JP5269243B1 - 高内水相油中水型乳化組成物 - Google Patents

高内水相油中水型乳化組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】水性成分を70−98質量%含み、該内水相の平均乳化粒子径が10−100μmでありながら経時安定性が良好で、べたつき感がなく、保湿効果に優れ、さらに塗布時には水のあふれ出し感(=転相感)を付与することができる油中水型乳化組成物の提供。
【解決手段】下記成分(A)〜(E):(A)3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール(B)ジイソステアリン酸ジグリセリル(C)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(D)水性成分(E)油性成分を含み、成分(D)の水性成分の質量が組成物全体に対して70−98質量%であり、該内水相の平均乳化粒子径が10−100μmであり、且つ、成分(A)、(B)、(C)の総量が組成物全体に対して0.07−0.9質量%であること、を特徴とする油中水型乳化組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、油中水型乳化組成物に関する。さらに詳しくは、高内水相で乳化粒子径の大きい油中水型乳化組成物の経時安定性の改良に関する。
肌をしっとり且つみずみずしく保つことは、スキンケア用乳化組成物に期待される重要な機能である。乳化組成物のうち、水性成分を外相(連続相)とする水中油型乳化組成物は、肌にみずみずしさを付与する効果に優れるがしっとり感は発現しにくい。これに対し、油性成分を外相(連続相)とする油中水型乳化組成物は、肌をしっとりさせる効果に優れるがべたつき感を生じやすく、みずみずしさが発現しにくいという問題がある。
油中水型乳化組成物の前記べたつき感に対しては、内相の水性成分の割合(=内水相比)を高くすることで解消する試みが広く行われている。この方法の問題点は、内水相比の上昇に伴い乳化系が不安定になることで、特に内水相比が70質量%以上になると乳化安定性は急激に低下する。そこで、従来技術においては、界面活性剤及び乳化剤の種類を工夫することで、安定性が良好な高内水相油中水型乳化組成物が作製されている。
特許文献1では、シリコーン系油分を特定のポリエーテル変性シリコーンとHLB4以下のショ糖脂肪酸エステルを組み合わせて乳化することで、安定性が良好な高内水相油中水型乳化組成物を作製している。しかしながら、当該ポリエーテルシリコーンは高分子界面活性剤としての挙動を呈するため、高分子鎖の絡み合いに起因するべたつき感を生じてしまった。
また、特許文献2では、一分子にポリオキシエチレン基を5〜30重量%含有するジメチルポリシロキサンポリオキシエチレン共重合体を乳化剤として用いることで、高内水相でありながら安定性が良好な油中水型乳化組成物を作製している。しかしながら、当該安定性の維持には、糖類及び/又は無機塩類と多価アルコールを配合する必要があるため、配合原料が制限されるという問題があった。
そして、特許文献3では、ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体とデキストリン脂肪酸エステルを乳化剤に用いることで、安定性が良好な高内水相油中水型乳化化粧料を作製している。しかしながら、当該組成物においては、油相の30質量%以上を鎖状シリコーン油で占める必要があった。
また、特許文献4では、乳化剤としてモノオレイン酸グリセリンと3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール(慣用名フィタントリオール)を組み合わせることで、安定性の高い高内水相油中水型乳化組成物を作製している。しかしながら、当該モノオレイン酸グリセリンに含まれる不純物(グリセリン脂肪酸ジエステル及び/又はグリセリン脂肪酸トリエステル)の割合が25質量以上になると安定性が低下するという問題があった。
そして、特許文献5では、イソステアリン酸グリセリン、3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオールを含む高内水相油中水型乳化組成物が開示されている。しかしながら、当該組成物は炭素数20以下のイソパラフィンを油性成分中30質量%含む必要があり、さらに、前記イソステアリン酸グリセリンに混入するモノイソステアリン酸グリセリンの量も制限されていた。
このように、従来の高内水相油中水型乳化組成物は、乳化安定性の問題は改善されてもべたつき感を残していたり(特許文献1)、界面活性剤及び乳化剤に含まれる反応副産物の影響(特許文献4、5)、油分の種類及び配合量の制限(特許文献1、3、5)、又は他成分追加の必要性(特許文献2)等があり、満足のできるものではなかった。さらに、べたつき感が低減されても、水中油型乳化組成物のような高いみずみずしさが発現するわけではなかった。
そこで、塗布時に乳化粒子を速やかに崩壊させ、内相の水を肌上に放出させることで、油中水型乳化組成物でありながら水があふれ出すような顕著なみずみずしさを発現させる試みが行われている。このような使用感は、油中水型から水中油型への転相に起因することから、転相感(または、水のあふれ出し感)と呼ばれている。
特許文献6−8には、主たる乳化剤として特定の架橋型ポリエーテル変性シリコーンを用いて作製した高内水相油中水型乳化化粧料が、塗布時に優れた転相感を発現することが示されている。
