JP5234320B2 - サーボプレスラインとその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、サーボモータでスライドを駆動するサーボプレス装置とこの装置にワークを搬入及び/又は搬出する搬送装置とを備えたサーボプレスラインとその制御方法に関する。
プレス装置にワークを搬入・搬出する搬送装置を付設する場合、ワークを成形加工する金型と搬送装置が衝突(干渉)しないように、お互いの動きを同期させる必要がある。
従来の制御方法では、主として機械プレス(クランクプレス、ナックルプレス、クランクレスプレス、リンクプレス、等)を対象としており、プレス自体の動作をマスターとしている。すなわち、例えば、クランクプレスの場合、スライドを駆動するクランク軸(主駆動軸)の回転に同期して、搬送装置が動作するという構成が取られている。なお、かかる制御手段の一例が特許文献1に開示されている。
一方、近年、サーボモータでスライドを駆動するサーボプレス装置が、開発されている。(例えば、特許文献2)。
特許文献1の「プレス用自動搬送制御方法および装置」は、プレス用パルスエンコーダが発生するパルス数にもとづき位置曲線をプログラムにより作成しそれに追従して搬送装置が動作するものである。
特許文献2の「サーボモータ駆動式リンクプレス」は、比較的小出力のモータを用いても、高いプレス荷重による加工、および加工のサイクルタイムの向上が可能で、かつ制御性にも優れ、また、多種の加工ができることを目的とし、図17に示すように、回転動作を直線動作に変換するリンク機構aと、その直線動作でプレス加工のために昇降するラムbとを備え、サーボモータcからリンク機構aのクランク軸dに駆動を伝達する駆動伝達系eを設け、この駆動伝達系eは、サーボモータcの回転制御によりラムbの昇降動作を制御可能に駆動伝達可能なものとし、ラムbを、昇降ストローク範囲内において任意の位置で停止するようにサーボモータcを制御するサーボモータ制御手段fを設けたものである。
特許第3340095号明細書、「プレス用自動搬送制御方法および装置」 特開2003−320489号公報、「サーボモータ駆動式リンクプレス」
サーボモータでスライドを駆動するサーボプレス装置は、リンクプレスに限られず、他の形式の機械プレス(クランクプレス、ナックルプレス、クランクレスプレス、スクリュープレス、等)もサーボプレス化することができ、近年、これらのサーボプレス装置の開発が進められている。
しかし、複数のプレス装置とプレス装置にワークを搬入・搬出する複数の搬送装置を組み合わせたサーボプレスラインの場合、従来はラインを構成する装置のどれか1台で異常が発生した場合、直ちにライン全体を緊急停止させなければならなかった。
そのため1台の装置の異常で、ライン全体が停止してしまうため、復旧作業が煩雑になり、ラインの生産性が向上できないという問題があった。
すなわち、従来のサーボプレスラインでは、1台のプレス装置又は搬送装置の異常により、パネルをプレス成型中だったその他の装置において、パネル成型が中断するため不良品が発生してしまう問題点があった。
また、正常なプレス装置及び搬送装置も通常の停止位置以外の場所で停止させてしまうため、1つ1つの工程で不具合がないか目視確認が必要で、人手による復旧作業を行わないと運転再開できず、運転再開に時間がかかる問題点があった。
本発明は上述した種々の問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、サーボプレスラインを構成するプレス装置又は搬送装置の一部で異常が発生した場合でも、正常運転中の装置の緊急停止を回避し、正常運転中の装置による不良パネルの発生を防止し、ライン全体の復旧作業の作業効率を高め、運転再開にかかる時間を短縮できるサーボプレスラインとその制御方法を提供することにある。
本発明によれば、サーボモータでスライドを駆動する複数のプレスと、該プレスにワークを搬入及び/又は搬出する複数の搬送装置とが連続して配置されたサーボプレスラインであって、
前記サーボプレスライン全体を制御するプレスライン制御装置を備え、
該プレスライン制御装置は、サーボプレスライン全体の基準となるマスター信号を出力するマスター信号発生器と、
前記マスター信号に同期した個別マスター信号を出力する複数の個別マスター発生器と、
対応する個別マスター信号の変化に同期してプレスのスライド位置の指令値を一義的に出力する複数のプレス制御装置と、
対応する個別マスター信号の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値を一義的に出力する複数の搬送制御装置と、
前記複数のプレス又は複数の搬送装置の一部で異常が発生した場合に、前記複数のプレス又は複数の搬送装置を個別に停止させる停止制御装置とを有する、ことを特徴とするサーボプレスラインが提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記停止制御装置は、異常が発生した装置の個別マスター発生器を直ちに停止させ、異常が発生した装置と干渉する可能性がある装置の個別マスター発生器を干渉を避ける位置で停止させ、干渉する可能性がない装置の個別マスター発生器を通常の停止位置まで運転して停止させる。
また、前記停止制御装置は、各プレスの異常を検出して異常信号を出力する複数のプレス異常検出器と、
各プレスと隣接する搬送装置との干渉を判定する複数の搬送装置干渉判定器とからなり、
該搬送装置干渉判定器は、プレス異常検出器が異常信号を出力したとき、そのプレスと隣接する搬送装置のスライド部との干渉の有無を判断し、
干渉する場合には、その搬送装置の個別マスター発生器を、マスター信号発生器から非同期化し、個別マスター信号を減速停止させ、
干渉しない場合には、個別マスター信号をマスター信号に同期させ続け、運転開始位置に到達した時点で非同期化し停止させる。
また、前記マスター信号の値、プレスのクランク軸に取り付けられたクランク軸エンコーダの角度、又はプレスのスライド駆動系の姿勢、又はプレスのスライド位置指令値と搬送装置の位置指令値から、搬送装置と隣接するプレスのスライド部との干渉の有無を判断する、ことが好ましい。
また、前記停止制御装置は、各搬送装置の異常を検出して異常信号を出力する複数の搬送装置異常検出器と、
各プレスと隣接する搬送装置との干渉を判定する複数のプレス干渉判定器とからなり、
該プレス干渉判定器は、搬送装置異常検出器が異常信号を出力したとき、その搬送装置と隣接するプレスのスライド部との干渉の有無を判断し、
干渉する場合には、そのプレスの個別マスター発生器を、マスター信号発生器から非同期化し、個別マスター信号を減速停止させ、
干渉しない場合には、個別マスター信号をマスター信号に同期させ続け、上死点位置に到達した時点で非同期化し停止させる。
また、前記マスター信号の値、プレスのクランク軸に取り付けられたクランク軸エンコーダの角度、又はプレスのスライド駆動系の姿勢、又は搬送装置の目標位置と、プレスのスライド目標位置から、搬送装置と隣接するプレスのスライド部との干渉の有無を判断する、ことが好ましい。
また本発明によれば、サーボモータでスライドを駆動する複数のプレスと、該プレスにワークを搬入及び/又は搬出する複数の搬送装置とが連続して配置されたサーボプレスラインの制御方法であって、
前記サーボプレスライン全体の基準となるマスター信号を出力し、
前記各プレスと各搬送装置毎に、マスター信号に同期した個別マスター信号を出力し、
対応する個別マスター信号の変化に同期してプレスのスライド位置の指令値を一義的に出力し、
対応する個別マスター信号の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値を一義的に出力し、
