JP5229181B2 - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の排ガス中の特定成分を吸着材で吸着し、吸着材から放出された特定成分を触媒で酸化又は還元する排ガス浄化装置に関する。
内燃機関の排ガス中の特定成分(例えばHC)を吸着する吸着材は、吸着材温度が放出温度T1未満ではHCを吸着し、放出温度T1以上になると吸着していたHCを放出する。そして、吸着材から放出されたHCを酸化する酸化触媒は、触媒温度が活性化温度T2以上になると活性化して酸化可能な状態となる。そして、活性化温度T2は放出温度T1よりも高温(T2>T1)であるのが一般的である。
ところで、内燃機関の冷間始動時において、触媒温度を早期に活性化温度T2にまで上昇させるべく点火時期を遅角させる制御(触媒暖機制御)が特許文献1,2等にて開示されている。但し、内燃機関の始動時から直ぐに触媒暖機制御を実施すると、吸着されたHCが飽和量に達していない状態で吸着材温度が放出温度T1以上となり、吸着材による吸着能力が十分に発揮されなくなる。そこで、この種の排ガス浄化装置では、吸着材温度が放出温度T1に達した時点から触媒暖機制御を開始させている(特許文献1参照)。これにより、吸着材での吸着量を十分に増やしつつ触媒暖機の早期完了を図っている。
特開2004−116370号公報 特開2001−164930号公報
しかしながら、上述した特許文献1記載の制御では、点火時期を遅角させることで触媒暖機を図るものであるため、点火を遅角させることによる燃費悪化を招く。なお、この問題は、排ガス中のHCを吸着して酸化させる場合に限らず、例えばNOxを吸着して還元させる場合にも同様に生じ得る。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、吸着材での吸着量を十分に増やしつつ触媒暖機の早期完了を図ることと、燃費悪化抑制との両立を実現した排ガス浄化装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、放出温度未満では内燃機関の排ガス中の特定成分を吸着し、前記放出温度以上になると吸着した前記特定成分を放出する吸着材と、自身の温度が前記放出温度より高い活性化温度以上になると、前記吸着材から放出された前記特定成分を酸化又は還元する触媒と、前記吸着材の上流側に配置され、排ガスと熱交換する熱媒体を循環させることにより排ガスから熱回収する熱交換器と、前記熱媒体の循環流量を調整する流量調整手段と、前記流量調整手段の作動を制御する制御手段と、前記熱交換器の上流側での排ガス温度が前記活性化温度以上となっている高温状態、及び前記活性化温度未満となっている低温状態のいずれであるかを判定する排ガス状態判定手段と、を備え、前記制御手段は、前記排ガス状態判定手段により前記高温状態であると判定されている時には、前記低温状態と判定されている時に比べて前記循環流量を低下させる流量低下制御を実施することを特徴とする。
これによれば、排ガスから熱回収する熱交換器を吸着材の上流側に配置し、流量調整手段により熱媒体の循環流量を調整することで、吸着材及び触媒へ流入する排ガスの温度を調整できる。そして、熱交換器の上流側での排ガス温度が活性化温度以上となっている高温状態である時には、低温状態と判定されている時に比べて循環流量を低下させる。
したがって、内燃機関を始動させた直後の低温状態時には、高温状態時に比べて循環流量を多くして熱交換器による熱回収量を多くするので、吸着材へ流入する排ガス温度が低下する。そのため、吸着材温度が放出温度に達するまでの時間を長く確保でき、ひいては、吸着材での吸着量を増やして吸着能力を十分に発揮させることができる。一方、内燃機関を始動させてから排ガス温度が上昇して高温状態になると、低温状態時に比べて循環流量を低下させて熱交換器による熱回収量を少なくするので、触媒へ流入する排ガス温度が上昇する。そのため、吸着材が放出温度に達して放出を開始してから触媒温度が活性化温度に達するまでの時間を短くして、触媒暖機の早期完了を図ることができる。
以上により、本発明によれば、点火時期を遅角させることなく(或いは点火遅角量を抑制して)、吸着材での吸着量を十分に増やしつつ触媒暖機の早期完了を図ることができる。よって、点火時期遅角による燃費悪化を抑制することと、吸着量を十分に増やしつつ触媒暖機の早期完了を図ることとの両立を実現できる。
ちなみに、特開平11−218020号公報に記載の装置では、熱交換器をバイパスするバイパス通路を排気管に形成するとともに、排ガスの流通経路を熱交換器とバイパス通路とに切り替える切替バルブを設けている。そして、切替バルブの作動を制御することで、触媒へ流入する排ガスの温度を調整している。しかし、この従来装置では、バイパス通路及び切替バルブを排気管に設ける構造であるため、排気通路が大きく複雑になるといった問題を抱える。
これに対し本発明によれば、熱媒体の循環流量を調整することで吸着材及び触媒へ流入する排ガスの温度を調整できるので、バイパス通路及び切替バルブを不要にでき、上記問題を解消できる。
請求項2記載の発明では、前記吸着材での吸着が可能である吸着可能状態となっているか否かを判定する吸着状態判定手段を備え、前記制御手段は、前記吸着状態判定手段により吸着可能状態でないと判定されている場合には、前記排ガス状態判定手段による判定結果に拘わらず前記流量低下制御を実施することを特徴とする。
