JP5245846B2 - 動力出力装置およびその制御方法並びにハイブリッド車 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法並びにハイブリッド車 Download PDF

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Description

本発明は、動力出力装置およびその制御方法並びにハイブリッド車に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、二つのモータジェネレータと、二つの蓄電部と、二つのモータジェネレータがそれぞれの駆動用のインバータを介して接続された主正母線および主負母線に対して並列接続された二つのコンバータと、第1の蓄電部と第1のコンバータとを電気的に接続または遮断する第1のシステムメインリレーと、第2の蓄電部と第2のコンバータとを電気的に接続または遮断する第2のシステムメインリレーと、を備え、二つの蓄電部がいずれも正常なときには、二つのシステムメインリレーを共にオン状態で維持し、電圧制御モード(昇圧)に従って第1のコンバータにより電圧変換動作を行なう(主正母線と主負母線との間の電圧値が所定の電圧目標値になるよう第1のコンバータを制御する)と共に電力制御モードに従って第2のコンバータにより昇圧動作を行なう(第2の蓄電部と主正母線,主負母線との間で授受される電力値が所定の電力目標値になるよう第2のコンバータを制御する)ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、第1の蓄電部に異常が発生したときには、第1のシステムメインリレーをオフとし二つのコンバータにおける電圧変換動作を停止して共に導通モードに切り替え、第2の蓄電部に異常が発生したときには、第2のシステムメインリレーをオフ状態とし第1のコンバータを電圧制御モード(昇圧)に設定すると共に第2のコンバータを開放モードに設定することにより、二つの蓄電部のいずれか一方に異常が生じたときでも、二つのモータジェネレータに電力を供給できるようにしている。
特開2008−187884号公報
こうした動力出力装置では、二つの蓄電部のいずれか一方が主正母線および主負母線から一時的に切り離されたときに、運転者の要求にできるだけ対応するために、主正母線および主負母線から切り離されていない蓄電部から放電してもよい最大許容電力を大きくすることが考えられることがあるが、この場合、蓄電部から大きな電力が出力されるときに蓄電部の温度が上昇しやすくなるため、蓄電部の過度の温度上昇を抑制することが望まれる。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びにハイブリッド車は、蓄電装置と電動機の駆動回路とに接続され複数のスイッチング素子のスイッチングにより駆動回路側の電圧を調整する電圧調整回路の過度の温度上昇を抑制することを主目的とする。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びにハイブリッド車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力可能な電動機を備える動力出力装置であって、
充放電可能な3つ以上の蓄電手段と、
前記3つ以上の蓄電手段のうちの1つとしての第1の蓄電手段と前記電動機の駆動回路としての電動機用駆動回路とに接続され、複数のスイッチング素子のスイッチングにより前記電動機用駆動回路側の電圧を調整する電圧調整手段と、
前記3つ以上の蓄電手段のうち前記第1の蓄電手段を除く残余の蓄電手段の各々と前記電動機用駆動回路との接続および接続の解除を各々に行なう複数の接続解除手段と、
前記複数の接続解除手段により前記残余の蓄電手段の各々と前記電動機用駆動回路との接続が一時的に全て解除される全接続解除状態のとき、前記全接続解除状態でないときに前記第1の蓄電手段から放電してもよい最大許容電力としての第1最大許容電力よりも大きな第2最大許容電力の範囲内で前記電動機が駆動され且つ前記電圧調整手段の温度が予め設定された所定温度を超えると予測される超過温度予測状態のときに該超過温度予測状態でないときに比して小さなキャリア周波数を用いて前記電圧調整手段が駆動されるよう前記電動機と前記電圧調整手段とを制御する全接続解除状態制御を実行する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、3つ以上の蓄電手段のうち第1の蓄電手段を除く残余の蓄電手段の各々と駆動回路との接続が複数の接続解除手段により一時的に全て解除される全接続解除状態のときには、全接続解除状態でないときに第1の蓄電手段から放電してもよい最大許容電力としての第1最大許容電力よりも大きな第2最大許容電力の範囲内で電動機が駆動され且つ電圧調整手段の温度が予め設定された所定温度を超えると予測される超過温度予測状態のときに超過温度予測状態でないときに比して小さなキャリア周波数(スイッチング素子のスイッチングの周波数)を用いて電圧調整手段が駆動されるよう電動機と電圧調整手段とを制御する全接続解除状態制御を実行する。まず、全接続解除状態のときに第2最大許容電力の範囲内で電動機を駆動することにより、全接続解除状態のときに、全接続解除状態か否かに拘わらず第1最大許容電力の範囲内で電動機を駆動するものに比して大きな動力を電動機から駆動軸に出力することが可能となる。しかし、このときには、より大きな電力が電圧調整手段に流れるのを許容することになるため、電圧調整手段の温度は上昇しやすくなる。本発明の動力出力装置では、このことを考慮して、全接続解除状態のときにおいて、超過温度予測状態のときに超過温度予測状態でないときに比して小さなキャリア周波数を用いて電圧調整手段を駆動する。これにより、電圧調整手段のスイッチング素子のスイッチングによる損失を抑制して電圧調整手段の過度の温度上昇を抑制することができる。ここで、「所定温度」は、電圧調整手段が正常に機能し得る適正温度範囲の上限よりも若干小さな値などを用いることができ、例えば、電圧調整手段の仕様などにより定められた値を用いることができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記全接続解除状態のときにおいて前記超過温度予測状態のとき、前記超過温度予測状態でなくなるまで段階的に小さくなる前記キャリア周波数を用いて前記全接続解除状態制御を実行する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、キャリア周波数を小さくする程度をできるだけ小さくすることができるから、電圧調整手段のスイッチング素子のスイッチングに伴って発生するノイズを抑制しつつ電圧調整手段の過度の温度上昇を抑制することができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記全接続解除状態のとき、前記複数の接続解除手段のうちの少なくとも1つにより前記残余の蓄電手段のうちの少なくとも1つと前記電動機用駆動回路とが接続される前記全接続解除状態の終了時の前記電圧調整手段の温度として推定される終了時推定温度を前記所定温度と比較して前記超過温度予測状態か否かを判定し、前記超過温度予測状態と判定したときには前記終了時推定温度が前記所定温度より高いほど小さくなる傾向の前記キャリア周波数を用いて前記全接続解除状態制御を実行し、前記超過温度予測状態でないと判定したときには前記キャリア周波数を保持して前記全接続解除状態制御を実行する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、終了時推定温度に応じてキャリア周波数を小さくするから、電圧調整手段のスイッチング素子のスイッチングに伴って発生するノイズを抑制しつつ電圧調整手段の過度の温度上昇を抑制することができる。この態様の本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記全接続解除状態のとき、前記全接続解除状態の終了時までの時間と前記電圧調整手段の現在の温度および温度上昇率とを用いて前記終了時推定温度を演算する手段である、ものとすることもできる。この場合、前記制御手段は、前記全接続解除状態のときには、前記全接続解除状態の終了時までの時間と前記電圧調整手段の現在の温度および温度上昇率とに加えて前記第1の蓄電手段からの放電電力と前記電動機および/または前記電動機用駆動回路の温度とを用いて前記終了時推定温度を演算する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、終了時推定温度をより適正に演算することができる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記残余の蓄電手段は、第2の蓄電手段と第3の蓄電手段とを含み、前記複数の接続解除手段は、前記第2の蓄電手段と前記電動機用駆動回路との接続および接続の解除を行なう第1の接続解除手段と、前記第3の蓄電手段と前記電動機用駆動回路との接続および接続の解除を行なう第2の接続解除手段と、を含み、前記制御手段は、前記第1の接続解除手段により前記第2の蓄電手段と前記電動機用駆動回路とが接続されていると共に前記第2の接続解除手段により前記第3の蓄電手段と前記電動機用駆動回路との接続が解除されている第1の状態から前記第1の接続解除手段により前記第2の蓄電手段と前記電動機用駆動回路との接続が解除されていると共に前記第2の接続解除手段により前記第3の蓄電手段と前記電動機用駆動回路とが接続されている第2の状態に前記全接続解除状態を経て移行する際における前記全接続解除状態のとき、前記全接続解除状態制御を実行する手段である、ものとすることもできる。
