JP5229279B2 - 衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、衝突事故の際に運転者の身体からこのステアリングホイールに加わった衝撃エネルギを吸収しつつこのステアリングホイールの前方への変位を可能とする、衝撃吸収式ステアリング装置の改良に関する。具体的には、衝突事故の際のエネルギ吸収特性を向上させる事により、運転者の保護充実を図れる構造の実現を図るものである。
自動車用ステアリング装置は、図10に示す様に構成して、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4、4を押し引きして、前車輪に舵角を付与する様にしている。前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持されている。又、前記ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続し、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、前記入力軸3に接続している。
上述の様な自動車用ステアリング装置は、衝突事故の際に、衝撃エネルギを吸収しつつ、ステアリングホイールを前方に変位させる構造にする事が、運転者の保護の為には必要である。即ち、衝突事故の際には、自動車が他の自動車等にぶつかる一次衝突に続いて、運転者の身体がステアリングホイールに衝突する二次衝突が発生する。この二次衝突の際に、運転者の身体に加わる衝撃を緩和して、運転者の保護を図る為に、上記ステアリングホイールを支持したステアリングコラムを車体に対して、二次衝突に伴う前方への衝撃荷重により前方に脱落可能に支持すると共に、前記ステアリングコラムと共に前方に変位する部分と車体との間に、塑性変形する事で前記衝撃荷重を吸収するエネルギ吸収部材を設ける事が、例えば特許文献1〜5に記載される等により従来から知られており、且つ、広く実施されている。
図11〜14は、衝撃吸収機能を備えた自動車用ステアリング装置の具体的構造の1例を示している。この従前の構造は、ステアリングホイール1(図10参照)の上下位置を調節する為のチルト機構及び前後位置を調節する為のテレスコピック機構を備えたもので、ステアリングコラム6aと、支持ブラケット10と、このステアリングコラム6a側に設けた左右1対の被挟持壁部11、11と、車体側ブラケット12とを備える。このうちのステアリングコラム6aは、後側のアウタコラム13の前部と、前側のインナコラム14の後部とを軸方向の相対変位を可能に嵌合させる事により、全長を伸縮可能に構成している。この様なステアリングコラム6aの内径側には、ステアリングシャフト5aを、回転自在に支持している。このステアリングシャフト5aに関しても、アウタシャフトとインナシャフトとの組み合わせにより、全長を伸縮可能に構成している。
前記ステアリングコラム6aの前端部には、電動モータ15(図10参照)や減速機等、電動式パワーステアリング装置の構成部材を設置する為のハウジング16を結合固定している。このハウジング16は、上部に幅方向(車両への組み付け状態で、当該車両の幅方向)に設けた支持管17を挿通した図示しないボルトにより、車体の一部に、揺動変位を可能に支持する。前記ステアリングシャフト5aの後端部で前記ステアリングコラム6aよりも後方に突出した部分に、前記ステアリングホイール1を固定する。又、前記ステアリングシャフト5aの前端部で前記ステアリングコラム6aよりも前方に突出した部分は、自在継手7を介して中間シャフト8(図10)に連結する。
又、前記支持ブラケット10は前記車体側ブラケット12に対し、二次衝突に基づく衝撃荷重により前方への変位(離脱)を可能に結合支持している。前記支持ブラケット10は、それぞれが鋼板等の、十分な強度及び剛性を有する金属板製である、天板18と左右1対の側板19a、19bとを、溶接等により結合固定して成る。このうちの天板18の幅方向両端部を、前記支持ブラケット10を前記車体側ブラケット12に結合支持する為の結合板部20、20としている。これら両結合板部20、20の幅方向中央部には、図14に示す様な、それぞれがこれら両結合板部20、20の後端縁に開口する切り欠き21、21を形成し、これら両切り欠き21、21部分に、カプセル22、22を装着している。
これら両カプセル22、22は、合成樹脂、アルミニウム系合金の如き軟質金属等、前記天板18を構成する金属板に対し滑り易い材料により造っている。この様な前記両カプセル22、22は、通常状態では前記両切り欠き21、21から抜け出る事はないが、前記支持ブラケット10に前方に向いた大きな衝撃荷重が加わった場合には、前記両切り欠き21、21との係合部(例えば、前記天板18と前記両カプセル22、22との間に掛け渡された止めピン)を裂断して、これら両切り欠き21、21から後方に抜け出る。この様な前記両カプセル22、22の中央部には、前記支持ブラケット10を前記車体側ブラケット12に結合支持する為のボルト或はスタッドを挿通する為の通孔23、23を設けている。前記支持ブラケット10を前記車体側ブラケット12に結合支持するには、前記両カプセル22、22の通孔23、23を下から上に挿通したボルトを、前記車体側ブラケット12に溶接等により支持固定したナット24、24に螺合し更に締め付ける。この車体側ブラケット12は、予め車体側に固定されているので、前記ボルトの締め付けにより前記支持ブラケット10がこの車体に対し、前方に向いた大きな衝撃荷重が加わった場合にのみ、前方に脱落可能に結合支持される。尚、前記車体側ブラケット12の下面に固定したスタッドを前記両カプセル22、22の通孔23、23を上から下に挿通し、このスタッドの下端部にナットを螺合し更に締め付ける事により、前記支持ブラケット10を前記車体側ブラケット12に結合支持する事もできる。
又、前記アウタコラム13を両側から挟む状態で前記両側板19a、19bに設けた、1対の挟持板部25a、25bの互いに整合する位置に、特許請求の範囲に記載した第二通孔である、上下方向長孔26、26を形成している。これら両上下方向長孔26、26は、前記支持管17の中心軸をその中心とする部分円弧形である。前記アウタコラム13は、前記両上下方向長孔26、26を挿通した締付杆27により、前記両側板19a、19b同士の間に支持している。この為に、前記アウタコラム13の前部上方に、前記両被挟持壁部11、11を設け、これら両被挟持壁部11、11に、特許請求の範囲に記載した第一通孔である、前記アウタコラム13の軸方向に長い前後方向長孔28、28(本発明の実施の形態を示す図4、6参照)を形成している。前記アウタコラム13は前記支持ブラケット10に対して、前記両上下方向長孔26、26及び前記両前後方向長孔28、28を挿通した、前記締付杆27により支承している。従って、前記アウタコラム13は、この締付杆27が前記両上下方向長孔26、26内で変位できる範囲で、前記支持管17を挿通したボルトを中心として、上下方向に揺動変位可能である。又、前記締付杆27が前記両前後方向長孔28、28内で変位できる範囲で、前後方向(軸方向)に変位可能である。