しかしながら、前記架橋型ポリエーテル変性シリコーンはいずれも分散化が難しく、低粘度シリコーン油中で膨潤させた後に混練・せん断処理を行い、予め3次元構造を形成させる必要があった。さらに、経時安定性が十分ではない(特許文献6)ために、水性増粘剤(カルボキシメチルセルロース塩)を配合して内水相を安定化したり(特許文献7)、もしくは、転相感を発現させるのに特定のエステル油の配合を必須としていた(特許文献8)。
このように、転相感の発現は油中水型乳化組成物に付随する前記使用感の問題(べたつき感の強さ、みずみずしさのなさ)を解決し得るものだが、従来技術においては、乳化剤の前処理に煩雑な工程を要するうえに配合できる油分の種類に制限があった。
特開2001−89356号公報 特許2654960号公報 特許2791677号公報 特許4681439号公報 特許4629799号公報 特許3782914号公報 特許4150280号公報 特開2001−2521号公報 特開2011−21007号公報
前述したように、転相感とは塗布時に生じる物理的な圧力によって乳化粒子が速やかに崩壊することで発現する使用感である。そして、油中水型乳化系では、内水相比が高いほど、また、内相の乳化粒子径が大きいほど、乳化粒子の合一及び崩壊が起こりやすくなる。従って、高内水相で且つ乳化粒子径が大きいほど、塗布時に顕著な転相感が得られることになる。
しかしながら、使用前に乳化粒子の合一又は崩壊が起き、水相と油相に分離してしまっては商品として成立し得ない。そのため、従来の油中水型乳化組成物では、内水相比を上げる場合には該内水相の乳化粒子径を小さくする(好ましくは、1μm以下に)傾向が強かった。平均乳化粒子径が10μm以上の高内水相油中水型乳化組成物の報告もあるが、そのような組成物では疎水性粉体(好ましくはエラストマー)の配合により油相に高い弾力性が付与されており、転相感を発現し得るものではなかった(特許文献9)。
従って、産業的に有用で、且つ、転相感に優れる油中水型乳化組成物を作製するには、内水相の乳化粒子が合一・崩壊し易い状態(=乳化安定性が低い)でありながら、使用前には合一・破壊が起きない(=経時安定性は高い)ように、乳化安定性を絶妙に制御する必要がある。
本発明は上記課題を解決したものであり、具体的には、内水相比が70−98質量%で該内水相の乳化粒子径が10−100μmという、通常では乳化粒子の合一・破壊が起こりやすい処方・形態でありながら経時安定性が良好で、且つ、塗布時には該乳化粒子が容易に壊れて顕著な転相感を発現できる油中水型乳化組成物の提供を目的とする。
上記課題に対し、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、乳化剤として3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール、ジイソステアリン酸ジグリセリル、及びポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体を組み合わせて用いることで、内水相比が70−98質量%で該内水相の平均乳化粒子径が10−100μmであっても、経時安定性が良好な油中水型乳化組成物を作製できることを見出した。そして、当該油中水型乳化組成物は、べたつき感がなく、塗布時には優れた転相感を発現し、さらには、しっとり感の付与と保湿効果にも優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の油中水型乳化組成物は、下記成分(A)〜(E):
(A)3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール
(B)ジイソステアリン酸ジグリセリル
(C)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体
(D)水性成分
(E)油性成分
を含み、成分(A)〜(C)の総量が組成物全体に対して0.9質量%以下で、成分(D)の質量が組成物全体に対して70−98質量%であり、且つ、平均乳化粒子径が10−100μmであることを特徴とするものである。
本発明に係る油中水型乳化組成物は、経時安定性が良好で、べたつき感がなく、塗布時には優れた転相感(=水のあふれ出し感)を発現し、さらには、しっとり感の付与と保湿効果にも優れる。
本発明の油中水型乳化組成物(実施例12)の乳化粒子径を示す顕微鏡写真である。
<構成成分>
本発明に係る油中水型乳化組成物は、(A)−(E)を必須の構成成分とする。以下、各成分について詳述する。
[成分A:3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール(慣用名:フィタントリオール)]
3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオールは、フィタントリオールの慣用名で知られる界面活性剤である。市販品としては、例えば、DSM ニュートリションジャパン株式会社製の「フィタントリオール」を使用することができる。
3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオールの配合量は、組成物全体に対して0.01〜0.4質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.4質量%、最も好ましくは0.3質量%である。
[成分B:ジイソステアリン酸グリセリル]
本発明に用いるジイソステアリン酸グリセリルとしては、例として、WOGEL−18DV(松本製薬工業株式会社製)等が挙げられる。
ジイソステアリン酸グリセリルの配合量は、組成物全体に対して0.01〜0.7質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6質量%、最も好ましくは0.4質量%である。
