JP5233215B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵部材に加えられる操舵トルクに応じて設定される目標補助力と操舵補助用のモータの実補助力との偏差に基づいてフィードバック制御を実行する電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイール等の操舵部材に加えられる操舵トルクをトルクセンサにて検出し、検出された操舵トルクに応じて舵取機構の動作を補助する操舵補助用のモータを駆動させることにより、運転者による操舵操作力を軽減するものである。
従来の電動パワーステアリング装置では、例えば、車速をパラメータとして操舵トルクと目標補助力(具体的にはモータの目標電流)との対応データを記憶したマップに操舵トルクの検出値及び車速センサの検出値を適用してモータの目標電流値を求め、操舵補助用のモータの実補助力をモータの実電流によって検出し、この実電流値と目標電流値との偏差が小さくなるようにモータ電流を制御するフィードバック制御を行っている。マップは、高速時には目標補助力を小さくして操舵のふらつきを防止する一方、低速時には目標補助力を大きくして操舵労力の軽減効果を高めるように設定されている。
モータ電流の制御はモータ駆動回路を高周波のパルス信号でスイッチング動作させ、該高周波パルス信号のデューティ比をモータの実電流値と目標電流値との偏差の大小に応じて大小に変更させることによって行っている。また、モータ電流の検出はモータ駆動回路に設けたシャント抵抗の両端電圧を測定して求めている(例えば、特許文献1、2参照)。そして、これらの電動パワーステアリング装置では、モータ電流の検出回路が故障した場合、フィードバック制御をオープンループ制御に切り替えるようにしている。
特開平10−167086号公報 特開2002−87304号公報
従来の電動パワーステアリング装置では、モータ駆動回路の高周波パルス信号のスイッチングノイズがモータ電流の検出値に影響を与えることから、モータ電流の検出信号を時定数の大きなフィルタに通して平均化された実電流の検出値をフィードバック制御に用いている。このため、操舵トルクの変化に対して操舵補助力の応答が遅れ、操舵感が悪いという問題があった。この問題に対する対応策として、操舵の応答性を高めるために前記マップにおいて操舵トルクに対する目標電流の増加率を大きくすること、又はフィードバック制御ループのゲインを大きくすることが有効であるが、この場合に目標電流の増加率又はフィードバック制御ループのゲインを大きくし過ぎると振動が発生し、操舵感を悪化させるおそれがある。
応答性の改善のための他の手段としてオープンループ制御が有効であるが、この場合、操舵補助用のモータのコイル抵抗、ロータ磁束等の特性バラツキ(個体差)が実補助力に直接出現し、所望の操舵補助力を精度よく得ることが難しいので、個体差が少ない高品質のモータの使用が必要となる。ただし、かかる高品質のモータを使用したとしても、運転時の温度変化等の外的な条件によりモータ特性が変化して操舵感が低下するおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、振動の発生を抑制しながら操舵補助の応答性を高めて良好な操舵感が得られる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
第1発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵部材に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサの検出値及び車速を検出する車速センサの検出値を、前記操舵トルクに対する目標補助力の関係が前記車速をパラメータとして設定された式又はマップに適用して目標補助力を求め、求めた目標補助力と操舵補助用のモータの実補助力との偏差に基づいてフィードバック制御を実行する電動パワーステアリング装置において、前記トルクセンサの検出値及び前記車速センサの検出値が、前記式又はマップにて前記操舵トルクに対する目標補助力の増加率が設定値を超える領域に対応するように設定された前記操舵トルク及び前記車速の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、該判定手段にて前記条件を満たすと判定された場合に、前記フィードバック制御から前記目標補助力に基づくオープンループ制御に切り替える制御切替え手段とを備えていることを特徴とする。
第2発明に係る電動パワーステアリング装置は、第1発明において、前記式又はマップは、前記車速が設定車速よりも低速の場合に、前記操舵トルクに対する目標補助力の増加率が操舵トルクの小側よりも大側で大きくなるように段階的に変化し、該操舵トルクの大側での増加率が前記設定値を超えるように設定されていることを特徴とする。
