JP5274840B2 - 耐衝撃性が改良されたキャストアクリル板 - Google Patents

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Description

本発明は、耐衝撃性が改良されたキャストアクリル板の製造方法に関するものである。
本発明はさらに、上記キャストシート自体と、その使用とに関するものである。
ポリメチルメタクリレート(PMMA)はその優れた光学的特性(特に、光沢と可視光線透過率が少なくとも90%である高い透明度)が評価されている材料であるが、衝撃に弱い脆い熱可塑性材料でもある。この特徴はPMMAのガラス転移温度が約110℃で、この材料ではポリマー鎖が周囲温度で容易に移動できない。しかし、用途によってはPMMAの透明度を保持したまま、その衝撃強度を向上させる必要のある。
一般に、PMMAの耐衝撃性は多層球形粒子の形をしたコア−シェルとして知られるタイプの衝撃改質剤をアクリル樹脂に導入することで向上できる。これらの粒子は乳化重合で製造され、噴霧して粉末の形で回収される。この衝撃改質剤は「硬質」層と「軟質」層とを有し、2層(軟−硬)または3層(硬−軟−硬)の粒子がある。金型内でのモノマー混合物の重合で得られるアクリルキャストシートの場合には衝撃改質剤をモノマー混合物中に予め分散させておく。押出しアクリルシートの場合には押出機中で衝撃改質剤をアクリル樹脂と混合する。いずれの場合も、一定の均一レベルの耐衝撃強度を維持するためには衝撃改質剤をアクリル樹脂中に良く分散させる必要がある。
本出願人の下記文献には衝撃改質剤とグラフト化エラストマーコポリマーとによって強化されたメタクリル(コ)ポリマーが開示されている。
国際特許出願WO 01/57133号公報
この衝撃改質剤はコア−シェル型の添加剤か、ジエンまたはアルキルまたはアラルキル(メタ)アクリレートから得られる少なくとも一種のブロックを含むブロックコポリマーにすることができる。グラフト化エラストマーコポリマーはペンダント位置にメタクリル(コ)ポリマー基がグラフトされたエラストマーコポリマーから得られる。従って、耐衝撃性は2種類のポリマーと、衝撃改質剤と、グラフト化エラストマーコポリマーとの組合せで得られる。
下記文献にはスチレン−ブタジエン−メチルメタクリレートブロックコポリマー(SBM)を用いる半結晶熱可塑性樹脂の衝撃強化方法が開示されている。
国際特許出願WO 99/29772号公報
本出願人の下記文献にはBがジエンから得られる中心ブロックを表すABA型のブロックコポリマー、例えばSBMを用いるPMMAの衝撃強化法が開示されている。
国際特許出願WO 02/055573号公報
本出願人の下記文献には制御ラジカル重合法を用いて調製され中心ブロックBと、n個の分岐鎖Aとから成るB(−A)nブロックコポリマーを用いた熱可塑性マトリクスの耐衝撃強化法が開示されている。
国際特許出願WO 03/062293号公報
この方法は多くの熱可塑性樹脂(PS、PC、PVDF等)の強化、特にPMMAキャストシートの製造に適用されている。この方法は第1段階で多官能性アルコキシアミンを用いて中心ブロックBを製造し、第2段階で中心ブロックBを分岐鎖Aを形成するための一種または複数のモノマーと混合してB(−A)nブロックコポリマーを作る。この段階でラジカル開始剤を混合物に添加してマトリクスを生成する。第3段階では、必要に応じてマトリクスと混合されたブロックコポリマーB(−A)nを250℃以下の温度(脱溶媒段階とよばれる段階)で真空蒸発によって残留モノマーから分離する。第4段階では、こうして残留モノマーから分離されたブロックコポリマーを熱可塑性樹脂と一緒に押出しするか、モノマー混合物に再溶解し、この混合物自体を重合する。この第4段階の最後にマトリクス中に分散したブロックコポリマーが得られる。
キャストシートの製造に適用される上記特許文献4(国際特許出願WO 03/062293号公報)の方法は脱溶媒段階とその次のコポリマーの再溶解段階を必要とするため工業的規模で実施することはできない。これらの2つの単位操作は全サイクル時間を増大させ、プロセスの生産性に影響を与えるという欠点の外に、脱溶媒段階でブロックコポリマー中にゲルが生じる危険がある。これはモノマー混合物の再溶解に悪影響を及ぼし、キャストシートの透明度を損なうことになる。
さらに、上記方法、特に、その実施例では第2段階で分岐鎖Aの生成とマトリクスの生成とを同時に開始するのが好ましい。そのために、モノマーAを2つのタイプの開始剤、通常のラジカル開始剤と再活性可能な中心ブロックと接触させる。そうすることによって、モノマーAは、それぞれ特定の反応速度を有する競合する2つのラジカル重合に従って同時に消費される。この第2段階の制御は、ブロックAとマトリクスの生成速度を一致させる必要があるため極めて難しい。これは、ラジカル開始剤の種類を中心ブロックBに適合させ、しかも、温度サイクルを慎重に調節する必要があることを意味する。しかし、実際には、矛盾した要求条件が生じ、考えられる妥協は一般に下記の結果を生じる:
(1)コポリマーB(−A)nの重合中に未熟な相分離が起り、コポリマーB(−A)nがシートと金型との界面へマイグレート(移行)する。この場合にはシートを金型から除去できないか、および/または全部または一部が不透明なシートが得られる。
(2)残留メチルメタクリレート(MMA)の含有率が許容以上になり、シート完成時点で除去できない。
本出願人は上記特許文献4(国際特許出願WO 03/062293号公報)に開示された衝撃強化キャストアクリルシートの調製方法を改良した。本発明方法は脱溶媒−再溶解段階を全く必要としないのでサイクル時間が上記特許文献4(国際特許出願WO 03/062293号公報)に開示の方法より向上し、従って、生産性が改良される。
さらに、ラジカル開始剤はブロックコポリマーB(−A)nの生成中ではなく生成後に添加する。従って、重合の制御が容易になり、シート表面上の欠陥とコポリマーB(−A)nの相分離に起因する不透明領域の発生を防止でき、許容量以上の残留MMAが存在しないようにすることができる。
驚くべきことに、本出願人はさらに、シート中の中心ブロックBの比率が2〜5%、好ましくは2.5〜4.5%、さらに好ましくは2.6〜4.0%の場合に透明度/衝撃強度のバランスが極めて良くなる、ということを見出した。
本発明の一つの変形例では、別の場所で予め作ったブロックコポリマーB(−A)nからキャストシートを製造することもできる。例えば、コスト上または物資補給上の理由で、キャストシートの製造現場以外の製造現場で作ったコポリマー、さらには別の製造業者が作ったコポリマーを使用できる。この方法は下記段階を含む:
(1)ブロックコポリマーB(−A)nをMMAおよび任意成分としての少なくとも一種のコモノマーMおよび任意成分としての少なくとも一種のラジカル開始剤と混合し、
(2)第1段階で得られる混合物を注型し、加熱してキャストシートを得る。
シート中の中心ブロックBの重量比率は2〜5%、好ましくは2.5〜4.5%、さらに好ましくは2.6〜4.0%であるのが好ましい。
さらに、本発明ブロックコポリマーはマトリクス内部で組織化され、均一に分散した粒子となる。この粒子はほぼ球形のノジュール(nodules、節)の形をしており、このノジュールの中にMMAのホモポリマーまたはコポリマーと同じ種類の一種または複数のサブノジュール(sous-nodules、副節)が存在している。
本発明の第1の対象は、下記(1)〜(4)の段階を含む耐衝撃性が強化されたPMMAのキャストシートの製造方法にある:
(1)下記(a)と(b)の混合物を、アルコキシアミンを活性化し且つモノマーを重合するのに十分な温度に加熱し:
(a)少なくとも一種のアルコキシアミンZ(−T)n(ここで、Zは多価の基を表し、nは2以上、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8の整数である)、