あるいは、本発明の動力出力装置において、前記複数の接続解除手段の各々と前記電動機用駆動回路とに接続され、前記残余の蓄電手段のうちの少なくとも1つから前記電動機用駆動回路側に供給する電力を調整する電力調整手段、を備えるものとすることもできる。
加えて、本発明の動力出力装置において、内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備え、前記電圧調整手段は、前記第1の蓄電手段と前記電動機用駆動回路および前記発電機の駆動回路が接続された駆動回路系とに接続されてなる手段であり、前記複数の接続解除手段は、前記残余の蓄電手段の各々と前記駆動回路系との接続および接続の解除を各々に行なう手段である、ものとすることもできる。
本発明のハイブリッド車は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力可能な電動機を備える動力出力装置であって、充放電可能な3つ以上の蓄電手段と、前記3つ以上の蓄電手段のうちの1つとしての第1の蓄電手段と前記電動機の駆動回路としての電動機用駆動回路とに接続され、複数のスイッチング素子のスイッチングにより前記電動機用駆動回路側の電圧を調整する電圧調整手段と、前記3つ以上の蓄電手段のうち前記第1の蓄電手段を除く残余の蓄電手段の各々と前記電動機用駆動回路との接続および接続の解除を各々に行なう複数の接続解除手段と、前記複数の接続解除手段により前記残余の蓄電手段の各々と前記電動機用駆動回路との接続が一時的に全て解除される全接続解除状態のとき、前記全接続解除状態でないときに前記第1の蓄電手段から放電してもよい最大許容電力としての第1最大許容電力よりも大きな第2最大許容電力の範囲内で前記電動機が駆動され且つ前記電圧調整手段の温度が予め設定された所定温度を超えると予測される超過温度予測状態のときに該超過温度予測状態でないときに比して小さなキャリア周波数を用いて前記電圧調整手段が駆動されるよう前記電動機と前記電圧調整手段とを制御する全接続解除状態制御を実行する制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、電圧調整手段の過度の温度上昇を抑制することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
こうした本発明のハイブリッド車において、車外の電源である外部電源に接続される接続部を有し、前記接続部が前記外部電源に接続されたときに該外部電源からの電力を用いて前記3つ以上の蓄電手段を充電可能な充電手段、ものとすることもできる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
駆動軸に動力を出力可能な電動機と、充放電可能な3つ以上の蓄電手段と、前記3つ以上の蓄電手段のうちの1つとしての第1の蓄電手段と前記電動機の駆動回路とに接続され、複数のスイッチング素子のスイッチングにより前記電動機用駆動回路側の電圧を調整する電圧調整手段と、前記3つ以上の蓄電手段のうち前記第1の蓄電手段を除く残余の蓄電手段の各々と前記電動機用駆動回路との接続および接続の解除を各々に行なう複数の接続解除手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記複数の接続解除手段により前記残余の蓄電手段の各々と前記電動機用駆動回路との接続が一時的に全て解除される全接続解除状態のとき、前記全接続解除状態でないときに前記第1の蓄電手段から放電してもよい最大許容電力としての第1最大許容電力よりも大きな第2最大許容電力の範囲内で前記電動機が駆動され且つ前記電圧調整手段の温度が予め設定された所定温度を超えると予測される超過温度予測状態のときに該超過温度予測状態でないときに比して小さなキャリア周波数を用いて前記電圧調整手段が駆動されるよう前記電動機と前記電圧調整手段とを制御する全接続解除状態制御を実行する、
ことを特徴とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法では、3つ以上の蓄電手段のうち第1の蓄電手段を除く残余の蓄電手段の各々と駆動回路との接続が複数の接続解除手段により一時的に全て解除される全接続解除状態のときには、全接続解除状態でないときに第1の蓄電手段から放電してもよい最大許容電力としての第1最大許容電力よりも大きな第2最大許容電力の範囲内で電動機が駆動され且つ電圧調整手段の温度が予め設定された所定温度を超えると予測される超過温度予測状態のときに超過温度予測状態でないときに比して小さなキャリア周波数を用いて電圧調整手段が駆動されるよう電動機と電圧調整手段とを制御する全接続解除状態制御を実行する。まず、全接続解除状態のときに第2最大許容電力の範囲内で電動機を駆動することにより、全接続解除状態のときに、全接続解除状態か否かに拘わらず第1最大許容電力の範囲内で電動機を駆動するものに比して大きな動力を電動機から駆動軸に出力することが可能となる。しかし、このときには、より大きな電力が電圧調整手段に流れるのを許容することになるため、電圧調整手段の温度は上昇しやすくなる。本発明の動力出力装置の制御方法では、このことを考慮して、全接続解除状態のときにおいて、超過温度予測状態のときに超過温度予測状態でないときに比して小さなキャリア周波数を用いて電圧調整手段を駆動する。これにより、電圧調整手段のスイッチング素子のスイッチングによる損失を抑制して電圧調整手段の過度の温度上昇を抑制することができる。なお、電圧調整手段の駆動には、通常、スイッチング素子のスイッチングに伴って発生するノイズを抑制するために、比較的高いキャリア周波数(スイッチング素子のスイッチングの周波数)が用いられる。ここで、「所定温度」は、電圧調整手段が正常に機能し得る適正温度範囲の上限よりも若干小さな値などを用いることができ、例えば、電圧調整手段の仕様などにより定められた値を用いることができる。
本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 モータMG1,MG2を含む電機駆動系の構成の概略を示す構成図である。 電池温度θb1と入出力制限Win1,Wout1との関係の一例を示す説明図である。 マスタバッテリ50の残容量SOC1と入出力制限Win1,Wout1の補正係数との関係の一例を示す説明図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるモータ運転モード時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 マスタ側昇圧回路制御の一例を示すフローチャートである。 低減値設定用マップの一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例の電気自動車220の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2の駆動回路としてのインバータ41,42と、充放電可能なマスタバッテリ50と、マスタバッテリ50からの電力を昇圧してインバータ41,42に供給するマスタ側昇圧回路55と、マスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55との接続や接続の解除を行なうシステムメインリレー56と、充放電可能なスレーブバッテリ60,62と、スレーブバッテリ60,62からの電力を昇圧してインバータ41,42に供給するスレーブ側昇圧回路65と、スレーブバッテリ60,62の各々とスレーブ側昇圧回路65との接続や接続の解除を各々に行なうシステムメインリレー66,67と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70と、を備える。以下、説明の都合上、マスタ側昇圧回路55およびスレーブ側昇圧回路65よりインバータ41 ,42側を高電圧系といい、マスタ側昇圧回路55よりマスタバッテリ50側を第1低電圧系といい、スレーブ側昇圧回路65よりスレーブバッテリ60,62側を第2低電圧系という。