前記複数のプレス又は複数の搬送装置の一部で異常が発生した場合に、前記複数のプレス又は複数の搬送装置を個別に停止させる、ことを特徴とするサーボプレスラインの制御方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、異常が発生した装置の個別マスター発生器を直ちに停止させ、異常が発生した装置と干渉する可能性がある装置の個別マスター発生器を干渉を避ける位置で停止させ、干渉する可能性がない装置の個別マスター発生器を通常の停止位置まで運転して停止させる。
上述した本発明の装置及び方法によれば、サーボプレスラインにサーボプレスライン全体の基準となるマスター信号を用意し、そのマスター信号と同期した個別マスター信号を出力する個別マスター発生器をマスター信号に追従して動作させる装置それぞれに備えるので、一部の装置で異常が発生した場合、異常停止した装置と干渉する可能性がある装置の個別マスター発生器を干渉を避ける位置で停止させ、干渉する可能性がない装置の個別マスター発生器は、装置の通常の停止位置まで運転して停止させることができる。
従って、異常停止した装置との干渉を確実に防止し、かつ異常停止した装置と干渉する可能性がない装置は正常位置で停止するため、ライン全体を正常状態に戻すのに、異常部分だけの復旧作業を行えばよく、効率的な生産が実現できる。
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明のベースとなるサーボプレスラインの制御システム構成図である。
このサーボプレスラインは、未公開の特許出願(特願2006−322836:平成18年11月30日出願)に基づいている。
この図において、9はパネル、13はクランク軸エンコーダ、14はプレスメインモータ、22は搬送装置モータ、16,26はモータドライブである。プレスメインモータ14はサーボモータである。
以下、プレスメインモータ及び搬送装置モータを単に「モータ」と呼ぶ。
図1のサーボプレスラインは、パネル9を成形・加工するプレス動作を行うサーボプレス装置10(10A〜10C)と、パネル9を搬送する搬送装置20(20A〜20D)の組み合わせで構成されている。
以下、サーボプレス装置を単に「プレス」と呼ぶ。
プレス10と搬送装置20の台数は、1枚のパネル9を順に成型して完成させるために必要な工程数によって決定され、大型プレスラインでは通常3〜5台のプレス10を使用する。なお図1では3台のプレス10(10A〜10C)を示している。
サーボプレスラインでは、プレス10のクランク軸をモータ14で駆動し、プレス10のスライド位置やスライドを上下させるためのクランク軸の角度をサーボ制御により精密に制御できるようになっている。
搬送装置20はプレス10の前後(図で左右)又はプレス間に配置され、パネル吸着用バキュームカップや把持ツールが付いたパネル支持部をモータ22で位置制御し、前工程から後工程にパネル9を搬送する。
上述したような複数のプレス10と搬送装置20で構成されているプレスラインで、ライン全体の生産性を高めるためには、あるプレス10でプレス成型が終了したパネル9を速やかに次工程に搬送し、間断なくプレス成型が行われるように、プレス本体10のプレスタイミングと、搬送装置20の搬送タイミングを同期させて制御する必要がある。
上述した未公開の特許出願では、プレス本体10と搬送装置20を同期させる手段として、プレスライン制御装置30により1つのマスター信号1を生成し、このマスター信号1を基準にして、全てのプレス10および搬送装置20の作動をマスター信号1に追従させることにより、ライン全体の搬送タイミングを同期できるようにしている。
図2は、上述した未公開の特許出願におけるプレスライン制御装置の模式図である。
このプレスライン制御装置30は、マスター信号発生器32、複数のプレス制御装置34、複数の搬送制御装置36及びモータ位置制御器38を備える。
マスター信号発生器32は、サーボプレスライン全体の基準となるマスター信号1を出力する。
複数のプレス制御装置34は、対応するマスター信号1の変化に同期してプレス10のスライド位置の指令値2を一義的に出力する。
搬送制御装置36は、対応するマスター信号1の変化に同期して搬送装置20の作動位置の指令値3を一義的に出力する。
モータ位置制御器38は、指令値2,3に対応してモータドライブ16,26を制御する。
上述したプレスライン制御装置30により、通常の運転時に最適な性能を発揮することが可能である。しかし、プレスライン上のどこかで異常や故障が発生した場合は、プレス本体10と搬送装置20の干渉を避けるために直ちにマスター信号1を停止させ、ライン全体を停止させる必要があった。
例えば第1工程のプレス10Aのモータ14で異常を検出した場合、その前後の搬送装置20A,20Bとの干渉を避けるためにマスター信号1を停止させる必要がある。しかし、その場合、第2工程、第3工程のプレス10B,10Cも緊急停止してしまう。その時に第2工程、第3工程のプレス10B,10Cがパネル9をプレス成型中だった場合、パネル成型が均一でなくなり、不良品が発生してしまう。
また、正常なプレス本体10や正常な搬送装置20も通常の停止位置以外の場所で停止させてしまうため、1つ1つの工程で不具合がないか目視確認が必要で、人手による復旧作業を行わないと運転再開できず、作業効率が低下する。
図3は、本発明によるプレスライン制御装置の第1実施形態図である。
この図において、本発明のサーボプレスラインは、サーボモータ14でスライドを駆動する複数のプレス10(10A,10B)と、プレス10A,10Bにワークを搬入及び/又は搬出する複数の搬送装置20(20A,20B,20C)とが連続して配置されたサーボプレスラインである。
このサーボプレスラインは、サーボプレスライン全体を制御するプレスライン制御装置40を備える。
プレスライン制御装置40は、マスター信号発生器32、複数のプレス制御装置34、複数の搬送制御装置36、モータ位置制御器38、複数の個別マスター発生器42、及び停止制御装置50を備える。
マスター信号発生器32は、図2と同様に、サーボプレスライン全体の基準となるマスター信号1を出力する。
複数の個別マスター発生器42は、マスター信号1に同期した個別マスター信号4を出力する。
複数のプレス制御装置34は、対応する個別マスター信号4の変化に同期してプレスのスライド位置の指令値2を一義的に出力する。図2のプレス制御装置34とは、マスター信号1ではなく対応する個別マスター信号4に同調する点で相違している。
複数の搬送制御装置36は、対応する個別マスター信号4の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値3を一義的に出力する。図2の搬送制御装置36とは、マスター信号1ではなく対応する個別マスター信号4に同調する点で相違している。
モータ位置制御器38は、図2と同様に、指令値2,3に対応してモータドライブ16,26を制御する。
停止制御装置50は、複数のプレス10又は複数の搬送装置20の一部で異常が発生した場合に、プレス10又は搬送装置20を個別に停止させる機能を有する。
上述したように本発明のプレスライン制御装置40は、図2と同様にライン全体の基準となるマスター信号発生器32を有し、そのマスター信号1と同期した個別マスター信号4を出力する装置個別の個別マスター発生器42を有する。
この図において、個別マスター発生器42は、「搬送装置マスター1」、「プレスマスター1」、「搬送装置マスター2」、「プレスマスター2」に相当する。
個別マスター発生器42は、モータドライブ16,26に異常が発生していない場合は、マスター信号1に同期して個別マスター信号4を出力する。従って、正常時は図2とまったく同様のライン同期効果が得られる。
一方、プレスライン上の一部で異常が発生した場合は、マスター信号1の位置を基準に、個別マスター信号4の挙動が変化する。
