JP5285173B2 - 放射線防護服および宇宙服 - Google Patents

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本発明は、放射線遮蔽素材、放射線防護服及び宇宙服に関するものであって、特に、ガンマ線等を遮蔽する放射線遮蔽素材、放射線防護服及び宇宙服に関するものである。
従来から、高放射線環境においては、作業者を放射線から守る放射線遮蔽手段が必要とされている。例えば、作業者の全身を覆う放射線防護服及び放射線防護服を形成する放射線遮蔽素材が知られている(例えば、特許文献1〜3)。特許文献1記載の発明は、着用者のほぼ全身を覆う放射線防護服に湿分透過素材を使用されているものである。特許文献2記載の発明は、防護服に用いることができる空調衣服において、衣服本体の内面に複数のスペーサを取り付け、これによって、衣服本体と身体又は下着との間に空気を流通させるための空気流通路を形成しているものである。上記構成によって、特許文献1及び2記載の発明に係る防護服は、除湿機能を有し、発汗による着用者の不快感を軽減させることができるものである。しかしながら、特許文献1記載の湿分透過素材及び特許文献2記載の複数のスペーサは、放射線防護機能を有するものではなく、放射線防護機能を補強するものでもない。
これに対して特許文献3記載の発明は、エックス線防護を目的として、放射線遮蔽素材に異なるシールド特性を有する2つの層を採用したものである。この2つの層は二次放射層とバリア層からなる。二次放射層は入射したエックス線の大部分を蛍光放射線に変換し、バリア層は二次放射層で生じた蛍光放射線をブロックする。この放射線遮蔽素材を用いて形成した防護服は、着用すると、二次放射層が着用者の体から遠い方に位置し、バリア層が着用者の体に近い方に位置するように形成されている。これにより、特許文献3記載の放射線防護服は、エックス線放射から着用者を保護するものである。
特開平10−197688号公報 国際公開第2005/082182号 特表2007−504450号公報
しかしながら、上記特許文献3記載の放射線遮蔽素材及び放射線防護服は、エックス線診断の際に用いられ、遮蔽できる放射線はエックス線のみである。一方、原子力発電所等においては、中性子線、ガンマ線が放出される可能性がある。放射線の中でも、中性子線及びガンマ線は高い物質透過力を有する。
したがって、原子力発電所等の高放射線環境では、中性子線及びガンマ線から作業者を保護する必要がある。
そこで、本発明の目的は、中性子線及びガンマ線を遮蔽する放射線遮蔽素材、放射線防護服及び宇宙服を提供することである。
本発明は、放射線遮蔽素材に係るものである。上記目的を達成するために、本発明に係る放射線遮蔽素材は、散乱エックス線及び電子線を遮蔽する内皮層と、内皮層に積層された、ガンマ線を遮蔽する中皮層と、中皮層に積層された、中性子線を遮蔽する上皮層とを備える。例えば、中皮層は、内皮層側に、複数の中空層と、中空層を仕切る隔壁部を備える。
「中空層」とは気体により構成される層をいう。一例として、中空層は、空気が充填されたものである。他の例として、中空層は、ヘリウムが充填されたものである。さらに他の例として、中空層は、ガンマ線遮蔽材を含む物質が充填されたものである。隔壁部は、該隔壁部を介して隣り合う中空層内の充填物を連通させる連通孔を備えるように構成しても良い。
例えば、上皮層は、少なくともホウ素を加えたシリコンゴムから形成される。一例として、中皮層は、ビスマス及びチタンの少なくとも1種、ケイ素、並びにストロンチウムを少なくとも加えたシリコンゴムから形成される。 内皮層は、少なくともケイ素、ストロンチウム、マグネシウム、ユーロピウム及びジスプロシウムを加えたシリコンゴムから形成しても良い。一例として、シリコンゴムと該シリコンゴムに加えられる物質との混合体積比は、40:60である。他の例として、シリコンゴムに加える物質の割合を変化させて、シリコンゴムの硬さを調整しても良い。
また、本発明は、放射線防護服に係るものである。上記目的を達成するために、本発明に係る放射線防護服は、散乱エックス線及び電子線を遮蔽する内皮層と、内皮層に積層された、ガンマ線を遮蔽する中皮層と、中皮層に積層された、中性子線を遮蔽する上皮層とを備える放射線遮蔽素材を用いて、着用者の体表面を覆うように形成されている。
例えば、中皮層は、内皮層側に、気体により構成される複数の中空層と、該中空層を仕切る隔壁部を備える。一例として、中空層は、ヘリウムが充填されたものである。隔壁部は、該隔壁部を介して隣り合う中空層内の充填物を連通させる連通孔を備えるように構成しても良い。着用者の関節に対応する部位において、他の部位よりも中空層内の充填物を減らすように構成しても良い。一例として、内皮層の外表面に繊維布を貼付する。 例えば、着用者の体表面と内皮層との間に空気を供給する供給口を、内皮層の外表面に設ける。ここで、着用者の体表面と内皮層との間には着用者が着用している下着等の他の部材が介在していても良い。
また、本発明は、放射線防護機能を備えた宇宙服に関するものである。上記目的を達成するために、本発明に係る宇宙服は、散乱エックス線及び電子線を遮蔽する内皮層と、内皮層に積層された、ガンマ線を遮蔽する中皮層と、中皮層に積層された、中性子線を遮蔽する上皮層とを備える放射線遮蔽素材を用いて、着用者の体表面を覆うように形成した放射線防護部を備える。
例えば、中皮層は、内皮層側に、気体により構成される複数の中空層と、該中空層を仕切る隔壁部を備える。一例として、中空層に水銀を充填する。隔壁部は、該隔壁部を介して隣り合う中空層内の水銀を連通させる連通孔を備えるように構成しても良い。例えば、着用者の関節に対応する部位において、他の部位よりも中空層内の水銀を減らすように構成しても良い。一例として、内皮層は、着用者の体表面側に水銀層を備える。例えば、水銀層は水銀を保持する水銀保持層を備え、該水銀保持層の外表面に、繊維布を貼付するように構成しても良い。着用者の体表面と水銀層との間に空気を供給する供給口を、水銀保持層の外表面に設けるように構成しても良い。
本発明に係る放射線遮蔽素材によれば、中性子線を遮蔽する上皮層と、ガンマ線を遮蔽する中皮層と、散乱エックス線及び電子線を遮蔽する内皮層とを備えることによって、外部から入射する中性子線、ガンマ線を遮蔽し、ガンマ線を遮蔽する際に生じる散乱エックス線及び電子線も遮蔽することができる。
