JP5283981B2 - テラヘルツ波発生・検出用光伝導素子 - Google Patents

テラヘルツ波発生・検出用光伝導素子 Download PDF

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Description

本発明は、テラヘルツ波の発生と検出の少なくとも一方に用いることができるテラヘルツ波発生・検出用光伝導素子、及びこの光伝導素子を用いた分析装置、イメージング装置、通信装置などに関する。特に、光伝導素子を構成する電極構造によって、テラヘルツ波の伝搬状態を調整する技術に関するものである。尚、本明細書において、テラヘルツ波とは、0.03THz以上30THz以下の周波数帯域のうち、任意の周波数帯域を占有する電磁波を指す用語として用いる。
テラヘルツ波帯域には、生体分子を始めとして、様々な物質の構造や状態に由来する特徴的な吸収帯域が存在する。このような特徴を活かすために、非破壊に物質の分析や同定を行う検査技術が開発されている。また、X線に替わる安全なイメージング技術や、高速な通信技術への応用が期待されている。
テラヘルツ波を発生し、検出する素子として、光伝導素子がある。光伝導素子は、キャリアを発生する半導体層を有する。また、光伝導素子は、前記半導体層に電圧を印加するため、該半導体層にパターニングされた複数の電極を有する。ここで、前記電極どうしは間隙を有している。空間との結合効率を向上させるため、電極の一部にアンテナ構造を有する場合もある。ここで、アンテナどうしも間隙を有しており、この間隙に光を照射することにより、前記半導体層からキャリアが発生する。そして、電極間に電圧を印加することにより前記キャリアが加速し、光伝導素子からテラヘルツ波が発生する。
光伝導素子におけるテラヘルツ波の伝搬特性は、一般的に、アンテナ構造に加え、キャリアの伝搬状態に依存する。ここで、キャリアの伝搬状態とは、キャリアの挙動や使用する部材の影響(例えば、半導体基板特有のフォノン吸収)などである。例えば、電波を送受信するためのアンテナの場合には、ダイポールアンテナよりもボウタイアンテナの方が広帯域な特性を有する。しかし、光伝導素子の場合、キャリアの伝搬状態にも依存するため、ダイポールアンテナを用いる方が、ボウタイアンテナよりも、広帯域な周波数特性を有するテラヘルツ波を取得できる。上述の内容が、非特許文献1に開示されている。また、光伝導素子にボウタイアンテナを適用して、前記キャリアから発生される或は前記キャリアが検出するテラヘルツ波の伝搬状態を制御する手法が、特許文献1に開示されている。
特開2006-010319号公報 Appl.Optics36,7853(1997)
特許文献1に開示されている技術のように、光伝導素子が有するアンテナの構造自体を変えることにより、前記キャリアから発生される或は前記キャリアが検出するテラヘルツ波の伝搬状態を調整することは広く行われている。しかし、このような調整方法は、有効な手法の一つではあるが、構造作製工程が別途必要になる。
本発明の目的は、前記テラヘルツ波の伝搬状態、特に周波数特性を調整することのできる光伝導素子の提供である。
上記課題に鑑み、本発明に係るテラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子は次の特徴を有する。
第1の本発明に係るテラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子は、
光照射によってキャリアを発生させるためのキャリア発生層と、
前記キャリア発生層の一方の面に設けられた導体からなり、互いに並行して配置されているストリップ線路を含み構成される2つの電極部と、
それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリア発生層に光を照射するための間隙を介して対向して配置されている2つのアンテナ部と、
それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリアによって発生或は検出されるテラヘルツ波の伝搬状態を調整するための2つの調整スタブと、を有し、
前記2つの調整スタブは、前記キャリアによって発生或は検出されるテラヘルツ波の動作波長λ以下の長さを有し、且つ前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から前記波長λ以下の範囲には位置していることを特徴とする。即ち、各調整スタブの少なくとも一部は、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から前記波長λ以下の範囲にある。
第2の本発明に係るテラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子は、
光照射によってキャリアを発生させるためのキャリア発生層と、
前記キャリア発生層の一方の面に設けられた導体からなり、互いに並行して配置されているストリップ線路を含み構成される2つの電極部と、
それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリア発生層に光を照射するための間隙を介して対向して配置されている2つのアンテナ部と、
それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリアによって発生或は検出されるテラヘルツ波の伝搬状態を調整するための2つの調整スタブと、を有し、
前記2つの調整スタブは、前記キャリアによって発生或は検出されるテラヘルツ波の動作波長λ以下の長さを有する導体であり、且つ前記ストリップ線路の長手方向の延長線上に接続され、
前記調整スタブの端部は、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から前記波長λ以内の範囲にあることを特徴とする。
第3の本発明に係るテラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子は、
光照射によってキャリアを発生させるためのキャリア発生層と、
前記キャリア発生層の一方の面に設けられた導体からなり、互いに並行して配置されているストリップ線路を含み構成される2つの電極部と、
それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリア発生層に光を照射するための間隙を介して対向して配置されている2つのアンテナ部と、
それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリアによって発生或は検出されるテラヘルツ波の伝搬状態を調整するための2つの調整スタブと、を有し、
前記2つの調整スタブは、前記キャリアによって発生或は検出されるテラヘルツ波の動作波長λ以下の長さを有し、且つ前記ストリップ線路の外縁に沿って、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から波長λ以内の範囲で前記電極部に接続することを特徴とする。即ち、各調整スタブの少なくとも一部は、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から波長λ以内の範囲で前記電極部に接続する。
第4の本発明に係るテラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子は、
光を照射することによりキャリアを発生させるキャリア発生層と、
前記キャリア発生層の面上に設けられた第1の電極と、
前記キャリア発生層の面上に設けられ、且つ、前記第1の電極に並行して並んでいる第2の電極と、を有し、
前記第1の電極と前記第2の電極とは、それぞれアンテナ部を含み構成され、前記光を照射する照射位置は、前記第1の電極と前記第2の電極とが有するアンテナ部の間にあり、
前記第1の電極と前記第2の電極との端部のうち少なくとも一方が、前記照射位置から前記第1の電極と前記第2の電極との間隔dの略2倍以内の距離に設けられていることを特徴とする。
第5の本発明に係るテラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子は、
光を照射することによりキャリアを発生させるキャリア発生層と、前記キャリア発生層の面上に設けられた第1の電極と、前記キャリア発生層の面上に設けられ、且つ、前記第1の電極に並行して並んでいる第2の電極と、を有し、
前記第1の電極と前記第2の電極とは、それぞれアンテナ部を含み構成され、前記光を照射する照射位置は、前記第1の電極と前記第2の電極とが有するアンテナ部の間にあり、
前記第1の電極と前記第2の電極とに互いに対向するように配置される調整スタブが、前記照射位置から、少なくとも前記第1の電極と前記第2の電極との間隔の略2倍以内の距離には設けられている導体であることを特徴とする。即ち、各調整スタブの少なくとも一部は、前記照射位置から前記間隔の略2倍以内の距離にある。
