しかしながら、OFDMAのように、複数の周波数チャネルで異なる通信端末装置を割り当てるシステムにおいて、基地局装置が最も良好な伝送特性を得るために適応的なチャネル割り当てを行なう場合、通信端末装置は、すべての周波数チャネルにおける受信品質の測定結果を、周期的に基地局装置に通知する必要がある。このため、上りリンクの制御情報量が増加し、オーバヘッドが大きくなるという問題が生じていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、通信の混雑情況に基づいて、通信端末装置が報告する受信品質の情報量を削減する通信制御装置、通信端末装置、無線通信システムおよび通信方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の通信制御装置は、通信制御装置から通信端末装置への送信が、所定の周波数帯域で定められる二以上のサブチャネルから構成される周波数チャネルを用いて行なわれる無線通信システムに適用される通信制御装置であって、前記通信端末装置へ送信する情報データを各サブチャネルへ割り当てるスケジューリング部と、各サブチャネルの混雑度を示す混雑情報を生成する混雑情報生成部と、生成した混雑情報を含む制御情報を生成する制御情報生成部と、生成した制御情報を前記通信端末装置へ送信する送信部と、前記通信端末装置が前記混雑情報に基づいて選択したサブチャネルを特定する割り当て要求サブチャネル情報を受信する受信部と、を備え、前記スケジューリング部は、受信した割り当て要求サブチャネル情報に基づいて、情報データを各サブチャネルへ割り当てることを特徴としている。
このように、本発明の通信制御装置によれば、通信制御装置は、各サブチャネルの混雑情報(混雑度)を通信端末装置へ通知する。これにより、通信端末装置側は、通知された混雑情報に基づいて、受信品質情報を通知するサブチャネルを決定することができる。従って、通信制御装置は、通信端末装置から受信するフィードバック情報(受信品質情報)量を削減することができるとともに、効率的なスケジューリングを行なうことが可能になる。すなわち、通信端末装置側は、受信品質情報と混雑情報とに基づいてサブチャネルを選択することにより、所定の受信品質を維持しつつ、割り当てられる可能性の高いサブチャネルを選択することになり、通信制御装置側では、すべてのサブチャネルの受信品質情報を解析することなく、通信端末装置が選択したサブチャネルの受信品質情報を解析することにより、所定の受信品質を維持するとともに効率のよいスケジューリングを実現することが可能になる。また、スケジューリング部は、通信端末装置から通知される割り当て要求サブチャネル情報に基づいて、スケジューリングを行なうことにより、効率のよいスケジューリングが可能となる。
(2)また、本発明の通信制御装置において、前記受信部は、選択したサブチャネルの受信品質情報を更に含む割り当て要求サブチャネル情報を受信することを特徴としている。
このように、受信部がサブチャネルの受信品質情報を更に含む割り当て要求サブチャネル情報を受信することにより、スケジューリング部は、更に受信品質情報を考慮してスケジューリングをすることができる。
(3)また、本発明の通信制御装置において、前記混雑情報生成部は、前記通信端末装置が割り当てを要求するサブチャネル数を指定するサブチャネル数情報を決定し、前記送信部は、さらに、決定したサブチャネル数情報を含む制御情報を送信し、前記スケジューリング部は、前記サブチャネル数情報に指定された数のサブチャネルを特定する要求サブチャネル情報に基づいて、情報データを各サブチャネルに割り当てることを特徴としている。
このように、混雑情報生成部は、通信端末装置が通知する割り当て要求サブチャネル情報に含まれるサブチャネル数を指定することができる。これにより、通信状況の混雑状況に基づいて、各端末が要求できるサブチャネル数を調整することができる。また、スケジューリング部は、指定されたサブチャネル数の受信品質情報を解析することになり、効率のよいスケジューリングが可能となる。
(4)また、本発明の通信制御装置において、前記混雑情報生成部は、多段階にクラス分けした混雑情報を生成することを特徴としている。
この構成により、混雑情報生成部は、多段階にクラス分けした混雑情報を通信端末装置へ通知することができる。
(5)また、本発明の通信制御装置において、前記スケジューリング部は、各サブチャネルに割り当てた情報データのうち、送信待ち状態の情報データを保持するサブチャネル毎のバッファを備え、前記混雑情報生成部は、前記バッファに保持されている各サブチャネルの送信待ち状態の情報データ量に基づいて混雑情報を生成することを特徴としている。
このように、混雑情報生成部は、混雑情報として、サブチャネル毎に送信待ち状態の情報データ量がどのくらいあるかに基づいて、混雑状況を判断することができる。これにより、送信待ちの情報データ量が多いサブチャネルを混雑度が大きいとして通信端末装置へ通知することができる。通信端末装置側では、送信待ちの情報データ量の多さに加え、受信品質情報を加味して、割り当て要求サブチャネル情報を生成することができる。
(6)また、本発明の通信制御装置において、前記混雑情報生成部は、各サブチャネルの使用頻度を混雑情報とすることを特徴とする。
このように、混雑情報生成部は、各サブチャネルの使用頻度に基づいて、混雑状況を判断することができる。これにより、使用率の高いサブチャネルを混雑度が大きいとして通信端末装置へ通知することができる。通信端末装置側では、使用率の大きさに加え、受信品質情報を加味して割り当て要求サブチャネル情報を生成することができる。
(7)また、本発明の通信制御装置において、前記通信端末装置との通信は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式を用いて行なうことを特徴とする。
このように、通信制御装置は、OFDMA方式を用いる場合に本発明を適用することができる。
(8)また、本発明の通信端末装置は、通信制御装置から通信端末装置への送信が、所定の周波数帯域で定められる二以上のサブチャネルから構成される周波数チャネルを用いて行なわれる無線通信システムに適用される通信端末装置であって、制御情報を受信する受信部と、各サブチャネルの受信品質を測定して受信品質情報を生成する受信品質測定部と、受信した制御情報に基づいて、割り当てを要求するサブチャネルを割り当て要求サブチャネルとして選択し、選択した割り当て要求サブチャネルを特定する割り当て要求サブチャネル情報を生成するサブチャネル要求生成部と、生成した割り当て要求サブチャネル情報を前記通信制御装置へ送信する送信部と、を備えることを特徴としている。
このように、本発明の通信端末装置によれば、通信端末装置は、制御情報に基づいて、受信品質情報を通知するサブチャネルを決定することができる。従って、通信端末装置は、通信制御装置へ通知するフィードバック情報(受信品質情報)量を削減することができるとともに、通信制御装置側が効率的なスケジューリングを行なうことを可能にする。
(9)また、本発明の通信端末装置は、通信制御装置から通信端末装置への送信が、所定の周波数帯域で定められる二以上のサブチャネルから構成される周波数チャネルを用いて行なわれる無線通信システムに適用される通信端末装置であって、各サブチャネルの混雑度を示す混雑情報を含む制御情報を受信する受信部と、各サブチャネルの受信品質を測定して受信品質情報を生成する受信品質測定部と、受信した制御情報に含まれる混雑情報に基づいて、割り当てを要求するサブチャネルを割り当て要求サブチャネルとして選択し、選択した割り当て要求サブチャネルを特定する割り当て要求サブチャネル情報を生成するサブチャネル要求生成部と、生成した割り当て要求サブチャネル情報を前記通信制御装置へ送信する送信部と、を備えることを特徴としている。
このように、本発明の通信端末装置によれば、通信端末装置は、通知された混雑情報に基づいて、受信品質情報を通知するサブチャネルを決定することができる。従って、通信端末装置は、通信制御装置へ通知するフィードバック情報(受信品質情報)量を削減することができるとともに、通信制御装置側が効率的なスケジューリングを行なうことを可能にする。また、受信品質情報と混雑情報とに基づいてサブチャネルを選択することにより、所定の受信品質を維持しつつ、割り当てられる可能性の高いサブチャネルを選択することが可能になる。
(10)また、本発明の通信端末装置において、前記サブチャネル要求生成部は、選択したサブチャネルに関する受信品質情報を更に含む割り当て要求サブチャネル情報を生成することを特徴としている。
このように、サブチャネル要求生成部は、受信品質情報を更に含む割り当て要求サブチャネル情報を生成することにより、受信品質を通知することができる。
(11)また、本発明の通信端末装置において、前記受信部は、さらに、前記割り当て要求サブチャネルの数を指定するサブチャネル数情報を含む制御情報を受信し、前記サブチャネル要求生成部は、制御情報に含まれるサブチャネル数情報に指定された数のサブチャネルを選択して割り当て要求サブチャネル情報を生成することを特徴としている。
このように、サブチャネル要求生成部は、サブチャネル数情報を通知されることにより、通信制御装置が所望するサブチャネル数を把握することができ、効率のよいスケジューリングにつながることになる。
(12)また、本発明の通信端末装置において、前記サブチャネル要求生成部は、前記混雑情報が所定の混雑度より小さいサブチャネルを選択することを特徴としている。
このように、サブチャネル要求生成部は、混雑度が所定の閾値より小さいサブチャネルを選択することにより、混雑しているサブチャネルを選択することを回避することができる。
(13)また、本発明の通信端末装置において、前記サブチャネル要求生成部は、前記受信品質情報が所定の閾値より大きいサブチャネルを選択することを特徴としている。