また、本発明に係る放射線防護服は、散乱エックス線及び電子線を遮蔽する内皮層と、内皮層に積層された、ガンマ線を遮蔽する中皮層と、中皮層に積層された、中性子線を遮蔽する上皮層とを備える放射線遮蔽素材を用いて、着用者の体表面を覆うように形成したことによって、高放射線環境下で作業する作業者を外部被ばくから保護することができる。
また、本発明に係る宇宙服は、散乱エックス線及び電子線を遮蔽する内皮層と、内皮層に積層された、ガンマ線を遮蔽する中皮層と、中皮層に積層された、中性子線を遮蔽する上皮層とを備える放射線遮蔽素材を用いて、着用者の体表面を覆うように形成した放射線防護部を備えることによって、船外活動する宇宙飛行士を外部被ばくから保護することができる。
第1の実施形態に係る放射線遮蔽素材の断面図である。 第1の実施形態に係る放射線遮蔽素材の断面図である。 第2の実施形態に係る放射線防護服の正面図である。 第2の実施形態に係る放射線防護服の側面図である。 第2の実施形態に係る放射線防護服の背面図である。 第2の実施形態に係る放射線防護服と共に使用される生命維持装置の構成図である。 第2の実施形態に係る放射線防護服の断面図である。 第2の実施形態に係る放射線防護服に設けた放射線防護部の断面図である。 第3の実施形態に係る宇宙服の断面図である。 第3の実施形態に係る宇宙服に設けた放射線防護部の断面図である。 ガンマ線遮蔽材の製造方法を示すフローチャートである。 散乱エックス線及び電子線遮蔽材の製造方法を示すフローチャートである。 散乱エックス線及び電子線遮蔽材の画像である。 第4の実施形態に係る放射線防護服の正面図である。 第4の実施形態に係る放射線防護服の右側面図である。 第4の実施形態に係る放射線防護服の左側面図である。 第4の実施形態に係る放射線防護服の背面図である。 第4の実施形態に係る放射線防護服と共に使用される生命維持装置の構成図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施の形態を添付の図により説明する。図1に本実施形態に係る放射線遮蔽素材の断面図を示す(なお、説明のため、放射線遮蔽素材の両端部は省略して示している)。放射線遮蔽素材1は、内皮層2と中皮層3と上皮層4とを有する3層構造によって形成されている。放射線遮蔽素材1は、上皮層4側から入射する放射線を遮断するように設計されている。上皮層4は中性子線を遮蔽し、中皮層3はガンマ線を遮蔽する。ガンマ線が物質に接触すると、光電効果およびコンプトン散乱により、散乱エックス線と電子線を発生させる。したがって、中皮層3によってガンマ線を遮蔽した際に生じる可能性のある散乱エックス線と電子線を、内皮層2によって遮蔽するように構成している。
内皮層2には中皮層3が積層されている。中皮層3は内皮層2に対向し、且つ内皮層2との間に所定の空間を保持して延びる外層部6と、外層部6から内皮層2に向かって延びる隔壁部7と、該隔壁部7と外層部6によって画定される複数の中空層5とを備えている。図2に図1のA−A線断面図を示す(なお、説明のため、放射線遮蔽素材1の端部は省略して示している)。隔壁部7によって、内皮層2と中皮層3の外層部6との間の空間が仕切られて、気体により構成される複数の中空層5が形成されている。隔壁部7には、隣合う複数の中空層5内の充填物が流通できるように、連通孔7aが形成されている。なお、特定の充填物を中空層5に充填する工程を経ない場合には、中皮層3が内皮層2に積層された際に、中空層5には空気が充填されていることになる。図2に示すように、本実施形態において、隔壁部7は格子状に形成されている。隔壁部7は、内皮層2と中皮層3の外層部6との間に空間、すなわち、中空層5を保持すると共に、この3層構造の形体補強にも寄与している。
中皮層3の外層部6の外表面には、該外表面に沿って延びる上皮層4が積層されている。図1に示すように、中皮層3の外層部6及び上皮層4の断面は、隣り合う隔壁7の間において上皮層側に突出する波形状を有している。一例として、内皮層2の厚さlは2mmであり、中空層3の隔壁部7における厚さlは8mmであり、上皮層4の厚さlは3mmである。
上皮層4は、シリコンゴムに、中性子線を吸収するホウ素を混合して形成する。中皮層3は、シリコンゴムに独自のガンマ線遮蔽材を混合して形成する。この独自のガンマ線遮蔽材は、少なくとも、ビスマス及びチタンの少なくとも1種、ケイ素、並びにストロンチウムを必須元素として有する。このガンマ線遮蔽材については後に詳述する。内皮層2は、シリコンゴムに独自の散乱エックス線及び電子線遮蔽材を混合して形成する。この独自の散乱エックス線及び電子線遮蔽材は少なくともケイ素、ストロンチウム、マグネシウム、ユーロピウム及びジスプロシウムを必須元素として有する。この散乱エックス線及び電子線遮蔽材料については後に詳述する。
上皮層4、中皮層3及び内皮層2のそれぞれについて、シリコンゴムと上記各混合物とを混練して、成形のため加硫し、熱と圧力を加えて架橋反応させる。シリコンゴムの硬度は調整可能である。例えば、シリコンゴムとシリコンゴムに加える上記各混合物との混合体積比を調整することによって、より柔らかく又はより硬く形成することができる。シリコンゴムとこのシリコンゴムに加えられる混合物との混合体積比は、一例として、40:60である。上皮層4及び内皮層2はシート状に形成する。中皮層3については、外層部6をシート形状に形成し、外層部6から突出する隔壁部7を、金型を用いて外層部6と一体成型する。
形成した中皮層3の外層部6の表面に沿って、シート状に形成した上皮層4を積層する。次いで、シート状に形成した内皮層2の表面に中皮層3の隔壁部7の端部を接着することによって、内皮層2に中皮層3を積層する。積層の際に、隔壁部7の端部間の距離を狭くすることによって、中皮層3の外層部6及び上皮層4を、隔壁部7の端部間において上皮層4側に撓ませることができる。これにより、図1に示すように、中皮層3の外層部6及び上皮層4の断面が波形状に形成される。
