JP2004523759A - 放射線シールディング - Google Patents
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Abstract
ゴム成分と放射線減衰性金属成分とを混合すること(110);いずれかの補強フィラー及び加工助剤を添加すること(120);混合物を処理して放射線シールド材料を所望の形状に加工すること(130);硬化剤を添加すること(140);並びに放射線シールド材料を硬化させること(150)を含む放射線シールド材料の製造方法を提供する。
Description
【0001】
技術分野
本発明は、一般に、放射線シールディング(radiation shielding)(又は放射線シールド材料(radiation shielding material))に関する。本発明は、特に、ゴム成分及び金属成分、例えばタングステン、ビスマス又はそれらの組合せを、放射線源から放出される放射線を所望の割合で遮蔽(又はブロック)するのに十分な量で含み、軽量で可撓性を有する放射線シールド材料に関する。本発明は、更に、放射線シールド材料を製造する方法、及びその方法を用いて放射線源からの放射線を減衰させる方法にも関する。
【0002】
発明の背景
核施設、例えば原子力発電所及び原子力船等では、繊維状鉛又は中実の鉛シート(又はブランケット)が放射線シールド材料として用いられている。鉛ブランケット(lead blanket)は、一般に、繊維状鉛コアを、外側被覆、例えばプラスチック材料によって被覆し、場合によってはそのような外側被覆に取り付けて形成される。外側被覆の周縁部は一般に互いに縫い付けられており、その周縁部には一般に金属製のグロメットが取り付けられている。
【0003】
鉛ブランケットは、シールド(又は遮蔽)すべき核施設を覆ったり、核施設の領域に掛けられたり、かぶせられたりする。鉛ブランケットを所望の位置にて支持するため、金属成分グロメットの中に挿入されるフック又はケーブルによって、鉛ブランケットの取り付けが行われる。
【0004】
この鉛ブランケットが放射線によって一旦汚染されると、適当な汚染ガイドラインに従って鉛ブランケットを処分する必要がある。例えば、資源保護回復法(Resource Conservation and Recovery Act, RCRA)は、汚染した鉛を処分するためのガイドラインを指示している。RCRAでは、鉛は有害な可能性のある物質であるので、放射線によって汚染された鉛ブランケットは「混合された有害廃棄物(Mixed Hazardous Waste)」に分類されており、これは通常の有害廃棄物よりも処分がより困難とされている。作業環境において使用される鉛自体も、手間がかかったり又はコストがかかったりするガイドラインに従うことが要求され得る。例えば、職業安全保健局(OSHA(Occupational Safety and Health Administration))には、労働者が鉛に接触することを防止すること、及び、鉛暴露を監視することを要求するガイドラインがある。常套の鉛ブランケットにはその他の問題点もある。例えば、鉛ブランケットは、小さな寸法のパイプ及びチューブ(配管類)のまわりに巻き付けるのに十分な可撓性を具備していない。
【0005】
発明の要旨
本発明は、常套の中実の鉛又は繊維状鉛ブランケットが伴なう上述の問題点及びその他の問題点を解消するものである。本発明は、有効な放射線の減衰性(attenuation)を提供する、軽量で、可撓性(又は弾性)を有する放射線シールド材料(本明細書において「放射線シールディング」とも称する)を提供する。この放射線シールド材料は、常套のツール、例えばハサミ又はナイフなどによって容易に切ることができ、また、十分な可撓性を有することによってパイプ及びチューブ(管状材料等)のまわりを容易に包む(又は巻き付ける)ことができる。放射線シールド材料は、ゴム成分(又はゴム)及び金属成分(又は金属)を、それぞれ可撓性と放射線減衰性との所望のバランスを得るのに有効な量で含んでなる。材料におけるゴム成分と金属成分との割合を変えることによって、所望のレベルの可撓性及び放射線減衰性を得ることができる。ゴムは、天然ゴム又は合成ゴム、例えば熱硬化性エラストマー若しくは熱可塑性エラストマーであってよい。
【0006】
本発明の放射線シールド材料の1つの特徴は、資源保護回復法(RCRA)によって規定されるような有害廃棄物を含まないことであり、従って、放射線によって汚染された場合であっても、混合された有害廃棄物とはされない。
【0007】
本発明の放射線シールド材料のもう1つの特徴は、この材料が本質的に撥水性を有するということである。従って、放射線によって汚染された場合には、本発明の放射線シールド材料は標準的な放射性廃棄物として処分することができる。もう1つの態様において、放射線シールド材料は撥水性を有するので、この材料を汚染除去して、いずれかの放射線規制から免れることができる。
【0008】
本発明の放射線シールド材料のもう1つの特徴は、パイプ及びチューブ(管状材料等)のまわりを容易に包囲する(又は巻き付ける)ことができる程度の弾性及び十分な可撓性をこの材料が有することである。
【0009】
本発明の放射線シールド材料のもう1つの特徴は、この材料が柔軟であって、ゴム材料についての常套の処理技術、例えば射出成形、カレンダリング、押出等を用いて、(放射性流体を運ぶ可能性のあるパイプ又はチューブを覆うために用いることができるように)所望の形状、例えばシート形状、パイプ形状又はチューブ形状に加工することができることである。
【0010】
本発明の放射線シールド材料の更にもう1つの特徴は、この材料よりも可撓性の低い繊維状鉛ブランケットと対比して、それよりも良好であるとは言えないとしても、少なくともそれに匹敵し得る十分な放射線減衰性を提供するということである。
【0011】
本発明の1つの要旨は、可撓性と放射線減衰性との所望するバランスを得るのに有効な量でゴム成分(又はゴム)及び金属成分を含んでなる放射線シールド材料に関する。金属(成分)は放射線シールド材料に有効な放射線減衰性を付与するように選択され、一方、ゴム成分は放射線シールド材料に有効な可撓性を付与するように選択される。放射線シールド材料中におけるゴム成分と金属成分との量を変更することによって、所望のレベルの可撓性及び放射線減衰性を得ることができる。同様に、ゴム成分及び金属成分は、特定の用途についての特定の温度要件を満足するように選択することができる。例えば、より高い耐熱性が必要とされる用途については、より高い融点の金属成分を選択することができる。金属成分は、純粋な元素の形態であってもよいし、合金であってもよい。放射線シールド材料は、添加剤、例えば、補強用フィラー及び加工助剤(process aid)を含むこともできる。
【0012】
本発明のもう1つの要旨は、放射線シールド材料を製造する方法に関する。この方法には、有効な量のゴム成分、金属成分及び硬化剤を混合して、実質的に均質な又はむらのない混合物を形成することが含まれる。この混合物を所望の形状に加工して硬化させると、稠密であって、常套の切断ツール、例えばハサミを用いて容易に切ることができる弾性材料が得られる。
【0013】
もう1つの要旨において、本発明は、硬化剤を含まずに、有効な量のゴム成分及び金属成分を混合して、実質的に均質又はむらのない混合物を得る放射線シールド材料の製造方法に関する。放射線シールド材料は、低いデュロメーターの値又は硬度の値(例えば、「パテ状」硬度("putty-like" hardness))を有する。この材料は、種々の形状に成形することができる。例えば、模型用クレイを芸術家の鋳型(artist's cast)のまわりで造型する(型のまわりの形にする)のと同様にして、放射線源のまわりで放射線シールド材料を造型することができる。
【0014】
本発明の更にもう1つの要旨において、放射線源又は放射線領域からの放射線を部分的にブロック(遮断)するか又は減衰させるための方法に関する。この方法には、放射線源から発せられる放射線を所望の割合でブロックするのに十分な有効厚みを有する放射線シールド材料のシートを用いて、放射線源又は放射線領域を覆うことが含まれる。
【0015】
本発明のこれら及びその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して、本発明の好ましい態様の記載から当業者には明らかになるであろう。
【0016】
「約」又は「ほぼ」という用語は、その用語によって修飾される数値が20%〜5%の範囲で変動し得るということを意味する。この(出願の)明細書では、「マイクロメートル」は「ミクロン」の意味で用いられ、「ミクロン」も「マイクロメートル」の意味で用いられる。「直径」という用語は、図形又は本体(例えば、円、円錐形状の部分、球、立方体又は長尺物体など)の中心を通過して、反対側の境界にて終わるいずれかの線を意味する。「平均粒子寸法」という用語は、本発明において用いる金属成分の粒子についての最も長い寸法の長さを意味する。「平均粒子寸法」という用語には、直径も含まれる。例えば、平均粒子寸法は、四角形断面又はいずれかの平行四辺形断面を有する粒子についての最も長い寸法の長さを意味する。
【0017】
本発明は、所望の寸法に切ることや、放射線の遮蔽が必要とされる原子力船又は原子力プラントの配管、管材又はその他の領域を包むことなどを容易に行うことができる、軽量で可撓性ある放射線シールド材料に関する。本発明の放射線シールド材料を本明細書では「STEF」と称する。最も広い要旨において、この材料は、可撓性及び放射線減衰性をそれぞれ所望の程度でのバランスを達成するのに十分な量で、ゴム成分と放射線減衰金属成分(又は「金属成分」)とを含んでなる。ゴム成分の分量は、放射線シールド材料の全重量基準で、約5重量%〜約35重量%、より好ましくは約10重量%〜約30重量%、最も好ましくは約10重量%〜約20重量%の範囲であってよい。金属成分の分量は、約65重量%〜約95重量%、より好ましくは約70重量%〜約90重量%、最も好ましくは約80重量%〜約90重量%の範囲であってよい。
【0018】
もう1つの態様では、ゴム成分の分量は、放射線シールド材料の全重量基準で、約5重量%〜約35重量%、より好ましくは約10重量%〜約30重量%、最も好ましくは約10重量%〜約20重量%の範囲であってよい。この態様において、金属成分の分量は、放射線シールド材料の全重量基準で、約65重量%〜約95重量%、より好ましくは約70重量%〜約90重量%、最も好ましくは約80重量%〜約90重量%の範囲であってよい。金属成分は放射線シールド材料に有効な放射線減衰特性を提供するように選ばれ、一方、ゴム成分は放射線シールド材料に十分な可撓性を提供するように選ばれる。放射線シールド材料中のゴム成分及び金属成分の量を変えることによって、所望のレベルの可撓性及び放射線減衰性を達成することができる。好ましくは、ゴム成分、金属成分及び放射線シールド材料は、約220°F(104℃)〜約400°F(204℃)の範囲の温度に耐えるのに十分な耐熱性をも有するべきである。好ましくは、ゴム成分及び金属成分は有害でない物質であるべきである。加工助剤を用いてゴム成分の処理を向上させることもできる。
【0019】