このように、サブチャネル要求生成部は、受信品質情報が所定の閾値より大きいサブチャネルを選択することにより、所定の受信品質を維持するサブチャネルを選択することができる。
(14)また、本発明の通信端末装置において、前記サブチャネル要求生成部は、前記混雑情報が所定の混雑度より小さいサブチャネルを選択し、選択したサブチャネルから前記受信品質情報が良好な順番にサブチャネルを選択することを特徴としている。
このように、サブチャネル要求生成部は、混雑度が所定の閾値より小さいサブチャネルであり、受信品質が良好なサブチャネルを順番に選択することができる。
(15)また、本発明の通信端末装置において、前記サブチャネル要求生成部は、前記受信品質情報が所定の値より良好なサブチャネルを選択し、選択したサブチャネルから前記混雑情報が小さい順番にサブチャネルを選択することを特徴としている。
このように、受信品質が良好なサブチャネルが多い場合は、より品質のよいサブチャネルから選択することができる。
(16)また、本発明の通信端末装置において、前記サブチャネル要求生成部は、第一の閾値と前記第一の閾値より大きい第二の閾値とを設定し、前記第一閾値より前記混雑度が小さいサブチャネルを選択し、選択したサブチャネルが所定の受信品質を満たさない場合に、前記第一閾値より大きく前記第二閾値より小さい混雑度を示すサブチャネルが存在する場合、前記第二閾値より小さい混雑度を示すサブチャネルであって前記受信品質情報が所定品質であるサブチャネルを優先して割り当て要求サブチャネルとして選択することを特徴としている。
このように、サブチャネル要求生成部は、混雑度が所定の閾値より小さく、受信品質が所定の品質を示すサブチャネルを選択することができる。これにより、混雑状況と受信品質とのバランスをとってサブチャネルを選択することを判断することができる。
(17)また、本発明の通信端末装置において、前記サブチャネル要求生成部は、前記混雑情報が所定の混雑度より小さいサブチャネルを選択し、選択したサブチャネルに加え、前記混雑情報が所定の混雑度以上のサブチャネルから、前記受信品質情報が良好な順番にサブチャネルを選択することを特徴としている。
このように、サブチャネル要求生成部は、まず、混雑度が第一の閾値より小さいサブチャネルを選択し、次に混雑度が第二の閾値より小さいサブチャネルを、受信品質が良好な順番に選択することができる。これにより、まず混雑度を優先して判断し、次に混雑度と受信品質とを判断してサブチャネルを選択することができる。
(18)また、本発明の通信端末装置において、前記サブチャネル要求生成部は、前記混雑情報に基づく値と、前記受信品質情報に基づく値とを所定の演算式を用いて算出した値が示す順番にサブチャネルを選択することを特徴としている。
このように、サブチャネル要求生成部は、混雑情報と受信品質情報それぞれが示す値を用いて、サブチャネルを選択する指標を算出することができる。これにより、混雑情報と受信品質情報との値を演算式によって数値化し、両方の値を所定の規則に基づいて加味してサブチャネルを選択する指標とすることができる。
(19)また、本発明の通信端末装置において、前記受信部は、各サブチャネルの送信待ち状態の情報データ量を示す値を混雑情報として受信し、前記サブチャネル要求生成部は、前記混雑情報に基づく値として各サブチャネルの送信待ち状態の情報データ量を示す値の逆数を用い、前記受信品質情報に基づく値として各サブチャネルの受信品質測定結果を用い、前記混雑情報に基づく値と前記受信品質情報に基づく値とを乗算した値の大きい順番にサブチャネルを選択することを特徴としている。
このように、サブチャネル要求生成部は、送信待ち状態の情報データ量の逆数と受信品質を示す値とを乗算した算出結果を用いて、サブチャネルを選択する指標を算出することができる。これにより、混雑情報と受信品質情報との値を演算式によって数値化し、両方の値を所定の規則に基づいて加味してサブチャネルを選択する指標とすることができる。
(20)また、本発明の通信端末装置において、前記受信部は、多段階の混雑度の値を含む混雑情報を受信し、前記サブチャネル要求生成部は、前記多段階の混雑度を示す値に基づいて割り当てを要求するサブチャネルを選択することを特徴としている。
このように、受信部は、多段階の混雑度の値を含む混雑情報を受信し、サブチャネル要求生成部は、多段階の混雑度を示す値に基づいて割り当てを要求するサブチャネルを選択するので、情報データ量の多いサブチャネルを避けて選択することが可能になる。
(21)また、本発明の通信端末装置において、前記受信部は、各サブチャネルの使用頻度を示す使用率を混雑情報として受信し、前記サブチャネル要求生成部は、前記使用率と前記受信品質情報とに基づいて割り当て要求チャネルを選択することを特徴としている。
このように、サブチャネル要求生成部は、サブチャネルの使用頻度に基づいて、サブチャネルを選択することができる。
(22)また、本発明の通信端末装置において、前記受信部は、各サブチャネルへ情報データを割り当てた状況を示す割り当て情報を含む制御情報を受信し、前記サブチャネル要求生成部は、前記割り当て情報に基づいて各サブチャネルの使用頻度を示す使用率を算出し、算出した使用率と前記受信品質情報とに基づいて割り当て要求チャネルを選択することを特徴としている。
このように、サブチャネル要求生成部は、使用率が高いサブチャネルを選択しないようにすること、あるいは、使用率が高くても受信品質も良好なサブチャネルは選択するなど、使用率に基づいてサブチャネルを選択することが可能になる。
(23)また、本発明の通信端末装置において、前記サブチャネル要求生成部は、各サブチャネルの受信信号電力を算出し、算出した受信信号電力の値に基づいて各サブチャネルの使用頻度を検出することを特徴としている。
このように、サブチャネル要求生成部は、各サブチャネルの受信信号電力の値に基づいて、各サブチャネルの使用頻度を算出することができる。これにより、混雑状況を取得できない状況においても、各サブチャネルの使用頻度に基づいてサブチャネルを選択することができる。
(24)また、本発明の通信端末装置において、受信品質測定部は、各サブチャネルの受信品質を示す情報として、受信SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)、受信SNR(Signal to Noise Ratio)のいずれかを測定することを特徴としている。
このように、受信品質情報として、SINR,SNRを用いることができる。
(25)また、本発明の無線通信システムは、通信制御装置から通信端末装置への送信が、所定の周波数帯域で定められる二以上のサブチャネルから構成される周波数チャネルを用いて行なわれる無線通信システムであって、前記通信制御装置は、前記通信端末装置へ送信する情報データを各サブチャネルへ割り当てるスケジューリング部と、各サブチャネルの混雑度を示す混雑情報を生成する混雑情報生成部と、生成した混雑情報を含む制御情報を生成する制御情報生成部と、生成した制御情報を前記端末装置へ送信する制御側送信部と、前記通信端末装置が前記混雑情報に基づいて選択したサブチャネルを特定する割り当て要求サブチャネル情報を受信する制御側受信部と、を備え、前記通信端末装置は、前記混雑情報を含む制御情報を受信する端末側受信部と、受信した制御情報に基づいて、各サブチャネルの受信品質を測定して受信品質情報を生成する受信品質測定部と、受信した制御情報に含まれる混雑情報と、生成した受信品質情報とに基づいて、割り当てを要求するサブチャネルを割り当て要求サブチャネルとして選択し、選択した割り当て要求サブチャネルを特定するサブチャネルを含む割り当て要求サブチャネル情報を生成するサブチャネル要求生成部と、生成した割り当て要求サブチャネル情報を前記通信制御装置へ送信する端末側送信部と、を備え、前記スケジューリング部は、前記割り当て要求サブチャネル情報に基づいて情報データの各サブチャネルへの割り当てを決定することを特徴としている。
このように、本発明の無線通信システムによれば、通信制御装置は、各サブチャネルの混雑情報(混雑度)を通信端末装置へ通知する。これにより、通信端末装置側は、通知された混雑情報に基づいて、受信品質情報を通知するサブチャネルを決定することができる。従って、通信制御装置は、通信端末装置から受信するフィードバック情報(受信品質情報)量を削減することができるとともに、効率的なスケジューリングを行なうことが可能になる。すなわち、通信端末装置側は、受信品質情報と混雑情報とに基づいてサブチャネルを選択することにより、所定の受信品質を維持しつつ、割り当てられる可能性の高いサブチャネルを選択することになり、通信制御装置側では、すべてのサブチャネルの受信品質情報を解析することなく、通信端末装置が選択したサブチャネルの受信品質情報を解析することにより、所定の受信品質を維持するとともに効率のよいスケジューリングを実現することが可能になる。
(26)また、本発明の無線通信システムにおいて、前記スケジューリング部は、各サブチャネルに割り当てた情報データのうち、送信待ち状態の情報データを保持するサブチャネル毎のバッファを備え、前記混雑情報生成部は、前記バッファに保持されている各サブチャネルの送信待ち状態の情報データ量に基づいて混雑情報を生成することを特徴としている。
このように、混雑情報生成部は、混雑情報として、サブチャネル毎に送信待ち状態の情報データ量がどのくらいあるかに基づいて、混雑状況を判断することができる。これにより、送信待ちの情報データ量が多いサブチャネルを混雑度が大きいとして通信端末装置へ通知することができる。通信端末装置側では、送信待ちの情報データ量の多さに加え、受信品質情報を加味して、割り当て要求サブチャネル情報を生成することができる。
