以下、参考形態に係る基板処理装置について図面を用いて説明する。以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等をいい、基板は珪素(Si)を含む。
また、以下の図面には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。なお、各方向において矢印が向かう方向を+方向、その反対の方向を−方向とする。また、Z方向を中心とする回転方向をθ方向としている。
(1) 基板処理装置の構成
以下、参考形態に係る基板処理装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、参考形態に係る基板処理装置の模式的平面図である。
図1に示すように、基板処理装置500は、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14、洗浄/乾燥処理ブロック15およびインターフェースブロック16を含む。基板処理装置500においては、これらのブロックが上記の順で並設される。
基板処理装置500のインターフェースブロック16に隣接するように露光装置17が配置される。露光装置17においては、液浸法により基板Wの露光処理が行われる。
インデクサブロック9は、各ブロックの動作を制御するメインコントローラ(制御部)91、複数のキャリア載置台92およびインデクサロボットIRを含む。インデクサロボットIRには、基板Wを受け渡すためのハンドIRH1,IRH2が上下に設けられる。
反射防止膜用処理ブロック10は、反射防止膜用熱処理部100,101、反射防止膜用塗布処理部30および第2のセンターロボットCR2を含む。反射防止膜用塗布処理部30は、第2のセンターロボットCR2を挟んで反射防止膜用熱処理部100,101に対向して設けられる。第2のセンターロボットCR2には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH1,CRH2が上下に設けられる。
インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間には、雰囲気遮断用の隔壁20が設けられる。この隔壁20には、インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS1,PASS2が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS1は、基板Wをインデクサブロック9から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS2は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からインデクサブロック9へ搬送する際に用いられる。
また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示せず)が設けられている。それにより、基板載置部PASS1,PASS2において基板Wが載置されているか否かの判定を行うことが可能となる。また、基板載置部PASS1,PASS2には、固定設置された複数本の支持ピンが設けられている。なお、上記の光学式のセンサおよび支持ピンは、後述する基板載置部PASS3〜PASS16にも同様に設けられる。
レジスト膜用処理ブロック11は、レジスト膜用熱処理部110,111、レジスト膜用塗布処理部40および第3のセンターロボットCR3を含む。レジスト膜用塗布処理部40は、第3のセンターロボットCR3を挟んでレジスト膜用熱処理部110,111に対向して設けられる。第3のセンターロボットCR3には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH3,CRH4が上下に設けられる。
反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間には、雰囲気遮断用の隔壁21が設けられる。この隔壁21には、反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS3,PASS4が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS3は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS4は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられる。
現像処理ブロック12は、現像用熱処理部120,121、現像処理部50および第4のセンターロボットCR4を含む。現像処理部50は、第4のセンターロボットCR4を挟んで現像用熱処理部120,121に対向して設けられる。第4のセンターロボットCR4には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH5,CRH6が上下に設けられる。
レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間には、雰囲気遮断用の隔壁22が設けられる。この隔壁22には、レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS5,PASS6が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS5は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS6は、基板Wを現像処理ブロック12からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられる。
レジストカバー膜用処理ブロック13は、レジストカバー膜用熱処理部130,131、レジストカバー膜用塗布処理部60および第5のセンターロボットCR5を含む。レジストカバー膜用塗布処理部60は、第5のセンターロボットCR5を挟んでレジストカバー膜用熱処理部130,131に対向して設けられる。第5のセンターロボットCR5には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH7,CRH8が上下に設けられる。
現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間には、雰囲気遮断用の隔壁23が設けられる。この隔壁23には、現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS7は、基板Wを現像処理ブロック12からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS8は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられる。
レジストカバー膜除去ブロック14は、レジストカバー膜除去用処理部70a,70bおよび第6のセンターロボットCR6を含む。レジストカバー膜除去用処理部70a,70bは、第6のセンターロボットCR6を挟んで互いに対向して設けられる。第6のセンターロボットCR6には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH9,CRH10が上下に設けられる。
レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間には、雰囲気遮断用の隔壁24が設けられる。この隔壁24には、レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS9,PASS10が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS9は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13からレジストカバー膜除去ブロック14へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS10は、基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に用いられる。
洗浄/乾燥処理ブロック15は、露光後ベーク用熱処理部150,151、洗浄/乾燥処理部80および第7のセンターロボットCR7を含む。露光後ベーク用熱処理部151はインターフェースブロック16に隣接し、後述するように、基板載置部PASS13,PASS14を備える。洗浄/乾燥処理部80は、第7のセンターロボットCR7を挟んで露光後ベーク用熱処理部150,151に対向して設けられる。第7のセンターロボットCR7には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH11,CRH12が上下に設けられる。
レジストカバー膜除去ブロック14と洗浄/乾燥処理ブロック15との間には、雰囲気遮断用の隔壁25が設けられる。この隔壁25には、レジストカバー膜除去ブロック14と洗浄/乾燥処理ブロック15との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS11,PASS12が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS11は、基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14から洗浄/乾燥処理ブロック15へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS12は、基板Wを洗浄/乾燥処理ブロック15からレジストカバー膜除去ブロック14へ搬送する際に用いられる。
インターフェースブロック16は、第8のセンターロボットCR8、送りバッファ部SBF、インターフェース用搬送機構IFRおよびエッジ露光部EEWを含む。また、エッジ露光部EEWの下側には、後述する基板載置部PASS15,PASS16および戻りバッファ部RBFが設けられている。第8のセンターロボットCR8には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH13,CRH14が上下に設けられ、インターフェース用搬送機構IFRには、基板Wを受け渡すためのハンドH1,H2が上下に設けられる。
図2は、図1の基板処理装置500を+X方向から見た側面図である。
反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用塗布処理部30(図1参照)には、3個の塗布ユニットBARCが上下に積層配置される。各塗布ユニットBARCは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック31およびスピンチャック31上に保持された基板Wに反射防止膜の塗布液を供給する供給ノズル32を備える。
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用塗布処理部40(図1参照)には、3個の塗布ユニットRESが上下に積層配置される。各塗布ユニットRESは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック41およびスピンチャック41上に保持された基板Wにレジスト膜の塗布液を供給する供給ノズル42を備える。
現像処理ブロック12の現像処理部50(図1参照)には、5個の現像処理ユニットDEVが上下に積層配置される。各現像処理ユニットDEVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック51およびスピンチャック51上に保持された基板Wに現像液を供給する供給ノズル52を備える。
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用塗布処理部60(図1参照)には、3個の塗布ユニットCOVが上下に積層配置される。各塗布ユニットCOVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック61およびスピンチャック61上に保持された基板Wにレジストカバー膜の塗布液を供給する供給ノズル62を備える。レジストカバー膜の塗布液としては、レジストおよび水との親和力が低い材料(レジストおよび水との反応性が低い材料)を用いることができる。例えば、フッ素樹脂である。塗布ユニットCOVは、基板Wを回転させながら基板W上に塗布液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジスト膜上にレジストカバー膜を形成する。
レジストカバー膜除去ブロック14のレジストカバー膜除去用処理部70b(図1参照)には、3個の除去ユニットREMが上下に積層配置される。各除去ユニットREMは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック71およびスピンチャック71上に保持された基板Wに剥離液(例えばフッ素樹脂)を供給する供給ノズル72を備える。除去ユニットREMは、基板Wを回転させながら基板W上に剥離液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジストカバー膜を除去する。