第6の本発明に係る光伝導素子は、キャリアを発生するためのキャリア発生層と、アンテナ部と、電極部と、一組以上の対を成す調整スタブとを有する。前記アンテナ部は、キャリア発生層に、間隙を介して導体を対向配置して形成される。前記電極部は、2つの導体で構成されるストリップ線路を含んで形成され、アンテナ部の間隙に発生するキャリアの伝搬状態を制御する。前記一組以上の対を成す調整スタブは、発生するテラヘルツ波または検出するテラヘルツ波の状態を調整する。また、前記アンテナ部は、前記ストリップ線路を構成する2つの導体で挟まれて該導体に接続している。更に、前記一組以上の対を成す調整スタブは、ストリップ線路を構成する2つの導体の間隔で規定される動作波長λ以下の長さを有する導体である、対を成す第1の調整スタブと対を成す第2の調整スタブの少なくとも一方を含む。この第1の調整スタブは、ストリップ線路の長手方向の延長線上に伸びて、その先端は、アンテナ部と電極部の接続部分に対し、前記波長λ以内の範囲にある。この第2の調整スタブは、ストリップ線路を構成する2つの導体の外縁に沿って、アンテナ部と電極部の接続部分に対し、前記波長λ以内の範囲で接続している。即ち、各第2の調整スタブの少なくとも一部は、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から前記波長λ以内の範囲にある。
第7の本発明に係る光伝導素子は次の特徴を有する。即ち、光伝導素子は、光を照射することによりキャリアを発生させるキャリア発生層と、キャリア発生層の面上に設けられた第1の電極と、キャリア発生層の面上に設けられ、且つ、第1の電極に並行して並んでいる第2の電極とを有する。前記第1の電極と前記第2の電極とは、それぞれアンテナ部を含み構成され、前記光を照射する照射位置は、第1の電極と第2の電極とが有するアンテナ部間にある。更に、前記第1の電極と前記第2の電極とに、対向するように配置される調整スタブが、前記照射位置から、少なくとも第1の電極と第2の電極との間隔の略2倍以内の距離には設けられている導体である。即ち、各調整スタブの少なくとも一部は、前記間隔の略2倍以内の距離にある。
また、上記課題に鑑み、本発明のイメージング装置は、上記光伝導素子と、アンテナ部の間隙に出力をあててキャリアを発生させる超短パルスレーザと、発生したキャリアの伝搬状態を制御する前記電極部に接続された駆動ドライバとを少なくとも有する。そして、前記光伝導素子から発生したテラヘルツ波を測定対象に照射し、測定対象の表面及び内部の屈折率界面において反射したテラヘルツ波より、測定対象の内部構造情報を取得する。ここで、光伝導素子の周波数特性は、平坦化されていることが望ましい。
また、上記課題に鑑み、本発明の通信装置は、上記光伝導素子と、アンテナ部の間隙に出力をあててキャリアを発生させる超短パルスレーザと、発生したキャリアの伝搬状態を制御する電極部に接続された駆動ドライバと、変調部とを少なくとも有する。前記変調部は、駆動ドライバが電極部に供給する信号、或いは超短パルスレーザの出力を送信情報に従って変調する。そして、大気に存在するテラヘルツ波帯に特有の吸収波長域の成分を減少させるように、周波数特性を偏在させたテラヘルツ波を用いて通信を行う。
本発明の光伝導素子によれば、上記の如く、電極部に対して調整スタブを設けること或いは少なくとも一方の電極の端部を配置することによって、キャリアから発生される或はキャリアが検出するテラヘルツ波の伝搬状態、特に周波数特性を調整することができる。また、上記調整スタブの配置或いは電極の端部の配置によって、光伝導素子を用いるアプリケーションに適した周波数特性を持つテラヘルツ波を提供することができる。
本発明の思想を実施し得る形態例について、図面を参照して説明する。尚、本発明は、後述する実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲であれば、そうした形態を排除するものではない。ここで、前述したように、テラヘルツ波とは、0.03THz以上30THz以下の周波数帯域のうち、任意の周波数帯域を占有する電磁波を指す用語として用いる。
本発明に係るテラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子の実施形態について説明する。
まず、一実施形態に係る光伝導素子は、光照射によってキャリアを発生させるためのキャリア発生層を有する。キャリア発生層は、低温成長ガウリムヒ素(LT-GaAs)やインジウムガリウムヒ素(InGaAs)を用いることができる。
次に、本実施形態に係る光伝導素子は、互いに並行して配置しているストリップ線路を含み構成される2つの電極部を有する。ここで、前記電極部は、前記キャリア発生層の一方の面(光を照射する面)に設けられた導体である。例えば、前記ストリップ線路の幅は10μm、該ストリップ線路どうしの間隔は30μmにすることができる。なお、本明細書中では、前記ストリップ線路どうしの間隔dをアンテナ長と呼ぶこともある。このとき、アンテナ長dの略2倍の長さを波長λ(=2d)とするテラヘルツ波が発生されることになる。
また、本実施形態に係る光伝導素子は、前記キャリア発生層に光を照射するための間隙を介して対向して配置している2つのアンテナ部を有する。ここで、前記アンテナ部は、それぞれ前記2つの電極部に接する導体である。前記間隙は、例えば5μmにすることができ、前記キャリア発生層に光を照射できる程度に広く、且つ前記電極部に電圧を印加した際に該キャリア発生層から発生されたキャリアが加速される程度に狭いことが望ましい。
また、本実施形態に係る光伝導素子は、前記キャリアによって発生或は検出されるテラヘルツ波の伝搬状態を調整するための2つの調整スタブを有する。ここで、前記2つの調整スタブは、前記2つの電極部にそれぞれ接する導体である。
さらに、前記2つの調整スタブは、前記キャリアによって発生されるテラヘルツ波の波長λ以下の長さを有し、且つ前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から波長λ以下の範囲には位置している。
本実施形態に係る光伝導素子が有する調整スタブの長さや配置を変えることにより、テラヘルツ波の周波数帯域の平坦化及び偏在化といった伝搬状態の調整を行うことができる。ここで、本明細書中では、平坦化を以下のように定義する。即ち、テラヘルツ波の強度が最大となる値から−3dB減衰する範囲に分布した、テラヘルツ波が有する周波数特性のことである。また、本明細書中では、偏在化を以下のように定義する。即ち、テラヘルツ波の強度が或る周波数帯域に集中して分布した、テラヘルツ波が有する周波数特性のことである。
続いて、上記伝搬状態を制御するために、上記調整スタブ或いは電極の端部をどのような長さや配置にするのかについて述べる。
(第1及び第2の調整スタブ)
本実施形態は、テラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子の周波数特性を調整するための技術に関する。具体的には、光伝導素子を構成する電極(アンテナ構造や制御用電極を含む)に対して調整用のスタブを別途追加することで、光伝導素子の周波数特性を調整する。この調整用のスタブは、上述した対を成す第1の調整スタブないし電極の端部(図26の2606や図28の2806)と対を成す第2の調整スタブ(図25の2506や図27の2706)の少なくとも一方を含む。第1の調整スタブは、後述する実施例1などで説明する様に、ストリップ線路の長手方向の延長線上に伸びて、その先端は、アンテナ部と電極部の接続部分に対し、波長λ以内の範囲にある。第2の調整スタブは、後述する実施例3などで説明する様に、ストリップ線路を構成する2つの導体の外縁に沿って、アンテナ部と電極部の接続部分に対し、波長λ以内の範囲で接続している。光伝導素子を発生素子として用いる場合、発生されるテラヘルツ波の周波数エネルギー分布を調整し、使用するアプリケーションに適したテラヘルツ波を提供することができる。
上記第1及び第2の調整スタブについて、以下に詳述する。
(a)第1の調整スタブ
本実施形態に係るテラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子について、図28を用いて説明する。
まず、2801は、光照射によってキャリアを発生させるためのキャリア発生層である。次に、2802は、互いに並行して配置しているストリップ線路を含み構成される2つの電極部である。ここで、前記電極部2802は、前記キャリア発生層2801の一方の面(光を照射する面)に設けられた導体である。また、2804は、前記キャリア発生層2801に光を照射するための間隙を介して対向して配置している2つのアンテナ部である。ここで、前記アンテナ部2804は、それぞれが前記2つの電極部2802にそれぞれ接する導体である。また、2806は、前記キャリアによって発生或は検出されるテラヘルツ波の伝搬状態を調整するための2つの調整スタブである。ここで、前記2つの調整スタブ2806は、前記2つの電極部2802にそれぞれ接する導体である。
さらに、前記2つの調整スタブ2806は、前記キャリアによって発生されるテラヘルツ波の波長λ以下の長さを有する導体である。ここで、前記波長λは、前記2つのストリップ線路(電極部2802)の間隔dの略2倍の長さとなる。そして、前記2つの調整スタブ2806は、前記ストリップ線路(電極部2802)の長手方向の延長線上に接続される。さらに、前記調整スタブの端部(或いは電極部2802の端部とも看做し得る)2807は、前記アンテナ部2804と前記電極部2802との接続部分2808から波長λ以内の範囲にある。
(a−1)平坦化
別の本実施形態に係る光伝導素子において、前記キャリアから発生される或は前記キャリアが検出するテラヘルツ波の周波数特性が平坦化する構成について、以下に説明する。まず、前記2つの調整スタブ2806は、前記ストリップ線路(電極部2802)の長手方向の延長線上に接続される。また、前記2つの調整スタブ2806の長さは、前記アンテナ部2804と前記電極部2802の接続部分2808から0.5λから0.8λである。上記調整スタブの長さのときに平坦化することについては、下記実施例1で詳述する。
