JP2015070661A - 電力供給制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】商用電源にフリッカが生じることを抑制する。【解決手段】車両必要電力Preqが車両に接続された商用電源にフリッカが生じる電力の変化量である所定電力Pref以上であるときには(ステップS120)、車両必要電力Preqに向けて所定電力Prefより小さい電力ずつ段階的に変化する電力指令値で商用電源から車両へ電力が供給されるよう充電器を制御する(ステップS150,S160)。これにより、商用電源にフリッカが生じることを抑制できる。【選択図】図3
Description
本発明は、電力供給制御装置に関し、詳しくは、商用電源から車両への電力の供給を制御する電力供給機器を制御する電力供給制御装置に関する。
従来、この種の電力供給制御装置としては、電力系統からEV蓄電池への電力の供給を制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、電力系統とEV蓄電池との間に、第1のスイッチと、第1のスイッチに並列に接続された第2のスイッチおよび負荷抵抗とを設け、第1スイッチを開放すると共に第2スイッチを閉じて負荷電流を印加したときの電圧降下量から電力供給可能量を算出し、EV蓄電池の要求電力量が算出した電力供給可能量より大きい場合には、第1スイッチを閉じると共に第2スイッチ開放した状態で、EV蓄電池の要求電力を電力供給可能量で制限した充電電力でEV蓄電池を充電することにより、周囲の負荷への影響を低減することができるとしている。
しかしながら、上述の電力供給制御装置では、EV蓄電池への充電を開始する際に、EV蓄電池を充電する電力が急激に変化すると、電力系統に短時間における系統電圧の細かな変動(フリッカ)が発生する場合がある。こうしたフリッカは、同じ電力系統から電力の供給を受ける他の電気設備に影響を与えるため、抑制されることが望ましい。
本発明の電力供給制御装置は、商用電源にフリッカが生じることを抑制することを主目的とする。
本発明の電力供給制御装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の電力供給制御装置は、
商用電源から車両への電力の供給を制御する電力供給機器を制御する電力供給制御装置であって、
前記車両が必要とする車両必要電力の変化量である車両必要電力変化量が前記商用電源にフリッカが生じる電力の変化量である所定変化量以上であるときには、前記車両必要電力に向けて前記所定電力変化量より小さい変化量で段階的に変化する電力指令値で前記商用電源から前記車両へ電力が供給されるよう前記電力供給機器を制御する
ことを特徴とする。
商用電源から車両への電力の供給を制御する電力供給機器を制御する電力供給制御装置であって、
前記車両が必要とする車両必要電力の変化量である車両必要電力変化量が前記商用電源にフリッカが生じる電力の変化量である所定変化量以上であるときには、前記車両必要電力に向けて前記所定電力変化量より小さい変化量で段階的に変化する電力指令値で前記商用電源から前記車両へ電力が供給されるよう前記電力供給機器を制御する
ことを特徴とする。
この本発明の電力供給制御装置では、車両が必要とする車両必要電力の変化量である車両必要電力変化量が商用電源にフリッカが生じる電力の変化量である所定変化量以上であるときには、車両必要電力に向けて所定電力変化量より小さい変化量で段階的に変化する電力指令値で商用電源から車両へ電力が供給されるよう電力供給機器を制御する。こうした制御により、商用電源にフリッカが生じることを抑制できる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2はモータMG1,MG2やインバータ41,42を中心とした電機駆動系の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたシングルピニオン式のプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、電池パック51に内蔵され例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするHVバッテリ50と、インバータ41,42が接続された電力ライン(以下、高電圧系電力ラインという)54aと電池パック51が接続された電力ライン(以下、電池電圧系電力ラインという)55aとに接続されて高電圧系電力ライン54aの電圧VHを電池電圧系電力ライン55aの電圧VL以上かつ最大許容電圧VHmax以下の範囲内で調節すると共に高電圧系電力ライン54aと電池電圧系電力ライン55aとの間で電力のやりとりを行なう昇圧コンバータ56と、電池電圧系電力ライン55aに取り付けられた空調装置(A/C)57と、HVバッテリ50より電圧が低く例えば鉛蓄電池として構成された補機バッテリ58と、電池電圧系電力ライン55aと補機バッテリ58が接続された電力ライン(以下、低電圧系電力ラインという)59aとに接続されて電池電圧系電力ライン55aの電力を降圧して低電圧系電力ライン59aに供給するDC/DCコンバータ60と、低電圧系電力ライン59aに接続された補機62と、HVバッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、CCID(Chargin