(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態では、本発明の分岐点図表示システムが、車両用のナビゲーションシステムに適用された場合を例としている。
図1は、ナビゲーションシステム10の構成を概略的に示す機能ブロック図である。ナビゲーションシステム10は、ナビゲーション装置11と配信サーバ12とからなる。つまり、特許請求の範囲との対応として、本実施形態では端末装置がナビゲーション装置11に対応し、配信サーバが配信サーバ12に対応し、移動体が車両に対応している。
まず、ナビゲーション装置11の構成について説明する。
ナビゲーション装置11は、例えば自動車などの車両に搭載され、制御装置13、位置検出部14、地図データ入力部15、操作スイッチ部16、外部メモリ17、表示器18、音声コントローラ19、リモコンセンサ20、通信部21などを備えている。制御装置13は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。ナビゲーション装置11は、制御装置13のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、分岐点特定部22、簡易分岐点図作成部23、簡易分岐点図表示部24、案内経路取得部25、配信パーツ保持部26、配信パーツ消去部27、スケジュール更新要求部28をソフトウェアによって仮想的に実現する。
位置検出部14は、方位センサ31、ジャイロセンサ32(ジャイロスコープ)、距離センサ33およびGPS受信器34を有している。方位センサ31は、車両の方位を検出する。ジャイロセンサ32は、車両の回転角度を検出する。距離センサ33は、車両の走行距離を検出する。GPS受信器34は、GPS(Global Positioning System)により車両の現在位置を測位するために、図示しないGPS衛星から送信される電波を受信する。この位置検出部14は、ナビゲーション装置11を搭載した車両の現在位置を検出する。
地図データ入力部15は、地図データ記憶部35から地図データを取得する。地図データ記憶部35に記憶されている地図データは、図示しないドライブ装置によって地図データ入力部15に読み取られる。地図データ記憶部35としては、例えばDVDやCDなどの大容量記憶媒体、メモリカードあるいはハードディスクドライブなどの記憶媒体が用いられる。
地図データ記憶部35に記憶されている地図データは、あらかじめDVD、ハードディスクドライブ等で提供、又は後述する配信サーバ12から配信されたものであり、複数のノードおよびノード同士をつなぐリンクにより形成された道路データ、目印データ、マップマッチング用データ、目的地データ、交通情報を道路データに変換するためのテーブルデータなどの各種のデータを含んでいる。この地図データには、地図上に存在する分岐点(地図データに含まれる分岐点)の座標情報、地点情報(市町村名、施設名、地名など)の各種の情報が含まれている。また、地図データには、分岐点番号、案内領域番号などが含まれている。分岐点番号は、地図上に存在する道路の分岐点の位置を特定するために各分岐点の位置に対応付けて付与された番号であり、分岐点ごとに固有の番号(分岐点ID)である。以下ではこの分岐点番号を分岐点特定情報ともいう。案内領域番号は、案内領域の位置や範囲を特定するために各案内領域の位置や範囲に対応付けて付与された番号である。案内領域は、各分岐点を含む所定範囲の領域であって、当該領域内に車両が進入したときに表示器18に簡易分岐点図を表示する領域として設定されたものである。そして、この案内領域番号は、分岐点番号と関連付けられており、分岐点番号が一意に定まれば、対応する案内領域番号が定まり、案内領域の位置や範囲を特定することができるようになっている。
操作スイッチ部16は、表示器18の画面の近傍に設けられているメカニカルスイッチ、および、表示器18の画面に設けられているタッチパネルスイッチなどから構成されている。ユーザは、操作スイッチ部16の各スイッチを用いて、車両の目的地、表示器18の画面や表示態様の切り替え(例えば、地図縮尺の変更、メニュー画面の選択、経路の探索、経路案内の開始、現在位置の修正および音量の調整など)を行う各種のコマンドの入力を行う。これにより、ナビゲーション装置11は、ユーザの指示に従って作動する。リモコンセンサ20は、リモコン36との間でコマンドなどの送受信を行う。リモコン36には、複数の操作スイッチが設けられている。リモコン36の操作スイッチを操作することにより、リモコン36からリモコンセンサ20を経由して各種の指令信号が制御装置13へ送信される。操作スイッチ部16およびリモコン36は、何れの操作によっても制御装置13へ同一の機能を実行させることができる。
外部メモリ17は、例えば着脱可能なフラッシュメモリカードやハードディスクドライブによって構成されている。なお、外部メモリ17は、例えばナビゲーション装置11の制御装置13に設けられているRAMやEEPROM、あるいは地図データ記憶部35などと共用してもよい。表示器18は、例えば液晶や有機EL(Electro-Luminescence)などのカラーディスプレイを有している。表示器18の画面は、車両の現在位置周辺の地図が各種縮尺で表示されるとともに、この地図表示に重ねて車両の現在位置および進行方向を示す現在地マークが表示される。また、目的地までの経路案内を実行するとき、表示器18の画面には経路案内用の画面が表示される。
音声コントローラ19は、車載スピーカ37に接続している。音声コントローラ19は、制御装置13からの音声出力信号に基づいて、音声出力信号を車載スピーカ37へ出力する。車載スピーカ37から出力される音声は、案内に関する音声、操作説明に関する音声、盗難防止機能の動作中であることを報知する音声、ならびに音声認識結果に応じたトークバック音声などである。
制御装置13は、車両が走行経路に沿って移動可能とするために、表示器18の画面に現在地周辺の道路地図を表示するとともに、車両の現在位置および進行方向を示す現在地マークを道路に重ねて表示する。この場合、車両の走行に伴って現在地の表示は、表示器18に表示された地図上を移動する。表示器18に表示された地図は、車両の現在位置に応じてスクロールされる。このとき、制御装置13は、車両の現在位置を道路上にあわせるマップマッチングを実施する。
通信部21は、例えば無線の通信回線38を経由して、配信サーバ12との間でデータ通信を行う。即ち、通信部21は、各種のデータの送信機能および受信機能を有する。
分岐点特定部22は、後述する簡易分岐点図を表示する対象となる複数の分岐点を特定する。この場合、分岐点特定部22は、案内経路上に存在する分岐点、あるいは、移動体である車両の進行方向に存在する分岐点を、複数の分岐点として特定する。なお、この分岐点特定部22を配信サーバ12に設ける構成も考えられる。
簡易分岐点図作成部23は、後述するようにして配信サーバ12が配信した分岐路パーツ(分岐点パーツに相当)に基づいて、複数の分岐点にそれぞれ対応する簡易分岐点図を作成して表示する。なお、この簡易分岐点図作成部23を移動体である車両の他の制御装置が実現する構成も考えられる。
簡易分岐点図表示部24は、簡易分岐点図作成部23が作成した簡易分岐点図を表示器18に表示する。なお、この簡易分岐点図表示部24を移動体である車両の他の制御装置が実現する構成も考えられる。
案内経路取得部25は、移動体である車両用の案内経路を特定するデータを通信部21を介して取得する。なお、この案内経路取得部25を配信サーバ12で実現する構成も考えられる。この場合、配信サーバ12は、車両用の案内経路を特定するデータを通信部42を介して外部の情報センター51,52などから取得し、その取得したデータをナビゲーション装置11に送信する。
配信パーツ保持部26は、配信サーバ12から配信された配信パーツを取得して、ナビゲーション装置11が備える記憶媒体に保持する。なお、この配信パーツ保持部26を移動体である車両の他の制御装置が実現する構成も考えられる。
配信パーツ消去部27は、分岐点特定部22によって特定された各分岐点にて、対応する分岐点図の表示がなされた後のタイミングである所定の消去タイミングで、配信パーツ保持部26が保持した配信パーツを消去する。なお、この配信パーツ消去部27を移動体である車両の他の制御装置が実現する構成も考えられる。
スケジュール更新要求部28は、所定時間経過ごと、あるいは、分岐点特定部22によって特定された各分岐点を車両が通過する度に、配信サーバ12にスケジュール更新要求を行う。
なお、図示はしないが、本実施形態においては、ナビゲーション装置11は、制御装置13のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、分岐点特定情報送信部をソフトウェアによって仮想的に実現する。この分岐点特定情報送信部は、分岐点特定部22によって特定された分岐点番号を、通信部21を介して配信サーバ12に送信する。
次に、配信サーバ12の構成について説明する。
配信サーバ12は、制御装置41、通信部42、分岐路パーツ保有部43などを備えている。制御装置41は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。配信サーバ12は、制御装置41のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、分岐路パーツ抽出部44、配信負荷演算部45、配信部46、配信スケジュール作成部47、配信スケジュール変更部48をソフトウェアによって仮想的に実現する。
通信部42は、例えば無線の通信回線38を経由して、各車両に搭載されたナビゲーション装置11との間でそれぞれデータ通信を行う。即ち、通信部42は、各種のデータの送信機能および受信機能を有する。また、通信部42は、例えば無線の通信回線38を経由して複数の情報センター51,52との間でもデータ通信を行い、これら情報センター51,52から各種の情報を取得する。情報センター51,52は、各地域に対応して複数設けられており、それぞれ、対応する地域に特化した情報を保有している。情報センター51,52が保有する情報には、対応する地域における渋滞情報、交通規制情報などの各種の交通情報のほか、対応する地域内に存在する、例えば図2に示すような分岐路の形状に対応した分岐路パーツが含まれる。この分岐路パーツは簡易分岐点図作成に必要なデータで、請求の範囲にいう分岐点パーツの一例であり、たとえば、分岐点を構成する分岐路ごとに作成されている。すなわち、本実施形態の簡易分岐点図は、この分岐路パーツの複数組み合わせで構成されるようになっている。
分岐路パーツ保有部43は、このような複数種類の分岐路パーツを保有するデータベースである。そして、本実施形態において、分岐路パーツ保有部43は、例えば後述する不図示の分岐路パーツ作成部によって作成された分岐路パーツを記憶するほか、情報センター51,52から取得した分岐路パーツを記憶する。データベース内では、各分岐点とその分岐点の簡易分岐点図作成に必要な分岐路パーツのデータが、分岐点番号に紐付けされて保存されている。また、各分岐点の形状(十字路、Y字路、三叉路など)に関する分岐点形状情報も分岐点番号に紐付けられている。すなわち、分岐点番号さえ決定すれば、その分岐点の簡易分岐点図作成に必要なデータが取得できるようになっている。
分岐路パーツ抽出部44は、ナビゲーション装置11の分岐点特定部22が特定した複数の分岐点について、これら分岐点にそれぞれ対応する簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツを分岐路パーツ保有部43から抽出する。具体的には、分岐路パーツ抽出部44は、ナビゲーション装置11から受信した分岐点特定情報(分岐点番号)に含まれる分岐点番号に基づいて簡易分岐点図を表示する対象となる分岐点の位置を特定するとともに、その分岐点に対応する簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツを分岐路パーツ保有部43から抽出する。この場合、分岐路パーツ抽出部44は、受信した分岐点特定情報に案内領域番号が含まれていない場合には、受信した分岐点番号に紐づく位置情報に基づいて、配信サーバ12が有する地図データから、その分岐点の案内領域を決定するようにしてもよい。
配信負荷演算部45は、分岐路パーツ抽出部44が抽出した分岐路パーツを、詳しくは後述する配信スケジュールに従ってナビゲーション装置11に配信した場合の負荷を複数の分岐点ごとに配信負荷として演算する。この配信負荷は、詳しくは後述するように、特定された各分岐点に対応して配信される配信パーツの総データ量に比例して大きくなるものである。また、この配信負荷は、ある分岐点(第1分岐点)に隣接する手前の分岐点(第2分岐点)で分岐路データの配信(取得)を行ってから当該第1分岐点で分岐路データの配信(取得)を行うまでに至る時間に反比例するものである。また、この配信負荷は、ある分岐点(第1分岐点)に隣接する手前の分岐点(第2分岐点)で消去パーツの消去を行ってから当該第1分岐点で分岐路パーツの配信(取得)を行うまでに至る時間に反比例し、かつ、当該第1分岐点と当該第2分岐点との共通パーツの数に比例するものである。
配信部46は、分岐路パーツ抽出部44が抽出した分岐路パーツを、配信負荷演算部45が演算した配信負荷に応じて、ナビゲーション装置11を搭載した車両が直近の分岐点に到達する前に当該ナビゲーション装置11に配信する。なお、この配信部46は、ナビゲーション装置11を搭載した車両が直近の分岐点に到達した後においても、分岐路パーツを配信することが可能である。
配信スケジュール作成部47は、ナビゲーション装置11にて分岐点特定部22によって特定された複数の各分岐点の手前において、当該ナビゲーション装置11に対してそれぞれ配信すべき分岐点パーツである配信パーツを定めた配信スケジュールを作成する。
配信スケジュール変更部48は、配信負荷演算部45によって演算された配信負荷に応じて配信スケジュールを変更する。即ち、配信スケジュール作成部47が作成した配信スケジュールに修正を加えるのである。
なお、図示はしないが、配信サーバ12は、制御装置41のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、分岐路パーツ作成部、分岐点特定情報受信部、配置指定データ作成部をソフトウェアによって仮想的に実現する。