(27)また、本発明の無線通信システムにおいて、前記混雑情報生成部は、各サブチャネルの使用頻度を示す混雑情報を生成することを特徴としている。
このように、混雑情報生成部は、各サブチャネルの使用頻度に基づいて、混雑状況を判断することができる。これにより、使用率の高いサブチャネルを混雑度が大きいとして通信端末装置へ通知することができる。通信端末装置側では、使用率の大きさに加え、受信品質情報を加味して割り当て要求サブチャネル情報を生成することができる。
(28)また、本発明の通信方法は、通信制御装置から通信端末装置への送信が、所定の周波数帯域で定められる二以上のサブチャネルから構成される周波数チャネルを用いて行なわれる無線通信システムに適用される通信制御装置の通信方法であって、各サブチャネルの混雑度を示す混雑情報を生成し、生成した混雑情報を含む制御情報を生成し、生成した制御情報を前記端末装置へ送信することを特徴としている。
このように、本発明の通信方法によれば、通信制御装置は、各サブチャネルの混雑情報(混雑度)を通信端末装置へ通知する。これにより、通信端末装置側は、通知された混雑情報に基づいて、受信品質情報を通知するサブチャネルを決定することができる。従って、通信制御装置は、通信端末装置から受信するフィードバック情報(受信品質情報)量を削減することができるとともに、効率的なスケジューリングを行なうことが可能になる。すなわち、通信端末装置側は、受信品質情報と混雑情報とに基づいてサブチャネルを選択することにより、所定の受信品質を維持しつつ、割り当てられる可能性の高いサブチャネルを選択することになり、通信制御装置側では、すべてのサブチャネルの受信品質情報を解析することなく、通信端末装置が選択したサブチャネルの受信品質情報を解析することにより、所定の受信品質を維持するとともに効率のよいスケジューリングを実現することが可能になる。
(29)本発明の通信方法は、通信制御装置から通信端末装置への送信が、所定の周波数帯域で定められる二以上のサブチャネルから構成される周波数チャネルを用いて行なわれる無線通信システムに適用される通信端末装置の通信方法であって、各サブチャネルの混雑度を示す混雑情報を含む制御情報を受信し、各サブチャネルの受信品質を測定して受信品質情報を生成し、受信した制御情報に含まれる混雑情報と、生成した受信品質情報とに基づいて、割り当てを要求するサブチャネルを割り当て要求サブチャネルとして選択し、選択した割り当て要求サブチャネルを特定するサブチャネルを含む割り当て要求サブチャネル情報を生成し、生成した割り当て要求サブチャネル情報を前記通信制御装置へ送信することを特徴としている。
このように、本発明の通信方法によれば、通信端末装置は、通知された混雑情報に基づいて、受信品質情報を通知するサブチャネルを決定することができる。従って、通信端末装置は、通信制御装置へ通知するフィードバック情報(受信品質情報)量を削減することができるとともに、通信制御装置側が効率的なスケジューリングを行なうことを可能にする。また、受信品質情報と混雑情報とに基づいてサブチャネルを選択することにより、所定の受信品質を維持しつつ、割り当てられる可能性の高いサブチャネルを選択することが可能になる。
(0−1)また、本発明の通信制御装置は、所定の周波数帯域で定められる二以上のサブチャネルから構成される周波数チャネルを用いて通信端末装置と通信を行なう通信制御装置であって、前記通信端末装置へ送信する情報データを各サブチャネルへ割り当てるスケジューリング部と、各サブチャネルの混雑度を示す混雑情報を生成する混雑情報生成部と、生成した混雑情報を含む制御情報を生成する制御情報生成部と、生成した制御情報を前記端末装置へ送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
このように、本発明の通信制御装置によれば、通信制御装置は、各サブチャネルの混雑情報(混雑度)を通信端末装置へ通知する。これにより、通信端末装置側は、通知された混雑情報に基づいて、受信品質情報を通知するサブチャネルを決定することができる。従って、通信制御装置は、通信端末装置から受信するフィードバック情報(受信品質情報)量を削減することができるとともに、効率的なスケジューリングを行なうことが可能になる。すなわち、通信端末装置側は、受信品質情報と混雑情報とに基づいてサブチャネルを選択することにより、所定の受信品質を維持しつつ、割り当てられる可能性の高いサブチャネルを選択することになり、通信制御装置側では、すべてのサブチャネルの受信品質情報を解析することなく、通信端末装置が選択したサブチャネルの受信品質情報を解析することにより、所定の受信品質を維持するとともに効率のよいスケジューリングを実現することが可能になる。
(0−2)また、本発明の通信制御装置において、前記通信端末装置が前記混雑情報に基づいて選択したサブチャネルを特定するサブチャネル番号を含む割り当て要求サブチャネル情報を受信する受信部を、更に備え、前記スケジューリング部は、受信した割り当て要求サブチャネル情報に基づいて、情報データを各サブチャネルへ割り当てることを特徴とする。
このように、スケジューリング部は、通信端末装置から通知される割り当て要求サブチャネル情報に基づいて、スケジューリングを行なうことにより、効率のよいスケジューリングが可能となる。
(0−6)また、本発明の通信制御装置において、前記混雑情報生成部は、前記送信待ち状態のデータ量に応じて多段階にクラス分けした結果を示す値を混雑情報して生成することを特徴とする。
このように、混雑情報生成部は、送信待ち状態の情報データ量と、情報データ量を所定の閾値で評価して多段階にクラス分けした値とのいずれかを通信端末装置へ通知することができる。
(0−9)また、本発明の通信端末装置は、所定の周波数帯域で定められる二以上のサブチャネルから構成される周波数チャネルを用いて通信制御装置と通信を行なう通信端末装置であって、各サブチャネルの混雑度を示す混雑情報を含む制御情報を受信する受信部と、受信した制御情報に基づいて、各サブチャネルの受信品質を測定して受信品質情報を生成する受信品質測定部と、受信した制御情報に含まれる混雑情報と、生成した受信品質情報との少なくとも一方に基づいて、割り当てを要求するサブチャネルを割り当て要求サブチャネルとして選択し、選択した割り当て要求サブチャネルを特定するサブチャネル番号と、選択したサブチャネルに関する受信品質情報とを含む割り当て要求サブチャネル情報を生成するサブチャネル要求生成部と、生成した割り当て要求サブチャネル情報を前記通信制御装置へ送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
このように、本発明の通信端末装置によれば、通信端末装置は、通知された混雑情報に基づいて、受信品質情報を通知するサブチャネルを決定することができる。従って、通信端末装置は、通信制御装置へ通知するフィードバック情報(受信品質情報)量を削減することができるとともに、通信制御装置側が効率的なスケジューリングを行なうことを可能にする。また、受信品質情報と混雑情報とに基づいてサブチャネルを選択することにより、所定の受信品質を維持しつつ、割り当てられる可能性の高いサブチャネルを選択することが可能になる。
(0−11)また、本発明の通信端末装置において、前記サブチャネル要求生成部は、全サブチャネルの数より少ない数のサブチャネルを選択して割り当て要求サブチャネル情報を生成することを特徴とする。
このように、サブチャネル要求生成部は、混雑情報と受信品質情報とに基づいてサブチャネルを選択するため、割り当てられる可能性の高いサブチャネルを選択することができる。これにより、全サブチャネルの受信品質情報を通信制御装置へ通知する必要性がなくなる。
(0−12)また、本発明の通信端末装置において、前記受信部は、さらに、前記割り当て要求サブチャネルの数を指定するサブチャネル数情報を含む制御情報を受信し、前記サブチャネル要求生成部は、制御情報に含まれるサブチャネル数情報に指定された数または指定された数より少ない数のサブチャネルを選択して割り当て要求サブチャネル情報を生成することを特徴とする。
このように、サブチャネル要求生成部は、サブチャネル数情報を通知されることにより、通信制御装置が所望するサブチャネル数を把握することができ、効率のよいスケジューリングにつながることになる。
(0−21)本発明の通信端末装置において、前記受信部は、各サブチャネルの送信待ち状態の情報データ量、または、前記送信待ち状態のデータ量に応じて多段階にクラス分けした結果を示す値の少なくとも一方を各サブチャネルの送信待ち状態の情報データ量を示す値として含む混雑情報を受信し、前記サブチャネル要求生成部は、前記各サブチャネルの送信待ち状態の情報データ量を示す値に基づいて割り当てを要求するサブチャネルを選択することを特徴とする。
このように、サブチャネル要求生成部は、送信待ち状態の情報データ量に基づいて、サブチャネルを選択することができる。これにより、情報データ量の多いサブチャネルを避けて選択することが可能になる。
(0−26)また、本発明の無線通信システムは、所定の周波数帯域で定められる二以上のサブチャネルから構成される周波数チャネルを用いて通信制御装置と通信端末装置との間で通信を行なう無線通信システムであって、前記通信制御装置は、前記通信端末装置へ送信する情報データを各サブチャネルへ割り当て情報データを各サブチャネルへ割り当てるスケジューリング部と、各サブチャネルの混雑度を示す混雑情報を生成する混雑情報生成部と、生成した混雑情報を含む制御情報を生成する制御情報生成部と、生成した制御情報を前記端末装置へ送信する制御側送信部と、を備え、前記通信端末装置は、前記混雑情報を含む制御情報を受信する端末側受信部と、受信した制御情報に基づいて、各サブチャネルの受信品質を測定して受信品質情報を生成する受信品質測定部と、受信した制御情報に含まれる混雑情報と、生成した受信品質情報とに基づいて、割り当てを要求するサブチャネルを割り当て要求サブチャネルとして選択し、選択した割り当て要求サブチャネルを特定するサブチャネル番号を含む割り当て要求サブチャネル情報を生成するサブチャネル要求生成部と、生成した割り当て要求サブチャネル情報を前記通信制御装置へ送信する端末側送信部と、を備えることを特徴とする。