好適なゴム成分には、天然ゴム、例えばポリイソプレン、及び合成ゴムが含まれる(後者はエラストマーとしても知られている)。好適な合成ゴム又はエラストマーには、加硫天然ゴム(熱硬化性ゴム)と同様の特性を有する合成熱硬化性ポリマー、例えばスチレン−ブタジエンコポリマー、ポリクロロプレン(ネオプレン)、アクリロニトリルブタジエンコポリマー(ニトリルゴム)、ブチルゴム、ブタジエン−スチレンコポリマー(SBR)、多硫化物系ゴム、シス1,4−ポリイソプレン、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDMゴム)、シリコーンゴム、及びポリウレタンゴムが含まれ得る。これらは、硫黄、過酸化物、又は同様の物質によって架橋(橋かけ結合)することができる。好適なエラストマーには、一般にTPO(ThermoPlastic Olefin)ゴムとして知られる、熱可塑性で未架橋のポリオレフィンが含まれ得る。好ましいエラストマーには、ブタジエン−スチレンコポリマー(SBR)、アクリロニトリルブタジエンコポリマー(ニトリルゴム)、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDMゴム)及びシリコーンゴム(シリコーン又はポリシリコーンとしても知られる)等が含まれる。より好ましいものは、Si−Oポリマー主鎖に沿って、メチル基、ビニル基、フェニル基及び/又はトリフルオロプロピル基の側鎖(又はペンダント基)を有するシリコーンゴムである。最も好ましいものには、ジメチルシリコーンゴム、フェニルメチルシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、ポリビニルシリコーンゴム(若しくはポリビニルシロキサン)及びフルオロシリコーンゴムがある。有用なシリコーンゴムの1種には、ポリジメチルシリコーン系エラストマーがある。同じポリマー中に化学的に2種以上の側鎖の基を含ませて、各側鎖の基の利点を組み合わせることもできる。例えば、フェニルビニルシリコーンゴム、即ち、フェニル基側鎖及びビニル基側鎖の両者を有するシリコーンゴムを用いると、架橋効率を向上させること並びに低温可撓性を広げることができる。実用的ないずれかの理論に拘束されることを望むわけではないが、ゴム成分の1つの機能は、金属成分粒子に結合して弾性複合材料を形成するための結合剤(又は接着剤)としてはたらくことであると考えられる。
【0020】
好適な金属成分は、ゴムと組み合わせることによって、所望のレベルの放射線減衰性を示す、稠密で、十分な可撓性及び弾性を有する放射線シールド材料を形成することができる。減衰性の所望のレベルは、用途に応じて変動し得る。しかしながら一般に、本発明の放射線シールド材料の放射線減衰性は、常套の繊維状鉛又は中実の鉛ブランケットによって得られる放射線減衰性と比べて、より良好ではないとしても、それに匹敵し得るべきである。例えば、1つの態様において、放射線シールド材料は、コバルト60放射性物質からのエネルギーをシールドする約0.50インチ(又は0.50インチ)の厚さの繊維状鉛ブランケットによって得られる放射線減衰性を提供するように調製することができる。中実の鉛の2.0インチのシートは一般に、コバルト60放射性物質から発せられる放射線の90パーセントをブロックする。好ましい態様において、放射線シールド材料は、すべてのエネルギーレベルで放射線減衰性を提供するように調製される。もう1つ好ましい態様において、放射線シールド材料は、約1173kV〜約1332kVのエネルギーレベルで放射線減衰性を提供するように調製される。更に好ましい態様では、放射線シールド材料はコバルト60放射性物質からの放射線減衰を提供するように調製される。もう1つの好ましい態様では、放射線シールド材料は、コバルト60放射性物質からの約1173kV〜約1332kVのエネルギーレベルでの放射線減衰を提供するように調製される。好適な放射線減衰金属成分の例には、タングステン、ビスマス、耐腐食性鋼、例えばステンレス鋼、並びにそれらの組み合わせが含まれる。放射線減衰性金属成分は、1種の元素又は合金であってよく、平均粒子寸法が約0.4〜約45マイクロメートル、より好ましくは約2〜約15マイクロメートル、最も好ましくは約3〜約3.5マイクロメートル、例えば3〜3.5マイクロメートルの範囲である粒状物又は粉末の形態であってよい。もう1つ態様において、(粒状物又は粉末の形態であることが好ましい)金属成分は、約0.4〜約45マイクロメートル、より好ましくは約2〜約15マイクロメートル、最も好ましくは約3〜約3.5マイクロメートルの範囲の平均粒子寸法を有することができる。そのような金属成分は市販されている。金属成分は丸められた形態であることが好ましい。金属成分は球状の形態であることがより好ましい。尤も、金属成分は、球形、丸い物体、長い形状、正方形、長方形、三角形又はその他のいずれかの形状の断面を有するいずれの形状であってもよく、これらに限定されるものではない。タングステンは一般により高温が要求される用途により好ましいが、より低温の用途にはビスマスがより好ましい。それは、ビスマスはタングステンと同様の放射線減衰特性を示すが、ビスマスはタングステンよりも低価格だからである。好ましい態様において、粒子(粒状物)は一様な揃った寸法を有する。もう1つ好ましい態様において、粒子の少なくとも60%が100マイクロメートル以下の平均粒子寸法を有する。更に好ましい態様では、粒子の少なくとも75%が100マイクロメートル以下の平均粒子寸法を有する。更に好ましい態様では、粒子の少なくとも約99%が100マイクロメートル以下の平均粒子寸法を有する。更に好ましい態様では、粒子の少なくとも60%が100マイクロメートル以下の直径を有する。更に好ましい態様では、粒子の少なくとも75%が100マイクロメートル以下の直径を有する。更に好ましい態様では、粒子の少なくとも約99%が100マイクロメートル以下の直径を有する。更に好ましい態様では、粒子はゴム成分と組み合わせられて粒状の複合均質混合物を形成する。
【0021】
本発明の好ましい態様において、放射線シールド材料は、ステンレス鋼に損傷をもたらし得る有害物質を高い濃度で含むものではない。更に好ましい態様では、放射線シールド材料は、米軍標準規格(U.S. Military Standards)に規定されている要求品質を満たす材料を有する。更に好ましい態様では、放射線シールド材料は、米軍標準規格MIL−STD−2041に適合する。
【0022】
放射線シールド材料は、ゴム材料に用いられる常套の処理方法を用いて、所望の形態、例えば、シート、パイプ又はチューブの形態に加工することができる。放射線シールド材料のゴム成分は、常套の硬化方法を用いて、所望の形態に加工するのと同時に、又は所望の形態に加工した後に、硬化させて弾性の放射線シールド材料を形成することもできる。その他の添加剤、例えば補強用フィラー及び加工助剤を放射線シールド材料に加えることもできる。
【0023】
放射線シールド材料を製造するための好ましい方法には、密閉式ミキサー(internal mixer)、例えばバンバリー・ミキサー(Banbury mixer)の中で、その材料の種々の成分を所望の割合にて混合又は配合することが含まれる。混合の前に、ゴム成分の材料をフレッシュニング(freshening)工程、即ち、放射線減衰性金属成分及び他の配合物(又は成分)を加える前に、ゴム成分を機械的に可塑化又は軟化させて、ゴム成分をより可塑化する処理に付することができる。これは、多くのゴム材料、例えばシリコーンゴムは、加工助剤が添加された場合であっても、時間と共にある程度の構造性(structure)、即ち剛性(stiffness)を示すことがしばしばあり、処方(fabrication)前にフレッシュニングすることが有益となり得るからである。バンバリー・ミキサー内で各種成分を十分に混合すると、実質的に均質な又は均一な混合物が得られる。この混合物はその後、ゴム材料を処理するための常套の方法、例えば、押出、射出成形、カレンダ加工、圧縮成形又はトランスファー成形などを用いて、所望の形(又は「形状」)に処理され、硬化されて、稠密な可撓性材料を形成することができる。
【0024】
一般に、硬化には硬化剤を添加することが必要であるが、硬化剤は、材料を所望の形状に加工するのと同時に又はその後に添加することができる。
【0025】
本発明の好ましい態様の1つは、シリコーンゴム及びタングステンを含む放射線シールド材料に関するものである。材料中のシリコーンゴムの量は、放射線シールド材料の重量全体を基準として、好ましくは約5重量%〜約35重量%、より好ましくは約10重量%〜約30重量%、最も好ましくは約10重量%〜約20重量%の範囲である。使用し得る市販のシリコーンゴム材料の例には、DuPont de Nemerus & Companyから市販されているZALAK(登録商標)、KALREZ(登録商標)及びVITON(登録商標)、並びにGeneral Electric社から供給されているRTV9950及びRTV9811が含まれる。また、放射線シールド材料(又は「材料」)中のタングステンの分量は、材料全体の重量基準で、約65重量%〜約95重量%、より好ましくは約70重量%〜約90重量%、最も好ましくは約80重量%〜約90重量%の範囲であってよい。もう1つの好ましい態様では、材料中のタングステンの量は約10容量%〜約60容量%の範囲であり、材料中のゴムの分量は約90容量%〜約40容量%の範囲であってよい。より好ましい態様では、材料中のタングステンの分量は約20容量%〜約40容量%の範囲であり、材料中のゴムの分量は約80容量%〜約60容量%の範囲であってよい。更に好ましい態様では、材料中のタングステンの分量は約25容量%〜約35容量%の範囲であり、材料中のゴムの分量は約75容量%〜約65容量%の範囲であってよい。特定の1つの態様では、材料中のタングステンの分量は約32容量%、又は32容量%であって、材料中のゴムの分量は約68容量%、又は68容量%である。
【0026】
いずれの態様においても、タングステンを約0.4〜約15マイクロメートルの範囲、より好ましくは約2〜約15マイクロメートルの範囲、最も好ましくは約3〜約3.5マイクロメートルの範囲の平均粒子寸法を有する純粋な元素の粉末形態にて使用することが好ましい。
【0027】
もう1つの態様において、材料は、放射線シールド材料全体の重量基準で、5重量%〜35重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%、最も好ましくは10重量%〜20重量%のシリコーンゴムを含むことができる。この態様において、材料は、材料全体の重量基準で、65〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%、最も好ましくは80〜90重量%のタングステンを含むことができる。
【0028】
いずれの態様においても、タングステンを約0.4〜約15マイクロメートルの範囲、より好ましくは約2〜約15マイクロメートルの範囲、最も好ましくは約3〜約3.5マイクロメートルの範囲の平均粒子寸法を有する純粋な元素の粉末形態にて使用することが好ましい。
【0029】
タングステンの全部又は一部を、他の金属成分、例えばビスマス及びステンレス鋼などによて置換することもできる。より好ましいものは、シリコーンゴムとタングステン、シリコーンゴムとビスマス、又はシリコーンゴムとタングステン及びビスマスの組合せである。1つの態様では、タングステンの代わりに、タングステンとビスマスとの混合物であって、2種の金属成分をほぼ等しい割合で含む混合物を用いることができる。
【0030】
1つの好ましい態様では、放射線シールド材料は約90重量%のタングステン及び約10重量%のシリコーンゴムを含んでなり、90重量%のタングステン及び10重量%のシリコーンゴムを含むことが好ましい。もう1つの好ましい態様では、放射線シールド材料は約83重量%のタングステン及び約17重量%のシリコーンゴムを含んでなり、83重量%のタングステン及び17重量%のシリコーンゴムを含むことが好ましい。更にもう1つの好ましい態様では、放射線シールド材料は約80重量%のタングステン及び約20重量%のシリコーンゴムを含んでなり、80重量%のタングステン及び20重量%のシリコーンゴムを含むことが好ましい。更にもう1つの好ましい態様では、放射線シールド材料は約75重量%のタングステン及び約25重量%のシリコーンゴムを含んでなり、75重量%のタングステン及び25重量%のシリコーンゴムを含むことが好ましい。