例えば、図3の第1工程プレス10Aのモータドライブ16で異常が発生した場合、プレスライン制御装置40はプレス異常検出器52によって、第1工程プレス10Aのモータドライブ16に異常が発生したことを検出し、その情報を第1工程プレス10Aの前後の搬送装置20A,20Bの個別マスター発生器42に接続されている搬送装置干渉判定器54に伝達する。
上述した停止制御装置50は、この例では、プレス異常検出器52と搬送装置干渉判定器54からなる。
搬送装置干渉判定器54は、異常情報を受け取った時のマスター信号1の位置から、このまま運転を継続すると搬送装置20A,20Bが第1工程プレス10Aのスライド部(上金型を含む)と干渉するかどうかを判断する。
搬送装置20A,20Bが運転開始位置まで運転を続けた場合、異常停止した第1工程プレス10Aのスライド部(上金型を含む)と「干渉が発生する」と判断した場合、搬送装置干渉判定器54は、その搬送装置の個別マスター発生器42を、マスター信号発生器32から非同期化し、個別マスター信号4を減速停止させる。
搬送装置20A,20Bが運転開始位置まで運転を続けても、異常停止した第1工程プレス10Aのスライド部(上金型を含む)と「干渉しない」と判断した場合、搬送装置干渉判定器54は、個別マスター信号4をマスター信号1に同期させ続け、運転開始位置に到達した時点で非同期化し、停止させる。
異常が発生した第1工程プレス10Aの個別マスター信号4は、異常検出時に直ちに停止させる。
第2工程以降のプレス10Bは正常状態なので、そのままマスター信号発生器32との同期を継続させる。第1工程前後以外の搬送装置も同様に、マスター信号発生器32との同期を継続する。
これにより、第1工程プレス10Aで異常が発生しても、後工程では正常にプレス動作と搬送動作を継続させることが可能であり、ライン内に残った未成型パネルが全て生産完了した時点で、停止させればよい。
次に、搬送装置干渉判定器54によるプレススライドと搬送装置が干渉するかどうかの判定方法について、更に詳しく述べる。
図4は、マスター信号1に対する、第1工程プレス10Aのスライド位置の目標値(A)、第1工程と第2工程間の搬送装置20Bの水平方向位置と垂直方向位置の目標値(B)、および、第2工程プレス10Bのスライド位置の目標値(C)のタイミング関係を示す図である。
第1工程プレス10Aのプレス成型が終了する(図中のa)と、第1工程と第2工程間の搬送装置20Bは第1工程プレスに成型済みのパネルを取りに移動する(図中のb)。パネルを吸着する(図中のc)と、搬送装置20Bはそのまま第2工程プレスにパネルを持って移動する(図中のd)。第2工程プレスにパネルを搬入する(図中のe)と、搬送装置20Bは待機位置(図中のf)に移動し、第1工程プレス10Aの次のプレス成型が終了する(図中のa)まで停止する。
図5は、第1工程プレス10Aがプレス成型を終了した直後に異常が発生した場合のタイミング関係を示す図である。
第1工程プレス10Aのモータドライブ16に異常が発生する(図中のa)とモータ14はフリーランとなり、ダイナミックブレーキ、あるいは通常のブレーキにより、第1工程プレス10Aは停止する(図中のa)。
異常検出によりブレーキを動作させた場合のプレススライドの空走距離は、ブレーキの特性と、マスター信号1の速度から予測可能である。この図の場合、第1工程プレス10Aはスライド上昇途中で停止してしまうので、このまま搬送装置20Bの運転を続ければ、第1工程プレス10Aのプレススライド(上金型を含む)と搬送装置20Bが機械的に干渉してしまう。従って、この図のようなケースでは搬送装置干渉判定器54は、異常検出と同時に搬送装置20Bの個別マスター信号4を停止させる(図中のb1)。
一方、第2工程以降のプレス装置のスライドとは、干渉が発生しないので、個別マスター信号4を停止させる必要はない。
図6は、第2工程プレス10Bのスライド部が下降を開始した直後に異常が発生した場合のタイミング関係を示す図である。
異常が発生する(図中のe)と、第2工程プレス10Bのモータ14がフリーランとなり、ダイナミックブレーキ、または通常のブレーキで停止する(図中のe)のは図5と同じである。
このケースでは、第2工程プレス10Bがスライド下降方向に空走するので、搬送装置20Bを停止させると第2工程プレス10Bのスライド(上金型を含む)と機械的に干渉してしまう。従って、搬送装置20Bの個別マスター信号4は停止させずに、待機位置(図中のf)に移動するまで運転してから停止させる。
図7は、第1工程プレス10Aがスライド上昇完了直前に異常が発生した場合のタイミング関係を示す図である。
このケースでは異常が発生する(図中のb)と第1工程プレス10Aは上死点手前で停止する(図中のc)ため、プレススライドと搬送装置20Bとの機械的干渉が発生しない。従って搬送装置20Bの個別マスター信号4は停止させる必要はなく、第2工程プレス10Bにパネルを搬送して、待機位置(図中のf)まで戻ってきたところで停止させる。
上述したように、異常を検出した時のマスター信号1の値と、異常検出したプレス工程との関係によって、異常プレスのスライドと搬送装置との干渉発生の有無が判断でき、搬送装置の個別マスター信号4を継続すべきか、直ちに停止させるべきかを搬送装置干渉判定器54で判定可能である。
次に、干渉判定器の動作の詳細を説明する。ここでは、第1、第2工程間の搬送装置20Bの干渉判定を例に挙げる。
図8(A)は、第1、第2工程間の搬送装置20Bの位置関係を示す模式図である。
搬送装置20Bの水平方向位置指令値X(θ)、垂直方向位置指令値Y(θ)は、図4(B)に示したようにマスター信号θの関数で表せる。同じく、第1工程プレスのスライド位置L(θ)、第2工程プレスのスライド位置L(θ)も図4(A)(C)のようにマスター信号θの関数で表せる。
図8(A)において、搬送装置20Bの水平方向可動範囲を
0≦X(θ)≦X ・・・(1)
とし、垂直方向可動範囲を
0≦Y(θ)≦Y ・・・(2)
とする。ここでXは、搬送装置の最大水平位置、Yは、最大上昇位置である。
今、第1工程プレス10Aのダイエリア(金型の範囲)に相当する水平方向範囲を
0≦X(θ)≦X ・・・(3)
とし、第2工程プレスのダイエリアに相当する水平方向範囲を
≦X(θ)≦X ・・・(4)
とする。
通常の搬送動作では、搬送装置20Bは第1工程と第2工程の中間位置Xで待機しており、第1工程のプレス成型が終了すると、第1工程側に移動を開始し、パネルのピックアップ位置(X(θ)=0)で、パネルを吸着または把持する。そして、第2工程にパネルを搬送し、パネルのリリース位置(X(θ)=X)でパネルをリリースし、第2工程のプレスが下りてくる前に待機位置(X(θ)=X)まで戻って、次のプレスサイクルを待つ。
中間位置Xに対応するマスター信号の値をθ、ピックアップ位置に対応するマスター信号の値をθ、リリース位置に対応するマスター信号の値をθとする。
また、搬送装置20Bが第1工程のダイエリア(式(3))に進入している範囲に対応するマスター信号を
θIN1≦θ≦θOUT1 ・・・(5)
とし、第2工程のダイエリア(式(4))に進入している範囲に対応するマスター信号を
θIN2≦θ≦θOUT2 ・・・(6)
とする。
マスター信号がθからスタートし、1サイクルでθ+Tになるとすると、以下の大小関係が成り立つ。
θ<θIN1<θ<θOUT1<θIN2<θ<θOUT2<θ+T ・・・(7)
なお、Tはθが角度信号の場合は360°、θが時間の場合は1サイクルの時間[sec]、θがカウンタのカウント値である場合は、1サイクルのカウント値である。
プレス異常検出器44aから異常発生が通知されると、搬送装置干渉判定器54は異常発生時のマスター信号1の値θとその変化量ω(=dθ/dt)を記憶する。異常が発生したプレス10Aの個別マスター信号4は直ちにマスター信号1から非同期化され停止するが、プレス機械本体はブレーキによって減速されるまで惰性で動き続ける。このプレスの空走距離は、異常発生時のプレスの速度に依存する。
プレス停止位置に相当するマスター信号の停止予想値を
