JP5285606B2 - モータ付減速装置及び産業機械 - Google Patents

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Description

本出願は、2007年6月1日に出願された日本国特許出願第2007−147223号に基づく優先権を主張する。その出願の全ての内容はこの明細書中に参照により援用されている。
本発明はモータ付減速装置に関する。特に、減速ギアユニットの出力部の軸線を内包し、減速ギアユニットの基部側から出力側に通じる貫通孔を有しているとともに、高トルクを出力することができるモータ付減速装置に関する。本発明はまた、そのモータ付減速装置を使用した産業機械にも関する。
産業機械の旋回装置等では、基部側に固定された装置から旋回側に固定された装置へ配線や配管等を配設したい場合がある。基部に対して旋回部が回転するので、そのような配線や配管等は、ねじれや切断が生じないように、旋回軸の軸線(回転軸線)に沿って通過させることが好ましい。旋回装置は、例えばロボットの関節でよい。ロボットの旋回装置等の駆動部として、減速ギアユニットの出力部の軸線を内包し、減速ギアユニットの基部側から出力側に通じる貫通孔を備えているモータ付減速装置が必要とされることがある。日本国特許公開公報H08−226498号(特許文献1)に、そのような貫通孔を備えるモータ付減速装置が開示されている。
特許文献1に開示されたモータ付減速装置は、モータと減速ギアユニットから構成されている。減速ギアユニットは、内歯歯車と外歯歯車とクランクシャフトを備えている。内歯歯車はリング状に形成されている。外歯歯車は、内歯歯車と異なる歯数を有している。外歯歯車は、内歯歯車の内側で内歯歯車と噛み合いながら偏心回転する。また、外歯歯車の中心に第1貫通孔が形成されており、第1貫通孔の周囲に複数の第2貫通孔が形成されている。クランクシャフトは、シャフトの軸線に対して偏心している偏心体を備えている。クランクシャフトは複数個存在し、夫々の偏心体が外歯歯車の対応する夫々の第2貫通孔に嵌合している。
特許文献1に開示された減速ギアユニットには、内歯歯車の軸線を内包し基部側から出力側に通じる中心貫通孔が形成されている。外歯歯車の中心に第1貫通孔が形成されているので、減速ギアユニットの基部側から出力側に通じる中心貫通孔を形成することができる。なお、本明細書では、減速ギアユニットの内歯歯車を出力部と称し、その減速ギアユニットが固定される部材を基部と称することがある。すなわち、「減速ギアユニットの出力側」は、減速ギアユニットによって回転させられる部材が取り付けられている側を意味し、「減速ギアユニットの基部側」は、減速ギアユニットを取り付ける部材が存在している側を意味する。なお、内歯歯車に対して回転する部材を固定部と称することがある。「出力部」と「固定部」の呼称は、減速ギアユニットにおいて互いに相対回転する2つの部分を単に区別するためのものであり、内歯歯車を「固定部」と称し、内歯歯車に対して回転する部材を「出力部」と称しても、本明細書に開示する技術は成立する。
特許文献1に開示されたモータ付減速装置はさらに、クランクシャフトの1つにモータの出力軸が連結されており、他のクランクシャフトの1つにシャフトの回転角を検出する検出器が連結されている。モータと検出器は、夫々の外周が、減速ギアユニットの中心貫通孔を軸方向に延長した円筒の外側に位置するように配置されている。上記のモータ付減速装置は、外歯歯車が内歯歯車の軸線の周りを1周だけ公転(偏心回転)すると、内歯歯車が、外歯歯車との歯数に相当する角度だけ回転する。
特許文献1に開示されたモータ付減速装置は、減速ギアユニットに中心貫通孔が形成されているので、その中心貫通孔に配線や配管等を通過させることができる。すなわち、減速ギアユニットの出力部の軸線に沿って、基部側から出力側に配線や配管等を通過させることができる。
モータ付減速装置では、高トルクが要求されることも多い。減速ギアユニットの出力を高トルク化するには、高トルク出力のモータを用いればよい。しかしながら、従来のモータ付減速装置では、中心貫通孔の内径の大きさと採用できるモータの出力とはトレードオフの関係にある。一般的に、モータは出力トルクが大きくなるにしたがってその外径が大きくなる。そのため、特許文献1に開示されたモータ付減速装置に高トルク出力のモータを採用すると、モータの外周部分が中心貫通孔の一部を覆ってしまう。その結果、配線や配管を通すために利用できる中心貫通孔の実質的な大きさが狭められてしまう。
更に特許文献1に開示されたモータ付減速装置では、外歯歯車の第2貫通孔に嵌合しているクランクシャフトのうちの1本のみをモータで駆動させる。そのため、外歯歯車の周方向において、クランクシャフトから外歯歯車に伝達される力にばらつきが生じてしまう。ひいては、外歯歯車にねじれ(変形)が生じたり、モータと外歯歯車の間でトルクの伝達精度が低下してしまうといった不具合が生じる。その結果、アクチェエータ(モータ付減速装置)としての応答性と回転精度が低下してしまう。
本発明は、上記の課題に鑑みて創作された。本発明の目的は、出力部の軸線を内包し、基部側から出力側へ通じる貫通孔を有しながら、高精度に高トルクを出力できるモータ付減速装置を提供することにある。
本発明は、高精度・高トルクを実現するために、複数のモータを使用する。複数のモータを使用することによって、減速ギアユニットの中心貫通孔に配線や配管を通すのに充分な大きさの内径を確保できるともに、高精度に高トルクを出力できるモータ付減速装置を実現する。