(a−2)偏在化
別の本実施形態に係る光伝導素子において、前記キャリアから発生される或は前記キャリアが検出するテラヘルツ波の周波数特性が偏在化する構成について、以下に説明する。まず、前記2つの調整スタブ2806は、前記ストリップ線路(電極部2802)の長手方向の延長線上に接続される。また、前記2つの調整スタブ2806の長さは、前記アンテナ部2804と前記電極部2802の接続部分2808から0.1λから0.5λである。上記調整スタブの長さのときに偏在化することについては、下記実施例2で詳述する。
(a−3)電極どうしの間隔dで規定
別の本実施形態に係るテラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子について、図26を用いて説明する。ここで、上述した実施形態では、調整スタブの長さと位置を波長λで規定したのに対し、ここでは電極どうしの間隔dで規定している。
まず、2601は、光を照射することによりキャリアを発生させるキャリア発生層である。次に、2602は、前記キャリア発生層2601の面上に設けられた第1の電極である。また、2603は、前記キャリア発生層2601の面上に設けられ、且つ、前記第1の電極2602に並行して並んでいる第2の電極である。また、前記第1の電極2602と前記第2の電極2603とは、それぞれアンテナ部2604を含み構成される。そして、光を照射する照射位置2605は、前記第1の電極2602と前記第2の電極2603とが有するアンテナ部2604の間にある。さらに、前記第1の電極2602と前記第2の電極2603との端部2607のうち少なくとも一方が、前記照射位置2605から、前記第1の電極2602と前記第2の電極2603との間隔dの略2倍以内の距離に設けられている。
(b)第2の調整スタブ
別の本実施形態に係るテラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子について、図27を用いて説明する。
まず、2701は、光照射によってキャリアを発生させるためのキャリア発生層である。次に、2702は、互いに並行して配置しているストリップ線路を含み構成される2つの電極部である。ここで、前記2つの電極部2702はそれぞれ、前記キャリア発生層の一方の面(光を照射する面)に設けられた導体である。また、2704は、前記キャリア発生層2701に光を照射するための間隙を介して対向して配置している2つのアンテナ部である。ここで、前記アンテナ部2704は、それぞれ前記2つの電極部2702にそれぞれ接する導体である。また、2706は、前記キャリアによって発生或は検出されるテラヘルツ波の伝搬状態を調整するための2つの調整スタブである。ここで、前記2つの調整スタブ2706は、それぞれ前記2つの電極部2702にそれぞれ接する導体である。前記2つの調整スタブ2706は、前記キャリアによって発生されるテラヘルツ波の波長λ以下の長さを有する。
さらに、前記2つの調整スタブ2706は、前記ストリップ線路(電極部2702)の外縁に沿って、前記アンテナ部2704と前記電極部2702の接続部分2708から、前記波長λ以内の範囲で前記電極部2702に接続する。
(b−1)平坦化
別の本実施形態に係る光伝導素子において、前記キャリアから発生される或は前記キャリアが検出するテラヘルツ波の周波数特性を平坦化するための構成について、以下に説明する。まず、前記2つの調整スタブ2706の長さは、0.1λから0.2λである。また、前記2つの調整スタブ2706は、前記電極部2702(ストリップ線路)の外縁に沿って、前記アンテナ部2704と前記電極部2702の接続部分2708から、該調整スタブ2706の長さに等しい位置に接続されている。上記調整スタブの長さのときに平坦化することについては、下記実施例3で詳述する。
(b−2)偏在化
別の本実施形態に係る光伝導素子において、前記キャリアから発生される或は前記キャリアが検出するテラヘルツ波の周波数特性を偏在化するための構成について、以下に説明する。まず、前記2つの調整スタブ2706の長さは、0.2λから0.5λである。また、前記2つの調整スタブ2706は、前記電極部2702(ストリップ線路)の外縁に沿って、前記アンテナ部2704と前記電極部2702の接続部分2708から、該調整スタブ2706の長さに等しい位置に接続されている。上記調整スタブの長さのときに偏在化することについては、下記実施例4で詳述する。
(b−3)電極どうしの間隔dで規定
別の本実施形態に係るテラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子について、図25を用いて説明する。ここで、上述した実施形態では、第2の調整スタブの長さと位置を波長λで規定したのに対し、ここでは電極どうしの間隔dで規定している。
本光伝導素子は、まず、光を照射することによりキャリアを発生させるキャリア発生層2501を有する。キャリア発生層2501については、以下の実施例で詳述する。また、キャリア発生層2501の面上に設けられた第1の電極2502を有する。更に、キャリア発生層2501の面上に設けられ、且つ、第1の電極2502に並行して並んでいる第2の電極2503を有する。第1の電極2502と第2の電極2503については、以下の実施例で詳述する。第1の電極2502と第2の電極2503とは、それぞれアンテナ(アンテナ部)2504を含み構成されている。アンテナ(アンテナ部)2504についても、以下の実施例で詳述する。
また、光を照射する照射位置2505は、第1の電極2502と第2の電極2503とが有するアンテナ部間にある。更に、対を成す調整スタブ2506が設けられている。調整スタブ2506は導体で、第1の電極2502と第2の電極2503とに配置される。そして、調整スタブ2506は、それぞれ対向するように配置される。また、調整スタブ2506は、照射位置2505から、少なくとも第1の電極2502と第2の電極2503との間隔dの略2倍以内の距離には設けられている。ここで、調整スタブを設ける位置は、図25のように設ける場合に限定されない。例えば、調整スタブと第1の電極或いは第2の電極とが、図2のような位置関係にある場合でもよい。図25に説明する様に、本光伝導素子に係る波長λは間隔dの略2倍である。調整スタブ2506についても、以下の実施例で詳述する。
以下、より具体的な実施例について図面を参照して述べる。
(実施例1:第1の調整スタブで平坦化)
図1は、本発明を実施し得る光伝導素子の実施例1の構成を示す図である。具体的には、本実施例は、光伝導素子の周波数特性を平坦化する構成例に係る。図1のように、本実施例の光伝導素子は、アンテナ部101、対を成す第1の調整スタブである調整スタブ102、キャリア発生層103、電極部104、基板105を含む構成である。
キャリア発生層103は、外部から照射される励起光(これはアンテナ部101の微小間隙に照射される)によって、キャリアを発生する機能を有する。本実施例では、キャリア発生層103として、低温成長ガウリムヒ素(LT-GaAs)を用いる。キャリア発生層103は、例えば、半絶縁性のガリウムヒ素(SI-GaAs)基板に対し、分子ビーム低温エピタキシャル成長(成長温度250°C)によって形成する。キャリア発生層103の材料はこれに限定されず、例えば、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)等の半導体材料を用いてもよい。
基板105は、キャリア発生層103を保持する基板である。本実施例では、基板105は、例えば、上述したSI-GaAs基板をそのまま用いる。基板105によるテラヘルツ波の不要な吸収を避けるため、テラヘルツ波に対して透明な基板を用いてもよい。基板105として、例えば、高抵抗シリコン(Si)を用いることもできる。この場合、キャリア発生層103の成長に用いた半導体基板をエッチングによって除去し、接着剤等の接合手段によって、キャリア発生層103を基板105に固定化する方法等が用いられる。
アンテナ部101は、微小間隙を有する導体で構成する。上述したキャリア発生層103は、少なくとも、アンテナ部101の微小間隙の直下に存在する。アンテナ部101は、光伝導素子のおよその動作周波数と周波数特性を決定する部分である。光伝導素子において、アンテナ部101のアンテナ長(電極部104の間隔dと等しい)は動作周波数λを決定し(略λ=2dである)、導体幅や形状は周波数特性を決定する。
本実施例では、アンテナ部101としてダイポール型のアンテナ構造を用いている。アンテナ長は30μmとする。導体幅は10μmとする。微小間隙は5μmとする。ただし、これらの数値に限らず、所望のテラヘルツ波の特性に応じて、変化させることができる。アンテナ構造の型についても同様である。
ダイポールアンテナは、半波長共振器を構成する。そのため、アンテナの動作波長をλとすると、アンテナ長はおよそ1/2λに相当する。本明細書では、このアンテナ長(電極部104の間隔dでもある)から想定される動作波長λを基準として説明する。ただし、光伝導素子における実際の周波数特性は、アンテナ長だけに依らず、キャリアの挙動や基板の特性からも影響を受ける。そのため、アンテナ形状から想定される周波数特性と、実際の光伝導素子の周波数特性は異なることがある。
