JP5239179B2 - 背圧弁 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧の維持を可能とする背圧弁に関するものであり、更に詳しくは、キャビテーションが発生しやすい接触部の弁棒を耐キャビテーションエロージョン性に優れた新しい材料で構成することで、弁の一次側、すなわち、入り口側を所定の圧力状態に維持することを可能とする背圧弁に関するものである。本発明は、特にキャビテーション損傷が激しい高圧領域で使用することが可能な背圧弁を提供するものである。
一般に、背圧弁は、図1に示す如く、弁本体20に、弁棒19及び弁座22を取り付け、該弁棒19と該弁座22を、該弁棒19が該弁座22に接触する弁閉位置と、該弁棒19が該弁座22から離間して、流入口25から流入した流体を、排出口26から排出できる弁開放位置に変形自在に設け、該弁棒19の背面側を内部スプリング18で弁閉方向に付勢し、更に、該内部スプリング18を内包しているセンサー取付金具17にセンサー13がねじ込まれており、該センサー13は、センサー受け11、スプリング受け10を介してスプリング8によって弁閉となる方向に付勢するようにしたものが知られている。
背圧弁の圧力を調節するには、ハンドル2を時計方向に回転すると、調整ネジ4が回転し、スプリング押さえ6を下方に押し下げるので、スプリング8が圧縮されて、スプリング受け10が下方に押され、弁棒19を弁座22に押し付ける力が強くなり、これにより、背圧弁の一次側圧力、すなわち、流入側圧力を高くすることができる。従来、背圧弁として、例えば、高油圧機器の使用時に、油タンクに戻される圧油の量を少なく抑えて、高油圧機器の作動速度を高める背圧弁の構造が提案されている(特許文献1、2)。
背圧弁に水あるいは酸、アルカリなどの水溶液を作動流体として使用する場合、キャビテーション発生の問題がある。キャビテーションとは、絞り部前後の圧力差が大きいときに、その絞り部を通過する流体の流速に応じて圧力降下が生じ、低圧側では流体の飽和蒸気圧以下になる場合があり、この時、流体内に気泡(空洞)が発生する現象である。該キャビテーションが発生すると、騒音が発生するのみならず、激しい衝撃力を生じ、作動流体と接する接液部に損傷(キャビテーションエロージョン)を与える。一次側圧力と二次側の圧力差が大きいと、キャビテーションによって該弁棒19は大きく損傷を受け、背圧弁の寿命が短くなるという問題があった。
このため、従来、一般に、該弁棒19には、例えば、図2に掲載されている材料(ステンレス鋼)の中で、壊食抵抗の比較的大きい材料が使われことが多かった。しかしながら、背圧弁の一次側圧力と二次側圧力の圧力差、すなわち、該流入口25側圧力と該排出口26側圧力の圧力差が50Mpa以上あるような場合には、図2に掲載されている材料を使用しても、キャビテーション損傷のため、背圧弁の寿命が非常に短いという問題があり、その解決が求められていた。
特開平07−042857号公報 特開平07−190007号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記従来技術の問題点を除去して、キャビテーション損傷の激しい高圧領域で好適に使用することが可能な新しい背圧弁を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、水や、酸あるいはアルカリの水溶液を作動流体とする背圧弁において、キャビテーションが発生しやすい接液部の弁棒を耐キャビテーションエロージョン性に優れた新しい材料で構成することで所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、キャビテーション損傷が激しい高圧領域で使用することが可能で、従来材と比べて寿命の長い背圧弁を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)弁本体に弁座及び弁棒を取り付け、弁棒と弁座を、弁棒が弁座に接触する弁閉位置と、弁棒が弁座から離間して、流入口から流入した流体を排出口から排出できる弁開放位置に変形自在に設け、弁棒の背面側を、スプリングで弁閉方向に付勢するようにした背圧弁において、弁棒の材質を鉄基複硼化物系硬質合金、マルテンサイト系ステンレス鋼にクロマイズ処理を施したもの、又はオーステナイト系ステンレス鋼に窒化処理を施したものの1種とし、弁棒と接触する弁座の材質をPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂に炭素繊維を充填材として充填したものとしたことを特徴とする背圧弁。
