JP5291847B1 - 油脂組成物及び当該油脂組成物を用いたベーカリー食品、並びに当該ベーカリー食品を用いた複合食品 - Google Patents

油脂組成物及び当該油脂組成物を用いたベーカリー食品、並びに当該ベーカリー食品を用いた複合食品 Download PDF

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Abstract

本発明は、ベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品において、経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームを抑制することのできるベーカリー食品用の油脂組成物を提供することを目的とする。本発明は、油脂組成物中の油脂が、以下の(a)、(b)及び(c)の条件を満たす油脂組成物を提供する。(a)前記油脂組成物中のC40〜C46含量が2〜25質量%であり、(b)前記油脂組成物中のX2UとXU2の合計(X2U+XU2)含量が45〜85質量%であり、(c)前記油脂組成物中のXU2とX2U+XU2の質量比(XU2/(X2U+XU2))が0.55以上である。

Description

本発明は、ベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品において、経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームを抑制することのできるベーカリー食品用の油脂組成物に関するものである。
また、本発明は、ベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品において、経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームが抑制された複合食品に関するものである。
ビスケット、クッキー等のベーカリー食品は、ベーカリー食品自体の他に、チョコレート等の油性食品と組み合わせた複合食品にも利用される。当該複合食品は、例えば、予め焼成したベーカリー食品と、予め調製した油性食品とを組み合わせることや、予め調製した油性食品をベーカリー食品の生地に分散又は包餡させたものを焼成することにより製造することができる。
ベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品については、流通、保存中にベーカリー食品及び油性食品に含まれる油脂が、ベーカリー食品及び油性食品の間を「移動」する現象(この現象は、「マイグレーション」とも呼ばれる)が生じることが知られている。この現象においては、ベーカリー食品に含まれる油脂が油性食品中に移行し、油性食品に含まれる油脂がベーカリー食品中に移行する。
複合食品のベーカリー食品及び油性食品に含まれる油脂の移動が起こると、複合食品のベーカリー食品部分は表面が白い粉をふいて斑点状になる「白色化」を引き起こすことがあり、複合食品の油性食品部分はブルームを引き起こすことがある。このように、複合食品のベーカリー食品部分が白色化したり、複合食品の油性食品部分がブルームしたりすると、複合食品は商品価値が失われる。
複合食品のベーカリー食品及び油性食品に含まれる油脂の移動に伴う複合食品のベーカリー食品部分の白色化、複合食品の油性食品部分のブルームを抑制する手段として、ベーカリー食品に配合する練り込み油脂に、特定のSFCを有する油脂を用いること(特許文献1)や、特定のトリグリセリドを用いること(特許文献2)が提案されている。
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載のベーカリー食品に配合する練り込み油脂は、何れもトランス脂肪酸を多量に含む部分水素添加油を使用するものであった。近年、トランス脂肪酸摂取の低減に対するニーズがあることから、トランス脂肪酸を多量に含む部分水素添加油を使用する特許文献1及び特許文献2は、時代にマッチしたものではなかった。
そこで、トランス脂肪酸を多量に含む部分水素添加油を使用せずとも、ベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームが抑制された複合食品を提供するための手法が望まれていた。
特開2004−16096号公報 特開平9−37705号公報
本発明の目的は、ベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品において、経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームを抑制することのできるベーカリー食品用の油脂組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、ベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品において、経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームが抑制された複合食品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、油脂組成物中の油脂が特定のトリアシルグリセロールを特定量含む油脂組成物をベーカリー食品に用いると、複合食品に経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームが抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の態様の1つは、油脂組成物中の油脂が、以下の(a)、(b)及び(c)の条件を満たす油脂組成物である。
(a)前記油脂組成物中のC40〜C46含量が2〜25質量%であり、
(b)前記油脂組成物中のX2UとXU2の合計(X2U+XU2)含量が45〜85質量%であり、かつ、
(c)前記油脂組成物中のXU2とX2U+XU2の質量比(XU2/(X2U+XU2))が0.55以上である。
ただし、上記の(a)、(b)及び(c)の条件において、C40〜C46、X、U、X2U及びXU2はそれぞれ以下のものを示す。
C40〜C46:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が40〜46であるトリアシルグリセロール
X:炭素数16以上の飽和脂肪酸
U:炭素数16以上の不飽和脂肪酸
X2U:Xが2分子、Uが1分子結合しているトリアシルグリセロール
XU2:Xが1分子、Uが2分子結合しているトリアシルグリセロール
また、好ましい態様の1つは、前記条件(a)前記油脂組成物中のC40〜C46含量が2〜20質量%であり、前記条件(b)前記油脂組成物中のX2UとXU2の合計(X2U+XU2)含量が50〜85質量%である、油脂組成物である。
また、好ましい態様の1つは、前記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(d)を満たす油脂組成物である。
(d)前記油脂組成物中のC28〜C38含量が8質量%以下である。
ただし、上記の(d)の条件において、C28〜C38は以下のものを示す。
C28〜C38:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が28〜38であるトリアシルグリセロール
また、好ましい態様の1つは、前記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(e)及び(f)を満たす油脂組成物である。
(e)前記油脂組成物中のX3含量が13質量%以下であり、かつ、
(f)前記油脂組成物中のU3含量が16質量%以下である。
ただし、上記の(e)及び(f)の条件において、X3及びU3はそれぞれ以下のものを示す。
X3:Xが3分子結合しているトリアシルグリセロール
U3:Uが3分子結合しているトリアシルグリセロール
また、好ましい態様の1つは、前記条件(e)前記油脂組成物中のX3含量が5質量%以下であり、
前記条件(f)前記油脂組成物中のU3含量が13質量%以下である、油脂組成物である。
