JP5259076B2 - 超音波送受信装置およびスキャニングソナー - Google Patents

超音波送受信装置およびスキャニングソナー Download PDF

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Description

この発明は、超音波の送受信によって水中等を探知する超音波送受信装置およびスキャニングソナーに関するものである。
従来、水中探知を行うためにスキャニングソナーが用いられている。スキャニングソナーは、周囲の全方位の物標を探知するために、ほぼ円筒形や球形のトランスデューサを備えている。送信時にはトランスデューサの各振動子の駆動によって、全周に向けて所定のチルト角をもって(傘型の)超音波の送信ビームを形成する。または所定の開口を設定し、その開口内の振動子を位相制御するとともに駆動することによって所定方位に向けて超音波の送信ビームを形成し、その送信ビームの方位を全周囲に亘ってスキャンするように構成している。受信時には、所定の開口を設定し、その開口内の振動子による受信信号を位相合成することによって受信ビームを形成する。
このことによって、垂直方向の指向性を所定角度に絞った、所定ティルト角の傘型の送信ビームを形成し、その傘型の送信ビーム内の全方位に亘る探知を行う。
しかし、上記構成のスキャニングソナーにおいては、トランスデューサが複数の超音波振動子を等間隔に配列したものであるので、その構造上、グレーティングローブやサイドローブが生じる。
このようなグレーティングローブやサイドローブを有する送信ビームまたは受信ビームを方位方向に順次変化させて探査を行うと、メインローブが実在する物標とは異なった方向を向いている状態でグレーティングローブまたはサイドローブがその物標からの反射波を受けることにより、偽像が生じる。
上記のグレーティングローブを低減させるためには、超音波振動子の振動子間ピッチを狭くする方法がある程度有効である。しかし、振動子数が増えると、それを駆動する駆動回路、駆動のための制御回路、受信回路、さらには受信信号を処理する回路等が比例して増大するため、ハードウエアが肥大化し、大幅なコストアップにつながる。
そこで、本願出願人は特許文献1にて、方位に応じて超音波の周波数に違いをもたせることによって、上述の問題を解消した発明について出願している。
上記特許文献1では、グレーティングローブやサイドローブによる偽像を低減する方法として、方位別に周波数の異なったバースト波を送信し、受信時にビーム方位別の帯域制限を行う方位別周波数送受信法(本発明ではDFM(Directional Frequency Modulation)送信法という。)が用いられている。
図1は上記DFM送信法の1つの例であるDFM−FM送信法を図示したものである。(A)はトランスデューサ上の各振動子の駆動周波数を示している。その横軸はトランスデューサ上の基準方位からの振動子の方位方向の位置(以下、「素子方位角」という。)、縦軸は基準方位(0°)におけるバースト波の開始タイミングを0とする経過時間である。ここで、Tはバースト波の持続時間、Fwは0°〜360°の範囲でのバースト波の中心周波数の変化幅(方位別周波数掃引幅)、Bは1つのバースト波内での周波数掃引幅である。(B)は送信信号の波面の例を示している。この図において、円形で示す部分がトランスデューサ、その内部で扇状に示す角度範囲が送信開口である。このように送信開口を方位方向に順次移動させながら、送信周波数を変化させる。
図2は上記DFM送信法の別の例であるDFM−CW送信法を図示したものである。(A)はトランスデューサ上の各振動子の駆動周波数を示している。横軸は基準方位からの素子方位角、縦軸はバースト波の開始タイミングを0とする経過時間である。(B)はトランスデューサから送信される送信信号の波面の例を示している。中心の円はトランスデューサ、このトランスデューサと同心円状にある円Hは送信後所定時間経過後の波面である。素子方位角が0から増す程、送信信号の周波数は次第に高くなる関係にある。
図3は、基準方位からの素子方位角に対するバースト波の中心周波数の関係と、所定方位における受信ビームについて示している。
図3の(a)は船首を基準方位とする素子方位角を横軸にとり、バースト波の送信周波数を縦軸にとったものである。ここで、fcは船首方位へ送信するバースト波の周波数、BDFMはバースト波の中心周波数の変化幅(方位別周波数掃引幅)である。