電極部104は、平行に伸びるストリップ線路104bと電極パッド104aで構成される。電極パッドは、主に外部の機器との接続に用いられる。ストリップ線路の先端部は、ストリップ線路を構成する2つの導体が、アンテナ部101を挟む形で構成される。また、図1のように、ストリップ線路を構成する2つの導体の長手方向に、調整スタブ102が一対接続されている。本実施例では、ストリップ線路104bの導体幅は10μm、導体の間隔dは30μmとする。導体の間隔dは、アンテナ部101のアンテナ長(即ち略1/2λ)に相当する。
これらの導体構造は、蒸着などの一般的なプロセス技術によって、一括してパターニングされる。従って、調整スタブ102は比較的簡便に形成できる。
本実施例の光伝導素子をテラヘルツ波発生素子として用いる場合、電極部104は、アンテナ部101の間隙に所望の電界を印加するために使用する。また、光伝導素子をテラヘルツ波検出素子として用いる場合、電極部104は、電極部104を伝搬する信号(具体的には電流)を検出するために使用する。
調整スタブ102は、光伝導素子の周波数特性を調整するために用いる。本実施例では、周波数特性を平坦化する。調整スタブ102は、アンテナ部101を伝搬するテラヘルツ波の一部を干渉させることで、周波数特性を平坦化する。本明細書において、周波数特性の平坦化とは、テラヘルツ波の強度分布が広範囲に分布している状態と定義する。より具体的には、本明細書では、平坦化とは、テラヘルツ波の最大の強度値から-3dB減衰する周波数範囲に、より多くのテラヘルツ波を分布させることと定義する。本実施例では、調整スタブ102は、導体幅10μmの直線的な線路とする。
以上の構成を総括すれば、本実施例の光伝導素子は次の構成を有する。即ち、光伝導素子は、キャリアを発生するためのキャリア発生層103と、アンテナ部101と、電極部104と、一組以上の対を成す調整スタブ101とを有する。アンテナ部101は、キャリア発生層103に、間隙を介して導体を対向配置して形成される。電極部104は、2つの導体で構成されるストリップ線路104bを含んで形成され、アンテナ部101の間隙に発生するキャリアの伝搬状態を制御する。対を成す調整スタブ102は、発生するテラヘルツ波または検出するテラヘルツ波の状態を調整する。また、アンテナ部101は、ストリップ線路104bを構成する2つの導体で挟まれて該導体に接続している。
更に、調整スタブ102は、アンテナ部101のアンテナ長で規定される波長λ以下の長さL1を有する導体である対を成す第1の調整スタブを含む。この第1の調整スタブは、ストリップ線路104bの長手方向の延長線上に伸びて、その先端は、アンテナ部101と電極部104の接続部分に対し、波長λ以内の範囲にある。また、電極部104を構成するストリップ線路104bを構成する2つの導体の端部の、アンテナ部101のある方は、アンテナ部101と電極部104の接続部分から波長λ以下の位置にある、
本実施例の動作を説明する。動作原理は、通常の光伝導素子と同じである。即ち、本光伝導素子を発生素子として用いる場合、電極部104に所望の電界を印加する。本実施例では、10Vをバイアスする。この状態で、アンテナ部101の微小間隙に、超短パルスレーザを照射する。本実施例では、パルス幅50fsec、繰り返し周波数76MHzのチタンサファイアレーザを光源とする。超短パルスがアンテナ部101の微小間隙に照射されると、キャリア発生層103からキャリアが発生する。この発生したキャリアを、電極部104で印加した電界によって加速することによって得られるダイポール輻射をテラヘルツ波として用いる。
また、本光伝導素子を検出素子として用いる場合、電極部104には、電流検出器を接続する。テラヘルツ波が検出素子に入射するタイミングと同期して、アンテナ部101の微小間隙に超短パルスレーザを照射する。この時、テラヘルツ波によって誘導される、キャリア発生層103から発生したキャリアを、電流検出器で検出する。より詳細には、テラヘルツ波と超短パルスレーザの入射タイミングを逐次ずらし、各タイミングにおける電流値をプロットすることで、テラヘルツ波の時間波形を検出する。
上述したように、調整スタブ102は、光伝導素子の周波数特性を平坦化するために用いる。図12は、調整スタブ102の効果を示した電磁界解析結果を示す。調整スタブ102のスタブ長L1は、0.6λである。破線は、調整スタブ102がない場合の光伝導素子の周波数特性であり、実線は、調整スタブ102を接続した時の光伝導素子の周波数特性を示している。周波数特性の平坦性を示す指針として、強度が-3dBとなる位置の帯域幅を比較すると、調整スタブ102を接続することで、約1.2倍平坦性が改善していることが分かる。本実施例では、この帯域幅が広くなるように調整スタブ102のスタブ長L1を調整する。
図13は、調整スタブ102のスタブ長L1を0からλまで変化させた時の、-3dBとなる位置の帯域幅の変化を示した解析結果である。図13において、0λは、調整スタブ102がない場合に相当する。例えば、この状態を基準とすると、調整スタブ102のスタブ長L1を0.5から0.8λにすることで、周波数特性の平坦性が改善することが分かる。即ち、本実施例では、調整スタブ102は、アンテナ部と電極部の接続部分に対し、ストリップ線路の長手方向の延長線上に接続され、0.5λから0.8λの長さを有して、光伝導素子の周波数特性を平坦化している。
尚、本実施例では、調整スタブ102を直線的な線路として扱っているが、この限りではない。例えば、テーパー状のスタブなどを用いることも可能である。また、線路幅も状況に応じて変化する。要は、光伝導素子の周波数特性を調整し得る調整スタブ102の構造であれば、本発明の主旨を逸脱するものではない。
以上のように、調整スタブ102のスタブ長を調整することで、光伝導素子の周波数特性を簡便に調整することが可能になる。そして、周波数特性を平坦にすることで、よりモノサイクルに近い形状をもつテラヘルツ波を提供することが容易となる。
ここで、一般的な回路技術として、アンテナにスタブ構造等を用いることにより、電波どうしを干渉させ、アンテナ特性を調整する手法が、特許第3165653号に開示されている。この先行文献は、いわゆる八木宇多アンテナにスタブ構造を用いることを教示するに止まり、テラヘルツ波に関して何ら開示や示唆はない。また、テラヘルツ波を発生或は検出するための光伝導素子や、キャリアを発生させるための層に堆積した電極に接するアンテナに関する開示や示唆もない。
上述したように、光伝導素子におけるテラヘルツ波の伝搬特性は、一般的に、アンテナ構造に加え、キャリアの伝搬状態に依存する。ここで、キャリアの伝搬状態とは、キャリアの挙動や使用する部材の影響(例えば、半導体基板特有のフォノン吸収)などである。このため、ミリ波やマイクロ波で用いられる既存の回路制御技術(アンテナ技術や分布定数回路技術)を単純にテラヘルツ波の技術に適用しても、所望の伝搬状態を得ることは困難である。本発明に係る調整スタブは、テラヘルツ波の技術に適用するための工夫であり、キャリアの伝搬状態を制御するというテラヘルツ波特有の課題を解決するものである。よって、上記先行文献のような従来の電波を送受信するためのアンテナをそのまま従来の光伝導素子に、単に転用したものではない。
(実施例2:第1の調整スタブで偏在化)
本実施例は、実施例1で説明した基本構造を持つ光伝導素子に関するが、実施例1と異なる周波数特性を偏在化する一例である。尚、上記実施例1と重複する部分の説明は省略する。図1は、本発明を実施し得る光伝導素子の実施例2の構成をも示したものであるが、実施例1とは、調整スタブ102の長さL1が異なる。
図14は、調整スタブ102の効果を示した電磁界解析結果である。本実施例の調整スタブ102のスタブ長L1は、0.5λである。破線は、調整スタブ102がない場合の光伝導素子の周波数特性であり、実線は、調整スタブ102を接続した時の光伝導素子の周波数特性を示している。本明細書において、周波数特性の偏在化とは、ほぼ平坦な周波数特性のうち、或る周波数帯域に強度が集中している状態と定義する。例えば、図14では、調整スタブ102によって、0.8THz近傍に強い強度分布が存在している。
図15は、調整スタブ102がない状態(即ち図14における破線に相当)の中心周波数に対する、調整スタブ102を設けることにより現れた強い強度分布の中心周波数のシフト量を示した解析結果である。図15のように、0λから0.5λの調整スタブ102のスタブ長L1に対し、周波数シフト量はほぼ線形に増加している様子が分かる。尚、本実施例においても、調整スタブ102は、蒸着プロセスによってパターニングされる。プロセスの作製誤差を換算すると、マイクロオーダの作製精度でおよそ0.01λオーダーの誤差となる。このことを考慮すると、本実施例において、精度良く光伝導素子の特性を調整し得る領域は、0.1λから0.5λと定義した。即ち、本実施例では、調整スタブ102は、アンテナ部と電極部の接続部分に対し、ストリップ線路の長手方向の延長線上に接続され、0.1λから0.5λの長さを有して、光伝導素子の周波数特性を偏在化している。
尚、本実施例においても、調整スタブ102を直線的な線路として扱っているが、この限りではない。例えば、テーパー状のスタブなどを用いることも可能である。また、線路幅も状況に応じて変化する。要は、光伝導素子の周波数特性を調整し得る調整スタブ102の構造であれば、本発明の主旨を逸脱するものではない。
