JP5257828B2 - 回路基板及びその接続方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板及びその接続方法に関し、特に、基板上に設けられた配線層を被覆する平坦化膜が形成された回路基板及びその接続方法に関する。
近年、薄型テレビジョンやパーソナルコンピュータのモニタとして、また、携帯電話や携帯音楽プレーヤの表示デバイスとして、薄型かつ軽量で、省電力の液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」と略記する)表示装置等の普及が著しい。これらの表示装置においては、一般に表示特性に優れたアクティブマトリクス駆動方式が採用されている。
アクティブマトリクス駆動方式に対応した液晶表示パネルや有機EL表示パネルは、周知のように、絶縁性の基板上に複数の表示画素がマトリクス状に配列され、各表示画素ごとに当該表示画素への表示データ(例えば階調信号電圧)の書き込み動作を制御するための選択スイッチとして薄膜トランジスタ(TFT;画素トランジスタ又は選択トランジスタ)が設けられている。
ここで、アクティブマトリクス駆動方式の有機EL表示パネルに適用される表示画素としては、複数の薄膜トランジスタ(TFT)を備えた画素回路が知られており、さらにそのパネル構造としては、例えば特許文献1に記載されているように、基板上に設けられた上記画素回路(複数の薄膜トランジスタ)を被覆するように平坦化膜(層)が形成され、その上に有機EL素子が積層形成されたもの知られている。
特開2005−11793号公報 (第7頁〜第11頁、図1)
上述したような基板上に設けられた薄膜トランジスタ上に平坦化膜が被覆形成された表示パネル(回路基板)において、上記平坦化膜が基板上の画素形成領域(画素エリア)外であって、例えば基板外部のフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit;FPC)等の配線端子部やCOG(Chip
On Glass)実装で用いられるICチップの端子部等(以下、「外部配線端子部」と総称する)と接続される端子領域にまで形成されている場合、基板上に形成された平坦化膜に開口部を形成し、当該開口部内で平坦化膜の下に位置する配線層(例えば上記薄膜トランジスタに直接又は間接的に接続された配線層;以下、「TFT配線層」と記す)と上記外部配線端子部とを接続する端子構造が採用されている。
ここで、平坦化膜は表面での平坦性を確保するためにある程度の厚さが必要であったが、当該平坦化膜に形成された開口部内において、例えば、導電粒子を含む導電フィルムや導電接着剤等を介してTFT配線層と外部配線端子部を接続する場合にあっては、導電性粒子の粒径が平坦化膜の膜厚よりも小さいと、導電性粒子を介した上下方向での導通が十分機能せず、接続不良を起こし製造歩留まりが悪化するという問題を有していた。同様にCOG実装においても、ICチップの端子部の厚さが平坦化膜の膜厚よりも小さいと接続不良を起こすことになる。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、基板上に設けられた回路素子に接続された配線層と外部配線端子部とを良好に接続することができる端子構造(デバイス構造)を備えた回路基板、及び、当該回路基板の接続方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明に係る回路基板は、基板上に形成された配線層と、前記配線層の一部を露出する開口部が形成されている平坦化膜と、前記開口部を介して前記配線層に接続されるとともに、前記開口部から前記平坦化膜上の所定の領域に延在して形成され、導電性粒子を介して該所定の領域で前記基板外部の配線端子部と接続する端子電極と、前記基板上に配列され、画素電極を有する表示素子と、前記表示素子の前記画素電極に直接又は間接的に接続され且つ前記表示素子を駆動するための特定の電極を有する薄膜トランジスタを備えた駆動回路と、を有する複数の表示画素と、を有し、前記配線層は、前記表示画素を選択状態に設定する選択ラインと、電源に直接又は間接的に接続され前記駆動回路に接続された電源電圧ラインと、を有し、さらに前記端子電極が延在して形成された前記所定の領域に対応して、前記平坦化膜の下方に延在するように且つ前記薄膜トランジスタの前記特定の電極と同層に形成され、前記平坦化膜に設けられたコンタクトホールを介して前記端子電極と接続するとともに前記薄膜トランジスタの前記特定の電極に直接又は間接的に接続され、前記端子電極は、前記選択ラインに接続される第1端子パッド部と、前記電源電圧ラインに接続される第2端子パッド部と、を有し、さらに少なくとも光透過特性を有する導電性酸化金属層を含む単層又は複数層の導電層により前記画素電極と同層に形成され、前記駆動回路は、前記平坦化膜の下方に形成され、前記表示素子は前記平坦化膜の上層に形成され、前記平坦化膜は、有機材料からなり、前記複数の表示画素が配列された画素エリア、及び、前記端子電極が形成される領域を被覆するように形成されていることを特徴とする。
請求項記載の発明に係る回路基板の接続方法において、前記回路基板は、基板上に形成された配線層と、前記配線層の一部を露出する開口部が形成されている平坦化膜と、前記開口部を介して前記配線層に接続されるとともに、前記開口部から前記平坦化膜上の所定の領域に延在して形成される端子電極と、前記基板上に配列され、画素電極を有する表示素子と、前記表示素子の前記画素電極に直接又は間接的に接続され且つ前記表示素子を駆動するための特定の電極を有する薄膜トランジスタを備えた駆動回路と、を有する複数の表示画素と、を有し、前記配線層は、前記表示画素を選択状態に設定する選択ラインと、電源に直接又は間接的に接続され前記駆動回路に接続された電源電圧ラインと、を有し、さらに前記端子電極が延在して形成された前記所定の領域に対応して、前記平坦化膜の下方に延在するように且つ前記薄膜トランジスタの前記特定の電極と同層に形成され、前記平坦化膜に設けられたコンタクトホールを介して前記端子電極と接続するとともに前記薄膜トランジスタの前記特定の電極に直接又は間接的に接続され、前記端子電極は、前記選択ラインに接続される第1端子パッド部と、前記電源電圧ラインに接続される第2端子パッド部と、を有し、さらに少なくとも光透過特性を有する導電性酸化金属層を含む単層又は複数層の導電層により前記画素電極と同層に形成され、前記駆動回路は、前記平坦化膜の下方に形成され、前記表示素子は前記平坦化膜の上層に形成され、前記平坦化膜は、有機材料からなり、前記複数の表示画素が配列された画素エリア、及び、前記端子電極が形成される領域を被覆するように形成され、前記端子電極の前記所定の領域に、導電性粒子を介して前記基板外部配線端子部を接続することを特徴とする。
本発明に係る回路基板及びその接続方法によれば、回路素子に接続された配線層と外部配線端子部とを良好に接続することができる。
以下、本発明に係る回路基板及びその製造方法並びに回路基板の接続方法について、具体的に説明する。ここでは、まず本発明に係る回路基板の基本構造を示してその作用効果に言及した後、有機EL表示パネルに適用した場合の実施形態について詳しく説明する。
<回路基板の基本構造>
図1は、本発明に係る回路基板に適用される、配線層と外部配線端子部との接続構造の第1の例を示す概略構成図である。また、図2は、本発明に係る回路基板に適用される、配線層と外部配線端子部との接続構造の第2の例を示す概略構成図である。ここで、図1(a)、図2(a)は、本発明に係る回路基板に適用される端子構造の要部平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示した平面図におけるIA−IA線(本明細書においては図1中に示したローマ数字の「1」に対応する記号として便宜的に「I」を用いる)に沿った断面を示す概略断面図であり、図2(b)は、図2(a)に示した平面図におけるIIC−IIC線(本明細書においては図2中に示したローマ数字の「2」に対応する記号として便宜的に「II」を用いる)に沿った断面を示す概略断面図である。
