JP2001099626A - 歯数算出方法および歯数算出用プログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents

歯数算出方法および歯数算出用プログラムを記憶した記憶媒体

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JP2001099626A
JP2001099626A JP28012899A JP28012899A JP2001099626A JP 2001099626 A JP2001099626 A JP 2001099626A JP 28012899 A JP28012899 A JP 28012899A JP 28012899 A JP28012899 A JP 28012899A JP 2001099626 A JP2001099626 A JP 2001099626A
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Yutaka Miyahara
豊 宮原
Masami Bushi
正美 武士
Takeshi Nakajima
毅 中島
Naoya Murota
直哉 室田
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Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯車の歯数を高速且つ安定して算出すること
のできる歯数算出方法および歯数算出用プログラムを記
憶した記憶媒体を提供すること。 【解決手段】 所定の歯部と溝部とを備えた歯車を撮像
する工程と、撮像された歯車の円形画像の中心を求める
中心検出工程と、求められた中心を通る所定の半径を境
界線として円形画像を帯状画像に変換するワープ円形処
理工程と、このワープ円形処理工程で得られた帯状画像
についてパターン検出によって歯部若しくは溝部を検出
するパターン検出工程と、検出された歯部若しくは溝部
の情報に基づいて歯車の歯数を算出する歯数算出工程か
らなることを特徴と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車の歯数算出方
法および歯数算出用プログラムを記憶した記憶媒体に係
り、特に、歯車を撮像した二値画像に基づいて当該歯車
の歯数を算出する歯数算出方法および歯数算出用プログ
ラムを記憶した記憶媒体に関する。本発明は、製品の立
体形状検査,寸法測定,製品組立用位置決めなどの、い
わゆるロボットビジョンと呼ばれる技術に適用可能であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、歯車の機種判別を行うには、歯
数、直径、ボス面の凹凸形状などの特徴を抽出し判別し
ていた。図10(A)は、三次元形状に関する濃淡画像
を取得するための光学系を示す概略図である。図10
(A)に示す例では、濃淡画像と距離画像とを同一のC
CDカメラで取得する構成としている。この例では、撮
像手段は、CCDカメラの撮像方向と直交する平面に撮
像手段を中心としてリング状に配置された複数のレーザ
ダイオードを備えている。すなわち、CCDカメラに、
LEDを複数個リング状に設けた照明(LEDリング照
明)を設け、レンズ先端にバンドパスフィルタを設置し
ている。CCDカメラから基線長離れたところにレーザ
スリット光源とこの光源からのレーザ光を走査するガル
バノスキャナを配置する。
【0003】レーザ光源は、ガルバノスキャナを用いて
スリット光を角度を変化させながら照射する。そして、
図示しない空間コード化画像計測部は、各画素ごとにス
リット光の投光角度(角度コード)を計測する。三次元
形状算出部は、各画素位置とスリット光の投光角度とに
基づいて距離画像を算出する。そして、図10(B)
は、実際に上記光学系によって取得された濃淡画像の例
である。この例に示す歯車は、歯数が33枚で、直径が
72[mm]斜歯歯車である。
【0004】具体的な歯車の機種判別方法としては、マ
ッチング法等によるパターン識別処理によって行われ
る。詳しくは、予め比較用に登録されている歯車の面積
や周囲長と、実際に測定された歯車の面積及び周囲長と
の相関計算を行う。そして、この相関計算の結果に基づ
いて測定対象である歯車の良否を判断する。
【0005】また、測定項目が歯車の歯数算出である場
合には、得られた濃淡画像に基づいて、歯車における歯
部と溝部とを抽出し、これらの抽出結果に基づいて歯数