第3発明に係る電動パワーステアリング装置は、第1又は第2発明において、前記フィードバック制御から前記オープンループ制御へ切り替えた後の目標補助力を切り替え前のフィードバック制御における目標補助力又は該目標補助力に近い値に設定する目標補助力設定手段を備えることを特徴とする。
第4発明に係る電動パワーステアリング装置は、第1から第3のいずれかの発明のオープンループ制御における目標補助力を、前記操舵補助用のモータの駆動電圧、回転速度、温度、及び、駆動回路温度の少なくとも1つに基づいて補正する目標補助力補正手段を備えることを特徴とする。
第1発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、操舵トルクに対する目標補助力の関係が車速をパラメータとして設定された式又はマップにトルクセンサの検出値と車速センサの検出値とを適用して目標補助力を求め、トルクセンサの検出値と車速センサの検出値とが、前記式又はマップにて前記操舵トルクに対する目標補助力の増加率が設定値を超える領域に対応するように設定された前記操舵トルク及び前記車速の条件を満たすか否かを判定し、トルクセンサの検出値と車速センサの検出値とが前記操舵トルク及び前記車速の条件を満たさない場合は、前記求めた目標補助力と操舵補助用のモータの実補助力との偏差に基づくフィードバック制御を実行し、一方、トルクセンサの検出値と車速センサの検出値とが前記操舵トルク及び前記車速の条件を満たす場合は、前記目標補助力に基づくオープンループ制御を実行する。即ち、操舵トルクに対する目標補助力の増加率が大きくない条件では、フィードバック制御により操舵補助用のモータの特性バラツキにかかわらず安定した操舵補助力を発生させ、操舵トルクに対する目標補助力の増加率が大きい条件では、オープンループ制御により応答性良く操舵補助力を発生させる。
従って、操舵トルクに対する目標補助力の増加率が大きい領域で前記式又はマップを使用して操舵補助の制御を実行する場合に、振動の発生を抑制しながら操舵補助の応答性を高めて良好な操舵感が得られる電動パワーステアリング装置を実現することができる。
第2発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、車速センサの検出値が設定車速よりも低速であるか否か、及び、操舵トルクに対する目標補助力の増加率が操舵トルクの小側よりも大側の領域で大きくなるように段階的に変化し、該操舵トルクの大側での増加率が前記設定値を超えるように設定された前記式又はマップに対してトルクセンサの検出値が前記操舵トルクの大側にあるか否かを判定し、車速センサの検出値が設定車速よりも低速で且つトルクセンサの検出値が前記操舵トルクの大側にある条件を満たさない場合は、前記式又はマップにトルクセンサの検出値と車速センサの検出値とを適用して求めた目標補助力と操舵補助用のモータの実補助力との偏差に基づくフィードバック制御を実行し、一方、車速センサの検出値が設定車速よりも低速であり、トルクセンサの検出値が前記操舵トルクの大側にある場合は、前記目標補助力に基づくオープンループ制御を実行する。即ち、車速が低速のときに大きな操舵角で操舵操作する際にトルクセンサの検出値が大きくなる場合に、オープンループ制御により応答性良く操舵補助力を発生させる
第3発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、前記フィードバック制御から前記オープンループ制御へ切り替えた後の目標補助力を切り替え前のフィードバック制御における目標補助力又は該目標補助力に近い値に設定するので、フィードバック制御からオープンループ制御への切り替え時に操舵補助力の不連続による違和感が生じるおそれがなく、滑らかな操舵感が得られる電動パワーステアリング装置を実現することができる。
第4発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、オープンループ制御における目標補助力を、操舵補助用のモータの駆動電圧、回転速度、温度、及び、駆動回路温度の少なくとも1つに基づいて補正する。具体的な補正内容の例を以下に示す。
モータの駆動電圧が高いときは目標補助力を小さくし、モータの駆動電圧が低いときは目標補助力を大きくするように補正する。これにより、モータ駆動電圧の変動にかかわらず操舵補助力の変動を抑制することができる。
モータの回転速度が速いときは目標補助力を大きくし、回転速度が遅いときは目標補助力を小さくするように補正する。これにより、モータ回転速度の変動にかかわらず操舵補助力の変動を抑制することができる。
モータ温度が高いときは目標補助力を大きくし、モータ温度が低いときは目標補助力を小さくするように補正する。これにより、モータ温度の変動にかかわらず操舵補助力の変動を抑制することができる。
