が大きいほど高い値となる処理結果が得られる。以下,2次元のソーベルフィルタ処理による各画素の処理結果を勾配値と称し,X−Y座標系における各画素の前記勾配値の集合を勾配値分布情報と称する。なお,2次元のソーベルフィルタ処理は周知であるので,ここでは,その詳細の説明は省略する。
また,前記フィルタリング工程(S2)では,前記全周範囲Wyの両端部付近の画素についても前記勾配値が得られるよう,前記全周範囲Wyの両端の座標(Y座標)がY軸方向において隣接する座標であるという前提の下に,ソーベルフィルタ処理が実行される。
タイヤ形状検査における2次元のソーベルフィルタ処理では,注目画素及びその周囲の8つの画素からなる9つの画素群,或いはその9つの画素群及びその周囲の16個の画素からなる25個の画素群の値に基づいて,注目画素の前記勾配値を算出する。
[ステップS3]
続いて,前記画像処理装置6は,前記勾配値分布情報に対して2値化処理を施し,その処理結果である2値分布情報を前記フレームメモリに記憶させる2値化工程を実行する(S3)。この2値化工程により,画素の値(前記勾配値)が予め設定されたしきい値以上である画素にON値(例えば,1)が設定され,それ以外の画素にOFF値(例えば,0)が設定される。
以上に示したステップS1〜S3の処理により,前記表示マークMのエッジ部(輪郭部)が2次元座標におけるいずれの方向に伸びて形成されていても,そのエッジ部が確実に検出される。なお,ステップS2及びS3は,前記表面高さ分布情報に対する2次元のエッジ検出処理(2次元のソーベルフィルタ処理及び2値化処理)により,凹凸のある前記表示マークMのエッジを検出し,その検出結果(2次元のエッジ分布情報)を前記フレームメモリに記憶させる2次元エッジ検出工程の一例である。
図4は,ステップS3の処理によって得られるサイドウォール面に関する前記2値分布情報の一例を画像として表した図である。図4において,黒い部分が前記2値分布情報におけるOFF値(=0)の画素の部分であり,白い部分が前記2値分布情報におけるON値(=1)の画素の部分である。即ち,図4における白い部分が,前記表示マークMのエッジ部である。
[ステップS4]
次に,前記画像処理装置6は,前記2値分布情報に対して予め定められた補正処理を施し,補正後の情報(補正後2値分布情報)を前記フレームメモリに記憶させる2値分布情報補正工程を実行する(S4)。
より具体的には,ステップS4において,前記画像処理装置6は,前記2値分布情報に対して周知の膨張処理を施す。なお,前記膨張処理は,2値画像情報とみなせる前記2値分布情報について,ある注目画素の近傍(例えば,いわゆる4近傍や8近傍)に1つでもON値(=1)が存在する場合に,その注目画素の値をON値(=1)に修正する処理である。
これにより,前記表示マークMの輪郭の一部に表面高さの立ち上がり(変化)が比較的緩やかな部分が含まれる場合でも,その部分が前記表示マークMの輪郭内の一部として認識される。
図5は,図4において画像化された前記2値画像情報に対して膨張処理を施した補正後2値分布情報を画像として表した図である。図5において,黒い部分が前記補正後2値分布情報におけるOFF値(=0)の画素の部分であり,白い部分が前記補正後2値分布情報におけるON値(=1)の画素の部分である。即ち,図5における白い部分が,前記表示マークMのエッジ部である。
なお,前記サイドウォール面における小さな付着物や小さな突起部等に起因するノイズが前記膨張処理によって拡大されないように,前記補正処理の一部として,前記膨張処理の前に周知の孤立点除去処理を行うことも考えられる。
[ステップS5]
次に,前記画像処理装置6は,ステップS4の処理により得られた前記補正後2値分布情報に対してラベリング処理を施し,その処理結果であるラベル分布情報を前記フレームメモリに記憶させるラベリング工程を実行する(S5)。
ラベリング処理は,連結画素ごとに同じラベル値を割り当てる周知の処理であり,前記ラベル分布情報は,前記補正後2値分布情報においてON値(=1)であった各画素の値にラベル値が設定された情報である。
なお,このステップS5においても,前述したステップS2と同様に,前記全周範囲Wyの両端の座標(Y座標)がY軸方向において隣接する座標であるという前提の下にラベリング処理が実行される。これにより,前記形状測定処理の開始位置に起因して,前記表示マークMのエッジ部に対応する連結画素が前記全周範囲Wyの始端側と終端側とに分離(分断)されてしまった場合でも,それらの画素に同じラベル値が設定される。