図21は、本実施例の光伝導素子の測定結果を示す。ここでは、キャリア発生層103として、厚み2μmのLT-GaAsを用いる。基板105として、SI-GaAs基板を用いる。アンテナ部101として、ダイポール型のアンテナ構造を用いる。アンテナ部101のアンテナ長は30μmであり、導体幅は10μmである。上述したように、アンテナ部101は、微小間隙を有しており、微小間隙は5μmである。電極部104を構成するストリップ線路104bの長さは2mmである。そして、電極部104を構成する電極パッド104aの形状は、500μm×500μmのパッドである。調整スタブ102のスタブ長L1は10μmである。ここで、アンテナ長は30μmであるので、スタブ長L1はおよそ0.15λに相当する。
図21では、この光伝導素子をテラヘルツ波発生素子に適用し、特性を測定している(実線)。この時、同様の構成であるが調整スタブがない光伝導素子を、テラヘルツ波検出素子として用いる。また、図21において、調整スタブ102の効果を検証するために、テラヘルツ波検出素子を共通とし、調整スタブ102がない光伝導素子をテラヘルツ波発生素子として、測定結果を比較した(破線)。図21によると、1.2THzを超える部分の強度が減少し、0.5THzから1.0THz付近までの強度が高くなる様子が分かる。図14は、スタブ長L1を0.5λとした時の解析結果であるが、図21と同様の傾向を示していることが分かる。また、図15によると、スタブ長L1が0.16λの時、テラヘルツ波の周波数特性は低域側に0.15THz程度わずかに偏在することを示している。図21の測定結果をみると、作製した光伝導素子は、同じオーダーで低域側にシフトしていることが確認できる。
以上のように、調整スタブ102のスタブ長を調整することで、光伝導素子の周波数特性を簡便に調整することが可能になる。アンテナ部101のサイズや構造と共に、調整スタブ102の構造を適切に選択することで、例えば、水蒸気の特徴的な吸収スポットを回避したテラヘルツ波を用いて、高効率な伝送を実現することが容易となる。
(実施例3:第2の調整スタブで平坦化)
図2は、本発明を実施し得る光伝導素子の実施例3の構成を示した図である。具体的には、光伝導素子の周波数特性を平坦化する一例を示す。尚、上記実施例と重複する部分の説明は省略する。これまでの実施例と異なるのは、調整スタブ202の接続位置である。本実施例では、ストリップ線路を構成する2つの導体の外縁に沿って、L2の間隔で、調整スタブ202が一対接続している。そして、調整スタブ202のスタブ長は、接続位置の間隔L2と同じ長さを有する。
まとめて言えば、本実施例の光伝導素子は次の構成を有する。即ち、光伝導素子は、キャリアを発生するためのキャリア発生層103と、アンテナ部101と、電極部104と、一組以上の対を成す調整スタブ202とを有する。アンテナ部101は、キャリア発生層103に、間隙を介して導体を対向配置して形成される。電極部104は、2つの導体で構成されるストリップ線路104bを含んで形成され、アンテナ部101の間隙に発生するキャリアの伝搬状態を制御する。対を成す調整スタブ202は、発生するテラヘルツ波または検出するテラヘルツ波の状態を調整する。また、アンテナ部101は、ストリップ線路104bを構成する2つの導体で挟まれて該導体に接続している。
更に、調整スタブ202は、アンテナ部101のアンテナ長(電極部104の間隔d)で規定される波長λ以下の長さを有する導体である対を成す第2の調整スタブを含む。この第2の調整スタブは、ストリップ線路104bを構成する2つの導体の外縁に沿って、アンテナ部と電極部の接続部分に対し、波長λ以内の範囲で接続している。また、電極部104を構成するストリップ線路104bを構成する2つの導体の端部の、アンテナ部101のある方は、アンテナ部と電極部の接続部分から波長λ以下の位置にある、
図16は、調整スタブ202の効果を示した電磁界解析結果である。調整スタブ202の接続位置L2及びスタブ長L2は、0.15λである。破線は、調整スタブ202がない場合の光伝導素子の周波数特性であり、実線は、調整スタブ202を接続した時の光伝導素子の周波数特性を示している。実施例1と同様に、強度が-3dBとなる位置の帯域幅を比較すると、調整スタブ202を接続することで、約1.4倍平坦性が改善していることが分かる。本実施例においても、この帯域幅が広くなるように、調整スタブ202のスタブ長L2及び接続位置L2を調整する。
図17は、調整スタブ202のスタブ長及び接続位置L2を変化させた時の、-3dBとなる位置の帯域幅の変化を示した解析結果である。実施例1と同様に、図17における0λは、調整スタブ202がない場合に相当する。例えば、この状態を基準とすると、調整スタブ202のスタブ長及び接続位置L2を0.2λ以下にすることで、周波数特性の平坦性が改善することが分かる。尚、本実施例においても、調整スタブ202は、蒸着プロセスによってパターニングされる。プロセスの作製誤差を換算すると、マイクロオーダの作製精度でおよそ0.01λオーダーの誤差となる。このことを考慮すると、本実施例において、精度良く光伝導素子の特性を調整し得る領域は、0.1λから0.2λと定義した。即ち、本実施例では、第2の調整スタブである調整スタブ202は、0.1λから0.2λの長さを有する。そして、ストリップ線路104bを構成する2つの導体の外縁に沿って、アンテナ部と電極部の接続部分に対し、当該調整スタブ202の長さに等しい位置に接続され、光伝導素子の周波数特性を平坦化している。
尚、本実施例においても、調整スタブ202を直線的な線路として扱っているが、この限りではない。例えば、テーパー状のスタブなどを用いることも可能である。また、線路幅も状況に応じて変化する。また、本実施例では、調整スタブ202の線路長と接続位置を同じ長さとしているが、この限りではない。要は、光伝導素子の周波数特性を調整し得る調整スタブ202の構造であれば、本発明の主旨を逸脱するものではない。
図22は、本実施例の光伝導素子の測定結果を示す。ここでは、キャリア発生層103として、厚み2μmのLT-GaAsを用いる。基板105として、SI-GaAs基板を用いる。アンテナ部101として、ダイポール型のアンテナ構造を用いる。アンテナ部101のアンテナ長は30μmであり、導体幅は10μmである。上述したように、アンテナ部101は、微小間隙を有しており、微小間隙は5μmである。電極部104を構成するストリップ線路104bの長さは2mmである。そして、電極部104を構成する電極パッド104aの形状は、500μm×500μmのパッドである。調整スタブ202のスタブ長L2及び接続位置L2は10μmである。ここで、アンテナ長は30μmであるので、スタブ長L2及び接続位置L2はおよそ0.15λに相当する。
図22で用いた光伝導素子の構成は、図16の解析に用いた素子構成と同じである。上述したように、強度が-3dBとなる位置の帯域幅を比較すると、測定結果の帯域特性は約1.5倍平坦性が改善されており、解析結果と同様の傾向を示すことが確認できる。図23は、図22で用いた光伝導素子から発生するテラヘルツ波の時間波形の測定結果である。上述したように、調整スタブ202によって周波数特性の平坦性を改善することにより、よりモノサイクルに近い形状のテラヘルツ波が取得できている。
以上のように、第2の調整スタブである調整スタブ202のスタブ長を調整することで、光伝導素子の周波数特性を簡便に調整することが可能になる。周波数特性を平坦にすることで、よりモノサイクルに近い形状をもつテラヘルツ波を提供することが容易となる。
(実施例4:第2の調整スタブで偏在化)
本実施例は、実施例3で説明した光伝導素子に関し、実施例2のように周波数特性を偏在化する一例である。尚、上記実施例と重複する部分の説明は省略する。図2は、本発明を実施し得る光伝導素子の実施例4の構成例を示したものでもあるが、実施例3とは、調整スタブ202の長さ及び接続位置が異なる。
図18は、調整スタブ202の効果を示した電磁界解析結果である。調整スタブ202のスタブ長及び接続位置L2は、0.5λである。破線は、調整スタブ202がない場合の周波数特性であり、実線は、調整スタブ202を接続した時の光伝導素子の周波数特性を示している。実施例2でも定義したが、本明細書において、周波数特性の偏在化とは、ほぼ平坦な周波数特性のうち、或る周波数帯域のみに強度が集中している状態と定義する。例えば、図18では、調整スタブ202によって、0.7THz近傍の強度が抑制され、0.4THz近傍に強い強度分布が存在していることが分かる。
図19は、調整スタブ102がない状態(即ち図18における破線に相当)の中心周波数に対する、調整スタブ202によって現れた強い強度分布の中心周波数のシフト量を示した解析結果である。図19のように、0λから0.5λの調整スタブ202のスタブ長及び接続位置L2に対し、周波数シフト量が増加する傾向が分かる。実施例3で述べたように、0.2λまでは、調整スタブ202は、周波数の平坦化に大きく寄与している。そのため、本実施例において、精度良く光伝導素子の特性を調整し得る領域は、0.2λから0.5λと定義した。即ち、本実施例では、第2の調整スタブである調整スタブ202は、0.2λから0.5λの長さを有する。そして、ストリップ線路104bを構成する2つの導体の外縁に沿って、アンテナ部と電極部の接続部分に対し、当該調整スタブ202の長さに等しい位置に接続され、光伝導素子の周波数特性を偏在化している。
尚、本実施例においても、調整スタブ202を直線的な線路として扱っているが、この限りではない。例えば、テーパー状のスタブなどを用いることも可能である。また、線路幅も状況に応じて変化する。また、本実施例においても、調整スタブ202の線路長と接続位置を同じ長さとしているが、この限りではない。要は、光伝導素子の周波数特性を調整し得る調整スタブ202の構造であれば、本発明の主旨を逸脱するものではない。
