JP5218536B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、現状の環境に即した制御パラメータを、学習した制御パラメータから補間して算出し、算出した制御パラメータに基づき制御対象を制御する制御装置に関する。
この種の制御パラメータの一例として、内燃機関の燃料噴射弁に噴射指令を出力してから、実際に噴射が為されるまでの噴射開始遅れ時間tdが挙げられる(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、燃料噴射開始に伴い燃料圧力が降下を開始した時期を、燃料噴射弁に搭載された燃圧センサにより検出することで、前記遅れ時間tdを計測している。そして、その計測値に基づき遅れ時間tdを学習していき、学習した遅れ時間tdに基づき噴射指令を出力するタイミング等を制御する。
上記遅れ時間tdは、燃料噴射弁に供給されている燃料圧力(噴射開始時点での燃圧)に応じて異なる値となる。そこで本発明者は、遅れ時間td(制御パラメータ)を燃料圧力(変数)と関連付けて以下のように学習することを検討した。
すなわち、燃料圧力の特定値(図12(a)の例では30MPa、50MPa、80MPa)に対する遅れ時間td(30)、td(50)、td(80)を学習値として記憶更新していく。例えば、計測した遅れ時間が図12(a)中の符号A0に示す点であった場合には、その点に最も近い学習値td(50)を線形補間して更新する。具体的には、学習値td(30)と計測値A0とを結ぶ直線Lが燃圧50MPaと交わる点を、学習値td(50)として更新する。
しかしながら、燃圧と遅れ時間tdとの関係を表す特性が直線ではなく曲線(図12(b)中の曲線R参照)であり、その曲線R上の点A1,A2,A3が繰り返し計測された場合には、先述した線形補間を実施すると学習値td(50)はB1,B2,B3に逐次更新される。つまり、学習値td(50)は増加と減少を繰り返してハンチングしてしまう。
特開2009−57924号公報
上記ハンチングの対策として、本発明者は以下の発明を先に出願している(特願2009−147013参照)。この先願発明では、遅れ時間td及び燃圧をベクトル値として記憶させるとともに、遅れ時間tdの計測値及び燃圧の計測値を要素とした計測ベクトルを算出する。そして、記憶している学習ベクトルを計測ベクトルに基づき補正して更新させていく。これによれば、記憶更新される学習ベクトルの値がハンチングすることを抑制できる。
ここで、制御パラメータ(遅れ時間td)に関連付ける変数を複数種類(例えば燃圧と噴射量)とした場合には、学習マップは立体的(例えば3次元マップ)となるが、この3次元マップにおいては、現状の変数に即した制御パラメータ(制御に用いる制御パラメータ)を学習ベクトルから補間して算出するにあたり、次の問題が生じることが明らかとなった。
すなわち、学習の初期段階においては、記憶されている学習値が初期値である等の理由により真値から大きくずれている可能性が高い。すると、隣り合う学習値が最新学習値及び初期値である場合には両学習値は大きく離れた値になる。そしてこの傾向は、先願発明の如くベクトルで記憶させるマップ(ベクトルマップ)の場合に顕著に現れる。
例えば、図12のマップ(通常マップ)の場合には、学習値td(50)を更新する際に、隣の領域の学習値td(30)及び計測値A0に基づき更新後の学習値td(50)を算出するので、隣の領域の学習値の影響を受けながら学習値が決定されていく。これに対しベクトルマップでは、隣の領域の学習値とは無関係に学習値(学習ベクトル)が決定されていくので、隣り合う学習ベクトルが大きく離れた値になりやすい。
すると、3次元のベクトルマップにおいて、マップ補間に用いる複数(4つ以上)の学習ベクトルを含む面と現状変数(燃圧及び噴射量)との交点を、制御に用いる制御パラメータ(遅れ時間td)として補間算出するにあたり、隣り合う学習ベクトルが大きく離れた値になっていることに起因して、前述した補間に用いる面が大きくねじれた歪曲面になる。そのため、スプライン等による煩雑な補間処理を要することとなり、補間処理負荷が膨大となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、学習値がハンチングすることの抑制と、補間処理負荷の軽減との両立を図った制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
第1の発明では、複数種類の変数と関連付けて制御パラメータを学習する学習手段と、現状の環境に即した変数である現状変数に対応した制御パラメータを、前記学習手段により学習された制御パラメータから補間して算出する補間手段と、前記補間手段により算出した制御パラメータに基づき制御対象を制御する制御手段と、を備えることを前提とする。