このように、本発明の無線通信システムによれば、通信制御装置は、各サブチャネルの混雑情報(混雑度)を通信端末装置へ通知する。これにより、通信端末装置側は、通知された混雑情報に基づいて、受信品質情報を通知するサブチャネルを決定することができる。従って、通信制御装置は、通信端末装置から受信するフィードバック情報(受信品質情報)量を削減することができるとともに、効率的なスケジューリングを行なうことが可能になる。すなわち、通信端末装置側は、受信品質情報と混雑情報とに基づいてサブチャネルを選択することにより、所定の受信品質を維持しつつ、割り当てられる可能性の高いサブチャネルを選択することになり、通信制御装置側では、すべてのサブチャネルの受信品質情報を解析することなく、通信端末装置が選択したサブチャネルの受信品質情報を解析することにより、所定の受信品質を維持するとともに効率のよいスケジューリングを実現することが可能になる。
本発明によれば、通信の混雑情況に基づいて、通信端末装置が報告する受信品質の情報量を削減することができる。これにより、通信端末装置から通信制御装置へ通知する制御情報量を抑制し、効率的なスケジューリングを可能にする。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する各実施形態では、OFDMAシステムにおいて、通信制御装置は、サブチャネル(サブキャリア)毎の混雑状況を報知し、通信端末装置は、各サブチャネル(サブキャリア)の受信品質および混雑状況を考慮して、割り当て要求を行なうサブチャネル(サブキャリア)を効率よく選択する手法ついて説明する。混雑状況としては、サブチャネル毎にバッファリングされている伝送予定データ量、あるいは、各サブチャネルの使用頻度等などがある。
各実施形態では、一定の周波数帯域で定められる二以上のサブチャネルから構成される周波数チャネルを用いて、複数の通信装置の間で通信を行なう無線通信システムにおいて、各サブチャネルにデータを割り当てるスケジューリングに関し、混雑度を示す混雑情報を用いてスケジューリングを行なう。以下では、説明をわかりやすくするために、スケジューリング機能を有する通信装置を通信制御装置とし、通信制御装置がスケジューリングを行なうときに用いる受信品質を通知する受信品質通知機能を有する通信装置を通信端末装置として説明する。しかしながら、一つの通信装置がスケジューリング機能と受信品質通知機能とを備えることを排除するものではなく、二つの機能を備え、スケジューリング機能を実施する期間と受信品質通知機能を有する期間とがあり、二つの機能を実現するような通信装置であってもよい。また、本発明は、通信制御装置と通信端末装置の区別がなく、通信装置同士の一方がスケジューリング機能を有し、他方の通信装置が受信品質通知機能を有する通信装置に適用できるものであり、複数の通信装置同士が対等な関係にある場合にも適用される。
各実施形態では、通信制御装置は基地局を想定し、通信端末装置は端末(移動局、例えば、携帯電話、無線機、携帯端末等を含む)を想定する態様を一例として説明するが、これに限られるわけではない。また、通信端末装置は、端末と記すこともある。
また、以下に説明する各実施形態では、OFDMA通信システムを一例として適用して説明するが、これに限られるわけではない。混雑情報を用いて、複数のサブチャネルへデータを割り当てるスケジューリングを行なう通信装置、無線通信システム、または、通信方法であれば本発明を適用することができる。
さらに、各実施形態では、各周波数チャネルの受信品質(チャネル品質)を表す情報の一例として、各周波数チャネルのSINR(Signal to Interference and Noise Ratio)を用いて説明する。しかしながら、受信品質は、SINRに限られるものではなく、受信信号電力とキャリア信号電力から算出される伝搬路品質、または、受信データの誤り量から算出される受信データ品質などを用いることができる。例えば、受信信号電力とキャリア信号電力から算出される伝搬路品質として、SNR(Signal to Noise Ratio)、SIR(Signal to Interference Ratio)、CINR(Carrier to Interference and Noise Ratio)、CNR(Carrier to Noise Ratio)、CIR(Carrier to Interference Ratio)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)を用いてもよく、また、受信データの誤り量から算出される受信データ品質を示す指標として、BER(Bit Error Rate)、PER(Packet Error Rate)、BLER(Block Error Rate)などを用いることが可能である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、無線通信システムは、OFDMA通信方式を一例として適用し、M(>1)個のサブチャネルが存在し、通信制御装置は通信端末装置が測定するサブチャネル毎の受信品質情報を特定のフレームにおいてN(<M)個要求する例を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信制御装置の構成の一例を示すブロック図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る通信端末装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す通信制御装置100は、スケジューリング部101、マルチプレックス部102、混雑情報生成部103、制御情報生成部104、スイッチ(SW)105、誤り訂正符号部106、マッピング部107、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)部108、ガードインターバル(GI:Guard Interval)挿入部109、D/A(Digital/Analog)変換部110、送信部(無線送信部、制御側送信部)111、アンテナ部(制御側アンテナ部)112および受信部(アップリンク受信部、制御側受信部)113を備える。
図2に示す通信端末装置200は、アンテナ部(端末側アンテナ部)201、受信部(無線受信部、端末側受信部)202、A/D(Analog/Digital)変換部203、同期部204、ガードインターバル(GI)除去部205、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)部206、伝搬路推定部207、デマッピング部208、誤り訂正復号部209、スイッチ(SW)210、デマルチプレックス部211、サブチャネル選択部212、制御情報デコード部213、受信品質測定部214、サブチャネル要求生成部215、制御部216、および、送信部(アップリンク送信部、端末側送信部)217を備える。
また、以下の説明では、通信端末装置200を一つ示して説明するが、通信端末装置200は、複数存在し、通信制御装置100は、複数の通信端末装置200と信号を送受信することができるものであり、以下の各実施形態でも同様である。
まず、通信制御装置100について説明する。スケジューリング部101は、各通信端末装置200を宛先とする情報データをバッファリングし、通信端末装置200からフィードバックされる各サブチャネルの受信品質情報(受信品質測定結果、チャネル品質情報)を基に各サブチャネルにデータを割り当て、周波数チャネル内のサブチャネルの割り当てを決め、決められた割り当てを割り当て情報として生成する。スケジューリング部101は、サブチャネル毎に送信待ちバッファ(バッファ、記憶領域)を備え、送信待ち状態の情報データをサブチャネル毎に一時的に保持する。また、本実施形態では、通信端末装置200から送信される割り当て要求サブチャネル情報に基づいてデータを割り当て、割り当て情報を生成する。この点については、後述する。
マルチプレックス部102は各サブチャネルに対する送信データをまとめる。混雑情報生成部103は、スケジューリング部101が生成した割り当て情報に基づいて各サブチャネルの混雑度合いを示す混雑情報を生成する。混雑度は、情報データがバッファリングされている量(混雑状況)に基づいて、混雑の度合いを示す。例えば、バッファリングされている量に基づいて、三つの段階に分け(所定の閾値で区分して)、混雑度A、混雑度B、混雑度Cのように示す。
制御情報生成部104はスケジューリング部101が生成した割り当て情報と混雑情報生成部103が生成した混雑情報に基づいてフレーム先頭に配置する制御情報を生成する。スイッチ部105は後段(誤り訂正符号部106以降の構成要素)に送る信号を制御情報と情報データとで切り替える。誤り訂正符号部106はデータに対し誤り訂正符号化処理を施す。マッピング部107はスケジューリング部101の割り当て情報に基づき各サブキャリアに対して情報ビットを割り当てる。IFFT部108はサブキャリア毎の信号を時間軸信号に変換する。ガードインターバル挿入部109はガードインターバルを付加する。D/A変換部110は、デジタル信号をアナログ信号に変換する。送信部111は、D/A変換部110から出力されたベースバンド信号を使用するRF(Radio Frequency)帯に変換し、必要な電力まで増幅する。アンテナ部112は送信部111の出力を空中に送信するためのアンテナを備える。受信部113は端末から送信されたアップリンク信号を受信し、チャネル品質情報や情報データを復調する。
