JP5282940B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の電動モータを用いた場合にも、騒音の発生を抑制することができる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
また、上記アクチュエータおよび上記第1の減速機構が、共通のハウジング(19;19E)に収容されており、上記ハウジング内に上記潤滑剤が収容されている場合がある(請求項3)。この場合、ハウジング内に収容された潤滑剤によって第1の減速機構を潤沢に潤滑することができる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態の車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置の構成を模式的に示す概略図である。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結される中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されるピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン歯7aに噛み合うラック歯8aを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラックバー8とを有している。ピニオン軸7およびラックバー8により、ラックアンドピニオン機構からなる舵取り機構Aが構成されている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン歯7aおよびラック歯8aによって、自動車の左右方向に沿ってのラックバー8の直線運動に変換される。これにより、転舵輪11の転舵が達成される。
トーションバー12を介するアッパーおよびロアーシャフト3a,3b間の相対回転変位量により操舵トルクを検出するトルクセンサ13が設けられており、このトルクセンサ13のトルク検出結果は、ECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)14に与えられる。ECU14では、トルク検出結果や車速センサ15から与えられる車速検出結果等に基づいて、操舵力(本実施の形態では操舵補助力)を発生するためのアクチュエータとしての第1および第2の電動モータ161,162を駆動制御する。
第1および第2の電動モータ161,162と、第1の減速機構17と、第1および第2の電動モータ161,162並びに第1の減速機構17を収容するハウジング19とを含む単一のユニットとしてのサブアセンブリSAが構成されている。
第2の減速機構18は、第1および第2の電動モータ161,162により第1の減速機構17を介して回転駆動されるウォーム軸23と、このウォーム軸23に噛み合うと共にステアリングシャフト3のロアーシャフト3bに同行回転可能に連結されたウォームホイール24を備えている。すなわち第2の減速機構18はウォームギヤ機構により構成されている。
第1の支持板25および第2の支持板26の間に、両支持板25,26間の間隔を規制するための複数の筒状のスペーサ29が介在している。そのスペーサ29に挿通された固定ねじ30を用いて、第1の支持板25および第2の支持板26が互いに固定されている。例えば、第2の支持板26のねじ挿通孔を挿通した固定ねじ30が、第1の支持板25に形成されたねじ孔31にねじ込まれることにより、両支持板25,26間にスペーサ29が挟持され、その結果、両支持板25,26が互いに固定されている。
具体的には、第2の支持板26の第1の面37側から、第2の支持板26のねじ挿通孔40を通して、モータハウジング39の端壁41のねじ孔42にねじ込まれた固定ねじ43を用いて、モータハウジング39が、第2の支持板26に固定されている。
上記本体101の内周に、駆動歯車211,212に噛み合う歯が形成されている。また、端壁102の中心に形成された嵌合孔103に、支軸32が同行回転可能に、例えば圧入により嵌合している。端壁102と第2の支持板26との間に、駆動歯車211,212が配置されている。
上記緩衝材粒子のもとになる軟質樹脂としては、例えばポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
図5を参照して、支軸32は、従動歯車22とは同行回転可能に且つ軸方向に同行移動可能に設けられている。支軸32は軸方向に浮動状に支持されている。具体的には、第1の軸受35は、第1の支持板25の第1の支持孔33に圧入された外輪51と、支軸32がルーズフィットで嵌合された内輪52と、外輪51および内輪52の間に介在する転動体53とを有する玉軸受からなる。
支軸32の外周には、支軸32の軸方向に同行移動可能な環状の第1および第2の押圧板54,55が取り付けられている。第1の押圧板54は、第1の軸受35と従動歯車22との間に配置され、第1の軸受35の内輪52の端面52aと第1の押圧板54との間に、例えばゴム製の環状の弾性部材56が圧縮状態で介在している。
したがって、従動歯車22に働くスラスト力を弾性部材56,57によって弾性的に受けることができるので、上記スラスト力に起因した、駆動歯車211,212および従動歯車22の伝達効率の低下を抑制することができ、また、上記スラスト力に起因して支軸32と各支持板25,26との間に発生する振動を抑制することができる。
ウォームホイール24は、ステアリングシャフト3のロアーシャフト3bの軸方向中間部に同行回転可能に且つ軸方向移動不能に連結されている。ウォームホイール24は、ロアーシャフト3bに一体回転可能に結合される環状の芯金58と、芯金58の周囲を取り囲み外周に歯部59aを形成した合成樹脂部材59とを備える。芯金58は、例えば合成樹脂部材59の樹脂成形時に金型内にインサートされるものである。
