JP5276222B2 - 有機発光素子とその製造方法、および有機表示パネルと有機表示装置 - Google Patents

有機発光素子とその製造方法、および有機表示パネルと有機表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機発光素子とその製造方法、および有機表示パネルと有機表示装置に関する。
近年、有機材料の電界発光現象を利用した表示装置の研究・開発がすすめられている。この表示装置では、各画素部が、アノード電極およびカソード電極と、その間に介挿された有機発光層とを有し構成されている。そして、表示装置の駆動においては、アノード電極からホールを注入し、カソード電極から電子を注入し、有機発光層内でホールと電子が再結合することにより発光する。
ここで、有機発光層は、絶縁材料からなる隔壁(バンク)により区画された領域に対し、有機発光材料を含むインクを滴下し、これを乾燥させることにより形成される。そして、有機発光層の層厚は、発光輝度に相関を有するため、有機発光層の層厚を出来るだけ均一にすることが求められる。
このような要望に対して、例えば、バンクと、その下に設けられるアノード電極との間に隙間を設けることで、親液性と撥液性とのバランスをとり、有機発光層の層厚の均一化を図ろうとする技術が提案されている(特許文献1)。また、有機発光層の下となる層の表面に酸素プラズマ処理などの表面処理を行い、また、バンクの表面にCF4プラズマ処理などの表面処理を行うことにより、これら表面に囲まれた領域に形成される有機発光層の層厚の均一化を図ろうとする技術も提案されている(特許文献2)。
特開2006−134624号公報 特開2004−127551号公報
しかしながら、上記特許文献1,2を含む従来技術では、有機発光層の層厚を均一化することについて、十分とは言えない。具体的に、上記特許文献1,2では、バンクの表面などへの表面処理により有機発光材料を含むインクに対する親液性と撥液性とのバランスを図り、有機発光層の層厚の均一化を図ろうとしているが、インクの乾燥過程において、有機発光層の層厚のバラツキを抑えることには限界がある。
本発明は、上記課題の解決を図るべくなされたものであって、有機発光層の層厚の均一化を図り、輝度ムラの少ない高い光学特性を有する有機発光素子とその製造方法、および有機表示パネルと有機表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る有機発光素子は、基板、および当該基板上に形成される駆動回路、および、前記駆動回路上に形成された平坦化層を含み、上面が平坦化された下地層と、上面が平坦化された下地層の上方に形成される第1電極と第1電極の上方に形成される機能層と、第1電極の上方に形成され、隣り合う発光部を区画するための開口部を有する複数の隔壁と、複数の隔壁間における開口部に対応する機能層の上方に形成され、有機発光材料を含むインクが塗布されて形成される発光層と、発光層の上方に形成され、第1電極と異なる極性を有する第2電極と、を有する。
第1電極は、発光層における隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、発光層の隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、第1電極の第1の上面部は、第1電極の第2の上面部に対して上方に位置し、機能層は、第1電極の第1の上面部および第2の上面部に沿って形成され、発光層における隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、発光層の隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、機能層の第1の上面部は、機能層の第2の上面部に対して上方に位置する。
発光層は、機能層の第1の上面部および第2の上面部に沿って形成され、機能層に接触し、隔壁側の端部領域に対応する第1の下面部と、機能層に接触し、隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の下面部と、機能層と異なる側にあって、隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、機能層と異なる側にあって、隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有する。
上記において、発光層の第1の下面部は、発光層の第2の下面部に対して上方に位置し、発光層の第1の上面部は、発光層の第2の上面部に対して上方に位置し、発光層の第1の下面部から第1の上面部までの層厚は、発光層の第2の下面部から前記第2上面部までの層厚と、等しいことを特徴とする。
本発明の一態様に係る有機発光素子では、機能層が、第1電極の上面部(第1の上面部および第2の上面部を含む)の形状に沿って形成されており、機能層における第1の上面部が第2の上面部に対して上方に位置するように形成されている。このため、本発明の一態様に係る有機発光素子では、インクが開口部に塗布されて乾燥され有機発光層が形成された際に、発光層の層厚が隔壁の端部側および端部から離れた領域において等しくなり、発光部の全域にわたって層厚が等しくなる。
このことにより、本発明の一態様に係る有機発光素子では、発光層において、隔壁の端部側における厚膜化が防止され、当該領域における輝度の低下が防止され、発光部の全域における輝度の均一性が得られやすくなり、良好な発光特性が得られる。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子では、発光層について、その第1の下面部および第2の下面部にわたって同一材料である機能層に接して形成されているので、この点でも、インクの濡れ性が向上し、良好な発光特性を得ることができる。
従って、本発明の一態様に係る有機発光素子は、発光層の層厚の均一化を図ることができ、これより輝度ムラが少なく、高い光学特性を有する。
実施の形態1に係る有機表示装置1の概略構成を示すブロック図である。 表示パネル10における一部のサブピクセル100aの構成を示す模式断面端面図である。 表示パネル10におけるバンク107の一部を示す模式平面図である。 平坦化層104の形状と、アノード電極105、ホール注入輸送層106、および有機発光層108の各形状とを示す模式断面端面図である。 (a)〜(c)は、表示パネル10の製造過程における要部工程を順に示す模式断面端面図である。 (a)〜(c)は、表示パネル10の製造過程における要部工程を順に示す模式断面端面図である。 (a)〜(c)は、表示パネル10の製造過程における要部工程を順に示す模式断面端面図である。 実施の形態2に係る有機表示装置の表示パネル12における一部のサブピクセルの構成を示す模式断面端面図である。 実施の形態3に係る有機表示装置の表示パネル13における一部のサブピクセルの構成を示す模式断面端面図である。 実施の形態4に係る有機表示装置の表示パネル14における一部のサブピクセルの構成を示す模式断面端面図である。 有機表示装置1を含むセットの外観の一例を示す外観斜視図である。 参考例に係る表示パネルについて、その一部のサブピクセルの構成を示す模式断面端面図である。 参考例に係る表示パネルのサブピクセル毎の有機発光層の表面プロファイルを示す模式図である。 参考例に係る表示パネルにおけるサブピクセルでの輝度分布を示す模式図である。 参考例に係る表示パネルでの下部電極(第1電極)の一部領域の表面プロファイルと、当該領域での輝度分布を示す模式図である。
[本発明の一態様の概要]
本発明の一態様に係る有機発光素子は、基板、および当該基板上に形成される駆動回路、および、前記駆動回路上に形成された平坦化層を含み、上面が平坦化された下地層と、上面が平坦化された下地層の上方に形成される第1電極と第1電極の上方に形成される機能層と、第1電極の上方に形成され、隣り合う発光部を区画するための開口部を有する複数の隔壁と、複数の隔壁間における開口部に対応する機能層の上方に形成され、有機発光材料を含むインクが塗布されて形成される発光層と、発光層の上方に形成され、第1電極と異なる極性を有する第2電極と、を有する。