を算出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例には以下のような不都合があった。即ち、歯車は円
形であり、得られた濃淡画像も当然円形である。このよ
うに円形の製品の相関計算をしたり、外周部に形成され
ている歯部の歯数を画像処理で算出するためには、複雑
な座標計算等が必要である。このため、相関計算処理や
歯数算出処理に長時間を要するという不都合があった。
【0007】また、測定項目が歯車の歯数が正常である
か否かである場合に、歯部の欠損が1カ所であっても、
得られる濃淡画像における歯車の回転に対応させて、微
少回転角度毎の画像データを予め登録しておく必要があ
る。このように、微少回転角度毎の画像データを予め登
録しておくには、大きい容量の記憶領域が必要となり、
また、相関を算出するマッチング処理に長時間を要す
る、という不都合が生じる。
【0008】更に、上記した歯数算出方法を用いる時に
は、測定したい歯車の外縁の画像が何らかの原因で一部
取得できなかった場合、チェインコードの作成が正確に
できず、歯数算出の処理に誤差が生じるという不都合が
あった。
【0009】
【発明の目的】本発明は、係る従来例の有する不都合を
改善し、特に、歯車の歯数を高速且つ安定して算出する
ことのできる歯数算出方法および歯数算出用プログラム
を記憶した記憶媒体を提供することを、その目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定の歯部と
溝部とを備えた歯車を撮像する工程と、撮像された歯車
の円形画像の中心を求める中心検出工程と、求められた
中心を通る所定の半径を境界線として円形画像を帯状画
像に変換するワープ円形処理工程と、このワープ円形処
理工程で得られた帯状画像についてパターン検出によっ
て歯部若しくは溝部を検出するパターン検出工程と、検
出された歯部若しくは溝部の情報に基づいて歯車の歯数
を算出する歯数算出工程からなることを特徴としてい
る。
【0011】以上のように構成されたことにより、円形
画像として取得された画像を帯状画像に変換し、歯車の
各歯部が一直線状に配列されることとなる。そして、一
直線状に配列された各歯部の位置座標を求めるのは、各
歯部が円形状に配列されている場合に比較して容易であ
る。従って、歯数算出を高速に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、歯車を撮像したときの円
形画像を、帯状画像に変換するワープ円形処理の概要を
示す図である。また、図2は、ワープ円形処理のフロー
チャートである。以下にワープ円形処理について詳しく
説明する。
【0013】[画像の取得]先ず、歯車を真上から撮像
して、歯車の濃淡画像を取得する(ステップS1)。濃
淡画像の取得に際しては、[従来の技術]の欄で説明し
た光学系を一部用いる。即ち、LEDリング照明によっ
て歯車に真上から光を照射し、歯車の表面から反射して
くる光をCCDカメラで撮像する。これにより、図10
(B)に示すような歯車の濃淡画像が取得できる。
【0014】[二値化処理及びラベリング]次に、得ら
れた歯車の濃淡画像を二値化処理する(ステップS
2)。より詳しくは、取得された濃淡画像は、歯車の領
域の輝度が高く、それ以外の領域は輝度が低い。このた
め、濃淡画像の輝度に所定のしきい値を設定して二値化
処理をする。これにより、二値化された円形画像が取得
できる。
【0015】そして次に、二値画像に対してラベリング
処理を行う(ステップS3)。ラベリング処理において
は、二値画像内の画素の集合を抽出し、得られた要素の
集合の内、もっとも画素数が多い部分を歯車の領域と認
識する。これによって、歯車の領域とそれ以外の領域と
を分別することができる。
【0016】[中心位置座標の算出]次に、二値画像に
おける歯車が含まれているラベルの中心を求める(ステ
ップS4)。一般に、ラベリング処理によって形成され
る歯車の領域を含むラベルは、歯車の上下方向端部及び
左右方向端部に接する矩形形状となる。従って、この矩
形形状のラベルの内接円を描けば、この内接円がほぼ歯
車の外周部分を示すこととなる。従って、内接円の中心
を求めることによって、最終的に二値画像の歯車の中心
位置座標を求めることができる。
【0017】[境界線の指定]先ず、図1(A)に示す
ように歯車の中心が求まったら、この中心からx方向下
方に向けて境界線を設定する(ステップS5)。この境