(b)中心ブロックBを形成するための一種または複数のモノマー、
(2)第1段階で未消費のモノマーが混合されていてもよい中心ブロックBを、分岐鎖Aを形成するための一種または複数のモノマーの存在下で再活性化し、
(3)MMAと、任意成分としてのMMAとラジカル共重合可能な少なくとも一種のコモノマーMおよび少なくとも一種のラジカル開始剤とを第2段階で得られた混合物中に添加し、
(4)第3段階で得られた混合物を注型成形し、加熱する。
本発明の一つの変形例では、本発明方法は下記(1)と(2)の段階を含む:
(1)下記(a)〜(c)を含む混合物を調製し:
(a)請求項2または3に記載の中心ブロックBに共有結合を介して結合した請求項4または5に記載のn個の分岐鎖Aから成るブロックコポリマーB(−A)n(nは2以上、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8である)、
(b)MMA、
(c)任意成分としての少なくとも一種のコモノマーMおよび少なくとも一種のラジカル開始剤、
(2)第1段階で得られた混合物を注型し、加熱してキャストシートを得る。
上記シート中の中心ブロックBの比率は2〜5重量%、好ましくは2.5〜4.5重量%、さらに好ましくは2.6〜4.0重量%であるのが好ましい。
本発明の別の対象は、本発明方法またはその変形例によって得られるシートにある。
本発明のさらに別の対象は、ほぼ球形のノジュールの形で存在するブロックコポリマーB(−A)nの粒子が均一に分散したMMAのホモまたはコポリマーであって、上記ノジュールの内部に上記MMAのホモポリマーまたはコポリマーと同じ組成を有する一種または複数のサブノジュールが存在しているMMAのホモまたはコポリマーにある。
本発明のさらに別の対象は、上記のホモポリマーまたはコポリマーから成るキャストシートにある。
本発明のさらに別の対象は、キャストシートのウインドウパネル、防音壁、フラットスクリーン、広告看板またはディスプレー装置の製造での使用にある。
本発明のブロックコポリマー:B(−A)nは中心ブロックBに共有結合を介して結合したn個(nは2以上、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8の整数)の分岐鎖Aを有する。分岐鎖Aは互いに同一でも異なっていてもよく、すなわち、平均分子量および/または組成が同一でも異なっていてもよい。
IUPACの定義(下記文献参照)から、ブロックコポリマーとは隣り合って配置された化学的に異なる複数のポリマーブロックを有する高分子である。「化学的に異なる」とは異なるモノマーから得られるか、同じモノマーから得られ、互いに異なる分布を有することを意味する。
IUPAC、化学用語集第2版、1997年、1996、68、2303
ブロックコポリマーに関するこれ以上の説明は下記文献を参照されたい。
カークオスマ(Kirk-Othmer) 化学技術百科辞典、第3版、第6巻、798頁
本発明のコポリマーは直鎖、星形または櫛形(ブラシコポリマー)にすることができるが、直鎖コポリマー、さらに好ましくは式ABA(n=2)の直鎖トリブロックコポリマーであるのが好ましい。本発明のブロックコポリマーB(−A)nはコア−シェル型の粒子とは違う。
本発明のコポリマーはトリブロックコポリマーにすることができ、この場合、n=2(中心ブロックと2つの分岐鎖)である。トリブロックコポリマーの例としてはPMMA−b−ポリ(n−ブチルアクリレート)−b−PMMA、PMMA−b−ポリ(n−ブチルアクリレート−co−スチレン)−b−PMMA、PMMA−b−ポリ(イソブチルアクリレート−co−スチレン)−b−PMMA、ポリ(MMA−co−n−ブチルアクリレート)−b−ポリ(n−ブチルアクリレート−co−スチレン)−b−ポリ(MMA−co−n−ブチルアクリレート)が挙げられる(b:ブロックコポリマーを表すのに用いる記号、co:ランダムコポリマーを表すのに用いる記号)。
ブロックコポリマーB(−A)nは式Z(−T)nのアルコキシアミンを用いた制御されたラジカル重合法で調製できる。この方法では分岐鎖Aの末端の全部または一部がニトロオキシドTで終わる。例えば、下記の反応で示されるようにニトロオキシドとアルキルメタクリレートとの間で移動反応が起こったときに、分岐鎖の末端の一部がニトロオキシドTで終わる:
Figure 0005274840
ブロックコポリマーB(−A)nは重量平均分子量が30,000〜300,000g/mol、好ましくは35,000〜300,000g/molである。多分散度指数は1.5〜3.0、好ましくは1.8〜2.7、さらに好ましくは1.9〜2.7である。
中心ブロックBは全ガラス転移温度(temperature de transition vitreuse globale)(Tg)が0℃以下である。中心ブロックBの重量平均分子量は5000g/mol以上、好ましくは20,000g/mol以上、さらに好ましくは30,000g/mol以上であるのが好ましい。中心ブロックBの重量平均分子量は30,000〜300,000g/mol、好ましくは50,000〜250,000g/molであるのが好ましい。
中心ブロックBは、下記の中から選択される少なくとも一種のモノマーを含む混合物から製造される:
(1)式CH2=CH−C(=O)−O−R1のアクリルモノマー(ここで、R1は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アミノ基またはエポキシ基で置換されていてもよい直鎖、環式または分岐鎖を有するC1−C40アルキル基、例えばアクリル酸、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2−エチルヘキシルまたはグリシジルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはアクリロニトリルを表す)、
(2)式CH2=C(CH3)−C(=O)−O−R2のメタクリルモノマー(ここで、R2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アミノ基またはエポキシ基で置換されていてもよい直鎖、環式または分岐鎖を有するC1−C40アルキル基、例えばメタクリル酸、MMA、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2−エチルヘキシルまたはグリシジルメタクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレートまたはメタクリロニトリルを表す)、
(3)芳香族ビニルモノマー、例えばスチレン、置換スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレンまたはtert-ブチルスチレン。
中心ブロックBはジエンからは製造されない。中心ブロックBの全ガラス転移温度Tgを調節するためのこれらのモノマーの組み合わせ方は当業者に周知である。Tgを0℃以下にするためには、Tgが0℃以下の少なくとも一種のモノマー、例えばブチルアクリレートまたは2−エチルヘキシルアクリレートを用いる必要がある。最高の透明度を与えるために中心ブロックBの屈折率はマトリクスの屈折率にできるだけ近くするのが好ましい。
中心ブロックBはTgが0℃以下のモノマー、例えばブチルアクリレートまたは2−エチルヘキシルアクリレートのみで構成することができる。中心ブロックBを少なくとも一種のアルキルアクリレートと、芳香族ビニルモノマーとで構成することもできる。中心ブロックBはブチルアクリレートとスチレンとから成り、ブチルアクリレート/スチレン重量比が70/30〜90/10、好ましくは75/25〜85/15であるのが有利である。