【0031】
本発明の放射線シールド材料は、長期間の使用及び酷使に耐え得るように処方することができる。例えば、放射線シールド材料は、鋭利なエッジのパイピング、作業員がこの材料の上を歩行すること及びその類いの用途に耐え得るように処方することができる。好ましい態様において、本発明の放射線シールド材料は、60*10(ASTM D2240、ショアA)の最小デュロメータ値を有する。もう1つの好ましい態様において、放射線シールド材料は、約200〜約800ポンド/インチ2(ASTM D412)の引張強さ(tensile strength)を有する。更にもう1つ好ましい態様では、放射線シールド材料は、約400〜約600ポンド/インチ2(ASTM D412)の引張強さを有する。もう1つ好ましい態様では、本発明の放射線シールド材料は、40〜140ポンド/インチ(ASTM D624、dieB)の引裂き強さ(tear strength)を有する。更にもう1つ好ましい態様では、放射線シールド材料は、75〜105ポンド/インチ(ASTM D624、dieB)の引裂き強さを有する。
【0032】
図1を参照すると、放射線シールド材料を製造するための1つの態様例が模式的に示されている。この方法は、工程110に従い、タングステン粉末をシリコーンゴムに(「原材料」)均質な混合物が得られるまで、例えばバンバリーミキサーを用いて混合することを含んでなる。ミキサー内で原材料を添加するシーケンスは変動し得るが、まずシリコーンゴムを添加し、続いてタングステン粉末を添加することができる。金属成分粉末は徐々に添加して、十分に均質な混合物を形成することが好ましい。更に、工程120に従って、シリコーンゴム及びタングステン粉末に、その他の常套の物質、例えば補強用フィラー及び加工助剤を添加することができる。
【0033】
混合物を十分に混合して実質的に均質な混合物を形成した後、工程130に従って、混合物を処理し、所望の形態に加工する。混合物を所望の形態に加工するのはいずれか常套の技術又は方法、例えば押出成形によって行うことができる。例えば、放射線シールド材料は、シールドした領域から効果的に放射線を減衰させることができるように、十分な厚みを有する連続シートとして形成することができる。厚みは、一般に約0.1〜約1インチ、好ましくは0.1〜1.0インチ、より好ましくは約0.125〜約0.4インチ、又は0.125〜0.4インチの範囲であってよい。1つの態様において、放射線シールド材料は、0.50インチの厚さを有する。上述のように、種々の多くの既知の方法を用いて放射線シールド材料を形成することができる。典型的には、バンバリーミキシング・プロセス及びゴムを所望の形態又は形状に加工する種々の方法が、例えば米国特許第4150010号、第4164491号、第4197381号、第4201698号、第4202812号、第4234702号、第5623028号、第5908897号、第6177506号、第6162854号及び第6001917号に記載されている。これら刊行物に記載されている事項は、本発明の特許請求の範囲を明細書の記載事項に矛盾しない限り、刊行物を引用することによって本明細書に含めることとする。
【0034】
工程140に従って、硬化剤を添加することができる。硬化剤は、好ましくは熱を適用する際に、混合物内のシリコーンゴムの十分な硬化が達成される有効量で添加する。シリコーンゴムの硬化に用いることができる硬化剤の例には、ジブチルスズジラウレート(DBT)及び第1スズオクトエート(STO)を含むことができる。この方法には、工程150に従って、放射線シールド材料を硬化させることも含まれる。別法として、処理工程の間に混合物に硬化剤を添加し、一般に熱を適用して、混合物を硬化させるのと同時に、所望の形状に形成することもできる。硬化工程の間に触媒を添加して、常套の方法による硬化を促進させることもできる。硬化条件は、使用するゴム材料の特性、触媒及び硬化剤に応じて変動し得る。硬化工程は、硬化剤を含む放射線シールド材料を有効な温度へ、放射線シールド材料中でゴムを十分に硬化させることに関して十分な時間で、加熱することを含み得る。例えば、処理工程130を出た放射線シールド材料を常套の加熱手段、例えばオーブンの近くへ送り、ゴムの十分な硬化が達成されるまで材料を加熱することによって、硬化を行うことができる。1つの態様によれば、押出機のダイを出る連続シートの形態で放射線シールド材料が得られ、その放射線シールド材料を常套の加熱手段、例えば硬化炉(オーブン)によって生じる熱にさらすことによって硬化させることができる。
【0035】
一般に、シリコーンゴムコンパウンドの硬化温度は、約212°F(100℃)〜約392°F(200℃)の範囲、より好ましくは約230°F(110℃)〜約356°F(180℃)の範囲であってよい。
【0036】
硬化のための他の方法、例えば「添加硬化(addition cure)」を用いることもできる。例えば、メチルビニルシリコーンゴムは、水素化ケイ素(SiH)架橋剤及び貴金属成分触媒、例えば白金を添加することによって硬化させることができる。この反応は室温で起こり得るため、通常は早過ぎる硬化を防止するために阻害剤(inhibitor)が添加されている。他の添加剤を用いて、放射線シールド材料の特定の特性、例えば耐熱性などを向上させることもできる。
【0037】
使用するゴムコンパウンドの種類に応じて、硬化剤も変動し得る。シリコーンゴムコンパウンドに好適な硬化剤には有機過酸化物が含まれる。硬化時間及び硬化温度も変動し得る。一般に、硬化時間は、放射線シールド材料の厚さ及び特定の過酸化物の活性温度の関数である。種々の特性の硬化剤を用いることができる。ジアルキルパーオキシド、例えばジクミルパーオキシドは、一般にビニル基含有シリコーンゴムに好適である。ジアシルパーオキシド、例えばベンゾイルパーオキシドは、ビニル基及び側鎖メチル基を有するシリコーンゴムに好適である。過酸化物(パーオキシド)はシリコーン流体及びガムから形成されるペーストとして、又は液体若しくは粉体として用いることができる。
【0038】
別法として、硬化剤を含ませずに、シリコーンゴムを耐熱性及び耐腐食性の金属成分又は加工助剤、タングステン及び/又はビスマスと混合することによって、長期間にわたって柔軟性を保持することができる放射線シールド材料が形成される。この材料は、模型用クレイと同様に、シールドすべき部材に密着する形状に形成することができる。
【0039】
放射線減衰性金属成分としてタングステンを用いる本明細書に記載のいずれかの態様において、タングステンに代えて又はタングステンに加えて、いずれかの他の好適な金属成分(又は本明細書に記載する金属成分の組合せ)、例えばビスマス、耐腐食性鋼又はそれらの組合せを用いることもできる。そのような態様において、金属成分(又は金属成分の組合せ)の相対的な割合は、本発明の放射線シールド材料が本明細書に規定する特性を有する割合とされる。1つの態様において、(1種又は複数種の)金属成分の含量は、放射線シールド材料全体の重量基準で、約65〜約95重量%若しくは65〜95重量%、好ましくは約70〜約90重量%若しくは70〜90重量%であってよい。
【0040】
本発明の更にもう1つ態様では、放射線シールド材料を綿繊維、合成繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ケブラー繊維等から形成される種々の繊維又は繊維製品形態材料(集合的に「織物材料(fabric material)」とも称する)を含むように加工して、放射線シールド材料を強化することができる。織物材料は、放射線シールド材料の少なくとも一方の側に又は両側にしっかりと取り付けられる独立の層として適用することができる。別法として、混合物に対して繊維材料を添加することは、混合工程110の間、処理工程130の前又はその間に行うことができる。もう1つの態様において、放射線シールド材料は、ゴム成分と金属成分とのみで形成することができ、外側にその他の材料から形成された独立の層を有さないこともある。
【0041】
放射線シールド材料を製造するすべての態様において、常套の装置を用いて、適切な量の金属成分、ゴム成分、硬化剤及びその他の種々の成分を計量及び添加して、本明細書に記載するような特性を有する放射線シールド材料を得ることができ、そこでは本明細書に記載する金属成分とゴム成分との相対的な量を含み得る。
【0042】
本発明の放射線シールド材料は、金属成分の活性化に関連し得る用途に用いることもできる。これは、タングステン及びビスマスが容易に活性化されないためである。その他の種類の金属成分を含むこともできるが、活性化に関連する用途については、容易に活性化されない金属成分のみを用いることができ、そのような金属成分には例えばアルミニウムがある。
【0043】
放射線シールド材料は、パイプ及びチューブ系のまわりを包囲する(ラップする)ことができるように、十分な可撓性を有すべきである。1つの好ましい態様では、放射線シールド材料は、約0.1インチ〜約24インチの範囲の直径を有するパイプ及びチューブ系のまわりを包囲するのに十分な可撓性を有する。放射線シールド材料は現場において、常套の手段、例えばベルクロ(Velcro(登録商標))及びプラスチックタイ・ラップ等を用いて、パイプ及びチューブ系のまわりを包囲する(又はくるむ)ことができる。放射線シールド材料は、壁又は床をシールドするために用いることもできる。本発明の放射線シールド材料は一般に軽量であって、匹敵し得る放射線減衰性を提供する、鉛を含む既存の放射線シールド材料と同程度又はそれより軽量であることが好ましい。放射線シールド材料は、多様な種々の形状及び寸法に形成することができる。放射線シールド材料は、例えば、約0.125インチ〜約1.0インチ、0.125〜1.0インチ、約0.125インチ〜約0.75インチ、0.125インチ〜0.75インチ、約0.125インチ〜約0.5インチ又は0.125インチ〜0.5インチの厚みを有するシートの形状に形成することができる。態様によっては、放射線シールド材料は0.25〜0.5インチの厚みを有する。
【0044】
シリコーンゴムと共に用いることができる好適な補強用フィラーには、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、酸化鉄、チタニア、アルミニウムトリハイドレート(水酸化アルミニウム)及びカーボンブラックが含まれる。ヒュームドシリカがより好ましい。
加工助剤、例えば軟化剤を、本発明の放射線シールド材料と共に用いることができる。加工助剤は、例えばシリカフィラー(例えば、ヒュームドシリカ及び沈降シリカ)の表面を化学的に改質して、シリカフィラーの表面とシリコーンゴムとの会合(association)を低下させる反応性のシリコーン流体である。加工助剤は、前処理プロセスにおいてシリカフィラーと共に前もって反応させることもできるし、混合工程110において導入してその場で(in-situ)処理を行うこともできる。別法として、加工助剤を導入する両方の技術を用いることもできる。加工助剤を添加することによって、混合工程110及び処理工程130の間に、未硬化のシリコーンゴムが硬化することを防止することができる。加工助剤を用いない場合には、滑らかで柔軟な連続した(長尺の)材料が得られる替わりに、未硬化のシリコーンゴムは崩れたり、割れたりし得る。処理好適性(processability)の向上に加えて、加工助剤はフィラーの分散性及びシリコーンゴムの物理的特性を向上させ、従って放射線シールド材料の特性を向上させることができる。
【0045】
