JP5273398B2 - 内燃機関の出力制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の出力制御装置に係り、要求トルクに対し出力トルクの適正化を図る技術に関する。
例えば車両に搭載された内燃機関(エンジン)では、ドライバ(操作者)がステップ状のアクセル操作をした場合、吸入空気圧(例えば、インテークマニフォールド圧)と大気圧との圧力比(吸入空気圧/大気圧)が所定値(例えば、0.5283)以下の吸入空気の流速が音速となる所謂臨界域において吸入空気量が一次遅れの挙動を示すことが知られている。従って、アクセル操作に対してスロットルバルブを独立して制御可能な吸気システム(例えば、ドライブ・バイ・ワイヤ(DBW)システム)では、一般に、アクセル操作に対応した値を一次遅れ処理することにより吸入空気量を推定し、この吸入空気量の推定値に即して例えば目標トルクの指標を求め、当該指標に基づきスロットルバルブを適正な開度に調節して所望の出力トルクを得るようにしている。
また、エアフローセンサにより検出した吸入空気量を1次遅れ処理して筒内に流入する吸入空気量を演算し、この1次遅れ処理した値に基づいて燃料噴射量等の内燃機関の制御を行う技術も開発されている(特許文献1参照)。
特許第4120524号公報
一般的に車両では、減速時やアイドル時のようにエンジン運転中であってもアクセル操作を行わない場合もある。このような場合においても、エンジンや変速装置等の保護、あるいはエンジンストップの回避といった観点から、エンジンの回転速度の上限値及び下限値を設定し、これらの限界値内に迅速かつ正確にエンジンの回転速度が設定されるようにエンジンの出力トルク制御が必要とされている。
しかしながら、上記のようなアクセル操作から一次遅れ処理をして目標トルクの指標を演算する方法では、アクセル操作のない場合にはエンジン回転速度の変動時に迅速に対応することが困難である。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、内燃機関の運転時においてアクセル操作のないときに内燃機関の回転速度を所定値に迅速かつ正確に設定することが可能な内燃機関の出力制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の内燃機関の出力制御装置は、内燃機関の実回転速度を検出する実回転速度検出手段と、内燃機関の回転速度の制限値である制限回転速度を設定する制限回転速度設定手段と、実回転速度検出手段により検出した実回転速度と制限回転速度設定手段により設定された制限回転速度との差に基づいて、内燃機関の加速度の制限値である制限加速度を演算する制限加速度演算手段と、実回転速度検出手段によって検出した実回転速度より実加速度を演算する実加速度演算手段と、制限加速度演算手段により演算された制限加速度と実加速度演算手段により演算された実加速度との差に基づいて、内燃機関のトルク制御指標の限界値を演算するトルク制御指標限界値演算手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2の内燃機関の出力制御装置は、請求項1において、制限回転速度設定手段は、制限回転速度として回転速度の上限値を設定し、制限加速度演算手段は、実回転速度検出手段により検出した実回転速度と制限回転速度設定手段により設定された制限回転速度との差に基づいて、制限加速度として加速度の上限値を演算し、トルク制御指標限界値演算手段は、制限加速度演算手段により演算された制限加速度と実加速度検出手段により検出された実加速度との差に基づいて限界値としてトルク制御指標の上限値を演算するとともに、当該トルク制御指標の上限値と内燃機関の最大可能吸気量に基づく最大可能トルク制御指標とのうち小さい値を選択してトルク制御指標の限界値とすることを特徴とする。
また、請求項3の内燃機関の出力制御装置は、請求項2において、制限回転速度設定手段は、無負荷レーシング時の吹き上がりを抑制するために要求される第1の回転速度上限値と、内燃機関以外からの外部要求による第2の回転速度上限値と、内燃機関の始動直後における吹き上がりを抑制するために要求される第3の回転速度上限値と、回転速度の通常使用域の最大値である第4の回転速度上限値と、から要求に応じて選択し、回転速度の上限値とすることを特徴とする。