そして、前記学習手段は、前記複数種類の変数及び前記制御パラメータを要素とした学習ベクトルを、前記複数種類の変数の計測値及び前記制御パラメータの計測値を要素とした計測ベクトルに基づき補正することで前記学習を実施しており、前記補間手段は、前記学習手段により学習された複数の学習ベクトルの中から3つの学習ベクトルを選択する選択手段を有するとともに、前記現状変数に対応した制御パラメータを、選択した前記3つの学習ベクトルを含む平面で補間して算出することを特徴とする。
ここで、学習の初期段階においては、記憶されている学習ベクトルが初期値である等の理由により真値から大きくずれている可能性が高い。すると、上記発明に反して4つ以上の学習ベクトルを含む面で補間する場合には、その補間に用いる面は、真値から大きくずれた学習ベクトルを含む面となるため、大きくねじれた歪曲面になる。しかし、学習が十分に進行すれば、真値から大きくずれた学習ベクトルの数が減っていくので、補間に用いる面のねじれは小さくなって平面に近づいていく。すると、3つの学習ベクトルを含む平面で補間した場合に比べて補間の精度は大差がなくなる。要するに、学習が十分に進行すれば、3つの学習ベクトルを含む平面で補間することで十分な補間精度が得られるようになり、4つ以上の学習ベクトルを含む歪曲面を用いて煩雑な補間処理を行う必要性は無くなる。
この点を鑑み、上記発明では、現状変数に対応した制御パラメータを、3つの学習ベクトルを含む平面で補間して算出するので、補間処理負荷の軽減を図ることができる。また、先願発明(特願2009−147013参照)と同様にして、制御パラメータ及び変数を要素としたベクトル(学習ベクトル及び計測ベクトル)で学習していくので、学習値がハンチングすることの抑制を図ることもできる。
第2の発明では、前記選択手段は、前記3つの学習ベクトルを結ぶ三角形の内側に前記現状変数が位置することとなるように選択することを特徴とする。
例えば、3つの学習ベクトルのうちの1つが学習初期値である等の理由により真値から大きくずれた値(不適正値)になっている場合において、上記発明に反して前記三角形の外側に現状変数が位置していると、補間して算出される制御パラメータは、不適正値の影響を大きく受けて最適値から離れた値になりやすい。これに対し、前記三角形の内側に現状変数を位置させる上記発明によれば、補間して算出される制御パラメータが受ける不適正値の影響は小さくなるので、最適値から離れた値になることを抑制できる。
第3の発明では、前記選択手段は、前記現状変数に近い変数の学習ベクトルを優先して選択することを特徴とする。例えば、制御パラメータと変数との関係を表す特性が直線ではなく曲線である場合には、現状変数から離れた変数の学習ベクトルを用いて平面補間すると、補間精度が悪くなる。これに対し上記発明では、平面補間に用いる学習ベクトルを選択するにあたり、現状変数に近い変数の学習ベクトルを優先して選択するので、上述の如く補間精度が悪くなることを抑制できる。
第4の発明では、前記学習手段は、前記変数を複数の領域に格子状に分割したマップ上に制御パラメータを記憶させており、前記複数の領域のうち、前記現状変数が所属する領域を所属領域、前記所属領域の格子の一辺と線接触する領域を隣接領域、前記所属領域の格子の角部と点接触する領域を斜め領域とした場合において、前記選択手段は、前記所属領域の学習ベクトル、前記隣接領域の学習ベクトル、及び前記斜め領域の学習ベクトルを、前記3つの学習ベクトルとして選択することを特徴とする。
このように、所属領域、隣接領域及び斜め領域の学習ベクトルを平面補間で用いるようルール化しておけば、先述した発明の如く三角形の内側に現状変数を位置させることや、現状変数に近い変数の学習ベクトルを選択することを、簡素な処理で容易に実現できる。
第5の発明では、前記制御対象は、内燃機関の燃焼に供する燃料を噴射する燃料噴射弁であり、前記燃料噴射弁には、燃料圧力を検出する燃圧センサが搭載されており、前記燃圧センサの検出値に基づき、噴射に伴い生じた燃料圧力の変化を燃圧波形として検出する燃圧波形検出手段と、検出した前記燃圧波形に基づき、その燃圧波形に対応する噴射率波形を特定するのに要する噴射率パラメータを算出する噴射率パラメータ算出手段と、を備え、前記制御パラメータの計測値は、前記噴射率パラメータ算出手段により算出された前記噴射率パラメータであることを特徴とする。
上記噴射率パラメータの具体例としては、以下に説明する噴射開始遅れ時間td等が挙げられる。すなわち、噴射開始に伴い燃圧センサの検出圧力が低下を開始するため、その低下開始時期を検出すれば実噴射開始時期を検出できる。よって、燃料噴射弁に噴射開始指令信号を出力してから実際に噴射開始するまでの遅れ時間tdを検出できる。但し、その時の噴射開始時点における燃料圧力や噴射量に応じて遅れ時間tdは変化するので、燃料圧力(変数)及び噴射量(変数)と関連付けて遅れ時間td(制御パラメータ)を学習しておき、その学習した遅れ時間tdに基づき、噴射指令信号の出力タイミングを制御する。