なお、除去ユニットREMにおけるレジストカバー膜の除去方法は上記の例に限定されない。例えば、基板Wの上方においてスリットノズルを移動させつつ基板W上に剥離液を供給することによりレジストカバー膜を除去してもよい。
洗浄/乾燥処理ブロック15の洗浄/乾燥処理部80(図1参照)には、1個の端部洗浄ユニットECおよび2個の洗浄/乾燥処理ユニットSDがこの順で積層配置される。端部洗浄ユニットECおよび洗浄/乾燥処理ユニットSDの詳細については後述する。
インターフェースブロック16には、2個のエッジ露光部EEW、基板載置部PASS15,PASS16および戻りバッファ部RBFが上下に積層配置されるとともに、第8のセンターロボットCR8(図1参照)およびインターフェース用搬送機構IFRが配置される。各エッジ露光部EEWは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック98およびスピンチャック98上に保持された基板Wの周縁を露光する光照射器99を備える。
図3は、図1の基板処理装置500を−X方向から見た側面図である。
反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用熱処理部100には、2個の加熱ユニット(ホットプレート)HPおよび2個の冷却ユニット(クーリングプレート)CPが積層配置され、反射防止膜用熱処理部101には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置される。また、反射防止膜用熱処理部100,101には、最上部に冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用熱処理部110には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置され、レジスト膜用熱処理部111には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置される。また、レジスト膜用熱処理部110,111には、最上部に冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
現像処理ブロック12の現像用熱処理部120には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置され、現像用熱処理部121には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置される。また、現像用熱処理部120,121には、最上部に冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用熱処理部130には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置され、レジストカバー膜用熱処理部131には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置される。また、レジストカバー膜用熱処理部130,131には、最上部に冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
レジストカバー膜除去ブロック14のレジストカバー膜除去用処理部70aには、3個の除去ユニットREMが上下に積層配置される。
洗浄/乾燥処理ブロック15の露光後ベーク用熱処理部150には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置され、露光後ベーク用熱処理部151には2個の加熱ユニットHP、2個の冷却ユニットCPおよび基板載置部PASS13,14が上下に積層配置される。また、露光後ベーク用熱処理部150,151には、最上部に冷却ユニットCPおよび加熱ユニットHPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
なお、端部洗浄ユニットEC、塗布ユニットBARC,RES,COV、洗浄/乾燥処理ユニットSD、除去ユニットREM、現像処理ユニットDEV、加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの個数は、各ブロックの処理速度に応じて適宜変更してよい。
(2) 基板処理装置の動作
次に、本参考形態に係る基板処理装置500の動作について図1〜図3を参照しながら説明する。
インデクサブロック9のキャリア載置台92の上には、複数枚の基板Wを多段に収納するキャリアCが搬入される。インデクサロボットIRは、上側のハンドIRH1を用いてキャリアC内に収納された未処理の基板Wを取り出す。その後、インデクサロボットIRは±X方向に移動しつつ±θ方向に回転移動し、未処理の基板Wを基板載置部PASS1に載置する。
本参考形態においては、キャリアCとしてFOUP(front opening unified pod)を採用しているが、これに限定されず、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)等を用いてもよい。
さらに、インデクサロボットIR、第2〜第8のセンターロボットCR2〜CR8ならびにインターフェース用搬送機構IFRには、それぞれ基板Wに対して直線的にスライドさせてハンドの進退動作を行う直動型搬送ロボットを用いているが、これに限定されず、関節を動かすことにより直線的にハンドの進退動作を行う多関節型搬送ロボットを用いてもよい。
基板載置部PASS1に載置された基板Wは、反射防止膜用処理ブロック10の第2のセンターロボットCR2により受け取られる。第2のセンターロボットCR2は、その基板Wを反射防止膜用塗布処理部30に搬入する。この反射防止膜用塗布処理部30では、露光処理時に発生する定在波やハレーションを減少させるために、塗布ユニットBARCにより基板W上に反射防止膜が塗布形成される。
その後、第2のセンターロボットCR2は、反射防止膜用塗布処理部30から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。
次に、第2のセンターロボットCR2は、反射防止膜用熱処理部100,101から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS3に載置する。
基板載置部PASS3に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wをレジスト膜用塗布処理部40に搬入する。このレジスト膜用塗布処理部40では、塗布ユニットRESにより、反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジスト膜が塗布形成される。
その後、第3のセンターロボットCR3は、レジスト膜用塗布処理部40から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。次に、第3のセンターロボットCR3は、レジスト膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS5に載置する。
基板載置部PASS5に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第4のセンターロボットCR4により受け取られる。第4のセンターロボットCR4は、その基板Wを基板載置部PASS7に載置する。
基板載置部PASS7に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック13の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wをレジストカバー膜用塗布処理部60に搬入する。このレジストカバー膜用塗布処理部60では、上述したように塗布ユニットCOVによりレジスト膜上にレジストカバー膜が塗布形成される。
その後、第5のセンターロボットCR5は、レジストカバー膜用塗布処理部60から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジストカバー膜用熱処理部130,131に搬入する。次に、第5のセンターロボットCR5は、レジストカバー膜用熱処理部130,131から熱処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS9に載置する。
基板載置部PASS9に載置された基板Wは、レジストカバー膜除去ブロック14の第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wを基板載置部PASS11に載置する。
基板載置部PASS11に載置された基板Wは、洗浄/乾燥処理ブロック15の第7のセンターロボットCR7により受け取られる。
ここで、本参考形態では、露光装置17による露光処理前に、基板Wに対し後述の端部洗浄処理を施す。第7のセンターロボットCR7は、受け取った基板Wを洗浄/乾燥処理部80の端部洗浄ユニットECに搬入する。端部洗浄ユニットEC内に搬入された基板Wには端部洗浄処理が施される。
次に、第7のセンターロボットCR7は、端部洗浄ユニットECから端部洗浄処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS13に載置する。
基板載置部PASS13に載置された基板Wは、インターフェースブロック16の第8のセンターロボットCR8により受け取られる。第8のセンターロボットCR8は、その基板Wをエッジ露光部EEWに搬入する。このエッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部に露光処理が施される。
次に、第8のセンターロボットCR8は、エッジ露光部EEWからエッジ露光処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS15に載置する。
基板載置部PASS15に載置された基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRにより露光装置17の基板搬入部17a(図1参照)に搬入される。
なお、露光装置17が基板Wの受け入れをできない場合は、基板Wは送りバッファ部SBFに一時的に収納保管される。
露光装置17において、基板Wに露光処理が施された後、インターフェース用搬送機構IFRは、基板Wを露光装置17の露光装置17b(図1参照)から取り出し、洗浄/乾燥処理ブロック15の洗浄/乾燥処理部80に搬入する。洗浄/乾燥処理部80の洗浄/乾燥処理ユニットSDにおいては、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。詳細は後述する。
洗浄/乾燥処理部80において、露光処理後の基板Wに洗浄および乾燥処理が施された後、インターフェース用搬送機構IFRは、基板Wを洗浄/乾燥処理部80から取り出し、基板載置部PASS16に載置する。インターフェースブロック16におけるインターフェース用搬送機構IFRの動作の詳細は後述する。
なお、故障等により洗浄/乾燥処理部80において一時的に洗浄および乾燥処理ができないときは、インターフェースブロック16の戻りバッファ部RBFに露光処理後の基板Wを一時的に収納保管することができる。
基板載置部PASS16に載置された基板Wは、インターフェースブロック16の第8のセンターロボットCR8により受け取られる。第8のセンターロボットCR8は、その基板Wを洗浄/乾燥処理ブロック15の露光後ベーク用熱処理部151に搬入する。露光後ベーク用熱処理部151においては、基板Wに対して露光後ベーク(PEB)が行われる。その後、第8のセンターロボットCR8は、露光後ベーク用熱処理部151から基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS14に載置する。
なお、本参考形態においては露光後ベーク用熱処理部151により露光後ベークを行っているが、露光後ベーク用熱処理部150により露光後ベークを行ってもよい。
基板載置部PASS14に載置された基板Wは、洗浄/乾燥処理ブロック15の第7のセンターロボットCR7により受け取られる。第7のセンターロボットCR7は、その基板Wを基板載置部PASS12に載置する。
基板載置部PASS12に載置された基板Wは、レジストカバー膜除去ブロック14の第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wをレジストカバー膜除去用処理部70aまたはレジストカバー膜除去用処理部70bに搬入する。レジストカバー膜除去用処理部70a,70bにおいては、除去ユニットREMにより、基板W上のレジストカバー膜が除去される。
その後、第6のセンターロボットCR6は、レジストカバー膜除去用処理部70aまたはレジストカバー膜除去用処理部70bから処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS10に載置する。
基板載置部PASS10に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック13の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wを基板載置部PASS8に載置する。