θ’=θ+θ(θ、ω) ・・・(8)
とする。θ(θ、ω)は、プレスの空走距離に相当するマスター信号の増分値であり、異常発生時のマスター信号の値θとその変化量ωの関数である。
図9は、搬送装置干渉判定器のフロー図である。以下、詳細に説明する。
今、第1工程プレス10Aで異常が発生したとする(S1,S2,S10)。その時の停止予想値θ’は式(8)から求められる。
(1)停止予想値θ’が
θ≦θ’≦θIN1 ・・・(9)
の場合(S11)、搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリアに進入する前であるので、干渉をさけるためには搬送装置20Bの個別マスター発生器42を直ちに停止(S12)した方が良い。
(2)停止予想値θ’が
θIN1≦θ’≦θOUT1 ・・・(10)
の場合(S12)、搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリアに進入してしまっているので、スライドとの干渉を考慮して搬送装置20Bの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
もし、スライド停止予想位置L(θ’)が
最大上昇位置Y<スライド停止予想位置L(θ’) ・・・(11)
の場合(S14)、搬送装置20Bの可動範囲外にスライドが位置しているので、干渉が発生しないため搬送装置20Bの個別マスター発生器42を停止させる必要はない(S15)。
逆に、
スライド停止予想位置L(θ’)≦最大上昇位置Y ・・・(12)
であった場合(S16)は、運転を続けると搬送装置20Bとスライドが干渉する可能性があるため、個別マスター発生器42は停止予想値θ’で停止させる必要がある(S17)。
(3)停止予想値θ’が
θOUT1≦θ’≦θ+T ・・・(13)
の場合(S18)、搬送装置20Bは、第1工程プレス10Aのダイエリアを既に通過した後なので、θ+Tまで個別マスター発生器42を停止させる必要はない(S19)。
次に、第2工程プレス10Bで異常が発生したとする(S20)。
(4)停止予想値θ’が
θ≦θ’≦θIN2 ・・・(14)
の場合(S21)、搬送装置20Bは、第2工程プレスのダイエリアに進入する前であるので、干渉を避けるためには搬送装置の個別マスター発生器42をθOUT1≦θ≦θIN2の範囲で停止させる必要がある(S22)。
(5)停止予想値θ’が
θIN2≦θ’≦θ ・・・(15)
の場合(S23)、搬送装置20Bが第2工程プレスのダイエリアに進入してしまっているので、スライドとの干渉を考慮して搬送装置の個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
もし、スライド停止予想位置L(θ’)が
最大上昇位置Y<スライド停止予想位置L(θ’) ・・・(16)
の場合(S24)、搬送装置20Bの可動範囲外にスライドが位置しているので、干渉が発生ないため搬送装置の個別マスター発生器42を停止させる必要はない(S25)。
逆に、
スライド停止予想位置L(θ’)≦最大上昇位置Y ・・・(17)
であった場合(S26)は、運転を続けると搬送装置とスライドが干渉する可能性があるため、個別マスター発生器42は停止予想値θ’で停止させる必要がある(S27)。
なお、個別マスター発生器42を直ちに停止させないのは、第2工程ではプレススライドが下降中に搬送装置が進入するため、直ちに停止すると空走してきたプレススライドに上から押される形で干渉してしまう可能性があるからである。
(6)停止予想値θ’が
θ≦θ’≦θ+T ・・・(18)
の場合(S28)、搬送装置20Bは、第2工程プレスのダイエリアから脱出する行程に入っているので、θ+Tまで個別マスター発生器42を停止させる必要はない(S29)。
図10は、本発明によるプレスライン制御装置の第2実施形態図である。
上述した停止制御装置50は、この例では、プレス異常検出器52、搬送装置干渉判定器54およびクランク軸エンコーダ18からなる。
図3の第1実施形態図では、搬送装置干渉判定器54はマスター信号1により、搬送装置の個別マスター発生器42を停止させるかどうか判定していたが、第2実施形態ではマスター信号1の代わりに各サーボプレスのクランク軸に取り付けられているクランク軸エンコーダ18の角度で干渉の有無を判定する。サーボプレスのモーション(動作)はスライド位置指令によって自由に変更可能であるが、下死点のクランク角度と、上死点のクランク角度は機械的に決定される。従って、異常発生時にプレススライドが上昇中であるか、下降中であるかはクランク角度から判断でき、搬送装置のモーションと干渉するかどうかの判定に利用が可能である。
図8(B)は、第1、第2工程間の搬送装置20Bの位置関係を示す模式図である。
第2実施形態における第1工程と第2工程間の搬送装置20Bの干渉判定の具体例を以下に示す。
第1工程プレス10Aのクランク軸エンコーダ18の値をE、第2工程プレス10Bのクランク軸エンコーダ18の値をEとする。
また、搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリアに進入している範囲に対応する第1工程プレス10Aのクランク軸エンコーダ18の信号を
IN1≦E≦EOUT1 ・・・(19)
とし、搬送装置20Bが第2工程プレス10Bのダイエリアに進入している範囲に対応する第2工程プレスのクランク軸エンコーダ18の信号を
IN2≦E≦EOUT2 ・・・(20)
とする。
待機位置Xに対応する第1工程プレス10Aのクランク軸エンコーダ18の信号値をEH1、第2工程プレス10Bのクランク軸エンコーダ18の信号値をEH2とする。ピックアップ位置に相当する第1工程プレス10Aのクランク軸エンコーダ18の信号値をE、リリース位置に相当する第2工程プレス10Bのクランク軸エンコーダ18の信号値をEとする。
まず、第1工程プレス10Aで異常が発生した場合の動作を述べる。プレス異常検出器44aから異常発生が通知されると、搬送装置干渉判定器54は異常発生時の第1工程プレス10Aのクランク軸エンコーダ18の信号値E1eとその変化量V1e(=dE1e/dt)を記憶する。異常が発生したプレスの空走距離は、異常発生時のプレスクランク軸の角度E1eと速度V1eに依存する。プレス停止位置に相当するクランク角度の停止予想値を
1e’=E1e+E1R(E1e、V1e) ・・・(21)
とする。
(1)停止予想値E1e’が
1H≦E1e’≦EIN1 ・・・(22)
の場合、搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリアに進入する前であるので、干渉をさけるためには搬送装置20Bの個別マスター発生器42を直ちに停止した方が良い。
(2)停止予想値E1e’が
IN1≦E1e’≦EOUT1 ・・・(23)
の場合、搬送装置が第1工程プレス10Aのダイエリアに進入してしまっているので、スライドとの干渉を考慮して搬送装置20Bの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
もし、スライド停止予想位置L(E1e’)が
最大上昇位置Y<スライド停止予想位置L(E1e’) ・・・(24)
の場合、搬送装置20Bの可動範囲外にスライドが位置しているので、干渉が発生ないため搬送装置の個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
逆に、
(E1e’)≦Y ・・・(25)
であった場合は、運転を続けると搬送装置とスライドが干渉する可能性があるため、個別マスター発生器42はスライドが停止したタイミングで停止させる必要がある。
(3)停止予想値E1e’が
OUT1≦E1e’≦E1H ・・・(26)