ここで、例えば内燃機関のアイドル運転が長時間継続すると、長時間に亘って特定成分を吸着させることにより、その吸着量が吸着材の許容量を超えて飽和してしまい、排ガス温度が低温状態であるにも拘わらず特定成分を吸着できなくなる状態(飽和状態)に陥ることが懸念される。この場合には、排ガス温度が高温状態にまで上昇することを待たずして直ぐに触媒暖機を開始させて、触媒暖機の早期完了を図ることが望ましい。
また、上流側排ガス温度が放出温度以上かつ活性化温度未満である状態が長時間継続すると、吸着材で吸着できない状態であるにも拘らず、低温状態と判定されることに起因して流量低下制御が実施されない状態が長時間継続されることが懸念される。この場合には、排ガス温度が高温状態にまで上昇することを待たずして直ぐに触媒暖機を開始させて、触媒暖機の早期完了を図ることが望ましい。
これらの点を鑑みた上記発明では、吸着可能状態でないと判定されている場合には、排ガス状態判定手段による判定結果に拘わらず流量低下制御を実施するので、吸着材で吸着できない状態に陥ってから触媒温度が活性化温度に達するまでの時間、つまり「放出温度T1<排ガス温度<活性化温度T2」となっている時間を短くして、触媒暖機の早期完了を図ることができる。
請求項3記載の発明では、前記上流側での排ガス温度を検出する排ガス温度センサを備え、前記排ガス状態判定手段は、前記排ガス温度センサの検出値に基づき、前記高温状態及び前記低温状態のいずれであるかを判定することを特徴とする。
これによれば、前記検出値が所定値以上であれば高温状態であると判定し、所定値未満であれば低温状態であると判定できる。そして、排ガス温度センサにより直接検出した上流側排ガス温度に基づき前記判定を行うので、排ガス状態判定手段による判定を高精度にできる。
請求項4記載の発明では、前記熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサを備え、前記排ガス状態判定手段は、前記熱媒体温度センサの検出値に基づき、前記高温状態及び前記低温状態のいずれであるかを判定することを特徴とする。
ここで、上流側排ガス温度の温度が高いほど熱媒体の温度は高くなっており、上流側排ガス温度と熱媒体温度とは相関性が高い。この点を鑑みた上記発明によれば、上流側排ガス温度と相関性が高い熱媒体温度の温度を検出し、その検出値が所定値以上であれば高温状態であると判定し、所定値未満であれば低温状態であると判定できる。
請求項5記載の発明では、放出温度未満では内燃機関の排ガス中の特定成分を吸着し、前記放出温度以上になると吸着した前記特定成分を放出する吸着材と、自身の温度が前記放出温度より高い活性化温度以上になると、前記吸着材から放出された前記特定成分を酸化又は還元する触媒と、前記吸着材の上流側に配置され、排ガスと熱交換する熱媒体を循環させることにより排ガスから熱回収する熱交換器と、前記熱媒体の循環流量を調整する流量調整手段と、前記流量調整手段の作動を制御する制御手段と、前記吸着材での吸着が可能である吸着可能状態となっているかを判定する吸着状態判定手段と、を備え、前記制御手段は、前記吸着状態判定手段により前記吸着可能状態でないと判定されている時には、前記吸着可能状態と判定されている時に比べて前記循環流量を低下させる流量低下制御を実施することを特徴とする。
これによれば、排ガスから熱回収する熱交換器を吸着材の上流側に配置し、流量調整手段により熱媒体の循環流量を調整することで、吸着材及び触媒へ流入する排ガスの温度を調整できる。そして、吸着可能状態でないと判定されている時には、吸着可能状態と判定されている時に比べて循環流量を低下させる。
したがって、内燃機関の始動直後における吸着可能状態の時には、吸着不能状態時に比べて循環流量を多くして熱交換器による熱回収量を多くするので、吸着材へ流入する排ガス温度が低下する。そのため、吸着材温度が放出温度に達するまでの時間を長く確保でき、ひいては、吸着材での吸着量を増やして吸着能力を十分に発揮させることができる。一方、内燃機関を始動させてから、吸着量が吸着材の許容量を超えて飽和したり吸着材温度が放出温度以上になったりして吸着不能状態になると、吸着可能状態時に比べて循環流量を低下させて熱交換器による熱回収量を少なくするので、触媒へ流入する排ガス温度が上昇する。そのため、吸着材が放出を開始してから触媒温度が活性化温度に達するまでの時間を短くして、触媒暖機の早期完了を図ることができる。
以上により、本発明によれば、点火時期を遅角させることなく(或いは点火遅角量を抑制して)、吸着材での吸着量を十分に増やしつつ触媒暖機の早期完了を図ることができる。よって、点火時期遅角による燃費悪化を抑制することと、吸着量を十分に増やしつつ触媒暖機の早期完了を図ることとの両立を実現できる。
ちなみに、特開平11−218020号公報に記載の装置では、熱交換器をバイパスするバイパス通路を排気管に形成するとともに、排ガスの流通経路を熱交換器とバイパス通路とに切り替える切替バルブを設けている。そして、切替バルブの作動を制御することで、触媒へ流入する排ガスの温度を調整している。しかし、この従来装置では、バイパス通路及び切替バルブを排気管に設ける構造であるため、排気通路が大きく複雑になるといった問題を抱える。
これに対し本発明によれば、熱媒体の循環流量を調整することで吸着材及び触媒へ流入する排ガスの温度を調整できるので、バイパス通路及び切替バルブを不要にでき、上記問題を解消できる。
請求項6記載の発明では、前記吸着状態判定手段は、前記内燃機関を始動させてからの経過時間に基づき、前記吸着可能状態であるか否かを判定することを特徴とする。