基板載置部PASS8に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第4のセンターロボットCR4により受け取られる。第4のセンターロボットCR4は、その基板Wを現像処理部50に搬入する。現像処理部50においては、現像処理ユニットDEVにより、基板Wの現像処理が行われる。
その後、第4のセンターロボットCR4は、現像処理部50から現像処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを現像用熱処理部120,121に搬入する。
次に、第4のセンターロボットCR4は、現像用熱処理部120,121から熱処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS6に載置する。
基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを基板載置部PASS4に載置する。
基板載置部PASS4に載置された基板Wは、反射防止膜用処理ブロック10の第2のセンターロボットCR2により受け取られる。第2のセンターロボットCR2は、その基板Wを基板載置部PASS2に載置する。
基板載置部PASS2に載置された基板Wは、インデクサブロック9のインデクサロボットIRによりキャリアC内に収納される。
(3) 端部洗浄ユニットについて
ここで、上記端部洗浄ユニットECについて図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する端部洗浄ユニットECの各構成要素の動作は、図1のメインコントロ−ラ(制御部)91により制御される。
(3−a) 端部洗浄ユニットの構成
図4は、端部洗浄ユニットECの構成を説明するための図である。図4に示すように、端部洗浄ユニットECは、基板Wを水平に保持するとともに基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック201を備える。
スピンチャック201は、チャック回転駆動機構204によって回転される回転軸203の上端に固定されている。また、スピンチャック201には吸気路(図示せず)が形成されており、スピンチャック201上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの下面をスピンチャック201に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。
なお、図1に示す第7のセンターロボットCR7は、基板Wの中心部がスピンチャック201の軸心に一致するように基板Wを載置する。しかしながら、第7のセンターロボットCR7の動作精度が低い場合には、基板Wの中心部がスピンチャック201の軸心に一致しない状態で基板Wが載置される場合がある。このような状態で基板Wがスピンチャック201により保持されると、後述する基板Wの端部洗浄処理時において、基板Wが偏心した状態で回転するため、基板Wの端部Rを均一に洗浄することができない。そこで、本参考形態では、基板Wの端部洗浄処理の前に、基板Wの位置が補正される。詳細は後述する。
スピンチャック201の側方でかつ端部洗浄ユニットEC内の上部には、端部洗浄装置移動機構230が設けられている。端部洗浄装置移動機構230には、下方に延びる棒状の支持部材220が取り付けられている。支持部材220は、端部洗浄装置移動機構230により上下方向および水平方向に移動する。
支持部材220の下端部には、略円筒形状を有する端部洗浄装置210が水平方向に延びるように取り付けられている。これにより、端部洗浄装置210は、端部洗浄装置移動機構230により支持部材220とともに移動する。
これにより、端部洗浄装置210の一端が基板Wの端部Rと対向する。以下の説明においては、端部洗浄装置210の基板Wの端部Rと対向する一端を正面とする。
ここで、基板Wの上記端部Rの定義について次の図面を参照しながら説明する。
図5は、基板Wの端部Rを説明するための概略的模式図である。図5に示すように、基板W上には、上述した反射防止膜、レジスト膜(共に図示せず)およびレジストカバー膜が形成される。
基板Wは端面を有し、この端面を概略的に図示すれば図5のようになる。この端面を、一般的にベベル部と呼ぶ。また、レジストカバー膜が形成される基板Wの面の端から内側へ距離dまでの領域を、一般的に周縁部と呼ぶ。本発明の実施の形態では、上記のベベル部と周縁部とを総称して端部Rと呼ぶ。なお、上記距離dは例えば2〜3mmである。なお、端部Rが周縁部を含まなくてもよい。この場合には、端部洗浄ユニットECは基板Wのベベル部のみを洗浄する。
通常、レジストカバー膜は、基板W上の上記周縁部を覆うように形成されていない場合が多い。すなわち、基板W上の周縁部に形成された反射防止膜およびレジスト膜の一方または両方は露出した状態となっている。
図4に戻り、端部洗浄装置210は、基板Wの端部洗浄処理時に端部洗浄装置移動機構230によりスピンチャック201上の基板Wの端部R付近の位置に移動し、端部洗浄処理が行われていない期間には、後述するガイドアーム252の上方で待機する。
端部洗浄装置210は、その内部に空間を有する(後述の洗浄室211)。端部洗浄装置210には、洗浄液供給管241および排気管244が接続されている。洗浄液供給管241は、バルブ242を介して図示しない洗浄液供給系に接続されている。バルブ242を開くことにより、洗浄液が洗浄液供給管241を通じて端部洗浄装置210の内部空間に供給される。
また、排気管244は、排気部245に接続されている。排気部245は、端部洗浄装置210の内部空間の雰囲気を吸引し、排気管244を通じて排気する。端部洗浄装置210の詳細については後述する。
スピンチャック201の外方には1対のガイドアーム251,252が設けられている。ガイドアーム251,252は、スピンチャック201により保持される基板Wを挟んで互いに対向するように配置されている。
ガイドアーム251,252は、下方に延びる支持部材253,254により支持されている。支持部材253,254は、アーム移動機構255,256により水平方向に移動する。支持部材253,254の移動に伴い、ガイドアーム251,252は、基板Wに近づく方向または離れる方向にそれぞれ移動する。なお、ガイドアーム251,252が基板Wの外周部から最も離れた位置を待機位置と呼ぶ。
ここで、図6を参照してガイドアーム251,252の形状および動作の詳細について説明する。図6には、ガイドアーム251,252および基板Wの上面図が示される。
図6(a)〜図6(c)に示すように、ガイドアーム251は半円筒形状を有し、その内側の面251aは、基板Wの円弧に沿うように形成されている。ガイドアーム252はガイドアーム251と等しい形状を有し、内側の面252aは、基板Wの円弧に沿うように形成されている。ガイドアーム251,252はスピンチャック201の軸心P1を中心として互いに対称となるように配置されている。なお、スピンチャック201の軸心P1は、回転軸203(図4)の軸心と等しい。
次に、ガイドアーム251,252の動作について説明する。
まず、図6(a)に示すように、ガイドアーム251,252がスピンチャック201の軸心P1から最も離れた待機位置にある状態で、第7のセンターロボットCR7(図1)により基板Wが端部洗浄ユニットEC内に搬入され、スピンチャック201上に載置される。
次に、図6(b)に示すように、ガイドアーム251,252が互いに等しい速度でスピンチャック201の軸心P1に向けて移動する。このとき、基板Wの中心部W1がスピンチャック201の軸心P1に対してずれている場合には、ガイドアーム251,252の少なくとも一方により基板Wが押動される。それにより、基板Wの中心W1がスピンチャック201の軸心P1に近づくように(図6(b)の矢印M1参照)基板Wが移動する。
そして、図6(c)に示すように、ガイドアーム251,252がスピンチャック201の軸心P1に向かって移動すると、基板Wがガイドアーム251,252により挟持された状態となり、基板Wの中心W1がスピンチャック201の軸心P1に一致する。
このように、ガイドアーム251,252により、基板Wの中心W1がスピンチャック201の軸心P1に一致するように基板Wの位置が補正される。
なお、上記のガイドアーム251,252の動作は、図4に示す端部洗浄装置210がガイドアーム252の上方に待機する状態で行われる。
次に、端部洗浄装置210の詳細を説明する。図7は、図4の端部洗浄ユニットECの端部洗浄装置210の構造を説明するための図である。図7(a)に端部洗浄装置210の縦断面図が示され、図7(b)に端部洗浄装置210の正面図が示されている。
図7(a)に示すように、端部洗浄装置210の略円筒形状のハウジング210aの内部には、洗浄室211が形成されている。
また、図7(a)および図7(b)に示すように、ハウジング210aの正面側には、洗浄室211と外部とを連通させる開口212が形成されている。開口212は、中央部から両側方にかけて上下幅が漸次拡大するように、円弧状の上面および下面を有する。基板Wの端部洗浄処理時には、開口212にスピンチャック201に吸着保持された基板Wの端部Rが挿入される。
洗浄室211内には、略円筒形状を有するブラシ213が鉛直方向に延びるように配置されている。ブラシ213は鉛直方向に延びる回転軸214に取り付けられている。回転軸214の上端および下端は、洗浄室211の上部および下部に形成された回転軸受に回転可能に取り付けられている。これにより、ブラシ213は、洗浄室211および回転軸214により回転可能に支持されている。
基板Wの端部洗浄処理時には、回転する基板Wの端部Rとブラシ213とが接触する。これにより、基板Wの端部Rがブラシ213により洗浄される。
ここで、図4の端部洗浄ユニットECにおいて、ブラシ213が取り付けられた回転軸214は、スピンチャック201が固定される回転軸203と略平行となるように配置される。これにより、ブラシ213が回転する基板Wの端部Rに確実に接触した状態で回転する。
端部洗浄装置210の上部には、上述の洗浄液供給管241および排気管244が接続されている。
洗浄液供給管241は、ハウジング210a内に形成された洗浄液供給路241a,241bに接続されている。図7(a)に示すように、洗浄液供給路241aは、ハウジング210aの外部から洗浄室211の上部内面まで延びている。また、洗浄液供給路241bは、ハウジング210aの外部から洗浄室211の下部内面まで延びている。図7(a)には、洗浄液供給路241bの一部のみが示されている。
このような構成により、基板Wの端部洗浄処理時には、端部洗浄装置210に供給される洗浄液が、洗浄室211内でブラシ213と接触する基板Wの端部Rに向かって上下方向から噴射される。それにより、基板Wの端部Rが効率よく洗浄される。
排気管244は、ハウジング210aの上部に設けられた孔部を通じて洗浄室211内に挿入されている。これにより、上述のように、洗浄室211内の雰囲気が図4の排気部245により吸引され、排気管244を通じて排気される。
このように、洗浄室211においては、その内部雰囲気が排気部245により排気されるので、揮発した洗浄液および洗浄液のミストが効率よく排気される。
上記において、端面洗浄装置210に供給され、基板Wの端部Rに噴射される洗浄液としては、所定のレジスト溶媒、フッ素系薬液、アンモニア過水、および露光装置17における液浸法に用いられる液体のいずれかが用いられる。
この他、洗浄液としては、例えば、純水、純水に錯体(イオン化したもの)を溶かした液または純水、炭酸水、水素水、電解イオン水、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、フッ酸、硫酸および硫酸過水のいずれかを用いることもできる。
(3−b) 端部洗浄ユニットの他の構成例
端部洗浄ユニットECは、以下の構成を有してもよい。図8は端部洗浄ユニットECの他の構成例を説明するための図である。図8(a)は、端部洗浄ユニットECの他の構成例を示す側面図であり、図8(b)は、図8(a)の端部洗浄ユニットECの一部の上面図である。図8の端部洗浄ユニットECについて、図4の端部洗浄ユニットECと異なる点を説明する。
図8(a)および図8(b)に示すように、回転軸203およびスピンチャック201の側方には、鉛直方向に延びる3本以上の補正ピン261が設けられている。本参考形態では、3本の補正ピン261が設けられている。補正ピン261は、スピンチャック201の軸心P1を中心として互いにほぼ等角度間隔で配置されている。また、3本の補正ピン261は、ピン駆動装置262により上下方向および水平方向に互いに一体的に移動可能である。
また、補正ピン261の外方でかつスピンチャック201上に載置される基板Wの端部Rの近傍には、4つの偏心センサ263が設けられている。4つの偏心センサ263は、スピンチャック201の軸心P1を中心として互いに等角度間隔で配置されている。