前記締付杆27は、一端部(図12の右端部)に外向フランジ状の鍔部29を固設すると共に、他端部に、駆動側カム30と被駆動側カム31とから成るカム装置32を設けている。このうちの鍔部29と被駆動側カム31とが、特許請求の範囲に記載した1対の押圧部に相当する。そして、調節レバー33でこのうちの駆動側カム30を回転駆動させる事により、前記被駆動側カム31と前記鍔部29との距離を拡縮可能としている。前記ステアリングホイール1の位置を調節する際には、前記調節レバー33を下方に回動させる事により、前記被駆動側カム31と前記鍔部29との距離を拡げる。この状態で、前記締付杆27が前記両上下方向長孔26、26及び前記両前後方向長孔28、28内で変位できる範囲で、前記アウタコラム13を変位させる。そして、このアウタコラム13内に回転自在に支持されたステアリングシャフト5aの後端部に支持固定された、前記ステアリングホイール1の位置を調節する。前記アウタコラム13と共に昇降する部分の重量は、前記締付杆27と、前記支持ブラケット10に設けた係止部34との間に設けた釣合ばね35により支承している。この為、前記ステアリングホイール1の位置の調節時にも、運転者が前記重量全部を支える必要はない。
そして、前記ステアリングホイール1の位置を調節した後、前記調節レバー33を上方に回動させる事により、前記被駆動側カム31と前記鍔部29との距離を縮める。この結果、前記両挟持板部25a、25bの内側面と前記両被挟持壁部11、11の外側面とが強く当接し(摩擦係合し)、前記ステアリングホイール1の上下位置が固定される。又、これら両被挟持壁部11、11が設けられた、前記アウタコラム13の前端部の直径が縮まり、このアウタコラム13の前端部内周面と前記インナコラム14の後端部外周面とが強く当接し(摩擦係合し)、前記ステアリングコラム6aが伸縮不能になる。この結果、前記ステアリングホイール1の前後位置が固定される。
上述の様な自動車用ステアリング装置は、衝突事故に伴う二次衝突の際に、前記両カプセル22、22を前記車体側ブラケット12の側に残したまま、前記支持ブラケット10を前方に変位させる。即ち、二次衝突に伴ってこの支持ブラケット10に、前方に向いた大きな衝撃荷重が、前記ステアリングホイール1から、前記ステアリングシャフト5a、前記アウタコラム13、前記締付杆27を介して加わる。そして、前記両カプセル22、22と前記両結合板部20、20との係合部が裂断し、これら両カプセル22、22を前記両切り欠き21、21から抜け出させつつ、前記支持ブラケット10が前方に変位する。この結果、前記ステアリングホイール1も前方に変位し、このステアリングホイール1に衝突した運転者の身体に加わる衝撃を緩和できる。
この様に、二次衝突に伴って前記ステアリングホイール1を前方に変位させる際に、運転者の身体からこのステアリングホイール1に加わった衝撃エネルギを吸収しつつ、このステアリングホイール1を前方に変位させる事が、運転者保護の面から好ましい。例えば、上述の図10〜14に示した構造でも、前記両被挟持壁部11、11の外側面と前記両挟持板部25a、25bの内側面との当接部に作用する摩擦力、並びに、前記アウタコラム13の前部内周面と前記インナコラム14の後部外周面との当接部に作用する摩擦力が、前記ステアリングホイール1を前方に変位させる事に対する抵抗となり、前記衝撃エネルギの吸収に寄与する。但し、摩擦力に基づくエネルギ吸収性能は不安定で、それだけでは運転者の保護充実を図る事は難しい。
そこで、例えば特許文献2に記載されている如く、図15〜16に示す様なエネルギ吸収部材36を、二次衝突時に前方に変位するステアリングコラム6bと車体37との間に設ける事が考えられる。塑性変形可能な線材を曲げ形成して成る、前記エネルギ吸収部材36は、前記ステアリングコラム6bの上面に固設した支持ピン38と、前記車体側に固定した保持ケース39との間に設置する。二次衝突に伴って前記ステアリングコラム6bが前方に変位すると、前記エネルギ吸収部材36が、図16の(A)→(B)に示す様に伸長する。この伸長に要するエネルギが、運転者の身体からステアリングホイールに加わった衝撃エネルギのうちから吸収され、この運転者の身体に加わる衝撃が緩和される。
上述の図15〜16に示した様な、エネルギ吸収部材36を使用した衝撃吸収構造を、前述の図10〜14に示した様な衝撃吸収式ステアリング装置に組み込んで、エネルギの吸収特性を向上させる事は可能であるが、設計の自由度を確保しつつ、低コストで、より優れた性能を得る為には、以下の点で、改良が望まれる。
先ず、二次衝突時に前記ステアリングコラム6aを構成するアウタコラム13に加わる、揺動方向のモーメントを低減乃至解消する事が望まれる。即ち、図15〜16に示した構造を、ステアリング装置に組み込んだ場合、チルト機構やテレスコピック機構等のステアリングホイールの位置調節装置の有無に拘らずエネルギ吸収部材36と締付杆27(図12)との設置位置が、前記アウタコラム13の中心軸に対し直角方向にずれる場合がある。そして、このずれが存在すると、二次衝突時に前記揺動方向のモーメントが発生する。即ち、二次衝突時に前記エネルギ吸収部材36は、前記アウタコラム13が前方に変位する事に対する抵抗として働く。この結果、このステアリングコラム13に、前記締付杆27を支点とし、前記エネルギ吸収部材36を入力部とするモーメントが加わる。この為、二次衝突の進行に伴って、前記アウタコラム13の前部外周面と前記インナコラム14の後部内周面との嵌合部の摩擦状態が不安定となり、この嵌合部でのエネルギ吸収性能が不安定になる。
この様なエネルギ吸収性能の不安定は、前記エネルギ吸収部材36と前記締付杆27とを、何れも前記ステアリングコラム6a、6bの上下方向に関して同じ側に設置し、これら両部材36、27同士の間に存在する、このステアリングコラム6a、6bの中心軸に対する直角方向のずれを小さくすれば、低減乃至は解消できる。但し、前記締付杆27は、ステアリングコラム6a、6bの下側に設ける場合が多い。そして、この様な場合には、図15〜16に示した様に、エネルギ吸収部材36を、ステアリングコラム6bと、このステアリングコラム6bの上側に設けられる車体37との間に設ける構造によっては、前記モーメントを小さくする事ができず、前記エネルギ吸収性能が不安定になる事を防止できない。言い換えれば、図15〜16に示した構造では、前記モーメントを小さく抑えて前記エネルギ吸収性能が不安定になるのを防止する事を意図した場合、前記締付杆27をステアリングコラムの下側に配置する構造を採用できず、設計の自由度が限られる。しかも、前記図15〜16に示した構造では、前記支持ピン38及び前記保持ケース39が、前記エネルギ吸収部材36を設置する為の専用の部品として必要になり、コストが嵩む事が避けられない。これらの問題は、他の特許文献に記載された発明の構造によっても、解消できない。