本発明の第1の例に係る回路基板の端子構造は、基板1とフィルム基板7との接続構造であって、例えば図1(a)、図1(b)に示すように、フィルム基板7には、一方の面にICチップと接続されている複数の外部配線が形成されており、外部配線は端子接続領域Rtmにおける外部配線端子部8を含んでいる。ガラス基板等の絶縁性の基板1には、一方の面に設けられたゲート絶縁膜等の絶縁膜2上に配線層3が形成され、配線層3は基板1に設けられた図示しないトランジスタに接続されている。そして配線層3上に有機材料からなる比較的厚い(2μm〜十数μm程度の)平坦化膜4が被覆形成され、該平坦化膜4に設けられたコンタクトホール(開口部)CHを介して、上記配線層3に接続されるとともに、その一端が上記平坦化膜4上の端子接続領域Rtmに延在するように端子電極5が形成されている。画素エリアにおける平坦化膜4上には、後述するように一対の電極を備えた発光素子が形成されている。フィルム基板7は、異方導電性接着剤を介して基板1に熱圧着されており、フィルム基板7の外部配線端子部8は、図1(b)に示すように、異方導電性接着剤等の接着剤9内に分散される微小な複数の導電性粒子6を介して、上記端子接続領域Rtmに延在して形成された端子電極5に電気的に接続されている。
ここで、平坦化膜4の下方に形成される配線層3は、例えば上記基板1上の画素エリアに形成される画素回路に設けられるTFT等の回路素子(図示を省略;詳しくは後述する)のゲート電極やソース、ドレイン電極となる導電層をパターニングすることによってゲート電極やソース、ドレイン電極と一体的、又は、同層に形成され、例えば当該電極に直接、又は、間接的に接続されているものであってもよい。
また、配線層3は、図1(a)、図1(b)に示すように、端子電極5が延在する端子接続領域Rtmに対応して、平坦化膜4の下方に延在するように形成されているものであってもよい。これによれば、平坦化膜4を十分厚くすることによって端子接続領域Rtmの平坦化膜4上面の平坦性を向上させることができるため、平坦化膜4上の発光素子の一対の電極(後述する画素電極15及び対向電極19)を平滑な領域に形成することができるので、一対の電極が平坦化膜4の凹凸によって上下方向に近接してショートしてしまうことを防止できるとともに、平坦化膜4の膜厚に関わらず端子電極5と外部配線端子部8を、ひいてはICチップと基板1に設けられたトランジスタを良好に接続することができる。
また、端子電極5は、例えば平坦化膜4上の画素エリアに形成される表示画素を構成する電極(例えば有機EL素子のアノード電極やカソード電極)等となる導電層をパターニングすることによって当該電極と一体的、又は、同層に形成されているものであってもよい。図1においては、端子電極5として、例えば有機EL素子の画素電極となる錫ドープ酸化インジウム(Indium Tin Oxide;ITO)等の透明電極材料を適用した単層の透明電極層を形成した場合を示した。
平坦化膜4は、例えばアクリル系、ポリイミド系、ポリアミド系等の樹脂材料(有機材料)からなり膜厚が2μm〜十数μmに形成されている。ここで、平坦化膜4の下方の配線層3が露出するコンタクトホールCHの断面は、端子電極5がコンタクトホールCHの段差によって断線しないように、図1(b)に示すように平坦化膜4の下面(図面下方)から上面(図面上方)に向かって開口面積が広くなるようにテーパ状(傾斜断面)に形成されている。また、外部配線端子部8は、フィルム基板7の配線端子部に限らず、COG実装で用いられるICチップのバンプ電極等の端子部であってもよい。
すなわち、本発明に係る回路基板においては、端子電極5と外部配線端子部8とが接続される端子接続領域Rtmと、端子電極5と平坦化膜4下方で露出された配線層3とが接続されるコンタクトホールCHと、が例えば端子電極5の延在方向(図面左右方向)であって、平面的(図1(a)参照)にも断面的(図1(b)参照)にも別個の領域に独立して設けられている。
なお、上述した第1の例(図1)においては、端子電極5としてITO等の透明電極材料からなる単層の透明電極層を形成した場合を示したが、回路基板の第2の例として、例えば図2(a)、図2(b)に示すように、ITOの透明電極層5bの下方に例えば反射特性を有する金属層5aを形成するとともに、上層の透明電極層5bにより当該金属層5aの上面及び側面を被覆した2層構造からなる電極構造を適用するものであってもよい。金属層5a及び透明電極層5bは、有機EL素子の画素電極として機能する。
次に、本発明に係る回路基板の比較例(以下、「比較対象」と記す)を示してその特徴を検証した後、本発明の作用効果の有効性について説明する。ここでは、従来技術に示したように、平坦化膜が端子部周辺にも形成されたパネル基板において、平坦化膜に設けられた開口部内で、平坦化膜の下方に形成された配線層と外部配線端子部とが接続された接続構造を比較対象とする。
図3は、本発明に係る回路基板の、比較対象となる配線層と外部配線端子部との接続構造の第1の例(第1の比較対象)を示す概略構成図であり、図4は、本発明に係る回路基板の、比較対象となる配線層と外部配線端子部との接続構造の第2の例(第2の比較対象)を示す概略構成図である。ここで、図3(a)、図4(a)は、各比較対象に係る回路基板に適用される端子構造の要部平面図であり、図3(b)は、図3(a)に示した平面図におけるIIIE−IIIE線(本明細書においては図3中に示したローマ数字の「3」に対応する記号として便宜的に「III」を用いる)に沿った断面を示す概略断面図であり、図3(a)は、図3(b)に示したIIIF−IIIF線における矢視平面図であり、図4(b)は、図4(a)に示した平面図におけるIVG−IVG線(本明細書においては図4中に示したローマ数字の「4」に対応する記号として便宜的に「IV」を用いる)に沿った断面を示す概略断面図であり、図4(a)は、図4(b)に示したIVH−IVH線における矢視平面図である。なお、上述した本発明に係るトランジスタの基本構造(図1、図2)と同一の構成については、同等の符号を付して説明する。また、比較対象に係る回路基板においては、端子電極として、上述した本発明に係る回路基板の基本構造の第2の例(図2参照)に示したように、金属層5aと透明電極層5bを積層した2層構造からなる電極構造を適用した場合を示す。
第1の比較対象に係る回路基板の端子構造は、例えば図3(a)、図3(b)に示すように、基板101上に絶縁膜102を介して配線層103が形成され、該配線層103上に被覆形成された平坦化膜104に設けられた開口部TH内に露出する上記配線層103に接続され、周縁部が開口部TH近辺の平坦化膜104上にまで延在するように端子電極105(金属層105a及び透明電極層105b)が形成され、当該端子電極105が開口部TH内において異方導電性接着剤等に含まれる導電性粒子106を介して、フィルム基板107等の外部配線端子部108に接続されている。すなわち、第1の比較対象においては、開口部THが上述した本発明に係る回路基板の端子接続領域Rtmに相当する。
このような回路基板において、平坦化膜104として、上述した本発明と同様に有機材料を用い、2μm〜十数μm程度の比較的膜厚の厚い層を形成した場合、図3(b)に示すように、異方導電性接着剤等の接着剤110内に分散される導電性粒子106が端子電極105及び外部配線端子部108の双方に良好に密着して接続(圧着)されるためには、導電性粒子106が平坦化膜104の膜厚以上の大きさを有している必要がある。
しかしながら、一般的な異方導電性接着剤は、接触抵抗を低くするため、つまり単位面積あたりの導電性粒子と端子部との接触箇所を増やすため、有機材料を用いた平坦化膜104の膜厚(例えば数〜十数μm程度)に比較して導電性粒子106の粒径が小さく設定されているので、接続不良を生じ製造歩留まりの低下を招くという問題を有していた。この場合、平坦化膜104の膜厚よりも粒径の大きい導電性粒子106を含む異方導電性接着剤を使用することが考えられるが、このような製品は特殊な仕様となり、入手が著しく困難或いはコストが高くなるという問題を有している。
これに対して、図3に示した問題を解決するための接続構造として、例えば図4(a)、(b)に示すように、少なくとも回路基板の端子接続領域Rtm(すなわち端子電極105の形成領域)の周辺には有機材料からなる比較的厚い平坦化膜104を形成することなく、基板101上の配線層103を酸化シリコンや窒化シリコン等の比較的薄い無機絶縁膜109のみで被覆し、該無機絶縁膜109に形成された開口部TH内において、異方導電性接着剤等に含まれる導電性粒子106を介して、配線層103に接続された端子電極105とFPC107等の外部配線端子部108とを接続した回路基板を第2の比較対象とする。ここで、端子接続領域Rtm以外の基板101上の領域、例えば画素エリア等には薄い無機絶縁膜109と有機材料からなる比較的厚い平坦化膜104が被覆形成されているものとする。
この場合、端子接続領域Rtm周辺には比較的膜厚が厚い平坦化膜が形成されておらず、無機絶縁膜109の膜厚は、数百nmと比較的薄く形成されるので、上述した第1の比較対象のように異方導電性接着剤に合まれる導電性粒子106の粒径に影響されることなく、市販の異方導電性接着剤を適用して端子電極105と外部配線端子部108とを良好に接続することができる。
