JP5168684B2 - 時間分解分光システム,時間分解分光方法及びテラヘルツ波発生システム - Google Patents

時間分解分光システム,時間分解分光方法及びテラヘルツ波発生システム Download PDF

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Description

本発明は,時間分解分光システムなどに関する。具体的に説明すると,本発明は,変調可能な光パルス発生装置を含む,時間分解分光システムやテラヘルツ波発生システムなどに関する。また本発明は,超短光パルスを用いてテラヘルツ領域(100GHzから10THz)の電磁波の発生・検出システム又は分光システムなどに関する。
光通信や物性研究等の分野において,フェムト秒(10−15秒)〜ピコ秒(10−12秒)オーダの時間内で変化する光信号の利用が盛んに行われている。そして,このような光信号の変化は,時間分解能の高い時間分解分光計測により測定することができる。そこで,時間分解能の高い時間分解分光システムが望まれる。
図1は,従来の時間分解分光装置の構成例を示すブロック図である。図1に示されるように,従来の時間分解分光装置(101)は,超短光パルスレーザであるモード同期レーザ(102),レーザ光を分岐するビームスプリッタ(103),機械的に駆動される可動鏡(104),および光強度変調器(105)を含む。そして,1台の超短光パルスレーザからのパルス光を,ビームスプリッタにより2つあるいはそれ以上に分岐させる。そして,片方のパルス光を可動鏡で反射させることにより,他方の光パルスに対して任意の位置での到達時間を変化させる(非特許文献1)。この時間分解分光装置は,可動ステージの機械精度に起因するタイミング制御の不正確さや,測定時間が長時間になること,あるいは分岐したすべてのパルス光が同一の波長であるという問題があった。
図2は,従来の時間分解分光装置の構成例であって,図1に示されるものとは異なるものを示すブロック図である。図2に示されるように,従来の時間分解分光装置(111)として,2台の超短光パルスレーザ(112,113)を有するものがある。この時間分解分光装置は,超短光パルスレーザの片方あるいは双方のレーザのキャビティ長を精密に制御し,互いに異なる繰返し周波数で動作させることにより,任意の位置での光パルスの到達時間を変化させる
(非特許文献2)。この時間分解分光装置は,異なる繰返し周波数を得るためのキャビティ長の制御機構が複雑であること,それぞれの光パルスレーザに独立にタイミングジッタが存在し,エネルギー分解能,精度およびSN比に難点があり,それを制御する機構が複雑であるという問題点があった。
さらに,これら従来の時間分解分光装置は,光学系の精密な制御が必要であったため,環境の変化(たとえば,温度変化や振動)による外乱に弱いという欠点があり,さらには繰返し周波数がほぼ固定であること,および装置が大きいという欠点があった。
周波数1THz(テラヘルツ)周辺の電磁波領域(テラヘルツ波領域、例えばおよそ100GHz〜10THzの周波数領域)は,光波と電波の境界に位置する周波数領域である。この周波数領域は,光源や検出器などの開発が比較的遅れており,技術面でも応用面でも未開拓の部分が多い。そこで,効果的なテラヘルツ波発生システムの開発が望まれる。
Ultra fast Spectroscopy of Semiconductors and Semiconductor Nanostructures, 1.3節 Applied Physics Letters, vol. 87, p061101 (2005)
本発明は,外乱の影響を受けにくい時間分解分光システム,および分光方法を提供することを目的とする。
本発明は,精度を保ちつつ,遅延時間調整を行うことができる時間分解分光システム,および分光方法を提供することを目的とする。
本発明は,効果的な,テラヘルツ波発生システムを提供することを目的とする。
本発明は,基本的には,繰り返し周波数が可変である光パルス発生器を光源として用いることで,好ましい分解能を有する時間分解分光システムを提供できるという知見に基づくものである。特に,本発明では,光共振器を有しない光パルス発生器を用いることで,外乱の影響を受けにくい時間分解分光システムを提供できるという知見に基づくものである。
本発明の第1の側面は,時間分解分光システム(1)であって,連続光源(2)からの光が入力する光パルス発生器(3)と,前記光パルス発生器(3)を駆動するための駆動信号発生器(4)と,測定対象物からの光を検出するための光検出器(5)と,を具備し,前記光パルス発生器(3)で発生した光パルスを用いて検出光を得て,前記検出光を測定対象物に照射し,測定対象物からの透過光又は反射光を前記光検出器(5)が検出することにより分光分析を行う,時間分解分光システムに関する。
このように駆動信号発生器(4)を有する光パルス発生器(3)を用いることで,共振器などを用いない時間分解分光システムを提供できる。これにより外乱の影響を受けにくい,時間分解分光システムを提供できる。さらには,駆動信号発生器(4)により高周波信号を制御することで,光パルスの繰り返し周波数を容易に変化させることができ,容易に調整できるほか,遅延時間をも容易に制御できる,時間分解分光システムを提供できる。特に,光パルス発生器から光パルスの繰り返し周波数を調整し,超短パルスを発生させることで,テラヘルツ波を発生させ,テラヘルツ波を用いた時間分光システムをも提供することができる。