分岐路パーツ作成部は、地図上に存在する分岐点(地図データに含まれる分岐点)を構成する分岐路ごとに分岐路パーツを作成する。この場合、分岐路パーツ作成部は、例えばシステム管理者が専用の分岐路パーツ作成ソフトを使用して、例えば図2に示す分岐路パーツV,W,X,Yなどを作成する構成である。
分岐点特定情報受信部は、ナビゲーション装置11の分岐点特定情報送信部が送信した分岐点特定情報を、通信部42を介して受信する。
配置指定データ作成部は、簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツ(分岐路パーツ保有部43から抽出した分岐路パーツ)の当該簡易分岐点図における配置態様などを指定する配置指定データを作成する。なお配置指定データは、分岐路パーツ保有部43に格納されている分岐点形状情報に基づいて作成されるものである。またこの配置指定データは、この場合、テキストデータとして作成される。この配置指定データには、分岐路パーツの配置態様(配置位置や配置方向)を指定する情報のほか、簡易分岐点図に配置された分岐路パーツが示す方向に存在する地点の名称(例えば、市町村名、施設名、地名など)や、その地点までの所要時間などの情報が含まれる。
次に、このような構成のナビゲーションシステム10の動作内容、即ち、ナビゲーション装置11の制御装置13および配信サーバ12の制御装置41による制御内容について説明する。図3は、ナビゲーション装置11の制御装置13および配信サーバ12の制御装置41が主として車両の走行開始時に実行する「スケジュールの送受信処理」の内容を示すフローチャートであり、図15は、ナビゲーション装置11の制御装置13および配信サーバ12の制御装置41が主として車両の走行中に随時実行する「簡易分岐点図の作成・表示処理」の内容を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、車両が走行を開始する前に案内経路が設定されていることを前提とする。
(1)スケジュールの送受信処理
この「スケジュールの送受信処理」は、車両の走行中に配信サーバ12からナビゲーション装置11に分岐路パーツを随時配信するためのスケジュール(主として、分岐路パーツを取得するタイミングとそのときに取得する分岐路パーツ、および、取得した分岐路パーツを消去するタイミングとそのときに消去する分岐路パーツを定めたスケジュール)を、車両が走行を開始する前に配信サーバ12において作成してナビゲーション装置11に予め送信するものである。
なお、車両が走行開始前に作成されるこれらスケジュールは、特定した各分岐点にそれぞれ対応する分岐路パーツ(各分岐点にそれぞれ対応する簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツ、即ち、必要パーツ)だけを、ナビゲーション装置11を搭載した車両が各分岐点に到達する前に取得、換言すれば、配信サーバ12から配信し、各分岐点を通過した後に消去するスケジュールである。すなわち、これらは、特許請求の範囲にいう一般配信スケジュールおよび一般消去スケジュールに対応する。つまり、ナビゲーション装置11は、これら一般スケジュールに従って、分岐点ごとに、その分岐点に対応する分岐路パーツを取得し消去するという動作を基本的に実行する。逆に、配信サーバ12は、一般配信スケジュールに従って、分岐点ごとに、その分岐点に対応する必要パーツをナビゲーション装置11に配信する動作を基本的に実行する。そして、この基本的な動作が、後述する特殊スケジュールによって変更可能となっているのである。
また、このスケジュールの送受信処理は、車両が走行を開始する前においてナビゲーション装置11によって当該車両の案内経路が設定されたときに実行されるものである。即ち、このスケジュールの送受信処理においては、車両の案内経路が設定されていることが前提となる。
図3に示すように、ナビゲーション装置11の制御装置13は、当該ナビゲーション装置11が搭載された車両の案内経路が設定されたことに応じて、この「スケジュールの送受信処理」を開始すると、設定された案内経路上に存在する全ての分岐点を特定して抽出する(ステップA1)。そして、制御装置13は、抽出した全ての分岐点を特定する情報(分岐点特定情報)に、設定された案内経路を特定する情報(案内経路特定情報)およびスケジュール要求情報(スケジュールの配信を要求する情報)を付加して配信サーバ12に送信する(ステップA2)。
配信サーバ12の制御装置41は、案内経路特定情報およびスケジュール要求情報が付加された分岐点特定情報を受信すると(ステップB1)、設定された案内経路(案内経路特定情報によって特定される案内経路)上に存在する全ての分岐点について、これら分岐点にそれぞれ対応する簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツを特定する(ステップB2)。また、制御装置41は、特定した分岐路パーツのうち複数の分岐点(案内経路上に存在する全ての分岐点のうち少なくとも2つ以上の分岐点)で共通に使用する分岐路パーツを共通分岐路パーツとして特定する(ステップB3)。
次に、制御装置41は、配信負荷の演算処理を実行する(ステップB4)。ここで、この配信負荷の演算処理について詳細に説明する。配信負荷とは、特定された分岐路パーツ(各分岐点にそれぞれ対応する簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツ:必要パーツ)をナビゲーション装置11に配信した場合の負荷(データ通信上の負荷)を、特定された分岐点ごとに演算したものである。この配信負荷に応じて、配信サーバ12では上記の一般スケジュールを変更し、特殊スケジュールを作成することとなる。
以下、配信負荷の演算、そして、その配信負荷に応じてスケジュールを作成(一般スケジュールおよび特殊スケジュールを作成)するまで処理について、具体例を挙げて説明する。
例えば、図4に示すように、設定された案内経路上に複数の分岐点1〜6(数字は分岐点番号に対応する)が存在するとする。そして、この場合、図5に示すように、案内経路上に存在する分岐点1〜6のうち、分岐点1に対応する必要パーツ(分岐点1に対応する簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツ)がパーツA,Bであり、分岐点2に対応する必要パーツがパーツC,Dであり、分岐点3に対応する必要パーツがパーツA,Bであり、分岐点4に対応する必要パーツがパーツEであり、分岐点5に対応する必要パーツがパーツF,G,H,Iであり、分岐点6に対応する必要パーツがパーツJであるとする。これらの情報は前述したように分岐路パーツ保有部43から抽出することができる。さて、この場合、ナビゲーション装置11は、基本的に前述の一般スケジュールに従って、例えば、車両が分岐点1に到達する手前で当該分岐点1に対応するパーツA,Bを取得し、車両が当該分岐点1を通過した後にパーツA,Bを消去する。また、車両が分岐点2に到達する手前でパーツC,Dを取得し、車両が当該分岐点2を通過した後にパーツC,Dを消去する。また、車両が分岐点3に到達する手前でパーツA,Bを新たに取得し、車両が当該分岐点3を通過した後にパーツA,Bを消去する。以降、分岐点4〜6についても同様である。なお、図6に示すように、各分岐路パーツA〜Jのデータ量はそれぞれ異なっている。
以上のような動作(分岐路パーツの取得および消去)を概念的に示すと図7のようになる。即ち、ナビゲーション装置11は、例えば、分岐点1に対応する分岐路パーツ(この場合、パーツA,B)を、車両が分岐点1に到達する前のタイミング(取得タイミングR1)で取得し、車両が分岐点1を通過した後のタイミング(消去タイミングE1)で消去する。この分岐点1における分岐路パーツのデータ配信量は、パーツA(50[KB])+パーツB(60[KB])で合計110[KB]である。
また、ナビゲーション装置11は、分岐点2に対応する分岐路パーツ(この場合、パーツC,D)を、車両が分岐点2に到達する前のタイミング(データ取得タイミングR2)で取得し、車両が分岐点2を通過した後のタイミング(データ消去タイミングE2)で消去する。この分岐点2における分岐路パーツのデータ配信量は、パーツC(40[KB])+パーツD(70[KB])で合計110[KB]である。ナビゲーション装置11は、このように、各分岐点1〜6にそれぞれ対応する分岐路パーツを、分岐路ごとに取得し消去する。
このような構成において、配信負荷Lは、たとえば次に示す(1)式によって定義される。
L=(1/tk−1→k+Ck−1→k/Tk−1→k)×Dk・・・・・式(1)
なお、「tk−1→k」は、分岐点k−1の手前で当該分岐点k−1に対応する分岐路パーツを取得してから次の分岐点kで当該分岐点kに対応する分岐路パーツを取得するまでの時間(予想時間)である。但し、k=1のとき、即ち、「t0→1」は、車両が案内経路の出発地を出発してからナビゲーション装置11が最初に分岐路パーツを取得するまでの時間(予想時間)である。「Tk−1→k」は、分岐点k−1を通過後に当該分岐点k−1に対応する分岐路パーツを消去してから次の分岐点kで当該分岐点kに対応する分岐路パーツを取得するまでの時間(予想時間)である。但し、k=1のとき、即ち、「T0→1」は、車両が案内経路の出発地を出発してからナビゲーション装置11が最初に分岐路パーツを取得するまでの時間(予想時間)である。「Ck−1→k」は、分岐点k−1に対応する分岐路パーツのうち分岐点kに対応する分岐路パーツと共通するパーツ、つまり、連続する2つの分岐点に共通に対応する分岐路パーツ(共通分岐路パーツ)の数である。「Dk」は、分岐点Kにおいて配信される分岐路パーツの総データ配信量である。
即ち、上記の式(1)によれば、「tk−1→k」が大きければ、通信頻度が減少することから、配信負荷Lが減少する。また、「Dk」が大きければ、データ配信量が増加することから、配信負荷Lが増加する。また、共通分岐路パーツが存在する場合において、「Tk−1→k」が小さければ、共通分岐路パーツを消去した直後に再び同じ共通分岐路パーツを取得し直すことになる。そのため、無駄な配信が増加することから、配信負荷Lも増加する。さらに、「Ck−1→k」が大きければ、つまり、共通分岐路パーツの数が多ければ、消去した直後に取得し直す共通分岐路パーツの数が多くなる。そのため、やはり無駄な配信が増加することから、配信負荷Lも増加する。このように定義すれば、分岐点ごとの配信負荷を精度良く演算することができるようになる。
配信サーバ12の制御装置41は、上記の式(1)に基づいて、各分岐点1〜6における配信負荷をそれぞれ演算する。
以上の処理(配信負荷の演算処理:ステップB4)を完了すると、制御装置41は、演算した各分岐点1〜6における配信負荷Lを、それぞれ予め設定した閾値Sと比較することにより、配信負荷Lが閾値Sを超えて異常に高い「高負荷分岐点」が存在するか否かを判断する(ステップB5)。なお、制御装置41は、各分岐点1〜6にそれぞれ対応する配信負荷Lが閾値Sよりも大きい場合、つまり、「配信負荷/閾値」が「1」よりも大きい場合に、その分岐点が高い負荷分岐点であると判断するようになっている。
この閾値Sは、次に示す(2)式によって定義される。すなわち、閾値Sは、配信サーバ12が配信可能なデータ容量に比例し、且つ、分岐点の手前において、配信サーバ12から同時に配信を受けるナビゲーション装置11の数に反比例する値である。
S=P/Nk・・・・・式(2)
なお、「P」は通信帯域の制限値であり、ナビゲーション装置11と配信センター12との間の通信に割り当てられる帯域の大きさ(制限された帯域の大きさであり、通信回線を土管に例えれば、その土管の太さ)を示す。この場合、ナビゲーション装置11と配信センター12との間の通信に割り当てられる帯域は制限されており、例えば、実際の帯域値(100パーセントの帯域値)を1000とすると、この実際の帯域値(1000)に安全係数(例えば、0.005)を乗算した値(5)が通信帯域の制限値Pとして設定される。このように、ナビゲーション装置11と配信センター12との間の通信に割り当てられる帯域を制限することにより、残りの帯域を他の通信(例えば、緊急通報に関する通信、その他の優先すべき通信など)に割り当てることが可能となる。「Nk」は、分岐点kにおいて自車両(当該自車両に搭載されたナビゲーション装置11)が配信サーバ12から分岐路パーツを取得する際に当該自車両の付近で配信センター12と通信するであろう他車両(当該他車両に搭載されたナビゲーション装置11)の予測台数(分岐点kおよびその付近において、自車両とほぼ同時に配信センター12と通信するであろう他車両の予測台数)である。このように閾値を定義すれば、各分岐点での交通状況の変化に応じて高負荷分岐点を精度良く特定することができるようになる。
なお、他車両の台数の予測は、各車両へ送信する配信スケジュール(データ配信タイミングすなわちデータ取得タイミング)に基づいて行うことができる。即ち、データの配信予定に基づいて他車両の台数を予測するのである。また、別の方法としては、例えば、分岐点kおよびその付近において、過去にほぼ同時に配信サーバ12と通信した車両(ナビゲーション装置11)の台数を記憶しておくことで、その記憶データに基づいて統計的に求めることができる。
配信サーバ12の制御装置41は、案内経路上に存在する分岐点1〜6について、上記の式(1)によって配信負荷Lを演算し、その配信負荷Lを上記の式(2)によって閾値Sと比較する。その結果、配信負荷Lが閾値Sを超えている場合には、その分岐点を「高負荷分岐点」として暫定的に特定する。
次に、高負荷分岐点を特定する方法について、さらに具体的に説明する。
配信サーバ12の制御装置41は、まず、各分岐点1〜6にそれぞれ対応する分岐路パーツのデータ取得タイミングRおよびデータ消去タイミングEをそれぞれ設定する。例えば、分岐点1に対応する分岐路パーツのデータ取得タイミングR1は、出発時刻(車両が案内経路の出発地を出発した時刻)、出発地から分岐点1までの距離(案内経路に沿った距離)、出発地から分岐点1までの交通状況、出発地から分岐点1までにおける車両の平均速度(なお、車両が走行していない場合には予め設定された所定速度とし、車両が走行を開始した場合(走行中)には実際の速度に更新するようにしてもよい)などから推測することができる。
具体的には、例えば、出発時時刻が「9時00分00秒」、交通状況が「良好」、車両の平均速度が「40km/h」、出発地から分岐点1までの距離が「1500m」であって、車両が「分岐点1の手前300m」に到達した時点をデータ取得タイミングR1として設定するという場合には、そのデータ取得タイミングR1は、およそ9時1分48秒(車両が出発地を出発してからおよそ108秒後)と設定することができる。