Circuit Interrupt Device)リレー90aが内蔵された電源ケーブル90に接続されたコネクタCNがインレットINに接続されたときに電源ケーブル90を介して外部の商用電源92からの電力をハイブリッド自動車20に供給する充電器94と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70とを備える。
インバータ41は、図2に示すように、それぞれスイッチング素子としての6個のトランジスタT11〜T16と、トランジスタT11〜T16に逆方向に並列接続された6個のダイオードD11〜D16とにより構成されている。インバータ42は、インバータ41と同様に、スイッチング素子としての6個のトランジスタT21〜T26と、トランジスタT21〜T26に逆方向に並列接続されたダイオードD21〜D26とにより構成されている。トランジスタT11〜T26は、高電圧系電力ライン54aの正極母線と負極母線とに対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置されており、対となるトランジスタ同士の接続点の各々にモータMG1,MG2の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、インバータ41,42に電圧が作用している状態でトランジスタT11〜T26のオン時間の割合を制御することにより、三相コイルに回転磁界を形成でき、モータMG1,MG2を回転駆動することができる。高電圧系電力ライン54aの正極母線と負極母線とには平滑用のコンデンサ46と抵抗47とが接続されている。
昇圧コンバータ56は、図2に示すように、2つのトランジスタT31,T32とトランジスタT31,T32に逆方向に並列接続された2つのダイオードD31,D32とリアクトルLとからなる昇圧コンバータとして構成されている。2つのトランジスタT31,T32は、それぞれ高電圧系電力ライン54aの正極母線と高電圧系電力ライン54aおよび電池電圧系電力ライン55aの負極母線とに接続されており、その接続点にリアクトルLが接続されている。また、リアクトルLと高電圧系電力ライン54aおよび電池電圧系電力ライン55aの負極母線とにはそれぞれHVバッテリ50の正極端子と負極端子とが接続されている。したがって、トランジスタT31,T32をオンオフ制御することにより、電池電圧系電力ライン55aの電力を昇圧して高電圧系電力ライン54aに供給したり、高電圧系電力ライン54aの電力を降圧して電池電圧系電力ライン55aに供給したりすることができる。リアクトルLと高電圧系電力ライン54aおよび電池電圧系電力ライン55aの負極母線とには平滑用のコンデンサ48が接続されている。
電池パック51には、HVバッテリ50の他に、HVバッテリ50の正極端子と電池電圧系電力ライン55aの正極母線とに接続されたシステムメインリレーSMR1と、HVバッテリ50の負極端子と電池電圧系電力ライン55aの負極母線とに接続されたシステムメインリレーSMR2と、HVバッテリ50の正極端子と充電器94からの充電用電力ライン94aの正極母線とに接続された充電用リレーCHR1と、システムメインリレーSMR2と並列にHVバッテリ50の負極端子と電池電圧系電力ライン55aの負極母線との間に接続された抵抗器Rおよび充電用リレーCHR2と、HVバッテリ50の負極端子と充電用電力ライン94aの負極母線とに接続された充電用リレーCHR3と、抵抗器Rと充電用リレーCHR2との接続点と充電用電力ライン94aの負極母線とに接続された充電用リレーCHR4とが内蔵されている。なお、システムメインリレーSMR1,SMR2,充電用リレーCHR1〜CHR4は、HVECU70に制御されている。