偏心センサ263はスピンチャック201の軸心P1に対する基板Wの偏心量および基板Wのノッチの位置を検出し、端部洗浄ユニットECの動作を制御するローカルコントローラ250に偏心信号EIおよびノッチ位置信号NPを与える。ここで、基板Wのノッチとは、基板Wの向き等を容易に判別するために、基板Wの端部Rに形成される切り欠きのことをいう。また、偏心センサ263としては、例えばCCD(電荷結合素子)ラインセンサが用いられる。
なお、端部洗浄装置210、支持部材220、端部洗浄装置移動機230、洗浄液の供給系および排気系は、図4の端部洗浄ユニットECと同様の構成および機能を有する。
図8の端部洗浄ユニットECにおいては、基板Wの偏心量が偏心センサ263により検出されるとともに、補正ピン261により基板Wの位置が補正される。
ここで、図9を参照して、図8の端部洗浄ユニットECにおける基板Wの位置の補正について説明する。図9は、ローカルコントローラ250による端部洗浄ユニットECの制御の一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、ローカルコントローラ250は、第7のセンターロボットCR7により端部洗浄ユニットEC内に基板Wを搬入する(ステップS1)。端部洗浄ユニットEC内に搬入された基板Wは、スピンチャック201により保持される。次に、ローカルコントローラ250は、チャック回転駆動機構204により回転軸203の回転を開始させることによりスピンチャック201に保持されている基板Wの回転を開始させる(ステップS2)。
次に、ローカルコントローラ250は、偏心センサ263から与えられる偏心信号EIに基づいて回転軸203の軸心に対する基板Wの偏心量がしきい値よりも大きいか否かを判定する(ステップS3)。
ステップS3において、回転軸203の軸心に対する基板Wの偏心量がしきい値以下の場合、ローカルコントローラ250は、端部洗浄装置210(図4)により基板Wの端部洗浄処理を行う(ステップS4)。ステップS4における基板Wの端部洗浄処理については、図4の端部洗浄ユニットECにおける基板Wの端部洗浄処理と同様である。
その後、ローカルコントローラ250は、第7のセンターロボットCR7により端部洗浄ユニットECから基板Wを搬出し(ステップS5)、ステップS1の処理に戻る。
ステップS3において、回転軸203の軸心に対する基板Wの偏心量がしきい値よりも大きい場合、ローカルコントローラ250は、チャック回転駆動機構204により回転軸203の回転を停止させることにより基板Wの回転を停止させるとともに(ステップS6)、スピンチャック201による基板Wの保持を解除する。
次に、ローカルコントローラ250は、偏心信号EIおよびノッチ位置信号NPに基づいて基板Wの位置補正条件を算出する(ステップS7)。ここで、基板Wの位置補正条件とは、基板Wの中心W1(図6)をスピンチャック201の軸心P1(図6)に一致させるための基板Wの移動条件であり、基板Wの移動方向および移動距離を含む。
次に、ステップS6における基板Wの位置補正条件の算出結果に基づいて、ローカルコントローラ250は、補正ピン261により基板Wの位置を補正する(ステップS8)。具体的には、3本の補正ピン261が上方向に一体的に移動して基板Wを3点で支持する。続いて、基板Wの中心W1(図6)がスピンチャック201の軸心P1(図6)に一致するように補正ピン261が水平方向に移動する。そして、補正ピン261が下方向に移動することにより基板Wがスピンチャック201上に載置され、スピンチャック201により基板Wが保持される。それにより、基板Wの位置が補正される。その後、ステップS2の処理に戻る。
なお、ステップS8において、補正ピン261の代わりに、第7のセンターロボットCRにより基板Wの位置が補正されてもよい。その場合、補正ピン261およびピン駆動装置262を設ける必要がないので、端部洗浄ユニットECの小型化および軽量化が可能となる。
また、図8に示す例においては、端部洗浄ユニットEC内に4つの偏心センサ263が設けられるが、偏心センサ263の数は基板Wの大きさ等により適宜変更してもよい。
また、図8に示す例においては、基板Wを回転させた状態で基板Wの偏心量を検出するが、基板Wの回転を停止した状態で基板Wの偏心量を検出してもよい。ただし、端部洗浄ユニットEC内に設けられる偏心センサ263の数が例えば1つまたは2つの場合に基板Wの回転を停止した状態で検出を行うと、基板Wの偏心の方向によっては正確な偏心量を検出できない場合がある。そのため、端部洗浄ユニットEC内に設けられる偏心センサ263の数が例えば1つまたは2つの場合には、基板Wを回転させた状態で、基板Wの偏心量を検出することが好ましい。
(3−c) 端部洗浄ユニットのさらに他の構成例
端部洗浄ユニットECは、さらに以下の構成を有してもよい。図10は端部洗浄ユニットECのさらに他の構成例を説明するための図である。図10(a)は、端部洗浄ユニットECのさらに他の構成例を示す側面図であり、図10(b)は、図10(a)の端部洗浄ユニットECの一部の上面図である。図10の端部洗浄ユニットECについて、図4の端部洗浄ユニットECと異なる点を説明する。
図10(a)および図10(b)に示すように、回転軸203およびスピンチャック201を取り囲むように3本以上の支持ピン271Pが互いにほぼ等角度間隔で配置されている。本例では、4本の支持ピン271Pが設けられている。
これら4本の支持ピン271Pは、それぞれの下端部が円環状のピン保持部材271により保持されることにより、回転軸203を中心として外方へ向かって斜め上方に傾斜している。なお、4本の支持ピン271Pの下端部が取り囲む円形領域の直径は基板Wの直径以下であり、4本の支持ピン271Pの上端部が取り囲む円形領域の直径は基板Wの直径よりも大きい。
ピン保持部材271は、昇降軸272に取り付けられている。ピン駆動装置273は、ローカルコントローラ250により制御され、昇降軸272を昇降動作させる。これにより、ピン保持部材271とともに、4本の支持ピン271Pが上昇および下降する。
4本の支持ピン271Pおよびピン保持部材271の周囲を取り囲むように、基板Wからの洗浄液が外方へ飛散することを防止するための略筒状の処理カップ282が設けられている。
処理カップ282は、カップ駆動装置284の昇降軸283に取り付けられている。カップ駆動装置284は、ローカルコントローラ250により制御され、昇降軸283を昇降動作させる。
これにより、処理カップ282がスピンチャック201により保持された基板Wの端部Rを取り囲む排液回収位置と、スピンチャック201よりも下方の待機位置との間で上昇および下降する。
基板Wの端部洗浄処理時には、処理カップ282が排液回収位置に上昇するとともに、端部洗浄装置210が処理カップ282の内側に移動し、図10(b)に示すように、ブラシ213が基板Wの端部Rに当接する。
この状態で、端部洗浄装置210により基板Wの端部Rが洗浄され、基板Wから飛散する洗浄液は、処理カップ282の内面を伝って下方へと流れ落ちる。流れ落ちた洗浄液は、端面洗浄ユニットECの底面に形成された排液系285を通じて外部に排出される。
4本の支持ピン271Pおよび処理カップ282の昇降動作とその働きについて詳細を説明する。図11および図12は、図10の端面洗浄ユニットECにおける4本の支持ピン271Pおよび処理カップ282の昇降動作を説明するための図である。
図11(a)に示すように、端面洗浄ユニットEC内への基板Wの搬入時には、初めにスピンチャック201上に基板Wが載置される。このとき、4本の支持ピン271Pおよび処理カップ282は、ともにスピンチャック201よりも下方の待機位置に位置する。
図11(b)に示すように、基板Wがスピンチャック201上に載置されると、ピン保持部材271が上昇するとともに(矢印PN1)、処理カップ282も上昇する(矢印PN2)。
ここで、上述のように、4本の支持ピン271Pは、回転軸203を中心として外方に向かって斜め上方に傾斜している。また、4本の支持ピン271Pが取り囲む円形領域の直径は下から上へ漸次拡大する。
これにより、基板Wの中心W1(図6)とスピンチャック201の軸心P1(図6)とが一致している場合に4本の支持ピン271Pが上昇すると、4本の支持ピン271Pに基板Wの端部Rがほぼ同時に当接する。そして、基板Wが4本の支持ピン271Pにより持ち上げられる。
一方、基板Wの中心W1(図6)とスピンチャック201の軸心P1(図6)とが一致していない場合には、4本の支持ピン271Pが上昇すると、まず、4本の支持ピン271Pのうちのいずれか1本〜3本の支持ピン271Pに基板Wの端部Rが当接する。
このとき、支持ピン271Pの上昇に伴って、支持ピン271Pに当接する基板Wの端部Rが支持ピン271Pを滑りつつ回転軸203に向かって水平方向に移動する。
4本の支持ピン271Pがさらに上昇することにより、基板Wの端部Rに4本の支持ピン271Pが当接し、基板Wの中心W1とスピンチャック201の軸心P1とが一致する。そして、基板Wが4本の支持ピン271Pにより持ち上げられる。
その後、図11(c)に示すように、4本の支持ピン271Pが下降する(矢印PN3)。これにより、図12(d)に示すように、4本の支持ピン271Pが待機位置に戻り、基板Wの中心W1がスピンチャック201の軸心P1と一致した状態で基板Wがスピンチャック201上に載置される。この状態で、基板Wはスピンチャック201により吸着保持される。そして、処理カップ282内に図10の端部洗浄装置210が移動し、基板Wの端部洗浄処理を行う。
基板Wの端部洗浄処理が終了すると、図12(e)に示すように、処理カップ282が下降し(矢印PN5)、4本の支持ピン271Pが上昇する(矢印PN4)。それにより、基板Wが持ち上げられる。
4本の支持ピン271Pにより持ち上げられた基板Wは、図1のハンドCRH11により受け取られ、端面洗浄ユニットECの外部へと搬出される。最後に、図12(f)に示すように、4本の支持ピン271Pが待機位置へ下降する(矢印PN6)。
上記のように、本例の端面洗浄ユニットECにおいては、4本の支持ピン271Pが昇降動作することにより、簡単な構成でかつ容易に基板Wの位置が補正される。それにより、基板Wの端部洗浄処理が正確かつ確実に行われる。
(3−d) 端部洗浄ユニットのさらに他の構成例
端部洗浄ユニットECは、さらに以下の構成を有してもよい。図13は端部洗浄ユニットECのさらに他の構成例を説明するための図である。図13(a)は、端部洗浄ユニットECのさらに他の構成例を示す側面図であり、図13(b)は、図13(a)の端部洗浄ユニットECの一部の上面図である。図13の端部洗浄ユニットECについて、図4の端部洗浄ユニットECと異なる点を説明する。
図13(a)および図13(b)に示すように、スピンチャック201の上方で、スピンチャック201により保持される基板Wの端部Rの近傍にカメラ290が配置されている。カメラ290は、例えばCCDカメラであり、スピンチャック201により保持される基板Wの端部Rを上方から撮像する。カメラ290により得られる画像は電気信号としてローカルコントローラ250に与えられる。
チャック回転駆動機構204は、モータおよびエンコーダを含む。ローカルコントローラ250は、エンコーダの出力信号に基づいてモータにより回転駆動させる回転軸203の基準位置(0度)からの回転角度を検出することができる。
図13(b)に示すように、基板Wの端部洗浄処理時には、カメラ290と端部洗浄装置210とが、スピンチャック201の軸心P1を挟んで対向する。
基板Wの中心W1がスピンチャック201の軸心P1と一致している場合には、基板Wの端部Rがスピンチャック201の軸心P1と端部洗浄装置210のブラシ213の中心とを結ぶ水平線上で基板Wの回転に伴って変位しない。
一方、基板Wの中心W1がスピンチャック201の軸心P1と一致していない場合には、基板Wの端部Rがスピンチャック201の軸心P1と端部洗浄装置210のブラシ213の中心とを結ぶ水平線上で基板Wの回転に伴って変位する。この場合、端部Rの変位量はスピンチャック201の回転角度に依存して変化する。
以下の説明においては、スピンチャック201の軸心P1と端部洗浄装置210のブラシ213の中心とを結ぶ水平線を偏心検出ラインELと呼ぶ。
ローカルコントローラ250は、カメラ290から与えられる画像に基づいて、偏心検出ラインEL上での基板Wの端部Rの変位量とスピンチャック201の回転角度との関係を検出する。
さらに、ローカルコントローラ250は、端部Rの変位量とスピンチャック201の回転角度との関係に基づいて端部洗浄装置移動機構230により端部洗浄装置210を偏心検出ラインEL上で移動させる。
具体的には、ローカルコントローラ250は、基板Wを一回転させることにより、カメラ290から与えられる画像に基づいてスピンチャック201の基準角度からの回転角度と偏心検出ラインEL上での端部Rの変位量との関係を検出し、その関係を記憶する。
ローカルコントローラ250は、基板Wの回転中に、記憶した回転角度と変位量との関係に基づいて、基板Wの回転中心とブラシ213の中心との相対位置(距離)が保持されるように、端部洗浄装置210を偏心検出ラインEL上でリアルタイムに移動させる(図13(b)矢印参照)。
それにより、スピンチャック201の軸心P1とスピンチャック201上に載置された基板Wの中心W1とが一致しない場合でも、端部Rと端部洗浄装置210のブラシ213との接触状態を基板Wの全周に渡って一定に保つことが可能となる。その結果、基板Wの端部洗浄処理が基板Wの全周に渡って均一かつ正確に行われる。