以上のように、調整スタブ202のスタブ長及び接続位置を調整することで、光伝導素子の周波数特性を簡便に調整することが可能になる。アンテナ部101のサイズや構造と共に、調整スタブ202の構造を適切に選択することで、例えば、大気によるテラヘルツ波の吸収が少ない帯域幅(大気の窓)に周波数特性を偏在化させ、高効率な伝送を実現することが容易となる。
ところで、場合によって、これまでの実施例で述べてきた第1の調整スタブ102と第2の調整スタブ202を組み合わせて使用することも可能である。
(実施例5:イメージング装置)
本実施例では、本発明を実施し得る装置の一構成例を示す。具体的には、これまで説明してきた光伝導素子を用いて、サンプルの深さ方向の情報を取得するイメージング装置に関する一構成例である。尚、上記実施例と重複する部分の説明は省略する。
図3は、本実施例におけるイメージング装置の概略構成図である。図3のように、イメージング装置は、ファイバレーザ301、発生用の光伝導素子302、検出用の光伝導素子303、駆動ドライバ304、検出部305、ビームスプリッタ306、遅延部307を含む。また、図3のように、本イメージング装置は、サンプル308に対し、反射光学系を構築し、テラヘルツ波の反射信号より、サンプル308の深さ方向の情報を取得する。尚、本実施例では、反射型の構成例を示しているが、透過型の構成を採用してもよい。
例えば、図20のように、サンプル308として錠剤を用いる場合、錠剤に入射したテラヘルツ波は、大気とコーティング膜2001の界面とコーティング膜2001と薬剤2002部分の界面によって反射される。各反射テラヘルツ波の相対時間遅れΔtや波形の変化をモニタすることで、コーティング膜2001の膜厚や薬剤2002の物性等が取得できる。高精度に各反射テラヘルツ波を検出するためには、各反射テラヘルツ波が時間的に分離され、各反射テラヘルツ波間の干渉が小さい状態が望まれる。そのためには、使用するテラヘルツ波の特性として、狭パルス幅なモノサイクルに近い形状をもつ波形であることが望ましい。
光伝導素子302から発生するテラヘルツ波は、ファイバレーザ301からの励起光の特性と、光伝導素子302自体の特性に影響を受ける。例えば、励起光が狭パルス幅なモノサイクルに近い形状をもつ波形であり、光伝導素子302の周波数特性が広帯域な特性を有していると、時間領域における各反射テラヘルツ波の分離が容易となる。
ファイバレーザ301は、ほぼ光ファイバによって構成される、小型で安定な超短パルスレーザ源である。ファイバレーザ301の構成例を図4に示す。図4のように、ファイバレーザ301は、次の構成を持つ。即ち、フェムト秒ファイバレーザ401、1/2波長板402及び406、増幅部403、アイソレータ404、分散補償部405、偏光ビームスプリッタ407、PPLN408、グリーンカットフィルタ409、ダイクロイックミラー410で構成する。PPLNは、高効率波長変換素子であるPeriodically-Poled-Lithium-Niobateを意味する。フェムト秒ファイバレーザ401は、レーザの発振媒質に光ファイバを使用したものである。中心波長1558nm、平均強度5mW、パルス幅300fsec、繰り返し周波数48MHzである。このようなファイバ型のフェムト秒ファイバレーザ401は、固体レーザに比べ、小型で安定である。
1/2波長板402及び406は、偏光を調節するために用いる。増幅部403は、フェムト秒ファイバレーザ401の光パルスの強度を増幅する部分である。増幅部403において強度が増幅された光パルスは、分散補償部405において短パルス化される。PPLN408は、短パルス化された光パルスに関し、2次高調波成分である780nmの成分を発生させる部分である。その後、グリーンカットフィルタ409及びダイクロイックミラー410を用いて、基準波成分1550nmとともに、高調波成分780nmを所望の分岐比において出力する。この高調波成分は、LT-GaAsの吸収波長に相当し、本実施例では、光伝導素子302及び303の励起光として使用する。
尚、光伝導素子に用いるキャリア発生層103としてインジウムガリウムヒ素(InGaAs)を用いる場合、キャリアを励起する励起光として基準波成分を用いることもできる。この場合、高調波を生成、取り出す光学系は省略することも可能である。
以下に、増幅部403及び分散補償部405を詳細に説明する。
図5に、増幅部403の一構成例を示す。図5のように、増幅部403は、次の構成要素を有する。構成要素は、3つのレーザダイオード(図5中LDと記載)、シングルモードファイバ501、WDMカプラ502及び505、偏光コントローラ503、Er(エルビウム)添加ファイバ504、偏光ビームコンバイナ506である。WDMはWavelength-Division-Multiplexing(波長分割多重方式)を意味する。
シングルモードファイバ501は、波長1.56μmに対し、2次群速度分散-21.4ps2/km、モードフィールド径9.3μm、非線形係数1.89W-1km-1であり、ファイバの長さは4.5mである。Er添加ファイバ504は、波長1.56μmに対し、2次群速度分散6.44ps2/km、モードフィールド径8.0μm、非線形係数2.55W-1km-1であり、ファイバの長さは6.0mである。3つのLDは、波長1480nm、強度400mWとする。図5のように、LDの1つを前方励起用、2つを後方励起用に用いる。
フェムト秒ファイバレーザ401から入射した光パルスのパルス幅は、シングルモードファイバ501内で、群速度分散の影響により、伸張される。これにより、光パルスのピーク強度が一時的に抑えられる。その結果、光パルスが、Er添加ファイバ504中を伝搬する際の過剰な非線形効果を抑制することができるため、効率的なエネルギー増幅が可能になる。この構成によれば、光パルスの平均強度は、約20dBを見込むことができる。
図6に、分散補償部405の一構成例を示す。分散補償部405は、増幅部403で生じた分散特性とは逆の分散特性を有している。増幅部403から出力される光パルスは、Er添加ファイバ504中で生じる自己位相変調の影響で帯域が大きく広がる傾向がある。そこで、分散補償部405では、各波長における分散を補償することにより、フェムト秒ファイバレーザ401のパルス幅よりも短いパルスを取得する。図6のように、本実施例では、分散補償部405として、分散補償用ファイバ601を用いる。具体的には、分散補償用ファイバ601として、大口径フォトニッククリスタルファイバを用いる。本実施例で用いる分散補償用ファイバ601は、波長1.56μmに対し、2次群速度分散-30.3ps2/km、モードフィールド径26μm、非線形係数0.182W-1km-1であり、ファイバの長さは0.42mである。この構成によれば、得られる光パルスのパルス幅は約55fsec、平均強度は約280mWを見込むことができる。
上述したように、本実施例では、キャリア発生層103にLT-GaAsを使用する光伝導素子302及び303を用いるため、PPLN408によって第2高調波を生成し、励起光とする。PPLN408では、この高調波成分(780nm)に加え、基準波成分(1550nm)が出力されるため、ダイクロイックミラー410を用いて分離する。また、PPLN408では、第2高調波に加え、第3高調波である緑色光もわずかに生成されるため、グリーンカットフィルタ409によって除去する構成とする。このような構成によれば、780nm帯の光パルスのパルス幅は約58fsec、平均強度は約60mWを見込むことができる。また、1550nm帯の光パルスのパルス幅は約64fsec、平均強度は約170mWを見込むことができる。
また、上述したように、励起光に用いるファイバレーザ301のパルス幅は、イメージング装置における深さ方向の分解能に影響する。そのため、場合によっては、図7に示すような、高非線形ファイバを用いたパルス圧縮を行うことも可能である。図7(a)は、1550nm帯の光パルスを圧縮する構成図を示している。また、図7(b)は、780nm帯の光パルスを圧縮する構成図を示している。尚、これらの構成はあくまで一形態であり、パルス圧縮を行う手法はこれに限定されない。
図7(a)では、1550nm帯のパルス圧縮を行うために、シングルモードファイバ701及び高非線形ファイバ702を用いる。シングルモードファイバ701は、波長1.56μmに対し、2次群速度分散-21.4ps2/km、非線形係数1.89W-1km-1であり、ファイバの長さは0.115mである。高非線形ファイバ702は、波長1.56μmに対し、2次群速度分散-14.6ps2/km、非線形係数4.53W-1km-1であり、ファイバの長さは0.04mである。また、ファイバから出力された光パルスは、レンズ中での分散によるパルス広がりを避けるために放物面鏡を用いてコリメートする。このような構成によれば、得られる光パルスのパルス幅は約22fsec、平均強度は約120mWを見込むことができる。
図7(b)では、780nm帯のパルス圧縮を行うために、高非線形ファイバ702とチャープミラー703を用いる。チャープミラー703は負分散のチャープミラーであり、ミラーを1回反射する毎に、およそ-35fs2の分散が加えられる。光パルスを、チャープミラー703間で複数回反射させることで、パルス圧縮を行う。ここでは、高非線形ファイバ702を1m用いる。このような構成によれば、得られる光パルスのパルス幅は約37fsec、平均強度は約30mWを見込むことができる。本実施例では、この光パルスを光伝導素子の励起光として使用する。尚、ファイバレーザ301の具体的な構成や各パラメータは、上記のものに限るものではなく、種々の目的に即して適宜選択される。