また,ステップS4の2値分布情報補正工程を省略し,ステップS5において,ステップS3の処理により得られた補正前の前記2値分布情報に対してラベリング処理を行うことも考えられる。
[ステップS6]
次に,前記画像処理装置6は,ステップS5の処理によって得られた前記ラベル分布情報におけるラベル値ごとに,そのラベル値のフィレ座標を検出して内蔵する所定のメモリに記憶させるフィレ座標検出工程を実行する(S6)。なお,フィレ座標は,周知のごとく,ラベル値が同じ画素郡(連結画素)を最小範囲で囲む矩形範囲を表す座標である。
[ステップS7〜S14]
次に,前記画像処理装置6は,ステップS6で得られた前記ラベル値のフィレ座標に基づいて,前記表示マークMが存在する範囲を含むマスク範囲の座標を設定し,その座標を内蔵するメモリに記憶させるマスク範囲設定工程を実行する(S7〜S14)。前記マスク範囲は,前記ラベル分布情報において同じラベル値が設定された画素郡ごとにその画素郡を囲む範囲である。
以下,前記マスク範囲設定工程の内容について詳説する。
[ステップS7]
まず,前記画像処理装置6は,前記ラベル分布情報におけるラベル値ごとに,そのラベル値(即ち,連結画素)のフィレ座標に基づいて,Y軸方向(周方向)におけるラベル値の存在範囲のパターンが,予め定められた3種類の存在パターンのいずれであるかを判別し,その判別結果を内蔵メモリに記憶させるラベル存在パターン判別工程を実行する(S7)。
前記3種類の存在パターンは,以下の3つのパターンP1〜P3である。なお,図6に,各パターンP1〜P3に相当する画像が示されている。
その1つ目は,ラベル値が前記全周範囲Wy全体に渡り連なって存在する周回パターンP1(前記第1の存在パターンに相当)である。
2つ目は,ラベル値が前記全周範囲Wyの始端(一方の端部)を含む領域と終端(他方の端部)を含む領域とに分離して存在する分離パターンP2(前記第2の存在パターンの一例)である。
3つめは,前記周回パターン及び前記分離パターン以外の状態である通常パターンP3(前記第3の存在パターンに相当)。
例えば,前記画像処理装置6は,ある注目するラベル値について,前記フィレ座標が表す範囲のY軸方向の始端及び終端が,それぞれ前記全周範囲Wyの始端及び終端と一致するか否かを判別する。さらに,それらが一致する場合,前記画像処理装置6は,前記注目するラベル値が前記全周範囲Wyを2等分した各範囲の両方に存在するか否かを判別する。その判別の結果,前記注目するラベル値が両方の範囲に存在する場合には,前記画像処理装置6は,前記注目するラベル値が前記周回パターンであると判別し,そうでない場合は前記分離パターンであると判別する。
また,前記注目するラベル値の前記フィレ座標が表す範囲のY軸方向の始端及び終端が,それぞれ前記全周範囲Wyの始端及び終端と一致しない場合には,前記画像処理装置6は,前記注目するラベル値が前記通常パターンであると判別する。
[ステップS8]
次に,前記画像処理装置6は,X軸座標を1つずつ設定(選択)し,前記フレームメモリに記憶された前記ラベル分布情報の中から,設定したX軸座標におけるY軸方向1ライン分のラベル値の情報を,前記マスク範囲の設定処理に用いる情報としてサンプリング(選択)する(S8)。これ以降,前記画像処理装置6は,Y軸方向1ライン分のラベル値の情報をサンプリングするごとに,後述するステップS9〜S14の処理を実行する。
なお,前記サンプリングのために設定されるX軸座標は,形状欠陥検査に要求される空間分解能に応じて,前記表面高さ分布情報がX軸方向において占める範囲の全ての座標(画素)或いは所定間隔で間引かれた一部の座標(画素)とすることが考えられる。形状欠陥検査に許容される空間分解能の範囲内であれば,X軸座標の設定間隔が大きい方が演算負荷を抑えることができ好適である。
次に,前記画像処理装置6は,ステップS8でサンプリングされたY軸方向1ラインごとに,その1ライン上に存在するラベル値それぞれの前記存在パターンの判別結果と及びそのラベル値の位置とに応じて,そのY軸方向1ラインにおける前記マスク範囲の座標を設定し,その座標を内蔵メモリに記憶させるライン毎マスク範囲設定工程を実行する(S9〜12,S13又はS14)。
以下,その具体例について説明する。
[ステップS9〜S12]
前記画像処理装置6は,まず,注目するラベル値の存在パターン(判別結果)が前記周回パターンP1(第1の存在パターン)である場合,その注目するラベル値について,そのラベル値の数をカウントし(S9),その数が予め設定された数(設定数)以上であるか否かを判別する(S10)。