また、好ましい態様の1つは、前記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(g)を満たす油脂組成物である。
(g)前記油脂組成物中のUXUとXU2の質量比(UXU/XU2)が0.02以上である。
ただし、UXUは以下のものを示す。
UXU:1位と3位にU、2位にXが結合しているトリアシルグリセロール
また、好ましい態様の1つは、前記油脂組成物中の油脂が、以下の油脂A、油脂Bから選ばれる1種以上からなる油脂を4〜40質量%含有する油脂組成物である。
油脂A:全構成脂肪酸中に不飽和脂肪酸を15質量%以下、炭素数12〜14の飽和脂肪酸を20〜60質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸を40〜80質量%含有し、かつ、エステル交換することにより得られる油脂
油脂B:全構成脂肪酸中に不飽和脂肪酸を25〜45質量%、炭素数12〜14の飽和脂肪酸を15〜35質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸を25〜45質量%含有し、かつ、エステル交換することにより得られる油脂
また、好ましい態様の1つは、前記油脂組成物中の油脂が、ヨウ素価が62以上であって、パーム系油脂、パーム系油脂を原料として含有するエステル交換油から選ばれる1種以上からなる油脂を分別処理した低融点部、StU2を50質量%以上含有する低融点部、から選ばれる1種以上である油脂を60〜96質量%含有する油脂組成物である。
ただし、St、U及びStU2は以下のものを示す。
St:ステアリン酸
U:炭素数16以上の不飽和脂肪酸
StU2:Stが1分子、Uが2分子結合しているトリアシルグリセロール
また、好ましい態様の1つは、前記油脂組成物が、ベーカリー生地への練り込み用、又は、ベーカリー焼成品へのコーティング用である、油脂組成物である。
また、本発明の態様の1つは、前記油脂組成物を用いて製造したベーカリー食品である。
また、本発明の態様の1つは、前記ベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品である。
また、本発明の好ましい態様の1つは、前記油性食品がチョコレートである複合食品である。
本発明によると、ベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品において、経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームを抑制することのできるベーカリー食品用の油脂組成物を提供することができる。
また、本発明によると、ベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品において、経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームが抑制された複合食品を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の油脂組成物は、油脂組成物中の油脂が、以下の(a)、(b)及び(c)の条件を満たすことを特徴とする。
(a)前記油脂組成物中のC40〜C46含量が2〜25質量%であり、
(b)前記油脂組成物中のX2UとXU2の合計(X2U+XU2)含量が45〜85質量%であり、かつ、
(c)前記油脂組成物中のXU2とX2U+XU2の質量比(XU2/(X2U+XU2))が0.55以上である。
本発明の油脂組成物において、油脂組成物中の油脂のC40〜C46含量(条件(a))は、2〜25質量%であり、好ましくは2〜20質量%である。本発明の油脂組成物がベーカリー生地への練り込み用である場合、より好ましくは3〜18質量%であり、更に好ましくは4〜16質量%である。また、本発明の油脂組成物がベーカリー焼成品へのコーティング用である場合、より好ましくは5〜20質量%であり、更に好ましくは10〜20質量%である。油脂中のC40〜C46含量が上記範囲にあると、複合食品において経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームを抑制することができる。
なお、本発明において、C40〜C46とは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が40〜46であるトリアシルグリセロールを意味する。脂肪酸残基の総炭素数が40であるトリアシルグリセロールとしては、例えば、脂肪酸残基がラウリン酸(炭素数12)、ラウリン酸(炭素数12)、パルミチン酸(炭素数16)から構成されるトリアシルグリセロール等が挙げられる。脂肪酸残基の総炭素数が42であるトリアシルグリセロールとしては、例えば、脂肪酸残基がラウリン酸(炭素数12)、ミリスチン酸(炭素数14)、パルミチン酸(炭素数16)から構成されるトリアシルグリセロール等が挙げられる。脂肪酸残基の総炭素数が44であるトリアシルグリセロールとしては、例えば、脂肪酸残基がラウリン酸(炭素数12)、パルミチン酸(炭素数16)、パルミチン酸(炭素数16)から構成されるトリアシルグリセロール等が挙げられる。また、脂肪酸残基の総炭素数が46であるトリアシルグリセロールとしては、例えば、脂肪酸残基がラウリン酸(炭素数12)、パルミチン酸(炭素数16)、ステアリン酸(炭素数18)から構成されるトリアシルグリセロール等が挙げられる。
以後、トリアシルグリセロールは「TAG」と記載することがある。
本発明の油脂組成物において、油脂組成物中の油脂のX2UとXU2の合計(X2U+XU2)含量(条件(b))は、45〜85質量%であり、好ましくは50〜85質量%である。本発明の油脂組成物がベーカリー生地への練り込み用である場合、より好ましくは54〜81質量%であり、更に好ましくは56〜78質量%である。また、本発明の油脂組成物がベーカリー焼成品へのコーティング用である場合、より好ましくは50〜77質量%であり、更に好ましくは50〜72質量%である。油脂の(X2U+XU2)含量が上記範囲にあると、複合食品において経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームを抑制することができる。
なお、本発明において、Xは炭素数16以上の飽和脂肪酸を意味し、Uは炭素数16以上の不飽和脂肪酸を意味する。よって、本発明において、X2Uとは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の2つが炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、構成する脂肪酸残基の1つが炭素数16以上の不飽和脂肪酸残基であるトリアシルグリセロールを意味する。また、本発明において、XU2とは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の1つが炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、構成する脂肪酸残基の2つが炭素数16以上の不飽和脂肪酸残基であるトリアシルグリセロールを意味する。
本発明の油脂組成物において、Xは炭素数16〜18の飽和脂肪酸であることが好ましく、Uは炭素数18の不飽和脂肪酸であることが好ましい。
本発明の油脂組成物において、油脂組成物中の油脂のXU2とX2U+XU2の質量比(条件(c))であるXU2/(X2U+XU2)は、0.55以上であり、好ましくは0.6以上であり、より好ましくは0.65以上である。上限は特に規定されないが、1.0にすることは実製造上困難であり、0.9が適切である。XU2とX2U+XU2の質量比が上記範囲にあると、複合食品において経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームを抑制することができる。
本発明の油脂組成物において、油脂組成物中の油脂のC28〜C38含量(条件(d))は、8質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0〜3質量%であることが更に好ましい。油脂のC28〜C38含量が上記範囲にあると、複合食品において経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームを抑制することができる。