[成分C:ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体]
本発明に使用するポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体としては、例として、KF―6028、KF6017P(いずれも信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体の配合量は、組成物全体に対して0.05〜0.3質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.3質量%、最も好ましくは0.1質量%である。
前記成分(A)−(C)は、(A)−(C)の総量が本願組成物の0.07−0.9質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.4−0.8質量%、最も好ましくは0.7−0.8質量%である。0.9質量%より多いとべたつき感を生じることがあり、また、0.07質量%未満では乳化が困難となる場合があるからである。
[成分D:水性成分]
本発明に係る(D)水性成分は、水の他、化粧品、医薬品に通常使用可能な水性成分を、乳化物の安定性を損なわない範囲で使用することができる。このような水性成分の例としては、アルコール類、水溶性高分子類、保湿剤等が挙げられる。
アルコール類としては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等を挙げることができる。
水溶性高分子類としては、例えば、アラビアゴム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デンプン等の植物系高分子、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト酸の無機系水溶性高分子等を挙げることができる。
保湿剤としては、例として、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、D−マンニット、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グルコサミン、シクロデキストリン等を挙げることができる。
本発明の油中水型乳化組成物における(D)水性成分の配合量は、組成物全体に対して70−98質量%である。70質量%未満では優れた転相感を得ることが難しく、また、98質量%を超えると経時安定性が低下して使用前に相分離を起こし易くなる。
[成分E:油性成分]
本発明に係る(E)油性成分としては、化粧品、医薬品に通常使用可能な油性成分を、乳化物の安定性を損なわない範囲で使用することができる。
液状の油性成分としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン油、及び、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン油が挙げられる。
固体状の油性成分としては、カカオ脂、ヤシ油、馬油、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化ヒマシ油、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル等の固体油脂、パラフィンワックス(直鎖炭化水素)、マイクロクリスタリンワックス(分岐飽和炭化水素)、セレシンワックス、モクロウ、モンタンワックス、フィッシャートロプスワックス等の炭化水素類、ミツロウ、ラノリン、カルナバワックス、キャンデリラロウ、米ぬかロウ(ライスワックス)、ゲイロウ、ヌカロウ、モンタンロウ、カポックロウ、ベイベリーロウ、セラックロウ、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシル、還元ラノリン、硬質ラノリン、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコール等のロウ類、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。
また、極性油として、2−エチルヘキサン酸、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸イソデシル、ピバリン酸トリプロピレングリコール、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリット、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、マカデミアナッツ油、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、エチルヘキサン酸エチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソパルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソデシル、コハク酸2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル等に代表されるエステル油、及び、ホホバ油、メドウフォーム油、イソステアリン酸等を配合することができる。
