JP5261856B2 - 防眩性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

発明が属する技術分野
本発明は,ワードプロセッサ,コンピュータ,テレビジョン等の画像表示に用いるCRT,液晶パネル等の高精細画像用ディスプレイの表画に用いて好適な防眩性フィルムの製造方法に関する。さらに詳しくは,本発明は優れた表面硬度および防眩性を有し,各種ディスプレイに使用した際に視認性が良好な防眩性フィルムの製造方法に関するものである。
前記のようなディスプレイにおいてディスプレイ表画を目視した場合,内部から出射する光がディスプレイ表画で拡散することなく直進すると眩しすぎること,およびディスプレイ表画に外部から光が入射し,この光が反射して表示画像を見ずらくなることが問題となっている。これらの問題を解決するために,これまで各種のディスプレイに対して,様々な防眩処置がとられている。
防眩性ハードコートフィルムの防眩処理方法は,
(1)ハードコート層を形成するための硬化時および硬化後において物理的方法により表面を粗面化する方法,
(2)ハードコート層形成用のハードコート剤にフィラーを混入する方法、
とに大別することができる。
これら2つの方法の中で,後者の(2)の方法が主流であり,フィラーとしては主にシリカ粒子が用いられている。しかしながら,前記防眩性ハードコートフィルムと偏光板とを積層するために必要な鹸化処理により,このフィラーがフィルム表面に析出してしまい,フィラーの脱落により外観変化を引き起こすことが問題となっている。
発明が解決しようとする課題
本発明は,前記問題を解決するために優れた耐擦傷性および防眩性を有する防眩性フィルム,および、さらに反射防止機能付き防眩性フィルムの製造方法を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、透明基材フィルムの少なくとも一方の面に、防眩層と、前記防眩層上に反射防止層を設けた防眩性フィルムにおいて、基材フィルムに、透光性拡散剤を含有する透光性樹脂からなる防眩層を、酸素濃度が0.3%以上15%以下の雰囲気下で、紫外線、または電子線を用いて硬化し、鹸化処理した後、反射防止層を形成することを特徴とする防眩性フィルムの製造方法である
た、請求項に記載の発明は、前記反射防止層が、シランカップリング剤とフッ素系シランカップリング剤の混合物を触媒により加水分解したゾル溶液を用いて形成されたことを特徴とする請求項記載の防眩性フィルムの製造方法である。
また、請求項に記載の発明は、前記酸素濃度が0.3%以上15%以下の雰囲気は、窒素パージにより行われることを特徴とする、請求項またはに記載の防眩性フィルムの製造方法である。
また、請求項に記載の発明は、前記防眩層に用いる透光性樹脂が、紫外線および電子線硬化型樹脂であることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法である。
また、請求項に記載の発明は、前記防眩層に用いる透光性拡散剤が、有機系または/および無機系フィラーからなることを特徴とする、請求項記載の防眩性フィルムの製造方法である。
また、請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法で製造された防眩性フィルムであって、前記防眩性フィルムの透過ヘイズ値が、1%から30%の範囲であることを特徴とする防眩性フィルムである。
本発明の防眩性フィルムに用いる基材のプラスチックフィルムについては、特に制限はなく、従来の光学用ハードコートフィルムの基材として用いられているプラスチックフィルムの中から、適宜選択して用いることができる。
例えば,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,などのポリエステルフィルム,ポリエチレンフィルム,ポリプロピレンフィルム,セロファン,ジアセチルセルロースフィルム,トリアセチルセルロースフィルム,アセチルセルロースブチレートフィルム,ポリ塩化ビニルフィルム,ポリ塩化ビニリデンフィルム,ポリビニルアルコールフィルム,エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム,ポリスチレンフィルム,ポリカーボネートフィルム,ポリメチルペンテンフィルム,ポリスルホンフィルム,ポリエーテルエーテルケトンフィルム,ポリエーテルスルホンフィルム,ポリエーテルイミドフィルム,ポリイミドフィルム,フッ素樹脂フィルム,ナイロンフィルム,アクリル樹脂フィルム等を挙げることができる。
