JP5215696B2 - 無機微粒子分散ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、低温での脱脂性に優れ、かつ、スクリーン印刷性に優れた無機微粒子分散ペーストに関する。
導電性粉末、セラミック粉末、ガラス粉末等の無機微粒子をバインダー樹脂と有機溶媒とに分散させた無機微粒子分散ペーストは、様々な形状の焼結体を得るために用いられている。例えば、セラミック粉末やガラス粉末を分散させたセラミックペーストやガラスペーストは、誘電体層や積層セラミックコンデンサの製造等に広く用いられている。
無機微粒子分散ペーストを用いて焼結体を製造する方法としては、例えば、ロールコーター、ダイコーター、スクリーン印刷等の塗工方法を用いて所定の形状を形成した後に、焼結する方法が一般的である。塗工方法のなかでもスクリーン印刷法は、高精細パターンの形成が可能であり、かつ、大量生産に適した方法である。
無機微粒子分散ペーストのバインダー樹脂としては、スクリーン印刷性に優れることからエチルセルロースが広く用いられてきた。しかしながら、エチルセルロースは熱分解性が悪いため、スクリーン印刷後の焼結プロセスにおいては、より高温で脱脂しなければならず、その結果、バインダー樹脂中に含有の無機微粒子やバインダー樹脂が印刷された基板が劣化・損傷するという問題があった。
このような問題に対して、バインダー樹脂として、熱分解性の高いアクリル樹脂を使用する方法が検討されている。例えば、特許文献1には、重量平均分子量が30万〜500万であるアクリル系樹脂をバインダー樹脂として用いた蛍光体ペーストが開示されている。このような蛍光体ペーストは、比較的低温での脱脂が可能である。しかしながら、このような分子量のアクリル系樹脂をバインダーとして用いたペーストは、粘着力が高く、スクリーン印刷の際にスクリーン版へ貼りついたり、糸引きが発生したりするなど、スクリーン印刷性の点で問題があった。
ペーストの粘着力を抑制する方法としては、比較的低分子量のアクリル系樹脂を用いることが考えられる。しかし、低分子量のアクリル系樹脂を用いると粘着力は抑制されるものの、ペーストの粘度も低下してしまい、スクリーン印刷の際に印刷した画像が流動してしまい高精細パターンを形成することができないという問題があった。一方、ペーストの粘度を確保するためにアクリル系樹脂の配合量を増加させると、再び粘着力も増大してしまったり、焼結したときに大量の残渣が生じてしまったりするという問題があった。アクリル樹脂をバインダー樹脂として、スクリーン印刷性に優れた粘着力と粘度とを同時に満足させることは極めて困難であった。
特開2001−329256号公報
本発明は、上記現状に鑑み、低温での脱脂性に優れ、かつスクリーン印刷性にも優れた無機微粒子分散ペーストを提供することを目的とする。即ち、スクリーン印刷時に版への貼りつきや糸曳き等が発生することなく高精細なパターンを形成することが可能であり、かつ、比較的低温でも脱脂が可能である無機微粒子分散ペーストを提供することを目的とする。
本発明は、重量平均分子量が10,000〜25,000である分子末端にのみ極性官能基を有する(メタ)アクリル樹脂、沸点が170〜320℃である分子中に水酸基及び芳香族骨格有する有機溶剤、及び、無機微粒子を含有し、B型粘度計を用い、回転数50rpm、23℃で測定した粘度が5500〜8600Pa・sである無機微粒子分散ペーストである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、粘着性の低い重量平均分子量が10,000〜25,000である(メタ)アクリル樹脂の中でも分子末端にのみ極性官能基を有する(メタ)アクリル樹脂を選択し、かつ、分子中に水酸基及び芳香族骨格を有する有機溶剤と組み合わせた場合には、低粘着性かつ高粘度のペーストとすることができ、高いスクリーン印刷性を発揮できることを見出し、本発明を完成するに至った。
この理由については不明であるが、分子末端にのみ極性官能基を有する(メタ)アクリル樹脂は、分子中に水酸基及び芳香族骨格を有する有機溶剤に溶解はするものの、溶解性が比較的低いため、マクロ的には相分離しないものの、ミクロ的には相分離した構造(微小相分離した構造)をとるためではないかと考えられる。
このような微小相分離構造は、静的光散乱測定装置を用いてビヒクルの相関長を測定することにより評価することができる。即ち、相関長が2μm以上のの場合には微小相分離構造ありと判断し、何も観測できなかった場合には微小相分離構造なしと判断することができる。
本発明の無機微粒子分散ペースト(以下、単に「ペースト」ともいう。)は、(メタ)アクリル樹脂、有機溶剤及び無機微粒子を含有する。