本発明のモータ付減速装置は、減速ギアユニットと複数のモータを備える。減速ギアユニットは、内歯歯車と外歯歯車と複数のクランクシャフトを備えている。内歯歯車は、リング状に形成されており、外歯歯車と異なる歯数を有している。外歯歯車は、内歯歯車の内側で内歯歯車と噛み合いながら、内歯歯車の軸線の周りを偏心回転することが可能である。ここでいう「外歯歯車の偏心回転」とは、外歯歯車の中心が内歯歯車の軸線の周りを公転することを意味する。また、外歯歯車の歯数と内歯歯車の歯数が異なるため、外歯歯車は、内歯歯車の軸線の周りを公転しながら内歯歯車に対して回転することができる。すなわち、外歯歯車が内歯歯車の軸線の回りを偏心回転すると、外歯歯車と内歯歯車が相対的に回転する。さらに外歯歯車は、中心に第1貫通孔が形成されているとともに、その第1貫通孔の周囲に複数の第2貫通孔が形成されている。夫々の第2貫通孔は、同一円周上に形成されていることが好ましい。夫々のクランクシャフトは、シャフトの軸線に対して偏心している偏心体を備えており、その偏心体が第2貫通孔に嵌合している。
また、減速ギアユニットには、内歯歯車の軸線を内包し基部側から出力側まで貫通している中心貫通孔が形成されている。内歯歯車がリング状であり、外歯歯車の中心に第1貫通孔が形成されているので、減速ギアユニットに中心貫通孔を形成することが可能となっている。なお、「中心貫通孔が内歯歯車の軸線を内包する」とは、内歯歯車の軸線が中心貫通孔を通過することを意味する。必ずしも中心貫通孔の中心線と内歯歯車の軸線が一致することを意図するものではない。
複数のモータは、夫々の出力軸が、対応する夫々のクランクシャフトに連結されている。複数のモータは、その外周が減速ギアユニットの中心貫通孔を軸方向に延長した円筒の外側に位置するように配置されている。
上記のモータ付減速装置は、モータの外周が中心貫通孔を延長した円筒の外側に位置するように配置されている。そのため、配線や配管等を、モータに邪魔されることなく、減速ギアユニットの内歯歯車(出力部)の中心を通過させて減速ギアユニットの基部側から出力側へ通すことができる。従って、その配線や配管等がモータと接触して断線等の不具合が生じることを抑制できる。
モータの出力軸は、クランクシャフトに直接連結されていることが好ましい。モータの出力軸とクランクシャフトの間にギヤを介在させる必要がないので、モータの出力軸とクランクシャフトの間にバックラッシが発生することがない。
また、全てのクランクシャフトに、対応するモータが夫々連結されていることが好ましい。すなわち、クランクシャフトと同数のモータを備えていることが好ましい。そのようなモータ付減速装置は、モータのサイズを大きくすることなく、大きなトルクを出力することができる。また、モータの数を多くすることによって、夫々のモータのサイズを小さくすることができ、モータ付減速装置をコンパクトにすることができる。
本発明のモータ付減速装置は、複数のモータの少なくとも1つにモータの回転角を検出する回転角検出手段が連結されており、複数のモータの他の少なくとも1つに回転角検出手段が連結されていない。
上記のモータ付減速装置は、複数のモータを備えているが、最終的に制御すべき物理量は出力部である内歯歯車の回転角(或いは回転角速度)である。全てのモータは、クランクシャフトと外歯歯車を介して、内歯歯車と係合している。従って、少なくとも一つのモータの回転角が検出できれば、その回転角から内歯歯車の回転角を得ることができるので、すべてのモータに回転角検出手段を設ける必要がない。また、モータの他の少なくとも1つには回転角検出装置が連結されていない。そのため、モータ付減速装置の大きさを実質的に拡大することなく、モータの少なくとも1つには回転角検出装置以外の部材(例えばブレーキ等)を連結することができる。
本発明のモータ付減速装置では、複数のモータ(好ましくは全てのモータ)が、1つのモータ制御装置から出力される同一のトルク指令信号によって駆動されることが好ましい。換言すれば、モータ付減速装置は、複数のモータを同一のトルク指令値で制御する1つのモータ制御装置を備えていることが好ましい。
上記のモータ付減速装置によると、複数のモータに対して同数のモータ制御装置を用意する必要がない。最小数のモータ制御装置でモータ付減速装置を駆動させることができるので、コストを低減することができる。また、複数のモータの夫々に回転角検出手段を連結して夫々のモータを独立に制御すると、モータ間のトルク指令信号が干渉し合って、トルク指令信号が発振しやすい。本発明のモータ付減速装置では、減速ギアユニットの特性を利用して回転角検出手段とモータ制御装置を最適化することができる。すなわち、上記のモータ付減速装置は、1つの回転角検出手段と1つのモータ制御装置で全てのモータに常に同じ電流(トルク指令信号)を与えることにより、複数のモータを使用するときに生じる問題点を解決することができる。
本発明のモータ付減速装置は、複数のモータの全てが同一のトルク特性を有していることが好ましい。
上記のモータ付減速装置によると、同一のトルク特性を有しているモータに、同一のトルク指令信号が入力される。夫々のモータのトルクは全て1つの外歯歯車に伝達される。従って、何らかの要因で夫々のモータに加わる負荷の大きさにばらつきが生じた場合でも、負荷の小さいモータによって外歯歯車が加速させられ、その結果、外歯歯車から負荷の大きいモータへ加わる負荷が軽減される。結果的に、モータに加わる負荷は均等に配分され、外歯歯車の回転バランスが良好に維持される。