これらのプラスチックフィルムの厚さは,特に制限はなく、状況に応じて適宜選ばれるが,通常25〜500μm,好ましくは50〜250μmの範囲である。
また,基材上にもうけられる防眩層との密着性を向上させる目的で、表面処理を施すことができる。この表面処理方法としては、例えばサンドブラスト法や溶剤処理法などによる表面の凹凸化処理、あるいはコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などの表面の酸化処理などが挙げられる。
本発明の防眩性フィルムは、前記プラスチックフィルムの上にハードコート性の防眩層を有するものであって、この防眩層は、紫外線および電子線硬化型樹脂の硬化物中に、コロイド状微粒子が均質に分散されたものである。
前記防眩層に用いる紫外線および電子線硬化型樹脂としては特に制限はなく、従来から使用されているものの中から、適宜選択して用いることができる。
この紫外線硬化型樹脂は、光重合性プレポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤等を含有するものである。
また、電子線硬化型樹脂は、光重合性プレポリマー、光重合性モノマーを含有するものである。
前記光重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系等が挙げられる。これらの光重合性プレポリマーは1種用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また,光重合性モノマーとしては、例えばポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。 特に本発明では、プレポリマーとしてウレタンアクリレート系、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることが好ましい。
更に、光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。
また、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ− n−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。
本発明のハードコート性防眩フィルムにおける、防眩層に用いられる透光性拡散剤はシリカ粒子などの無機系フィラーやアクリル樹脂などの有機系フィラーであり、このフィラーはコロイド状粒子の凝集物であって、防眩性と視認性のバランスの面から、その平均粒祭は0.3〜10μmの範囲が好ましい。
本発明のハードコート性防眩フィルムにおける防眩層においては,コロイド状粒子による凝集物の含有量は、防眩性と光透過性のバランスの面から、紫外線および電子線硬化型樹脂の硬化物100重量部当たり1〜30重量部の範囲にあることが好ましい。
防眩層の厚さは,耐擦傷性および経済性のバランスの面から、0.5〜20μmの範囲が好ましい。この防眩層の硬度は、鉛筆硬度でH以上であるのが好ましく、ハードコートフィルムに必要な耐擦傷性を備えることができる。
防眩層形成用のハードコート剤の調整において、各成分の配合順序については特に制限はなく、各種溶媒中に紫外線および電子線硬化型樹脂とコロイド状粒子と光重合開始剤等を加えて混合する。
溶媒としては、トルエンが好ましく、透明基材フィルムの一種であるポリエチレンテレフタレートフィルムやポリアセチルセルロースフィルムをを溶解しないので、透明性が保たれるという利点がある。
また、このハードコート剤には、所望により消泡剤やレベリング剤等の公知の添加剤を配合することができる。ハードコート剤の固形分濃度については特に制限はなく、塗工性、乾燥性、経済性等の面から10〜70重量%の範囲が好ましく、特に30〜50重量%の範囲が好適である。
次に,プラスチックフィルム上に、このようにして調整されたハードコート剤を、硬化膜厚が、0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmになるように塗工し、乾燥処理する。
塗工方法については特に制限はなく、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法等を用いることができる。
この塗工層の厚さは、ハードコート剤の固形分濃度および硬化後における防眩層の密度から必要なハードコート剤の塗工量を算出することにより、制御する事ができる。
本発明においては、乾燥後の塗工層に窒素パージした雰囲気下で紫外線および電子線を照射して硬化させ、酸素障害が少なく、表面硬度の高いハードコート層を形成したものである。