なお、本発明において、C28〜C38とは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が28〜38であるトリアシルグリセロールを意味する。例えば、脂肪酸残基の総炭素数が36であるトリアシルグリセロールとしては、脂肪酸残基がラウリン酸(炭素数12)、ラウリン酸(炭素数12)、ラウリン酸(炭素数12)から構成されるトリアシルグリセロール等が挙げられる。
また、本発明の油脂組成物において、油脂組成物中の油脂のC40〜C46含量とC28〜C38含量との質量比(C40〜C46/C28〜C38)は、0.5以上であることが好ましく、1以上であることがより好ましく、2以上であることが更に好ましく、3以上であることが最も好ましい。
本発明の油脂組成物において、油脂組成物中の油脂のX3含量(条件(e))は、13質量%以下であることが好ましい。本発明の油脂組成物がベーカリー生地への練り込み用である場合、5質量%以下であることがより好ましく、4質量%以下であることが更に好ましく、0〜3質量%であることが最も好ましい。また、本発明の油脂組成物がベーカリー焼成品へのコーティング用である場合、3〜11質量%であることがより好ましく、4〜10質量%であることが更に好ましい。また、本発明の油脂組成物において、油脂組成物中の油脂のU3含量(条件(f))は、16質量%以下であることが好ましい。本発明の油脂組成物がベーカリー生地への練り込み用である場合、13質量%以下であることがより好ましく、11質量%以下であることが更に好ましく、0〜9質量%であることが最も好ましい。また、本発明の油脂組成物がベーカリー焼成品へのコーティング用である場合、3〜14質量%であることがより好ましく、5〜14質量%であることが更に好ましい。油脂組成物中の油脂のX3含量及びU3含量が上記範囲にあると、複合食品において経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームを抑制することができる。
なお、本発明において、X3とは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の3つが炭素数16以上の飽和脂肪酸残基であるトリアシルグリセロールを意味する。また、本発明において、U3とは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の3つが炭素数16以上の不飽和脂肪酸残基であるトリアシルグリセロールを意味する。
また、本発明の油脂組成物において、油脂組成物中の油脂のUXUとXU2の質量比(条件(g))であるUXU/XU2は、0.02以上であることが好ましく、0.06以上であることがより好ましく、0.1以上であることが更に好ましい。上限は特に規定されないが、1.0にすることは実製造上困難であり、0.9が適切であり、0.6がより適切である。UXUとXU2の質量比(UXU/XU2)が上記範囲にあると、複合食品において経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームを抑制することができる。なお、本発明においてUXUは、1位と3位に炭素数16以上の不飽和脂肪酸残基が結合し、2位に炭素数16以上の飽和脂肪酸残基が結合しているトリアシルグリセロールを意味する。
また、本発明の油脂組成物は、XU2としてStU2を含有することが好ましい。油脂組成物中の油脂のStU2含量は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、40〜70質量%であることが更に好ましい。油脂組成物中の油脂のStU2含量が上記範囲にあると、複合食品において経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化を抑制することができる。
なお、本発明において、Stはステアリン酸を意味し、Uは炭素数16以上の不飽和脂肪酸を意味する。よって、本発明において、StU2とは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の1つがステアリン酸残基、構成する脂肪酸残基の2つが炭素数16以上の不飽和脂肪酸残基であるトリアシルグリセロールを意味する。
本発明の油脂組成物は、トランス脂肪酸を実質的に含有しないことが好ましい。本発明の油脂組成物において、トランス脂肪酸含量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは2質量%以下であり、最も好ましくは1質量%以下である。本発明の油脂組成物は、トランス脂肪酸を多量に含む部分水素添加油を使用せずとも製造することが可能であるため、トランス脂肪酸を実質的に含有しないものとすることができる。
本発明の油脂組成物の調製に使用する油脂は、上記(a)、(b)及び(c)の条件を満たせば、特に制限されることなく、通常の食用油脂(大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、紅花油、ごま油、綿実油、米油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、乳脂や、これらの油脂の混合油、これらの油脂又は混合油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)等)を用いることができる。本発明の油脂組成物の調製に使用する油脂の好ましい例としては、ラウリン系油脂と非ラウリン系油脂とのエステル交換油と、非ラウリン系油脂を分別処理した低融点部とを含む混合油脂が挙げられる。上記ラウリン系油脂と非ラウリン系油脂とのエステル交換油は、本発明の油脂組成物がベーカリー生地への練り込み用である場合、油脂組成物の油脂中に4〜40質量%含有されることが好ましく、7〜35質量%含有されることがより好ましく、10〜30質量%含有されることが更に好ましい。本発明の油脂組成物がベーカリー焼成品へのコーティング用である場合、油脂組成物の油脂中に4〜40質量%含有されることが好ましく、10〜40質量%含有されることがより好ましく、20〜40質量%含有されることが更に好ましい。また、上記非ラウリン系油脂を分別処理した低融点部は、本発明の油脂組成物がベーカリー生地への練り込み用である場合、油脂組成物の油脂中に60〜96質量%含有されることが好ましく、65〜93質量%含有されることがより好ましく、70〜90質量%含有されることが更に好ましい。本発明の油脂組成物がベーカリー焼成品へのコーティング用である場合、油脂組成物の油脂中に60〜96質量%含有されることが好ましく、60〜90質量%含有されることがより好ましく、60〜80質量%含有されることが更に好ましい。
上記ラウリン系油脂と非ラウリン系油脂とのエステル交換油としては、より具体的には、次に説明する油脂A、油脂Bが挙げられる。なお、本発明においてラウリン系油脂とは、全構成脂肪酸中にラウリン酸を30質量%以上(好ましくは40質量%以上)含有する油脂のことである。ラウリン系油脂の具体例としては、パーム核油、ヤシ油や、これらの混合油、これらの油脂又は混合油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)が挙げられる。また、本発明において非ラウリン系油脂とは、全構成脂肪酸中に炭素数16以上の脂肪酸を90質量%以上含有する油脂のことである。非ラウリン系油脂の具体例としては、大豆油、菜種油、綿実油、ひまわり油、紅花油、コーン油、パーム油や、これらの混合油、これらの油脂又は混合油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)が挙げられる。
本発明の油脂組成物は油脂Aを含有することが好ましい。本発明において油脂Aとは、全構成脂肪酸中に不飽和脂肪酸を15質量%以下、炭素数12〜14の飽和脂肪酸を20〜60質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸を40〜80質量%含有し、かつ、エステル交換することにより得られる油脂のことである。