図3の説明に戻って、少なくとも発生側の光伝導素子302は、実施例1または3で述べた構成を有するものである。即ち、広帯域な周波数特性を有する光伝導素子302を用いる。検出側の光伝導素子303は、発生側と同様の素子を用いてもよいし、テラヘルツ時間領域分光(THz-TDS)装置に用いられるような、一般的な素子を用いてもよい。駆動ドライバ304は、光伝導素子302に所望の電圧を印加する部分である。印加する電圧は、DCでもよいし、周期的でもよい。
ビームスプリッタ306は、上述した構成から成るファイバレーザ301の出力を分岐させ、一方を光伝導素子302に、もう一方を遅延部307に導く部分である。
遅延部307は、一般的な遅延光学系で構成され、光伝導素子303に入射する光パルスの照射タイミングを、時間的に変化させる。検出部305は、光伝導素子303から出力される信号を検出し、遅延部307で設定される光パルスの照射タイミングに応じた信号を記憶する。この結果、サンプル308から反射されるテラヘルツ波の時間波形を再構成し、サンプル308に関する深さ方向の情報を取得する。
尚、図3において、サンプル308とサンプル308に照射するテラヘルツ波との相対位置を変化させる機構を別途有し、サンプル308の3次元イメージングを行う構成としてもよい。また、本実施例の構成は、上述した様に、透過型もしくは反射型のTHz-TDS装置としても適用可能である。
図3の構成では、光伝導素子302は、アンテナ部101側より励起光を入射し、基板105よりテラヘルツ波を取り出す構成である。ただし、このようなシステム構成に限らず、例えば、図24(a)、(b)のように、アンテナ部101側より励起光を入射し、アンテナ部101側よりテラヘルツ波を取り出す構成も可能である。この時、テラヘルツ波の発生に使用した励起光は、図24のように、テラヘルツ波の伝搬経路を伝搬する。図24は、このような不要な信号を除去するために、テラヘルツ波の伝搬経路中にフィルタ2409を挿入している。フィルタ2409は、励起光を除去し、テラヘルツ波を透過させる特性を有している。例えば、励起光として基準波成分(1550nm)を用いる場合、ゲルマニウム(Ge)基板を適用できる。また、励起光として高調波成分(780nm)を用いる場合、Si基板を適用できる。尚、フィルタ2409の構成はこれに限るものではない。このような構成を適用する場合、光伝導素子302に用いた基板105によるテラヘルツ波の吸収を軽減することができるので、より広帯域なテラヘルツ波を提供することが可能となる。尚、検出においても、アンテナ部101よりテラヘルツ波と励起光を入射する構成が適用可能である。
以上に述べた様に、本実施例のイメージング装置は、本発明の光伝導素子と、アンテナ部の間隙に出力をあててキャリアを発生させる超短パルスレーザと、発生したキャリアの伝搬状態を制御する上記電極部に接続された駆動ドライバとを少なくとも有する。そして、光伝導素子から発生したテラヘルツ波を測定対象(サンプル)に照射し、測定対象の表面及び内部の屈折率界面において反射したテラヘルツ波より、測定対象の内部構造情報を取得する。ここで、光伝導素子の周波数特性は、平坦化されていることが望ましい。
以上のような構成を有することにより、モノサイクルに近い形状をもつテラヘルツ波をイメージング装置に用いることが可能となる。よって、より高分解能な深さ方向イメージングが可能となる。また、光伝導素子の励起光源として、ファイバレーザを用いることで、小型、安定、比較的安価な装置を提供することが可能となる。
(実施例6:通信装置)
本実施例では、本発明を実施し得る装置の一構成例を示す。具体的には、これまで説明してきた光伝導素子及びファイバレーザを用いて、情報の伝送を行う通信装置に関する一構成例である。尚、上記実施例と重複する部分の説明は省略する。
本実施例は、特に、通信装置の発信部分に関するものである。本実施例では、大気の窓(atmospheric window)に相当する帯域にテラヘルツ波を偏在させ、これを搬送波として利用する。ここで、大気の窓とは、大気による吸収の影響が小さく、光の透過率が高い波長帯域のことである。
図8は、本実施例における通信装置の発信部分に関する一構成例を示す。図8のように、本通信装置の発信部分は、ファイバレーザ301、光伝導素子302、駆動ドライバ304、変調部801で構成する。光伝導素子302は、実施例2または4で述べた構成を有するものである。例えば、大気の窓の一例として、0.38THz、0.71THz、0.86THz、1.05THz、1.38THz近傍に存在することが知られている。本実施例では、これらの大気の窓に相当する箇所に周波数特性が偏在するように、調整スタブ202を選択するものである。
変調部801は、伝送したい情報に相当する信号成分によって、駆動ドライバ304を制御し、光伝導素子302から放射するテラヘルツ波を変調する。変調の方式として、図11(a)に示すように、駆動ドライバ304より光伝導素子302に印加される電圧を切り替え、テラヘルツ波のON/OFFによって信号を伝送する方式がある。また、図11(b)のように、光伝導素子302に印加される電圧の値によって、テラヘルツ波の振幅を変調する方式がある。
図9は、通信装置の発信部分に関する別の構成例を示す。図9では、変調部901は、駆動ドライバ304ではなく、ファイバレーザ301の出射タイミングや強度を変調する。このことによって、図11(a)、(b)の変調方式に加え、図11(c)のように、テラヘルツ波の位相(遅延時間)を変調することも可能である。これらの変調部801及び901は、通常の回路や、コンピュータによって構成される。
図10は、通信装置の発信部分に関する別の構成例を示す。図10では、変調部1001は、ファイバレーザ301から出力される光パルスを制御する。例えば、ファイバを機械的に伸張させて光パルスが光伝導素子302に到達するタイミングを制御する。また、アッテネータを用いて光パルスの強度を変調する。または、開閉器を用いて、光パルスをON/OFFさせてもよい。尚、これらの変調部の構成や制御対象はこれに限らない。例えば、発生するテラヘルツ波自体を変調する形態でもよい。一例を挙げると、光伝導素子302の位置を、テラヘルツ波の出射方向に対し、変化させることで、図11(c)の変調状態を実現することができる。要は、大気の窓に相当する帯域に、テラヘルツ波の周波数特性を偏在させ、これに信号を重畳する形態であればよい。
また、本実施例では、テラヘルツ波の周波数特性を偏在させる指針として、大気の窓について述べているがこれに限らない。例えば、装置を取巻く雰囲気の吸収を避ける形態や、特徴的な部材の吸収を避けるように、テラヘルツ波を偏在させる形態も可能である。また、本実施例の構成は、透過型もしくは反射型のTHz-TDS装置としても適用可能である。また、実施例6と同様に、ファイバレーザ301の出力を1550nm帯または780nm帯のいずれかに選択可能である。この場合、ファイバレーザ301の出力波帯に応じて、光伝導素子302のキャリア発生層103の構成を適宜選択する。
以上に述べた様に、本実施例の通信装置は、本発明の光伝導素子と、アンテナ部の間隙に出力をあててキャリアを発生させる超短パルスレーザと、発生したキャリアの伝搬状態を制御する電極部に接続された駆動ドライバと、変調部とを少なくとも有する。変調部は、駆動ドライバが電極部に供給する信号、或いは超短パルスレーザの出力を送信情報に従って変調する。そして、例えば、大気に存在するテラヘルツ波帯に特有の吸収波長域の成分を減少させるように、周波数特性を偏在させたテラヘルツ波を用いて通信を行う。
以上のような構成を有することにより、大気等が有する特徴的な吸収を回避し、テラヘルツ波を効率良く伝搬させることが可能となる。また、光伝導素子の励起光源として、ファイバレーザを用いることで、小型、安定、比較的安価な装置を提供することが可能となる。
光伝導素子の実施形態ないし実施例の構成を説明する図。 光伝導素子の別の実施形態ないし実施例の構成を説明する図。 光伝導素子をイメージング装置に適用した構成を説明する図。 ファイバレーザの構成を説明する図。 ファイバレーザの増幅部を説明する図。 ファイバレーザの分散補償部を説明する図。 パルス圧縮を行う構成を説明する図。 光伝導素子を通信装置に適用した一構成を説明する図。 光伝導素子を通信装置に適用した別の構成を説明する図。 光伝導素子を通信装置に適用した別の構成を説明する図。 通信装置における変調部の動作を説明する図。 実施例1の光伝導素子の電磁界解析結果を説明する図。 実施例1の光伝導素子の調整スタブの効果を説明する図。 実施例2の光伝導素子の電磁界解析結果を説明する図。 実施例2の光伝導素子の調整スタブの効果を説明する図。 実施例3の光伝導素子の電磁界解析結果を説明する図。 実施例3の光伝導素子の調整スタブの効果を説明する図。 実施例4の光伝導素子の電磁界解析結果を説明する図。 実施例4の光伝導素子の調整スタブの効果を説明する図。 イメージング装置の一適用例を説明する図。 実施例2の光伝導素子の測定結果を説明する図。 実施例3の光伝導素子の測定結果を説明する図。 実施例3の光伝導素子の測定結果を説明する図。 テラヘルツ波の発生方法の他の例を説明する図。 光伝導素子の一実施形態(第2の調整スタブ)の構成を説明する図。 光伝導素子の一実施形態(第1の調整スタブ)の構成を説明する図。 光伝導素子の一実施形態(第2の調整スタブ)の構成を説明する図。 光伝導素子の一実施形態(第1の調整スタブ)の構成を説明する図