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号、例えば、エンジン22のクランクシャフト26のクランク角を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションなどが入力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して、最終的には車両の駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも外表面に永久磁石が貼り付けられたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備える周知の同期発電電動機として構成されている。インバータ41,42は、図2のモータMG1,MG2を含む電機駆動系の構成図に示すように、6つのトランジスタT11〜T16,T21〜26と、トランジスタT11〜T16,T21〜T26に逆方向に並列接続された6つのダイオードD11〜D16,D21〜D26と、により構成されている。トランジスタT11〜T16,T21〜T26は、それぞれインバータ41,42が電力ライン54として共用する正極母線54aと負極母線54bとに対してソース側とシンク側になるよう2個ずつペアで配置されており、対となるトランジスタ同士の接続点の各々にモータMG1,MG2の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、正極母線54aと負極母線54bとの間に電圧が作用している状態で対をなすトランジスタT11〜T16,T21〜T26のオン時間の割合を制御することにより三相コイルに回転磁界を形成でき、モータMG1,MG2を回転駆動することができる。インバータ41,42は、正極母線54aと負極母線54bとを共用しているから、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータに供給することができる。正極母線54aと負極母線54bとには平滑用のコンデンサ57が接続されている。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流,インバータ41,42に取り付けられた温度センサ41a,42aからのインバータ温度θin1,θin2などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
マスタ側昇圧回路55は、図2に示すように、2つのトランジスタT31,T32とトランジスタT31,T32に逆方向に並列接続された2つのダイオードD31,D32とリアクトルL1とからなる昇圧コンバータとして構成されている。2つのトランジスタT31,T32は、それぞれインバータ41,42の正極母線54aと負極母線54bとに接続されており、その接続点にリアクトルL1が接続されている。また、リアクトルL1と負極母線54bとには、システムメインリレー56を介してそれぞれマスタバッテリ50の正極端子と負極端子とが接続されている。したがって、トランジスタT31,T32をオンオフ制御することによりマスタバッテリ50の直流電力をその電圧を昇圧してインバータ41,42に供給したり正極母線54aと負極母線54bとに作用している直流電圧を降圧してマスタバッテリ50を充電したりすることができる。リアクトルL1と負極母線54bとには平滑用のコンデンサ58が接続されている。
スレーブ側昇圧回路65は、図2に示すように、正極母線54aおよび負極母線54bに対してマスタ側昇圧回路55と並列に接続されており、2つのトランジスタT41,T42とトランジスタT41,T42に逆方向に並列接続された2つのダイオードD41,D42とリアクトルL2とからなる昇圧コンバータとして構成されている。2つのトランジスタT41,T42は、それぞれインバータ41,42の正極母線54aと負極母線54bとに接続されており、その接続点にリアクトルL2が接続されている。また、リアクトルL2と負極母線54bとには、システムメインリレー66を介してスレーブバッテリ60の正極端子と負極端子とがそれぞれ接続されると共に、リアクトルL2と負極母線54bとに対してシステムメインリレー66と並列に接続されたシステムメインリレー67を介してスレーブバッテリ62の正極端子と負極端子とがそれぞれ接続されている。したがって、トランジスタT41,T42をオンオフ制御することにより、スレーブバッテリ60,62の直流電力をその電圧を昇圧してインバータ41,42に供給したり正極母線54aと負極母線54bとに作用している直流電圧を降圧してスレーブバッテリ60,62を充電したりすることができる。リアクトルL2と負極母線54bとには平滑用のコンデンサ68が接続されている。
マスタバッテリ50とスレーブバッテリ60,62とは、いずれもリチウムイオン二次電池として構成されており、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、マスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62を管理するのに必要な信号、例えば、マスタバッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの端子間電圧Vb1,マスタバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた電流センサ51bからの充放電電流Ib1,マスタバッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度θb1,スレーブバッテリ60,62の各々の端子間にそれぞれ設置された電圧センサ61a,63aからの端子間電圧Vb2,Vb3,スレーブバッテリ60,62の各々の出力端子にそれぞれ取り付けられた電流センサ61b,63bからの充放電電流Ib2,Ib3,スレーブバッテリ60,62にそれぞれ取り付けられた温度センサ61c,63cからの電池温度θb2,θb3などが入力されており、必要に応じてマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、マスタバッテリ50を管理するために、電流センサ51bにより検出された充放電電流Ib1の積算値に基づいて残容量SOC1を演算したり、演算した残容量SOC1と電池温度θb1とに基づいてマスタバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win1,Wout1を演算したりすると共に、スレーブバッテリ60,62を管理するために、電流センサ61b,63bにより検出された充放電電流Ib2,Ib3の積算値に基づいて残容量SOC2,SOC3を演算したり、演算した残容量SOC2,SOC3と電池温度θb2,θb3とに基づいてスレーブバッテリ60,62の入出力制限Win2,Wout2,Win3,Wout3を演算したりしている。なお、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1は、電池温度θb1に基づいて入出力制限Win1,Wout1の基本値を設定し、マスタバッテリ50の残容量SOC1に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win1,Wout1の基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図3に電池温度θb1と入出力制限Win1,Wout1との関係の一例を示し、図4にマスタバッテリ50の残容量SOC1と入出力制限Win1,Wout1の補正係数との関係の一例を示す。スレーブバッテリ60,62の入出力制限Win2,Wout2,Win3,Wout3は、マスタバッテリ50の入出力制限Win1,Wout1と同様に設定することができる。
