JP5202426B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

この発明は、自動2輪車のフロントフォーク等に使用されるテレスコピック式緩衝器に関する。
フロントフォークの軸芯部に収装されるダンパにおける設定の減衰力発生を可能にしながら、最収縮する際に過大な反力を発生し得ないようにするための構造として、作動液の体積補償のためのフリーピストンの背面に画成される背面圧力室と、最収縮時に高圧となるシリンダ外筒部の外筒圧力室とを遮断したものがある。
特開2005−30534
上記特許文献の構成では、フリーピストン外筒部に2つのシールを設ける必要があるため、それらのフリクションにより摺動抵抗が増大する。また、フリーピストンの背面に画成される背面圧力室は外筒圧力室と遮断されているため、クッション作動に伴う温度上昇においては、背面圧力室の内圧が上昇し、結果としてダンパにおける反力が増加して乗り心地に影響する場合がある。したがって、外筒圧力室の圧力がフリーピストンの背面圧力室にかからないようにしながら、サブタンク内の作動液を外筒圧力室にブローできるようにして、背面圧力室の圧力を常に既定値内に維持することが望まれる。また、走行条件によっては最収縮時の反力を必要とする場合もあるので、このような場合は簡単に遮断を解くようにできることも望まれる。本願発明はこのような要請の実現を目的とする。
上記課題を解決するため緩衝器に係る請求項1に記載した発明は、車体側に支持されるアウターチューブと車輪側に支持されるインナーチューブとを相対的に伸縮自在に嵌合し、これらチューブの内側へ筒型のダンパを収容し、ダンパを構成するピストンロッドをインナーチューブに支持させ、このピストンロッドに設けられたピストンが摺動するシリンダにサブタンクを連接し、このサブタンクを介してアウターチューブに支持させるとともに、このサブタンク内にシリンダ内の液量変動に応じて移動自在のフリーピストンを設け、このフリーピストンによりサブタンク内をシリンダ側のサブタンク液室と反対側の背面圧力室とに区画したテレスコピック式緩衝器において、
前記背面圧力室に第1ブロー孔を設け、この第1ブロー孔に、背面圧力室からサブタンク外へのみ流体の流れを許容する第1チェックバルブを設けたことを特徴とする。
さらに、前記サブタンク室外周に筒部材を設け、この筒部材とサブタンク室との間に形成される空間を前記アウターチューブとシリンダ及びサブタンク室の間に形成される中間圧力室とし、この中間圧力室と前記背面圧力室を前記第1チェックバルブを介して前記第1ブロー孔で連通させたことを特徴とする。
請求項に記載した発明は、上記請求項2において、前記中間圧力室と外筒圧力室を連通する第2ブロー孔と、前記第1ブロー孔に設けられ、所定の設定圧で開弁して、前記サブタンク室から中間圧力室へのみ流体を流す第1チェックバルブと、前記第2ブロー孔に設けられ、所定の設定圧で開口し、中間圧力室から外筒圧力室へのみ流体を流す第2チェックバルブとを備えたことを特徴とする。
請求項に記載した発明は、上記請求項1又は2のいずれかにおいて、前記第1ブロー孔近傍部のサブタンクの内壁面に外方へ入り込む凹部を設けたことを特徴とする。
請求項に記載した発明は、上記請求項1〜のいずれかにおいて、前記フリーピストンの移動を案内するガイドロッドを設け、このガイドロッドにはガイドロッド外周部を部分的に細径にした細径部が形成され、前記細径部により前記サブタンク液室13と前記背面圧力室14を連通するブロー孔(通路)が形成されていることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、上記請求項2〜4のいずれかにおいて、前記第1及び第2チェックバルブは環状の弾性部材により構成されることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、緩衝器の収縮時に、フリーピストンが第1ブロー孔に達したとき、背面圧力室の内圧が高くなって、第1チェックバルブの開弁条件になると、第1チェックバルブが開いて背面圧力室の流体を第1ブロー孔からサブタンクの外へブローさせて逃がす。このため、背面圧力室の内圧を所定値内に維持できる。