そして,前記注目するラベル値の数が前記設定数以上であると判別された場合には,前記画像処理装置6は,その時点でサンプリングされているY軸方向1ライン分全て(前記全周範囲Wy)を前記マスク範囲に設定する(S11)。
一方,前記注目するラベル値の数が前記設定数未満であると判別された場合には,前記画像処理装置6は,その時点でサンプリングされているY軸方向1ラインについて,前記注目するラベル値が存在する位置のみを前記マスク範囲に設定する(S12)。
[ステップS13]
一方,前記画像処理装置6は,前記注目するラベル値の存在パターン(判別結果)が前記分離パターンP2(第2の存在パターン)である場合,その注目するラベル値について,前記全周範囲Wyを二等分した各範囲において前記全周範囲Wyの両端位置それぞれからその位置(始端位置又は終端位置)に対し最も離れた前記注目するラベル値の位置に至る範囲を前記マスク範囲に設定する(S13)。
即ち,前記全周範囲Wyの始端位置から中間位置までの範囲において,その始端位置を始点とし,前記中間位置に最も近い前記注目するラベル値の位置を終点とする範囲が前記マスク範囲として設定される。さらに,前記全周範囲Wyの中間位置から終端位置までの範囲において,その中間位置に最も近い前記注目するラベル値の位置を始点とし,前記終端位置を終点とする範囲も前記マスク範囲として設定される。
[ステップS14]
また,前記画像処理装置6は,前記注目するラベル値の存在パターン(判別結果)が前記通常パターンP3である場合,その注目するラベル値が存在する位置全体に渡る範囲を前記マスク範囲に設定する(S14)。
即ち,前記全周範囲Wyの始端位置に最も近い前記注目するラベル値の位置を始点とし,前記全周範囲Wyの終端位置に最も近い前記注目するラベル値の位置を終点とする範囲が,前記マスク範囲として設定される。
以上に示したステップS9〜S14の処理は,サンプリングされたY軸方向1ライン上の同じラベル値ごとに実行され,ラベル値ごとに設定された前記マスク範囲の論理和をとった範囲が,その1ラインにおける最終的な前記マスク範囲として設定される。
[ステップS15]
以降,前記画像処理装置6は,以上に示したステップS8〜S14の処理が,X軸の全座標についてのサンプリング(S8)が終了するまで繰り返されるよう制御する(S15)。これにより,タイヤ1のサンプルのサイドウォール面に関する全ての前記マスク範囲の座標情報が得られる。
そして,前記画像処理装置6は,タイヤ1のサンプルのサイドウォール面に関する全ての前記マスク範囲の座標情報を,それを用いて形状欠陥検査処理を実行する前記ホスト計算機7に対して転送する。
以上に示したように,前記画像処理装置6は,タイヤ1のサンプルから得られた前記表面高さ分布情報に基づいて凹凸のあるマークである前記表示マークMの位置を自動検出し(S2〜S6),その表示マークMの存在範囲を囲む前記マスク範囲の座標情報を自動設定する(S7〜S15)。前記画像処理装置6により実行されるステップS2〜S15の工程が,前記マスク範囲自動設定工程の一例である。また,前記画像処理装置6は,プロセッサの一例である。
[ステップS16]
ところで,以上に示した前記マスク範囲の自動設定工程(S2〜S15)により,様々な表面形状を有する多種類のタイヤ1全てについて,全く例外なく確実に前記表示マークMを囲む前記マスク範囲を自動設定することは非常に難しい。
そこで,前記ホスト計算機7において,前記マスク範囲の自動設定工程(S2〜S15)において自動設定された前記マスク範囲の座標情報を操作者の操作に応じて補正する処理が実行される。
即ち,正規化後の前記表面高さ分布情報と前記マスク範囲の座標情報とを得た前記ホスト計算機7は,以下に示すマスク範囲手動補正処理と,照合用データ指定処理とを実行する(S16)。なお,以下の説明において,タイヤ1のサンプルから得られた前記表面高さ分布情報のことを,サンプル表面形状情報と称する。このサンプル表面形状情報は,ステップS1において前記画像処理装置6から前記ホスト計算機7へ送信された正規化後の前記表面高さ分布情報である。
前記マスク範囲手動補正処理は,以下に示す画像出力処理とマスク範囲変更処理とを並行して実行する処理である。
前記画像出力処理は,前記サンプル表面形状情報に基づくタイヤ1のサイドウォール面の表面形状画像と,前記マスク範囲の座標情報に基づくマスク範囲画像とを重ねて前期表示装置73に表示させる処理である。
また,前記マスク範囲変更処理は,前記操作部72を通じた操作入力に応じて前記マスク範囲の座標情報を変更(補正)する処理である。
図10〜図13は,前記画像出力処理による前記表示装置73の表示画面の第1例〜第4例である。なお,図11は,表示画面の一部を拡大した図である。
