JP4702623B2 - 減速機、電動パワーステアリング装置およびウォーム - Google Patents

減速機、電動パワーステアリング装置およびウォーム Download PDF

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Description

本発明は、減速機、この減速機を用いた電動パワーステアリング装置、および、減速機に用いるウォームに関するものである。
自動車用の電動パワーステアリング装置には、互いに噛み合うウォームおよびウォームホイールを含む減速機が用いられる。例えばコラム型電動パワーステアリング装置では、電動モータの出力回転を、減速機において、ウォームからウォームホイールに伝えることで減速するとともに出力を増幅した後、操舵軸に付与することで、ステアリング操作をトルクアシストしている。減速機に含まれるウォームおよびウォームホイールの噛み合いには適度なバックラッシが必要であるが、例えば悪路を走行してタイヤからの反力が入力された際にこのバックラッシに起因して歯打ち音が発生する場合に、その音が車室内に騒音として伝わると運転者に不快感を与えることになる。
そこで、例えば電動パワーステアリング装置の減速機においては、減速機の歯車の潤滑に用いられる潤滑剤組成物中に、緩衝材粒子を添加することによりウォームおよびウォームホイールの噛み合い領域において、ウォームおよびウォームホイールの歯面間の衝突を緩衝することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
一方、ギヤの噛み合い領域に供給すべき潤滑剤を溜めるための凹部を、特許文献2のようにギヤの歯面に設けたり、特許文献3のようにギヤの側面に設けたりする技術が開示されている。
特開2004−162018号公報 特開平9−133199号公報 特開平10−184863号公報
しかし、所定の期間、減速機を使用していると、再び歯打ち音による騒音が発生するという問題があった。
本発明の目的は、長期にわたって、騒音の発生を低減できる減速機、電動パワーステアリング装置およびウォームを提供することである。
本願発明者は、長期の使用で、緩衝材粒子が粉砕されて、緩衝効果を果たせなくなっているという知見を得た。しかも、その粉砕に最も寄与する箇所が、ウォームとウォームホイールの歯面間ではなく、ウォームホイールの歯先面とこれに対向するウォームの歯底面との間であるという知見を得た。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、噛み合い領域(A)で互いに噛み合うウォーム(20)およびウォームホイール(21)を備え、少なくとも上記噛み合い領域に緩衝材粒子が添加された潤滑剤が充填されている減速機において、少なくとも噛み合い領域において、ウォーム(20)の歯底面(62)のウォーム軸方向(65)の中央部(A1)に、ウォームホイールの歯先面とウォームの歯底面との間の隙間から潤滑剤を逃がすための逃がし溝(64)が螺旋状に延びて設けられていることを特徴とする減速機(14)を提供する。
上記ウォームホイールの歯先面とウォームの歯底面との間の隙間は、ウォームの歯底面の軸方向中央部付近に対応して最も狭くなる。本発明では、このウォームの歯底面の軸方向中央部に潤滑剤用の逃がし溝を設けたので、ウォームとウォームホイールとの噛み合い領域において潤滑剤の緩衝材粒子が粉砕されることを確実に防止できる。これにより、使用による潤滑剤の劣化を長期に抑えることができ、長期にわたって騒音の発生を低減できる。
電動モータ(M)の動力を上記の減速機を介して操舵機構(4、7)に伝達することを特徴とする電動パワーステアリング装置であれば好ましい(請求項2)。この場合、潤滑剤の劣化が長期に抑えられ、車室内の騒音を長期にわたって低減できる。