硬化に用いる紫外線照射装置については、特に制限はなく、例えば高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、ヒュージョンランプ等を用いた公知の紫外線照射装置を使用することができる。
紫外線照射量は、通常100〜800mJ/cm2程度である。電子線照射装置については特に制限はなく、加速電圧は通常80〜300kVである。
このようにして得られた防眩フィルムは、偏光板とを積層するにあたり、密着性の増加および静電防止のために鹸化処理を行うと良い。この処理により透明基材フィルムの一つである、トリアセチルセルロースフィルム表面が親水性化して、ポリビニルアルコールからなる偏光膜に対する密着性が向上する。
また、鹸化処理は次のように行う。前記防眩性ハードコートフィルムを、50℃のアルカリ溶液(1.5NのNaOH)に2分間浸漬し、蒸留水で洗浄する。さらに0.5重量%の硫酸に30秒間浸漬して中和した後、蒸留水での洗浄を2回繰り返し、自然乾燥する。
このようにして得られた防眩性フィルムは、耐擦傷性、鹸化耐性および防眩性に優れ、かつ各種ディスプレイに使用した際に視認性が良好である。
したがって、例えば液晶表示体における偏光板用ハードコート防眩フィルムとして、あるいは、各種ディスプレイの保護用フィルムとして使用することができる。
本発明の防眩層の上に設ける反射防止層は、低屈折率層と高屈折率層を有する構成からなる。
ここで、低屈折率層は,例えば、屈折率の低い微粒子であるMgF2(屈折率;1.38)、SiO2(屈折率;1.46)等を分散した、紫外線および電子線硬化型樹脂からなるもの、あるいは、シランカップリング剤とフッ素系シランカップリング剤の混合物を触媒により加水分解したオリゴマーからなる各種ゾルとする。しかしながら,これに限定されるものではない。
低屈折率層の形成方法としては、前述の各種塗工方法により、硬化膜厚が、0.01〜1μmになるように塗工し、乾燥処理を行った後、必要に応じて紫外線および電子線照射を行う。
前記低屈折率層の他の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーディング法、電気めっき法等の適宜な手段であってもよく、例えば、前記以外の反射防止塗料の塗膜、膜厚0.1μm程度のMgF2等の極薄膜や金属蒸着膜、あるいはSiOxやMgF2の蒸着膜により形成しても良い。
また、本発明の反射防止層における高屈折率層は,屈折率の高い微粒子であるTiO2(屈折率;2.3〜2.7)、Y2O3(屈折率;1.87)、La2O3(屈折率;1.95)、ZrO2(屈折率;2.1)、Al2O3(屈折率;1.62)等を分散した紫外線または電子線硬化型樹脂からなるものが挙げられるが,これに限定されるものではない。
高屈折率層形成方法としては,前述の各種塗工方法により、硬化膜厚が0.01〜1μmになるように塗工し、乾燥処理を行った後、必要に応じて紫外線および電子線照射を行う。
前記高屈折率層の他の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーディング法、電気めっき法等の適宜な手段であってもよく、例えば前記以外の反射防止塗料の塗膜、膜厚0.1μm程度のTiO2等の極薄膜や金属蒸着膜により形成しても良い。
本発明における前記防眩性フィルムは、低酸素濃度領域における硬化では酸素阻害が少なく、表面の硬化が進むために、鹸化液により浸食されにくい。
また、表面硬度が高いために優れた耐擦傷性が得られる。
逆に高酸素濃度領域における硬化では、鹸化液により表面が浸食されやすいために表面の凹凸形状が大きくなり、防眩層の上層に、反射防止層を積層した際に、2層間の優れた密着性が得られる。
従って、その適性酸素濃度範囲が存在し、優れた鹸化耐性、耐擦傷性を得る場合には酸素濃度2%以下であり、上層との密着性を得る場合には、酸素濃度0.3%以上が必要である。
本発明における防眩性フィルムの透過ヘイズ値は、1%から30%である。ヘイズ値が1未満の場合には防眩性が不良となり、一方、30を越えて大きい値の場合は画像コントラストが悪く、視認性不良となり、ディスプレイとしての機能低下を招く。なお、ヘイズ値の測定方法については後に述べる。
次に、本発明を実施例について詳細に説明する。本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお,ハードコート防眩性フィルムの性能は,下記の方法に従って評価した。