なお、本明細書において(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂又はメタクリル樹脂を意味する。
上記(メタ)アクリル樹脂としては、350〜400℃程度の低温で分解するものであれば特に限定されず、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート及びベンジルメタクリレートからなる重合体、及びポリオキシアルキレン構造を有するモノマーからなる群より選択される少なくとも1種からなる重合体等が挙げられる。なかでも、低温脱脂性に優れ、比較的少ない樹脂量でも高い粘度のペーストを得ることができることから、メチルメタクリレートの重合体であるポリメチルメタクリレートが好適である。
また、より低温での脱脂が可能となることから、メチルメタクリレートとイソブチルメタクリレートとの共重合体も好適である。このような共重合体を用いる場合、イソブチルメタクリレートの配合比の好ましい下限は0.5重量%、好ましい上限は10重量%である。下限が0.5重量%未満であると、低温分解性の効果が出にくくなり、上限が10重量%を超えると、樹脂の粘度が低くなりすぎることがある。より好ましい下限は1重量%であり、好ましい上限は7重量%である。
上記(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量の下限は10,000、上限は25,000である。10,000未満であると、後述する有機溶剤に対し、微小相分離を発現することができないため、得られるペースト化合物は、充分な粘度が確保されず、結果として、スクリーン脱枠後の基板へのパターン形成能が低下する。25,000を超えると、得られるペーストの粘着力が高くなり、スクリーン脱枠時に糸曳き等が発生する。好ましい上限は20,000である。
なお、本明細書における重量平均分子量とは、例えば、カラムとしてSHOKO社製のLF−804を用い、室温にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析により得られる結果を基に、ポリスチレン換算値で求められるものをいう。
上記(メタ)アクリル樹脂は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3以下であることが好ましい。3を超えると、部分的に低分子量成分及び/又は高分子量成分が存在する割合が高くなり、得られるペーストは、低分子量成分による粘度低下及び/又は高分子量成分による粘着力上昇が引き起こされ、結果として、スクリーン印刷性が低下することがある。より好ましくは2.5以下である。
上記(メタ)アクリル樹脂は、分子末端にのみ極性官能基を有する。極性官能基が、分子末端にのみあることで、(メタ)アクリル樹脂は、後述する有機溶剤と微小相分離を維持することが可能となると考えられ、その結果、得られるペースト組成物の粘度が適正化され、スクリーン脱枠後の基板へのパターン形成能が向上する。
極性官能基が、(メタ)アクリル樹脂の分子末端以外の部位、例えば側鎖に含有されていると、後述する有機溶剤との相溶性が向上して微小相分離が維持されず、得られるペースト組成物の粘度の低下が引き起こされ、その結果、スクリーン脱枠後の基板へのパターン形成能が低下する。
(メタ)アクリル樹脂の分子末端のみに極性官能基が導入されたことは、例えば、抽出ポリマーの13C−NMRにより確認することができる。即ち、炭素−硫黄間の結合が確認された場合には、分子末端のみに極性官能基が導入されたと判断することができる。
上記極性官能基としては、水素結合性を有する化学骨格を有する官能基であれば特に限定されず、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。中でも、焼結時に発生する熱分解化合物を原因とするペースト組成物中の無機微粒子や印刷基板の劣化・損傷等の影響が少ない等の理由から、水酸基、カルボキシル基が好適である。
上記(メタ)アクリル樹脂の分子末端にのみ極性官能基を導入する方法としては、例えば、極性官能基を有する連鎖移動剤のもとで(メタ)アクリル系モノマーをフリーラジカル重合法、リビングラジカル重合法、イニファーター重合法、アニオン重合法、リビングアニオン重合法等の従来公知の方法で共重合する方法や、極性官能基を有する重合開始剤のもとで、 (メタ)アクリル系モノマーをフリーラジカル重合法、リビングラジカル重合法、イニファーター重合法、アニオン重合法、リビングアニオン重合法等の従来公知の方法で共重合する方法が挙げられる。これらの方法は併用してもよい。