成分の純度を制御することによって、放射線シールド材料は、最終的な用途に応じて変動し得る特定の純度要求を容易に満足させることができる。例えば、高温耐性が必要とされる用途には、放射線シールド材料は、低融点の金属成分、例えばアンチモン、ビスマス、カドミウム、鉛、スズ及び亜鉛を、多くとも250ppmまで含むことができる。同様に、他の用途では、水銀を10ppmを越えて含まないことが必要とされることがあったり、又は、臭化物、塩化物、フッ化物、硫黄及びリンなどの化合物又は元素を250ppmを越えて含まないことが必要とされることもある。
【0046】
1つの態様では、放射線シールド材料を、例えばベルクロ(登録商標)製の一体のクロージャ・ストラップを有する成形されたカラーに成形することができる。成形されたカラーは分割して、パイプに適用するように広げることができる。この放射線シールド材料の位置が決まると、ベルクロ(登録商標)ストラップを用いて材料を取り付け、材料内のギャップをなくすることができる。
【0047】
放射線源から放出される放射線を所望の割合で遮断するのに十分な有効厚さを有する放射線シールド材料を提供することを含む放射線源からの放射線を減衰又はブロック(又は遮断)するための方法が提供される。この方法は、更に、放射線シールド材料を用いて、放射線源からの放射線を減衰又はブロックすることを含んでなる。
【0048】
本発明の放射線シールド材料は種々の方法で用いることができ、例えば、放射線シールド材料のブランケットを放射線源のまわりにぶら下げたり、放射線源を放射線シールド材料で被覆したり、放射線源のまわりにカーテンを形成したり、放射線源のまわりを放射線シールド材料で包囲したり、又は放射線シールド材料を層状のブランケットで用いたり等することができる。工業的に用いられている袋布(bagging)、例えばナイロン/ハーキュライト(Nylon/Herculite)(登録商標)袋布などを伴なって又は伴なわずに放射線シールド材料を用いることができる。放射線シールド材料は弾性及び可撓性を有するので、放射線シールド材料で比較的小さな物体、例えば約0.5〜約24インチの範囲、又は0.5から24インチの範囲の物体のまわりをくるむことができる。
【0049】
図2は、種々の厚さの4種の材料:1)90重量%のタングステン及び10重量%のシリコーンゴムを含む放射線シールド材料(STEF90%)、2)70重量%のタングステン及び30重量%のシリコーンゴムを含む放射線シールド材料(STEF70%)、3)中実の鉛シート(鉛)、及び4)繊維状鉛シート(繊維状鉛)についての放射線減衰曲線を示している。放射線源はコバルト60であって、線源の強さは5.38ミリキュリーであった。
【0050】
図3は、繊維状鉛シートを用いて得られる放射線減衰性と対比した、70重量%のタングステン及び30重量%のシリコーンゴムを含む本発明の放射線シールド材料(STEF70%)を用いて得られる放射線減衰性を示している。放射線源はコバルト60であって、線源の強さは5.38ミリキュリーであった。1層及び2層の放射線シールド材料を用いて測定を行った。各層は0.5インチの厚さであった。TVLは、放射線シールド材料を通過する放射線について、0.1(又は10分の1)の値のレベルを達成するのに必要とされる鉛又は他の放射線シールド材料の厚さの程度である。
【0051】
図4は、図3に関して用いた試験の条件及び放射線シールド材料について、放射線レベルにおける層あたりの減衰の割合を示している。
図5は、繊維状鉛シートを用いて得られる放射線減衰性と対比した、70重量%のタングステン及び30重量%のシリコーンゴムを含む本発明の放射線シールド材料(STEF70%)を用いて得られる放射線減衰性を示している。使用した放射線源はコバルト60であって、線源の強さは23.5ミリキュリーであった。放射線シールド材料の厚さは0.5インチの厚さであった。
本発明の範囲内で変更又は修正し得ることは、以下に記載する実施例を一緒に考慮すると明らかになるであろう。本明細書の実施例は、本発明を説明する目的で記載したものであって、いずれかの様式に本発明を限定しようと意図するものではない。
【0052】
実施例
実施例1
約90重量%のタングステン及び約10%のシリコーンゴムを含んでなる弾性の放射線シールド材料(STEF90%)を、約0.50インチの厚みを有するシートの形状に形成した。図2に示すように、90%シリコーン−タングステン材料によって得られる放射線減衰性は、繊維状鉛シートにより得られる放射線の減衰性より優れているとは言えないまでも、それに匹敵し得るものであった。例えば、0.5インチの厚さを有するSTEF90%材料は、放射線レベルについて、26%の低下、又は440ミリレムから326ミリレムへの低下を生じた。
【0053】
更に、シリコーン−タングステン材料は、例えば0.25インチの直径を有する寸法の小さな配管のまわりを包囲することができる十分な可撓性を有していた。繊維状鉛の可撓性は実質的にそれより劣っており、約1インチを越える配管を包むことができる程度であった。
【0054】
実施例2
約70重量%のタングステン及び約30%のシリコーンゴムを含んでなる弾性の放射線シールド材料(STEF70%)を、約0.50インチの厚みを有するシートの形状に形成した。図2は、種々の厚さでこの材料によって得られる放射線減衰性を示している。図3に示すように、1インチの厚さのSTEF70%材料を用いて得られる、コバルト60放射性物質によって放出される放射線の放射線減衰性は、0.5インチの厚さを有する繊維状鉛シートにより得られる放射線減衰性より優れているとは言えないまでも、それに匹敵し得るものであった。
更に、シリコーン−タングステン材料は、小さな寸法の配管、例えば0.25インチの直径を有する配管のまわりを包囲することができる十分な可撓性を有していた。繊維状鉛の可撓性は実質的にそれより劣っており、約1インチを越える配管を包むことができる程度であった。
【0055】
実施例3
約90重量%のビスマス及び約10%のシリコーンゴムを含んでなる弾性の放射線シールド材料を、約0.50インチの厚みを有するシートの形状に形成した。この放射線シールド(シリコーン−ビスマス)材料は、0.25インチの厚さを有する繊維状鉛シートにより得られる放射線減衰性に匹敵し得る、コバルト60放射性物質によって放出される放射線の放射線減衰性を示す。更に、シリコーン−タングステン材料は、小さな寸法の配管、例えば0.25インチの直径を有する配管のまわりを包囲することができる十分な可撓性を有していた。
【0056】
実施例4
約70重量%のビスマス及び約30%のシリコーンゴムを含んでなる弾性の放射線シールド材料を、約0.50インチの厚みを有するシートの形状に形成した。この放射線シールド(シリコーン−ビスマス)材料は、コバルト60放射性物質によって放出される放射線の放射線減衰性について、0.25インチの厚さを有する繊維状鉛シートにより得られる放射線減衰性より優れているとは言えないまでも、それに匹敵し得る放射線減衰性を示す。更に、シリコーン−タングステン材料は、小さな寸法の配管、例えば0.25インチの直径を有する配管のまわりを包囲することができる十分な可撓性を有していた。
上述の実施例は、本発明の開示及び説明のためのものであって、これらの実施例によって本発明が限定されると解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって定められる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明の放射線シールド材料を製造する方法における1つの実施形態のフローチャートである。
【図2】図2は、繊維状鉛シートを用いて得られる放射線の減衰性及び中実の鉛のシートを用いて得られる放射線の減衰性と対比した、本発明の放射線シールド材料の2つの実施形態で得られる放射線の減衰性を示している。
【図3】図3は、繊維状鉛シートにより得られる放射線の減衰性と対比した、本発明の放射線シールド材料の1つの実施形態で得られる放射線の減衰性を示している。
【図4】図4は、本発明の実施形態に従って、使用した放射線シールド材料の各層について得られる放射線レベルの減少率を示している。
【図5】図5は、繊維状鉛シートによって得られる放射線の減衰性と対比した、本発明の放射線シールド材料の1つの実施形態で得られる放射線の減衰性を示している。
技術分野
本発明は、一般に、放射線シールディング(radiation shielding)(又は放射線シールド材料(radiation shielding material))に関する。本発明は、特に、ゴム成分及び金属成分、例えばタングステン、ビスマス又はそれらの組合せを、放射線源から放出される放射線を所望の割合で遮蔽(又はブロック)するのに十分な量で含み、軽量で可撓性を有する放射線シールド材料に関する。本発明は、更に、放射線シールド材料を製造する方法、及びその方法を用いて放射線源からの放射線を減衰させる方法にも関する。
【0002】
発明の背景
核施設、例えば原子力発電所及び原子力船等では、繊維状鉛又は中実の鉛シート(又はブランケット)が放射線シールド材料として用いられている。鉛ブランケット(lead blanket)は、一般に、繊維状鉛コアを、外側被覆、例えばプラスチック材料によって被覆し、場合によってはそのような外側被覆に取り付けて形成される。外側被覆の周縁部は一般に互いに縫い付けられており、その周縁部には一般に金属製のグロメットが取り付けられている。
【0003】
鉛ブランケットは、シールド(又は遮蔽)すべき核施設を覆ったり、核施設の領域に掛けられたり、かぶせられたりする。鉛ブランケットを所望の位置にて支持するため、金属成分グロメットの中に挿入されるフック又はケーブルによって、鉛ブランケットの取り付けが行われる。
【0004】
この鉛ブランケットが放射線によって一旦汚染されると、適当な汚染ガイドラインに従って鉛ブランケットを処分する必要がある。例えば、資源保護回復法(Resource Conservation and Recovery Act, RCRA)は、汚染した鉛を処分するためのガイドラインを指示している。RCRAでは、鉛は有害な可能性のある物質であるので、放射線によって汚染された鉛ブランケットは「混合された有害廃棄物(Mixed Hazardous Waste)」に分類されており、これは通常の有害廃棄物よりも処分がより困難とされている。作業環境において使用される鉛自体も、手間がかかったり又はコストがかかったりするガイドラインに従うことが要求され得る。例えば、職業安全保健局(OSHA(Occupational Safety and Health Administration))には、労働者が鉛に接触することを防止すること、及び、鉛暴露を監視することを要求するガイドラインがある。常套の鉛ブランケットにはその他の問題点もある。例えば、鉛ブランケットは、小さな寸法のパイプ及びチューブ(配管類)のまわりに巻き付けるのに十分な可撓性を具備していない。
【0005】
発明の要旨
本発明は、常套の中実の鉛又は繊維状鉛ブランケットが伴なう上述の問題点及びその他の問題点を解消するものである。本発明は、有効な放射線の減衰性(attenuation)を提供する、軽量で、可撓性(又は弾性)を有する放射線シールド材料(本明細書において「放射線シールディング」とも称する)を提供する。この放射線シールド材料は、常套のツール、例えばハサミ又はナイフなどによって容易に切ることができ、また、十分な可撓性を有することによってパイプ及びチューブ(管状材料等)のまわりを容易に包む(又は巻き付ける)ことができる。放射線シールド材料は、ゴム成分(又はゴム)及び金属成分(又は金属)を、それぞれ可撓性と放射線減衰性との所望のバランスを得るのに有効な量で含んでなる。材料におけるゴム成分と金属成分との割合を変えることによって、所望のレベルの可撓性及び放射線減衰性を得ることができる。ゴムは、天然ゴム又は合成ゴム、例えば熱硬化性エラストマー若しくは熱可塑性エラストマーであってよい。