また、アウターチューブとシリンダ及びサブタンク室の間に中間圧力室を設けたので、背面圧力室の内圧を中間圧力室へ逃がすことができる。また、筒部材をサブタンク室の周囲へ外嵌することで中間圧力室を容易に形成でき、緩衝器をコンパクトにできる。
請求項に記載した発明によれば、緩衝器の収縮時には、サブタンク液室の内圧より外筒圧力室の内圧の方が大きいが、中間圧力室は外筒圧力室から遮断されているため外筒圧力室の影響を受けず一定であり、フリーピストンが第1ブロー孔に達したとき、背面圧力室の内圧が第1チェックバルブの設定圧より大きくなって第1チェックバルブ61の開弁条件なると、第1チェックバルブが開いて背面圧力室の流体が容易に中間圧力室へブローされる。
その後、緩衝器が伸長すると、中間圧力室の内圧より外筒圧力室の内圧が小さくなるので、この圧力差が第2チェックバルブ63の所定開弁圧を超える第2チェックバルブ63の開弁条件なると、第2チェックバルブが開き、流体が第2ブロー孔から外筒圧力室へブローされる。
このため、伸縮時の外筒圧力室の圧力がフリーピストン背面圧力室にかからないようにしながら、サブタンク液室内の作動液を外筒圧力室へブローできる。
請求項に記載した発明によれば、フリーピストンが通常位置から摺動し、第1ブロー孔を通過する際、第1ブロー孔近傍の摺動面が部分的に凹部になって、第1及び第2ブロー孔とは別に、サブタンク液室と背面圧力室を連通するブロー孔(通路)をなしているので、この凹部を通してサブタンク液室内の作動液をフリーピストンの背面圧力室へブローして一時貯蔵できる。
請求項に記載した発明によれば、ブロー孔がガイドロッドに形成されたた細径部になって、第1及び第2ブロー孔とは別に、サブタンク液室と背面圧力室を連通するブロー孔(通路)をなしているのでいるので、フリーピストンが通常位置から摺動して細径部の上に来ると、この細径部を通して作動液をフリーピストンの背面圧力室へブローして一時貯蔵できる。
請求項に記載した発明によれば、第1及び第2チェックバルブを環状の弾性部材により構成したので、構造が簡単になり、緩衝器をコンパクトにできる。
図1はフロントフォークを示す全体断面図、図2は図1の下部拡大断面図、図3は図1の上部拡大断面図、図4はフリーピストンの摺動ガイド構造を示す断面図、図5はフロントフォークを示す全体断面図、図6は図5の上部拡大断面図、図7はフリーピストンの摺動ガイド構造を示す断面図、図8は上シリンダチューブを示す断面図である。
なお。以下の説明において上下方向とは図1の図示状態を基準とする。また内外とはフロントフォークの軸心側を内方、これより外側を外方という。
図1に示すように、フロントフォークはテレスコピック式であり、車体側チューブであるアウタチューブ1内に車軸側チューブであるインナチューブ2を摺動自在に挿入し、両チューブ1、2の間にフォークスプリング3を介装するとともに、筒型のダンパ4を倒立にして内装している。アウタチューブ1は車体側に支持され、インナチューブ2は車軸に結合される(車体及び車軸はいずれも図示省略)。
ダンパ4を構成するシリンダ5内にはメインピストン6が摺動し、内部をメインピストン6を挟んで上側の第1液室7と下側の第2液室8に区画する。メインピストン6はインナチューブ2内をその下端部から軸心方向に上方へ延びるピストンロッド9の先端部に支持されている。
シリンダ5の上端部にはサブタンク10が連続かつ連通して設けられ、サブタンク10はアウタチューブ1の上端部内に配置される。サブタンク10内にはサブピストン11とフリーピストン12が設けられ、サブピストン11を挟んで下側となるシリンダ5側の第1液室7と上側のサブタンク液室13とに区画している。ダンパ4の内部及びダンパ4の外側はオイル等の作動液で満たされ、アウターチューブ1の上部内側にはエアが封入され、サブタンク10内には作動液とエアが混入されている。