また、請求項4の内燃機関の出力制御装置は、請求項3において、制限回転速度設定手段は、無負荷レーシング時の吹き上がり抑制、外部要求及び吹き上がり抑制の要求が複数ある場合には、要求に対応した第1乃至第3の回転速度上限値のうち最も小さい値を選択し、回転速度の上限値とすることを特徴とする。
また、請求項5の内燃機関の出力制御装置は、請求項3または4において、第3の回転速度上限値は、内燃機関の温度に基づいて設定されることを特徴とする。
また、請求項6の内燃機関の出力制御装置は、請求項1〜5のいずれかにおいて、制限回転速度設定手段は、制限回転速度として回転速度の下限値を設定し、制限加速度演算手段は、実回転速度検出手段により検出した実回転速度と制限回転速度設定手段により設定された回転速度の下限値との差に基づいて、制限加速度として加速度の下限値を演算し、トルク制御指標限界値演算手段は、制限加速度演算手段により演算された制限加速度と実加速度検出手段により検出されたと実加速度との差に基づいて限界値としてトルク制御指標の下限値を演算するとともに、当該トルク制御指標の下限値とアイドル時におけるトルク制御指標の目標値と内燃機関の可燃限界に基づくトルク制御指標の下限値とのうち最も大きい値を選択してトルク制御指標の限界値とすることを特徴とする。
本発明の請求項1の内燃機関の出力制御装置によれば、実回転速度と制限回転速度との差に基づいて加速度制限値が演算され、この加速度制限値と実加速度との差に基づいて内燃機関のトルク制御指標の限界値が演算されるので、加速度を考慮したトルク制御指標の限界値の設定が可能となる。したがって、アクセル操作のないときでも内燃機関の回転速度を制限回転速度に迅速かつ正確に設定されるように内燃機関の出力トルク制御を行うことが可能となる。
本発明の請求項2の内燃機関の出力制御装置によれば、実回転速度と制限回転速度の上限値との差に基づいて加速度の上限値が演算され、この上限値と実加速度との差に基づいて内燃機関のトルク制御指標の上限値が演算される。そして、このトルク制御指標の上限値と最大可能トルク制御指標とのうち小さい方の値がトルク制御指標の限界値として設定されるので、最大可能トルク制御指標を超えない範囲で加速度を考慮したトルク制御指標の上限値を設定することができる。よって、実回転速度を制限回転速度に迅速かつ正確に設定されるように内燃機関の出力トルク制御を行うことが可能となる。
本発明の請求項3の内燃機関の出力制御装置によれば、回転速度の上限値が第1〜第4の回転速度上限値のうち要求に応じて選択されるので、無負荷レーシング時の吹き上がり抑制、内燃機関以外からの外部要求、始動直後の吹き上がり抑制の必要に応じて制限回転速度が選択される。よって各要求に適した制限回転速度が選択されトルク制御指標の上限値を適切に設定することができる。
本発明の請求項4の内燃機関の出力制御装置によれば、無負荷レーシング時の吹き上がり抑制、外部要求及び始動直後の吹き上がり抑制のうち要求が複数ある場合には、その要求に対応した第1〜第3の回転速度上限値のうち最も小さい値が回転速度の上限値として選択されるので、安全側に回転速度上限値を抑えることができる。
本発明の請求項5の内燃機関の出力制御装置によれば、内燃機関の始動直後における吹き上がり抑制のための第3の回転速度上限値が、内燃機関の温度に基づいて設定されるので、温度により異なる目標回転速度に適切な第3の回転速度上限値の設定が可能となる。
本発明の請求項6の内燃機関の出力制御装置によれば、実回転速度と制限回転速度の下限値との差に基づいて加速度の下限値が演算され、この下限値と実加速度との差に基づいて内燃機関のトルク制御指標の下限値が演算される。そして、このトルク制御指標の下限値とアイドル時におけるトルク制御指標の目標値と内燃機関の可燃限界に基づく下限値とのうち最も大きい値がトルク制御指標の上限値として選択されるので、アイドル時におけるトルク制御指標の目標値と内燃機関の可燃限界に基づくトルク制御指標の下限値を下回らない範囲で加速度を考慮したトルク制御指標の下限値を設定することが可能となる。よって、実回転速度を制限回転速度に迅速かつ正確に設定されるように内燃機関の出力トルク制御を行うことが可能となる。
