JP5231801B2 - 蚊又はハエ取り線香 - Google Patents

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Description

本発明は、蚊又はハエ取り線香に関するものである。
蚊取線香は、蚊の成虫駆除用殺虫剤として100年以上も前から親しまれているもので、マッチ一本で空間処理を時間的にも保持し、燃え尽きるまで効力は一定なので非常に合理的な殺虫形態である。1902年、渦巻型蚊取線香が日本で発明されたが、その原料は、除虫菊乾花の粉末(60〜80%)と粘結剤として椨の葉の粉末(20〜40%)を含む混合粉で、これに水を加えて練合し渦巻状にしたものを乾燥して製造された。殺虫成分としては、除虫菊粉末が長い間使用されたが、熱安定性に優れた合成ピレスロイド・アレスリンの工業化に伴いこれに替わり、更に最近では生理活性の高いその光学活性体が世界中で広く使用されている。
アレスリンをはじめとするピレスロイドは、有機塩素系、有機燐系、カーバメイト系などの合成殺虫剤に比べ、昆虫に対する速効性と温血動物に対する安全性に優れ、家庭用殺虫剤の殺虫成分として最適であるが、製造工程は複雑で非常に高価である。
このため、効力増強剤(化合物自体は全く殺虫力を持たないが、殺虫成分に配合した場合に殺虫効力を増強する化合物)の添加によりピレスロイドの添加量を節約することは非常に有用であり、これまで、油剤、エアゾールや粉剤等の製剤において、ピペロニルブトキサイド、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(以降、効力増強剤Aと称する)、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ[2,2,2]−オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等の効力増強剤をピレスロイドに混用することがしばしば行われてきた。効力増強剤のメカニズムについては多くの報告があり、例えば、昆虫体内で自らが代謝分解を受けてピレスロイドの酸化的解毒代謝を阻害したり、あるいはピレスロイドの皮膚への浸透を促進し、神経系作用点への到達を容易にすることによって、ピレスロイドの殺虫効力を高めることなどが知られている。しかしながら、かかる効力増強剤の作用機構は当然のことながら昆虫の種類に大きく依存し、効力増強剤による効力増強効果は通常10〜20%程度にとどまるのが一般的である。
これに対し、本発明者らは線香形態でのある種配合剤の作用を鋭意検討した結果、上記各種効力増強剤のなかでは、効力増強剤Aが特異的に有効であることを新たに発見した。そして、特許文献1や特許文献2において蚊取線香における有用性を開示し、また、ハエ取り線香についても、その有用性を明らかにしたことによる出願(特願2006−308905)を既に行っている。すなわち、線香形態では、いくつかのピレスロイドに効力増強剤Aを加えることによって殺虫効力が2〜3倍増強するが、この事実は、上述した昆虫生理学的機構に基づく従来の効力増強剤のメカニズムだけでは説明できず、別の原因として、効力増強剤Aが殺虫成分の揮散率上昇に寄与し殺虫成分の気中濃度を高めたことや、揮散した殺虫成分の拡散をある物質が助長したことなど、物理的な作用も貢献しているものと考えられた。
また、近年、ハエの発生は、都市部では減っているが、漁村、魚介類加工場、ゴミ処理場や畜舎、鶏舎などの周辺では従来以上に悩まされる機会が多くなっている。その対策として、空間処理用のハエ取り線香の需要が高まっており、蚊取線香だけでなく、ハエ取り線香も含めてより効果的な効力増強剤の検討が求められている。
本発明者らは、線香形態における効力増強剤Aの更なる有効利用を目指して鋭意検討を進め、効力増強剤A、すなわち、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドの立体構造がExo型とEndo型からなることに着目した。効力増強剤A自体は既に公知であるが、Exo型とEndo型に着目して効力増強効果に言及した文献は知られておらず、本発明者らはその解明に取り組み、本発明を完成するに至ったものである。
特許第3909717号公報 特許第3926836号公報
本発明は、ピレスロイドとともに効力増強剤として効力増強剤Aを含有する蚊又はハエ取り線香において、効力増強剤AのExo型とEndo型が効力増強効果に及ぼす影響を調べ、より有用な増強剤を採用した蚊又はハエ取り線香の構成を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。