なお、スケジューリングの対象となる情報データは、優先接続などのバックボーン通信回線を介して受信(取得)した情報データ、あるいは、通信端末装置200から送信され、受信部113が受信した情報データなどであり、スケジューリング部101が処理する。
次に、通信端末装置200について説明する。アンテナ部201は信号を受信するアンテナを備える。受信部202は、アンテナ部201で受信した信号から必要な信号を取り出し、ベースバンド信号に変換する。A/D変換部203は、受信部202から出力されるベースバンド信号をデジタル信号に変換する。同期部204は、A/D変換部203から出力される信号を観測し、OFDMシンボル単位の同期タイミングを検出する。ガードインターバル除去部205は同期部204の同期タイミングに従ってOFDMシンボルのガードインターバルの除去を行なう。FFT部206は、ガードインターバルを除去した信号に対しFFT(高速フーリエ変換)を施し、各サブキャリア単位の信号に変換する。
伝搬路推定部207は、受信信号より伝搬路を推定し、推定結果を利用してサブキャリア毎の信号を補正する。デマッピング部208は、各サブキャリアに割り当てられている情報ビットを取り出し、並べなおす。誤り訂正復号部209は、誤り訂正復号を行ない、受信誤りの訂正を行なう。スイッチ部210は、受信信号をデマルチプレックス部211と制御情報デコード部213に切り替えて入力する。受信信号のうち、情報データ部分はデマルチプレックス部211へ入力され、制御情報部分は、制御情報デコード部213へ入力される。デマルチプレックス部211は、復号した受信信号をサブチャネル毎に分割する。
サブチャネル選択部212は、制御情報に従って各サブチャネルから必要な情報を取り出す。制御情報デコード部213は、フレームの制御情報を復調して各ブロックに伝える。具体的には、制御情報デコード部213は、制御情報を制御部216へ通知し、制御情報に含まれる混雑情報を抽出して、抽出した混雑情報をサブチャネル要求生成部215へ通知する。受信品質測定部214は、FFT部206の出力と伝搬路推定部207の出力から各サブチャネルの受信品質を測定し、測定した受信品質測定結果をサブチャネル要求生成部215と制御部216に伝える。
サブチャネル要求生成部215は、制御情報デコード部213から出力される情報(混雑情報)から各サブチャネルの混雑状況の判定を行ない、受信品質測定部214から出力される各サブチャネルの受信品質情報(チャネル品質情報)と各サブチャネルの混雑状況とに基づいて、送信要求を行なう(割り当てを要求する)サブチャネルを指定する割り当て要求サブチャネル情報を生成する。割り当て要求サブチャネル情報は、割り当てを要求するサブチャネルを示すサブチャネルのID(サブチャネルを識別する識別子、サブチャネル番号)と、前記サブチャネルに関する受信品質を示す受信品質情報とを含む(サブチャネルIDと受信品質情報との組み合わせ)。なお、割り当て要求サブチャネル情報は、少なくともサブチャネルIDを含み、受信品質情報が無い場合であってもよい(サブチャネルIDのみ)。制御部216は各ブロックの出力を監視しながら各ブロックの動作を制御すると共に、割り当て要求サブチャネル情報を含むアップリンク送信内容を制御する。割り当てを要求するサブチャネルを割り当て要求サブチャネルと称す。送信部217は通信制御装置に対してアップリンクデータを送信する。
次に、本実施形態の無線通信システムの動作について図3、図4を用いて説明する。図3は、本実施形態の無線通信システムの動作の一例を示すフローチャートである。図4は、本実施形態の通信端末装置が受信品質を通知するサブチャネルを選択する動作の一例を示すフローチャートである。前述したように無線通信システムは、M(M>1)個のサブチャネルから構成される周波数チャネルを用いて通信を行ない、通信端末装置200は、N(N<M)個のサブチャネルの受信品質情報を通信制御装置100へ通知することを前提とする。
通信制御装置100において、混雑情報生成部103は、フレーム送信毎にサブチャネル毎のスケジューリング部101に保持する送信待ちバッファを確認し、サブチャネル毎の混雑状況でクラス分けを行ない、混雑情報を生成する(ステップS31)。本実施形態では混雑情報生成部103は、混雑状況を3つのクラスに分けるものとし、クラスAは非常に混雑、クラスBは混雑、クラスCは余裕ありとする。生成した混雑情報は報知チャネルとして、毎フレーム送信するものとする(ステップS32)。報知チャネルは、通信制御装置100からの信号を受信可能な範囲に存在するすべての通信端末装置200が受信可能なチャネルである。本実施形態では毎フレーム送信するとしているが、報知チャネルの容量が少ないときは複数フレームに分割して送信する、または、複数フレームに一度送信するなどの方法を用いても良い。
図5は、混雑情報を含む制御情報の一例を示す図である。図5は、複数のスロットから構成されるフレームを用いて通信を行なう場合に、複数のスロットの内、制御情報が割り当てられた制御スロットの構成の一例を示している。本明細書では、スロットは、一定の時間長で定められる一つ以上の時間チャネルと、一定の周波数帯域で定められる一つ以上の周波数チャネルとによって特定されるものとする。
制御情報は、チャネル品質測定用信号501、共通制御情報502、混雑情報503、スロット割当情報504を含む。また、サブチャネル505で示した範囲は、サブチャネル毎の情報の単位を示す。チャネル品質測定用信号501は、各サブチャネルの受信品質を測定する信号である。一例として数サブキャリアおきに送信しないサブキャリアを設けて受信時に送信したキャリアと送信しないキャリアの電力を比較する電力比(受信電力比)という方法がある。具体的には、送信するチャネル品質測定用信号中のサブキャリア群の中に電力が乗っているサブキャリアと電力が乗っていないサブキャリアを用意し、受信側で受信信号中のサブキャリアの受信電力比からSINRを求める。共通制御情報502は通信制御装置ID番号や現在の時刻情報など全通信端末装置200で共有される情報が含まれる。混雑情報503は、サブチャネル毎に用意され、各サブチャネル505の範囲に配置される。スロット割当情報504は後続のデータスロットに対しどの通信端末装置200が割り当てられ、変調方式が何であるかを示す情報が含まれる。スロット割当情報504もサブチャネル毎に用意される。
受信部113は、通信端末装置200からデータを受信し、受信したデータが、割り当て要求チャネル情報と受信品質情報とを含む受信品質通知フレームであるかを確認する(ステップS33)。受信部113は、数フレーム毎に一度、受信品質通知フレームを受信する。受信品質通知フレームである場合(ステップS33でYES)、受信部113は、受信品質通知フレームから割り当て要求サブチャネル情報(要求されたサブチャネルのIDと受信品質情報)を抽出し、スケジューリング部101へ通知する。受信部113は、各通信端末装置200からの受信品質情報をN個受信する(ステップS34)。以降次の受信品質通知フレームがくるまで、受信したSINR情報に基づいてチャネルを振り分け端末との通信を行なう。通信制御装置100は、フレームを送信する度に、ステップS31からステップS34の動作を繰り返す。
一方、通信端末装置200において、受信品質測定部214は、FFT部206から出力される信号と伝搬路推定部207から出力される信号とに基づいて、受信品質を測定する(ステップS41)。受信品質の測定は、通信制御装置100から送信される制御信号が用いられる。制御信号は、通信端末装置200が既知である情報(例えば、SINR測定用信号)を含む。FFT部206および伝搬路推定部207から出力される信号は、受信部202が受信した制御信号に基づく信号である。受信品質測定部214は、測定した受信品質測定結果をサブチャネル要求生成部215と制御部216へ通知する。次に、サブチャネル要求生成部215は、測定した受信品質測定結果を通信制御装置100へ通知するサブチャネルを選択(決定)する(ステップS42)。ここでは、サブチャネル要求生成部215は、N個のサブチャネルを選択する。ステップS42については、図4を用いて後述する。制御部216は、受信品質通知フレームを検出し(ステップS43)、検出した受信品質通知フレームを用いて選択されたN個のサブチャネルIDと各サブチャネルの受信品質情報(割り当て要求サブチャネル情報)を通信制御装置100に送信する(ステップS44)。
次に、図4を用いて、サブチャネル選択の手順を説明する。サブチャネル要求生成部215は、制御情報デコード部213から制御情報に含まれる混雑情報を取得し、取得した混雑情報に基づいて、混雑度がAとA以外のサブチャネルに分ける(ステップS421)。混雑度A以外のサブチャネルの数L個がN個以上の場合(ステップS424でYES)、サブチャネル要求生成部215は、L個のサブチャネル中、受信品質測定結果の高い順にN個を選択して通知候補とする(ステップS425)。次に、サブチャネル要求生成部215は、N個のサブチャネル中に混雑度Bのサブチャネルがあるかを検索する(ステップS426)。混雑度Bのサブチャネルがある場合(ステップS426でYES)、サブチャネル要求生成部215は、混雑度Cのサブチャネルと混雑度Bのサブチャネルとの受信品質測定結果の差を比較する(ステップS427)。具体的には、混雑度Cのサブチャネルと混雑度BのサブチャネルのSINR差を算出し、算出した差がXdB(Xは、閾値)以内の場合(ステップS427でYES)、サブチャネル要求生成部215は、該当するサブチャネル(SINR差がXdB以内の混雑度Cのサブチャネル)を全て候補サブチャネルとしている混雑度Bのチャネルと入れ替える(ステップS428)。サブチャネル要求生成部215は、選択した候補サブチャネルを通知チャネルに決定する(ステップS429)。