また(b)は、素子方位角θx方向に受信ビームを形成した時の、そのθxを中心とする所定方位範囲の指向特性を表している。このように素子方位角θxを中心として多くのグレーティングローブ(GL)およびサイドローブが生じる。
これを、(c)に示すような特性の、方位ごとの周波数フィルタリングを行うことにより、(d)に示すようにグレーティングローブやサイドローブが抑圧されて、目的とする方位からの受信信号が得られる。
図4は上記DFM送信法を適用した超音波送受信装置の構成をブロック図として表したものである。発振回路104はトランスデューサ101の各振動子を駆動する駆動信号を生成し、増幅回路103がそれを増幅し、トラップ102を介してトランスデューサ101の各振動子を駆動する。
プリアンプ105は受信ビームを形成すべき方向に向く所定の広がりをもつ開口内の複数の振動子の受信信号を増幅し、プリフィルタ106は不要な雑音周波数成分を除去する。A/Dコンバータ107は各信号をディジタルデータへ変換し、ビームフォーマ108は受信すべき方位θhを向く鋭い受信ビームを形成する。バンドパスフィルタ109は受信ビームの方位θhに応じた中心周波数の周波数帯域を通過させ、その他の周波数帯域を減衰させる。信号検出回路110はバンドパスフィルタ109の出力信号レベルが所定のしきい値を超えるか否かに応じて物標有無の検出信号を出力する。
このようにDFM法によれば、振動子間隔が広く、全体に振動子数が少なくても、そのことによって生じるグレーティングローブ等の他方向を向くビーム感度を抑圧することができる。
特開2003−337171号公報
〔第1の課題〕
このような超音波送受信装置を船舶に搭載する場合に、船舶の走航速度に応じてドップラシフトが生じる。そこで、図4に示したバンドパスフィルタ109のセンター周波数fcを補正すればよい。それにより、走航時にあってもドップラシフトの影響をキャンセルできる。
ところが、このようなドップラシフトが生じると、受信信号が周波数シフトするだけなく、方位別周波数の方位変化Δθに対する周波数変化Δfの率(Δf/Δθ)(以下「周波数方位密度」という。)が一様ではなくなってしまう。
ここで船舶の走航速度に応じて生じるドップラシフトの影響を受けた、素子方位角に対する受信信号の周波数変化の例を図5に示す。(a)において破線で示す直線はドップラシフトがない状態(停船時)の特性であり、図3の(a)に示したものと同様である。船舶が船首方向に走航している時、船尾から到来する受信信号(反射波)の周波数は低下し、船首方向から到来する受信信号の周波数は上昇する。そして、左舷方向と右舷方向からの受信信号の周波数は変化しない。したがって、図5(a)内で曲線で示すように、素子方位角に対する受信信号の周波数が変化する。図中fdはドップラシフト周波数である。このように素子方位角に対する受信信号周波数の変化が非線形になるということは、周波数に対する方位スケールが歪むことに等しい。すなわち、方位別周波数の周波数方位密度が一様ではなくなってしまう。
図5の(b)は船舶が停船していてドップラシフトの影響を受けていない状態での方位θxからの受信信号周波数(fx+fd′)を中心とするバンドパスフィルタを通過させた受信信号の方位角方向の指向特性を示している。
図5の(c)は、(b)に示した特性を、その方位スケールをリニアに戻したものとして表した指向特性である。このように船首→右舷→船尾の方位角範囲で周波数方位密度(Δf/Δθ)が低下するので、受信ビームの方位以外の方位角範囲から到来する信号を受けやすくなる。すなわち方位角弁別能が低下する。
図6は、前記バンドパスフィルタによる周波数フィルタリングで得られる、各方位でのビーム品質(特にビーム幅)を示すものである。
(A)は停船時であり、どのような方位についても受信信号ビームの品質は等しい。(B)は船首方向への走航時であり、周波数方位密度の高い左舷では向上するが周波数方位密度の低い右舷では劣化するという問題が生じる。
〔第2の課題〕
船舶の走航に伴って生じるドップラシフトによって素子方位角に対する受信信号の周波数変化が非線形になることは上述した通りであるが、ドップラシフトが大きくなると、異なった2つの方位角で受信信号が同一周波数になる現象が生じる。図7はその様子を示している。この例では、素子方位角変化に対する受信信号周波数変化が極大点を有する上に凸の曲線となるため、異なった方位から同一周波数の受信信号が到来することになる。この例では、方位角範囲で約−80〜150°、周波数範囲で約80.0〜80.6kHzで、異なった方位から同一周波数の受信信号が到来する可能性がある。