ダンパ4は、メインピストン6とサブピストン11とを備え、メインピストン6とサブピストン11の発生する減衰力により、アウタチューブ1とインナチューブ2の伸縮振動を抑制する。
サブタンク液室13はサブタンク10内を摺動するフリーピストン12により可変容量とされ、フリーピストン12により上方の背面圧力室14と区画されている。
サブタンク10の外周には中間圧力室15が設けられ、隔壁パイプ16により外側の外筒圧力室17と区画されている。
アウタチューブ1とインナチューブ2の内部で、ダンパ4の外側には上記外筒圧力室17と外筒側液室18を備え、外筒圧力室17と外筒側液室18は自由界面を介して接触し、外筒圧力室17に閉じ込められているエアがエアバネを構成する。これらのフォークスプリング3とエアバネの合成バネで車両が路面から受ける荷重に対し反力を発生させる。
以下、各部の詳細を説明する。図1において、インナチューブ2の下端部内周には作動液ロックカラー20が液密に嵌装され、この作動液ロックカラー20はボトムボルト21で車軸ブラケット22へ液密に固定されている。ボトムボルト21にはピストンロッド9の下端部がネジ止めされ、ロックナット23でロックされている。
ピストンロッド9の先端部はシリンダ5へ挿入されている。シリンダ5の下端部にはロッドガイド24がネジ止めされ、このロッドガイド24をピストンロッド9が貫通してロッドガイド24により液密にかつ摺動自在に支持される。
ロッドガイド24の上部にはピストンロッド9の間にシール部材25が設けられ、このシール部材25は、シリンダ5内の第2液室8を密封し、この第2液室8の作動液がシリンダ5の外に逃げ出すのを阻止するシール機能をもつ。
図中の符号26はロッドガイド24の外周部に設けられる作動液ロックカラー、符号27はリバウンドスプリングであり下端をロッドガイド24の上端で支持されている。符号28はサブタンク10の下端部とシリンダ5の上端部とを接続してロックすることにより一体化するパイプナットである。
フォークスプリング3は、作動液ロックカラー20の下端部外周側に設けられたバネ受け29と、シリンダ5の軸方向中間部外周に係止された孔開きスプリングカラー30に設けられたバネ受け31との間に介装されている。
次に、メインピストン6について説明する。図1において、メインピストン6は、ピストンロッド9の先端部に装着されたピストンホルダ32に支持され、伸側バルブ33を備えて第1液室7と第2液室8とを連絡可能とする伸側流路34と、圧側バルブ35を備えて第1液室7と第2液室8とを連絡可能とする圧側流路36とを備える。
ピストンホルダ32には第1液室7と第2液室8とのバイパス路37が設けられ、この流路面積をニードル38にて調整可能になっている。ニードル38はピストンロッド9の中空部に通された減衰力調整ロッド38aの先端に設けられ、減衰力調整ロッド38aの下端はアジャスタ39に結合され、アジャスタ39を回転操作してニードル38を軸方向に進退させることにより減衰力を調整可能になっている。
次に、サブタンク10について説明する。図2に示すように、アウタチューブ1の上端部にはサブタンク10の上端部がネジ止めされ、サブタンク10の上端開口はフォークボルト40をネジ止めすることにより閉塞される。フォークボルト40にはパイプであるガイドロッド41の上端がネジ止めされ、ガイドロッド41はサブタンク10内を軸心方向に垂下し、その下端にバルブホルダ42がネジ止めされ、さらにこのバルブホルダ42の下端にサブピストン11がナット43等で固定される。
フリーピストン12はバルブホルダ42の上方にてガイドロッド41に外嵌され、ガイドロッド41に沿って上下移動自在になっている。
サブピストン11はサブタンク10の内部でメインピストン6に相対配置され、外周部に設けられているシール11aがサブタンク10の内周部に液密に接し、前述の第1液室7の上方にサブタンク液室13を区画形成する。