本発明に係る内燃機関の出力制御装置を示す概略構成図である。 制限Pi演算部のブロック図である。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係る内燃機関の出力制御装置は、車両に搭載されたエンジン(内燃機関)の出力制御装置であって、エンジンとして例えばガソリンエンジンが採用され、出力制御装置として例えばドライブ・バイ・ワイヤ(DBW)と呼ばれる吸気システムを備えて構成されている。
このDBWと呼ばれる吸気システムは、アクセルペダルの操作情報等に応じて電子コントロールユニットにより電磁スロットルバルブの開度を独立して制御するように構成されている。
図1は、電子コントロールユニット(ECU)10において実行される本発明に係る内燃機関の出力制御装置の全体構成を示す制御ブロック図である。
同図に示すように、ECU10の入力側には車両のドライバによるアクセルペダルの操作度合いを検出するアクセルポジションセンサ(APS)20、電磁スロットルバルブ(ETV)70の開度を検出するスロットルポジションセンサ(TPS)30、吸入空気流量を検出するエアフローセンサ(AFS)40、エンジンのクランク角ひいてはエンジン回転速度Neを検出するクランク角センサ50(実回転速度検出手段)等のセンサ類の他、例えば無断変速機(CVT)や車両姿勢制御システム等のエンジンに対する各種の外部負荷要素60の信号線が電気的に接続されており、出力側にはETV70が電気的に接続されている。
そして、同図に示すように、ECU10には、APS20からのアクセル要求やクランク角センサ50により検出されたエンジン回転速度Neに基づき要求トルクの指標としての図示平均有効圧Pi(アクセル要求Pia)を算出するアクセル要求Pi算出ブロックB10、外部負荷要素60からの外部負荷要求に基づき図示平均有効圧Pi(外部要求Pio)を算出する外部要求Pi算出ブロックB12、アクセル要求Piと外部要求Piとに基づき目標トルクの指標としての図示平均有効圧Piの目標値(目標Pi)を算出する目標Pi算出ブロックB14、目標Piに基づき充填効率の目標値(目標Ec)を算出する目標Ec算出ブロックB16、目標Ecに基づきETV70を通過する吸入空気流量の目標値(目標吸気流量Qt)を算出する目標吸気流量Qt算出ブロックB18、目標吸気流量Qtに基づきETV70の開度の目標値(目標ETV開度)を算出しETV70に出力信号を供給する目標ETV開度算出ブロックB20、TPS30からのETV70の開度情報に基づきETV70の開度を調整するETV開度調整ブロックB22、AFS40からの情報に基づき上記調整したETV70の開度での実際の吸入空気流量(実吸気流量Qr)を算出する実吸気流量Qr算出ブロックB24、実吸気流量Qrに基づき実際の充填効率(実Ec)を算出する実Ec算出ブロックB26、実Ecに基づき実際の図示平均有効圧Pi(実Pi)を逆算する実Pi算出ブロックB28、及び、実Piが目標PiとなるようETV70のフィードバック制御(F/B)を行うF/B制御ブロックB30が展開され、同制御ブロック図に従って制御プログラムが構成されている。
なお、F/B制御ブロックB30では、エンジンがアイドル運転状態にあるときには実Piに基づきクランク角センサ50により検出されたエンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度となるようにエンジン回転速度フィードバック制御(Ne−F/B)を併せて行いながらETV70のフィードバック制御を行い、一方エンジンがアイドル運転状態以外(オフアイドル状態)のときには直接に実Piが目標PiとなるようETV70のフィードバック制御を行う。
即ち、本発明に係る内燃機関の出力制御装置では、ECU10はエンジンの出力トルクを基調とする所謂トルクベース制御を行い、要求トルクの指標から目標トルクの指標を求め、この目標トルクの指標に基づいてETV70を適正な開度に調節し、エンジンにおいて所望の出力トルクを得るように図っている。これにより、ETV70の制御を目標トルクの指標に基づいて的確に制御でき、エンジンにおいて所望の出力トルクを確実に得ることが可能である。
更に、ECU10には、制限Pi演算部B40が設けられている。制限Pi演算部B40は、目標Pi算出ブロックB14の前段に設けられており、目標Pi算出ブロックB14において目標Piを算出する際に、要求Piの上限値PI LIM H及び下限値PI LIM Lを設定する機能を有する。
図2は、制限Pi演算部B40のブロック図である。