【0006】
本発明の放射線シールド材料の1つの特徴は、資源保護回復法(RCRA)によって規定されるような有害廃棄物を含まないことであり、従って、放射線によって汚染された場合であっても、混合された有害廃棄物とはされない。
【0007】
本発明の放射線シールド材料のもう1つの特徴は、この材料が本質的に撥水性を有するということである。従って、放射線によって汚染された場合には、本発明の放射線シールド材料は標準的な放射性廃棄物として処分することができる。もう1つの態様において、放射線シールド材料は撥水性を有するので、この材料を汚染除去して、いずれかの放射線規制から免れることができる。
【0008】
本発明の放射線シールド材料のもう1つの特徴は、パイプ及びチューブ(管状材料等)のまわりを容易に包囲する(又は巻き付ける)ことができる程度の弾性及び十分な可撓性をこの材料が有することである。
【0009】
本発明の放射線シールド材料のもう1つの特徴は、この材料が柔軟であって、ゴム材料についての常套の処理技術、例えば射出成形、カレンダリング、押出等を用いて、(放射性流体を運ぶ可能性のあるパイプ又はチューブを覆うために用いることができるように)所望の形状、例えばシート形状、パイプ形状又はチューブ形状に加工することができることである。
【0010】
本発明の放射線シールド材料の更にもう1つの特徴は、この材料よりも可撓性の低い繊維状鉛ブランケットと対比して、それよりも良好であるとは言えないとしても、少なくともそれに匹敵し得る十分な放射線減衰性を提供するということである。
【0011】
本発明の1つの要旨は、可撓性と放射線減衰性との所望するバランスを得るのに有効な量でゴム成分(又はゴム)及び金属成分を含んでなる放射線シールド材料に関する。金属(成分)は放射線シールド材料に有効な放射線減衰性を付与するように選択され、一方、ゴム成分は放射線シールド材料に有効な可撓性を付与するように選択される。放射線シールド材料中におけるゴム成分と金属成分との量を変更することによって、所望のレベルの可撓性及び放射線減衰性を得ることができる。同様に、ゴム成分及び金属成分は、特定の用途についての特定の温度要件を満足するように選択することができる。例えば、より高い耐熱性が必要とされる用途については、より高い融点の金属成分を選択することができる。金属成分は、純粋な元素の形態であってもよいし、合金であってもよい。放射線シールド材料は、添加剤、例えば、補強用フィラー及び加工助剤(process aid)を含むこともできる。
【0012】
本発明のもう1つの要旨は、放射線シールド材料を製造する方法に関する。この方法には、有効な量のゴム成分、金属成分及び硬化剤を混合して、実質的に均質な又はむらのない混合物を形成することが含まれる。この混合物を所望の形状に加工して硬化させると、稠密であって、常套の切断ツール、例えばハサミを用いて容易に切ることができる弾性材料が得られる。
【0013】
もう1つの要旨において、本発明は、硬化剤を含まずに、有効な量のゴム成分及び金属成分を混合して、実質的に均質又はむらのない混合物を得る放射線シールド材料の製造方法に関する。放射線シールド材料は、低いデュロメーターの値又は硬度の値(例えば、「パテ状」硬度("putty-like" hardness))を有する。この材料は、種々の形状に成形することができる。例えば、模型用クレイを芸術家の鋳型(artist's cast)のまわりで造型する(型のまわりの形にする)のと同様にして、放射線源のまわりで放射線シールド材料を造型することができる。
【0014】
本発明の更にもう1つの要旨において、放射線源又は放射線領域からの放射線を部分的にブロック(遮断)するか又は減衰させるための方法に関する。この方法には、放射線源から発せられる放射線を所望の割合でブロックするのに十分な有効厚みを有する放射線シールド材料のシートを用いて、放射線源又は放射線領域を覆うことが含まれる。
【0015】
本発明のこれら及びその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して、本発明の好ましい態様の記載から当業者には明らかになるであろう。
【0016】
「約」又は「ほぼ」という用語は、その用語によって修飾される数値が20%〜5%の範囲で変動し得るということを意味する。この(出願の)明細書では、「マイクロメートル」は「ミクロン」の意味で用いられ、「ミクロン」も「マイクロメートル」の意味で用いられる。「直径」という用語は、図形又は本体(例えば、円、円錐形状の部分、球、立方体又は長尺物体など)の中心を通過して、反対側の境界にて終わるいずれかの線を意味する。「平均粒子寸法」という用語は、本発明において用いる金属成分の粒子についての最も長い寸法の長さを意味する。「平均粒子寸法」という用語には、直径も含まれる。例えば、平均粒子寸法は、四角形断面又はいずれかの平行四辺形断面を有する粒子についての最も長い寸法の長さを意味する。
【0017】
本発明は、所望の寸法に切ることや、放射線の遮蔽が必要とされる原子力船又は原子力プラントの配管、管材又はその他の領域を包むことなどを容易に行うことができる、軽量で可撓性ある放射線シールド材料に関する。本発明の放射線シールド材料を本明細書では「STEF」と称する。最も広い要旨において、この材料は、可撓性及び放射線減衰性をそれぞれ所望の程度でのバランスを達成するのに十分な量で、ゴム成分と放射線減衰金属成分(又は「金属成分」)とを含んでなる。ゴム成分の分量は、放射線シールド材料の全重量基準で、約5重量%〜約35重量%、より好ましくは約10重量%〜約30重量%、最も好ましくは約10重量%〜約20重量%の範囲であってよい。金属成分の分量は、約65重量%〜約95重量%、より好ましくは約70重量%〜約90重量%、最も好ましくは約80重量%〜約90重量%の範囲であってよい。
【0018】
もう1つの態様では、ゴム成分の分量は、放射線シールド材料の全重量基準で、約5重量%〜約35重量%、より好ましくは約10重量%〜約30重量%、最も好ましくは約10重量%〜約20重量%の範囲であってよい。この態様において、金属成分の分量は、放射線シールド材料の全重量基準で、約65重量%〜約95重量%、より好ましくは約70重量%〜約90重量%、最も好ましくは約80重量%〜約90重量%の範囲であってよい。金属成分は放射線シールド材料に有効な放射線減衰特性を提供するように選ばれ、一方、ゴム成分は放射線シールド材料に十分な可撓性を提供するように選ばれる。放射線シールド材料中のゴム成分及び金属成分の量を変えることによって、所望のレベルの可撓性及び放射線減衰性を達成することができる。好ましくは、ゴム成分、金属成分及び放射線シールド材料は、約220°F(104℃)〜約400°F(204℃)の範囲の温度に耐えるのに十分な耐熱性をも有するべきである。好ましくは、ゴム成分及び金属成分は有害でない物質であるべきである。加工助剤を用いてゴム成分の処理を向上させることもできる。
【0019】
好適なゴム成分には、天然ゴム、例えばポリイソプレン、及び合成ゴムが含まれる(後者はエラストマーとしても知られている)。好適な合成ゴム又はエラストマーには、加硫天然ゴム(熱硬化性ゴム)と同様の特性を有する合成熱硬化性ポリマー、例えばスチレン−ブタジエンコポリマー、ポリクロロプレン(ネオプレン)、アクリロニトリルブタジエンコポリマー(ニトリルゴム)、ブチルゴム、ブタジエン−スチレンコポリマー(SBR)、多硫化物系ゴム、シス1,4−ポリイソプレン、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDMゴム)、シリコーンゴム、及びポリウレタンゴムが含まれ得る。これらは、硫黄、過酸化物、又は同様の物質によって架橋(橋かけ結合)することができる。好適なエラストマーには、一般にTPO(ThermoPlastic Olefin)ゴムとして知られる、熱可塑性で未架橋のポリオレフィンが含まれ得る。好ましいエラストマーには、ブタジエン−スチレンコポリマー(SBR)、アクリロニトリルブタジエンコポリマー(ニトリルゴム)、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDMゴム)及びシリコーンゴム(シリコーン又はポリシリコーンとしても知られる)等が含まれる。より好ましいものは、Si−Oポリマー主鎖に沿って、メチル基、ビニル基、フェニル基及び/又はトリフルオロプロピル基の側鎖(又はペンダント基)を有するシリコーンゴムである。最も好ましいものには、ジメチルシリコーンゴム、フェニルメチルシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、ポリビニルシリコーンゴム(若しくはポリビニルシロキサン)及びフルオロシリコーンゴムがある。有用なシリコーンゴムの1種には、ポリジメチルシリコーン系エラストマーがある。同じポリマー中に化学的に2種以上の側鎖の基を含ませて、各側鎖の基の利点を組み合わせることもできる。例えば、フェニルビニルシリコーンゴム、即ち、フェニル基側鎖及びビニル基側鎖の両者を有するシリコーンゴムを用いると、架橋効率を向上させること並びに低温可撓性を広げることができる。実用的ないずれかの理論に拘束されることを望むわけではないが、ゴム成分の1つの機能は、金属成分粒子に結合して弾性複合材料を形成するための結合剤(又は接着剤)としてはたらくことであると考えられる。
【0020】
好適な金属成分は、ゴムと組み合わせることによって、所望のレベルの放射線減衰性を示す、稠密で、十分な可撓性及び弾性を有する放射線シールド材料を形成することができる。減衰性の所望のレベルは、用途に応じて変動し得る。しかしながら一般に、本発明の放射線シールド材料の放射線減衰性は、常套の繊維状鉛又は中実の鉛ブランケットによって得られる放射線減衰性と比べて、より良好ではないとしても、それに匹敵し得るべきである。例えば、1つの態様において、放射線シールド材料は、コバルト60放射性物質からのエネルギーをシールドする約0.50インチ(又は0.50インチ)の厚さの繊維状鉛ブランケットによって得られる放射線減衰性を提供するように調製することができる。中実の鉛の2.0インチのシートは一般に、コバルト60放射性物質から発せられる放射線の90パーセントをブロックする。好ましい態様において、放射線シールド材料は、すべてのエネルギーレベルで放射線減衰性を提供するように調製される。もう1つ好ましい態様において、放射線シールド材料は、約1173kV〜約1332kVのエネルギーレベルで放射線減衰性を提供するように調製される。更に好ましい態様では、放射線シールド材料はコバルト60放射性物質からの放射線減衰を提供するように調製される。もう1つの好ましい態様では、放射線シールド材料は、コバルト60放射性物質からの約1173kV〜約1332kVのエネルギーレベルでの放射線減衰を提供するように調製される。好適な放射線減衰金属成分の例には、タングステン、ビスマス、耐腐食性鋼、例えばステンレス鋼、並びにそれらの組み合わせが含まれる。放射線減衰性金属成分は、1種の元素又は合金であってよく、平均粒子寸法が約0.4〜約45マイクロメートル、より好ましくは約2〜約15マイクロメートル、最も好ましくは約3〜約3.5マイクロメートル、例えば3〜3.5マイクロメートルの範囲である粒状物又は粉末の形態であってよい。もう1つ態様において、(粒状物又は粉末の形態であることが好ましい)金属成分は、約0.4〜約45マイクロメートル、より好ましくは約2〜約15マイクロメートル、最も好ましくは約3〜約3.5マイクロメートルの範囲の平均粒子寸法を有することができる。そのような金属成分は市販されている。金属成分は丸められた形態であることが好ましい。金属成分は球状の形態であることがより好ましい。尤も、金属成分は、球形、丸い物体、長い形状、正方形、長方形、三角形又はその他のいずれかの形状の断面を有するいずれの形状であってもよく、これらに限定されるものではない。タングステンは一般により高温が要求される用途により好ましいが、より低温の用途にはビスマスがより好ましい。それは、ビスマスはタングステンと同様の放射線減衰特性を示すが、ビスマスはタングステンよりも低価格だからである。好ましい態様において、粒子(粒状物)は一様な揃った寸法を有する。もう1つ好ましい態様において、粒子の少なくとも60%が100マイクロメートル以下の平均粒子寸法を有する。更に好ましい態様では、粒子の少なくとも75%が100マイクロメートル以下の平均粒子寸法を有する。更に好ましい態様では、粒子の少なくとも約99%が100マイクロメートル以下の平均粒子寸法を有する。更に好ましい態様では、粒子の少なくとも60%が100マイクロメートル以下の直径を有する。更に好ましい態様では、粒子の少なくとも75%が100マイクロメートル以下の直径を有する。更に好ましい態様では、粒子の少なくとも約99%が100マイクロメートル以下の直径を有する。更に好ましい態様では、粒子はゴム成分と組み合わせられて粒状の複合均質混合物を形成する。