本発明の好ましい態様は,さらに,前記連続光源(2)の強度を変調するための強度変調手段(7)を具備し,前記強度変調手段(7)により強度変調された連続波光を前記光パルス発生器(3)へ入射し,強度変調された光パルスを得て,前記強度変調された光パルスを用いて分光分析を行う,上記に記載のシステムに関する。
従来は,光チョッパーなどの物理的手段を用いて強度変調を行っていた。しかしながら,この態様では,強度変調手段(7)を有するので,物理的に遮光して強度変調を行わなくても,強度変調信号を得ることができる。これにより,これにより外乱の影響を受けにくい,時間分解分光システムを提供できる。
この態様の具体的なものは,前記連続光源(2)が,半導体レーザであり,前記強度変調手段(7)が,前記半導体レーザを駆動するための変調信号発生器である,上記に記載のシステムである。
本発明の好ましい態様は,前記光パルス発生器から発生した光パルス信号を伝播する光ファイバをさらに具備する上記いずれかに記載のシステムに関する。なお,光ファイバは,光パルス信号を発生する光パルス発生装置として用いても良い。光ファイバを用いることで,対象物のごく近傍から光パルスを照射することができることとなる。さらには,光ファイバを用いることで,任意の場所から光パルスを放出することができることとなる。
本発明の好ましい態様は,前記光パルス発生器(3)を複数台含み,それぞれの前記光パルス発生器(3)を異なる繰り返し周波数で駆動することにより,遅延時間掃引を行う,上記いずれかに記載のシステムである。
複数台の光パルス発生器(3a,3b)を用いることで,光学素子を用いることなくポンプ光とプローブ光を得ることができることとなる。
本発明の好ましい態様は,前記光パルス発生器(3)を複数台含み,それぞれの駆動信号発生器(4)の駆動信号の周波数を制御することにより,前記光パルス発生器(3)から出力される光パルスの繰り返し周波数を制御し,これにより,遅延時間を制御できる,上記いずれかに記載のシステムである。
すなわち,図1に示されるような時間分解分光システムでは,可動ステージを用いて遅延時間を制御していた。しかしながら,可動ステージでは時間応答が良くなく,また,高い精度で調整することはできない。上記の態様では,光パルス発生器の駆動信号を調整するという簡単な方法により,精度良く遅延時間を制御できる。
本発明の好ましい態様は,前記光パルス発生器(3)は,光の入力部(12)と,前記入力部に入力した光が分岐する分岐部(13)と,前記分岐部(13)から分岐した光が伝播する第1の導波路(14)と,前記分岐部(13)から分岐した上記とは別の光が伝播する第2の導波路(15)と,前記第1の導波路と前記第2の導波路から出力される光信号が合波される合波部(16)と,前記合波部で合波された光信号が出力される光信号の出力部(17)とを含む導波路部分(18)と,を具備し;前記駆動信号発生器(4)は,前記第1の導波路を駆動する第1の駆動信号(19)と前記第2の導波路を駆動する第2の駆動信号(20)を得るための駆動信号系(21)と,前記第1の導波路及び前記第2の導波路に印加するバイアス信号(22,23)を得るためのバイアス信号系(24)と;を具備する上記いずれかに記載のシステムに関する。
光パルス発生器及び駆動信号発生器として,上記のものを用いることで,極めて均質であり,極めて応答性の高い光パルスを得ることができることとなる。これにより極めて高精度な時間分解分光システムを提供できることとなる。
本発明の好ましい態様は,前記駆動信号系(21)及びバイアス信号系(24)は,前記第1の駆動信号(19),前記第2の駆動信号(20)及びバイアス信号(22,23)が,下記式(I)を満たすように駆動する,上記に記載のシステムに関する。
ΔA+Δθ=π/2 (I)
(ここで,ΔA及びΔθは,それぞれΔA≡(A−A)/2,及びΔθ≡(θ−θ)/2と定義され,A及びAはそれぞれ第1の変調電極及び第2の変調電極に誘導される光位相シフト振幅を示し,θ及びθはそれぞれ第1の導波路及び第2の導波路内で誘導される光位相シフト量を示す)
後述するように,上記式(I)を満たすように駆動することにより,合波される2つの位相変調器(導波路と駆動信号を印加する電極とにより位相変調器を構成する。)からの光信号が互いに補い合って良好なスペクトル特性を光パルス信号を得ることができることとなる。
本発明の第2の側面は,時間分解分光システム(1)を用いた時間分解分光方法であって,前記時間分解分光システム(1)は,連続光源(2)からの光が入力する光パルス発生器(3)と,前記光パルス発生器(3)を駆動するための駆動信号発生器(4)と,測定対象物からの光を検出するための光検出器(5)と,を具備し,前記光パルス発生器(3)で発生した光パルスを用いて検出光を得て,前記検出光を測定対象物に照射し,測定対象物からの透過光又は反射光を前記光検出器(5)が検出することにより分光分析を行う,時間分解分光方法に関する。