界線は歯車の外周部まで延ばす。この境界線は、帯状の
画像に変換したときの画像の出発位置と終了位置を区分
するものである。但し、この境界線の方向は一例であ
り、歯車の中心から引いた半径であれば、いずれの方向
に設定してもよい。例えば、中心から水平方向でも良い
し、垂直上方でもよい。
【0018】[帯状画像への展開処理]次に、上記した
境界線を基準として、反時計回りに、円形の二値画像を
帯状画像に展開する(ステップS6)。具体的には、図
1(A)において示されている扇形OPQ(角度θ)を
図1(B)の長方形OPQRに変換するものであって、
言い換えると、極座標系を座標変換によって直交座標系
に変換するものである。図1(A)における円弧PQが
図1(B)の直線PQに変換されている。また、図1
(A)における点Oが図1(B)の直線ORに変換され
ている。ここで、直線ORは上記した直線PQと平行で
ある。これにより、扇形OPQが長方形OPQRに変換
される。
【0019】そして、歯車の残りの領域も同様に、扇形
を長方形に変換して最終的に帯状画像を得ることができ
る。以上の工程で、ワープ円形処理が完了する。尚、帯
状画像の全長(図1(B)におけるθ方向の長さ)は、
図1(A)における円周の長さと同じではない。図1
(B)におけるθ方向の長さは、図1(A)の円周の長
さより短くなっている。これは、後で行う画像処理のた
めに便宜上設定した長さであり、歯数の算出に特に影響
を及ぼすものではないからである。
【0020】図3は、歯車の二値画像の内、中心近傍の
円形部分の画像を削除してワープ円形処理を行った例を
示す。このように、中心近傍の円形部分を削除するのは
以下の理由による。即ち、歯車には一般的に中心に所定
の軸を挿入するための穴が形成されている。この穴は、
歯車の歯数の算出には全く関係しないので、不要な画像
といえる。一方、この中心近傍の画像を含めて画像処理
を行う場合には、処理すべき画像情報の量が多く、歯数
の算出処理に長時間を要する、という不都合がある。こ
のため、歯車の中心近傍の画像を削除して、画像処理の
負担を軽減し、歯数算出の時間を短縮化するのである。
【0021】図3の例では、二値画像の歯車の中心から
内部円の半径に相当する距離までの円形部分の画像を削
除している。即ち、画像がドーナツ型となる。そして、
画像を取得するのは境界線上の所定点(Row,Col)からで
ある。従って、図3(B)の帯状画像の高さ(r方向の
画素数)は、図1で示した帯状画像の高さより低くなっ
ている。尚、削除する円形部分の半径は歯車の機種に応
じて内部円の半径と等しくすることが望ましい。しかし
ながら、機種の判別が困難な場合等を考慮し、予め定め
た半径の円形部分を削除するようにしてもよい。この時
は、種々の歯車の内、内部円の半径が最も小さい歯車の
内部円の半径を用いる。これは、歯数算出に必要な画像
が削除されるのを未然に防止できるからである。
【0022】[歯数の算出]次に、歯数算出工程につい
て説明する。
【0023】[歯部の位置検出]図4は、円形の二値画
像をワープ円形処理によって、帯状画像に変換した状態
を示している。尚、図4では、変換前の画像と変換後の
画像を同時に表示している。このように、帯状画像に変
換すると、歯車の歯部及び溝部はほぼ直線上に整列す
る。そして、この帯状画像から、歯部と溝部を検出す
る。
【0024】歯部と溝部の検出は、パターン検出によっ
て行われる。即ち、予め、歯部及び溝部1個分の基準と
なるモデル画像を登録しておく。そして、実際に取得し
た帯状画像に含まれる歯部及び溝部の画像パターンとモ
デル画像との相関度を求める。ここで、相関度とは、2
つの画像パターンに含まれるピクセルがどの程度一致し
ているかの指標である。そして、各歯部及び溝部のモデ
ル画像の相関度と、その歯部及び溝部の位置座標を算出
する。
【0025】図5は、各歯部の位置(X,Y)を求め、
画像上に各歯部の位置を示す線分を挿入した画像であ
る。ここで、各歯部のX方向の位置は、各歯部の山の中
心を基準としている。一方、Y方向の位置は、歯部の投
影面積をY方向に沿って2等分する位置を基準としてい
る。このため、Y方向の位置は、僅かに歯元方向に寄っ
ている。但し、本発明では、Y方向の位置座標は相対的
位置の変動に利用するだけであるので、特に投影面積を
2等分する位置を基準にする事に限定されない。例え
ば、歯部の高さを2等分する位置でも良い。
【0026】以上のように、正常な歯車の歯部の位置を
検出すると、各歯部はX方向に等間隔で並び、Y方向は