そのため受信信号をバンドパスフィルタで周波数フィルタリングするだけでは方位方向の弁別能が高まらず、擬像の問題が生じる。
〔第3の課題〕
前記超音波送受信装置が船舶に設けられている場合に、船舶が旋回した時には前記ドップラシフトとは別の問題が生じる。すなわち、バースト波を送信してから、その反射波を受信するまでの間にトランスデューサの基準方位がΔθだけ旋回した場合、受信時の旋回後の船首方位はΔθ分だけ変化することになる。その結果、物標の方位をΔθ分だけ誤って検知することになる。
また、受信中の旋回により、送信時の周波数方位と受信周波数方位とが一致しなくなり、前記バンドパスフィルタによるフィルタリングで結果的に他の方位の受信信号を選択してしまうことになる。これにより、各方位の受信信号を二次元の画像として表示した際に、実際の物標が存在する方位方向の位置がずれたり、感度が低下したりするという問題が生じる。
図8はその様子を示している。船舶が面舵で(右方向に)旋回している時、素子方位角で船首方向から到来する受信信号周波数はfrとなって、船首方位へ送信した送信信号の周波数fcより高くなる。しかし、船首方向から到来する信号であるので、中心周波数fcのバンドパスフィルタでフィルタリングすることになり、受信感度が低下する。
そこで、この発明の目的は、上述の各種課題を解消して、方位方向の弁別能を高め、擬像の発生を抑制し、方位方向の探知精度の低下および感度低下を防止した超音波送受信装置およびスキャニングソナーを提供することにある。
(1)この発明の超音波送受信装置は、方位方向に複数の振動子を配列したトランスデューサと、該トランスデューサの複数の振動子を駆動して超音波を送信する送信制御手段と、前記超音波の物標からの反射波を受けて生じる前記複数の振動子の受信信号を基に、所定方位から到来する受信信号を合成して(すなわち受信ビームを形成して)合成受信信号を得る受信制御手段とを備え、送信制御手段は、トランスデューサの基準方位を基準とする方位に応じて送信周波数の差が異なる(例えばリニアに異なる)第1・第2の2つのバースト波が送信されるように前記複数の振動子を駆動し、受信制御手段は、前記第1のバースト波による前記合成受信信号の複素共役と前記第2のバースト波による前記合成受信信号との積を入力波形として求める手段と、前記第1のバースト波の複素共役と前記第2のバースト波との積に相当する波形と前記入力波形との相互相関処理を行う相関処理手段と、を備えたことを特徴としている。
(2)超音波の送信から反射波の受信までのトランスデューサの基準方位の旋回角(Δθ)を検知する手段を備え、その旋回角だけ前記相関処理手段の前記方位に応じた送信周波数の差(フィルタの適応周波数)を偏位(シフト)させる手段を備える。
(3)前記送信制御手段は、前記第1・第2のバースト波を例えば所定の遅延時間をもって時間的に重ならないタイミングで順次送信する。
(4)この発明のスキャニングソナーは、前記超音波送受信装置と、その送信制御手段および受信制御手段の制御により、探査すべき方位を順次走査して、各方位の前記相関処理手段によってフィルタリングされた信号から探知範囲の探知画像データを求め、該探知画像データを表示する手段とを備えたことを特徴としている。
(1)前記送信制御手段により、トランスデューサの基準方位を基準とする方位(素子方位角)に応じて、送信周波数の差が異なる第1・第2の2つのバースト波が送信され、前記相関フィルタにより、第1のバースト波による合成受信信号の複素共役と第2のバースト波による合成受信信号との積である入力波形と、第1のバースト波の複素共役と第2のバースト波との積に相当する波形との相互相関処理を行うが、各方位において第1・第2のバースト波に生じるドップラシフトはほぼ等しいので、第1のバースト波による合成受信信号と第2のバースト波による合成受信信号の複素共役との積を求めることによってドップラ成分がキャンセルされる。そのため、素子方位角に対する第1・第2のバースト波の周波数差変化がリニアである特性が利用できて、ちょうど従来のDFM法で停船時に得られる特性と同等の特性が走航時にも得られることになる。
(2)船舶の旋回(回頭)に伴って、超音波の送信から反射波の受信までのトランスデューサの基準方位が旋回するが、その旋回角(Δθ)だけ前記相関フィルタの前記方位に応じた送信周波数の差に対応するフィルタの適応周波数を偏位(シフト)させることによって、旋回時の方位方向の探知精度の低下および感度低下が防止できる。