これによれば、上記経過時間が所定時間に達した時点で、吸着材が上記飽和状態になったとみなして吸着不能状態になったと判定できる。よって、吸着量を検出するための専用のセンサを用いることなく吸着可能状態であるか否かを判定できる。
請求項7記載の発明では、前記吸着状態判定手段は、前記内燃機関の暖機運転期間における運転者のアクセル操作量に基づき、前記吸着可能状態であるか否かを判定することを特徴とする。
これによれば、暖機運転期間中に運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合に、排ガス中の特定成分が増大したことに起因して吸着材が上記飽和状態になったとみなし、吸着不能状態になったと判定できる。よって、吸着量を検出するための専用のセンサを用いることなく吸着可能状態であるか否かを判定できる。
請求項8記載の発明では、前記吸着状態判定手段は、前記内燃機関を始動させてからの、前記吸着材へ供給された熱量の積算値に基づき前記吸着可能状態であるか否かを判定することを特徴とする。
これによれば、吸着材へ供給された熱量の積算値が所定値に達した時点で、吸着材が上記飽和状態になったとみなして吸着不能状態になったと判定できる。よって、吸着量を検出するための専用のセンサを用いることなく吸着可能状態であるか否かを判定できる。
請求項9記載の発明では、前記判定手段は、前記内燃機関の暖機運転期間における機関回転速度に基づき、前記吸着可能状態であるか否かを判定することを特徴とする。
これによれば、機関回転速度が所定値に達した時点で、吸着材が上記飽和状態になったとみなして吸着不能状態になったと判定できる。よって、吸着量を検出するための専用のセンサを用いることなく吸着可能状態であるか否かを判定できる。
請求項10記載の発明では、前記吸着状態判定手段は、前記吸着材の温度に基づき前記吸着可能状態であるか否かを判定することを特徴とする。
これによれば、吸着材の温度が放出温度に達した時点で、吸着材が上記飽和状態になったとみなして吸着不能状態になったと判定できる。よって、吸着材の温度が放出温度に達したことに起因して吸着不能状態になったことを確実に判定できる。
本発明の第1実施形態において、エンジン制御システム全体の概略構成を示す図。 図1の浄化装置単体を示す図。 第1実施形態において、流量低下制御の処理手順を示すフローチャート。 図3の処理を実施したことによる一態様を示すタイムチャート。 本発明の第2実施形態において、流量低下制御の処理手順を示すフローチャート。 図5の処理を実施したことによる一態様を示すタイムチャート。
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
本実施形態にかかる排ガス浄化装置は、点火式のガソリンエンジン(内燃機関)に適用されたものであり、先ず、図1を用いてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12には、スロットル開度を調整するスロットルバルブ13が設けられ、各気筒に空気を導入する吸気マニホールド14の各気筒の分岐管部には、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁15が取り付けられている。
一方、エンジン11の排気管16のうち排気マニホールド17の下流側部分には、排ガス中の有害成分を低減させる浄化装置30が設置されている。図2(a)は浄化装置30を排ガス流れ方向から見た図であり、図2(b)は(a)の拡大図である。図2に示すように、浄化装置30は、HC,CO,NOxを浄化する三元触媒又はHC,COを浄化する酸化触媒(以下、単に「触媒33」と記載)と、HCを吸着する吸着材32とを有して構成されている。
より詳細に説明すると、浄化装置30は、コージェライト等のセラミックでハニカム状に形成された担体31の内壁面に、ゼオライト等の吸着材32をコーティングし、この吸着材32の表面に三元触媒又は酸化触媒等の触媒33をコーティング等により担持させたものである。触媒33は無数の微細孔を有する多孔状に形成され、排ガス中のHCが触媒33の微細孔を通過して吸着材32に吸着されるようになっている。
浄化装置30の触媒33の担持量は、浄化装置30の上流部よりも下流部の方が多くなるように形成され、浄化装置30の下流部でのHC浄化反応量を多くするようにしている。また、吸着材32を形成しているゼオライトは、その原料であるシリカ/アルミナの比が大きいほど耐熱性が良くなるが、HC吸着率が低下してしまうという特性をもっているため、浄化装置30の吸着材32(ゼオライト)は、高熱に晒される上流部のシリカ/アルミナの比を大きくして耐熱性を確保し、上流部よりも温度が低くなる下流部のシリカ/アルミナの比を小さくしてHC吸着率を高めるようにしている。
吸着材32は、自身の温度が放出温度T1未満となっている低温時には、排ガス中のHCを吸着する。一方、自身の温度が放出温度T1以上になると、吸着しているHCが離脱して放出される。また、触媒33は、自身の温度が活性化温度T2(例えば約250℃)以上になると活性化して、HC,CO,NOxを酸化、還元する機能が発揮されるようになる。そして、活性化温度T2は放出温度T1よりも高い温度である。
そして、排ガス温度が低温となっているエンジン11の冷間始動時には、触媒温度Tcが活性化温度T2未満となっているため触媒33は未活性状態であり、エンジン11から排出されるHCを浄化することができない。そこで、触媒33が未活性でHCを浄化できない期間には、浄化装置30に流入する排ガス中のHCは、触媒33の微細孔を通過して吸着材32に一旦吸着される。その後、浄化装置30の温度が上昇して、吸着材温度Taが放出温度T1まで上昇するとともに触媒温度Tcが活性化温度T2まで上昇すると、吸着材32から離脱したHCが触媒33で酸化されて浄化されることとなる。