上記の方法では,外部共振器などを用いずに分光分析を行うことができるので,外乱の影響を受けにくい分光方法を提供できる。
本発明の第2の側面の好ましい態様は,時間分解分光システム(1)を用いた時間分解分光方法であって,前記時間分解分光システム(1)は, 連続光源(2)からの光が入力する複数台の光パルス発生器(3a,3b)と,前記光パルス発生器(3a,3b)を駆動するための駆動信号発生器(4a,4b)と,測定対象物からの光を検出するための光検出器(5)と,を具備し,前記光パルス発生器(3a,3b)で発生した光パルスを用いて検出光を得て,前記検出光を測定対象物に照射し,測定対象物からの透過光又は反射光を前記光検出器(5)が検出することにより分光分析を行うとともに,それぞれの駆動信号発生器(4a,4b)の駆動信号の周波数を制御することにより,前記光パルス発生器(3a,3b)から出力される光パルスの繰り返し周波数を制御し,これにより,遅延時間を制御する,時間分解分光方法に関する。
本発明の第3の側面は,連続光源(2)からの光が入力する複数の光パルス発生器(3)を具備するテラヘルツ波発生システムであって,前記複数の光パルス発生器(3)を,それぞれ駆動するための駆動信号発生器(4)を具備することを特徴とする,システムに関する。
このテラヘルツ波発生システムは,テラヘルツ波発生システムの公知の構成に合わせて,基本的には先に説明した時間分解分光システムのあらゆる構成を採用することができる。先述したように,上記の構成を採用することで,本発明のテラヘルツ波発生システムは効果的に遅延時間を制御することができ,様々な周波数のテラヘルツ波を容易に発生できることとなる。
本発明の第3の側面の好ましい態様は,前記光パルス発生器(3)は,光の入力部(12)と,前記入力部に入力した光が分岐する分岐部(13)と,前記分岐部(13)から分岐した光が伝播する第1の導波路(14)と,前記分岐部(13)から分岐した上記とは別の光が伝播する第2の導波路(15)と,前記第1の導波路と前記第2の導波路から出力される光信号が合波される合波部(16)と,前記合波部で合波された光信号が出力される光信号の出力部(17)とを含む導波路部分(18)と,を具備し;前記駆動信号発生器(4)は,前記第1の導波路を駆動する第1の駆動信号(19)と前記第2の導波路を駆動する第2の駆動信号(20)を得るための駆動信号系(21)と,前記第1の導波路及び前記第2の導波路に印加するバイアス信号(22,23)を得るためのバイアス信号系(24)と,を具備する;上記に記載のシステムに関する。このような光パルス発生器及び駆動信号発生器を用いることで遅延時間を容易に調整することができ,その結果様々な周波数のテラヘルツ波を容易に発生できることとなる。
本発明の第4の側面は,テラヘルツ波を検出するための時間分解分光システム(1)であって,第1の連続光源からの光が入力する第1の光パルス発生器と,前記第1の光パルス発生器を駆動するための第1の駆動信号発生器と,前記第1の光パルス発生器から発生した光パルスが入射するテラヘルツ発生器と,第2の連続光源からの光が入力する第2の光パルス発生器と,前記第2の光パルス発生器を駆動するための第2の駆動信号発生器と, 前記第2の光パルス発生器から発生した光パルスが入射し,前記テラヘルツ発生器から発生したテラヘルツ波が測定対象物に照射され,前記測定対象物からの光を検出する,テラヘルツ検出器を具備する,システムに関する。
本発明によれば,外乱の影響を受けにくい時間分解分光システム,および分光方法を提供することができる。
本発明によれば,精度を保ちつつ,遅延時間調整を行うことができる時間分解分光システム,および分光方法を提供することができる。
本発明によれば,容易かつ正確に遅延時間調整を行うことができるので,効果的なテラヘルツ波発生システムを提供することができる。
以下,図面を用いて本発明を具体的に説明する。図3は,本発明の時間分解分光システムを説明するためのブロック図である。図3に示されるように,本発明の第1の側面は,時間分解分光システム(1)であって,連続光源(2)からの光が入力する光パルス発生器(3)と,前記光パルス発生器(3)を駆動するための駆動信号発生器(4)と,測定対象物からの光を検出するための光検出器(5)と,を具備し,前記光パルス発生器(3)で発生した光パルスを用いて検出光を得て,前記検出光を測定対象物に照射し,測定対象物からの透過光又は反射光を前記光検出器(5)が,検出することにより分光分析を行う,時間分解分光システムに関する。検出光として,ポンプ光及びプローブ光があげられる。以下,ポンプ・プローブ測定に基づいて説明するが,四光波混合測定などの時間分解計測においても本発明の時間分解分光システムを適用することができる。駆動信号発生器(4)からの駆動信号は,高周波信号であるものが好ましく,高周波信号の周波数として,例えば1GHz〜100GHzがあげられる。
連続光源として,連続光(CW)を出力できる光源があげられ,分布帰還型半導体レーザ(DFBレーザ)があげられる。定光出力動作タイプのDFBレーザが,高い単一波長選択性を有するので好ましい。光の帯域として,C−bandのみならず,その長波側のL−band又はその短波側のS−bandであってもよい。光強度として,1mW〜50mWがあげられる。