また、混雑度A以外のサブチャネルの数L個がN個より小さい場合(ステップS424でNO)、サブチャネル要求生成部215は、L個のサブチャネルを候補チャネルに決定する(ステップS422)。次に、サブチャネル要求生成部215は、候補サブチャネルとして不足分となる(N−L)個のサブチャネルを混雑度Aのサブチャネルから受信品質測定結果(SINR)の高い順に候補サブチャネルとして決定し(ステップS423)、先に選択したL個のサブチャネルとあわせて最終的な通知サブチャネルに決定する(ステップS429)。また、サブチャネル要求生成部215は、ステップS426で混雑度Bのサブチャネルが候補サブチャネルに含まれない場合(ステップS426でNO)、即ち、候補サブチャネルが全て混雑度Cの場合は、ステップS429でそれらを通知サブチャネルとして、決定する。
このように、通信制御装置100は、各サブチャネルの混雑情報(混雑度)を通信端末装置200へ通知し、通信端末装置200は、通知された混雑情報に基づいて、受信品質情報を通知するサブチャネルを決定する。これにより、通信端末装置200から通信制御装置100に通知するフィードバック情報(受信品質情報)を削減し、通信制御装置100で効率的なスケジューリングを行なうことが可能になる。また、サブチャネル要求生成部215、受信品質情報が所定の値より良好なサブチャネルを選択し、選択したサブチャネルから混雑情報が小さい順番にサブチャネルを選択することもできる。
また、受信品質情報と混雑情報とに基づいてサブチャネルを選択することにより、所定の受信品質を維持しつつ、割り当てられる可能性の高いサブチャネルを選択することが可能になる。
なお、上記実施形態では、通信端末装置200は、混雑情報と受信品質情報とに基づいて所定の数の割り当て要求サブチャネルを選択する例を説明した。選択するサブチャネルの数については、通信端末装置200で所定の数を決めてもよいし、通信制御装置100から指定される場合であってもよい。たとえば、通信制御装置100の混雑情報生成部103(あるいは、スケジューリング部101)が割り当てを要求するサブチャネルの数を指定するサブチャネル数情報を生成し、制御情報生成部104は、サブチャネル数情報を制御情報に含めて通信端末装置200へ通知する。通信端末装置200の制御情報デコード部213は、制御情報から混雑情報とともにサブチャネル数情報を抽出してサブチャネル要求生成部215へ通知し、サブチャネル要求生成部215は、サブチャネル数情報に指定された数のサブチャネルを選択する。これにより、通信制御装置100側で割り当て要求サブチャネル情報に含まれるサブチャネルの数を調整することが可能になる。従って、通信制御装置100は、所望の数の受信品質情報を取得することが可能になり、効率よいスケジューリングを行なうことができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、送信待ち状態になっているデータ量によって混雑状況を判断する。本実施形態では、図1および図2に示した通信制御装置100、通信端末装置200と同様の構成を用いて説明する。図6は、本実施形態の無線通信システムの動作の一例を示すフローチャートである。
通信制御装置100において、送信部111は、制御信号を通信端末装置200へ送信する(ステップS51)。制御信号は、セル内のスロット割り当て情報やSINR測定用信号(受信品質情報の一例)、および、バッファリングデータ量情報を含む。バッファリングデータ量情報は、スケジューリング部101が保持する各サブチャネルの送信待ちバッファにどれだけのデータが送信待ち状態で保持されているかを示す。制御信号は、定期的に通信制御装置100から通信端末装置200へ送信される。本実施形態におけるバッファリングデータ量はbyte単位で表されるものとする。本実施形態ではこのバッファリングデータ量を混雑状況の指標、混雑情報として使用する。
図7は、スケジューリング部101の内部構成の一例を示す図である。ここでは、3つ通信端末装置200向けの信号を4つのサブチャネルに割り当てる場合を示す。通信端末装置200として、端末A、端末B、端末Cの3つを用いて説明する。スケジューリング部101は、サブチャネル選択部701、バッファ(送信待ちバッファ)702a〜702d、スロット割当部703を備える。サブチャネル選択部701は、各端末からの情報データを入力し、各端末向けの情報データを送信するサブチャネルを選択し、選択したサブチャネルの情報データを保持するバッファ702a〜702dへ振り分ける。バッファ702a〜702dは、サブチャネル毎に送信待ちのデータを保持(格納)する送信待ちバッファである。バッファ702a〜702dは、一例としてFIFO(First In First Out)方式の記憶領域となっている。スロット割当部703は、各バッファに振り分けられた情報データをスロットへ割り当てる。割り当てられた情報データは、バッファ702a〜702dから読み出され、各端末へ送信されることになる。
バッファ702a〜702dは、サブチャネル選択部701が振り分けた情報データのうち、スロット割当部703が読み出していない情報データの量をバッファリングデータ量情報とする。バッファリングデータ量はその時々の各端末に対する送信要求データ量とスロット割当量に依存して変化する。送信要求に対しスロット割当量が多ければバッファリングデータ量は減り、送信要求に対してスロット割当量が少なければバッファリングデータ量は増える。図8は、バッファリングデータ量の推移の一例を示す図である。バッファリングデータ量は、スケジューリング部101から制御情報生成部104へ通知される。制御情報生成部104は、通知されたバッファリング量情報を含む制御情報を生成し、生成された制御情報は、ステップS51にて制御信号として各端末へ送信される。
次に、制御信号を受信した各通信端末装置200の動作を説明する。受信部202は、制御信号を受信し(ステップS61)、受信品質測定部214は、受信した制御信号に含まれるSINR測定用信号を用いて各サブチャネルの受信SINRの測定を行ない(ステップS62)、測定された各サブチャネルの受信SINR値を記憶する。次に、制御情報デコード部213は、セル内のスロット割り当て情報や各サブチャネルのバッファリングデータ量情報の復調を行なう(ステップS63)。バッファリングデータ量は、送信待ち状態のデータがサブチャネルに全くない場合には0byteに設定されている。
サブチャネル要求生成部215は、バッファリングデータ量が0byteとなっているサブチャネルの有無を判断する(ステップS64)。バッファリングデータ量が0byteとなっているサブチャネルがない場合(ステップS64でNO)、ステップS66へ移る。一方、バッファリングデータ量が0byteとなっているサブチャネルがある場合(ステップS64でYES)、ステップS65へ移り、サブチャネルのバッファリングデータ量を1に変更した後、ステップS66へ移る。ステップS66では、先に測定されたサブチャネル毎の受信SINR値と、各サブチャネルのバッファリングデータ量の逆数を乗算する。この演算で用いる(式1)を次に示す。
バッファリングデータ量の逆数×測定された受信SINR値・・・・・(式1)
(式1)の演算により、各サブチャネルの受信SINRには、各サブチャネルのバッファリングデータ量に反比例する重みが乗算されることとなり、バッファリングデータ量が少ないサブチャネルには高い値が、バッファリングデータ量が多いサブチャネルには低い値がそれぞれ乗算される。
サブチャネル要求生成部215は、各サブチャネルにおける(式1)の演算結果が高い上位N個のサブチャネルを選択し(S67)、選択されたNサブチャネルのうちいずれか(1つまたは複数)のサブチャネルの割り当てを希望する(要求する)割り当て要求サブチャネル情報を生成し、生成した割り当て要求サブチャネル情報を、送信部217を介して通信制御装置100に通知する(ステップS68)。割り当て要求サブチャネル情報は、該当サブチャネルのサブチャネルIDと、前記サブチャネルIDに対応する受信品質情報(受信SINR)との組み合わせである。
通信制御装置100の受信部113は、ステップS68において送信された割り当て要求情報と割り当てを要求する各サブチャネルの受信SINRを受信する(ステップS52)。これにより、通信制御装置100は、各通信端末装置200がそれぞれ割り当てを希望するサブチャネルを全て把握することができる。
このような手順の後、各通信端末装置200から通知された情報を基に効率の良いスロット割り当てが通信制御装置において行なわれることとなる。
このように、本実施形態では、各サブチャネルのバッファに送信待ち状態で保持されているデータ(バッファリングデータ)量の逆数を、各通信端末装置200で測定された各サブチャネルの受信SINR値に乗算した結果を基に、割り当て要求を行なうサブチャネルを通信端末装置200毎に決める。これにより、受信SINR値とバッファリングデータ量との情報に基づいて、送信を希望するサブチャネルを選択することができる。また、サブチャネルを選択する基準を算出する演算式は、本実施形態で説明した(式1)に限られることはない。例えば、バッファリングデータ量の対数を算出し、算出した対数の逆数と各サブチャネルの受信SINRと乗算してもよいし、バッファリングデータ量の対数を算出し受信SINRから減算を行なってもよいと考えられる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、OFDMAにおいて一定数のサブキャリアと一定数の時間で区切ったスロットを使用し、スロットの過去の使用状況を混雑情況とする。まず、複数のスロットから構成されるフレームについて説明する。