(3)第1・第2のバースト波を時間的に重ならないタイミングで順次送信することによって、第1・第2のバースト波の混合による混変調歪みが生じることがなく、新たな問題が回避できる。
(4)探知物標との間でドップラシフトが生じる状態でも、受信ビーム特性が方位によらずに一様とすることができ、全方位方向について方位方向の弁別能が等しい探知画像が得られる。
この発明の実施形態に係る超音波送受信装置およびスキャニングソナーについて各図を参照して説明する。
図9はこの発明に係る超音波送受信装置が送受信する第1・第2の2つのバースト波の素子方位角と周波数との関係を示す図である。ここで、f1(θ)で示す直線はドップラシフトを受けていない時の第1のバースト波の周波数、f2(θ)で示す直線はドップラシフトを受けていない時の第2のバースト波の周波数である。また、fdpr1(θ)は、船舶が船首方向に走航することによって生じるドップラシフトを受けている状態での第1のバースト波の受信信号の周波数である。同様にfdpr2(θ)は、ドップラシフトを受けている状態での第2のバースト波の受信信号の周波数である。また、Δf(θ)は上記f1(θ)とf2(θ)の差の周波数である。
ここで音速をC、船速をvとすると次の関係が成り立つ。
Figure 0005259076
音速C(=1500m/s)に比べて船速vははるかに小さく、2v/(C−v)は1に比べて非常に小さな値となって無視できる。
図10は第1・第2のバースト波について示す図である。(A)はトランスデューサから全周囲(360°)方向にTだけ持続する第1のバースト波TX1と、それに続く第2のバースト波TX2が送信された直後の様子を示している。また(B)はその波形図である。第2のバースト波TX2は第1のバースト波TX1の開始時からTdだけ遅れて送信される。ここでT<Tdであるので、第1・第2のバースト波TX1,TX2は時間的に重ならないタイミングで順次送信される。
図11は前記第1・第2のバースト波の物標からの反射波を受けることによって生じる受信信号と、その処理について示す図である。(A)は、トランスデューサ101の基準方位から右回りにθLの方向すなわち素子方位角θL方向から反射波が到来しつつある様子と、受信ビームの指向特性とを示している。
図11の(B)は上記バースト波の送信信号xTX、受信信号xRX、および相関フィルタの構成について示している。相関フィルタ121は、第1のバースト波によって生じる合成受信信号(受信ビーム形成後の合成受信信号)を前記Tdだけ遅延させる遅延回路122、この遅延回路122の出力の複素共役信号を第2のバースト波による合成受信信号に掛け合わせて入力波形を生成する掛け算回路123、およびバンドパスフィルタ124とで構成している。この相関フィルタ121は、第1のバースト波の複素共役と第2のバースト波との積に相当する波形hと上記入力波形との相互相関処理を行い、入力波形とマッチする信号強度の信号を出力する。
上記遅延回路122および掛け算回路123がこの発明に係る相関処理手段に相当する。
上記送信信号は次式で表される。
Figure 0005259076
但し、φ1は第1のバースト波の角周波数、φ2は第2のバースト波の角周波数、θは素子方位角である。
また、送信信号xTXに対する、距離L・方位θLでの受信信号xRXは次式で表される。
Figure 0005259076
但し、B1は第1のバースト波の周波数での物標の反射係数、B2は第2のバースト波の周波数での物標の反射係数である。
バンドパスフィルタ124は、入力波形とマッチするように、そのフィルタインパルスを次のように定める。
Figure 0005259076
但し、wは重み係数、φは位相である。
図12の(A)は第1・第2のバースト波の反射信号である。
この時、方位θhに相当するフィルタ出力yは次式のようになる。(簡単化のためにトランスデューサへの入力から受信ビーム形成出力までのゲインを1としている。)
Figure 0005259076
但し、
図12の(B)は、計算を簡単にするために、T+Td≡0として時間軸を推移した状態を示している。ここで、yは次式で表される。
Figure 0005259076
ここで、第1のバースト波の位相項φ1,第2のバースト波の位相項φ2を次式のように置く。
Figure 0005259076
但し、
ωd:ドップラシフト周波数
ωc1:第1バースト波の基準方位への送信周波数