このように駆動信号発生器(4)を有する光パルス発生器(3)を用いることで,共振器などを用いない時間分解分光システムを提供できる。これにより外乱の影響を受けにくい,時間分解分光システムを提供できる。さらには,駆動信号発生器(4)により高周波信号を制御することで,光パルスの繰り返し周波数を容易に変化させることができ,容易に調整できるほか,遅延時間をも容易に制御できる,時間分解分光システムを提供できる。特に,光パルス発生器から光パルスの繰り返し周波数を調整し,超短パルスを発生させることで,テラヘルツ波を発生させ,テラヘルツ波を用いた時間分光システムをも提供することができる。この場合,たとえば,光路に適宜テラヘルツ波を発生させるためのテラヘルツ発生装置を設置すればよい。具体的には,アンテナを有する光スイッチを,各光パルスの経路に設置して,それぞれの光パルスの遅延を制御すればよい。
また,図3に示されるように,本発明の好ましい態様は,さらに,前記連続光源(2)の強度を変調するための強度変調手段(7)を具備し,前記強度変調手段(7)により強度変調された連続波光を前記光パルス発生器(3)へ入射し,強度変調された光パルスを得て,前記強度変調された光パルスを用いて分光分析を行う,上記に記載のシステムに関する。
従来は,光チョッパーなどの物理的手段を用いて強度変調を行っていた。しかしながら,この態様では,強度変調手段(7)を有するので,物理的に遮光して強度変調を行わなくても,強度変調信号を得ることができる。これにより,これにより外乱の影響を受けにくい,時間分解分光システムを提供できる。
この態様の具体的なものは,前記連続光源(2)が,半導体レーザであり,前記強度変調手段(7)が,前記半導体レーザを駆動するための変調信号発生器である,上記に記載のシステムである。具体的には,変調信号発生器により半導体レーザを駆動し,ON/OFF制御を迅速に行うものがあげられる。
本発明の好ましい態様は,前記光パルス発生器から発生した光パルス信号を伝播する光ファイバをさらに具備する上記いずれかに記載のシステムに関する。なお,光ファイバは,光パルス信号を発生する光パルス発生装置として用いても良い。光ファイバを用いることで,対象物のごく近傍から光パルスを照射することができることとなる。さらには,光ファイバを用いることで,任意の場所から光パルスを放出することができることとなる。
図4は,本発明の時間分解分光システムを説明するためのブロック図である。図4に示されるように本発明の好ましい態様は,前記光パルス発生器を複数台(3a,3b)含み,それぞれの前記光パルス発生器(3a,3b)を異なる繰り返し周波数で駆動することにより,遅延時間掃引を行う,時間分解分光システムである。
複数台の光パルス発生器(3a,3b)を用いることで,光学素子を用いることなくポンプ光とプローブ光を得ることができることとなる。
本発明の好ましい態様は,前記光パルス発生器(3)を複数台含み,それぞれの駆動信号発生器(4)の駆動信号の周波数を制御することにより,前記光パルス発生器(3)から出力される光パルスの繰り返し周波数を制御し,これにより,遅延時間を制御できる,上記いずれかに記載のシステムである。
すなわち,図1に示されるような時間分解分光装置では,可動ステージを用いて遅延時間を制御していた。しかしながら,可動ステージでは時間応答が良くなく,また,高い精度で調整することはできない。上記の態様では,光パルス発生器の駆動信号を調整するという簡単な方法により,精度良く遅延時間を制御できる。
図5は,本発明の時間分解分光を説明するための図である。図5に示されるように,一方の光パルス発生器を周波数fで駆動し,他方をfで駆動させた場合,時間分解能はΔτ(タウ)= 1/f − 1/fで決まる。ただし,f
> fである。例えば,f=1GHz,f=1.001GHz(周波数差: 1MHz)で駆動した場合,100fsの時間分解能で測定できる。また,それらの光パルス発生器を,独立に駆動できるため,入力連続光の波長を変えるだけでパルス光の波長が異なるパルス列の組を生成できる。 また,本発明によれば,2つの光路長を合わせるための光学系が必要なくなる。これによりシステムをより簡素化でき,温度や振動等の外乱に強い時間分解分光システムを構築できることとなる。
図6は,本発明の好ましい光パルス発生器の例を示す図である。図6に示されるように, 本発明の好ましい態様は,前記光パルス発生器(3)は,光の入力部(12)と,前記入力部に入力した光が分岐する分岐部(13)と,前記分岐部(13)から分岐した光が伝播する第1の導波路(14)と,前記分岐部(13)から分岐した上記とは別の光が伝播する第2の導波路(15)と,前記第1の導波路と前記第2の導波路から出力される光信号が合波される合波部(16)と,前記合波部で合波された光信号が出力される光信号の出力部(17)とを含む導波路部分(18)と,を具備し;前記駆動信号発生器(4)は,前記第1の導波路を駆動する第1の駆動信号(19)と前記第2の導波路を駆動する第2の駆動信号(20)を得るための駆動信号系(21)と,前記第1の導波路及び前記第2の導波路に印加するバイアス信号(22,23)を得るためのバイアス信号系(24)と;を具備する上記いずれかに記載のシステムに関する。