第1電極は、発光層における隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、発光層の隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、第1電極の第1の上面部は、第1電極の第2の上面部に対して上方に位置し、機能層は、第1電極の第1の上面部および第2の上面部に沿って形成され、発光層における隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、発光層の隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、機能層の第1の上面部は、機能層の第2の上面部に対して上方に位置する。
発光層は、機能層の第1の上面部および第2の上面部に沿って形成され、機能層に接触し、隔壁側の端部領域に対応する第1の下面部と、機能層に接触し、隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の下面部と、機能層と異なる側にあって、隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、機能層と異なる側にあって、隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有する。
上記において、発光層の第1の下面部は、発光層の第2の下面部に対して上方に位置し、発光層の第1の上面部は、発光層の第2の上面部に対して上方に位置し、発光層の第1の下面部から第1の上面部までの層厚は、発光層の第2の下面部から前記第2上面部までの層厚と、等しいことを特徴とする。
本発明の一態様に係る有機発光素子では、機能層が、第1電極の上面部(第1の上面部および第2の上面部を含む)の形状に沿って形成されており、機能層における第1の上面部が第2の上面部に対して上方に位置するように形成されている。このため、本発明の一態様に係る有機発光素子では、インクが開口部に塗布されて乾燥され有機発光層が形成された際に、発光層の層厚が隔壁の端部側および端部から離れた領域において等しくなり、発光部の全域にわたって層厚が等しくなる。
このことにより、本発明の一態様に係る有機発光素子では、発光層において、隔壁の端部側における厚膜化が防止され、当該領域における輝度の低下が防止され、発光部の全域における輝度の均一性が得られやすくなり、良好な発光特性が得られる。
また、本発明の一態様に係る有機発光素子では、発光層について、その第1の下面部および第2の下面部にわたって同一材料である機能層に接して形成されているので、この点でも、インクの濡れ性が向上し、良好な発光特性を得ることができる。
従って、本発明の一態様に係る有機発光素子は、発光層の層厚の均一化を図ることができ、これより輝度ムラが少なく、高い光学特性を有する。
なお、上記における「等しい」とは、必ずしも数値の面で完全に等しいことを意味するものではなく、有機発光素子の製造における寸法誤差などを考慮したものである。具体的には、有機発光素子として、輝度ムラが実用上許容できる範囲で、等しいということを意味する。
本発明の一態様に係る有機発光素子では、上記構成において、発光層の上面部(第1の上面部および第2の上面部を含む)は、その第1の上面部が、第2の上面部に対して上方に位置することにより、上方に凹形状を有し、発光層の下面部(第1の下面部および第2の下面部を含む)は、その第1の下面部が、第2の下面部に対して上方に位置することにより、下方に凸形状を有する、いう構成とすることができる。このように、発光層の上面部が上方に凹形状であって、且つ、発光層の下面部が下方に凸形状であるので、発光層の層厚が、発光部の全域で均一化されている。よって、輝度ムラが少なく、高い光学特性を有する。
本発明の一態様に係る有機発光素子では、上記構成において、機能層の第1の上面部が、機能層の第2の上面部に対し、100[nm]以上200[nm]以下の範囲内で上方に位置する、という構成とすることもできる。このような数値範囲内で機能層の第1の上面部と第2の上面部との高さの差異を設けることにより、発光層の層厚の均一性を確保するという観点から望ましい。
本発明の一態様に係る有機発光素子では、上記構成において、発光層を隔壁間の断面方向に見る場合に、発光層の第1の上面部の長さが50[μm]以上であって、発光層の第2の上面部の長さが50[μm]以上であり、且つ、発光層の第1の上面部の長さが、発光部の全長に対して1/5以上1/3以下であって、発光層の第2の上面部の長さが、発光部の全長に対して1/3以上3/5以下である、という構成とすることもできる。このように数値範囲の規定に従うことにより、更に高い精度で発光層の層厚の均一化を図ることができる。
本発明の一態様に係る有機発光素子では、上記構成において、第1電極における第2の上面部が平坦形状を有し、第1の上面部が、第2の上面部に対して段差を有し形成され、または、階段状に形成されている、という構成を採用することができる。このように、第1電極において、第2の上面部が平坦形状を有することとする場合には、発光層の層厚の均一化を図ることができるとともに、出射光の集光を防ぐことができる。よって、高い発光特性を得ることができる。
本発明の一態様に係る有機発光素子では、上記構成において、発光層における隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域とは、隣接する隔壁間の各中央部である、と具体的に定義することができる。
本発明の一態様に係る有機発光素子では、上記構成において、複数の発光部が、異なる2方向に配列され(2次元配列され)、複数の隔壁が、隣り合う発光部を異なる2方向に区画するように形成されている場合に、下地層における第1の上面部と第2の上面部、第1電極における第1の上面部と第2の上面部、機能層における第1の上面部と第2の上面部、および発光層における第1の上面部と第2の上面部と第1の下面部と第2の下面部が、発光部における発光層の上面視における長軸方向に沿って各々配されている、という構成とすることもできる。これは、発光部における発光層の上面視での上記長軸方向において、発光層の隔壁側の端部領域と中央部側とで層厚に不均一を生じ易い傾向にあるが、上記のように、発光部における発光層の上面視における長軸方向に沿った方向に、各層の第1の上面部と第2の上面部、さらには、発光層の第1の下面部と第2の下面部とを配するようにすることで、発光層の層厚の均一化を確実に図ることができる。
本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法では、次の工程を有する、ことを特徴とする。
(第1工程) 基板上に駆動回路を形成し、駆動回路上に平坦化層を形成することにより、駆動回路および平坦化層を含み、上面が平坦形状を有する下地層を形成する。
(第2工程) 平坦形状を有する下地層の上方に第1電極を形成する。
(第3工程) 第1電極の上方に機能層を形成する。
(第4工程) 第2工程により形成された第1電極の上方に、隣り合う発光部を区画するための開口部を有する複数の隔壁を形成する。
(第5工程) 複数の隔壁間における開口部に対応する機能層の上方に、有機発光材料を含むインクを塗布して発光層を形成する。
(第6工程) 発光層の上方に、第1電極と異なる極性を有する第2電極とを形成する。
上記において、第2工程では、第1電極を、発光層における隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、発光層の隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、第1電極の第1の上面部が、第1電極の第2の上面部に対して上方に位置するように形成する。
