JP4432851B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射制御装置に関し、例えばコモンレール内に蓄圧された高圧燃料をインジェクタを介して内燃機関の各気筒内に噴射供給する蓄圧式燃料噴射制御装置に適用して好適なものである。
従来、多気筒ディーゼルエンジン等のエンジンにより回転駆動される燃料供給ポンプによってコモンレール内に高圧燃料を加圧圧送して蓄圧するとともに、そのコモンレール内に蓄圧された高圧燃料をエンジンの各気筒に搭載されたインジェクタに分配し、各気筒の燃焼室内へ噴射供給する蓄圧式燃料噴射装置が知られている(特許文献1参照)。なお、インジェクタは、電子制御ユニットからの制御信号に応じて開弁または閉弁し供給燃料の噴射と停止とを切換え可能に構成され、電子制御ユニットは、インジェクタの指令噴射時期および指令噴射量に基づいて開弁期間を算出し、この開弁期間に対応してインジェクタに上記制御信号を出力している。
この燃料噴射制御装置では、インジェクタの噴射特性の個体間(機差)のばらつきを抑えるために、予めインジェクタの個々の噴射特性を計測しておき、噴射特性に対応した前記制御信号を補正する補正量データを抵抗器またはバーコード等の情報記憶媒体に記憶させ、この情報記憶媒体をインジェクタに取り付けている。この技術では、インジェクタに取り付けられた情報記憶媒体により、インジェクタの個々の噴射特性に応じた適正な補正量を選択できるため、インジェクタの取り付け気筒を指定する等のエンジン組み付け作業時の煩わしさなく、機差を収束させることができる。
特許第3487207号公報
従来技術では、予めインジェクタの個々の噴射特性を計測する際に、目標の噴射パルスの噴射量を測定し、機差ばらつき分を噴射パルス補正量とする。この噴射量測定では、電子制御ユニットで噴射量ごとの補正量を補間で求めるため、低噴射量側の噴射パルスの場合と、高噴射量側の噴射パルスの場合の二補正点でそれぞれ実施する必要がある。このため、インジェクタ製造工程での噴射量計測に費やす時間が長いという問題がある。また、生産性向上を図るために補正点を減らすことは、噴射量精度の悪化を招くという問題がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、インジェクタの生産性向上を図るとともに、少ない補正点であっても噴射量精度の悪化なく機差の収束が可能な燃料噴射制御装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。
請求項記載の発明では、内燃機関の各気筒に搭載され、制御信号に応じて開弁または閉弁し供給燃料の噴射と停止とを切換えるインジェクタと、内燃機関の運転状態または運転条件に応じて設定される燃料噴射量と燃料噴射圧力とに基づいて開弁期間を算出し、開弁期間に対応してインジェクタに制御信号を出力する制御手段と、予め定められた固有特性情報を記憶する情報記録媒体とを備え、狙い噴射量と実噴射量との差を抑制するために、インジェクタの燃料噴射特性に対応して固有特性情報を記憶媒体に記憶させ、固有特性情報に基づいて制御信号を補正する燃料噴射制御装置において、
制御手段は、狙い噴射量と実噴射量とを対応付ける対応特性の噴射量大側と噴射量小側を結ぶ特性データに基づいて制御信号を補正し、その補正した制御信号をインジェクタに出力するとともに、
特性データのうち、噴射量大側のデータは、固有特性情報に記憶される機差を収束するデータよりなり、噴射量小側のデータは、内燃機関の運転時に学習制御を行なって最初に認識する学習データに基づいて算出した機差収束するためのデータよりなっており、
内燃機関の運転時に学習制御を行なって最初に認識する学習データを取得する期間において、制御手段は、噴射量大側のデータに対応した固有特性情報に基づいて対応特性を機差補正した仮対応特性を算出した後、仮対応特性に基づいて制御信号を補正していることを特徴とする。
これによると、狙い噴射量と実噴射量との差を抑制するために、インジェクタの燃料噴射特性に対応して固有特性情報を記憶媒体に記憶させ、固有特性情報に基づいてインジェクタに出力する制御信号を補正する燃料噴射制御装置において、狙い噴射量と実噴射量とを対応付ける対応特性の噴射量大側と噴射量小側を結ぶ特性データのうち、噴射量大側のデータを、固有特性情報に記憶される機差を収束するデータより得るとともに、噴射量小側のデータを、内燃機関の運転時に学習制御を行なって最初に認識する学習データに基づいて算出した機差収束するためのデータより得るように構成される。これにより、噴射量大側と噴射量小側の両データを固有特性情報に予め記憶させておく必要がないので、インジェクタ噴射計測が必要な補正点を少なくすることできる。
さらに、噴射量小側のデータを、内燃機関の運転時に学習制御を行なって最初に認識する学習データに基づいて得えられるように構成しているので、最初に認識する学習データつまり学習値を用いて経時劣化の影響を含まないインジェクタと内燃機関のトータル機差が求められる。このように構成することにより、従来技術における噴射量小側のデータを固有特性情報に記憶する代わりに、インジェクタ噴射計測せずともインジェクタ機差を収束するデータとほぼ同じものが得られる。
したがって、インジェクタの生産性向上を図るとともに、少ない補正点であっても噴射量精度の悪化なく機差を収束させることができる。
加えて、例えば噴射量大側のデータを反映する補正点での機差のずれが内燃機関の性能に比較的大きく影響を及ぼす場合において、噴射量小側のデータを取得するために内燃機関の運転を開始する前に、噴射量大側のデータに対応の固有特性情報に基づいて対応特性を機差補正した仮対応特性を算出し、仮対応特性に基づいて制御信号を補正しておくことができる。これにより、内燃機関を運転して学習制御の最初に認識された学習値を得ようとする過程において、学習制御の過学習を防止できる。