第1の実施形態に示す放射線遮蔽素材1では、中性子線を遮蔽する上皮層4と、ガンマ線を遮蔽する中皮層3と、散乱エックス線及び電子線を遮蔽する内皮層2とを有する3層構造によって、外部から入射する中性子線、ガンマ線を遮蔽し、ガンマ線を遮蔽する際に生じる可能性のある散乱エックス線及び電子線も遮蔽することができる。なお、中性子線、ガンマ線よりも物質透過能力の低いアルファ線及びベータ線も放射線遮蔽素材1によって遮蔽される。この放射線遮蔽素材1を用いて放射線防護服を形成すれば、原子力発電所等の高放射線環境下で作業する作業者を外部被ばくから保護することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る放射線防護服を図3〜図5に示す。図3は放射線防護服10の正面図であり、図4及び図5は放射線防護服10の側面図及び背面図である。放射線防護服10は、着用者の頭部、上肢、体幹、下肢を覆う外皮部11と、外皮部11の上から頭部を保護するヘルメット12と、両手を保護するグローブ14と、両足先を保護するブーツ15を備えている。外皮部11とヘルメット12はジョイント部17によって接合し、外皮部11とグローブ14はジョイント部18によって接合し、外皮部11とブーツ15はジョイント部19によって接合する。また、着用者の膝及び肘に対応する部位には、膝当て20(図3参照)及び肘あて21(図5参照)を設けている。
図5に示すように、放射線防護服10の背面側には生命維持装置30を取り付けることができる。生命維持装置30の構成を図6に示す。生命維持装置30は、主酸素タンク31と、エアータンク32と、給水用タンク33と、呼吸循環エアー冷却装置34とを備える。主酸素タンク31及びエアータンク32から供給される酸素と窒素を混ぜた空気は、着用者が呼吸できるように、供給口35及び該供給口35に接続するチューブを介して、ヘルメット12内に送られる。加えて、後述するように、生命維持装置30からの空気は着用者の皮膚呼吸等のために、外皮部11の内側にも供給される。給水用タンク33は着用者に水分を補給する。呼吸循環エアー冷却装置34は主酸素タンク31及びエアータンク32から供給される空気を冷却することによって、着用者の体温を調節する。また、生命維持装置30は、カセット型の二酸化炭素吸収材36を搭載しているため、着用者の排出した二酸化炭素を処理することができる。その他、各種構成部を制御する機器制御部37、マイクロポンプユニット38、バッテリーユニット39、図示しないGPS(Global Positioning System)等が生命維持装置30内に備えられている。
外皮部11、グローブ14、ブーツ15、膝当て20及び肘あて21は、第1の実施形態において前述した放射線遮蔽素材1によって形成されている。外皮部11の断面図を図7に示す(なお、説明のため、ヘルメット12の図示は省略している)。図7のB部分拡大図を図8に示す。外皮部11は着用者の体表面42との間に空間43を有している(なお、説明のため、着用者の体表面42を覆う下着44(図7参照)の図示は省略している)。
シリコンゴムと散乱エックス線及び電子線遮蔽材によって形成された内皮層2は、断熱機能も有している。内皮層2の外表面、すなわち、着用者の体表面42と対向する表面には、図示しないナイロン繊維等の繊維布を内貼りしている。シリコンゴム等から形成された内皮層2の外表面が露出している場合と比べて、繊維布を内貼りすることによって肌触りが良くなり、放射線防護服10の着脱が容易になる。また、ナイロン繊維を用いることによって、吸湿、速乾、抗菌、消臭、保温機能を付加することができる。
繊維布を内貼りした内皮層2の外表面には、着用者の体表面42との間の空間43に空気を供給する供給口41を設けている。供給口41から内皮層2の外表面に沿って延びるチューブは、生命維持装置30の供給口35に接続している(図5参照)。供給口41及び供給口41から延びるチューブは内皮層2の外表面に固定されている。供給口41から空気を供給することによって、着用者の皮膚呼吸を維持することができる。また、供給する空気の温度を調整することによって着用者の体温を調節することもできる。
本実施形態において、中空層5にはヘリウムガスが充填されている。これによって、放射線防護服10の軽量化を図ることができ、作業性が向上する。なお、中空層5内にチュ−ブを通しヘリウム又は酸素を送って気体を補充することも可能である。また、中空層5を画定する隔壁部7には連通孔7aが形成されているため、各中空層5に充填されたヘリウムガスは各中空層5の間を流通できる。したがって、放射線防護部材1の変形が容易となり、着用者の可動性を高めている。加えて、着用者の関節に対応する部位11aにおいては、他の部位よりも中空層5に充填するヘリウムガスの量を減らしている。したがって、部位11aにおける放射性遮蔽素材1は他の部位に比べて変形しやすくなる。これにより、着用者の可動性をさらに高めることができる。
膝当て20及び肘あて21には、膝及び肘の保護のために、外皮部11よりも硬度を高めた放射線遮蔽素材1を用いている。前述のように、上皮層4、中皮層3、内皮層2を形成する際に、シリコンゴムへ混合する混合物の割合を変化させることによって、放射線遮蔽素材1の硬度を高めることができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る宇宙服の断面図を図9に示す。宇宙服50は、着用者の全身を覆う宇宙環境保護部51と、宇宙環境保護部51の内側において着用者の全身を覆う放射線防護部52と、冷却下着53を備えている。宇宙環境保護部51は、断熱と耐宇宙線機能を有する多層構造からなり、宇宙環境から着用者を保護する。冷却下着53は、宇宙服の着用による異常な体温上昇を防止する。放射線防護部52は、第1の実施形態において前述した放射線遮蔽素材1によって形成され、中性子線、ガンマ線、散乱エックス線及び電子線等の放射線から着用者を保護する。着用者の両手及び両足先を保護するグローブ54及びブーツ55も、他の部分と同様に、宇宙環境保護部51と放射線防護部52とから構成されている。
図9のC部分拡大図を図10に示す。第2の実施形態における外皮部11と異なる特徴として、水銀層61が内皮層2の外表面に沿って設けられている。水銀層61と着用者の体表面62との間には、図示しない冷却下着53を介して、空間63が形成されている。水銀層61は水銀保持層65を備え、水銀層61の水銀は、シリコンゴム等で形成した水銀保持層65によって内皮層2との間に保持されている。水銀層61を設けることによって、無重力空間における身体の膨張を抑制することができる。
水銀保持層65の表面には図示しないナイロン繊維布を内貼りしている。これにより、第2の実施形態において述べたように、着脱が容易になると共に、吸湿、速乾、抗菌、消臭、保温機能を付加することができる。ナイロン繊維布を内貼りした水銀保持層65の表面には、着用者の体表面62との間の空間63に空気を供給する供給口67を設けている。供給口67から延びる図示しないチューブは、宇宙服と共に用いられる図示しない生命維持装置に連結し、生命維持装置の酸素タンクからの供給される空気を供給口67に送るように構成されている。供給口67及び供給口67から延びるチューブは水銀保持層65の表面に固定されている。供給口67から空気を供給することによって、着用者の皮膚呼吸を維持することができる。また、供給する空気の温度を調整することによって着用者の体温を調節することもできる。