第2低電圧系には、スレーブ側昇圧回路65に対してスレーブバッテリ60,62と並列にACポート90が接続されると共にこのACポート90に車両側コネクタ95が接続されている。車両側コネクタ95は、車外の電源である交流の外部電源(例えば、家庭用電源(AC100V)など)100に接続される外部電源側コネクタ101を接続可能に形成されている。ACポート90は、スレーブ側昇圧回路65よりもスレーブバッテリ60,62の電力ラインと車両側コネクタ95との接続や接続の解除を行なうACポート内リレー92や、車両側コネクタ95と外部電源側コネクタ101とが接続されているときに外部電源100から入力される入力電圧Vinを検出する電圧センサ93などを備える。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、コンデンサ57の端子間に取り付けられた電圧センサ57aからのコンデンサ57の電圧(高電圧系の電圧)VHや、マスタ側昇圧回路55に取り付けられた温度センサ55aからの回路温度θc1,スレーブ側昇圧回路65に取り付けられた温度センサ65aからの回路温度θc2,イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、マスタ側昇圧回路55のトランジスタ(スイッチング素子)T31,T32へのスイッチング制御信号や、スレーブ側昇圧回路65のトランジスタ(スイッチング素子)T41,T42へのスイッチング制御信号,システムメインリレー56,66,67への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトポジションセンサ82により検出するシフトポジションSPとしては、駐車ポジション(Pポジション)や中立ポジション(Nポジション),ドライブポジション(Dポジション),リバースポジション(Rポジション)などがある。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、自宅や予め設定された充電ポイントで車両をシステム停止した後に外部電源側コネクタ101と車両側コネクタ95とが接続されると、ACポート内リレー92やシステムメインリレー56,66,67をオンとし、外部電源100からの電力を用いてマスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62を満充電や満充電より低い所定の充電状態(例えば、残容量SOCが80%や85%の状態)にする。したがって、マスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62が充分に充電されている状態でイグニッションオンされて走行する際には、マスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62からの電力を用いてモータ運転モードである程度の距離を走行することが可能となる。しかも、実施例のハイブリッド自動車20では、マスタバッテリ50に加えてスレーブバッテリ60,62を備えるから、マスタバッテリ50だけを備えるものに比してモータ運転モードでの走行距離(走行時間)を長くすることができる。
さらに、実施例のハイブリッド自動車20では、マスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62が充分に充電されている状態でイグニッションオンされたときには、システムメインリレー56をオンとしてマスタバッテリ50とマスタ側昇圧回路55とを接続すると共にシステムメインリレー66をオンとしてスレーブバッテリ60とスレーブ側昇圧回路65とを接続する。そして、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクや車両に要求されるパワーが大きいときを除いて、マスタバッテリ50およびスレーブバッテリ60,62の残容量SOC1,SOC2,SOC3が各々に予め定められた閾値Shv1,Shv2,Shv3に至るまでモータ運転モードによって走行する。具体的には、まず、システムメインリレー56,66がオン且つシステムメインリレー67がオフの状態(以下、第1の状態という)でマスタバッテリ50の残容量SOC1に比してスレーブバッテリ60の残容量SOC2が迅速に低下するようマスタ側昇圧回路55とスレーブ側昇圧回路65とを制御しながらモータMG2からリングギヤ軸32aにトルクを出力して走行し、スレーブバッテリ60の残容量SOC2が閾値Shv2(例えば、25%や30%など)に至ると、システムメインリレー66をオフとしてスレーブバッテリ60とスレーブ側昇圧回路65とを切り離してからステムメインリレー67をオンとしてスレーブバッテリ62とスレーブ側昇圧回路65とを接続し、この状態(以下、第2の状態という)でスレーブバッテリ62の残容量SOC3が閾値Shv3(例えば、25%や30%など)に至ると共にマスタバッテリ50の残容量SOC1が閾値Shv1(例えば、25%や30%など)に至るようマスタ側昇圧回路55とスレーブ側昇圧回路65とを制御しながらモータMG2からリングギヤ軸32aにトルクを出力して走行し、スレーブバッテリ62の残容量SOC3が閾値Shv3に至ったときにシステムメインリレー67をオフとし、マスタバッテリ50の残容量SOC1が閾値Shv1に至ったときにエンジン22を始動してエンジン運転モードに移行する。以下、説明の都合上、第1の状態から第2の状態に切り替わる際にシステムメインリレー66,67が共にオフとなる状態を移行状態という。なお、エンジン運転モードでは、システムメインリレー56がオン且つシステムメインリレー66,67がオフの状態で走行するものとしてもよいし、システムメインリレー56に加えてシステムメインリレー66,67の一方または両方をオンとした状態で走行するものとしてもよい。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、マスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62が充分に充電されている状態でイグニッションオンされてモータ運転モードで走行する際の動作について説明する。図5はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるモータ運転モード時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、モータ運転モードで走行する際に所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、モータ運転モードで走行する際に、図5のモータ運転モード時制御ルーチンと並行して、第1の状態で走行している最中にスレーブバッテリ60の残容量SOC2が閾値Shv2に至ったときに、システムメインリレー66をオフとしてからシステムメインリレー67をオンとする。
モータ運転モード時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG2の回転数Nm2,マスタバッテリ50やスレーブバッテリ60,62の出力制限Wout1,Wout2,Wout3,第1の状態であるか否かを示す走行開始状態フラグF1,第1の状態から第2の状態への切替中であるか否かを示す切替中フラグF2など制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG2の回転数Nm2は、回転位置検出センサ44により検出されたモータMG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、マスタバッテリ50の出力制限Wout1はマスタバッテリ50の電池温度θb1と残容量SOC1とに基づいて設定されたものを、スレーブバッテリ60の出力制限Wout2はスレーブバッテリ60の電池温度θb2と残容量SOC2とに基づいて設定されたものを,スレーブバッテリ62の出力制限Wout3はスレーブバッテリ62の電池温度θb3と残容量SOC3とに基づいて設定されたものを,それぞれバッテリECU52から通信により入力するものとした。走行開始状態フラグF1は、イグニッションオンされて第1の状態となったときに値1が設定され、その後に第1の状態から第2の状態への切替が行なわれるときに値0が設定されてRAM76の所定アドレスに書き込まれたものを読み込むことにより入力するものとした。切替中フラグF2は、イグニッションオンされたときに初期値としての値0が設定され、第1の状態から第2の状態への切替が開始されたとき(システムメインリレー66がオフされて移行状態になったとき)に値1が設定され、第1の状態から第2の状態への切替が完了したとき(システムメインリレー67がオンされて第2の状態になったとき)に値0が設定されてRAM76の所定アドレスに書き込まれたものを読み込むことにより入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図6に要求トルク設定用マップの一例を示す。
続いて、走行開始状態フラグF1の値と切替中フラグF2の値とを調べる(ステップS120)。走行開始状態フラグF1が値1で切替中フラグF2が値0のときには、第1の状態であると判断し、スレーブバッテリ62がスレーブ側昇圧回路65から切り離されていることを考慮してマスタバッテリ50の出力制限Wout1とスレーブバッテリ60の出力制限Wout2との和をモータMG2の回転数Nm2で除してモータMG2から出力してもよいトルクの上限としてのトルク制限Tmaxを計算すると共に(ステップS130)、要求トルクTr*を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したものをトルク制限Tmaxで制限してモータMG2から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm2*を計算してこれをモータECU40に送信する(ステップS140)。トルク指令Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。第1の状態のときにこのようにモータMG2を制御することにより、マスタバッテリ50の出力制限Wout1とスレーブバッテリ60の出力制限Wout2との和の範囲内でモータMG2を駆動して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにトルクを出力することができる。
