JP5261456B2 - 水田作業機 - Google Patents
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Description
又、このように泥水が機体横幅方向外方側に多量に押し流されてしまうと、例えば、整地装置の進行方向後方側に位置する接地フロートとして、作業装置の田面に対する高さを検出するためのセンサフロートとして機能するように構成して、作業装置を設定高さに維持するように昇降制御するように構成される場合であれば、センサフロートが検知作用する箇所において機体横幅方向外方側に泥水が押し退けられて、田面におけるその他の領域に比べて表面の高さが低いレベルになり、センサフロートの検知高さが、田面におけるその他の領域における表面の高さに対応する適正な値よりも低めの値となり、作業装置の対地高さが適正な高さとならずに昇降制御が良好に行えないものとなるおそれがある。
前記整地装置が、横軸芯周りで駆動回転される整地用回転体と、泥水が前記作業装置に飛散するのを防止する泥除けカバーとを備えて構成されているものであって、
その第1特徴構成は、
前記整地装置が、外径寸法が互いに異なる大径の整地用回転体と小径の整地用回転体とを同一横軸芯周りで駆動回転する状態で備えて構成され、
前記泥除けカバーにおける前記小径の整地用回転体に対応する小径用カバー部分が、その後端部の位置を前記大径の整地用回転体に対応する大径用カバー部分の後端部の位置よりも機体前方側に位置させる状態で設けられ、且つ、前記小径用カバー部分と前記大径用カバー部分との間に泥水通過用の隙間が形成されている点にある。
前記作業装置に備えられる複数の接地フロートのうちのいずれかが、接地追従しながら後部横軸芯周りで上下揺動して前記作業装置の対地高さを検出するセンサフロートとして構成され、
前記センサフロートの上下揺動に基づいて前記作業装置の田面に対する高さを設定値に維持するように前記昇降駆動手段を制御する昇降制御手段が備えられ、
機体横幅方向に沿う整地作業領域のうちで前記センサフロートの機体前方側に対応する領域に前記小径の整地用回転体を備えて構成され、
前記センサフロートが、その前端部の位置を他の接地フロートの前端部の位置よりも機体前方側に位置させる状態で設けられている点にある。
従って、整地装置の機体横幅方向外方側に田面の泥水が多量に押し流されることを有効に回避させることが可能となる。
そこで、平面視で前記支持部と重複する状態で田面に対する整地を行う整地具を備えることにより、整地が行われない非整地領域が発生することを回避して田面に対する整地作用を良好に行うことができる。
図1,2,4に示すように、苗植付装置5は、1個のフィードケース17、3個の伝動ケース6、伝動ケース6の後部に回転駆動自在に支持された一対の回転ケース7、回転ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、センサフロートとして機能する左右中央に位置する接地フロート(以下、センターフロートという)9、及び、左右両側に位置する接地フロート(以下、サイドフロートという)11、6個の苗のせ面を備えて左右方向に往復横送り駆動される苗のせ台10、苗のせ台10の苗のせ面の各々に備えられた縦送り機構25等を備えて構成されている。左右方向に延びる角筒状のメインフレーム18に、フィードケース17及び伝動ケース6が固定されており、フィードケース17がリンク機構3の後部下部の前後軸芯P1(図3参照)周りに左右揺動自在に支持されている。
図4に示すように、メインフレーム18の左の端部には、ボス部材64が固定され、ボス部材64に対して、伝動軸23及び入力軸32の横軸芯P2周りに上下に揺動自在に伝動ケース81が支持されている。一方、メインフレーム18の右の端部には、ブラケット82が固定され、ブラケット82の横軸芯P2(伝動軸23及び入力軸32の横軸芯P2)周りに支持アーム83が上下に揺動自在に支持されており、伝動ケース81及び支持アーム83に亘って断面正方形状の駆動軸61が回転自在に支持されている。
図4に示すように、駆動軸61には、一体回転自在に支持される状態で整地用回転体62が外嵌装着され、この整地用回転体62として、外径寸法が互いに異なる大径の整地用回転体62Aと小径の整地用回転体62Bとを備えて構成されている。
そして、機体横幅方向に沿う整地作業領域のうちの機体横幅方向の中央側であって、且つ、センターフロート9の機体前方側に対応する領域に、小径の整地用回転体62Bを備え、且つ、その小径の整地用回転体62Bの左右両側に大径の整地用回転体62Aを備えて構成されている。
そして、図4及び図19に示すように、機体横幅方向中央部に位置する小径の整地用回転体62Bと、左右両側に位置する大径の整地用回転体62Aとの間には、夫々、機体横幅方向に間隔が形成されており、この間隔により泥水通過用の隙間S1が形成されている。
又、各カバー部分66A,66Bの夫々に対応するカバー取付部67Aの突出長さを異ならせることで、前後にずらすこともできる。さらには、カバー取付部67Aの支持フレーム67に対する取り付け角度を異ならせることによっても、前後にずらすこともできる。
すなわち、図8,図9,図10に示すように、メインフレーム18の左右両側端部から横側外方に延長突出する状態で設けられた枠部94に、支持ブラケット95を介して横軸芯周りで揺動自在に且つ捻りバネ96により下方に揺動付勢する状態でレーキ状の整地具93が支持されている。