図9は、本実施形態で用いるフレーム構成の一例を示す図である。図9では、複数のスロット(slot)601から構成されるフレーム(frame)602を示している。スロット601は、一定の時間長で定められる一つ以上の時間チャネルと、一定の周波数帯域で定められる一つ以上の周波数チャネルとによって特定され、最小管理単位となる。フレーム602は、一つの管理単位時間の範囲を示す。図9中、横軸は、時間(time)を示し、縦軸は、周波数(frequency)を示し、一つのサブチャネルの周波数方向の単位を符号603で示している。フレーム602の先頭にはSINR測定用信号や後続のデータスロットの割り当て情報、サブチャネルの混雑状況、その他制御情報を含む報知スロット(broadcast slot)604が配置され、報知スロット604に続いて通信データを格納するデータスロット(data slot)605が配置されるものとする。
本実施形態では通信制御装置100から通信端末装置200へのダウンリンク通信に本発明を適用する例を示す。通信端末装置200から通信制御装置100へのアップリンク通信は本実施形態では特に規定せず、どのような通信方式を使用しても良いものとする。
本実施形態では、混雑状況としてサブチャネルの使用頻度を使用し、その計算方法として過去のスロットの使用率を使用する。各サブチャネルの伝搬路の状況はフェージングによりめまぐるしく変化するが、長い時間で見た場合平均的に良いサブチャネルがあることが多く、単純に受信品質(SINR)が良いサブチャネルを優先して通信に使用するように制御すると特定のサブチャネルの使用率が増え、輻輳する問題が発生する。このため、各サブチャネルの過去のスロット使用率を通信端末装置200に通知することによって、混雑が予測されるサブチャネルに対し通信端末装置200の要求が集中することを防ぐ。
また、通信端末装置200は、各サブチャネルの受信品質と使用率を調べ、各サブチャネルの受信品質に対応した使用率を下回っているサブチャネルのみ使用するように要求する。
以下、制御手順を詳細に説明する。図10から図12に通信制御装置100の制御フローの一例を示す。図10は、第3の実施形態の通信端末装置200から受信品質情報を取得する動作(受信品質取得処理)の一例を示すフローチャートである。図11は、第3の実施形態のデータスロットを割り当てる動作(データスロット割り当て処理)の一例を示すフローチャートである。図12は、第3の実施形態のスロット使用率を送信する動作(スロット使用率送信処理)の一例を示すフローチャートである。これら3つの処理は、平行して動作するものとする。また、それぞれの処理は、別々のタスクによって、通信制御装置100内の各構成要素に各処理の実行を指示する。図10から図12では、受信品質情報の一例としてSINR情報を用いて説明する。
まず、受信品質取得処理について図10を用いて説明する。受信品質取得処理は、スケジューリング部101において処理される。受信品質取得処理は、通信制御装置100が通信端末装置200から受信品質情報を取得する処理である。通信制御装置100において、制御情報生成部104は、報知スロットを利用して通信端末装置200に対し受信品質情報を送信するように要求する制御情報を生成し、送信部111は、生成した制御情報を通信端末装置200へ送信する(ステップS701)。次に、受信部113は、通信端末装置200から送られてくる受信品質情報を受信し、スケジューリング部101は、通信制御装置100内の受信品質情報を更新する(ステップS702)。通信端末装置200から送られてくる受信品質情報に誤りがあった場合、スケジューリング部101は、誤りの検出された受信品質情報を破棄し、現在のものをそのまま使用するものとする。規定フレーム数タスクをスリープ(待ち状態)する(ステップS703)。規定フレーム数は受信品質情報の更新頻度であり、伝搬路の特性に依存した値である。例えば10mS(ミリ秒)毎に更新されるような値を使用する。その後ステップS701に戻りこれらの手順を繰り返す事で通信制御装置100内の受信品質情報を最新の状態に保つ。
次に、データスロット割り当て処理について図11を用いて説明する。データスロット割り当て処理は、スケジューリング部101において処理される。本実施形態では、スケジューリング部101は、送信要求データを通信端末装置200毎に保持するバッファを備える。
通信制御装置100において、スケジューリング部101は、フレーム開始時刻を待つ(ステップS711)。開始時刻になったらステップS712に進む。スケジューリング部101は、フレームの開始時刻における受信品質情報(SINR情報)を参照する(ステップS712)。次に、スケジューリング部101は、各通信端末装置200宛ての送信要求データがあるかバッファを参照して調べる(ステップS713)。全ての通信端末装置200について送信要求データがない場合はステップS711に戻り次のフレーム開始を待つ(ステップS713でNO)。いずれかの通信端末装置200宛ての送信要求データがある場合(ステップS713でYES)、割り当て可能なスロットが残っているか調べる(ステップS714)。割り当て可能なスロットがある場合(ステップS714でYES)はステップS715に進む。割り当て可能なスロットが全く無い場合(ステップS714でNO)、ステップS711に戻り次のフレーム開始を待つ。
スケジューリング部101は、現在の受信品質情報(SINR情報)の中で最も受信状態の良い、すなわちSINRの大きいサブチャネルと通信端末装置200の組み合わせに注目する(ステップS715)。注目する通信端末装置200に対する送信要求データがあるかどうかを調べる(ステップS716)。送信要求データがある場合(ステップS716でYES)はステップS717へ、無い場合(ステップS716でNO)はステップS719に進む。
注目しているサブチャネルに割り当て可能なスロットがある場合(ステップS717でYES)、スケジューリング部101は、注目しているサブチャネルの割り当て可能なスロット数で送信できるだけ送信要求データをスロットに割り当てる(ステップS718)。この時、スケジューリング部101は、注目する通信端末装置200とサブチャネルにおけるSINRに応じたビットレートを選択し、選択したビットレートで送信するものとしてスロットに対する割り当てを行なう。注目する通信端末装置200宛ての送信要求データが使用するスロット数が割り当て可能なスロット数よりも少ない場合は、使用するスロットだけ割り当てるものとする。注目する通信端末装置200宛ての送信要求データが使用するスロット数が割り当て可能なスロット数よりも多い場合は、可能なだけスロットを割り当てるものとする。スケジューリング部101は、割り当てたスロットに対応する送信要求データはバッファから削除し(ステップS718)、ステップS719に進む。注目しているサブチャネルに割り当て可能なスロットが無い場合(ステップS717でNO)は、送信要求データを割り当てずにステップS719へ進む。
ステップS719では、現在注目している通信端末装置200のSINR情報(SINRとサブチャネルと通信端末装置200の組み合わせの情報)が次のフレーム開始まで参照されないように(調査済みであるため再度調査しないように)し、ステップS720に進む。ステップS720では全てのSINR情報が参照されない状態(調査済状態)になっているかどうかを調べ、参照できるSINR情報が残っている場合(ステップS720でNO)はステップS713へ、全てのSINR情報が参照されない状態になっている場合(ステップS720でYES)はステップS711に戻りフレーム開始を待つ。これらの手順を繰り返す事で、最新のSINR情報に従って最も良いSINRの通信端末装置200を優先してスロットの割り当てを行ない、ダウンリンクの通信をする事ができる。
最後にスロット使用率取得処理について図12を用いて説明する。スロット使用率取得処理は、混雑情報生成部103において処理される。まず、混雑情報生成部103は、過去のスロット割り当て情報をクリアし(ステップS741)、フレーム開始を待つ(ステップS742)。フレーム開始時刻を検出すると、混雑情報生成部103は、規定時間分の過去のスロット割り当てデータを参照する(ステップS743)。規定時間はスロットの使用率の平均を計算するのに十分な時間で、伝搬路の変動状況に依存する値であり、例えば100mSなどが使用される。次に、混雑情報生成部103は、前回のスロット割り当て情報を取得し、過去のスロット割り当て情報に追加する(ステップS744)。次に、規定時間分の過去のスロット割り当て情報と、前回のスロット割り当て情報に基づいた各サブチャネルのスロット使用率を計算する(ステップS745)。混雑情報生成部103は、次のフレーム開始時に報知スロットを利用して各サブチャネルの使用率を送信するように、生成した各サブチャネルの使用率を制御情報生成部104へ通知し(ステップS746)、その後、次のフレーム開始を待つ(ステップS742)。以上の手順を繰り返す事で規定時間分のスロット使用率情報を最新の状態に保ち、毎フレーム端末に対して送信する事が可能となる。
図10から図12を用いて説明した通信制御装置100で実施する各処理は、ソフトウェアで大部分を実現することができる。図13は、第3の実施形態の通信制御装置100において各処理を実現するソフトウェアが動作する環境の一例を示す図である。各処理は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)801の制御のもとで、メインメモリ802へプログラム用メモリ803からプログラムがロードされ、プログラムが実行されることによって実現する。各プログラムは、タイマー804によって周期的な起動、あるいは、待ち状態の時間の計測等が実施される。また、外部とのデータの入出力は、CPU801の制御のもとで、DMA(Direct Memory Access)805a〜805gを介して行なう。各処理を実現するプログラムは、CPU801の制御の下で、バッファリング、サブチャネルの割り当てを管理することができる。また、各プログラムは、CPU801が動作させる(スケジューリングする)マルチタスクとし、各処理が並行して処理を進めることができる。