そして、高電圧系の電圧VHが目標電圧VH*になるようマスタ側昇圧回路55のトランジスタT31,T32をスイッチング制御すると共に(ステップS150)、スレーブバッテリ60からの放電電力Pbs1が目標放電電力Pbs1*になるようスレーブ側昇圧回路65のトランジスタT41,T42をスイッチング制御して(ステップS160)、モータ運転モード時制御ルーチンを終了する。ここで、実施例では、高電圧系の電圧VHは、電圧センサ57aにより検出されたものを用いるものとし、目標電圧VH*は、モータMG2の目標動作点(トルク指令Tm2*,回転数Nm2)に対応した電圧を設定するものとした。なお、この目標電圧VH*は、エンジン運転モードで走行する際には、例えば、モータMG1の目標動作点(トルク指令Tm1*,回転数Nm1)に対応する電圧とモータMG2の目標動作点(トルク指令Tm2*,回転数Nm2)に対応する電圧とのうち大きい方を設定するものとすることができる。また、実施例では、スレーブバッテリ60からの放電電力Pbs1は、電圧センサ61aにより検出された端子間電圧Vb2と電流センサ61bにより検出された充放電電流Ib2との積として演算されてバッテリECU52から通信により入力されたものを用いるものとし、目標放電電力Pbs1*は、モータMG2の消費電力(Tm2*・Nm2)のうちスレーブバッテリ60側から放電すべき電力に基づいて設定するものとした。マスタ側昇圧回路55の制御についての詳細な説明は後述し、スレーブ側昇圧回路65の制御については本発明の中核をなさないため詳細な説明を省略する。
ステップS120で走行開始状態フラグF1が値0で切替中フラグF2が値1のときには、第1の状態から第2の状態への切替中(移行状態)であると判断し、スレーブバッテリ60,62が共にスレーブ側昇圧回路65から切り離されていることを考慮してマスタバッテリ50の出力制限Wout1に所定値ΔWを加えたものをモータMG2の回転数Nm2で除してモータMG2のトルク制限Tmaxを計算し(ステップS170)、要求トルクTr*を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したものをトルク制限Tmaxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を計算してこれをモータECU40に送信し(ステップS180)、ステップS150の処理と同様にマスタ側昇圧回路55を制御すると共に(ステップS190)、スレーブ側昇圧回路65を駆動停止して(ステップS200)、モータ運転モード時制御ルーチンを終了する。ここで、所定値ΔWは、第1の状態から第2の状態への切替中にマスタバッテリ50から出力制限Wout1を超えて出力してもよい上限の出力を設定するものであり、バッテリ50の性能により定めることができる。第1の状態から第2の状態への切替中にこのようにモータMG2を制御することにより、マスタバッテリ50の出力制限Wout1に所定値ΔWを加えた電力の範囲内でモータMG2を駆動して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにトルクを出力することができる。この結果、スレーブバッテリ60,62が共にスレーブ側昇圧回路65から切り離されているときに、運転者の要求にできるだけ対応できるようにすることができる。
ステップS120で走行開始状態フラグF1と切替中フラグF2とが共に値0のときには、第1の状態でなく且つ第1の状態から第2の状態への切替中でもない即ち第2の状態であると判断し、スレーブバッテリ60がスレーブ側昇圧回路65から切り離されていることを考慮してマスタバッテリ50の出力制限Wout1とスレーブバッテリ62の出力制限Wout3との和をモータMG2の回転数Nm2で除してモータMG2のトルク制限Tmaxを計算すると共に(ステップS210)、要求トルクTr*を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したものをトルク制限Tmaxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を計算してこれをモータECU40に送信し(ステップS220)、ステップS150の処理と同様にマスタ側昇圧回路55を制御すると共に(ステップS230)、スレーブバッテリ62からの放電電力Pbs2が目標放電電力Pbs2*になるようスレーブ側昇圧回路65のトランジスタT41,T42をスイッチング制御して(ステップS240)、モータ運転モード時制御ルーチンを終了する。第2の状態のときにこのようにモータMG2を制御することにより、マスタバッテリ50の出力制限Wout1とスレーブバッテリ62の出力制限Wout3との和の範囲内でモータMG2を駆動して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにトルクを出力することができる。また、実施例では、スレーブバッテリ62からの放電電力Pbs2は、電圧センサ63aにより検出された端子間電圧Vb3と電流センサ63bにより検出された充放電電流Ib3との積として演算されてバッテリECU52から通信により入力されたものを用いるものとし、目標放電電力Pbs2*は、モータMG2の消費電力(Tm2*・Nm2)のうちスレーブバッテリ62側から放電すべき電力に基づいて設定するものとした。
次に、マスタ側昇圧回路55の制御について図7に例示するマスタ側昇圧回路制御を用いて説明する。マスタ側昇圧回路制御が実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、切替中フラグF2や、電圧センサ57aからの高電圧系の電圧VH,高電圧系の目標電圧VH*,温度センサ55aからのマスタ側昇圧回路55の温度θc1,マスタバッテリ50からの放電電力Pb1,インバータ42の温度θin2,基本キャリア周波数CFbaseなど制御に必要なデータを入力する(ステップS300)。高電圧系の目標電圧VH*は、前述したのと同様に設定されてRAM76の所定アドレスに書き込まれたものを読み込むことにより入力するものとした。マスタバッテリ50からの放電電力Pb1は、電圧センサ51aにより検出された端子間電圧Vb1と電流センサ51bにより検出された充放電電流Ib1との積として演算されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。インバータ42の温度θin2は、温度センサ42aにより検出されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。基本キャリア周波数CFbaseは、マスタバッテリ50の出力制限Wout1の範囲内の電力をマスタバッテリ50から高電圧系に供給する際にマスタ側昇圧回路55の温度θc1が後述の閾値θc1refを超えず且つ高電圧系の電圧VHが目標電圧VH*になるようマスタ側昇圧回路55のトランジスタT31,T32をスイッチング制御する際に生じるノイズを比較的抑制できる周波数として高電圧系の電圧VHと目標電圧VH*とに基づいて設定されてRAM76の所定アドレスに書き込まれたものを読み込むことにより入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した切替中フラグF2の値を調べ(ステップS310)、切替中フラグF2が値0のときには、第1の状態から第2の状態への切替中ではないと判断し、基本キャリア周波数CFbaseをマスタ側昇圧回路55のキャリア周波数CFに設定すると共に(ステップS320)、キャリア周波数CFを用いて高電圧系の電圧VHが目標電圧VH*になるようマスタ側昇圧回路55のトランジスタT31,T32のスイッチング制御を行なって(ステップ420)、マスタ側昇圧回路制御を終了する。
ステップS310で切替フラグF2が値1のときには、第1の状態から第2の状態への切替中(移行状態)であると判断し、切替開始からの時間である切替経過時間tの計時が開始されたか否かを示す計時フラグF3の値を調べ(ステップS330)、計時フラグF3が値0のときには、切替経過時間tの計時を開始すると共に(ステップS340)、計時フラグF3に値1を設定し(ステップS350)、前回にマスタ側昇圧回路55を制御するのに用いたキャリア周波数(前回CF)をキャリア周波数CFに設定し(ステップS360)、高電圧系の電圧VHと目標電圧VH*とキャリア周波数CFとを用いてマスタ側昇圧回路55を制御して(ステップS420)、マスタ側昇圧回路制御を終了する。即ち、切替が開始された直後には、基本キャリア周波数CFbaseが設定されたキャリア周波数CFを用いてマスタ側昇圧回路55を制御することになる。