しかしながら、このような接続構造を有する回路基板を、後述するような有機EL表示パネルに適用して、有機EL素子を構成する電極(例えばアノード電極)となる導電層を無機絶縁膜109上でエッチングすることにより上記電極と同じ形成エ程で上記端子電極105を形成する場合、画素エリアにパターニングされる電極層(ITO等)の下地層として有機材料からなる平坦化膜上で上記導電層をエッチングする場合に比べて上記導電層のエッチングレートが遅いために、画素エリアの導電層と端子電極105を均一にエッチングすることができず、端子電極105の平面パターンの不良が発生して隣接する端子電極105間の短絡や、有機EL素子を構成する電極の破断等を招く恐れがあるという問題を有していた。
そこで、本発明においては、上述(図1、図2参照)したように端子接続領域Rtmの周辺にまで有機材料からなる比較的膜厚の厚い平坦化膜4が形成された回路基板において、平坦化膜4の下方に配設された配線層3と、有機EL素子等の電極となる導電層をパターニングすることによって電極と同時に形成される端子電極5(又は、金属層5a及び透明電極層5b)とが、端子接続領域Rtm外に形成されたコンタクトホールCHで電気的に接続され、当該コンタクトホールCHから平坦化膜4上に延在して形成された端子電極5(金属層5a及び透明電極層5b)と、フィルム基板7等の外部配線端子部8とが、平坦化膜4上の端子接続領域Rtmにおいて異方導電性接着剤等に含まれる導電性粒子6を介して電気的に接続された接続構造を有している。
これによれば、平坦化膜4上の端子接続領域Rtmで端子電極5と外部配線端子部8とを接続することができるので、平坦化膜4の膜厚や異方導電性接着剤等に含まれる導電性粒子6の粒径に影響されることなく、良好に電気的な接続を実現することができる。また、端子電極5及び有機EL素子等の電極を、同一の下地層(平坦化膜4)上に形成された同一の電極材料(ITO等)からなる単一の電極層を同時にパターニングすることにより形成することができるので、エッチングレートに影響されることなく、良好な平面パターンを有する端子電極5を形成することができる。
<回路基板の具体例>
次に、上述した回路基板の端子構造を適用した表示パネルについて具体例を示して説明する。ここで、以下に示す具体例においては、表示画素を構成する表示素子(発光素子)として、有機材料を塗布して形成される発光機能層(有機EL層)を備えた有機EL素子を適用した場合について説明する。
図5は、本発明に係る回路基板を適用した表示パネルに適用される表示画素の配列状態の一例を示す概略平面図であり、図6は、本発明に係る回路基板を適用した表示パネルに2次元配列される各表示画素(発光素子及び画素駆動回路)の回路構成例を示す等価回路図である。なお、図5に示す平面図においては、図示の都合上、表示パネル(絶縁性基板)を一面側(発光素子の形成側)から見た場合の、各表示画素(色画素)に設けられる画素電極と各配線層のみを示し、各表示画素の有機EL素子(発光素子)を発光駆動するために各表示画素に設けられる画素駆動回路(図6、図7参照)内のトランジスタ等の表示を省略した。また、図5においては、画素電極及び各配線層の配置を明瞭にするために、便宜的にハッチングを施して示した。
本発明に係る回路基板の適用例は、例えば図5に示すように、ガラス基板等の絶縁性基板11の一面側(紙面に垂直方向の図面手前側)の中央に位置する画素エリアに、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなる色画素PXr、PXg、PXbが行方向(図面左右方向)に繰り返し複数(3の倍数)配列されるとともに、列方向(図面上下方向)に同一色の色画素PXr、PXg、PXbが複数配列されている。ここでは、隣接するRGB3色の色画素PXr、PXg、PXbを一組として一の表示画素PIXが形成されている。
表示パネル10は、絶縁性基板11の一面側から突出し、柵状又は格子状の平面パターンを有して配設されたバンク(隔壁)17により、列方向に配列された同一色の複数の色画素PXr、PXg、又は、PXbの画素形成領域(各色画素領域)が画定される。また、各色画素PXr、PXg、又は、PXbの画素形成領域には、画素電極(例えばアノード電極)15が形成されているとともに、上記バンク17の配設方向に並行して列方向(図面上下方向)にデータラインLdが配設され、また、当該データラインLdに直交する行方向(図面左右方向)に選択ラインLs及び電源電圧ラインLv(配線層)が並行に配設されている。選択ラインLsの一方の端部には端子パッド部(端子電極)PDsが設けられ、電源電圧ラインLvの一方の端部にも端子パッド部(端子電極)PDvが設けられている。
ここで、端子パッド部PDs、PDvは、各々上述した本発明に係る回路基板(図1、図2参照)と同等の端子構造を有し、選択ラインLs及び電源電圧ラインLv上に被覆形成された平坦化膜(図示を省略;図12参照)に開口されたコンタクトホールを介して端子電極が接続されている。端子電極は、後述するように、平坦化膜上に形成される画素電極15(有機EL素子の例えばアノード電極)となる導電層をパターニングすることによって同じ工程で形成される。
表示画素PIXの各色画素PXr、PXg、PXbは、例えば図6に示すように、絶縁性基板11上に1乃至複数のトランジスタ(例えばアモルファスシリコン薄膜トランジスタ等;回路素子)を有する画素駆動回路DCと、当該画素駆動回路DCにより生成される発光駆動電流が、上記画素電極15に供給されることにより発光動作する有機EL素子(表示素子)OLEDと、を備えた回路構成を有している。
画素駆動回路DCは、具体的には、例えば図6に示すように、ゲート端子が選択ラインLsに、ドレイン端子が表示パネル10の列方向に配設されたデータラインLdに、ソース端子が接点N11に各々接続されたトランジスタ(選択トランジスタ)Tr11と、ゲート端子が接点N11に、ドレイン端子が電源電圧ラインLvに、ソース端子が接点N12に各々接続されたトランジスタ(発光駆動トランジスタ)Tr12と、トランジスタTr12のゲート端子及びソース端子間に接続されたキャパシタCsと、を備えている。
ここでは、トランジスタTr11、Tr12はいずれもnチャネル型の薄膜トランジスタ(電界効果型トランジスタ)が適用されている。トランジスタTr11、Tr12がpチャネル型であれば、ソース端子及びドレイン端子が互いに逆になる。また、キャパシタCsはトランジスタTr12のゲート−ソース間に形成される寄生容量、又は、該ゲート−ソース間に付加的に設けられた補助容量、もしくは、これらの寄生容量と補助容量からなる容量成分である。
有機EL素子OLEDは、アノード端子(アノード電極となる画素電極15)が上記画素駆動回路DCの接点N12に接続され、カソード端子(カソード電極)が対向電極19と一体的に形成され、所定の基準電圧Vcom(例えば接地電位Vgnd)に直接又は間接的に接続されている。ここで、対向電極19は、図5に示すように、絶縁性基板11上に2次元配列された複数の表示画素PIXの画素電極15に対して共通に対向するように、単一の電極層(べた電極)により形成されている。これにより、複数の表示画素PIXに上記基準電圧Vcomが共通に印加される。
図5に示した表示画素PIX(図6に示した画素駆動回路DC及び有機EL素子OLED)において、選択ラインLsは、図示を省略した選択ドライバに接続され、所定のタイミングで表示パネル10の行方向に配列された複数の表示画素PIX(色画素PXr、PXg、PXb)を選択状態に設定するための選択信号Sselが印加される。また、データラインLdは、図示を省略したデータドライバに接続され、上記表示画素PIXの選択状態に同期するタイミングで表示データに応じた階調信号Vpixが印加される。
また、電源電圧ラインLvは、例えば所定の高電位電源に直接又は間接的に接続され、各表示画素PIX(色画素PXr、PXg、PXb)に設けられる有機EL素子OLEDの画素電極15に表示データに応じた発光駆動電流を流すために、有機EL素子OLEDの対向電極19に印加される基準電圧Vcomより電位の高い、所定の高電圧(電源電圧Vdd)が印加される。
すなわち、図6に示す画素駆動回路DCにおいては、各表示画素PIXにおいて直列に接続されたトランジスタTr12と有機EL素子OLEDの組の両端(トランジスタTr12のドレイン端子と有機EL素子OLEDのカソード端子)にそれぞれ電源電圧Vddと基準電圧Vcomを印加して、有機EL素子OLEDに順バイアスを付与し、有機EL素子OLEDが発光可能な状態とし、さらに、階調信号Vpixに応じて有機EL素子OLEDに流れる発光駆動電流の電流値を制御している。