(2)弁棒の背面側を、スプリングで弁閉方向に付勢するようにした背圧弁において、弁棒の材質を、鉄基複硼化物系硬化合金KH−C70とした、前記(1)に記載の背圧弁。
(3)弁棒の背面側を、スプリングで弁閉方向に付勢するようにした背圧弁において、弁棒の材質を、SUS440Cにクロマイズ処理を施したSUS440C/クロマイズとした、前記(1)に記載の背圧弁。
(4)弁棒の背面側を、スプリングで弁閉方向に付勢するようにした背圧弁において、弁棒の材質を、SUS304に窒化処理を施したS304/窒化とした、前記(1)に記載の背圧弁。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、弁本体に弁座及び弁棒を取り付け、弁棒と弁座を、弁棒が弁座に接触する弁閉位置と、弁棒が弁座から離間して、流入口から流入した流体を排出口から排出できる弁開放位置に変形自在に設け、弁棒の背面側を、スプリングで弁閉方向に付勢するようにした背圧弁において、弁棒の材質を鉄基複硼化物系硬質合金としたことを特徴とするものである。
また、本発明は、上記弁棒の材質を、マルテンサイト系ステンレス鋼にクロマイド処理を施したもの、又はオーステナイト系ステンレス鋼に窒化処理を施したもの、としたことを特徴とするものである。更に、本発明では、上記背圧弁の弁棒と接触する弁座の材質をPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂に炭素繊維を充填材として充填したものとすること、を実施の態様としている。
すなわち、本発明は、背圧弁を構成する弁棒の材質として、鉄基複硼化物系硬質合金、マルテンサイト系ステンレス鋼にクロマイズ処理をしたもの、オーステナイト系ステンレス鋼に窒化処理をしたもの、を採用することにより、背圧弁の一次側圧力と二次側圧力の圧力差が50MPa以上あるような場合に、好適に使用することが可能な背圧弁を構築したことを特徴とするものである。
本発明において使用する鉄基複硼化物系硬質合金は、鉄をベースにして、Cr、Mo、Ni、W等の合金成分を含む複硼化物系の硬質焼結合金であり、文献(特公昭60−57499号公報等)記載の方法で作製可能であり、また、市販品、例えば、KH−C20、KH−C30、KH−40、KH−50、KH−60、KH−C70、KH−C80(東洋鋼鈑株式会社製)を入手し、使用することができる。
明細書では、析出硬化系ステンレス鋼については、参考例として、析出硬化熱処理によって、Cu−rich相を析出させることで高強度と高硬度を得るSUS630と、析出硬化熱処理により、マルテンサイト地に微細なAlを含む金属間化合物を生じさせ、高い硬度を得るSUS631のうち、SUS630を例示する。
本発明において使用するマルテンサイト系ステンレス鋼にクロマイズ処理を施した材料は、金属表面にクロムを拡散させる表面処理(クロマイズ処理)を施すことで作することができる。母材の炭素量によって鉄クロム固溶体層と、クロム炭化物層ができる。母材の炭素量が0.2%以上のときできるクロム炭化物層は、高硬度の皮膜を形成し、高温での耐摩耗性、耐焼付性に優れている。
本発明において使用されるオーステナイト系ステンレス鋼に窒化処理を施した材料は、母材に低温の塩浴窒化による表面硬化処理を施すことで作製することができる。窒化は、表面硬化熱処理の化学的表面硬化法であり、それにより、鋼の表面から窒素を拡散侵入させ鋼の表面を硬くする。窒化は、母材の材質によって硬さが決まる。母材としてSUS301〜347ステンレス鋼(日新製鋼株式会社製)が例示される。
次に、本発明において好適に使用される、弁棒と接触する弁座の材質は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂に炭素繊維を充填材として充填したものであり、例えば、市販品として入手できるスミプロイシリーズ製品(例えば、CK4600、住友化学株式会社製)を使用することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の背圧弁の全体構造を示す断面図である。