分岐鎖Aは全Tgが0℃以上で、MMAのホモポリマーまたはコポリマーと相溶性がある。各分岐鎖Aの重量平均分子量は15,000〜1,000,000g/mol、好ましくは25,000〜500,000g/mol、さらに好ましくは35,000〜300,000g/molである。ブロックコポリマーB(−A)nとメタクリル(コ)ポリマーとの相溶性およびシートの透明度を高めるために、分岐鎖Aの中心ブロックBに対する重量比は1以上、好ましくは1.5以上にするのが好ましい。
各分岐鎖AはMMAと、下記の中から選択される任意成分としての少なくとも一種のモノマーとを含む混合物から製造される:
(1)式CH2=CH−C(=O)−O−R1のアクリルモノマー(ここで、R1は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アミノ基またはエポキシ基で置換されていてもよい直鎖、環式または分岐鎖を有するC1−C40アルキル基、例えばアクリル酸、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2−エチルヘキシルまたはグリシジルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはアクリロニトリルを表す)、
(2)式CH2=C(CH3)−C(=O)−O−R2のメタクリルモノマー(ここで、R2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アミノ基またはエポキシ基で置換されていてもよい直鎖、環式または分岐鎖を有するC2−C40アルキル基、例えばメタクリル酸、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2−エチルヘキシルまたはグリシジルメタクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレートまたはメタクリロニトリルを表す)、
(3)芳香族ビニルモノマー、例えばスチレンまたは置換スチレン、例えばα−メチルスチレン、モノクロロスチレンまたはtert-ブチルスチレン。
各分岐鎖Aの主成分はMMAであり、各分岐鎖AはMMAを50〜100重量%、好ましくは75〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%含んでいるのが好ましい。
任意成分としてのコモノマーMは、MMAとラジカル共重合可能な任意のコモノマーである。このコモノマーMは下記の中から選択するのが好ましい:
(1)式CH2=CH−C(=O)−O−R1のアクリルモノマー(ここで、R1は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アミノ基またはエポキシ基で置換されていてもよい直鎖、環式または分岐鎖を有するC1−C40アルキル基、例えばアクリル酸、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2−エチルヘキシルまたはグリシジルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはアクリロニトリルを表す)、
(2)式CH2=C(CH3)−C(=O)−O−R2のメタクリルモノマー(ここで、R2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アミノ基またはエポキシ基で置換されていてもよい直鎖、環式または分岐鎖を有するC2−C40アルキル基、例えばメタクリル酸、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2−エチルヘキシルまたはグリシジルメタクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレートまたはメタクリロニトリルを表す)、
(3)芳香族ビニルモノマー、例えばスチレン、置換スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレンまたはtert-ブチルスチレン、
(4)架橋性の多官能性アクリルモノマー、例えばポリオールポリアクリレート、アルキレングリコールポリアクリレートまたはアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレートまたは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、
(5)架橋性の多官能性メタクリルモノマー、例えばポリオールポリメタクリレート、アルキレングリコールポリメタクリレートまたはアリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートまたは1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、
(6)芳香族ビニルモノマー、例えばスチレン、置換スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレンまたはtert-ブチルスチレン、
(7)架橋性の多官能性芳香族ビニルモノマー、例えばジビニルベンゼンまたはトリビニルベンゼン。
コモノマーMはメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートまたは1,4−ブタンジオールジメタクリレート(BDMA)であるのが好ましい。MMA/コモノマーMの重量比率は90/10〜100/0、好ましくは95/5〜100/0である。
アルコキシアミンは一般式:Z(−T)n(Zは活性化後に複数のラジカル部位を生じることができる多価の基を表す)を有する。この活性化はZ−T共有結合の切断によって生じる。nは2以上、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜8の整数である。
nはアルコキシアミンの官能価、すなわち下記の機構に従ってアルコキシアミンが放出するニトロオキシドTの数を表す。
Figure 0005274840
重合は、一種または複数のモノマーの存在下で加熱によって活性化されたアルコキシアミンによって開始される。下記はアルコキシアミン(n=2)からブロックコポリマーpolyM2−polyM1−polyM2を製造する反応式を示している:
Figure 0005274840
アルコキシアミンの活性化後に、先ず最初にモノマーM1が重合し、次に、得られたpolyM1ブロックが再活性化されて、モノマーM2の重合が開始する。このブロックコポリマーの製造原理はn>2の場合にも当てはまる。
Zは例えば下記の基(I)〜(VIII)の中から選択することができる:
Figure 0005274840
(ここで、R3およびR4は炭素原子数が1〜10の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基、フェニルまたはチエニル基(F、ClまたはBrのようなハロゲン原子、炭素原子数が1〜4の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボニルまたはカルボキシル基で置換されていてもよい)、ベンジル基、炭素原子数が3〜12のシクロアルキル基、一種または複数の不飽和を含む基を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Bは炭素原子数が1〜20の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を表し、mは1〜10の整数である)
Figure 0005274840