モータの駆動回路温度が高いときは目標補助力を大きくし、モータの駆動回路温度が低いときは目標補助力を小さくするように補正する。これにより、モータの駆動回路温度の変動にかかわらず操舵補助力の変動を抑制することができる。
以上のように目標補助力を補正することにより、モータの駆動電圧、回転速度、温度、及び、駆動回路温度のような外的な条件の変動に対応しながらオープンループ制御を実行して良好な操舵特性の電動パワーステアリング装置を実現することができる。
以下、本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の全体構成を示す模式図である。
図1において1はラックピニオン式の操舵機構であり、操舵機構1は、車体の左右方向に延設されたラックハウジング4の内部に軸長方向へ移動自在に支持されたラック軸5と、ラックハウジング4の中途に交差するピニオンハウジング8の内部に回転自在に支持されたピニオン軸2とを備えている。ラック軸5の両端は、ラックハウジング4の両側外部に突出させてあり、これらの突出端は、各別のタイロッド6,6を介して左右の操舵輪7,7に連結されている。ピニオンハウジング8の内部に延びるピニオン軸2の下部には、図示しないピニオンが一体形成されており、このピニオンは、ラックハウジング4との交差部において、ラック軸5の中途部外面に設けられたラックに噛合させてある。
ピニオンハウジング8の外部に突出するピニオン軸2の上端は、ステアリング軸3を介して操舵部材としてのステアリングホイール9に連結されている。ステアリング軸3は、筒型のハウジング31の内部に回転自在に支持され、ハウジング31は図示しない車室の内部に前方を下とした傾斜姿勢を保って取り付けてある。ハウジング31の下方へのステアリング軸3の突出端にピニオン軸2が連結され、同じく上方への突出端にステアリングホイール9が連結されている。
以上の構成により、操舵のためにステアリングホイール9が回転操作された場合、この回転がステアリング軸3を介してピニオン軸2に伝達され、ピニオン軸2の回転が、ピニオンとラックとの噛合部においてラック軸5の軸長方向の移動に変換される。このようにして生じるラック軸5の移動が各別のタイロッド6,6を介して左右の操舵輪7,7に伝えられ、これらの操舵輪7,7が向きを変えて操舵がなされる。
ハウジング31の中途には、ステアリングホイール9に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けてあり、このトルクセンサ10よりも下側の位置に操舵補助用のモータ18が取り付けてある。
トルクセンサ10は、ステアリング軸3を捩れ特性が既知のトーションバーにより同軸上に連結された上下の2軸に分割し、これらの2軸間にトーションバーの捩れに伴って生じる相対角変位を検出する公知の構成を有している。トルクセンサ10は、トーションバーの捩れに伴う相対角変位に対応する操舵トルク信号を出力する。操舵補助用のモータ18は、ハウジング31の外側に軸心をステアリング軸3に対して略直交させて取り付けてあり、ハウジング31の内部に延びるモータ18の出力軸の回転を、ハウジング31の内部に設けられたウォームギヤ減速機により減速してステアリング軸3に伝えるようにしてある。
このように設けられた操舵補助用のモータ18は、制御部30から出力される駆動信号によって駆動される。制御部30には、トルクセンサ10によって検出された操舵トルク信号が入力され、また車両の適宜位置に配された車速センサ13によって検出された車速信号が入力されている。
図2は、図1に示す制御部30及び周りを示すブロック図である。
操舵トルク信号は位相補償器11に与えられ、位相補償器11で位相補償された操舵トルク信号は、マイクロプロセッサからなる制御部30に与えられる。また、車速信号も制御部30に与えられる。
記憶手段14は、車速をパラメータとして操舵トルク値とモータ電流の目標値との関係を表すマップ14Aを記憶している。制御部30は、車速の検出値と操舵トルクの検出値とを記憶手段14内のマップ14Aに適用して、モータ電流の目標値を求める。モータ電流の目標値は、モータ18の操舵補助制御における目標値を示す値であり、目標補助力に対応する。制御部30は、操舵トルク信号の正負の符号に基づいて操舵補助の方向を判別する。
図3は、車速をパラメータとした操舵トルク値とモータ電流の目標値との関係を表すマップ14Aの一例を示す図であり、(a)は車速が高速の場合の操舵トルク値とモータ電流の目標値との関係を表す折れ線を、(b)は車速が低速の場合の操舵トルク値とモータ電流の目標値との関係を表す折れ線を示す。