弁座22は、弁座押さえネジ23によって弁本体20に設けられた穴に固定されており、Oリング24が該弁座22の中央部の穴から排出口26へ排出する流体が外部へ流出するのを防止している。弁棒19は、センサー取付金具17の中に収納され、その背面を内部スプリング18で図面の下方に押されているので、該弁棒19が該弁座22に接触する弁閉位置に付勢されている。
該センサー取付金具17には、センサー13がネジによって固定されている。ガスケット15は、該弁本体20の内部と外部の気密を保つもので、また、グランドパッキング14は、該弁本体20の内部流体が上蓋12の上方へ漏れるのを防ぐために、設けられている。
背圧弁の一次側圧力、すなわち、流入口25側圧力を設定するときは、ハンドル2を時計方向に廻すと調整ネジ4が時計方向に回転し、スプリング押さえ6が図面の下方に移動するので、スプリング8がスプリング受け10に加える弾発力が増して、この力は、センサー受け11を介して、センサー13に伝えられ、該センサー13が下方に移動すると該内部スプリング18の弾発力が増して、該弁棒19を該弁座22に押し付ける力が大きくなるので、一次側圧力を高くすることができる。
流入口25から流入した流体は、該弁棒19と該弁座22の間の微小な隙間を通って減圧されるので、該弁棒19がキャビテーション損傷を受ける可能性が大である。従って、本実施の形態では、該弁棒19の材質を鉄基複硼化物系硬質合金とすることで、耐キャビテーションエロージョン性を向上させることができる。この鉄基複硼化物系硬質合金としては、例えば、KH−C70(硬さHv:780、東洋鋼鈑株式会社製)等の硬質焼結合金を使用することが好適である。
KH−C70は、鉄をベースにして、Cr、Mo、Niを含む複硼化物系の硬質焼結合金であり、高強度で優れた耐摩耗性、耐食性、耐高温酸化性を有し、硬さ(Hv)は780である。その詳細は文献公知(特公昭60−57499)により公知となっている。
また、該弁棒19の材質をマルテンサイト系ステンレス鋼にクロマイズ処理をした材料を使用して、耐キャビテーションエロージョン性を向上させることができる。前述のように、クロマイズ処理とは、金属表面にクロムを拡散させる表面処理で、クロマイズ処理によって得られる表面層は、クロマイズ処理を施される金属材料に含まれる炭素量によって鉄クロム固溶体層と、クロム炭化物層に大別される。鉄クロム固溶体層は、緻密な酸化皮膜を形成し、耐高温酸化性、耐食性などに極めて優れた特性を有している。クロム炭化物層は、高硬度の皮膜を形成し、高温での耐磨耗性、耐焼性に優れた特性を有している。
更に、該弁棒19の材質をオーステナイト系ステンレス鋼に窒化処理をした材料を使用して、耐キャビテーションエロージョン性を向上させることができる。該材料として、例えば、市販品として入手できるSUS301〜347ステンレス鋼(日新製鋼株式会社製)が例示される。例えば、母材のSUS304を窒化処理したSUS304/窒化は、母材に低温の塩浴窒化による表面硬化処理を施すことで作製される。著しく高い疲労強度と耐摩耗性向上が極小の歪量で得られる。母材のSUS304の硬さ(Hv)は190、SUS304/窒化の硬さ(Hv)は1000である。
該材料として、例えば、市販品として入手できるSUS440C(愛知製鋼株式会社製)が例示される。例えば、母材のSUS440Cをクロマイズ処理したSUS440C/クロマイズは、母材の金属表面にクロムを拡散させる表面処理を施すことで作製される。母材の炭素量0.2%以上のときにクロム炭化物層が生成され、高硬度の皮膜を形成し、高温での耐摩耗性、耐焼付性に優れている。母材のSUS440Cの硬さ(Hv)は653、SUS440C/クロマイズの硬さ(Hv)は1360である。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明によれば、キャビテーションの発生しやすい弁棒に耐キャビテーションエロージョン性が良い材料を使用することで、寿命の長い高圧用の背圧弁を構築し、提供することが可能となる。