図2を参照すると、制限Pi演算部B40は、上限値PI LIM Hを演算するブロックと下限値PI LIM Lを演算するブロックに分けられている。また、制限Pi演算部B40には、図示しないタイマが設けられている。タイマは、アイドルスイッチオフ時には0に設定され、アイドルスイッチオン時に計測を開始し、所定時間例えば3000msから経過時間を減算した値を出力する。
以下、上限値PI LIM Hを演算するブロックについて説明する。
まず、上限回転速度演算部B41(制限回転速度設定手段)において、上限回転速度Ne LIM H(制限回転速度)が設定される。上限回転速度Ne LIM Hは、無負荷レーシング時の吹き上がり抑制、変速装置等からの外部要求、始動直後の吹き上がり抑制の各要求に応じて設定される。無負荷レーシング時の吹き上がり抑制の要求がある場合、具体的には変速装置のシフトレンジがニュートラル(N)レンジ、ATあるいはCVTが正常、上記タイマが0即ちアイドルスイッチオフ時のいずれも該当する場合には、上限回転速度Ne LIM Hはレブリミット回転速度Ne1(第1の回転速度上限値)に設定される。変速装置等からの外部要求時には、上限回転速度Ne LIM Hは外部要求回転速度Ne2(第2の回転速度上限値)に設定される。始動直後の吹き上がり抑制要求時、具体的には上記タイマが0より大きい、即ちアイドルスイッチONから所定時間経過までの期間では、上限回転速度Ne LIM Hは始動後制限回転速度Ne3(第3の回転速度上限値)に設定される。始動後制限回転速度Ne3は、エンジン温度に基づいて可変する値であり、例えばエンジン温度(冷却水温度を用いればよい)が比較的高い場合には始動後制限回転速度Ne3を低く抑え、エンジン温度が比較的低い場合には始動後制限回転速度Ne3を高く設定すればよい。無負荷レーシング時の吹き上がり抑制、外部要求、始動直後の吹き上がり抑制いずれの要求もない通常時には、通常時上限回転速度Ne4(第4の回転速度上限値)に設定される。
また、無負荷レーシング時の吹き上がり抑制、外部要求及び始動直後の吹き上がり抑制要求のうち複数の要求がある場合には、これらに対応したレブリミット回転速度Ne1、外部要求時回転速度Ne2及び始動後制限回転速度Ne3のうち最も小さい値が選択される。なお、このように複数の要求がある場合に、始動後制限回転速度Ne3よりもレブリミット回転速度Ne1または外部要求時回転速度Ne2を優先して選択してもよい。
次に、上限加速度演算部B42(加速度制限値演算手段)において、上記の上限回転速度Ne LIM Hに基づき、上限加速度dNe H(加速度制限値)を演算する。上限加速度dNe Hは、クランク角センサ50より入力した現在のエンジン回転速度Neから上限回転速度Ne LIM Hを減算して求められた回転速度差ΔNe Hに応じて、あらかじめ記憶された第1のマップから読み出して求められる。第1のマップは、例えば図2中の加速度演算部B42に示すように、回転速度差ΔNe Hが増加すると上限加速度dNe Hが−側に増加するように設定されている。
次に、上限Pi演算部B43(トルク制御指標限界値演算手段)において、上限加速度dNe Hに基づき上限Piを求める。上限Piは、下記(1)式により求められる。
上限Pi=実Pi−(dNe−dNe H)×le・・・(1)
実Piは上述の実Pi算出ブロックB28において演算される。dNeは、現在の加速度であり、クランク角センサ50から入力したエンジン回転速度Neからその変化率を演算して求められる(実加速度演算手段)。Leはエンジンの慣性質量であり、あらかじめ記憶されている。
そして、現在の加速度dNeが上限加速度dNe Hを超えた場合、即ち(dNe−dNe H)>0の場合には上記(1)式で演算された上限Piを選択する。現在の加速度dNeが上限加速度dNe H以下の場合、即ち(dNe−dNe H)≦0である場合には通常時最大Pi値が選択される。通常時最大Pi値は通常使用域での図示平均有効圧Piの最大値であって、あらかじめ確認の上記憶されている。
更に、上限Pi及び通常時最大Pi値のうち選択された値と、最大可能吸気量によって制限される最大可能Pi値Pi Maxとを比較し、小さい方の値を最終的な要求Piの上限値PI LIM Hとして決定する。
次に、下限値PI LIM Lを演算するブロックについて説明する。