また、分岐点1に対応する分岐路パーツのデータ消去タイミングE1は、例えば、車両が分岐点1を通過するのに60秒(分岐点通過所要時間が60秒)を要すると推定して、9時2分48秒(分岐点1に対応する分岐路パーツを取得してから60秒後)と暫定的に設定することができる。なお、このようにデータ消去タイミングE1を設定したとしても、ナビゲーション装置11が実際に分岐路パーツを消去するためには、「車両が分岐点の中心を完全に通過したこと」が条件となる。また、分岐点通過所要時間は、上記のような所定値(60秒)に限られるものではなく、例えば、青信号により車両が停車することなく分岐点を通過するのに要する時間と、赤信号により車両が停車する時間も含めて当該車両が分岐点を通過するのに要する時間との平均値を求め、この平均値に、例えば交通渋滞の程度に応じた重み付けを乗算した値としてもよい。この場合、配信サーバ12の制御装置41は、信号機の点灯状態(青信号なのか、赤信号なのか)を示す情報を実際に取得した上で、分岐点通過所要時間を算出するようにしてもよい。
以上のようにして、案内経路上に存在する各分岐点1〜6について、それぞれデータ取得タイミングR1〜R6およびデータ消去タイミングE1〜E6をそれぞれ設定する。
次に、配信サーバ12の制御装置41は、上記の式(1),(2)における各種パラメータ(「tk−1→k」,「Tk−1→k」,「Ck−1→k」,「Dk」,「Nk」,「P」)を設定する。
ここで、制御装置41は、上記のようにして設定したデータ取得タイミングRおよびデータ消去タイミングEに基づいて、「tk−1→k」や「Tk−1→k」を算出する。また、制御装置41は、特定した分岐路パーツに基づいて、「Ck−1→k」や「Dk」を算出する。また、制御装置41は、外部から取得した交通情報や他車両の情報などに基づいて、「Nk」を推定する。なお、制御装置41は、この場合、通信帯域の制限値Pとして「6」を設定している。即ち、この場合、実際の帯域値は1000であり、安全係数は0.006である。
図8には、制御装置41が算出した上記の式(1),(2)における各種パラメータ(「tk−1→k」,「Tk−1→k」,「Ck−1→k」,「Dk」,「Nk」,「P」)の具体例を示している。
この場合、分岐点1(k=1)に対応する「tk−1→k」、つまり、「t0→1」は、上記のように算出した「108」秒であり、分岐点1(k=1)に対応する「Tk−1→k」、つまり、「T0→1」も、上記のように算出した「108」秒である。また、同様な計算の結果、分岐点2(k=2)に対応する「tk−1→k」、つまり、「t1→2」は「210」秒であり、分岐点2(k=2)に対応する「Tk−1→k」、つまり、「T1→2」は「150」秒であるものとする。つまり、この場合、分岐点2に対応する分岐路パーツの消去タイミングE2は、当該分岐路パーツの取得タイミングR2から60秒(210秒−150秒)後である。なお、他の分岐点2〜6についても、各分岐点2〜6に対応する分岐路パーツの消去タイミングEは、各分岐路パーツの取得タイミングRから60秒後に設定されている。また、この場合、「Ck−1→k」は、何れの分岐点1〜6においても「0」である。つまり、連続する2つの分岐点に共通に対応する分岐路パーツ(共通分岐路パーツ)は存在しない。また、例えば、分岐点1に対応する「Dk」、つまり、「D1」は、パーツA(50[KB])+パーツB(60[KB])で合計110[KB]である。また、分岐点2に対応する「Dk」、つまり、「D2」は、パーツC(40[KB])+パーツD(70[KB])で合計110[KB]である。
また、図8には、制御装置41が、上記の各種パラメータの具体例に基づいて、上記の式(1)により算出した配信負荷L、上記の式(2)により算出した閾値S、および、これら配信負荷Lと閾値Sとに基づいて算出した高負荷分岐点(配信負荷L/閾値Sが「1」を超える分岐点)の関係を示している。この場合、分岐点1,2,4,6は、配信負荷L/閾値Sの値が「1」を超えておらず、従って、高負荷分岐点ではないと判断できる。一方、分岐点3,5は、配信負荷L/閾値Sの値が「1」よりも大きくなっており、従って、高負荷分岐点であると判断できる。なお、配信負荷L/閾値Sの値が「1」の場合は、その分岐点を「高負荷分岐点である」と判断するようにしてもよいし、「高負荷分岐点でない」と判断するようにしてもよい。
なお、この図8には、現時点におけるスケジュールの内容も示している。即ち、各分岐点手前において、その分岐点に対応する簡易分岐点図の作成に必要な必要パーツだけを、配信サーバ12が配信するとともに、その配信データをナビゲーション装置11が取得し、各分岐点の通過後に、その取得した必要パーツを全て消去するという前述の一般スケジュールの内容も示している。
以上のようにして、配信サーバ12の制御装置41は、配信負荷の演算処理を実行し(ステップB4)、その配信負荷の演算処理の結果、案内経路上の分岐点に高負荷分岐点が存在するか否かを判断する(ステップB5)。この高負荷分岐点では、通信負荷が大きいため通信時間が増大し、簡易分岐点図を表示するまでに時間がかかってしまう可能性がある。そこで、このような表示遅れを抑止するために、案内経路上の分岐点に高負荷分岐点が存在する場合(ステップB5:YES)には、制御装置41は、「特殊スケジュール」を作成してナビゲーション装置11に送信する(ステップB6)。一方、案内経路上の分岐点に高負荷分岐点が存在しない場合(ステップB5:NO)には、制御装置41は、「一般スケジュール」を作成してナビゲーション装置11に送信する(ステップB7)。なお、制御装置41は、特殊スケジュール、或いは、一般スケジュールを送信する場合には、これら特殊スケジュール、或いは、一般スケジュールのコピーをナビゲーション装置11に送信する。これにより、ナビゲーション装置11と配信サーバ12は、同一の特殊スケジュール、或いは、同一の一般スケジュールを保有するようになる。
その後、配信サーバ12の制御装置41は、後述する「簡易分岐点図の作成・表示処理」により、当該配信サーバ12が保有する一般スケジュール、或いは、特殊スケジュールに従って、該当する分岐路パーツをナビゲーション装置11に随時配信する。一方、ナビゲーション装置11の制御装置13は、配信サーバ12から一般スケジュール、或いは、特殊スケジュールを受信すると(ステップA3:YES)、後述する「簡易分岐点図の作成・表示処理」により、その取得したスケジュールに従って、配信サーバ12から配信される分岐路パーツを受信する。なお、以降の動作については、後述の「簡易分岐点図の作成・表示処理」にて、さらに詳しく説明する。
次に、上記の「特殊スケジュール」および「一般スケジュール」を作成するための制御内容について図9を参照しながら説明する。
制御装置41は、上記のステップB5において、案内経路上の分岐点に高負荷分岐点が存在しないと判断した場合(ステップB5:NO)には、「一般スケジュール」を作成する(ステップC1)。ここで、図8を例にすれば、この一般スケジュールは、分岐点1に対応する分岐路パーツA,Bを、車両が当該分岐点1に到達する前(取得タイミングR1:この場合、9時01分48秒)に取得し、車両が当該分岐点1を通過した後(消去タイミング:この場合、9時02分48秒)に消去する、というスケジュールである。なお、このように分岐点ごとに、その分岐点に対応する分岐路パーツを取得して消去するスケジュール(一般消去スケジュール)では、保持パーツ(ナビゲーション装置11が取得した分岐路パーツのうち消去されることなく当該ナビゲーション装置11に保持されるパーツ)は、何れの分岐点1〜6についても「なし」となる。
一方、制御装置41は、上記のステップB5において、案内経路上の分岐点に高負荷分岐点が存在すると判断した場合(ステップB5:YES)には、その高負荷分岐点が最初(車両に直近)の分岐点のみであるか否かを判断する(ステップC2)。そして、高負荷分岐点が最初の分岐点のみでない場合(ステップC2:NO)には、制御装置41は、車両から最も遠い高負荷分岐点の手前(車両側)の全ての分岐点に、その高負荷分岐点と共通の分岐路パーツ(共通分岐路パーツ)を有する他の分岐点が存在するか否かを判断する(ステップC3)。そして、他の分岐点が存在しない場合(ステップC3:NO)には、制御装置41は、「共通分岐路パーツを考慮しない負荷の分散処理」を実行する(ステップC4)。一方、他の分岐点が存在する場合(ステップC3:YES)には、制御装置41は、「共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理」を実行する(ステップC5)。
共通分岐路パーツを考慮しない負荷の分散処理(ステップC4)では、制御装置41は、車両から最も遠い高負荷分岐点(例えば、図8に示す例では分岐点5)に対応する分岐路パーツF,G,H,Iのうち最もデータ量が小さいパーツG(10[KB])を1つ手前の分岐点4に移動させ、つまり、パーツGを分岐点4に対応する分岐路パーツ(サーバ側の配信パーツ・車両側の取得パーツ)として格納し、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、車両から最も遠い高負荷分岐点(分岐点5)が高負荷分岐点でなくなれば、その1つ手前の分岐点4が高負荷分岐点になったとしても、制御装置41は、この分散処理(ステップC4)を終了する。
一方、車両から最も遠い高負荷分岐点(分岐点5)が依然として高負荷分岐点である場合には、制御装置41は、パーツGを分岐点5に戻した上で(パーツGを分岐点5に対応する分岐路パーツとして格納した上で)、その高負荷分岐点(分岐点5)に対応する分岐路パーツF,G,H,Iのうち2番目にデータ量が小さいパーツI(20[KB])を1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、車両から最も遠い高負荷分岐点(分岐点5)が高負荷分岐点でなくなれば、その1つ手前の分岐点4が高負荷分岐点になったとしても、制御装置41は、この分散処理(ステップC4)を終了する。
一方、車両から最も遠い高負荷分岐点(分岐点5)が依然として高負荷分岐点である場合には、制御装置41は、パーツIを分岐点5に戻した上で、その高負荷分岐点(分岐点5)に対応する分岐路パーツF,G,H,Iのうち3番目にデータ量が小さいパーツH(30[KB])を1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。なお、分岐点5に対応する分岐路パーツF,G,H,IのうちパーツG(10[KB])とパーツI(20[KB])を組み合わせてもデータ量が合計で30[KB]となる。そのため、パーツH(30[KB])を1つ手前の分岐点4に移動させるのではなく、パーツGとパーツIを1つ手前の分岐点4に移動させるようにしてもよい。
以上のように、この分散処理(ステップC4)では、制御装置41は、車両から最も遠い高負荷分岐点に対応する分岐路パーツ(各パーツ単体、或いは、各パーツの組み合わせ)をデータ量(各パーツ単体のデータ量、或いは、各パーツの組み合わせの総データ量)が小さいものから順に当該高負荷分岐点の手前の分岐点に移動させる。そして、このような動作を、その高負荷分岐点の高負荷状態が解消されるまで繰り返す。なお、最も極端なパターンとしては、分岐点での配信負荷が高く、全ての分岐路パーツ単体、或いは、全ての各分岐路パーツの組み合わせを1つ手前の分岐点に移動させる場合もある。全て移動させてしまうと、配信負荷は式(1)によりゼロとなるため、必ず高負荷状態が解消される。以上のように、高負荷分岐点の高負荷状態が解消された時点で、この分散処理(ステップC4)を終了する。
一方、共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理(ステップC5)では、例えば図8にて、仮に車両から最も遠い高負荷分岐点が分岐点3であるとすると、制御装置41は、当該分岐点3に対応する分岐路パーツA,Bのうち共通分岐路パーツ(この場合、分岐点3の手前に存在する分岐点1と共通の分岐路パーツであり、この場合、分岐点3に対応する全ての分岐路パーツである分岐路パーツA,B)を優先的に1つ手前の分岐点2に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。なお、共通分岐路パーツは、例えば、データ量が小さい方(この場合、パーツA)から順に1つずつ移動させるようにしてもよいし、全ての共通分岐路パーツを一括で移動させるようにしてもよい。
その結果、分岐点3が高負荷分岐点でなくなれば、その1つ手前の分岐点2が高負荷分岐点になったとしても、制御装置41は、この分散処理(ステップC5)を終了する。一方、分岐点3が依然として高負荷分岐点である場合には、制御装置41は、すでに分岐点2に移動させた共通分岐路パーツA,Bを分岐点3に戻すことなく、その高負荷分岐点(分岐点3)に対応する分岐路パーツのうち共通分岐路パーツでないパーツ(非共通分岐路パーツ)を上述のステップC4の分散処理と同様に順次移動させ、その処理を、分岐点3の高負荷状態が解消されるまで繰り返す。そして、上記のステップC4と同様にして、対象の分岐点(ここでは分岐点3)の高負荷状態が解消された時点でこの分散処理(ステップC5)を終了する。
制御装置41は、上述の「共通分岐路パーツを考慮しない負荷の分散処理(ステップC4)」、或いは、「共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理(ステップC5)」を終了すると、その分散処理後において、案内経路上の分岐点に高負荷分岐点が存在するか否かを判断する(ステップC6)。高負荷分岐点が存在しない場合(ステップC6:NO)には、制御装置41は、その時点におけるパーツ状態(上述の分散処理によってパーツを移動した後の状態)を反映したスケジュールを「特殊スケジュール」として作成する(ステップC7)。一方、高負荷分岐点が存在する場合(ステップC6:YES)には、制御装置41は、これ以上の負荷の分散処理が不可能であるか否かを判断する(ステップC8)。なお、これ以上の負荷の分散処理が不可能である状態とは、例えば、高負荷分岐点が複数の分岐点のうち最初の分岐点(車両に直近の分岐点)のみとなった場合が考えられる。なお、ステップC8が否定判定の場合、上記ではステップC2に処理を戻していたが、ステップC2ではなく、ステップC3に処理を戻すように構成しても全く同じ処理を行うことができる。