なお、触媒33は吸着材32の上層側に担持されているので、触媒33は排ガスに直接晒されることとなる。そのため、触媒温度Tcは吸着材温度Taよりも常に高温となる。よって、活性化温度T2は放出温度T1よりも高温であるものの、吸着材温度Taが放出温度T1に達してHCが放出される時期は、触媒温度Tcが活性化温度T2に達して浄化可能になる時期よりも遅くできる(或いは両時期を殆ど同じにできる)。よって、吸着材32から放出されるHCが触媒33で浄化されることなく浄化装置30から排出されてしまうことを回避できている。
エンジン制御回路(以下「ECU18」と記載)は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された燃料噴射制御プログラム(図示せず)を実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁15の燃料噴射量を制御すると共に、点火制御プログラム(図示せず)を実行することで、点火プラグ19の点火時期を制御する。そして、エンジン11の冷間始動時には、燃料噴射量を増量させる増量補正や、点火時期を遅角させる遅角補正等の制御(触媒暖機制御)を実施することで、排ガス温度の上昇を促進させて触媒33の早期活性化を図ることができる。
図1に示すエンジン11は、冷却水(熱媒体)により冷却される水冷式であり、エンジン11と熱交換した冷却水はラジエータ20により外気と熱交換して冷却される。エンジン11及びラジエータ20間にて冷却水を循環させる循環配管21には、ラジエータ20をバイパスして冷却水を循環させるバイパス配管22が接続されている。そして、冷却水温度が所定以下である冷間始動時には、ラジエータ20をバイパスしてバイパス配管22を冷却水が循環するようサーモスタット23(切替バルブ)が作動する。これによりエンジン11の暖機促進が図られる。一方、冷却水温度が所定以上であれば、冷却水がラジエータ20を循環するようサーモスタット23が作動する。
なお、エンジン出力を駆動源として作動するウォータポンプ24により冷却水は循環する。したがって、エンジン回転速度が速いほどウォータポンプ24の回転速度が速くなり、循環流量も増大し、ラジエータ20により冷却水が外気と熱交換する量(冷却される量)も増大する。また、冷却水は、車室内を空調する空調装置の熱源としても利用されており、車室内へ向けて送風される送風空気は、冷却水と熱交換することで加熱されて温風となり、車室内へ吹き出される。
排気管16のうち排気マニホールド17の下流側部分、かつ浄化装置30の上流側部分には、排ガスと熱交換する熱媒体を循環させることにより排ガスから熱回収する熱交換器40が設置されている。本実施形態では、熱交換器40に循環させる熱媒体として、ウォータポンプ24により循環する冷却水が用いられている。
エンジン11及び熱交換器40間にて冷却水を循環させる熱回収用配管25には、冷却水の流量を調整する流量調整バルブ41(流量調整手段)が設けられている。この流量調整バルブ41は電磁式のバルブであり、ECU18(制御手段)により電磁バルブの開度が制御される。そして、そのバルブ開度を制御することで、冷却水が熱交換器40を循環する循環流量が調整(制御)される。
したがって、流量調整バルブ41のバルブ開度を全閉にして熱交換器40への循環流量をゼロにすれば、ウォータポンプ24から吐出される冷却水の全量が循環配管21を循環する。一方、流量調整バルブ41を開ければ、ウォータポンプ24から吐出される冷却水の一部が熱交換器40へ循環し、冷却水は排ガスと熱交換して熱回収する。このように排ガスから熱回収することで、エンジン11の冷間始動時において、エンジン11の暖機促進が図られるとともに、空調風の早期加熱を図ることができる。
なお、排気管16のうち熱交換器40の上流側部分には、排ガス温度を検出する排ガス温度センサ42が備えられている。排ガス温度センサ42により検出された温度は、熱交換器40へ流入してくる排ガスであって、熱交換される前の排ガスの温度(以下、「排ガス入口温度Tex」と記載)である。ECU18は、検出された排ガス入口温度Texに基づき、流量調整バルブ41の作動を制御して熱交換器40への循環流量を調整することで、廃熱回収量を調整する。
ところで、エンジン11の冷間始動時において、上述した燃料噴射量の増量補正や点火時期の遅角補正等の触媒暖機制御を、エンジン始動時から直ぐに実施すると、吸着材32で吸着されるHCが飽和量に達していない状態で吸着材温度Taが放出温度T1以上となり、吸着材32による吸着能力が十分に発揮されなくなる。そこで本実施形態では、排ガス入口温度Texが活性化温度T2に達するまでは、吸着材温度Taの温度上昇を抑制して吸着材温度Taが放出温度T1に達することを遅らせるよう、熱交換器40を循環する冷却水の流量(循環流量)を最大にして、最大能力で熱回収させるようにしている。
一方、排ガス入口温度Texが活性化温度T2に達した後には、触媒温度Tcの温度上昇を促進させて触媒温度Tcが活性化温度T2に達することを早まらせるよう、熱交換器40への循環流量をゼロ(最小)にして、熱回収量を最小にさせている。これにより、吸着材32での吸着量を十分に増やしつつ触媒暖機の早期完了を図っている。