また、第3工程では、機能層を、第1電極の第1の上面部および第2の上面部に沿って形成し、発光層における隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、発光層の隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、機能層の第1の上面部が、機能層の第2の上面部に対して上方に位置するように形成する。
また、第5工程では、発光層を、機能層の第1の上面部および第2の上面部に沿って形成し、前記機能層に接触し、隔壁側の端部領域に対応する第1の下面部と、機能層に接触し、隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の下面部と、機能層と異なる側にあって、隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、機能層と異なる側にあって、隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、発光層の第1の下面部が、発光層の第2の下面部に対して上方に位置し、さらに、発光層の第1の上面部が、発光層の第2の上面部に対して上方に位置し、発光層の第1の下面部から第1の上面部までの層厚が、発光層の第2の下面部から第2の上面部までの層厚と等しくなるように形成する、ことを特徴とする。
このような製造方法を用い製造された有機発光素子では、機能層が、第1電極の表面形状に沿って形成されており、機能層における第1の上面部が第2の上面部に対して上方に位置するように形成されている。このため、この有機発光素子では、インクが開口部に塗布されて乾燥され有機発光層が形成された際に、有機発光層の層厚が隔壁の端部側および端部から離れた領域において等しくなり、発光部の全域にわたって層厚が等しくなり、有機発光層において、隔壁の端部側における厚膜化が防止され、当該領域における輝度の低下が防止され、発光部の全域における輝度の均一性が得られやすくなり、良好な発光特性が得られる。
また、本発明の一態様に係る製造方法を用い製造された有機発光素子では、有機発光層について、その第1の下面部および第2の下面部にわたって同一材料である機能層に接して形成されているので、この点でも、インクの濡れ性が向上し、良好な発光特性を得ることができる。
従って、本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法では、層厚の均一化が図られた発光層を備え、これより輝度ムラが少なく、高い光学特性を有する有機発光素子を製造することができる。
なお、上記における「等しい」とは、上記同様に、必ずしも数値の面で完全に等しいことを意味するものではなく、有機発光素子の製造における寸法誤差などを考慮したものである。具体的には、有機発光素子として、輝度ムラが実用上許容できる範囲で、等しいということを意味する。
本発明の一態様に係る有機発光素子の製造方法は、上記第2工程において、下地層上に、第1電極を構成する電極材料からなる電極膜を形成する膜形成工程と、電極膜を露光強度を選択的に異ならせて露光する露光工程と、露光工程後、電極膜をドライエッチングにより、エッチングレートを調整しつつエッチング処理することにより、第1電極の第1の上面部が、第1電極の第2の上面部に対して上方に位置するように、第1電極を形成するエッチング工程と、を有する、という構成を採用することもできる。
このように、第2工程中の露光工程で、選択的に電極膜に対する露光強度を異ならせることにより、第1電極の第1の上面部と第2の上面部とを設けるようにすることで、発光特性の低下がなく、発光層の層厚の均一化が確実に図られ、優れた発光特性を有する有機発光素子を得ることができる。
本発明の一態様に係る有機表示パネルは、上記の本発明の一態様に係る製造方法により得られた有機発光素子を備えることを特徴とする。これより、本発明の一態様に係る有機表示パネルは、均一な層厚の発光層を備え、優れた発光特性を有することとなる。
本発明の一態様に係る有機表示装置は、上記の本発明の一態様に係る製造方法により得られた有機発光素子を備えることを特徴とする。これより、本発明の一態様に係る有機表示装置は、均一な層厚の発光層を備え、優れた発光特性を有することとなる。
なお、本明細書においては、各層の上記「第1の上面部」および「第2の上面部」について、少なくとも「第2の上面部」が平面であることが望ましい。
[本発明に至った経緯]
図12に示すように、表示パネルは、基板901の上に、駆動回路としてのTFT層902が形成され(図12では、TFT層902のドレイン電極のみを図示)、これを覆うように、パッシベーション膜903が形成されている。そして、パッシベーション膜903のZ軸方向の上には、平坦化層904が積層形成され、その上にアノード電極905およびホール注入輸送層905が、順に積層形成されている。アノード電極905は、平坦化層904に形成されたコンタクトホールを介して、TFT層902に接続されており、また、サブピクセル毎に独立している。
ホール注入輸送層906の上には、サブピクセルを規定するバンク907が立設されており、当該バンク907により区画された領域に有機発光層908が形成されている。有機発光層908およびバンク907の露出された表面の上には、カソード電極909および封止層910が順に積層形成されている。
ここで、図13(a)に示すように、各サブピクセルは、X軸方向の幅に比べて、Y軸方向の長さが長い略長方形状をしており、図12は、Y軸方向(長軸方向)にその断面を示したものである。
図12に示すように、有機発光層908では、Y軸方向の両側に配置されたバンク907側の端部領域(領域J1および領域J2)での層厚D91,D92が、中央領域(領域J3)での層厚D93に比べて厚くなる傾向がみられる。有機発光層908における層厚D91,D92と、層厚D93との差異は、有機発光層908を形成する際のインク塗布から乾燥に至るまでの過程に起因すると推察される。
図13(b)から図13(d)に示すように、サブピクセルの長軸方向におけるバンク907側の端部領域で有機発光層の層厚が厚くなる傾向は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色で同じであり、何れの発光色の有機発光層908においても、上面部のプロファイルは、サブピクセル内において、中央領域に比べて、バンク907側の端部領域で高くなっている。
このように、有機発光層908の層厚に不均一を有する場合には、図14(a)に示す赤色(R)のサブピクセル、図14(b)に示す緑色(G)のサブピクセル、および図14(c)に示す青色(B)のサブピクセルにおいて、輝度ムラを生じ、発光特性の低下を招く。また、発光効率の低下や寿命の低下などの要因ともなる。
以上の検討結果に基づき、本発明者は、表示パネルの各サブピクセルにおいて、有機発光層よりも下方に位置するアノード電極(第1電極)の上面部を、互いに高さ方向の位置が異なる第1の上面部と第2の上面部とを設けた構成とし、機能層(ホール注入輸送層など)を、下地層の上面の形状に沿った状態で形成することにより、さらにその上に形成される有機発光層の層厚の均一化を図るという技術的特徴を見出した。
下地層上に形成された下部電極の表面(上面部)プロファイルと、輝度との関係を検討した結果について、図15を用い説明する。図15(a)は、サブピクセルにおける一部領域(領域M1、領域M2)での下部電極の表面(上面部)プロファイルを示し、具体的には、図15(b)におけるK−K‘部分のプロファイルに相当する。また、図15(a)において、縦軸は下地層の膜厚を示し、縦軸上の上側に向かって厚みが厚く、横軸は下地層の対応領域を示している。
図15(b)は、一例として青色(B)のサブピクセルでの上記一部領域(領域M1、領域M2)での輝度分布を示す。なお、図15(c)は、図15(b)に示す輝度レベルを示す。