さらにまた、上記減速機に用いるウォームにおいて、歯底面を備え、少なくとも噛み合い領域において歯底面のウォーム軸方向の中央部に、ウォームホイールの歯先面とウォームの歯底面との間の隙間から潤滑剤を逃がすための逃がし溝(64)螺旋状に延びて設けられていることを特徴とするウォームであれば好ましい(請求項3)。この場合、潤滑剤の劣化が長期に抑えられるので、ウォームホイールとの噛み合いに際して、バックラッシュに起因する音を長期にわたって低減できる。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる減速機が適用された一実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、本電動パワーステアリング装置1では、ステアリングホイール等の操舵部材2を取り付けている第1の操舵軸3と、ピニオン軸4に連結される第2の操舵軸5とが、トーションバー6を介して同軸的に連結されている。ピニオン軸4の端部近傍に形成されたピニオン歯4aに、車両の左右方向に延びる転蛇軸としてのラックバー7のラック歯7aが噛み合っており、ピニオン軸4およびラックバー7からなるラックアンドピニオン機構によって操舵機構が構成されている。
ラックバー7は車体に固定されるハウジング(図示しない)内に直線往復動自在に支持されていてハウジング(図示しない)の外側に突出するラックバー7の両端部にはそれぞれタイロッド8が結合されている。各タイロッド8は対応するナックルアーム9を介して対応する操向輪10に連結されている。
第1および第2の操舵軸3、5を支持するハウジング11は、例えばアルミニウム合金からなり、車体(図示せず)に取り付けられている。ハウジング11は、互いに嵌め合わされるセンサハウジング12と筒状のギヤハウジング13により構成されている。具体的には、ギヤハウジング13の上端13aがセンサハウジング12の外周の環状段部12aに嵌め合わされている。ギヤハウジング13はウォームギヤ機構からなる減速機14を収容し、センサハウジング12はトルクセンサ15および制御基板16等を収容している。
減速機14は、第2の操舵軸5の軸方向中間部に一体回転可能でかつ軸方向移動を不能に連結されたウォームホイール21と、図2に示すように、電動モータMの回転軸17に例えばスプライン継手18等の継手機構を介して一体回転可能に連結されたウォーム20とを備える。ギヤハウジング13内において、ウォーム20およびウォームホイール21は、噛み合い領域Aにて噛み合っている。
ウォームホイール21は、第2の操舵軸5に相対回転不能に結合される環状の芯金21aと、芯金21aの周囲を取り囲んで芯金21aに一体回転可能かつ相対回転不能に結合され、かつ外周に複数の歯61(図3参照)が形成された合成樹脂部材21bとを備える。芯金21aは例えば合成樹脂部材21bの樹脂成形時に金型内にインサートされるものである。
第2の操舵軸5は、ウォームホイール21を軸方向の上下に挟んで配置される第1および第2の転がり軸受22、23により回転自在に支持されている。
第1の転がり軸受22の外輪24は、センサハウジング12下端の筒状突起12b内に設けられた軸受保持孔25に嵌め入れられて保持されている。また外輪24の上端面は環状の段部26に当接しており、外輪24は、センサハウジング12に対する軸方向上方への移動が規制されている。
一方、第1の転がり軸受22の内輪27は第2の操舵軸5に締まりばめにより嵌め合わされている。また内輪27の下端面は、ウォームホイール21の芯金21aの上端面に当接している。
第2の転がり軸受23の外輪28は、ギヤハウジング13の軸受保持孔29に嵌め入れられている。外輪28の下端面は、環状の段部30に当接し、外輪28は、ギヤハウジング13に対する軸方向下方への移動が規制されている。
一方、第2の転がり軸受23の内輪31は、第2の操舵軸5に一体回転可能で、且つ第2の操舵軸5に対する軸方向移動を規制された状態に取り付けられている。また内輪31は、第2の操舵軸5の段部32と第2の操舵軸5のねじ部に締めこまれるナット33との間に挟持されている。
トーションバー6は第1および第2の操舵軸3、5を貫通している。トーションバー6の上端6aは、連結ピン34により第1の操舵軸3と一体回転可能に連結され、下端6bは、連結ピン35により第2の操舵軸5と一体回転可能に連結されている。第2の操舵軸5の下端は、図示しない中間軸を介して、ピニオン軸4に連結されている。
上記の連結ピン34は、第1の操舵軸3と同軸に配置される第3の操舵軸36を、第1の操舵軸3と一体回転可能に連結している。第3の操舵軸36はステアリングコラムを構成するチューブ37内を貫通している。
第1の操舵軸3の上部は、例えば針状ころ軸受からなる第3の転がり軸受38を介してセンサハウジング12に回転自在に支持されている。第1の操舵軸3の下部の縮径部39と第2の操舵軸5の上部の孔40とは、第1および第2の操舵軸3、5の相対回転を所定の範囲に規制するように、回転方向に所定の遊びを設けて嵌め合わされている。