本発明の一実施形態にかかる制御装置が適用される、燃料噴射システムの概略を示す図である。 噴射指令信号に対応する噴射率、燃圧、微分値の変化を示す図である。 噴射率パラメータの学習及び噴射指令信号の設定等の概要を示すブロック図である。 学習ベクトルを補正して更新する一態様を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる三次元マップを説明する図である。 本発明の一実施形態において、学習ベクトルを学習する手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態において、学習ベクトルから噴射率パラメータ(制御パラメータ)を補間する処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態において、補間処理に用いる所属領域を決定する手法を説明する図である。 本発明の一実施形態において、補間処理に用いる斜め領域を決定する手法を説明する図である。 本発明の一実施形態において、補間処理に用いる隣接領域を決定する手法を説明する図である。 本発明の一実施形態において、マップの領域を異なる幅で分割した状態を表す図である。 従来の学習手法を説明する図である。
以下、本発明に係る制御装置を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。以下に説明する制御装置は、車両用のエンジン(内燃機関)に搭載されたものであり、当該エンジンには、複数の気筒#1〜#4について高圧燃料を噴射して圧縮自着火燃焼させるディーゼルエンジンを想定している。
図1は、上記エンジンの各気筒に搭載された燃料噴射弁10、各々の燃料噴射弁10に搭載された燃圧センサ20、及び車両に搭載された電子制御装置であるECU30等を示す模式図である。
先ず、燃料噴射弁10を含むエンジンの燃料噴射システムについて説明する。燃料タンク40内の燃料は、燃料ポンプ41によりコモンレール42(蓄圧容器)に圧送されて蓄圧され、各気筒の燃料噴射弁10(#1〜#4)へ分配供給される。複数の燃料噴射弁10(#1〜#4)は、予め設定された順番で燃料の噴射を順次行う。なお、燃料ポンプ41にはプランジャポンプが用いられているため、プランジャの往復動に同期して燃料は圧送される。
燃料噴射弁10は、以下に説明するボデー11、ニードル形状の弁体12及びアクチュエータ13等を備えて構成されている。ボデー11は、内部に高圧通路11aを形成するとともに、燃料を噴射する噴孔11bを形成する。弁体12は、ボデー11内に収容されて噴孔11bを開閉する。
ボデー11内には弁体12に背圧を付与する背圧室11cが形成されており、高圧通路11a及び低圧通路11dは背圧室11cと接続されている。高圧通路11a及び低圧通路11dと背圧室11cとの連通状態は制御弁14により切り替えられており、電磁コイルやピエゾ素子等のアクチュエータ13へ通電して制御弁14を図1の下方へ押し下げ作動させると、背圧室11cは低圧通路11dと連通して背圧室11c内の燃料圧力は低下する。その結果、弁体12へ付与される背圧力が低下して弁体12はリフトアップ(開弁作動)する。一方、アクチュエータ13への通電をオフして制御弁14を図1の上方へ作動させると、背圧室11cは高圧通路11aと連通して背圧室11c内の燃料圧力は上昇する。その結果、弁体12へ付与される背圧力が上昇して弁体12はリフトダウン(閉弁作動)する。
したがって、ECU30がアクチュエータ13への通電を制御することで、弁体12の開閉作動が制御される。これにより、コモンレール42から高圧通路11aへ供給された高圧燃料は、弁体12の開閉作動に応じて噴孔11bから噴射される。
燃圧センサ20は、以下に説明するステム21(起歪体)、圧力センサ素子22及びモールドIC23等を備えて構成されている。ステム21はボデー11に取り付けられており、ステム21に形成されたダイヤフラム部21aが高圧通路11aを流通する高圧燃料の圧力を受けて弾性変形する。圧力センサ素子22はダイヤフラム部21aに取り付けられており、ダイヤフラム部21aで生じた弾性変形量に応じて圧力検出信号を出力する。
モールドIC23は、圧力センサ素子22から出力された圧力検出信号を増幅する増幅回路や、圧力検出信号を送信する送信回路等の電子部品を樹脂モールドして形成されており、ステム21とともに燃料噴射弁10に搭載されている。ボデー11上部にはコネクタ15が設けられており、コネクタ15に接続されたハーネス16(信号線)により、モールドIC23及びアクチュエータ13とECU30とはそれぞれ電気接続される。そして、増幅された圧力検出信号はECU30に送信されて、ECU30が有する受信回路により受信される。この送受信にかかる通信処理は、各気筒の燃圧センサ20毎に実施される。