制御装置41は、これ以上の負荷の分散処理が不可能である(ステップC8:YES)と判断すると、その時点におけるパーツ状態を反映したスケジュールを特殊スケジュールとして作成する(ステップC7)。一方、制御装置41は、これ以上の負荷の分散処理が可能である(ステップC8:NO)と判断すると、上記のステップC2に戻る。
次に、上記のフローに沿った動作を具体的に説明する。
まず、上述の図8に示す状態では、案内経路上の分岐点1〜6に高負荷分岐点3,5が存在し(ステップB5:YES)、且つ、高負荷分岐点が最初の分岐点1のみではない(ステップC2:NO)。そして、車両から最も遠い高負荷分岐点5の手前の全ての分岐点1〜4に、その高負荷分岐点5と共通の分岐路パーツを有する他の分岐点が存在しない(ステップC3:NO)。よって、制御装置41は、この場合、「共通分岐路パーツを考慮しない負荷の分散処理(ステップC4)」を実行する。
この負荷の分散処理(ステップC4)では、制御装置41は、まず、車両から最も遠い高負荷分岐点5に対応する分岐路パーツF,G,H,Iのうち最もデータ量が小さいパーツG(10[KB])を1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、パーツGを分岐点5に戻した上で、次に、2番目にデータ量が小さいパーツI(20[KB])を1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、パーツIを分岐点5に戻した上で、次に、3番目にデータ量が小さいパーツH(30[KB])を1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、パーツHを分岐点5に戻した上で、次に、組み合わせにより総データ量が30[KB](パーツHと同等のデータ量)となるパーツGおよびパーツIのセットを1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、パーツG,Iのセットを分岐点5に戻した上で、次に、組み合わせにより総データ量が40[KB](4番目に小さいデータ量)となるパーツGおよびパーツHのセットを1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、パーツG,Hを分岐点5に戻した上で、次に、組み合わせにより総データ量が50[KB](5番目に小さいデータ量)となるパーツHおよびパーツIのセットを1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、パーツH,Iのセットを分岐点5に戻した上で、次に、組み合わせにより総データ量が60[KB](6番目に小さいデータ量)となるパーツG,パーツH,パーツIのセットを1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、パーツG,H,Iのセットを分岐点5に戻した上で、次に、7番目にデータ量が小さいパーツF(80[KB])を1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、パーツFを分岐点5に戻した上で、次に、組み合わせにより総データ量が90[KB](8番目に小さいデータ量)となるパーツF,パーツGのセットを1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、パーツF,Gのセットを分岐点5に戻した上で、次に、組み合わせにより総データ量が100[KB](9番目に小さいデータ量)となるパーツF,パーツIのセットを1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態が解消される。即ち、分岐点5に対応する分岐路パーツF,G,H,IのうちパーツF,Iを1つ手前の分岐点4に移動させることで、分岐点5の高負荷状態が解消される。なお、パーツF,Iが分岐点4に移動されたことに伴い、当該分岐点4が新たに高負荷分岐点(高負荷状態)となる。
図10は、以上の分散処理の後の状態を示している。この場合、「D4」は、パーツE(20[KB])+パーツF(80[KB])+パーツI(20[KB])で合計120[KB]となり、「D5」は、パーツG(10[KB])+パーツH(30[KB])で合計40[KB]となる。
この状態では、案内経路上の分岐点1〜6に高負荷分岐点3,4が存在する(ステップC6:YES)。また、高負荷分岐点が最初の分岐点1のみではなく、しかも分岐点4には1つ手前の分岐点3に移動させることで当該分岐点4の高負荷状態を解消できそうな分岐路パーツが存在する。従って、これ以上の負荷の分散処理が可能である(ステップC8:NO、さらに、ステップC2:NO)と判断できる。
そこで、制御装置41は、この分岐点4の高負荷状態を解消すべく再び負荷の分散処理を実行する。なお、この場合、車両から最も遠い高負荷分岐点4の手前の全ての分岐点1〜3に、その高負荷分岐点4と共通の分岐路パーツE,F、Iを有する他の分岐点が存在しない。よって、制御装置41は、この場合も、共通分岐路パーツを考慮しない負荷の分散処理(ステップC4)を実行する。制御装置41は、上述したように、分岐点4に対応する分岐路パーツ(各パーツ単体、或いは、各パーツの組み合わせ)をデータ量(各パーツ単体のデータ量、或いは、各パーツの組み合わせの総データ量)が小さいものから順に1つ手前の分岐点3に移動する処理を、分岐点4の高負荷状態が解消されるまで繰り返す。この場合、パーツFを分岐点3に移動させることで、分岐点4の高負荷状態が解消される。なお、この時点におけるスケジュールでは、分岐点4に対応する取得パーツはパーツE,Iであり、消去パーツはパーツEである。よって、分岐点4に対応する保持パーツ(消去されずにナビゲーション装置11に残存するパーツ)としてパーツF,Iが残るようになる。
図11は、以上の分散処理の後の状態を示している。この場合、パーツFが分岐点4から分岐点3に移動していることから、「D3」は、パーツA(50[KB])+パーツB(60[KB])+パーツF(80[KB])で合計190[KB]となり、「D4」は、パーツE(20[KB])+パーツI(20[KB])で合計40[KB]となる。
この状態では、案内経路上の分岐点1〜6に高負荷分岐点3が存在する(ステップC6:YES)。また、高負荷分岐点が最初の分岐点1のみではなく、しかも分岐点3には1つ手前の分岐点2に移動させることで当該分岐点3の高負荷状態を解消できそうな分岐路パーツが存在する。従って、これ以上の負荷の分散処理が可能である(ステップC8:NO、さらに、ステップC2:NO)と判断できる。
そこで、制御装置41は、この分岐点3の高負荷状態を解消すべく再び負荷の分散処理を実行する。なお、この場合、車両から最も遠い高負荷分岐点3の手前の全ての分岐点1,2に、その高負荷分岐点3と共通の分岐路パーツA,Bを有する他の分岐点1が存在する。よって、制御装置41は、この場合には、共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理(ステップC5)を実行する。
この負荷の分散処理(ステップC5)では、制御装置41は、まず、現時点において高負荷分岐点3に対応する分岐路パーツA,B,F(上記の分散処理により分岐点4から移動された分岐路パーツを含む)のうち共通分岐路パーツA,B(この場合、分岐点1と共通の分岐路パーツA,B)を優先して1つ手前の分岐点2に移動させるが、さらに、その共通分岐路パーツA,Bのうち最もデータ量が小さいパーツAを優先して1つ手前の分岐点2に移動させる。そして、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点3の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、次に、共通分岐路パーツA,Bのうち2番目にデータ量が小さいパーツBを1つ手前の分岐点2に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。なお、このとき、制御装置41は、一旦分岐点2に移動させたパーツAを分岐点3に戻すという動作は行わない。よって、このとき、分岐点2には共通分岐路パーツA,Bが移動した状態となっている。
この状態における配信負荷の演算処理の結果、分岐点3の高負荷状態は解消されない。つまり、共通分岐路パーツA,Bを全て分岐点2に移動させても分岐点3の高負荷状態が解消されないことから、制御装置41は、次に、非共通分岐路パーツであるパーツFを分岐点2に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。なお、このとき、制御装置41は、一旦分岐点2に移動させたパーツA,Bを分岐点3に戻すという動作は行わない。よって、このとき、分岐点2には共通分岐路パーツA,B,Fが移動した状態となっている。
この状態における配信負荷の演算処理の結果、分岐点3の高負荷状態が解消される。なお、パーツA,B,Fが分岐点2に移動されたことに伴い、分岐点3に対応する分岐路パーツは皆無(パーツ数=0)となる。すなわち、この時点におけるスケジュールでは、分岐点3に対応する取得パーツ(配信サーバ12からみれば配信パーツ)は無く、分岐点3の通過後における消去パーツはパーツA,Bである。よって、分岐点3に対応する保持パーツとしてパーツFが残るようになる。また、分岐点4に対応する取得パーツはパーツE,Iであり、消去パーツはパーツEである。よって、分岐点4に対応する保持パーツとしてパーツIとパーツF(上記の分岐点3に対応する保持パーツ)とが残るようになる。
図12は、以上の分散処理の後の状態を示している。この場合、現時点において分岐点1に対応するパーツA,Bと、現時点において分岐点2に対応するパーツA,B,C,D,Fとでは、2つのパーツA,Bが共通する。よって、「C1→2」は「2」となる。また、「D2」は、パーツA(50[KB])+パーツB(60[KB])+パーツC(40[KB])+パーツD(70[KB])+パーツF(80[KB])で合計300[KB]となり、「D3」は、パーツ数が「0」であることから、合計0[KB]となる。
この状態では、案内経路上の分岐点1〜6に高負荷分岐点2が存在する(ステップC6:YES)。また、高負荷分岐点が最初の分岐点1のみではなく、しかも分岐点2には1つ手前の分岐点1に移動させることで当該分岐点2の高負荷状態を解消できそうな分岐路パーツが存在する。従って、これ以上の負荷の分散処理が可能である(ステップC8:NO、さらに、ステップC2:NO)と判断できる。
そこで、制御装置41は、この分岐点2の高負荷状態を解消すべく再び負荷の分散処理を実行する。なお、この場合、車両から最も遠い高負荷分岐点2の手前に、その高負荷分岐点2と共通の分岐路パーツA,Bを有する他の分岐点1が存在する。よって、制御装置41は、この場合にも、共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理(ステップC5)を実行する。この負荷の分散処理(ステップC5)では、制御装置41は、まず、現時点において高負荷分岐点2に対応する分岐路パーツC,D,A,B,F(上記の分散処理により分岐点3から移動された分岐路パーツを含む)のうち最もデータ量が小さい共通分岐路パーツAを優先して1つ手前の分岐点1に移動させる。そして、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点2の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、次に、共通分岐路パーツA,Bのうち2番目にデータ量が小さいパーツBを1つ手前の分岐点1に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。なお、このときも、分岐点1には共通分岐路パーツA,Bが移動した状態となっている。
図13は、共通分岐路パーツA,Bを1つ手前の分岐点1に移動させた状態を示している。この状態における配信負荷の演算処理の結果、分岐点2は依然として高負荷分岐点であり、高負荷状態は解消されない。
つまり、共通分岐路パーツA,Bを全て分岐点1に移動させても分岐点2の高負荷状態が解消されないことから、制御装置41は、次に、非共通分岐路パーツC,D,Fのうち最もデータ量が小さいパーツCを分岐点1に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。なお、このとき、制御装置41は、一旦分岐点1に移動させた共通分岐路パーツA,Bを分岐点2に戻すという動作は行わない。よって、このとき、分岐点1には、共通分岐路パーツA,B、および、非共通分岐路パーツCが移動した状態となっている。
この状態における配信負荷の演算処理の結果、分岐点2の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、パーツCを分岐点2に戻した上で、次に、非共通分岐路パーツC,D,Fのうち2番目にデータ量が小さいパーツDを分岐点1に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点2の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、パーツDを分岐点2に戻した上で、次に、非共通分岐路パーツC,D,Fのうち3番目にデータ量が小さいパーツFを分岐点1に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、図14に示すように、分岐点2の高負荷状態が解消される。即ち、分岐点2に対応する分岐路パーツC,D,A,B,FのうちパーツA,B,Fを1つ手前の分岐点1に移動させることで、分岐点2の高負荷状態が解消される。また、これにより、案内経路上の全ての分岐点1〜6に高負荷分岐点が全く存在しない状態となる(ステップC8:YES)。よって、制御装置41は、その時点におけるスケジュール情報を特殊スケジュール情報として作成する(ステップC6)。なお、この時点におけるスケジュール(特殊スケジュール)では、分岐点1に対応する取得パーツはパーツA,B,Fであり、また、消去パーツから当初のパーツA,Bが削除されている。よって、分岐点1に対応する保持パーツとしてパーツA,B,Fが残るようになる。
以上が、スケジュールの送受信処理の内容である。