上記極性官能基を有する連鎖移動剤としては特に限定されず、例えば、水酸基を有するメルカプトプロパンジオール、カルボキシル基を有するチオグリセロール、メルカプトコハク酸、メルカプト酢酸、アミノ基を有するアミノエタンチオール等が挙げられる。
上記極性官能基を有する重合開始剤としては特に限定されず、例えば、P−メンタンヒドロペルオキシド(P−Menthane hydroperoxide)(日本油脂社製:パーメンタH)、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド(Diisopropylbenzene hydroperoxide)(日本油脂社製:パークミルP)、1、2、3、3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド(1、2、3、3−Tetramethylbutyl hydroperoxide)(日本油脂社製:パーオクタH)、クメンヒドロペルオキシド(Cumene hydroperoxide)(日本油脂社製:パークミルH−80)、t−ブチルヒドロペルオキシド(t−Buthyl hydroperoxide(日本油脂社製:パーブチルH−69)、過酸化シクロヘキサノン(Cyclohexanone peroxide)(日本油脂社製:パーヘキサH)、1、1、3、3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−アミルハイドロパーオキサイド、Disuccinic acid peroxide(パーロイルSA)等が挙げられる。
本発明のペースト中における上記(メタ)アクリル樹脂の含有量は特に限定されないが、ペースト全体に対する好ましい下限は5重量%、好ましい上限は30重量%である。5重量%未満であると、得られるペーストの粘度が低すぎてスクリーン脱枠後の基板へのパターン形成能が低下することがある。30重量%を超えると、得られるペースト組成物の粘着力が高すぎて、スクリーン脱枠時に糸曳き等が発生することがある。より好ましい下限は10重量%、好ましい上限は20重量%である。
上記有機溶剤は、分子中に水酸基及び芳香族骨格を含むものである。分子中に水酸基及び芳香族骨格を含む有機溶剤と、上記分子末端にのみ極性官能基を有する(メタ)アクリル樹脂とを組み合わせて用いることにより、有機溶剤と(メタ)アクリル樹脂とを微小相分離状態に維持することが可能となり、得られるペーストの粘度及び粘着性をスクリーン印刷工程に対して好適な状態に保持することができる。その結果、得られるペーストは、スクリーン脱枠時に糸曳き等が発生せず、高精細なパターンを形成することができる。
上記有機溶剤の沸点は、下限が170℃、上限が320℃である。170℃未満であると、スクリーン印刷工程時に、有機溶剤が揮発してペーストの粘着力が上昇し、糸曳き等が発生する。320℃を超えると、焼結時におけるペーストの脱脂性が悪化する。好ましい下限は200℃、好ましい上限は250℃である。
上記有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。中でも、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルが好ましい。これらの有機溶剤は単独で用いられても良いし、2種以上が併用されても良い。
本発明のペースト中における上記有機溶剤の含有量は特に限定されないが、ペースト全体に対する好ましい下限は25重量%、好ましい上限は70重量%である。25重量%未満であると、得られるペースト組成物の粘着力が高すぎて、スクリーン脱枠時に糸曳き等が発生することがある。70重量%を超えると、得られるペーストの粘度が低すぎてスクリーン脱枠後の基板へのパターン形成能が低下することがある。より好ましい下限は35重量%、好ましい上限は65重量%である。
上記無機微粒子としては特に限定されず、例えば、銅、銀、ニッケル、パラジウム等の金属粉末;アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、チタン酸バリウム、窒化アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミック粉末;ケイ酸塩ガラス、鉛ガラス、CaO・Al・SiO系無機ガラス、MgO・Al・SiO系無機ガラス、LiO・Al・SiO系無機ガラス等のガラス粉末;BaMgAl1017:Eu、ZnSiO:Mn、(Y、Gd)BO:Eu等の蛍光体粉末;カーボンブラック粉末、金属錯体粉末等が挙げられる。例えば上記無機微粒子として蛍光体粉末を用いた場合には、本発明のペーストをプラズマディスプレイパネル用途に好適に用いることができる。