図10に示されるように,前記ホスト計算機7は,前記サンプル表面形状情報に基づく表面形状画像g1と,前記マスク範囲の座標情報に基づくマスク範囲画像g2とを重ねて前記表示装置73に表示させる。
前記表面形状画像g1は,例えば,前記サンプル表面形状情報における前記表面高さ測定値の大小に応じて,対応する画素の輝度の高低又は表示色が異なる画像である。
また,前記マスク範囲画像g2は,例えば,前記マスク範囲の輪郭を形成する枠線の画像や,前記マスク範囲を所定の色で塗りつぶした画像等である。図10に示される前記マスク範囲画像g2は,前記マスク範囲の輪郭を形成する枠線を破線で表示した画像である。
前記画像出力処理により,前記ホスト計算機7の操作者は,タイヤのサイドウォール面の前記表面形状画像g1の上で,自動設定された前記マスク範囲を目視確認することができる。
さらに,前記ホスト計算機7は,図10に示されるように,前記画像出力処理において,前記操作部7に対する操作入力に応じて表示位置が移動するカーソル画像g3を前記表面形状画像g1と重ねて前記表示装置73に表示させる。例えば,前記ホスト計算機7は,前記カーソル画像g3の表示位置を,前記操作部7におけるマウスの操作に応じて移動させる。
また,前記ホスト計算機7は,前記マスク範囲変更処理において,前記カーソル画像g3の表示位置に対応する座標について前記マスク範囲の座標情報を変更する。以下,前記マスク範囲変更処理の具体例について説明する。
例えば,前記ホスト計算機7は,図10に示されるように,前記カーソル画像g3の表示位置に対応する前記マスク範囲を選択し,選択したマスク範囲の情報について,前記操作部72に対する操作を通じて指定された変更を加える処理を実行する。例えば,前記ホスト計算機7は,前記選択したマスク範囲を解除する処理や,前記選択したマスク範囲を膨張させる処理,或いは前記選択したマスク範囲を圧縮する処理等を実行する。ここで,マスク範囲を解除するとは,該当する範囲について,形状欠陥検査処理の対象から除外しない範囲にすることである。
これにより,例えば,タイヤ1のサンプルがそのサイドウォール面に形状欠陥を有している等の理由により,前記表示マークM以外の部分に誤った前記マスク範囲が自動設定された場合に,そのマスク範囲の設定を解除できる。
また,前記ホスト計算機7は,図11に示されるように,既に設定されている前記マスク範囲のうち,前記カーソル画像g3の移動操作によって指定された範囲と重複する範囲のみについて前記マスク範囲の設定を解除する処理も実行する。
これにより,例えば,タイヤ1のサンプルのサイドウォール面において,前記表示マークMと形状欠陥とが近接して存在する等の理由により,前記マスク範囲が本来設定されるべき範囲よりも広い範囲で自動設定された場合に,そのマスク範囲のうちの余分な一部について設定を解除できる。
また,前記ホスト計算機7は,図12に示されるように,前記カーソル画像g3の移動操作によって指定された範囲以外を前記マスク範囲として設定する処理も実行する。
これにより,例えば,前記表面高さ分布情報に,タイヤのトレッド面やリムの部分等のサイドウォール面以外の部分の情報が含まれている場合に,その余計な部分を検査対象とする範囲から除外することができる。
以上に示したように,前記マスク範囲変更処理における手動操作の作業は,自動設定された前記マスク範囲における不備のある一部に対してのみ行われればよい。そのため,前記マスク範囲変更処理における手動操作の作業は,前記サイドウォール面に存在する多数の凹凸のあるマークの全てについて一つ一つ手動で前記マスク範囲を設定する作業に比べれば,はるかに簡易な作業である。
また,前記ホスト計算機7は,前記マスク範囲手動補正処理と併せて,前記照合用データ指定処理も実行する。前記照合用データ指定処理は,前記操作部72を通じた操作入力に応じて,タイヤ1のサンプルについての前記表面高さ分布情報のうちの一部の前記表面高さ測定値及びその測定値の座標情報である照合用データを特定し,その照合用データを前記計算機本体7におけるデータ記憶手段に記録する処理である。なお,前記照合用データに含まれる前記表面高さ測定値が,前記登録表面形状情報の一例である。
例えば,前記ホスト計算機7は,図13に示されるように,前記カーソル画像g3の移動操作及び移動先の確定操作によって特定されるX軸方向における1又は複数の特定の座標について,その特定の座標各々におけるY軸方向の1ライン分の前記表面高さ測定値及びその座標を前記照合用データとして前記データ記憶手段に記録する。以下,前記特定の座標のことを照合位置座標と称する。なお,Y軸方向の1ライン分の前記表面高さ測定値とは,Y軸方向全体に渡る前記表面高さ測定値を意味する。