本実施形態において、中空層5には水銀が充填されている。これにより、水銀層61による身体の膨張抑制機能をさらに補強することができる。各中空層5に充填された水銀は、連通孔7aを介して流通可能である。また、着用者の関節に対応する部位においては、他の部位よりも中空層5に充填される水銀の量を減らしている。したがって、着用者の可動性を高めることができる。
[ガンマ線遮蔽材]
前述した独自のガンマ線遮蔽材は、ビスマス及びチタンの少なくとも1種、ケイ素、並びにストロンチウムを必須元素として有する。例えば、ビスマス20〜50質量%、ケイ素3〜25質量%及びストロンチウム20〜50質量%を含有する。一例として、チタン20〜50質量%、ケイ素3〜25質量%及びストロンチウム20〜50質量%を含有する。酸化ビスマス、チタン及び酸化チタンの少なくとも1種、ケイ素酸化物、並びに炭酸ストロンチウムを焼成して得ても良い。上記ガンマ線遮蔽材の製造に際して、ビスマス化合物及びチタン化合物の少なくとも1種、ケイ素化合物、並びにストロンチウム化合物を混合し、焼成する焼成工程を備えても良い。一例として、この焼成工程は、上記化合物に加えて、さらにホウ酸を混合し、焼成する工程である。
以下、上記ガンマ線遮蔽材について詳述する。上記ガンマ線遮蔽材は、ビスマス及びチタンの少なくとも1種、ケイ素、並びにストロンチウムを必須元素として有することを特徴とする。これらの元素を組み合わせることにより、ガンマ線を良好に遮蔽することができる。また、ケイ酸塩系化合物であるため鉛よりも比重が軽く、さらには加工性にも優れている。
ビスマス(Bi)及びチタン(Ti)の少なくとも1種の含有量は、例えば20〜50質量%、好ましくは30〜40質量%である。ケイ素(Si)の含有量は、例えば3〜25質量%、好ましくは5〜15質量%である。
ストロンチウム(Sr)含有量は例えば、20〜50質量%、好ましくは25〜40質量%質量%である。ガンマ線遮蔽材は、上記必須元素に加えて、酸素原子(好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%)を含んでいてもよい。また、ホウ素原子、上記以外の放射線吸収原子(例えば、エルビウム等のランタノイド元素)等を含んでいてもよく、さらには、製造上不可避な不純物等を含んでいてもよい。上記ガンマ線遮蔽材では、有害性の観点から、鉛元素を実質的に含まないことが好ましい。例えば、5質量%以下、好ましくは1質量%以下である。
ガンマ線遮蔽材の形状は、遮蔽材の使用方法等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、粒状(粉体)、ペレット状、塊状、フィルム状、板状等が挙げられる。特に、上記遮蔽材は、粉体加工が可能で、他の有機物(粉状、繊維状)等に混入させ、様々な遮蔽用途に使用することができる。粒状の場合は、例えば、平均粒子径が0.1μm〜1000μm、好ましくは1μm〜100μmとすればよい。
また、上記ガンマ線遮蔽材は、上記必須元素等を含有する化合物単独で使用してもよいし、例えば、水、有機溶剤(アルコール、エーテル等)、界面活性剤、樹脂バインダー、無機粒子、有機粒子、上記独自のガンマ線遮蔽材以外のガンマ線遮蔽材等といった添加剤と併せて使用してもよい。
上記ガンマ線遮蔽材は、放射線を遮蔽(防護)する用途に様々な形で使用できる。例えば、防護エプロン、医療用エプロン、防護服、宇宙服、壁紙、外装壁面、屋根材、化粧品、日焼け止め、顔用クリーム、医療機器(マンモグラフィー等)などに使用することができる。
上記ガンマ線遮蔽材の好適な製造方法は、ビスマス化合物及びチタン化合物の少なくとも1種、ケイ素化合物、並びにストロンチウム化合物を混合し、焼成する焼成工程を備える。図11に、上記ガンマ線遮蔽材の製造方法の一例を示す。具体的には、例えば、
(i)酸化ビスマス(Bi)、チタン及び酸化チタンの少なくとも1種、
(ii)ケイ素酸化物、並びに
(iii)炭酸ストロンチウム(SrCO)、
を混合し、焼結する工程を経ることにより製造することができる。
酸化チタンは、一酸化チタン(TiO)、二酸化チタン(TiO)等のいずれでもよい。
ケイ素酸化物としては、二酸化ケイ素(SiO)、一酸化ケイ素(SiO)等のいずれでもよいが、一例として、SiOが好適に用いられる。
配合割合は限定的でないが、例えば、
(1)酸化ビスマス30〜60質量%、好ましくは40〜50質量%
ケイ素酸化物5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%、
炭酸ストロンチウム30〜60質量%、好ましくは40〜50質量%、
(2)チタン又は酸化チタン30〜60質量%、好ましくは40〜50質量%
ケイ素酸化物5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%、
炭酸ストロンチウム30〜60質量%、好ましくは40〜50質量%、
等とすればよい。
上記原料に加えて、さらにホウ酸(HBO)等のホウ素化合物を加えてもよい。これにより、焼成時に金属間の電子移動を容易にさせ、酸化還元作用を促進させることができる。ホウ酸の配合量は限定的でないが、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。
混合した後、ボールミル、ロッドミル等の粉砕機で上記原料を粉砕してもよいし、粉砕しなくてもよいが、粉砕することが好ましい。焼成温度は、例えば、電気炉にて500〜2000℃、好ましくは800〜1500℃とすればよい。焼成雰囲気は、大気雰囲気及び不活性ガス雰囲気のいずれでもよいが、好ましくは大気雰囲気である。焼成時間は、焼成温度、焼成雰囲気等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、10分〜10時間、好ましくは30分〜5時間とすればよい。上記焼成する焼成工程に代えて、または焼成工程後に、プラズマ焼結工程を行ってもよい。これにより、得られるガンマ線遮蔽材のガンマ線の吸収量を向上させることができる。プラズマ焼結は、常法に従って行えばよく、例えばプラズマ焼結機で、500〜2000℃(好ましくは700〜1500℃)にて焼結すればよい。