ステップS330で計時フラグF3が値1のときには、回路温度θc1から前回入力された回路温度(前回θc1)を減じたものをこの回路温度θc1の入力間隔(マスタ側昇圧回路制御の実行間隔)Δtで除することにより、マスタ側昇圧回路55の回路温度θc1の単位時間あたりの変化量である回路温度変化率Δθc1を計算すると共に(ステップS370)、計算した回路温度変化率Δθc1と切替経過時間tと予め実験や解析などにより定められた切替に要する時間tsw(例えば、2秒や3秒など)とマスタバッテリ50からの放電電力Pb1とインバータ42の温度θin2とに基づいて、切替が完了するときのマスタ側昇圧回路55の温度θc1として推定される切替完了時推定回路温度θc1fを次式(1)により計算する(ステップS380)。ここで、式(1)中、「α」,「β」は、補正係数であり、実験や解析などにより予め定められた値を用いることができる。また、「ΣPb1」は、切替開始からのマスタバッテリ50の放電電力Pb1の積算値である。このように、マスタバッテリ50からの放電電力Pb1やインバータ温度θin2を考慮して切替完了時推定回路温度θc1fを計算することにより、切替完了時推定回路温度θc1fをより適正に演算することができる。
θc1f=θc1+(tsw-t)・(Δθc1+α・ΣPb1+β・θin2) (1)
こうして切替完了時推定回路温度θc1fを計算すると、計算した切替完了時推定回路温度θc1fを閾値θc1refと比較する(ステップS390)。ここで、閾値θc1refは、マスタ側昇圧回路55が正常に機能し得る適正温度範囲の上限よりも若干小さな値として定められるものであり、マスタ側昇圧回路55の仕様などに基づいて定められる。ステップS390の切替完了時推定回路温度θc1fと閾値θc1refとの比較は、第1の状態から第2の状態への切替が完了するまでに回路温度θc1が閾値θc1refを超えると予測される超過温度予測状態であるか否かを判定する処理である。前述したように、モータ運転モードで走行している最中にスレーブバッテリ60,62が共にスレーブ側昇圧回路65から切り離されているとき(移行状態のとき)には、マスタバッテリ50の出力制限Wout1に所定値ΔWを加えた電力の範囲内でモータMG2を駆動するから、スレーブバッテリ60,62の一方がスレーブ側昇圧回路65に接続されているとき(第1の状態または第2の状態のとき)に比してマスタ側昇圧回路55に大きな電力が流れるのが許容されるため、マスタ側昇圧回路55の回路温度θc1が上昇しやすくなる。このことを考慮して、実施例では、ステップS390で切替完了時推定回路温度θc1fと閾値θc1refとを比較するのである。
切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1ref以下のときには、超過温度予測状態でないと判断し、前回のキャリア周波数(前回CF)をキャリア周波数CFに設定すると共に(ステップS360)、高電圧系の電圧VHと目標電圧VH*とキャリア周波数CFとを用いてマスタ側昇圧回路55を制御して(ステップS420)、マスタ側昇圧回路制御を終了する。
一方、切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1refより高いときには、超過温度予測状態であると判断し、切替完了時推定温度θc1fから閾値θc1refを減じた値(θc1f−θc1ref)に基づいて、キャリア周波数CFを低減する程度としての低減値ΔCFを設定すると共に(ステップS400)、前回のキャリア周波数(前回CF)から低減値ΔCFを減じたものをキャリア周波数CFに設定し(ステップS410)、高電圧系の電圧VHと目標電圧VH*とキャリア周波数CFとを用いてマスタ側昇圧回路55を制御して(ステップS420)、マスタ側昇圧回路制御を終了する。ここで、低減値ΔCFは、実施例では、値(θc1f−θc1ref)と低減値ΔCFとの関係を予め実験や解析などにより定めて低減値設定用マップとしてROM74に記憶しておき、値(θc1f−θc1ref)が与えられると記憶したマップから対応する低減値ΔCFを導出して設定するものとした。低減値設定用マップの一例を図8に示す。低減値ΔCFは、図示するように、値(θc1f−θc1ref)が大きいほど正の範囲で大きくなる傾向に設定するものとした。これは、一般に、マスタ側昇圧回路55が、キャリア周波数CFが小さいほどトランジスタT31,T32のスイッチングによる損失が小さくなると共にスイッチングに伴って発生するノイズが大きくなる傾向を有することに基づく。このようにキャリア周波数CFを設定してマスタ側昇圧回路55を制御することにより、切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1ref以下になる範囲でできるだけ大きなキャリア周波数CFを設定することができるから、マスタ側昇圧回路55のトランジスタT31,T32のスイッチングに伴って発生するノイズを抑制しつつマスタ側昇圧回路55の過度の温度上昇を抑制することができる。なお、次回以降にマスタ側昇圧回路制御が実行されたときにおいて切替中フラグF2が値1で計時フラグF3が値1のときには、切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1refより高いときには超過温度予測状態であると判断してステップS400〜S420の処理を実行し、切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1ref以下のときには超過温度予測状態でないと判断してステップS360,S420の処理を実行して、マスタ側昇圧回路制御を終了する。即ち、切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1ref以下となるまで段階的にキャリア周波数CFを小さくしていくのである。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、システムメインリレー66がオンでシステムメインリレー67がオフの第1の状態からシステムメインリレー66がオフでシステムメインリレー67がオンの第2の状態への切替中のとき即ちシステムメインリレー66,67が共にオフの移行状態のときには、マスタバッテリ50の出力制限Wout1に所定値ΔWを加えた電力の範囲内でモータMG2が駆動されるようモータMG2を制御し、第1の状態から第2の状態への切替が完了するときのマスタ側昇圧回路55の温度θc1として推定される切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1refより高いときに切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1ref以下のときに比して小さなキャリア周波数CFを用いてマスタ側昇圧回路55を制御するから、マスタ側昇圧回路55の過度の温度上昇を抑制することができる。しかも、切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1refより高いときには、値(θc1f−θc1ref)が大きいほどキャリア周波数CFを小さくするから、マスタ側昇圧回路55のトランジスタT31,T32のスイッチングに伴って発生するノイズを抑制しつつマスタ側昇圧回路55の過度の温度上昇を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1refより高いときには、値(θc1f−θc1ref)が大きいほど大きくなる傾向の低減値ΔCFを前回のキャリア周波数(前回CF)から減じてキャリア周波数CFを設定するものとしたが、比較的小さな固定値を低減値ΔCFとして前回のキャリア周波数(前回CF)から減じてキャリア周波数CFを設定するものとしてもよい。この場合、切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1refより高いときにキャリア周波数CFを所定値ΔCFずつ小さくすることによってトランジスタT31,T32のスイッチングロスが減少して切替完了時推定回路温度θc1fが低くなっていき、切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1ref以下になったときには前回のキャリア周波数(前回CF)を保持することになる。