次に、上述の如く排ガス入口温度Texの上昇に伴い熱交換器40への循環流量を最大からゼロにして循環流量を低下させるべく、ECU18が流量調整バルブ41を流量低下制御する時の手順を、図3を用いて説明する。図3は、ECU18が有するマイクロコンピュータによる上記流量低下制御の処理手順を示すフローチャートであり、当該処理は、イグニッションスイッチがオン操作されたことをトリガとして起動した後、所定周期(例えば先述のCPUが行う演算周期又は所定のクランク角度毎)で繰り返し実行される。
先ず、図3に示すステップS10において、排ガス温度センサ42により検出された排ガス入口温度Texが、活性化温度T2以上の高温状態となっているか、活性化温度T2未満の低温状態となっているかを判定する。詳細には、活性化温度T2よりも僅かに高い温度を閾値TH1として設定しておき、排ガス入口温度Tex>閾値TH1である場合に高温状態であると判定する。
閾値TH1を活性化温度T2よりも僅かに高い温度に設定することで、排ガス入口温度Texが確実に活性化温度T2以上となっている状況下で高温状態であると判定させる。但し、閾値TH1を活性化温度T2よりも遥かに高い温度に設定してしまうと、高温状態であると判定された時に排ガス入口温度Texが活性化温度T2以上となっている確実性を高くできるものの、排ガス出口温度Toutが過剰に高くなった状態で、後述するように循環流量をゼロにして触媒温度Tcの上昇を促進させることとなるので、触媒温度Tcが触媒33の耐熱温度を超えてしまうことが懸念される。そこで本実施形態では、触媒33の耐熱温度よりも十分に低い温度に閾値TH1を設定している。
高温状態(排ガス入口温度Tex>閾値TH1)であると判定された場合(S10:YES)には、続くステップS20において、熱交換器40への循環流量をゼロにするよう流量調整バルブ41の作動を制御する。これにより、熱交換器40での熱回収量が最小となり、浄化装置30へ流入する排気ガスの温度(以下、「排ガス出口温度Tout」と記載)が上昇することとなる。よって、触媒33の早期活性化が図られる。
一方、低温状態(排ガス入口温度Tex≦閾値TH1)であると判定された場合(S10:NO)には、続くステップS30において、吸着材32が吸着可能状態であるか否かを判定する。上記「吸着可能状態」とは次の2つ条件を満たした状態のことである。1つ目は、吸着材32の温度が放出温度T1に達していないことである。2つ目は、吸着材32によるHCの吸着量が最大となって飽和した状態になっていないことである。つまり、飽和状態になっていなくても吸着材32の温度が放出温度T1に達していれば吸着不能であり、吸着材32の温度が放出温度T1に達していなくても飽和状態になっていれば吸着不能である。
吸着材32の温度が放出温度T1に達したか否かについては、排ガス温度センサ42の検出値、及び循環流量(例えば、ECU18から流量調整バルブ41へ出力される指令信号)に基づき吸着材32の温度を推定し、その推定温度に基づき判定すればよい。或いは、吸着材32の温度を検出するセンサを設け、当該センサの検出値に基づき判定してもよい。
吸着材32が飽和状態になっているか否かについては、内燃機関を始動させてからの経過時間が、予め設定した所定時間に達した場合に飽和状態であると判定すればよい。或いは、エンジン11の暖機運転期間における運転者のアクセル操作量の履歴に基づき判定してもよい。例えば操作量の積分値が予め設定した閾値を超えた場合に飽和状態であると判定すればよい。或いは、吸着材32へ供給された熱量の積算値が所定値に達した場合に飽和状態であると判定すればよい。例えば、エンジン負荷と相関のある燃料噴射量指令値、吸気量、アクセル操作量等と、エンジン回転速度と、循環流量(例えば、ECU18から流量調整バルブ41へ出力される指令信号)と、に基づき上記熱量を算出すればよい。或いは、エンジン11の暖機運転期間におけるエンジン回転速度が所定値に達した時点で、飽和状態になったと判定すればよい。
上述したステップS10,S30において低温状態かつ吸着可能状態であると判定された場合には(S10:NO、S30:YES)、続くステップS40において、熱交換器40への循環流量を最大にするよう流量調整バルブ41の作動を制御する。これにより、熱交換器40での熱回収量が最大となり、排ガス出口温度Toutの上昇が抑制されることとなる。よって、吸着可能状態において、吸着材32の温度が放出温度T1に達するまでの時間を長くすることができるので、吸着材32での吸着量を十分に増大できる。
一方、低温状態ではあるものの吸着可能状態ではないと判定された場合には(S10:NO、S30:NO)、先述したステップS20に進み循環流量をゼロに制御する。これにより、HCの吸着よりも優先して排ガス出口温度Toutの上昇を図り、触媒33の早期活性化を図る。
次に、図3の処理を実施したことによる一態様を、図4のタイムチャートを用いて説明する。図4(a)は熱交換器40への冷却水循環流量の変化を示す。また、図4(b)中の破線は排ガス入口温度Tex、実線は排ガス出口温度Tout、一点鎖線は触媒33の温度Tcの変化を示す。
図示されるように、エンジンを始動した時点t1では、低温状態かつ吸着可能状態であるため、ステップS40により循環流量は最大に制御される。その後、エンジン温度が徐々に上昇することに伴い排ガス入口温度Texが徐々に上昇する。但し、循環流量を最大にして熱回収量を最大にしているため、排ガス出口温度Toutの上昇は抑制され、ひいては触媒温度Tcの上昇も抑制されている。なお、吸着材32の温度は触媒温度Tcとほぼ同じであり、吸着材32の温度上昇も抑制されている。