焼結時間は、焼結温度に応じて適宜決定すればよいが、例えば、5分〜2時間、好ましくは10分〜1時間とすればよい。
上記ガンマ線遮蔽材を、以下に実施例を用いて、さらに詳細に説明する。なお、上記ガンマ線遮蔽材は、以下の実施例に限定されるものではない。
<ガンマ線遮蔽材の実施例1>
SiO(岩井化学薬品社製)12.58質量%、SrCO(本荘ケミカル社製)42.42質量%、Bi(岩井化学薬品社製)43.85質量%及びHBO(岩井化学薬品社製)1.15質量%をボールミル混合器に入れ、1時間混合した。次いで、電気炉に入れ、大気雰囲気で、900℃、2時間の条件で焼成した。焼成後、常温まで自然冷却し、ボールミル混合機にて平均粒子径が7μmになるまで粉砕した(図11参照)。これにより、実施例1のガンマ線遮蔽材を得た。
なお、実施例1のガンマ線遮蔽材の組成比率を測定したところ、Bi37.05質量%、Si9.68質量%、Sr35.12質量%、O(酸素原子)13.94質量%であり、残りは不純物であった。
比重を測定したところ、4.78g/cmであった。蛍光X線分析で測定したところ、上記実施例1は、Bi+SrSiOであることが推定された。
<ガンマ線遮蔽材の実施例2>
SiO(岩井化学薬品社製)12.58質量%、SrCO(本荘ケミカル社製)42.42質量%、Ti(トーホーテック社製)43.85質量%及びHBO(岩井化学薬品社製)1.15質量%をボールミル混合器に入れ、1時間混合した。次いで、プラズマ焼結機(SPSシンテック社製、製品名「SPS−1030」)にて、1000℃で、約30分焼結した。これにより、実施例2のガンマ線遮蔽材(ペレット状、厚み3mm)を得た。
なお、実施例2のガンマ線遮蔽材の組成比率を測定したところ、Ti37.95質量%、Si6.45質量%、Sr27.37質量%、O(酸素原子)17.73質量%であり、残りは不純物であった。
比重を測定したところ、4.67g/cmであった。蛍光X線分析で測定したところ、上記実施例2は、SrTiO2.6+TiO+SrSiOであることが推定された。
<ガンマ線遮蔽材の比較例>
鉛板(厚さ1mm、市販品)、アルミニウム板(厚さ3mm、市販品)をそれぞれ比較例1及び比較例2とした。
<ガンマ線遮蔽材のガンマ線遮蔽性能試験>
実施例1のガンマ線遮蔽材については、さらにプラズマ焼結によりペレット状(厚み3mm)に加工した。下記の条件にて、実施例及び比較例の試料にガンマ線を照射し、遮蔽率を測定した。この結果を表1に示す。
条件(Laser:CO2,Power:1W,Magnet:10A,Energy:1.7MeV,
Current:200mA,Coll:3mmφ,DTCT:NaI6)
上記の結果から、ガンマ線遮蔽性能において、上記独自のガンマ線遮蔽材の実施例1及び2は、厚みを考慮するとガンマ線遮蔽性能としては非常に有用な鉛板(比較例1)には及ばないものの、実用的な厚さで十分な高さの遮蔽率を示し、良好なガンマ線遮蔽能を有していることが分かる。特に、比較例2のアルミニウムと比較すると、より高い遮蔽率を示し、十分なガンマ線遮蔽能を有していることが分かる。
また、上記独自のガンマ線遮蔽材は、比重が鉛の比重(11.34)よりも大幅に軽く、粒状や板状に容易に変形することができ加工性にも優れている。よって、さまざまな用途や形態で使用可能であることが分かる。また、上記独自のガンマ線遮蔽材は、散乱エックス線及び電子線を遮蔽することもできる。
[散乱エックス線及び電子線遮蔽材]
前述した独自の散乱エックス線及び電子線遮蔽材は、少なくともケイ素、ストロンチウム、マグネシウム、ユーロピウム及びジスプロシウムを必須元素として有する。例えば、ケイ素5〜30質量%、ストロンチウム30〜60質量%、マグネシウム1〜20質量%、ユーロピウム0.1〜5質量%、及びジスプロシウム0.1〜5質量%を含有する。一例として、少なくともケイ素酸化物、炭酸ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化ユーロピウム及び酸化ジスプロシウムを焼成して得られる。この場合、焼成後、さらにプラズマ焼結されて、少なくともケイ素酸化物、炭酸ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化ユーロピウム及び酸化ジスプロシウムを得てもよい。上記散乱エックス線及び電子線遮蔽材を製造する際には、例えば、ケイ素化合物、ストロンチウム化合物、マグネシウム化合物、ユーロピウム化合物及びジスプロシウム化合物を混合し、焼成する焼成工程を備える。前記焼成工程が、上記化合物に加えて、さらにホウ酸を混合し、焼成する工程であってもよい。さらに、プラズマ焼結する工程を備えてもよい。
以下、上記散乱エックス線及び電子線遮蔽材について詳述する。上記散乱エックス線及び電子線遮蔽材は、少なくともケイ素、ストロンチウム、マグネシウム、ユーロピウム及びジスプロシウムを必須元素として有することを特徴とする。これらの元素を組み合わせることにより、実用的なレベルで、エックス線を遮蔽することができる。また、紫外線の吸収も可能である。さらに、ケイ酸塩系化合物であるため鉛よりも比重が軽く、加工性にも優れている。
ケイ素(Si)の含有量は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%である。ストロンチウム(Sr)の含有量は、好ましくは30〜60質量%、より好ましくは40〜50質量%である。マグネシウム(Mg)の含有量は、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜10質量%である。
ユーロピウム(Eu)の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。ジスプロシウム(Dy)の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。
上記散乱エックス線及び電子線遮蔽材は、上記必須元素以外にも酸素原子(好ましくは10〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%)を含んでいてもよい。また、ホウ素原子、上記以外の放射線吸収原子(例えば、エルビウム等のランタノイド元素)等を含んでいてもよく、さらには、製造上不可避な不純物等を含んでいてもよい。上記散乱エックス線及び電子線遮蔽材では、有害性の観点から、鉛元素を実質的に含まないことが好ましい。例えば、5質量%以下、好ましくは1質量%以下である。上記散乱エックス線及び電子線遮蔽材の形状は、遮蔽材の使用方法等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、粒状(粉体)、ペレット状、塊状、フィルム状、板状等が挙げられる。特に、上記遮蔽材は、粉体加工が可能で、他の有機物(粉状、繊維状)等に混入させ、様々な遮蔽用途に使用することができる。粒状の場合は、例えば、平均粒子径が0.1μm〜1000μm、好ましくは1μm〜100μmとすればよい。