上記の導波路は,光SSB変調器用などに用いられているものを適宜採用すればよい。光SSB変調器は,変調信号の周波数(f)分だけシフトした出力光を得ることができる光変調器である(S. Shimotsu, S. Oikawa, T. Saitou, N. Mitsugi, K. Kubodera, T. Kawanishi and M. Izutsu, “Single Side-Band Modulation Performance of a LiNbO3 Integrated Modulator Consisting of Four-Phase Modulator Wavegate,” IEEE Photon. Tech. Lett., Vol. 13, 364-366 (2001),「下津臣一,井筒雅之,"次世代通信のためのLiNbO3光SSB変調器",光アライアンス, 2000.7. pp. 27-30」)。
光パルス発生器及び駆動信号発生器として,上記のものを用いることで,極めて均質であり,極めて応答性の高い光パルスを得ることができることとなる。これにより極めて高精度な時間分解分光装置を提供できることとなる。
本発明の好ましい態様は,前記駆動信号系(21)及びバイアス信号系(24)は,前記第1の駆動信号(19),前記第2の駆動信号(20)及びバイアス信号(22,23)が,下記式(I)を満たすように駆動する,上記に記載のシステムに関する。
ΔA+Δθ=π/2 (I)
(ここで,ΔA及びΔθは,それぞれΔA≡(A−A)/2,及びΔθ≡(θ−θ)/2と定義され,A及びAはそれぞれ第1の変調電極及び第2の変調電極に誘導される光位相シフト振幅を示し,θ及びθはそれぞれ第1の導波路及び第2の導波路内で誘導される光位相シフト量を示す)
後述するように,上記式(I)を満たすように駆動することにより,合波される2つの位相変調器(導波路と駆動信号を印加する電極とにより位相変調器を構成する。)からの光信号が互いに補い合って良好なスペクトル特性を光パルス信号を得ることができることとなる。
マハツェンダ変調器の各アームを駆動するRF信号をそれぞれRF−aおよびRF−bとする。RF−aおよびRF−bは,振幅をそれぞれA(これはAに対応する。)及びA(これはAに対応する)とし,変調周波数をωとすると,以下の式(1)ように表すことができる。
RF−a=Aasinωt, RF−b=Absinωt (1)
一方,マハツェンダ変調器への入力光の振幅をEinとすると,マハツェンダ変調器の出力光による電界Eoutは,式(2)で表すことができる。ただし,式(2)中,J(・)は,k次のベッセル関数を表す。
Figure 0005168684
次に,変換効率ηを,k次の周波数コム成分強度Pの入力光強度Pinに対する相対比として定義する。駆動振動が大振幅信号である時,すなわち,A(t)(i=aまたはb)が十分に大きい時,変換効率ηは,下式(3)のように近似展開できる。
Figure 0005168684
ただし,/A(エーバー),ΔA及びΔθはそれぞれ,次式(4)で定義される。
/A≡(A+A)/2, ΔA≡(A−A)/2,Δθ≡(θ−θ)/2 (4)
ここで,平坦なスペクトル特性を得る条件は,ηがkに依存しない時,すなわち式(3)が変調次数kに対して独立となる時である。よって,平坦なスペクトル特性を得る条件は,式(5)と導かれる。
ΔA+Δθ=π/2 (5)
従って,上記の光パルス発生装置を用いれば,平坦なスペクトル特性を持ったパルス光源を得ることができ,式(5)を満たすようにマハツェンダ変調器を駆動すれば平坦なスペクトル特性を有する光パルスを得ることができることがわかる。
[変換効率の最大化]
次にこのスペクトル平坦化条件の下で変換効率ηが最大化される条件を求める。式(5)を式(3)に代入すると,変換効率ηは,次式(6)のように簡単な式で表すことができる。
Figure 0005168684
従って,式(7)を満たすときに,変換効率ηは最大化されることがわかる。
ΔA=Δθ=π/4 (7)
そして,式(7)を満たす時の最大変換効率ηk,maxは次式(8)で表すことができる。
Figure 0005168684
以上から,マハツェンダ変調器により平坦な光パルスを得るための式は式(5)(ΔA+Δθ=π/2)であるといえる。一方,平坦化条件式を満たしつつ光パルスの生成化効率が最大となるのは,最大効率平坦化条件である式(7)(ΔA=Δθ=π/4)を満たす場合である。なお,式(7)は,マハツェンダ変調器が2/π点にバイアスされ,駆動正弦波信号RF−a及びRF−bにより誘導される位相変移の最大位相差がπであることを意味する。
本発明の第2の側面は,時間分解分光システム(1)を用いた時間分解分光方法であって,前記時間分解分光システム(1)は,連続光源(2)からの光が入力する光パルス発生器(3)と,前記光パルス発生器(3)を駆動するための駆動信号発生器(4)と,測定対象物からの光を検出するための光検出器(5)と,を具備し,前記光パルス発生器(3)で発生した光パルスを用いて検出光を得て,前記検出光を測定対象物に照射し,測定対象物からの透過光又は反射光を前記光検出器(5)が検出することにより分光分析を行う,時間分解分光方法に関する。