要求Piの下限値PI LIM Lは、可燃限界の最小Pi値Pi min、減速ハイブーストでトルク不足とならないように設定されるアイドル目標Pi値、アイドル回転速度未満から所定加速度で復元させるための下限Piから選択される。
まず、下限加速度演算部B44(加速度制限値演算手段)において、アイドル目標回転速度Nobj(制限回転速度)に基づいて下限加速度dNe L(加速度制限値)を算出する。下限加速度dNe Lは、現在のエンジン回転速度Neからアイドル目標回転速度Nobjを減算して求めた回転速度差ΔNe Lに応じて、あらかじめ記憶された第2のマップから読み出して求められる。第2のマップは、例えば図2中の下限加速度演算部B44に示すように、回転速度差ΔNe Lが増加すると下限加速度dNe Lが−側に大幅に増加するように設定される。
次に、下限Pi演算部B45(トルク制御指標限界値演算手段)において、下限加速度dNe Lに基づき下限Piを求める。下限Piは、下記(2)式により求められる。
下限Pi=実Pi+(dNe L−dNe)×le・・・(2)
そして、現在の加速度dNeが下限加速度dNe Lより低い場合、即ち(dNe L−dNe)>0の場合には上記(2)式で演算された下限Piを選択する。現在の加速度dNeが下限加速度dNe Lを超えている場合、即ち(dNe L−dNe)≦0である場合には0が選択される。
更に、上記選択された下限Piと、アイドル目標Pi、可燃限界から制限される最小可能Pi値Pi Minとを比較し、最も大きい値を最終的な要求Piの下限値PI LIM Lとして決定する。
以上のように、本実施形態では、エンジン回転速度Neと上限回転速度Ne LIM Hとの差に基づいて上限加速度dNe Hが演算され、この上限加速度dNe Hと実加速度dNeとの差に基づいて上限Piが演算される。そして、実加速度dNeが上限加速度dNe Hを超えた場合には、この上限Piと吸気量限界から制限される最大可能Pi値Pi Maxとのうち小さい方の値が要求Piの上限値PI LIM Hとして選択されるので、最大可能Pi値Pi Maxを超えない範囲で加速度を考慮した上限値PI LIM Hの設定が可能となる。
一方、エンジン回転速度Neとアイドル目標回転速度Nobjとの差に基づいて下限加速度dNe Lが演算され、この下限加速度dNe Lと実加速度dNeとの差に基づいて下限Piが演算される。そして、この下限Piとアイドル目標Piと可燃限界から制限される最小可能Pi値Pi Minとのうち最も大きい値が要求Piの下限値PI LIM Lとして選択されるので、アイドル目標Piと最小可能Pi値Pi Minを下回らない範囲で加速度を考慮した下限値PI LIM Lの設定が可能となる。
このように、本実施形態では、エンジン回転速度Neと上限回転速度Ne LIM Hあるいはアイドル目標回転速度Nobjとの差から直接に上限Piあるいは下限Piを演算するのではなく、その差を加速度に置き換え、この加速度の差と実加速度との差に基づいて上限Piあるいは下限Piを演算する。したがって、実加速度の変化に応じて上限Piあるいは下限Piが変化することとなり、アイドル時のようにアクセル操作のない運転状況においてエンジンの回転速度が変動しても、上限回転速度Ne LIM Hまたはアイドル目標回転速度Nobjに迅速かつ設定されるようにエンジンの出力トルク制御を行うことができる。
また、上限回転速度Ne LIM Hは、無負荷レーシング時の吹き上がり抑制、外部要求、始動直後の吹き上がり抑制の各要求に応じて選択されるので、各要求に適した上限回転速度Ne LIM Hが選択され要求Piの上限値PI LIM Hを適切に設定することができる。
無負荷レーシング時の吹き上がり抑制、外部要求及び始動直後の吹き上がり抑制のうち要求が複数ある場合には、その要求に対応した回転速度の上限値のうち最も小さい値が上限回転速度Ne LIM Hとして選択されるので、安全側に上限回転速度Ne LIM Hを抑えることができる。
更には、始動後制限回転速度Ne3がエンジンの温度に基づいて設定されるので、エンジンの吹き上がりし易さを考慮した始動後制限回転速度Ne3の設定が可能となり、始動直後におけるエンジンの出力トルク制御をより適切なものにすることができる。
なお、本実施形態では、制限Pi演算部B40に、上限値PI LIM Hを演算するブロックと下限値PI LIM Lを演算するブロックとを備えているが、いずれか一方を備えても良い。