(a)に示す折れ線は、操舵トルク値が所定の不感帯のトルク値T1を超えると、操舵トルク値の増加に従ってモータ電流の目標値が比例的に増加し、さらに操舵トルク値が所定値T3以上になるとモータ電流の目標値が飽和するように定められている。(b)に示す折れ線では、操舵トルク値に対するモータ電流の目標値の増加率は、操舵トルク値が不感帯を超えるトルク値T1とT2の間では小さく、トルク値T2とT3の間(但しT1<T2<T3)で大きくなるように、2段の増加率を有して設定されている。ここで、(b)に示す折れ線のトルク値T2とT3の間でのモータ電流の目標値の増加率は、(a)に示す折れ線のトルク値T1とT3の間でのモータ電流の目標値の増加率より大きく設定されている。以上のように、操舵トルク値とモータ電流の目標値との関係は、車速値が大となるに従って操舵トルク値に対するモータ電流の目標値が小となると共に、目標値の飽和値が小となるように定められている。なお、実際には、(a)(b)に示す折れ線だけでなく、細かい間隔の車速値毎に操舵トルク値とモータ電流の目標値との関係を表すために、これらの中間的な増加率を有する折れ線が多数記憶され、車速値に応じて選定される。
操舵補助用のモータ18のモータ電流がモータ電流検出回路19により検出され、モータ電流検出回路19の検出信号が制御部30に入力されている。モータ電流検出回路19は、モータ電流の大きさを検出する。モータ電流検出回路19にて検出されるモータ電流の検出値がモータ18の実補助力に対応する。
操舵補助用のモータ18には、そのロータ位置を検出するための信号を出力するレゾルバ21が内蔵され、レゾルバ21の出力信号がモータ位置検出回路22によって処理され、モータ位置検出回路22が出力するロータ位置信号が、モータ駆動回路20及び制御部30に入力されている。
モータ駆動回路20は、図示はしないが、駆動素子(例えばFET)をブリッジに配置した回路にて構成され、制御部30から入力される操舵補助の方向を示すモータ回転方向の信号と、モータ駆動電流の大きさを示すPWM(Pulse Width Modulation)のデューティ値とに基づいて、モータ18を指示された回転方向に指示された駆動電流の大きさとなるように駆動する。
モータ18の温度を検出するモータ温度検出器25と、モータ駆動回路20の温度を検出するモータ駆動回路温度検出器26と、モータ18の駆動電圧に相当するバッテリー24の出力電圧を検出する電源電圧検出回路27が設けられており、それらの各検出値が制御部30に入力されている。
次に、以上のように構成された電動パワーステアリング装置の操舵補助制御動作について、図4及び図5のフローチャートを参照しながら説明する。図4及び図5は、本発明に係る電動パワーステアリング装置における制御部30の操舵補助制御の動作を示すフローチャートである。
制御部30は、先ず、操舵トルクの検出値と車速の検出値を読み込み(ステップS1、S2)、操舵トルクと車速の両検出値に基づいて、マップ14Aを用いてモータ電流の目標値を算出する(ステップS3)。さらに、制御部30は、操舵トルクの検出値に基づいて操舵補助のためのモータ18の回転方向を判別する(ステップS4)。
次に、制御部30は、操舵トルクの検出値が操舵トルク値T2よりも大きく、且つ、車速の検出値が速度Vαよりも遅いか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、図3のマップ14Aに示すように、操舵トルク値がT2とT3の間にあるときに操舵トルクに対する目標補助力の増加率が設定値αとなるときの車速がVαであり、車速Vαに対応する折れ線よりも上側の斜線を付した領域が、ステップS5の判定条件を満たす操舵トルクの検出値及び車速の検出値の領域である。車速Vαに対応する折れ線の傾きは、車速が低速の場合の折れ線(b)の傾きと、車速が高速の場合の折れ線(a)の傾きの間の値に設定してあるので、ステップS5の判定条件を満たす上記斜線を付した領域は、車速が低速のときに大きな操舵角で操舵操作するような条件に対応する。
ステップS5の判定が特定条件を満たすか否かの判定に対応し、条件を満たさない場合(S5;NO)は、ステップS10以下のフィードバック制御を実行し、条件を満たす場合(S5;YES)は、ステップS20以下のオープンループ制御を実行する。
ステップS10以降のフィードバック制御において、制御部30は、モータ電流の検出値を読み込み(ステップS10)、該モータ電流の検出値を、ステップ3で読み込んだモータ電流の目標値から減算して、モータ電流の目標値とモータ電流の検出値の偏差を演算する(ステップS11)。次に、制御部30は、求めた偏差に基づき、PWM信号におけるデューティ値Dを演算し(ステップS12)、該デューティ値D及びステップ4で判別したモータ回転方向をモータ駆動信号としてモータ駆動回路20に出力し、モータ18を駆動させる(ステップS13)。