【0021】
本発明の好ましい態様において、放射線シールド材料は、ステンレス鋼に損傷をもたらし得る有害物質を高い濃度で含むものではない。更に好ましい態様では、放射線シールド材料は、米軍標準規格(U.S. Military Standards)に規定されている要求品質を満たす材料を有する。更に好ましい態様では、放射線シールド材料は、米軍標準規格MIL−STD−2041に適合する。
【0022】
放射線シールド材料は、ゴム材料に用いられる常套の処理方法を用いて、所望の形態、例えば、シート、パイプ又はチューブの形態に加工することができる。放射線シールド材料のゴム成分は、常套の硬化方法を用いて、所望の形態に加工するのと同時に、又は所望の形態に加工した後に、硬化させて弾性の放射線シールド材料を形成することもできる。その他の添加剤、例えば補強用フィラー及び加工助剤を放射線シールド材料に加えることもできる。
【0023】
放射線シールド材料を製造するための好ましい方法には、密閉式ミキサー(internal mixer)、例えばバンバリー・ミキサー(Banbury mixer)の中で、その材料の種々の成分を所望の割合にて混合又は配合することが含まれる。混合の前に、ゴム成分の材料をフレッシュニング(freshening)工程、即ち、放射線減衰性金属成分及び他の配合物(又は成分)を加える前に、ゴム成分を機械的に可塑化又は軟化させて、ゴム成分をより可塑化する処理に付することができる。これは、多くのゴム材料、例えばシリコーンゴムは、加工助剤が添加された場合であっても、時間と共にある程度の構造性(structure)、即ち剛性(stiffness)を示すことがしばしばあり、処方(fabrication)前にフレッシュニングすることが有益となり得るからである。バンバリー・ミキサー内で各種成分を十分に混合すると、実質的に均質な又は均一な混合物が得られる。この混合物はその後、ゴム材料を処理するための常套の方法、例えば、押出、射出成形、カレンダ加工、圧縮成形又はトランスファー成形などを用いて、所望の形(又は「形状」)に処理され、硬化されて、稠密な可撓性材料を形成することができる。
【0024】
一般に、硬化には硬化剤を添加することが必要であるが、硬化剤は、材料を所望の形状に加工するのと同時に又はその後に添加することができる。
【0025】
本発明の好ましい態様の1つは、シリコーンゴム及びタングステンを含む放射線シールド材料に関するものである。材料中のシリコーンゴムの量は、放射線シールド材料の重量全体を基準として、好ましくは約5重量%〜約35重量%、より好ましくは約10重量%〜約30重量%、最も好ましくは約10重量%〜約20重量%の範囲である。使用し得る市販のシリコーンゴム材料の例には、DuPont de Nemerus & Companyから市販されているZALAK(登録商標)、KALREZ(登録商標)及びVITON(登録商標)、並びにGeneral Electric社から供給されているRTV9950及びRTV9811が含まれる。また、放射線シールド材料(又は「材料」)中のタングステンの分量は、材料全体の重量基準で、約65重量%〜約95重量%、より好ましくは約70重量%〜約90重量%、最も好ましくは約80重量%〜約90重量%の範囲であってよい。もう1つの好ましい態様では、材料中のタングステンの量は約10容量%〜約60容量%の範囲であり、材料中のゴムの分量は約90容量%〜約40容量%の範囲であってよい。より好ましい態様では、材料中のタングステンの分量は約20容量%〜約40容量%の範囲であり、材料中のゴムの分量は約80容量%〜約60容量%の範囲であってよい。更に好ましい態様では、材料中のタングステンの分量は約25容量%〜約35容量%の範囲であり、材料中のゴムの分量は約75容量%〜約65容量%の範囲であってよい。特定の1つの態様では、材料中のタングステンの分量は約32容量%、又は32容量%であって、材料中のゴムの分量は約68容量%、又は68容量%である。
【0026】
いずれの態様においても、タングステンを約0.4〜約15マイクロメートルの範囲、より好ましくは約2〜約15マイクロメートルの範囲、最も好ましくは約3〜約3.5マイクロメートルの範囲の平均粒子寸法を有する純粋な元素の粉末形態にて使用することが好ましい。
【0027】
もう1つの態様において、材料は、放射線シールド材料全体の重量基準で、5重量%〜35重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%、最も好ましくは10重量%〜20重量%のシリコーンゴムを含むことができる。この態様において、材料は、材料全体の重量基準で、65〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%、最も好ましくは80〜90重量%のタングステンを含むことができる。
【0028】
いずれの態様においても、タングステンを約0.4〜約15マイクロメートルの範囲、より好ましくは約2〜約15マイクロメートルの範囲、最も好ましくは約3〜約3.5マイクロメートルの範囲の平均粒子寸法を有する純粋な元素の粉末形態にて使用することが好ましい。
【0029】
タングステンの全部又は一部を、他の金属成分、例えばビスマス及びステンレス鋼などによて置換することもできる。より好ましいものは、シリコーンゴムとタングステン、シリコーンゴムとビスマス、又はシリコーンゴムとタングステン及びビスマスの組合せである。1つの態様では、タングステンの代わりに、タングステンとビスマスとの混合物であって、2種の金属成分をほぼ等しい割合で含む混合物を用いることができる。
【0030】
1つの好ましい態様では、放射線シールド材料は約90重量%のタングステン及び約10重量%のシリコーンゴムを含んでなり、90重量%のタングステン及び10重量%のシリコーンゴムを含むことが好ましい。もう1つの好ましい態様では、放射線シールド材料は約83重量%のタングステン及び約17重量%のシリコーンゴムを含んでなり、83重量%のタングステン及び17重量%のシリコーンゴムを含むことが好ましい。更にもう1つの好ましい態様では、放射線シールド材料は約80重量%のタングステン及び約20重量%のシリコーンゴムを含んでなり、80重量%のタングステン及び20重量%のシリコーンゴムを含むことが好ましい。更にもう1つの好ましい態様では、放射線シールド材料は約75重量%のタングステン及び約25重量%のシリコーンゴムを含んでなり、75重量%のタングステン及び25重量%のシリコーンゴムを含むことが好ましい。
【0031】
本発明の放射線シールド材料は、長期間の使用及び酷使に耐え得るように処方することができる。例えば、放射線シールド材料は、鋭利なエッジのパイピング、作業員がこの材料の上を歩行すること及びその類いの用途に耐え得るように処方することができる。好ましい態様において、本発明の放射線シールド材料は、60*10(ASTM D2240、ショアA)の最小デュロメータ値を有する。もう1つの好ましい態様において、放射線シールド材料は、約200〜約800ポンド/インチ2(ASTM D412)の引張強さ(tensile strength)を有する。更にもう1つ好ましい態様では、放射線シールド材料は、約400〜約600ポンド/インチ2(ASTM D412)の引張強さを有する。もう1つ好ましい態様では、本発明の放射線シールド材料は、40〜140ポンド/インチ(ASTM D624、dieB)の引裂き強さ(tear strength)を有する。更にもう1つ好ましい態様では、放射線シールド材料は、75〜105ポンド/インチ(ASTM D624、dieB)の引裂き強さを有する。
【0032】
図1を参照すると、放射線シールド材料を製造するための1つの態様例が模式的に示されている。この方法は、工程110に従い、タングステン粉末をシリコーンゴムに(「原材料」)均質な混合物が得られるまで、例えばバンバリーミキサーを用いて混合することを含んでなる。ミキサー内で原材料を添加するシーケンスは変動し得るが、まずシリコーンゴムを添加し、続いてタングステン粉末を添加することができる。金属成分粉末は徐々に添加して、十分に均質な混合物を形成することが好ましい。更に、工程120に従って、シリコーンゴム及びタングステン粉末に、その他の常套の物質、例えば補強用フィラー及び加工助剤を添加することができる。
【0033】
混合物を十分に混合して実質的に均質な混合物を形成した後、工程130に従って、混合物を処理し、所望の形態に加工する。混合物を所望の形態に加工するのはいずれか常套の技術又は方法、例えば押出成形によって行うことができる。例えば、放射線シールド材料は、シールドした領域から効果的に放射線を減衰させることができるように、十分な厚みを有する連続シートとして形成することができる。厚みは、一般に約0.1〜約1インチ、好ましくは0.1〜1.0インチ、より好ましくは約0.125〜約0.4インチ、又は0.125〜0.4インチの範囲であってよい。1つの態様において、放射線シールド材料は、0.50インチの厚さを有する。上述のように、種々の多くの既知の方法を用いて放射線シールド材料を形成することができる。典型的には、バンバリーミキシング・プロセス及びゴムを所望の形態又は形状に加工する種々の方法が、例えば米国特許第4150010号、第4164491号、第4197381号、第4201698号、第4202812号、第4234702号、第5623028号、第5908897号、第6177506号、第6162854号及び第6001917号に記載されている。これら刊行物に記載されている事項は、本発明の特許請求の範囲を明細書の記載事項に矛盾しない限り、刊行物を引用することによって本明細書に含めることとする。
【0034】
工程140に従って、硬化剤を添加することができる。硬化剤は、好ましくは熱を適用する際に、混合物内のシリコーンゴムの十分な硬化が達成される有効量で添加する。シリコーンゴムの硬化に用いることができる硬化剤の例には、ジブチルスズジラウレート(DBT)及び第1スズオクトエート(STO)を含むことができる。この方法には、工程150に従って、放射線シールド材料を硬化させることも含まれる。別法として、処理工程の間に混合物に硬化剤を添加し、一般に熱を適用して、混合物を硬化させるのと同時に、所望の形状に形成することもできる。硬化工程の間に触媒を添加して、常套の方法による硬化を促進させることもできる。硬化条件は、使用するゴム材料の特性、触媒及び硬化剤に応じて変動し得る。硬化工程は、硬化剤を含む放射線シールド材料を有効な温度へ、放射線シールド材料中でゴムを十分に硬化させることに関して十分な時間で、加熱することを含み得る。例えば、処理工程130を出た放射線シールド材料を常套の加熱手段、例えばオーブンの近くへ送り、ゴムの十分な硬化が達成されるまで材料を加熱することによって、硬化を行うことができる。1つの態様によれば、押出機のダイを出る連続シートの形態で放射線シールド材料が得られ、その放射線シールド材料を常套の加熱手段、例えば硬化炉(オーブン)によって生じる熱にさらすことによって硬化させることができる。