特開2000−095116号公報 特開昭63−046972号公報 特開2001−080527号公報 特開2006−312360号公報 実開平2−132576号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、設計の自由度を確保しつつ、低コストで、より優れた性能を得られる衝撃吸収式ステアリング装置の構造を実現すべく発明したものである。
本発明の衝撃吸収式ステアリング装置は、前述した従来から知られている衝撃吸収式ステアリング装置と同様に、インナコラムと、アウタコラムと、ステアリングシャフトと、1対の被挟持壁部と、1対の第一通孔と、支持ブラケットと、1対の第二通孔と、締付杆と、固定手段と、エネルギ吸収部材とを備える。
このうちのインナコラムは、前後位置を規制された状態、即ち、二次衝突時にも前方に変位しない様にされた状態で、前記アウタコラムよりも前側に配置されている。
又、前記アウタコラムは、前記インナコラムの後部に外嵌されたもので、このインナコラムとの嵌合部である前部に軸方向に設けられたスリットに基づき、この前部の直径を拡縮可能としている。
又、前記ステアリングシャフトは、アウタシャフトとインナシャフトとを全長を収縮可能に組み合わせて成る。そして、前記インナコラムと前記アウタコラムとから成るステアリングコラムの内径側に回転自在に支持されて、後端部をこのアウタコラムの後端開口よりも後方に突出させ、この突出した部分に、ステアリングホイールを支持固定可能としている。
又、前記両被挟持壁部は、前記アウタコラムの前部の上面又は下面で前記スリットを左右両側から挟む位置に設けられている。
又、前記両第一通孔は、記両被挟持壁部の互いに整合する位置に形成されている。
又、前記支持ブラケットは、左右1対の挟持板部及びこれら両挟持板部を車体に対して支持する取付板部を有し、この取付板部を、二次衝突時に加わる衝撃荷重に基づいて前方への脱落を可能に、車体に対して支持される。
又、前記両第二通孔は、前記両挟持板部のうち、前記両第一通孔のうちの少なくとも一部に整合する部分に形成している。
又、前記締付杆は、前記両第一通孔と前記両第二通孔とを挿通している。
又、前記固定手段は、前記締付杆の両端部に設けられた1対の押圧部の間隔を拡縮する。そして、この間隔の収縮時に前記アウタコラムの前部の直径を縮め、このアウタコラムの前部内周面と前記インナコラムの後部外周面とを摩擦係合させる。
更に、前記エネルギ吸収部材は、二次衝突時に前記アウタコラムと共に前方に変位する部分と、二次衝突時にも前方に向けて変位しない部分との間に設けられる。そして、この二次衝突に伴う前記アウタコラムの前方への変位に伴って塑性変形し、前記ステアリングホイールから前記アウタコラムに加えられた衝撃エネルギを吸収する。
特に、本発明の衝撃吸収式ステアリング装置に於いては、前記エネルギ吸収部材は、基板部と、好ましくは左右1対の折り曲げ板部と、好ましくは1対の透孔と、前端側取付部とを備える。
このうちの基板部は、前記アウタコラムの軸方向に配置されている。
又、前記折り曲げ板部は、好ましくは前記基板部の幅方向両側縁から、上方又は下方に折れ曲がっている。
又、前記透孔は、前記折り曲げ板部の互いに整合する位置に、前記アウタコラムの軸方向に長く形成されており、後端部が前記締付杆を挿通可能な大きさであり、この後端部よりも前寄り部分の幅がこの締付杆の外径よりも小さい。
更に、前記前端側取付部は、前記基板部又は前記両折り曲げ板部のうちで、前記両透孔を形成した部分よりも前方に突出した部分に設けられている。
そして、前記エネルギ吸収部材は、前記両折り曲げ板部を前記両被挟持壁部同士の間に配置した状態で、前記両透孔の後端部に前記締付杆を挿通する事により後部を前記アウタコラムに対し、二次衝突時にこのアウタコラムと共に前方に変位する様に組み合わせている。
又、前部を前記インナコラムの前端部に固定した部材に対して、前記前端側取付部により結合している。
上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記インナコラムの前端部に、電動式パワーステアリング装置の構成部品を収めたハウジングを結合固定する。そして、前記エネルギ吸収部材を構成する前記前端側取付部をこのハウジングの後端面に突き合せた状態で、このハウジングに対し結合固定する。
又、本発明を実施する場合に、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記両第一通孔を、前記アウタコラムの軸方向に長い前後方向長孔として、前記締付杆がこれら両第一通孔内で変位できる範囲で、前記アウタコラムの前後位置を調節可能とする。そして、前記締付杆の基端部に設けられた調節レバーの操作に基づいて前記両押圧部の間隔を拡縮し、この間隔の収縮時に前記アウタコラムの前部の直径を縮めて、このアウタコラムの前後位置を固定する。
この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記締付杆の中間部で前記エネルギ吸収部材に設けられた1対の折り曲げ板部の間部分に、カム部材を外嵌する。そして、前記アウタコラムの前部の直径を拡げる方向に前記締付杆を回動させた状態で、前記カム部材の先端部を、このアウタコラムの前部に形成した前記スリットを通じて、前記インナコラムの後部に形成した係合孔内に進入させる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、前記インナコラムの前端部を、横軸を中心とする揺動変位を可能に車体に対して支持する。これと共に、前記両第二通孔を、この横軸を中心とする部分円弧状で上下方向に長い上下方向長孔として、前記締付杆がこれら両上下方向長孔内で変位できる範囲で、前記ステアリングホイールの上下位置を調節可能とする。そして、前記締付杆の基端部に設けられた調節レバーの操作に基づいて前記両押圧部の間隔を拡縮し、この間隔の収縮時に前記両挟持板部同士の間隔を縮め、これら両挟持板部の内側面と前記アウタコラムの両外側面とを摩擦係合させて、このアウタコラムの上下位置を固定する。
或いは、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した発明の様に、前記インナコラムの外周面に、それぞれが軸方向に長い複数本の突条を形成する。そして、このインナコラムの外周面と前記アウタコラムの内周面とを、これら各突条の頂部で当接させる。
更には、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した発明の様に、前記ステアリングシャフトを構成するインナシャフトの端部外周面に形成した雄スプライン歯と、アウタシャフトの端部内周面に形成した雌スプライン歯とをスプライン係合させる事で、前記スプラインシャフトの全長を伸縮可能とする。そして、前記雄スプライン歯と前記雌スプライン歯とのうちの少なくとも一方の歯の表面に、摩擦係数が低い合成樹脂製のコーティング層を形成する。
上述の様に構成する本発明によれば、設計の自由度を確保しつつ、低コストで、より優れた性能を得られる衝撃吸収式ステアリング装置を実現できる。