(1)N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドのExo型比率が30〜40%であり、Endo型比率が60〜70%である効力増強剤をピレスロイド系殺虫成分量に対し0.5倍量以上配合することによって、Exo型比率が0%であって、Endo型比率が100%である効力増強剤の場合に比しピレスロイドによる殺虫効力を増強している蚊又はハエ取り線香。
(2)効力増強剤をピレスロイド系殺虫成分量に対し、1.0〜5.0倍量配合したことを特徴とする前記(1)記載の蚊又はハエ取り線香。
(3)(Endo型)の無水ハイミック酸を、有機溶剤無添加か、もしくは沸点が190〜300℃の有機溶剤とともに190℃以上で30分以上加熱し、放冷後、2−エチルヘキシルアミン単独、又は2−エチルヘキシルアミンと水もしくは沸点が110〜150℃の有機溶剤を加え、95〜160℃で30分以上反応させることによりN−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドであって、そのExo型比率が30〜40%で、Endo型比率が60〜70%であることに基づく効力増強剤の製造方法を採用することを特徴とする前記(1)、(2)のいずれかに記載の蚊又はハエ取り線香。
(4)殺虫成分が、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレートであることを特徴とする前記(1)、(2)、(3)のいずれかに記載の蚊又はハエ取り線香。
(5)殺虫成分が、プラレトリンの一異性体である(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル (1R)−トランス−クリサンテマートであることを特徴とする前記(1)、(2)、(3)のいずれかに記載の蚊又はハエ取り線香。
(6)殺虫の対象を、ネッタイシマカ、ネッタイイエカの双方又は一方であることを特徴とする前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)のいずれかに記載の蚊又はハエ取り線香。
本発明に係る効力増強剤は、蚊又はハエ取り線香においてピレスロイドと併用された時に、従来の効力増強剤Aに較べてより一層殺虫効力を増強し、しかも製造供給性、経済性の点でも優れているので極めて実用的である。また、その製造方法も容易で効率的であり、その有用性は極めて高い。
効力増強剤が配合される本発明の蚊又はハエ取り線香は、対象害虫に対する殺虫効力や経済性等を考慮して0.01〜0.5質量%程度の殺虫成分を含有する。かかる殺虫成分としては、アレスリン、プラレトリン、ピレトリン、フラメトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、エムペントリン、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート(以降、化合物Aと称する)等の各種ピレスロイド系殺虫成分あるいはそれらの任意の異性体が好適であるがこれらに限定されない。
本発明は、蚊又はハエ取り線香において、効力増強剤Aとして、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドの立体構造におけるExo型とEndo型の組成比率を特定したことに特徴を有する。すなわち、本発明の蚊又はハエ取り線香では、Exo型比率が30〜40%の効力増強剤Aを使用する。
効力増強剤Aの立体構造については、文献等から下記の知見を入手できるものの、これまで作用効果との関連性には関心が向けられていなかった。
(1)無水ハイミック酸[cis−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物]を溶媒中で2−エチル−ヘキシルアミンと反応させて調製でき、通常の製造方法によれば、(Endo型)無水ハイミック酸から(Endo型)効力増強剤A、また、(Exo型)無水ハイミック酸から(Exo型)効力増強剤Aが得られる。
(2)原料の無水ハイミック酸については、Endo型が市販品でExo型は特注品であり、特段の要請がなければ効力増強剤Aの立体構造はEndo型が主体である。