上記無機微粒子の粒子径としては特に限定されないが、平均粒子径の好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は20μmである。0.1μm未満であると、ペースト中における分散性に劣ることがあり、20μmを超えると、保存中に沈降してしまい保存安定性に劣ることがある。
本発明のペースト中における上記無機微粒子の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は10重量%、好ましい上限は70重量%である。10重量%未満であると、得られるペーストは、得られるペーストの粘度が低すぎてスクリーン脱枠後の基板へのパターン形成能が低下することがあり、70重量%を超えると、ペースト中に無機微粒子を高分散させることが困難となることがある。より好ましい下限は25重量%、より好ましい上限は55重量%である。
本発明のペーストは、更に、HLB値(Hydrophile−Lipophile Balance、親水親油バランス)が10以上であるノニオン系界面活性剤を含有することが好ましい。このようなノニオン系界面活性剤は、上記(メタ)アクリル樹脂と有機溶剤との混合物相の微小相分離構造の安定化助剤として働くと考えられる。HLB値が10未満であるノニオン系界面活性剤には、このような安定化効果は期待できない。また、HLB値の上限については特に限定されないが、実質的な上限は20である。
上記HLB値とは、界面活性剤の親水性、親油性を表す指標として用いられているものであり、幾つかの算出方法が提案されているが、本明細書においては、ノニオン系界面活性剤の鹸化価をS、界面活性剤を構成する脂肪酸の酸価をAとした時に、20×(1−S/A)として算出されるものとして定義する。
上記ノニオン系界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、脂肪鎖にアルキレンエーテルが付加された化合物が挙げられ、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等が挙げられる。
なお、上記ノニオン系界面活性剤は、大量に添加した場合には、得られるペーストの熱分解性が低下し、脱脂性が損なわれることがある。従って、含有量の好ましい上限はペースト全体に対し5重量%である。
本発明のペーストは、本発明の効果を阻害しない範囲内において、必要に応じて他の従来公知の添加剤を含有してもよい。
本発明のペースト組成物の作製方法としては特に限定されず、例えば、上記(メタ)アクリル樹脂、有機溶剤、無機微粒子及び必要に応じて添加する添加剤を、3本ロール等の従来公知の撹拌機を用いて所定時間撹拌する方法等により製造することができる。
本発明のペースト組成物は、無機微粒子を選択することにより様々な用途に用いることができる。例えば、ガラス粉末を用いたときのガラスペースト、セラミック粉末を用いたときのセラミックペースト、蛍光体粉末を用いたときの蛍光体ペースト、導電性粉末を用いたときの導電ペースト等が挙げられる。特に本発明の無機微粒子分散ペーストは、低温脱脂が可能であることから、熱劣化しやすい蛍光体ペーストとして好適である。
本発明によれば、低温での脱脂性に優れ、かつ、スクリーン印刷性に優れた無機微粒子分散ペースト組成物を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラプルフラスコに、メチルメタクリレート(MMA)100重量部、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール1重量部、有機溶剤としてエチレングリコールモノフェニルエーテル100重量部を加えてモノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。重合開始剤を酢酸エチルで希釈した溶液を加えた。また重合中に重合開始剤を含む酢酸エチル溶液を数回添加した。重合開始から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。これにより、末端に水酸基を有するポリメチルメタクリレートのエチレングリコールモノフェニルエーテル溶液を得た。
得られたポリメチルメタクリレートのエチレングリコールモノフェニルエーテル溶液に対し、表1に記載した組成比になるようにエチレングリコールモノフェニルエーテルを更に添加し、高速分散機で分散させた。更に、ノニオン系界面活性剤として日光ケミカル社製BL−9EX(HLB値=14.5)を、無機微粒子としてZnSiO:Mn微粒子(粒子径1μm)を表1に記載した組成比になるよう添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練した後、3本ロールミルにてなめらかになるまで処理を行い無機微粒子分散ペーストを調製した。