先ず、締付杆がアウタコラムの上側、下側、何れの側に配置されている場合でも、締付杆とエネルギ吸収部材とを、このアウタコラムの軸方向に関して互いに直列に配置できて、二次衝突時にアウタコラムに揺動方向のモーメントが加わるのを防止若しくは低減できる。そして、このアウタコラムの前部とインナコラムの後部との嵌合部の摩擦係合状態を安定させて、この嵌合部を安定して摺動させ、二次衝突時の衝撃エネルギの吸収を安定して行える。この為、設計の自由度を阻害する事なく、衝撃吸収性能の向上を図れる。
又、二次衝突時の衝撃エネルギを吸収する為に、前記アウタコラムの前部内周面とインナコラムの後部外周面との嵌合部の摩擦抵抗だけでなく、前記エネルギ吸収部材の塑性変形も利用する為、前記衝撃エネルギを吸収する性能を安定させ易く、又、この吸収性能のチューニングも任意に行える。更に、前記エネルギ吸収部材の前後両端部のうち、後端部を締付杆により、前端部を、請求項2に記載した発明の如く、電動式パワーステアリング装置用のハウジングにより、それぞれ支持できる。これらの部品は、元々ステアリング装置に組み込まれていたものであり、前記エネルギ吸収部材を設置する為に、新たに設置する必要はない。この為、このエネルギ吸収部材を設ける事に伴うコスト上昇を抑えられる。
又、請求項3に記載した発明によれば、ステアリングホイールの前後位置調節を行う事ができ、更に請求項4に記載した発明によれば、この前後位置調節の為に前記固定手段を緩めた状態で、ステアリングホイール及びステアリングシャフトを介して前記アウタコラムに前方に向いた力を付与し、このアウタコラムを前方に変位させると、カム部材の先端部が、インナコラムに形成した係合孔の前端部に係合する。この状態で、前記前方に向いた力は、このインナコラムを介して車体に支承され、前記アウタコラムの第一通孔を挿通した締付杆を介して、支持ブラケットに伝わる事がなくなる。この為、前記固定手段を緩めた状態で、ステアリングホイール及びステアリングシャフトを介して前記アウタコラムを前方に強く押しても、前記支持ブラケットが、車体から前方に脱落する事がなくなる。
又、請求項5に記載した発明によれば、前記ステアリングホイールの位置を、上下方向に関して調節できる。
又、請求項6に記載した発明によれば、前記アウタコラムの前部内周面と、前記インナコラムの後部外周面との摩擦嵌合状態を安定させて、二次衝突時に於ける衝撃エネルギの吸収性能を、より安定させる事ができる。
更に、請求項7に記載した発明によれば、前記ステアリングシャフトの伸縮に要する力を、低く、且つ、安定させる事ができる。そして、請求項3に記載した発明と併せて実施する場合に、前記ステアリングホイールの前後位置の調節に要する力を低減できる。又、何れの場合でも、二次衝突時に於ける衝撃エネルギの吸収性能を、更に安定させる事ができる。
本発明の実施の形態の1例の通常時の状態を、前上方から見た状態で示す斜視図。 同じく後下方から見た状態で示す斜視図。 同じく側面図。 同じく図3のa−a断面図。 同じく下方から見た状態で示す正投影図。 アウタコラムの前後位置及び上下位置を調節する為の機構部分を、後下方から見た状態で示す分解斜視図。 衝撃吸収部材を前上方から見た状態で示す斜視図(A)と、前下方から見た状態で示す斜視図(B)。 通常時の状態(A)と、二次衝突発生後の状態(B)とを示す、図5の拡大b−b断面図。 車体側ブラケットを前上方から見た状態で示す斜視図。 従来から知られているステアリング装置の1例を示す、部分切断側面図。 従前の衝撃吸収式ステアリング装置の1例を、前上方から見た状態で示す斜視図。 同じく断面図。 同じく、車体側ブラケットを省略して示す、図11と同様の図。 同じく、支持ブラケットを後下方から見た状態で示す斜視図。 従来から知られているエネルギ吸収部材を組み込んだステアリングコラムの部分側面図(A)と、(A)のc−c断面図(B)。 通常時の状態(A)と二次衝突発生後の状態(B)とを示す、図15の(A)のd−d断面図。
本発明の実施の形態の1例に就いて、図1〜9により説明する。本例の衝撃吸収式ステアリング装置は、インナコラム14aと、アウタコラム13aと、ステアリングシャフト5bと、1対の被挟持壁部11a、11aと、それぞれが第一通孔である、1対の前後方向長孔28、28と、支持ブラケット10aと、それぞれが第二通孔である、1対の上下方向長孔26a、26bと、締付杆27aと、固定手段を構成するカム装置32aと、エネルギ吸収部材36aとを備える。
このうちのインナコラム14aは、前後位置を規制された状態、即ち、二次衝突時にも前方に変位しない様にされた状態で、前記アウタコラム13aよりも前側に配置されている。具体的には、前記インナコラム14aの前端部を、電動式パワーステアリング装置40を構成する減速機等の構成部品を収納したハウジング41の後端部に、結合固定している。このハウジング41は、例えばアルミニウム合金のダイキャスト成形により造られており、後壁部に前記ステアリングシャフト5bの前端部を挿通する為の通孔が形成されている。そして、この通孔の周縁部に円筒壁部を、後方に向け突出形成している。前記インナコラム14aの前端部は、この円筒壁部に締り嵌めで外嵌すると共に、前端縁を前記後壁部に突き当てる等により、前記ハウジング41に対し結合固定している。前記インナコラム14aは、全体が円管状で、外周面のうちで前端部を除く部分に、それぞれが軸方向に長い複数本(好ましくは偶数本、図示の例では6本)の突条42、42を、円周方向に関して等間隔に形成している。
又、前記アウタコラム13aは、例えばアルミニウム合金のダイキャスト成形により一体に造られている。そして、このアウタコラム13aの前部を前記インナコラム14aの後部に外嵌して、伸縮可能なステアリングコラム6cを構成している。本例の場合には、これらアウタコラム13aの内周面とインナコラム14aの外周面とを、前記各突条42、42の頂部で当接させている。又、この状態で、このインナコラム14aに対する前記アウタコラム13aの前後位置の調節及び固定を可能としている。この為に、このアウタコラム13aのうち、前記インナコラム14aとの嵌合部である前部にスリット43を、軸方向に設けて、この前部の直径を弾性的に拡縮可能としている。前記アウタコラム13aは、この様に直径を拡縮可能とした前部を前記インナコラム14aの後部に外嵌し、このインナコラム14aに対する軸方向の変位に基づいて、前後位置の調節を可能としている。