サブピストン11は、圧側バルブ44を備えて第1液室7とサブタンク液室13とを連絡可能とする圧側流路45と、伸側バルブ46を備えて第1液室7とサブタンク液室13とを連絡可能とする伸側流路(不図示)とを備える。
バルブホルダ42には、圧側流路45と伸側流路とをバイパスして第1液室7とサブタンク液室13とを連絡可能とするバイパス流路47を備える。このバイパス流路47の流路面積はニードル48により調整可能である。ニードル48はガイドロッド41に挿入された減衰力調整ロッド48aの先端に設けられ、減衰力調整ロッド48aの上端はフォークボルト40に螺合されたアジャスタ49の回転操作により軸方向に進退することにより減衰力を調整とする。
フリーピストン12は、サブタンク液室13とフォークボルト40側の体積補償室をなす背面圧力室14とを区画する。
フォークボルト40は、フロントフォークの伸縮によってアウタチューブ1とインナチューブ2の摺動部から外筒圧力室17及び背面圧力室14に侵入した空気を排出するための排気プラグ55を頭部端面の側部に着脱可能にネジ止めしている。
フリーピストン12の外周部に形成された環状溝にシール部材であるピストンリング50が装填され、フリーピストン12はピストンリング50を介してサブタンク10の内周を液密に摺動する。このようにピストンリング50の使用を一つだけにすることで摺動抵抗を小さくすることができる。
フリーピストン12の上面中央には上方へ突出するボス51が設けられ、このボス51をガイドロッド41が貫通するとともに、ボス51の内周面には作動液シール52が設けられ、フリーピストン12は作動液シール52を介してガイドロッド41の外周を液密に摺動する。
ボス51の周囲はバネ受け面53をなし、スプリング54の下端を支持している。スプリング54の上端はフォークボルト40にて支持される。
スプリング54は、フロントフォークの最大伸長時にもオイルを加圧するよう僅かな初期荷重を有するようになっている。
圧縮時には、シリンダ5内にピストンロッド9が進入することによりピストンロッド体積分及びピストンロッドに付着してシリンダ5内に侵入した作動液体積分の容積増加を、フリーピストン12の摺動により補償する。
このように構成されたフロントフォークは、圧縮時において、サブピストン11ではニードル48や圧側バルブ44を流れる作動液により圧側減衰力を生じ、メインピストン6では圧側バルブ35を流れる作動液により所定の圧側減衰力を生じる。
伸長時には、メインピストン6において、ニードル38や伸側流路34を流れる作動液により伸側減衰力を生じる。
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォークの伸縮振動が抑制される。
フロントフォークの最圧縮時には、シリンダ5の下端部に設けられているロッドガイド24の外周部に取付けられた作動液ロックカラー26が、インナーチューブの下端部に設けてある作動液ロックカラー17に嵌合して作動液を圧縮することにより作動液ロック作用を生ぜしめ、ダンパ4の底つきを防止する(図1参照)。
また、フロントフォークの最伸長時には、ピストンロッド9に設けているピストンホルダ32の下端面が、シリンダ5の開口部に設けてあるロッドガイド24に支持されているリバウンドスプリング27を圧縮して伸切り時の緩衝作用をする(同上)。
次に、ブロー構造について説明する。図2において、メインピストン6は、ピストンロッド9がストロークする度に、ピストンロッド体積分の容積増加に加え、ピストンロッド9の外周面に付着した第2液室8の作動液をロッドガイド24のシール部材25からシリンダ5の内部に持ち込む。このピストンロッド付着オイルにより、シリンダ5の内部の第1液室7、第2液室8及びサブタンク液室13の作動液が徐々に増加する。このためサブタンク液室13内へ過剰に溜まった流体(作動液及びエア)を外筒側液室18へ排出するブロー機能を有する。また、サブタンク液室13から作動液を背面圧力室14へブローする機能も有する。
