JP4987460B2 - 緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器のバルブ構造の改良に関する。
従来、この種緩衝器のバルブ構造にあっては、たとえば、車両用の緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に環状のリーフバルブを積層し、このリーフバルブでポートを開閉するものが知られている。
そして、具体的にはたとえば、上記緩衝器のバルブ構造は、図10に示すように、リーフバルブLの内周側を固定的に支持せずに、リーフバルブLの内周をピストンPをピストンロッドRに固定する筒状のピストンナットNの外周に摺接させ、スプリングSでメインバルブMを介してリーフバルブLの背面を附勢した緩衝器のバルブ構造が提案されるに至っており、図示したところでは、緩衝器の伸側減衰バルブに具現化されている(たとえば、特許文献1参照)。
このバルブ構造を適用した緩衝器にあっては、図示するところではピストンPが上方へ移動する際のピストン速度が低速領域にあるときにはリーフバルブLの外周側がリーフバルブLに積層したメインバルブMの当接部位を支点として撓むので、図11に示すように、内周が固定的に支持されるバルブ構造と略同様の減衰特性を発揮し、ピストン速度が中高速領域に達すると、ポートPoを通過する作動油の圧力がリーフバルブLに作用し、スプリングSの附勢力に抗してリーフバルブLがメインバルブMとともにピストンPから軸方向にリフトして後退するので、内周が固定的に支持される緩衝器のバルブ構造に比較して流路面積が大きくなり、減衰力が過大となることを抑制して、車両における乗り心地を向上することができる。
特開平9−291961号公報(図1)
しかしながら、上述のような提案のバルブ構造にあっては、車両における乗り心地を向上できる点で有用な技術ではあるが、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
というのは、たとえば、上記ピストンPが上方に移動するときのピストン速度が高速領域に達すると、従来の緩衝器のバルブ構造では、ピストン速度に応じてリーフバルブLがピストンPから軸方向に後退してリフトするのみで、減衰係数は大きくならない。
したがって、ピストン速度が高速領域に達する場合の減衰力が不足気味となり、振動抑制が充分に行われず、車両における乗り心地を悪化させてしまうことになる。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても車両における乗り心地を向上することができる緩衝器のバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、緩衝器内に一方室と他方室とを隔成し上記一方室と他方室とを連通するポートを備えたバルブディスクと、当該バルブディスクの他方室側の端面に積層されて上記ポートの下流を閉塞する環状のリーフバルブとを備えた緩衝器のバルブ構造において、上記一方室と上記ポートの上流とを連通する流路と、緩衝器の伸縮速度が高くなり上記一方室の圧力が上記他方室の圧力を所定量上回るとその圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させるスプールを有する絞り弁とを設けたことを特徴とする。
本発明の緩衝器のバルブ構造によれば、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
また、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、ピストン速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、ピストン速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
そして、絞り弁が一方室の圧力が他方室の圧力の圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させるようになっており、スプールの変位量に対する流路の流路面積低下ゲインが小さくなるので、ピストン速度が高速領域にあるときのピストン速度の増加に対する減衰力の増加の割合を小さくすることができ、急激に減衰力が変化することがなく、車両搭乗者に急激な減衰力変化による違和感を抱かせたり、ショックを感じさせたりすることが無く、緩衝器のピストン変位に対する減衰力の変化も急激とならないので、緩衝器が減衰力変化に伴って異音を発生してしまうことも無い。
以下、本発明のバルブ構造および緩衝器を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。図2は、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。図3は、一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰力変位特性を示す図である。図4は、一実施の形態の一変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における拡大縦断面図である。図5は、一実施の形態の他の変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における拡大縦断面図である。図6は、一実施の形態の別の変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における拡大縦断面図である。図7は、他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における拡大縦断面図である。図8は、別の実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における拡大縦断面図である。図9は、別の実施の形態の一変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における拡大縦断面図である。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部の伸側減衰バルブとして具現化されており、ピストンロッド5の先端に連結されて緩衝器内に一方室たる上室41と他方室たる下室42とを隔成し上記上室41と下室42とを連通するポート2を備えたバルブディスクたるピストン1と、ピストン1の下室42側の端面に積層されてポート2の下流を閉塞する環状のリーフバルブ10と、リーフバルブ10に積層される環状のバルブ抑え部材11と、バルブ抑え部材11を介してポート2を閉塞する方向にリーフバルブ10を附勢する附勢手段たるコイルスプリング15と、上室41とポート2の上流とを連通する流路20と、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回るとその圧力差の増大に比例して流路20の流路面積を減じるスプール17を有する絞り弁16とを備えて構成されている
他方、バルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド5と、ピストンロッド5の端部に設けた上記ピストン1と、シリンダ40内にピストン1で隔成される2つの圧力室たる上室41と下室42と、シリンダ40の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド5の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
そして、上記バルブ構造にあっては、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動するときに、上室41内の圧力が上昇して上室41から下室42へポート2を介して作動油が移動するときに、その作動油の移動にリーフバルブ10で抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。すなわち、この実施の形態にあっては、ポート2の上流とは、ポート2より上室41側のことを意味している。
以下、このバルブ構造について詳しく説明すると、バルブディスクたるピストン1は、有底筒状に形成され、底部1aの軸心部に設けられ緩衝器のピストンロッド5が挿通される挿通孔1bと、ポート2と、ポート2に連通する窓3と、ポート2の出口端となる窓3の外周側に形成されピストン1の底部1aよりリーフバルブ10側に突出する環状の弁座1cと、外周側に延設される筒部1fを備えて構成されている。