また、本実施形態では、エンジンのトルク制御の指標として図示平均有効圧Piを用いて制御しているが、本願はこれに限定するものではなく、他のトルク制御の指標を用いて制御してもよい。
10 ECU
50 クランク角センサ
B28 実Pi算出ブロック
B40 制限Pi演算部
B41 上限回転速度演算部
B42 上限加速度演算部
B43 上限Pi演算部
B44 下限加速度演算部
B45 下限Pi演算部

Claims (6)

  1. 内燃機関の実回転速度を検出する実回転速度検出手段と、
    前記内燃機関の回転速度の制限値である制限回転速度を設定する制限回転速度設定手段と、
    前記実回転速度検出手段により検出した実回転速度と前記制限回転速度設定手段により設定された制限回転速度との差に基づいて、前記内燃機関の加速度の制限値である制限加速度を演算する制限加速度演算手段と、
    前記実回転速度検出手段によって検出した実回転速度より実加速度を演算する実加速度演算手段と、
    前記制限加速度演算手段により演算された制限加速度と前記実加速度演算手段により演算された実加速度との差に基づいて、前記内燃機関のトルク制御指標の限界値を演算するトルク制御指標限界値演算手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の出力制御装置。
  2. 前記制限回転速度設定手段は、前記制限回転速度として回転速度の上限値を設定し、
    前記制限加速度演算手段は、前記実回転速度検出手段により検出した実回転速度と前記制限回転速度設定手段により設定された制限回転速度との差に基づいて、前記制限加速度として加速度の上限値を演算し、
    前記トルク制御指標限界値演算手段は、前記制限加速度演算手段により演算された制限加速度と前記実加速度検出手段により検出された実加速度との差に基づいて前記限界値としてトルク制御指標の上限値を演算するとともに、当該トルク制御指標の上限値と前記内燃機関の最大可能吸気量に基づく最大可能トルク制御指標とのうち小さい値を選択して前記トルク制御指標の限界値とすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の出力制御装置。
  3. 前記制限回転速度設定手段は、無負荷レーシング時の吹き上がりを抑制するために要求される第1の回転速度上限値と、前記内燃機関以外からの外部要求による第2の回転速度上限値と、前記内燃機関の始動直後における吹き上がりを抑制するために要求される第3の回転速度上限値と、前記回転速度の通常使用域の最大値である第4の回転速度上限値と、から要求に応じて選択し、前記回転速度の上限値とすることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の出力制御装置。
  4. 前記制限回転速度設定手段は、前記無負荷レーシング時の吹き上がり抑制、前記外部要求及び前記吹き上がり抑制の要求が複数ある場合には、要求に対応した第1乃至第3の回転速度上限値のうち最も小さい値を選択し、前記回転速度の上限値とすることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の出力制御装置。
  5. 前記第3の回転速度上限値は、前記内燃機関の温度に基づいて設定されることを特徴とする請求項3または4に記載の内燃機関の出力制御装置。
  6. 前記制限回転速度設定手段は、前記制限回転速度として回転速度の下限値を設定し、
    前記制限加速度演算手段は、前記実回転速度検出手段により検出した実回転速度と前記制限回転速度設定手段により設定された前記回転速度の下限値との差に基づいて、前記制限加速度として加速度の下限値を演算し、
    前記トルク制御指標限界値演算手段は、前記制限加速度演算手段により演算された制限加速度と前記実加速度検出手段により検出されたと実加速度との差に基づいて前記限界値としてトルク制御指標の下限値を演算するとともに、当該トルク制御指標の下限値とアイドル時におけるトルク制御指標の目標値と前記内燃機関の可燃限界に基づくトルク制御指標の下限値とのうち最も大きい値を選択して前記トルク制御指標の限界値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の出力制御装置。
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