の場合、搬送装置20Bは、第1工程プレス10Aのダイエリアを既に通過した後なので、θ+Tまで個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
上述した干渉判定器のおけるフロー図は、図9のS1〜S19と同様である。
続いて、第2工程プレス10Bで異常が発生した場合の動作を述べる。
プレス異常検出器44aから異常発生が通知されると、搬送装置干渉判定器54は異常発生時の第2工程プレス10Bのクランク軸エンコーダ18の信号値E2eとその変化量V2e(=dE2e/dt)を記憶する。プレス停止位置に相当するクランク角度の停止予想値を
2e’=E2e+E2R(E2e、V2e) ・・・(27)
とする。
(4)停止予想値E2e’が
2H≦E2e’≦EIN2 ・・・(28)
の場合、搬送装置20Bは、第2工程プレス10Bのダイエリアに進入する前であるので、干渉を避けるためには搬送装置20Bの個別マスター発生器42をθOUT1≦θ≦θIN2の範囲で停止させる必要がある。
(5)停止予想値E2e’が
IN2≦E2e’≦E ・・・(29)
の場合、搬送装置が第2工程プレス10Bのダイエリアに進入してしまっているので、スライドとの干渉を考慮して搬送装置20Bの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
もし、スライド停止予想位置L(E2e’)が
最大上昇位置Y<スライド停止予想位置L(E2e’) ・・・(30)
の場合、搬送装置20Bの可動範囲外にスライドが位置しているので、干渉が発生ないため、搬送装置20Bの個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
逆に、
スライド停止予想位置L(E2e’)≦最大上昇位置Y ・・・(31)
であった場合は、運転を続けると搬送装置20Bとスライドが干渉する可能性があるため、個別マスター発生器42はスライドが停止したタイミングで停止させる必要がある。
(6)停止予想値E2e’が
≦E2e’≦E2H ・・・(32)
の場合、搬送装置20Bは、第2工程プレス10Bのダイエリアから脱出する行程に入っているので、θ+Tまで個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
上述した干渉判定器のおけるフロー図は、図9のS20〜S29と同様である。
図11は、本発明によるプレスライン制御装置の第3実施形態図である。
上述した停止制御装置50は、この例では、プレス異常検出器52および搬送装置干渉判定器54からなる。
この第3実施形態では、マスター信号1の代わりに、上流側プレス10Aのスライド位置指令2と搬送装置の位置指令3、下流プレス20Bのスライド位置指令2で、干渉停止の判定をしている。
異常発生したプレスの停止位置と、搬送装置の位置が判明すれば、搬送装置のマスターを即停止させなければならないか、待機位置まで運転できるかどうかの判定ができる。
第3実施形態における第1工程と第2工程間の搬送装置20Bの干渉判定の具体例を以下に示す。
第1工程プレス10Aのスライド位置指令2の指令値をS、第2工程プレス20Aのスライド位置指令2の指令値をSとする。
まず、第1工程プレス10Aで異常が発生した場合の動作を述べる。プレス異常検出器44aから異常発生が通知されると、搬送装置干渉判定器54は異常発生時の第1工程プレス10Aのスライド位置指令値S1eとその変化量υ1e(=dS1e/dt)を記憶する。また、その時の搬送装置20Bの水平方向位置指令値Xeとその変化量Vxe(=dXe/dt)も同時に記憶する。
異常が発生したプレスの空走距離は、異常発生時のプレススライドの位置S1eと速度υ1eに依存する。プレススライドの停止予想値を
1e’=S1e+S1R(S1e、υ1e) ・・・(33)
とする。
(1)Vxe<0、かつ、X≦X≦X ・・・(34)
の場合、図8(A)において、搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリアに進入する前であるので、干渉をさけるためには搬送装置20Bの個別マスター発生器42を直ちに停止した方が良い。
(2)水平方向位置指令値Xが 0≦X≦X ・・・(35)
の場合、図8(A)において、搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリアに進入してしまっているので、スライドとの干渉を考慮して搬送装置20Bの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
もし、スライド停止予想位置S1e’が
最大上昇位置Y<スライド停止予想位置S1e’ ・・・(36)
の場合、搬送装置20Bの可動範囲外にスライドが位置しているので、干渉が発生ないため、搬送装置20Bの個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
逆に、
スライド停止予想位置S1e’≦最大上昇位置Y ・・・(37)
であった場合は、運転を続けると搬送装置20Bとスライドが干渉する可能性があるため、個別マスター発生器42はスライドが停止したタイミングで停止させる必要がある。
(3)Vxe≧0、かつ、X≦X≦X ・・・(38)
または、Vxeは任意で X≦X≦X ・・・(39)
の場合、図8(A)において、搬送装置20Bは、第1工程プレス10Aのダイエリアを既に通過した後なので、θ+Tまで個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
上述した干渉判定器のおけるフロー図は、図9のS1〜S19と同様である。
続いて、第2工程プレス10Bで異常が発生した場合の動作を述べる。
プレス異常検出器52から異常発生が通知されると、搬送装置干渉判定器54は異常発生時の第2工程プレス10Bのスライド位置指令値S2eとその変化量υ2e(=dS2e/dt)を記憶する。また、その時の搬送装置20Bの水平方向位置指令値Xeとその変化量Vxe(=dXe/dt)も同時に記憶する。
異常が発生した第2工程プレス10Bの空走距離は、異常発生時のプレススライドの位置S2eと速度υ2eに依存する。プレススライドの停止予想値を
2e’=S2e+S2R(S2e、υ2e) ・・・(40)
とする。
(4) Vxe<0、かつ、0≦X≦X ・・・(41)
または、Vxe≧0、かつ、0≦X≦X ・・・(42)
の場合、図8(A)において、搬送装置20Bは、第2工程プレス10Bのダイエリアに進入する前であるので、干渉を避けるためには搬送装置20Bの個別マスター発生器42をθOUT1≦θ≦θIN2の範囲で停止させる必要がある。
(5)Vxe≧0、かつ、X≦X≦X ・・・(43)
の場合、図8(A)において、搬送装置20Bが第2工程プレス10Bのダイエリアに進入してしまっているので、スライドとの干渉を考慮して搬送装置20Bの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
もし、スライド停止予想位置S2e’が
最大上昇位置Y<スライド停止予想位置S2e’ ・・・(44)
の場合、搬送装置20Bの可動範囲外にスライドが位置しているので、干渉が発生ないため、搬送装置20Bの個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
逆に、
スライド停止予想位置S2e’≦最大上昇位置Y ・・・(45)
であった場合は、運転を続けると搬送装置20Bとスライドが干渉する可能性があるため、個別マスター発生器42はスライドが停止したタイミングで停止させる必要がある。
(6)Vxe<0、かつ、X≦X≦X ・・・(46)
の場合、図8(A)において、搬送装置20Bは、第2工程プレス10Bのダイエリアから脱出する工程に入っているので、θ+Tまで個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