図15(a)に示す領域M2では、下部電極(第1電極)の表面プロファイルが曲面形状を有するが、図15(b)に示すように、対応する領域(領域M)での輝度は、略揃った状態となっている。よって、図15(a)の領域Mのように、下部電極の表面プロファイルが曲面形状となっている場合には、発光層の層厚は、サブピクセルの端部側が、中央部側よりも厚くなると考えられる。
一方、図15(a)に示す領域Mのように、下部電極の表面プロファイルが略連続的に変化する階段形状、または段差形状となっている場合には、図15(b)に示すように、対応する領域(領域M)の輝度は、変化している。具体的には、図15(a)の二点鎖線で囲む部分Nのように、下部電極の膜厚が薄く、表面プロファイルが低くなっている領域では、図15(b)の二点鎖線で囲む部分Nのように、輝度が低くなっている。言い換えると、下部電極の膜厚は、輝度が高い部分が、低い部分よりも薄くないという関係にあると考えられる。
従って、上述のように、下部電極(第1電極)における第2の上面部(中央部側の上面部)が平坦形状を有し、第1の上面部(端部側の上面部)が、第2の上面部に対して段差を有し形成され、または、階段状に形成されている、という構成を採用することが望ましい。このような構成を採用することにより、サブピクセル内での発光層の層厚を均一化することができ、高い発光特性を得ることができる。
[実施の形態1]
1.表示装置1の概略構成
本実施の形態に係る表示装置1の全体構成について、図1を用い説明する。
図1に示すように、表示装置(有機表示装置)1は、表示パネル部(有機表示パネル)10と、これに接続された駆動制御部20とを有し構成されている。表示パネル部10は、有機材料の電界発光現象を利用した有機発光パネルであり、複数の画素部がX−Y面方向に2次元配列されている。
また、駆動制御部20は、4つの駆動回路21〜24と制御回路25とから構成されている。
なお、実際の表示装置1では、表示パネル部10に対する駆動制御部20の配置については、これに限られない。
2.表示パネル10の構成
表示パネル10の構成について、図2を用い説明する。なお、本実施の形態に係る表示パネル10は、一例として、トップエミッション型の有機発光パネルを採用し、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れか発光色を有する有機発光層を備える複数のサブピクセルがマトリクス状に配置され構成されているが、図2では、図1におけるA−A‘断面の一部を模式的に示し、隣接する三つのサブピクセル100a,100b,100cを抜き出して描いている。
図2に示すように、表示パネル10は、基板101のZ軸方向の上に、駆動回路であるTFT層102が形成されている。なお、図2では、TFT層102の構成要素の内、ドレイン電極のみを図示している。そして、TFT層102の上、および基板101の上は、パッシベーション膜103により被覆されている。パッシベーション膜103は、TFT層102の一部を露出するように開口されている。
パッシベーション膜103の上には、平坦化層104、アノード電極105およびホール注入輸送層106が順に積層形成されている。アノード電極105は、サブピクセル100a,100b,100c毎に分離された状態で形成されている。
ホール注入輸送層106の上には、絶縁材料からなり、サブピクセル100a,100b,100cの間を区画するバンク(隔壁)107が立設されている。隣接するバンク107により区画された領域には、有機発光層108が形成され、その上には、カソード電極109、および封止層109が、順に積層形成されている。主な構成要素は、例えば、次のような材料を用い形成することができる。
なお、図2に示すように、アノード電極105は、バンク107側の端部領域(領域B1領域B2)での層厚が、バンク107側の端部領域から中央部側に離間した中央領域(領域B3)での層厚よりも厚くなっている。これについては、後述する。
a)基板101
基板101は、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の絶縁性材料をベースとして形成されている。
b)平坦化層104
平坦化層104は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、アクリル系樹脂材料などの有機化合物を用い形成されている。
c)アノード電極105
アノード電極105は、導電性材料からなる単層、あるいは複数の層が積層されてなる積層体から構成されており、例えば、Al(アルミニウム)やこれを含む合金、Ag(銀)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)などを用い形成されている。なお、本実施の形態のように、トップエミッション型の場合には、高反射性の材料で形成されていることが好ましい。
なお、アノード電極105には、上層部分に、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)を用い形成された透明被覆層が含まれることもある。
d)ホール注入輸送層106
ホール注入輸送層106は、例えば、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、イリジウム(Ir)などの酸化物、あるいは、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料からなる層である。上記の内、酸化金属からなるホール注入輸送層104は、ホールを安定的に、またはホールの生成を補助して、有機発光層106に対しホールを注入および輸送する機能を有し、大きな仕事関数を有する。
ここで、ホール注入輸送層106を遷移金属の酸化物から構成する場合には、複数の酸化数をとるためこれにより複数の準位をとることができ、その結果、ホール注入が容易になり駆動電圧を低減することができる。
e)バンク107
バンク(隔壁)107は、樹脂等の有機材料で形成されており絶縁性を有する。バンク107の形成に用いる有機材料の例としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等があげられる。そして、バンク107は、有機溶剤耐性を有することが好ましい。
さらに、バンク107の形成においては、エッチング処理およびベーク処理などが施されるので、それらの処理に対して過度に変形、変質などをしないような耐性の高い材料で形成されることが好ましい。また、撥水性をもたせるために、側面部をフッ素処理することもできる。
なお、バンク107の形成に用いる絶縁材料については、上記の各材料をはじめ、特に抵抗率が105[Ω・cm]以上であって、撥液性を有する材料を用いることができる。これは、抵抗率が105[Ω・cm]以下の材料を用いた場合には、アノード電極105とカソード電極109との間でのリーク電流、あるいは隣接サブピクセル100a,100b,100cの相互間でのリーク電流の発生の原因となり、消費電力の増加などの種々の問題を生じることになるためである。
また、バンク107を親液性の材料を用い形成した場合には、バンク107の側面部とホール注入輸送層106の表面との親液性/撥液性の差異が小さくなり、有機発光層108を形成するために有機物質を含んだインクを、バンク107の開口部に選択的に保持させることが困難となってしまうためである。
さらに、バンク107の構造については、図2に示すような一層構造だけでなく、二層以上の多層構造を採用することもできる。この場合には、層毎に上記材料を組み合わせることもできるし、層毎に無機材料と有機材料とを用いることもできる。
f)有機発光層108
有機発光層108は、アノード電極105から注入されたホールと、カソード電極109から注入された電子とが再結合されることにより励起状態が生成され発光する機能を有する。有機発光層108の形成に用いる材料は、湿式印刷法を用い製膜できる発光性の有機材料を用いることが必要である。