つまり、走行前開始において、配信サーバ12では、特定された各分岐点における分岐路パーツの配信・消去を定めるスケジュールの作成においては、基本的に一般(配信・消去)スケジュールを作成する。そして、ある分岐点での配信で高負荷状態が予測される場合には、その高負荷状態を解消すべく一般配信スケジュールを変更するようにした。
その一例としては、高負荷状態の分岐点における配信パーツの少なくとも一部を当該高負荷分岐点よりも手前の分岐点における配信パーツに含めるように配信パーツの内容(各分岐点に対応するパーツ)を変更することで、一般配信スケジュールを変更するようにした。
そして、スケジュールの変更に伴って、手前の分岐点の消去タイミングでは、高負荷分岐点の分岐点図の表示に用いる分岐路パーツについては消去しないように一般消去スケジュールを変更するようにした。
このようにしたことで、高負荷分岐点が存在した場合であっても、その配信負荷をたとえば手前の分岐点にて分散させるので、配信サーバ12からナビゲーション装置11への分岐点パーツの配信を一層効率よく行うことができ、ひいては通信時間増大による分岐点図表示の表示遅れなどを抑止することにつながる。
また、特に、高負荷分岐点における配信パーツのうち、この分岐点よりも手前の分岐点における配信パーツと共通の分岐路パーツ(共通パーツ)を優先して手前の分岐点における配信パーツに含めるように配信スケジュールを変更するようにした。
つまり、高負荷分岐点での配信パーツのうち、それより手前の分岐点との共通パーツを当該手前の分岐点で配信してしまえば、配信スケジュールを変更したとしても、実質的に手前の分岐点における配信パーツが変化(増加)することはない。
このようにすれば、配信サーバ12からナビゲーション装置11への分岐路パーツの配信をより一層効率よく行うことができ、ひいては通信時間増大による分岐点図表示の表示遅れなどを抑止することにつながる。
そして、本実施形態では、特に、最も遠い高負荷分岐点を起点として、順次隣接する手前の分岐点へと配信負荷を分散していくようにした。これにより、たとえば高負荷分岐点が複数存在したとしても、全ての分岐点について配信負荷をなるべく分散することができるようになる。
(2)簡易分岐点図の作成・表示処理
次に、「簡易分岐点図の作成・表示処理」の内容について説明する。この簡易分岐点図の作成・表示処理は、上述のスケジュールの送受信処理によってナビゲーション装置11に送信された一般スケジュール、或いは、特殊スケジュールに基づいて、ナビゲーション装置11が車両の走行中に配信サーバ12から分岐路パーツを随時取得し、その取得した分岐路パーツによって「簡易分岐点図」を作成して表示する処理である。
図15に示すように、ナビゲーション装置11の制御装置13は、車両が走行を開始すると、図16に示すように、表示器18の地図表示に重ねて車両の現在位置Nを表示する(ステップD1)。そして、制御装置13は、車両の現在位置Nが当該車両の進行方向に存在する直近の分岐点を含む案内領域g内に進入したか否かを判断する(ステップD2)。なお、案内領域gの大きさは、例えば、対象となる分岐点(車両から直近の分岐点)から所定距離内(例えば、300メートル)の領域として固定して設定してもよいが、これに限られるものではない。即ち、案内領域gの大きさは、可変としてもよく、例えば車両の速度に応じて、車両が高速であれば低速の場合よりも大きく変更するように構成してもよい。
制御装置13は、車両の現在位置Nが案内領域g内に進入したと判断すると(ステップD2:YES)、車両の現在位置Nが分岐点(この場合、分岐点1)に近付いたとして、当該分岐点1を特定する分岐点特定情報を配信サーバ12に送信する(ステップD3)。なお、この分岐点特定情報の送信処理は、ナビゲーション装置11が配信サーバ12から予め取得したスケジュールに含まれる取得タイミングに従って行われるものであり、従って、制御装置13は、各分岐点に近づくごとに、その分岐点を特定する分岐点特定情報を配信サーバ12に送信する。
配信サーバ12の制御装置41は、分岐点特定情報を受信すると(ステップE1)、その分岐点特定情報によって特定される分岐点に対応する簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツを分岐路パーツ保有部43から抽出する(ステップE2)。この場合、制御装置41は、分岐点特定情報(分岐点番号)に対応づけられた分岐点形状情報を参照し、たとえば分岐点1の形状は、車両の進行方向(図16では上方向)に沿って直線状に延びる4車線の道路に対し、直線状の2車線の道路が左方に延び、直線状の3車線の道路が右側斜め後方(図16では右側斜め下方)に延び、曲線状の3車線の道路が右側前方(図16では右側上方)に延びる形状であることを認識する。すなわち、分岐点形状情報には、分岐点に接続する分岐路の道路種別(車線数など)やその接続方向(分岐点中心からどの方角に伸びているか)などの情報が含まれる。また、データベース(分岐路パーツ保有部43)を参照することで、この分岐点1の形状に対応する簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツは、図2に示す直線状の4車線の分岐路パーツVと、直線状の2車線の分岐路パーツWと、直線状の3車線の分岐路パーツXと、曲線状の3車線の分岐路パーツYであることを認識する。つまり、この場合、制御装置41は、分岐点番号に基づいて分岐路パーツ保有部43から分岐路パーツV,W,X,Yを抽出する。
そして、制御装置41は、分岐点番号に紐づいてデータベースが保有している分岐点形状情報に基づき、簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツの当該簡易分岐点図における配置態様などを指定する配置指定データを作成する(ステップE3)。この場合、制御装置41は、「分岐路パーツVを複製した上で、一方の分岐路パーツVを簡易分岐点図における配置位置[1]に前向きに配置し、他方の分岐路パーツVを簡易分岐点図における配置位置[5]に前向きに配置する」、「分岐路パーツWを簡易分岐点図における配置位置[3]に左向きに配置する」、「分岐路パーツXを簡易分岐点図における配置位置[8]に右側斜め後方向きに配置する」、「分岐路パーツYを簡易分岐点図における配置位置[6]に右側前方向きに配置する」といった分岐路パーツV,W,X,Yの配置態様(配置位置や配置方向)を指定する情報を配置指定データに含ませる。なお、制御装置41は、各分岐路パーツV,W,X,Yがそれぞれ延びる方向に存在する地点の名称や分岐点から当該各地点までの所要時間を示す情報などを配置指定データに含ませるようにしてもよい。そして、制御装置41は、分岐路パーツ抽出部44が抽出した分岐路パーツおよび配置指定データ作成部が作成した配置指定データを、通信部42を介してナビゲーション装置11に配信する(ステップE4)。
ナビゲーション装置11の制御装置13は、配信サーバ12から配信された分岐路パーツおよび配置指定データを受信すると(ステップD4)、受信した分岐路パーツおよび配置指定データに基づいて簡易分岐点図を作成する(ステップD5)。この場合、制御装置13は、上記内容の分岐路パーツおよび配置指定データに基づいて、図17に示す簡易分岐点図Gを作成する。即ち、制御装置13は、分岐路パーツVを複製した上で、一方の分岐路パーツVを簡易分岐点図における配置位置[1]に前向きに配置し、他方の分岐路パーツVを簡易分岐点図における配置位置[5]に前向きに配置する。また、分岐路パーツWを簡易分岐点図における配置位置[3]に左向きに配置し、分岐路パーツXを簡易分岐点図における配置位置[8]に右側斜め後方向きに配置し、分岐路パーツYを簡易分岐点図における配置位置[6]に右側前方向きに配置する。なお、制御装置13は、配置指定データに地点の名称を示す情報や当該地点までの所要時間を示す情報などが含まれている場合には、各配置位置に配置した各分岐路パーツの近傍に、対応する地点の名称や当該地点までの所要時間を配置する(例えば、図17に示す「地点P:○○分」、「地点Q:△△分」、「地点R:□□分」、「地点S:◎◎分」など)。
次に、制御装置13は、所定の表示タイミングであるか否かを判断する(ステップD6)。この場合、所定の表示タイミングとして、車両が、対象となる分岐点(この場合、分岐点1)の中心部から所定距離(例えば、150メートル)の地点まで近づいたタイミングが設定されている。なお、このステップD6における所定距離(表示タイミングを決めるための所定距離)は、上述のステップD2における所定距離(案内領域gを決めるための所定距離)よりも短く設定されている。即ち、車両がステップD2における所定距離の地点からステップD6における所定距離の地点まで走行するまでに、ナビゲーション装置11が配信サーバ12からの配信データの取得を完了して簡易分岐点図を作成・表示できるように、ステップD2における所定距離がステップD6における所定距離よりも長く設定されているのである。
そして、制御装置13は、所定の表示タイミングになると(ステップD6:YES)、図18に示すように、作成した簡易分岐点図Gを、表示器18に表示されている地図に重ねて表示する(ステップD7)。なお、図示はしないが、表示器18に地図以外の要素が表示されている場合であっても、この簡易分岐点図Gは、図18に示す如く画面の一部に割り込み表示される。
制御装置13は、簡易分岐点図Gを表示すると、取得したスケジュールに含まれる消去タイミングに従って、不要な分岐路パーツ(消去パーツ欄で指定されているパーツ)を消去する(ステップD8)。なお、スケジュールに含まれる消去タイミングはあくまでも推定されたものであり、実際には、分岐路パーツを消去するための条件として「車両が分岐点の中心部を完全に通過したこと」が付加される。即ち、消去タイミングに到達したとしても、車両が分岐点の中心部を完全に通過していない場合には、分岐路パーツは消去されないようになっている。
制御装置13は、不要な分岐路パーツを消去すると、車両が案内経路の目的地に到着したか否かを判断する(ステップD9)。制御装置13は、車両が案内経路の目的地に到着していない場合(ステップD9:NO)には、ステップD2に戻り、次の分岐点2を含む案内領域g内に進入したか否かを判断する。
以上に説明したように本実施形態によれば、簡易分岐点図を表示するために配信サーバ12からナビゲーション装置11に配信するデータとして、分岐路ごとに作成された分岐路パーツのうち簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツと、その分岐路パーツの当該簡易分岐点図における配置態様を指定する配置指定データとを配信する構成とした。これにより、簡易分岐点図を表示するために配信サーバ12からナビゲーション装置11に配信するデータのサイズを小さくすることができ、通信費や通信時間の低減化を図ることができる。
また、配信サーバ12からナビゲーション装置11への分岐路パーツの配信は、複数の分岐路ごとにそれぞれ演算された配信負荷(抽出された分岐路パーツ、つまり、各分岐点にそれぞれ対応する簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツをナビゲーション装置11に配信した場合の通信負荷)に応じて行われる。これにより、配信サーバ12からナビゲーション装置11への分岐路パーツの配信動作を一層効率良く実行することができる。以上が第1の実施形態についての説明である。
さて、第1の実施形態において、特定した各分岐点での配信負荷および閾値(すなわち高負荷分岐点になるかの基準)は、車両(移動体)の走行開始前の時点でのものである。走行開始後においては、これら配信負荷および閾値は、当然ながら交通事情などの変化に応じて時々刻々と変化する。つまり、第1の実施形態に示す方法ですでに作成された配信スケジュールや消去スケジュールが、現実にそぐわなくなる場合もある。また、ユーザが案内経路を変更したり別経路を選択したり移動体が案内経路を逸脱する場合もある。こういった場合も、すでに作成された旧経路でのスケジュールでは対応ができなくなる。
そこで、車両の走行開始後においては、これらスケジュールを状況に応じて更新する必要がある。後述する第2の実施形態、第3の実施形態では、スケジュールの更新処理を含めた走行開始後の例を説明するが、まずその前提となる動作について図19を参照して説明する。図19は、この更新処理を行うための端末装置側と配信サーバ側の基本的動作を示すフローチャートである。
即ち、ナビゲーション装置11の制御装置13は、車両が走行を開始すると、所定の更新タイミングであるか否かを判断する(ステップH1)。なお、所定のタイミングとしては、例えば、車両が案内経路中に存在する各分岐点のそれぞれに所定距離まで接近したタイミングを設定することができる。また、分岐点間の旅行時間(ある分岐点間を車両が通過するのに要する時間)が長い場合には、その分岐点間の途中の地点に車両が到達したタイミングを設定することも可能である。
制御装置13は、所定の更新タイミングである場合(ステップH1:YES)には、詳しくは後述する第2の実施形態に示す制御を実行する。一方、制御装置13は、所定のタイミングでない場合(ステップH1:NO)には、案内経路の変更(リルート)が行われたか否かを判断する(ステップH2)。
制御装置13は、リルートが行われた場合(ステップH2:YES)には、詳しくは後述する第3の実施形態に示す制御を実行する。一方、制御装置13は、リルートが行われていない場合(ステップH2:NO)には、ステップH1に戻り、所定のタイミングであるか否かを判断する。このように、ナビゲーション装置11の制御装置13は、車両の走行開始後においては、スケジュールを更新するための条件(この場合、所定のタイミングであること、または、リルートされたこと)が満たされたか否かを繰り返し判断するようになっている。なお、車両の走行開始後に制御装置13が最初に判断する条件は、所定のタイミングであるか否かの判断(ステップH1)に限定されるものではなく、リルートされたか否かの判断(ステップH2)を最初に行うように構成してもよい。
そして、車両の走行開始後において所定の条件が満たされた場合には、ナビゲーション装置11側から配信サーバ12側へスケジュールの更新要求をし、配信サーバ12側では、この要求を受けてスケジュールを更新する。そして、その更新したスケジュールに基づいて、分岐点パーツの配信(取得)・消去を行う。これにより、車両の走行開始後に、時々刻々と交通状況などが変化した場合や、ユーザが当初の案内経路を破棄した場合であっても、配信サーバ12からナビゲーション装置11への分岐点パーツの配信を正確かつ効率よく行えるようになる。