符号の説明
101、2504、2604、2704、2804 アンテナ部(アンテナ)
102、2606、2806 第1の調整スタブ
103、2501、2601、2701、2801 キャリア発生層
104、2502、2503、2602、2603、2702、2802 電極部(電極)
104b ストリップ線路
202、2506、2706 第2の調整スタブ
301 超短パルスレーザ(ファイバレーザ)
302 光伝導素子(発生用)
303 光伝導素子(検出用)
304 駆動ドライバ
305 検出部
308 測定対象(サンプル)
801、901、1001 変調部
2409 フィルタ
2505、2605 照射位置
2607、2807 第1の調整スタブの端部(第1の調整スタブの先端、電極の端部)
2708、2808 接続部分

Claims (8)

  1. テラヘルツ波パルスを発生或いは検出するための光伝導素子であって、
    光照射によってキャリアを発生させるためのキャリア発生層と、
    前記キャリア発生層の一方の面に設けられた導体からなり、互いに並行して配置されているストリップ線路を含み構成される2つの電極部と、
    それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリア発生層に光を照射するための間隙を介して対向して配置されている2つのアンテナ部と、
    それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリアによって発生或いは検出されるテラヘルツ波の伝搬状態を調整するための2つの第1の調整スタブと、
    を有し、
    前記2つの第1の調整スタブは、夫々、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から、前記キャリアによって発生或いは検出されるテラヘルツ波の動作波長λ以下の範囲に位置し、前記ストリップ線路の長手方向の延長線上に接続される、長さをもった導体であり、
    前記2つの第1の調整スタブは、夫々、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から0.5λから0.8λの長さを有することにより、前記キャリアから発生される或いは前記キャリアが検出するテラヘルツ波の周波数特性が平坦化することを特徴とする光伝導素子。
  2. テラヘルツ波パルスを発生或いは検出するための光伝導素子であって、
    光照射によってキャリアを発生させるためのキャリア発生層と、
    前記キャリア発生層の一方の面に設けられた導体からなり、互いに並行して配置されているストリップ線路を含み構成される2つの電極部と、
    それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリア発生層に光を照射するための間隙を介して対向して配置されている2つのアンテナ部と、
    それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリアによって発生或いは検出されるテラヘルツ波の伝搬状態を調整するための2つの第1の調整スタブと、
    を有し、
    前記2つの第1の調整スタブは、夫々、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から、前記キャリアによって発生或いは検出されるテラヘルツ波の動作波長λ以下の範囲に位置し、前記ストリップ線路の長手方向の延長線上に接続される、長さをもった導体であり、
    前記2つの第1の調整スタブは、夫々、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から0.1λから0.5λの長さを有することにより、前記キャリアから発生される或は前記キャリアが検出するテラヘルツ波の周波数特性が偏在化することを特徴とする光伝導素子。
  3. テラヘルツ波パルスを発生或いは検出するための光伝導素子であって、
    光照射によってキャリアを発生させるためのキャリア発生層と、
    前記キャリア発生層の一方の面に設けられた導体からなり、互いに並行して配置されているストリップ線路を含み構成される2つの電極部と、
    それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリア発生層に光を照射するための間隙を介して対向して配置されている2つのアンテナ部と、
    それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリアによって発生或いは検出されるテラヘルツ波の伝搬状態を調整するための2つの第2の調整スタブと、
    を有し、
    前記2つの第2の調整スタブは、夫々、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から、前記キャリアによって発生或いは検出されるテラヘルツ波の動作波長λ以下の範囲に位置し、前記ストリップ線路の外縁に沿って、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から間隔を隔てて、接続する導体であり、
    前記2つの第2の調整スタブは、夫々、0.1λから0.2λの長さを有し、前記ストリップ線路の外縁に沿って、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から該第2の調整スタブの長さに等しい位置に接続されることにより、前記キャリアから発生される或は前記キャリアが検出するテラヘルツ波の周波数特性が平坦化することを特徴とする光伝導素子。
  4. テラヘルツ波パルスを発生或いは検出するための光伝導素子であって、
    光照射によってキャリアを発生させるためのキャリア発生層と、
    前記キャリア発生層の一方の面に設けられた導体からなり、互いに並行して配置されているストリップ線路を含み構成される2つの電極部と、
    それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリア発生層に光を照射するための間隙を介して対向して配置されている2つのアンテナ部と、
    それぞれが前記2つの電極部にそれぞれ接する導体からなり、前記キャリアによって発生或いは検出されるテラヘルツ波の伝搬状態を調整するための2つの第2の調整スタブと、
    を有し、
    前記2つの第2の調整スタブは、夫々、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から、前記キャリアによって発生或いは検出されるテラヘルツ波の動作波長λ以下の範囲に位置し、前記ストリップ線路の外縁に沿って、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から間隔を隔てて、接続する導体であり、
    前記2つの第2の調整スタブは、夫々、0.2λから0.5λの長さを有し、前記ストリップ線路の外縁に沿って、前記アンテナ部と前記電極部の接続部分から該第2の調整スタブの長さに等しい位置に接続されることにより、前記キャリアから発生される或は前記キャリアが検出するテラヘルツ波の周波数特性が偏在化することを特徴とする光伝導素子。
  5. 前記波長λは、前記2つのストリップ線路どうしの間隔dの2倍の長さであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光伝導素子。
  6. 前記光照射を行う位置は、前記2つのアンテナ部の間にあり、
    前記2つの第1の調整スタブまたは前記2つの第2の調整スタブが、夫々、前記照射位置から前記2つの電極の間隔dの2倍以内の距離に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光伝導素子。
  7. イメージング装置であって、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光伝導素子と、
    前記アンテナ部の間隙に出力をあててキャリアを発生させる超短パルスレーザと、
    発生したキャリアの伝搬状態を制御する前記電極部に接続された駆動ドライバと、を有し、
    前記光伝導素子からテラヘルツ波を発生させ、測定対象の表面及び内部の屈折率界面において反射したテラヘルツ波より、測定対象の内部構造情報を取得することを特徴とするイメージング装置。
  8. 通信装置であって、
    請求項2または4に記載の光伝導素子と、
    前記アンテナ部の間隙に出力をあててキャリアを発生させる超短パルスレーザと、
    発生したキャリアの伝搬状態を制御する前記電極部に接続された駆動ドライバと、
    前記駆動ドライバが前記電極部に供給する信号、或いは前記超短パルスレーザの出力を送信情報に従って変調する変調部と、を有し、
    大気に存在するテラヘルツ波の周波数帯域に特有の吸収波長域の成分を減少させるように、周波数特性を偏在させたテラヘルツ波を用いて通信を行うことを特徴とする通信装置。
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