【0035】
一般に、シリコーンゴムコンパウンドの硬化温度は、約212°F(100℃)〜約392°F(200℃)の範囲、より好ましくは約230°F(110℃)〜約356°F(180℃)の範囲であってよい。
【0036】
硬化のための他の方法、例えば「添加硬化(addition cure)」を用いることもできる。例えば、メチルビニルシリコーンゴムは、水素化ケイ素(SiH)架橋剤及び貴金属成分触媒、例えば白金を添加することによって硬化させることができる。この反応は室温で起こり得るため、通常は早過ぎる硬化を防止するために阻害剤(inhibitor)が添加されている。他の添加剤を用いて、放射線シールド材料の特定の特性、例えば耐熱性などを向上させることもできる。
【0037】
使用するゴムコンパウンドの種類に応じて、硬化剤も変動し得る。シリコーンゴムコンパウンドに好適な硬化剤には有機過酸化物が含まれる。硬化時間及び硬化温度も変動し得る。一般に、硬化時間は、放射線シールド材料の厚さ及び特定の過酸化物の活性温度の関数である。種々の特性の硬化剤を用いることができる。ジアルキルパーオキシド、例えばジクミルパーオキシドは、一般にビニル基含有シリコーンゴムに好適である。ジアシルパーオキシド、例えばベンゾイルパーオキシドは、ビニル基及び側鎖メチル基を有するシリコーンゴムに好適である。過酸化物(パーオキシド)はシリコーン流体及びガムから形成されるペーストとして、又は液体若しくは粉体として用いることができる。
【0038】
別法として、硬化剤を含ませずに、シリコーンゴムを耐熱性及び耐腐食性の金属成分又は加工助剤、タングステン及び/又はビスマスと混合することによって、長期間にわたって柔軟性を保持することができる放射線シールド材料が形成される。この材料は、模型用クレイと同様に、シールドすべき部材に密着する形状に形成することができる。
【0039】
放射線減衰性金属成分としてタングステンを用いる本明細書に記載のいずれかの態様において、タングステンに代えて又はタングステンに加えて、いずれかの他の好適な金属成分(又は本明細書に記載する金属成分の組合せ)、例えばビスマス、耐腐食性鋼又はそれらの組合せを用いることもできる。そのような態様において、金属成分(又は金属成分の組合せ)の相対的な割合は、本発明の放射線シールド材料が本明細書に規定する特性を有する割合とされる。1つの態様において、(1種又は複数種の)金属成分の含量は、放射線シールド材料全体の重量基準で、約65〜約95重量%若しくは65〜95重量%、好ましくは約70〜約90重量%若しくは70〜90重量%であってよい。
【0040】
本発明の更にもう1つ態様では、放射線シールド材料を綿繊維、合成繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ケブラー繊維等から形成される種々の繊維又は繊維製品形態材料(集合的に「織物材料(fabric material)」とも称する)を含むように加工して、放射線シールド材料を強化することができる。織物材料は、放射線シールド材料の少なくとも一方の側に又は両側にしっかりと取り付けられる独立の層として適用することができる。別法として、混合物に対して繊維材料を添加することは、混合工程110の間、処理工程130の前又はその間に行うことができる。もう1つの態様において、放射線シールド材料は、ゴム成分と金属成分とのみで形成することができ、外側にその他の材料から形成された独立の層を有さないこともある。
【0041】
放射線シールド材料を製造するすべての態様において、常套の装置を用いて、適切な量の金属成分、ゴム成分、硬化剤及びその他の種々の成分を計量及び添加して、本明細書に記載するような特性を有する放射線シールド材料を得ることができ、そこでは本明細書に記載する金属成分とゴム成分との相対的な量を含み得る。
【0042】
本発明の放射線シールド材料は、金属成分の活性化に関連し得る用途に用いることもできる。これは、タングステン及びビスマスが容易に活性化されないためである。その他の種類の金属成分を含むこともできるが、活性化に関連する用途については、容易に活性化されない金属成分のみを用いることができ、そのような金属成分には例えばアルミニウムがある。
【0043】
放射線シールド材料は、パイプ及びチューブ系のまわりを包囲する(ラップする)ことができるように、十分な可撓性を有すべきである。1つの好ましい態様では、放射線シールド材料は、約0.1インチ〜約24インチの範囲の直径を有するパイプ及びチューブ系のまわりを包囲するのに十分な可撓性を有する。放射線シールド材料は現場において、常套の手段、例えばベルクロ(Velcro(登録商標))及びプラスチックタイ・ラップ等を用いて、パイプ及びチューブ系のまわりを包囲する(又はくるむ)ことができる。放射線シールド材料は、壁又は床をシールドするために用いることもできる。本発明の放射線シールド材料は一般に軽量であって、匹敵し得る放射線減衰性を提供する、鉛を含む既存の放射線シールド材料と同程度又はそれより軽量であることが好ましい。放射線シールド材料は、多様な種々の形状及び寸法に形成することができる。放射線シールド材料は、例えば、約0.125インチ〜約1.0インチ、0.125〜1.0インチ、約0.125インチ〜約0.75インチ、0.125インチ〜0.75インチ、約0.125インチ〜約0.5インチ又は0.125インチ〜0.5インチの厚みを有するシートの形状に形成することができる。態様によっては、放射線シールド材料は0.25〜0.5インチの厚みを有する。
【0044】
シリコーンゴムと共に用いることができる好適な補強用フィラーには、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、酸化鉄、チタニア、アルミニウムトリハイドレート(水酸化アルミニウム)及びカーボンブラックが含まれる。ヒュームドシリカがより好ましい。
加工助剤、例えば軟化剤を、本発明の放射線シールド材料と共に用いることができる。加工助剤は、例えばシリカフィラー(例えば、ヒュームドシリカ及び沈降シリカ)の表面を化学的に改質して、シリカフィラーの表面とシリコーンゴムとの会合(association)を低下させる反応性のシリコーン流体である。加工助剤は、前処理プロセスにおいてシリカフィラーと共に前もって反応させることもできるし、混合工程110において導入してその場で(in-situ)処理を行うこともできる。別法として、加工助剤を導入する両方の技術を用いることもできる。加工助剤を添加することによって、混合工程110及び処理工程130の間に、未硬化のシリコーンゴムが硬化することを防止することができる。加工助剤を用いない場合には、滑らかで柔軟な連続した(長尺の)材料が得られる替わりに、未硬化のシリコーンゴムは崩れたり、割れたりし得る。処理好適性(processability)の向上に加えて、加工助剤はフィラーの分散性及びシリコーンゴムの物理的特性を向上させ、従って放射線シールド材料の特性を向上させることができる。
【0045】
成分の純度を制御することによって、放射線シールド材料は、最終的な用途に応じて変動し得る特定の純度要求を容易に満足させることができる。例えば、高温耐性が必要とされる用途には、放射線シールド材料は、低融点の金属成分、例えばアンチモン、ビスマス、カドミウム、鉛、スズ及び亜鉛を、多くとも250ppmまで含むことができる。同様に、他の用途では、水銀を10ppmを越えて含まないことが必要とされることがあったり、又は、臭化物、塩化物、フッ化物、硫黄及びリンなどの化合物又は元素を250ppmを越えて含まないことが必要とされることもある。
【0046】
1つの態様では、放射線シールド材料を、例えばベルクロ(登録商標)製の一体のクロージャ・ストラップを有する成形されたカラーに成形することができる。成形されたカラーは分割して、パイプに適用するように広げることができる。この放射線シールド材料の位置が決まると、ベルクロ(登録商標)ストラップを用いて材料を取り付け、材料内のギャップをなくすることができる。
【0047】
放射線源から放出される放射線を所望の割合で遮断するのに十分な有効厚さを有する放射線シールド材料を提供することを含む放射線源からの放射線を減衰又はブロック(又は遮断)するための方法が提供される。この方法は、更に、放射線シールド材料を用いて、放射線源からの放射線を減衰又はブロックすることを含んでなる。
【0048】
本発明の放射線シールド材料は種々の方法で用いることができ、例えば、放射線シールド材料のブランケットを放射線源のまわりにぶら下げたり、放射線源を放射線シールド材料で被覆したり、放射線源のまわりにカーテンを形成したり、放射線源のまわりを放射線シールド材料で包囲したり、又は放射線シールド材料を層状のブランケットで用いたり等することができる。工業的に用いられている袋布(bagging)、例えばナイロン/ハーキュライト(Nylon/Herculite)(登録商標)袋布などを伴なって又は伴なわずに放射線シールド材料を用いることができる。放射線シールド材料は弾性及び可撓性を有するので、放射線シールド材料で比較的小さな物体、例えば約0.5〜約24インチの範囲、又は0.5から24インチの範囲の物体のまわりをくるむことができる。
【0049】
図2は、種々の厚さの4種の材料:1)90重量%のタングステン及び10重量%のシリコーンゴムを含む放射線シールド材料(STEF90%)、2)70重量%のタングステン及び30重量%のシリコーンゴムを含む放射線シールド材料(STEF70%)、3)中実の鉛シート(鉛)、及び4)繊維状鉛シート(繊維状鉛)についての放射線減衰曲線を示している。放射線源はコバルト60であって、線源の強さは5.38ミリキュリーであった。
【0050】
図3は、繊維状鉛シートを用いて得られる放射線減衰性と対比した、70重量%のタングステン及び30重量%のシリコーンゴムを含む本発明の放射線シールド材料(STEF70%)を用いて得られる放射線減衰性を示している。放射線源はコバルト60であって、線源の強さは5.38ミリキュリーであった。1層及び2層の放射線シールド材料を用いて測定を行った。各層は0.5インチの厚さであった。TVLは、放射線シールド材料を通過する放射線について、0.1(又は10分の1)の値のレベルを達成するのに必要とされる鉛又は他の放射線シールド材料の厚さの程度である。
【0051】
図4は、図3に関して用いた試験の条件及び放射線シールド材料について、放射線レベルにおける層あたりの減衰の割合を示している。
図5は、繊維状鉛シートを用いて得られる放射線減衰性と対比した、70重量%のタングステン及び30重量%のシリコーンゴムを含む本発明の放射線シールド材料(STEF70%)を用いて得られる放射線減衰性を示している。使用した放射線源はコバルト60であって、線源の強さは23.5ミリキュリーであった。放射線シールド材料の厚さは0.5インチの厚さであった。
本発明の範囲内で変更又は修正し得ることは、以下に記載する実施例を一緒に考慮すると明らかになるであろう。本明細書の実施例は、本発明を説明する目的で記載したものであって、いずれかの様式に本発明を限定しようと意図するものではない。