なお、このピストン1には、緩衝器が収縮するときに下室42から上室41へと向かう作動油の流れを許容する圧側のポート1dが底部1aの伸側のポート2より外周側に設けられている。
このピストン1の挿通孔1b内には上述のようにピストンロッド5が挿通され、ピストンロッド5の先端部はピストン1の図1中下方側に突出させてある。なお、ピストンロッド5の先端5aの外径は、先端5aより図1中上方側の外径より小径に設定され、上方側と先端部との外径が異なる部分に段部5bが形成されている。
つづいて、ピストンロッド5の先端5aにはピストンナット4が螺着され、このピストンナット4は、筒部4aと、図1中下端外周から延設される鍔4bとを備えて構成され、筒部4aの上端外周は小径とされて後述のリーフバルブ10およびバルブ抑え部材11の軸方向の移動をガイドするガイド部4cが形成されている。なお、ガイド部4cは、ピストンナット4とは別体とされてもよい。
そして、上記ピストンロッド5の先端5aを、外周側にスプール17が摺動自在に装着される環状の封止部たる封止部材22、ピストン1より上室41側に配置されポート2と上室41とを仕切る仕切部たる壁体24、間座101、圧側のリーフバルブ100およびピストン1の順に、これらの内周に挿入し、ピストン1の図1中下方からピストンナット4をピストンロッド5の先端に設けた螺子部5cに螺着することによって、上記各部材はピストンロッド5の段部5bとピストンナット4の上端とで挟持されてピストンロッド5に固定される。
なお、ピストン1の底部1aに設けた挿通孔1bにおける下端開口部が拡径されて拡径部1eが設けられて段部が形成され、この段部に筒部4aにおけるガイド部4cの図1中上端の挿入が可能なようになっている。
そして、ピストン1の底部1aには、上記ピストンナット4の筒部4aにおけるガイド部4cの外周に摺接するリーフバルブ10より小径であって環状の間座7が積層され、この間座7の下方からガイド部4cの外周に摺接するリーフバルブ10が積層され、さらに、このリーフバルブ10の下方からリーフバルブ10より小径であってガイド部4cの外周に摺接する環状の間座8が複数積層されるとともに、またさらに、この間座8の下方から同じくガイド部4cの外周に摺接するバルブ抑え部材11が積層されている。
なお、リーフバルブ10は、環状に形成されたリーフを複数枚積層して積層リーフバルブとして構成されており、この図1中上面を弁座1cに当接させて、ピストン1のポート2を閉塞することができるようになっている。さらに、詳しくは図示しないが、弁座1cに着座するリーフの外周に形成される切欠あるいは弁座1cに打刻されて形成される周知のオリフィスが設けられている。また、この実施の形態においては、リーフバルブ10は、積層リーフバルブとして構成されているが、上記リーフの枚数は、本バルブ構造で実現する減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)によって任意とされてよく、緩衝器に発生させる減衰特性によって複数枚とされても一枚のみでも差し支えなく、また、緩衝器に発生させ減衰特性によって各リーフの外径を異なるように設定することができる。
また、上述のように、ピストン1を有底筒状の形状とすることによって、リーフバルブ等のバルブ構造を構成する部材をピストン1内に収納することが可能となって、ピストン1の図1中上端からピストンナット4の図1中下端までの長さを短くすることができ、ピストン部を小型化することができる。
さらに、図1中一番最下方に積層されるバルブ抑え部材11は、内周側が上記したピストンナット4のガイド部4cの外周に摺接し、後述のコイルスプリング15の図1中上端を支承する環状本体11aと、環状本体11aの図1中下端から下方に垂下され同じく内周側がガイド部4cの外周に摺接する筒部11bとを備えて構成されている。
また、上記環状本体11aとピストンナット4の鍔4bとの間には、附勢手段たるコイルスプリング15が介装され、このコイルスプリング15でバルブ抑え部材11を介して上記リーフバルブ10を弁座1c側に押し付けている。
なお、筒部11bを省略することも可能であるが、上記筒部11bは、コイルスプリング15をセンタリングする機能を発揮し、このセンタリング機能によってコイルスプリング15の附勢力をバルブ抑え部材11に偏りなく作用させることができるので、設けておくことが望ましい。
そして、上記構成によって、コイルスプリング15の附勢力を上記バルブ抑え部材11を介してリーフバルブ10の内周側に作用させて、コイルスプリング15でポート2を閉塞する方向にリーフバルブ10を附勢している。
したがって、リーフバルブ10およびバルブ抑え部材11は、ピストン1が図1中上方に移動して、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなると、上記附勢力に抗してコイルスプリング15を圧縮してリーフバルブ10の全体がピストン1から軸方向に後退、つまり、図1中下方にリフトするようになっている。
なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの先端までの軸方向長さよりも、間座7の軸方向の厚みを短く設定してあり、内周側に附勢力が作用しているリーフバルブ10に初期撓みを与えている。この初期撓みの撓み量の設定によって、リーフバルブ10が弁座1cから離れてポート2を開放する時の開弁圧を調節することができ、この初期撓みの撓み量は、間座7の厚みで変更可能であるとともに、緩衝器が適用される車両に最適となるように設定されている。つまり、間座7は、リーフバルブ10の初期撓みを調節する機能を備えており、軸方向の厚みで上記初期撓みを調節するので、間座7の数枚は図示した2枚に限らず設定に応じて任意の枚数としてもよい。なお、ピストン1の底部1aから弁座1cの下端までの軸方向長さによっては、間座7を省略することも可能である。
さらに、上記したところでは、附勢手段をコイルスプリング15としているが、リーフバルブ10に所定の附勢力を作用させればよいので、これを例えば、皿バネやリーフスプリングとしたり、ゴム等の弾性体としたりしてもよい。
つづき、ピストン1より図1中上方に配置される各部材について詳しく説明すると、上述のようにピストン1の上方には、間座101およびリーフバルブ100を介してピストン1に対向する壁体24が積層されており、壁体24は、上述の通り上室41とポート2とを仕切って、ポート2の上流に空間Aを形成している。
この壁体24は、詳しくは、環状の壁本体24aと、壁本体24aの上下を貫いて開口して上室41とポート2とを連通する通孔24bと、壁本体24aの通孔24bより外周側に設けた環状弁座24cと、環状弁座24cの外周側に形成したすり鉢状の環状傾斜面24dと、壁本体24aの外周から垂下されてピストン1の上室41側端部を小径とすることで形成される小径部1gの外周に嵌合する筒部24eとを備えて構成されている。
なお、本実施の形態においては、筒部24eは小径部1gに遊嵌されて当該筒部24eと小径部1gの外周との間には、嵌合隙間が形成されており、この嵌合隙間を通じても作動油はポート2の上流である空間Aと上室41とを行き来することが可能なように設定されるとともに、リーフバルブ100に設けた孔100aを介して空間Aがポート2へ連通されて、作動油は上室41から下室42へ移動することができるようになっている。
したがって、この実施の形態の場合、ポート2の上流に形成される空間Aは、上記したように、壁体24に形成される通孔24bおよび壁体24とピストン1との間の嵌合隙間を介して上室41に連通されているので、この場合、流路20は、通孔24bおよび上記嵌合隙間ということになる。
つづいて、この壁体24の図1中上方に積層されてピストンロッド5の先端5cに軸方向に不動に固定される封止部たる封止部材22について説明する。この封止部材22は、底部22aと底部22aの上端外周から立ち上がる筒部22bとを備えて有底筒状に形成されるとともに、底部22aの中央に設けられるピストンロッド5の先端5aの挿通を許容する挿通孔22cと、底部22aにおける中間部外周に設けられる外方へ突出する環状の鍔部22dと、底部外周の鍔部22dより図1中上方から開口して挿通孔22cへ連通される横孔22eとを備えて構成され、底部下端の外径は、壁体24に積層したときに、壁体24の通孔24bを閉塞しない径とされ、通孔24bによる上室41とポート2の上流である空間Aとの連通が確保されている。