その後、吸着材32が飽和状態になることなく、かつ、吸着材32の温度が放出温度T1に達することなく、排ガス入口温度Texが閾値TH1(TH1>活性化温度T2)にまで上昇すると、排ガス入口温度Texが閾値TH1に達した時点t2で、高温状態になったと判定されてステップS20により循環流量は最小(ゼロ)に制御される。そのため、熱交換器40による熱回収量が最小になるため、排ガス出口温度Toutの上昇は促進され、ひいては触媒温度Tcの上昇も促進されている。
なお、触媒温度Tcが活性化温度T2に達した時点t4で触媒33での酸化反応が開始されるが、その酸化反応熱により触媒温度Tcは排ガス入口温度Texよりも高くなっている。
本実施形態では、排ガス入口温度Texが閾値TH1に達した時点t2で、先述した触媒暖機制御を実施している。但し、エンジン始動時点t1で触媒暖機制御を実施するようにしてもよいし、触媒暖機制御の実施を廃止するようにしてもよい。
以上により、本実施形態によれば、浄化装置30の上流側に熱交換器40を配置し、熱交換器40への冷却水循環流量を調整して熱回収量を調整することで、浄化装置30へ流入する排ガスの温度(排ガス出口温度Tout)を調整することを可能にしている。
そして、排ガス入口温度Texが活性化温度T2未満となっている低温状態時には循環流量を最大にするので、浄化装置30へ流入する排ガス出口温度Toutの上昇が抑制される。そのため、吸着材温度が放出温度T1に達するまでの時間を長く確保でき、ひいては、吸着材32での吸着量を増やして吸着能力を十分に発揮させることができる。
一方、排ガス入口温度Texが活性化温度T2以上となっている高温状態時には循環流量をゼロにするので、浄化装置30へ流入する排ガス出口温度Toutの上昇が促進される。そのため、吸着材32が吸着可能状態でなくなった時点t3から、触媒温度Tcが活性化温度T2に達する時点t4までの時間を短くして、触媒暖機の早期完了を図ることができる。
また、低温状態(排ガス入口温度Tex<活性化温度T2)であっても、吸着可能状態でなければ循環流量をゼロにして触媒温度Tcの上昇を促進させるので、排ガス入口温度Texが高温状態にまで上昇することを待たずして直ぐに触媒温度Tcの上昇を促進させることができ、触媒暖機の早期完了を図ることができる。特に、吸着材温度が放出温度T1を超えていたら低温状態であっても流量低下制御を実施するので、吸着も酸化もできていない無駄な時間(t3からt4までの時間)を短縮できる。
また、低温状態から高温状態に移行した時点t2で触媒暖機制御を実施しているが、上述の如く循環流量をゼロにすることで触媒温度Tcの上昇を促進させるので、触媒暖機制御にかかる制御量(例えば燃料噴射量の増量補正量や点火時期の遅角補正量)を小さくできる。又は、触媒暖機制御を実施する時間を短くできる。よって、触媒暖機制御を実施することによる燃費悪化を抑制できる。
また、低温状態時には循環流量を最大にするので、熱交換器40での熱回収量を十分に増大させることができ、ひいては、空調装置の熱源利用を早期に実施でき、エンジン始動時点t1から暖房により車室内温度を目標温度にするまでに要する時間を短くできる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、排ガス温度センサ42の検出値(排ガス入口温度Tex)に基づき高温状態であるか低温状態であるかを判定しているのに対し、図5に示す本実施形態では、熱交換器40の熱媒体である冷却水の温度Twを検出する水温センサ43(図1参照)を備え、当該水温センサ43(熱媒体温度センサ)の検出値(冷却水温度Tw)に基づき高温状態であるか低温状態であるかを判定している。
より詳細に説明すると、水温センサ43は、熱回収用配管25のうち熱交換器40の冷却水出口部近傍に配置されている。このような配置により、流量調整バルブ41により流量調整された冷却水であって、熱交換器40にて熱交換した直後の冷却水の温度を水温センサ43は検出する。
ここで、排ガス入口温度Texが高温であるほど冷却水温度Twも高温になっているはずである。特に、熱交換器40の循環流量をゼロにしていない状態であれば、その傾向は顕著となる。そこで図5のステップS15では、水温センサ43により検出された冷却水温度Twが、予め設定された閾値TH2よりも高温になっている場合に、高温状態(排ガス入口温度Tex≧活性化温度T2)であると判定する。一方、冷却水温度Twが閾値TH2以下になっている場合には、低温状態(排ガス入口温度Tex<活性化温度T2)であると判定する。
ステップS15の判定で用いる閾値TH2に関し、冷却水温度Twと排ガス入口温度Texとの相関を予め試験により取得しておき、その相関から、排ガス入口温度Texが図3のステップS10で用いる閾値TH1に達した時の冷却水温度Twを算出し、当該温度を閾値TH2として設定している。なお、前記相関は、エンジン回転速度やエンジン負荷等に応じて変化するため、エンジン回転速度やエンジン負荷等に応じて閾値TH2を可変設定するようにしてもよい。なお、ステップS15以降の処理S20,S30,S40については、図3のステップS20,S30,S40と同じであるため、これらの処理の説明は割愛する。
図6は、図5の処理を実施したことによる一態様を示すタイムチャートである。図6(a)は熱交換器40への冷却水循環流量の変化を示す。また、図6(b)中の破線は排ガス入口温度Tex、実線は排ガス出口温度Tout、一点鎖線は触媒33の温度Tcの変化を示す。図6(c)は冷却水温度Twの変化を示す。