【0052】
実施例
実施例1
約90重量%のタングステン及び約10%のシリコーンゴムを含んでなる弾性の放射線シールド材料(STEF90%)を、約0.50インチの厚みを有するシートの形状に形成した。図2に示すように、90%シリコーン−タングステン材料によって得られる放射線減衰性は、繊維状鉛シートにより得られる放射線の減衰性より優れているとは言えないまでも、それに匹敵し得るものであった。例えば、0.5インチの厚さを有するSTEF90%材料は、放射線レベルについて、26%の低下、又は440ミリレムから326ミリレムへの低下を生じた。
【0053】
更に、シリコーン−タングステン材料は、例えば0.25インチの直径を有する寸法の小さな配管のまわりを包囲することができる十分な可撓性を有していた。繊維状鉛の可撓性は実質的にそれより劣っており、約1インチを越える配管を包むことができる程度であった。
【0054】
実施例2
約70重量%のタングステン及び約30%のシリコーンゴムを含んでなる弾性の放射線シールド材料(STEF70%)を、約0.50インチの厚みを有するシートの形状に形成した。図2は、種々の厚さでこの材料によって得られる放射線減衰性を示している。図3に示すように、1インチの厚さのSTEF70%材料を用いて得られる、コバルト60放射性物質によって放出される放射線の放射線減衰性は、0.5インチの厚さを有する繊維状鉛シートにより得られる放射線減衰性より優れているとは言えないまでも、それに匹敵し得るものであった。
更に、シリコーン−タングステン材料は、小さな寸法の配管、例えば0.25インチの直径を有する配管のまわりを包囲することができる十分な可撓性を有していた。繊維状鉛の可撓性は実質的にそれより劣っており、約1インチを越える配管を包むことができる程度であった。
【0055】
実施例3
約90重量%のビスマス及び約10%のシリコーンゴムを含んでなる弾性の放射線シールド材料を、約0.50インチの厚みを有するシートの形状に形成した。この放射線シールド(シリコーン−ビスマス)材料は、0.25インチの厚さを有する繊維状鉛シートにより得られる放射線減衰性に匹敵し得る、コバルト60放射性物質によって放出される放射線の放射線減衰性を示す。更に、シリコーン−タングステン材料は、小さな寸法の配管、例えば0.25インチの直径を有する配管のまわりを包囲することができる十分な可撓性を有していた。
【0056】
実施例4
約70重量%のビスマス及び約30%のシリコーンゴムを含んでなる弾性の放射線シールド材料を、約0.50インチの厚みを有するシートの形状に形成した。この放射線シールド(シリコーン−ビスマス)材料は、コバルト60放射性物質によって放出される放射線の放射線減衰性について、0.25インチの厚さを有する繊維状鉛シートにより得られる放射線減衰性より優れているとは言えないまでも、それに匹敵し得る放射線減衰性を示す。更に、シリコーン−タングステン材料は、小さな寸法の配管、例えば0.25インチの直径を有する配管のまわりを包囲することができる十分な可撓性を有していた。
上述の実施例は、本発明の開示及び説明のためのものであって、これらの実施例によって本発明が限定されると解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって定められる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明の放射線シールド材料を製造する方法における1つの実施形態のフローチャートである。
【図2】図2は、繊維状鉛シートを用いて得られる放射線の減衰性及び中実の鉛のシートを用いて得られる放射線の減衰性と対比した、本発明の放射線シールド材料の2つの実施形態で得られる放射線の減衰性を示している。
【図3】図3は、繊維状鉛シートにより得られる放射線の減衰性と対比した、本発明の放射線シールド材料の1つの実施形態で得られる放射線の減衰性を示している。
【図4】図4は、本発明の実施形態に従って、使用した放射線シールド材料の各層について得られる放射線レベルの減少率を示している。
【図5】図5は、繊維状鉛シートによって得られる放射線の減衰性と対比した、本発明の放射線シールド材料の1つの実施形態で得られる放射線の減衰性を示している。
Claims (44)
- 有効量のゴム成分及び有効量の放射線減衰性金属成分を含んでなる放射線シールド材料であって、
前記放射線シールド材料は少なくとも0.1インチの厚みを有するシートの形態を有しており、前記放射線減衰性金属成分は粒状物の形態を有しており、前記粒状物の少なくとも60%は100マイクロメートル以下の直径を有することを特徴とする放射線シールド材料。 - 前記粒状物の少なくとも75%が100マイクロメートル以下の直径を有する請求項1記載の放射線シールド材料。
- 前記粒状物の少なくとも約99%が100マイクロメートル以下の直径を有する請求項1記載の放射線シールド材料。
- 前記粒状物の少なくとも約60%は、約1〜約5マイクロメートルの範囲の直径を有する請求項1記載の放射線シールド材料。
- 前記金属成分は、タングステン、ビスマス及びステンレス鋼からなる群から選ばれる請求項1記載の放射線シールド材料。
- 前記ゴム成分は、熱硬化性ゴム及びTPOゴムを含んでなる請求項1記載の放射線シールド材料。
- 前記ゴム成分は、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレンコポリマー、アクリロニトリルブタジエンコポリマー、エチレンプロピレン−ジエンゴム及びシリコーンゴムからなる群から選ばれる請求項1記載の放射線シールド材料。
- 補強用フィラー及び加工助剤を更に含む請求項1記載の放射線シールド材料。
- 金属成分がタングステン又はビスマスである請求項1記載の放射線シールド材料。
- 金属成分がタングステンである請求項1記載の放射線シールド材料。
- シールド材料は、シールド材料全体の重量基準で約65重量%〜約95重量%の金属成分、及び、シールド材料全体の重量基準で約5重量%〜約35重量%のゴム成分を含んでなる請求項1記載の放射線シールド材料。
- 耐熱性及び耐腐食性の金属成分を更に含んでなる請求項1記載の放射線シールド材料。
- 有効量のゴム成分及び有効量の放射線減衰性金属成分を混合して、実質的に均質な混合物を形成する工程、
混合物を所望の形状に加工する工程、
混合物を処理して放射線シールド材料を形成する工程
を含んでなる放射線シールド材料の製造方法。 - 放射線シールド材料を容易に切断し得る請求項13記載の方法。
- ゴム成分及び放射線減衰性金属成分に補強材料を混合して均質な混合物を形成する工程を更に含んでなり、前記補強材料には、綿繊維、ガラス繊維、アラミド繊維又はケブラー繊維が含まれる請求項13記載の方法。
- ゴム成分及び放射線減衰性金属成分に有効量の硬化剤を混合して、実質的に均質な混合物を形成する工程を更に含んでなる請求項13記載の方法。
- ゴム成分、放射線減衰性金属成分及び硬化剤に補強材料を混合して均質な混合物を形成する工程を更に含んでなり、前記補強材料には、綿繊維、ガラス繊維、アラミド繊維又はケブラー繊維が含まれる請求項16記載の方法。
- 放射線シールド材料は、約0.1インチ〜約1インチの厚みを有するシートの形態である請求項13記載の方法。
- 得られる放射線シールド材料が、シールド材料全体の重量基準で、約5〜約35重量%のシリコーンゴム成分及び約65〜約95重量%の放射線減衰性金属成分を含むような量でゴム成分及び放射線減衰性金属成分を混合する請求項13記載の方法。
- 放射線減衰性金属成分は約1〜約5マイクロメートルの範囲の粒子寸法を有する請求項13記載の方法。
- 放射線減衰性金属成分は約2.5〜約4マイクロメートルの範囲の粒子寸法を有する請求項13記載の方法。
- 放射線減衰性金属成分は、タングステン、ビスマス又はステンレス鋼の少なくとも1種を含んでなる請求項13記載の方法。
- ゴム成分には、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレンコポリマー、アクリロニトリルブタジエンコポリマー、エチレンプロピレン−ジエンゴム及びシリコーンゴムが含まれる請求項13記載の方法。
- 放射線減衰性金属成分はタングステン又はビスマスである請求項13記載の方法。
- 放射線減衰性金属成分がタングステンである請求項13記載の方法。
- 放射線発生領域をシールドする方法であって、
放射線減衰特性を有する有効量の金属成分及びゴム成分を含む放射線シールド材料を供給する工程;並びに
放射線発生領域を、放射線を所望の割合で遮蔽するために十分な有効厚みを有する放射線シールド材料によってシールドする工程
を含んでなり、前記金属成分は粒状物の形態を有しており、前記粒状物の少なくとも60%は100マイクロメートル以下の直径を有する方法。 - 前記粒状物の少なくとも75%が100マイクロメートル以下の直径を有する請求項26記載の方法。
- 前記粒状物の少なくとも約99%が100マイクロメートル以下の直径を有する請求項26記載の方法。
- 前記金属成分は、タングステン、ビスマス及びステンレス鋼の少なくとも1種を含んでなる請求項26記載の方法。
- ゴム成分には、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレンコポリマー、アクリロニトリルブタジエンコポリマー、エチレンプロピレン−ジエンゴム及びシリコーンゴムが含まれる請求項26記載の方法。
- 放射線シールド材料は、補強用フィラー及び加工助剤を更に含んでなる請求項26記載の方法。
- 金属成分は、タングステン又はビスマスである請求項26記載の方法。
- 金属成分がタングステンである請求項26記載の方法。
- 放射線シールド材料は、シールド材料全体の重量基準で約65重量%〜約95重量%の金属成分、及び、シールド材料全体の重量基準で約5〜約35重量%のゴム成分を含んでなる請求項26記載の放射線シールド材料。
- 有効量のエラストマー成分及び有効量の放射線減衰性金属成分を含んでなる放射線シールド材料であって、
前記放射線シールド材料は少なくとも0.1インチの厚みを有するシートの形態を有しており、前記放射線減衰性金属成分は粒状物の形態を有しており、前記粒状物の少なくとも60%は100マイクロメートル以下の直径を有することを特徴とする放射線シールド材料。 - 前記金属成分は、タングステン、ビスマス及びステンレス鋼からなる群から選ばれる請求項35記載の放射線シールド材料。
- 前記エラストマーは、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、多硫化物系ゴム、シス1,4−ポリイソプレン、エチレンプロピレンジエンターポリマーゴム、シリコーンゴム又はポリウレタンゴムを含む熱硬化性高分子化合物である請求項35記載の放射線シールド材料。
- 前記エラストマーはTPOゴムである請求項35記載の放射線シールド材料。
- 前記金属成分は、タングステン、ビスマス又はステンレス鋼を含む請求項35記載の放射線シールド材料。
- 補強用フィラー及び加工助剤を更に含んでなる請求項35記載の放射線シールド材料。
- 金属成分はタングステン又はビスマスである請求項35記載の放射線シールド材料。
- 金属成分はタングステンである請求項35記載の放射線シールド材料。
- 放射線シールド材料は、シールド材料全体の重量基準で約65重量%〜約95重量%の金属成分、及び、シールド材料全体の重量基準で約5重量%〜約35重量%のゴム成分を含んでなる請求項35記載の放射線シールド材料。
- 耐熱性及び耐腐食性の金属成分を更に含んでなる請求項35記載の放射線シールド材料。
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