そして、上記横孔22eは、ピストンロッド5の先端5aに封止部材22が固定された状態で、ピストンロッド5の図1中下端から先端5aの上端側部へ開口するパイロット通路5dに連通され、さらに、その途中には、オリフィス23aを備えたプラグ23が螺着されている。
さらに、この封止部材22の外周には、筒状のスプール17が配置されて設けられている。このスプール17は、ピストンロッド5の外周に摺接する環状板部17aと、環状板部17aの下端外周部から垂下されて封止部材22の筒部22bの外周に摺接する筒17bと、筒17bの下端内周に設けられて封止部材22の鍔部22dの外周に摺接する拡径部17cと、環状板部17aを図1中上下に貫く孔17dとを備えて構成されており、この筒17bと封止部材22の外周とで圧力室26が形成されている。
このように、スプール17は、隔壁体24より上室41側に配置され、ピストンロッド5に対して図1中上下方向となる軸方向に移動自在とされて壁体24に対し遠近可能とされ、ピストンロッド5の外周に装着されたストップリング18によって上方への移動限界が設定されている。なお、環状板部17aに設けた孔17dを介してスプール17の内外が連通されているので、スプール17は、ロックされること無く図1中上下方向へ移動することができるようになっている。
そして、筒17bと封止部材22の外周とで画成される圧力室26は、封止部材22の内外を連通する横孔22e、オリフィス23aおよびパイロット通路5dを介して他方室たる下室42に連通され、圧力室26内には下室42内の圧力が導かれるようになっている。
上述のように封止部材22は、ピストンロッド5に固定されピストン1に対して軸方向に不動とされているので、スプール17が軸方向に上下動すると、圧力室26の容積は増減することになる。
さらに、スプール17の環状板部17aの図1中下端外周と封止部材22の底部22aとの間には、バネたるコイルスプリング25が介装されており、このコイルスプリング25によってスプール17は、上室41側となる図1中上方側へ附勢されて、何ら他に力が作用しない状態ではストップリング18で規制する図中最上方に配置される。
ここで、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動する緩衝器の伸長行程時には、上記スプール17が上室41と圧力室26に作用する下室42の差圧に応じて図1中下方へ移動し、壁体24に接近することでスプール17の筒17bと壁体24との間の環状隙間を狭めて流路20の流路面積を減じるようになっており、この実施の形態における絞り弁16は、壁体24に設けた環状弁座24c、スプール17およびバネたるコイルスプリング25とで構成されている。
このスプール17の動作について詳しく説明すると、スプール17は、コイルスプリング25および圧力室26を介して作用する下室42内の圧力によって図1中上方へ附勢されるとともに、逆に、上室41内の圧力を受けて図1中下方へ附勢されている。そして、緩衝器の伸長行程時にスプール17に作用する上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回ってコイルスプリング25および圧力室26による附勢力に打ち勝つようになると、スプール17は、上室41と下室42の圧力差の増大に比例して流路20中へ変位して壁体24に近付きスプール17の筒17bと壁体24の環状傾斜面24dとの間の環状隙間を狭めて流路20の流路面積を減じて流路20を絞る。
なお、圧力室26はオリフィス23aを介して下室42に接続されているので、スプール17の動きは緩慢となり、流路20の流路面積がスプール17によって急激に減少せしめられてしまうことが無いようになっている。
つまり、この絞り弁16は、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回るとスプール17が図1中下方へ移動して流路20を絞り、最終的には、筒部17bの下端が壁体24に形成した環状弁座24cに当接して、通孔24bによる上室41と空間Aとの連通を阻止するようになっており、この状態では、上記した嵌合隙間のみを介してポート2と上室41とが連通される状態となって、流路20の流路面積を最小とするようになっている。
また、上記のスプール17が最上方にあってストップリング18に当接して流路20の流路面積を最大とする位置から環状弁座24cに当接して流路20の流路面積を最小とする位置まで変位するまで、壁体24とスプール17との間の環状隙間の面積がスプール17の変位量に応じて徐々に比例的に漸減するようになっている。すなわち、スプール17は、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回ってその圧力差が大きくなればなるほど壁体24の環状傾斜面24dへ接近して流路20を大きく絞るように機能する。
そして、このバルブ構造にあっては、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させるため、壁体24にスプール17が着座する環状弁座24cの外周側にすり鉢状の環状傾斜面24dを形成してあり、壁体24とスプール17との間の面積が最小となるのは、壁体24の環状傾斜面24dとスプール17の筒17bの下端外周との間で形成される環状隙間である。
つまり、本実施の形態におけるバルブ構造では、環状傾斜面24dとスプール17の筒17bの下端外周との間で形成される環状隙間の面積が最小となって、環状傾斜面24dとスプール17の筒17bの下端外周との間で形成される環状隙間の面積におけるスプール17の変位量に対する流路面積低下ゲイン(スプール17の変位量に対する流路面積低下の割合)は、環状傾斜面24dが無い場合において環状弁座24cと筒17の下端面との間で形成される環状隙間の面積における流路面積低下ゲインに比較して小さくなるので、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させることができるのである。
また、ピストン1がシリンダ40に対して図1中下方に移動する緩衝器の圧縮行程時には、作動油は、圧側のリーフバルブ100を撓ませて、ポート1dを介して下室42から上室41へ移動し、この作動油の流れにリーフバルブ100で抵抗を与えることによって緩衝器は圧縮行程時の減衰力を発生する。
つづいて、上記したように構成される一実施の形態における緩衝器のバルブ構造の作用について説明する。上述したように、ピストン1がシリンダ40に対して図1中上方側に移動すると、上室41内の圧力が高まり、上室41内の作動油はポート2を通過して下室42内に移動しようとする。
そして、緩衝器の伸縮速度となるピストン速度が低速領域にある場合、絞り弁16における圧力損失は小さいため、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が小さく、スプール17をコイルスプリング25の附勢力に抗して壁体24側へ移動させることができないので、流路20の流路面積は減少させられることがない。
また、流路20を通過した作動油はポート2を介して下室42へ移動するが、ピストン速度が低速領域にある場合、作動油は、ピストン速度が極低速のうちは、上述のリーフバルブ10の弁座1cに着座するリーフの外周に設けた切欠あるいは弁座1cに打刻によって形成されるオリフィスを通過し、その後の速度の上昇に伴って、リーフバルブ10の外周を撓ませるが、リーフバルブ10をコイルスプリング15の附勢力に抗してピストン1から後退させてリフトさせることができず、リーフバルブ10はコイルスプリング15によって附勢されてポート2を閉塞するように押し付けられて間座8の外周縁を支点として撓むのみとなる。したがって、このときの減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の関係)は、図2中実線で示すが如くとなり、この低速領域では、減衰係数は比較的大きいものとなる。
他方、ピストン1の速度が中速領域に達すると、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差が大きくなるが、スプール17をコイルスプリング25の附勢力に抗して壁体24側へ移動させることができないので、流路20は閉塞されることがない。すなわち、ピストン速度が中速領域にある場合、上室41内の圧力が下室42内の圧力より所定量上回ることがないように、その所定量が設定されており、ピストン速度が中速領域にある場合では、絞り弁16が流路20を閉塞することがないように設定されている。なお、スプール17が図1の状態から下方へ移動し始める差圧である所定量は、コイルスプリング25の初期荷重(スプール17が最上方に位置決められている状態でコイルスプリング25が発生している附勢力)とスプール17を図1中上方へ押し付ける下室42の圧力が作用する圧力室26における受圧面積の設定によって調節することができる。