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号が入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号が入力ポートを介して入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、HVバッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、HVバッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの端子間電圧VbやHVバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた電流センサ51bからの充放電電流Ibなどが入力されており、必要に応じてHVバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、HVバッテリ50を管理するために、電流センサ51bにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのHVバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算している。
充電器94は、商用電源92からの交流電力を直流電力に変換して充電用電力ライン94aに供給する変換回路96と、変換回路96からの直流電力の電圧を変換して補機62に供給するサブDC/DCコンバータ98とを備える。サブDC/DCコンバータ98は、定格電力がDC/DCコンバータ60より低く補機62を最低限駆動する程度の電力となる構成されている。このため、補機バッテリ58を充電する際には、主として、DC/DCコンバータ60が用いられる。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,補機バッテリ58の端子間電圧を検出する電圧センサ58aからの補機バッテリ電圧Vbl,インレットINから入力される商用電源92の電圧を検出する電圧センサ99aからの商用電圧Vacなどが入力ポートを介して入力されている。また、HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、自宅や予め設定された充電ポイントで車両をシステム停止した後にコネクタCNがインレットINに接続され、その接続が図示しない接続検出センサによって検出され、図示しないタイマーにより充電時間tchgが入力されると、システムメインリレーSMR1,SMR2をオフした状態で充電用リレーCHR1,CHR3をオンとしてHVバッテリ50の蓄電割合SOCが所定割合SOCref(例えば、70%や80%など)に至るまで商用電源92からの電力でHVバッテリ50が充電されるよう充電器94を制御する。また、補機バッテリ58の端子間電圧Vblが定格電圧Vblr(例えば、11Vなど)より低い場合には、さらに、システムメインリレーSMR1,SMR2をオンして補機バッテリ58の端子間電圧Vblが定格電圧Vblrを超えるようDC/DCコンバータ60を制御する。なお、商用電源92からハイブリッド自動車20に電力が供給されている最中も、A/C57や補機62への駆動要求があった場合には、システムメインリレーSMR1,SMR2をオンしてA/C57を駆動したり、補機バッテリ58からの電力やサブDC/DCコンバータ98からの電力で補機62を駆動する。
次に、こうして構成されたハイブリッド自動車20の動作、特に、商用電源92からの電力のハイブリッド自動車20への供給を開始する際の動作について説明する。図3は、実施例のHVECU70により実行される電力供給開始時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、車両をシステム停止した後にコネクタCNがインレットINに接続され、その接続が図示しない接続検出センサによって検出されたときに実行される。
電力供給開始時制御ルーチンが実行されると、HVECU70は、車両が必要する車両必要電力Preqが商用電源92から供給されるインフラ供給電力Pinfを超えているか否かを調べる(ステップS100)。ここで、車両必要電力Preqは、HVバッテリ50の蓄電割合SCOを所定割合SOCref以上にするために必要な充電電力量を充電時間tchgで除したHVバッテリ必要電力Pchgと、補機バッテリ58の端子間電圧Vblを定格電圧Vblr以上にするためにDC/DCコンバータ60を駆動するために必要なDCDC使用電力Pdcと、A/C57や補機62の駆動のために必要な補機必要電力Pcとを加えたものを用いるものとした。また、インフラ供給電力Pinfは、電圧センサ99aにより検出された商用電圧Vacと予め定められた電力ケーブル90の定格電流値Ilimtとに基づいて演算されたものを用いるものとした。
車両必要電力Preqがインフラ供給電力Pinfを超えているときには(ステップS100)インフラ供給電力Pinfを車両必要電力Preqに設定して(ステップS110)次の処理に進み、車両必要電力Preqがインフラ供給電力Pinf以下であるときには(ステップS100)ステップS110の処理を行なうことなく次の処理に進む。これにより、車両必要電力Preqをインフラ供給電力Pinf以下の電力として設定することができる。