また、本発明の請求項2に記載の発明では、学習制御は、気筒ごとに補正量を求める回転変動補正手段と、全気筒一律に補正量を求める平均回転数補正手段とを備え、回転変動補正手段の補正量に、平均回転数補正手段の補正量を加えたものを気筒ごとの学習値として学習することを特徴とする。
これにより、インジェクタの機差を収束させる方法として、従来の回転変動補正手段(FCCB制御)と平均回転数補正手段(ISC制御)とからなるインジェクタと内燃機関のトータル機差を収束させる手段を用いることができる。
請求項3に記載の発明では、内燃機関の各気筒に搭載され、制御信号に応じて開弁または閉弁し供給燃料の噴射と停止とを切換えるインジェクタと、内燃機関の運転状態または運転条件に応じて設定される燃料噴射量と燃料噴射圧力とに基づいて開弁期間を算出し、開弁期間に対応してインジェクタに制御信号を出力する制御手段と、予め定められた固有特性情報を記憶する情報記録媒体とを備え、狙い噴射量と実噴射量との差を抑制するために、インジェクタの燃料噴射特性に対応して固有特性情報を記憶媒体に記憶させ、固有特性情報に基づいて制御信号を補正する燃料噴射制御装置において、
制御手段は、狙い噴射量と実噴射量とを対応付ける対応特性の噴射量大側と噴射量小側を結ぶ特性データに基づいて制御信号を補正し、その補正した制御信号をインジェクタに出力するとともに、
特性データのうち、噴射量大側のデータは、固有特性情報に記憶される機差を収束するデータよりなり、噴射量小側のデータは、内燃機関の運転時に学習制御を行なって最初に認識する学習データに基づいて算出した機差収束するためのデータよりなっており、
学習制御は、気筒ごとに補正量を求める回転変動補正手段と、全気筒一律に補正量を求める平均回転数補正手段とを備え、回転変動補正手段の補正量に、平均回転数補正手段の補正量を加えたものを気筒ごとの学習値として学習することを特徴とする。
これによると、狙い噴射量と実噴射量との差を抑制するために、インジェクタの燃料噴射特性に対応して固有特性情報を記憶媒体に記憶させ、固有特性情報に基づいてインジェクタに出力する制御信号を補正する燃料噴射制御装置において、狙い噴射量と実噴射量とを対応付ける対応特性の噴射量大側と噴射量小側を結ぶ特性データのうち、噴射量大側のデータを、固有特性情報に記憶される機差を収束するデータより得るとともに、噴射量小側のデータを、内燃機関の運転時に学習制御を行なって最初に認識する学習データに基づいて算出した機差収束するためのデータより得るように構成される。これにより、噴射量大側と噴射量小側の両データを固有特性情報に予め記憶させておく必要がないので、インジェクタ噴射計測が必要な補正点を少なくすることできる。
さらに、噴射量小側のデータを、内燃機関の運転時に学習制御を行なって最初に認識する学習データに基づいて得えられるように構成しているので、最初に認識する学習データつまり学習値を用いて経時劣化の影響を含まないインジェクタと内燃機関のトータル機差が求められる。このように構成することにより、従来技術における噴射量小側のデータを固有特性情報に記憶する代わりに、インジェクタ噴射計測せずともインジェクタ機差を収束するデータとほぼ同じものが得られる。
したがって、インジェクタの生産性向上を図るとともに、少ない補正点であっても噴射量精度の悪化なく機差を収束させることができる。
加えて、インジェクタの機差を収束させる方法として、従来の回転変動補正手段(FCCB制御)と平均回転数補正手段(ISC制御)とからなるインジェクタと内燃機関のトータル機差を収束させる手段を用いることができる。
また、本発明の請求項に記載の発明では、制御手段により算出される機差収束するためのデータは、内燃機関の運転時に学習制御を行なって最初に認識された学習データと、噴射量大側のデータに対応した固有特性情報に記憶される機差を収束するデータとに基づいて算出されることを特徴とする。
これによると、制御手段により内燃機関の運転時に学習制御を行なって得られる、噴射量小側のデータに対応の前記機差収束するためのデータは、最初に認識された学習データと、噴射量大側のデータに対応の固有特性情報に記憶される機差を収束するデータとに基づいて、例えばその両者の差を算出することで求めることができる。
また、本発明の請求項5に記載の発明では、噴射量小側のデータは、内燃機関の無負荷運転状態にて、学習制御により取得されることを特徴とする。
以下、本発明の燃料噴射制御装置を、蓄圧式燃料噴射制御装置に適用して具体化した実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態の燃料噴射制御装置の全体構成を示す構成図である。図2は、図1中のECUに記憶される特性マップの一実施例であって、指令噴射量とコモンレール圧と指令噴射パルス時間との関係を示す特性図である。図3は、図1中のECUにて機差を収束するための補正点を説明する図であって、指令噴射量と指令噴射時間との関係を示す特性図である。図4は、図3中の補正点における機差を補正するための補正量と、情報記憶媒体に記憶された固有特性値と、内燃機関の運転時に学習制御を行ない最初に認識された学習値との関係を示す模式的特性図である。図5は、図3中の補正量に基づいて機差を収束させる過程を示す図であって、図5(a)は情報記憶媒体に記憶された固有特性情報に基づいて噴射量大側の機差を収束する過程、図5(b)は内燃機関の運転時に学習制御により最初に認識された学習値に基づいて噴射量小側の機差を収束する過程、図5(c)は学習制御による経時劣化等を補正する過程を示す模式的特性図である。