本発明のモータ付減速装置は、複数のモータのうちの回転角検出手段が連結されていないモータにのみブレーキが連結されていることが好ましい。
上記のモータ付減速装置によると、ブレーキの働きによって、減速ギアユニットの出力部(内歯歯車)の回転角をより正確に制御したり、出力部を間欠的に動作させることができる。また、回転角検出手段が連結されていないモータにのみブレーキが連結されるので、回転角検出手段が連結されているモータにさらにブレーキを連結したものと比較すると、モータ付減速装置のサイズをコンパクトにすることができる。
本発明のモータ付減速装置では、各々のモータは、その外径が内歯歯車の外周面を軸方向(内歯歯車の軸線に平行な方向)に延長した円筒の内側に納まる大きさであることが好ましい。換言すると、各々のモータが、その外周が内歯歯車の外周面を延長した円筒の内側に位置するように配置されていることが好ましい。
上記のモータ付減速装置によると、モータ付減速装置をその軸方向から平面視したときに、各々のモータの外径が内歯歯車の外径(すなわち、減速ギアユニットの外径)の外側にはみ出さない。モータを含めた減速装置全体の外径寸法を、モータを含まない減速ギアユニット単体の外径寸法と同一にすることができる。モータを含めた減速装置全体を、モータを含まない減速ギアユニットを収容するのに必要な内径を有する中空ケース内に収納することができる。モータ付減速装置の占めるスペースを大きくすることなく、高トルク化することができる。
本発明のモータ付減速装置では、中心貫通孔の内径をdとし、内歯歯車の外径をDとしたときに、下記式(1)を満足することが好ましい。
0.2≦d/D≦0.5 (1)
一般的に、大きなサイズの減速ギアユニットの出力部には、大きな装置を取り付けることが多い。そのため、減速ギアユニットのサイズが大きくなるにしたがって、減速ギアユニット内を通過させたい配線や配管等のサイズも大きくなる。その配線や配管等が占めるサイズは、減速ギアユニット(内歯歯車)の外径のおよそ20%程度になることがある。すなわち、中心貫通孔の内径dと内歯歯車の外径Dの関係がd/D<0.2の場合、減速ギアユニット内を配線や配管等を通過させることができない虞がある。
また、小さな径のモータは大きなトルクを出力することができない。一般的に、減速ギアユニットを適切に駆動させるためには、減速ギアユニットの外径の約25%未満の外径を有するモータを使用することは好ましくない。減速ギアユニットを適切に駆動させるための十分なトルクを出力するために、減速ギアユニットの外径の約25%以上の外径を有するモータを使用することが好ましい。すなわち、中心貫通孔の内径dと内歯歯車の外径Dの関係がd/D>0.5の場合、モータを配置するための空間が狭くなってしまい、減速ギアユニットの外径の約25%以上のモータを配置することができなくなる。その結果、減速ギアユニットを適切に駆動させることができなくなる虞がある。また、減速ギアユニットを構成する部品を極端に小型化する必要があるため、減速ギアユニット内部の設計、特にクランクシャフトの周囲の設計が困難になってしまう。
中心貫通孔の内径dと、内歯歯車の外径Dが上記式(1)を満足することによって、減速ギアユニットの基部側から出力側へ配線や配管等を通過させるための十分な空間を確保するとともに、減速ギアユニットを適切に駆動させるトルクを出力することができるサイズのモータを採用することができる。
本発明は、上記モータ付減速装置を使用した産業機械も提供する。産業機械の旋回部が、上記モータ付減速装置によって駆動される。
多関節ロボットでは、内部に配線等を通過させるとともに、正確に動作することが求められる。そのため、高トルクを得るために大きなモータを採用すると、モータの慣性力によって、多関節ロボットが振動することがある。大きなモータを関節に配置すると、多関節ロボットを正確に動作させることが困難となる。上記したモータ付減速装置は、大きなモータを採用しなくても高トルクを得ることができる。そのため、モータの慣性力が小さいので、多関節ロボットを正確に動作させることができる。上記モータ付減速装置は、多関節ロボットの手首関節を駆動することが好ましい。換言すると、上記モータ付減速装置は、多関節ロボットの手首関節に配置されていることが好ましい。
本発明のモータ付減速装置によると、減速ギアユニットの出力部の軸線を内包し、減速ギアユニットの基部側から出力側へ通じる貫通孔を有しながら、高精度に高トルクを出力することができる。
第1実施例のモータ付減速装置の断面図(1)を示す。 図1のII−II線に沿った断面図を示す。 第1実施例のモータ付減速装置の断面図(2)を示す。 モータの制御回路を示す。 第2実施例の産業機械の部分断面図を示す。 第3実施例の産業機械の部分断面図を示す。 図6の矢印A方向からの外観図を示す。
各実施例の特徴を以下に記す。
(第1特徴)モータのロータは、クランクシャフトの軸部に固定されている。
(第2特徴)減速ギアユニットの出力部は内歯歯車である。外歯歯車の中心が内歯歯車の軸線の周りを公転すると、すなわち、外歯歯車が内歯歯車の軸線の周りを偏心回転すると、内歯歯車が基部に対して回転する。
図面を参照して実施例を説明する。
(第1実施例)