次いで図2を参照して、ウォーム20はギヤハウジング13により保持される第4および第5の転がり軸受43、44によりそれぞれ回転自在に支持されている。第4および第5の転がり軸受43、44の内輪45、46は、ウォーム20の対応するくびれ部に嵌合されている。また、外輪47、48は、ギヤハウジング13の軸受保持孔49、50にそれぞれ保持されている。
ギヤハウジング13は、ウォーム20の周面の一部に対して径方向に対向する部分13bを含んでいる。また、ウォーム20の一端部20aを支持する第4の転がり軸受43の外輪47は、ギヤハウジング13の段部51に当接して位置決めされている。一方、内輪45は、ウォーム20の位置決め段部52に当接することによって他端部20b側への移動が規制されている。
またウォーム20の他端部20b(継手側端部)の近傍を支持する第5の転がり軸受44の内輪46は、ウォーム20の位置決め段部54に当接することによって一端部20a側への移動が規制されている。また外輪48は、予圧調整用のねじ部材55により、第4の転がり軸受43側へ付勢されている。ねじ部材55は、ギヤハウジング13に形成されるねじ孔56にねじ込まれることにより、一対の転がり軸受43、44に予圧を付与すると共に、ウォーム20を軸方向に位置決めしている。予圧調整後のねじ部材55を止定するために当該ねじ部材55にロックナット57が係合されている。
ギヤハウジング13内において、ウォーム20およびウォームホイール21の噛み合い領域Aを含む領域に、緩衝材粒子を分散した潤滑剤が充填されている。潤滑剤は噛み合い領域Aのみに充填しても良いし、噛み合い領域Aとウォーム20の周縁全体に充填しても良いし、ギヤハウジング13内全体に充填しても良い。
上記の潤滑剤は、潤滑剤と、緩衝材粒子とを含むものである。このうち緩衝材粒子は、平均粒径D1が50μm<D1≦300μmである必要がある。
緩衝材粒子の平均粒径D1が50μm以下では、ウォームとウォームホイールとの噛み合いの衝撃を緩衝して歯打ち音を低減する効果に限界があり、減速機の騒音を大幅に低減することができない。また平均粒径D1が300μmを超える場合には電動パワーステアリング装置の操舵トルクが上昇したり、摺動音を発生して却って滅速機の騒音が大きくなったりするという問題がある。
なお緩衝材粒子の平均粒径は、歯打ち音を低減する効果をさらに向上することを考慮すると、上記の範囲内でもとくに100μm以上であるのが好ましい。また操舵トルクの上昇や摺動音の発生をより確実に防止すること考慮すると、上記の範囲内でもとくに200μm以下であるのが好ましい。
緩衝材粒子の形状は球状、粒状、薄片状、棒状等の種々の形状が選択できるが、潤滑剤組成物の流動性などを考慮すると球状または粒状が好ましく、とくに球状が好ましい。
緩衝材粒子を形成する緩衝材としては、ヤング率が0.1〜104MPaの範囲内にあるものを用いるのが好ましい。
ヤング率が0.1MPa未満のものは軟らかすぎるため、ウォームとウォームホイールとの噛み合い領域Aに介在して衝撃を吸収し、それによって歯打ち音を減少させることで減速機の騒音を低減する効果が十分に得られないおそれがある。またヤング率が104MPaを超える場合には電動パワーステアリング装置の操舵トルクが上昇したり、摺動音を発生して却って減速機の騒音が大きくなったりするおそれがある。
なお緩衝材粒子を形成する緩衝材のヤング率は、歯打ち音を低減する効果をさらに向上することを考慮すると、上記の範囲内でもとくに0.5MPa以上であるのが好ましい。
また操舵トルクの上昇や摺動音の発生をより確実に防止すること考慮すると、上記の範囲内でもとくに102MPa以下であるのが好ましい。
緩衝材粒子のその他の特性についてはとくに限定されないが、当該緩衝材粒子を形成する緩衝材の引張り強さは1〜50MPaであるのが好ましい。
また緩衝材粒子を形成する緩衝材の硬さは、ショアーD硬さで表して10以上で、かつロックウェル硬さ(Rスケール)で表して110以下であるのが好ましい。
かかる緩衝材粒子としては、ゴム弾性を有する種々の、ゴムまたは軟質樹脂からなるものがいずれも使用可能である。
このうち軟質樹脂としては、例えばポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性または硬化性(架橋性)のウレタン樹脂等を挙げることができる。また例えばオレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系などの耐封性の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。