ωc2:第2バースト波の基準方位への送信周波数
DFM1:第1のバースト波のDFM掃引幅
DFM2:第2のバースト波のDFM掃引幅
である。また、ここではDFM−FM送信法にも適用できるように表していて、
FM1:第1のバースト波のFM掃引幅
FM2:第2のバースト波のFM掃引幅
である。
ここで、φ1−φ2によりx1、x2のドップラ成分ωdがキャンセルされる。後は、Δωc、ΔBDFM、ΔBFMに応じたフィルタリング処理を行う。このフィルタリング処理は従来のDFM処理と同じである。
そこで、フィルタインパルスの位相項φhを次式のように定めて入力信号に対してマッチングさせる。
Figure 0005259076
DFM−CW送信法の場合は、上式でΔBFM=0である。
このようにして、前記相関フィルタ121のバンドパスフィルタ124は、第1・第2のバースト波の周波数差で決まる位相分だけ移相しつつ第1・第2のバースト波の持続時間分について積分する。
前記相関フィルタを備えた超音波送受信装置全体の構成をブロック図として図13に示す。ここで、発振回路120はトランスデューサ101の各振動子を駆動する駆動信号を生成し、増幅回路103がそれを増幅し、トラップ102を介してトランスデューサ101の各振動子を駆動する。この発振回路120および増幅回路103はこの発明に係る送信制御手段に相当する。プリアンプ105は受信ビームを形成すべき方向に向く所定の広がりをもつ開口内の複数の振動子の受信信号を増幅し、プリフィルタ106は不要な雑音周波数成分を除去する。A/Dコンバータ107は各信号をディジタルデータへ変換し、ビームフォーマ108は受信すべき方位θhを向く鋭い受信ビームを形成する。
相関フィルタ121は、ビームフォーマ108で合成された合成受信信号に対して探知すべき方位の素子方位角θhに応じて、図11(B)に示したバンドパスフィルタ124の通過帯域の中心周波数を定める。
図14は前記相関フィルタの具体的な構成例を示す図である。図14において、遅延回路D、係数乗算回路h、および加算回路Σでバンドパスフィルタ124を構成している。
共役遅延回路122は、入力信号Xnを、第1のバースト波と第2のバースト波の送信開始タイミングの時間差に相当するステップ数NTd分だけ遅延させるとともに入力信号の共役信号を出力する。掛け算回路123は、入力信号Xnと共役遅延回路122の出力信号とを掛け算する。このバンドパスフィルタ124の演算を式で表すと次の通りである。
Figure 0005259076
ここでTはバースト波の持続時間、Tdは第1のバースト波の送信開始タイミングと第2のバースト波の送信開始タイミングとの時間差、φ(τ)は第1・第2のバースト波の差の周波数での位相角である。
図13に示したバンドパスフィルタ124内の係数乗算回路hの係数は、第1・第2のバースト波の送信信号の方位毎の周波数差Δf(φ)で決まる係数とする。すなわち
φ(t)=2πΔf(φ)t
で表した時、
h0=e−jφ0
h1=e−jφ1



NTd-1=e−jφNTd−1
NTd = e−jφNTd
の関係で表すことができる。
図15は前記相関フィルタの別の構成例を示す図である。遅延回路D、係数乗算回路h、および加算回路Σでバンドパスフィルタ124を構成している。この例では入力信号Xnと共役遅延回路122の出力信号とを別々に遅延させて、それぞれの段で掛け算を行っている。
次に、第2の実施形態に係る超音波送受信装置について図16を基に説明する。
図16においてf1(θ)は第1のバースト波の方位ごとの送信信号の周波数、f2(θ)は第2のバースト波の方位ごとの送信信号の周波数、またΔf(θ)は上記f1(θ)とf2(θ)の差の周波数である。同図に示すように、送信から反射波の受信までの間にトランスデューサの基準方位がΔθだけ旋回した場合、受信時の旋回後の船首方位はΔθ分だけ変化することになる。そこで、この実施形態では第1・第2のバースト波の送信から受信までの船首方位の旋回角Δθを検知し、前記相関フィルタの方位に応じた送信周波数の差(バンドパスフィルタの中心周波数)を偏位させる。
そのため、ジャイロコンパスやGPSコンパス等によって船首方位のデータを入力し、送信時と受信時の船首方位データの差Δθを算出し、その分、上記相関フィルタ内のバンドパスフィルタの中心周波数を偏位させる。