また、上記散乱エックス線及び電子線遮蔽材は、上記必須元素等を含有する化合物単独で使用してもよいし、例えば、水、有機溶剤(アルコール、エーテル等)、界面活性剤、樹脂バインダー、無機粒子、有機粒子、上記独自の散乱エックス線及び電子線遮蔽材以外の散乱エックス線及び電子線遮蔽材等といった添加剤と併せて使用してもよい。特に、上記独自の散乱エックス線及び電子線遮蔽材では、チタン、酸化チタン等のチタン化合物を併用することが好ましい。これにより、紫外線の遮蔽性をより向上させることができる。
上記独自の散乱エックス線及び電子線遮蔽材は、放射線を遮蔽(防護)する用途に様々な形で使用できる。例えば、防護エプロン、医療用エプロン、防護服、宇宙服、壁紙、外装壁面、屋根材、化粧品、日焼け止め、顔用クリーム、医療機器(マンモグラフィー等)などに使用することができる。なお、エックス線のみならず紫外線も遮蔽できるため、化粧品、日焼け止め等に適用することもできる。
上記散乱エックス線及び電子線遮蔽材の製造方法は、ケイ素化合物、ストロンチウム化合物、マグネシウム化合物、ユーロピウム化合物及びジスプロシウム化合物を混合し、焼成する焼成工程を備えることを特徴とする。図12に、上記散乱エックス線及び電子線遮蔽材の製造方法の一例を示す。具体的には、例えば、ケイ素酸化物、炭酸ストロンチウム(SrCO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ユーロピウム(Eu)及び酸化ジスプロシウム(Dy)を混合し、焼結する工程を経ることにより製造することができる。ケイ素酸化物としては、二酸化ケイ素(SiO)、一酸化ケイ素(SiO)等のいずれでもよいが、一例として、SiOが好適に用いられる。
配合割合は限定的でないが、例えば、
ケイ素酸化物20〜60質量%、好ましくは30〜50質量%、
炭酸ストロンチウム20〜60質量%、好ましくは30〜50質量%、
酸化マグネシウ5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%、
酸化ユーロピウム0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜1質量%及び
酸化ジスプロシウム0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜1質量%、
とすればよい。
上記原料に加えて、さらにホウ酸(HBO)等のホウ素化合物を加えてもよい。これにより、焼成時に金属間の電子移動を容易にさせ、酸化還元作用を促進させることができる。ホウ酸の配合量は限定的でないが、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。混合した後、ボールミル、ロッドミル等の粉砕機で上記原料を粉砕してもよいし、粉砕しなくてもよいが、粉砕することが好ましい。焼成温度は、例えば、電気炉にて500〜2000℃、好ましくは1000〜1500℃とすればよい。焼成雰囲気は、大気雰囲気及び不活性ガス雰囲気のいずれでもよいが、好ましくは大気雰囲気である。
焼成時間は、焼成温度、焼成雰囲気等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、10分〜10時間、好ましくは30分〜5時間とすればよい。また、上記焼成工程後に、さらにプラズマ焼結工程を加えることが好ましい。これにより、得られる散乱エックス線及び電子線遮蔽材のエックス線の吸収量を向上させることができる。
プラズマ焼結は、常法に従って行えばよく、例えばプラズマ焼結機で、500〜2000℃(好ましくは700〜1500℃)にて焼結すればよい。
焼結時間は、焼結温度に応じて適宜決定すればよいが、例えば、5分〜2時間、好ましくは10分〜1時間とすればよい。
上記散乱エックス線及び電子線遮蔽材を、以下に実施例を用いて、さらに詳細に説明する。なお、上記散乱エックス線及び電子線遮蔽材は、以下の実施例に限定されるものではない。
<散乱エックス線及び電子線遮蔽材の実施例1>
SiO(岩井化学薬品社製)40質量%、SrCO(本荘ケミカル社製)38.2質量%、MgO(宇部マテリアルズ社製)20質量%、Eu(ネオマグ社製)0.4質量%、Dy(ネオマグ社製)0.4質量%及びHBO(岩井化学薬品社製)1質量%をボールミル混合器に入れ、1時間混合した。次いで、電気炉に入れ、大気雰囲気で、1300℃、2時間の条件で焼成した。焼成後、常温まで自然冷却し、ボールミル混合機にて平均粒子径が7μmになるまで粉砕した(図12参照)。これにより、実施例1の散乱エックス線及び電子線遮蔽材を得た。実施例1で得られた散乱エックス線及び電子線遮蔽材の画像を図13に示す。
なお、実施例1の散乱エックス線及び電子線遮蔽材の組成比率を測定したところ、Si13.3質量%、Sr42.4質量%、Mg6.23質量%、Eu0.84質量%、Dy1.83質量%、O(酸素原子)31.3質量%であり、残りは不純物であった。
比重を測定したところ、3.7g/cmであった。X線回折装置による定性分析及び蛍光X線分析で測定したところ、上記実施例1は、SrMgSi・Eu3+,Dy3+であることが推定された。
<散乱エックス線及び電子線遮蔽材の実施例2>
実施例1で得られた散乱エックス線及び電子線遮蔽材をさらに、プラズマ焼結機(SPSシンテック社製、製品名「SPS−1030」)にて、1000℃で、約30分焼結した。焼結後、常温まで自然冷却し、実施例2の散乱エックス線及び電子線遮蔽材(ペレット状、厚み3mm)を得た。
<散乱エックス線及び電子線遮蔽材の比較例>
鉛板(厚さ0.3mm、市販品)、アルミニウム板(厚さ3mm、市販品)をそれぞれ比較例1及び比較例2とした。
<散乱エックス線及び電子線遮蔽材のエックス線遮蔽性能(エックス線透過率測定)>
実施例1の散乱エックス線及び電子線遮蔽材は、さらにプレス機によりペレット状(厚み3.95mm)に加工した。透過法により、測定エネルギー50keVの条件で、実施例1〜2及び比較例1〜2の試料のエックス線の透過率を測定し、透過率から線吸収係数を計算した。なお、線吸収係数は、透過率の自然対数をとった値を、試料の厚み(cm)で除することにより計算される。得られた測定結果を表1に示す。