図6は、図1中の情報記憶媒体に記憶する記憶値のマップである。図7は、図1中のECU内での、各補正点での機差を補正するための補正量マップであって、図7(a)は仮対応特性に対応する補正量マップ、図7(b)は対応特性に対応する補正量マップである。図8は、図1中のECU内での、各気筒毎の、複数の燃料圧力基準での最初に認識される学習値を記憶するマップである。図9は、図7中の二補正点間の噴射領域を補間する補間方法を説明するグラフである。図10は、図1中のECUにて噴射量制御する制御方法を示すフローチャートである。図11は、図10中の機差を収束させる制御の制御処理を示すフローチャートである。図12は、指令噴射パルスと、インジェクタへ通電する駆動電流波形と、燃料噴射率を示すタイミングチャートである。なお、図12中において、指令噴射パルス(TQパルス)は、インジェクタの開弁または閉弁し供給燃料の噴射と停止を切換えるための制御信号である。指令噴射パルス(TQパルス)に示されるTQは、指令噴射パルス時間の長さを示している。また、図8において、作図上、1気筒のみのマップを図示している。
蓄圧式燃料噴射装置(以下、コモンレール式燃料噴射装置)は、例えばディーゼルエンジン(以下、エンジンと呼ぶ)1に燃料を噴射供給する燃料噴射システムである。このコモンレール式燃料噴射装置は、図1に示すように、高圧燃料を蓄える蓄圧器としてのコモンレール2と、燃料の噴射および噴射停止を行なう燃料噴射弁としてのインジェクタ3と、燃料を高圧圧送する燃料供給ポンプとしてのサプライポンプ4と、これらを制御する制御手段としての制御装置(以下、ECUと呼ぶ)10を含んで構成されている。
エンジン1は、燃焼サイクルとしての吸入、圧縮、膨張、排気の各行程を連続して行なう気筒を複数備えたものであり、図1では一例として4気筒エンジンを例に示すが、他の気筒数を有するエンジンであってもよい。
コモンレール2は、インジェクタ3に供給する高圧燃料を蓄圧する蓄圧器であり、燃料噴射圧に相当するコモンレール圧が蓄圧されるように、高圧燃料流路としての燃料配管6を介して高圧燃料を圧送するサプライポンプ4の吐出口に接続されている。なお、インジェクタ3に供給される高圧燃料は、一部余剰燃料等をリーク燃料としてインジェクタ3より排出されており、インジェクタ3からのリーク燃料は、燃料還流路としてのリリーフ配管7を経て燃料タンク8に戻されている。
また、コモンレール2から燃料タンク8へのリリーフ配管15には、プレシャリミッタ16が取つ付けられている。このプレシャリミッタ16は圧力安全弁であり、コモンレール2内の燃料圧が限界設定圧を超える場合に開弁するように構成され、コモンレール2内の燃料圧を限界設定圧以下に抑える。
インジェクタ3は、エンジン1の各気筒#1〜#4ごとに搭載され、気筒内に燃料を噴射供給するものであり、コモンレール2により分岐する複数の高圧燃料配管17の下流端に接続され、コモンレール2に蓄圧された高圧燃料を各気筒に噴射供給する。インジェクタ3は電磁弁(図示せず)31を駆動制御することにより燃料の噴射および噴射停止を行なう電磁弁式インジェクタである。なお、インジェクタ3は、燃料を噴射するための噴孔(図示せず)と、噴孔よりの燃料の噴射を遮断および許容する弁部材としてのニードル(図示せず)と、ニードルを燃料圧力によりリフトさせるための制御圧力室(図示せず)と、制御圧力室の燃料圧力を増減する電磁弁31とを含んで構成される周知構造の燃料噴射弁である。
これらのインジェクタ3からエンジン1への燃料噴射は、電磁弁31が開弁している間、コモンレール2に蓄圧された高圧燃料が各気筒に噴射供給されることでなされる。なお、インジェクタ3のニードルの開弁期間(燃料噴射期間)が長い程、エンジン1の各気筒ごとに噴射される噴射量が多くなり、ニードルの開弁期間が短い程、噴射量が少なくなる(図12参照)。なお、インジェクタ3は、制御信号に対する上記電磁弁31の開弁応答性などの応答性等が異なり、インジェクタ3の燃料噴射特性にはインジェクタの個体差によりばらつきがある。
インジェクタ3は、バーコードあるいは抵抗器等の情報記憶媒体(以下、本実施例では、2次元コードの一種であるQRコード)32を備えている。QRコード32は、インジェクタ3の製造段階で、インジェクタ3の個々の燃料噴射特性が計測されてその結果に応じて狙いの噴射量と実噴射量との差を収束するための固有特性情報が形成されている。
サプライポンプ4は、コモンレール2へ高圧燃料を圧送するポンプである。なお具体的にはサプライポンプ4は、燃料タンク8内の燃料をサプライポンプ4へ吸引するフィードポンプと、このフィードポンプによって吸い上げられた燃料を高圧に圧縮してコモンレール2へ圧送する高圧ポンプとを搭載しており、フィードポンプと高圧ポンプは共通のカムシャフト12によって駆動されている。このカムシャフト12は、エンジン1のクランク軸13等によって回転駆動されるものである。
また、サプライポンプ4には、高圧ポンプに吸引される燃料の量つまりコモンレール2へ高圧圧送する吐出量を調節する調量制御弁5が搭載されており、この調量制御弁5がECU10によって駆動制御されることにより、コモンレール圧が調整されるようになっている。