一方、ゴムとしては、例えばエチレン プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン プロピレン ジエン共重合ゴム(EPDM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム(U)等をあげることができる。
ただし耐熱性、耐久性などを考慮すると、硬化性のウレタン樹脂の硬化物にて形成した球状の緩衝材粒子を使用するのが好ましい。またかかる緩衝材粒子は、硬化性のウレタン樹脂の硬化度(架橋度)を調整することによってヤング率、引張り強さ、および硬さを任意に設定できるという利点もある。
緩衝材粒子は、潤滑剤100重量部に対して20〜300重量部の割合で配合するのが好ましい。
緩衝材粒子の配合割合が20重量部未満では、ウォームとウォームホイールとの噛み合い領域Aに介在して衝撃を吸収し、それによって歯打ち音を減少させることで減速機の騒音を低減する効果が不十分になるおそれがある。また300重量部を超える場合には、電動パワーステアリング装置の操舵トルクが上昇したり、摺動音を発生して却って減速機の騒音が大きくなったりするおそれがある。
なお緩衝材粒子の、潤滑剤100重量部に対する配合割合は、歯打ち音を低減する効果をさらに向上することを考慮すると、上記の範囲内でもとくに25重量部以上であるのが好ましい。また操舵トルクの上昇や摺動音の発生をより確実に防止すること考慮すると、上記の範囲内でもとくに100重量部以下であるのが好ましい。
上記緩衝材粒子を分散させる潤滑剤としては、液状の潤滑油と半固体状のグリースのいずれを用いても良い。
このうち潤滑油としては、その動粘度が5〜200mm2/s(40℃)、とくに20〜100mm2/s(40℃)であるものを用いるのが好ましい。潤滑油としては合成炭化水素油(例えばポリαオレフイン油)が好ましいが、シリコーン油、フッ素油、エステル油、エーテル油等の合成油や鉱油などを用いることもできる。潤滑油はそれぞれ単独で使用できる、他、2種以上を併用しても良い。
また潤滑油には、必要に応じて固体潤滑剤(二硫化モリブデン、グラファイト、PTFE等)、リン系や硫黄系の極圧添加剤、トリブチルフェノール、メチルフェノール等の酸化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤、油性剤などを添加してもよい。
一方のグリースとしては、緩衝材粒子を添加した潤滑剤組成物としてのちょう度が、NLGI(National Lubricating Grease Institute)番号で表してNo.2〜No.000、とくにNo.2〜No.00となるものを用いるのが好ましい。
グリースは、従来同様に潤滑基油に、増ちょう剤を添加して形成される。
潤滑基油としては合成炭化水素油(例えばポリαオレフイン油)が好ましいが、シリコーン油、フッ素油、エステル油、エーテル油等の合成油や鉱油などを用いることもできる。潤滑基油の動粘度は5〜200mm2/s(40℃)、とくに20〜100mm2/s(40℃)であるのが好ましい。
また増ちょう剤としては、従来公知の種々の増ちょう剤(石けん系、非石けん系)が使用できる。
さらにグリースには、やはり必要に応じて固体潤滑剤(二硫化モリブデン、グラファイト、PTFE等)、リン系や硫黄系の極圧添加剤、トリブチルフェノール、メチルフェノール等の酸化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤、油性剤などを添加してもよい。
図3は、図2の噛み合い領域Aの拡大断面図である。図4は、ウォームの要部を示す概略図である。
図3および図4を参照して、ウォーム20は、軸59と、軸59の周面から外方に突出した螺旋状のウォーム歯60とを備えている。ウォーム歯60によって、軸59の周面に、軸方向に一定幅を有する螺旋状の歯底面62が区画されている。噛み合い領域Aにて、ウォーム20のウォーム歯60と、ウォームホイール21の複数の歯61とは噛み合っている。ウォーム20が所定方向に回転すると、ウォームホイール21が対応する方向(例えば図3において白抜き矢符で示す時計回り方向)に回転する。