そして、このような回路構成を有する表示画素PIXにおける駆動制御動作は、まず、図示を省略した選択ドライバから選択ラインLsに対して、所定の選択期間に選択レベル(オンレベル;例えばハイレベル)の選択信号Sselを印加することにより、トランジスタTr11がオン動作して当該表示画素PIXが選択状態に設定される。このタイミングに同期して、図示を省略したデータドライバから表示データに応じた電圧値を有する階調信号VpixをデータラインLdに印加するように制御する。これにより、トランジスタTr11を介して、階調信号Vpixに応じた電位が接点N11(すなわち、トランジスタTr12のゲート端子)に印加される。
図2に示した回路構成を有する画素駆動回路DCにおいては、トランジスタTr12のドレイン−ソース間電流(すなわち、有機EL素子OLEDに流れる発光駆動電流)の電流値は、ドレイン−ソース間の電位差及びゲート−ソース間の電位差によって決定される。ここで、電源電圧ラインLvを介してトランジスタTr12のドレイン端子(ドレイン電極)に印加される電源電圧Vddと、上述した対向電極19を介して有機EL素子OLEDのカソード端子(カソード電極)に印加される基準電圧Vcomは固定値であるので、トランジスタTr12のドレイン−ソース間の電位差は、電源電圧Vddと基準電圧Vcomによって予め固定されている。そして、トランジスタTr12のゲート−ソース間の電位差は、階調信号Vpixの電位によって一義的に決定されるので、トランジスタTr12のドレイン−ソース間に流れる電流の電流値は、階調信号Vpixによって制御することができる。
このように、トランジスタTr12が接点N11の電位に応じた導通状態(すなわち、階調信号Vpixに応じた導通状態)でオン動作して、高電位側の電源電圧VddからトランジスタTr12及び有機EL素子OLEDを介して低電位側の基準電圧Vcom(接地電位Vgnd)に、所定の電流値を有する発光駆動電流が流れるので、有機EL素子OLEDが階調信号Vpix(すなわち表示データ)に応じた輝度階調で発光動作する。また、このとき、接点N11に印加された階調信号Vpixに基づいて、トランジスタTr12のゲート−ソース間のキャパシタCsに電荷が蓄積(充電)される。
次いで、上記選択期間終了後の非選択期間において、選択ラインLsに非選択レベル(オフレベル;例えばローレベル)の選択信号Sselを印加することにより、表示画素PIXのトランジスタTr11がオフ動作して当該表示画素PIXが非選択状態に設定され、データラインLdと画素駆動回路DC(具体的には接点N11)とが電気的に遮断される。このとき、上記キャパシタCsに蓄積された電荷が保持されることにより、トランジスタTr12のゲート端子に階調信号Vpixに相当する電圧が保持された(すなわち、ゲート−ソース間の電位差が保持された)状態となる。
したがって、上記選択状態における発光動作と同様に、電源電圧VddからトランジスタTr12を介して、有機EL素子OLEDに所定の発光駆動電流が流れて、発光動作状態が継続される。この発光動作状態は、次の階調信号Vpixが印加される(書き込まれる)まで、例えば、1フレーム期間継続するように制御される。そして、このような駆動制御動作を、表示パネル10に2次元配列された全ての表示画素PIX(各色画素PXr、PXg、PXb)について、例えば各行ごとに順次実行することにより、所望の画像情報を表示する画像表示動作を実行することができる。
なお、図6においては、表示画素PIXに設けられる画素駆動回路DCとして、表示データに応じて各表示画素PIX(具体的には、画素駆動回路DCのトランジスタTr12のゲート端子;接点N11)に書き込む階調信号Vpixの電圧値を調整(指定)することにより、有機EL素子OLEDに流す発光駆動電流の電流値を制御して、所望の輝度階調で発光動作させる電圧指定型の階調制御方式に対応した回路構成を示したが、表示データに応じて各表示画素PIXに供給する(書き込む)電流の電流値を調整(指定)することにより、有機EL素子OLEDに流す発光駆動電流の電流値を制御して、所望の輝度階調で発光動作させる電流指定型の階調制御方式の回路構成を有するものであってもよい。
(表示画素のデバイス構造)
次に、上述したような回路構成を有する表示画素(発光駆動回路及び有機EL素子)の具体的なデバイス構造(平面レイアウト及び断面構造)を示し、本発明の適用について説明する。
図7は、本発明に係る回路基板を適用した表示パネルに適用可能な表示画素の一例を示す平面レイアウト図である。ここでは、図5に示した表示画素PIXの赤(R)、緑(G)、青(B)の各色画素PXr、PXg、PXbのうちの、特定の一の色画素の平面レイアウトを示す。なお、図7においては、画素駆動回路DCの各トランジスタ及び配線層等が形成された層を中心に示し、各配線層及び各電極の配置を明瞭にするために、便宜的にハッチングを施して示した。また、図8は、図7に示した平面レイアウトを有する表示画素における断面構造を示す概略断面図である。図8(a)は、図7に示した平面レイアウトにおけるVIIJ−VIIJ線(本明細書においては図7中に示したローマ数字の「7」に対応する記号として便宜的に「VII」を用いる)に沿った断面を示す概略断面図であり、図8(b)は、図7に示した平面レイアウトにおけるVIIK−VIIK線に沿った断面を示す概略断面図である。
図6に示した表示画素PIX(色画素PXr、PXg、PXb)は、具体的には、絶縁性基板11の一面側に設定された画素形成領域(各色画素PXr、PXg、PXbにおける有機EL素子の形成領域;図8参照)Rpxにおいて、例えば図7に示すような平面レイアウトの上方及び下方の縁辺領域に行方向(図面左右方向)に延在するように、選択ラインLs及び電源電圧ラインLvが各々配設されるとともに、これらのラインLs、Lvに直交するように、上記平面レイアウトの左方の縁辺領域に列方向(図面上下方向)に延在するようにデータラインLdが配設されている。また、上記平面レイアウトの右方の縁辺領域には右側に隣接する色画素にまたがって列方向に延在するようにバンク(詳しくは後述する)17が配設されている。
ここで、例えば図7、図8に示すように、データラインLdは、選択ラインLs及び電源電圧ラインLvよりも下方側(絶縁性基板11側)に設けられ、トランジスタTr11、Tr12のゲート電極Tr11g、Tr12gを形成するためのゲートメタル層をパターニングすることによって、当該ゲート電極Tr11g、Tr12gと同じ工程で当該ゲート電極Tr11g、Tr12gと同層に形成される。また、データラインLdは、その上に被覆形成されたゲート絶縁膜12に設けられたコンタクトホールCH11を介して、トランジスタTr11のドレイン電極Tr11dに接続されている。
選択ラインLs及び電源電圧ラインLvは、データラインLdやゲート電極Tr11g、Tr12gよりも上層側に設けられ、トランジスタTr11、Tr12のソース電極Tr11s、Tr12s、ドレイン電極Tr11d、Tr12dを形成するためのソース、ドレインメタル層をパターニングすることによって、当該ソース電極Tr11s、Tr12s、ドレイン電極Tr11d、Tr12dと同じ工程で形成される。
選択ラインLsは、トランジスタTr11のゲート電極Tr11gの両端に位置するゲート絶縁膜12に設けられたコンタクトホールCH12を介してゲート電極Tr11gに接続されている。また、電源電圧ラインLvは、トランジスタTr12のドレイン電極Tr12dと一体的に形成されている。
画素駆動回路DCの各回路素子は、例えば図7に示すように、図6に示したトランジスタTr11が行方向に延在するように配置され、また、トランジスタTr12が列方向に沿って延在するように配置されている。ここで、各トランジスタTr11、Tr12は、周知の電界効果型の薄膜トランジスタ構造を有し、各々、ゲート電極Tr11g、Tr12gと、ゲート絶縁膜12を介して各ゲート電極Tr11g、Tr12gに対応する領域に形成された半導体層SMCと、該半導体層SMCの両端部に延在するように形成されたソース電極Tr11s、Tr12s及びドレイン電極Tr11d、Tr12dと、を有している。
なお、各トランジスタTr11、Tr12のソース電極Tr11s、Tr12sとドレイン電極Tr11d、Tr12dが対向する半導体層SMC上には当該半導体層SMCへのエッチングダメージを防止するための酸化シリコン又は窒化シリコン等からなるチャネル保護層BLが形成され、また、ソース電極Tr11s、Tr12s及びドレイン電極Tr11d、Tr12dと半導体層SMCとの間には、当該半導体層SMCとソース電極Tr11s、Tr12s及びドレイン電極Tr11d、Tr12dとのオーミック接続を実現するための不純物層OHMが形成されている。