ECU10は、制御処理、演算処理を行なうCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROM、スタンバイRAMまたはEEPROM、RAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路、インジェクタ3の電磁弁を駆動回路(以下、インジェクタ駆動回路と呼ぶ)およびサプライポンプ4の調量制御弁5の駆動回路(以下、ポンプ駆動回路と呼ぶ)等の機能を含んで構成されている周知構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、ECU10に読み込まれたセンサ類の信号に基づいて各種の演算処理を行なうようになっている。なお、図1中のECU10において、10aは制御部としてのCPU、10bは出力ポート等からなる出力手段としての出力回路、10cは10dは入力ポート等からなる入力手段としての入力回路、EEPROM、RAM等のメモリICからなる記憶部としての記憶回路を示している。
ECU10に接続されるセンサ類は、図1に示すように、アクセル開度Accpを検出するアクセルセンサ91、エンジン回転数Neを検出する回転数センサ92、エンジン1の冷却水温度Twを検出する水温センサ93、サプライポンプ5内に吸入される燃料温度Tfを検出する燃料温センサ94、コモンレール圧Pcを検出する燃料圧力センサ(以下、コモンレール圧センサと呼ぶ)95、およびその他のセンサ類がある。
また、ECU10には、例えばインジェクタ3を供給元から供給され、エンジン組立てライン等でエンジン1の各気筒にインジェクタ3を組み付けた段階で、コードリーダ等の画像読取り装置99が電気的に接続される。画像読取り装置99は、各インジェクタ3に取り付けられたQRコード32を読み取る。
ここで、ECU10は、インジェクタ3の噴射動作を制御する噴射手段と、コモンレール2内のコモンレール圧を目標燃料圧力(目標コモンレール圧)に制御するコモンレール圧制御手段と、狙いの噴射量と実噴射量との差を収束させる制御手段(以下、機差補正手段と呼ぶ)とを備えている。なお、目標コモンレール圧は、インジェクタ3より噴射される燃料噴射圧相当し、エンジン1の運転状態に応じた最適な燃料圧力に設定されている。
噴射手段は、目標噴射量決定手段と、噴射時期決定手段と、噴射期間決定手段と、インジェクタ駆動手段とから構成されている。目標噴射量決定手段は、各種センサ類により検出したエンジン1の運転状態に応じて最適な目標噴射量Qfinを決定する。噴射時期決定手段は、目標噴射量Qfinとエンジン回転数Neとに基づいて指令噴射時期(指令噴射パルス時期)Tfinを決定する。噴射期間決定手段は、コモンレール圧Pcと目標噴射量Qfinとに基づいて指令噴射期間(指令噴射パルス時間)TQを決定する。インジェクタ駆動手段は、各気筒のインジェクタ3の電磁弁31に、指令噴射時期(Tfin)から指令噴射パルス時間(TQ)が経過するまでの間、略パルス状の通電電流を印加する。
コモンレール圧制御手段は、サプライポンプ4のコモンレール2への吐出量を制御する吐出量制御手段とを備えており、圧力センサ95によりコモンレール2内の実燃料圧力(以下、実コモンレール圧と呼ぶ)を検出し、実コモンレール圧Pcfが目標コモンレール圧Pcaに略一致するようにフィードバック制御する。
吐出量制御手段は、目標コモンレール圧Pcaと燃料温度Tfとに基づいて調量制御弁5への基本駆動信号を決定してサプライポンプ4を駆動制御し、検出した実コモンレール圧Pcaと目標コモンレール圧Pcaが一致しない場合には、実コモンレール圧Pcaと目標コモンレール圧Pcaの差に応じて基本駆動信号を補正し、補正された補正後駆動信号によりサプライポンプ4を駆動制御する。
次に、機差補正手段は、QRコード32に記憶されるインジェクタ3の固有特性情報に基づいて制御信号としての指令噴射時間TQを補正するインジェクタ間機差補正手段と、エンジン1を運転し学習制御を行い最初に認識されたデータ(以下、トータル機差の学習値と呼ぶ)に基づいて指令噴射時間TQを補正するトータル機差補正手段とを備えている。
インジェクタ間機差補正手段は、図3に示すインジェクタ3の実噴射量を示す噴射特性(以下、対応特性と呼ぶ)(図中の細い実線の特性)ijと、狙いの噴射量を示すマスタ品の噴射特性(図中の太い実線の特性)mjと、インジェクタ3の実噴射量を示す噴射特性との差分Δ1に基づいて指令噴射パルス時間TQを補正する。対応特性ijは、噴射量大側(以下、Q大側)と噴射量小側(以下、Q小側)の二つの狙い噴射量q1、q2のうち、一方(本実施例では、Q大側)の狙い噴射量q1に対応するマスタ品の指令噴射パルスで測定する。測定したインジェクタ3噴射量q1とマスタ品との機差分に基づいて指令噴射パルスTQに対する補正値Δ1を算出する。なお、マスタ品の指令噴射パルスを同一にして測定したインジェクタ2の実噴射量と狙い噴射量との機差分に基づいて補正値Δ1を算出する方法に限らず、マスタ品の狙い噴射量を同一にして測定したインジェクタ2の実噴射パルス時間と指令噴射パルス時間TQの差分を、補正値Δ1とする方法であってもよい。
トータル機差補正手段は、気筒間ごとに補正量を求める回転変動気筒間補正(FCCB)と、全気筒一律に補正量を求める平均回転数補正(ISC)の学習制御手段を備えており、エンジン1を運転し学習制御を行い最初に認識した学習値を、対応特性ijとマスタ品の噴射特性mjとのQ小側の狙い噴射量での差分Δ2として算出する。その学習値は、回転変動気筒間補正(FCCB)により最初に得られた補正量(気筒ごとの学習値)に、平均回転数補正(ISC)により最初に得られた補正量(気筒一律の学習値)を加えて気筒ごとの学習値としている。なお、回転変動気筒間補正(FCCB)は、エンジン1の気筒間の回転変動を平滑化するようにエンジンの各気筒ごとへの最適な噴射量を個々に調整する学習制御手段である。また、平均回転数補正(ISC)は、現在の平均回転数を目標回転数に合せるために平均回転数と目標回転数との偏差(ΔNe)に対して全気筒一律に回転数の補正をするように、偏差(ΔNe)に応じた例えば噴射量補正量を算出する学習制御手段である。