上記の方法では,外部共振器などを用いずに分光分析を行うことができるので,外乱の影響を受けにくい分光方法を提供できる。
本発明の第2の側面の好ましい態様は,時間分解分光システム(1)を用いた時間分解分光方法であって,前記時間分解分光システム(1)は,連続光源(2)からの光が入力する複数台の光パルス発生器(3a,3b)と,前記光パルス発生器(3a,3b)を駆動するための駆動信号発生器(4a,4b)と,測定対象物からの光を検出するための光検出器(5)と,を具備し,前記光パルス発生器(3a,3b)で発生した光パルスを用いて検出光を得て,前記検出光を測定対象物に照射し,測定対象物からの透過光又は反射光を前記光検出器(5)が検出することにより分光分析を行うとともに,それぞれの駆動信号発生器(4a,4b)の駆動信号の周波数を制御することにより,前記光パルス発生器(3a,3b)から出力される光パルスの繰り返し周波数を制御し,これにより,遅延時間を制御する,時間分解分光方法に関する。
本発明の第3の側面は,連続光源(2)からの光が入力する複数の光パルス発生器(3)を具備するテラヘルツ波発生システムであって,前記複数の光パルス発生器(3)を,それぞれ駆動するための駆動信号発生器(4)を具備することを特徴とする,システムに関する。
このテラヘルツ波発生システムは,テラヘルツ波発生システムの公知の構成に合わせて,基本的には先に説明した時間分解分光システムのあらゆる構成を採用することができる。先述したように,上記の構成を採用することで,本発明のテラヘルツ波発生システムは効果的に遅延時間を制御することができ,様々な周波数のテラヘルツ波を容易に発生できることとなる。
テラヘルツ波発生システムとして,たとえば米国特許第5401953号明細書などに開示されている公知のものを適宜用いることができる。具体的には,アレイ状などの光スイッチアレイを用いた光スイッチ素子及び電圧制御装置を具備するものがあげられる。この光スイッチ素子は、伝送線路と、伝送線路間に設置された微少ダイポールアンテナを含む光スイッチとを具備する。伝送線路は,たとえば全ての光スイッチに対して共通に接続されており、リード線によって電圧制御装置に接続されている。一方、伝送線路は各々の光スイッチに対して分割されており、各々がリード線によって電圧制御装置に接続されている。このような構成によって、電圧制御装置により光スイッチに印加される電圧を各々別個に設定・制御することができる。
各光スイッチは、テラヘルツ波を出力するアンテナとしての機能も有しており、光パルス光源からの光パルスが入射するとパルス状の電流が流れて、それによって各光スイッチからテラヘルツ波が発生・出力される。
本発明の第3の側面の好ましい態様は,前記光パルス発生器(3)は,光の入力部(12)と,前記入力部に入力した光が分岐する分岐部(13)と,前記分岐部(13)から分岐した光が伝播する第1の導波路(14)と,前記分岐部(13)から分岐した上記とは別の光が伝播する第2の導波路(15)と,前記第1の導波路と前記第2の導波路から出力される光信号が合波される合波部(16)と,前記合波部で合波された光信号が出力される光信号の出力部(17)とを含む導波路部分(18)と,を具備し;前記駆動信号発生器(4)は,前記第1の導波路を駆動する第1の駆動信号(19)と前記第2の導波路を駆動する第2の駆動信号(20)を得るための駆動信号系(21)と,前記第1の導波路及び前記第2の導波路に印加するバイアス信号(22,23)を得るためのバイアス信号系(24)と,を具備する;上記に記載のシステムに関する。このような光パルス発生器及び駆動信号発生器を用いることで遅延時間を容易に調整することができ,その結果様々な周波数のテラヘルツ波を容易に発生できることとなる。
本発明の第4の側面は,テラヘルツ波を検出するための時間分解分光システム(1)であって,第1の連続光源からの光が入力する第1の光パルス発生器と,前記第1の光パルス発生器を駆動するための第1の駆動信号発生器と,前記第1の光パルス発生器から発生した光パルスが入射するテラヘルツ発生器と,第2の連続光源からの光が入力する第2の光パルス発生器と,前記第2の光パルス発生器を駆動するための第2の駆動信号発生器と, 前記第2の光パルス発生器から発生した光パルスが入射し,前記テラヘルツ発生器から発生したテラヘルツ波が測定対象物に照射され,前記測定対象物からの光を検出する,テラヘルツ検出器を具備する,システムに関する。それぞれの駆動信号を制御し,光パルス発生器の駆動周波数をΔτ(タウ)に従って必要な時間分解能を満たすように設定することにより,時間分解分光計測を行うことができる。
時間掃引システム