そして、図6に示した画素駆動回路DCの回路構成に対応するように、トランジスタTr11は、図7に示すように、ゲート電極Tr11gがゲート絶縁膜12に設けられたコンタクトホールCH12を介して選択ラインLsに接続され、同ドレイン電極Tr11dがゲート絶縁膜12に設けられたコンタクトホールCH11を介してデータラインLdに接続されている。
トランジスタTr12は、図7、図8に示すように、ゲート電極Tr12gがゲート絶縁膜12に設けられたコンタクトホールCH13を介して上記トランジスタTr11のソース電極Tr11sに接続され、同ドレイン電極Tr12dが電源電圧ラインLvと一体的に形成され、同ソース電極Tr12sが無機絶縁膜13及び平坦化膜14に設けられたコンタクトホールCH14を介して有機EL素子OLEDの画素電極15に接続されている。
また、キャパシタCsは、図7、図8に示すように、絶縁性基板11上にトランジスタTr12のゲート電極Tr12gと一体的に形成された電極Ecaと、ゲート絶縁膜12上にトランジスタTr12のソース電極Tr12sと一体的に形成された電極Ecbと、がゲート絶縁膜12を介して対向するように設けられている。また、上述したように、電極Ecb上の無機絶縁膜13及び平坦化膜14にはコンタクトホールCH14が設けられ、当該コンタクトホールCH14を介して有機EL素子OLEDの画素電極15に接続されている。
有機EL素子OLEDは、図7、図8に示すように、上記画素駆動回路DC(トランジスタTr11、Tr12、キャパシタCs等)を被覆するように形成された酸化シリコン等からなる無機絶縁膜13上に、少なくとも有機EL素子が形成される領域を平坦化するための樹脂材料等からなる平坦化膜14が形成され、当該平坦化膜14上に、無機絶縁膜13及び平坦化膜14を貫通して設けられたコンタクトホールCH14を介してトランジスタTr12のソース電極Tr12sに接続されて所定の発光駆動電流が供給される、光反射特性を有する反射層15a及び光透過特性を有する透明電極層15bからなる光透過特性を有する画素電極(例えばアノード電極)15と、隣接する表示画素PIX相互の画素電極15間の平坦化膜14上に形成された層間絶縁膜16及び絶縁性基板11(層間絶縁膜16)表面から突出して配設されたバンク17により画定された(バンク17に取り囲まれた領域である)画素形成領域Rpxに形成された正孔輸送層18a及び電子輸送性発光層18bからなる有機EL層(発光機能層)18と、絶縁性基板11上に2次元配列された各表示画素PIXの画素電極15に共通して対向するように設けられた光透過特性を有する単一の電極層(べた電極)からなる対向電極(例えばカソード電極)19と、が順次積層されている。なお、対向電極19は、各画素形成領域Rpxだけでなく、当該画素形成領域Rpxを画定するバンク17上にも延在するように設けられている。
ここで、図7、図8に示したパネル構造においては、選択ラインLs及び電源電圧ラインLvをトランジスタTr11、Tr12のソース電極Tr11s、Tr12s及びドレイン電極Tr11d、Tr12dを形成するためのソース、ドレインメタル層をパターニングすることによって形成し、選択ラインLsをコンタクトホールCH12を介してトランジスタTr11のゲート電極Tr11gに接続し、電源電圧ラインLvをトランジスタTr12のドレイン電極Tr12dと一体的に形成し、また、データラインLdをトランジスタTr11、Tr12のゲート電極Tr11g、Tr12gを形成するためのゲートメタル層をパターニングすることによって形成し、コンタクトホールCH11を介してトランジスタTr11のドレイン電極Tr11dに接続する場合について説明したが、本発明に係る回路基板を適用可能な表示パネルはこれに限定されるものではなく、選択ラインLs及び電源電圧ラインLvを上記ゲートメタル層をパターニングすることによってゲート絶縁膜12の下方に形成し、データラインLdを上記ソース、ドレインメタル層をパターニングすることによってゲート絶縁膜12の上層に形成することでコンタクトホールCH11及びCH12を設けることなく、選択ラインLsをゲート電極Tr11gと一体的に、また、データラインLdをドレイン電極Tr11dと一体的に設けるようにしてもよい。なおこの場合、代わりにドレイン電極Tr12dと電源電圧ラインLvとを接続するためのコンタクトホールを形成する。
バンク17は、表示パネル10に2次元配列される複数の表示画素PIX(各色画素PXr、PXg、PXb)相互の境界領域(各画素電極15間の領域)であって、表示パネル10の列方向に(表示パネル10全体では例えば図5に示したように柵状又は格子状の平面パターンを有するように)配設されている。ここで、図7、図8に示すように、上記境界領域のうち、表示パネル10(絶縁性基板11)の列方向には上記トランジスタTr12が延在して形成されており、バンク17は、例えば当該トランジスタTr12を略被覆し、各表示画素PIXの画素形成領域Rpxの画素電極15間に形成される層間絶縁膜16上に、絶縁性基板11表面から連続的に突出するように形成されている。これにより、バンク17により囲まれた列方向に延在する領域(列方向(図5の上下方向)に配列された複数の表示画素PIXの画素形成領域Rpx)が、有機EL層18(正孔輸送層18a及び電子輸送性発光層18b)を形成する際の有機化合物材料の塗布領域として規定される。
ここで、バンク17は、例えば感光性の樹脂材料を用いて形成され、少なくともその表面(側面及び上面)が、画素形成領域Rpxに塗布される有機化合物含有液に対して撥液性を有するように表面処理が施されている。
そして、上記画素駆動回路DC、有機EL素子OLED及びバンク17が形成された絶縁性基板11の一面側全域には、例えば図8(a)、図8(b)に示すように、保護絶縁膜(パッシベーション膜)としての機能を有する封止層20が被覆形成されている。さらには、図示を省略したが、絶縁性基板11に対向するようにガラス基板等からなる封止基板が接合されているものであってもよい。
このような表示パネル10(表示画素PIX)においては、データラインLdを介して供給される表示データに応じた階調信号Vpixに基づいて、所定の電流値を有する発光駆動電流がトランジスタTr12のソース−ドレイン間に流れ、有機EL素子OLEDの画素電極15に供給されることにより、各表示画素PIX(各色画素PXr、PXg、PXb)の有機EL素子OLEDが上記表示データに応じた所望の輝度階調で発光動作する。
ここで、図7、図8に示したようなデバイス構造を有する表示画素PIXにおいては、画素電極15の上層を構成する透明電極層15b及び対向電極19が光透過特性(可視光に対して高い透過率)を有するとともに、画素電極15の下方側を構成する反射層15aが光反射特性(可視光に対して高い反射率)を有することにより、各表示画素PIXの有機EL層18において発光した光は、光透過特性を有する対向電極19を介して視野側(図8の上方)に直接放出されるとともに、画素電極15(下層を構成する反射層15a)で反射して対向電極19を介して視野側に放出される。すなわち、本実施形態に係る表示パネル10は、トップエミッション型の発光構造を有し、絶縁性基板11上に形成された画素駆動回路DCの各回路素子や配線層が、図7に示すように、平坦化膜14上に形成された有機EL素子OLEDと平面的に重なるように配置されている。
なお、本発明は上述したように、トップエミッション型の発光構造を有する表示パネル(有機ELパネル)に限定されるものではなく、対向電極19を光反射特性を有する導電膜により構成し、画素電極15をITO等の透明電極層のみにより構成することにより、有機EL層18において発光した光を、絶縁性基板11側に出射するボトムエミッション型の発光構造を有する表示パネルに適用するものであってもよい。
また、上述した表示パネルにおいては、表示画素PIXとして発光素子である有機EL素子OLEDと、複数(2個)の薄膜トランジスタ(TFT)からなる画素駆動回路DCとを備えた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示パネルを構成する基板(絶縁性基板)上に1又は複数(2個以上)の薄膜トランジスタやキャパシタ等の機能素子を備え、当該機能素子により表示画素を駆動するものであれば、液晶表示パネル等の他の表示パネルやデバイスにも良好に適用することができる。
(表示パネルの製造方法)
次に、上述した表示パネルの製造方法について説明する。