なお、ここで、インジェクタ3の燃料噴射特性に対応した固有特性のデータ(本実施例ではQ大側のデータ)は、図2に示すように指令噴射量やコモンレール圧Pcの大きさに応じて異なるため、マップデータを形成するものである。具体的には、QRコードには、図6に示すように、Q大側の補正点q1に対応した補正値Δ1を有する補正量マップよりなる。
なお、図2に示すマップでは、燃料圧力Pc基準毎にマスタ品の噴射特性mj(図中では、j=1〜4の燃料圧力Pc基準の4本の特性)を示している。以下の本実施形態で説明する図3〜図9では、図2中の噴射特性m2の場合を一例として説明する。
次に、上述した構成を有する燃料噴射制御装置の動作について、図10および図11に従って説明する。ここでは、QRコード32付きのインジェクタ3が供給元から供給され、エンジン組立てライン等でエンジン1の各気筒にインジェクタ3を組み付るエンジン製造工程での過程にあるものとする。
図10に示すように、S100(Sはステップ)ではインジェクタ3の燃料噴射特性の固有値データの読み取りが行われたか否かを判断する。画像読取り装置99を用いて各インジェクタ3に取り付けられたQRコード32を読み取り作業が行なわれているならば、QRコード32付きのインジェクタ3がエンジン1の各気筒に組み付けられ、各インジェクタ3の固有値データの読み取り作業を完了した直後の段階であると判定し、S200へ移行する。逆に、QRコード32を読み取り作業が行なわれていないならば、S300へ移行する。
S200では、マスタ品と当該インジェクタ3との機差を収束させる制御処理を実行し、S400へ移行する。この場合、インジェクタ間機差補正手段とトータル機差補正手段による両制御処理(図11参照)が実施され、対応特性におけるQ大側の差分Δ1、Q小側の差分Δ2の補正量が決定している場合には、機差補正状態を示す機差補正フラグを2にインクリメントする。また、各インジェクタ3をエンジン1に組み付け、固有値データの読み取り作業のみが完了したままの状態の場合、つまりエンジン1は未だ運転されず、あるいは運転したとしても上記学習制御を実行する段階まで至っていない場合には、機差補正フラグを1としている。
S300では、機差補正フラグが2であるか否かを判断する。機差補正フラグが2であるならば、対応特性におけるQ大側の差分Δ1、Q小側の差分Δ2の補正量が決定し、機差を収束させる制御処理は完了した状態にあると判定し、S400へ移行する。逆に、機差補正フラグが2でないならば、機差を収束させる制御処理は未完了であると判定し、S200へ移行する。
S200で機差を収束させる制御処理が完了する(図5(b)参照)と、S400では、回転変動気筒間補正(FCCB)および平均回転数補正(ISC)の学習制御を行なう。学習制御を行なって上記最初に認識された学習値Δ2と異なる学習値Δ3を算出する。
学習値Δ3は、マスタ品の噴射特性(図5(b)中の太い実線の特性)mjに対し機差を収束するようにΔ1およびΔ2で補正された当該インジェクタの対応特性(以下、機差収束した対応特性)(図5(b)中の細い実線の特性)ijに対して、いわゆるトータル機差、および経時劣化を補正する学習値である。上記学習制御は、エンジン1の運転中は繰り返し実行されて学習値Δ3を求める周知方法の学習制御である。
学習値Δ3は、上記最初に認識された学習値Δ2が対応特性のQ小側の補正点q1のみに反映されたのと異なり(図3および図4参照)、噴射量のQ小側領域およびQ大側領域の噴射量全域にわたって反映される。例えば機差収束した対応特性(図5(c)中の細い実線の特性)ij2と、2回目以降の学習制御を実施する過程で経時劣化等で変化した対応特性(図5(c)中の二点鎖線の特性)との差分が小さくなるように、学習値Δ3で対応特性ij2が、トータル機差が収束する方向へオフセット修正される。
次に、上記機差を収束させる制御の詳細動作を、図11に従って説明する。図11に示すように、S201では気筒別に、図6に示すように、インジェクタ3の固有値データ(図6中では、例えば燃料圧力基準j=2に対応する補正量Δ1)を読み込む。具体的には、気筒#1〜#4に対応する各インジェクタ3別に、画像読取り装置99により読み取られたQRコード32に記憶の機差を補正するための固有値(本実施例では、Q大側補正点q1での補正量Δ1)を読み込む。上記気筒別補正量はコモンレール圧Pc別等からなるマップデータでQRコードに記憶されているため、コモンレール圧Pc別に、その気筒別補正量Δ1をECU10の記憶部10cに、図7(a)中の補正点q1の行には配置される各Pc毎の補正量Δ1を格納する。
S202では、各インジェクタ3の対応特性(図4中の左側の破線の特性)ijを、Q大側の気筒別補正量Δ1に基づいて機差収束させる補正を行ない、仮対応特性(図5(a)に示す破線の特性)ij1としてまず仮決定する。具体的には、図7(a)に示すように、補正点q1の行には配置される各Pc毎の補正量Δ1を、補正点q2の各Pc毎の補正量としても用いる。この二補正点間の噴射領域は、図9中の破線特性で示す仮対応特性ij1の関係より求められる。このようにすることで、Q大側の補正点q2でマスタ品の噴射特性mjとの機差ずれのない仮対応特性ij1が得られる。
したがって、マスタ品の噴射特性(図4および図5(a)に示す太い実線の特性)mjに対し仮対応特性(図5(a)中の破線の特性)ij1は、噴射量領域のうち、Q大側の補正点q1周辺にあるQ大側領域において、狙い噴射量と実噴射量の差が小さくなるように補正される。
S203では、エンジン1の回転数Neが検出されているか否かを判断する。回転数Neが検出されているならば、エンジン1は運転中であると判定し、S204へ移行する。逆に、回転数Neが検出されていないならば、エンジン1の運転状態にないと判定し、S211へ移行し、機差補正フラグを1とする。