また、ピストン1の速度が中速領域に達した状態では、一方室41内の圧力と他方室42内の圧力との差が大きくなり、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力が大きくなるので、該力がコイルスプリング15の附勢力に打ち勝って、リーフバルブ10の全体をピストン1から軸方向に後退させる、すなわち、図1中下方へ移動させてリーフバルブ10をリフトさせることになり、弁座1cとリーフバルブ10との間の隙間は、ピストン速度の上昇とともに大きくなる。
すなわち、ピストン速度が中速領域にあるときの減衰特性は、図2に示すように、リーフバルブ10の全体がピストン1の底部1aからリフトするので、ピストン速度の増加に対して比例はするものの低速領域より減衰係数は小さくなり、減衰特性の傾きが小さくなる。
さらに、ピストン速度が高速領域に達すると、作動油のリーフバルブ10を図1中下方へ押し下げる力はさらに大きくなって、リーフバルブ10のピストン1から図1中下方へ後退する後退量は大きくなり、リーフバルブ10と弁座1cとの間の隙間はピストン速度が中速領域にあるときよりも大きくなる。
これに対し、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差がピストン速度が中速領域にあるときよりも大きくなるので、スプール17はコイルスプリング25および圧力室26を介して作用する下室42内の圧力による附勢力に打ち勝ってピストン1側に移動する。そして、スプール17が図1にある状態から壁体24側への移動するときの変位量は、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差に比例し、当該変位量に比例して流路20の流路面積を減じる。
ピストン速度が高速領域に達してから、上室41内の圧力と下室42内の圧力との差がさらに増大していくと、スプール17は、流路面積を圧力差に比例して漸減させていき、最終的には、壁体24の環状弁座24cに当接して通孔24bによる上室41と下室42との連通を断って、上室41と下室42との連通を壁体24とピストン1との嵌合隙間のみとして流路20の流路面積を最小とする。
すなわち、ピストン速度が高速領域にある場合、上室41内の圧力が下室42内の圧力より所定量上回るように、その所定量が設定されており、ピストン速度が高速領域にある場合では、絞り弁16が流路20の流路面積を最小とするように設定されている。
したがって、ピストン1の速度が高速領域にある場合、上室41の圧力と下室42の圧力の圧力差の増大に伴って流路20の流路面積が比例的に漸減されるので、ピストン1の速度の増加に伴って圧力損失も徐々に増加することになる。
つまり、ピストン速度が高速領域にあるときの減衰特性は、図2に示すように、流路面積が制限されるので、中速領域にあるときよりも傾きが大きくなり、ピストン1の速度の増加に伴って減衰力も増加するようになる。
このように、本実施の形態の緩衝器のバルブ構造にあっては、ピストン速度が中速領域にある場合には、減衰力を低く抑えつつ、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができる。
また、緩衝器が最伸長するような振幅が大きく、かつ、ピストン速度が高速領域に達するような状況下にあっては、減衰係数を大きくして緩衝器の発生減衰力を大きくすることができるので、ピストン速度を速やかに低減することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができる。
そして、本実施の形態におけるバルブ構造では、絞り弁16が上室41の圧力と下室42との圧力の圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させるようになっており、スプール17の変位量に対する流路20の流路面積低下ゲインが小さくなるので、ピストン速度が高速領域にあるときのピストン速度の増加に対する減衰力の増加の割合を小さくすることができ、急激に減衰力が変化することがなく、車両搭乗者に急激な減衰力変化による違和感を抱かせたり、ショックを感じさせたりすることが無い。
また、圧力室26はオリフィス23aを介して下室42に連通されているので、スプール17が流路20の流路面積を減少させる動作には、ある程度の時間を要することになり、減衰力が急激に変化してしまうような事態を招来しないような配慮がなされており、車両搭乗者に急激な減衰力変化による違和感を抱かせたり、ショックを感じさせたりすることと確実に防止している。
さらに、本発明のバルブ構造では、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させることによってスプール17の変位量に対する流路20の流路面積低下ゲインが小さくなり、オリフィス23aによる減衰が有効に働き、バルブ構造を適用した緩衝器の減衰力変位特性(ピストン変位に対する減衰力変化の特性)は、図3中実線で示すが如くとなる。他方、環状傾斜面24dを設けない場合では、スプール17の変位量に対する流路20の流路面積低下ゲインが大きくなり、オリフィス23aによる減衰が充分に機能しないため、減衰力変化が急激となって減衰力変位特性は、図3中破線で示すが如くとなる。したがって、本発明のバルブ構造では、緩衝器のピストン変位に対する減衰力の変化も急激とならないので、緩衝器が減衰力変化に伴って異音を発生してしまうことも無く、車両搭乗者に不快感を与えることが無く、この点においても車両における乗心地を向上させることができる。
なお、上述したところでは、壁体24をピストン1の小径部1gの外周に嵌合させてシリンダ40の内周に摺接させてポート2と一方室たる上室41とを仕切ってピストン1と壁体24との間に空間Aを設けるようにしているが、緩衝器の摺動摩擦が増えることにはなるけれども、壁体24をシリンダ40の内壁に摺接させてポート2と一方室たる上室41とを仕切るようにしてもよい。
さらに、図4に示す一実施の形態の一変形例におけるバルブ構造のように、壁体27の環状弁座27cの内周側に環状傾斜面27dを設けるようにしてもよい。具体的には、この一変形例における壁体27は、壁本体27aと、壁本体27aの上下を貫いて開口して上室41とポート2とを連通する通孔27bと、壁本体27aの通孔27bより外周側に設けた環状弁座27cと、環状弁座27cの内周側であって通孔27bより外周側に形成した円錐台の側面状の環状傾斜面27dと、壁本体27aの外周から垂下されてピストン1の小径部1gの外周に嵌合する筒部27eとを備えて構成されている。なお、その他の構成は一実施の形態のバルブ構造と同様であり、同じ部材については同様の符号を付して説明を省略する。
このような壁体27を用いても、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させてスプール17の変位量に対する流路20の流路面積低下ゲインを小さくできることになり、このようにしても上記した一実施の形態におけるバルブ構造と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、ピストン速度が中速領域にある場合には、減衰力を低く抑えつつ、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができるとともに、車両搭乗者に急激な減衰力変化による違和感を抱かせたり、ショックを感じさせたりすることが無く、さらには、緩衝器が減衰力変化に伴って異音を発生してしまうことも無い。
また、図5に示す一実施の形態における他の変形例のバルブ構造のように、壁体28の環状傾斜面28cをそのまま弁座として用いて、この環状傾斜面28cにスプール17の筒17bの下端を当接するようにしてもよい。具体的には、この他の変形例における壁体28は、壁本体28aと、壁本体28aの上下を貫いて開口して上室41とポート2とを連通する通孔28bと、壁本体28aの通孔28bより外周側に設けたすり鉢状の環状傾斜面28cで形成した弁座と、壁本体28aの外周から垂下されてピストン1の小径部1gの外周に嵌合する筒部28dとを備えて構成されている。