本発明の油脂組成物中の油脂において、油脂Aの含量は、本発明の油脂組成物がベーカリー生地への練り込み用である場合、好ましくは4〜40質量%であり、より好ましくは4〜28質量%であり、更に好ましくは7〜18質量%であり、最も好ましくは7〜16質量%である。また、本発明の油脂組成物がベーカリー焼成品へのコーティング用である場合、好ましくは4〜40質量%であり、より好ましくは20〜40質量%であり、更に好ましくは25〜40質量%であり、最も好ましくは30〜40質量%である。
本発明で用いる油脂Aにおいて、全構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸含量は、15質量%以下であり、好ましくは10質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下であり、最も好ましくは0〜2質量%である。
また、本発明で用いる油脂Aにおいて、全構成脂肪酸中の炭素数12〜14の飽和脂肪酸含量は、20〜60質量%であり、好ましくは25〜40質量%であり、更に好ましくは28〜35質量%であり、最も好ましくは28〜33質量%である。
また、本発明で用いる油脂Aにおいて、全構成脂肪酸中の炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量は、40〜80質量%であり、好ましくは46〜70質量%であり、更に好ましくは52〜68質量%であり、最も好ましくは61〜68質量%である。
本発明で用いる油脂Aの好ましい例としては、ラウリン系油脂と非ラウリン系油脂であるパーム系油脂との混合油をエステル交換し、その後、ヨウ素価10以下となるまで水素添加(ヨウ素価2以下であることが好ましい)することで得られる油脂を例示することができる。また、ラウリン系油脂とパーム系油脂をヨウ素価10以下となるようにそれぞれ別々に水素添加(ヨウ素価2以下であることが好ましい)を行い、その後、これらの混合油をエステル交換することで得られる油脂を例示することができる。また、ヨウ素価10以下のラウリン系油脂とヨウ素価20以下のパーム系油脂との混合油をエステル交換することで得られる油脂を例示できる。本発明においてパーム系油脂とは、パーム油自体や、パーム油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)のことである。パーム系油脂の具体例としては、パーム油、パームオレイン、パームミッドフラクション、パームステアリン等が挙げられる。
本発明で用いる油脂Aの原料油脂であるラウリン系油脂とパーム系油脂との組み合わせとしては、パーム核とパーム油、パーム核オレインとパームステアリン、パーム核ステアリンとハードステアリンが好ましい。
本発明で用いる油脂Aにおいて、ラウリン系油脂とパーム系油脂の混合比は、ラウリン系油脂:パーム系油脂の質量比で、好ましくは30:70〜70:30であり、より好ましくは40:60〜60:40である。
本発明で用いる油脂Aを調製するためのエステル交換反応としては、特に制限はなく、位置選択性の低いエステル交換反応である非選択的エステル交換(ランダムエステル交換)、位置選択性の高いエステル交換反応である選択的エステル交換(位置特異的エステル交換)のどちらでもよいが、非選択的エステル交換であることが好ましい。また、本発明で用いる油脂Aを調製するためのエステル交換の方法としては、特に制限はなく、化学的エステル交換、酵素的エステル交換のどちらの方法でもよいが、化学的エステル交換であることが好ましい。化学的エステル交換は、触媒としてナトリウムメチラート等の化学触媒を用いて行われるものであり、反応は位置選択性の低い非選択的エステル交換となる。
化学的エステル交換は、例えば、常法に従って、原料油脂を十分に乾燥させ、触媒を原料油脂に対して0.1〜1質量%添加した後、減圧下、80〜120℃で0.5〜1時間攪拌しながら反応を行うことができる。エステル交換反応終了後は、水洗にて触媒を洗い流した後、通常の食用油の精製工程で行われる脱色、脱臭処理を施すことができる。
また、本発明で用いる油脂Aを調製するための水素添加の方法としては、特に制限はなく、通常の方法により行うことができる。水素添加は、例えば、ニッケル触媒の下、水素圧0.02〜0.3Mpa、160〜200℃の条件にて行うことができる。
本発明の油脂組成物は油脂Bを含有することが好ましい。本発明において油脂Bとは、全構成脂肪酸中に不飽和脂肪酸を25〜45質量%、炭素数12〜14の飽和脂肪酸を15〜35質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸を25〜45質量%含有し、かつ、エステル交換することにより得られる油脂のことである。
本発明の油脂組成物中の油脂において、油脂Bの含量は、好ましくは0〜40質量%であり、より好ましくは5〜40質量%であり、更に好ましくは10〜30質量%であり、最も好ましくは15〜25質量%である。
本発明で用いる油脂Bにおいて、全構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸含量は、25〜45質量%であり、好ましくは28〜42質量%であり、更に好ましくは30〜40質量%であり、最も好ましくは32〜38質量%である。
また、本発明で用いる油脂Bにおいて、全構成脂肪酸中の炭素数12〜14の飽和脂肪酸含量は、15〜35質量%であり、好ましくは18〜32質量%であり、更に好ましくは20〜30質量%であり、最も好ましくは22〜28質量%である。
また、本発明で用いる油脂Bにおいて、全構成脂肪酸中の炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量は、25〜45質量%であり、好ましくは28〜42質量%であり、更に好ましくは30〜40質量%であり、最も好ましくは32〜38質量%である。
本発明で用いる油脂Bの好ましい例としては、ラウリン系油脂とパーム系油脂とのエステル交換油が挙げられる。本発明で用いる油脂Bの原料油脂であるラウリン系油脂とパーム系油脂との組み合わせとしては、パーム核油とパーム油、パーム核オレインとパーム油、パーム核オレインとパームステアリンが好ましい。
本発明で用いるラウリン系油脂とパーム系油脂とのエステル交換油において、ラウリン系油脂とパーム系油脂の混合比は、ラウリン系油脂:パーム系油脂の質量比で、好ましくは30:70〜60:40であり、より好ましくは35:65〜50:50であり、最も好ましくは35:65〜45:55である。
本発明で用いる油脂Bを調製するためのエステル交換反応としては、特に制限はなく、非選択的エステル交換、選択的エステル交換のどちらでもよいが、非選択的エステル交換であることが好ましい。また、本発明で用いる油脂Bを調製するためのエステル交換の方法としては、特に制限はなく、化学的エステル交換、酵素的エステル交換のどちらの方法でもよいが、化学的エステル交換であることが好ましい。化学的エステル交換は、すでに上記した条件で行うことができる。
上記非ラウリン系油脂を分別処理した低融点部としては、ヨウ素価が62以上であって、パーム系油脂、パーム系油脂を原料として含有するエステル交換油から選ばれる1種以上からなる油脂を分別処理した低融点部、別の態様としては、StU2を50質量%以上含有する低融点部であることが好ましい。また、上記非ラウリン系油脂を分別処理した低融点部は、以下の(α)から(δ)の条件を満たすことが好ましい。
(α)低融点部中のX3含量が5質量%以下であり、
(β)低融点部中のX2U含量が10〜40質量%であり、
(γ)低融点部中のXU2含量が45〜75質量%であり、かつ、
(δ)低融点部中のU3含量が5〜20質量%である。
上記非ラウリン系油脂を分別処理した低融点部としては、より具体的には、次に説明する油脂C、油脂D、油脂Eが挙げられる。