ほぼ一直線上に位置していることが判る。逆に言えば、
何らかの原因で、Y方向の位置が所定値を超える場合に
は、歯車自体に問題があるかあるいは検出ミスと判断す
ることができる。
【0027】[歯部のピッチの中央値算出]次に、図6
に基づいて、歯部のピッチの中央値を算出する工程につ
いて説明する。中央値算出には、上記工程で得られた各
歯部の位置座標(X(n),Y(n))の情報を用いる。具体
的には、先ず、相互に隣り合う各歯部相互のY方向位置
の差Ypich(n)を求める(ステップS12)。これは、
隣り合う歯部がY方向にどれだけずれているかを示す値
となる。従って、隣り合う歯部のY方向の位置が一致し
ている場合には、Ypichは零になる。
【0028】次に、Ypich(n)について昇順ソートする
(ステップS13)。そして、Ypich(n)の内の最小値
をYpich(min)とし、Ypich(i)-Ypich(min)を求め、こ
の差が一定値を超えたらその位置(i)における歯部の横
方向座標データX(i+1)を零とする(ステップS1
4)。そして、X(n)をもう一度昇順ソートして零を消
去する(ステップS15)。即ち、この位置(i)は何ら
かの原因で欠陥となっているので、この位置(i)におけ
る歯部のX方向位置座標を無視するのである。そして、
零を消去した位置の総数をkとして、n=n−kとす
る。具体的に説明すると、例えば歯部の検出総数が32
個で、欠陥が2個分あった場合には、n=32−2=3
0となる。尚、欠陥の検出方法としては他の手法も考え
られる。即ち、上記した方法では、歯部が3つ並んでい
る場合に、真ん中の歯部のY方向位置座標が他の2つの
歯部のY方向位置座標と大きく異なる場合に、2つ目の
歯部と3つ目の歯部のX方向位置座標が共に無視されて
しまう。これを防止するために、Ypich(i)-Ypich(mi
n)の値が2回連続して所定値を越えた場合には、中央の
歯部のみ欠陥と判断して、この中央の歯部のX方向位置
座標のみを無視する。或いは、相互に隣接する歯部のY
方向のピッチYpich(i)=Y(i+1)−Y(i)の他、歯部を
1つとばした時のY方向のピッチY(i+2)−Y(i)も考慮
することが望ましい。
【0029】続いて、横方向座標X(n)について、相互
に隣り合う歯部の位置の差Xpich(n)を求める(ステッ
プS16)。これは、いわば隣り合う歯部同士の間隔で
ある。仮に、各歯部のX方向の位置が正確に等間隔とな
っていれば、Xpich(n)は全て一定値となるはずであ
る。しかし、画像上の歯車では画像の取り込みエラー等
に起因して、歯部のピッチは僅かに変動しているので、
Xpich(n)はそれぞれ異なる値となる。そして、各歯部
相互間のXpich(n)について昇順ソートして、ソート後
のn個のピッチの値をXcopy(n)とする(ステップS1
7)。最後に、Xcopy(n)の中央に位置するXcopy(n/2)
の値をピッチ中央値(ave)とする(ステップS18)。
この中央値は、欠陥部分を除いて、歯部のピッチの中央
値であるので、画像上で基準となるピッチに近い値と考
えられる。この算出されたピッチ中央値(ave)を用いて
歯数を算出する。
【0030】[歯数の算出]図7は、求めたピッチの中
央値を用いて、歯車の端数を算出する工程を示すフロー
チャートである。先ず、第0番目の歯部と第1番目の歯
部との間隔Xpich(0)が、中央値(ave)の3/4倍より大き
く且つ5/4倍より小さいか否かが判断される(ステップ
S22)。そして、Xpich(0)がこの条件を満たしてい
る場合には、正常な歯部であると判断して、count=coun
t+1として歯部を1つカウントする(ステップS2
3)。次に、第1番目の歯部と第2番目の歯部との間隔
Xpich(1)も同様に条件を満たすか判断され、条件を満
たす場合には、2つ目の歯部としてカウントする(ステ
ップS23)。これをn回繰り返す(n回ループ)こと
により(ステップS21〜ステップS25)、正常な歯
車の歯数を算出することができる。
【0031】また、以上は歯部の算出について説明した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、溝部も同
様の手法で溝数を算出することができる。このとき、歯
部の数と溝部の数が一致にない場合には、検出エラーと
判断することができる。なぜなら、1つの歯車では、歯
部と溝部の数は必ず一致するはずだからである。尚、上
記したしきい値の係数3/4や5/4は一例であり、この値に