しかるに、本発明者らは、線香形態においては、効力増強剤Aの立体構造が効力増強メカニズムに影響を及ぼすのではないかと考え、Exo型とEndo型の種々組み合わせにつき殺虫効力試験を行い、その結果、詳しい理由は不明ながら、Exo型がEndo型に比べて殺虫効力が高く、また経済性や製造性等を考慮すると、Exo型比率として30%〜40%が効果的であり、かつ好ましいことを見出したものである。これに対し、エアゾール形態では、Exo/Endo型比率に基づく明確な殺虫効力差を観察することができないことから、本発明の効果は線香の形態において顕著であるものと解される。このような蚊取線香の形態の場合に、固有の効果を発揮し得る薬理学上の根拠は現時点では不明であるが、この点については将来の解明に委ねる以外にない。
なお、効力増強剤Aの殺虫成分量に対する配合量は、0.5倍量以上が適当であり、特に1.0〜5.0倍量程度が好ましい。
次に、本発明の蚊又はハエ取り線香に配合する効力増強剤の製造方法について述べる。
原料としては安価な(Endo型)の無水ハイミック酸を使用し、工程は大きく、(1)(Endo型)の無水ハイミック酸の(Exo型+Endo型)への異性化反応、(2)生成物の2−エチルヘキシルアミンとの縮合反応、(3)効力増強剤Aの蒸留工程 に分けることができる。
(1)(Endo型)の無水ハイミック酸を、有機溶剤無添加か、もしくは沸点が190〜300℃の有機溶剤とともに190℃以上で30分以上加熱し、Exo型比率を30%以上に移行させる。有機溶剤無添加の場合、無水ハイミック酸の一部が昇華して容器上部に付着することがあるが、このものも異性化が進行しており問題はない。一方、この工程で用いる有機溶剤としては、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エステル系、エーテル系溶剤等、各種のものが使用可能であるが、次反応や取扱いを考慮するとケロシンが好適である。通常、反応時間を長くするに伴い、Exo型の比率が増加する傾向がある。
(2)放冷後、(1)の反応物に2−エチルヘキシルアミン単独、又は、(1)の工程で有機溶剤無添加の場合は、2−エチルヘキシルアミンと水もしくは沸点が110〜150℃の有機溶剤(トルエン、キシレン等)を加え、95〜160℃で30分以上反応させる。Exo型とEndo型の比率は反応中大きく変化しない。水、トルエン、キシレン等の使用は、反応容器の上部に付着した無水ハイミック酸を洗い出し反応の進行に効果的で、なかでも水を用いる工程は製造上の安全性の点で有利である。なお、反応終了後、必要ならばソーダ灰を用いて反応液のpH調整(5.5〜7.0)を行い、蒸留装置に移行させる。
(3)効力増強剤Aの蒸留温度は160〜170℃/3mmHgで、何ら特別の装置を必要とせず、通常の設備によって行うことができる。
なお、効力増強剤Aを直接210℃以上に加熱して(Exo型+Endo型)への異性化反応を行うことも可能である。
本発明では、上記殺虫成分や効力増強剤Aに加えて粘結剤や支燃剤等を配合し、蚊又はハエ取り線香を調製するが、その場合には効力増強剤Aを殺虫成分である有効成分量の1.0〜5.0倍配合する場合が多い。
なお、前者の粘結剤には、タブ粉、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等があげられる。また、後者の支燃剤としては、除虫菊抽出粕粉、モミ、トガ、ヒノキ、チャ、カンキツ、ニセアカシアの葉の乾燥粉、ココナッツシェル粉等の植物粉末、ケイソウ土、クレー、ゼムライト、カオリン、タルク等の鉱物粉、あるいは素灰等の無機粉末等を例示できる。
また、必要により、色素、防腐剤、安定剤等が含有されてもよい。色素としては、例えばマラカイトグリーン等があげられ、防腐剤としては、例えばソルビン酸、デヒドロ酢酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の酸、あるいはそれらの塩等が代表的である。また、安定剤としては、2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)や2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)等があげられるがこれらに限定されない。
更に、本発明の趣旨を妨げない限りにおいて、殺菌剤、抗菌剤、忌避剤、あるいは芳香剤、消臭剤等を混合し、効力のすぐれた多目的組成物を得ることもできる。