さらに、非極性油として、例えば、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パラフィン、イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、オレフィンオリゴマー等の炭化水素油を配合することができる。
本発明の油中水型乳化組成物における(E)油性成分の配合量は、組成物全体に対して1.1−29.93質量%、好ましくは7−20質量%である。油性成分の配合量が1.1質量%未満ではしっとり感や保湿効果に劣る場合があり、また、29.93質量%より多くなるとべたつき感を生じ、転相感にも劣る結果となる。
本発明の油中水型乳化組成物には、前記成分(A)−(D)に加えて、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品や医薬品等の油中水型乳化組成物に用いられる他の成分を配合することができる。このような成分の例としては、紫外線防御剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、防腐剤、増粘剤、香料、粉末、色材、生薬、その他各種薬効成分等を必要に応じて適宜配合することができる。
紫外線防御剤としては、例として、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等の紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸等の紫外線吸収剤を挙げることができる。
また、金属イオン封鎖剤としては、エデト酸ナトリウム塩、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
また、防腐剤としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、パラオキシ安息香酸エステル(メチルパラぺン、エチルパラベン、ブチルパラベン等)、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等を挙げることができる。
また、粉末としては、例えば、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト(絹雲母)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛、雲母チタン(酸化チタンコーテッドマイカ)、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、赤色228号、赤色226号、青色404号、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、セルロース粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等を挙げることができる。
また、薬効成分としては、例えば、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、ビタミンD、dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;アズレン、グリチルリチン等の抗炎症剤;アルブチン、4−メトキシサリチル酸、トラネキサム酸、エチルビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム等の美白剤、エストラジオール等のホルモン類;酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤;L−メントール、カンフル等の清涼剤;その他塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、イオウ等を配合することができる。さらに多様な薬効を示す各種抽出物を配合することができる。
上記成分は例示であり、これらに限定されるものではない。またこれら成分は、所望する形態に応じた処方に従い、適宜組み合わせて配合することが可能である。
<製造方法>
本発明に係る油中水型乳化組成物の製造方法としては、まず、油相成分(成分(A)−(C)、(E)、及びその他の疎水性成分)と水相成分(成分(D)及びその他の親水性成分)をそれぞれ加熱混合して均一な混合物を調整しておく。次に、撹拌混合装置を用いて前記油相成分の混合物を攪拌した状態で、前記水相成分の混合物を該油相成分の混合物に徐々に添加して乳化させる(=乳化工程)ことで、本発明の油中水型乳化組成物を得ることができる。
本発明の油中水型乳化組成物における乳化粒子径は、種々の方法によって制御できるが、最も一般的且つ好適には、前記乳化工程における攪拌条件によって制御する方法である。一般に、前記乳化工程において使用する撹拌混合装置の回転数が大きいほど、また、撹拌時間が長いほど、せん断・衝突・キャビテーションによる負荷が大きくなるので、形成される乳化粒子は微小化する。したがって、本発明に係る油中水型乳化組成物の乳化粒子径は、撹拌混合装置の種類、その回転数、撹拌時間といった撹拌条件を複合的に調整することによって、目的の粒径範囲に制御することができる。
前記撹拌混合で使用される撹拌混合装置としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー等の高速乳化装置、ノコギリ歯状の撹拌羽根を備えるディスパーミキサー、回転羽を備えたインペラー式撹拌装置等が挙げられる。前記撹拌混合装置のいずれを用いても、本発明で特定する乳化粒子径の油中水型乳化組成物を製造できるが、特にホモディスパーに代表される高速乳化装置を用いることが好ましい。