以上のように、制御部30は、トルクセンサ10の検出値及び車速センサ13の検出値を、操舵トルクに対する目標補助力(モータ電流の目標値)の関係が車速をパラメータとして設定されたマップ14Aに適用して目標補助力(モータ電流の目標値)を求め、求めた目標補助力と、操舵補助用のモータ18の実補助力(モータ電流の検出値)との偏差に基づいてフィードバック制御を実行する。
ステップS20以降のオープンループ制御に移行した場合、制御部30は、先ず、フィードバック制御からの切り替え後、所定時間内か否かを判断し(ステップS20)、フィードバック制御からの切り替え後、所定時間内であれば(S20;YES)、切り替え前のフィードバック制御でのモータ電流の目標値を制御切り替え後のオープンループ制御でのモータ電流の目標値として設定する(ステップS21)。次に、設定した制御切り替え後のモータ電流の目標値に基づいてPWM信号におけるデューティ値D1を演算して決定し(ステップS22)、該デューティ値D1及びステップ4で判別したモータ回転方向をモータ駆動信号としてモータ駆動回路20に出力し、モータ18を駆動させる(ステップS23)。
ステップS21におけるオープンループ制御でのモータ電流の目標値の設定処理では、制御切り替え前のフィードバック制御におけるモータ電流の目標値又は該モータ電流の目標値に近い値の具体例として、切り替え前の1つのサンプリング時点でのモータ電流の目標値、あるいは、切り替え前の所定時間内の複数のサンプリング時点でのモータ電流の目標値の平均値がオープンループ制御でのモータ電流の目標値として設定される。
一方、制御部30は、フィードバック制御からの切り替え後、所定時間内でない(S20;NO)と判断された場合には、ステップS3において求めたモータ電流の目標値に基づいてオープンループ制御でのPWM信号におけるデューティ値D2を演算して決定する(ステップS24)。次に、制御部30は、電源電圧検出回路27が出力するモータ駆動電圧検出値を読み込み(ステップS25)、モータ位置検出回路22が出力するロータ位置信号の変化によりモータ回転速度を演算し(ステップS26)、モータ温度検出器25が出力するモータ温度、及びモータ駆動回路温度検出器26が出力するモータ駆動回路温度の各検出値を読み込み(ステップS27〜S28)、これらの各検出値及び演算値に基づいてPWM補正係数を決定し(ステップS29)、このPWM補正係数によって前記PWM信号におけるデューティ値D2を補正し(ステップS30)、該補正後のデューティ値D2’及びステップ4で判別したモータ回転方向の信号をモータ駆動回路20に出力し、モータ18を駆動させる(ステップS31)。
前記目標補助力補正手段によりなされる補正内容の一例について説明する。モータ駆動電圧が高いときは同じモータ駆動電流でも駆動力が大きくなるのでモータ電流の目標値を小さくするように補正し、モータ駆動電圧が低いときは逆に同じモータ駆動電流でも駆動力が小さくなるのでモータ電流の目標値を大きくするように補正する。
回転速度が速いときはモータの逆起電力の影響が大きいので逆起電力分を補償するためにモータ電流の目標値を大きくするように補正し、回転速度が遅いときはモータの逆起電力の影響が小さくなるのでモータ電流の目標値を小さくするように補正する。
モータ温度が高いときはモータ抵抗(インピーダンス)が高くなるのでモータ電流の目標値を大きくするように補正し、モータ温度が低いときはモータ抵抗(インピーダンス)が低くなるのでモータ電流の目標値を小さくするように補正する。
モータ駆動回路20の温度が高いときは駆動素子(例えばFET)のオン抵抗が高くなるので抵抗増加分を補償するために電流の目標値を大きくするように補正し、モータ駆動回路20の温度が低いときは逆に駆動素子(FET)のオン抵抗が低くなるのでモータ電流の目標値を小さくするように補正する。
そして、制御部30は、オープンループ制御に切り替えた後も、操舵トルクの検出値が操舵トルク値T2よりも小さくなるか、車速の検出値が速度Vαよりも速くなった場合には(ステップS5参照)、ステップS10以降のフィードバック制御に戻る。
以上説明したように、本発明の電動パワーステアリング装置により、操舵トルクに対する目標補助力の増加率が前記設定値αより小さい操舵トルク及び車速の条件(例えば図3の(a)に示す車速が高速の領域等)ではフィードバック制御を実行してふらつきのない安定な操舵を実現し、操舵トルクに対する目標補助力の増加率が前記設定値αを超える操舵トルク及び車速の条件(例えば図3の(b)に示す操舵トルクがトルク値T2とT3の間の領域等)の場合を特定条件として、この特定条件を満たす場合には、目標補助力に基づくオープンループ制御に切り替えることにより、振動の発生を抑制しながら応答性の良い良好な操舵感を実現することができる。即ち低速状態で大きな操舵角の操作を行う場合、オープンループ制御によって操舵トルクの変化に対して振動発生もなく応答性良く大きな操舵補助力を発生させることができる。