図1は、本実施例のモータ付減速装置100の断面図を示している。図2は、図1のII−II線に沿った断面図を示している。また、図3は、モータ付減速装置100の別の部分の断面図を示している。図1の断面図は図2のI−I線に沿った部分に相当し、図3の断面図は図2のIII−III線に沿った部分に相当する。なお、図面の明瞭化のため、図3では、図3の断面図に特有な箇所にのみ符号を付し、図1と実質的に同じ部品については符号を省略している。
図1に示すように、モータ付減速装置100は、減速ギアユニット102と複数のモータ57a〜57dを備えている。なお、図1にはモータ57aと57dのみを図示し、他のモータ57b、57cの図示を省略している。
減速ギアユニット102は、内歯歯車18と外歯歯車20X、20Yと複数のクランクシャフト49と円筒部材64を備えている。後述するように、内歯歯車18を、減速ギアユニット102の出力部と称することがある。内歯歯車18を回転自在に支持する部分を、固定部と称することがある。具体的には、後述するキャリア(キャリア上部4とキャリアベース24)が、減速ギアユニット102の固定部に相当する。なお、以下の説明では、複数個が存在する実質的に同一種類の部品に共通した事象を説明する場合には、符号に付しているアルファベットの添え字を省略することがある。
図2に示すように、内歯歯車18はリング状に形成されている。内歯歯車18は、外歯歯車20の歯数と異なる歯数を有している。外歯歯車20は、内歯歯車18の内歯ピン22と噛み合いながら、内歯歯車18の軸線18Mの周りを偏心回転する。すなわち、外歯歯車20の中心が、内歯歯車18の軸線18Mの周りを公転する。外歯歯車20の中心部に第1貫通孔60が形成されており、第1貫通孔60内を円筒部材64が通過している(図1も参照)。外歯歯車20の第1貫通孔60の周囲に、複数の第2貫通孔68a〜68hが形成されている。夫々の第2貫通孔68は、同一円周上に形成されている。なお詳細は後述するが、第2貫通孔68a、68c、68e、68gにはクランクシャフト49の偏心体50が嵌合しており、第2貫通孔68b、68d、68f、68h内をキャリア上部4の柱状部5が通過している。
図1に示すように、クランクシャフト49は、シャフト54と偏心体50X、50Yを備えている。偏心体50X、50Yは、シャフト54の軸線に対して偏心している。偏心体50は、針状ころ軸受46を介して第2貫通孔68a、68c、68e、68g(図2を参照)に嵌合している。なお、針状ころ軸受46において、符号44は「ころ」を示しており、符号42は、ころ44を保持する保持器を示している。
符号4はキャリア上部を示しており、符号24はキャリアベースを示している。キャリア上部4とキャリアベース24は、ボルト66によって締結されており、一体となって減速ギアユニット102のキャリアを構成する(図3を参照)。モータ付減速装置100は、キャリアベース24がボルト29によって基部(例えばロボットの旋回部や回転装置のベース等)に固定される。すなわち、キャリア(キャリア上部4とキャリアベース24)は、基部に対して回転することが拘束される。その結果、外歯歯車20X、20Yは基部に対して回転することが拘束される。そして前述したように、外歯歯車20X、20Yに対して内歯歯車18が回転する。従って、キャリア(キャリア上部4とキャリアベース24)が、減速ギアユニット102の固定部に相当する。内歯歯車18が、減速ギアユニット102の固定部(キャリア上部4とキャリアベース24)に対して回転する出力部に相当する。
図3に示すように、キャリア上部4の柱状部5dが、外歯歯車20Xの第2貫通孔69dと外歯歯車20Yの第2貫通孔68dを通過している。図2に示すように、キャリア上部4は複数の柱状部5b、5d、5f、5hを有しており、夫々の柱状部5b、5d、5f、5hが対応する第2貫通孔68b、68d、68f、68hを通過している。図示を省略しているが、夫々の柱状部5b、5d、5f、5hは、外歯歯車20Xの対応する第2貫通孔69b、69d、69f、69hも通過している(図3も参照)。
外歯歯車20Yの第2貫通孔68b、68d、68f、68hと柱状部5b、5d、5f、5hの間には、外歯歯車20Yが内歯歯車18の軸線18Mの周りを偏心回転することを許容する間隔が確保されている。同様に、外歯歯車20Xの第2貫通孔69と、第2貫通孔69に対応する柱状部5の間には、外歯歯車20Xが内歯歯車18の軸線18Mの周りを偏心回転することを許容する間隔が確保されている。
図1に示すように、キャリア(キャリア上部4とキャリアベース24)と内歯歯車18の間に、一対の円錐ころ軸受16X、16Yが配置されている。円錐ころ軸受16X、16Yによって、内歯歯車18は、キャリアに対して回転可能であるとともにスラスト方向に変位不能に支持されている。本実施例ではキャリアと内歯歯車18の間に一対の円錐ころ軸受を配置したが、円錐ころ軸受の代わりにアンギュラ玉軸受を使用してもよい。
キャリアとクランクシャフト49の間に、一対の円錐ころ軸受40X、40Yが配置されている。円錐ころ軸受40X、40Yによって、クランクシャフト49は、キャリアに対して回転可能であるとともにスラスト方向に変位不能に支持されている。なお、円錐ころ軸受16において、符号8は内輪を示し、符号14は外輪を示し、符号12は「ころ」を示し、符号10はころ12を保持する保持器を示している。円錐ころ軸受40において、符号38は内輪を示し、符号32は外輪を示し、符号36は「ころ」を示し、符号34はころ36を保持する保持器を示している。