このような壁体28を用いても、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させてスプール17の変位量に対する流路20の流路面積低下ゲインを小さくできることになり、このようにしても上記した一実施の形態におけるバルブ構造と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、ピストン速度が中速領域にある場合には、減衰力を低く抑えつつ、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができるとともに、車両搭乗者に急激な減衰力変化による違和感を抱かせたり、ショックを感じさせたりすることが無く、さらには、緩衝器が減衰力変化に伴って異音を発生してしまうことも無い。
なお、この例では内周側に傾斜する環状傾斜面28cを弁座としているが、環状傾斜面を円錐台の側面状としてその傾斜方向を外周側とするようにしてもよい。
また、図6に示すように、スプール30の端部外周側にテーパ部30aを設け、壁体29側に段部29aを設けて、当該段部29aの内周縁を弁座としてテーパ部30aが離着座するように設定することもでき、この場合にも、上記した一実施の形態におけるバルブ構造と同様の作用効果を奏することができる。
また、各実施の形態において、壁体24,27,29は、ピストン1の小径部1gの外周に嵌合して、嵌合隙間で流路20の一部を形成しているが、スプール17,30が完全に壁体24,27,29との間の流路を閉塞しないようにスプール17,30の壁体24,27,29への当接部位に切欠等を設けて上室41と下室42の連通が確保されるようにしておくのであれば、上記嵌合隙間で流路20の一部を形成する必要は無く、壁体24,27,29をピストン1の小径部1gに隙間無く嵌合させるようにしてもよい。
つぎに、他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造について説明する。この他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図7に示すように、間座101から図7中上方の構成が上述した一実施の形態におけるバルブ構造と異なる。
なお、説明が重複するので、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造と同様の部材については、同様の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略することとする。
他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造では、上記ピストンロッド5の先端5aには、図7中上から順に、筒状のスプール31と、ピストンロッド5に固定され外周側に装着されるスプール31を摺動自在に保持する封止部たる筒状の封止部材32とが、間座101の上室41側の端面に積層されて、これらの部材は、一実施の形態と同様に、ピストンナット4をピストンロッド5の先端に設けた螺子部5cに螺着することによってピストンロッド5の段部5bとピストンナット4の上端とで挟持されてピストンロッド5に固定される。
この他の実施の形態では、スプール31は筒状に形成され、また、その上端には内周側に突出してピストンロッド5の外周に摺接する環状板部31aが設けられ、この環状板部31aと封止部材32との間にバネたるコイルスプリング33が介装されている。
また、このスプール31の内周径は、図7中下方側が大径とされて、大径部31bが形成されている。そして、このスプール31の内周に、ピストンロッド5に固定される封止部材32が収容されており、スプール31は、この封止部材32の外周に摺動自在とされて図7中上下方向に移動することが可能なようになっている。また、封止部材32は有底筒状に形成されており、孔空きの底部32aがピストンロッド5の先端5aに固定され、さらに、底部32aの図7中外周下端には外方へ突出する鍔部32bが設けられており、この鍔部32bの外周をスプール31の大径部31bの内周面に、封止部材32の鍔部32b以外の外周部位をスプール31の小径な内周に摺接させている。
したがって、スプール31の内周の小径部位と大径部31bとで形成される段差と封止部材32の外周の鍔部32bで形成される段差とで、図7に示すように、圧力室34が形成され、この圧力室34は、封止部材32の肉厚を貫いてその外周から開口して底部32aの内周まで連通される横孔32cと、この横孔32cに対向するピストンロッド5に設けたパイロット通路5dを介して他方室たる下室42に連通されている。なお、上記した横孔32cの途中にはオリフィス35aを備えたプラグ35が螺着され、一実施の形態のバルブ構造と同様に、圧力室34は、オリフィス35aを介して下室42に連通されている。
すなわち、スプール31は、ピストン1より上室41側に配置され、ピストンロッド5に対して図7中上下方向となる軸方向に移動自在とされてバルブディスクたるピストン1に対し遠近可能とされ、ピストンロッド5の外周に装着されたストップリング36によって上方への移動限界が設定されている。また、この実施の形態の場合、スプール31の下端に図7中上下方向となる軸方向に伸びるスリット31cが設けられるとともに、当該スプール31の下端の大径部31bの内周をピストン1に設けた小径部1gの外周に摺接させて、上記スリット31cと小径部1gの外周とをラップさせて、絞り弁37を構成してある。
すなわち、この絞り弁37にあっては、スプール31の図7中上下方向の変位によってスリット31cと小径部1gの外周とのラップ量が変化し、これによって小径部1gの外周がスリット31cを覆う面積を変化させて、流路面積を変化させるようになっている。なお、スプール31の環状板部31aには、ピストンロッド5によって閉塞されるスプール31内と上室41とを連通する孔31dが設けられており、スプール31内が閉塞されてスプール31の図7中上下方向の移動を妨げることがないようになっている。
したがって、この実施の形態の場合、ポート2と上室41とを連通する流路38は、スリット31cで形成されている。なお、スリット31cの数は、任意に設定することができる。
また、この実施の形態の場合、スプール31が図7中下方へ移動し、スプール31の下端が段部1hに当接しても、小径部1gの外周がスリット31cの全てをラップしてしまうことが無いように、スリット31cの軸方向長さは小径部1gの軸方向長さより長くなるように設定されており、絞り弁37は流路38を完全に閉塞することが無いようになっている。
上述したところから理解できるように、スプール31は、上室41の圧力によって図7中下方へ附勢される一方、圧力室34に作用する下室42の圧力およびコイルスプリング33によって図7中上方へ附勢され、すなわち、スプール31には、構造上、圧力室34の断面積を受圧面積として上室41と下室42の圧力が作用することになり、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回るとスプール31がピストン1側へ移動することになる。そして、スプール31の図7に示した位置からの変位量は、上室41と下室42の圧力差に比例し、流路38の流路面積がスプール31の変位量に応じて減少するようになっている。すなわち、この絞り弁37は、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回ってその圧力差が大きくなればなるほどスプール31がピストン1側へ変位し、スリット31cと小径部1gの外周とのラップ量を大きくして流路38を大きく絞るように機能する。
そして、このバルブ構造にあっては、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させるため、スリット31cと小径部1gの外周とをラップさせることで絞り弁37を構成するようにし、流路面積がスリット31cの開放されている部分の面積とされているので、スプール31の変位量に対する流路面積低下ゲインは、スプール31がピストン1へ接近することで形成される環状隙間の流路面積を減少させるときの流路面積低下ゲインに比較して小さくなり、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させることができるのである。