図示されるように、エンジンを始動した時点t1では、低温状態かつ吸着可能状態であるため、ステップS40により循環流量は最大に制御される。その後、エンジン温度が徐々に上昇することに伴い排ガス出口温度Tout及び冷却水温度Twが徐々に上昇する。但し、循環流量を最大にして熱回収量を最大にしているため、排ガス出口温度Toutの上昇は抑制され、ひいては触媒温度Tcの上昇も抑制されている。なお、吸着材32の温度は触媒温度Tcとほぼ同じであり、吸着材32の温度上昇も抑制されている。
その後、吸着材32が飽和状態になることなく、かつ、吸着材32の温度が放出温度T1に達することなく、冷却水温度Twが閾値TH2に達した時点t20で、高温状態になったと判定されてステップS20により循環流量は最小(ゼロ)に制御される。そのため、熱交換器40による熱回収量が最小になるため、排ガス出口温度Toutの上昇は促進され、ひいては触媒温度Tcの上昇も促進されている。
以上により、本実施形態によっても上記第1実施形態と同様の効果が発揮される。すなわち、低温状態時には循環流量を最大にして排ガス出口温度Toutの上昇が抑制される。そのため、吸着材温度が放出温度T1に達するまでの時間を長く確保でき、ひいては、吸着材32での吸着量を増やして吸着能力を十分に発揮させることができる。また、高温状態時には循環流量をゼロにして排ガス出口温度Toutの上昇を促進させるので、吸着材32が吸着可能状態でなくなった時点t3から、触媒温度Tcが活性化温度T2に達する時点t4までの時間を短くして、触媒暖機の早期完了を図ることができる。
また、低温状態であっても、吸着可能状態でなければ循環流量をゼロにして触媒温度Tcの上昇を促進させるので、排ガス入口温度Texが高温状態にまで上昇することを待たずして直ぐに触媒温度Tcの上昇を促進させることができ、触媒暖機の早期完了を図ることができる。特に、吸着材温度が放出温度T1を超えていたら低温状態であっても流量低下制御を実施するので、吸着も酸化もできていない無駄な時間(t3からt4までの時間)を短縮できる。
また、低温状態時には循環流量をゼロにすることで触媒温度Tcの上昇を促進させるので、触媒暖機制御にかかる制御量(例えば燃料噴射量の増量補正量や点火時期の遅角補正量)を小さくできる。又は、触媒暖機制御を実施する時間を短くできる。よって、触媒暖機制御を実施することによる燃費悪化を抑制できる。
また、低温状態時には循環流量を最大にするので、熱交換器40での熱回収量を十分に増大させることができ、ひいては、空調装置の熱源利用を早期に実施でき、エンジン始動時点t1から暖房により車室内温度を目標温度にするまでに要する時間を短くできる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、熱交換器40への循環流量を最大からゼロにステップ状に切り替えているが、排ガス入口温度Texや冷却水温度Twに応じて、前記循環流量を可変させてもよい。これによれば、低温状態から高温状態になったと判定された時点t2,t20での触媒温度Tcを、放出温度T1未満にしつつも、図4及び図6に示される温度よりも高くしておくことができる。これにより、高温状態判定時点t2,t20から触媒暖機完了までに要する時間を短くすることができ、触媒暖機の早期完了化を促進できる。
・上記各実施形態では、吸着材32と触媒33とを一体に構成した浄化装置30を採用しているが、本発明の実施にあたり、吸着材32と触媒33とを別体に構成してもよい。この場合、吸着材を触媒の上流側に配置させることで、吸着材の雰囲気温度を触媒の雰囲気温度よりも高くさせておくことが望ましい。これによれば、吸着材温度が放出温度T1に達した時点から触媒が活性化温度T2に達するまでの時間(吸着も酸化もできていない時間)を短くできる。
・上記各実施形態では、流量調整手段として流量調整バルブ41を設けているが、ウォータポンプ24が電動モータにより駆動されるエンジンにおいては、ウォータポンプ24の回転速度を可変制御することで循環流量を調整できるようになるため、この場合には流量調整バルブ41を廃止して、ウォータポンプ24の作動を制御することで熱交換器40への循環流量を調整するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、排ガス状態判定手段S10,S15及び吸着状態判定手段S30の両手段を備えているが、排ガス状態判定手段S10,S15を廃止して吸着状態判定手段S30のみとしてもよい。
これによれば、エンジン始動直後における吸着可能状態時には、循環流量を最大にして排ガス出口温度Toutの上昇が抑制される。そのため、吸着材温度が放出温度T1に達するまでの時間を長く確保でき、ひいては、吸着材32での吸着量を増やして吸着能力を十分に発揮させることができる。一方、エンジン11を始動させてから、吸着量が吸着材32の許容量を超えて飽和したり吸着材温度が放出温度以上になったりして吸着不能状態になると、循環流量をゼロにして排ガス出口温度Toutの上昇を促進させるので、吸着材32が吸着可能状態でなくなってから、触媒温度Tcが活性化温度T2に達するまでの時間を短くして、触媒暖機の早期完了を図ることができる。
・上記各実施形態では、浄化対象となる排ガス中の特定成分がHCであり、このHCを吸着/酸化させる吸着材/触媒に本発明を適用させているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、例えばリーンバーンのガソリンエンジンやディーゼルエンジンの場合において、排ガス中のNOxを特定成分として吸着させる吸着材、及びそのNOxを還元させる触媒に本発明を適用させてもよい。