具体的には、例えば、特許公開公報(特開平5−163488号公報)に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体などの蛍光物質で形成されることが好ましい。
g)カソード電極109
カソード電極109は、例えば、ITO、IZO(酸化インジウム亜鉛)などで形成される。トップエミッション型の表示パネル10の場合においては、光透過性の材料で形成されることが好ましい。光透過性については、透過率が80[%]以上とすることが好ましい。
カソード電極109の形成に用いる材料としては、上記の他に、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらのハロゲン化物を含む層と銀を含む層とをこの順で積層した構造を用いることもできる。上記において、銀を含む層は、銀単独で形成されていてもよいし、銀合金で形成されていてもよい。また、光取出し効率の向上を図るためには、当該銀を含む層の上から透明度の高い屈折率調整層を設けることもできる。
なお、有機発光層108とカソード電極109との間に、電子注入層を介挿させた構成とすることもできる。
電子注入層は、カソード電極109から注入された電子を有機発光層108へ輸送する機能を有し、例えば、バリウム、フタロシアニン、フッ化リチウム、あるいはこれらの組み合わせで形成されることが好ましい。
h)封止層110
封止層110は、有機発光層108などが水分に晒されたり、空気に晒されたりすることを抑制する機能を有し、例えば、SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)などの材料を用い形成される。トップエミッション型の表示パネル10の場合においては、光透過性の材料で形成されることが好ましい。
3.バンク107の構成
図3に示すように、本実施の形態に係る表示パネル10では、バンク107として、各サブピクセル100a,100b,100cの部分が略長方形状に規定された、所謂、ピクセルバンクの形態を採用する。具体的には、バンク107は、X軸方向に延伸する部分107aと、Y軸方向に延伸する部分107bとが一体に形成されてなる。そして、同一の列に属し、X軸方向の上下に隣接する3つのサブピクセル(赤色(R)のサブピクセル、緑色(G)のサブピクセル、青色(B)のサブピクセル)を以って、一のピクセル(画素)が構成されている。
なお、図2に示す断面は、図3におけるB−B‘断面である。即ち、サブピクセル100aの部分を、その長軸方向(Y軸方向)の断面で示している。
4.アノード電極105の形状と有機発光層108の層厚
図4に示すように、表示パネル10の各サブピクセル100a,100b,100cにおいては、表面104aが平坦化された平坦化層104上に形成されたアノード電極105が、全体にわたって均一な層厚を有するのではなく、バンク107側の端部領域(領域D1、領域D2)での層厚T1,T2が、バンク107側の端部領域から中央部側に離間した中央領域(領域D3)での層厚T3よりも厚く形成されている。
平坦化層104の上面104aは、バンク107とバンク107との間の発光領域では、平坦化されており、このため、アノード電極105は、上記層厚T1,T2と層厚T3との差異により、領域D1および領域D2での各上面部105b,105cが、領域D3での上面部105aよりも、Z軸方向上側に位置している。
ホール注入輸送層106については、アノード電極105の上面部105a,105b,105cに沿って積層形成され、層厚が略一定であるため、バンク107側の端部領域での上面部106b,106cが、中央領域での上面部106aよりも、Z軸方向上側に位置している。
ホール注入輸送層106の上に積層形成される有機発光層108については、上記のように、バンク107側の端部領域(領域D1、領域D2)での上面部108b,108cが、中央領域(領域D3)での上面部108aよりも、Z軸方向上側に位置する。
しかし、本実施の形態では、図4に示すように、ホール注入輸送層106についても、バンク107側の端部領域での上面部106b,106cが、中央領域での上面部106aよりも、Z軸方向上側に位置しているので、有機発光層108における端部領域(領域D1、領域D2)での下面部(互いに接しているため、ホール注入輸送層106の上面部106b,106cと同一)が、中央領域(領域D3)での下面部(同様に、ホール注入輸送層106の上面部106aと同一)よりも、Z軸方向上側に位置するので、有機発光層108の層厚は、端部領域(領域D1,領域D2)での層厚T11,T12と、中央領域(領域D3)での層厚T13と等しい。
有機発光層108は、全体として見た場合に、上面部がZ軸方向上方に凹形状となり、下面部がZ軸方向下方に凸形状となっている。
なお、上記における「等しい」とは、必ずしも数値の面で完全に等しいことを意味するものではなく、有機発光素子の製造における寸法誤差などを考慮したものである。具体的には、有機発光素子として、輝度ムラが実用上許容できる範囲で、等しいということを意味する。
ホール注入輸送層106は、バンク107側の端部領域(領域D1、領域D2)の上面部106b,106cが、中央領域(領域D3)の上面部106aに対して、Z軸方向において、高さの差異(ギャップ)G1だけ上方に位置する。ギャップG1は、100[nm]以上200[nm]以下の範囲内で規定されている。これより、有機発光層108における層厚T11,T12と層厚T13との均一化をより確実に図ることができる。
また、有機発光層108におけるバンク107側の端部領域(領域D1、領域D2)の上面部108b,108cが、Y軸方向に50[μm]以上の長さを有することが、層厚T11,T12と層厚T13との均一化を図る上で好ましい。同様に、有機発光層108における中央領域(領域D3)の上面部108aが、Y軸方向に50[μm]以上の長さを有することが、層厚T11,T12と層厚T13との均一化を図る上で好ましい。
また、サブピクセルにおけるY軸方向での長さL0を、バンク107の斜面部とホール注入輸送層106の上面部106b,106cとの交点P1,P2の間隔で規定するとき、有機発光層108におけるバンク107側の端部領域(領域D1、領域D2)の上面部108b,108cが、長さL0に対して、1/5以上1/3以下とすることが、層厚T11,T12と層厚T13との均一化を図る上で好ましい。同様に、有機発光層108における中央領域(領域D3)の上面部108aが、長さL0に対して、1/3以上3/5以下とすることが、層厚T11,T12と層厚T13との均一化を図る上で好ましい。
5.効果
本実施の形態に係る有機表示装置1、および表示パネル10では、各サブピクセル100a,100b,100cにおいて、有機発光層108の層厚T11,T12と層厚T13とが互いに等しい。これより、表示パネル10では、各サブピクセル100a,100b,100cの有機発光層108において、バンク107側の端部領域(領域D1、領域D2)での厚膜化が防止され、当該領域における輝度の低下が防止され、サブピクセル100a,100b,100cの全域における輝度の均一性が得られやすくなり、良好な発光特性が得られる。
また、表示パネル10では、有機発光層108について、バンク107側の端部領域(領域D1、領域D2)の下面部および中央領域(領域D3)の下面部にわたって同一材料であるホール注入輸送層106に接して形成されているので、この点でも、インクの濡れ性が向上し、良好な発光特性を得ることができる。
従って、本実施の形態に係る有機表示装置1および表示パネル10は、有機発光層108の層厚T11,T12と層厚T13を含むサブピクセル100a,100b,100c全体での層厚の均一化を図ることができ、これより輝度ムラが少なく、高い光学特性を有する。
6.製造方法
表示パネル10の製造方法について、図5から図7を用い、その要部を説明する。