限定されるものではない。
【0032】図8は、実際に歯数を算出した結果を示す
コンピュータの画面である。この算出例では、歯部のピ
ッチの中央値が約19.4[pixel]と算出され、また歯部
(図中では「山」)相互間の検出数が32と算出されて
いる。従って、実際の歯部の数は32+1=33となっ
ている。
【0033】次に、歯車若しくは二値画像の歯部に何ら
かの欠陥がある場合について、図7に基づいて説明す
る。因みに、欠陥の原因としては、図9に示すように歯
車に何らかの異物が載っていて、歯部の画像が欠けてし
まう場合や、本来の歯部の間に異物が存在して、あたか
も別の歯部があるように判断されてしまう場合等が考え
られる。また、一部の歯部自体が欠けていてるような歯
車自体の欠陥も考えられる。
【0034】先ず、相互に隣接する歯部のピッチXpich
(i)が中央値(ave)と比べて著しく大きい場合について考
える。即ち、Xpich(i)>=ave*5/4の場合である(ステ
ップS26)。これは、一部の歯部が欠けている場合
や、画像が適切に取得できなかった場合等である。この
ような場合には、歯部が少なくとも1個欠けていると考
えられるので、算出されたピッチXpich(i)から中央値
(ave)を減じて、除算後の値を新たなピッチXpich(i)と
する(ステップS28)。そして、count=count+1とし
て歯部を1つカウントする(ステップS29)。ここ
で、算出されたピッチXpich(i)が中央値(ave)の3/4倍
より小さくなっていれば、そのまま上記したn回ループ
に戻る(ステップS21〜ステップS24)。
【0035】一方、減算後のピッチXpich(i)が中央値
(ave)の3/4倍より大きい場合には、更に歯部が欠けてい
ると考えられるので、もう一度Xpich(i)から中央値(av
e)を減じて、歯部をもう1つカウントする(ステップS
27〜ステップS30)。これによって、歯部が2つ欠
けている場合の補正できる。そして、ピッチXpich(i)
の値が中央値(ave)の3/4倍より小さくなるまで繰り返せ
ば、欠けている歯部の全ての補正ができる。図9に示す
算出結果では、歯部の検出数は28個であるが、上記し
た補正によって、正確に歯数33個を算出できる。尚、
図9中での印で示した領域には溝部が存在している。し
かし、溝部の位置座標算出工程において、Y方向位置座
標が他の溝部のY方向位置座標と大きく異なるので、溝
部としては検出されずデータは削除されている。
【0036】次に、隣接する歯部のピッチXpich(i)が
中央値(ave)と比べて著しく小さい場合について考え
る。即ち、Xpich(i)<=ave*3/4の場合である(ステッ
プS31)。これは、上記したように、本来の歯部と歯
部との間に何らかの異物が存在することが考えられる。
このような場合には、見かけ上検出されたピッチXpich
(i)と、その次のピッチXpich(i+1)が正常な歯部間のピ
ッチと考えられるので、Xpich(i+1)= Xpich(i+1)+ X
pich(i)によってピッチを算出し(ステップS32)、
このピッチが中央値(ave)の3/4倍より大きく5/4倍より
小さくなれば、このとき歯数を1個カウントする(ステ
ップS23)。これによって、異物は歯部としてカウン
トされず、正確に歯数を算出できる。
【0037】上記歯数算出方法にかかわる画像処理や演
算処理は、実際には、パーソナルコンピュータ等の演算
装置(図示略)を使用して実現する。演算装置は、プロ
グラムを実行するCPUと、このCPUの主記憶装置と
なるRAMと、プログラムおよびデータを記憶した外部
記憶装置とを備えている。プログラムは、演算装置を動
作させるための指令として、撮像手段によって撮像され
た歯車の円形画像の中心を求めさせる中心検出指令と、
求められた中心を通る所定の半径を境界線として円形画
像を帯状画像に変換させるワープ円形処理指令と、この
ワープ円形処理工程で得られた帯状画像に基づいて歯車
の歯数を算出させる歯数算出指令を備えている。
【0038】ここで、「させる指令」というのは、その
指令のみで当該処理を実現する場合と、コンピュータの
オペレーティングシステム等他のプログラムに依存して
当該処理を実現する場合の双方を含む。従って、例え
ば、「ワープ円形処理指令」は、その指令のみで、例え
ば濃淡画像の二値画像化処理と,二値画像のラベリング
処理と,ラベルの中心座標算出と,帯状画像への展開と
を行う場合、これらの全ての処理を実現するようにして