本発明の油脂組成物は油脂Cを含有することが好ましい。本発明において油脂Cとは、パーム油もしくはパーム分別油あるいはそれらの混合油を分別したヨウ素価が62以上である低融点部である。上記ヨウ素価が62以上である低融点部は、パーム油を2回以上分別した低融点部(パームスーパーオレイン)であることが好ましい。分別方法としては、通常パーム系油脂の分別に用いられる、乾式分別、乳化分別(湿式分別)、溶剤分別等を適宜用いることができる。
本発明の油脂組成物は油脂Dを含有することが好ましい。本発明において油脂Dとは、原料としてパーム系油脂を40質量%以上含むエステル交換油脂を単独で分別したヨウ素価が62以上である低融点部、あるいは該エステル交換油脂40〜90質量%とパーム系油脂10〜60質量%との混合油を分別したヨウ素価が62以上である低融点部であることが好ましい。分別方法としては、上記と同様の方法を適宜用いることができる。
本発明の油脂組成物は油脂Eを含有することが好ましい。本発明において油脂Eとは、StU2を50質量%以上含有する油脂である。ここで、Stはステアリン酸を示し、Uは炭素数16以上の不飽和脂肪酸を示し、StU2はStが1分子、Uが2分子結合しているトリアシルグリセロールを示す。油脂Eの具体例としては、カカオ代用脂の原料油脂である、サル脂、シア脂、モーラー脂、マンゴー核油、アランブラッキア脂、ペンタデスマ脂等のStOSt(1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセロール)を30質量%含有する油脂を分別した低融点部が挙げられる。また、StOStを30質量%含有する油脂としては、既知の方法に基づいて、ハイオレイックヒマワリ油とステアリン酸エチルエステルの混合物を、1,3位選択性リパーゼ製剤を用いてエステル交換反応を行い、脂肪酸エチルエステルを蒸留により除去した油脂であってもよい。分別方法としては、上記と同様の方法を適宜用いることができる。油脂Eはまた、ヨウ素価が62以上であることが好ましい。
本発明の油脂組成物は、油脂組成物中の油脂として、上記油脂A、油脂Bから選ばれる1種以上である油脂を4〜40質量%、上記油脂C、油脂D、油脂Eから選ばれる1種以上である油脂を60〜96質量%含有することが好ましい。また、上記範囲において油脂組成物中の油脂は、本発明の油脂組成物がベーカリー生地への練り込み用である場合、SFC(固体脂含量)を15℃で10〜20%(より好ましくは12〜18%)、30℃で1〜6%(より好ましくは2〜5%)に調整することが好ましく、本発明の油脂組成物がベーカリー焼成品へのコーティング用である場合、SFC(固体脂含量)を15℃で20〜40%(より好ましくは25〜35%)、30℃で10〜25%(より好ましくは15〜20%)に調整することが好ましい。
本発明の油脂組成物には、油脂以外の成分として、乳化剤を配合することができる。本発明の油脂組成物に用いる乳化剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の合成乳化剤や、レシチン(大豆レシチン、卵黄レシチン等)、リゾレシチン(大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン等)、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の合成乳化剤でない乳化剤が挙げられ、これらの2種以上を併用して用いることもできる。本発明の油脂組成物に用いる乳化剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチンの1種又は2種以上を用いることが好ましい。特に、飽和脂肪酸が結合したジエステル型のソルビタン脂肪酸エステルを使用することが好ましい。本発明の油脂組成物において、乳化剤の含量は、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.05〜3質量%であり、最も好ましくは0.1〜2質量%である。乳化剤を上記範囲配合すると、複合食品において経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームをより効果的に抑制することができる。
本発明の油脂組成物には、油脂以外のその他の成分として、通常、ベーカリー食品に用いる油脂組成物に配合される成分を配合することができる。その他の成分としては、水、増粘安定剤、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類、糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロテン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物(カテキン等)、ルチン等の酸化防止剤、小麦蛋白、大豆蛋白等の植物蛋白、卵、卵加工品、香料、全脂粉乳、脱脂粉乳、乳清蛋白等の乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
本発明の油脂組成物は可塑性を付与した可塑性油脂組成物であることが好ましい。本発明の可塑性を付与した油脂組成物としては、水相を有するマーガリン(油中水型乳化物)、ファットスプレッド(油中水型乳化物)や水相を有さないショートニングが挙げられるが、ショートニングであることが好ましい。油中水型乳化物とする場合は水分を、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは5〜15質量%とするのが適当である。
本発明の油脂組成物は、油脂を40質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがより好ましく、80質量%以上含有することが更に好ましく、90〜100質量%含有することが最も好ましい。
本発明の油脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知のベーカリー食品用油脂組成物の製造条件及び製造方法により製造することができる。
具体的には、配合する油溶成分を混合溶解することで製造することができる。また、可塑性を付与する場合は、配合する油溶成分を混合溶解したものを油相とし、必要により調製した水相を混合乳化した後、冷却し、結晶化させることで製造することができる。冷却、結晶化は、冷却可塑化させることが好ましい。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、更に好ましくは−5℃/分以上である。この際、徐冷却より急冷却の方が好ましい。また、油相の調製後又は混合乳化後は、殺菌処理することが望ましい。殺菌方法としては、タンクでのバッチ式や、プレート型熱交換機、掻き取り式熱交換機を用いた連続式が挙げられる。
冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられる。また、冷却する機器としては、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組み合わせも挙げられる。
本発明の油脂組成物は、ベーカリー食品用、特にベーカリー食品の練り込み用又はコーティング用として使用することができる。また、本発明の油脂組成物は、複合食品に用いるベーカリー食品用、特に複合食品に用いるベーカリー食品の練り込み用又はコーティング用として好適に使用することができる。
本発明の油脂組成物は、ベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品において、経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルーム及び軟化を抑制することができる。
なお、油脂中の各トリアシルグリセロール含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定することができる(例えば、AOCS