図5(a)に示すように、基板101のZ軸方向上側主面に対し、TFT層102を形成し(図5から図7では、TFT層のドレイン電極のみを図示)、その上に、パッシベーション膜103を形成する。そして、パッシベーション膜103の上に、有機化合物(例えば、ポリイミド、ポリアミドなど)からなる平坦化層104を形成する。平坦化層104には、各TFT層102におけるドレイン電極の上の部分に、コンタクトホール104d,104eが形成されている。
なお、コンタクトホール104d,104eの底部においては、パッシベーション膜103の一部も除去されており、TFT層102のドレイン電極が露出する状態となっている。
次に、図5(b)に示すように、平坦化層104の上に、アノード電極105を形成するための電極膜1050を製膜する。電極膜1050は、導電性材料(例えば、アルミニウム(Al)やこれを含む合金など)をスパッタリング法や真空蒸着法などを用い製膜することにより形成される。なお、電極膜1050は、コンタクトホール104d,104eの内壁部分にも形成され、コンタクトホール104d,104eの底部において、TFT層102のドレイン電極と接続される。
そして、図5(b)に示すように、平坦化層104の上に電極膜1050を製膜した状態で、マスク501を配する。
マスク501には、光透過部501a,501b,501cなどが設けられており、光透過部501cの光透過率が、光透過501a,501bに対して、低く設定されている、所謂、ハーフトーンマスクである。
図5(b)の状態で、露光を行い、その後、エッチングを行う。上記のように、露光工程において、マスク501における光透過部501a,501bと光透過部501cとの光透過率の差異により、露光強度が選択的に異なる。これにより、エッチング後においては、図5(c)に示すように、マスク501の光透過部501a,501bに相当する箇所(箇所105g,105h)では、アノード電極105がサブピクセル単位で分断される。これに対して、マスク501の光透過部501cに相当する箇所では、露光強度が相対的に弱いことに起因して、エッチング後においては、アノード電極105の凹部105fを構成できる。
アノード電極105では、凹部105fの底部での上面部105aが、そのY軸方向の両側の部分での上面部105b,105cに対して、100[nm]以上200[nm]以下の範囲内の高さの差異を有している。
なお、アノード電極105上に、さらにITO(Indium Tin Oxide)などが積層された構成とすることもできる。
図6(a)に示すように、アノード電極105、およびそのパターニングにより露出する平坦化層104の一部を覆うように、ホール注入輸送層106を積層形成する。ホール注入輸送層106においても、アノード電極105の凹部105fなどに沿った形状となり、アノード電極105の上面部105aの上に形成された部分の上面部106aが、アノード電極105の上面部105b,105cの上に形成された部分の上面部106b,106cよりも、Z軸方向に高さが異なる。具体的には、ホール注入輸送層106においては、上面部106b,106cが、上面部106aに対して、Z軸方向に高い位置になる。
次に、図6(b)に示すように、ホール注入輸送層106の上を覆うように、バンク材料膜1070を堆積形成する。バンク材料膜1070は、例えば、スピンコート法などを用い、感光性レジスト材料(例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂など)を堆積することにより形成される。
図6(c)に示すように、バンク材料膜1070に対して、マスク(図示を省略)を配しての露光を行い、その後、現像およびベークを行うことでバンク107が形成できる。バンク107の形成後においては、バンク107とバンク107とで規定される開口部においては、ホール注入輸送層106の上面部(上面部106a,106b,106cを含む)が露出される。
次に、図7(a)に示すように、バンク107とバンク107とで規定された領域に対して、発光性の有機材料を含むインク1080を、例えば、インクジェット法などにより滴下・塗布する。そして、インク1080を乾燥させることにより、図7(b)に示すように、有機発光層108が形成される。
有機発光層108は、ホール注入輸送層106の上面部(上面部106a,106b,106cを含む)の形状に沿って形成されるので、バンク107側の端面領域での上面部108b,108cが、バンク107側の端部領域から中央部側へと離間した中央領域での上面部108aよりもZ軸方向上側に配されることになり、有機発光層108の上面部は、全体としてZ軸方向の上向きに凹形状となる。
また、有機発光層108の下面部は、ホール注入輸送層106の上面部(上面部106a,106b,106cを含む)に接しているので、全体としてZ軸方向の下向きに凸形状となる。
次に、図7(c)に示すように、有機発光層108の上面部(上面部108a,108b,108cを含む)、およびバンク107の表面に対して、カソード電極109および封止層110を順に積層形成する。
なお、上記のように、有機発光層108とカソード電極109との間に、電子輸送層および電子注入層などを介挿するという構成を採用することもできる。
以上のように、表示パネル10の要部の製造が完了する。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る表示パネル12の構成について、図8を用い説明する。図8は、上記実施の形態1で用いた図4に対応する図であり、一のサブピクセルの要部となる部分を抜き出して示している。
図8に示すように、本実施の形態に係る表示パネル12では、平坦化層124について、その上面124aが、バンク127とバンク127との間の発光領域で平坦化されている点は、上記実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、アノード電極125において、バンク127側の端部領域に相当する領域(領域E1、領域E2)の上面部125b,125cと、バンク127側の端部領域から中央部側に離間した中央領域の上面部125aと、さらに、中央領域と端部領域との間の領域の上面部125g,125hを有している。即ち、本実施の形態に係る表示パネル12では、アノード電極125が、中央領域での上面部125aと、それよりもZ軸方向の上方に位置する上面部125g,125hと、さらにZ軸方向の上方に位置する上面部125b,125cとを有する。
ホール注入輸送層126は、アノード電極125の上面部(上面部125a,125b,125c,125g,125hを含む)に沿って形成されており、中央領域での上面部126aと、それよりもZ軸方向の上方に位置する上面部126g,126hと、さらにZ軸方向の上方に位置する上面部126b,126cとを有する。
有機発光層128は、上記実施の形態1に係る表示パネル10の有機発光層108と同様に、バンク127側の端部領域での上面部128b,128cが、バンク127から離間した中央領域での上面部128aよりもZ軸方向の上方に位置している。そして、本実施の形態では、有機発光層128の下面部が、ホール注入輸送層126の上面部126a,126b,126c,126g,126hに沿っているので、Y軸方向における箇所毎の有機発光層128の層厚が、さらに均一化されている。
従って、本実施の形態に係る表示パネル12では、上記実施の形態1に係る表示パネル10にも増して、輝度ムラが少なく、高い発光特性を有する。
なお、図8に示した部分以外の構成については、上記実施の形態1と同様である。
[実施の形態3]
実施の形態3に係る表示パネル13の構成について、図9を用い説明する。図9は、上記実施の形態1で用いた図4に対応する図であり、一のサブピクセルの要部となる部分を抜き出して示している。
図9に示すように、本実施の形態に係る表示パネル13でも、平坦化層134の上面部134aが平坦化されている点は上記実施の形態1,2と同様であり、また、アノード電極135において、バンク137から離間した中央領域での上面部135aと、バンク137側の端部領域(領域F1、領域F2)での上面部135b,135cを有する点、および上面部134b,134cが上面部134aに対してZ軸方向の上方に位置する点で、上記実施の形態1に係るアノード電極105と同様である。