もよい。一方、画像処理に関連する開発環境および実行
環境を有するコンピュータを使用する場合には、「ワー
プ円形処理指令」は、その実行環境である個々のプログ
ラムを呼出して実行させる指令となる。この場合には、
記憶媒体に記憶される歯数算出用プログラムは、コンピ
ュータが備える例えば二値化処理プログラムにファイル
名や引数を引渡す指令を備える。この歯数算出用プログ
ラムが演算装置により実行されると、図2,図6及び図
7に示す処理が実現される。
【0039】尚、簡略化した歯数算出方法として、ワー
プ円形処理後のピッチ中央値の画素数で帯状画像の長さ
方向の画素数を除する方法も考えられる。ピッチ中央値
が実際の歯部のピッチに近ければ、画像の欠けた部分が
あったとしても、これを含めて歯数を算出できるからで
ある。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は撮像され
た歯車の円形画像をワープ円形処理によって歯部及び溝
部を一直線状に並べて帯状画像とし、この帯状画像に基
づいて歯車の歯数を算出する。このため、歯部が円形に
並んだままの画像に基づいて歯数を算出する場合と比べ
て、歯数算出に必要な時間を大幅に短縮することができ
る、という優れた効果を生じる。また、歯部を一直線状
に並べて標準化してしまうので、歯車の機種や大きさあ
るいは撮像位置に依存することなく、正確な歯数算出が
可能となる。更に、歯部及び溝部の検出はそれぞれ歯部
の基準パターン若しくは溝部の基準パターンとの比較に
よるパターン検出によって行うので、膨大な画像情報を
記憶して置く必要が無く、記憶資源を有効に活用するこ
とができる。
【0041】また、歯部若しくは溝部のピッチ中央値を
算出して、この中央値を用いて歯数を算出しているの
で、何らかの原因で一部の歯部若しくは溝部の画像が取
得できなくても、正確な歯数を算出できる。一方で、予
め歯数の判っている歯車を検査する工程で本発明を利用
すれば、正常な場合の歯数と算出された歯数が異なる場
合に、歯車の欠陥を高精度で検出することが可能とな
る。
【0042】更に、検出された歯数と溝数との比較によ
って検出結果が正常か否かを判断するので、歯数算出の
信頼性が向上する、という優れた効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるワープ円形処理の概要を説明す
る概念図であり、図1(A)は処理前の状態を示し、図
1(B)は処理後の状態を示す。
【図2】図1に開示したワープ円形処理の工程を示すフ
ローチャートである。
【図3】本発明で用いるワープ円形処理の他の例を説明
する概念図であり、図3(A)は処理前の状態を示し、
図3(B)は処理後の状態を示す。。
【図4】本発明のワープ円形処理前の円形画像と処理後
の帯状画像と並べて表示した画像を示す図である。
【図5】歯部近傍のみを含む帯状画像を示す図である。
【図6】ピッチ中央値を求めるフローチャートを示す。
【図7】歯数算出工程を示すフローチャートを示す。
【図8】本発明の歯数算出方法によって算出した歯数の
結果の表示画面を示す。
【図9】本発明の歯数算出方法によって算出した歯数の
結果の表示画面を示す図であり、特に歯車に異物が載っ
ている場合を示す図である。
【図10】画像の取り込みについて説明する図であり、
図10(A)は画像取り込みの光学系を示す概念図であ
り、図10(B)は取り込んだ画像を示す。
【符号の説明】
1 CCDカメラ 2 LEDリング照明 3 バンドパスフィルタ O 中心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 毅 神奈川県横浜市都筑区桜並木2番1号 ス ズキ株式会社技術研究所内 (72)発明者 室田 直哉 神奈川県横浜市都筑区桜並木2番1号 ス ズキ株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2F065 AA17 BB03 CC05 DD06 FF04 FF61 GG07 GG14 GG17 JJ03 JJ26 QQ04 QQ31 RR08 2F069 TT01 TT11 5B057 CD20 DA03 DA07 DA13 DB02 DC02 DC06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の歯部と溝部とを備えた歯車を撮像
    する工程と、撮像された歯車の円形画像の中心を求める
    中心検出工程と、求められた中心を通る所定の半径を境