図13に示される一点鎖線は,前記表示装置73において前記表面形状画像g1と重ねて表示される線であり,前記照合用データに含められる前記表面高さ測定値の配列位置を表している。前記照合用データは,タイヤ1のサイドウォール面における特徴的な凹凸のある部分のデータが指定される。
前記照合用データは,前記マスク範囲の座標情報の座標系と,検査対象のタイヤ1ごとに得られた前記表面高さ分布情報の座標系とのズレの検出のために用いられる。
なお,図13に示される例は,1組又は複数組のY軸方向1ライン分のデータを前記照合用データとして設定する例である。その他,前記照合用データは,タイヤ1のサンプルについての前記表面高さ分布情報の全て,又は,操作入力により指定された一部の2次元の領域内のデータであることも考えられる。
[ステップS17]
そして,前記ホスト計算機7は,前記マスク範囲手動補正処理及び前記照合用データ指定処理(S16)により得られた補正後の前記マスク範囲の座標情報及び前記照合用データを,タイヤ1の種類を表す識別コードと関連付けて前記計算機本体71の前記データ記憶手段に記録する(S17)。これにより,マスク範囲設定処理が終了する。
次に,図9に示されるフローチャートを参照しつつ,前記画像処理装置6及び前記ホスト計算機7により実行される検査対象のタイヤ1それぞれに対する形状欠陥検査処理の手順の一例について説明する。図9に示される処理が実行される前に,前述した要領で形状測定処理が実行され,検査対象のタイヤ1各々のサイドウォール面についての前記表面高さ分布情報が前記画像処理装置6のフレームメモリに記憶されているものとする。
[ステップS21]
まず,前記画像処理装置6は,前述したステップS1と同様に,サイドウォール面の前記表面高さ分布情報について測定値正規化工程(S1)を実行する。
[ステップS22,S23]
次に,前記画像処理装置6は,検査対象のタイヤ1ごとに得られた前記表面高さ分布情報と前記ホスト計算機7から取得したタイヤ1のサンプルから得られた前記マスク範囲の座標情報との間の座標系のずれを検出する処理を実行する(S22,座標系ずれ検出工程)。以下,検査対象のタイヤ1ごとに得られた前記表面高さ分布情報のことを検査用表面形状情報と称する。
ここで,検査対象のタイヤ1と,その検査に用いられる前記マスク範囲の座標情報を得た対象であるタイヤ1のサンプルとは,同じ種類のタイヤであることはいうまでもない。ステップS22の処理の前に,前記ホスト計算機7は,タイヤ1の種類を表す前記識別コードに基づいて検査対象のタイヤ1と同種のタイヤ1から得られた前記マスク範囲の座標情報及び前記照合用データを検索し,その検索結果を前記画像処理装置6に引き渡す。
ステップS22において,前記画像処理装置6は,前記検査用表面形状情報におけるX軸方向の前記照合位置座標でのY軸方向の1ライン分の前記表面高さ測定値と前記照合用データにおけるY軸方向1ライン分の前記表面高さ測定値とを,Y軸方向における位置をシフトしつつ照合し,それらの差異が最小となるときのシフト幅を,Y軸方向の前記座標系のずれとして検出する。なお,前記照合用データに複数組のY軸方向1ライン分の前記表面高さ測定値が含まれる場合には,各組における前記差異の合計が最小となるときのシフト幅が,Y軸方向の前記座標系のずれとして検出される。
そして,前記画像処理装置6は,ステップS22で検出された前記座標系のずれがなくなるように,前記マスク範囲の座標情報を修正する(S23)。
[ステップS24]
次に,前記画像処理装置6は,以下に示すマスク範囲補間工程(S24)を実行する。
前記マスク範囲補間工程において,前記画像処理装置6は,まず,Y軸方向1ラインごとに,前記検査用表面形状情報における前記マスク範囲外の前記表面高さ測定値から,前記マスク範囲内の表面高さ測定値の補間値を算出する。この補間値は,変化の緩やかな値であり,直線補間値が典型例であるが,2次曲線補間値等であることも考えられる。
さらに,前記画像処理装置6は,Y軸方向1ラインごとに,前記フレームメモリに記憶されている前記検査用表面形状情報における前記マスク範囲内の前記表面高さ測定値を,前記表面高さ測定値の補間値に置き換えて前記フレームメモリに記憶させる。このように,補間処理後の前記検査用表面形状情報,即ち,前記マスク範囲内の前記表面高さ測定値を補間値に置き換える処理が施された後の前記検査用表面形状情報が,前記ホスト計算機7による形状欠陥検査処理に用いられる。
[ステップS25]