本実施の形態に係る表示パネル13のアノード電極135では、上面部135aと上面部135b,135cとの間が、Z軸方向に起立した壁ではなく、斜面部134g,134hとなっている点で、上記実施の形態1に係る表示パネル10のアノード電極105と相違する。
ホール注入輸送層136は、アノード電極135の上面部(上面部135a,135b,135c、および斜面部135g,135hを含む)に沿って形成されており、中央領域での上面部136aと、それよりもZ軸方向の上方に位置する上面部136b,136cと、その間に配された斜面部136g,136hとを有する。
有機発光層138は、上記実施の形態1に係る表示パネル10の有機発光層108と同様に、バンク137側の端部領域での上面部138b,138cが、バンク137側の端部領域から中央部側に離間した中央領域での上面部138aよりもZ軸方向の上方に位置している。そして、本実施の形態でも、有機発光層138の下面部が、ホール注入輸送層136の上面部136a,136b,136c、およびその間の斜面部136g,136hに沿っている。このため、本実施の形態に係る表示装置13では、Y軸方向における箇所毎の有機発光層138の層厚が、さらに均一化されている。
従って、本実施の形態に係る表示パネル13では、上記実施の形態1に係る表示パネル10にも増して、輝度ムラが少なく、高い発光特性を有する。
なお、図9に示した部分以外の構成については、上記実施の形態1と同様である。
[実施の形態4]
実施の形態4に係る表示パネル14の構成について、図10を用い説明する。図10は、上記実施の形態1で用いた図4に対応する図であり、一のサブピクセルの要部となる部分を抜き出して示している。
図10に示すように、本実施の形態に係る表示パネル14では、平坦化層144の上面部144aが平坦化されている点、アノード電極145において、バンク147側の端部領域から中央部側に離間した中央領域での上面部145aと、バンク147側の端部領域(領域H1、領域H2)での上面部145b,145cを有する点、および上面部145b,145cが上面部145aに対してZ軸方向の上方に位置する点で、上記実施の形態1と同様である。
本実施の形態に係る表示パネル14のアノード電極145では、バンク147側の端部領域(領域H1、領域H2)での上面部145b,145cが、Z軸方向に対して直交する水平面ではなく、斜面部となっている点で、上記実施の形態1に係る表示パネル10と相違する。
ホール注入輸送層146は、アノード電極145の上面部(上面部145a,145b,145cを含む)に沿って形成されており、中央領域での上面部146aと、それよりもZ軸方向の上方に位置する上面部146b,146cとを有する。
有機発光層148は、上記実施の形態1に係る表示パネル10の有機発光層108と同様に、バンク147側の端部領域での上面部148b,148cが、バンク147側の端部領域から中央部側に離間した中央領域での上面部148aよりもZ軸方向の上方に位置している。そして、本実施の形態でも、有機発光層148の下面部が、ホール注入輸送層146の上面部146a,146b,146cに沿っている。このため、本実施の形態に係る表示装置14では、Y軸方向における箇所毎の有機発光層148の層厚が、さらに均一化されている。
従って、本実施の形態に係る表示パネル14では、上記実施の形態1に係る表示パネル10にも増して、輝度ムラが少なく、高い発光特性を有する。
なお、図10に示した部分以外の構成については、上記実施の形態1と同様である。
また、本実施の形態に係る表示パネル14の有機発光層148の表面プロファイルが、上記実施の形態1,2,3の各有機発光層108,128,138の表面プロファイルと相違するが、これは、下地層の段差などで変わるのではない。即ち、有機発光層148の表面プロファイルが図10に示す形態である場合に、本実施の形態を適用することができるものである。
[その他の事項]
実施の形態1では、有機発光層108よりもZ軸方向の下方のホール注入輸送層106が、アノード電極105の上面部形状に沿って形成されていることにより、バンク107側の端部領域での上面部106b,106cが、バンク107側の端部領域から中央部側に離間した中央領域での上面部106aよりも、Z軸方向において高い位置にある構成とした。また、実施の形態2では、上面部126aと上面部126g,126hと上面部126b,126cが階段状となる構成とした。
このように、有機発光層108,128,138,148の下面部について、上面部のプロファイルに出来るだけ沿った形状とすることにより、バンク107,127,137,147側の各端部領域での層厚と、バンク107,127,137,147側の端部領域から中央部側に離間した各中央領域での層厚との差異を小さく抑えることができることとした。製造における精度および製造コストとの観点から、許容される範囲で、有機発光層の直下に配されることになるホール注入輸送層などの機能層の上面部プロファイルを有機発光層の上面部プロファイルに出来るだけ近似するようにすることが望ましい。例えば、機能層の上面部プロファイルのステップ数を3段以上としたり、その間に斜面を介挿したりすることなどもできる。
なお、上記実施の形態1,2,3,4の各構成を、有機発光層108,128,138,148の上面部プロファイルなどを考慮しながら、適宜組み合わせることも可能である。
また、上記実施の形態1,2,3,4では、アノード電極105,125,135,145と有機発光層108,128,138,148との間に、ホール注入輸送層106,126,136,146を介挿する構成としたが、本発明は、これに限らず、例えば、機能層として、ホール注入層だけを介挿する形態なども採用することができる。
また、上記実施の形態1,2,3,4では、有機発光層108,128,138,148に対して、Z軸方向の下方にアノード電極105,125,135,145を配置し、Z軸方向の上方にカソード電極109を配置する構成を一例として採用したが、これとは逆に、Z軸方向の下方にカソード電極を配置し、Z軸方向の上方にアノード電極を配置する構成を採用することもできる。
また、上記実施の形態1,2,3,4では、有機発光層108,128,138,148から出射された光を、カソード電極109を通して、Z軸方向の上方に取り出す構成(トップエミッション型)を想定しているが、本発明は、これとは逆に、基板101を通して、Z軸方向の下方に光を取り出す構成(ボトムエミッション型)とすることもできる。
また、上記実施の形態1,2,3,4では、有機表示装置1の具体的な外観形状を示さなかったが、例えば、図11に示すようなシステムの一部あるいは全部とすることなどもできる。
本発明は、輝度ムラが少なく、高い発光特性を有する有機発光素子および有機表示パネルおよび有機表示装置を実現するのに有用である。
1.有機表示装置
10,12,13,14.表示パネル
20.駆動制御部
21〜24.駆動回路
25.制御回路
100a,100b,100c.サブピクセル
101.基板
102.TFT層
103.パッシベーション膜
104,124,134,144.平坦化層
105,125,135,145.アノード電極
106,126,136,146.ホール注入輸送層
107,127,137,147.バンク
108,128,138,148.有機発光層
109.カソード電極
110.封止層
501.マスク
1050.電極膜
1070.バンク材料膜
1080.インク

Claims (9)

  1. 基板、および当該基板上に形成される駆動回路、および、前記駆動回路上に形成された平坦化層を含み、上面が平坦化された下地層と、
    上面が平坦化された前記下地層の上方に形成される第1電極と
    前記第1電極の上方に形成される機能層と、