なお、本願実施例においては、ホモディスパー(PRIMIX コーポレーション社製)を用いて3000〜6000rpmの回転数で30〜180秒間攪拌を行うことで、平均乳化粒子径が10−20μmの油中水型乳化組成物を調整した。
<乳化粒子径>
本発明の油中水型乳化組成物における乳化粒子径、すなわち該油相中に分散する水滴の粒径は10〜100μmであり、好ましくは10〜30μm、最も好ましくは20μmである。当該乳化粒子径が10μm未満では優れた転相感が得られない場合がある。また、乳化粒子径が100μmを超えると当該乳化組成物の経時安定性が低くなり、製品として適さない場合がある。
なお、本願において使用される「乳化粒子径」という用語は、乳化組成物の顕微鏡写真において任意に選ばれた約100個の乳化粒子の粒子径を測定し、該測定値から得られた乳化粒子径の平均値を表す。
本発明に係る油中水型乳化組成物は、化粧料、医薬品、及び医薬部外品に広く応用することが可能だが、特に化粧料への応用が好適である。化粧料への応用例としては、美容液、乳液、クリーム、ファンデーション、アイシャドー、アイライナー、マスカラ等が挙げられ、その他の応用例としては皮膚外用軟膏等が挙げられる。
これらの製品は常法に従って製造することができるが、本発明はこれらの製品に限定されるものではない。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、配合量は、特に断りのない限り質量%で示す。
<評価基準>
実施例にて作製した組成物は、以下の基準に従って、経時安定性及び使用感を評価した。
経時安定性
油中水型乳化組成物を0℃、又は25℃で4週間静置した後、以下の基準に基づき、安定性を目視にて評価した。
◎:油滴・分離のいずれも確認されず
○:油滴を確認
△:分離を確認
×:製造後、30分以内に分離を確認
転相感
塗布時の転相感(=水のあふれ出し感)について、専門パネル10名に試料を顔面に塗布してもらい、以下の基準に従い使用感を評価してもらった。
◎:パネル9名以上が、塗布時に転相感があると回答した。
○:パネル7名以上9名未満が、塗布時に転相感があると回答した。
△:パネル5名以上7名未満が、塗布時に転相感があると回答した。
×:パネル5名未満が、塗布時に転相感があると回答した。
べたつき感のなさ
使用中のべたつき感のなさについて、専門パネル10名に試料を顔面に塗布してもらい、以下の基準に従い使用感を評価してもらった。
◎:パネル9名以上が、使用中べたつき感がないと回答した。
○:パネル7名以上9名未満が、使用中べたつき感がないと回答した。
△:パネル5名以上7名未満が、使用中べたつき感がないと回答した。
×:パネル5名未満が、使用中べたつき感がないと回答した。
しっとり感
使用中の肌のしっとり感について、専門パネル10名に試料を顔面に塗布してもらい、以下の基準に従い使用感を評価してもらった。
◎:パネル9名以上が、使用中肌がしっとりすると回答した。
○:パネル7名以上9名未満が、使用中肌がしっとりすると回答した。
△:パネル5名以上7名未満が、使用中肌がしっとりすると回答した。
×:パネル5名未満が、使用中肌がしっとりすると回答した。
保湿効果
使用中の肌の保湿効果について、専門パネル10名に試料を顔面に塗布してもらい、以下の基準に従い使用感を評価してもらった。
◎:パネル9名以上が、使用中保湿効果があると回答した。
○:パネル7名以上9名未満が、使用中保湿効果があると回答した。
△:パネル5名以上7名未満が、使用中保湿効果があると回答した。
×:パネル5名未満が、使用中保湿効果があると回答した。
また、実施例では以下の製品を使用した。
*1:シンセラン4(日光ケミカルズ株式会社製)
*2:NIKKOL CIO(日光ケミカルズ株式会社製)
*3:RA−G−308(日本精化株式会社製)
*4:PE−MCワックス(日興リカ株式会社製)
*5:KF−96L−1.5cs(信越化学工業株式会社製)
*6:KF−96L−2cs(信越化学工業株式会社製)
*7:フィタントリオール(DSM ニュートリションジャパン株式会社製)
*8:サンソフトO−30S(太陽化学株式会社製)
*9:WOGEL−18DV(松本製薬工業株式会社製)
*10:KF−6028(信越化学工業株式会社製)
*11:KF−6017P(信越化学工業株式会社製)
*12:KSG−18A(信越化学工業株式会社製)
*13:ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体(50%)と軽質流動イソパラフィン(50%)の混合物
*14:ABIL EM90(Degussa社製)
<乳化粒子径の測定>
個々の乳化粒子の輪郭を判別しやすくするために、乳化組成物を2−エチルへキサン酸セチル(日光ケミカルズ株式会社製)で希釈した後に、顕微鏡(BX51、オリンパス株式会社製)を用いて写真撮影を行った。図1に、実施例12(乳化粒子径=15μm)について撮影した写真の一部を示す。このようにして得られた写真上で任意に選んだ約100個の乳化粒子の粒子径を測定し、平均値を算出した。
[試験例1]
表1に示した処方に従って高内水相油中水型乳化組成物を作製し、経時安定性及び使用感について評価した。
界面活性剤として(A)3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール、(B)ジイソステアリン酸グリセリル、及び(C)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体を配合し、(D)水性成分、(E)油性成分を含む組成物(実施例1−5)は、経時安定性に優れ、べたつき感がなく、塗布時に顕著な転相感を発現し、さらには、肌のしっとり感及び保湿効果にも優れるものであった。これに対し、(A)−(C)の界面活性剤のうち一つでも欠いた比較例1−3の組成物では、安定した乳化系を形成することができず、相分離を起こしてしまった。また、(D)水性成分を含まない比較例4の組成物(=実施例1の組成物から成分(D)を除いたもの)、又は(E)油性成分を含まない比較例5の組成物(=実施例1の組成物から成分(E)を除き、精製水でメスアップしたもの)では、乳化系を形成できなかった(比較例4、5)。