(ここで、R5およびR6はアリール、ピリジル、フリルまたはチエニル基(F、ClまたはBrのようなハロゲン原子、炭素原子数が1〜4の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボニルまたはカルボキシル基で置換されていてもよい)を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Dは炭素原子数が1〜6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基、フェニレン基またはシクロアルキレン基を表し、pは1〜10の整数である)
Figure 0005274840
(ここで、R7、R8およびR9は式(I)のR3およびR4と同じ意味を有し、互いに同一でも異なっていてもよく、q、rおよびsは1〜10の整数である)
Figure 0005274840
(ここで、R10は式(II)のR5およびR6と同じ意味を有し、tは1〜4の整数であり、uは2〜6の整数である(芳香族基が置換される))
Figure 0005274840
(ここで、R11は式(IV)のR10基と同じ意味を有し、vは2〜6の整数である)
Figure 0005274840
(ここで、R12、R13およびR14はフェニル基(ClまたはBrのようなハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基で置換されていてもよい)を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Wは酸素、硫黄またはセレン原子を表し、wはゼロまたは1である)
Figure 0005274840
(ここで、R15は式(I)のR3と同じ意味を有し、R16は式(II)のR5およびR6と同じ意味を有する)
Figure 0005274840
(ここで、R17およびR18は水素原子、ハロゲン原子またはヘテロ原子で置換されていてもよいし炭素原子数が1〜10の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基、アリール基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい)
Tはニトロオキシドすなわち孤立電子を有する安定なフリーラジカル=N−O基を表す。「安定なフリーラジカル」とは空気および大気中の湿度に対して不変で且つ不活性なラジカルを意味し、このラジカルは大部分のフリーラジカルよりもはるかに長時間、取扱いおよび貯蔵が可能なものである(この点に関しては下記文献を参照されたい)。
Accounts of Chemical Research,1976,9,13-19
従って、上記の安定なフリーラジカルは寿命が瞬間的(数ミリ秒〜数秒)であるフリーラジカル、例えば通常の重合開始剤(ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、アゾ型開始剤)から生じるフリーラジカルとは異なる。これらの重合開始剤のフリーラジカルは重合を加速するが、上記の安定なフリーラジカルは一般に重合を減速する。一般に、重合開始剤でなく、本発明の使用条件下でラジカルの平均寿命が少なくとも1分である場合に「フリーラジカルは安定である」ということができる。
Tは下記構造式で表される:
Figure 0005274840
(ここで、R19、R20、R21、R22、R24、R24は下記:
(1)直鎖または分岐鎖を有する置換されていてもよいC1−C20、好ましくはC1−C10のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチルまたはネオペンチル、
(2)置換または未置換のC6−C30のアリール基、例えばベンジルまたはアリール(フェニル)、
(3)飽和C1−C30の環状基
を表し、R19とR22基は下記の中から選択できる置換されていてもよい環状構造R19−CNC−R22の一部を成すこともできる)
Figure 0005274840
(ここで、xは1〜12の整数を表す)
例としては下記のニトロオキシドを用いることができる:
Figure 0005274840
本発明では、重合をよく制御できる点で、下記の式(X)のニトロオキシドを用いるのが特に好ましい:
Figure 0005274840
(ここで、RaおよびRbは1〜40個の炭素原子を有するアルキル基で、互いに同一でも異なっていてもよく、必要に応じて互いに結合して環を形成してもよく、必要に応じてヒドロキシル、アルコキシまたはアミノ基で置換されていてもよく、RLは16g/mol以上、好ましくは30g/mol以上のモル質量を有する一価の基を表す)。RL基は40〜450g/molのモル重量を有するのが好ましい。RL基は一般式(XI)の燐を含む基であるのが好ましい:
Figure 0005274840
(ここで、XおよびYはアルキル、シクロアルキル、アルコキシル、アリールオキシ、アリール、アラルキルオキシ、ペルフルオロアルキルまたはアラルキル基の中から選択でき、1〜20個の炭素原子を含むことができ、互いに同一でも異なっていてもよく、Xおよび/またはYはハロゲン原子、例えば塩素、臭素またはフッ素原子にすることもできる)
Lは下記式のホスホン酸基であるのが好ましい:
Figure 0005274840
(ここで、RcおよびRdは1〜40個の炭素原子を有するアルキル基で、互いに同一でも異なっていてもよく、必要に応じて互いに結合して環を形成してもよく、また、必要に応じて置換されていてもよい)
L基も少なくとも一種の芳香族環、例えばフェニル基またはナフチル基を含むことができ、この芳香族環は例えば1〜10個の炭素原子を有する一種または複数のアルキル基で置換されていてもよい。
式(X)のニトロオキシドを有する下記の式(XIII)のアルコキシアミンが好ましい:
Figure 0005274840
アルコキシアミン(XIII)に含まれる式(X)のニトロオキシドの例としては下記が挙げられる:N−tert-ブチル−1−フェニル−2−メチルプロピルニトロオキシド、N−(2−ヒドロキシメチルプロピル)−1−フェニル−2−メチルプロピルニトロオキシド、N−(tert-ブチル)−1−ジベンジルホスホノ−2,2−ジメチルプロピルニトロオキシド、N−(tert-ブチル)−1−ジ(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノ−2,2−ジメチルプロピルニトロオキシド、N−(tert-ブチル)−1−ジエチルホスホノ−2−メチルプロピルニトロオキシド、N−(1−メチルエチル)−1−シクロヘキシル−1−(ジエチルホスホノ)ニトロオキシド、N−(1−フェニルベンジル)−1−ジエチルホスホノ−1−メチルエチルニトロオキシド、N−フェニル−1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピルニトロオキシド、N−フェニル−1−ジエチルホスホノ−1−メチルエチルニトロオキシド、N−(1−フェニル−2−メチルプロピル)−1−ジエチルホスホノメチルエチルニトロオキシドまたは下記式のニトロオキシド:
Figure 0005274840
式(XIV)のニトロオキシドが特に好ましい:
Figure 0005274840
これはN−(tert-ブチル)−1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピルニトロオキシドで、一般にSG1とよばれる。
アルコキシアミンは下記の特許文献5および特許文献6に記載の式で調製できる。
米国特許第590,549号明細書 フランス国特許第99.04405号公報
使用可能な方法の一つでは、ニトロオキシド基と炭素基とをカップリングする。このカップリングはCuX/リガンド(X=ClまたはBr)のような有機金属系の存在下で下記の非特許文献4に記載のATRA(原子移動ラジカル付加)反応によってハロゲン化誘導体を用いて行うことができる。