S204では、S203にてエンジン1が運転状態にあると判定されると、エンジン1実機上でのインジェクタ3とエンジン1とのトータル機差を収束させる補正処理、すなわち回転変動気筒間補正(FCCB)および平均回転数補正(ISC)の学習制御を開始するように準備する。なお具体的には、エンジン1の製造工程、特にエンジン性能検査工程において、エンジン1の運転状態または運転条件が、回転変動気筒間補正(FCCB)と平均回転数補正(ISC)との学習制御を実施するための学習前提条件等の実行条件を満たしている場合に、上記学習制御が開始される。
S205では、回転変動気筒間補正(FCCB)の学習制御を実行し、エンジン1の気筒間の回転変動を平滑化するようにエンジンの各気筒ごとへの最適な噴射量を個々に調整するための、学習値(以下、FCCB学習値)を算出する。そして、回転変動気筒間補正(FCCB)の学習制御の実行により、最初のFCCB学習値をECU10が認識さえすれば、S206へ移行する。
S206では、平均回転数補正(ISC)の学習制御を実行し、現在の平均回転数を目標回転数に合せるために平均回転数と目標回転数との偏差(ΔNe)に対して全気筒一律に回転数の補正をするように、偏差(ΔNe)に応じた学習値(以下、ISC学習値)としての噴射量補正量を算出する。
そして、平均回転数補正(ISC)の学習制御の実行により、最初のISC学習値をECU10が認識さえすれば、S207へ移行する。
S207では、S205で求められたFCCB学習値と、S206にて求められたICS学習値とに基づいて、各燃料圧力Pc基準毎に、図8に示すように、初回認識の学習値(図8中では、例えば燃料圧力基準j=2に対応する学習値)Δ2を算出する。具体的には、本実施例では、各気筒毎、各燃料圧力Pc基準毎に、FCCB学習値にICS学習値を加えた合計補正噴射量を、初回認識の学習値として算出する。なお、FCCB学習値とICS学習値は補正噴射量で求められる方法に限らず、FCCB学習値とICS学習値を、指令噴射パルス時間TQの補正量でそれぞれ求める方法であってもよい。
S208では、S207で求めた上記初回認識の学習値Δ2に基づいて指令噴射パルス時間TQの補正量(本実施例では、Q小側の気筒別補正量)Δ2を求める(図5(b)参照)。このことは、図9に示すように、仮対応特性ij1に対して補正量Δ2(図5(b)参照)が求められることになる。
S209は、インジェクタ3の対応特性(図4の破線の特性)と、マスタ品の噴射特性との差を小さくための、補正点別(Q大側補正点q1、Q小側補正点q2)の補正量Δ1、Δ2が決定する。具体的には、Q小側補正点q2において、仮対応特性ij1に対する補正量がΔ2であることから、図9に示すように、対応特性ijに対しては補正量Δ2−Δ1が算出される。すなわち、対応特性ijに対しては、Q大側補正点q1の補正量がΔ1、Q小側補正点q2の補正量がΔ2−Δ1となる。そして、図7(b)中の補正点q2の行には、仮対応特性ij1に用いた補正量Δ1に代えて、上記算出の補正量Δ2−Δ1を格納する。
また、Q大側補正点q1とQ小側補正点q2の間の噴射領域を補正する補正方法としては、図9に示すように、Q大側補正点q1とQ小側補正点q2との噴射量間を、線形補間することにより補正する。その結果、図5(b)に示すような補正後の対応特性(以下、機差収束後対応特性)ij2が得られる。これにより、機差収束後対応特性ij2は、マスタ品の噴射特性mjと当初対応特性ijとの差を小さくなるように、機差の収束が図られる。
S210では、S209にて補正量Δ1、Δ2(詳しくは、Q大側補正点q1にて補正量Δ1、Q小側補正点q2にて補正量Δ2−Δ1)が決定し、機差収束後対応特性ij2が得られ、機差を収束させる制御処理は完了した状態にあるので、機差補正フラグを2にインクリメントする。
なお、上述の構成を有する制御処理S200にて上記機差を収束させる制御処理が完了すると、S400では、機差収束後対応特性ij2に対して、回転変動気筒間補正(FCCB)および平均回転数補正(ISC)の学習制御を行なって、機差収束後対応特性ij2に対する学習値Δ3を求める。
なお、ここで、Q小側補正点q2の補正量Δ2−Δ1は、エンジン1の運転時に学習制御を行なって最初に認識された学習値Δ2に基づいて算出された機差収束するためのデータを構成している。機差を収束させる制御処理S200(詳しくは、S204からS208の制御処理)で行なう学習制御は、仮対応特性ij1に対してインジェクタ3の機差を補正するようにQ大側補正点q2の補正量Δ2を求める。この補正量Δ2とQRコード32に記憶のQ小側補正点q1の補正量Δ1とに基づいて、マスタ品の噴射特性mjとインジェクタ3固有の対応特性ijの機差を小さくするようにする機差収束後対応特性ij2が求められることになる。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、(1)本実施形態では、狙い噴射量と実噴射量との差を抑制するために、インジェクタ3の燃料噴射特性に対応して固有特性情報をQRコード32に記憶させ、固有特性情報に基づいてインジェクタ3へ出力する制御信号つまり指令噴射パルスTQを補正する燃料噴射制御装置において、狙い噴射量と実噴射量とを対応付ける対応特性のQ大側とQ小側を結ぶ特性データ(図2中の細い実線の特性)ijのうち、Q小側の補正点q2のデータは、エンジン1の運転時に上記学習制御を行なって最初に認識する学習データ(学習値)Δ2より得えられるように構成される。また、Q大側の補正点q1のデータは、QRコード32より得るように構成される。なお、二補正点間の噴射領域は、補間により補正される。