図7は,実施例1における時間分解分光システムを示すブロック図である。この時間分解分光システムでは,光パルス発生器を高周波正弦波信号で駆動する。そして,直接変調を施した半導体レーザからのレーザ光を,光パルス発生器へ入射する。発生した光パルスをビームスプリッタにより分岐し,一方を可動ステージに固定したミラーにより反射させる。そして,可動ステージを連続的に掃引することにより,他方の光パルスに対して時間遅延を得る。そして,これらの光パルスを検出対象に照射して,図示しない光検出器により透過光又は反射光を検出する。このようにして,時間分解分光を行うことができる。この時間分解分光システムによれば,タイミングジッタが抑制した状態で測定できることとなる。また,時間分解分光システムによれば,光強度変調器が不要となるので,システムを簡素化できる。
複数の光パルス発生器を用いた時間分解分光システム
図8は,実施例2における時間分解分光システムを示すブロック図である。図8に示されるように,この時間分解分光システムは,2台の光パルス光源をそれぞれ異なる周波数の正弦波信号で駆動して光パルスを発生させる。一方をポンプ光パルス,他方をプローブ光パルスとする。それぞれの光パルスは,たとえば,非線形圧縮ファイバに入射することにより,フェムト秒などのより短い時間幅の光パルスにすることができる。すなわち,光パルス発生器からの出力光をファイバに入力し,ファイバからの出力光を検出対象物に照射するものは,本発明の好ましい態様である。ポンプおよびプローブ光パルスを検出対象物に入射し,プローブ光パルスの透過光あるいは反射光を光検出器により検出する。この光検出器として,プローブ光の繰返し周波数をカバーする帯域を持つものが好ましい。光パルス発生器の駆動周波数をΔτ(タウ)に従って必要な時間分解能を満たすように設定することにより,時間分解分光計測を行うことができる。本方法を用いることにより,可動ステージや両パルス光の光路長を合わせるための光学系が必要なくなり,外乱に対して安定な測定が可能となる。また,半導体レーザおよび駆動信号周波数を変えることにより,光パルスの波長および繰返し周波数の制御性が向上した時間分解計測を行うことができることとなる。
テラヘルツ波発生・検出法
図9は,テラヘルツ波発生・検出法を説明するための図である。すなわち,本発明の時間分解分光システムを用いることで,テラヘルツ波を検出できることを示す。図9に示されるように光パルス発生器,テラヘルツ発生器,テラヘルツ検出器およびテラヘルツ波光学系を具備する。第1の光源からの光パルスをテラヘルツ発生器に入射し,テラヘルツ波を発生させる。発生したテラヘルツ波を,テラヘルツ光学系を用いてテラヘルツ検出器に導く。第2の光源からの光パルスをテラヘルツ検出器に入射し,テラヘルツ波を検出する。光パルス発生器の駆動周波数をΔτ(タウ)に従って必要な時間分解能を満たすように設定することにより,時間分解分光計測を行うことができる。
本発明は,分光分析用装置産業などの分野において好適に利用されうる。
本発明は,光情報通信などの分野において好適に利用されうる。
また本発明は,超短光パルスを用いてテラヘルツ領域(100GHzから10THz)の電磁波の発生・検出および分光にも用いることができる。
図1は,従来の時間分解分光装置の構成例を示すブロック図である。 図2は,従来の時間分解分光装置の構成例であって,図1に示されるものとは異なるものを示すブロック図である。 図3は,本発明の時間分解分光システムを説明するためのブロック図である。 図4は,本発明の時間分解分光システムを説明するためのブロック図である。 図5は,本発明の時間分解分光を説明するための図である。 図6は,本発明の好ましい光パルス発生器の例を示す図である。 図7は,実施例1における時間分解分光システムを示すブロック図である。 図8は,実施例2における時間分解分光システムを示すブロック図である。 図9は,テラヘルツ波発生・検出法を説明するための図である。
符号の説明
1 時間分解分光システム, 2 連続光源, 3 光パルス発生器, 4 駆動信号発生器, 5 光検出器, 7 強度変調手段

Claims (9)

  1. 時間分解分光システム(1)であって,
    連続光源(2)からの光が入力する光パルス発生器(3)と,
    前記光パルス発生器(3)を駆動するための駆動信号発生器(4)と,
    測定対象物からの光を検出するための光検出器(5)と,
    を具備し,
    前記光パルス発生器(3)は,
    光の入力部(12)と,前記入力部に入力した光が分岐する分岐部(13)と,前記分岐部(13)から分岐した光が伝播する第1の導波路(14)と,前記分岐部(13)から分岐した上記とは別の光が伝播する第2の導波路(15)と,前記第1の導波路と前記第2の導波路から出力される光信号が合波される合波部(16)と,前記合波部で合波された光信号が出力される光信号の出力部(17)とを含む導波路部分(18)と,を具備し;
    前記駆動信号発生器(4)は,
    前記第1の導波路を駆動する第1の駆動信号(19)と前記第2の導波路を駆動する第2の駆動信号(20)を得るための駆動信号系(21)と,前記第1の導波路及び前記第2の導波路に印加するバイアス信号(22,23)を得るためのバイアス信号系(24)と,を具備し;
    前記光パルス発生器(3)で発生した光パルスを用いて検出光を得て,前記検出光を測定対象物に照射し,測定対象物からの透過光又は反射光を前記光検出器(5)が検出する
    ことにより分光分析を行う,
    時間分解分光システム。