図9乃至図11は、本発明に係る回路基板を適用した表示パネルの製造方法の一例を示す工程断面図である。ここでは、本発明に係る回路基板を適用した表示パネルの製造方法の特徴を明確にするために、図8(a)に示したIIVJ−IIVJ断面のパネル構造の一部分(トランジスタTr12、キャパシタCs、バンク17、有機EL素子OLED)、及び、図5に示した選択ラインLsの端部に設けられる端子パッド部PDs、電源電圧ラインLvの端部に設けられる端子パッド部PDvを便宜的に抜き出した構造を示して説明する。また、選択ラインLs及び電源電圧ラインLvは、低抵抗化等を図るため、後述するように、積層配線構造を有している。図12は、本発明に係る回路基板を適用した表示パネルにおける端子パッド部と外部配線端子部との接続構造の一例を示す概略断面図であり、図13は、本発明に係る回路基板を適用した表示パネルにおける端子パッド部と外部配線端子部との接続構造の他の例を示す概略断面図である。
上述した表示パネルの製造方法は、まず、図9(a)に示すように、ガラス基板等の絶縁性基板11の一面側(図面上面側)に設定された表示画素PIX(各色画素PXr、PXg、PXb)の画素形成領域Rpxに、画素駆動回路DCのトランジスタTr11、Tr12やキャパシタCs、データラインLdや選択ラインLs、電源電圧ラインLv等の配線層を形成する(図7、図8参照)。
具体的には、絶縁性基板11上に、ゲート電極Tr11g、Tr12g、及び、当該ゲート電極Tr12gと一体的に形成されるキャパシタCsの一方側の電極Eca、データラインLdを同一のゲートメタル層をパターニングすることによって同時に形成し、その後、絶縁性基板11の全域に窒化シリコンからなるゲート絶縁膜12を被覆形成する。
次いで、ゲート絶縁膜12上の各ゲート電極Tr11g、Tr12gに対応する領域に、例えば、アモルファスシリコンやポリシリコン等からなる半導体層SMCを形成し、当該半導体層SMCの両端部にオーミック接続のための不純物層OHMを介してソース電極Tr11s、Tr12s及びドレイン電極Tr11d、Tr12dを形成する。
このとき、同一のソース、ドレインメタル層をパターニングすることによってソース電極Tr12sに接続されたキャパシタCsの他方側の電極Ecbを形成するとともに、上記選択ラインLs及び電源電圧ラインLvを同時に形成する。ここで、トランジスタTr11、Tr12のソース電極Tr11s、Tr12s及びドレイン電極Tr11d、Tr12d、キャパシタCsの他方側の電極Ecb、選択ラインLs、電源電圧ラインLvは、図9(a)に示すように、配線抵抗を低減し、かつ、マイグレーションを低減する目的で、例えばアルミニウム−チタン(AlTi)やアルミニウム−ネオジウム−チタン(AlNdTi)等のアルミニウム合金層と、クロム(Cr)等の遷移金属層からなる積層配線構造を有しているものであってもよい。
次いで、図9(b)に示すように、上記トランジスタTr11、Tr12、キャパシタCs、選択ラインLs及び電源電圧ラインLvを含む絶縁性基板11の一面側全域を被覆するように、酸化シリコン又は窒化シリコン等からなる無機絶縁膜13を形成する。さらに、図9(c)に示すように、上記無機絶縁膜13が形成された絶縁性基板11の一面側全域(少なくとも表示画素PIXが配列される画素エリア及び後述する端子パッド部PDs、PDvが形成される領域)を被覆するように、例えばアクリル系やエポキシ系、ポリイミド系等の樹脂材料(有機材料)を塗布し、プリベーク、露光、現像、焼成を経て、2〜十数μm程度の膜厚を有する平坦化膜14を形成する。
平坦化膜14は、具体的には、JSR製の感光性アクリル系樹脂材料PC403を良好に適用することができ、このような樹脂材料を含有する溶液を絶縁性基板11上に塗布することにより、上記2〜十数μm程度の比較的厚い膜厚を有し、かつ、絶縁性基板11表面の段差を良好に緩和することができる平坦化膜14を容易に形成することができる。
プリベーク、露光、現像、焼成による平坦化膜14のパターニング後、平坦化膜14をマスクとして無機絶縁膜13をエッチング(ドライエッチング)して、図9(d)に示すように、トランジスタTr12のソース電極Tr12s(又は、キャパシタCsの他方側の電極Ecb)の上面が露出するコンタクトホール(開口部)CH14を形成するとともに、端子パッド部PDsが設けられる選択ラインLsの端部近傍、及び、端子パッド部PDvが設けられる電源電圧ラインLvの端部近傍において、選択ラインLs及び電源電圧ラインLvの上面が露出するコンタクトホール(開口部)CHLs、CHLvを同時に形成する。
次いで、図10(a)に示すように、上記コンタクトホールCH14、CHLs、CHLvを含む平坦化膜14上にスパッタリング法等を用いて、銀(Ag)やアルミニウム(Al)等の金属材料、あるいは、アルミニウム−ネオジウム−チタン(AlNdTi)等の合金材料からなる光反射特性を有する(より具体的には、可視光域に対して高い反射率を有する)金属薄膜を形成し、その後、当該金属薄膜をパターニングして、各画素形成領域Rpx(有機EL素子OLEDの形成領域)に対応する平面形状を有するとともに、コンタクトホールCH14内部において露出したトランジスタTr12のソース電極Tr12sに電気的に接続する反射層(反射金属層)15aを形成する。
このとき同時に、上記金属薄膜をパターニングして、端子パッド部PDs、PDvの形成領域(上述した端子接続領域Rtmに対応する)において所定の平面形状を有するとともに、上記コンタクトホールCHLs、CHLv内部において露出した選択ラインLs及び電源電圧ラインLvの端部近傍に電気的に接続する金属層Psa、Pvaを形成する。
次いで、上記反射層15a及び金属層Psa、Pvaを含む絶縁性基板11の一面側全域に、スパッタリング法等を用いて錫ドープ酸化インジウム(Indium Tin Oxide;ITO)や亜鉛ドープ酸化インジウム(Indium Zinc Oxide;IZO)、タングステンドープ酸化インジウム(Indium Tungsten Oxide;IWO)、タングステン−亜鉛ドープ酸化インジウム(Indium Tungsten Zinc Oxide;IWZO)等の透明電極材料からなる(光透過特性を有する)導電性酸化金属層を、膜厚50nm程度に薄膜形成した後、当該導電性酸化金属層をパターニングして、図10(b)に示すように、上記反射層15aを完全に被覆し、画素形成領域Rpxに対応する領域に延在する透明電極層15bを形成するとともに、上記各金属層Psa、Pvaを個別に完全に被覆し、端子パッド部PDs、PDvの形成領域に延在する電極層Psb、Pvbを形成する。ここで、透明電極材料として用いられるITO等は、200℃以上の高温条件で成膜すると多結晶化し、電気抵抗を低くして導電率を高くすることができる。
これにより、選択ラインLsの端部近傍の平坦化膜14上に、選択ラインLsに電気的に接続され、金属層Psa及び電極層Psbからなる積層構造の端子電極を有する端子パッド部PDs、及び、電源電圧ラインLvの端部近傍の平坦化膜14上に、電源電圧ラインLvに電気的に接続され、金属層Pva及び電極層Pvbからなる積層構造の端子電極を有する端子パッド部PDvが形成される。
このパターニング工程において、画素電極15の反射層15aは導電性酸化金属層(透明電極層15b)により上面及び側面が完全に被覆され、また、端子パッド部PDs、PDvの金属層Psa、Pvaは導電性酸化金属層(電極層Psb、Pvb)により上面及び側面が完全に被覆されて、露出しないようにした状態で導電性酸化金属層をエッチングすることによりパターニングが行われるので、導電性酸化金属層(ITO等)と反射層15aや金属層Psa、Pvaとの間の電池反応の発生を防止することができるとともに、反射層15aや金属層Psa、Pvaがオーバーエッチングされたり、エッチングダメージを受けたりすることを防止することができる。
次いで、上記画素電極15及び端子パッド部PDs、PDvを含む絶縁性基板11の一面側全域を被覆するように、化学気相成長法(CVD法)等を用いて、例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の無機の絶縁性材料からなる絶縁層を形成した後、パターニングすることにより、図8(a)及び図10(c)に示すように、隣接する表示画素PIX(色画素PXr、PXg、PXb)との境界領域(すなわち、隣接する画素電極15相互間の領域)を被覆するとともに、各画素形成領域Rpxに画素電極15の上面が露出する開口部、及び、各端子パッド部PDs、PDvの電極層Psb、Pvbの上面が露出する開口部を有する層間絶縁膜16を形成する。