そして,前記ホスト計算機7は,補間処理後の前記検査用表面形状情報を用いて,予め定められた規則に従ってタイヤ1のサイドウォール面の形状欠陥検査処理を実行する(S25)。以下,その一例について説明する。なお,以下の例は,本発明の特徴をなすものではない。
まず,前記ホスト計算機7は,補間処理後の前記検査用表面形状情報の中から,Y軸方向1ライン分の測定値(一部,前記補間値を含み得る)の情報を,形状欠陥検査の対象としてサンプリング(選択)する。
そして,前記ホスト計算機7は,局所的な凹凸欠陥(前記バルグや前記デント)の指標値として,例えば以下に示す第1の指標値を算出する。
まず,前記Y軸方向1ライン分の測定値に対し,予め設定された次数(例えば,50次)以下のFFTによるローパスフィルタ処理が行われる。
そして,前記ローパスフィルタ処理後の測定値に対し,その測定値全体の角度範囲360°に対して7°程度の角度範囲を窓としてその窓を走査しながらその窓の範囲内の測定値の最大値と最小値との差を算出し,これを前記第1の指標値とする。この第1の指標値が所定以上大きい場合に,そのタイヤが形状欠陥を有していると判別される。
また,前記ホスト計算機7は,タイヤ全周の緩やかな凹凸変化の欠陥検査(Runout検査などといわれる)の指標値として,例えば以下に示す第2の指標値を算出する。
まず,前記Y軸方向1ライン分の測定値に対し,予め設定された次数(例えば,15次)以下のFFTによるローパスフィルタ処理が行われる。
そして,前記ローパスフィルタ処理後の測定値全体における最大値と最小値との差を算出し,これを前記第2の指標値とする。この第2の指標値が所定以上大きい場合に,そのタイヤが形状欠陥を有していると判別される。
なお,検査対象領域として,前記検査用表面形状情報がX軸方向において占める範囲における一部の座標(ライン)のみが予め指定されている場合には,前記検査用表面形状情報における指定されたラインについてのみステップS25の処理が実行される。検査対象領域の指定は,例えば,前記照合用データの指定と同様にして指定されることが考えられる(図13参照)。
図6は,ステップS8〜S16の処理により,図5において画像化された前記補正後2値分布情報に基づいて設定された前記マスク範囲の一例を2値画像として表した図である。図6において白い部分が前記マスク範囲である。
前記タイヤ形状検査装置Wにおいては,2次元の情報である正規化後の前記表面高さ分布情報に対し,2次元情報のまま周知のソーベルフィルタ処理を施される(S2)。これにより,前記表示マークMのエッジ部(輪郭部)が2次元座標におけるいずれの方向に伸びて形成されていても,そのエッジ部が確実に検出される。
また,ラベリング処理(S5)により,他から孤立した一連の前記表示マークMのエッジ部ごとに同じラベル値が設定され,そのエッジ部の(同じラベル値ごとの)フィレ座標に基づいて,形状欠陥検査の対象から除外する前記マスク範囲が設定される(S6〜S14)。これにより,前記表示マークMの輪郭内に位置する非***部の測定値も,形状欠陥検査の対象から除外され,その非***部が形状欠陥部分であると誤検知されることを回避できる。図6において,文字"A","B","W"等を表す前記表示マークMの輪郭内が前記マスク範囲として設定されていることがその一例である。
また,前記タイヤ形状検査装置Wにおいては,前記検査用表面形状情報における前記マスク範囲内の測定値が緩やかに変化する前記補間値に置き換えられる(S24)。そのため,前記マスク範囲の有無に関わらず同じアルゴリズムで形状欠陥検査処理を実行しても,前記マスク範囲内の形状が形状欠陥部であると誤検知されることを回避できる。
即ち,ステップS24の工程は,前記検査用表面形状情報における前記マスク範囲の座標情報に相当する範囲の前記表面高さ測定値をその範囲以外の前記表面高さ測定値に基づく補間値に置き換える工程である。そして,ステップS24の工程は,そのような補間値への置き換え処理により,前記座標系のずれを修正した上で前記検査用表面形状情報における前記マスク範囲の座標情報に相当する範囲の前記表面高さ測定値を形状欠陥検査処理の対象から除外するマスク範囲検査除外工程の一例である。
また,膨張処理(S4)が施された前記2値分布情報に対してラベリング(S5)が行われるため,前記表示マークMの輪郭の一部に表面高さの立ち上がり(変化)が比較的緩やかな部分が含まれる場合でも,その部分が前記表示マークMの輪郭内に含まれる部分として認識される。これにより,前記表示マークMの輪郭の一部が,形状欠陥部であると誤検知されることを回避できる。