(2)従来の背圧弁では、高圧の維持が不可能であったため、例えば、200MPaのプロセスに背圧弁を使用するときは、2台の背圧弁を直列に配管し、1台当たり100MPaの圧力を分担して、合計で、200MPaの圧力を維持していた。本発明の背圧弁は、1台で200MPaの圧力を維持することが可能であるので、高品質で安価な背圧弁システムを構築できる。
(3)通常、高圧の液体を一定の圧力、一定の流量で流すには、定流量ポンプで液体を送り、背圧弁で圧力を維持する方法がとられるが、高圧の場合、従来の背圧弁の弁棒の寿命は非常に短いので、長時間、安定した試験をすることができなかった。本発明の背圧弁を用いることによって、長時間、安定して、流量及び圧力を正確に制御することが可能であり、精密な高圧試験が可能となり、高圧化学の発展に貢献することが実現できる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。以下の実施例のうち、SUS630は、参考実施例、すなわち、参考例として示したものである。
本発明の実施例及び参考実施例として4種類の材質、比較例として5種類の材質、合計9種類の材質の弁棒を製作し、これらの弁棒を使用した背圧弁の作製及び試験を行った。
図3に、試験装置の概要を示す。図3の水タンクは、内容積40リットルで、空気駆動の往復動ポンプ(空気駆動ポンプ)の入口に配管されている。該ポンプの入口側配管内でのキャビテーションを防止して、正確な流量のポンプ吐出が可能なように、水タンクには0.15MPaの窒素ガスが導入され、水タンク内は加圧されている。
空気駆動ポンプは、図には示されていない空気圧縮機の空気によってピストンが往復運動を行い、最高吐出圧力が300MPaのポンプである。このポンプは、空気の流量を調節することによって、吐出流量を変えることができる。
該ポンプの出口配管には、ポンプピストンの往復動に起因する脈動を低減するため、内容積が900mlのアキュムレータを装備している。
アキュムレータの下流に、試験に供する背圧弁を設置し、圧力の保持試験を行った。使用流体は純水、流量は50g/min、設定圧力は200MPaとした。弁座は、全試験を通して、ポリエーテルエーテルケトン樹脂に炭素繊維を補強材として含んだもの(スミプロイK、住友化学株式会社製)を使用した。
合否の判定基準は、圧力を200MPa±5MPaの範囲で、50時間以上保持できた弁棒材質を合格とし、あわせて試験後の弁棒表面をSEM(走査型電子顕微鏡)で調査した。
表1に、実施例、参考実施例及び比較例の弁棒を使用した背圧弁の試験結果、各材質の表面硬度、及びベースとなる金属元素を示す。
図4から図12に、試験後に観察した弁棒表面の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図4の鉄基複硼化物系硬質合金KH−C70の場合は、根元部から先端部まで、全域にわたって損傷が無く、評価は合格である。図5のSUS630(参考実施例)の場合は、全域にわたって大きな損傷は無く、評価は合格であるが、C部にシミ状の模様とE部に荒れた面が見える。
図6のSUS440C/クロマイズの場合は、大きな損傷は見られず、評価は合格であるが、シール部付近であるB部のクロマイズ層の一部が剥がれ落ちている。図7のSUS304/窒化処理の場合は、全域にわたって大きな損傷は見られず、評価は合格である。根元部Aで見られる切削跡は、シール部より下流側では消滅している。
図8のハステロイC−276の場合は、シール部付近のC部からD部に向けて大きな壊食が見られ、評価は不合格である。図9のステライト6Bの場合は、シール部付近のB部からD部に向けて大きな壊食が見られ、評価は不合格である。
図10のタングステンカーバイトの場合は、シール部付近のC部からD部に向けて大きな壊食が見られ、評価は不合格である。図11のSUS316/コレステライジングの場合は、大きな損傷は見られないが、シール部BとCに表面層の剥離が見られ、評価は不合格である。図12のSUH660/コレステライジングの場合は、大きな損傷は見られないが、シール部Bに、軸方向の深い傷がみられ、評価は不合格である。
尚、コレステライジング処理とは、オランダ国ボディコート社:BODYCOTE HARDIFF BV及びその関連会社で、もっぱら行われている表面処理の一種で、オーステナイト系ステンレス鋼の表面層に大量のカーボンを拡散させることによって、オーステナイト系ステンレス鋼の耐食性を全く失うことなく表面硬度を上げ、耐摩耗性、耐焼き付き性を向上させ、かつ疲労強度を増大させる処理である。