Ce5−86に準じて測定することができる)。トリアシルグリセロールの対称性は、例えばUXU/XU2比をJ.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)に準じた方法で測定し、この値とXU2含量を基に算出することができる。また、油脂中の各脂肪酸含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定することができる(例えば、AOCS Ce1f−96に準じて測定することができる。)。また、油脂のSFCは、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.2.9−2003 固体脂含量(NMR法)」に準じて測定することができる。また、油脂のヨウ素価は、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.3.4.1−1996 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」に準じて測定することができる。
また、本発明において、全構成脂肪酸中の含量とは、油脂組成物に含まれる油脂を構成する脂肪酸全量に対する割合のことである。また、本発明において、SFCとは、油脂組成物に含まれる油脂のSFCのことである。
本発明のベーカリー食品は、本発明の油脂組成物を用いて製造したことを特徴とする。例えば、本発明のベーカリー食品は、本発明の油脂組成物を含有するベーカリー生地を焼成することで得られる。ここでベーカリー生地は穀粉を主成分とし、本発明の油脂組成物を練り込んだものである。また、本発明のベーカリー食品は、ベーカリー焼成品に対して本発明の油脂組成物をコーティングすることで得られる。
本発明において、穀粉とは、穀物を挽いて粉状にしたものであり、通常、ベーカリー生地に配合されるものであれば、特に制限なく使用することができる。穀粉の具体例としては、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉等が挙げられる。
本発明のベーカリー食品において、本発明の油脂組成物の使用量はベーカリー食品の種類によって異なるため、特に制限されるものではないが、例えば、本発明の油脂組成物がベーカリー生地への練り込み用である場合、ベーカリー生地に配合される穀粉100質量部に対して、好ましくは0.5〜200質量部であり、より好ましくは2〜150質量部であり、最も好ましくは5〜100質量部である。また、本発明の油脂組成物がベーカリー焼成品へのコーティング用である場合、ベーカリー焼成品100質量部に対して、好ましくは0.5〜50質量部であり、より好ましくは1〜30質量部であり、最も好ましくは2〜20質量部である。
本発明のベーカリー食品には、本発明の油脂組成物、穀粉以外に、通常、ベーカリー食品に配合されるものであれば、特に制限なく配合することができる。また、これらの配合量も、通常、ベーカリー食品に配合される範囲で特に制限なく配合することができる。具体的には、水、糖、糖アルコール、卵、卵加工品、澱粉、食塩、可塑性油脂、乳化剤、乳化起泡剤(乳化油脂)、チーズ、生クリーム、合成クリーム、ヨーグルト、全脂粉乳、脱脂粉乳、牛乳、濃縮乳、合成乳、イースト、イーストフード、カカオマス、ココアパウダー、チョコレート、コーヒー、紅茶、抹茶、野菜類、果物類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、肉類、魚介類、豆類、きな粉、豆腐、豆乳、大豆粉、大豆蛋白、膨張剤、甘味料、調味料、香辛料、着色料、香料等が挙げられる。
本発明のベーカリー食品は、本発明の油脂組成物を用いること以外は、公知の製造条件及び製造方法により製造することができる。
本発明のベーカリー食品の具体例としては、ビスケット、クッキー、クラッカー、乾パン、プレッツェル、カットパン、ウェハース、サブレ、ラングドシャ、マカロン等の焼き菓子、バターケーキ類(パウンドケーキ、フルーツケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘン、カステラ等)、スポンジケーキ類(ショートケーキ、ロールケーキ、トルテ、デコレーションケーキ、シフォンケーキ等)、シュー菓子、発酵菓子、パイ、ワッフル等の洋生菓子、菓子パン、フランスパン、シュトーレン、パネトーネ、ブリオッシュ、ドーナツ、デニッシュ、クロワッサン等のパンが挙げられる。本発明のベーカリー食品は、焼き菓子であることが好ましい。
本発明のベーカリー食品は、複合食品用のベーカリー食品として好適に使用することができる。
本発明のベーカリー食品は、油性食品と組み合わせた複合食品において、経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームを抑制することができる。また、本発明のベーカリー食品は、食感が良好なものである。
本発明の複合食品は、本発明のベーカリー食品と油性食品とを組み合わせたことを特徴とする。
本発明の複合食品は、本発明のベーカリー食品と油性食品とを接触させたものであれば、組み合わせ方法は特に制限されないが、組み合わせ方法としては、接着、被覆、挟む、注入、埋没、トッピング等が挙げられる。
本発明において油性食品とは、油脂が連続相をなす食品のことである。
本発明で用いる油性食品としては、チョコレート、グレーズ、クリーム(ホイップクリーム、サンドクリーム、バタークリーム等)、フィリング、ナッツ類等が挙げられる。本発明で用いる油性食品において、油脂の含量は、好ましくは20〜65質量%であり、より好ましくは20〜60質量%であり、最も好ましくは30〜45質量%である。本発明で用いる油性食品としては、チョコレートであることが好ましい。なお、本発明においてチョコレートとは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)のチョコレートに限定されるものではなく、カカオマス、ココアパウダー、ココアバター、食用油脂、糖類を主原料とし、必要により乳製品、香料等を加え、チョコレート製造の工程を経て製造されたもののことである(カカオマス、ココアパウダーを使用しないホワイトチョコレート、カラーチョコレートも包含する)。
本発明の複合食品としては、焼き菓子とチョコレートとを組み合わせた複合菓子であることが好ましい。
本発明の複合食品は、本発明のベーカリー食品を用いること以外は、公知の製造条件及び製造方法により製造することができる。
本発明の複合食品は、複合食品において経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルームを抑制することができる。
複合食品の品質評価(ベーカリー食品部分の白色化、油性食品部分のブルーム)には、通常、サンプル油脂を実際に練り込んで作製したベーカリー食品を用いる。しかし、実際に作製したベーカリー食品を用いた評価系は、ベーカリー食品の作製に手間を要することから、多大な労力が必要であった。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、複合食品の品質評価方法において、複合食品のベーカリー食品部分を、実際に作製したベーカリー食品の代わりにろ紙を用いると、実際に作製したベーカリー食品を用いた場合と相関性のある結果が得られることを見出した。ろ紙を用いた評価系は、ろ紙に少量のサンプル油脂を含浸させて、これと油性食品とを接着させることで実施することができるため、評価実験を簡便に実施することができる。従って、ろ紙を用いた評価系は、少量のサンプルで簡便に実施することができるので、複数の油脂サンプルをスクリーニングする場合に有効である。
ろ紙は、ガラス繊維ろ紙を使用することが好ましい。ガラス繊維ろ紙としては、アドバンテック東洋社製のGA−200等を使用することができる。ろ紙の大きさ及び厚さは、特に制限はないが、好ましくは直径10〜40mm、厚さ0.2〜3.0mmである。ろ紙に含浸させる油脂量は、ろ紙及び油脂の合計量に対して、好ましくは60〜98質量%である。このろ紙を使用することにより試験後のろ紙の変化がわかり易く可視化できる。
本発明の複合食品の品質評価は、ろ紙を用いた評価系でも実施した。
次に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、これらの実施例になんら制限されるものではない。
<測定方法>
以下に示す油脂組成物中の油脂の各脂肪酸含量、SFC、各トリアシルグリセロール含量、ヨウ素価の測定は以下の方法により測定した。