この整地具93による整地作用領域は、上述したように平面視で伝動ケース81及び支持アーム83と重複する状態で配備されるが、この整地具93による整地作用領域は、図示しない補助車輪が装備された場合において、その補助車輪の通過跡を整地するように整地領域が設定されている。
つまり、整地具93は、捻りバネ96の付勢力により下方に移動付勢される状態で、且つ、所定位置で位置保持される状態で支持されることになり、バネ受け部98に対する保持位置を変更することで、下方付勢力を3段階に変更調整することができる。
従って、圃場の状況に応じて整地具93の上下位置並びに下方付勢力を変更調整することが可能な構成となっており、上記したような整地具93の位置調整のための位置調整機構K2が整地具93用の位置調整手段に対応する。
図4に示すように、伝動ケース6に備えられた入力軸32に接続された伝動軸75が、ボス部材64及び伝動ケース81の内部に配置されている。伝動ケース81の内部において、伝動軸75にスプロケット78が相対回転自在に外嵌され、駆動軸61にスプロケット79が固定されて、スプロケット78,79に亘って伝動チェーン80が巻回されており、伝動軸75とスプロケット78との間にトルクリミッター77が備えられている。
図5に示すように、メインフレーム18に支持フレーム52が固定され、支持フレーム52の横軸芯P3周りに扇型の昇降ギヤ54が上下に揺動自在に支持されており、ピニオンギヤ55aを備えたギヤ機構55及びギヤ機構55を駆動する整地高さ調整手段としての電動モータ56が支持フレーム52に固定されている。
小径の整地用回転体62Bと進行方向に向かって左側に位置する大径の整地用回転体62Aとの間において、ボス部材57がベアリング(図示せず)により相対回転自在に駆動軸61に外嵌されている。そして、ギヤ機構55のピニオンギヤ55aが昇降ギヤ54に咬合しており、昇降ギヤ54とボス部材57とに亘って連結部材58が接続され、電動モータ56によりピニオンギヤ55aを回転駆動することで、連結部材58が昇降操作されて、整地装置53が昇降操作されるように構成されている。
苗植付装置5が大きく上方に揺動した非作業位置に位置していると、整地装置53が作業位置A4に下降駆動されても、整地装置53は田面Gに接地しない。
図7に示すように、小径の整地用回転体62Bと進行方向に向かって右側に位置する大径の整地用回転体62Aとの間の隙間S2に、センターフロート9の接地圧変動に伴って変位する上下高さ位置を検出するためのフロート高さ検出機構K3が備えられている。
先ず、苗植付装置5が作業位置に位置している状態において、植付深さ検出器44の検出値により設定高さA1(設定深さ)を検出し(ステップS1)、設定高さA1(設定深さ)に対応する昇降目標値B1を設定する(ステップS2)。
又、感度設定器70を中立位置Nから鈍感側に操作すると、フロート高さ検出器68の検出値C1が昇降目標値B1と同じ高さになったときにセンターフロート9の底面が少し前上がり姿勢となり、センターフロート9の田面Gへの接地面積が小さくなって、センターフロート9が田面Gに鈍感に追従するようになるので、昇降シリンダ4による苗植付装置5の昇降駆動が鈍感なものに設定される。
そこで、田面G(センターフロート9)から苗植付装置5までの高さ(植付アーム8による苗の植付深さ)をフロート高さ検出器68の検出値により検出し(ステップS6)、昇降目標値B1とフロート高さ検出器68の検出値C1との差E1を求める(ステップS7)。
フロート高さ検出器68の検出値C1が昇降目標値B1と同じ高さの場合(ステップS8)、制御弁71を操作して、苗植付装置5の昇降駆動を停止する(ステップS10)。
フロート高さ検出器68の検出値C1が昇降目標値B1よりも低い場合(ステップS8)、制御弁71を操作して、昇降シリンダ4により苗植付装置5を上昇駆動させる(ステップS11)。
図3に示すように、フィードケース17がリンク機構3の後部下部の前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている(苗植付装置5がリンク機構3の後部下部の前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている)。図3及び図7に示すように、フィードケース17に傾斜センサー48が固定されて、水平面(田面G)に対する苗植付装置5の左右方向の傾斜角度が傾斜センサー48によって検出されており、傾斜センサー48の検出値C2が制御装置40に入力されている。
ガイドレール27の右及び左の端部にブラケット27aが固定されて、ローリング機構46に固定されたアーム46cとガイドレール27のブラケット27aとに亘って、バランスバネ47が接続されており、ローリング機構46のワイヤ46aと横支持部材50の右及び左側部とに亘ってバネ39が接続されている。苗のせ台10が往復横送り駆動されるのに伴って、右又は左のバランスバネ47が引き延ばされるのであり、苗のせ台10が右(左)に横送り駆動されると、右(左)のバランスバネ47が引き延ばされて、右(左)のバランスバネ47の付勢力により苗植付装置5の右(左)への傾斜が抑えられる。