又、前記ステアリングシャフト5bは、後半部を構成するアウタシャフト44の前半部内周面に形成した雌スプライン歯と、前半部を構成するインナシャフト45の後半部外周面に形成した雄スプライン歯とをスプライン係合させる事により、全長を伸縮可能に組み合わせて成る。そして、前記雄スプライン歯と前記雌スプライン歯とのうちの少なくとも一方の歯の表面に、ポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリアセタール樹脂等の、摩擦係数が低い合成樹脂製のコーティング層を形成している。従って、前記アウタシャフト44と前記インナシャフト45とは、トルクの伝達を可能に、且つ、軽い力で伸縮可能に組み合わされている。この様な、前記ステアリングシャフト5bは、前記ステアリングコラム6cの内径側に回転自在に支持されている。具体的には、前記アウタシャフト44の中間部後端寄り部分を、前記アウタコラム13aの後端部の内径側に、単列深溝型玉軸受の如く、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を支承可能な転がり軸受により、回転のみ自在に支持している。従って前記アウタシャフト44は、前記アウタコラム13aの軸方向移動に伴って移動し、前記ステアリングシャフト5bが伸縮する。
又、前記両被挟持壁部11a、11aは、前記アウタコラム13aの前部の下面で前記スリット43を左右両側から挟む位置に、このアウタコラム13aと一体に設けられている。そして、前記両被挟持壁部11a、11aの互いに整合する位置に、前記両前後方向長孔28、28を、それぞれ前記アウタコラム13aの軸方向に形成している。
又、前記支持ブラケット10aは、左右1対の挟持板部25c、25d及び取付板部46を有する。これら両挟持板部25c、25d及び取付板部46は、それぞれが炭素鋼板等の、十分な強度及び剛性を有する金属板にプレス加工を施して成るもので、互いに溶接等により接合固定して、前記支持ブラケット10aを構成している。このうちの前記両挟持板部25c、25dは、前記アウタコラム13aの下面に設けた前記両被挟持壁部11a、11aを、左右両側から挟持する。又、前記取付板部46は、これら両被挟持壁部11a、11aを介して前記アウタコラム13aを車体に対し支持すると共に、二次衝突時にこのアウタコラム13aが前方に変位する事を許容する。この為、前述の図10〜14に示した従前の構造と同様に、前記取付板部46の左右両端部にそれぞれ形成した1対の切り欠き21a、21aにそれぞれカプセル22a、22aを、二次衝突時に加わる衝撃荷重に基づいて脱落を可能に設置している。
又、前記両上下方向長孔26a、26bは、前記ハウジング41の前上方部分に設けた支持管17aの中心軸をその中心とする部分円弧状であり、前記両挟持板部25c、25dのうちの、前記両前後方向長孔28、28の長さ方向の一部に整合する部分に形成している。そして、前記締付杆27aを、これら両前後方向長孔28、28と前記両上下方向長孔26a、26bとに挿通している。前記締付杆27aは、中間部先端寄り部分(図4、6の右寄り部分)に、この締付杆27aの中央寄りから順番に、チルトスペーサ47と、スペーサ48と、ワッシャ49と、スラスト軸受50とを外嵌している。そして、前記締付杆27aの先端部に螺着したナット51により、これら各部材47〜50がこの締付杆27aから抜け出る事を防止している。又、前記ナット51は、必要箇所に螺着後、何れかの部分をかしめ変形する事により、緩み止めを図っている。尚、前記各部材47〜50は、前記ステアリングホイールの位置調節の際に、前記締付杆27aの変位、並びに、この締付杆27aの先端部の前記上下方向長孔26aに沿う変位が、それぞれ円滑に行われる様に設けるものである。
一方、前記締付杆27aの基端部に、駆動側カム30aと被駆動側カム31aとから成る、前記カム装置32aを設けている。本例の場合には、この被駆動側カム31aと前記ナット51とが、特許請求の範囲に記載した1対の押圧部に相当する。前記カム装置32aは、調節レバー33aにより前記駆動側カム30aを回転駆動させて、前記被駆動側カム31aと前記ナット51との距離を拡縮可能としている。前記被駆動側カム31aは、前記挟持板部25dの外側面側から上下方向長孔26bに、この上下方向長孔26bに沿う変位(昇降)を可能に、且つ、回転を阻止された状態で係合している。前記ステアリングホイール1の位置を調節する際には、前記調節レバー33aを下方に回動させる事により前記被駆動側カム31aと前記ナット51との距離を拡げる。この距離が拡がる結果、前記両挟持板部25c、25dの内側面と、前記両被挟持壁部11a、11aを含む、前記アウタコラム13aの左右両側面との当接圧が、低下乃至は喪失する。同時に、このアウタコラム13aの前部の直径が弾性的に拡がり、このアウタコラム13aの前部内周面と前記インナコラム14aの後部外周面との当接圧が低下する。
そこで、この状態で、前記締付杆27aが前記両上下方向長孔26a、26b及び前記両前後方向長孔28、28内で変位できる範囲で、前記アウタコラム13aを変位させる。そして、このアウタコラム13a内に回転自在に支持された、前記アウタシャフト44の後端部に支持固定された、前記ステアリングホイール1の位置、即ち、前後方向位置と上下方向位置とのうちの少なくとも一方を調節する。この調節作業の間、前記アウタコラム13と共に昇降する部分の重量は、前記ハウジング41と、前記支持ブラケット10aを構成する取付板部46との間に設けた、それぞれが引っ張りばねである1対の釣合ばね35a、35aにより支承する。この為、前記ステアリングホイール1の位置の調節時にも、運転者が前記重量全部を支える必要はない。このステアリングホイール1を所望の位置に移動させた後、前記調節レバー33aを上方に回動させて、前記被駆動側カム31aと前記ナット51との距離を縮める。この結果、前記両挟持板部25c、25dの内側面と前記アウタコラム13aの左右両側面との当接圧、並びに、このアウタコラム13aの前部内周面と前記インナコラム14aの後部外周面との当接圧が高くなって、このアウタコラム13aの位置が、前記所望の位置に固定される。
更に、本例の特徴部分である、前記エネルギ吸収部材36aは、二次衝突時に前記アウタコラム13aと共に前方に変位する部分である、前記締付杆27aの軸方向中間部と、前記電動式パワーステアリング装置40のハウジング41の後端面との間に設けている。前記エネルギ吸収部材36aは、軟鋼板等の、所望の(衝撃エネルギ吸収の為に適切な)強度及び剛性を有する一方で、塑性変形可能な金属板に、プレス加工等による打ち抜き加工及び曲げ加工を施す事により、図7に示す様に、全体を一体に形成している。
具体的には、前記エネルギ吸収部材36aは、軟鋼板等の、所望の強度及び剛性を有し、塑性変形可能な金属板に、打ち抜き、折り曲げ等のプレス加工を施す事により一体に形成したもので、基板部52と、左右1対の折り曲げ板部53、53と、1対の透孔54、54と、左右1対の前端側取付部55、55とを備える。
このうちの基板部52は、前記アウタコラム13aの軸方向に配置されている。
又、前記両折り曲げ板部53、53は、前記基板部52の幅方向両側縁から、互いに同じ方向に直角に折れ曲がっていて、互いに平行である。尚、本例の場合に、前記基板部52を下側に配置すると共に、前記両折り曲げ板部53、53をこの基板部52に対し上方に折り曲げている。但し、逆に、基板部を上側に配置して両折り曲げ板部をこの基板部に対し下方に折り曲げる事もできる。