D.Greszta達によるMacromolecules 1996, 29, 7661-7670
Figure 0005274840
本発明で使用可能なアルコキシアミンは下記で表される:
Figure 0005274840
Gは−P(=O)(OEt)2基を表す。
複数のアルコキシアミンを組み合わせても本発明の範囲を逸脱するものではない。上記混合物は例えば、n1のニトロオキシドを有するアルコキシアミンとn2のニトロオキシドを有するアルコキシアミン(ここで、n1とn2は互いに異なる)とを含むことができる。互いに異なるニトロオキシドを有するアルコキシアミンの組合せにすることもできる。
ラジカル開始剤はジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、ジアルキルペルオキシド、ペルオキシアセタールまたはアゾ化合物の中から選択できる。適切なラジカル開始剤は、例えばイソプロピルカーボネート、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、カプロイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、tert-ブチルペルベンゾエート、tert-ブチルペル(2−エチルヘキサノエート)、クミルヒドロペルオキシド、1,1−ジ(tert-ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert-ブチルペルオキシイソブチレート、tert-ブチルペルアセテート、tert-ブチルペルピバレート、アミルペルピバレート、tert-ブチルペルオクトエート、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソブチルアミド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)または4,4'−アゾビス(4−シアノペンタノン酸)である。上記リストの中から選択されるラジカル開始剤の混合物を用いても本発明の範囲を逸脱するものではない。好ましいラジカル開始剤はアゾビスイソブチロニトリルである。
注型される混合物中のモノマーに対するラジカル開始剤の含有率は100〜2000ppm(重量)、好ましくは200〜1000ppm(重量)にする。この含有率は所望の用途および厚さによって変えることができる。
注型される混合物(本発明方法の第3段階または変形例の第1段階の)には必要に応じてその他の成分を添加することができる。この添加物としては有機染料または無機顔料、可塑剤、紫外線安定剤、例えばCiba社のTinuvin(登録商標)P(注型される混合物に対して0〜1000ppm、好ましくは50〜500ppmの含有率で用いられる)、光または熱安定剤、例えばTinuvin(登録商標)770、酸化防止剤、難燃剤、例えばトリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、増粘剤、例えば酢酸酪酸セルロース、離型剤、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(注型される混合物に対して0〜500ppm、好ましくは0〜200ppmの含有率で用いられる)、光を散乱(例えば、端面照明が可能なシートを生成する)またはシートを不透明にするための無機または有機充填剤(例えば、ポリアミド、PTFE、BaSO4)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。赤外線を反射する役目をする少なくとも一種の添加剤および/または紫外線を遮る役目をする少なくとも一種の添加剤の多くはジアルキルフタレート型の可塑剤中に予めペーストの形で添加される。
その他の成分としてはキャストシートの分野で一般的に使用される連鎖制限剤、例えばγ−テルピネンまたはテルピノレンがあり、これらは注型される混合物のモノマーに対して0〜500ppm、好ましくは0〜100ppmの含有率にする。この連鎖制限剤は、分岐鎖Aの生成前に分岐鎖Aを生成するための一種または複数のモノマーに対して0〜500ppm、好ましくは0〜100ppmの含有率で、(本発明の方法の第2段階で)添加することができる。
本発明の耐衝撃強化はコポリマーB(−A)nによって行われるが、他の耐衝撃改質剤、例えばコア−シェル型、特に軟−硬または硬−軟−硬型(例えばアルケマから商品名Durastrength(登録商標)または例えばMetablend(登録商標)D320で市販のもの)を添加して相乗効果を得ることもできる。衝撃改質剤/ブロックコポリマーB(−A)n比率は90/10〜10/90にすることができる。コポリマーB(−A)nを単独で用い、コア−シェル型添加剤は全く添加しないのが好ましい。
本発明方法は下記の段階を含む:
第1段階では、少なくとも一種のアルコキシアミンZ(−T)nと、中心ブロックBを形成するための一種または複数のモノマーとを、アルコキシアミンを活性化し且つ一種または複数のモノマーを重合するのに十分な温度で加熱する。
制御ラジカル重合のリビング特性を保持しながらアルコキシアミンを活性化するように温度を選択する。温度は好ましくは80〜150℃、さらに好ましくは80〜130℃である。この温度は用いるアルコキシアミンおよび重合される一種または複数のモノマーに固有の温度である。重合時間は30分〜8時間、好ましくは1〜8時間、さらに好ましくは2〜6時間で変えることができる。
重合をより良く制御するために、混合物にニトロオキシドを添加することもできる。添加されるニトロオキシドはアルコキシアミンに含まれるニトロオキシドと同じでも異なっていてもよい。アルコキシアミンに対する添加されるニトロオキシドのモル比は0〜20%、好ましくは0〜10%である。
一種または複数のモノマーの変換率は10〜100%で変えることができるが、50〜100%、好ましくは50〜80%の変換率で重合を停止するのが好ましい。
この第1段階の最後に、未消費の一種または複数のモノマーが混合されていることもある中心ブロックBが得られる。
第2段階では、未消費の一種または複数のモノマーが混合されていてもよい中心ブロックBを、分岐鎖Aを形成するための一種または複数のモノマーの存在下で再活性化する。
第1段階の変換率が100%以下である場合には、第1段階で完全に重合されなかった一種または複数のモノマーが混合物中に残る。従って、混合物は中心ブロックBと、分岐鎖Aを形成するために添加された一種または複数のモノマーと、第1段階で完全には重合されなかった一種または複数のモノマーとを含んでいる。この混合物中の中心ブロックBの比率は1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。
分岐鎖Aは80〜150℃、好ましくは80〜130℃の温度で形成される。重合時間は30分〜8時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜2時間にすることができる。第1段階と同様に、酸素が存在しないようにするのが好ましい。この段階中にニトロオキシドを添加することができる。このニトロオキシドはアルコキシアミンに含まれるニトロオキシドと異なっていてもよい。この段階で添加されるニトロオキシドの比率は0〜20mol%、好ましくは0〜10mol%である。
第2段階の変換率は10〜100%で変えることができるが、過度に粘性高い混合物が生じないようにするために変換率は5〜50%、好ましくは5〜30%に制限するのが好ましい。それによって、この第2段階の最後に得られる混合物は未消費の一種または複数のモノマーが混合されたブロックコポリマーB(−A)nを含むことができる。この混合物は一般に「シロップ」とよばれる。