上述した干渉判定器のおけるフロー図は、図9のS20〜S29と同様である。
以上までの説明は、プレスのモータドライブ16に異常が発生した場合であるが、同様に搬送装置のモータドライブ26に異常が発生した場合も、干渉判定器を適用することができる。
図12は、搬送装置の非干渉停止を実現するための、本発明によるプレスライン制御装置の第4実施形態図である。
上述した停止制御装置50は、この例では、搬送装置異常検出器56およびプレス干渉判定器58からなる。
第4実施形態において、第1工程、第2工程間の搬送装置20Bのモータドライブ26で異常が発生した場合、プレスライン制御装置40は搬送装置異常検出器56によって、第1、第2工程間搬送装置20Bのモータドライブ26に異常が発生したことを検出し、その情報を第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42に接続されているプレス干渉判定器58と、第2工程のプレスの個別マスター発生器42に接続されているプレス干渉判定器58に伝達する。
第1工程のプレス干渉判定器58は、異常情報を受け取った時のマスター信号1の位置から、このまま運転を継続すると第1工程プレス10Aが搬送装置20Bと干渉するかどうかを判断する。第2工程のプレス干渉判定器58は、第2工程プレス20Bが搬送装置20Bと干渉するかどうかを判断する。
第1工程のプレス干渉判定器58は、第1工程プレス10Aが上死点位置まで運転を続けた場合、異常停止した第1、第2工程間搬送装置20Bと干渉が発生すると判断した場合、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42をライン全体のマスター信号発生器32から非同期化し、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42の個別マスター信号4を減速停止させる。
第1工程プレス10Aが上死点位置まで運転を続けても、異常停止した搬送装置20Bと干渉しないと判断した場合、プレス干渉判定器58は、個別マスター発生器42の個別マスター信号4をマスター信号1に同期させ続け、上死点位置に到達した時点で、非同期化して停止させる。
なお、異常が発生した搬送装置の個別マスター発生器信号は、異常検出時に直ちに停止させる。
第3工程以降のプレスは正常状態なので、そのままマスター信号発生器32との同期を継続させる。第3工程以降の搬送装置も同様に、マスター信号発生器32との同期を継続する。
これにより、第1、第2工程間搬送装置20Bで異常が発生しても、第3工程以降では正常にプレス動作と搬送動作を継続させることが可能であり、ライン内に残った未成型パネルが全て生産完了した時点で、停止させればよい。
次に、「プレス干渉判定器」によるプレスと搬送装置が干渉するかどうかの判定方法について、更に詳しく述べる。
図13は、搬送装置20Bが第2工程にパネルを搬入した直後に異常が発生した場合のタイミング関係を示す図である。
搬送装置20Bのモータ26の異常(図中のe)を検出すると搬送装置20Bのモータ26はフリーランとなり、空走状態となる。その後メカブレーキが動作し、機構系を停止させるが、搬送装置は第2工程プレス10Bのダイエリア内で停止してしまう(図中のe)。
この時、第2工程プレス10Bのスライドは下降中であり、このまま下降を続けると、停止した搬送装置20Bとスライドが干渉してしまう。従ってこのようなケースでは、「プレス干渉判定器47b」は第2工程プレス10Bの個別マスター発生器42をマスター信号発生器32から非同期化し、直ちに停止させる(図中のf)。
図14は、搬送装置20Bが待機位置から移動を開始し、第1工程プレス10Aからパネルを搬出する前(図中のb)に異常停止(図中のb)した場合のタイミング関係を示す図である。
この場合、搬送装置20Bは、第1工程プレス10Aのダイエリア内に停止してしまう。この場合、第1工程プレス10Aのスライドはプレスを終えて上昇中であり、上死点(図中のc)で停止すれば、搬送装置20Bとの干渉は発生しない。従って、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42はマスター信号発生器32と非同期化せず、上死点(図中のc)まで移動してから個別マスター発生器42を停止させる。
なお、第1、第2工程間搬送装置20Bが、第1工程プレス10Aのダイエリア内で停止しているため、第1工程前の搬送装置20Aはパネルを搬入することができない。よって、第1工程前の搬送装置20Aの個別マスター発生器42も、第1、第2工程間搬送装置20Aの個別マスター発生器42が停止したタイミングで、停止しなければならない。
以下、プレス干渉判定器の動作の詳細を説明する。ここでは、第1工程のプレス干渉判定を例に挙げる。
第1工程前搬送装置20Aの水平方向位置指令値X(θ)、垂直方向位置指令値Y(θ)は、マスター信号θの関数で表せる。第1、第2工程間搬送装置20Bの水平方向位置指令値X(θ)、垂直方向位置指令値Y(θ)も同様である。
また、第1工程プレス10Aのスライド位置L(θ)もθの関数で表せる。
第1工程前搬送装置20Aの水平方向可動範囲を
0≦X(θ)≦X0L ・・・(47)
とし、垂直方向可動範囲を
0≦Y(θ)≦Y0L ・・・(48)
とする。第1工程プレス10Aのダイエリアに相当する水平方向範囲を
01≦X(θ)≦X0L ・・・(49)
する。
同様に、第1、第2工程間搬送装置20Bの水平方向可動範囲を
0≦X(θ)≦X1L ・・・(50)
とし、垂直方向可動範囲を
0≦Y(θ)≦Y1L ・・・(51)
とする。第1工程プレス10Aのダイエリアに相当する水平方向範囲を
0≦X(θ)≦X11 ・・・(52)
とする。
第1工程プレス10Aの下死点に対応するマスター信号1の値をθBDC、上死点に対応するマスター信号1の値をθTDCとする。
第1工程前搬送装置20Aが第1工程プレス10Aのダイエリア(式(49))に進入している範囲に対応するマスター信号1を、
θIN01≦θ≦θOUT01 ・・・(53)
とする。また、第1、第2工程間搬送装置20Bが、第1工程プレス10Aのダイエリア(式(52))に進入している範囲に対応するマスター信号1を、
θIN11≦θ≦θOUT11 ・・・(54)
とする。
第1工程前搬送装置20Aのパネルリリース位置に対応するマスター信号1の値をθ0L、第1、第2工程間搬送装置20Bのパネルピックアップ位置に対応するマスター信号1の値をθ1Pとする。
搬送装置異常検出器46a,46bから異常発生が通知されると、干渉判定器47aは異常発生時のマスター信号1の値θとその変化量ω(=dθ/dt)を記憶する。異常が発生した搬送装置20A,20Bの個別マスター発生器42は直ちにマスター信号発生器32から非同期化され停止するが、搬送装置本体はブレーキによって減速されるまで惰性で動き続ける。この搬送装置の空走距離も、プレス同様、異常発生時の位置と速度に依存する。空走距離をθとωの関数として、第1工程前搬送装置20Aの空走距離をθ0R(θ、ω)、第1、第2工程間搬送装置20Bの空走距離をθ1R(θ、ω)とする。
第1工程前搬送装置20Aで異常が起きた場合の、停止位置に相当するマスター信号1の停止予想値を
θ0e’=θ+θ0R(θ、ω) ・・・(55)
とする。
第1、第2工程間搬送装置20Bで異常が起きた場合の、停止位置に相当するマスター信号1の停止予想値を
θ1e’=θ+θ1R(θ、ω) ・・・(56)
とする。
図15は、プレス干渉判定器のフロー図である。以下、詳細に説明する。
今、第1、第2工程間搬送装置20Bで異常が起きたとする(T1,T2,T20)。その時の停止予想値θ1e’は、式(56)から求められる。
(1)停止予想値θ1e’が
θBDC≦θ1e’≦θTDC ・・・(57)