(1)鹸化耐性 鹸化後のハードコートフィルムの走査型電子顕微鏡[(株)日立製作所製,S−4000形]観察を行い、表面におけるフィラーの状態
を目視評価した。
(2)耐擦傷性 #0000のスチールウールを用い、250g荷重で10往復表面を擦り、傷の有無および擦傷部と未擦傷部の外観変化を目視評価した。
(3)ヘイズ値 前記反射防止機能付き防眩性ハードコートフィルムを写像性測定器[日本電色工業(株)製,NDH−2000]を使用して測定した。
(4)鉛筆硬度 JIS K5400に準拠し、試験機法により評価した。
(5)目視評価
ギラツキ…フィルムの表面に蛍光灯の光を入射し、蛍光灯の輪郭の写り込みについて評価した。
視認性…新聞紙上にフィルムを静置し,文字の識別により評価する。
(実施例1)
紫外線硬化型樹脂のクリア樹脂液(大日精化工業(株)製,セイカビームEXF37T)100重量部に対し、フィラー分散濃縮液(大日精化工業(株)製,セイカビームEXF37M−FC)200重量部を加え、固形分濃度が50%となるように溶媒であるトルエンで希釈してハードコート剤を調製した。
次に、厚さ約80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製,UZ)上に、前記ハードコート剤を硬化膜厚が5μmになるように塗工し、70℃で1分間乾燥処理した。
次いで、適宜窒素パージを行い、酸素濃度1〜2%の各濃度の雰囲気下において、この乾燥塗膜に、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製,フュージョンランプ)を用いて紫外線を光量約200mJ/cm2で照射し、硬化させてハードコートフィルムを作成した。更にフィルムを前記鹸化処理した。
このフィルムの性能評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、適宜窒素パージを行うことにより、酸素濃度3〜20.8%の雰囲気下で、塗膜に紫外線を照射により硬化してハードコートフィルムを作成し、鹸化処理した。
このフィルムの性能評価結果を表1に示す。
Figure 0005261856
(実施例2)
クリア樹脂液100重量部に対しフィラー分散濃縮液400重量部を加えた樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを作成し、鹸化処理した。
このフィルムの性能評価結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例2において、適宜窒素パージを行うことにより、酸素濃度3〜20.8%の雰囲気下で、塗膜に紫外線を照射により硬化してハードコートフィルムを作成し、鹸化処理した。
このフィルムの性能評価結果を表2に示す。
Figure 0005261856
表1,表2から明らかなように、実施例1と実施例2の結果において、ヘイズ値以外は同様の結果を示した。防眩層の表面状態はフィラー量の多少によらずに樹脂の硬化状態に起因している。
酸素濃度が低くなるにつれて、酸素障害が減少して表面硬化性が向上し、鹸化処理による樹脂の溶解が少なくなるために、酸素濃度2%以下でフィラーが析出せずに樹脂に埋まった状態になる。紫外線硬化時に窒素パージを行うことにより、鹸化処理後においてもフィラーの析出を防ぐことができる。
(実施例3)
実施例1で作成した乾燥塗膜を、適宜窒素パージを行い、酸素濃度0.3〜15%の各濃度の雰囲気下において紫外線照射した以外は、同様にしてハードコートフィルムを作成し、鹸化処理した。次いで,テトラエトキシシラン(関東化学(株)製)と、フッ素シラン(信越化学工業(株)製,KBM7803)をモル比95:5で混合し、この溶液の0.22倍重量の溶媒(2−メトキシエタノール:イソプロピルアルコール=1:1)により希釈した。この溶液に、前記シランに対し7.5倍モルの1規定塩酸(水重量換算による)を加えて1時間の攪拌により、加水分解してゾル溶液とた。そして,ここに上記の溶媒を加えて、固形分濃度4%としたものを反射防止層の塗工液とした。前記鹸化後のハードコートフィルム上に、前記反射防止層の塗工液を硬化膜厚が0.1μmになるように塗工し、120℃で5分間加熱処理を行い、前記反射防止機能つきハードコートフィルムを作成した。
このフィルムの性能評価結果を表3に示す。
(比較例3)
実施例3において、窒素パージを行い、酸素濃度0.1%の雰囲気下で塗膜に、紫外線を照射により硬化してハードコートフィルムを作成した。その後に鹸化処理し、実施例3と同様にして反射防止機能つきハードコートフィルムを作成した。
このフィルムの性能評価結果を表3に示す。
Figure 0005261856