ECU30は、アクセルペダルの操作量やエンジン負荷、エンジン回転速度NE等に基づき目標噴射状態(例えば噴射段数、噴射開始時期、噴射終了時期、噴射量等)を算出する。例えば、エンジン負荷及びエンジン回転速度に対応する最適噴射状態を噴射状態マップにして記憶させておく。そして、現状のエンジン負荷及びエンジン回転速度に基づき、噴射状態マップを参照して目標噴射状態を算出する。そして、算出した目標噴射状態に対応する噴射指令信号t1、t2、Tq(図2(a)参照)を、後に詳述する噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxに基づき設定し、燃料噴射弁10へ出力することで燃料噴射弁10の作動を制御する。
ここで、噴孔11bの磨耗や目詰まり等、燃料噴射弁10の経年劣化に起因して、噴射指令信号に対する実際の噴射状態は変化していく。そこで、燃圧センサ20の検出値に基づき、噴射に伴い生じた燃料圧力の変化を燃圧波形(図2(c)参照)として検出し、検出した燃圧波形に基づき燃料の噴射率変化を表した噴射率波形(図2(b)参照)を演算して噴射状態を検出する。そして、検出した噴射率波形(噴射状態)を特定する噴射率パラメータRα,Rβ,Rmaxを学習するとともに、噴射指令信号(パルスオン時期t1、パルスオフ時期t2及びパルスオン期間Tq)と噴射状態との相関関係を特定する噴射率パラメータtd,teを学習する。具体的には、図2(b)に例示する噴射開始遅れ時間td、噴射終了遅れ時間te、噴射率上昇傾きRα、噴射率下降傾きRβ、最大噴射率Rmax等を学習する。
図3は、これら噴射率パラメータの学習及び噴射指令信号の設定等の概要を示すブロック図であり、ECU30により機能する各手段31,32,33について以下に説明する。噴射率パラメータ算出手段31(噴射状態解析手段)は、燃圧センサ20により検出された燃圧波形に基づき噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxを算出する。
学習手段32は、算出した噴射率パラメータをECU30のメモリに記憶更新して学習する。なお、噴射率パラメータは、その時の供給燃圧(コモンレール42内の圧力)に応じて異なる値となるため、供給燃圧又は後述する基準圧Pbaseと関連付けて学習させることが望ましい。また、最大噴射率Rmaxを除く他の噴射率パラメータについては、噴射量とも関連付けて学習させることが望ましい。図3の例では、燃圧に対応する噴射率パラメータの値を噴射率パラメータマップMに記憶させている。
設定手段33(制御手段)は、現状の燃圧に対応する噴射率パラメータ(学習値)を、噴射率パラメータマップMから取得する。そして、取得した噴射率パラメータに基づき、目標噴射状態に対応する噴射指令信号t1、t2、Tqを設定する。そして、このように設定した噴射指令信号にしたがって燃料噴射弁10を作動させた時の燃圧波形を燃圧センサ20で検出し、検出した燃圧波形に基づき噴射率パラメータ算出手段31は噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmaxを算出する。
要するに、噴射指令信号に対する実際の噴射状態(つまり噴射率パラメータtd,te,Rα,Rβ,Rmax)を検出して学習し、その学習値に基づき、目標噴射状態に対応する噴射指令信号を設定する。そのため、実際の噴射状態に基づき噴射指令信号がフィードバック制御されることとなり、先述した経年劣化が進行しても、実噴射状態が目標噴射状態に一致するよう燃料噴射状態を高精度で制御できる。
次に、図3の学習手段32による噴射率パラメータの学習手法について、噴射開始遅れ時間tdを例として取り上げて以下に説明する。
図4は、遅れ時間tdが燃圧p及び噴射量Qと関連付けて記憶されたマップMを示しており、縦軸を遅れ時間td、横軸を燃圧p、紙面垂直方向に延びる軸を噴射量Qとした3次元マップである。なお、図5(a)に示す例では、縦軸を噴射量Q、横軸を燃圧p、紙面垂直方向に延びる軸を遅れ時間tdとし、図5(b)はマップMの斜視図である。そして、図5(a)に示すように、噴射量Qと燃圧pを複数の領域i,jに格子状に分割して区分けしており、各々の領域毎に1つの遅れ時間tdを割り当てて記憶更新させている。但し、遅れ時間tdを燃圧p及び噴射量Qと関連付けて記憶させるべく、遅れ時間td、燃圧p及び噴射量Qを要素とした学習ベクトルを定義し、この学習ベクトルを領域i,j毎に記憶更新させている。