なお、第1・第2の実施形態では、送信制御手段が、トランスデューサの基準方位を基準とする方位に応じて送信周波数の差がリニアに異なる第1・第2の2つのバースト波が送信されるように複数の振動子を駆動したが、本願発明は第1・第2の2つのバースト波の送信周波数の差が方位変化に応じてリニアに変化するものに限らない。第1・第2の2つのバースト波の送信周波数の差が、隣接する方位ごとに異なっていればよい。また、第1・第2のバースト波をそれぞれ所定周波数幅でFM掃引し、各方位について第1・第2のバースト波の中心周波数の差が隣接する方位ごとに異なるようにしてもよい。
次に、第3の実施形態に係るスキャニングソナーについて図17・図18を参照して説明する。
図17は、スキャニングソナーの送受信チャンネルの構成を示すブロック図である。図17において、ドライバ回路12は、インタフェース20,11を介して、後述するプログラマブル送信ビーム形成制御部から与えられた2値化された駆動コードを、ハーフブリッジ型PDM送信アンプ(パルス幅変調(PDM:pulse-duration modulation )により送信するための送信アンプ)のFETを駆動するための、2種類のドライブ信号にデコードする。
TX増幅回路13は、上記ハーフブリッジ型PDM送信回路によりPDM変調された2値信号を出力する。これにより、送受切替回路14を介して振動子10を駆動する。送受切替回路14は、送信期間にTX増幅回路13の出力信号を振動子10へ導き、受信期間に、振動子10が出力した信号をプリアンプ15へ受信信号として導く。プリアンプ15は、この受信信号を増幅し、バンドパスフィルタ16は、受信信号の周波数帯域以外のノイズ成分を除去する。A/Dコンバータ17は、その受信周波数帯域の信号を所定のサンプリング周期でサンプリングし、ディジタルデータ列に変換する。
上述の部分で送受信チャンネル100を構成する。この送受信チャンネルは、100a,100b,・・・100nで示すように、振動子10の数だけ備えている。
図18は、図17に示した複数の送受信チャンネル100を用いて送信ビームおよび受信ビームを形成するとともに、所定探知範囲の探知画像を生成するためのブロック図である。図18におけるインタフェース20は、図17に示したインタフェース20のことである。
図18において、26はプログラマブル送信ビーム形成制御部である。このプログラマブル送信ビーム形成制御部26は、送信信号生成回路21、波形メモリ24およびTX−DSP25を含んでいる。送信信号生成回路21には、タイミングジェネレータ22と係数テーブル23とを設けている。タイミングジェネレータ22は、送信信号の生成タイミングの基準となる信号を発生する。TX−DSP25は送信信号生成用DSP(ディジタル信号処理回路)である。
TX−DSP25は、PDM変調波形を生成するための、2値化された基準駆動コードを、32方位に対してそれぞれ8種類の異なるウェイトについて計算し、波形メモリ24へ書き込む。さらに、送信ビーム形成のために、各チャンネルの遅延量、ウェイト値、送信方位番号(基準方位からの素子方位角)を送信周期毎に計算し、これらをテーブルとして係数テーブル23に書き込む。
送信信号生成回路21は、係数テーブル23から係数を読み出し、該当する駆動コードを波形メモリから読み出して、各チャンネル毎に送信方位番号に対応する基準駆動コードとウェイト値と遅延量とに基づいて駆動コードを生成する。
バッファメモリ27は、インタフェース20を介して各チャンネルからの受信データを一時記憶するメモリである。28はプログラマブル受信ビーム形成制御部であり、RX−DSP29、係数テーブル30、および受信ビーム形成演算部31を含んでいる。RX−DSP29は、各受信ビーム毎に各振動子による受信信号の位相とウェイトを計算し、係数テーブル30へ書き込む。受信ビーム形成演算部31は、各振動子の受信信号に対して係数テーブル30に書き込まれた位相とウェイトの計算を行って合成することにより合成受信信号を得る。この合成受信信号を受信ビーム毎の時系列データとして求め、これをバッファメモリ32へ書き込む。
33はプログラマブルフィルタであり、フィルタDSP34、係数テーブル35、およびフィルタ演算部36から構成している。このプログラマブルフィルタ33は、各受信ビームの受信信号毎に前述した相関フィルタ処理を行う。フィルタDSP34は、ビーム毎に所定の通過帯域フィルタ特性を得るためのフィルタ係数を計算し、それを係数テーブル35へ書き込む。フィルタ演算部36は係数テーブル35の係数を基に前記ディジタルフィルタの演算を行い、帯域処理済受信信号を求める。
エンベロープ検出部40は、各受信ビームの帯域処理済受信信号のエンベロープ(包絡線)を検出する。