各脂肪酸含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定した。
SFCは、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.2.9−2003 固体脂含量(NMR法)」に準じて測定した。
各トリアシルグリセロール含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定した。トリアシルグリセロールの対称性は、銀イオンカラムクロマトグラフィー法により測定した。
ヨウ素価は、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.3.4.1−1996 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」に準じて測定した。
<油脂A−1の調製>
パームステアリン(日清オイリオグループ株式会社製造品)50質量部とパーム核オレイン(日清オイリオグループ株式会社製造品)50質量部とを混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、脱色した後、ニッケル触媒を用いて160〜200℃にて水素添加を行い、ヨウ素価を2以下に調整した。ヨウ素価が2以下になったのを確認した後、温度を100℃以下に下げ、ニッケル触媒をろ過により除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭して、油脂A−1(炭素数12〜14の飽和脂肪酸含量31.0質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量64.7質量%、不飽和脂肪酸含量1.4質量%、ヨウ素価0.1)を得た。
<油脂B−1の調製>
パーム核油(日清オイリオグループ株式会社製造品)40質量部とパーム油(日清オイリオグループ株式会社製造品)60質量部とを混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.2質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂B−1(炭素数12〜14の飽和脂肪酸含量26.0質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量33.6質量%、不飽和脂肪酸含量37.6質量%、ヨウ素価39.0)を得た。
<油脂C−1の調製>
パームスーパーオレイン(日清オイリオグループ株式会社製造品、ヨウ素価65.2、X3含量0.1質量%、X2U含量29.9質量%、XU2含量57.0質量%、U3含量8.4質量%、StU2含量5.5質量%)を油脂C−1とした。
<油脂D−1の調製>
(エステル交換油d−1の調製)
ハイオレイックヒマワリ油22質量部とパームステアリン(ヨウ素価36.1)31質量部と大豆油の極度硬化油47質量部を混合した。得られた混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行い、エステル交換油d−1を得た。
(エステル交換油d−2の調製)
パームステアリン(ヨウ素価36.1)60質量部とパーム油(ヨウ素価52.0)40質量部を混合した。得られた混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行い、エステル交換油d−2を得た。
(エステル交換油の分別)
40質量部のエステル交換油d−1と60質量部のエステル交換油d−2を混合した。得られた混合油を36〜38℃でドライ分別し、高融点部を除去することで低融点部を得た。得られた低融点部を0〜2℃で溶剤分別(アセトン使用)し、高融点部を除去することで、低融点部を得た。得られた低融点部を常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂D−1(ヨウ素価64.4、X3含量0.1質量%、X2U含量28.4質量%、XU2含量55.4質量%、U3含量10.9質量%、StU2含量11.7質量%)を得た。
<油脂E−1の調製>
ハイオレイックヒマワリ油40質量部に、ステアリン酸エチル60質量部を混合し、1,3位選択性リパーゼ製剤を0.3質量%添加し、40℃で20時間攪拌反応させた。ろ過処理によりリパーゼ製剤を除去し、得られた反応物を薄膜蒸留にかけ、反応物から脂肪酸エチルを除去して蒸留残渣(StOSt含量44質量%)を得た。得られた蒸留残渣1質量部に対して4質量部のアセトンを加え、溶解した後、5℃に冷却して得られた固形部(高融点部)をろ別し、液状部(低融点部)を得た。得られた低融点部を常法によりアセトン除去及び脱色、脱臭処理して、油脂E−1(ヨウ素価63.9、X3含量0.3質量%、X2U含量11.6質量%、XU2含量67.8質量%、U3含量17.5質量%、StU2含量61.9質量%)を得た。
<その他の油脂>
(エステル交換油Iの調製)
パームオレイン(ヨウ素価56、日清オイリオグループ株式会社製造品)を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、エステル交換油I(ヨウ素価56)を得た。
(パームオレイン)
パームオレイン(ヨウ素価56、日清オイリオグループ株式会社製造品)を使用した。
(パーム極度硬化油)
パームステアリン(ヨウ素価35、日清オイリオグループ株式会社製造品)を使用した。
パーム極度硬化油(ヨウ素価2以下、横関油脂工業株式会社製造品)を使用した。
(菜種油)
菜種白絞油(日清オイリオグループ株式会社製造品)を使用した。
<モデル複合菓子の評価:ろ紙を用いた評価系>
表1、2の油脂配合の原料油脂を溶解混合することで、実施例1〜4の油脂組成物、比較例1〜4の油脂組成物を得た。
加熱溶解させた実施例1〜4の油脂組成物、比較例1〜4の油脂組成物を、ろ紙及び油脂の合計量に対して90質量%となるように、ろ紙に含浸させ、このろ紙を薄く成形した板状のチョコレートの上に置き、チョコレートと接着させることで、モデル複合菓子を得た。得られたモデル複合菓子は、20℃で一晩放置した後、30℃で3日間保存した。30℃で3日間保存後のモデル複合菓子におけるろ紙の白色化及びチョコレートのブルームを、目視にて次に示す評価基準により評価した。白色化及びブルームの評価は、◎又は○の場合を良好であるとした。評価結果を表1、2に示した。
なお、ろ紙はガラス繊維ろ紙(商品名:GA−200、アドバンテック東洋社製、直径26mm、厚さ0.74mm)を使用した。また、チョコレートは油脂含量55質量%のカカオマス(縦36.5mm、横38mm、厚さ3mmに成形したもの)を使用した。
<白色化の評価基準>
◎ :白色化なし
○ :白色化はないが表面にやや色ムラあり
△ :一部白色化
× :白色化あり
<ブルームの評価基準>
◎ :ブルームなし
○ :ブルームはないがやや艶がない
△ :一部ブルームあり
× :ブルームあり
Figure 0005291847
Figure 0005291847
<複合菓子の評価:クッキーを用いた評価系>
油脂として実施例2、3と比較例1、4の各油脂配合を用いて、各油脂99.4質量部に対して以下の乳化剤1〜3の混合物を0.6質量部添加し、溶解混合した後、オンレーターを用いて急冷可塑化することで、実施例5、6と比較例5、6の各油脂組成物(ショートニング)を得た。
(乳化剤)
乳化剤1:レシチン(商品名:レシチンDX、日清オイリオグループ株式会社製)
乳化剤2:グリセリン脂肪酸エステル(商品名:エマルジーP−100、理研ビタミン株式会社製)
乳化剤3:ソルビタン脂肪酸エステル(商品名:ポエムS−320YN、理研ビタミン株式会社製)
上記実施例5、6と比較例5、6の各油脂組成物を用いて表3の配合のクッキーを作製した。すなわち、軟らかくした油脂組成物(実施例5、6と比較例5、6の各油脂組成物)に、上白糖を加えて、すり合わせた。すり合わせたものに、全卵を数回に分けて加え、分離しないように混ぜ合わせた。混ぜ合わせたものに、篩った薄力粉を加えて混ぜ合わせることで、生地を調製した。生地を休ませた後、ローラーで厚さ3mmにのばして直径3cmの円型で型抜きし、オーブンにて、上火180℃、下火160℃で8分間焼成することで、各クッキーを得た。得られた各クッキーを食した時の食感は良好だった。