このように、他の実施の形態におけるバルブ構造おいても、ピストン1がシリンダ40に対して図7中上方へ移動する際のピストン速度が低中速領域にある場合には、上室41との圧力と下室42内の圧力との差は大きくないので、スプール31は、流路38の流路面積を減じることが無く、ピストン速度が高速領域に達すると、上室41との圧力が下室42内の圧力を所定量上回ってスプール31がピストン1側へ移動して流路38の流路面積を減じるようになる。なお、この実施の形態においても、圧力室34は下室42にオリフィス35aを介して連通されているので、スプール31の動きは緩慢となり、急激に流路38の流路面積を変化させてしまうことが無いようになっている。そして、ピストン速度が高速領域となると、上室41の圧力と下室42の圧力との差に比例してスプール31が変位して、流路38の流路面積を上室41の圧力と下室42の圧力との差に比例して漸減させるので、この他の実施の形態におけるバルブ構造における減衰特性も図2に示すが如くとなる。
したがって、他の実施の形態におけるバルブ構造おいても、一実施の形態のバルブ構造と同様に、絞り弁37が上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させてようになっていることから、スプール31の変位量に対する流路38の流路面積低下ゲインを小さくできることになり、このようにしても上記した一実施の形態におけるバルブ構造と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、ピストン速度が中速領域にある場合には、減衰力を低く抑えつつ、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができるとともに、車両搭乗者に急激な減衰力変化による違和感を抱かせたり、ショックを感じさせたりすることが無く、さらには、緩衝器が減衰力変化に伴って異音を発生してしまうことも無い。
さらに、別の実施の形態における緩衝器のバルブ構造について説明する。この別の実施の形態における緩衝器のバルブ構造は、図8に示すように、間座101から図8中上方の構成が上述した一実施の形態におけるバルブ構造と異なる。
なお、説明が重複するので、一実施の形態における緩衝器のバルブ構造と同様の部材については、同様の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略することとする。
別の実施の形態における緩衝器のバルブ構造では、上記ピストンロッド5の先端5aには、図8中上から順に、筒状のスプール51と、ピストンロッド5に固定され外周側に装着されるスプール50を摺動自在に保持する封止部たる筒状の封止部材52とが、間座101の上室41側の端面に積層されて、これらの部材は、一実施の形態と同様に、ピストンナット4をピストンロッド5の先端に設けた螺子部5cに螺着することによってピストンロッド5の段部5bとピストンナット4の上端とで挟持されてピストンロッド5に固定される。
この別の実施の形態では、スプール51は筒状に形成され、また、その上端には内周側に突出する環状板部51aが設けられ、この環状板部51aと封止部材52との間にバネたるコイルスプリング53が介装されている。
また、このスプール51の内周径は、図8中下方側が大径とされて、大径部51bが形成されている。そして、このスプール51の内周に、ピストンロッド5に固定される封止部材52が収容されており、スプール51は、この封止部材52の外周に摺動自在とされて図8中上下方向に移動することが可能なようになっている。
また、封止部材52は有底筒状に形成されており、孔空きの底部52aがピストンロッド5の先端5aに固定され、さらに、図8中外周下端には外方へ突出する鍔部52bが設けられており、この鍔部52bの外周をスプール51の大径部51bの内周面に、封止部材52の鍔部52b以外の外周部位をスプール51の小径な内周に摺接させている。
さらに、上記鍔部52bの下端には、外周側に突出するフランジ52cが設けられており、このフランジ52cは、ピストン1の外周から立ち上がる筒状の堰60の上端に当接させてあり、この封止部材52でポート2と上室41とを仕切ってポート2の上流に空間Bを形成している。そして、この空間Bは、封止部材52の鍔部52bの外周側から下端にかけて設けた透孔52dと、フランジ52cと堰60との間の極小さい隙間よって連通されている。
また、スプール51の内周の小径部位と大径部51bとで形成される段差と封止部材52の外周の鍔部52bで形成される段差とで、図8に示すように、圧力室54が形成され、この圧力室54は、封止部材52の肉厚を貫いてその外周から開口して底部52aの内周まで連通される横孔52eと、この横孔52eに対向するピストンロッド5に設けたパイロット通路5dを介して他方室たる下室42に連通されている。なお、上記した横孔52eの途中にはオリフィス55aを備えたプラグ55が螺着され、一実施の形態のバルブ構造と同様に、圧力室54は、オリフィス55aを介して下室42に連通されている。
そして、スプール51は、ピストン1より上室41側に配置され、ピストンロッド5に対して図8中上下方向となる軸方向に移動自在とされてバルブディスクたるピストン1に対し遠近可能とされ、ピストンロッド5の外周に装着されたストップリング56によって上方への移動限界が設定されている。
また、この実施の形態の場合、スプール51の下端の大径部51bの内周を封止部材52の鍔部52bの外周に摺接させて、封止部材52の鍔部52bから開口する透孔52dとスプール51の下端の大径部51bとをラップさせて、絞り弁57を構成してある。
すなわち、この絞り弁57にあっては、スプール51の図8中上下方向の変位によって透孔52dとスプール51の下端内周とのラップ量が変化し、これによってスプール51の下端内周が透孔52dを覆う面積を変化させて、流路面積を変化させるようになっている。なお、スプール51の環状板部51aには、ピストンロッド5によって閉塞されるスプール51内と上室41とを連通する孔51cが設けられており、スプール51内が閉塞されてスプール51の図8中上下方向の移動を妨げることがないようになっている。
したがって、この実施の形態の場合、ポート2と上室41とを連通する流路58は、透孔52dと、フランジ52cと堰60との間の極小さい隙間とで形成されている。なお、透孔52dの数は、任意に設定することができる。また、この実施の形態の場合、上述したところから理解できるように、バルブディスクたるピストン1より上室41側に配置されポート2と上室とを仕切る仕切部を、ピストン1に対して軸方向に不動の封止部たる封止部材52が兼ねており、このように、仕切部と封止部とは一体とされてもよく、このことは、上述した一実施の形態におけるバルブ構造にあっても同様である。
上述したところから理解できるように、スプール51は、上室41の圧力によって図8中下方へ附勢される一方、圧力室54に作用する下室42の圧力およびコイルスプリング53によって図8中上方へ附勢され、すなわち、スプール51には、構造上、圧力室54の断面積を受圧面積として上室41と下室42の圧力が作用することになり、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回るとスプール51がピストン1側へ移動することになる。そして、スプール51の図8に示した位置からの変位量は、上室41と下室42の圧力差に比例し、流路58の流路面積がスプール51の変位量に応じて減少するようになっている。すなわち、この絞り弁57は、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回ってその圧力差が大きくなればなるほどスプール51がピストン1側へ変位し、透孔52dとスプール51の下端内周とのラップ量を大きくして流路58を大きく絞るように機能する。
そして、このバルブ構造にあっては、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させるため、透孔52dとスプール51の下端内周とをラップさせて絞り弁57を構成するようにし、流路面積が透孔52dの開放されている部分の面積とされているので、スプール51の変位量に対する流路面積低下ゲインは、スプール51が封止部材52を具備しないピストン1へ接近することで形成される環状隙間の流路面積を減少させるときの流路面積低下ゲインに比較して小さくなり、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させることができるのである。