上記したように、クランクシャフト49は偏心体50(偏心体50Xと50Y)を有している。偏心体50Yは、針状ころ軸受46Yを介して外歯歯車20Yの第2貫通孔68a、68c、68e、68g(図2を参照)に嵌合している。そのため、偏心体50Yは、第2貫通孔68a、68c、68e、68gの内側で回転することができる。同様に、偏心体50Xは、外歯歯車50Xの第2貫通孔に嵌合している。
偏心体50Xと円錐ころ軸受40Xの間に止め部材48が配置されており、偏心体50Yと円錐ころ軸受40Yの間に止め部材52が配置されている。止め部材48、52は、偏心体50X、50Yがシャフト54の軸線方向に変位することを防止している。
クランクシャフト49において、偏心体50Xと50Yの夫々の軸線は、シャフト54の軸線からオフセットしている。偏心体50Xと50Yでは、オフセットの方向が逆向きである。すなわち、偏心体50Xの軸線と偏心体50Yの軸線は、常にシャフト54の軸線を挟んだ反対側にある。すなわち、外歯歯車20Xと外歯歯車20Yは、内歯歯車18の軸線18Mに対して常に対称の位置に存在している。そのため、減速ギアユニット102の回転バランスが確保される関係が実現されている。
キャリア上部4には、その中央を貫通する中心孔4aが形成されている。キャリアベース24には、その中央を貫通する中心孔24aが形成されている。円筒部材64が、外歯歯車20X、20Yの夫々の第1貫通孔60X、60Yの双方を通過して、キャリア上部4の中心孔4aとキャリアベース24の中心孔24aを連結している。キャリア上部4の中心孔4a、キャリアベース24の中心孔24a、及び、円筒部材64の内周面64aによって、減速ギアユニット102には、内歯歯車18(出力部)の軸線18Mを内包し、減速ギアユニット102の基部側から出力側(内歯歯車18が回転させる部材が存在する側)に通じる中心貫通孔110が形成される。減速ギアユニット102に、出力部の軸線を内包し、その基部側から出力側に通じる中心貫通孔110が形成できるのは、内歯歯車18がリング状に形成されていることと、内歯歯車18の内側で偏心回転する外歯歯車20X、20Yの中心部に第1貫通孔60X、60Yが形成されているからである。
キャリア上部4の中心孔4aの内径とキャリアベース24の中心孔24aの内径と円筒部材64の内周面64aの径は共に等しく、その値は記号dで表される。
ここで、減速ギアユニット102の「固定部」と「出力部」という用語について説明する。後述するように、モータ付減速装置100では、モータ57がキャリアベース24に固定されている。モータ57のロータ56が回転すると、内歯歯車18がキャリア(キャリア上部4とキャリアベース24)とモータ57に対して相対的に回転する。本実施例では、キャリアが減速ギアユニット102の筐体に相当する。従って、内歯歯車18を減速ギアユニット102の出力部と称することができ、キャリアを減速ギアユニット102の固定部と称することができる。
キャリア(キャリア上部4とキャリアベース24)と内歯歯車18の間に、一対のオイルシール6X、6Yが配置されている。キャリアベース24と夫々のクランクシャフト49のシャフト54の間に、オイルシール30が配置されている。キャリア上部4の上部にシールキャップ2が配置されている。オイルシール6X、6Y、30と、シールキャップ2によって、減速ギアユニット102内に挿入されたオイルが外部に漏れることを防止できる。
次に、複数のモータ57について説明する。
複数のモータ57の夫々はステータ58とロータ(モータの出力軸)56を備えている。ロータ56は、クランクシャフト49のシャフト54に連結されている。モータ付減速装置100は4本のクランクシャフト49を備えており、全てのクランクシャフト49に対応するモータ57が夫々連結されている。
モータ57は、その外周が減速ギアユニット102の中心貫通孔110を軸方向に延長した円筒の外側に位置するように配置されている。モータ57をそのように配置することによって、配線や配管等(図示省略)を、モータ57に邪魔されることなく、減速ギアユニット102の中心貫通孔110を通過させることができる。
キャリアベース24にステータ58が固定されており、クランクシャフト49のシャフト54にロータ56が連結されている。ロータ56は、ステータ58の軸線の周りを回転する。ロータ56が回転すると、シャフト54はロータ56と一体に回転する。キャリアに支持されているクランクシャフト49のシャフト54が、モータ57の出力軸を兼ねている。そのため、モータ57は、ステータ58に対してロータ56を支持させるための軸受を必要としない。ロータ56がクランクシャフト49のシャフト54に連結されているので、ロータ56はステータ58に対して回転可能であり、ロータ56とステータ58の軸線方向の位置関係が変化しない。
次に、モータ付減速装置100のメカニズムについて説明する。
モータ57のロータ56が回転し、クランクシャフト49がシャフト54の軸線の周りを回転すると、偏心体50が偏心回転する。換言すると、偏心体50の軸線が、シャフト54の軸線の周りを公転する。偏心体50が偏心回転すると、外歯歯車20が内歯歯車18の軸線18Mの周りを偏心回転する。すなわち、外歯歯車20の中心が、内歯歯車18の軸線18Mの周りを公転する。
外歯歯車20と内歯歯車18は噛み合っているので、外歯歯車20が公転すると、内歯歯車18は外歯歯車20に対して相対回転する。上記したように、外歯歯車20は固定部(キャリア)に対して回転が拘束されているため、内歯歯車18が固定部(キャリア)に対して回転する。