この場合でも、実施例と同様に、マスタ側昇圧回路55のトランジスタT31,T32のスイッチングに伴って発生するノイズを抑制しつつマスタ側昇圧回路55の過度の温度上昇を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、切替完了時推定回路温度θc1fの計算にインバータ42の温度θin2を用いるものとしたが、インバータ42の温度θin2に代えて、モータMG2の温度や、モータMG1,MG2やインバータ41,42を冷却する冷却水の温度などを用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、 回路温度変化率Δθc1と切替経過時間tと切替に要する時間tswとマスタバッテリ50からの放電電力Pb1とインバータ42の温度θin2とに基づいて前述の式(1)により切替完了時推定回路温度θc1fを計算するものとしたが、マスタバッテリ50からの放電電力Pb1とインバータ42の温度θin2とのうち一方または両方について考慮せずに切替完了時推定回路温度θc1fを計算するものとしてもよいし、他のパラメータを考慮して切替完了時推定回路温度θc1fを計算するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ACポート90や車両側コネクタ95を備えるものとしたが、これらを備えないものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、マスタバッテリ50とスレーブバッテリ60,62とを備えると共にシステムメインリレー66,67を備えるものとしたが、スレーブバッテリ60,62やシステムメインリレー66,67は各々2つに限定されるものではなく、複数のスレーブバッテリと、複数のスレーブバッテリの各々と高電圧系との接続および接続の解除を各々に行なう複数のシステムメインリレーと、を備えるものであればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、減速ギヤ35を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしたが、減速ギヤ35に代えて2段変速や3段変速,4段変速などの変速機を介してリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図9における車輪39c,39dに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例では、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに動力分配統合機構30を介して接続されたエンジン22およびモータMG1と、リングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、を備えるハイブリッド自動車20に適用するものとしたが、図10の変形例の電気自動車220に例示するように、走行用の動力を出力するモータMGを備える単純な電気自動車に適用するものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される動力出力装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた動力出力装置の形態としても構わない。さらに、こうした動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータMG2が「電動機」に相当し、マスタバッテリ50とスレーブバッテリ60,62とが「3つ以上の蓄電手段」に相当し、マスタ側昇圧回路55が「電圧調整手段」に相当し、システムメインリレー66,67が「複数の接続解除手段」に相当し、システムメインリレー66がオンでシステムメインリレー67がオフの第1の状態からシステムメインリレー66がオフでシステムメインリレー67がオンの第2の状態への切替中のとき即ちシステムメインリレー66,67が共にオフの移行状態のときには、マスタバッテリ50の出力制限Wout1に所定値ΔWを加えた電力の範囲内でモータMG2が駆動されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する図5のモータ運転モード時制御ルーチンや、第1の状態から第2の状態への切替が完了するときのマスタ側昇圧回路55の温度θc1として推定される切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1refより高いときに切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1ref以下のときに比して小さなキャリア周波数CFを用いてマスタ側昇圧回路55を制御する図7のマスタ側昇圧回路制御を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と、受信したトルク指令Tm2*に基づいてモータMG2を制御するモータECU40と、が「制御手段」に相当する。また、スレーブ側昇圧回路65が「電力調整手段」に相当する。さらに、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。ACポート90と車両側コネクタ95とを組み合わせたものが「充電手段」に相当する。
ここで、「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「3つ以上の蓄電手段」としては、いずれもリチウムイオン二次電池として構成されたマスタバッテリ50とスレーブバッテリ60,62とに限定されるものではなく、4つ以上のバッテリとしてもよく、その種類もリチウムイオン二次電池に限定されずニッケル水素電池や鉛蓄電池などとして構成されるものとしても構わない。「電圧調整手段」としては、マスタ側昇圧回路55に限定されるものではなく、3つ以上の蓄電手段のうちの1つとしての第1の蓄電手段と電動機の駆動回路としての電動機用駆動回路とに接続され、複数のスイッチング素子のスイッチングにより電動機用駆動回路側の電圧を調整するものであれば如何なるものとしても構わない。「複数の接続解除手段」としては、システムメインリレー66,67に限定されるものではなく、3つ以上の蓄電手段のうち第1の蓄電手段を除く残余の蓄電手段の各々と電動機用駆動回路との接続および接続の解除を各々に行なうものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、単一の電子制御ユニットにより構成されるものとしてもよいし、複数の電子制御ユニットを組み合わせたものとしてもよい。また、「制御手段」としては、システムメインリレー66がオンでシステムメインリレー67がオフの第1の状態からシステムメインリレー66がオフでシステムメインリレー67がオンの第2の状態への切替中のとき即ちシステムメインリレー66,67が共にオフの移行状態のときには、マスタバッテリ50の出力制限Wout1に所定値ΔWを加えた電力の範囲内でモータMG2が駆動されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータMG2を制御し、第1の状態から第2の状態への切替が完了するときのマスタ側昇圧回路55の温度θc1として推定される切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1refより高いときに切替完了時推定回路温度θc1fが閾値θc1ref以下のときに比して小さなキャリア周波数CFを用いてマスタ側昇圧回路55を制御するものに限定されるものではなく、複数の接続解除手段により残余の蓄電手段の各々と電動機用駆動回路との接続が一時的に全て解除される全接続解除状態のとき、全接続解除状態でないときに第1の蓄電手段から放電してもよい最大許容電力としての第1最大許容電力よりも大きな第2最大許容電力の範囲内で電動機が駆動され且つ電圧調整手段の温度が予め設定された所定温度を超えると予測される超過温度予測状態のときに超過温度予測状態でないときに比して小さなキャリア周波数を用いて電圧調整手段が駆動されるよう電動機と電圧調整手段とを制御する全接続解除状態制御を実行するものであれば如何なるものとしても構わない。「電力調整手段」としては、スレーブ側昇圧回路65に限定されるものではなく、複数の接続解除手段の各々と電動機用駆動回路とに接続され、残余の蓄電手段のうちの少なくとも1つから電動機用駆動回路側に供給する電力を調整するものであれば如何なるものとしても構わない。