第3および第4の軸受64,65の内輪66,67が、それぞれ、ウォーム軸23の第1および第2の端部23a,23bに一体回転可能に嵌合されている。各内輪66,67は、ウォーム軸23の対応する互いに逆向きの位置決め段部23d,23eに、それぞれ当接している。第3および第4の軸受66,67の外輪68,69は、ギヤハウジング27の対応する軸受保持孔70,71に保持されている。
本実施の形態によれば、従動歯車22内に溜められた潤滑剤Lが、従動歯車22の回転に伴う遠心力を受けて、従動歯車22の内周22aに集まるので、従動歯車22の内周22aに潤滑剤Lを潤沢に保持することができる。したがって、従動歯車22およびこれに内接する駆動歯車211,212の伝動領域Bに生ずる振動や騒音を低減することができる。
特に、小型で高回転型の電動モータ161,162と高減速比の第1の減速機構17を組み合わせることで、小型でも、高出力を得ることが可能となる。また、複数の電動モータ161,162および第1の減速機構17等をサブアセンブリSAとし予め組み立てておくことができるので、組み立て性がよい。
具体的には、下記の表1のモード1に示すように、通常動作のときは、第1の電動モータ161を左右の操舵に用い、残りの第2の電動モータ162を右操舵のみに用い、第3の電動モータ163を左操舵のみに用いる場合がある。この場合、左操舵および右操舵のそれぞれにおいて、2つの電動モータを用いることになり、各操舵のための十分な出力を得ることができる。
モード2では、第1の電動モータ161に対する駆動制御を停止し、且つ、正常に機能している第2および第3の電動モータ162,163を、それぞれ、通常のときと同じように、右操舵および左操舵にそれぞれ寄与させる。ただし、フェールのときには、操舵のための出力が、通常のときの出力の半分となる。
次いで、右操舵に用いていた第2の電動モータ162にフェールが発生したときには、モード4の制御を実施するようにしてもよいし、また、モード4に代えて、モード5の制御を実施するようにしてもよい。
モード6では、第3の電動モータ163に対する駆動制御を停止し、且つ、正常に機能している第1の電動モータ161および第2の電動モータ162を、通常のときと同じように機能させる。すなわち、第1の電動モータ161を左操舵および右操舵に寄与させる。また、第2の電動モータ162を右操舵のみに寄与させる。ただし、モード6では、フェールのときに左操舵のための出力が、通常のときの半分となる。
4つの電動モータ161〜164を設ける場合、下記の表2のモード1に示すように、通常動作のときは、第1および第3の電動モータ161,163を右操舵のみに用い、第2および第4の電動モータ162,164を左操舵のみに用いる場合がある。この場合、左操舵および右操舵のそれぞれにおいて、2つの電動モータを用いることになり、各操舵のための十分な出力を得ることができる。
各電動モータ161,162のモータハウジング39が、ハウジング19Eに固定されている。また、ウォームホイール24の残りの部分を収容するギヤハウジング27Eと、ハウジング19Eとが、互いに対向する対向板85,86を有している。これらの対向板85,86間に、例えばゴム板などの弾性体87が介在する状態で、両対向板85,86がねじ88により、ねじ88の軸方向に相対移動可能に連結されている。サブアセンブリSA1のハウジング19Eが、ギヤハウジング27Eによって弾性体87を介して弾性的に支持されている。
図10に示すように、ギヤハウジング27Eの対向板85とハウジング19Eの対向板86との間に、環状の弾性体87が挟持された状態で、対向板85のねじ挿通孔89に挿通されたねじ88が、対向板86のねじ孔90にねじ込まれている。
一方、図11に示すように、各電動モータ161,162の回転軸20の他端20bとは同行回転可能に連結された駆動歯車212が、ウォーム軸23の第2の端部23bとは同行回転可能に連結された内歯歯車からなる従動歯車222に噛み合わされている。
従動歯車221および従動歯車222のそれぞれ内側には、図2の実施の形態と同じ潤滑剤Lが充填されており、騒音の低下が図られている。本実施の形態の構成要素において、図2の実施の形態と同じ構成要素には、図2の実施の形態と同じ参照符号を付してある。
また、電動モータ161,162、第1の減速機構17Eおよびウォーム軸23を支持しているサブアセンブリSA1を弾性支持しているので、ステアリング操作を開始するときの第2の減速機構18の起動トルクを低減することができ、その結果、操舵フィーリングを向上することができる。
Claims (4)
- 操舵力を発生するためのアクチュエータと、上記アクチュエータに接続された第1の減速機構と、上記第1の減速機構に接続された第2の減速機構と、上記第2の減速機構に接続された舵取り機構と、を備え、
上記第1の減速機構は、上記アクチュエータに接続された駆動部材と、上記駆動部材に従動する環状の従動部材とを含み、上記従動部材の内周が、上記駆動部材に伝動可能に連結されており、
上記駆動部材および上記従動部材の伝動領域に潤滑剤が充填されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1において、上記駆動部材の支軸および上記従動部材の支軸が、互いに平行であることを特徴とする車両用操舵装置。
- 請求項1において、上記アクチュエータおよび上記第1の減速機構が、共通のハウジングに収容されており、上記ハウジング内に上記潤滑剤が収容されていることを特徴とする車両用操舵装置。
- 請求項2または3において、上記アクチュエータは複数の電動モータを含み、
上記第1の減速機構の駆動部材が複数設けられ、
各駆動部材は、対応する電動モータの回転軸にそれぞれ接続されていることを特徴とする車両用操舵装置。
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