なお、蚊又はハエ取り線香を調製するにあたっては、何ら特別の技術を必要とせず、公知の製造方法を採用できる。例えば、プレミックス粉(殺虫成分や効力増強剤等を支燃剤の一部に含有させたもの)と残部の線香基材を混合したものに水を加えて混練し、続いて、押出機、打抜機によって成型後、乾燥して蚊取線香もしくはハエ取り線香を製すればよい。また、線香基材のみを用いて成型後、これに有効成分等を含む液剤をスプレーあるいは塗布するようにしても構わない。
本発明で得られる蚊又はハエ取り線香は、アカイエカ、コガタアカイエカ、ネッタイイエカ、ネッタイシマカ、ハマダラカ、チカイエカ等の蚊類、イエバエ、キンバエ、ニクバエ、チョエバエ、コバエ等のハエ類に卓効を示すが、もちろん、ゴキブリ、屋内塵性ダニ類等の衛生害虫、あるいはユスリカ、アブ等の種々の害虫にも有効であり、その実用性は極めて高い。
特に、有効成分として化合物A(4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート)を選択した場合には、所謂感染症媒介蚊防除用蚊取線香として有用であることが確認されており、かつその基本構成については既に特願2006−304879号出願が行われ、かつ第3926836号特許権が成立している。
更には、有効成分として化合物B(プラレトリンの一異性体である(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル (1R)−トランス−クリサンテマート)を選択した場合には、特に熱帯感染症媒介蚊防除用蚊取線香として有用であり、かつその基本構成については既に特願2007−061173号出願が行われている。
次に、具体的実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
[参考例]
dl,d−T80−アレスリン(0.27部)及びExo型比率が55%の効力増強剤A(0.7部)を、線香基材99.03部(α−澱粉とタブ粉からなる粘結剤:18部、除虫菊抽出粕粉:25部、他木粉等)に均一に混合後、着色剤と防腐剤を含む水を加えて混練後、押出機にかけて板状シートとし、打抜機によって渦巻型に打抜き、水分率7〜10%程度まで乾燥して蚊取線香を製造した。
化合物A(0.15部)及びExo型比率が40%の効力増強剤A(0.3部)を、線香基材99.55部(ウーロン茶抽出粕粉25部、ココナッツシェル粉末20部、木粉30部、椨粉、澱粉等からなる混合粉)に均一に混合後、防腐剤を含む水を加え、公知の方法によってハエ取り線香を得た。
(Endo型)無水ハイミック酸5.0gを反応フラスコに入れ、反応温度195℃にて加熱し、かつ加熱時間を調整することによって表1に示すExo/Endo型比率の効力増強剤Aを合成し、参考例に準じて調製した各種蚊取線香を用いて下記のアカイエカ雌成虫に対する殺虫効力試験を行った。
[25m3の部屋での実地殺虫効力試験]
閉めきった25m3の部屋にアカイエカ雌成虫100匹を放った後、部屋の中央に点火した供試蚊取線香(参考例に準じて調製)を置いた。2時間暴露させ、時間経過に伴い落下仰転したアカイエカ雌成虫を数え、KT50値を求めた。
Figure 0005231801
各試験の結果、ピレスロイドにExo型比率が30〜40%(Endo型比率が60〜70%)である本発明の効力増強剤Aを配合した蚊取線香は、効力増強剤Aを配合しない線香(比較例1、比較例4)や、効力増強剤Aを配合した場合でも、そのExo型比率が30%未満の線香[比較例2(全てEndo型)、比較例3(Exo型20%)、比較例5(Exo型20%)]に較べてKT50値が非常に低く速効性は著しく増強した。なお、Exo型比率が30%から40%を超えるにつれ殺虫効力は増強した。
(Endo型)無水ハイミック酸5.0gを反応フラスコに入れ、反応温度195℃にて加熱し、かつ加熱時間を調整することによって表2に示すExo/Endo型比率の効力増強剤Aを合成し、参考例に準じて調製した各種蚊取線香を用いて下記のネッタイシマカ雌成虫に対する殺虫効力試験を行った。
[25m3の部屋での実地殺虫効力試験]
閉めきった25m3の部屋にネッタイシマカ雌成虫100匹を放った後、部屋の中央に点火した供試蚊取線香(参考例に準じて調製)を置いた。2時間暴露させ、時間経過に伴い落下仰転したネッタイシマカ雌成虫を数え、KT50値を求めた。
Figure 0005231801
各試験の結果、化合物A又は化合物BにExo型比率が30〜40%(Endo型比率が60〜70%)である本発明の効力増強剤Aを配合した蚊取線香は、効力増強剤Aを配合しない線香(比較例1、比較例3)や、効力増強剤Aを配合した場合でも、全てEndo型の線香(比較例2、比較例4)に較べて、ネッタイシマカに対しても、実施例と同様、KT50値が非常に低く速効性は著しく増強した。