の場合(T21)、プレスが上昇行程の途中であるので、搬送装置20Bとプレススライドとの干渉は発生せず、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42は上死点まで運転してから、停止させればよい(T22)。
(2)停止予想値θ1e’が
θTDC≦θ1e’≦θBDC+T ・・・(58)
の場合(T23)、プレスが下降行程の途中であるので、搬送装置20Bとプレススライドが干渉してしまう。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42は直ちに停止させなければならない(T24)。
なお、(1)、(2)いずれの場合も、
θIN11≦θ1e’≦θOUT11 ・・・(59)
の時(T25)は、第1、第2工程間搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリア内で停止してしまうため、後から入ってくる第1工程前搬送装置20Aと干渉してしまう。よって、式(59)の場合は、第1工程前搬送装置20Aの個別マスター発生器42も直ちに停止させなければならない(T26)。
次に、第1工程前搬送装置20Aで異常が起きたとする(T1,T2,T10)。その時の停止予想値θ0e’は、式(55)から求められる。
(3)停止予想値θ0e’が
θBDC≦θ0e’≦θTDC ・・・(60)
の場合(T11)、プレスが上昇行程の途中であるので、搬送装置20Aとプレス10Aのスライドとの干渉は発生せず、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42は上死点まで運転してから、停止させればよい(T12)。
(4)停止予想値θ0e’が
θTDC≦θ0e’≦θBDC+T ・・・(61)
の場合(T13)、プレスが下降行程の途中であるので、搬送装置20Aとプレススライドが干渉してしまう。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42は直ちに停止させなければならない(T14)。
なお、第1工程前搬送装置20Aの場合は、例え、θ1e’が
θIN01≦θ1e’≦θOUT01 ・・・(62)
であっても、第1、第2工程間搬送装置20Bは、第1工程前搬送装置20Aがダイエリアに進入する前に、ダイエリアを脱出しているので、干渉は発生しない。よって、第1、第2工程間搬送装置20Bの個別マスター発生器42は止める必要がない。
図16は、搬送装置の非干渉停止を実現するための、本発明によるプレスライン制御装置の第5実施形態図である。
上述した停止制御装置50は、この例では、搬送装置異常検出器56およびプレス干渉判定器58からなる。
この第5実施形態は、干渉判定の基準値として、搬送装置の目標位置6と、プレスのスライド目標位置4を利用した例である。これも異常発生時の目標位置の関係により、プレスとの干渉が発生するかどうかを判断し、マスター信号を停止させる。
搬送装置異常検出器56から異常発生が通知されると、プレス干渉判定器58は異常発生時の搬送装置目標値Xとその変化量Vxe(=dX/dt)を記憶する。また、異常発生時の第1工程プレス10Aのスライドの目標値S1eとその変化量υ(=dS1e/dt)を記憶する。
異常が発生した搬送装置20A,20Bの個別マスター発生器42は直ちにマスター信号発生器32から非同期化され停止するが、搬送装置本体はブレーキによって減速されるまで惰性で動き続ける。この搬送装置20a,20Bの空走距離は、異常発生時の搬送装置の速度に依存する。空走距離をV0xe、またはV1xeの関数として、第1工程前搬送装置20Aの空走距離をX0R(V0xe)、第1、第2工程間搬送装置20Bの空走距離をX1R(V1xe)とする。
第1工程前搬送装置20Aで異常が起きた場合の、停止位置予想値を
0e’=X0e+X0R(V0xe) ・・・(63)
とする。
第1、第2工程間搬送装置20Bで異常が起きた場合の、停止位置予想値を
1e’=X1e+X1R(V1xe) ・・・(64)
とする。
今、第1、第2工程間搬送装置20Bで異常が起きたとする。その時の停止予想値X1e’は、式(64)から求められる。
(1)停止予想値X1e’が
0≦X1e’≦X11 ・・・(65)
の場合、第1、第2工程間搬送装置20Bが第1プレス10Aのダイエリア内で停止していまっているため、プレススライドとの干渉を考慮して、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
υ≦0の場合、スライドが下降中であるため、プレス10Aを停止しなければ異常停止している搬送装置20Bとプレススライドが干渉する。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42を直ちに停止させる必要がある。
υ>0の場合、スライドが上昇中であるため、搬送装置20Bとプレススライドが干渉する可能性はない。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42はθTDCまで運転してから停止させればよい。
(2)停止予想値X1e’が
11<X1e’ ・・・(66)
の場合、第1、第2工程間搬送装置20Bは第1プレス10Aのダイエリア外で停止しているため、第1工程プレス10Aのスライドとの干渉は考慮する必要は無い。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42はθTDCまで運転してから停止させればよい。
次に、第1工程前搬送装置20Aで異常が起きたとする。その時の停止予想値X0e’は、式(63)から求められる。
(3)停止予想値X0e’が
01≦X0e’≦X0L ・・・(67)
の場合、第1工程前搬送装置20Aが第1プレス10Aのダイエリア内で停止していまっているため、プレススライドとの干渉を考慮して、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
υ≦0の場合、スライドが下降中であるため、プレス10Aを停止しなければ異常停止している搬送装置20Aとプレススライドが干渉する。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42を直ちに停止させる必要がある。
υ>0の場合、スライドが上昇中であるため、搬送装置20Aとプレス10Aのスライドが干渉する可能性はない。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42はθTDCまで運転してから停止させればよい。
(4)停止予想値X0e’が
0e’<X01 ・・・(68)
の場合、第1工程前搬送装置20Aは第1プレス10Aのダイエリア外で停止しているため、第1工程プレス10Aのスライドとの干渉は考慮する必要は無い。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42はθTDCまで運転してから停止させればよい。
上述した本発明の装置及び方法によれば、サーボプレスラインにサーボプレスライン全体の基準となるマスター信号1を用意し、そのマスター信号1と同期した個別マスター発生器信号4を出力する個別マスター発生器42をマスター信号1に追従して動作させる装置それぞれに備えるので、一部の装置で異常が発生した場合、異常停止した装置と干渉する可能性がある装置の個別マスター発生器42を干渉を避ける位置で停止させ、干渉する可能性がない装置の個別マスター発生器42は、装置の通常の停止位置まで運転して停止させることができる。