(実施例2〜7、比較例1〜9)
表1に記載された組成比となるように各原料を調整したこと以外は、実施例1と同様にして無機微粒子分散ペーストを作製した。
(評価)
実施例及び比較例で得られた(メタ)アクリル樹脂及びペーストについて、以下の方法により評価を行った。その結果を表2に示した。
(1)(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量の測定
カラムとしてSHOKO社製カラムLF−804を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行った。重量平均分子量は、ポリスチレン換算による算出した。
(2)(メタ)アクリル樹脂の低温脱脂性の評価
熱重量測定装置(商品名:simultaneousSDT2960、TAインスツルメンツ社製)を用い、エアーフローのもと昇温速度10℃/minで23℃から600℃まで加熱を行い、(メタ)アクリル樹脂の熱分解が完全に終了する温度を測定した。その結果、該温度が400℃以下のものを低温での脱脂性に優れる(○)と判断した。
(3)ペーストの微小相分離状態の評価
得られたペーストについて、静的光散乱測定装置(大塚電子社製、DYNA3000)を用いて相関長を測定し、相関長が2μmの場合には微小相分離構造ありと、観測できなかった場合には微小相分離構造なしと判定した。
(4)ペーストの粘度の測定
得られたペーストについて、B型粘度計(商品名:DVII+Pro、BROOK FILED社製)を用い、回転数を50rpmとし、23℃にて粘度測定を行った。
(5)貯蔵安定性
得られたペーストについて、23℃にて1ヶ月貯蔵した後のペーストの相分離性、無機微粒子の沈降の有無を目視にて確認し、以下の基準にて貯蔵安定性を評価した。
○:相分離(油状物の染み出し等)、無機微粒子の沈降の双方が観察された
×:相分離(油状物の染み出し等)、無機微粒子の沈降のいずれかが観察された
(6)スクリーン印刷性
得られたペーストを、スクリーン印刷機(マイクロテック社製「MT−320TV」)、スクリーン製版(東京プロセスサービス社製「SX230°B」乳剤20μ、スクリーン枠:320mm×320mm)、印刷基板(ソーダーガラス:150mm×150mm、厚み:1.5mm)を用いて、温度23℃、湿度50%の環境下、以下のスクリーン印刷機の条件にて印刷を行った。
ギャップ :2.0mm
スキージ速度 :50mm/s
スクレッパー速度:50mm/s
スキージ圧 :0.25MPa
スクレッパー圧 :0.17MPa
背圧 :0.10MPa
ライン/スペースが25μm/100μmのときの印刷状態を目視で確認し、以下の基準にてスクリーン印刷性を評価した。
○:スクリーン脱枠時にペーストの糸曳き等が観察されず、かつ、基板上の印刷パターンがまっすぐな線となり、きれいな印刷が確認された
×1:スクリーン脱枠時にペーストの糸曳き等が観察された
×2:スクリーン脱枠時にペーストの糸曳き等は観察されなかったが、基板上の印刷パターンがかすれたり、点線となったり、線が広がってくっついたりしていた
Figure 0005215696
本発明によれば、低温での脱脂性に優れ、かつ、スクリーン印刷性に優れた無機微粒子分散ペースト組成物を提供することができる。

Claims (4)

  1. 重量平均分子量が10,000〜25,000である分子末端にのみ極性官能基を有する(メタ)アクリル樹脂、沸点が170〜320℃である分子中に水酸基及び芳香族骨格有する有機溶剤、及び、無機微粒子を含有し、B型粘度計を用い、回転数50rpm、23℃で測定した粘度が5500〜8600Pa・sであることを特徴とする無機微粒子分散ペースト。
  2. (メタ)アクリル樹脂は、メチルメタクリレートの重合体であることを特徴とする請求項1記載の無機微粒子分散ペースト。
  3. (メタ)アクリル樹脂は、メチルメタクリレートとイソブチルメタクリレートとの共重合体であることを特徴とする請求項1記載の無機微粒子分散ペースト。
  4. 無機微粒子は、蛍光体粉末であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の無機微粒子分散ペースト。
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