続いて、車両必要電力Preqが所定電力Pref以上であるか否かを調べる(ステップS120)。ここで、所定電力Prefは、商用電源92からハイブリッド自動車20に電力を供給しているときに商用電源92にフリッカが生じる電力の変化量の下限として予め定められた値を用いるものとし、例えば、3kWなどであるものとした。今、車両をシステム停止した後にコネクタCNがインレットINに接続され、その接続が図示しない接続検出センサによって検出されたときのことを考えているから、ステップS120の処理を実行する前、商用電源92からハイブリッド自動車20へ供給される電力は値0となっている。したがって、ステップS120の処理は、商用電源92からハイブリッド自動車20へ供給される電力は値0から車両必要電力Preqまで変化させて商用電源92からハイブリッド自動車20への電力供給を開始したときにフリッカが発生するか否かを判定する処理となる。
車両必要電力Preqが所定電力Pref未満であるときには(ステップS120)、商用電源92にフリッカが発生しないと判断して、電力指令値Pchg*を車両必要電力Preqに設定して電力指令値Pchg*の電力が商用電源92よりハイブリッド自動車20へ供給されるよう充電器94を制御して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。こうした処理により、迅速に商用電源92からハイブリッド自動車20へ車両必要電力Preqの電力の供給を開始することができる。
車両必要電力Preqが所定電力Pref以上であるときには(ステップS120)、続いて、補機バッテリ電圧Vblが定格電圧Vblr未満であるか否かを調べる(ステップS130)。補機バッテリ電圧Vblが定格電圧Vblr以上であるときには、補機バッテリ58を充電する必要がないと判断して、電力指令値Pchg*を車両必要電力Preqに向けて所定電力Prefより低い電力ずつ段階的に変化するよう設定して電力指令値Pchg*の電力が商用電源92よりハイブリッド自動車20へ供給されるよう充電器94を制御して(ステップS150)、本ルーチンを終了する。所定電力Prefは、商用電源92からハイブリッド自動車20へ電力の供給を開始したときに商用電源92にフリッカが生じる電力の変化量であるものとした。例えば、車両必要電力Preqが3.5kWであるときには、電力指令値Pchg*は車両必要電力Preqである3.5kWに向けて3kWより低い電力ずつ段階的に変化するもの、例えば、0.3s後に1.5kW,0.6s後に2kW,1.0s後に3.5kWと変化するものとした。
図4は車両必要電力Preqがインフラ供給電力Pinf以下であるときに車両必要電力Preqを電力指令値Pchg*に設定する比較例の電力指令値Pchg*の時間変化の一例を示す説明図であり、図5は車両必要電力Preqがインフラ供給電力Pinf以下であるときの実施例の電力指令値Pchg*の時間変化の一例を示す説明図であり、図6は車両必要電力Preqがインフラ供給電力Pinfを超えているときの実施例の電力指令値Pchg*の時間変化の一例を示す説明図である。図中、実線は電力指令値Pchg*を示し、破線は商用電源92からハイブリッド自動車20への実際の供給電力である供給電力実値を示し、一点鎖線はインフラ供給電力Pinfを示している。車両必要電力Preqをそのまま電力指令値Pchg*に設定して、電力指令値Pchg*の電力が商用電源92からハイブリッド自動車20へ供給されるよう充電器94を制御すると、図4に示すように、供給電力実値が急激に変化して、商用電源92にフリッカが発生する場合がある。実施例では、図5,6に示すように、車両必要電力Preqに向けて所定電力Prefより小さい電力ずつ段階的に変化するよう電力指令値Pchg*を設定し、電力指令値Pchg*の電力が商用電源92よりハイブリッド自動車20へ供給されるよう充電器94を制御するから、商用電源92からハイブリッド自動車20への電力の供給する際の供給電力実値の変化を緩やかにすることができ、商用電源92におけるフリッカの発生を抑制することができる。
補機バッテリ電圧Vblが定格電圧Vblr未満であるときには(ステップS130)、DC/DCコンバータ60を所定時間Trefの間定格電力Pmaxで駆動させて補機バッテリ58を充電すると共に、ステップS140の処理と同様に、車両必要電力Preqに向けて所定電力Prefより小さい電力ずつ段階的に変化するよるよう充電器94を制御して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。