以下、走行開始後に交通状況などが変化した場合のスケジュール更新処理(第2の実施形態)、および、ユーザが当初の案内経路を変更した場合のスケジュール更新処理(第3の実施形態)について、それぞれ、より詳しく説明する。
(第2の実施形態)
本実施形態は、車両が走行を開始した後において、交通状況などの変化に応じてスケジュールを作成(更新)しナビゲーション装置11に送信する例を示す。即ち、本実施形態は、一旦ナビゲーション装置11に送信したスケジュールを交通状況などの変化に応じて更新する実施形態である。
図20に示すように、本実施形態では、ナビゲーション装置11の制御装置13は、保持パーツ記憶部61(配信パーツ保持手段の一例に相当)を備えている。この保持パーツ記憶部61は、ナビゲーション装置11が配信サーバ12から受信した分岐路パーツのうち消去されることなく当該ナビゲーション装置11に保持されている分岐路パーツを保持パーツとして記憶する記憶媒体である。また、ナビゲーション装置11は、制御装置13のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、通知部62をソフトウェアによって仮想的に実現する。この通知部62は、保持パーツ記憶部61に記憶されている分岐路パーツ(保持パーツ)を特定する情報を、通信部21を介して配信サーバ12に通知する。
本実施形態では、配信サーバ12の制御装置41は、ナビゲーション装置11から通知された保持パーツ(残存パーツに相当)も考慮してスケジュールの更新処理を実行する。次に、このスケジュールの更新処理について説明する。なお、本実施形態では、設定された案内経路の変更(リルート)は行われていないものとする。
車両が走行を開始する前において、例えば第1の実施形態にて説明した図14に示す特殊スケジュールがナビゲーション装置11に配信された場合、車両の走行中における分岐路パーツの取得動作および消去動作は、図21に概念的に示すように行われる。そして、車両が実際に走行を開始すると、配信サーバ12の制御装置41は、図22に示すように、上記の式(1)を構成するパラメータ「tk−1→k」およびパラメータ「Tk−1→k」、式(2)を構成するパラメータ「Nk」に変化が生じたか否かを判断する(ステップF1)。なお、制御装置41は、車両が走行を開始したことに伴いナビゲーション装置11の制御装置13が送信する車両の位置情報に基づいて、車両が走行を開始したか否か(車両が走行中であるか否か)を判断する。また、制御装置41は、情報センター51,52や他車両などから得られる各種情報に基づいて、交通状況(パラメータ「tk−1→k」,「Tk−1→k」,「Nk」)に変化が生じたか否かを判断する。例えば渋滞が生じている場合、パラメータ「tk−1→k」,「Tk−1→k」,「Nk」には、それぞれ変化が生じる。
制御装置41は、各パラメータの何れにも変化が生じていない場合(ステップF1:NO)には、現スケジュール(車両が走行を開始する前に予め取得した(配信された)スケジュール)を維持すべく、この処理を終了する。一方、制御装置41は、各パラメータの少なくとも何れか1つに変化が生じている場合(ステップF1:YES)には、その変化後の各種パラメータを適用して配信負荷の演算処理を実行する(ステップF2)。そして、制御装置41は、配信負荷の演算処理の結果、案内経路上の分岐点に高負荷分岐点が存在するか否かを判断する(ステップF3)。制御装置41は、案内経路上の分岐点に高負荷分岐点が存在しない場合(ステップF3:NO)には、現スケジュール(車両が走行を開始する前に予め取得した(配信された)スケジュール)を維持すべく、この処理を終了する。一方、制御装置41は、案内経路上の分岐点に高負荷分岐点が存在する場合(ステップF3:YES)には、更新スケジュールの作成処理(ステップF4)を実行して更新スケジュールを作成し、その更新スケジュールをナビゲーション装置11に配信(ステップF5)する。
次に、上記の更新スケジュールの作成処理(ステップF4)について具体的に説明する。この更新スケジュールの作成処理は、交通状況(各パラメータ「tk−1→k」,「Tk−1→k」,「Nk」)の変化に応じて配信負荷の演算処理を行った結果、案内経路上の分岐点に高負荷分岐点が存在する場合において、所定の更新タイミングで実行されるものである。なお、更新タイミングは、例えば分岐路パーツの取得タイミング(例えば、分岐点1に対応する分岐路パーツの取得タイミングが「9時01分48秒」であれば、その手前のタイミング)に合わせて設定するようにしてもよい。また、更新タイミングは、ある分岐点に対応する分岐路パーツの消去タイミングから次の分岐点に対応する分岐路パーツの取得タイミングまでの時間が、現在のスケジュール(更新前のスケジュール)において所定時間(例えば2分)以上であれば、その消去タイミングから所定時間経過後のタイミングを設定してもよい。即ち、例えば分岐点1に対応する分岐路パーツの消去タイミングが「9時03分00秒」であって次の分岐点2に対応する分岐路パーツの取得タイミングが「9時05分30秒」である場合には、その中間時点である「9時04分15秒」を更新タイミングとして設定してもよい。
ここで、現スケジュール(車両が走行を開始する前に予め取得した(配信された)スケジュール、図14参照)において、ナビゲーション装置11が実際に分岐点1に対応する分岐路パーツを取得した時刻(実績)が取得タイミング通り「9時01分48秒」であったとする(図23参照)。そして、ナビゲーション装置11が当該分岐点1に対応する分岐路パーツを消去したタイミングが消去タイミングから12秒遅れて「9時03分00秒」であったとする(図24参照)。この場合、配信サーバ12の制御装置41は、図24に示すように、以降の取得タイミングおよび消去タイミング(この場合、分岐点2〜6にそれぞれ対応する取得タイミングおよび消去タイミング)を遅れた時間(この場合、12秒)ずつ繰り下げる。
そして、さらに、分岐点2以降の分岐点において交通状況が変化したとする。ここでは、例えば、分岐点3付近で渋滞が発生し、一方、分岐点4付近では混雑が解消され、分岐点4から分岐点5へは短時間で到達できるような交通状況に変化したとする。すると、これに伴い、図25に示すように、各パラメータ「tk−1→k」,「Tk−1→k」,「Nk」も図14に比べ変化する(ステップF1:YES)。そこで、制御装置41は、その変化したパラメータを適用して配信負荷の演算処理を実行する(ステップF2)。その結果、分岐点5が新たに高負荷分岐点(高負荷状態)となる(ステップF3:YES)。そこで、制御装置41は、更新スケジュールの作成処理(ステップF4)を実行する。
即ち、制御装置41は、まず、図26に示すように、未通過の分岐点(この場合、分岐点2)以降に対応するスケジュールを一般スケジュールの状態にリセットする。これは、すでに現実にそぐわなくなった可能性がある現スケジュールを破棄するためである。なお、この場合、ナビゲーション装置11には、分岐点1において取得した分岐路パーツA,B,Fが保持パーツとして残っている。そのため、一般スケジュールの状態にリセットされると、分岐点2に対応する消去データには、これら分岐路パーツA,B,Fも含まれることになる。
次に、制御装置41は、上述の第1の実施形態に示したものと同様に、未通過の分岐点(分岐点2)以降のスケジュールを作成し直す。
即ち、制御装置41は、図27に示すステップB5において、案内経路上の未通過の分岐点に高負荷分岐点が存在しないと判断した場合(ステップB5:NO)には、一般スケジュールを作成する(ステップG1)。
一方、制御装置41は、上記のステップB5において、案内経路上の未通過の分岐点に高負荷分岐点が存在すると判断した場合(ステップB5:YES)には、その高負荷分岐点が未通過の分岐点のうちで最初(車両に直近)の分岐点のみであるか否かを判断する(ステップG2)。そして、高負荷分岐点が未通過の分岐点のうちで最初の分岐点のみでない場合(ステップG2:NO)には、制御装置41は、車両から最も遠い高負荷分岐点の手前の全ての未通過の分岐点に、その高負荷分岐点と共通の分岐路パーツを有する他の分岐点が存在するか否か、或いは、ナビゲーション装置11が現時点で保持している保持パーツ(この場合、分岐点1に対応する分岐路パーツのうち消去されずにナビゲーション装置11に残っている分岐路パーツ)の中に、その高負荷分岐点と共通の分岐路パーツが含まれているか否かを判断する(ステップG3)。そして、他の分岐点が存在しない場合、或いは、保持パーツの中に共通の分岐路パーツが含まれていない場合(ステップG3:NO)には、制御装置41は、共通分岐路パーツを考慮しない負荷の分散処理(ステップG4)を実行する。一方、他の分岐点が存在する場合(ステップG3:YES)には、制御装置41は、共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理(ステップG5)を実行する。なお、共通分岐路パーツを考慮しない負荷の分散処理(ステップG4)および共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理(ステップG5)の内容は、第1の実施形態にて上述したものと同様である。
制御装置41は、共通分岐路パーツを考慮しない負荷の分散処理(ステップG4)、或いは、共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理(ステップG5)を終了すると、その分散処理後において、案内経路上の未通過の分岐点に高負荷分岐点が存在するか否かを判断する(ステップG6)。高負荷分岐点が存在しない場合(ステップG6:NO)には、制御装置41は、その時点におけるパーツ状態(上述の分散処理によってパーツを移動した後の状態)を反映したスケジュールを特殊スケジュールとして作成する(ステップG7)。一方、高負荷分岐点が存在する場合には(ステップG6:YES)には、制御装置41は、これ以上の負荷の分散処理が不可能であるか否かを判断する(ステップG8)。
制御装置41は、これ以上の負荷の分散処理、或いは、分岐路パーツを保持パーツに移動させる処理が不可能である(ステップG8:YES)と判断すると、その時点におけるパーツ状態を反映したスケジュールを特殊スケジュールとして作成する(ステップG7)。一方、制御装置41は、これ以上の負荷の分散処理、或いは、分岐路パーツを保持パーツに移動させる処理が可能である(ステップG8:NO)と判断すると、上記のステップG2に戻る。ここで、本実施形態では、制御装置41は、ステップG8にて「YES」と判断した場合(直近の分岐点が高負荷分岐点となった場合)には、詳しくは図示しないが、その分岐点での分岐路パーツを保持パーツに移動させる処理が可能かどうかを判断する。なお、分岐路パーツを保持パーツに移動させる処理は、高負荷分岐点に対応する分岐路パーツを保持パーツに移動(格納)させることで、その高負荷分岐点の高負荷状態の解消を図るための処理である。制御装置41は、ステップG8にて「YES」と判断し、この処理が可能であると判断すれば、分岐路パーツを保持パーツに移動させた上でスケジュールを作成する。一方、制御装置41は、この処理が不可能であると判断すれば、その時点での状態でスケジュールを作成する(ステップG7)。
次に、上記のフローに沿った動作を具体的に説明する。
まず、上述したように図25に示す状態では、高負荷分岐点5が存在するため、これを一般スケジュールにリセット(図26参照)する。そして各分岐点での配信負荷を再演算する。すると、図28に示すように、未通過の分岐点3,5が高負荷分岐点となる(ステップB5:YES)。且つ、その高負荷分岐点が未通過の分岐点のうち最初の分岐点2のみではない(ステップG2:NO)。そして、車両から最も遠い高負荷分岐点5の手前の全ての未通過の分岐点2〜4に、その高負荷分岐点5と共通の分岐路パーツを有する他の分岐点が存在しないが、ナビゲーション装置11が現時点で所持(保持)している所持データ(保持パーツA,B,F)の中に、その高負荷分岐点5と共通の分岐路パーツFが含まれている(ステップG3:YES)。よって、制御装置41は、共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理(ステップG5)を実行する。
この負荷の分散処理(ステップG5)では、制御装置41は、まず、車両から最も遠い高負荷分岐点5に対応する分岐路パーツF,G,H,Iのうち共通分岐路パーツFを優先して1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態は解消されない。つまり、共通分岐路パーツFを優先して分岐点4に移動させても分岐点5の高負荷状態が解消されないことから、制御装置41は、次に、非共通分岐路パーツのうち1番目にデータ量が小さいパーツG(10[KB])を分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。なお、このとき、制御装置41は、一旦分岐点4に移動させた共通分岐路パーツFを分岐点5に戻すという動作は行わない。よって、このとき、分岐点4には分岐路パーツF,Gが移動した状態となっている。
その結果、分岐点5の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、非共通分岐路パーツGを分岐点5に戻した上で、次に、2番目にデータ量が小さい非共通分岐路パーツI(20[KB])を1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、非共通分岐路パーツIを分岐点5に戻した上で、次に、組み合わせにより総データ量が30[KB]となるパーツGおよびパーツIのセットを1つ手前の分岐点4に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点5の高負荷状態が解消される。即ち、分岐点5に対応する分岐路パーツF,G,H,Iのうち共通分岐路パーツFおよび非共通分岐路パーツG,Iを1つ手前の分岐点4に移動させることで、分岐点5の高負荷状態が解消される。