第3段階ではMMAと、任意成分としての少なくとも一種のモノマーMおよび少なくとも一種のラジカル開始剤とを第2段階で得られる混合物に添加する。
第3段階の最後に、MMAと、コポリマーB(−A)nと、任意成分としての少なくとも一種のコモノマーMと、少なくとも一種のラジカル開始剤とを含む混合物が得られる。第1および/または第2段階で消費されなかったモノマーおよび連鎖制限剤が残っている場合もあるが、主成分はMMAである。
第1〜第3段階を行う反応器は開放式でも密閉式でもよい。この反応器は3段階とも同じ反応器にすることができる。酸素が存在しないようにするのが好ましい。そのために一般的には反応混合物を減圧し、反応物の導入後、窒素またはアルゴンでフラッシングして反応器を不活性化にする。
第4段階では第3段階で得られる混合物を注型し、加熱する。金型は例えばPVCのシールで互いに分離された2枚のガラスシートから成る。加熱は例えば上記混合物を含む金型を一列に配置した温度調節が可能な水を満たした容器または換気オーブンを用いて行うことができる。
本発明方法の変形例は下記の段階を含む:
第1段階では、ブロックコポリマーB(−A)nをMMAと任意成分としての少なくとも一種のコモノマーMおよび少なくとも一種のラジカル開始剤と混合する。
ブロックコポリマーは再活性化できる(すなわち、一種または複数のモノマーの存在下で加熱されたときにモノマーの重合を開始する)のが好ましい。この混合物中の中心ブロックBの比率は、2〜5重量%、好ましくは2.5〜4.5重量%、さらに好ましくは2.6〜4.0重量%であるのが好ましい。
この混合物はMMAと、コポリマーB(−A)nと、少なくとも一種のラジカル開始剤と、任意成分としての少なくとも一種のコモノマーMとを含む。ブロックコポリマーB(−A)nはいわゆる再活性化可能である。
第2段階では、第1段階で得られた混合物を注型し、加熱してキャストシートを得る。
本発明またはその変形例では、注型される混合物の加熱は一定温度(等温)で行うか、あるいは、高精度の温度プログラム(例えば約70℃の第1静止期の後に約120℃の第2静止期を有する温度プログラム)に従うことができる。冷却後、得られたシートを金型から取り出す。
本発明方法は種々の厚さ、好ましくは2〜30mm、さらに好ましくは2.5〜12mmの工業用アクリルシートの製造に適用できる。製造方法、特に第3段階をアクリルシートの厚さに応じて変える方法(ラジカル開始剤および温度プログラムの選択)は当業者に周知である。
MMAのホモポリマーまたはコポリマーは本発明方法の第4段階および変形例の第2段階で生成される。MMAのホモポリマーまたはコポリマーの主成分はMMAである。
キャストシートはブロックコポリマーB(−A)nが均一に分散したマトリクスを構成するMMAのホモポリマーまたはコポリマーから成る。ブロックコポリマーはマトリクス内部に組織化(s'organiser)され、均一に分散した粒子となる傾向がある。従って、マトリクスはMMAのホモポリマーまたはコポリマーの連続相から成る。上記粒子は電子顕微鏡法または原子間力顕微鏡法を用いて観察することができ、MMAのホモポリマーまたはコポリマーと同じ組成を有する一種または複数のサブノジュールが中に存在した略球形のノジュールの形で存在する。従って、キャストシートは、MMAのホモポリマーまたはコポリマーと同じ組成を有する一種または複数のサブノジュールが中に存在した略球形のノジュールの形で存在するブロックコポリマーB(−A)nの粒子が均一に分散したMMAのホモポリマーまたはコポリマーから成る。
粒子の寸法は約100〜600nm、好ましくは100〜400nm、さらに好ましくは100〜250nmである。粒度分布は多少広くてもよいが、狭い粒度分布を有するのが有利である。
アクリル材料の場合に重要な基準は透明度/衝撃強度のバランスである。上記特許文献4(国際特許出願WO 03/062293号公報)の[表5]から、この特許のキャストシートの製造方法では中心ブロックBの含有率を上げてシートの耐衝撃強度を高くできるが、キャストシートの透明度が損なわれるということがわかる。本発明方法は上記特許文献4(国際特許出願WO 03/062293号公報)よりも透明度/衝撃強度のバランスが良い。
驚くべきことに、シート中の中心ブロックBの比率が2〜5%、好ましくは2.5〜4.5%、さらに好ましくは2.6〜4.0%である場合に透明度/耐衝撃強度のバランスが最適となるということを本発明者は見出した。
さらに、本本発明者は本発明方法の耐衝撃性が強化されたキャストシートの透明度はコア−シェル型の粒子を用いて強化したキャストシートよりも温度の影響を受け難いということも見出した。
本発明キャストシートの使用
製造されたシートはウインドウパネル(特に自動車の窓、例えば前、後、横または透明ルーフの窓)、防音壁、フラットスクリーン、広告看板またはディスプレー装置などの製造で用いることができ、熱成形、切り出し、研磨、接着または折重ね加工によって種々の物品に加工できる。これらのシートは特に浴室の付属器具(浴槽、シンク、シャワートレイなど)の製造で用いることができる。このためには当業者に周知な方法でシートを熱成形する。
自動車の窓の場合には、シートは赤外線を反射する役目をする少なくとも一種の添加剤および/または紫外線を遮る役目をする少なくとも一種の添加剤を含むことができるのが有利である。
原子間力顕微鏡法
−60℃の温度でダイヤモンドナイフを用いて表面処理した後に、シートのモルホロジーを原子顕微鏡法(タッピングモード)で微視的に観察した。材料の粘弾性特性に対して敏感な位相モードの画像のみを示す。
ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)
ゲル透過クロマトグラフィを用いてPMMA標準品に対して分子量(Mn:数平均、Mw:重量平均)を測定した。
その他の測定
耐衝撃強度をEN 179−2 eU規格(ノッチなし、シャルピー衝撃、全エネルギー=2J、衝撃速度=2.9m.s-1)に従って測定した。衝撃強度はkJ/m2で表される。
光学特性はデータカラースペクトラフラッシュ比色計を用いて測定した。ビカー温度はISO 306規格に従ってCeast装置を用いて得た。
実施例1
強化キャストシートの製造
第1段階
ブチルアクリレートとスチレンをベースにした中心ブロックBの調製
二重螺旋攪拌器、オイル循環加熱ジャケットおよび真空/窒素ラインを備えた15リットル容の金属反応器中に下記を導入する:6880gのブチルアクリレート、1120gのスチレン、55gのジアルコキシアミンDIAMS(純度82%、遊離SG1の含有率は0.48%)(すなわち、45gの純DIAMS、純度85%の1.6gのSG1、すなわち、1.4gの純SG1)。これは、DIAMS中に既に存在している0.48%の遊離SG1を考慮に入れると、DIAMSに含まれるアルコキシ官能基1つ当たり5mol%過剰であることを示す。
反応物の導入後、真空/窒素サイクルを用いて反応混合物を3回脱気する。次いで、反応器を閉じ、攪拌(50回転/分)および加熱(調整温度:125℃)を開始する。反応混合物の温度は約30分で115℃に達する。圧力は約1.45barで安定する。反応器の温度を250分間、115℃に維持する。冷却後、固形分含量が71%の8008gの混合物(過剰ブチルアクリレート中のブチルアクリレート/スチレンコポリマーの71%溶液)を回収する。得られた中心ブロックBのブチルアクリレート/スチレン重量比は80.3/19.7である。サイズ排除クロマトグラフィーによる中心ブロックBの分析から下記の結果が得られた:
n:69,750g/mol、
w:124,830g/mol、
多分散度指数:1.8
第2段階
上記中心ブロックBからのB(−A) n コポリマーの調製