具体的には、噴射量Qを一定の値Cとした二次元マップによる例で説明すると、図4に示すように、領域i−1の学習ベクトルはTDi−1(pi−1,C,tdi−1)で定義され、領域iの学習ベクトルはTDi(pi,C,tdi)で定義され、領域i+1の学習ベクトルはTDi+1(pi+1,C,tdi+1)で定義される。したがって、学習ベクトルは特定の燃圧pに対する遅れ時間tdを示すものではなく、領域内の任意の燃圧pに対する遅れ時間tdを示す。そのため、特定の燃圧pとなるよう高圧ポンプ41を駆動させ、その時の燃圧を燃圧センサ20で検出する、といった学習用の駆動を必要とせず、成り行きで噴射した時の燃圧検出値に基づき学習することができる。
そして、パラメータ算出手段31において、取得した検出圧力及び噴射量に基づき計測値としての遅れ時間td、燃圧p及び噴射量Cを算出した場合に、これらの計測値p,C,tdを要素とした計測ベクトルTD(p,C,td)を定義する。この計測ベクトルTD(p,C,td)の燃圧pが領域iに該当する場合、領域iの学習ベクトルTDi(pi,C,tdi)を、計測ベクトルTD(p,C,td)に基づき補正して記憶更新(学習)させる。
次に、上記学習の手順について図6のフローチャートを用いて説明する。なお、図6は、ECU30が備えるマイコンにより、噴射が為される毎に繰り返し実行される処理である。
先ず、ステップS10(計測ベクトル取得手段)において、燃圧センサ20から検出圧力を取得して、燃圧の変化を表した燃圧波形を取得する。続くステップS11(計測ベクトル取得手段)では、噴射率パラメータ(td,te等)、及び噴射開始時の燃圧p(図2(c)中の符号P1参照)、噴射量Qを、噴射率パラメータ算出手段31により算出する。以下、噴射率パラメータとして遅れ時間tdを例に挙げて説明する。続くステップS12では、遅れ時間tdの学習回数が所定回数未満であるか否かを判定する。
学習回数が所定回数以上であると判定されれば(S12:NO)、これ以上の学習が不要であるとみなして、図6の処理を終了する。これにより、ECU30の学習処理負荷を軽減する。遅れ時間tdの学習回数が所定回数未満であると判定されれば(S12:YES)、以降のステップS13〜S16において、遅れ時間tdの学習処理を実行する。
先ずステップS13では、ステップS11で算出した遅れ時間td、燃圧p及び噴射量Qを要素としたベクトルを、計測ベクトルTD(p,Q,td)として定義する。要するに、燃圧センサ20により計測された燃圧に基づき計測ベクトルTD(p,Q,td)を取得していると言える。
続くステップS14では、ステップS11で算出した燃圧p及び噴射量Qに基づき、更新する学習ベクトルを探索する。つまり、前記燃圧pが、複数に分割された領域i−1,i,i+1のいずれに該当するかを探索するとともに、前記噴射量Qが、複数に分割された領域j−1,j,j+1のいずれに該当するかを探索する。そして、該当する領域に割り当てられた学習ベクトルを、更新対象の学習ベクトルとする。図4の例では、図中の△印に示す計測ベクトルTD(td,C,p)を取得した場合であり、計測ベクトルTD(td,C,p)の要素である燃圧pが領域iに該当するため、図中の○印に示す、領域iの学習ベクトルTDi(pi,tdi)を更新対象としている。
続くステップS15(補正ベクトル算出手段(補正手段))では、更新対象の学習ベクトルTDij(pi,Qj,tdQij)及び計測ベクトルTD(p,Q,td)に基づき、補正ベクトルTDijamを算出する。具体的には、計測ベクトルTD(p,Q,td)から更新対象学習ベクトルTDij(pi,Qj,tdQij)を減算し、その減算結果に所定割合G(0<G<1)を乗算して得られたベクトルを補正ベクトルTDijamとして算出する。つまり、TDijam={TD(td,Q,p)−TDij(pi,Qj,tdij)}×Gとの式により算出する。
本実施形態にかかる所定割合Gは、いずれの領域においても同じ値に設定されているが、領域毎に異なる値に設定してもよい。例えば、学習回数が少ない場合であるほど所定割合Gを大きい値に設定することで、学習ベクトルを早期に真値に近づけると共に、ある程度真値に近づいた学習ベクトルに対してハンチング抑制を図る。また、本実施形態にかかる所定割合Gは、予め設定された値に固定されているが、可変設定してもよい。例えば学習回数に応じて所定割合Gの値を可変設定してもよい。
続くステップS16(補正手段)では、ステップS15で算出した補正ベクトルTDijamを更新対象学習ベクトルTDi(pi,Qj,tdQij)に加算することで、領域ijの学習ベクトルTDij(pi,Qj,tdQij)を補正して記憶更新する。つまり、更新後の学習ベクトルTDijnew(pinew,Qjnew,tdQijnew)を、TDijnew(pinew,Qjnew,tdQijnew)=TDij(pi,Qj,tdQij)+TDijamとの式により算出する。