図29は、以上の分散処理の後の状態を示している。この状態では、案内経路上の未通過の分岐点2〜6に高負荷分岐点3が存在する(ステップG6:YES)。また、高負荷分岐点が未通過の分岐点のうち最初の分岐点2のみではなく、しかも分岐点3には1つ手前の分岐点2に移動させることで当該分岐点3の高負荷状態を解消できそうな分岐路パーツが存在する。従って、これ以上の負荷の分散処理が可能である(ステップG8:NO、さらに、ステップG2:NO)と判断できる。そこで、制御装置41は、この分岐点3の高負荷状態を解消すべく再び負荷の分散処理を実行する。なお、この場合、車両から最も遠い高負荷分岐点3の手前の全ての未通過の分岐点2に、その高負荷分岐点3と共通の分岐路パーツA,Bを有する他の分岐点が存在しないが、ナビゲーション装置11が現時点で所持(保持)している所持データ(保持パーツA,B,F)の中に、その高負荷分岐点3と共通の分岐路パーツA,Bが含まれている(ステップG3:YES)。よって、制御装置41は、この場合も、共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理(ステップG5)を実行する。
この負荷の分散処理(ステップG5)では、制御装置41は、まず、車両から最も遠い高負荷分岐点3に対応する共通分岐路パーツA,Bのうち最もデータ量が小さい共通分岐路パーツAを優先して1つ手前の分岐点2に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点3の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、次に、2番目にデータ量が小さい共通分岐路パーツBを1つ手前の分岐点2に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。なお、このとき、制御装置41は、一旦分岐点2に移動させた共通分岐路パーツAを分岐点3に戻すという動作は行わない。よって、このとき、分岐点2には分岐路パーツA,Bが移動した状態となっている。
その結果、分岐点3の高負荷状態が解消される。即ち、分岐点3に対応する全ての分岐路パーツ、即ち、共通分岐路パーツA,Bを1つ手前の分岐点2に移動させることで、分岐点3の高負荷状態が解消される。
図30は、以上の分散処理の後の状態を示している。この状態では、案内経路上の未通過の分岐点2〜6に高負荷分岐点2が存在する(ステップG6:YES)。そして、その高負荷分岐点は、未通過の分岐点のうち最初の分岐点2である。従って、これ以上の負荷の分散処理が不可能である(ステップG8:YES)と判断できる。しかし、ここで、制御装置41は、以下の処理を実行する。
即ち、この時点における分岐点2に対応する分岐路パーツA,B,C,DのうちパーツA,Bは、分岐点1において既に取得され保持パーツ(所持データ)として残存している。そこで、制御装置41は、分岐点2に対応するパーツA,Bを保持パーツに移動(所持データとして格納)する。換言すれば、制御装置41は、分岐点2に対応する分岐路パーツA,Bのうち保持パーツと共通するパーツA,Bを当該分岐点2に対応する分岐路パーツから削除する。即ち、制御装置41は、分岐点2では分岐路パーツA,Bを配信せず(ナビゲーション装置11に分岐路パーツA,Bを新たに取得させず)、現時点でナビゲーション装置11に保持パーツとして残存しているパーツA,Bを利用するスケジュールを組むのである。これにより、現時点における保持パーツA,B,FのうちパーツA,Bについては分岐点2に対応する消去データから削除される。即ち、保持パーツA,Bは、車両が分岐点2を通過した後に削除されるパーツから除外される(保持されることが確定する)。一方、現時点における保持パーツA,B,FのうちパーツFについては分岐点2に対応する消去データから削除されない。即ち、保持パーツFは、車両が分岐点2を通過した後に削除される(保持されることが確定しない)。
このようにすれば、更新前の消去スケジュールでは消去予定の分岐点パーツであっても、更新後の消去スケジュールでは消去されなくなる。これにより、消去すべきでないパーツを消去してしまうことがなくなる。つまり、消去すべきでないパーツを消去してしまい当該パーツを改めて配信しなければならないという事態が発生しないようになる。よって、配信サーバ12からナビゲーション装置11への分岐点パーツの配信をより一層効率よく行うことができ、ひいては通信時間増大による分岐点図表示の表示遅れなどを抑止することにつながる。
さて、図31は、以上の処理の後の状態を示している。この状態では、案内経路上の未通過の分岐点2〜6に高負荷分岐点が全く存在しない。
以上に説明したように本実施形態によれば、交通状況や混雑状況などの変化に柔軟に対応しながら、配信サーバ12からナビゲーション装置11への分岐路パーツの配信処理を行うことができ、ひいては、ナビゲーション装置11における簡易分岐点図の作成・表示処理も円滑に行うことができる。即ち、交通状況などに応じて配信負荷を適切に分散させることで、通信の遅延や処理の遅延を抑止することができ、これにより、ナビゲーション装置11は、進行方向の前方に存在する分岐点に対応する簡易分岐点図を、必要なタイミングでユーザに提示することができ、安全運転・快適運転を支援することができる。
また、本実施形態では、当初のスケジュールをリセットした上で配信負荷を再演算するので、当初のスケジュールにとらわれることなく、その時点における交通状況などに応じたスケジュールに更新することができる。よって、特に、交通状況などが大きく変化した場合に有効である。
なお、本実施形態の変形例として、更新スケジュールの作成処理(ステップF4)において、未通過の分岐点以降に対応するスケジュールを一般スケジュールの状態にリセットしないようにしてもよい。このような変形例は、特に、交通状況などの変化が小さく、当初のスケジュールの一部を流用できる場合などに有効である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、車両が走行を開始した後において案内経路が変化(リルート)した場合に、そのリルート後の案内経路に応じてスケジュールを作成(更新)しナビゲーション装置11に送信する例を示す。即ち、本実施形態は、一旦ナビゲーション装置11に送信したスケジュールを案内経路の変化に応じて更新する実施形態である。なお、ここでは、図32に示すように、当初の案内経路(出発地→分岐点1→分岐点2→分岐点3→分岐点4→分岐点5→分岐点6→目的地)が、車両が走行を開始した後に、リルート後の案内経路(出発地→分岐点1→分岐点2→分岐点7→分岐点8→分岐点9→分岐点6→目的地)に変更された場合の例を示す。
なお、分岐点7,8,9に対応する簡易分岐点図の構成に必要な分岐点パーツの対応は、例えば図33に示す通りである。即ち、分岐点7に対応する簡易分岐点図にはパーツH,Jが必要であり、分岐点8に対応する簡易分岐点図にはパーツA,C,Dが必要であり、分岐点9に対応する簡易分岐点図にはパーツH,Iが必要であるものとする。
さて、車両が、例えば図14に示す特殊スケジュールに従って分岐路パーツを取得しながら走行している場合おいて、例えば分岐点2の消去タイミングの手前で当初予定していた退出路(この場合、分岐点2から分岐点3につながる退出路)とは異なる退出路(この場合、分岐点2から分岐点7につながる退出路)に当初のスケジュール通りに進行したとする。そして、それに応じて、ナビゲーション装置11において案内経路がリルートされたとする。このとき、ナビゲーション装置11の制御装置13は、分岐点2を通過した後における分岐路パーツの消去動作を実行せず、リルート後の案内経路、スケジュールの更新要求、車両の現在位置、現時点におけるスケジュールの消化状況を示す情報(現時点のスケジュールをどこまで実行したのかを示す情報)、現時点における所持データ(保持パーツ)を示す情報(残存パーツ情報に相当)などの各情報を、配信サーバ12に送信する。
これを受けて、配信サーバ12の制御装置41は、リルート後の案内経路について、第1の実施形態に示した処理(スケジュールの送受信処理)と同様の処理を実行する。ここで、リルート後の案内経路における各分岐点1,2,7,8,9,6にそれぞれ対応する分岐路パーツは、図34に示す通りである。この場合、現時点における保持パーツ(分岐点1に対応する取得タイミングで取得されたパーツA,B,F、および、分岐点2に対応する取得タイミングで取得されたパーツC,D)も考慮すれば、分岐点8に対応する分岐路パーツA,C,Dは、共通分岐路パーツの特定処理(図3に示すステップB3の処理)において、共通分岐路パーツとして特定することも可能である。しかし、ここではまず、共通分岐路パーツの特定処理において、現時点における保持パーツ(この場合、パーツA,B,C,D,F)を考慮しないものとする。よって、この場合、共通分岐路パーツは、分岐点7,9に共通のパーツHと、分岐点7,6に共通のパーツJである。
次に、制御装置41は、未通過の分岐点(この場合、分岐点7,8,9,6)について、それぞれ配信負荷の演算処理を実行する。この場合、制御装置41は、最新の交通状況(最新のパラメータ)も加味して配信負荷を演算する。即ち、例えば各分岐点7,8,9,6の混雑状況や、各分岐点7,8,9,6における予測台数(Nk)の変化も加味して、各分岐点について配信負荷を演算するのである。また、この配信負荷の演算において、制御装置41は、リルート後の案内経路のうち未通過の分岐点について、スケジュールの内容を一般スケジュールにリセットした上で演算を行う。即ち、リルート後の案内経路が、例えば、出発地→分岐点1→分岐点2→分岐点7→分岐点8→分岐点4→分岐点5→分岐点6→目的地となった場合には、当初の案内経路に含まれていた分岐点4,5,6のスケジュールの内容も一般スケジュールにリセットするのである。なお、本実施形態においては、未通過の分岐点のうち新経路(リルート後の案内経路)と旧経路(リルート前の案内経路)に共通の分岐点について、スケジュールの内容を一般スケジュールにリセットする例を示したが、当然ながらスケジュールの内容を一般スケジュールにリセットしないようにしてもよい。
図34は、当初のスケジュールについて最新の交通状況を反映し、且つ、未通過の分岐点7,8,9のスケジュールの内容を一般スケジュールにリセットした状態を示している。つまり、分岐点7,8,9はリルート後に新規に出現する未通過の分岐点であるので、まずは一般スケジュールをセットするのである。
次に、図27に示すフローチャートと同様の処理によって更新スケジュールを作成する。以下、順を追って説明する。まず、この状態では、案内経路上の未通過の分岐点7,8,9,6に高負荷分岐点8,6が存在する。また、高負荷分岐点が未通過の分岐点のうち最初の分岐点7のみではない。そこで、制御装置41は、最も遠い分岐点6の高負荷状態を解消すべく再び負荷の分散処理を実行する。なお、この場合、車両から最も遠い高負荷分岐点6の手前の全ての未通過の分岐点7,8,9の中に、その高負荷分岐点6と共通の分岐路パーツJを有する他の分岐点7が存在する。よって、制御装置41は、この場合、「共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理」を実行する。
この負荷の分散処理では、制御装置41は、まず、車両から最も遠い高負荷分岐点6に対応する共通分岐路パーツJを優先して1つ手前の分岐点9に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。なお、この場合、分岐点6に対応する分岐路パーツはパーツJのみである。このように、対応するパーツが1つのみである場合には、共通分岐路パーツであるのか非共通分岐路パーツであるのか、また、共通分岐路パーツを優先するのかしないのか、を考慮しないようにしてもよい。
その結果、分岐点6の高負荷状態が解消される。即ち、分岐点6に対応する全ての分岐路パーツ、即ち、共通分岐路パーツJを1つ手前の分岐点9に移動させることで、分岐点6の高負荷状態が解消される。なお、このとき、新たに分岐点9が高負荷分岐点となる。
図35は、以上の分散処理の後の状態を示している。この状態では、案内経路上の未通過の分岐点7,8,9,6に高負荷分岐点8,9が存在する。また、高負荷分岐点が未通過の分岐点のうち最初の分岐点7のみではなく、しかも最も遠い分岐点9には1つ手前の分岐点8に移動させることで当該分岐点9の高負荷状態を解消できそうな分岐路パーツが存在する。従って、これ以上の負荷の分散処理が可能であると判断できる。そこで、制御装置41は、この分岐点9の高負荷状態を解消すべく再び負荷の分散処理を実行する。なお、この場合、車両から最も遠い高負荷分岐点9の手前の全ての未通過の分岐点7,8,9の中に、その高負荷分岐点9と共通の分岐路パーツH,Jを有する他の分岐点7が存在する。よって、制御装置41は、この場合も、「共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理」を実行する。
この負荷の分散処理では、制御装置41は、まず、車両から最も遠い高負荷分岐点9に対応する共通分岐路パーツH,Jのうち最もデータ量が小さい共通分岐路パーツH(30[KB])を優先して1つ手前の分岐点8に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点9の高負荷状態が解消される。即ち、分岐点9に対応する共通分岐路パーツH,Jのうち最もデータ量が小さいパーツHを1つ手前の分岐点8に移動させることで、分岐点9の高負荷状態が解消される。
図36は、以上の分散処理の後の状態を示している。この状態では、案内経路上の未通過の分岐点7,8,9,6に高負荷分岐点8が存在する。また、高負荷分岐点が未通過の分岐点のうち最初の分岐点7のみではなく、しかも分岐点8には1つ手前の分岐点7に移動させることで当該分岐点8の高負荷状態を解消できそうな分岐路パーツが存在する。従って、これ以上の負荷の分散処理が可能であると判断できる。そこで、制御装置41は、この分岐点8の高負荷状態を解消すべく再び負荷の分散処理を実行する。なお、この場合、車両から最も遠い高負荷分岐点8の手前に、その高負荷分岐点8と共通の分岐路パーツHを有する他の分岐点7が存在する。よって、制御装置41は、この場合も、「共通分岐路パーツを考慮した負荷の分散処理」を実行する。
この負荷の分散処理では、制御装置41は、まず、車両から最も遠い高負荷分岐点8に対応する分岐路パーツA,C,D,Hのうち最もデータ量が小さい共通分岐路パーツであるパーツHを優先して1つ手前の分岐点7に移動させ、その状態(図37に示す状態)で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