「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、シングルピニオン式の遊星歯車機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる作動作用を有するものなど、駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され、3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「充電手段」としては、ACポート90と車両側コネクタ95とを組み合わせたものに限定されるものではなく、車外の電源である外部電源に接続される接続部を有し、前記接続部が前記外部電源に接続されたときに該外部電源からの電力を用いて前記3つ以上の蓄電手段を充電可能なものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、動力出力装置やハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、39c,39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、41a,42a 温度センサ、43,44 回転位置検出センサ、50 マスタバッテリ、51a,57a,61a,63a 電圧センサ、51b,61b,63b 電流センサ、51c,55a,61c,63c,65a 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、54a 正極母線、54b 負極母線、55 マスタ側昇圧回路、56,66,67 システムメインリレー、57,58,68 コンデンサ、60,62 スレーブバッテリ、65 スレーブ側昇圧回路、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 ACポート、92 ACポート内リレー、93 電圧センサ、95 車両側コネクタ、100 外部電源、101 外部電源側コネクタ、220 電気自動車、D11〜D16,D21〜D26,D31,D32,D41,D42 ダイオード、L1,L2 リアクトル、MG1,MG2 モータ、T11〜T16,T21〜T22,T31,T32,T41,T42 トランジスタ,MG1,MG2 モータ。

Claims (9)

  1. 駆動軸に動力を出力可能な電動機を備える動力出力装置であって、
    充放電可能な3つ以上の蓄電手段と、
    前記3つ以上の蓄電手段のうちの1つとしての第1の蓄電手段と前記電動機の駆動回路としての電動機用駆動回路とに接続され、複数のスイッチング素子のスイッチングにより前記電動機用駆動回路側の電圧を調整する電圧調整手段と、
    前記3つ以上の蓄電手段のうち前記第1の蓄電手段を除く残余の蓄電手段の各々と前記電動機用駆動回路との接続および接続の解除を各々に行なう複数の接続解除手段と、
    前記複数の接続解除手段により前記残余の蓄電手段の各々と前記電動機用駆動回路との接続が一時的に全て解除される全接続解除状態の場合には前記電動機については前記全接続解除状態でない場合に前記第1の蓄電手段から放電してもよい最大許容電力としての第1最大許容電力よりも大きな第2最大許容電力の範囲内で駆動され且つ前記電圧調整手段については該電圧調整手段の温度が予め設定された所定温度を超えると予測される超過温度予測状態のときに該超過温度予測状態でないときに比して小さなキャリア周波数を用いて駆動されるよう前記電動機と前記電圧調整手段とを制御する全接続解除状態制御を実行する制御手段と、
    を備え
    前記制御手段は、前記全接続解除状態の場合、前記複数の接続解除手段のうちの少なくとも1つにより前記残余の蓄電手段のうちの少なくとも1つと前記電動機用駆動回路とが接続される前記全接続解除状態の終了時の前記電圧調整手段の温度として推定される終了時推定温度を前記所定温度と比較して前記超過温度予測状態か否かを判定し、前記超過温度予測状態と判定したときには前記終了時推定温度が前記所定温度より高いほど小さくなる傾向の前記キャリア周波数を用いて前記全接続解除状態制御を実行し、前記超過温度予測状態でないと判定したときには前記キャリア周波数を保持して前記全接続解除状態制御を実行する手段である、
    動力出力装置。
  2. 請求項記載の動力出力装置であって、
    前記制御手段は、前記全接続解除状態のとき、前記全接続解除状態の終了時までの時間と前記電圧調整手段の現在の温度および温度上昇率とを用いて前記終了時推定温度を演算する手段である、
    動力出力装置。
  3. 請求項記載の動力出力装置であって、
    前記制御手段は、前記全接続解除状態のときには、前記全接続解除状態の終了時までの時間と前記電圧調整手段の現在の温度および温度上昇率とに加えて前記第1の蓄電手段からの放電電力と前記電動機および/または前記電動機用駆動回路の温度とを用いて前記終了時推定温度を演算する手段である、
    動力出力装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の動力出力装置であって、
    前記残余の蓄電手段は、第2の蓄電手段と第3の蓄電手段とを含み、
    前記複数の接続解除手段は、前記第2の蓄電手段と前記電動機用駆動回路との接続および接続の解除を行なう第1の接続解除手段と、前記第3の蓄電手段と前記電動機用駆動回路との接続および接続の解除を行なう第2の接続解除手段と、を含み、
    前記制御手段は、前記第1の接続解除手段により前記第2の蓄電手段と前記電動機用駆動回路とが接続されていると共に前記第2の接続解除手段により前記第3の蓄電手段と前記電動機用駆動回路との接続が解除されている第1の状態から前記第1の接続解除手段により前記第2の蓄電手段と前記電動機用駆動回路との接続が解除されていると共に前記第2の接続解除手段により前記第3の蓄電手段と前記電動機用駆動回路とが接続されている第2の状態に前記全接続解除状態を経て移行する際における前記全接続解除状態のとき、前記全接続解除状態制御を実行する手段である、
    動力出力装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の動力出力装置であって、
    前記複数の接続解除手段の各々と前記電動機用駆動回路とに接続され、前記残余の蓄電手段のうちの少なくとも1つから前記電動機用駆動回路側に供給する電力を調整する電力調整手段、
    を備える動力出力装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載の動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    動力を入出力可能な発電機と、
    前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
    を備え、
    前記電圧調整手段は、前記第1の蓄電手段と前記電動機用駆動回路および前記発電機の駆動回路が接続された駆動回路系とに接続されてなる手段であり、
    前記複数の接続解除手段は、前記残余の蓄電手段の各々と前記駆動回路系との接続および接続の解除を各々に行なう手段である、
    動力出力装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つの請求項に記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなるハイブリッド車。
  8. 請求項記載のハイブリッド車であって、
    車外の電源である外部電源に接続される接続部を有し、前記接続部が前記外部電源に接続されたときに該外部電源からの電力を用いて前記3つ以上の蓄電手段を充電可能な充電手段、
    を備えるハイブリッド車。
  9. 駆動軸に動力を出力可能な電動機と、充放電可能な3つ以上の蓄電手段と、前記3つ以上の蓄電手段のうちの1つとしての第1の蓄電手段と前記電動機の駆動回路とに接続され、複数のスイッチング素子のスイッチングにより前記電動機用駆動回路側の電圧を調整する電圧調整手段と、前記3つ以上の蓄電手段のうち前記第1の蓄電手段を除く残余の蓄電手段の各々と前記電動機用駆動回路との接続および接続の解除を各々に行なう複数の接続解除手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    前記複数の接続解除手段により前記残余の蓄電手段の各々と前記電動機用駆動回路との接続が一時的に全て解除される全接続解除状態の場合には前記電動機については前記全接続解除状態でない場合に前記第1の蓄電手段から放電してもよい最大許容電力としての第1最大許容電力よりも大きな第2最大許容電力の範囲内で駆動され且つ前記電圧調整手段については該電圧調整手段の温度が予め設定された所定温度を超えると予測される超過温度予測状態のときに該超過温度予測状態でないときに比して小さなキャリア周波数を用いて駆動されるよう前記電動機と前記電圧調整手段とを制御する全接続解除状態制御を実行するステップを含み、
    前記ステップは、前記全接続解除状態の場合、前記複数の接続解除手段のうちの少なくとも1つにより前記残余の蓄電手段のうちの少なくとも1つと前記電動機用駆動回路とが接続される前記全接続解除状態の終了時の前記電圧調整手段の温度として推定される終了時推定温度を前記所定温度と比較して前記超過温度予測状態か否かを判定し、前記超過温度予測状態と判定したときには前記終了時推定温度が前記所定温度より高いほど小さくなる傾向の前記キャリア周波数を用いて前記全接続解除状態制御を実行し、前記超過温度予測状態でないと判定したときには前記キャリア周波数を保持して前記全接続解除状態制御を実行するステップである、
    ことを特徴とする動力出力装置の制御方法。

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