逆回転する2枚の螺旋攪拌器、オイル循環加熱ジャケットおよび真空/窒素ラインを備えた15リットル容の金属反応器中に下記を導入する:493gの第1段階で得られた71%溶液、4504gの不安定化MMA(MMA)、5gのMMAで調製したγ−テルピネンの5%溶液(すなわち、混合物に対して50ppmのγ−テルピネン)。
反応物導入後、真空/窒素下に反応混合物を3回脱気する。次いで、反応器を閉じて、攪拌(50回転/分)および加熱(調整温度:90℃)を開始する。反応混合物の温度は約30分で85℃に達する。この時点から試験時間を測定する。圧力は約1.6barで安定する。反応器の温度を25分間約90℃に維持する。ブロックコポリマーの18%シロップ4950gを回収する。ブチルアクリレート−スチレンコポリマーの中心ブロックBに対するPMMA分岐鎖の重量比は1.6である。
第3段階
第2段階のシロップからの厚さ4mmのPMMAシートの製造
真空三角フラスコ中に下記を注入する:80gの第2段階で得られたシロップ、85gの不安定化MMA、3.0gのMMA中のアゾビスイソブチロニトリルの5%溶液(すなわち、混合物に対して900ppmのAIBN含有率)、1.7gのMMA中のγ−テルピネンの1%溶液(すなわち、混合物に対して100ppmのγ−テルピネンの含有率)。
これら成分を混合した後、真空下に少なくとも20分間、慎重に脱気する。次いで、エラストマーシールを備えた2枚のガラスシートから成る寸法200×200×4mmの金型中に混合物を注入する。次いで、金型をプログラム可能な空気循環を備えたオーブンに入れる。重合を70℃の温度で6時間行う。
冷却後、下記の特徴を有する衝撃強化PMMAシートを回収する:
厚さ:4mm(金型からの取出し容易、滑らかで光沢のある表面)
シート中の中心ブロックBの含有率:3.4重量%
GPC特性は下記の通り:
w:1,112,115g/mol、
多分散度指数:3.2
シートは透明で黄変を全く示さない。透過における比色特性は下記の通り:
*:96.81/a*:0.06/b*:0.13、
ヘーズ:0.87、
黄色度指数YIE 313:0.29、
白色度指数 WIE 313:91.4、
550nmでの透過率:91.98、
衝撃強度:28.4±0.8kJ/m2
ビカー温度:108.5℃
実施例2
複数の含有率の中心ブロックBを含む強化キャストシートの製造
第1段階
ブチルアクリレートとスチレンをベースとする中心ブロックBの調製
螺旋攪拌器、オイル循環加熱ジャケットおよび真空/窒素ラインを備えた2リットル容の金属反応器中に下記を導入する:616gのブチルアクリレート、84gのスチレン、2.4gのジアルコキシアミンDIAMS(純度94%、遊離SG1の含有率は0.35%)(すなわち、2.3gの純DIAMS、純度85%の0.09gのSG1、0.077gの純SG1)。これは、DIAMS中に既に存在している0.35%の遊離SG1を考慮に入れると、DIAMSに含まれるアルコキシ官能基1つ当たり5mol%過剰であることを示す。
反応物の導入後、真空/窒素下に反応混合物を3回脱気する。次いで、反応器を閉じ、攪拌(50回転/分)および加熱(調整温度:125℃)を開始する。反応混合物の温度は約30分で113℃に達する。圧力は約1.5barで安定する。反応器の温度を522分間、115℃に維持する。冷却後、固形分含量が67%の608gの混合物を回収する。続いて、過剰ブチルアクリレートを70℃で減圧下に3時間、蒸発除去し、700gのMMAで置換すると、ストリッピングされたマクロラジカル(過剰ブチルアクリレートから遊離した)をMMA中に含む37%溶液1110gが回収される。得られたマクロラジカルのブチルアクリレート/スチレン重量比は83:17である。中心ブロックBのGPC分析から下記結果が得られた:
n:96,430g/mol、
w:201,000g/mol、
多分散度指数:2.1
第2段階:
上記マクロラジカルから調製したトリブロックを含むシロップの調製
第1段階で用いた反応器中に下記を導入する:132gの第1段階で得られたMMA中のマクロラジカルの37%溶液、566gの安定化していないMMA、MMA中のγ−テルピネンの5%溶液0.7g(50ppmのγ−テルピネン)。
反応物の導入後、真空/窒素下に反応混合物を3回脱気する。次いで、反応器を閉じ、攪拌(50回転/分)および加熱を開始する。反応混合物の温度は約15分で85℃に達する。この時点から試験時間を測定する。圧力は約1.5barで安定する。反応混合物の温度を55分間90℃に維持する。試験の最後に冷却し、ブロックコポリマーの15.6%シロップ620gを回収する。得られたコポリマーの分岐鎖/ブロックB重量比:1.22。
第3段階:
実施例2のシロップからの厚さ4mmの一連の衝撃強化シートの製造
[表1]に記載の混合物からシートを製造した。実施例1と同じ手順に従って、混合物を攪拌し、真空脱気し、金型に注入した。
Figure 0005274840
次に、金型をプログラム制御可能な空気循環系を備えたオーブン中に水平に入れ、70℃で7時間、重合する。回収したPMMAシートは金型から容易に取り出すことができ、下記の特徴を有する:
Figure 0005274840
シートの衝撃強度はシート中の中心ブロックの含有率の増加とともに均一に増加しないということが観察される。衝撃強度は中心ブロックの含有率が3.4〜4.8%の場合に最大で、この場合の透明度は極めて良好である(ヘーズ2.5%)。残留MMAの含有率の低さも注目される。
シート2、4を原子間力顕微鏡法(AFM)を用いて観察した。[図1]はシート2のAFM画像である。[図2]および[図3]はシート4のAFM画像である。この画像から両方のシートで均一に分散したほぼ球形の粒子が存在することが分かる。粒子はノジュールであり、その中にサブノジュールが存在する。シート2の粒子の寸法は約300〜500nmであり、シート4の粒子の寸法は約100〜200nmである。
透明度に与える温度の影響
温度T(℃)の関数としての透明度(ヘーズH、%表記)を、キャストシート5(曲線1)と、Roehm Gmbhから市販のZk 6BRグレードの市販衝撃改質剤を用いて得たキャストシート(曲線2)で測定した。結果は[図4]に示す。曲線1上ではヘーズが温度の影響をあまり受けないが、曲線2では影響が大きいことが分かる。
シート2のAFM画像 シート4のAFM画像 シート4のAFM画像 温度T(℃)を関数とする透明度(ヘーズH、%表記)のグラフ。曲線1は本発明のキャストシート5、曲線2は市販品。

Claims (11)

  1. 下記(1)〜(4)の段階を含む衝撃強化されたキャストPMMAシートの製造方法:
    (1)下記(a)と(b):
    (a)少なくとも一種のアルコキシアミンZ(−T)n(ここで、Tはニトロオキシド基を表し、nは2以上の整数、Zはnの値によって価数が決まる基で、下記の基の中から選択される:
    Figure 0005274840
    (ここで、R3およびR4は炭素原子数が1〜10である直鎖または分岐鎖を有するアルキル基、フェニルまたはチエニル基(ハロゲン原子または炭素原子数が1〜4である直鎖または分岐鎖を有するアルキル基またはニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボニルまたはカルボキシル基で置換されていてもよい)、ベンジル基、炭素原子数が3〜12のシクロアルキル基、一種または複数の不飽和を含む基を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Bは炭素原子数が1〜20の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を表し、mは1〜10の整数である)
    Figure 0005274840