従って、異常停止した装置との干渉を確実に防止し、かつ異常停止した装置と干渉する可能性がない装置は正常位置で停止するため、ライン全体を正常状態に戻すのに、異常部分だけの復旧作業を行えばよく、効率的な生産が実現できる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明のベースとなるサーボプレスラインの制御システム構成図である。 未公開の特許出願におけるプレスライン制御装置の模式図である。 本発明によるプレスライン制御装置の第1実施形態図である。 マスター信号に対する、第1工程プレス10Aのスライド位置の目標値(A)、第1工程と第2工程間の搬送装置20Bの水平方向位置と垂直方向位置の目標値(B)、および、第2工程プレス10Bのスライド位置の目標値(C)のタイミング関係を示す図である。 第1工程プレス10Aがプレス成型を終了した直後に異常が発生した場合のタイミング関係を示す図である。 第2工程プレス10Bのスライド部が下降を開始した直後に異常が発生した場合のタイミング関係を示す図である。 第1工程プレス10Aがスライド上昇完了直前に異常が発生した場合のタイミング関係を示す図である。 第1、第2工程間の搬送装置の位置関係を示す模式図である。 搬送装置干渉判定器のフロー図である。 本発明によるプレスライン制御装置の第2実施形態図である。 本発明によるプレスライン制御装置の第3実施形態図である。 本発明によるプレスライン制御装置の第4実施形態図である。 搬送装置20Bが第2工程にパネルを搬入した直後に異常が発生した場合のタイミング関係を示す図である。 搬送装置20Bが待機位置から移動を開始し、第1工程プレス10Aからパネルを搬出する前に異常停止した場合のタイミング関係を示す図である。 プレス干渉判定器のフロー図である。 本発明によるプレスライン制御装置の第5実施形態図である。 特許文献2の「サーボモータ駆動式リンクプレス」の模式図である。
符号の説明
1 マスター信号、2 スライド位置指令、
3 搬送装置の位置指令、4 個別マスター信号、
6 搬送装置の目標位置、9 パネル、
10(10A〜10C) サーボプレス装置(プレス)、
13 クランク軸エンコーダ、14 プレスメインモータ(モータ)、
16 モータドライブ、20,20A〜20D 搬送装置、
22 搬送装置モータ(モータ)、26 モータドライブ、
30 プレスライン制御装置、
32 マスター信号発生器、34 プレス制御装置、
36 搬送制御装置、38モータ位置制御器、
40 プレスライン制御装置、42 個別マスター発生器、
50 停止制御装置、52 プレス異常検出器、
54 搬送装置干渉判定器、56 搬送装置異常検出器、
58 プレス干渉判定器

Claims (8)

  1. サーボモータでスライドを駆動する複数のプレスと、該プレスへワークを搬入すること、及び、該プレスからワークを搬出することの一方又は両方を行う複数の搬送装置とが連続して配置されたサーボプレスラインであって、
    前記サーボプレスライン全体を制御するプレスライン制御装置を備え、
    該プレスライン制御装置は、サーボプレスライン全体の基準となるマスター信号を出力するマスター信号発生器と、前記マスター信号に同期した複数の個別マスター信号をそれぞれ出力する複数の個別マスター発生器と、を有し、
    前記プレスライン制御装置は、さらに、複数のプレス制御装置と複数の搬送制御装置を有し、複数のプレス制御装置の各々は、前記複数の個別マスター信号のうち、対応する個別マスター信号の変化に同期してプレスのスライド位置の指令値を一義的に出力し、複数の搬送制御装置の各々は、前記複数の個別マスター信号のうち、対応する個別マスター信号の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値を一義的に出力し、
    前記プレスライン制御装置は、前記複数のプレス又は複数の搬送装置の一部で異常が発生した場合に、異常が発生した前記プレス又は搬送装置に対応する個別マスター発生器を直ちに停止させて、前記プレス又は搬送装置を個別に停止させる停止制御装置をさらに有する、ことを特徴とするサーボプレスライン。
  2. 前記停止制御装置は、異常が発生した前記プレス又は搬送装置と干渉する可能性がある前記プレス又は搬送装置の個別マスター発生器を干渉を避ける位置で停止させ、干渉する可能性がない前記プレス又は搬送装置の個別マスター発生器を通常の停止位置まで運転して停止させる、ことを特徴とする請求項1に記載のサーボプレスライン。
  3. 前記停止制御装置は、各プレスの異常を検出して異常信号を出力する複数のプレス異常検出器と、
    各プレスと隣接する搬送装置との干渉を判定する複数の搬送装置干渉判定器とからなり、
    該搬送装置干渉判定器は、プレス異常検出器が異常信号を出力したとき、そのプレスと隣接する搬送装置のスライド部との干渉の有無を判断し、
    干渉する場合には、その搬送装置の個別マスター発生器を、マスター信号発生器から非同期化し、個別マスター信号を減速停止させ、
    干渉しない場合には、個別マスター信号をマスター信号に同期させ続け、運転開始位置に到達した時点で非同期化し停止させる、ことを特徴とする請求項2に記載のサーボプレスライン。
  4. 前記マスター信号の値、プレスのクランク軸に取り付けられたクランク軸エンコーダの角度、プレスのスライド駆動系の姿勢、又はプレスのスライド位置指令値と搬送装置の位置指令値から、搬送装置と隣接するプレスのスライド部との干渉の有無を判断する、ことを特徴とする請求項3に記載のサーボプレスライン。
  5. 前記停止制御装置は、各搬送装置の異常を検出して異常信号を出力する複数の搬送装置異常検出器と、
    各プレスと隣接する搬送装置との干渉を判定する複数のプレス干渉判定器とからなり、
    該プレス干渉判定器は、搬送装置異常検出器が異常信号を出力したとき、その搬送装置と隣接するプレスのスライド部との干渉の有無を判断し、
    干渉する場合には、そのプレスの個別マスター発生器を、マスター信号発生器から非同期化し、個別マスター信号を減速停止させ、
    干渉しない場合には、個別マスター信号をマスター信号に同期させ続け、上死点位置に到達した時点で非同期化し停止させる、ことを特徴とする請求項2に記載のサーボプレスライン。
  6. 前記マスター信号の値、プレスのクランク軸に取り付けられたクランク軸エンコーダの角度、プレスのスライド駆動系の姿勢、又は搬送装置の目標位置とプレスのスライド目標位置から、搬送装置と隣接するプレスのスライド部との干渉の有無を判断する、ことを特徴とする請求項5に記載のサーボプレスライン。
  7. サーボモータでスライドを駆動する複数のプレスと、該プレスへワークを搬入すること、及び、該プレスからワークを搬出することの一方又は両方を行う複数の搬送装置とが連続して配置されたサーボプレスラインの制御方法であって、
    前記サーボプレスライン全体の基準となるマスター信号を出力し、
    複数の個別マスター発生器により、前記マスター信号に同期した複数の個別マスター信号をそれぞれ出力し、
    前記各プレス毎に、複数の個別マスター信号のうち、対応する個別マスター信号の変化に同期してプレスのスライド位置の指令値を一義的に出力し、
    前記各搬送装置毎に、複数の個別マスター信号のうち、対応する個別マスター信号の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値を一義的に出力し、
    前記複数のプレス又は複数の搬送装置の一部で異常が発生した場合に、異常が発生した前記プレス又は搬送装置に対応する個別マスター発生器を直ちに停止させ、前記プレス又は搬送装置を個別に停止させる、ことを特徴とするサーボプレスラインの制御方法。
  8. 異常が発生した前記プレス又は搬送装置と干渉する可能性がある装置の個別マスター発生器を干渉を避ける位置で停止させ、干渉する可能性がない前記プレス又は搬送装置の個別マスター発生器を通常の停止位置まで運転して停止させる、ことを特徴とする請求項7に記載のサーボプレスラインの制御方法。
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