よって、(A)3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール、(B)ジイソステアリン酸グリセリル、及び(C)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体を組み合わせて(D)水性成分と(E)油性成分の乳化を行うと、経時安定性及び転相感に優れ、べたつき感がなく、さらには、保湿効果及び肌をしっとりさせる効果にも優れた油中水型乳化組成物が作製できることが明らかとなった。
前述したように、乳化剤として3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール(本発明の成分(A))とモノオレイン酸グリセリンとを組み合わせた油中水型乳化組成物では、当該モノオレイン酸グリセリンに含まれるグリセリン脂肪酸ジエステル及び/又はグリセリン脂肪酸トリエステルの割合が25%以上になると安定性に劣るという問題があった(特許文献4)。しかしながら、本願実施例1の組成物に、ジオレイン酸グリセリンとトリオレイン酸グリセリンを55質量%含むモノオレイン酸グリセリンを配合しても、当該安定性が損なわれることはなかった(実施例4)。
また、一分子にポリオキシエチレン基を5〜30重量%含有するジメチルポリシロキサンポリオキシエチレン共重合体を乳化剤として用いた組成物では、乳化安定性を維持するのに糖類及び/又は無機塩類と多価アルコールの配合が不可欠であったが(特許文献2)、本願実施例2の組成物から多価アルコールを除外しても、当該安定性への影響は見られなかった(実施例5)。
さらに、本発明の組成物(実施例1−6)は、特許文献6−8と同様に架橋型ポリエーテル変性シリコーン(メチルフェニルポリシロキサン架橋型メチルフェニルポリシロキサン;ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(約84質量%)と(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー(約16質量%)からなる化合物)を乳化剤として作製した比較例6の組成物と比べて、安定性が格段に高く、そのうえ、転相感においても一段と優れることが明らかとなった。
そして、特許文献1、3、6−8の組成物ではシリコーン油の配合を必須としているが、シリコーン油を含まない本願実施例6の組成物においても、優れた経時安定性及び使用感が得られている。
従って、本発明においては、乳化剤の煩雑な前処理工程を要せず、さらには油分の種類を制限せずとも、これまでにない優れた転相感と良好な経時安定性が両立できることが示された。
[試験例2]
次に、内水相比が、経時安定性及び使用感に与える影響を検討した。
本願の成分(A)−(E)をすべて含み、内水相比が70−97.9質量%の組成物(実施例7−10)では、本発明の効果(良好な経時安定性、べたつき感のなさ、優れた保湿効果・しっとり感・転相感)がすべて発現することがわかる。特に、実施例10の組成物では、内水相比が97.9%という極めて高内水相であるにも関わらず、高温(50℃)及び定温(0℃)の両方で経時安定性が良好であることが確認された。
これに対し、内水相比が49質量%の組成物では(比較例7)、経時安定性は良好だがべたつき感のなさが低下し、さらには転相感に劣る結果となった
従って、本発明の油中水型乳化組成物においては、内水相比が70−98質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは80−95質量%、最も好ましくは85−90質量%であるといえる。
[試験例3]
前述したように、高内水相油中水型乳化系においては、内相の乳化粒子径が大きいほど転相感に優れる反面、経時安定性の低下が懸念される。そこで、本願乳化組成物において内水相比を約86質量%の高内水相状態に固定し、該内相の乳化粒子径が経時安定性及び転相感に及ぼす影響を検討した。
界面活性剤として(A)3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール、(B)ジイソステアリン酸グリセリル、及び(C)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体を配合した組成物では、乳化粒子径が1−100μmの範囲において経時安定性は良好だが(比較例8、9、及び実施例11−14)、このうち、転相感においても優れるのは乳化粒子径が10−100μmの組成物であった(実施例11−14)。よって、本発明の高内水相油中水型乳化組成物においては、内相の乳化粒子径を10−100μm、好ましくは10−30μm、最も好ましくは20μmとすることで、良好な経時安定性と顕著な転相感の両方を実現できることが明らかとなった。