図2に示すように、モータ付減速装置100では、外歯歯車20が51本の歯を有しており、内歯歯車18が26本の歯(26本の内歯ピン)を有している。また、外歯歯車20の外歯は、1つおきに内歯ピン22と噛み合っている。そのため、外歯歯車20が軸線18Mの周りを52回(26×2)公転すると、内歯歯車18が軸線18Mの周りを1回回転する。また、図2から明らかなように、外歯歯車20の全ての外歯が内歯ピン22に接している。そのため、外歯歯車20と内歯歯車18の間に、バックラッシが発生しにくい構造が実現されている。また、図1に示すように、外歯歯車20X、20Yの双方が1つの内歯ピン22と噛み合っている。この構造が、外歯歯車20と内歯歯車18の間に生じるバックラッシを低減している。なお、内歯ピン22は内歯歯車18に固定されていない。内歯ピン22は内歯歯車18に形成された溝に嵌め込まれており、その溝内で回転することができる。
なお、外歯歯車20の歯数と内歯歯車18の歯数(内歯ピン22の数)を調整することによって、モータ付減速装置100の減速比を適宜変更することができる。
次に、モータ57の制御方法について説明する。
図1に示すように、複数のモータ57(モータ57a〜57d、なお、図1ではモータ57bと57cの図示を省略している)のうちの1つのモータ57dに、そのモータの回転角を検出するエンコーダ(回転角検出手段)26が連結されている。他の3つのモータ57a〜57cにはエンコーダ26が連結されていない。他の3つのモータ57a〜57cにはエンコーダ26に代えて、ブレーキ28a〜28cが連結されている。図1には、モータ57aにブレーキ28aが接続されていることが図示されている。すなわち、エンコーダ26が連結されていないモータ57にのみブレーキ28が連結されている。そのため、モータ57にエンコーダ26とブレーキ28の双方を連結する場合と比較すると、モータ付減速装置100は、軸方向の長さが短い。なお、4つのモータ57a〜57dの全てが同一のトルク特性を有している。
図4に、4つのモータ57a〜57dの制御回路を示す。モータ57a〜57cには、夫々ブレーキ28a〜28cが連結されている。モータ57dにはエンコーダ26が連結されている。符号70は制御装置(モータ制御装置)を示しており、エンコーダ26によって検出されたモータ57dの回転角は、配線72を介して制御装置70に入力される。制御装置70から出力される同一のトルク指令信号は、配線84を介してモータ57a〜57dに入力される。また、制御装置70から出力される同一のモータ停止信号は、配線74を介してモータ57a〜57dに入力される。これらのモータ57a〜57dを組み立てる際は、磁極と巻き線の位相を同一にしている。そのため、モータ57a〜57dは、磁極位相が同期する。
モータ付減速装置100では、モータ57dの回転角のみを検出し、モータ57dの回転角から内歯歯車18の回転角を算出している。
上記したように、夫々のクランクシャフト49の偏心体50は、外歯歯車20Yの第2貫通孔68a、68c、68e、68gに嵌合している。また、外歯歯車20(外歯歯車20X、20Y)は内歯歯車18と噛み合っている。従って、複数のモータ57のうちいずれか一つのモータ57の回転角を検出すれば、減速ギアユニット102の出力部である内歯歯車18の回転角を得ることができる。モータ付減速装置100は複数のモータ57を備えているが、最小数のエンコーダ26によって、出力部(内歯歯車18)の回転角を検出することができる。
モータ57a〜57dは、制御装置70から出力される同一のトルク指令信号によって駆動される。すなわち、全てのクランクシャフト49に同一のトルクが加えられる。全てのクランクシャフト49に加えられたトルクは、最終的にひとつの内歯歯車18に伝達される。従って、例えば瞬間的にモータ57aに加わる負荷が大きくなる(モータ57aに連結しているクランクシャフト49に加わる負荷が大きくなる)と、その結果、モータ57b〜57dに加わる負荷が小さくなる。そうすると、モータ57b〜57dが増速して、モータ57aに加わる負荷を小さくするように働くため、結果的にモータ57a〜57dに加わる負荷が均等になる。すなわち、瞬間的に1つのクランクシャフト49の加わる負荷が大きくなっても、結果的に4つのクランクシャフト49に加わる負荷が均等になる。そのため、外歯歯車20の周方向において、クランクシャフト49から外歯歯車20に伝達される力が均等になる。外歯歯車20にねじれ(変形)が生じたり、モータ58と外歯歯車20の間でトルクの伝達精度が低下してしまうといった不具合が生じにくい。その結果、外歯歯車20の回転バランスを良好に維持することができ、応答性と回転精度の高い減速ギアユニット102を実現することができる。
すなわち、モータ付減速装置100は、モータ57a〜57dの夫々に制御装置を連結する場合と比較して、外歯歯車20の回転バランスを良好に維持することができ、高精度に高トルクを出力することができる。また、1つの制御装置70のみで複数のモータ57を制御するので、低コストのモータ付減速装置を実現することができる。
次に複数のモータ57の配置について説明する。
図1に示すように、複数のモータ57は、その外周が減速ギアユニット102の中心貫通孔110を軸方向に延長した円筒の外側に位置するように配置されている。同時に複数のモータ57は、内歯歯車18の外周面を延長した円筒の内側に位置するように配置されている。中心貫通孔110内には、配線や配管等(図示省略)を通すことができる。モータ57が上記した位置に収まる大きさであるため、配線や配管等を、モータ57に邪魔されることなく、中心貫通孔110に通すことができる。また、モータ付減速装置100全体の外径を、内歯歯車18の外径以下にすることができる。