    (ここで、R5およびR6はアリール、ピリジル、フリルまたはチエニル基(ハロゲン原子または炭素原子数が1〜4の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基またはニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボニルまたはカルボキシル基で置換されていてもよい)を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Dは炭素原子数が1〜6である直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基、フェニレン基またはシクロアルキレン基を表し、pは1〜10の整数である)
    Figure 0005274840
    (ここで、R7、R8およびR9は式(I)のR3およびR4と同じ意味を有し、互いに同一でも異なっていてもよく、q、rおよびsは1〜10の整数である)
    Figure 0005274840
    (ここで、R10は式(II)のR5およびR6と同じ意味を有し、tは1〜4の整数であり、uは2〜6の整数である(芳香族基が置換されている))。
    Figure 0005274840
    (ここで、R11は式(IV)のR10基と同じ意味を有し、vは2〜6の整数である)
    Figure 0005274840
    (ここで、R12、R13およびR14はハロゲン原子または炭素原子数が1〜10の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、Wは酸素、硫黄またはセレン原子を表し、wはゼロまたは1である)
    Figure 0005274840
    (ここで、R15は式(I)のR3と同じ意味を有し、R16は式(II)のR5およびR6と同じ意味を有する)
    Figure 0005274840
    (ここで、R17およびR18は水素原子またはハロゲン原子またはヘテロ原子で置換されていてもよい炭素原子数が1〜10の直鎖または分岐鎖を有するアルキル基、アリール基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい))
    (b)中心ブロックBを形成するための一種または複数のモノマー、
    とを含む混合物を加熱して、アルコキシアミンを活性化し、
    (2)第1段階で得られた、未消費の一種または複数のモノマーが混合されていてもよい中心ブロックBを、分岐鎖Aを形成するための一種または複数のモノマーの存在下で再活性化し且つこの分岐鎖Aを形成するための一種または複数のモノマーを重合し、
    (3)第2段階で得られる混合物に、メチルメタアクリレート(MMA)と、任意成分としてのMMAとラジカル共重合可能な少なくとも一種のコモノマーMと、少なくとも一種のラジカル開始剤とを添加し、
    (4)第3段階で得られた混合物を注型し、加熱する。
  2. nが2〜10の整数である請求項1に記載の方法。
  3. 中心ブロックBの全ガラス転移温度(temperature de transition vitreuse globale)が0℃以下である請求項1または2に記載の方法。
  4. 中心ブロックBが、下記(1)〜(3)の中から選択される少なくとも一種のモノマーを含む混合物から製造される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法:
    (1)式:CH2=CH−C(=O)−O−R1のアクリルモノマー(ここで、R1は水素原子またはハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アミノ基またはエポキシ基で置換されていてもよい直鎖、環式または分岐鎖を有するC1−C40アルキル基を表す)、
    (2)式:CH2=C(CH3)−C(=O)−O−R2のメタクリルモノマー(ここで、R2は水素原子またはハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アミノ基またはエポキシ基で置換されていてもよい直鎖、環式または分岐鎖を有するC1−C40アルキル基を表す)、
    (3)芳香族ビニルモノマー。
  5. 各分岐鎖Aの全ガラス転移温度が0℃以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 各分岐鎖Aが、MMAと、任意成分としての下記の中から選択される少なくとも一種のモノマーとを含む混合物から製造される請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法:
    (1)式:CH2=CH−C(=O)−O−R1のアクリルモノマー(ここで、R1は水素原子またはハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アミノ基またはエポキシ基で置換されていてもよい直鎖、環式または分岐鎖を有するC1−C40アルキル基を表す)、
    (2)式:CH2=C(CH3)−C(=O)−O−R2のメタクリルモノマー(ここで、R2は水素原子またはハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アミノ基またはエポキシ基で置換されていてもよい直鎖、環式または分岐鎖を有するC2−C40アルキル基を表す)、
    (3)芳香族ビニルモノマー。
  7. ニトロオキシドTが下記構造式で表される請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法:
    Figure 0005274840
    (ここで、R19、R20、R21、R22、R24、R24は下記:
    (1)直鎖または分岐鎖を有する置換されていてもよいC1−C20アルキル基、
    (2)置換または未置換のC6−C30のアリール基、
    (3)飽和C1−C30の環状基
    を表し、ここで、R19およびR22基は下記の中から選択できる置換されていてもよい環状構造R19−CNC−R22の一部を成すことができる:
    Figure 0005274840
    (ここで、xは1〜12の整数を表す)。
  8. ニトロオキシドTが下記式を有する請求項7に記載の方法:
    Figure 0005274840
    (ここで、RaおよびRbは1〜40個の炭素原子を有するアルキル基で、互いに同一でも異なっていてもよく、また、互いに結合して環を形成してもよく、ヒドロキシル、アルコキシまたはアミノ基で置換されていてもよい)
  9. ニトロオキシドTが下記式を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法:
    Figure 0005274840
  10. 下記(1)(2)の段階を含む耐衝撃性が強化されたキャストPMMAシートの製造方法:
    (1)下記(a)〜(c)を含む混合物を調製し:
    (a)請求項2または3に記載の中心ブロックBに共有結合を介して結合した請求項4または5に記載のn個の分岐鎖Aから成るブロックコポリマーB(−A)n(nは2〜10である)、
    (b)MMA
    (c)任意成分としての少なくとも一種のコモノマーMと、少なくとも一種のラジカル開始剤、
    (2)第1段階で得られた混合物を注型し、加熱してキャストシートを得る。
  11. シート中の中心ブロックBの比率が2〜5重量%である請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
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