これにより、Q大側とQ小側の両データをQRコード32に予め記憶させておく必要がないので、インジェクタ3の噴射計測を必要とする補正点を少なくすることができる。
さらに、Q小側のデータを、エンジン1の運転時に上記学習制御を行なって最初に認識する学習データ(学習値)Δ2に基づいて得えるように構成しているので、初回認識の学習値を用いてインジェクタ3とエンジン1のトータル機差が求められる。このように構成することにより、従来技術におけるQ小側のデータを固有特性情報に記憶する代わりに、インジェクタ3噴射計測せずともインジェクタ3機差を収束するデータとほぼ同じものが得られる。
したがって、インジェクタ3の生産性向上を図るとともに、少ない補正点であっても噴射量精度の悪化なく機差を収束させることができる。
(2)なお、上記Q小側のデータは、上記学習制御を行なって最初に認識するデータ(初回認識の学習値)に基づいて機差を収束するデータであるため、無負荷安定状態で学習制御を行なう回転変動補正手段(FCCB制御)等の低噴射側の学習制御手段を用いることができる。したがって、エンジン1の性能検査等のエンジン製造工程の生産性を維持したまま、インジェクタ3の生産性向上を図れる。
(3)上記学習制御とは、気筒#1〜#4ごとに気筒別に補正量を求める回転変動補正手段と、全気筒一律に補正量を求める平均回転数補正手段とを備えており、回転変動補正手段の補正量に、平均回転数補正手段の補正量を加えたものを気筒#1〜#4ごとの学習値として学習するように構成されている。
これにより、インジェクタ3の機差を収束させる方法として、従来の回転変動補正手段(FCCB制御)と平均回転数補正手段(ISC制御)とからなるインジェクタ3とエンジン1のトータル機差を収束させる手段を用いることができる。
(4)なお、本実施形態では、エンジン1の運転時に学習制御を行なって最初に認識する学習値Δ2を取得する期間において、Q小側のデータは、QRコード32に記憶の補正量Δ1を用いるとともに、この補正量Δ1に基づいて対応特性を機差補正した仮対応特性(図5(a)、図9中の破線の特性)ij1を算出する。その後、学習制御により補正量Δ2を求める過程では、仮対応特性ij1に基づいて指令噴射パルス時間TQを補正するように構成されている。
これによると、Q大側のデータ(補正量)を反映する補正点q1での機差のずれがエンジン1の性能に比較的大きく影響を及ぼす場合において、Q小側のデータ(補正量)を取得するためにエンジン1の運転を開始する前に、Q大側補正点q1に対応の補正量Δ1に基づいて、Q大側の噴射領域を機差補正した仮対応特性ij1を算出し、仮対応特性ij1に基づいて指令噴射パルスTQを補正しておくことができる。これにより、エンジン1を運転して学習制御の最初に認識された学習値を得ようとする過程において、エンジン1の性能に問題となる影響を及ぼしてしまうような学習制御の過学習を防止できる。
(5)本実施形態では、Q小側補正点q2の補正量を、仮対応特性ij1に対して得られた学習値Δ2と補正量Δ1の差より求めることにより、対応特性ijに対し、Q大側補正点q1の補正量がΔ1、Q小側補正点q2の補正量がΔ2−Δ1が得られて、この二補正点間を補正することで機差収束後対応特性ij2が得られように構成されている。
したがって、マスタ品の噴射特性mjとインジェクタ3固有の対応特性ijの機差を小さくするようにする機差収束後対応特性ij2は、上記学習制御による最初に認識する学習値Δ2とQRコード32に記憶のQ小側補正点q1の補正量Δ1とに基づいて求めることができる。
(その他の実施形態)
以上説明した本実施形態において、Q大側の補正点q1のデータにQRコード32に記憶の補正量Δ1を用い、Q小側の補正点q2のデータに、エンジン1の運転時に上記学習制御を実施し、上記学習制御により得られた初回認識の学習値Δ2に基づいて算出する機差収束のためのデータ(補正量)Δ2−Δ1を用いる構成として説明した。このような構成に限らず、Q小側の補正点のデータにQRコード32に記憶の補正量を用い、Q大側の補正点のデータに、エンジン1の運転時に上記学習制御を実施し、上記学習制御により得られた初回認識の学習値を用いる構成としてもよい。この場合、例えば低噴射側の学習制御手段、すなわち回転変動気筒間補正(FCCB)および平均回転数補正(ISC)の学習制御を実行し、この学習制御で得られた学習値に基づいて機差を収束する補正するQ大側のデータを算出することが可能である。
なお、Q小側の補正点のデータにQRコード32に記憶の補正量を用い、Q大側の補正点のデータに、エンジン1の運転時に上記学習制御を実施し、上記学習制御により得られた初回認識の学習値を用いる構成とする場合において、Q大側の補正量を求めてもよい。
以上説明した本実施形態では、電磁弁31を有するインジェクタで説明したが、電磁弁に限らず、制御信号により供給燃料の噴射と停止とを切換えるものであれば、ピエゾスタック等のアクチュエータであってもよい。