又、前記両透孔54、54は、前記両折り曲げ板部53、53の互いに整合する位置に、前記アウタコラム13aの軸方向に長く形成している。前記両透孔54、54は、鍵穴を前後方向に引っ張り伸ばした如き形状で、それぞれが後端部に存在する円孔部56と、残りの部分を構成する長孔部57とから成る。このうちの円孔部56の内径は、前記締付杆27aの外径よりも少しだけ大きく、前記長孔部57の幅(内寸)は、この締付杆27aの外径よりも小さい。従って、この締付杆27aは、前記円孔部56に挿通可能であるが、前記長孔部57には、大きな力を加えない限り、入り込む事はできない。尚、図示の例では、前記両透孔54、54の長孔部57の幅寸法を、ほぼその全長に亙って同じとしている。但し、この長孔部57の幅寸法は、必要とするエネルギ吸収性能に応じて、適宜変化させる事もできる。例えば、前記長孔部57の幅寸法を、前方に向かう程小さくすれば、二次衝突の進行に伴って吸収する衝撃エネルギを大きくできて、衝撃吸収式ステアリング装置として、好ましい性能を得られる。
更に、前記両前端側取付部55、55は、前記両折り曲げ板部53、53の前端部から互いに逆方向に、これら両折り曲げ板部53、53に対し直角に折れ曲がった状態で形成している。そして、前記両前端側取付部55、55のそれぞれ先端中央部に、取付孔58、58を形成している。
上述の様な構成を有する、前記エネルギ吸収部材36aは、前記両折り曲げ板部53、53を前記両被挟持壁部11a、11a同士の間に配置している。これら両折り曲げ板部53、53の外側面(互いに反対側の側面)同士の間隔である、前記エネルギ吸収部材36aの幅は、前記ステアリングホイール1を所望の位置に固定すべく、前記調節レバー33aを上方に回動させた状態での、前記両被挟持壁部11a、11aの内面同士の間隔よりも少しだけ小さい。従って、前記両折り曲げ板部53、53をこれら両被挟持壁部11a、11a同士の間に配置した状態で、これら両折り曲げ板部53、53の外側面は、これら両被挟持壁部11a、11aの内面に、当接若しくは近接対向する。
前記エネルギ吸収部材36aは、上述の様に前記両折り曲げ板部53、53を前記両被挟持壁部11a、11a同士の間に配置した状態で、前記アウタコラム13aと前記ハウジング41との間に設けている。この為に、前記両折り曲げ板部53、53に形成した前記両透孔54、54のうちの円孔部56に前記締付杆27aを挿通している。これに対して、前記両前端側取付部55、55の取付孔58、58に挿通したボルト59、59を、前記ハウジング41の後端面に開口したねじ孔に螺合し更に締め付ける事により、前記エネルギ吸収部材36aの前部を、前記ハウジング41に対し結合固定している。この状態でこのエネルギ吸収部材36aがこのハウジング41に対し、前方への変位を阻止された状態で支持される。この状態で、前記エネルギ吸収部材36aと前記締付杆27aとが、二次衝突時にこの締付杆27aが、前記両透孔54、54の円孔部56から長孔部57に入り込む様に組み合わされる。
前述の様な構成を有し、上述の様に前記締付杆27aと前記ハウジング41との間に組み付けられた、前記エネルギ吸収部材36aは、二次衝突の進行に伴って、前記両折り曲げ板部53、53が塑性変形させられる。即ち、この二次衝突に伴って前記アウタコラム13aと共に前記締付杆27aが前方に変位するのに対して、前記エネルギ吸収部材36aは、そのままの位置に止まる。従って、前記締付杆27aは、前記両透孔54、54の円孔部56から長孔部57に入り込み、この長孔部57の幅を押し広げる方向に前記両折り曲げ板部53、53を塑性変形させながら、図8の(A)に示した状態から(B)に示した状態にまで前方に変位する。この際、この塑性変形に基づき、前記ステアリングホイール1から、前記アウタシャフト44及び前記アウタコラム13aを介して前記締付杆27aに伝達された衝撃エネルギを吸収する。この場合に於いて、前記両折り曲げ板部53、53の外側面は、前記両被挟持壁部11a、11aの内側面に当接乃至は近接対向している為、前記両折り曲げ板部53、53が、左右に拡がる方向に大きく変形する事はなく、これら両折り曲げ板部53、53の塑性変形に基づくエネルギ吸収は、安定して行われる。
又、本例の場合には、前記締付杆27aの中間部に、カム部材60を外嵌している。このカム部材60は、前記ステアリングホイール1の前後位置を調節すべく、前記調節レバー33aを下方に回動させ、前記カム装置32aを緩める事に伴って、先端部を上方に変位させる。そして、この先端部を、前記アウタコラム13aの前部に形成した前記スリット43を通じてこのアウタコラム13aの内周面から上方に突出させ、前記インナコラム14aの後部に形成した係合孔61(図8参照)内に進入させる。この状態で、前記ステアリングホイール1及び前記ステアリングシャフト5bを介して前記アウタコラム13aを前方に向いた力を付与し、このアウタコラム13aが前方に変位すると、前記カム部材60の先端部前縁が、前記係合孔61の前端縁に係合する。この状態で、前記前方に向いた力は、前記インナコラム14aを介して車体に支承され、前記締付杆27aを介して、支持ブラケット10aに伝わる事がなくなる。この為、前記カム装置32aを緩めた状態で、前記ステアリングホイール1及び前記アウタシャフト44を介して前記アウタコラム13aを前方に強く押しても、前記両カプセル22a、22aが前記両切り欠き21a、21aから抜け出る事はなく、前記支持ブラケット10aが車体から前方に脱落する事はなくなる。
更に、本例の場合には、前記ステアリングホイール1を調節後の高さ位置に保持する為の支持強度を大きくする構造を組み込んでいる。即ち、前記締付杆27aの中間部基端寄り部分に揺動腕62の基部を揺動変位可能に外嵌し、前記調節レバー33aを上方に回動させる事に伴ってこの揺動腕62を上方に揺動させる様にしている。又、この揺動腕62の先端部に雄側ギヤ63を、前記挟持板部25dの外側面の上部に雌側ギヤ64を、それぞれ設け、前記揺動腕62の上方への揺動に伴って、これら両ギヤ63、64を噛合させる様にしている。そして、噛合した状態では、前記揺動腕62を介して前記締付杆27aを前記挟持板部25dに結合し、二次衝突に伴う大きな衝撃荷重に拘らず、前記ステアリングホイールの高さ位置が大きくずれ動かない様にしている。
尚、前記被駆動側カム31aは、前記揺動腕62の基部に、この揺動腕62に対する相対回転を可能に(前記挟持板部25dに対する相対回転を阻止した状態で)、且つ、前記揺動腕62に対する若干の上下方向の変位を可能に組み付けている。この為に、前記被駆動側カム31aに相対回転を不能に組み付けたチルトスペーサ47aを、前記上下方向長孔26bに、昇降のみ可能に係合させている。又、前記被駆動側カム31aと前記揺動腕62との間に復位ばね65を設けて、この被駆動側カム31aをこの揺動腕62に対し、中立位置を中心とする若干の昇降を可能に支持している。この様な若干の昇降を可能にする理由は、前記ステアリングホイール1の高さ位置が無段階で調節できるのに対して、前記両ギヤ63、64の噛合位置は有段である為、この差を吸収する為である。尚、この部分の構成及び作用に就いても、本発明の要旨とは関係しない為、詳しい説明は省略する。