このブロー機能を実現するため、サブタンク10の上部には背面圧力室14に臨んで第1ブロー孔60が設けられ、外側を第1チェックバルブ61で常閉されている。第1ブロー孔60の近傍となるサブタンク10の内壁面は外側へ凸に窪んだ凹部60aをなし、フリーピストン12が凹部60aの上に移動すると、図2の拡大部に示すように、フリーピストン12のシール部材であるピストンリング50を含むフリーピストン12の外周部と凹部60aとの間に間隙が生じるようになっている。
サブタンク液室13の作動液量が増加し、フリーピストン12が凹部60aの上に移動し、フリーピストン12の外周部と凹部60aとの間に間隙が生じると、サブタンク液室13と背面圧力室14を連通するので、実線矢示のようにサブタンク液室13から作動液を背面圧力室14へ流して一時的に貯留することができる。フリーピストン12の外周と凹部60aとの間隙は、第1ブロー孔60及び第2ブロー孔62とは別に、サブタンク液室13と背面圧力室14を連通するブロー孔(通路)を形成する。
第1ブロー孔60は通常の場合、第1チェックバルブ61によって不通であり、中間圧力室15と遮断されているが、背面圧力室14の内圧P1が中間圧力室15の内圧P2及び第1チェックバルブ61の開弁圧P4の合計よりも高くなる第1チェックバルブ61の開弁条件、すなわちP1>(P2+P4)となるときのみ、第1チェックバルブ61が外方へ開いて第1ブロー孔60を開放し、エアや作動液からなる流体を中間圧力室15へ排出することにより、背面圧力室14の過剰な内圧を逃がす。
フリーピストン12の移動により背面圧力室14の内圧P1が上昇して、P1−P2の差圧を予め所定の値に設定した設定圧に達すると、仮想線で示すように第1チェックバルブ61を押し開いて作動液及びエアからなる流体を中間圧力室15へ排出する。差圧が設定圧を超えている間は流体が第1ブロー孔60から中間圧力室15へ逃げて背面圧力室14の内圧P1が低下するので、背面圧力室14の内圧P1を調整することができる。
中間圧力室15の下部にも、隔壁パイプ16に第2ブロー孔62が形成され、この第2ブロー孔62も外側から第2チェックバルブ63で常閉され、中間圧力室15の内圧P2が外筒圧力室17の内圧P3と第2チェックバルブ63の開弁圧P5の合計より高くなる第2チェックバルブ63の開弁条件、すなわちP2>(P3+P5)のときのみ、第2チェックバルブ63が外方へ開いて第2ブロー孔62を開放し、中間圧力室15の過剰な流体を外筒圧力室17へ排出する。外筒圧力室17へ排出された流体のうち、エアは外筒圧力室17に留まり、作動液は下方の外筒側液室18へ流入する。
隔壁パイプ16の上端部はサブタンク10の上部に形成された太径部64の上へシール65を介して液密に嵌合され、下端部もシリンダ5の上部側面に形成された太径部66上へシール67及び68を介して液密に嵌合され、その結果、サブタンク10の相対的に細径部となっている部分の周囲と隔壁パイプ16の間に中間圧力室15がサブタンク10の軸方向に沿って長く形成される。
太径部66はサブタンク10の下端部でサブピストン11の下方にて細径部に変化する段差部69より若干下方に形成され、この部分の中間圧力室15は段差部69の下方におけるサブタンク10が細径化している分だけ容量が大きくなっており、この部分に第2ブロー孔62が臨んでいる。またこの容量分を利用して隔壁パイプ16の端部を厚肉にして剛性を高めることにより、第2ブロー孔62の形成及び第2チェックバルブ63の取付けを可能にしている。
第1チェックバルブ61は図3に示すように、ゴムバンド等の適宜弾性部材をリング状にしたものであり、第1ブロー孔60の形成されているサブタンク10の外周へ伸ばしてリングを広げながら外嵌して巻き付けることにより、その復元弾性で第1ブロー孔60を閉じ、背面圧力室14内の内圧P1がこの復元弾性に打ち勝つまでは閉じた状態を維持する常閉型のチェックバルブを構成する。しかもゴムバンド等の弾性リングを外嵌するだけでチェックバルブを構成できるので、構造が簡単でかつ安価に形成できる。