本発明の実施形態の燃料噴射制御装置の全体構成を示す構成図である。 図1中のECUに記憶される特性マップの一実施例であって、指令噴射量とコモンレール圧と指令噴射パルス時間との関係を示す特性図である。 図1中のECUにて機差を収束するための補正点を説明する図であって、指令噴射量と指令噴射時間との関係を示す特性図である。 図3中の補正点における機差を補正するための補正量と、情報記憶媒体に記憶された固有特性値と、内燃機関の運転時に学習制御を行ない最初に認識された学習値との関係を示す模式的特性図である。 図3中の補正量に基づいて機差を収束させる過程を示す図であって、図5(a)は情報記憶媒体に記憶された固有特性情報に基づいて噴射量大側の機差を収束する過程、図5(b)は内燃機関の運転時に学習制御により最初に認識された学習値に基づいて噴射量小側の機差を収束する過程、図5(c)は学習制御による経時劣化等を補正する過程を示す模式的特性図である。 図1中の情報記憶媒体に記憶する記憶値のマップである。 図1中のECU内での、各補正点での機差を補正するための補正量マップであって、図7(a)は仮対応特性に対応する補正量マップ、図7(b)は対応特性に対応する補正量マップである。 図1中のECU内での、各気筒毎の、複数の燃料圧力基準での最初に認識される学習値を記憶するマップである。 図7中の二補正点間の噴射領域を補間する補間方法を説明するグラフである。 図1中のECUにて噴射量制御する制御方法を示すフローチャートである。 図10中の機差を収束させる制御の制御処理を示すフローチャートである。 指令噴射パルスと、インジェクタへ通電する駆動電流波形と、燃料噴射率を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
2 コモンレール(インジェクタに供給される高圧燃料を蓄える蓄圧器)
3 インジェクタ
31 電磁弁
32 QRコード(情報記憶媒体)
4 サプライポンプ(燃料供給ポンプ)
5 調量制御弁
10 ECU(制御装置)
95 コモンレール圧センサ(燃料圧力を検出する圧力センサ)
99 画像読取り装置

Claims (5)

  1. 内燃機関の各気筒に搭載され、制御信号に応じて開弁または閉弁し供給燃料の噴射と停止とを切換えるインジェクタと、
    前記内燃機関の運転状態または運転条件に応じて設定される燃料噴射量と燃料噴射圧力とに基づいて開弁期間を算出し、前記開弁期間に対応して前記インジェクタに前記制御信号を出力する制御手段と、予め定められた固有特性情報を記憶する情報記録媒体とを備え、狙い噴射量と実噴射量との差を抑制するために、前記インジェクタの燃料噴射特性に対応して前記固有特性情報を前記記憶媒体に記憶させ、前記固有特性情報に基づいて前記制御信号を補正する燃料噴射制御装置において、
    前記制御手段は、狙い噴射量と実噴射量とを対応付ける対応特性の噴射量大側と噴射量小側を結ぶ特性データに基づいて前記制御信号を補正し、その補正した制御信号を前記インジェクタに出力するとともに、
    前記特性データのうち、前記噴射量大側のデータは、前記固有特性情報に記憶される機差を収束するデータより得られ、
    前記噴射量小側のデータは、前記内燃機関の運転時に学習制御を行なって最初に認識する学習データに基づいて算出した機差収束するためのデータよりなっており、
    前記内燃機関の運転時に学習制御を行なって最初に認識する前記学習データを取得する期間において、
    前記制御手段は、前記噴射量大側のデータに対応した前記固有特性情報に基づいて前記対応特性を機差補正した仮対応特性を算出した後、前記仮対応特性に基づいて前記制御信号を補正していることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記学習制御は、気筒ごとに補正量を求める回転変動補正手段と、全気筒一律に補正量を求める平均回転数補正手段とを備え、前記回転変動補正手段の補正量に、前記平均回転数補正手段の補正量を加えたものを気筒ごとの学習値として学習することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 内燃機関の各気筒に搭載され、制御信号に応じて開弁または閉弁し供給燃料の噴射と停止とを切換えるインジェクタと、
    前記内燃機関の運転状態または運転条件に応じて設定される燃料噴射量と燃料噴射圧力とに基づいて開弁期間を算出し、前記開弁期間に対応して前記インジェクタに前記制御信号を出力する制御手段と、予め定められた固有特性情報を記憶する情報記録媒体とを備え、狙い噴射量と実噴射量との差を抑制するために、前記インジェクタの燃料噴射特性に対応して前記固有特性情報を前記記憶媒体に記憶させ、前記固有特性情報に基づいて前記制御信号を補正する燃料噴射制御装置において、
    前記制御手段は、狙い噴射量と実噴射量とを対応付ける対応特性の噴射量大側と噴射量小側を結ぶ特性データに基づいて前記制御信号を補正し、その補正した制御信号を前記インジェクタに出力するとともに、
    前記特性データのうち、前記噴射量大側のデータは、前記固有特性情報に記憶される機差を収束するデータより得られ、
    前記噴射量小側のデータは、前記内燃機関の運転時に学習制御を行なって最初に認識する学習データに基づいて算出した機差収束するためのデータよりなっており、
    前記学習制御は、気筒ごとに補正量を求める回転変動補正手段と、全気筒一律に補正量を求める平均回転数補正手段とを備え、前記回転変動補正手段の補正量に、前記平均回転数補正手段の補正量を加えたものを気筒ごとの学習値として学習することを特徴とする燃料噴射制御装置。
  4. 前記制御手段により算出される前記機差収束するためのデータは、前記内燃機関の運転時に学習制御を行なって最初に認識された前記学習データと、前記噴射量大側のデータに対応した前記固有特性情報に記憶される機差を収束するデータとに基づいて算出されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記噴射量小側のデータは、内燃機関の無負荷運転状態にて、前記学習制御により取得されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
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