(3−e) 端部洗浄ユニットのさらに他の構成例
端部洗浄ユニットECは、さらに以下の構成を有してもよい。図14は端部洗浄ユニットECのさらに他の構成例を説明するための図である。図14(a)は、端部洗浄ユニットECのさらに他の構成例を示す側面図であり、図14(b)は、図14(a)の端部洗浄ユニットECの一部の上面図である。図14の端部洗浄ユニットECについて、図13の端部洗浄ユニットECと異なる点を説明する。
ここで、本例の端面洗浄ユニットECを構成するスピンチャック201、回転軸203およびチャック回転駆動機構204を基板回転機構209と称する。本例の端面洗浄ユニットECには、基板回転機構209を偏心検出ラインELに平行に移動させる回転機構移動装置291が設けられている。
ローカルコントローラ250は、基板回転機構209を固定した状態で基板Wを一回転させる。これにより、カメラ290から与えられる画像に基づいてスピンチャック201の基準角度からの回転角度と偏心検出ラインEL上での端部Rの変位量との関係を検出し、その関係を記憶する。
ローカルコントローラ250は、基板Wの回転中に、記憶した回転角度と変位量との関係に基づいて、基板Wの回転中心とブラシ213の中心との相対位置(距離)が保持されるように、基板回転機構209を偏心検出ラインEL上でリアルタイムに移動させる(図14(b)矢印参照)。
それにより、基板Wの全周に渡って、端部Rと端部洗浄装置210のブラシ213との接触状態を一定に保つことが可能となる。その結果、基板Wの端部洗浄処理が基板Wの全周に渡って均一かつ正確に行われる。
(3−f) 端部洗浄ユニットのさらに他の構成例
端部洗浄ユニットECは、さらに以下の構成を有してもよい。図15は端部洗浄ユニットECのさらに他の構成例を説明するための図である。図15の端部洗浄ユニットECについて、図4の端部洗浄ユニットECと異なる点を説明する。
図15に示すように、本例の端面洗浄ユニットECにおいては、処理チャンバCH内にスピンチャック201、回転軸203、チャック回転駆動機構204、端部洗浄装置210および端部洗浄装置移動機構230が配置されている。
なお、処理チャンバCH内でのこれらの構成部の配置は図4の端面洗浄ユニットECと同じである。また、図4の端面洗浄ユニットECと異なり、本例の端面洗浄ユニットECにはガイドアーム251,252は設けられていない。
処理チャンバCHの一側面に、端面洗浄ユニットECへの基板Wの搬入および端面洗浄ユニットECからの基板Wの搬出を行うための開口部ECOが形成されている。その一側面には、開口部ECOを開閉可能なシャッタSHと、そのシャッタSHを駆動するシャッタ駆動装置SHMとが設けられている。
シャッタSHが開口部ECOを開くことにより、外部から端面洗浄ユニットEC内への基板Wの搬入、および端面洗浄ユニットEC内から外部への基板Wの搬出を行うことができる。これらの基板Wの搬入および搬出は、図1の第7のセンターロボットCR7が備えるハンドCRH11により行われる。
さらに、処理チャンバCHの一側面における開口部ECOの上部に光電センサ276の投光部276aが設けられている。ハンドCRH11の上面における所定の箇所に光電センサ276の受光部276bが設けられている。投光部276aは、例えば処理チャンバCHの底面に向かう鉛直方向に光を投光する。
光電センサ276の投光部276aおよび受光部276bは、ローカルコントローラ250に接続されている。ローカルコントローラ250は、端面洗浄ユニットECへの基板Wの搬入時に投光部276aから光を投光させる。
受光部276bは、投光部276aからの光を受光した場合に、光を受光した旨の信号(以下、受光信号と呼ぶ。)をローカルコントローラ250へ与える。
ローカルコントローラ250は、端面洗浄ユニットEC内の各構成部の動作を制御するとともに、図1の第7のセンターロボットCR7の動作も制御する。ローカルコントローラ250により制御されるハンドCRH11の動作について図16に基づき説明する。
図16は、端面洗浄ユニットECへの基板Wの搬入時における図15のハンドCRH11の動作を説明するための図である。なお、図16では、ハンドCRH11および端面洗浄ユニットECの構成の一部(図15の投光部276aおよびスピンチャック201)が上面図で示されている。
図16(a)において、矢印で示されるように、ハンドCRH11により保持された基板Wが端面洗浄ユニットEC内に搬入される。ハンドCRH11とスピンチャック201との位置関係は予め設定されている。
しかしながら、ハンドCRH11の位置が、予め設定された位置からずれる場合がある。それにより、図16(b)に示すように、端面洗浄ユニットECに搬入される基板Wは、基板Wの中心W1がスピンチャック201の軸心P1からずれた状態でスピンチャック201上に載置される。
この場合、投光部276aから投光される光は、受光部276bにより受光されない。したがって、ローカルコントローラ250には、受光部276bから受光信号が与えられない。
そこで、ローカルコントローラ250は、図16(c)に示すように、受光部276bから受光信号が与えられるまで、ハンドCHR11を水平面内で移動させる。ローカルコントローラ250は、受光信号が与えられると、ハンドCRH11の移動を停止させ、スピンチャック201上に基板Wを載置させる。
これにより、スピンチャック201の軸心P1と基板Wの中心W1とが一致する。それにより、基板Wの端部洗浄処理時に、基板Wの全周に渡って、端部Rと端部洗浄装置210のブラシ213との接触状態を一定に保つことが可能となる。その結果、基板Wの端部洗浄処理が基板Wの全周に渡って均一かつ正確に行われる。
なお、基板Wの中心W1とスピンチャック201の軸心P1とを一致させるための受光センサ276は、図4、図8、図10、図13および図14の端面洗浄ユニットECにも設けることができる。
この場合、ローカルコントローラ250がハンドCRH11の動作を制御することにより、基板Wの偏心をより十分に防止することができる。
(3−g) 端部洗浄ユニットのさらに他の構成例
端部洗浄ユニットECは、さらに以下の構成を有してもよい。図17は端部洗浄ユニットECのさらに他の構成例を説明するための図である。図17の端部洗浄ユニットECについて、図4の端部洗浄ユニットECと異なる点を説明する。
図17に示すように、スピンチャック201の外方には、モータ301が設けられている。モータ301には、回動軸302が接続されている。また、回動軸302には、アーム303が水平方向に延びるように連結され、アーム303の先端に二流体ノズル310が設けられている。この二流体ノズル310は、気体および液体からなる混合流体を吐出する。詳細は後述する。
なお、アーム303の先端部において、二流体ノズル310は、スピンチャック201により保持される基板Wの表面に対して傾斜するように取り付けられている。
基板Wの端部洗浄処理開始時には、モータ301により回動軸302が回転するとともにアーム303が回動する。これにより、二流体ノズル310がスピンチャック621により保持された基板Wの端部Rの上方に移動する。その結果、二流体ノズル310の混合流体の吐出部310aが、基板Wの端部Rに対向する。
モータ301、回動軸302およびアーム303の内部を通るように洗浄液供給管331が設けられている。洗浄液供給管331は、一端が二流体ノズル310に接続されるとともに、他端がバルブ332を介して図示しない洗浄液供給系に接続されている。バルブ332を開くことにより、洗浄液が洗浄液供給管331を通じて二流体ノズル310に供給される。なお、本例では、洗浄液として例えば純水を用いるが、純水の代わりに所定のレジスト溶媒、フッ素系薬液、アンモニア過水、露光装置17における液浸法に用いられる液体、フッ酸、硫酸および硫酸過水のいずれかを用いることもできる。
また、二流体ノズル310には、洗浄液供給管331とともに、気体供給管341の一端が接続されている。気体供給管341の他端は、バルブ342を介して図示しない気体供給系に接続されている。バルブ342を開くことにより気体が二流体ノズル310に供給される。なお、本例では、二流体ノズル310に供給される気体として窒素ガス(N2 )を用いるが、窒素ガス(N2 )の代わりにアルゴンガスまたはヘリウムガス等の他の不活性ガスを用いることもできる。
基板Wの端部洗浄処理時には、洗浄液および気体が二流体ノズル310に供給される。これにより、回転する基板Wの端部Rに二流体ノズル310から混合流体が吐出される。それにより、基板Wの端部Rが良好に洗浄される。
さらに、本参考形態では、端部洗浄ユニットEC内に、上記二流体ノズル310と同じ構成および機能を持つ二流体ノズル310bが設けられる。この二流体ノズル310bは、スピンチャック201により保持される基板Wの裏面に対向するように、かつ基板Wの裏面に対して傾斜するように取り付けられている。なお、二流体ノズル310bは、混合流体を吐出する吐出部310cを備え、図示しないアームに取り付けられている。
このように、基板Wの表面および裏面にそれぞれ対向するように二流体ノズル310,310bを設けることにより、基板Wの端部Rを確実に洗浄することが可能となる。なお、二流体ノズル310bの洗浄液および気体の各供給系は、二流体ノズル310と同様であるので説明を省略する。
また、図17の端部洗浄ユニットECには、図4の端部洗浄ユニットECと同様にガイドアーム251,252、支持部材253,254およびアーム移動機構255,256が設けられている。これらは、図4の端部洗浄ユニットECと同様の構成および機能を有する。それにより、スピンチャック201上に基板Wが載置される際に、基板Wの位置がガイドアーム251,252により補正される。
なお、ガイドアーム251,252、支持部材253,254およびアーム移動機構255,256の代わりに、図8の補正ピン261、ピン駆動装置262および偏心センサ263が設けられてもよいし、図10の4本の支持ピン271P、ピン保持部材271およびピン駆動装置273が設けられてもよいし、図13のカメラ290が設けられてもよいし、図14のカメラ290および回転機構移動装置291が設けられてもよい。
さらに、ガイドアーム251,252、支持部材253,254およびアーム移動機構255,256の代わりに、図17の端面洗浄ユニットECに図15の投光部276aが設けられ、ハンドCRH11に受光部276bが設けられてもよい。
続いて、二流体ノズル310の内部構造の一例を説明する。なお、二流体ノズル310bの内部構造は二流体ノズル310の内部構造と同様であるので説明を省略する。
図18は、端部洗浄処理に用いられる二流体ノズル310の内部構造の一例を示す縦断面図である。
図18に示される二流体ノズル310は外部混合型と呼ばれる。図18に示す外部混合型の二流体ノズル310は、内部本体部311および外部本体部312により構成される。内部本体部311は、例えば石英等からなり、外部本体部312は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂からなる。
内部本体部311の中心軸に沿って純水導入部311bが形成されている。純水導入部311bには図17の洗浄液供給管331が取り付けられる。これにより、洗浄液供給管331から供給される純水が純水導入部311bに導入される。
内部本体部311の下端には、純水導入部311bに連通する純水吐出口311aが形成されている。内部本体部311は、外部本体部312内に挿入されている。なお、内部本体部311および外部本体部312の上端部は互いに接合されており、下端は接合されていない。
内部本体部311と外部本体部312との間には、円筒状の気体通過部312bが形成されている。外部本体部312の下端には、気体通過部312bに連通する気体吐出口312aが形成されている。外部本体部312の周壁には、気体通過部312bに連通するように図17の気体供給管341が取り付けられている。これにより、気体供給管341から供給される窒素ガス(N2 )が気体通過部312bに導入される。
気体通過部312bは、気体吐出口312a近傍において、下方に向かうにつれて径小となっている。その結果、窒素ガス(N2 )の流速が加速され、気体吐出口312aより吐出される。
この二流体ノズル310では、純水吐出口311aから吐出された純水と気体吐出口312aから吐出された窒素ガス(N2 )とが二流体ノズル310の下端付近の外部で混合され、純水の微細な液滴を含む霧状の混合流体Nが生成される。
上述のように、基板Wの端部洗浄処理時においては、霧状の混合流体Nが基板Wの端部Rに吐出されることにより、基板Wの端部Rの洗浄が行われる。
なお、図17の端部洗浄ユニットECにおいては、図18の二流体ノズル310に代えて、混合流体Nの生成をノズル本体の内部で行う内部混合型の二流体ノズル310を用いてもよい。二流体ノズル310の内部構造の他の例を説明する。
図19は、端部洗浄処理に用いられる二流体ノズル310の内部構造の他の例を示す縦断面図である。図19に示される二流体ノズル310は内部混合型と呼ばれる。
図19に示される内部混合型の二流体ノズル310は、気体導入管333および本体部334により構成される。本体部334は、例えば石英からなり、気体導入管333は、例えばPTFEからなる。