その結果、分岐点8の高負荷状態は解消されないことから、制御装置41は、さらに分岐路パーツを1つ手前の分岐点7に移動させる処理を試みる。ここで、現時点における保持パーツ(パーツA,B,C,D,F)を考慮しない場合に共通分岐路パーツと判断されるパーツHは既に分岐点7に移動している。そこで、制御装置41は、現時点における保持パーツも考慮して、次に分岐点7に移動させる分岐路パーツを決定する。即ち、現時点における保持パーツA,B,C,D,Fを考慮すると、現時点において分岐点8に対応する分岐路パーツA,C,Dは、保持パーツと共通する共通分岐路パーツと判断できる。そして、制御装置41は、これら共通分岐路パーツA,C,Dのうち最もデータ量が小さいパーツC(40[KB])を、次に分岐点7に移動するパーツとして決定する。
制御装置41は、このように決定したパーツCを分岐点7に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。
図38は、パーツCを分岐点7に移動させた状態を示している。この状態においても(パーツCを分岐点7に移動させても)、分岐点8の高負荷状態は解消されない(なお、この場合、さらに分岐点7が新たに高負荷分岐点となる)。そのため、制御装置41は、次に、共通分岐路パーツA,C,Dのうち2番目にデータ量が小さいパーツA(50[KB])を分岐点7に移動させ、その状態で、再度、配信負荷の演算処理を実行する。なお、このとき、制御装置41は、一旦分岐点7に移動させた分岐路パーツCを分岐点8に戻すという動作は行わない。よって、このとき、分岐点7には分岐路パーツA,Cが移動した状態となっている。
その結果、分岐点8の高負荷状態が解消される。即ち、分岐点8に対応する分岐路パーツA,Cを1つ手前の分岐点7に移動させることで、分岐点8の高負荷状態が解消される。
すなわち、上記では高負荷分岐点の高負荷状態解消のため、高負荷分岐点での配信パーツの中で、それより手前の分岐点での配信(取得)予定の分岐点パーツとの共通パーツ(共通配信パーツ)を優先して隣接する手前の分岐点の配信パーツへ変更(移動)させる処理を行う。ここで、処理中に高負荷分岐点において移動すべき共通配信パーツがなくなった場合には、さらに現時点での保持パーツとの共通パーツ(共通保持パーツ)を優先して移動する処理を行う。
このように、高負荷分岐点の配信パーツのうち共通パーツをなるべく優先して手前の分岐点の配信パーツに変更する処理を行うので、配信サーバから端末装置への分岐点パーツの配信をより一層効率よく行うことができ、ひいては通信時間増大による分岐点図表示の表示遅れなどを抑止することにつながる。
図39は、以上の分散処理の後の状態を示している。この状態では、案内経路上の未通過の分岐点7,8,9,6に高負荷分岐点7が存在する。そして、その高負荷分岐点は、未通過の分岐点のうち最初の分岐点である。従って、これ以上の負荷の分散処理が不可能であると判断できる。しかし、ここで、制御装置41は、以下の処理を実行する。
即ち、この時点における分岐点7に対応する分岐路パーツA,C,H,JのうちパーツA,Cは、分岐点1,2において既に取得され、しかも保持パーツ(所持データ)として残存している。そこで、制御装置41は、分岐点7に対応するパーツA,Cのうち最もデータ量が小さいパーツCを保持パーツに移動(所持データとして格納)する。換言すれば、制御装置41は、分岐点7に対応する分岐路パーツA,C,H,Jのうち保持パーツと共通するものであって最もデータ量が小さいパーツCを当該分岐点7から削除する。即ち、制御装置41は、分岐点7では分岐路パーツCを取得せず、保持パーツとして残存しているパーツCを利用するスケジュールを組むのである。これにより、現時点における保持パーツA,B,C,D,FのうちパーツCについては分岐点2に対応する消去データから削除される。即ち、保持パーツCは、車両が分岐点2を通過した後に削除されるパーツから除外される(保持されることが確定する)。
図40は、以上の処理を実行した後の状態を示している。この状態でも、高負荷分岐点7の高負荷状態が解消されない。よって、制御装置41は、次に、分岐点7に対応するパーツA,C(現時点における保持パーツと共通するパーツ)のうち2番目にデータ量が小さいパーツAを保持パーツに移動(所持データとして格納)する。換言すれば、制御装置41は、分岐点7に対応する分岐路パーツA,C,H,Jのうち保持パーツと共通するものであって2番目にデータ量が小さいパーツAを当該分岐点7から削除する。即ち、制御装置41は、分岐点7では分岐路パーツAを取得せず、保持パーツとして残存しているパーツAを利用するスケジュールを組むのである。これにより、現時点における保持パーツA,B,C,D,FのうちパーツAについては分岐点2に対応する消去データから削除される。即ち、保持パーツAは、車両が分岐点2を通過した後に削除されるパーツから除外される(保持されることが確定する)。
図41は、以上の処理の後の状態を示している。この状態では、案内経路上の未通過の分岐点7,8,9,6に高負荷分岐点が全く存在しない。なお、現時点における保持パーツA,B,C,D,FのうちパーツB,D,Fについては分岐点2に対応する消去データから削除されない。即ち、保持パーツB,D,Fは、車両が分岐点2を通過した後に削除される(保持されることが確定しない)。
以上に説明したように本実施形態によれば、当初の案内経路が変更された場合(リルートされた場合)においても、その変更後の案内経路に係る最新の交通状況などに応じて、配信サーバ12からナビゲーション装置11への分岐路パーツの配信処理を行うことができ、ひいては、ナビゲーション装置11における簡易分岐点図の作成・表示処理も円滑に行うことができる。
また、本実施形態の例では、リルート時における保持パーツA,B,C,D,FのうちパーツDは分岐点8に必要である。そのため、当該パーツDを、そのまま保持し続けるという制御も考えられる。しかし、例えば、リルート時から車両が分岐点8に到達するまでの時間(旅行時間)が長い場合などにおいては、パーツDを一旦消去して再び分岐点8の手前で取得するという制御を行った方が、ナビゲーション装置11側(車両側)の限られたメモリ領域を占有しないという点ではより好ましい場合もある。このように、共通分岐路パーツであっても、ある共通分岐路パーツについては一旦消去しておいて必要なときに再び取得する、また、ある共通分岐路パーツについては消去せずにそのまま保持し続ける、といった制御が可能となる。
つまり、単に共通分岐路パーツであるという条件のみで当該分岐路パーツを一律に保持し続ける構成では、ナビゲーション装置11のメモリ資源を無駄に占有してしまう場合があるが、本実施形態によれば、このような無駄なメモリ資源の占有を抑止することができる。
なお、本実施形態は、例えば、スケジュールが更新(上述の第2の実施形態参照)された後に案内経路が変更(リルート)された場合にも適用可能である。すなわち第2の実施形態および第3の実施形態を同時に適用することが可能である。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。上述の各実施形態では、ナビゲーション装置11において設定された案内経路上に存在する全ての分岐点に対応する分岐路パーツを配信サーバ12からナビゲーション装置11に配信する例を示した。これに対して、本実施形態は、車両に直近の分岐点(直近分岐点)以外の分岐点(非直近分岐点)で共通に使用する分岐路パーツを配信サーバ12からナビゲーション装置11に配信する例を示す。
即ち、ナビゲーション装置11の分岐点特定部22は、車両に直近の分岐点を直近分岐点として特定するとともに、当該直近分岐点からナビゲーション装置11(車両)の進行方向であって所定距離内に存在する複数の分岐点を非直近分岐点として特定する。なお、この場合の所定距離は、適宜変更して設定することができる。また、この所定距離は固定としてもよいし、例えば車両の速度などに応じて可変としてもよい。
一方、配信サーバ12の分岐路パーツ抽出部44は、各分岐点にそれぞれ対応する簡易分岐点図を作成するために必要な分岐路パーツのうち複数の非直近分岐点で共通に使用する分岐路パーツを共通分岐路パーツとして抽出する。
また、配信サーバ12の配信部46は、分岐路パーツ抽出部44が抽出した共通分岐路パーツ(複数の非直近分岐点で共通に使用する分岐路パーツ)を、車両が直近分岐点に到達する前に、当該ナビゲーション装置11に配信する。
例えば、図42に示す例では、直近分岐点は分岐点αであり、非直近分岐点は分岐点β,γである。この場合、分岐路パーツ抽出部44は、2つの非直近分岐点β,γで共通に使用する分岐路パーツEを共通分岐路パーツとして抽出する。そして、配信部46は、車両が直近分岐点αに到達する前に、その共通分岐路パーツEをナビゲーション装置11に配信する。なお、分岐路パーツAについては、2つの非直近分岐点β,γで共通に使用する分岐路パーツであるが、直近分岐点αでも共通に使用する分岐路パーツでもある。そのため、この分岐路パーツAは、分岐路パーツ抽出部44が共通分岐路パーツとして抽出する対象から除外される。
本実施形態によっても、将来使用することになる分岐路パーツEを、車両が直近の分岐点αに到達する前に予めナビゲーション装置11に配信することができ、配信サーバ12からナビゲーション装置11への分岐路パーツの配信動作を効率良く実行することができる。なお、本構成は特に案内経路を取得しない場合にも適用できる点で有利である。
(その他の実施形態)
本発明は、上述した各実施形態にのみ限定されるものではなく、例えば次のように変形または拡張することができる。
例えば、ある分岐点にほぼ同時に到達しそうな車両M,Nが存在する場合において、車両Mについてはその分岐点が案内経路中の1番目の分岐点(車両Mに直近の分岐点)であるのに対し、車両Nについてはその分岐点が案内経路中の2番目以降の分岐点である場合(車両Nに直近の分岐点でない場合)には、車両Nよりも車両M(その分岐点が案内経路中の1番目の分岐点となる車両)に対して、例えば安全係数を高く設定することにより、通信帯域を多く割り当てるようにしてもよい。これにより、車両に近い分岐点における配信負荷が集中的に高くなることを抑止するのである。
つまり、上記の実施形態のように、隣接した分岐点同士で手前側へと配信負荷を分散する処理を行うと、移動体(あるいは端末装置であるナビゲーション装置11)にとって直近の分岐点の配信負荷が高まる傾向となる。
そこで、このように、ある分岐点で同時配信を受ける端末装置が複数あった場合、その分岐点が直近の分岐点であるような端末装置については閾値を優遇する。つまり、その分岐点が直近の分岐点に該当する端末装置については、閾値を他の端末装置よりも大きな値とすることで、この分岐点が高負荷分岐点となりにくくするのである。これにより、配信サーバ12から端末装置への分岐点パーツの配信をより一層効率よく行うことができ、ひいては通信時間増大による分岐点図表示の表示遅れなどを抑止することにつながる。
複数の分岐点が所定の狭い領域内に密集している場合には、これら密集した複数の分岐点を1つの分岐点群として扱うようにしてもよい。例えば、図7に示す例において、分岐点2,3,4が狭い領域内に密集している場合には、分岐点2に対応する分岐路パーツC,Dと、分岐点3に対応する分岐路パーツA,Bと、分岐点4に対応する分岐路パーツEとを1つのグループ(群)として扱うことも可能である。即ち、分岐路パーツA,B,C,D,Eを1つの分岐点群に対応する分岐路パーツとしてまとめて扱うように構成してもよい。
このようにしても、通信頻度(通信量)が低減されるため、配信サーバから端末装置への分岐点パーツの配信をより一層効率よく行うことができ、ひいては通信時間増大による分岐点図表示の表示遅れなどを抑止することにつながる。
また、上記の実施形態にて、分岐点形状情報については予め分岐路パーツ保有部43に格納されているものとして説明したが、これに限らず、たとえばナビゲーション装置11の地図データ記憶部に各分岐点の分岐点形状情報が格納されており、ナビゲーション装置11から分岐点番号とともに分岐点形状情報を配信サーバ12に通知するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、車両に搭載されたナビゲーション装置11を端末装置として説明したが、システムの構成はこれに何ら限定されない。たとえば、人が携帯可能な携帯電話を含む携帯端末装置を端末装置とすることができる。その場合、端末装置には、少なくとも、制御装置13、地図データ入力部15、GPS受信器34、地図データ記憶部35、操作スイッチ部16、外部メモリ17、表示器18、スピーカ17、通信部21、分岐点特定部22、簡易分岐点図作成部23、簡易分岐点図表示部24、案内経路取得部25、配信パーツ保持部26、配信パーツ消去部27、スケジュール更新要求部28などを備える構成とすればよい。
また、端末装置が携帯端末であると、表示器18の大きさがある程度制限されてしまうため、人が車両を運転操作して移動する場合には、より視認性を向上させる必要がある。そこで、この場合には携帯端末の表示器18の表示を、車両側に大画面のディスプレイに表示させるようにしてもよい。これは携帯端末と車両側に無線あるいは有線接続のインターフェースを設けることで実現される。具体例として、無線接続であれば、たとえばBluetooth、Wi−Fi(Wireless・Fidelity)(いずれも登録商標)といった規格を用いることが可能である。また、有線接続であれば、たとえばUSB(Universal Serial Bus)が適用できる。
また、上記の実施形態では、分岐点特定部22は端末装置(ナビゲーション装置11)側にあったが、これに限らず、配信サーバ12側にあってもよい。その場合、端末装置側から走行方向あるいは案内経路情報を通信(走行方向通知手段・案内経路通知手段:これらは、主として制御装置13,41および通信部21,43によって構成すればよい)を介して配信サーバ12側に通知し、配信サーバ12側で走行方向あるいは案内経路上に存在する分岐点を特定すればよい。
また、案内経路は、配信サーバ12側で演算するようにしてもよい。その場合、地図データ記憶部35は配信サーバ12側に配置するようにし、端末装置側から現在位置情報や目的地情報を取得し、それら情報に基づいて経路を演算する。それを、端末装置側に通信を介して通知すればよい。なお、この場合、配信サーバ12側は地図データを有し、必要に応じて参照するよう構成しておけばよい。
本発明が対象とする分岐点図としては、分岐点の形状などを簡易的に示す簡易分岐点図に限られるものではなく、例えば、分岐点の形状などを詳細に示す詳細分岐点図であってもよい。
本発明は、上述の実施形態を同時に適用することも可能である。