本実施例では、内歯歯車18の外径とキャリアベース24の外径が等しい。内歯歯車18の外径(キャリアベース24の外径)が、減速ギアユニット102の外径を規定する。モータ付減速装置100を他の装置に実装する場合、内歯歯車18の外径と同じ外径の中空スペースを確保すれば、他の装置内にモータ付減速装置100を固定することができる。例えばモータ付減速装置100を産業用ロボットの関節部に使用するときに、関節部の外径を、減速ギアユニット102の内歯歯車18の外径と同程度にすることができる。
中心貫通孔110の径をdとし、内歯歯車18の外径をDとしたときに、モータ付減速装置100は、下記式(1)を満足している。
0.2≦d/D≦0.5 (1)
例えば内歯歯車18の外径が150mmの減速ギアユニットでは、配線や配管等を通過させるために、一般的に、最大で直径30mm程度の孔が必要とされる。内歯歯車18の外径が大きくなると、それに比例して必要とされる孔も大きくなる。モータ付減速装置100では、中心貫通孔110の径dと内歯歯車18の外径Dの関係がd/D≧0.2を満足しているため、中心貫通孔110内を配線や配管等を確実に通過させることができる。
また、例えば内歯歯車18の外径が150mmの減速ギアユニットでは、クランクシャフト49を適切に駆動させるために、一般的に、最小で直径約37mm以上のモータ57が必要とされる。内歯歯車18の外径が大きくなる(減速ギアユニットのサイズが大きくなる)と、それに比例して大きな直径のモータ57を使用する必要がある。中心貫通孔110の径dと内歯歯車18の外径Dの関係がd/D>0.5になってしまうと、必要なサイズ(内歯歯車18の外径の約25%以上)のモータ57を配置するスペースを確保することが難しい。上記したように、モータ57の外径が中心貫通孔110の内側に張り出すことは好ましくない。モータ付減速装置100では、中心貫通孔110の径dと内歯歯車18の外径Dの関係がd/D≦0.5を満足しているため、モータ57の外径が中心貫通孔110の内周面の外側に位置するように配置するとともに、クランクシャフト49を適切に駆動させることができる。
(第2実施例)
図5に、産業機械の部分断面図を示す。この産業機械は、多関節ロボットの手首関節200である。手首関節200は、多関節ロボットの前腕(図示省略)に取り付けられている。手首関節200は3自由度(即ち3つの回転軸)を有している。3つのモータ付減速装置100(100a、100b及び100c)が手首関節200に配置されている。夫々のモータ付減速装置が、夫々の回転軸周りの回転を実現している。なお、図5では、モータ付減速装置100のうち、内歯歯車(出力部)18、キャリアベース(固定部)24及びモータ57のみを図示し、他の部材の図示を省略している。
図5に示すように、前腕(図示省略)の出力部に、第1モータ付減速装置100cの固定部24が固定されている。第1モータ付減速装置100cの出力部18に固定部材92が固定されている。その固定部材92に、第2モータ付減速装置100bの固定部24が固定されている。第2モータ付減速装置100bの出力部18に固定部材90が固定されている。その固定部材90に、第3モータ付減速装置100aの固定部24が固定されている。そのため、第1モータ付減速装置100cが駆動すると、第3モータ付減速装置100a、及び第2モータ付減速装置100bが、軸線CL3の周りに回転する。第2モータ付減速装置100bが駆動すると、第3モータ付減速装置100aが、軸線CL2の周りに回転する。第3モータ付減速装置100aが駆動すると、第3モータ付減速装置100aの出力部18に固定されているロボットハンド(不図示)が、軸線CL1の周りに回転する。なお、第1モータ付減速装置100cの中心貫通孔110cと第3モータ付減速装置100aの中心貫通孔110aを、配線88が通過している。
上記したように、モータ57は、その外周が中心貫通孔110を軸方向に延長した円筒の外側に位置するように配置されている。そのため、手首関節200では、配線88を、モータ57に邪魔されることなく、中心貫通孔110a、110cを通過させることができる。手首関節200を採用することにより、多関節ロボットの組み立てを容易にすることができる。また、モータ付減速装置100は、全てのクランクシャフト49に対応するモータ57が夫々連結されているので(図1を参照)、小型のモータで高トルクを出力することができる。小型のモータは、駆動時の慣性力が小さいので、駆動時に振動が生じにくい。手首関節200にモータ付減速装置100を採用することにより、多関節ロボットの動作を正確に制御することができる。
(第3実施例)
図6に、産業機械の部分断面図を示す。この産業機械は、多関節ロボットの手首関節300である。図7に、手首関節300の一部を矢印A方向に観察した外観図を示す。なお、手首関節300は前述した手首関節200の変形例であり、手首関節200と実質的に同じ部品については、同じ符号を付すことにより説明を省略する。
軸線CL2方向に観察すると、前述した手首関節200では、モータ付減速装置100のモータ57が、手首関節200の外側(配線88とは反対側)に位置している。他方、手首関節300では、第2モータ付減速装置100bのモータ57が、手首関節300の内側(配線88側)に位置している。手首関節300は、軸線CL2方向のサイズを手首関節200よりも小さすることができる。