次いで、図10(c)に示すように、隣接する表示画素PIX間の境界領域に形成された上記層間絶縁膜16上に、例えばポリイミド系やアクリル系等の感光性の樹脂材料からなるバンク17を形成する。具体的には、上記層間絶縁膜16を含む絶縁性基板11の一面側全域を被覆するように形成された感光性樹脂層をパターニングすることにより、行方向に隣接する表示画素PIX間の境界領域であって、表示パネル10の列方向に延在する領域を含む柵状又は格子状の平面パターン(図5参照)を有するバンク(隔壁)17を形成する。
これにより、表示パネル10の列方向に配列された同一色の複数の表示画素PIXの画素形成領域Rpx(有機EL素子OLEDの有機EL層18の形成領域)がバンク17により囲まれて画定され、層間絶縁膜16に形成された開口部により外縁が規定された画素電極15の上面が露出する。
次いで、絶縁性基板11を純水で洗浄した後、例えば酸素プラズマ処理やUVオゾン処理等を施すことにより、各画素形成領域Rpxに露出する画素電極15の表面を、後述する正孔輸送材料や電子輸送性発光材料の有機化合物含有液に対して親液化する処理を施し、続いて、絶縁性基板11を例えば、フッ素系ガス中でプラズマ処理を行ってバンク表面を撥液化するか、または、フッ素系(ふっ素化合物)の撥液処理溶液に浸漬して取り出した後、アルコールや純水で洗浄し乾燥させてバンク17の表面に撥液性の薄膜(被膜)を形成して、バンク17の表面を有機化合物含有液に対して撥液化する。
これにより、同一の絶縁性基板11上において、バンク17の表面のみが撥液化処理され、当該バンク17により画定された各画素形成領域Rpxに露出する画素電極15の表面は撥液化されていない状態(親液性)が保持されるので、後述するように、有機化合物含有液を塗布して有機EL層18(電子輸送性発光層18b)を形成する場合であっても、隣接する画素形成領域Rpxへの有機化合物含有液の漏出や乗り越えを防止することができ、隣接画素相互の混色を抑制して、赤、緑、青色の塗り分けが可能となる。
なお、本明細書において使用する「撥液性」とは、後述する正孔輸送層18aとなる正孔輸送材料を含有する有機化合物含有液や、電子輸送性発光層18bとなる電子輸送性発光材料を含有する有機化合物含有液、もしくは、これらの溶液に用いる有機溶媒を、絶縁性基板上等に滴下して、接触角の測定を行った場合に、当該接触角が50°以上になる状態と規定する。また、「撥液性」に対峙する「親液性」とは、本実施形態においては、上記接触角が40°以下、好ましくは10°以下になる状態と規定する。
次いで、上記バンク17により囲まれた(画定された)各色の画素形成領域Rpxに対して、インクジェット法やノズルコート法等を適用して、正孔輸送材料の溶液又は分散液を塗布した後、加熱乾燥させて正孔輸送層18aを形成する。続いて、当該正孔輸送層18a上に電子輸送性発光材料の溶液又は分散液を塗布した後、加熱乾燥させて電子輸送性発光層18bを形成する。これにより、図11(a)に示すように、各画素形成領域Rpxに露出する画素電極15上に正孔輸送層18a及び電子輸送性発光層18bからなる有機EL層18が積層形成される。
具体的には、有機高分子系の正孔輸送材料を含む有機化合物含有液(化合物含有液)として、例えばポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸水溶液(PEDOT/PSS;導電性ポリマーであるポリエチレンジオキシチオフェンPEDOTと、ドーパントであるポリスチレンスルホン酸PSSを水系溶媒に分散させた分散液)を、上記画素電極15上に塗布した後、加熱乾燥処理を行って溶媒を除去することにより、当該画素電極15上に有機高分子系の正孔輸送材料を定着させて、担体輸送層である正孔輸送層18aを形成する。
また、有機高分子系の電子輸送性発光材料を含む有機化合物含有液(化合物含有液)として、例えばポリパラフェニレンビニレン系やポリフルオレン系等の共役二重結合ポリマーを含む発光材料を、テトラリン、テトラメチルベンゼン、メシチレン、キシレン等の有機溶媒或いは水に溶解した溶液を、上記正孔輸送層18a上に塗布した後、加熱乾燥処理を行って溶媒を除去することにより、正孔輸送層18a上に有機高分子系の電子輸送性発光材料を定着させて、担体輸送層であり発光層でもある電子輸送性発光層18bを形成する。
その後、図11(b)に示すように、少なくとも各表示画素PIXの画素形成領域Rpxを含む絶縁性基板11上に光透過性を有する導電層(透明電極層)を形成し、上記有機EL層18(正孔輸送層18a及び電子輸送性発光層18b)を介して各画素電極15に対向する共通の対向電極(例えばカソード電極)19を形成する。
具体的には、対向電極19は、例えば蒸着法等により電子注入層となるバリウム、マグネシウム、フッ化リチウム等の金属材料からなる薄膜を形成した後、その上層にスパッタ法等によりITO等の透明電極層を積層形成した、厚さ方向に透明な膜構造を適用することができる。ここで、対向電極19は、上記画素電極15に対向する領域のみならず、画素形成領域Rpx(有機EL素子OLEDの形成領域)を画定するバンク17上にまで延在する単一の導電層(べた電極)として形成される。
次いで、上記対向電極19を形成した後、絶縁性基板11の一面側全域に保護絶縁膜(パッシベーション膜)としてシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等からなる封止層20をCVD法等を用いて形成することにより、図8及び図11(c)に示すような断面構造を有する表示パネル10が完成する。なお、図示を省略したが、図8及び図11(c)に示したようなパネル構造に加えて、さらに、絶縁性基板11に対向するようにガラス基板等からなる封止蓋や封止基板が接合されているものであってもよい。
そして、上述したような製造方法により製造された表示パネル10において、図12に示すように、例えば絶縁性基板11の端部近傍の平坦化膜14上に延在して形成され、層間絶縁膜16に形成された開口部に上面が露出するとともに、平坦化膜14及び無機絶縁膜13の下方に配設された選択ラインLs及び電源電圧ラインLvに電気的に接続された端子パッド部PDs、PDv(電極層Psb、Pvb)上に、各々接着剤209内に複数の導電性粒子201が分散される異方導電性接着剤を塗布し、フィルム基板202s、202vにそれぞれ端子パッド部PDs、PDvを熱圧着することによって導電性粒子201を介して端子パッド部PDs、PDvがそれぞれ外部配線端子部203s、203vに接続される。
このように、本発明に係る回路基板を適用した表示パネル及びその接続方法によれば、端子パッド部と平坦化膜下方の選択ラインや電源電圧ラインとの接続と、当該端子パッド部と外部配線端子部との接続と、を異なる領域で行い、平坦化膜上に延在する端子パッド部に外部配線端子部を接続する接続構造を有することにより、平坦化膜の膜厚や異方導電性接着剤等に含まれる導電性粒子の粒径に影響されることなく、良好に電気的な接続を実現することができる。
また、端子パッド部が形成される平坦化膜の下方にまで選択ラインや電源電圧ラインを延在させることにより、平坦化膜上面の平坦性を向上させて、端子パッド部と外部配線端子部とを良好に接続させることができるとともに、隣接する端子パッド部間では選択ラインや電源電圧ラインの厚さ分の段差が生じるため、端子パッド部間の短絡を防止することができる。
また、端子パッド部を構成する金属層Psa、Pva及び電極層Psb、Pvbを、表示画素の有機EL素子を構成する画素電極(反射層及び透明電極層)を形成する際に、同一のプロセスを適用して同時に形成することができるので、製造プロセスを簡略化することができる。特に、端子パッド部及び画素電極を、同一の下地層(平坦化膜)上に形成された同一の電極材料(ITO等)からなる単一の電極層を同時にパターニングすることにより形成することができるので、下地層に起因するエッチングレートに影響されることなく、短絡や破断のない良好な平面パターンを有する端子パッド部及び画素電極を形成することができる。
なお、上記実施形態では、画素電極15として、平坦化膜14上に反射層15a、金属層Psa、Pvaを介在させて結晶性ITO等からなる電極層Psb、Pvb、透明電極層15bを形成したが、これに限らず、図13に示すように、平坦化膜14上に直接、結晶性ITO等からなる電極層Psb、Pvb、透明電極層15bを形成してもよい。
図12、図13に示す透明電極層15b、電極層Psb、Pvbのパターニング工程においては、画素形成領域Rpxに形成される透明電極層15bの下地層と、端子パッド部PDs、PDvの形成領域に形成される電極層Psb、Pvbの下地層が、ともに有機樹脂材料からなる平坦化膜14であるので、結晶性ITO等からなる導電性酸化金属層をパターニングする際のエッチングレートを向上することができる。