続くステップS17では、ステップS12の判定に用いる学習回数のカウンタをカウントアップする。なお、上記ステップS12では、全ての領域を含めたtdの学習回数について判定しているが、領域毎に学習回数をカウントし、領域毎に学習回数が所定回数以下であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合ステップS17では、ステップS16で更新した学習ベクトルに該当する領域についての学習回数カウンタをカウントアップすることとなる。
ところで、図3の設定手段33により噴射指令信号を設定するにあたり、現状の燃圧p及び噴射量Q(変数)に対応した噴射率パラメータを、上述の如く学習した学習ベクトルを補間して算出し、算出した噴射率パラメータ(補間ベクトルTD(h))に基づき噴射指令信号を設定することを要する。ここで、図5中の符号TD(h)は、現状変数に対応する噴射率パラメータ、現状の燃圧p及び現状の噴射量Qを要素とした補間ベクトルを示す。
以下、学習ベクトルを補間して補間ベクトルTD(h)を算出する手順について、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、図7は、ECU30が備えるマイコンにより、噴射指令信号を設定する毎に繰り返し実行される処理である。
先ず、ステップS20において、現状の燃圧p及び噴射量Qを現状変数として取得する。例えば、噴射率パラメータ算出手段31により算出した基準圧Pbase及び噴射量Qを現状変数として用いればよい。図5(a)の例では、圧力pがi+1の領域、噴射量Qがjの領域に現状変数が位置している。以下の説明では、圧力p及び噴射量Qの複数の領域のうち、現状変数が位置(所属)する領域を所属領域A(図8参照)と呼ぶ。また、所属領域Aの周囲に位置する8つの領域のうち、所属領域の格子の角部と点接触する4つの領域を斜め領域B1〜B4と呼び、所属領域Aの格子の一辺と線接触する4つの領域を隣接領域C1〜C4と呼ぶ。なお、図8は紙面垂直方向を遅れ時間tdとしたマップMであり、図5(a)に示すマップMのうち上述した各領域A,B1〜B4,C1〜C4を抜粋して表したものである。
次のステップS21(選択手段)では、ステップS20で取得した現状変数p,Qに基づき所属領域Aを決定する。続くステップS22(選択手段)では、後述する平面Flatの算出に用いる1つの斜め領域を、4つの斜め領域B1〜B4の中から決定する。具体的には、所属領域Aの学習ベクトルTD(A)及び隣接領域C1〜C4の学習ベクトルTD(C1)〜TD(C4)に基づき、図9に示すルールに従って以下のように決定する。
すなわち、先ず所属領域Aの学習ベクトルTD(A)を中心に、所属領域Aを4つの領域A1〜A4に分割する(図9(a)参照)。次に、現状変数p,Qの位置(つまり、求めたい補間ベクトルTD(h)の位置)が、4つの領域A1〜A4のいずれに所属しているかを判定する。図9の例では領域A2に所属していると判定する。
次に、4つの隣接領域C1〜C4の中から、判定した所属領域A2に隣接する2つの隣接領域を選択する(図9(b)参照)。図9の例では領域C1,C2を選択する。次に、選択した隣接領域C1,C2の学習ベクトルTD(C1),TD(C2)と所属領域Aの学習ベクトルTD(A)とを結ぶラインを定義する。図9の例ではラインLbot,Llefを定義する。
次に、定義したラインLbot,Llefに対する補間ベクトルTD(h)の位置関係を、図9(c)(d)のルールに従って判定する。本ルールでは、学習ベクトルTD(A)を中心に、定義したラインに対して反時計回りの側を「大」、時計回りの側を「小」として判定している(図9(d)参照)。図9の例では、定義したラインLbotに対して補間ベクトルTD(h)は「小」であり、かつ、定義したラインLlefに対して補間ベクトルTD(h)は「大」であると判定される。そして、この判定結果に基づき、図9(c)のルールに従って平面Flatの算出に用いる斜め領域を決定する。図9の例では斜め領域B2が決定される。
図7の説明に戻り、次のステップS23(選択手段)では、後述する平面Flatの算出に用いる1つの隣接領域を、決定した斜め領域B2に隣接する2つの隣接領域C1,C2の中から決定する。具体的には、所属領域Aの学習ベクトルTD(A)、及び決定した斜め領域B2の学習ベクトルTD(B2)に基づき、図10に示すルールに従って以下のように決定する。
すなわち、先ず決定した斜め領域B2の学習ベクトルTD(B2)と所属領域Aの学習ベクトルTD(A)とを結ぶラインを定義する(図10(a)参照)。図10の例ではラインL2を定義する。次に、定義したラインL2に対する補間ベクトルTD(h)の位置関係を、図9(d)及び図10(b)のルールに従って判定する。図10の例では、定義したライン2に対して補間ベクトルTD(h)は「小」であると判定される。そして、この判定結果に基づき、図10(b)のルールに従って平面Flatの算出に用いる隣接領域を決定する。図10の例では隣接領域C2が決定される。