<散乱エックス線及び電子線遮蔽材の紫外線遮蔽能:紫外線透過測定>
紫外可視分光光度計(UV2400PC、島津製作所製)により、実施例1の紫外線の透過率を測定した。その結果、250nm〜400nmの波長域においては、透過率が20%以下であった。
上記の結果から、エックス線透過率測定において、実施例1及び2は、比較例1のエックス線遮蔽物質としては非常に優れている鉛には及ばないものの、実用的な厚さで十分低い透過率を得ることができ、良好な線吸収係数を有している。特に、比較例2のアルミニウムと比較すると、十分に良好な線吸収係数を持っていることが分かる。
加えて、上記独自の散乱エックス線及び電子線遮蔽材の実施例1は、紫外線の透過率が低いため、良好な紫外線遮蔽性能を有していることも分かる。さらには、電子線に対しても効果がある。また、上記独自の散乱エックス線及び電子線遮蔽材は、比重が鉛の比重(11.34)よりも大幅に軽く、粒状や板状に容易に変形することができ加工性にも優れている。よって、さまざまな用途や形態で使用可能であることが分かる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。一例として、中空層5に、ガンマ線遮蔽材を含む物質を充填して、ガンマ線遮蔽機能をより高めても良い。他の例として、中皮層3に中空層5を形成せず、内皮層2及び上皮層4と同様に中皮層3をシート状に形成しても良い。例えば、上皮層4は、シリコンゴムに加える混合物として、ホウ素に代えて、ベリリウム、カドミウム、ガドリニウム等を添加しても良い。
前述のように、中皮層3の形成に用いられる、ビスマス及びチタンの少なくとも1種、ケイ素、並びにストロンチウムを必須元素として有するガンマ線遮蔽材は、散乱エックス線及び電子線の遮蔽機能も有する。したがって、内皮層2を形成する際に、シリコンゴムに、ビスマス及びチタンの少なくとも1種、ケイ素、並びにストロンチウムを混合しても良い。すなわち、中皮層3と同じ素材によって内皮層2を形成しても良い。
第2の実施形態における放射線防護服10において、外皮部11の内皮層2と着用者の体表面42との間に、内圧による酸素の漏れを防止するための気密維持層を設けても良い。この場合、空気を供給する供給口41は気密維持層と体表面42との間に空気を供給するように、気密維持層の表面に設けられる。第3の実施形態における宇宙服50においても同様に、放射線防護部52と冷却下着53との間に気密維持層を設けても良い。
第3の実施形態における宇宙服50では、宇宙環境保護部51の内側において着用者の全身を覆う放射線防護部52を放射線遮蔽素材1によって形成しているが、これに限定されない。例えば、放射線防護部52を宇宙環境保護部51の内側に設けずに、放射線遮蔽材1を硬質化して、この硬質化した放射線遮蔽材1を宇宙環境保護部51の形成に用いても良い。
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る放射線防護服を図14〜図17に示す。図14は放射線防護服110の正面図であり、図15は放射線防護服110の右側面図である。図16は放射線防護服110の左側面図である。図17は放射線防護服110の背面図である。放射線防護服110は、第2の実施形態において前述した放射線防護服10と同一の構成を有するが、異なる構成について、説明する。放射線防護服110は、図14〜図17に示すように、着用者と前記内皮層との間にクッション材を設けている。クッション材140は、ウレタンまたはシリコンから形成されるものであって、着用者の肩、胸、腰、背を防護するものである。
図15に示すように、放射線防護服110の背面側には生命維持装置130を取り付けることができる。生命維持装置130の構成を図18に示す。生命維持装置130は、第一のエアータンク131と、第二のエアータンク132と、冷却装置134とを備える。第一のエアータンク131及び第二のエアータンク132から着用者が呼吸できるように、供給口135及び該供給口135に接続するチューブを介して、ヘルメット12内に酸素が送られる。加えて、後述するように、生命維持装置130からの空気は着用者の皮膚呼吸等のために、内皮部2の内側にも供給される。給水用タンク138は着用者に水分を補給する。
流動食用タンク139は、着用者に流動食を補給する。呼吸循環エアー冷却装置134は第一のエアータンク131及び第二のエアータンク132から供給される空気を冷却することによって、着用者の体温を調節する。また、生命維持装置130は、カセット型の二酸化炭素吸収部136を搭載しているため、着用者の排出した二酸化炭素を処理することができる。その他、各種構成部を制御する機器制御部137、マイクロポンプユニット138、電源部133、機器制御部137のGPS(Global Positioning System)等が生命維持装置130内に備えられている。
第一のエアータンク131は、カセット式ボンベから構成されるエアータンクであって、逆止弁およびエアーホースを組み合わせ、機器制御部137によって、エア圧力を感知し、エアを供給する。第二のエアータンク132は、カセット式ボンベから構成されるエアータンクであって、電磁弁およびエアーホースを組み合わせ、機器制御部137によって、酸素量を計測し、酸素を供給する。
電源部133は、リチウムイオン電池を使用し、当該リチウムイオン電池を交換可能とするものである。電源部133は、リチウムイオン電池以外の電池を交換するものであってもよく、また、これらの電池は充電可能なものである。電源部133は、リチウムイオン以外の電池から構成されるものであってもよい。電源部133は、更に、排気部分に使用しヘルメット12の二酸化炭素の増加を調整する循環ファンユニット、放射線防護服110の胴体部分に冷却エアーを体温調整のために作動する小型ポンプ機器からなる循環ポンプユニット、液体窒素を魔法瓶上の冷却装置に封入し、冷却ファンを有する空間に吸気エアーを送り込む冷却装置を有する。
二酸化炭素吸収部136は、ヘルメット12内での呼吸の際、排出二酸化炭素の濃度を常時、吸収(吸着)、循環する。
機器制御部137は、サーモスタット機能、通信機能、GPS機能を有するものであって、電源部133からの電気を利用し、電磁弁バルブ開閉、濃度測定、GPS・通信・サーモスタット機能をコンピュータ管理しているものである。この機器制御部137は、上述した放射線遮蔽材が覆うように保護し、ユニット交換できる機能を付加する。また、生命維持装置130は、シリコンおよび遮蔽素材により、生命維持装置130の各部をパッケージしている。