また、オフロード車などにおいて、最収縮時の反力を必要とするため、背面圧力室14中間圧力室15に連通させたい場合は、単にゴムバンド等の弾性リングを抜き取るだけであって簡単にできるので、特別な追加加工を施す必要もなく、仕様変更が極めて容易になる。但し、このような構造でなくとも公知の種々な構造のチェックバルブを適宜採用可能である。また、第2チェックバルブ63も第1チェックバルブ61と同一構造である。
次に、本実施形態の作用を説明する。フロントフォークが収縮すると、ストロークに伴って外筒圧力室17の容積が小さくなり、内圧P3が上昇する。フリーピストン12もシリンダ5内へ侵入するピストンロッド9の体積増加分の作動液でストロークし、背面圧力室14の内圧P1が上昇する。但し、最圧縮近傍にても内圧P1が圧力上昇過大なダンパ反力にならないように予め背面圧力室14は十分な容積となるように配慮され、かつ第1チェックバルブ61・第2チェックバルブ63によって外筒圧力室17側及び中間圧力室15からの圧力もかからない。また、第1チェックバルブ61・第2チェックバルブ63が開弁しない状態では、中間圧力室15の内圧P2は一定である。
サブタンク液室13の作動液量が増加することによりフリーピストン12が凹部60aの上に移動すると、ブローが発生してサブタンク液室13から作動液が背面圧力室14へ流して一時的に貯留される。また、温度上昇やシリンダ5下部から侵入した作動液により背面圧力室14の内圧P1が増大し、P1>(P2+P4)となったとき、第1チェックバルブ61が開き、背面圧力室14から中間圧力室15へ流体のブローが発生して、過大な圧力を中間圧力室15へ逃がす。このときフロントフォークのストローク量は十分であり、外筒圧力室17の内圧P3も十分に高いため、第2チェックバルブ63は開かず、中間圧力室15と外筒圧力室17は遮断されたままである。
その後、伸びに転じると、外筒圧力室17の内圧P3が低下する。一方、中間圧力室15は背面圧力室14からの流体の流入によって畜圧されており、中間圧力室15の内圧P2が全伸び近傍における外筒圧力室17の内圧P3の圧力低下によって、P2>(P3+P5)となったとき、第2チェックバルブ63が開き、第2ブロー孔62を通して中間圧力室15から外筒圧力室17へブローが発生して作動液及びエアが排出され、中間圧力室15の内圧P2が過大になることはない。しかも、第2チェックバルブ63は中間圧力室15の下部に設けられているので、作動液の排出が容易になる。
このようにブロー構造を構成することで、背面圧力室14の内圧を常に規定値内に保つことができる。また、中間圧力室15を設けたことにより、フロントフォーク(緩衝器)の伸縮動作による温度上昇時にも背面圧力室14の内圧を適切に保つことができる。
次に、別実施形態を説明する。図4は別実施形態に係る図2と同様の図、図5はブロー時の動作説明図である。なお、前実施形態と共通する部分は共通符号を用い重複説明は省略する。この形態では、ガイドロッド41に設けられた細径部70により、第1ブロー孔60及び第2ブロー孔62とは別に、サブタンク液室13と背面圧力室14を連通するブロー孔(通路)が形成される点が前実施形態と異なっている。
図5はフリーピストン12が細径部70の上に移動したときの状態を拡大して示し、フリーピストン12が細径部70の上に来ると、フリーピストン12の内周部に設けられている作動液シール52の摺動面と細径部70の間に間隙ができるため、サブタンク液室13の作動液が背面圧力室14へブローする。このとき、サブタンク液室13の作動液は実線矢示のように、サブタンク液室13側へ比較的大きく開口する作動液シール52の開口から上記間隙へ入り、この間隙を通って作動液が背面圧力室14へ移動し、ここへ一時的に貯蔵される。このようにするとガイドロッド41の外周部を細径に加工するだけであるため、サブタンク液室13から背面圧力室14へのブロー構造を容易に製造できる。