苗植付装置5が作業位置に位置している状態において、水平面(田面G)に対する苗植付装置5の左右方向の傾斜角度が傾斜センサー48により検出し(ステップS12)、水平面と傾斜センサー48の検出値C2との差E2を求める(ステップS13)。
整地制御手段102は、小径の整地用回転体62Bの下端部t1をセンターフロート9の底面位置t2よりも上方に位置させるように電動モータ56の作動を制御する第1制御状態、小径の整地用回転体62Bの下端部t1をセンターフロート9の底面位置t2と同じ高さに位置させるように電動モータ56の作動を制御する第2制御状態、小径の整地用回転体62Bの下端部t1をセンターフロート9の底面位置t2よりも下方に位置させるように電動モータ56の作動を制御する第3制御状態の夫々に切り換え可能に構成されている。
整地高さ検出器74の検出値C3が整地目標高さB3と同じ高さの場合には(ステップS64)、整地装置53の昇降駆動を停止する(ステップS66)。
整地高さ検出器74の検出値C3が整地目標高さB3よりも低い場合には(ステップS64)、検出値C3が整地目標高さB3になるように電動モータ56を操作して整地装置53を上昇駆動させる(ステップS67)。
そして、整地高さ設定器84が「標準」位置よりも左側に操作された状態が第1制御状態に対応し、整地高さ設定器84が「標準」位置に設定されている状態が第2制御状態に対応し、整地高さ設定器84が「標準」位置よりも右側に操作された状態が第3制御状態に対応する。
(1)上記実施形態では、泥除けカバー66が、小径用カバー部分66Bと大径用カバー部分66Aとに分割される分割式のカバーで構成されるものを示したが、このような構成に代えて、機体横幅方向の全幅にわたり一連に連なる状態で設けられ、小径用カバー部分66Bと大径用カバー部分66Aとの間の前後方向での段差部分に、泥水が通過するための切欠凹部や貫通孔を形成するものでもよい。
図21に示すように、センターフロート9の前部に平板状の支持部材9Aを連結し、整地装置53の隙間S1及び泥除けカバー66の隙間S2における駆動軸61の下方を通して前方に延出し、支持部材9Aに小さなフロート9Bを連結する構成としてもよい。
5 作業装置
9,11 接地フロート
9 センサフロート
53 整地装置
62A 大径の整地用回転体
62B 小径の整地用回転体
66 泥除けカバー
66A 大径用カバー部分
66B 小径用カバー部分
93 整地具
100 昇降制御手段
A 走行機体
F 支持部
K1 整地装置用の位置調節手段
K2 整地具用の位置調節手段
P5 横向き軸芯
S1,S2 隙間
Claims (7)
- 走行機体の後部に昇降駆動手段により昇降操作自在に作業装置が備えられるとともに、前記走行機体と前記作業装置との間に整地装置が備えられ、
前記整地装置が、横軸芯周りで駆動回転される整地用回転体と、泥水が前記作業装置に飛散するのを防止する泥除けカバーとを備えて構成されている水田作業機であって、
前記整地装置が、外径寸法が互いに異なる大径の整地用回転体と小径の整地用回転体とを同一横軸芯周りで駆動回転する状態で備えて構成され、
前記泥除けカバーにおける前記小径の整地用回転体に対応する小径用カバー部分が、その後端部の位置を前記大径の整地用回転体に対応する大径用カバー部分の後端部の位置よりも機体前方側に位置させる状態で設けられ、且つ、前記小径用カバー部分と前記大径用カバー部分との間に泥水通過用の隙間が形成されている水田作業機。 - 前記泥除けカバーにおける前記小径用カバー部分と前記大径用カバー部分とが分割式のカバーで構成されている請求項1記載の水田作業機。
- 前記大径の整地用回転体と前記小径の整地用回転体との間に泥水通過用の隙間が形成されている請求項1又は2記載の水田作業機。
- 前記作業装置に備えられる複数の接地フロートのうちのいずれかが、接地追従しながら後部の横向き軸芯周りで上下揺動して前記作業装置の対地高さを検出するセンサフロートとして構成され、
前記センサフロートの上下揺動に基づいて前記作業装置の田面に対する高さを設定値に維持するように前記昇降駆動手段を制御する昇降制御手段が備えられ、
機体横幅方向に沿う整地作業領域のうちで前記センサフロートの機体前方側に対応する領域に前記小径の整地用回転体を備えて構成され、
前記センサフロートが、その前端部の位置を他の接地フロートの前端部の位置よりも機体前方側に位置させる状態で設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の水田作業機。 - 前記小径の整地用回転体が機体横幅方向の中央側に位置し、前記大径の整地用回転体が前記小径の整地用回転体の左右両側に位置する状態で配備されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の水田作業機。
- 前記整地装置が支持部により前記作業装置に支持され、
平面視で前記支持部と重複する状態で、田面に対する整地を行う整地具が配備されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の水田作業機。 - 前記整地装置及び前記整地具夫々の上下位置を各別に変更調節自在な整地装置用の位置調節手段と整地具用の位置調節手段とが備えられている請求項6記載の水田作業機。
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