    前記第1電極の上方に形成され、隣り合う発光部を区画するための開口部を有する複数の隔壁と、
    前記複数の隔壁間における前記開口部に対応する前記機能層の上方に形成され、有機発光材料を含むインクが塗布されて形成される発光層と、
    前記発光層の上方に形成され、第1電極と異なる極性を有する第2電極と、
    を有し、
    前記第1電極は、前記発光層における前記隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、前記発光層の前記隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、
    前記第1電極の前記第1の上面部は、前記第1電極の前記第2の上面部に対して上方に位置し、前記第2の上面部が平坦形状を有し、前記第1の上面部が、前記第2の上面部に対して段差を有し形成され、または、階段状に形成されており、
    前記機能層は、前記第1電極の前記第1の上面部および前記第2の上面部に沿って形成され、前記発光層における前記隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、前記発光層の前記隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、
    前記機能層の前記第1の上面部は、前記機能層の前記第2の上面部に対して上方に位置し、
    前記発光層は、前記機能層の前記第1の上面部および前記第2の上面部に沿って形成され、前記機能層に接触し、前記隔壁側の端部領域に対応する第1の下面部と、前記機能層に接触し、前記隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の下面部と、前記機能層と異なる側にあって、前記隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、前記機能層と異なる側にあって、前記隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、
    前記発光層の前記第1の下面部は、前記発光層の前記第2の下面部に対して上方に位置し、
    さらに、
    前記発光層の前記第1の上面部は、前記発光層の前記第2の上面部に対して上方に位置し、
    前記発光層の前記第1の下面部から前記第1の上面部までの層厚は、前記発光層の前記第2の下面部から前記第2上面部までの層厚と、等しい
    ことを特徴とする有機発光素子。
  2. 前記発光層の前記第1の上面部および前記第2の上面部を含む上面部は、前記発光層の前記第1の上面部が、前記発光層の前記第2の上面部に対して上方に位置することにより、上方に凹形状を有し、
    前記発光層の前記第1の下面部および前記第2の下面部を含む下面部は、前記発光層の前記第1の下面部が、前記発光層の前記第2の下面部に対して上方に位置することにより、下方に凸形状を有する、
    請求項1記載の有機発光素子。
  3. 前記機能層の前記第1の上面部は、前記機能層の前記第2の上面部に対し、100nm以上200nm以下の範囲内で上方に位置する、
    請求項1記載の有機発光素子。
  4. 前記発光層を前記隔壁間の断面方向に見る場合において、
    前記発光層の前記第1の上面部の長さが50μm以上であって、前記発光層の前記第2の上面部の長さが50μm以上であり、
    且つ、
    前記発光層の前記第1の上面部の長さが、前記発光部の全長に対して1/5以上1/3以下であって、前記発光層の前記第2の上面部の長さが、前記発光部の全長に対して1/3以上3/5以下である、
    請求項1記載の有機発光素子。
  5. 前記発光層における前記隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域とは、隣接する隔壁間の各中央部である、
    請求項1記載の有機発光素子。
  6. 前記複数の発光部は、異なる2方向に配列され、
    前記複数の隔壁は、隣り合う発光部を前記異なる2方向に区画するように形成され、
    前記第1電極における前記第1の上面部と前記第2の上面部、前記機能層における前記第1の上面部と前記第2の上面部、および前記発光層における前記第1の上面部と前記第2の上面部と前記第1の下面部と前記第2の下面部は、前記発光部における発光層の上面視における長軸方向に沿って各々配されている、
    請求項1記載の有機発光素子。
  7. 基板上に駆動回路を形成し、前記駆動回路上に平坦化層を形成することにより、前記駆動回路および前記平坦化層を含み、上面が平坦形状を有する下地層を形成する第1工程と、
    前記平坦形状を有する下地層の上方に第1電極を形成する第2工程と、
    前記第1電極の上方に機能層を形成する第3工程と、
    前記第2工程により形成された第1電極の上方に、隣り合う発光部を区画するための開口部を有する複数の隔壁を形成する第4工程と、
    前記複数の隔壁間における前記開口部に対応する前記機能層の上方に、有機発光材料を含むインクを塗布して発光層を形成する第5工程と、
    前記発光層の上方に、第1電極と異なる極性を有する第2電極とを形成する第6工程と、
    を有し、
    前記第2工程では、
    前記第1電極を、前記発光層における前記隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、前記発光層の前記隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、
    前記第1電極の前記第1の上面部が、前記第1電極の前記第2の上面部に対して上方に位置し、
    前記第2の上面部が平坦形状を有し、前記第1の上面部が、前記第2の上面部に対して段差を有し、または、階段状なるように、
    前記第1電極を形成し、
    前記第3工程では、
    前記機能層を、前記第1電極の前記第1の上面部および前記第2の上面部に沿って形成し、前記発光層における前記隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、前記発光層の前記隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、前記機能層の前記第1の上面部が、前記機能層の前記第2の上面部に対して上方に位置するように形成し、
    前記第5工程では、
    前記発光層を、前記機能層の前記第1の上面部および前記第2の上面部に沿って形成し、前記機能層に接触し、隔壁側の端部領域に対応する第1の下面部と、前記機能層に接触し、前記隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の下面部と、前記機能層と異なる側にあって、隔壁側の端部領域に対応する第1の上面部と、前記機能層と異なる側にあって、前記隔壁側の端部領域から中央部側に離間した他の領域に対応する第2の上面部と、を有し、
    前記発光層の前記第1の下面部が、前記発光層の前記第2の下面部に対して上方に位置し、
    さらに、
    前記発光層の前記第1の上面部が、前記発光層の前記第2の上面部に対して上方に位置し、
    前記発光層の前記第1の下面部から前記第1の上面部までの層厚が、前記発光層の前記第2の下面部から前記第2の上面部までの層厚と等しくなるように形成する、
    ことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
  8. 請求項8に記載された有機発光素子の製造方法により製造された有機発光素子を用いた有機表示パネル。
  9. 請求項8に記載された有機発光素子の製造方法により製造された有機発光素子を用いた有機表示装置。
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