(実施例4)
実施例2で作成した乾燥塗膜を、適宜窒素パージを行い、酸素濃度0.3〜15%の各濃度の雰囲気下において紫外線照射した以外は、同様にしてハードコートフィルムを作成し、鹸化処理した。次いで、実施例3と同様にして0.1μmの反射防止層を設け、前記反射防止機能つきハードコートフィルムを作成した。
このフィルムの性能評価結果を表4に示す。
(比較例4)
実施例4において、窒素パージを行い酸素濃度0.1%の雰囲気下で、塗膜に紫外線を照射により硬化してハードコートフィルムを作成した後に鹸化処理し、実施例4と同様にして反射防止機能つきハードコートフィルムを作成した。
このフィルムの性能評価結果を表4に示す。
Figure 0005261856
表3、表4から明らかなように、実施例3と比較例3の結果、および実施例4と比較例4の結果において、ヘイズ値以外はほぼ同様の結果を示した。いずれも酸素濃度の低下に伴い、耐擦傷性において傷がつきやすくなる傾向にある。言い換えれば、酸素濃度が高く、フィラーが析出して防眩層の凹凸形状が大きい方が反射防止層との密着性が向上し、耐擦傷性に優れている。
しかしながら、窒素パージを行い、酸素濃度0.3%以上では、フィラーの脱落による外観変化が起こらず、防眩層と反射防止層の密着性あり、耐擦傷性に優れている。
(実施例5)
実施例1で作成した乾燥塗膜において、クリア樹脂液とフィラー分散濃縮液の混合比を変化させてハードコート剤を塗工し、窒素パージを行い、酸素濃度2%の雰囲気下で硬化させることにより、透過ヘイズ値1〜30%のハードコートフィルムを作成した。
このフィルムの性能評価結果を表5に示す。
(比較例5)
実施例5と同様にして、透過ヘイズ値が、0.1〜0.9%のハードコートフィルムを作成した。
このフィルムの性能評価結果を表5に示す。
(比較例6)
実施例5と同様にして、透過ヘイズ値が40%のハードコートフィルムを作成した。
このフィルムの性能評価結果を表5に示す。
Figure 0005261856
表5から明らかなように、ヘイズ値が1未満の場合には、フィルムのギラツキが大きく防眩性が不良となる。一方、ヘイズ値が30を越えて大きい値の場合は、画像コントラストが悪く視認性不良となる。本発明における前記防眩性ハードコートフィルムの透過ヘイズ値は、1%から30%であることが好適である。
発明の効果
本発明は、酸素濃度2%以下という、窒素パージ雰囲気下における硬化では、防眩層単体でも優れた鹸化耐性、耐擦傷性および防眩性を有るハードコートフィルムであり、かつ、防眩層の上層に、反射防止層を積層した反射防止機能付き防眩性フィルムにおいても、酸素濃度0.3%以上の雰囲気下における硬化では、防眩層と反射防止層との密着性に優れた耐擦傷性を有する防眩性フィルムを製造することができるという、優れた効果を有する。
本発明の実施の一形態に係わる防眩性フィルムを示す断面図。
1…透明基材フィルム
2…透光性樹脂
3…透光性拡散剤
4…防眩層
5…反射防止層
6…防眩性ハードコートフィルム

Claims (6)

  1. 透明基材フィルムの少なくとも一方の面に、防眩層と、前記防眩層上に反射防止層を設けた防眩性フィルムにおいて、基材フィルムに、透光性拡散剤を含有する透光性樹脂からなる防眩層を、酸素濃度が0.3%以上15%以下の雰囲気下で、紫外線、または電子線を用いて硬化し、鹸化処理した後、反射防止層を形成することを特徴とする防眩性フィルムの製造方法。
  2. 前記反射防止層が、シランカップリング剤とフッ素系シランカップリング剤の混合物を触媒により加水分解したゾル溶液を用いて形成されたことを特徴とする請求項記載の防眩性フィルムの製造方法。
  3. 前記酸素濃度が0.3%以上15%以下の雰囲気は、窒素パージにより行われることを特徴とする、請求項またはに記載の防眩性フィルムの製造方法。
  4. 前記防眩層に用いる透光性樹脂が、紫外線および電子線硬化型樹脂であることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法。
  5. 前記防眩層に用いる透光性拡散剤が、有機系または/および無機系フィラーからなることを特徴とする、請求項記載の防眩性フィルムの製造方法。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の防眩性フィルムの製造方法で製造された防眩性フィルムであって、前記防眩性フィルムの透過ヘイズ値が、1%から30%の範囲であることを特徴とする防眩性フィルム。
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