このように、別の実施の形態におけるバルブ構造おいても、ピストン1がシリンダ40に対して図8中上方へ移動する際のピストン速度が低中速領域にある場合には、上室41との圧力と下室42内の圧力との差は大きくないので、スプール51は、流路58の流路面積を減じることが無く、ピストン速度が高速領域に達すると、上室41との圧力が下室42内の圧力を所定量上回ってスプール51がピストン1側へ移動して流路58の流路面積を減じるようになる。なお、この実施の形態においても、圧力室54は下室42にオリフィス55aを介して連通されているので、スプール51の動きは緩慢となり、急激に流路58の流路面積を変化させてしまうことが無いようになっている。そして、ピストン速度が高速領域となると、上室41の圧力と下室42の圧力との差に比例してスプール51が変位して、流路58の流路面積を上室41の圧力と下室42の圧力との差に比例して漸減させるので、この別の実施の形態におけるバルブ構造における減衰特性も図2に示すが如くとなる。
したがって、別の実施の形態におけるバルブ構造おいても、一実施の形態のバルブ構造と同様に、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させてスプール51の変位量に対する流路58の流路面積低下ゲインを小さくできることになり、このようにしても上記した一実施の形態におけるバルブ構造と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、ピストン速度が中速領域にある場合には、減衰力を低く抑えつつ、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができるとともに、車両搭乗者に急激な減衰力変化による違和感を抱かせたり、ショックを感じさせたりすることが無く、さらには、緩衝器が減衰力変化に伴って異音を発生してしまうことも無い。
最後に、別の実施の形態の一変形例における緩衝器のバルブ構造について説明する。なお、説明が重複するので、別の実施の形態における緩衝器のバルブ構造と同様の部材については、同様の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略することとする。
そして、別の実施の形態では封止部材52に設けた透孔52dのみによって上室41とポート2とを連通していたところ、この別の実施の形態の一変形例における緩衝器のバルブ構造は、図9に示すように、封止部材52が、その外周に環状溝61と、この環状溝61と空間Bとを連通する孔62とを備えており、この環状溝61と孔62とで一方室たる上室41とポート2とを連通してある。
さらに、封止部材52の外周に摺接する筒状のスプール51には、図9中下端となる端部側の内周面を上記下端側へ向かうほど拡径するよう傾斜するとともに環状溝61に対向するテーパ面63を設けて、上記環状溝61に上記スプール51をラップさせることで流路面積を減少させる絞り弁64を構成している点が別の実施の形態における緩衝器のバルブ構造と異なる。
なお、この別の実施の形態の一変形例における緩衝器のバルブ構造における上記以外の構成は、別の実施の形態における緩衝器のバルブ構造と同様である。
すなわち、この絞り弁64にあっては、スプール51の図9中上下方向の変位によって環状溝61とスプール51の下端内周に設けたテーパ面63とのラップ量が変化し、これによってスプール51のテーパ面63が環状溝61を塞ぐ面積を変化させて、流路面積を変化させるようになっている。
したがって、この実施の形態の場合、ポート2と上室41とを連通する流路65は、環状溝61と孔62と、フランジ52cと堰60との間の極小さい隙間とで形成されている。
また、この一変形例の場合も、別の実施の形態と同様に、バルブディスクたるピストン1より上室41側に配置されポート2と上室とを仕切る仕切部を、ピストン1に対して軸方向に不動の封止部たる封止部材52が兼ねており、このように、仕切部と封止部とは一体とされてもよく、このことは、上述した各実施の形態におけるバルブ構造にあっても同様である。
そして、この別の実施の形態の一変形例にあっても、スプール51は、上室41の圧力によって図9中下方へ附勢される一方、圧力室54に作用する下室42の圧力およびコイルスプリング53によって図9中上方へ附勢され、すなわち、スプール51には、構造上、圧力室54の断面積を受圧面積として上室41と下室42の圧力が作用することになり、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回るとスプール51がピストン1側へ移動することになる。
そして、スプール51の図9に示した位置からの変位量は、上室41と下室42の圧力差に比例し、流路65の流路面積がスプール51の変位量に応じて減少するようになっている。すなわち、この絞り弁64は、上室41の圧力が下室42の圧力を所定量上回ってその圧力差が大きくなればなるほどスプール51がピストン1側へ変位し、環状溝61とスプール51のテーパ面63とのラップ量を大きくして流路65を大きく絞るように機能する。
そして、このバルブ構造にあっては、スプール51の図9中下端となる端部の内周に当該端部側へ向かうほど環状溝61から遠ざかるように傾斜するテーパ面63を設けて、このテーパ面63で環状溝61を塞ぐようにして絞り弁64を構成し流路面積が環状溝61とテーパ面63との間で形成される環状隙間の面積とされているので、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させることができ、スプール51の変位量に対する流路面積低下ゲインは、スプール51が封止部材52を具備しないピストン1へ接近することで形成される環状隙間の流路面積を減少させるときの流路面積低下ゲインに比較して小さくなり、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させることができるのである。
このように、別の実施の形態におけるバルブ構造おいても、ピストン1がシリンダ40に対して図9中上方へ移動する際のピストン速度が低中速領域にある場合には、上室41との圧力と下室42内の圧力との差は大きくないので、スプール51は、流路65の流路面積を減じることが無く、ピストン速度が高速領域に達すると、上室41との圧力が下室42内の圧力を所定量上回ってスプール51がピストン1側へ移動して流路65の流路面積を減じるようになる。なお、この実施の形態においても、圧力室54は下室42にオリフィス55aを介して連通されているので、スプール51の動きは緩慢となり、急激に流路65の流路面積を変化させてしまうことが無いようになっている。そして、ピストン速度が高速領域となると、上室41の圧力と下室42の圧力との差に比例してスプール31が変位して、流路65の流路面積を上室41の圧力と下室42の圧力との差に比例して漸減させるので、この別の実施の形態におけるバルブ構造における減衰特性も図2に示すが如くとなる。
したがって、別の実施の形態におけるバルブ構造おいても、上記した各実施の形態のバルブ構造と同様に、上室41の圧力と下室42の圧力との圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させてスプール51の変位量に対する流路65の流路面積低下ゲインを小さくできることになり、このようにしても上記した一実施の形態におけるバルブ構造と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、ピストン速度が中速領域にある場合には、減衰力を低く抑えつつ、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、ピストン速度が高速領域に達する場合にあっても減衰力が不足することがなく、振動抑制が充分に行われ、車両における乗り心地を向上することができ、最伸長時の衝撃を緩和することができるとともに、車両搭乗者に急激な減衰力変化による違和感を抱かせたり、ショックを感じさせたりすることが無く、さらには、緩衝器が減衰力変化に伴って異音を発生してしまうことも無い。
以上で緩衝器のバルブ構造の各実施の形態についての説明を終えるが、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部の圧側減衰バルブに具現化することも、また、ベースバルブ部に具現化することも可能であり、およそ減衰力を発生する減衰力発生要素として機能する緩衝器のバルブに適用することが可能なことは勿論である。