図7は実施例における車両必要電力Preqがインフラ供給電力Pinfを超えており且つ補機バッテリ電圧Vblが定格電圧Vblr未満であるときの電力指令値Pchg*の時間変化の様子の一例を示す説明図である。充電が開始された直後にDC/DCコンバータ60を定格電力Pmaxで駆動するから、より迅速に補機バッテリ58を充電することができる。また、車両必要電力Preqに向けて所定電力Prefより小さい電力ずつ段階的に変化するよう電力指令値Pchg*を設定し、電力指令値Pchg*の電力がハイブリッド自動車20に供給されるよう充電器94を制御することにより、商用電源92からハイブリッド自動車20へ電力を供給する際の供給電力実値の変化を緩やかにすることができ、商用電源92のフリッカの発生を抑制することができる。
なお、DC/DCコンバータ60を定格電力Pmaxで駆動させた後は、補機バッテリ58の端子間電圧Vblが所定電圧Vbrefを超えるまで定格電力PmaxでDC/DCコンバータ60を駆動させてもよいし、所定時間(例えば、1秒,2秒,3秒など)経過した後に補機バッテリ58の端子間電圧Vblが所定電圧VrefになるようDC/DCコンバータ60を制御してもよい。
さらに、商用電源92からハイブリッド自動車20への電力の供給を開始してから充電時間tchgを経過したときには、図5〜図7に示すように、値0の車両必要電力Preqに向けて所定電力Prefより小さい電力ずつ段階的に低くなる電力指令値Pchg*で商用電源92からハイブリッド自動車20へ電力が供給されるよう充電器94を制御するものとする。こうした処理により、商用電源92からハイブリッド自動車20への電力供給を終了する際のフリッカの発生を抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、車両必要電力Preqが所定電力Prefより大きいときには、車両必要電力Preqに向けて所定電力Prefより小さい電力ずつ段階的に変化する電力指令値Pvhg*で商用電源92からハイブリッド自動車20へ電力が供給されるよう充電器94を制御するから、商用電源92にフリッカが発生することを抑制するできる。
実施例のハイブリッド自動車20では、車両必要電力Preqは、HVバッテリ必要電力PchgにDCDC使用電力Pdcと補機必要電力Phとを加えた電力であるものとしたが、HVバッテリ必要電力Pchg,DCDC使用電力Pdc,補機必要電力Phのうちのいずれか一つを車両必要電力Preqとして設定してもよいし、車両必要電力Pchg,DCDC使用電力Pdc,補機必要電力Phのうちのいずれか二つを加えた電力を車両必要電力Preqとして設定してもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ステップS120,S130,S150,S160の処理において、補機バッテリ電圧Vblが定格電圧Vblr未満であるときにはDC/DCコンバータ60を定格電力Pmaxで駆動するものとしたが、ステップS120,S130,S160の処理を行なわないものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、充電器94が「電力供給機器」に相当し、HVECU70とバッテリECU52とが「電力供給制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、電力供給制御装置の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、50 HVバッテリ、51 電池パック、51a,99a 電圧センサ、51b 電流センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54a 高電圧系電力ライン、56 昇圧コンバータ、57 空調装置(A/C)、58 補機バッテリ、59a 低電圧系電力ライン、60 DC/DCコンバータ、62 補機、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 電源ケーブル、90a CCIDリレー、92 商用電源、94 充電器、94a 充電用電力ライン、96 変換回路、98 サブDC/DCコンバータ、CHRG1〜CHRG4、充電用リレー、CN コネクタ、D11〜D16 ダイオード、IN インレット、L リアクトル、MG1,MG2 モータ、SMR1,SMR2 システムメインリレー、R 抵抗器、T11〜T16,T21〜T26,T31,T32 トランジスタ。
Claims (1)
- 商用電源から車両への電力の供給を制御する電力供給機器を制御する電力供給制御装置であって、
前記車両が必要とする車両必要電力の変化量である車両必要電力変化量が前記商用電源にフリッカが生じる電力の変化量である所定変化量以上であるときには、前記車両必要電力に向けて前記所定電力変化量より小さい変化量で段階的に変化する電力指令値で前記商用電源から前記車両へ電力が供給されるよう前記電力供給機器を制御する
ことを特徴とする電力供給制御装置。
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