上述の様に構成する本例の構造によれば、設計の自由度を確保しつつ、低コストで、より優れた性能を得られる衝撃吸収式ステアリング装置を実現できる。
先ず、前記締付杆27aを、図示の例の様に、前記アウタコラム13aの下側に配置した構造で、この締付杆27aと前記エネルギ吸収部材36aとを、このアウタコラム13aの軸方向に関して、互いに直列に配置できる。これら両部材27a、36aをこの様に配置すると、二次衝突時に前記アウタコラム13aを前方に変位させる事に対する抵抗となる力、即ち、前記エネルギ吸収部材36aが塑性変形する事に対する抵抗が、二次衝突時に前記アウタコラム13aが揺動変位する際にその中心となる、前記締付杆27aに向けて加わる。この結果、このアウタコラム13aに対して、この締付杆27aを中心として揺動させる方向のモーメントが加わる事がなくなる。そして、前記アウタコラム13aの前部と前記インナコラム14aの後部との嵌合部の摩擦係合状態を安定させて、この嵌合部の摺動を安定させ、二次衝突時の衝撃エネルギの吸収を安定して行える。
しかも、本例の構造の場合には、前記アウタコラム13aの前部内周面と前記インナコラム14aの後部外周面とを、前記各突条42、42の頂部で当接させている為、これら両周面同士の嵌合部の摩擦嵌合状態を安定させて、二次衝突時に於ける衝撃エネルギの吸収性能を、より安定させる事ができる。
更に、本例の構造の場合には、前記アウタシャフト44の前半部と前記インナシャフト45の後半部とを、摩擦係数が低い合成樹脂製のコーティング層を介してスプライン係合させている為、前記ステアリングシャフト5bの伸縮に要する力を、低く、且つ、安定させる事ができる。そして、前記ステアリングホイールの前後位置の調節に要する力を低減できると共に、二次衝突時に於ける衝撃エネルギの吸収性能を、更に安定させる事ができる。
これらにより本例の構造の場合には、設計の自由度を阻害する事なく、衝撃吸収性能の向上を図れる。
又、二次衝突時の衝撃エネルギを吸収する為に、前記アウタコラム13aの前部内周面とインナコラム14aの後部外周面との嵌合部の摩擦抵抗だけでなく、前記エネルギ吸収部材36aの塑性変形も利用する為、前記衝撃エネルギを吸収する性能を安定させ易く、又、この吸収性能のチューニングも任意に行える。更に、前記エネルギ吸収部材36aの前後両端部のうち、後端部を締付杆27aにより、前端部を前記ハウジング41により、それぞれ支持している。これら両部材27a、41は、元々ステアリング装置に組み込まれていたものであり、前記エネルギ吸収部材36aを設置する為に、新たに設置する必要がある部材ではない。この為、このエネルギ吸収部材36aを設ける事に伴うコスト上昇を抑えられる。
更に、図示の例の場合には、前記支持ブラケット10aを構成する取付板部46の上面中央部後端寄り部分に、取付用ブラケット66を固定している。この取付用ブラケット66の前半部は弾性係止部67とし、同じく後半部はガイド鍔部68としている。一方、前記支持ブラケット10aを取り付ける為、予め車体に固定しておく車体側ブラケット12aには、図9に示す様に、幅狭部69と幅広部70とから成る係止孔71を形成している。このうちの幅広部70は、前記車体側ブラケット12aの後端部を上方に曲げ起こした、折り曲げ部72に形成している。ステアリングコラム6cを含むステアリング装置を、車体側に組み付ける場合には、先ず、前記ハウジング41を車体に対し、前記支持管17aを挿通したボルトにより、揺動変位可能に支持する。この状態から、前記ステアリングコラム6cと共に前記支持ブラケット10aを上方に変位させると、前記弾性係止部67が、幅寸法を弾性的に縮めつつ、前記係止孔71のうちの幅狭部69の後端部に係止される。この状態で、前記支持ブラケット10aが前記車体側ブラケット12aに対し仮止めされる為、この支持ブラケット10aをこの車体側ブラケット12aにねじ止め固定する作業を容易に行える。
二次衝突時には、前記両カプセル22a、22aが前記両切り欠き21a、21aから抜け出して、これら両カプセル22a、22aによる前記支持ブラケット10aの支持力が喪失する以前に、前記ガイド鍔部68が、前記幅広部70から前記幅狭部69内に入り込む。そして、このガイド鍔部68の両側部分と、前記車体側ブラケット12aのうちの前記幅狭部69の両側部分との係合により、前記支持ブラケット10aが下方に落下するのを防止する。この結果、二次衝突の進行に伴って前記ステアリングホイール1が過度に下降する事を防止して、このステアリングホイール1の後方で開いたエアバッグと運転者の身体との位置関係を適正のままに維持できる。又、軽度の衝突事故の場合には、事故後にもステアリングホイールを操作可能にできて、事故車両の撤去に要する手間の軽減を図れる。
上述した実施の形態では、本発明を、ステアリングホイールの前後位置を調節する為のテレスコピック機構、及び、上下位置を調節する為のチルト機構の両方の機構を備えた構造に対して適用した場合に就いて説明した。但し、本発明を適用する衝撃吸収式ステアリング装置に関しては、テレスコピック機構とチルト機構とのうちの何れか一方の機構のみを備えた構造で実施する事もできる。更には、テレスコピック機構、チルト機構の何れの機構も備えていない、即ち、ステアリングホイールの位置調節装置を備えていない構造で実施する事もできる。例えば、テレスコピック機構のみを備えた構造で実施する場合には、図示の実施の形態から、挟持板部25c、25dに形成する第二通孔を、上下方向長孔26a、26bに代えて、締付杆27aを挿通可能なだけの、単なる円孔とする。又、チルト機構のみを備えた構造で実施する場合には、図示の実施の形態から、両被挟持壁部11a、11aに形成する第一通孔を、前後方向長孔28、28に代えて、締付杆27aを挿通可能なだけの、単なる円孔とする。更に、前記位置調節装置を備えない構造で実施する場合には、第一、第二各通孔を、何れも単なる円孔とする。この様な位置調節装置を備えない構造で実施する場合に、締付杆をボルトとし、1対の押圧部を、このボルトの頭部、及び、このボルトに螺合したナットとする事もできる。この場合、このナットが一方の押圧部でもあり、且つ、固定手段にもなる。
又、衝撃エネルギ吸収の為に透孔を設けた折り曲げ板部は、少なくとも基板部の片側縁に設ければ足りる。但し、左右1対の折り曲げ板部を設け、これら両折り曲げ板部にそれぞれ透孔を設ければ、二次衝突時に於ける、エネルギ吸収部材の姿勢を安定化して、衝撃エネルギの吸収を安定して行える。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a、5b ステアリングシャフト
6、6a、6b、6c ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10、10a 支持ブラケット
11、11a 被挟持壁部
12、12a 車体側ブラケット
13、13a アウタコラム
14、14a インナコラム
15 電動モータ
16 ハウジング
17、17a 支持管
18 天板
19a、19b 側板
20 結合板部