また、本実施形態において、放射線防護服110の中空層5内には、ヘリウムや水銀ではなく、その他の液体や気体を充填してもよい。
放射線防護服110は、着用者と前記内皮層との間にクッション材を設けることにより、着用者への衝撃を吸収し、更に着用者の身体に固定することを可能とする。
1 放射線遮蔽素材
2 内皮層
3 中皮層
4 上皮層
5 中空層
6 外層部
7 隔壁部
7a 連通孔
10 放射線防護服
11 外皮部
41 供給口
50 宇宙服
52 放射線防護部
61 水銀層
65 水銀保持層
67 供給口
110 放射線防護服
130 生命維持装置
131 第一のエアータンク
132 第二のエアータンク
133 電源部
134 呼吸循環エアー冷却装置
135 供給口
136 二酸化炭素吸収材
137 機器制御部
138 マイクロポンプユニット
138 給水用タンク
139 流動食用タンク

Claims (23)

  1. 散乱エックス線及び電子線を遮蔽する、少なくともケイ素、ストロンチウム及びマグネシウムを加えたシリコンゴムから形成される内皮層と、
    前記内皮層に積層された、ガンマ線を遮蔽する、ビスマス及びチタンの少なくとも1種、ケイ素、並びにストロンチウムを少なくとも加えたシリコンゴムから形成されるものであって、前記内皮層側に、気体により構成される複数の中空層と、該中空層を仕切る隔壁部を備える波形状の中皮層と、
    前記中皮層に積層された、中性子線を遮蔽する、少なくともホウ素を加えたシリコンゴムから形成される波形状の上皮層とを備える放射線遮蔽素材を用いて、
    着用者の体表面を覆うように形成した放射線防護服。
  2. 前記中空層は、ガンマ線遮蔽材を含む物質が充填されたものであることを特徴とする請求項2記載の放射線防護服。
  3. 前記ガンマ線遮蔽材は、粒状、ペレット状、塊状、フィルム状、板状のいずれかの形状であることを特徴とする請求項2記載の放射線防護服
  4. 前記ガンマ線遮蔽材は、水、有機溶剤、界面活性剤、樹脂バインダー、無機粒子、有機粒子のいずれかであることを特徴とする請求項2記載の放射線防護服
  5. 前記隔壁部は、該隔壁部を介して隣り合う前記中空層内の充填物を連通させる連通孔を備えることを特徴とする請求項2から4記載いずれか1項記載の放射線防護服
  6. 前記シリコンゴムと該シリコンゴムに加えられる物質との混合体積比は、40:60であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の放射線防護服。
  7. 前記シリコンゴムに加える物質の割合を変化させて、前記シリコンゴムの硬さを調整したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の放射線防護服。
  8. 着用者の関節に対応する部位において、他の部位よりも前記中空層内の充填物を減らしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の放射線防護服。
  9. 前記内皮層の外表面に繊維布を貼付したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の放射線防護服。
  10. 着用者の体表面と前記内皮層との間に空気を供給する供給口を、前記内皮層の外表面に設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の放射線防護服。
  11. 着用者と前記内皮層との間にクッション材を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の放射線防護服。
  12. 散乱エックス線及び電子線を遮蔽する、少なくともケイ素、ストロンチウム及びマグネシウムを加えたシリコンゴムから形成される内皮層と、
    前記内皮層に積層された、ガンマ線を遮蔽する、ビスマス及びチタンの少なくとも1種、ケイ素、並びにストロンチウムを少なくとも加えたシリコンゴムから形成されるものであって、前記内皮層側に、気体により構成される複数の中空層と、該中空層を仕切る隔壁部を備える波形状の中皮層と、
    前記中皮層に積層された、中性子線を遮蔽する、少なくともホウ素を加えたシリコンゴムから形成される波形状の上皮層とを備える放射線遮蔽素材を用いて、
    着用者の体表面を覆うように形成した放射線防護部を備える宇宙服。
  13. 前記中皮層は、前記内皮層側に、気体により構成される複数の中空層と、該中空層を仕切る隔壁部を備えることを特徴とする請求項12記載の宇宙服
  14. 前記中空層は、ガンマ線遮蔽材を含む物質が充填されたものであることを特徴とする請求項12又は13記載の宇宙服
  15. 前記ガンマ線遮蔽材は、粒状、ペレット状、塊状、フィルム状、板状のいずれかの形状であることを特徴とする請求項14記載の宇宙服
  16. 前記ガンマ線遮蔽材は、水、有機溶剤、界面活性剤、樹脂バインダー、無機粒子、有機粒子のいずれかであることを特徴とする請求項14記載の宇宙服
  17. 前記隔壁部は、該隔壁部を介して隣り合う前記中空層内の充填物を連通させる連通孔を備えることを特徴とする請求項13記載の宇宙服
  18. 前記シリコンゴムと該シリコンゴムに加えられる物質との混合体積比は、40:60であることを特徴とする請求項12〜17のいずれか1項記載の宇宙服
  19. 前記シリコンゴムに加える物質の割合を変化させて、前記シリコンゴムの硬さを調整したことを特徴とする請求項12〜18のいずれか1項記載の宇宙服
  20. 着用者の関節に対応する部位において、他の部位よりも前記中空層内の充填物を減らしたことを特徴とする請求項12〜19のいずれか1項記載の宇宙服
  21. 前記内皮層の外表面に繊維布を貼付したことを特徴とする請求項12〜20のいずれか1項記載の宇宙服
  22. 着用者の体表面と前記内皮層との間に空気を供給する供給口を、前記内皮層の外表面に設けたことを特徴とする請求項12〜21のいずれか1項記載の宇宙服
  23. 着用者と前記内皮層との間にクッション材を設けたことを特徴とする請求項12〜22のいずれか1項記載の宇宙服
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