以上のステップS20〜S23の処理により、平面Flatの算出に用いる3つの領域、つまり、所属領域A、斜め領域B2、隣接領域C2が決定される。そして、上記ルールに従って決定すると、これらの領域A,B2,C2の学習ベクトルTD(A),TD(B2),TD(C2)を結ぶ三角形の内側に現状変数p,Q(つまり補間ベクトルTD(h))が位置することとなるよう(図5(b)及び図8参照)、3つの領域が決定されることとなる。さらに、現状変数p,Qの位置(つまり、求めたい補間ベクトルTD(h)の位置)に近い学習ベクトルTDの領域が決定されることとなる。
次のステップS24では、決定した各領域A,B2,C2の学習ベクトルTD(A),TD(B2),TD(C2)を含む平面Flatを算出する(図5(b)参照)。この平面Flatは、3つの学習ベクトルTD(A),TD(B2),TD(C2)に基づき算出するため、曲面になることはなく必ず平らな面となる。続くステップS25(補間手段)では、現状変数p,Q及び平面Flatに基づき、補間ベクトルTD(h)にかかる遅れ時間td(制御パラメータ)を算出する。つまり、平面Flatのうち現状変数p,Qに該当する点の遅れ時間tdを、補間ベクトルTD(h)の遅れ時間tdとして算出する。以上により、現状変数p,Qに対応する制御パラメータが算出され、その制御パラメータを用いて、図3の設定手段33は噴射指令信号を設定する。
ところで、図6による学習の初期段階においては、記憶されている学習ベクトルが初期値である等の理由により真値から大きくずれている可能性が高い。すると、図7の処理に反して4つ以上の学習ベクトルTDを含む面で補間する場合には、その補間に用いる面は、真値から大きくずれた学習ベクトルを含む面となるため、大きくねじれた歪曲面になる。しかし、学習が十分に進行すれば、真値から大きくずれた学習ベクトルの数が減っていくので、補間に用いる面のねじれは小さくなって平面に近づいていく。特に本実施形態では、図11に示すように燃圧p及び噴射量Qの全領域を、制御パラメータの値(学習値)に応じて異なる間隔(図6中の符号Wi,Wi+1参照)に分割しているので、隣り合う領域の学習値の値に大きな差が生じることはなく、領域を移動していくと学習値は徐々に変化するように領域が分割されている。したがって、上述した歪曲面は、学習が進行するにつれて平面に近づいていく。
すると、3つの学習ベクトルを含む平面で補間した場合に比べて補間の精度は大差がなくなる。要するに、学習が十分に進行すれば、3つの学習ベクトルを含む平面で補間することで十分な補間精度が得られるようになり、4つ以上の学習ベクトルを含む歪曲面を用いて煩雑な補間処理を行う必要性は無くなる。この点を鑑みた本実施形態では、現状変数p,Qに対応した補間ベクトルTD(h)の制御パラメータを、3つの学習ベクトルTD(A),TD(B2),TD(C2)を含む平面Flatで補間して算出するので、ECU30による補間処理負荷の軽減を図ることができる。
さらに本実施形態では、燃圧p(変数)の特定値(図12の例では30MPa,50MPa,80MPa)に対する制御パラメータ(図12の例ではtd(30),td(50),td(80))を記憶するのではなく、制御パラメータ(噴射開始遅れ時間td)及び変数(燃圧p,噴射量Q)を要素とした学習ベクトル(図4の例ではTDi−1,TDi,TDi+1)を記憶する。そして、遅れ時間tdの計測値及び噴射開始時点での燃圧pの計測値を要素とした計測ベクトル(図4の例ではtd)に基づき学習ベクトルを補正するので、遅れ時間tdと燃圧p,噴射量Qとの関係を表す特性が直線ではなく曲線であったとしても、記憶更新される学習ベクトルの値がハンチングすることを抑制できる。
また、計測ベクトルTDと学習ベクトルTDiとの差分に、所定割合Gを乗じて補正ベクトルTDiamを算出しており、その所定割合Gを0<G<1に設定しているので、前記差分をそのまま学習ベクトルTDiに加算して補正する場合に比べて、記憶更新される学習ベクトルの値がハンチングすることを抑制できる。
ちなみに、図11に示す例では、複数の学習ベクトルTDのマップ領域における分布形状に応じて、複数の領域を異なる間隔(図11中の符号Wi,Wi+1参照)に分割している。例えば、学習ベクトルの分布形状が図11中の符号Rに示す形状である場合において、その分布形状Rのうち曲線形状となっている領域(符号Wi+1に示す領域)については、真値の分布も曲線形状になっていると想定されるため、直線形状となっている領域(図11中の符号Wiに示す領域)に比べてその領域の間隔を小さく設定する。或いは、前記分布形状Rのうち極値(符号Ra,Rb,Rc参照)近傍の領域については、真値の分布も極値を有する形状になっていると想定されるため、その領域の間隔を小さく設定する。これらによれば、真値が急激に変化する領域に対してきめ細かく学習ベクトルが記憶更新されるので、学習ベクトルを真値に精度良く近づけることができる。