また本発明の電動パワーステアリング装置によれば、前記フィードバック制御から前記オープンループ制御へ切り替えた後の目標補助力を切り替え前のフィードバック制御における目標補助力又は該目標補助力に近い値に設定するので、フィードバック制御からオープンループ制御への切り替え時に操舵補助力の不連続による違和感が生じるおそれがなく、滑らかで応答性の良い操舵感を実現することができる。
また本発明の電動パワーステアリング装置によれば、前記オープンループ制御における目標補助力(モータ電流の目標値)を、操舵補助用のモータ18の駆動電圧、回転速度、モータ温度及び、モータ駆動回路20の温度に基づいて補正するので、特性バラツキの少ない高品質のモータを使用する必要もなく、外的な条件に対応しながら応答性の良い良好な操舵特性を実現することができる。
上記の実施の形態では、制御部30が、車速をパラメータとして操舵トルク値と目標補助力(モータ電流の目標値)との関係を記憶したマップ14Aに、操舵トルクの検出値と車速の検出値とを適用して目標補助力を求めるように構成したが、これ以外に、車速毎の操舵トルク値と目標補助力との関係を式として記憶しておき、車速の検出値に対応して選択した式に操舵トルクの検出値を適用し計算にて目標補助力を求めるように構成することもできる。
上記の実施の形態では、目標補助力補正手段(制御部30)が、前記オープンループ制御における目標補助力を、操舵補助用のモータ18の駆動電圧、回転速度、温度及び駆動回路温度の全てに基づいて補正するように構成したが、これらの情報の少なくとも1つに基づいて補正するようにしてもよい。
上記の実施の形態では、本発明に係る電動パワーステアリング装置をラックピニオン式の操舵機構1を備える車両へ適用した例が示されているが、本発明は操舵機構の形式の如何に拘らず適用可能である。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の全体構成を示す模式図である。 本発明に係る電動パワーステアリング装置の制御部及び周りを示すブロック図である。 車速をパラメータとした操舵トルク値とモータ電流の目標値との関係を表すマップの一例を示す図である。 本発明に係る電動パワーステアリング装置の操舵補助制御動作を示すフローチャートである。 本発明に係る電動パワーステアリング装置の操舵補助制御動作を示すフローチャートである。
符号の説明
9 ステアリングホイール(操舵部材)、10 トルクセンサ、13 車速センサ、14A マップ、18 モータ、30 制御部(判定手段、制御切替え手段、目標補助力設定手段、目標補助力補正手段)

Claims (4)

  1. 操舵部材に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサの検出値及び車速を検出する車速センサの検出値を、前記操舵トルクに対する目標補助力の関係が前記車速をパラメータとして設定された式又はマップに適用して目標補助力を求め、求めた目標補助力と操舵補助用のモータの実補助力との偏差に基づいてフィードバック制御を実行する電動パワーステアリング装置において、
    前記トルクセンサの検出値及び前記車速センサの検出値が、前記式又はマップにて前記操舵トルクに対する目標補助力の増加率が設定値を超える領域に対応するように設定された前記操舵トルク及び前記車速の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、該判定手段にて前記条件を満たすと判定された場合に、前記フィードバック制御から前記目標補助力に基づくオープンループ制御に切り替える制御切替え手段とを備えていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記式又はマップは、前記車速が設定車速よりも低速の場合に、前記操舵トルクに対する目標補助力の増加率が操舵トルクの小側よりも大側で大きくなるように段階的に変化し、該操舵トルクの大側での増加率が前記設定値を超えるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記フィードバック制御から前記オープンループ制御へ切り替えた後の目標補助力を切り替え前のフィードバック制御における目標補助力又は該目標補助力に近い値に設定する目標補助力設定手段を備える請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記オープンループ制御における目標補助力を、前記操舵補助用のモータの駆動電圧、回転速度、温度、及び、駆動回路温度の少なくとも1つに基づいて補正する目標補助力補正手段を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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