気体導入管333には、上端から下端まで連通する気体導入部333aが形成されている。また、気体導入管333の上端には、図17の気体供給管341が取り付けられている。これにより、気体供給管341から供給されるN2 ガスが気体導入部333aに導入される。
本体部334は、径大な上部筒334a、テーパ部334bおよび径小な下部筒334cからなる。
上部筒334aおよびテーパ部334b内に混合室334dが形成され、下部筒334c内に直流部334eが形成されている。下部筒334cの下端には、直流部334eに連通する混合流体吐出口334fが形成されている。
本体部334の上部筒334aには、混合室334dに連通するように図17の洗浄液供給管331が取り付けられている。これにより、洗浄液供給管331から供給される純水が混合室334dに導入される。気体導入管333の下端部は、本体部334の上部筒334aの混合室334d内に挿入されている。
図19の内部混合型の二流体ノズル310では、気体導入部333aから加圧された窒素ガス(N2 )が供給され、洗浄液供給管331から純水が供給されると、混合室334dで窒素ガス(N2 )と純水とが混合され、純水の微細な液滴を含む霧状の混合流体Nが生成される。
混合室334dで生成された混合流体Nは、テーパ部334bに沿って直流部334eを通過することにより加速される。加速された混合流体Nは、混合流体吐出口334fから基板Wの端部Rに吐出される。それにより、基板Wの端部Rの洗浄が行われる。
(3−h) 端部洗浄ユニットのさらに他の構成例
端部洗浄ユニットECは、さらに以下の構成を有してもよい。図20は、端部洗浄ユニットECのさらに他の構成例を説明するための図である。図20の端部洗浄ユニットECについて、図17の端部洗浄ユニットECと異なる点を説明する。
図20に示すように、本例の端部洗浄ユニットECにおいては、アーム303の先端に二流体ノズル310に代えて超音波ノズル410が設けられている。
なお、本例においても、超音波ノズル410は、スピンチャック201により保持される基板Wの表面に対して傾斜するようにアーム303の先端部に取り付けられている。
超音波ノズル410には、洗浄液供給管331が接続されている。これにより、図17の例と同様に、バルブ332を開くことにより、洗浄液が洗浄液供給管331を通じて超音波ノズル410に供給される。なお、本例でも、洗浄液として純水を用いる。
超音波ノズル410内には、高周波振動子411が内蔵されている。この高周波振動子411は、高周波発生装置420と電気的に接続されている。
基板Wの端部洗浄処理時においては、純水が超音波ノズル410から基板Wの端部Rに向かって吐出される。ここで、超音波ノズル410から純水が吐出される際には、高周波発生装置420から高周波振動子411に高周波電流が供給される。
それにより、高周波振動子411が超音波振動し、超音波ノズル410内を通る純水に高周波電流の値に応じた高周波出力が印加される。その結果、超音波振動状態となった純水が基板Wの端部Rに吐出され、基板Wの端部Rが洗浄される。
なお、本例においても、端部洗浄ユニットEC内に、上記超音波ノズル410と同じ構成および機能を持つ超音波ノズル410aが設けられる。この超音波ノズル410aは、スピンチャック201により保持される基板Wの裏面に対向するように、かつ基板Wの裏面に対して傾斜するように取り付けられている。なお、超音波ノズル410a内には高周波振動子411aが内蔵されており、超音波ノズル410aは図示しないアームに取り付けられている。
このように、基板Wの表面および裏面にそれぞれ対向するように超音波ノズル410,410aを設けることにより、基板Wの端部Rを確実に洗浄することが可能となる。なお、超音波ノズル410aの洗浄液および高周波電流の各供給系は、超音波ノズル410と同様であるので説明を省略する。
また、図20の端部洗浄ユニットECには、図4の端部洗浄ユニットECと同様にガイドアーム251,252、支持部材253,254およびアーム移動機構255,256が設けられている。これらは、図4の端部洗浄ユニットECと同様の構成および機能を有する。それにより、スピンチャック201上に基板Wが載置される際に、基板Wの位置がガイドアーム251,252により補正される。
なお、ガイドアーム251,252、支持部材253,254およびアーム移動機構255,256の代わりに、図8の補正ピン261、ピン駆動装置262および偏心センサ263が設けられてもよいし、図10の4本の支持ピン271P、ピン保持部材271およびピン駆動装置273が設けられてもよいし、図13のカメラ290が設けられてもよいし、図14のカメラ290および回転機構移動装置291が設けられてもよい。
さらに、ガイドアーム251,252、支持部材253,254およびアーム移動機構255,256の代わりに、図17の端面洗浄ユニットECに図15の投光部276aが設けられ、ハンドCRH11に受光部276bが設けられてもよい。
(4) 洗浄/乾燥処理ユニットについて
次に、洗浄/乾燥処理ユニットSDについて図面を用いて説明する。
(4−a) 洗浄/乾燥処理ユニットの構成
洗浄/乾燥処理ユニットSDの構成について説明する。図21は、洗浄/乾燥処理ユニットSDの構成を説明するための図である。
図21に示すように、洗浄/乾燥処理ユニットSDは、基板Wを水平に保持するとともに基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック621を備える。
スピンチャック621は、チャック回転駆動機構636によって回転される回転軸625の上端に固定されている。また、スピンチャック621には吸気路(図示せず)が形成されており、スピンチャック621上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの下面をスピンチャック621に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。
スピンチャック621の外方には、第1のモータ660が設けられている。第1のモータ660には、第1の回動軸661が接続されている。また、第1の回動軸661には、第1のアーム662が水平方向に延びるように連結され、第1のアーム662の先端に洗浄処理用ノズル650が設けられている。
第1のモータ660により第1の回動軸661が回転するとともに第1のアーム662が回動し、洗浄処理用ノズル650がスピンチャック621により保持された基板Wの上方に移動する。
第1のモータ660、第1の回動軸661および第1のアーム662の内部を通るように洗浄処理用供給管663が設けられている。洗浄処理用供給管663は、バルブVaおよびバルブVbを介して洗浄液供給源R1およびリンス液供給源R2に接続されている。このバルブVa,Vbの開閉を制御することにより、洗浄処理用供給管663に供給する処理液の選択および供給量の調整を行うことができる。図21の構成においては、バルブVaを開くことにより、洗浄処理用供給管663に洗浄液を供給することができ、バルブVbを開くことにより、洗浄処理用供給管663にリンス液を供給することができる。
洗浄処理用ノズル650には、洗浄液またはリンス液が、洗浄処理用供給管663を通して洗浄液供給源R1またはリンス液供給源R2から供給される。それにより、基板Wの表面へ洗浄液またはリンス液を供給することができる。洗浄液としては、例えば、純水、純水に錯体(イオン化したもの)を溶かした液またはフッ素系薬液などが用いられる。リンス液としては、例えば、純水、炭酸水、水素水および電解イオン水、HFE(ハイドロフルオロエーテル)のいずれかが用いられる。
スピンチャック621の外方には、第2のモータ671が設けられている。第2のモータ671には、第2の回動軸672が接続されている。また、第2の回動軸672には、第2のアーム673が水平方向に延びるように連結され、第2のアーム673の先端に乾燥処理用ノズル670が設けられている。
第2のモータ671により第2の回動軸672が回転するとともに第2のアーム673が回動し、乾燥処理用ノズル670がスピンチャック621により保持された基板Wの上方に移動する。
第2のモータ671、第2の回動軸672および第2のアーム673の内部を通るように乾燥処理用供給管674が設けられている。乾燥処理用供給管674は、バルブVcを介して不活性ガス供給源R3に接続されている。このバルブVcの開閉を制御することにより、乾燥処理用供給管674に供給する不活性ガスの供給量を調整することができる。
乾燥処理用ノズル670には、不活性ガスが、乾燥処理用供給管674を通して不活性ガス供給源R3から供給される。それにより、基板Wの表面へ不活性ガスを供給することができる。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス(N2 )が用いられる。
基板Wの表面へ洗浄液またはリンス液を供給する際には、洗浄処理用ノズル650は基板の上方に位置し、基板Wの表面へ不活性ガスを供給する際には、洗浄処理用ノズル650は所定の位置に退避される。
また、基板Wの表面へ洗浄液またはリンス液を供給する際には、乾燥処理用ノズル670は所定の位置に退避され、基板Wの表面へ不活性ガスを供給する際には、乾燥処理用ノズル670は基板Wの上方に位置する。
スピンチャック621に保持された基板Wは、処理カップ623内に収容される。処理カップ623の内側には、筒状の仕切壁633が設けられている。また、スピンチャック621の周囲を取り囲むように、基板Wの処理に用いられた処理液(洗浄液またはリンス液)を排液するための排液空間631が形成されている。さらに、排液空間631を取り囲むように、処理カップ623と仕切壁633の間に基板Wの処理に用いられた処理液を回収するための回収液空間632が形成されている。
排液空間631には、排液処理装置(図示せず)へ処理液を導くための排液管634が接続され、回収液空間632には、回収処理装置(図示せず)へ処理液を導くための回収管635が接続されている。
処理カップ623の上方には、基板Wからの処理液が外方へ飛散することを防止するためのガード624が設けられている。このガード624は、回転軸625に対して回転対称な形状からなっている。ガード624の上端部の内面には、断面く字状の排液案内溝641が環状に形成されている。
また、ガード624の下端部の内面には、外側下方に傾斜する傾斜面からなる回収液案内部642が形成されている。回収液案内部642の上端付近には、処理カップ623の仕切壁633を受け入れるための仕切壁収納溝643が形成されている。
このガード624には、ボールねじ機構等で構成されたガード昇降駆動機構(図示せず)が設けられている。ガード昇降駆動機構は、ガード624を、回収液案内部642がスピンチャック621に保持された基板Wの外周端面に対向する回収位置と、排液案内溝641がスピンチャック621に保持された基板Wの外周端部に対向する排液位置との間で上下動させる。ガード624が回収位置(図21に示すガードの位置)にある場合には、基板Wから外方へ飛散した処理液が回収液案内部642により回収液空間632に導かれ、回収管635を通して回収される。一方、ガード624が排液位置にある場合には、基板Wから外方へ飛散した処理液が排液案内溝641により排液空間631に導かれ、排液管634を通して排液される。以上の構成により、処理液の排液および回収が行われる。
(4−b) 洗浄/乾燥処理ユニットの動作
次に、上記の構成を有する洗浄/乾燥処理ユニットSDの処理動作について説明する。なお、以下に説明する洗浄/乾燥処理ユニットSDの各構成要素の動作は、図1のメインコントロ−ラ(制御部)91により制御される。
まず、基板Wの搬入時には、ガード624が下降するとともに、図1のインターフェース用搬送機構IFRが基板Wをスピンチャック621上に載置する。スピンチャック621上に載置された基板Wは、スピンチャック621により吸着保持される。
次に、ガード624が上述した廃液位置まで移動するとともに、洗浄処理用ノズル650が基板Wの中心部上方に移動する。その後、回転軸625が回転し、この回転にともないスピンチャック621に保持されている基板Wが回転する。その後、洗浄処理用ノズル650から洗浄液が基板Wの上面に吐出される。これにより、基板Wの洗浄が行われる。
なお、洗浄/乾燥処理部80aにおいては、この洗浄時に基板W上のレジストカバー膜の成分が洗浄液中に溶出する。また、基板Wの洗浄においては、基板Wを回転させつつ基板W上に洗浄液を供給している。
この場合、基板W上の洗浄液は遠心力により常に基板Wの周縁部へと移動し飛散する。したがって、洗浄液中に溶出したレジストカバー膜の成分が基板W上に残留することを防止することができる。なお、上記のレジストカバー膜の成分は、例えば、基板W上に純水を盛って一定時間保持することにより溶出させてもよい。また、基板W上への洗浄液の供給は、図18に示すような二流体ノズルを用いたソフトスプレー方式により行ってもよい。
所定時間経過後、洗浄液の供給が停止され、洗浄処理用ノズル650からリンス液が吐出される。これにより、基板W上の洗浄液が洗い流される。
さらに所定時間経過後、回転軸625の回転速度が低下する。これにより、基板Wの回転によって振り切られるリンス液の量が減少し、図22(a)に示すように、基板Wの表面全体にリンス液の液層Lが形成される。なお、回転軸625の回転を停止させて基板Wの表面全体に液層Lを形成してもよい。