また、学習された噴射率パラメータ(td,te,dqmax等)を用いて、設定手段33が噴射指令信号t1、t2、Tqを設定するにあたり、マップM中の領域毎に記憶された学習ベクトルTDが前記噴射指令信号の設定に用いられる使用頻度は、領域によって異なる。そこで、その使用頻度に応じて複数の領域を異なる間隔に分割してもよい。例えば、内燃機関のアイドル運転時の燃料圧力pに対する学習ベクトルは使用頻度が高いので、このような領域は小さく設定することが望ましい。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記実施形態では、3つの学習ベクトルTD(A),TD(B2),TD(C2)を結ぶ三角形の内側に現状変数p,Q(つまり補間ベクトルTD(h))が位置するよう、3つの学習ベクトルTD(A),TD(B2),TD(C2)を決定しているが、前記三角形の外側に現状変数p,Qが位置するように決定してもよい。
・平面Flatを算出する3つの学習ベクトルを決定するにあたり、学習ベクトルを構成する変数p,Qが現状変数p,Qに近い順に、3つの学習ベクトルを決定していくようにしてもよい。
・上記実施形態では、平面Flatを算出するのに用いる3つの学習ベクトルに対応する領域を決定するにあたり、所属領域A、斜め領域及び隣接領域の中から1つずつ決定している。これに対し、2つの斜め領域及び所属領域Aから決定してもよいし、2つの隣接領域及び所属領域Aから決定してもよい。
・上記実施形態では、2つの変数p,Qに関連付けて任意の噴射率パラメータ(例えば噴射開始遅れ時間td)を記憶させているが、別の噴射率パラメータ(例えば噴射終了遅れ時間te)及び1つの変数に関連付けて任意の噴射率パラメータtdを記憶させるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、補正ベクトルTDiamの算出に用いる所定割合Gを1未満としているが、1に設定してもいい。つまり、計測ベクトルTD(p,Q,td)から更新対象学習ベクトルTDi(pi,Qi,tdi)を減算して得られたベクトルを、そのまま補正ベクトルTDiamとする。
・上記実施形態では、図6のステップS12において学習回数が所定回数以上であることを条件として学習を終了させているが、学習ベクトルの学習期間が所定期間を超えたことを条件として学習を終了させるようにしてもよい。
10…燃料噴射弁(制御対象)、20…燃圧センサ、32…学習手段、33…設定手段(制御手段)、S21,S22,S23…選択手段、A…所属領域、B1〜B4…斜め領域、C1〜C4…隣接領域、Flat…3つの学習ベクトルを含む平面、p…燃料圧力(変数)、Q…燃料噴射量(変数)、S25…補間手段、TDij,TD(A),TD(B2),TD(C2)…学習ベクトル、TD…計測ベクトル、td…噴射開始遅れ時間(制御パラメータ)。

Claims (1)

  1. 複数種類の変数と関連付けて制御パラメータを学習する学習手段と、
    現状の環境に即した変数である現状変数に対応した制御パラメータを、前記学習手段により学習された制御パラメータから補間して算出する補間手段と、
    前記補間手段により算出した制御パラメータに基づき制御対象を制御する制御手段と、を備えた制御装置において、
    前記学習手段は、前記複数種類の変数及び前記制御パラメータをベクトルの各要素とした学習ベクトルを、前記複数種類の変数の計測値及び前記制御パラメータの計測値をベクトルの各要素とした計測ベクトルに基づき、周囲の前記学習ベクトルにかかわらず独立して補正することで前記学習を実施しており、
    前記補間手段は、前記学習手段により学習された複数の学習ベクトルの中から3つの学習ベクトルを選択する選択手段を有するとともに、前記現状変数に対応した制御パラメータを、選択した前記3つの学習ベクトルを含む平面で補間して算出し、
    前記学習手段は、前記変数を複数の領域に格子状に分割したマップ上に制御パラメータを記憶させており、
    前記複数の領域のうち、前記現状変数が所属する領域を所属領域、前記所属領域の格子の一辺と線接触する領域を隣接領域、前記所属領域の格子の角部と点接触する領域を斜め領域とした場合において、
    前記選択手段は、前記所属領域の学習ベクトル、前記隣接領域の学習ベクトル、及び前記斜め領域の学習ベクトルを、前記3つの学習ベクトルとして選択することを特徴とする制御装置。
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