また、本発明のバルブ構造は、リーフバルブ10が附勢手段たるコイルスプリング15によって附勢されると共にバルブディスクたるピストン1に遠近可能に積層されており、ピストン速度が中速領域において、リーフバルブ10をピストン1からリフトさせて減衰力を低く抑えて車両における乗心地を向上する事が可能なバルブに適用されているが、附勢手段によって附勢されるか否かに限らずリーフバルブ10の内周がピストンロッド5の先端5aに固定されて外周側が撓んで弁座1cから離座してポート2を開放するバルブに適用されてもよく、ピストン速度が高速領域に達すると、ピストン速度が中速領域にある場合よりも減衰力を大きくすることができ、本発明の効果は失われない。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。 一実施の形態の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰力変位特性を示す図である。 一実施の形態の一変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における拡大縦断面図である。 一実施の形態の他の変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における拡大縦断面図である。 一実施の形態の別の変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における拡大縦断面図である。 他の実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における拡大縦断面図である。 別の実施の形態における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における拡大縦断面図である。 別の実施の形態の一変形例における緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部における拡大縦断面図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。 従来の緩衝器のバルブ構造が具現化した緩衝器における減衰特性を示す図である。
符号の説明
1 バルブディスクたるピストン
1a 底部
1b 挿通孔
1c 弁座
1d,2 ポート
1e 拡径部
1f 筒部
1g 小径部
1h 段部
3 窓
4 ピストンナット
4a ピストンナットの筒部
4b ピストンナットの鍔
4c ピストンナットのガイド部
5 ピストンロッド
5a ピストンロッドの先端
5b ピストンロッドの段部
5c ピストンロッドの螺子部
5d パイロット通路
7,8,101 間座
10 リーフバルブ
11 バルブ抑え部材
11a バルブ抑え部材の環状本体
11b バルブ抑え部材の筒部
15 附勢手段たるコイルスプリング
16,37,57,64 絞り弁
17,30,31,51 スプール
17a,31a,51a スプールの環状板部
17b スプールの筒
17c スプールの拡径部
17d,31d,51c スプールの孔
18,36,56 ストップリング
20,38,58,65 流路
22,32,52 封止部たる封止部材
22a,32a,52a 封止部材の底部
22b 封止部材の筒部
22c 封止部材の挿通孔
22d,32b,52b 封止部材の鍔部
22e,32c,52e 封止部材の横孔
23,35,55 プラグ
23a,35a,55a オリフィス
24,27,28,29 仕切部たる壁体
24a,27a,28a 壁本体
24b,27b,28b 通孔
24c,27c 環状弁座
24d,27d,28c 環状傾斜面
24e,27e,28d,30b 筒部
26,34,54 圧力室
25,33,53 バネたるコイルスプリング
29a 壁体の段部
30a スプールのテーパ部
31b,51b,51b スプールの大径部
31c スリット
40 シリンダ
41 上室
42 下室
52c 封止部材のフランジ
52d 封止部材の透孔
60 堰
61 環状溝
62,100a 孔
63 テーパ面
100 圧側のリーフバルブ
A,B 空間

Claims (10)

  1. 緩衝器内に一方室と他方室とを隔成し上記一方室と他方室とを連通するポートを備えたバルブディスクと、当該バルブディスクの他方室側の端面に積層されて上記ポートの下流を閉塞する環状のリーフバルブとを備えた緩衝器のバルブ構造において、上記一方室と上記ポートの上流とを連通する流路と、緩衝器の伸縮速度が高くなり上記一方室の圧力が上記他方室の圧力を所定量上回るとその圧力差の増大に比例して流路面積を漸減させるスプールを有する絞り弁とを設けたことを特徴とする緩衝器のバルブ構造。
  2. 上記絞り弁は、環状弁座と、当該環状弁座に対し遠近可能に設けられ当該環状弁座に接近することで上記流路の流路面積を減じる筒状の上記スプールと、当該スプールを上記環状弁座から遠ざかる方向へ附勢するバネとを備えてなり、上記環状弁座を環状傾斜面としたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  3. 上記バルブディスクより一方室側に配置され上記ポートと上記一方室とを仕切る仕切部を設け、当該仕切部は、上記一方室と上記ポートとを連通する通孔と当該通孔の外周側に設けた上記環状弁座とを備えてなる請求項2に記載の緩衝器のバルブ構造。
  4. 上記絞り弁は、環状弁座と、当該環状弁座に対し遠近可能に設けられ当該環状弁座へ接近することで上記流路の流路面積を減じる筒状の上記スプールと、当該スプールを上記環状弁座から遠ざかる方向へ附勢するバネとを備えてなり、上記環状弁座の内周側あるいは外周側であってスプール側に環状傾斜面を設けたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  5. 上記バルブディスクより一方室側に配置され上記ポートと上記一方室とを仕切る仕切部を設け、当該仕切部は、上記一方室と上記ポートとを連通する通孔と当該通孔の外周側に設けた上記環状弁座と環状傾斜面とを備えてなる請求項4に記載の緩衝器のバルブ構造。
  6. 上記バルブディスクの一方室側の端部外周を小径として小径部を形成し、上記バルブディスクより一方室側に配置され当該バルブディスクに対し遠近可能とされるとともに端部にスリットを備えて上記小径部の外周に摺接する筒状の上記スプールと、当該スプールを上記バルブディスクから遠ざかる方向へ附勢するバネとを設け、上記スリットと上記小径部の外周とをラップさせることで流路面積を減少させる絞り弁を構成したことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  7. 上記バルブディスクより一方室側に配置され上記ポートと上記一方室とを仕切る仕切部を設け、当該仕切部が外周から開口して上記一方室と上記ポートとを連通する透孔とを備えてなり、上記仕切部より一方室側に配置され当該仕切部に対し遠近し且つ当該仕切部の外周に摺接する筒状の上記スプールと当該スプールを上記仕切部から遠ざかる方向へ附勢するバネを設け、上記透孔に上記スプールをラップさせることで流路面積を減少させる絞り弁を構成したことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  8. 上記バルブディスクより一方室側に配置され上記ポートと上記一方室とを仕切る仕切部を設け、当該仕切部は、外周に形成の環状溝と、当該環状溝から開口して上記一方室と上記ポートとを連通する孔と、を備えてなり、上記仕切部の外周に摺接し且つ内周に当該仕切部の上記環状溝に対向するとともに端部側へ向かうほど当該環状溝から遠ざかるように傾斜するテーパ面を備えた筒状の上記スプールと当該スプールを上記仕切部から遠ざかる方向へ附勢するバネを設け、上記環状溝に上記スプールをラップさせることで流路面積を減少させる絞り弁を構成したことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器のバルブ構造。
  9. 上記バルブディスクに対して軸方向に不動の封止部を設け、当該封止部の外周に摺動自在に上記スプールを装着して当該封止部と上記スプールとの間に上記他方室へ連通される圧力室を画成し、当該圧力室を介して上記スプールに上記他方室の圧力を作用させる請求項2から8のいずれかに記載の緩衝器のバルブ構造。
  10. 上記リーフバルブは上記バルブディスクに遠近可能に積層されると共に、上記ポートを閉塞する方向に上記リーフバルブを附勢する附勢手段を設けたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の緩衝器のバルブ構造。
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