ウォーム20の軸59は、強度上、所定値以上の最小断面径を必要とするのに対して、ウォーム20およびウォームホイール21の中心間距離は、スペース上、所定値以下にしなければならない。このため、噛み合い領域Aでは、ウォーム20の歯底面62とウォームホイール21の歯61の歯先面63との間の隙間Cが比較的小さくされている。
ウォーム20の歯底面62のうち噛み合い領域Aに相当する領域には、螺旋状に連続して延びる潤滑剤用の逃がし溝64が設けられている。上述のように隙間Cが比較的小さい場合でも、噛み合い領域Aで歯61の歯先面63とウォーム20の歯底面62との間に介在する潤滑剤が逃がし溝64に逃げるため、潤滑剤の緩衝材粒子は粉砕されない。
逃がし溝64は、歯底面62のウォーム軸方向65の中央位置A1に形成されている。逃がし溝64の幅は、歯底面62の幅Wの例えば40%〜60%程度に設定されている。逃がし溝64は、ウォーム20の歯底面62のうち少なくとも噛み合い領域Aに相当する領域に設けられている必要があり、螺旋状の歯底面62の例えば2、3巻きに相当する範囲(図3および図4では2巻き)に形成されている。逃がし溝64の断面形状は図3に示すようにU字状であり、その深さは、十分な量の潤滑剤が流入できるように例えば0.2mm〜1.0mm程度に設定されている。
ウォームホイール21の歯先面63とウォーム20の歯底面62との間の隙間Cは、ウォーム20の歯底面62では、ウォーム軸方向65の中央位置A1付近に対応して最も狭くなるが、本実施の形態では、この歯底面62のウォーム軸方向65の中央位置A1に潤滑剤用の逃がし溝64を設けたので、潤滑剤の緩衝材粒子がウォームホイール21の歯先面63およびウォーム20の歯底面62の間で粉砕されることを確実に防止できる。これにより、潤滑剤の劣化を長期に抑えることができ、騒音の発生を長期にわたって低減できる。
上記実施形態では、逃がし溝64は螺旋状に連続して延びているものとして説明したが、螺旋状の歯底面62の中央位置A1に沿って、複数の長手の逃がし溝が所定の間隔を隔てて間欠的に配置されていてもよい。
上記実施形態では逃がし溝64の断面形状はU字状であるとして説明したが、逃がし溝64の断面形状は矩形でもあってもよいし、三角形であってもよい。
さらにまた、潤滑剤用の螺旋状の逃がし溝64を、噛み合い領域Aにおいてウォーム20の歯底面62に設けた場合について説明したが、逃がし溝がウォームホイール21の全ての歯61の歯先面63にも設けられており、双方の逃がし溝により噛み合い領域Aの潤滑剤を逃がすようにすることもできる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
本発明にかかる歯車が適用された一実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図1のII‐II線に沿う断面図である。 噛み合い領域の拡大断面図である。 ウォームの要部を示す概略図である。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置、4…ピニオン軸(操舵機構)、7…ラック(操舵機構)、14…減速機、20…ウォーム、21…ウォームホイール、61…歯、63…歯先面、64…逃がし溝、65…ウォーム軸方向、A…噛み合い領域、A1…中央位置(中央部)、M…電動モータ

Claims (3)

  1. 噛み合い領域で互いに噛み合うウォームおよびウォームホイールを備え、少なくとも上記噛み合い領域に緩衝材粒子が添加された潤滑剤が充填されている減速機において、
    少なくとも噛み合い領域において、ウォームの歯底面のウォーム軸方向の中央部に、ウォームホイールの歯先面とウォームの歯底面との間の隙間から潤滑剤を逃がすための逃がし溝が螺旋状に延びて設けられていることを特徴とする減速機。
  2. 電動モータの動力を請求項1記載の減速機を介して操舵機構に伝達することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1記載の減速機に用いるウォームにおいて、歯底面を備え、少なくとも噛み合い領域において歯底面のウォーム軸方向の中央部に、ウォームホイールの歯先面とウォームの歯底面との間の隙間から潤滑剤を逃がすための逃がし溝が螺旋状に延びて設けられていることを特徴とするウォーム。
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