以上の結果から、本発明の弁棒は、比較例の弁棒と比べて超高圧下で長時間に亘って高い耐久性を発揮することが判明した。図2に示されるように、硬さ(Hv)が高い材料ほど壊食抵抗性が高い傾向にあり、従来、硬さが高い材料が耐久性があると考えるのが通常であった。しかし、上記実施例、参考実施例及び比較例によると、硬さ(Hv:1440)が最も高いタングステンカーバイトの侵食が高いのに対して、それよりも硬さが低い、KH−C70(Hv:780)、SUS630(Hv:390以上)、SUS440C/クロマイズ(Hv:1360)、SUS304/窒化(1000)の方が耐久性が高い結果が得られ、このことは予想外の結果であった。このことは、本発明の弁棒の材質は公知技術からは予期し得ないものであることを示唆していると考えられる。
以上詳述したように、本発明は、背圧弁に係るものであり、従来、高圧下で使用できる背圧弁がなかったが、本発明により、背圧弁の弁棒に特定の材料を使用することにより、寿命の長い高圧用の背圧弁を構築し、提供することが実現できる。本発明による背圧弁は、1台で200MPaの圧力を維持することが可能であるので、高品質で安価な背圧弁システムを構築することができる。本発明は、長時間、安定して、流量及び圧力を正確に制御することを可能とする背圧弁を提供し、それにより、精密な高圧試験を実施可能にするものとして有用である。
背圧弁の全体構造を示す断面図である。 各種材料の耐キャビテーション損傷性を示す。 実施例で用いた試験装置の概要を示す。 本発明の弁棒(KH−C70)の耐久性試験の結果を示す。 参考実施例の弁棒(SUS630)の耐久性試験の結果を示す。 本発明の弁棒(SUS440C/クロマイズ)の耐久性試験の結果を示す。 本発明の弁棒(SUS304/窒化)の耐久性試験の結果を示す。 比較例の弁棒(ハステロイC−276)の耐久性試験の結果を示す。 比較例の弁棒(ステライト6B)の耐久性試験の結果を示す。 比較例の弁棒(タングステンカーバイト V30)の耐久性試験の結果を示す。 SUS316/コレステライジングの耐久性試験の結果を示す。 SUH660/コレステライジングの耐久性試験の結果を示す。
符号の説明
(図1の符号)
1 六角ボルト
2 ハンドル
3 スラストベアリング
4 調整ネジ
5 廻り止めネジ
6 スプリング押さえ
7 スプリングケース
8 スプリング
9 ロックナット
10 スプリング受け
11 センサー受け
12 上蓋
13 センサー
14 グランドパッキング
15 ガスケット
16 グランド押さえネジ
17 センサー取付金具
18 内部スプリング
19 弁棒
20 弁本体
21 六角穴付ボルト
22 弁座
23 弁座押さえネジ
24 Oリング
25 流入口
26 排出口

Claims (4)

  1. 弁本体に弁座及び弁棒を取り付け、弁棒と弁座を、弁棒が弁座に接触する弁閉位置と、弁棒が弁座から離間して、流入口から流入した流体を排出口から排出できる弁開放位置に変形自在に設け、弁棒の背面側を、スプリングで弁閉方向に付勢するようにした背圧弁において、弁棒の材質を鉄基複硼化物系硬質合金、マルテンサイト系ステンレス鋼にクロマイズ処理を施したもの、又はオーステナイト系ステンレス鋼に窒化処理を施したものの1種とし、弁棒と接触する弁座の材質をPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂に炭素繊維を充填材として充填したものとしたことを特徴とする背圧弁。
  2. 弁棒の背面側を、スプリングで弁閉方向に付勢するようにした背圧弁において、弁棒の材質を、鉄基複硼化物系硬化合金KH−C70とした、請求項1に記載の背圧弁。
  3. 弁棒の背面側を、スプリングで弁閉方向に付勢するようにした背圧弁において、弁棒の材質を、SUS440Cにクロマイズ処理を施したSUS440C/クロマイズとした、請求項1に記載の背圧弁。
  4. 弁棒の背面側を、スプリングで弁閉方向に付勢するようにした背圧弁において、弁棒の材質を、SUS304に窒化処理を施したS304/窒化とした、請求項1に記載の背圧弁。
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