(Endo型)無水ハイミック酸5.0gを反応フラスコに入れ、反応温度195℃にて加熱し、かつ加熱時間を調整することによって、表3に示すExo/Endo型比率の効力増強剤Aを合成し、実施例に準じて調製した各種ハエ取り線香を用いて下記のイエバエ雌成虫に対する殺虫効力試験を行った。
[25m3の部屋での実地殺虫効力試験]
閉めきった25m3の部屋にイエバエ雌成虫100匹を放った後、部屋の中央に点火した供試ハエ取り線香(実施例に準じて調製)を置いた。3時間暴露させ、時間経過に伴い落下仰転したイエバエ雌成虫を数え、KT50値を求めた。
Figure 0005231801
各試験の結果、実施例の蚊取線香に係る殺虫効力試験と同様に、ハエ取り線香についても、ピレスロイドにExo型比率が30〜40%(Endo型比率が60〜70%)である本発明の効力増強剤Aを配合することによって、速効性は著しく増強した。
従って、線香形態では、Exo型比率が30〜40%の効力増強剤Aを用いることの有用性は明らかである。
比較のために、エアゾール形態での試験を下記のとおり行った。
60cm立方(0.216m3)のガラスチャンバー内にイエバエ(1群約25匹の雌成虫)を放ち、表3に示す供試エアゾール殺虫剤(原液120mL+噴射ガス180mL)を1秒間噴霧した。10分間暴露して時間の経過に伴う仰転虫数を記録しKT50値を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0005231801
表4に示すとおり、ピレスロイドに効力増強剤Aを配合したエアゾールの形態では、Exo/Endo型比率に基づく明確な殺虫効力差が観察されず、本発明の効果は線香形態で特徴的であった。
本発明は、蚊又はハエ取り線香の製造分野において、須らく利用可能である。

Claims (6)

  1. N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドのExo型比率が30〜40%であり、Endo型比率が60〜70%である効力増強剤をピレスロイド系殺虫成分量に対し0.5倍量以上配合することによって、Exo型比率が0%であって、Endo型比率が100%である効力増強剤の場合に比しピレスロイドによる殺虫効力を増強している蚊又はハエ取り線香。
  2. 効力増強剤をピレスロイド系殺虫成分量に対し、1.0〜5.0倍量配合したことを特徴とする請求項1記載の蚊又はハエ取り線香。
  3. (Endo型)の無水ハイミック酸を、有機溶剤無添加か、もしくは沸点が190〜300℃の有機溶剤とともに190℃以上で30分以上加熱し、放冷後、2−エチルヘキシルアミン単独、又は2−エチルヘキシルアミンと水もしくは沸点が110〜150℃の有機溶剤を加え、95〜160℃で30分以上反応させることによりN−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドであって、そのExo型比率が30〜40%で、Endo型比率が60〜70%であることに基づく効力増強剤の製造方法を採用することを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の蚊又はハエ取り線香。
  4. 殺虫成分が、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレートであることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に記載の蚊又はハエ取り線香。
  5. 殺虫成分が、プラレトリンの一異性体である(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル (1R)−トランス−クリサンテマートであることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に記載の蚊又はハエ取り線香。
  6. 殺虫の対象を、ネッタイシマカ、ネッタイイエカの双方又は一方であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5のいずれか1項に記載の蚊又はハエ取り線香。
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