次に、リンス液の供給が停止され、洗浄処理用ノズル650が所定の位置に退避するとともに乾燥処理用ノズル670が基板Wの中心部上方に移動する。その後、乾燥処理用ノズル670から不活性ガスが吐出される。これにより、図22(b)に示すように、基板Wの中心部のリンス液が基板Wの周縁部に移動し、基板Wの周縁部のみに液層Lが存在する状態になる。
次に、回転軸625(図21参照)の回転数が上昇するとともに、図22(c)に示すように乾燥処理用ノズル670が基板Wの中心部上方から周縁部上方へと徐々に移動する。これにより、基板W上の液層Lに大きな遠心力が作用するとともに、基板Wの表面全体に不活性ガスを吹き付けることができるので、基板W上の液層Lを確実に取り除くことができる。その結果、基板Wを確実に乾燥させることができる。
次に、不活性ガスの供給が停止され、乾燥処理ノズル670が所定の位置に退避するとともに回転軸625の回転が停止する。その後、ガード624が下降するとともに図1のインターフェース用搬送機構IFRが基板Wを洗浄/乾燥処理ユニットSDから搬出する。これにより、洗浄/乾燥処理ユニットSDにおける処理動作が終了する。なお、洗浄および乾燥処理中におけるガード624の位置は、処理液の回収または廃液の必要性に応じて適宜変更することが好ましい。
なお、上記参考形態においては、洗浄液処理用ノズル650から洗浄液およびリンス液のいずれをも供給できるように、洗浄液の供給およびリンス液の供給に洗浄液処理用ノズル650を共用する構成を採用しているが、洗浄液供給用のノズルとリンス液供給用のノズルとを別々に分けた構成を採用してもよい。
また、リンス液を供給する場合には、リンス液が基板Wの裏面に回り込まないように、基板Wの裏面に対して図示しないバックリンス用ノズルから純水を供給してもよい。
また、基板Wを洗浄する洗浄液に純水を用いる場合には、リンス液の供給を行う必要はない。
また、上記参考形態においては、スピン乾燥方法により基板Wに乾燥処理を施すが、減圧乾燥方法、エアーナイフ乾燥方法等の他の乾燥方法により基板Wに乾燥処理を施してもよい。
また、上記参考形態においては、リンス液の液層Lが形成された状態で、乾燥処理用ノズル670から不活性ガスを供給するようにしているが、リンス液の液層Lを形成しない場合あるいはリンス液を用いない場合には洗浄液の液層を基板Wを回転させて一旦振り切った後で、即座に乾燥処理用ノズル670から不活性ガスを供給して基板Wを完全に乾燥させるようにしてもよい。
(5) インターフェースブロックのインターフェース用搬送機構について
インターフェース用搬送機構IFRについて説明する。図23はインターフェース用搬送機構IFRの構成および動作を説明するための図である。
まず、インターフェース用搬送機構IFRの構成について説明する。図23に示すように、インターフェース用搬送機構IFRの可動台181は螺軸182に螺合される。螺軸182は、X方向に延びるように支持台183によって回転可能に支持される。螺軸182の一端部にはモータM2が設けられ、このモータM2により螺軸182が回転し、可動台181が±X方向に水平移動する。
また、可動台181にはハンド支持台184が±θ方向に回転可能でかつ±Z方向に昇降可能に搭載される。ハンド支持台184は、回転軸185を介して可動台181内のモータM3に連結しており、このモータM3によりハンド支持台184が回転する。ハンド支持台184には、基板Wを水平姿勢で保持する2個のハンドH1,H2が進退可能に上下に設けられる。
次に、インターフェース用搬送機構IFRの動作について説明する。インターフェース用搬送機構IFRの動作は、図1のメインコントローラ(制御部)91により制御される。
まず、インターフェース用搬送機構IFRは、図23の位置Aにおいてハンド支持台184を回転させるとともに+Z方向に上昇させ、上側のハンドH1を基板載置部PASS15に進入させる。基板載置部PASS15においてハンドH1が基板Wを受け取ると、インターフェース用搬送機構IFRはハンドH1を基板載置部PASS15から後退させ、ハンド支持台184を−Z方向に下降させる。
次に、インターフェース用搬送機構IFRは−X方向に移動し、位置Bにおいてハンド支持台184を回転させるとともにハンドH1を露光装置17の基板搬入部17a(図1参照)に進入させる。基板Wを基板搬入部17aに搬入した後、インターフェース用搬送機構IFRはハンドH1を基板搬入部17aから後退させる。
次に、インターフェース用搬送機構IFRは下側のハンドH2を露光装置17の基板搬出部17b(図1参照)に進入させる。基板搬出部17bにおいてハンドH2が露光処理後の基板Wを受け取ると、インターフェース用搬送機構IFRはハンドH2を基板搬出部17bから後退させる。
その後、インターフェース用搬送機構IFRは+X方向に移動し、位置Aにおいて、ハンド支持台184を回転させるとともにハンドH2を洗浄/乾燥処理ユニットSDに進入させ、基板Wを洗浄/乾燥処理ユニットSDに搬入する。これにより、洗浄/乾燥処理ユニットSDにより露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
続いて、インターフェース用搬送機構IFRは上側のハンドH1を洗浄/乾燥処理ユニットSDに進入させ、洗浄/乾燥処理ユニットSDから洗浄および乾燥処理後の基板Wを受け取る。インターフェース用搬送機構IFRは、その基板Wを基板載置部PASS16に載置する。
なお、上述のように露光装置17が基板Wの受け入れをできない場合は、基板Wは送りバッファ部SBFに一時的に収納保管される。また、洗浄/乾燥処理ユニットSDにおいて一時的に洗浄および乾燥処理ができない場合は、露光処理後の基板Wはインターフェースブロック16の戻りバッファ部RBFに一時的に収納保管される。
本参考形態においては、1台のインターフェース用搬送機構IFRによって、基板載置部PASS15から露光装置17への搬送、露光装置17から洗浄/乾燥処理ユニットSDへの搬送を行っているが、複数のインターフェース用搬送機構IFRを用いて基板Wの搬送を行ってもよい。
(6) 本参考形態における効果
(6−a) 端部洗浄処理による効果
上記参考形態では、洗浄/乾燥処理部80の端部洗浄ユニットECにおいて、基板Wの端部洗浄処理の前に、基板Wの中心W1とスピンチャック201の軸心P1とが一致するように基板Wの位置が補正される。それにより、基板Wの端部洗浄処理時において、回転軸203に対する基板Wの偏心が防止され、基板Wの端部Rを均一に洗浄することができる。そのため、基板Wの端部Rに洗浄ムラが生じることが防止され、端部Rに付着した汚染物質を確実に取り除くことができる。
また、基板Wの偏心が防止されることにより、端部洗浄処理による端部Rの洗浄領域を高精度に調整することができる。それにより、端部Rのべベル部のみ(図5参照)、または端部Rのべベル部および周縁部を含む領域等の基板Wの端部Rにおける種々の領域を選択的かつ正確に洗浄することができる。そのため、基板W上に形成された有機膜等の洗浄処理を行うべきでない部分に対して、不必要な洗浄処理が行われることが防止される。
また、基板Wの端部洗浄処理時において基板Wの回転が安定するため、洗浄液が周囲に飛散することが防止される。それにより、飛散した洗浄液が基板W表面に再付着して基板Wを汚染することが防止される。
これらの結果、基板Wの端部Rの汚染に起因する露光装置17内の汚染が防止でき、露光パターンの寸法不良および形状不良の発生を防止することができる。
また、基板W上の周縁部に形成された反射防止膜およびレジスト膜の一方または両方がレジストカバー膜に被膜されずに露出した状態であると、液浸法による露光処理中に反射防止膜およびレジスト膜の一方または両方の成分が溶出または析出する可能性がある。そこで、その露出部分を含む周縁部の領域を洗浄することにより、液浸法による露光処理中に反射防止膜およびレジスト膜の一方または両方から溶出または析出する成分が予め端部洗浄ユニットECにおいて溶出または析出し、溶出物または析出物が洗い流される。したがって、露光処理の際に、液浸液中に反射防止膜およびレジスト膜の一方または両方が溶出または析出することが防止される。これにより、露光装置17(露光装置17のレンズ)が汚染されることが防止される。その結果、露光パターンの寸法不良および形状不良が発生することが防止される。
なお、露光処理の際に液浸液中に溶出または析出する可能性がある成分は上記反射防止膜およびレジスト膜中に含まれる成分に限られるものではなく、本参考形態に係る基板処理装置500外に設けられた外部装置により基板W上に形成された半導体膜、金属膜、絶縁膜または有機膜等に含まれる成分もある。これらの膜に含まれる成分も予め端部洗浄ユニットECにおいて溶出または析出させることができる。
なお、このように基板W上の膜の成分を基板Wの端部洗浄処理中において予め溶出または析出させるためには、洗浄液として露光装置17で用いられる液浸液を用いることが好ましい。液浸液の例としては、純水、高屈折率を有するグリセロール、高屈折率の微粒子(例えば、アルミニウム酸化物)と純水とを混合した混合液および有機系の液体等が挙げられる。
また、液浸液の他の例としては、純水に錯体(イオン化したもの)を溶かした液、炭酸水、水素水、電解イオン水、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、フッ酸、硫酸および硫酸過水等が挙げられる。
(6―b) ブラシを用いた端部洗浄処理の効果
端部洗浄ユニットECにおいてブラシ213により基板Wの端部洗浄処理を行う場合には、基板Wの端部Rに直接ブラシ213が接触するので、基板Wの端部Rの汚染物質を物理的に剥離させることができる。それにより、端部Rに強固に付着した汚染物質をより確実に取り除くことができる。
(6−c) 二流体ノズルを用いた端部洗浄処理の効果
端部洗浄ユニットECにおいて、二流体ノズル310を用いて基板Wの端部洗浄処理を行う場合には、気体と液体との混合流体Nが基板Wの端部Rに吐出され、基板Wの端部Rが洗浄される。このように、混合流体Nを用いることにより高い洗浄効果を得ることができる。
また、気体と液体との混合流体Nが基板Wの端部Rに吐出されることにより、非接触で基板Wの端部Rが洗浄されるので、洗浄時における基板Wの端部Rの損傷が防止される。さらに、混合流体Nの吐出圧および混合流体Nにおける気体と液体との比率を制御することにより基板Wの端部Rの洗浄条件を容易に制御することも可能である。
また、二流体ノズル310によれば、均一な混合流体Nを基板Wの端部Rに吐出することができるので、洗浄ムラが発生しない。
(6−d) 超音波ノズルを用いた端部洗浄処理の効果
端部洗浄ユニットECにおいて、超音波ノズル410を用いて基板Wの端部洗浄処理を行う場合には、超音波ノズル410内を通る純水に高周波電流の値に応じた高周波出力が印加される。
これにより、超音波振動状態となった純水が基板Wの端部Rに吐出され、基板Wの端部Rが洗浄される。この場合、純水に印加される高周波出力を基板Wの種類および洗浄条件に応じて電気的に可変制御することが可能となる。
(6−e) 露光処理後の基板の洗浄処理の効果
露光装置17において基板Wに露光処理が行われた後、洗浄/乾燥処理ブロック15の洗浄/乾燥処理部80において基板Wの洗浄処理が行われる。この場合、露光処理時に液体が付着した基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着しても、その付着物を取り除くことができる。それにより、基板Wの汚染を防止することができる。
また、洗浄/乾燥処理部80においては、露光処理後の基板Wの乾燥処理が行われる。それにより、露光処理時に基板Wに付着した液体が、基板処理装置500内に落下することが防止される。その結果、基板処理装置500の電気系統の異常等の動作不良を防止することができる。
また、露光処理後の基板Wの乾燥処理を行うことにより、露光処理後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することが防止されるので、基板Wの汚染を防止することができる。
また、基板処理装置500内を液体が付着した基板Wが搬送されることを防止することができるので、露光処理時に基板Wに付着した液体が基板処理装置500内の雰囲気に影響を与えることを防止することができる。それにより、基板処理装置500内の温湿度調整が容易になる。
また、露光処理時に基板Wに付着した液体がインデクサロボットIRおよび第2〜第8のセンターロボットCR2〜CR8に付着することが防止されるので、露光処理前の基板Wに液体が付着することが防止される。それにより、露光処理前の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することが防止されるので、基板Wの汚染が防止される。その結果、露光処理時の解像性能の劣化を防止することができるとともに露光装置17内の汚染を確実に防止することができる。これらの結果、基板Wの処理不良を確実に防止することができる。
なお、露光処理後の基板Wの乾燥処理を行うための構成は図1の基板処理装置500の例に限られない。レジストカバー膜除去ブロック14とインターフェースブロック16との間に洗浄/乾燥処理ブロック15を設ける代わりに、インターフェースブロック16内に洗浄/乾燥処理部80を設け、露光処理後の基板Wの乾燥処理を行ってもよい。