これに対し、(A)−(C)の界面活性剤のいずれか又はすべてを、汎用の親油性界面活性剤であるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン又はセチルジメチコンコポリオールに代えた組成物では、乳化粒子径が1−100μmのいずれにおいても、経時安定性と転相感がともに良好となる結果は得られなかった(比較例10−15)。平均乳化粒子径が1μm(比較例10)、3μm(比較例11)の組成物では経時安定性は良好だが転相感が得られず、10μm(比較例12)、15μm(比較例13)の組成物では転相感は得られるが経時安定性に劣り、さらに、30μm(比較例14)、100μm(比較例15)の組成物では乳化系を形成できずに相分離を起こしてしまった。
このように、従来型の高内水相油中水型乳化系では、乳化粒子径が10μm以上になると当該乳化粒子の合一又は崩壊が起こり易くなり、この傾向は乳化粒子径が大きくなるほど顕著となる。これに対し、本願の成分(A)−(C)を用いて作製した高内水相油中水型乳化系では、乳化粒子径が1−3μmよりも10−30μmの系の方が経時安定性に優れる結果となった。
従って、(A)3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール、(B)ジイソステアリン酸グリセリル、及び(C)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体の組み合わせは、界面膜の曲率が低い乳化粒子(=具体的には、粒子径が10−100μmの乳化粒子)の安定化に非常に適していることが明らかとなった。



[試験例4]
次に、成分(A)−(C)の配合量について検討を行った。
(A)−(C)の総和が0.45質量%(実施例15)、0.75質量%(実施例16)、0.8質量%(実施例17)、0.85質量%(実施例18)の組成物では、経時安定性及び転相感に優れ、べたつき感もなく、さらに、しっとり感及び保湿効果にも優れる結果となった。これに対し、(A)−(C)の総和が0.95質量%の組成物(比較例16)では転相感の低下が認められた。よって、転相感に優れ、べたつき感のない高内水相油中水型乳化組成物を作製するには、(A)−(C)の配合量の総和は組成物全体に対して0.07−0.9質量%、さらに好ましくは0.4−0.8質量%、最も好ましくは0.7−0.8質量%にすればよいことがわかる。
(A)−(C)の総和が前記範囲内であれば(A)、(B)、(C)の各配合量は任意の値に設定してよいが、好ましくは、(A)が0.01−0.4質量%、(B)が0.01−0.7質量%、(C)が0.05−0.3質量%で、さらに好ましくは、(A)が0.1−0.4質量%、(B)が0.2−0.6質量%、(C)が0.05−0.3質量%であり、最も好ましくは、(A)が0.3質量%、(B)が0.4質量%、(C)が0.1質量%である。
[試験例5]
表5は、本願組成物において、低粘度シリコーン油及びオレフィンオリゴマーの配合量を検討した結果である。
低粘度(25℃における動粘度が3センチトークス(cs)以下)シリコーン油を油相中に7.2質量%(実施例19)、8.0質量%(実施例20)、又は14.8質量%(実施例21)含む組成物を作製したところ、いずれも本発明の効果感(転相感、べたつき感のなさ、しっとり感、及び保湿効果)に優れ、さらに経時安定性も良好であった。また、オレフィンオリゴマーを油相中に0.5質量%(実施例19)、18.5質量%(実施例21)、20.0質量%(実施例20)含むいずれの組成物においても、優れた効果感と良好な経時安定性が得られている。
よって、本発明の組成物においては、シリコーン油及び特定の炭化水素油の配合を必須とする従来型油中水型乳化組成物とは異なり(特許文献1、3、5−8)、シリコーン油が油相の10質量%以下、及び/又はオレフィンオリゴマーが油相の1質量%以上であっても、効果感(転相感、べたつき感のなさ、しっとり感、及び保湿効果)及び経時安定性が損なわれることはないことが示された。
なお、上記表5においては、実施例19及び21の組成物よりも実施例20の組成物の方が、経時安定性に一段と優れる結果が得られている。よって、本発明に係る組成物においては、動粘度が3センチトークス(cs)以下のシリコーン油及びオレフィンオリゴマーを、油相中にそれぞれ10質量%未満(該シリコーン油)及び1質量%以上(オレフィンオリゴマー)、さらに好ましくは6−9質量%(該シリコーン油)及び15−20質量(オレフィンオリゴマー)含むと、当該経時安定性が一層高くなると考えられる。
なお、上記表5においては、実施例19及び21の組成物よりも実施例20の組成物の方が、経時安定性に一段と優れる結果が得られている。よって、本発明に係る組成物においては、動粘度が3センチトークス(cs)以下のシリコーン油及びオレフィンオリゴマーを、油相中にそれぞれ10質量%未満(該シリコーン油)及び1質量%以上(オレフィンオリゴマー)、さらに好ましくは6−9質量%(該シリコーン油)及び15−20質量(オレフィンオリゴマー)含むと、当該経時安定性が一層高くなると考えられる。
以下に、本発明に係る油中水型乳化組成物の処方例を示す。いずれの組成物においても、良好な経時安定性と優れた転相感を発現し、べたつき感がなく、さらには、しっとり感及び保湿効果にも優れていた。
[処方例1:クリーム]
<処方>
成分 配合量(質量%)
(1)オレフィンオリゴマー(*1) 2.5
(2)2−エチルへキサン酸セチル(*2) 4.0
(3)ワセリン 2.0
(4)ポリエチレンワックス80%/マイクロクリスタリンワックス20%混合物(*4) 1.0
(5)イソヘキサデカン 2.0
(6)デカメチルテトラシロキサン(*5) 1.0
(7)3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール(*7) 0.3
(8)ジイソステアリン酸ジグリセリル(*9) 0.4