  2. さらに,前記連続光源(2)の強度を変調するための強度変調手段(7)を具備し,
    前記強度変調手段(7)により強度変調された連続波光を前記光パルス発生器(3)へ入射し,強度変調された光パルスを得て,前記強度変調された光パルスを用いて分光分析を行う,
    請求項1に記載のシステム。
  3. 前記連続光源(2)が,半導体レーザであり,
    前記強度変調手段(7)が,前記半導体レーザを駆動するための変調信号発生器である,
    請求項2に記載のシステム。
  4. 前記光パルス発生器から発生した光パルス信号を伝播する光ファイバをさらに具備する請求項1に記載のシステム。
  5. 前記光パルス発生器(3)を複数台含み,
    それぞれの前記光パルス発生器(3)を異なる繰り返し周波数で駆動することにより,
    遅延時間掃引を行う,請求項1に記載のシステム。
  6. 前記光パルス発生器(3)を複数台含み,
    それぞれの駆動信号発生器(4)の駆動信号の周波数を制御することにより,前記光パルス発生器(3)から出力される光パルスの繰り返し周波数を制御し,これにより,遅延時間を制御できる,請求項1に記載のシステム。
  7. 前記駆動信号系(21)及びバイアス信号系(24)は,前記第1の駆動信号(19),前記第2の駆動信号(20)及びバイアス信号(22,23)が,下記式(I)を満たすように駆動する,請求項1に記載のシステム。
    ΔA+Δθ=π/2 (I)
    (ここで,ΔA及びΔθは,それぞれΔA≡(A1−A2)/2,及びΔθ≡(θ1−θ2)/2と定義され,A1及びA2はそれぞれ第1の変調電極及び第2の変調電極に誘導される光位相シフト振幅を示し,θ1及びθ2はそれぞれ第1の導波路及び第2の導波路内で誘導される光位相シフト量を示す)
  8. 時間分解分光システム(1)を用いた時間分解分光方法であって,
    前記時間分解分光システム(1)は,
    連続光源(2)からの光が入力する光パルス発生器(3)と,
    前記光パルス発生器(3)を駆動するための駆動信号発生器(4)と,
    測定対象物からの光を検出するための光検出器(5)と,
    を具備し,
    前記光パルス発生器(3)は,
    光の入力部(12)と,前記入力部に入力した光が分岐する分岐部(13)と,前記分岐部(13)から分岐した光が伝播する第1の導波路(14)と,前記分岐部(13)から分岐した上記とは別の光が伝播する第2の導波路(15)と,前記第1の導波路と前記第2の導波路から出力される光信号が合波される合波部(16)と,前記合波部で合波された光信号が出力される光信号の出力部(17)とを含む導波路部分(18)と,を具備し;
    前記駆動信号発生器(4)は,
    前記第1の導波路を駆動する第1の駆動信号(19)と前記第2の導波路を駆動する第2の駆動信号(20)を得るための駆動信号系(21)と,前記第1の導波路及び前記第2の導波路に印加するバイアス信号(22,23)を得るためのバイアス信号系(24)と,を具備し;
    前記光パルス発生器(3)で発生した光パルスを用いて検出光を得て,前記検出光を測定対象物に照射し,測定対象物からの透過光又は反射光を前記光検出器(5)が検出することにより分光分析を行う,
    時間分解分光方法。
  9. 時間分解分光システム(1)を用いた時間分解分光方法であって,
    前記時間分解分光システム(1)は,
    連続光源(2)からの光が入力する複数台の光パルス発生器(3a,3b)と,
    前記光パルス発生器(3a,3b)を駆動するための駆動信号発生器(4a,4b)と,
    測定対象物からの光を検出するための光検出器(5)と,
    を具備し,
    前記光パルス発生器(3a,3b)は,
    光の入力部(12)と,前記入力部に入力した光が分岐する分岐部(13)と,前記分岐部(13)から分岐した光が伝播する第1の導波路(14)と,前記分岐部(13)から分岐した上記とは別の光が伝播する第2の導波路(15)と,前記第1の導波路と前記第2の導波路から出力される光信号が合波される合波部(16)と,前記合波部で合波された光信号が出力される光信号の出力部(17)とを含む導波路部分(18)と,を具備し;
    前記駆動信号発生器(4a,4b)は,
    前記第1の導波路を駆動する第1の駆動信号(19)と前記第2の導波路を駆動する第2の駆動信号(20)を得るための駆動信号系(21)と,前記第1の導波路及び前記第2の導波路に印加するバイアス信号(22,23)を得るためのバイアス信号系(24)と,を具備し;
    前記光パルス発生器(3a,3b)で発生した光パルスを用いて検出光を得て,前記検出光を測定対象物に照射し,測定対象物からの透過光又は反射光を前記光検出器(5)が検出することにより分光分析を行うとともに,
    それぞれの駆動信号発生器(4a,4b)の駆動信号の周波数を制御することにより,前記光パルス発生器(3a,3b)から出力される光パルスの繰り返し周波数を制御し,これにより,遅延時間を制御する,
    時間分解分光方法。
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