イメージ処理部41は、各受信ビームの各距離における受信信号強度をイメージ情報化してディスプレイ42へ出力する。これによりディスプレイ42に所定探知範囲の探知画像を表示する。
操作部39は、探知範囲のティルト角の指示等を行う入力部である。ホストCPU37は、インタフェース38を介して操作部39の指示内容を読み取り、上述した各部の制御を行う。
なお、図18では省略したが、船舶のローリングやピッチングを検出する装置からそれらの情報を入力し、TX−DSP25は、船舶の動揺に関わらず常に所定の探知範囲に送信ビームを形成するように、係数テーブル23に書き込むべき係数を計算する。同様に、船舶のローリングやピッチングに応じて、RX−DSP29は、船舶の動揺に関わらず常に所定方位に受信ビームを形成するように、係数テーブル30に書き込むべき係数を計算する。
従来のDFM−FM送信法による送信信号の例を示す図である。 従来のDFM−CW送信法による送信信号の例を示す図である。 従来のDFM送信法による方位別周波数の例と受信ビームの周波数フィルタリングの効果を示す図である。 従来のDFM送信法による超音波送受信装置の全体の構成を示すブロック図である。 同超音波送受信装置のドップラ効果による第1の課題を示す図である。 従来のDFM送信法による超音波送受信装置の走航時のビーム品質の変化を示す図である。 従来のDFM送信法による超音波送受信装置の第2の課題を示す図である。 同じく第3の課題を示す図である。 第1の実施形態に係る超音波送受信装置の第1・第2のバースト波の方位別周波数の例を示す図である。 第1・第2のバースト波の構成を示す図である。 合成受信ビームと物標からの反射波とのなす角度、送受信信号、および相関フィルタの構成を示す図である。 受信信号の波形を示す図である。 超音波送受信装置全体の構成を示すブロック図である。 相関フィルタの構成を示すブロック図である。 相関フィルタの別の構成を示す図である。 第2の実施形態に係る超音波送受信装置の処理内容を示す図である。 第3の実施形態に係るスキャニングソナーの構成を示す図である。 第3の実施形態に係るスキャニングソナーの構成を示す図である。
符号の説明
103−増幅回路
104−発振回路
105−プリアンプ
106−プリフィルタ
107−A/Dコンバータ
108−ビームフォーマ
109−バンドパスフィルタ
110−信号検出回路
120−送信信号発生回路
121−相関フィルタ
122−共役遅延回路
123−掛け算回路
124−バンドパスフィルタ

Claims (4)

  1. 方位方向に複数の振動子を配列したトランスデューサと、該トランスデューサの複数の振動子を駆動して超音波を送信する送信制御手段と、前記超音波の物標からの反射波を受けて生じる前記複数の振動子の受信信号を基に、所定方位から到来する受信信号を合成して合成受信信号を得る受信制御手段とを備えた超音波送受信装置において、
    前記送信制御手段は、前記トランスデューサの基準方位を基準とする方位に応じて送信周波数の差が異なる第1・第2の2つのバースト波が送信されるように前記複数の振動子を駆動するものとし、
    前記受信制御手段は、前記第1のバースト波による前記合成受信信号の複素共役と前記第2のバースト波による前記合成受信信号との積を入力波形として求める手段と、前記第1のバースト波の複素共役と前記第2のバースト波との積に相当する波形と前記入力波形との相互相関処理を行う相関処理手段と、を備えたことを特徴とする超音波送受信装置。
  2. 前記超音波の送信から前記反射波の受信までの前記トランスデューサの基準方位の旋回角を検知する手段を備え、前記旋回角だけ前記相関処理手段の前記方位に応じた送信周波数の差を偏位させる手段を備えた請求項1に記載の超音波送受信装置。
  3. 前記送信制御手段は、前記第1・第2のバースト波を所定の遅延時間をもって時間的に重ならないタイミングで順次送信する請求項1または2に記載の超音波送受信装置。
  4. 請求項1〜3のうちいずれかに記載の超音波送受信装置と、該超音波送受信装置の送信制御手段および受信制御手段の制御により、探査すべき方位を順次走査して、各方位の前記相関処理手段によってフィルタリングされた信号から探知範囲の探知画像データを求め、該探知画像データを表示する手段と、を備えたスキャニングソナー。
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