21、21a 切り欠き
22、22a カプセル
23 通孔
24 ナット
25a、25b、25c、25d 挟持板部
26、26a、26b 上下方向長孔
27、27a 締付杆
28 前後方向長孔
29 鍔部
30、30a 駆動側カム
31、31a 被駆動側カム
32、32a カム装置
33 調節レバー
34 係止部
35、35a 釣合ばね
36、36a エネルギ吸収部材
37 車体
38 支持ピン
39 保持ケース
40 電動式パワーステアリング装置
41 ハウジング
42 突条
43 スリット
44 アウタシャフト
45 インナシャフト
46 取付板部
47、47a チルトスペーサ
48 スペーサ
49 ワッシャ
50 スラスト軸受
51 ナット
52 基板部
53 折り曲げ板部
54 透孔
55 前端側取付部
56 円孔部
57 長孔部
58 取付孔
59 ボルト
60 カム部材
61 係合孔
62 揺動腕
63 雄側ギヤ
64 雌側ギヤ
65 復位ばね
66 取付用ブラケット
67 弾性係止部
68 ガイド鍔部
69 幅狭部
70 幅広部
71 係止孔
72 折り曲げ部

Claims (7)

  1. 前後位置を規制された状態で前側に配置されたインナコラムと、このインナコラムの後部に外嵌された、このインナコラムとの嵌合部である前部に軸方向に設けられたスリットに基づき、この前部の直径を拡縮可能としたアウタコラムと、アウタシャフトとインナシャフトとを全長を収縮可能に組み合わせて成り、前記インナコラムと前記アウタコラムとから成るステアリングコラムの内径側に回転自在に支持されて後端部をこのアウタコラムの後端開口よりも後方に突出させたステアリングシャフトと、このアウタコラムの前部の上面又は下面で前記スリットを左右両側から挟む位置に設けられた1対の被挟持壁部と、これら両被挟持壁部の互いに整合する位置に形成された、それぞれが前記アウタコラムの軸方向に長い長孔である1対の第一通孔と、左右1対の挟持板部及びこれら両挟持板部を車体に対して支持する取付板部を有し、この取付板部を、二次衝突時に加わる衝撃荷重に基づいて前方への脱落を可能に、車体に対して支持される支持ブラケットと、前記両挟持板部のうち、前記両第一通孔のうちの少なくとも一部に整合する部分に形成した1対の第二通孔と、これら両第一通孔と両第二通孔とを挿通した締付杆と、この締付杆の両端部に設けられた1対の押圧部の間隔を拡縮し、この間隔の収縮時に前記アウタコラムの前部の直径を縮め、このアウタコラムの前部内周面と前記インナコラムの後部外周面とを摩擦係合させる固定手段と、二次衝突時に前記アウタコラムと共に前方に変位する部分と、二次衝突時にも前方に向けて変位しない部分との間に設けられ、この二次衝突に伴う前記アウタコラムの前方への変位に伴って塑性変形し、前記ステアリングホイールから前記アウタコラムに加えられた衝撃エネルギを吸収するエネルギ吸収部材とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置に於いて、
    このエネルギ吸収部材は、前記アウタコラムの軸方向に配置された基板部と、この基板部の幅方向側縁から折れ曲がった折り曲げ板部と、この折り曲げ板部に形成された、後端部が前記締付杆を挿通可能な大きさであり、この後端部よりも前寄り部分の幅がこの締付杆の外径よりも小さい、前記アウタコラムの軸方向に長い透孔と、この透孔を形成した部分よりも前方に突出した部分に設けられた前端側取付部とを備えたものであり、
    前記エネルギ吸収部材は、前記両折り曲げ板部を前記両被挟持壁部同士の間に配置した状態で、前記両透孔の後端部に前記締付杆を挿通する事により後部を前記アウタコラムに対し、二次衝突時にこのアウタコラムと共に前方に変位する様に組み合わせ、前部を前記インナコラムの前端部に固定した部材に対して前記前端側取付部により結合している事を特徴とする
    衝撃吸収式ステアリング装置。
  2. 前記インナコラムの前端部に、電動式パワーステアリング装置の構成部品を収めたハウジングが結合固定されており、前記エネルギ吸収部材を構成する前記前端側取付部を、前記ハウジングの後端面に突き合せた状態で、このハウジングに対し結合固定している、請求項1に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  3. 前記両第一通孔が、前記アウタコラムの軸方向に長い前後方向長孔であって、前記締付杆がこれら両第一通孔内で変位できる範囲で、前記アウタコラムの前後位置を調節可能としており、前記締付杆の基端部に設けられた調節レバーの操作に基づいて前記両押圧部の間隔を拡縮し、この間隔の収縮時に前記アウタコラムの前部の直径を縮めて、このアウタコラムの前後位置を固定する、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  4. 前記締付杆の中間部で前記エネルギ吸収部材に設けられた1対の折り曲げ板部の間部分に、カム部材が外嵌されており、前記アウタコラムの前部の直径を拡げる方向に前記締付杆を回動させた状態で、前記カム部材を、このアウタコラムの前部に形成した前記スリットを通じて、前記インナコラムの後部に形成した係合孔内に進入させる、請求項3に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  5. 前記インナコラムの前端部が、横軸を中心とする揺動変位を可能に車体に対して支持されており、前記両第二通孔が、この横軸を中心とする部分円弧状で上下方向に長い上下方向長孔であって、前記締付杆がこれら両上下方向長孔内で変位できる範囲で、前記ステアリングホイールの上下位置を調節可能としており、前記締付杆の基端部に設けられた調節レバーの操作に基づいて前記両押圧部の間隔を拡縮し、この間隔の収縮時に前記両挟持板部同士の間隔を縮め、これら両挟持板部の内側面と前記アウタコラムの両外側面とを摩擦係合させて、このアウタコラムの上下位置を固定する、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  6. 前記インナコラムの外周面に、それぞれが軸方向に長い複数本の突条を形成しており、このインナコラムの外周面と前記アウタコラムの内周面とが、これら各突条の頂部で当接している、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
  7. 前記ステアリングシャフトを構成するインナシャフトの端部外周面に形成した雄スプライン歯と、アウタシャフトの端部内周面に形成した雌スプライン歯とをスプライン係合させる事で、前記スプラインシャフトの全長を伸縮可能としており、前記雄スプライン歯と前記雌スプライン歯とのうちの少なくとも一方の歯の表面に、摩擦係数が低い合成樹脂製のコーティング層を形成している、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリング装置。
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