(9)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(*11)
0.1
(10)グリセリン 5.0
(11)ジプロピレングリコール 3.0
(12)メチルパラベン 0.1
(13)塩化ナトリウム 1.0
(14)精製水 残余
<製法>
上記処方において、油相成分(1)−(9)を80℃で加熱混合し、ホモディスパーで攪拌しながら、水相成分(10)−(14)の混合物(室温)を徐々に添加して調整した。
[処方例2:美容液]
<処方>
成分 配合量(質量%)
(1)オレフィンオリゴマー(*1) 1.0
(2)トリ−2−エチルへキサン酸グリセリル(*3) 2.0
(3)ジメチルポリシロキサン(*6) 2.0
(4)イソドデカン 2.0
(5)3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール(*7) 0.3
(6)ジイソステアリン酸ジグリセリル(*9) 0.45
(7)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(*11)
0.05
(8)グリセリン 7.0
(9)1,3−ブチレングリコール 4.0
(10)ジプロピレングリコール 3.0
(11)ポリエチレングリコール 6000 1.0
(12)カルボキシメチルセルロース 0.3
(セロゲンF−SR、第一工業製薬株式会社製)
(13)フェノキシエタノール 0.35
(14)塩化ナトリウム 1.0
(15)クエン酸 0.02
(16)クエン酸Na 0.08
(17)クエン酸3Na 0.03
(18)香料 0.1
(19)精製水 残余
<製法>
上記処方において、油相成分(1)−(7)を混合し、ホモディスパーで攪拌しながら、水相成分(8)−(19)の混合物(室温)を徐々に添加して調整した。
[処方例3:美白クリーム]
<処方>
成分 配合量(質量%)
(1)オレフィンオリゴマー(*1) 2.0
(2)2−エチルへキサン酸セチル(*2) 2.0
(3)ジメチルポリシロキサン(*6) 2.0
(4)ピバリン酸イソデシル 2.0
(5)3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール(*7) 0.3
(6)ジイソステアリン酸ジグリセリル(*9) 0.3
(7)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(*10)
0.1
(8)脱臭ポリブテン−P(日興リカ株式会社製) 2.0
(9)トリイソステアリン酸グリセリン 1.0
(サンエスポールGTI(S)、太陽化学株式会社製)
(10)トラネキサム酸 2.0
(11)カルボキシメチルセルロース 0.2
(セロゲンF−SR、第一工業製薬株式会社製)
(12)ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
(13)EPIオークル#1P 0.0005
(14)香料 0.05
(15)フェノキシエタノール 0.35
(16)塩化ナトリウム 1.0
(17)クエン酸 0.02
(18)クエン酸Na 0.08
(19)クエン酸3Na 0.03
(20)精製水 残余
<製法>
上記処方において、油相成分(1)−(9)を混合し、ホモディスパーで攪拌しながら、水相成分(10)−(20)の混合物(室温)を徐々に添加して調整した。
[処方例4:クリーム]
<処方>
成分 配合量(質量%)
(1)ヤシアルカン 7.5
(VEGELIGHT 1214、BIOSYNTHIS社製)
(2)カプリル酸ヤシ油アルキル 2.0
(CETIOL C5、BASF社製)
(3)(カプリル酸/カプリン酸)カプリリル 2.0
(CETIOL RLF、BASF社製)
(4)精製ムルムルバター 2.0
(精製ムルムルバター、香栄興業株式会社製)
(5)部分水添ホホバ油 1.0
(ホバクリームM−40,香栄興業株式会社製)
(6)3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール(*7) 0.3
(7)ジイソステアリン酸ジグリセリル(*9) 0.4
(8)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(*11)
0.1
(9)グリセリン 5.0
(10)ジプロピレングリコール 3.0
(11)メチルパラベン 0.1
(12)グルタミン酸ナトリウム 1.0
(13)香料 適量
(14)精製水 残余
<製法>
上記処方において、油相成分(1)−(8)を80℃で加熱混合し、ホモディスパーで攪拌しながら、水相成分(9)−(14)の混合物(室温)を徐々に添加して調整した。

Claims (1)

  1. 下記成分(A)〜(E):
    (A)3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール
    (B)ジイソステアリン酸ジグリセリル
    (C)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体
    (D)水性成分
    (E)油性成分
    を含み、
    成分(D)の水性成分の質量が組成物全体に対して70−98質量%であり、
    該内水相の平均乳化粒子径が10−100μmであり、且つ、
    成分(A)、(B)、(C)の総量が組成物全体に対して0.07−0.9質量%であること、
    を特徴とする油中水型乳化組成物。
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