具体的には、第2の比較対象(図4参照)で示すように、結晶性ITOからなる導電性酸化金属層の下地層として窒化シリコン(SiN)からなる無機絶縁膜が形成されている場合、結晶性ITOのエッチャントとしてナガセケムテックス製I-1エッチング液を用いた当該ITO膜のエッチングレートは、約0.5nm/sec(=5Å/sec)であるのに対して、下地層として上述したJSR製のアクリル系樹脂材料PC403からなる平坦化膜が形成されている場合に上記エッチャントを用いたITO膜のエッチングレートは、約1.5nm/sec(=15Å/sec)であり、顕著に異なっている。
そのため、上述した第2の比較対象の構造では、下地層の違いに起因して、画素形成領域Rpxに比べ端子パッド部のITO膜のエッチングレートが遅く、ITO膜のパターン不良が生じるが、本発明に係る回路基板を適用した表示パネルにおいては、画素形成領域Rpxや端子パッド部PDs、PDvの形成領域を含む絶縁性基板11上の全域に樹脂材料からなる平坦化膜14が形成されるので、均等に速やかにエッチングでき、上記のようなITO膜のパターン不良の発生を防止することができる。
図13に示す構造は、画素電極15が透明であるので、有機EL表示パネルは、有機EL層18から放出される光が絶縁性基板11側に出射する、いわゆるボトムエミッション構造であるため、対向電極19は、マグネシウムやバリウムといった低仕事関数の金属層と、この金属層を覆うアルミニウム等の高仕事関数の金属層との積層構造により光反射性であることが望ましい。
なお、上述した各実施形態の表示パネルにおいては、図6に示した画素駆動回路のトランジスタTr11のゲート電極Tr11gに直接又は間接的に接続された選択ラインLs、及び、トランジスタTr12のドレイン電極Tr12dに直接又は間接的に接続された電源電圧ラインLvに接続される端子パッド部PDs、PDvに、本発明に係る回路基板の端子構造を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、トランジスタTr11のソース電極Tr11sに接続されるデータラインLdに接続される端子パッド部や、これらの配線層以外の他のバス配線に接続される端子パッド部に適用するものであってもよい。
また、上述した各実施形態の表示パネルにおいては、平坦化膜として膜厚が厚く平坦性が高い樹脂材料(有機材料)を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば酸化シリコンや窒化シリコン等からなる無機絶縁膜を厚く形成したものを用いるものであってもよい。この場合、樹脂材料を用いた平坦化膜に比較して平坦性に劣るため、上述したように、端子パッド部が形成される平坦化膜の下方にまで選択ラインや電源電圧ラインを延在させて形成することにより、平坦化膜上面の平坦性を向上させて、端子パッド部と外部配線端子部とを良好に接続させることができる。
本発明に係る回路基板に適用される、配線層と外部配線端子部との接続構造の第1の例を示す概略構成図である。 本発明に係る回路基板に適用される、配線層と外部配線端子部との接続構造の第2の例を示す概略構成図である。 本発明に係る回路基板の、比較対象となる配線層と外部配線端子部との接続構造の第1の例(第1の比較対象)を示す概略構成図である。 本発明に係る回路基板の、比較対象となる配線層と外部配線端子部との接続構造の第2の例(第2の比較対象)を示す概略構成図である。 本発明に係る回路基板を適用した表示パネルに適用される表示画素の配列状態の一例を示す概略平面図である。 本発明に係る回路基板を適用した表示パネルに2次元配列される各表示画素(発光素子及び画素駆動回路)の回路構成例を示す等価回路図である。 本発明に係る回路基板を適用した表示パネルに適用可能な表示画素の一例を示す平面レイアウト図である。 図7に示した平面レイアウトを有する表示画素における断面構造を示す概略断面図である。 本発明に係る回路基板を適用した表示パネルの製造方法の一例を示す工程断面図(その1)である。 本発明に係る回路基板を適用した表示パネルの製造方法の一例を示す工程断面図(その2)である。 本発明に係る回路基板を適用した表示パネルの製造方法の一例を示す工程断面図(その3)である。 本発明に係る回路基板を適用した表示パネルにおける端子パッド部と外部配線端子部との接続構造の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る回路基板を適用した表示パネルにおける端子パッド部と外部配線端子部との接続構造の他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基板
2 絶縁膜
3 配線層
4 平坦化膜
5 端子電極
6 導電性粒子
7 フィルム基板
8 外部配線端子部
CH コンタクトホール

Claims (2)

  1. 基板上に形成された配線層と、
    前記配線層の一部を露出する開口部が形成されている平坦化膜と、
    前記開口部を介して前記配線層に接続されるとともに、前記開口部から前記平坦化膜上の所定の領域に延在して形成され、導電性粒子を介して該所定の領域で前記基板外部の配線端子部と接続する端子電極と、
    前記基板上に配列され、画素電極を有する表示素子と、前記表示素子の前記画素電極に直接又は間接的に接続され且つ前記表示素子を駆動するための特定の電極を有する薄膜トランジスタを備えた駆動回路と、を有する複数の表示画素と、
    を有し
    前記配線層は、前記表示画素を選択状態に設定する選択ラインと、電源に直接又は間接的に接続され前記駆動回路に接続された電源電圧ラインと、を有し、さらに前記端子電極が延在して形成された前記所定の領域に対応して、前記平坦化膜の下方に延在するように且つ前記薄膜トランジスタの前記特定の電極と同層に形成され、前記平坦化膜に設けられたコンタクトホールを介して前記端子電極と接続するとともに前記薄膜トランジスタの前記特定の電極に直接又は間接的に接続され、
    前記端子電極は、前記選択ラインに接続される第1端子パッド部と、前記電源電圧ラインに接続される第2端子パッド部と、を有し、さらに少なくとも光透過特性を有する導電性酸化金属層を含む単層又は複数層の導電層により前記画素電極と同層に形成され、
    前記駆動回路は、前記平坦化膜の下方に形成され、前記表示素子は前記平坦化膜の上層に形成され、
    前記平坦化膜は、有機材料からなり、前記複数の表示画素が配列された画素エリア、及び、前記端子電極が形成される領域を被覆するように形成されていることを特徴とする回路基板。
  2. 回路基板の接続方法において、
    前記回路基板は、
    基板上に形成された配線層と、
    前記配線層の一部を露出する開口部が形成されている平坦化膜と、
    前記開口部を介して前記配線層に接続されるとともに、前記開口部から前記平坦化膜上の所定の領域に延在して形成される端子電極と、
    前記基板上に配列され、画素電極を有する表示素子と、前記表示素子の前記画素電極に直接又は間接的に接続され且つ前記表示素子を駆動するための特定の電極を有する薄膜トランジスタを備えた駆動回路と、を有する複数の表示画素と、
    を有し、
    前記配線層は、前記表示画素を選択状態に設定する選択ラインと、電源に直接又は間接的に接続され前記駆動回路に接続された電源電圧ラインと、を有し、さらに前記端子電極が延在して形成された前記所定の領域に対応して、前記平坦化膜の下方に延在するように且つ前記薄膜トランジスタの前記特定の電極と同層に形成され、前記平坦化膜に設けられたコンタクトホールを介して前記端子電極と接続するとともに前記薄膜トランジスタの前記特定の電極に直接又は間接的に接続され、
    前記端子電極は、前記選択ラインに接続される第1端子パッド部と、前記電源電圧ラインに接続される第2端子パッド部と、を有し、さらに少なくとも光透過特性を有する導電性酸化金属層を含む単層又は複数層の導電層により前記画素電極と同層に形成され、
    前記駆動回路は、前記平坦化膜の下方に形成され、前記表示素子は前記平坦化膜の上層に形成され、
    前記平坦化膜は、有機材料からなり、前記複数の表示画素が配列された画素エリア、及び、前記端子電極が形成される領域を被覆するように形成され、
    前記端子電極の前記所定の領域に、導電性粒子を介して前記基板外部配線端子部を接続することを特徴とする回路基板の接続方法。
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