また、フリーピストン12の外周部に形成された環状溝にはOリング71が一つだけ嵌合されている。このようにするとシール部材を単独にして摺動抵抗を小さくでき、そのうえ製造容易になる。また、フリーピストン12に背面圧力室14内へ突出する筒状壁72が一体に設けられ、この筒状壁72の一部に圧力抜き穴73が形成されている。筒状壁72はスプリング54の周囲を囲んでサブタンク10の軸方向に沿って突出し、外周面がサブタンク10の内周面と所定間隔を持って対面する環状壁であり、圧力抜き穴73は筒状壁72を内外に貫通し、背面圧力室14の圧力流体を仮想線矢示のように圧力抜き穴73から第1ブロー孔60方向へ逃がすようになっている。

フロントフォークを示す全体断面図 図1の上部拡大断面図 要部の斜視図である。 別実施形態に係る図2と同様図 別実施形態における作用の説明図
1:アウタチューブ、2:インナーチューブ、4:ダンパ、5:シリンダ。6:メインピストン、9:ピストンロッド、10:サブタンク、11:サブピストン。12:フリーピストン、13:サブタンク液室、14:背面圧力室、15:中間圧力室、16:隔壁パイプ、17:外筒圧力室、60:第1ブロー孔、61:第1チェックバルブ、62:第2ブロー孔、63:第2チェックバルブ

Claims (5)

  1. 車体側に支持されるアウターチューブ(1)と車輪側に支持されるインナーチューブ(2)とを相対的に伸縮自在に嵌合し、これらチューブの内側へ筒型のダンパ(4)を収容し、ダンパを構成するピストンロッド(9)をインナーチューブに支持させ、このピストンロッドに設けられたピストン(6)が摺動するシリンダ(5)にサブタンク(10)を連接し、このサブタンクを介してアウターチューブに支持させるとともに、このサブタンク内にシリンダ内の液量変動に応じて移動自在のフリーピストン(12)を設け、このフリーピストンによりサブタンク内をシリンダ側のサブタンク液室(13)と反対側の背面圧力室(14)とに区画したテレスコピック式緩衝器において、
    前記背面圧力室に第1ブロー孔(60)を設け、この第1ブロー孔に、背面圧力室からサブタンク外へのみ流体の流れを許容する第1チェックバルブ(61)を設けるとともに、
    前記サブタンク室外周に筒部材を設け、この筒部材とサブタンク室との間に形成される空間を前記アウターチューブとシリンダ及びサブタンク室の間に形成される中間圧力室(15)とし、この中間圧力室と前記背面圧力室を前記第1チェックバルブを介して前記第1ブロー孔で連通させたことを特徴とする緩衝器。
  2. 前記中間圧力室(15)と外筒圧力室(17)を連通する第2ブロー孔(62)と、
    前記第1ブロー孔に設けられ、所定の設定圧で開弁して、前記サブタンク室から中間圧力室へのみ流体を流す第1チェックバルブ(61)と、
    前記第2ブロー孔(62)に設けられ、所定の設定圧で開口し、中間圧力室から外筒圧力室へのみ流体を流す第2チェックバルブ(63)とを備えたことを特徴とする請求項1に記載した緩衝器。
  3. 前記第1ブロー孔近傍部のサブタンク(10)の内壁面に外方へ入り込む凹部(60a)を設けたことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載した緩衝器。
  4. 前記フリーピストンの移動を案内するガイドロッド(41)を設け、このガイドロッドにはガイドロッド外周部を部分的に細径にした細径部(70)が形成され、前記細径部により前記サブタンク液室13と前記背面圧力室14を連通するブロー孔(通路)が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載した緩衝器。
  5. 前記第1及び第2チェックバルブは環状の弾性部材により構成されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載した緩衝器
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