手首関節300では、第1モータ付減速装置100cの出力部18に固定部材96が固定されている。その固定部材96に、第2モータ付減速装置100bの固定部24が固定されている。第2モータ付減速装置100bの出力部18に固定部材94が固定されている。その固定部材94に、第1モータ付減速装置100aの固定部24が固定されている。手首関節300は、手首関節200と同様に動く。
また、図7に示すように、モータ57の外周が中心貫通孔110の外側に位置するように配置されている。従って、モータ57が手首関節300の内側に位置していても、モータ57と配線88が干渉することはない。
上記多関節ロボットは、複数の手首関節を有しており、3つのモータ付減速装置100(100a、100b及び100c)が手首関節200に配置されている。しかしながら、多関節ロボットの手首関節以外の関節を、モータ付減速装置100によって駆動させることもできる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上記実施例では、内歯歯車が出力部であり、キャリアが固定部(基部に固定される部分)である例について説明した。しかしながら、キャリアが出力部であり、内歯歯車が固定部であってもよい。その場合、内歯歯車を基部に固定する。キャリアが基部に対して回転する。
上記実施例では、モータが、その外周が内歯歯車の外周面を軸方向に延長した円筒の内側に収まっている。しかしながら、モータの外周が内歯歯車の外周面を軸方向に延長した円筒の外側に位置するようなモータを使用していてもよい。モータの直径を大きくすることができるため、高トルクのモータを使用することができる。モータ付減速装置を固定する他の装置の基部の形状と、必要とされるモータトルクに応じて、適宜選択することができる。
上記実施例では、モータの1つにエンコーダが連結されており、他のモータにブレーキが連結されている。しかしながら、2つ以上のモータにエンコーダを連結し、他のモータにブレーキを連結してもよい。モータの回転角を検出する精度がより向上する。必要とされるモータ制動力と、必要とされるモータの回転角の検出精度に応じて、適宜変更することができる。また、モータに、エンコーダとブレーキの双方が連結していてもよい。モータの回転角の検出精度が向上するとともに、モータの制動力も向上する。モータ付減速装置の軸方向のスペースに余裕がある場合等に有効な方策である。
また、第2貫通孔の数は上記実施例に限定されるものではない。必要とされるクランクシャフトの数と、第2貫通孔を通過させたいキャリアの数や面積に応じて適宜変更することができる。
さらに、上記実施例のモータ付減速装置を、NC旋盤のタレットや割出テーブルなど、産業機械の旋回装置に適用することもできる。これにより、コンパクトで高精度な旋回装置を実現することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

Claims (7)

  1. 減速ギアユニットと複数のモータを備えるモータ付減速装置であり、
    減速ギアユニットは、
    リング状の内歯歯車と、
    内歯歯車の内側で軸線の周りを偏心回転することが可能であり、中心に第1貫通孔が形成されているとともに、その第1貫通孔の周囲に複数の第2貫通孔が形成されている外歯歯車と、
    シャフトの軸線に対して偏心している偏心体を有しており、その偏心体が第2貫通孔に嵌合している複数のクランクシャフトと、を備えており、
    内歯歯車の軸線を内包し、基部側から第1貫通孔を通って出力側に至る中心貫通孔が形成されており、
    複数のモータは、
    夫々の出力軸が夫々のクランクシャフトに連結されており、
    その外周が減速ギアユニットの中心貫通孔を軸方向に延長した円筒の外側に位置するように配置されており、
    複数のモータの少なくとも1つに、モータの回転角を検出する回転角検出手段が連結されており、複数のモータの他の少なくとも1つに回転角検出手段が連結されていないことを特徴とするモータ付減速装置。
  2. 複数のモータが、1つのモータ制御装置から出力される同一のトルク指令信号によって駆動されることを特徴とする請求項に記載のモータ付減速装置。
  3. 複数のモータの全てが同一のトルク特性を有していることを特徴とする請求項に記載のモータ付減速装置。
  4. 複数のモータのうちの回転角検出手段が連結されていないモータにのみブレーキが連結されていることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のモータ付減速装置。
  5. 各々のモータは、その外径が内歯歯車の外周面を軸方向に延長した円筒の内側に収まる大きさであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のモータ付減速装置。
  6. 中心貫通孔の内径をdとし、内歯歯車の外径をDとしたときに、下記式(1)を満足することを特徴とする請求項に記載のモータ付減速装置。
    0.2≦d/D≦0.5 (1)
  7. 旋回装置を有している産業機械であり、その旋回装置が、請求項1からのいずれか1項に記載のモータ付減速装置によって駆動されることを特徴とする産業機械。
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