    界線として前記円形画像を帯状画像に変換するワープ円
    形処理工程と、このワープ円形処理工程で得られた帯状
    画像についてパターン検出によって歯部若しくは溝部を
    検出するパターン検出工程と、検出された歯部若しくは
    溝部の情報に基づいて前記歯車の歯数を算出する歯数算
    出工程からなることを特徴とした歯車算出方法。
  2. 【請求項2】 前記ワープ円形処理工程は、前記円形画
    像の半径を前記帯状画像の幅に変換し、且つ、前記円形
    画像の円周を帯状画像の長さに変換する極座標/直交座
    標変換処理であることを特徴とした請求項1記載の歯数
    算出方法。
  3. 【請求項3】 前記ワープ円形処理工程において、歯部
    近傍以外の領域の画像を削除する画像削除工程を備える
    ことを特徴とした請求項2記載の歯数算出方法。
  4. 【請求項4】 前記歯数算出工程は、 前記帯状画像内に含まれる前記歯部若しくは溝部の位置
    座標情報を検出する位置座標検出工程と、この求められ
    た位置座標の情報に基づいて欠陥部を検出する欠陥部検
    出工程と、この得られた欠陥部に対応する前記歯部若し
    くは溝部の情報を削除する位置情報削除工程と、この位
    置座標情報削除工程で削除されずに残った各歯部若しく
    は溝部の位置座標情報に基づいて隣接する歯部間若しく
    は溝部間のピッチを算出するピッチ算出工程と、算出さ
    れた各ピッチを大きさの順に並び替えるソート工程と、
    このソート工程で並び替えられたピッチの値の中央の値
    をピッチ中央値として算出するピッチ中央値算出工程と
    を備え、 得られたピッチ中央値に基づいて歯数を算出することを
    特徴とした請求項1,2又は3のいずれかに記載の歯数
    算出方法。
  5. 【請求項5】 前記ピッチ中央値算出工程の後に、 当該ピッチ中央値と各歯部間若しくは溝部間のピッチと
    比較するピッチ比較工程を備え、この比較結果に基づい
    て前記ピッチ中央値と各歯部間若しくは溝部間との差が
    所定値以下のときに歯数若しくは溝数を1個計数するこ
    とを特徴とした請求項4記載の歯数算出方法。
  6. 【請求項6】 計数された前記歯数及び溝数が一致する
    場合のみ歯数の結果を適正なものとして出力することを
    特徴とした請求項5記載の歯数算出方法。
  7. 【請求項7】 所定の歯部と溝部とを備えた歯車を撮像
    する撮像手段と、この撮像手段によって撮像された画像
    に対して画像処理を行う演算装置とを使用して前記歯車
    の歯数を算出するためのプログラムを記憶した記憶媒体
    であって、 前記プログラムは、前記演算装置を動作させるための指
    令として、前記撮像手段によって撮像された歯車の円形
    画像の中心を求めさせる中心検出指令と、求められた中
    心を通る所定の半径を境界線として前記円形画像を帯状
    画像に変換させるワープ円形処理指令と、このワープ円
    形処理工程で得られた帯状画像に基づいて前記歯車の歯
    数を算出させる歯数算出指令を備えていることを特徴と
    した歯車算出用プログラムを記憶した記憶媒体。
JP28012899A 1999-09-30 1999-09-30 歯数算出方法および歯数算出用プログラムを記憶した記憶媒体 Withdrawn JP2001099626A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005308547A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Mitsutoyo Corp エンコーダ、その信号確認装置及び信号確認プログラム
JP2013154448A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Seiko Epson Corp ロボット装置およびロボット制御方法
CN107560561A (zh) * 2017-08-31 2018-01-09 长江存储科技有限责任公司 一种沟道槽翘曲度测量方法及装置
JP2020094977A (ja) * 2018-12-14 2020-06-18 セイコーエプソン株式会社 部品の形状検査方法

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