図14は、第3の実施形態の各処理を実施するソフトウェアを各構成要素へ追加した構成の一例を示す図である。図14は、図1に示したスケジューリング部101、混雑情報生成部103、並びに、制御情報生成部104の部分を示している。スロット割当部902は、バッファ901a〜901cを用いてスロット割り当て処理を実施する。図14では、一例として3つの通信端末装置200のバッファを示しているが、これに限られることなく通信端末装置200の数に対応してバッファが用意される。受信品質取得部903は、受信品質取得処理を実施する。スロット使用率取得部904は、スロット使用率取得処理を実施する。
なお、図13、図14は、構成の一例を示したものであり、その他の構成であっても各処理が実現できる構成であればよく、ソフトウェア、ソフトウェアとハードウェアの組合せ等で実現してもよい。
次に、通信端末装置200側の受信品質情報を送信する動作を説明する。図15は、本実施形態の通信端末装置200の受信品質情報を送信する動作の一例を示すフローチャートである。また、図16は、本実施形態で通信端末装置200が用いる受信品質比較テーブルの一例を示す図である。通信端末装置200は通信制御装置100から受信品質情報の送信要求があると、アップリンクを通じて受信品質情報を送信するものとする。受信品質情報(SINR情報ともいう)は、通信端末装置200がダウンリンク通信時に通信制御装置100に割り当てを要求する割り当て要求サブチャネル(サブチャネルのID)とそのサブチャネルのSINRの組み合わせを規定数含めたものとする。規定数が多いほど通信制御装置100でのスロット割り当てをきめ細かく行なう事が可能となるが、制御に必要な情報量が増えてしまう問題が発生する。この問題を考慮する必要があり、例えば3などの値が使用される。
図15用いて動作を説明する。まず、通信端末装置200のサブチャネル要求生成部215は、割り当て要求バッファをクリアする(ステップS801)。割り当て要求バッファは通信制御装置100に通知する割り当て要求サブチャネル情報(割り当てを要求するサブチャネルのIDとそのサブチャネルのSINRの組み合わせ)を格納するもので、規定数の組み合わせまでを登録できるものとする。バッファをクリアした後、フレームの開始時刻を待つ(ステップS802)。サブチャネル要求生成部215は、フレーム開始時刻を検出すると、報知スロットを受信し、報知スロット中の信号を利用して各サブチャネルのSINRを測定し、報知スロット内に含まれているサブチャネル毎のスロット使用率、受信品質要求情報を取得する(ステップS803)。SINR情報の要求がされているか判断し(ステップS804)、要求されている場合(ステップS804でYES)はステップS805へ進み、要求されていない場合(ステップS804でNO)はステップS801に戻り次のフレームの先頭を待つ。
サブチャネル要求生成部215は、測定したSINRの最も良いサブチャネルに注目する(ステップS805)。次に、注目しているサブチャネルのSINRと図16に一例を示したSINR比較テーブルを参照する(ステップS806)。SINR比較テーブルは、あるサブチャネルが所定のSINRの場合、サブチャネルがどの程度のスロット使用率を下回っていれば割り当て要求を出すかを表したものである。本実施形態では通信品質がとてもよい場合、すなわちSINRが30dB以上の場合はどれだけスロットの使用率が高くても割り当て要求を出すものとしている。これは、そのサブチャネルが他の通信端末装置200に対しても通信品質がとてもよいと仮定すると、そのサブチャネルの使用率が高くても送信要求データは次々と送信する事が可能であるため、さほど待たなくてもデータが送信される事が期待されるためである。また、通信品質が悪い場合、すなわちSINRが5dB未満の場合にスロットの使用率がわずかであることを要求するのは、そのサブチャネルを使用する際には悪環境でも通信できるように低速のビットレートでデータが送信される事が予想され、使用するスロット数がビットレートに反比例して多くなる事が予想されるためであり、低ビットレートの通信が割り当てられたために他の通信端末装置200に対してスロットが割り当てられなくなる状況を回避するためである。
SINRが5dB以上30dB未満の場合についても同様の考え方でスロット割り当てを要求するためのスロット使用率の閾値が設定されているものとする。図16では、5dB以上10dB未満のように、5dB単位で使用率の閾値を設定している。サブチャネル要求生成部215は、SINR比較テーブルと注目しているサブチャネルのSINRを参照して使用率が閾値以下であるかを判断し(ステップS807)、スロット使用率が閾値以下であった場合(ステップS807でYES)はステップS808へ、スロット使用率が閾値を超えていた場合はステップS812に進む。ステップS808では注目しているサブチャネルを割り当て要求バッファに登録し(ステップS808)、割り当て要求バッファが一杯になっているか調べ(ステップS810)、一杯であればステップS811に、まだ空きがあればステップS812に進む。サブチャネル要求生成部215は、割り当て要求バッファに格納した割り当て要求サブチャネル情報を制御部216へ通知し、送信部217がアップリンクを通じて通信制御装置100に送信し(ステップS811)、その後ステップS801に戻る。
割り当て要求バッファに空きがある場合(ステップS810でNO)、サブチャネル要求生成部215は、フレーム開始から現時点までに全てのサブチャネルについてSINR比較テーブルとの比較を行なったか調べ(ステップS812)、まだ調べていないサブチャネルがあった場合(ステップS812でYES)、現在注目しているサブチャネルの次にSINRの良い値、すなわちSINRの低いサブチャネルに注目し(ステップS813)、ステップS806からの処理を繰り返す。全て調べていた場合(ステップS812でNO)、現時点での割り当て要求バッファの内容を調べ(ステップS814)、バッファに何も登録されていなかった場合(ステップS814でYES)、ステップS801へ戻り、1つでも情報が登録されていた場合(ステップS814でNO)、ステップS811の処理を実施する。
以上の手順を繰り返す事で、通信端末装置200は通信制御装置100からSINR情報の要求がある度にその時点でのSINRとスロット使用率を考慮したSINR情報を通信制御装置に送信する事が可能となる。
このように、通信制御装置100と通信端末装置200群が上記に示した手順で動作することで、特定のサブチャネルに通信要求が集中し、輻輳する状況を回避できる。また、特に通信品質の良いサブチャネルが確保できる状況では、そのサブチャネルを優先して使用することで通信容量を増やす事ができる。
なお、上記各実施形態では、各サブチャネルの混雑状況を通信制御装置100がセル内に報知する場合に、通信端末装置200が各サブチャネルの受信品質と混雑状況に基づき、割り当て要求を行なうサブチャネルを選択する手法について説明した。しかしながら、混雑状況を表す情報は毎フレーム送信されるとは限らず、また、伝搬路の状況によっては混雑状況を表す情報の受信が困難な通信端末装置200が存在することも考えられる。このような場合には、通信端末装置200側で各サブチャネルの混雑状況が分からないため、割り当て要求を行なうサブチャネルの適切な選択が行なえないことも生じる。これに対しては次のような対処をすることができる。
例えば、通信端末装置200は各サブチャネルの混雑状況を自律的に判断する手法を適用することができる。図9に示すようなフレーム構成の場合、報知スロット604にはフレーム602内の全スロットの割り当て情報が含まれているため、この割り当て情報を基にサブチャネル毎の割り当て状況を通信端末装置200にて(たとえば、サブチャネル要求生成部215にて)把握することができる。サブチャネル毎の割り当て状況を数フレームにわたり観測することによりサブチャネル毎の混雑状況を把握すること可能である。
また、上記とは別に、通信端末装置200は、各サブチャネルの受信信号電力を算出することによっても、混雑状況の把握を行なうことができる。これは、使用している(通信端末装置200が割り当てられている)サブチャネルではある程度の電力が算出されるが、使用していない(通信端末装置200が割り当てられていない)サブチャネルでは雑音レベル程度の低い電力しか算出されないため、使用中のサブチャネルと使用中でないサブチャネルとを区別できることに基づく。従って、各サブチャネルの受信信号電力を数フレームにわたって観測することにより、頻繁に使用されるサブチャネルを検出することができ、サブチャネル毎の混雑状況を端末にて把握することができる。
このような手法を用いることにより、通信制御装置100が混雑状況を送信しない期間等、通信端末装置200が混雑状況を受信(把握)できない状況においても、各サブチャネルの混雑状況を通信端末装置200が自律的に判断し、割り当て要求を行なうサブチャネルの選択をすることができる。これにより、通信端末装置200は、割り当てを要求するサブチャネルを選択し、選択したサブチャネルの受信品質情報を送ることにより、通信制御装置100へ通知する情報量を削減することができる。また、通信制御装置100は、通信端末装置200が要求するサブチャネルを把握することが可能になる。さらに、通信制御装置100が取り扱う受信品質の情報量を抑制することができる。これにより、効率のよいスケジューリングが可能となる。