得られた各クッキーを板状に成形したチョコレートの上に置き、クッキーの底面とチョコレートとを接着させることで、実施例7、8と比較例7、8の複合菓子を得た。得られた複合菓子は、30℃で1週間保存した。保存終了後の複合菓子におけるクッキーの白色化及びチョコレートのブルームを、目視にてモデル複合菓子の評価と同じ評価基準により評価した。白色化及びブルームの評価は、◎又は○の場合を良好であるとした。評価結果を表4に示した。
また、チョコレートは油脂含量37.4質量%のチョコレート(配合:カカオマス42質量部、ココアバター14.95質量部、砂糖42.4質量部、レシチン0.6質量部、バニラ(粉体)0.05質量部 形状:縦36.5mm、横38mm、厚さ3mmに成形したもの)を使用した。
Figure 0005291847
Figure 0005291847
<複合菓子の評価:ビスケットを用いた評価系>
表5、6の油脂配合の原料油脂を融解混合することで、実施例9〜12の油脂組成物、比較例9〜12の油脂組成物を得た。
表7の配合に従ってビスケットを作製した。すなわち、小麦粉、砂糖、食塩、香料を混合し、更にショートニングを加えてすり合わせた。すり合わせたものに、全卵、重曹を溶かした水を加え、粉気がなくなるまで混ぜ合わせることで生地を調製した。生地を休ませた後、ローラーで厚さ3mmにのばして直径3cmの円型で型抜きし、オーブンにて、上火200℃、下火180℃で8分間焼成することで、ビスケットを得た。得られたビスケットに、加熱融解した実施例9〜12及び比較例9〜12の油脂組成物をそれぞれ、ビスケット100質量部に対し10質量部スプレーコーティングした。
得られた各スプレーコーティングしたビスケットを、板状に成形したチョコレートの上に置き、ビスケットの底面とチョコレートとを接着させることで、実施例9〜12と比較例9〜12の油脂組成物を使用したビスケット複合菓子を得た。得られた複合菓子は、30℃で1週間保存した。保存終了後の複合菓子におけるビスケットの白色化及びチョコレートのブルームを、目視にてモデル複合菓子の評価と同じ評価基準により評価した。白色化及びブルームの評価は、◎又は○の場合を良好であるとした。評価結果を表5、6に示した。
また、チョコレートは油脂含量37.4質量%のチョコレート(配合:カカオマス42質量部、ココアバター14.95質量部、砂糖42.4質量部、レシチン0.6質量部、バニラ(粉体)0.05質量部 形状:縦36.5mm、横38mm、厚さ3mmに成形したもの)を使用した。
Figure 0005291847
Figure 0005291847
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Claims (11)

  1. 油脂組成物中の油脂が、以下の(a)、(b)、(c)、(e)及び(f)の条件を満たす油脂組成物。
    (a)前記油脂組成物の油脂中のC40〜C46含量が2〜25質量%であり、
    (b)前記油脂組成物の油脂中のX2UとXU2の合計(X2U+XU2)含量が45〜85質量%であり、かつ、
    (c)前記油脂組成物の油脂中のXU2とX2U+XU2の質量比(XU2/(X2U+XU2))が0.55以上である。
    ただし、上記の(a)、(b)及び(c)の条件において、C40〜C46、X、U、X2U及びXU2はそれぞれ以下のものを示す。
    C40〜C46:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が40〜46であるトリアシルグリセロール
    X:炭素数16以上の飽和脂肪酸
    U:炭素数16以上の不飽和脂肪酸
    X2U:Xが2分子、Uが1分子結合しているトリアシルグリセロール
    XU2:Xが1分子、Uが2分子結合しているトリアシルグリセロール
    (e)前記油脂組成物の油脂中のX3含量が13質量%以下であり、かつ、
    (f)前記油脂組成物の油脂中のU3含量が16質量%以下である。
    ただし、上記の(e)及び(f)の条件において、X3及びU3はそれぞれ以下のものを示す。
    X3:Xが3分子結合しているトリアシルグリセロール
    U3:Uが3分子結合しているトリアシルグリセロール
  2. 前記条件(a)前記油脂組成物の油脂中のC40〜C46含量が2〜20質量%であり、
    前記条件(b)前記油脂組成物の油脂中のX2UとXU2の合計(X2U+XU2)含量が50〜85質量%である、請求項1に記載の油脂組成物。
  3. 前記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(d)を満たす請求項1又は2に記載の油脂組成物。
    (d)前記油脂組成物の油脂中のC28〜C38含量が8質量%以下である。
    ただし、上記の(d)の条件において、C28〜C38は以下のものを示す。
    C28〜C38:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が28〜38であるトリアシルグリセロール
  4. 前記条件(e)前記油脂組成物の油脂中のX3含量が5質量%以下であり、
    前記条件(f)前記油脂組成物の油脂中のU3含量が13質量%以下である、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の油脂組成物。
  5. 前記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(g)を満たす請求項1〜4の何れか1項に記載の油脂組成物。
    (g)前記油脂組成物の油脂中のUXUとXU2の質量比(UXU/XU2)が0.02以上である。
    ただし、UXUは以下のものを示す。
    UXU:1位と3位にU、2位にXが結合しているトリアシルグリセロール
  6. 前記油脂組成物中の油脂が、以下の油脂A、油脂Bから選ばれる1種以上からなる油脂を4〜40質量%含有する請求項1〜5の何れか1項に記載の油脂組成物。
    油脂A:全構成脂肪酸中に不飽和脂肪酸を15質量%以下、炭素数12〜14の飽和脂肪酸を20〜60質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸を40〜80質量%含有し、かつ、エステル交換することにより得られる油脂
    油脂B:全構成脂肪酸中に不飽和脂肪酸を25〜45質量%、炭素数12〜14の飽和脂肪酸を15〜35質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸を25〜45質量%含有し、かつ、エステル交換することにより得られる油脂
  7. 前記油脂組成物中の油脂が、ヨウ素価が62以上であって、
    パーム系油脂、及びパーム系油脂を原料として含有するエステル交換油から選ばれる1種以上からなる油脂を分別処理した低融点部、並びに、
    StU2を50質量%以上含有する低融点部、
    から選ばれる1種以上である油脂を60〜96質量%含有する請求項1〜6の何れか1項に記載の油脂組成物。
    ただし、St、U及びStU2は以下のものを示す。
    St:ステアリン酸
    U:炭素数16以上の不飽和脂肪酸
    StU2:Stが1分子、Uが2分子結合しているトリアシルグリセロール
  8. ベーカリー生地への練り込み用、又は、ベーカリー焼成品へのコーティング用である、請求項1〜7の何れか1項に記載の油脂組成物。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の油脂組成物を用いて製造したベーカリー食品。
  10. 請求項9に記載のベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品。
  11. 前記油性食品がチョコレートである請求項10に記載の複合食品。
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