18…ECU(制御手段)、32…吸着材、33…触媒、40…熱交換器、41…流量調整バルブ(流量調整手段)、42…排ガス温度センサ、43…水温センサ(熱媒体温度センサ)、S10,S15…排ガス状態判定手段、S30…吸着状態判定手段、T1…放出温度、T2…活性化温度、Tex…排ガス入口温度(熱交換器の上流側での排ガス温度)。

Claims (10)

  1. 自身の温度が放出温度未満では内燃機関の排ガス中の特定成分を吸着し、自身の温度が前記放出温度以上になると吸着した前記特定成分を放出する吸着材と、
    自身の温度が前記放出温度より高い活性化温度以上になると、前記吸着材から放出された前記特定成分を酸化又は還元する触媒と、
    前記吸着材の上流側に配置され、排ガスと熱交換する熱媒体を循環させることにより排ガスから熱回収する熱交換器と、
    前記熱媒体の循環流量を調整する流量調整手段と、
    前記流量調整手段の作動を制御する制御手段と、
    前記熱交換器の上流側での排ガス温度が前記活性化温度以上となっている高温状態、及び前記活性化温度未満となっている低温状態のいずれであるかを判定する排ガス状態判定手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記排ガス状態判定手段により前記高温状態であると判定されている時には、前記低温状態と判定されている時に比べて前記循環流量を低下させる流量低下制御を実施することを特徴とする排ガス浄化装置。
  2. 前記吸着材での吸着が可能である吸着可能状態となっているか否かを判定する吸着状態判定手段を備え、
    前記制御手段は、前記吸着状態判定手段により吸着可能状態でないと判定されている場合には、前記排ガス状態判定手段による判定結果に拘わらず前記流量低下制御を実施することを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化装置。
  3. 前記上流側での排ガス温度を検出する排ガス温度センサを備え、
    前記排ガス状態判定手段は、前記排ガス温度センサの検出値に基づき、前記高温状態及び前記低温状態のいずれであるかを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス浄化装置。
  4. 前記熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサを備え、
    前記排ガス状態判定手段は、前記熱媒体温度センサの検出値に基づき、前記高温状態及び前記低温状態のいずれであるかを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の排ガス浄化装置。
  5. 自身の温度が放出温度未満では内燃機関の排ガス中の特定成分を吸着し、自身の温度が前記放出温度以上になると吸着した前記特定成分を放出する吸着材と、
    自身の温度が前記放出温度より高い活性化温度以上になると、前記吸着材から放出された前記特定成分を酸化又は還元する触媒と、
    前記吸着材の上流側に配置され、排ガスと熱交換する熱媒体を循環させることにより排ガスから熱回収する熱交換器と、
    前記熱媒体の循環流量を調整する流量調整手段と、
    前記流量調整手段の作動を制御する制御手段と、
    前記吸着材での吸着が可能である吸着可能状態となっているかを判定する吸着状態判定手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記吸着状態判定手段により前記吸着可能状態でないと判定されている時には、前記吸着可能状態と判定されている時に比べて前記循環流量を低下させる流量低下制御を実施することを特徴とする排ガス浄化装置。
  6. 前記吸着状態判定手段は、前記内燃機関を始動させてからの経過時間に基づき、前記吸着可能状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項2又は5に記載の排ガス浄化装置。
  7. 前記吸着状態判定手段は、前記内燃機関の暖機運転期間における運転者のアクセル操作量に基づき、前記吸着可能状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項2,5及び6のいずれか1つに記載の排ガス浄化装置。
  8. 前記吸着状態判定手段は、前記内燃機関を始動させてからの、前記吸着材へ供給された熱量の積算値に基づき前記吸着可能状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項2,5〜7のいずれか1つに記載の排ガス浄化装置。
  9. 前記判定手段は、前記内燃機関の暖機運転期間における機関回転速度に基づき、前記吸着可能状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項2,5〜8のいずれか1つに記載の排ガス浄化装置。
  10. 前記吸着状態判定手段は、前記吸着材の温度に基づき前記吸着可能状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項2,5〜9のいずれか1つに記載の排ガス浄化装置。
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