以上に示した実施形態では,図3に示したステップS8〜S14の処理により,前記ラベル値のフィレ座標に基づいて,Y軸方向1ラインごとに前記マスク範囲の設定が行われた。
一方,本発明の他の実施形態として,図3に示したステップS8〜S14の処理に代えて,前記ラベル値ごとのフィレ座標により特定される矩形範囲それぞれを前記マスク範囲として設定することも考えられる。なお,この場合,前記ラベリング工程(S5)において,前記全周範囲Wyの両端の座標(Y座標)がY軸方向において隣接する座標であるという前提なしにラベリング処理を行えばよい。
図7は,図5において画像化された前記補正後2値分布情報に基づいて,前記ラベル値ごとのフィレ座標により特定される矩形範囲を前記マスク範囲とした場合のそのマスク範囲を2値画像として表した図である。
但し,より子細に前記マスク範囲を設定するためには,図3に示したステップS8〜S14の処理を採用する方が好適である。
前記タイヤ形状検査装置Wは,演算負荷の高いステップS2〜S15の処理をタイヤ1の種類ごとに1つのサンプルについて実行すればよい。
また,検査対象のタイヤ1ごとに実行されるステップS21〜S25の処理は,プロセッサによる演算負荷が比較的低い処理であり,実用的なプロセッサによっても高速で実行できる。
また,前記タイヤ形状検査装置Wは,ステップS16,S17の工程の実行により,前記サイドウォール面の表面形状の画像g1上において,自動設定された前記マスク範囲を目視確認しつつ,そのマスク範囲をごく簡易な手動操作によって補正することが可能である。そのため,様々な表面形状を有する多種類のタイヤについて,正しい前記マスク範囲を確実に設定することができる。
従って,前記タイヤ形状検査装置Wは,凹凸のある前記表示マークMが形成されたタイヤ1のサイドウォール面の形状欠陥を検査するにあたり,前記表面高さ測定値から,前記表示マークMが形成された範囲の測定値を確実にかつ誤認する処理を高速で実行できる。その結果,前記タイヤ形状検査装置Wによれば,正しい形状欠陥検査を短時間で行うことができる。
以上に示した実施形態は,それぞれプロセッサの一例である前記画像処理装置6及び前記ホスト計算機7により,前記ステップS1〜S17及び前記ステップS21〜S25の各処理を分担して実行する実施形態である。
しかしながら,例えば,前記ホスト計算機7によって前記ステップS1〜S17及び前記ステップS21〜S25の全てを実行する実施形態も考えられる。また,3つ以上のプロセッサによって前記ステップS1〜S17及び前記ステップS21〜S25の各処理を分担して実行する実施形態も考えられる。
本発明は,タイヤ形状検査装置への利用が可能である。
W :タイヤ形状検査装置
M :表示マーク(凹凸のあるマーク)
Wy:全周範囲
1 :タイヤ
2 :タイヤ回転機
3 :センサユニット
4 :ユニット駆動装置
5 :エンコーダ
6 :画像処理装置
7 :ホスト計算機
10:投光装置
11,12,13:ライン光源
20:カメラ
21:撮像素子
22:カメラレンズ

Claims (6)

  1. 凹凸のあるマークが形成されたタイヤのサイドウォール面を周方向に走査して測定された前記サイドウォール面の全周範囲に渡る各位置の表面高さ測定値が前記タイヤの半径方向を表す第1の座標軸及び前記タイヤの周方向を表す第2の座標軸からなる2次元の座標系内に配列された表面高さ分布情報に基づいて,前記サイドウォール面の形状欠陥検査処理を実行するタイヤ形状検査方法であって,
    検査対象の前記タイヤの種類ごとに定められる前記タイヤのサンプルから得られた前記表面高さ分布情報であるサンプル表面形状情報に基づいて前記凹凸のあるマークの位置を自動検出し,該凹凸のあるマークの存在範囲を囲むマスク範囲の座標情報を自動設定するマスク範囲自動設定工程と,
    前記サンプル表面形状情報に基づく表面形状画像と前記マスク範囲の座標情報に基づくマスク範囲画像とを重ねて表示手段に表示させる画像出力工程と,
    前記画像出力工程と並行して,所定の操作部を通じた操作入力に応じて前記マスク範囲の座標情報を変更するマスク範囲変更工程と,
    前記マスク範囲変更工程による変更後の前記マスク範囲の座標情報と前記サンプル表面形状情報の一部又は全部である登録表面形状情報とを記憶手段に記憶させる情報登録工程と,
    検査対象の前記タイヤごとに得られた前記表面高さ分布情報である検査用表面形状情報と前記登録表面形状情報との照合により前記検査用表面形状情報と前記マスク範囲の座標情報との間の座標系のずれを検出する座標系ずれ検出工程と,
    前記座標系のずれを修正した上で前記検査用表面形状情報における前記マスク範囲の座標情報に相当する範囲の前記表面高さ測定値を形状欠陥検査処理の対象から除外する処理を行うマスク範囲検査除外工程と,