(6−f) 露光処理後の基板の乾燥処理の効果
洗浄/乾燥処理ユニットSDにおいては、基板Wを回転させつつ不活性ガスを基板Wの中心部から周縁部へと吹き付けることにより基板Wの乾燥処理を行っている。この場合、基板W上の洗浄液およびリンス液を確実に取り除くことができるので、洗浄後の基板Wに雰囲気中の塵埃等が付着することを確実に防止することができる。それにより、基板Wの汚染を確実に防止することができるとともに、基板Wの表面に乾燥しみが発生することを防止することができる。
(6−g) 洗浄/乾燥処理ブロックの効果
本参考形態に係る基板処理装置500は、既存の基板処理装置に洗浄/乾燥処理ブロック15を追加した構成を有するので、低コストで、基板Wの処理不良を防止することができる。
(6−h) インターフェース用搬送機構のハンドについての効果
インターフェースブロック16においては、基板載置部PASS15から露光装置17の基板搬入部17aへ露光処理前の基板Wを搬送する際、および洗浄/乾燥処理ユニットSDから基板載置部PASS16へ洗浄および乾燥処理後の基板Wを搬送する際には、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1が用いられ、露光装置17の基板搬出部17bから洗浄/乾燥処理ユニットSDへ露光処理後の基板Wを搬送する際には、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH2が用いられる。
すなわち、液体が付着していない基板Wの搬送にはハンドH1が用いられ、液体が付着した基板Wの搬送にはハンドH2が用いられる。
この場合、露光処理時に基板Wに付着した液体がハンドH1に付着することが防止されるので、露光処理前の基板Wに液体が付着することが防止される。また、ハンドH2はハンドH1より下方に設けられるので、ハンドH2およびそれが保持する基板Wから液体が落下しても、ハンドH1およびそれが保持する基板Wに液体が付着することを防止することができる。それにより、露光処理前の基板Wに液体が付着することを確実に防止することができる。その結果、露光処理前の基板Wの汚染を確実に防止することができる。
(6−i) レジストカバー膜の除去処理の効果
現像処理ブロック12において基板Wに現像処理が行われる前に、レジストカバー膜除去ブロック14において、レジストカバー膜の除去処理が行われる。この場合、現像処理前にレジストカバー膜が確実に除去されるので、現像処理を確実に行うことができる。
(6−j) 洗浄/乾燥処理ユニットの効果
上述したように、洗浄/乾燥処理ユニットSDにおいては、基板Wを回転させつつ不活性ガスを基板Wの中心部から周縁部へと吹き付けることにより基板Wの乾燥処理を行っているので、洗浄液およびリンス液を確実に取り除くことができる。
それにより、洗浄/乾燥処理部80から現像処理部50へ基板Wを搬送する間に、レジストの成分またはレジストカバー膜の成分が基板W上に残留した洗浄液およびリンス液中に溶出することを確実に防止することができる。それにより、レジスト膜に形成された露光パターンの変形を防止することができる。その結果、現像処理時における線幅精度の低下を確実に防止することができる。
(6−k) ロボットのハンドについての効果
第2〜第6のセンターロボットCR2〜CR6およびインデクサロボットIRにおいては、露光処理前の基板Wの搬送には上側のハンドを用い、露光処理後の基板Wの搬送には下側のハンドを用いる。それにより、露光処理前の基板Wに液体が付着することを確実に防止することができる。
(7) 本発明の実施の形態、他の参考形態およびその効果
(7−a) 端部洗浄処理に用いる洗浄ノズルの他の例について
上記参考形態では、基板Wの端部洗浄処理を行う際に、洗浄液供給路241a,241b、二流体ノズル310,310bおよび超音波ノズル410,410aを用いたが、これに限定されるものではなく、径小な針状の吐出部を備える洗浄ノズルを用いてもよい。この場合、基板Wの領域の小さな端部Rを精度高く洗浄することができる。
(7−b) 端部洗浄ユニットECの他の配置例
上記参考形態では、端部洗浄ユニットECが洗浄/乾燥処理ブロック15内に配置される。これに対して、本願発明の実施の形態に係る基板処理装置においては、端部洗浄ユニットECが図1に示すインターフェースブロック16に配置される。この場合も上記参考形態と同様に、露光装置17による露光処理前に基板Wの端部Rに付着した汚染物質を確実に取り除くことができる。それにより、基板Wの端部Rの汚染に起因する露光装置17内の汚染が防止でき、露光パターンの寸法不良および形状不良の発生を防止することができる。
また、他の参考形態においては、端部洗浄ユニットECが図1に示す反射防止膜用処理ブロック10内に配置されてもよく、あるいは端面洗浄ユニットECを含む端面洗浄処理ブロックを図1に示すインデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間に設けられてもよい。
この場合、塗布ユニットBARCにより基板W上に反射防止膜が塗布形成される前、すなわち、基板Wに対する他の処理よりも前に、端部洗浄ユニットECにより基板Wの端部洗浄処理が行われる。これにより、各ブロック間で基板Wを搬送するための第1〜第8のセンターロボットCR1〜CR8およびインターフェース用搬送機構IFRのハンドCRH1〜14,H1,H2に基板Wの端部Rの汚染物質が転写することが防止される。
それにより、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14および洗浄/乾燥処理ブロック15において、基板Wの処理を清浄な状態で行うことができる。
また、基板Wの端部Rが清浄に保たれるので、基板Wの端部Rの汚染に起因する基板Wの処理不良が十分に防止される。
また、上記参考形態では、基板Wの端部洗浄処理を洗浄/乾燥処理ブロック15の洗浄/乾燥処理部80における端部洗浄ユニットECで行うが、これに限定されるものではなく、洗浄/乾燥処理部80以外の場所(例えば、レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用塗布処理部60における塗布ユニットCOV)で行ってもよい。この場合、レジストカバー膜形成後の端部洗浄ユニットECまでの搬送工程を削減することができ、スループットを向上することができる。
(7―c) 他の配置例について
上記の参考形態において、レジストカバー膜除去ブロック14は2つのレジストカバー膜除去用処理部70a,70bを含むが、レジストカバー膜除去ブロック14は2つのレジストカバー膜除去用処理部70a,70bの一方に代えて、基板Wに熱処理を行う熱処理部を含んでもよい。この場合、複数の基板Wに対する熱処理が効率的に行われるので、スループットが向上する。
(7−d) 洗浄/乾燥処理ユニットの他の例について
図21に示した洗浄/乾燥処理ユニットSDにおいては、洗浄処理用ノズル650と乾燥処理用ノズル670とが別個に設けられているが、図24に示すように、洗浄処理用ノズル650と乾燥処理用ノズル670とを一体に設けてもよい。この場合、基板Wの洗浄処理時または乾燥処理時に洗浄処理用ノズル650および乾燥処理用ノズル670をそれぞれ別々に移動させる必要がないので、駆動機構を単純化することができる。
また、図21に示す乾燥処理用ノズル670の代わりに、図25に示すような乾燥処理用ノズル770を用いてもよい。
図25の乾燥処理用ノズル770は、鉛直下方に延びるとともに側面から斜め下方に延びる分岐管771,772を有する。乾燥処理用ノズル770の下端および分岐管771,772の下端には不活性ガスを吐出するガス吐出口770a,770b,770cが形成されている。各吐出口770a,770b,770cからは、それぞれ図25の矢印で示すように鉛直下方および斜め下方に不活性ガスが吐出される。つまり、乾燥処理用ノズル770においては、下方に向かって吹き付け範囲が拡大するように不活性ガスが吐出される。
ここで、乾燥処理用ノズル770を用いる場合には、洗浄/乾燥処理ユニットSDは以下に説明する動作により基板Wの乾燥処理を行う。
図26は、乾燥処理用ノズル770を用いた場合の基板Wの乾燥処理方法を説明するための図である。
まず、図22で説明した方法により基板Wの表面に液層Lが形成された後、図26(a)に示すように、乾燥処理用ノズル770が基板Wの中心部上方に移動する。その後、乾燥処理用ノズル770から不活性ガスが吐出される。これにより、図26(b)に示すように、基板Wの中心部のリンス液が基板Wの周縁部に移動し、基板Wの周縁部のみに液層Lが存在する状態になる。なお、このとき、乾燥処理用ノズル770は、基板Wの中心部に存在するリンス液を確実に移動させることができるように基板Wの表面に近接させておく。
次に、回転軸625(図21参照)の回転数が上昇するとともに、図26(c)に示すように乾燥処理用ノズル770が上方へ移動する。これにより、基板W上の液層Lに大きな遠心力が作用するとともに、基板W上の不活性ガスが吹き付けられる範囲が拡大する。その結果、基板W上の液層Lを確実に取り除くことができる。なお、乾燥処理用ノズル770は、図21の第2の回動軸672に設けられた回動軸昇降機構(図示せず)により第2の回動軸672を上下に昇降させることにより上下に移動させることができる。
また、乾燥処理用ノズル770の代わりに、図27に示すような乾燥処理用ノズル870を用いてもよい。図27の乾燥処理用ノズル870は、下方に向かって徐々に直径が拡大する吐出口870aを有する。この吐出口870aからは、図27の矢印で示すように鉛直下方および斜め下方に不活性ガスが吐出される。つまり、乾燥処理用ノズル870においても、図25の乾燥処理用ノズル770と同様に、下方に向かって吹き付け範囲が拡大するように不活性ガスが吐出される。したがって、乾燥処理用ノズル870を用いる場合も、乾燥処理用ノズル770を用いる場合と同様の方法により基板Wの乾燥処理を行うことができる。
また、図21に示す洗浄/乾燥処理ユニットSDの代わりに、図28に示すような洗浄/乾燥処理ユニットSDaを用いてもよい。
図28に示す洗浄/乾燥処理ユニットSDaが図21に示す洗浄/乾燥処理ユニットSDと異なるのは以下の点である。
図28の洗浄/乾燥処理ユニットSDaにおいては、スピンチャック621の上方に、中心部に開口を有する円板状の遮断板682が設けられている。アーム688の先端付近から鉛直下方向に支持軸689が設けられ、その支持軸689の下端に、遮断板682がスピンチャック621に保持された基板Wの上面に対向するように取り付けられている。
支持軸689の内部には、遮断板682の開口に連通したガス供給路690が挿通されている。ガス供給路690には、例えば、窒素ガスが供給される。
アーム688には、遮断板昇降駆動機構697および遮断板回転駆動機構698が接続されている。遮断板昇降駆動機構697は、遮断板682をスピンチャック621に保持された基板Wの上面に近接した位置とスピンチャック621から上方に離れた位置との間で上下動させる。
図28の洗浄/乾燥処理ユニットSDaにおいては、基板Wの乾燥処理時に、図29に示すように、遮断板682を基板Wに近接させた状態で、基板Wと遮断板682との間の隙間に対してガス供給路690から不活性ガスを供給する。この場合、基板Wの中心部から周縁部へと効率良く不活性ガスを供給することができるので、基板W上の液層Lを確実に取り除くことができる。
(8) 請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14および洗浄/乾燥処理ブロック15が処理部に相当し、インターフェースブロック16が受け渡し部に相当する。
また、洗浄/乾燥処理部80の端部洗浄ユニットECが第1の処理ユニットに相当し、レジスト膜用塗布処理部40の塗布ユニットRESが第2の処理ユニットに相当し、レジストカバー膜用塗布処理部60の塗布ユニットCOVが第3の処理ユニットに相当し、レジストカバー膜除去用処理部70a,70bの除去ユニットREMが第4の処理ユニットに相当し、反射防止膜用塗布処理部30の塗布ユニットBARCが第5の処理ユニットに相当し、現像処理部50の現像処理ユニットDEVが第6の処理ユニットに相当する。
また、基板回転機構209、端部洗浄装置移動機構230、ローカルコントローラ250、ガイドアーム251,252、支持部材253,254、アーム移動機構255,256、補正ピン261,ピン駆動装置262および回転機構移動装置291が位置補正手段に相当し、ガイドアーム251,252および支持ピン271Pが当接部材に相当し、補正ピン261が支持部材に相当し、偏心センサ263が基板位置検出器に相当し、ローカルコントローラ250が制御手段に相当し、インターフェース用搬送機構IFRが搬送手段に相当し、ハンドH1,H2がそれぞれ第1および第2の保持手段に相当する。
さらに、ピン駆動装置273が昇降手段に相当し、カメラ290が端部検出器に相当し、端部洗浄装置移動機構230が洗浄手段移動機構に相当し、回転機構移動装置291が保持手段移動機構に相当し、光電センサ276が搬入位置検出器に相当し、ハンドCHR11が搬入位置検出器に相当し、ローカルコントローラ250が位置調整手段に相当する。