    を実行してなることを特徴とするタイヤ形状検査方法。
  2. 前記登録表面形状情報が,前記サンプル表面形状情報における前記第1の座標軸の方向の特定座標での前記第2の座標軸の方向全体に渡る前記表面高さ測定値であり,
    前記座標系ずれ検出工程が,前記検査用表面形状情報における前記第1の座標軸の方向の前記特定座標での前記第2の座標軸の方向全体に渡る前記表面高さ測定値と前記登録表面形状情報とを,前記第2の座標軸方向における位置をシフトしつつ照合することにより,前記第2の座標軸方向の前記座標系のずれを検出する工程を含んでなる請求項1に記載のタイヤ形状検査方法。
  3. 前記マスク範囲自動設定工程が,
    前記サンプル表面形状情報に対する2次元のエッジ検出処理により前記凹凸のあるマークのエッジを検出し,検出された2次元のエッジ分布情報を記憶手段に記憶させる2次元エッジ検出工程と,
    前記2次元のエッジ分布情報に対してラベリング処理を施し,その処理結果であるラベル分布情報を記憶手段に記憶させるラベリング工程と,
    前記ラベル分布情報におけるラベル値ごとのフィレ座標に基づいて前記凹凸のあるマークの存在範囲を囲む前記マスク範囲の座標を設定し,その座標を記憶手段に記憶させるマスク範囲設定工程と,を含んでなる請求項1又は2のいずれかに記載のタイヤ形状検査方法。
  4. 前記画像出力工程が,前記操作入力に応じて表示位置が移動するカーソル画像を前記表示手段に表示させる工程を含み,
    前記マスク範囲変更工程が,前記カーソル画像の表示位置に対応する座標について前記マスク範囲の座標情報を変更する工程を含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ形状検査方法。
  5. 前記マスク範囲検査除外工程が,
    前記検査用表面形状情報における前記マスク範囲の座標情報に相当する範囲の前記表面高さ測定値をその範囲以外の前記表面高さ測定値に基づく補間値に置き換える工程である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ形状検査方法。
  6. 相対的に回転するタイヤにおける凹凸のあるマークが形成されたサイドウォール面へのライン光の照射及びそのライン光の像の撮像を行い,その撮像画像に基づいて,前記タイヤの形状欠陥検査に用いられる表面高さ分布情報を導出するタイヤ形状検査装置であって,
    前記サイドウォール面に一の光切断線が形成されるように,該光切断線における検出高さ方向とは異なる方向から複数のライン光を連ねて照射するライン光照射手段と,
    前記サイドウォール面に照射された前記複数のライン光の像を,該複数のライン光それぞれの主光線が前記サイドウォール面に対して正反射する方向において撮像する撮像手段と,
    前記撮像手段の撮像画像における光切断線の検出により前記サイドウォール面の全周範囲に渡る表面高さ分布情報を導出する光切断法形状検出手段と,
    検査対象の前記タイヤの種類ごとに定められる前記タイヤのサンプルから得られた前記表面高さ分布情報であるサンプル表面形状情報に基づいて前記凹凸のあるマークの位置を自動検出し,該凹凸のあるマークの存在範囲を囲むマスク範囲の座標情報を自動設定するマスク範囲自動設定手段と,
    前記サンプル表面形状情報に基づく表面形状画像と前記マスク範囲の座標情報に基づくマスク範囲画像とを重ねて表示手段に表示させる画像出力手段と,
    前記画像出力手段の処理と並行して,所定の操作部を通じた操作入力に応じて前記マスク範囲の座標情報を変更するマスク範囲変更手段と,
    前記マスク範囲変更手段による変更後の前記マスク範囲の座標情報と前記サンプル表面形状情報の一部又は全部である登録表面形状情報とを記憶手段に記憶させる情報登録手段と,
    検査対象の前記タイヤごとに得られた前記表面高さ分布情報である検査用表面形状情報と前記登録表面形状情報との照合により前記検査用表面形状情報と前記マスク範囲の座標情報との間の座標系のずれを検出する座標系ずれ検出手段と,
    前記座標系のずれを修正した上で前記検査用表面形状情報における前記マスク範囲の座標情報に相当する範囲の前記表面高さ測定値を形状欠陥検査処理の対象から除外する処理を行うマスク範囲検査除外手段と,
    を具備してなることを特徴とするタイヤ形状検査装置。
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