JP6114652B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

緩衝器の改良に関する。
一般的に、緩衝器は、車両、機器、構造物等の振動を減衰させるものである。例えば、図2に示す特許文献1に開示の緩衝器D2は、自転車の車体と車輪との間に介装されており、車体側に連結されるシリンダ100と、シリンダ100内に形成されて作動液が充填される作動室(図示せず)と、車輪側に連結されてシリンダ100に出入りするピストンロッド300と、シリンダ100外に設けられ膨縮可能なブラダ500と、このブラダ500で区画され作動液が充填される液溜室b3と、作動室と液溜室b3とを連通する管路Hと、この管路Hを通じて作動室と液溜室b3との間を移動する作動液に抵抗を与える減衰弁V6とを備えている。そして、上記緩衝器D2では、車輪に路面凹凸による衝撃が入力されてピストンロッド300がシリンダ100に出入りすると、シリンダ100に出入りしたピストンロッド体積分の作動液が管路Hを通過してシリンダ100内の作動室と液溜室b3との間を移動するようになっているので、緩衝器D2は、減衰弁V6の抵抗に起因する減衰力を発生することができる。さらに、上記構成によれば、液溜室b3と、この液溜室b3を区画するブラダ50と、減衰弁V6がシリンダ100外にシリンダ100から分離して設けられているので、緩衝器D2が長手方向に嵩張らず緩衝器D2の搭載性を向上させることができる。
特開2001−304325号公報
しかしながら、上記従来の緩衝器D2の構造は、例えば、特開2005−30534号公報に開示のようなリリーフ機構を備える緩衝器にそのまま適用することができない。なぜなら、図3に示すように、このような緩衝器D3は、シリンダ100の反ピストンロッド側の内周面に摺接しシリンダ100内に液溜室b3を区画するフリーピストン400と、シリンダ100の外周に配置されシリンダ100との間にリザーバRを形成するテレスコピック型のチューブ部材Tとを備えており、シリンダ100内の作動液が増えたり温度上昇により作動液が膨張したりした状態で図示しないピストンロッドのシリンダ100への進入量が大きくなると、フリーピストン400が所定量後退して、シリンダ100内の作動液をリザーバRに排出、即ち、リリーフできるようになっており、作動液中に溶けていた気体が析出したとしても、リリーフ時に上記気体を作動液とともにシリンダ100外に排出できる。しかし、特許文献1の技術を適用して液溜室b3や、この液溜室b3を区画するフリーピストン400をシリンダ100外に移設しシリンダ100から分離すると、リリーフ時にシリンダ100内に析出した気体を排出できず、シリンダ100内に気体が蓄積されて減衰力発生応答性が低下する虞がある。
そこで、本発明の目的は、リリーフ機構を備えていても、長手方向に嵩張ることを抑制して搭載性を良好にすることが可能な緩衝器を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、アウターチューブとこのアウターチューブに出入りするインナーチューブとからなるテレスコピック型のチューブ部材と、このチューブ部材内に起立するシリンダと、このシリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されるピストンと、このピストンの一方側に起立して上記シリンダ外に突出するピストンロッドと、上記ピストンで区画され作動液が充填されるロッド側室及びピストン側室と、上記チューブ部材と上記シリンダとの間に形成されて作動液が貯留されるリザーバとを備える緩衝器において、上記シリンダの反ピストンロッド側に軸方向に移動可能に挿入されるフリーピストンと、このフリーピストンで上記ピストン側室と区画され作動液が充填される第一液溜室と、上記チューブ部材外に設けられるハウジングと、このハウジング内に形成されて作動液が貯留され膨縮可能な第二液溜室と、上記第一液溜室と上記第二液溜室とを連通する連通部材と、上記ハウジングに固定され上記第一液溜室と上記第二液溜室とを区画するベース部材と、上記フリーピストンが所定量後退したとき上記ピストン側室の作動液を上記リザーバに排出するリリーフ機構とを備えることである。
本発明の緩衝器によれば、リリーフ機構を備えていても、長手方向に嵩張ることを抑制して搭載性を良好にすることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る緩衝器を部分的に切欠いて示した正面図である。 従来の緩衝器を部分的に切欠いて示した正面図である。 他の従来の緩衝器の主要部を示した縦断面図である。
以下に本発明の一実施の形態に係る緩衝器について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
図1に示すように、本実施の形態に係る緩衝器D1は、アウターチューブt1とこのアウターチューブt1に出入りするインナーチューブt2とからなるテレスコピック型のチューブ部材Tと、このチューブ部材T内に起立するシリンダ1と、このシリンダ1内に軸方向に移動可能に挿入されるピストン2と、このピストン2の一方側に起立して上記シリンダ1外に突出するピストンロッド3と、上記ピストン2で区画され作動液が充填されるロッド側室a1及びピストン側室a2と、上記チューブ部材Tと上記シリンダ1との間に形成されて作動液が貯留されるリザーバRとを備えている。
さらに、上記緩衝器D1は、上記シリンダ1の反ピストンロッド側に軸方向に移動可能に挿入されるフリーピストン4と、このフリーピストン4で上記ピストン側室a2と区画され作動液が充填される第一液溜室b1と、上記チューブ部材T外に設けられるハウジング5と、このハウジング5内に形成されて作動液が貯留され膨縮可能な第二液溜室b2と、上記第一液溜室b1と上記第二液溜室b2とを連通する連通部材Hと、上記ハウジング5に固定され上記第一液溜室b1と上記第二液溜室b2とを区画するベース部材6と、上記フリーピストン4が所定量後退したとき上記ピストン側室a2の作動液を上記リザーバRに排出するリリーフ機構Eとを備えている。
さらに、上記緩衝器D1は、本実施の形態において、二輪車や三輪車等の鞍乗型車両の前輪を懸架するフロントフォークに利用されている。このフロントフォークの構成は、周知であるので詳細に図示しないが、フロントフォークは、前輪の両側に起立する一対の緩衝器(一方の緩衝器D1のみを図示し、他方の緩衝器を図示せず)と、これら緩衝器を連結するとともに車体の骨格となる車体フレームに連結される図示しない車体側ブラケットと、各緩衝器を前輪の車軸に連結する車輪側ブラケットWとを備えている。本実施の形態において、本発明は、上記フロントフォークを構成する一対の緩衝器のうちの一方または両方に具現化されている。なお、本発明に係る緩衝器は、フロントフォーク以外に利用されるとしてもよく、二輪車の後輪を懸架するリアクッションや他の車両用に利用されるとしてもよい。
以下、本実施の形態において本発明が具現化された一方の緩衝器D1について詳細に説明する。当該緩衝器D1は、チューブ部材Tと、このチューブ部材T内に起立するシリンダ1と、このシリンダ1内に軸方向に移動可能に挿入されるピストン2と、このピストン2の一方側に起立してシリンダ1外に突出するピストンロッド3と、上記シリンダ1の反ピストンロッド側に軸方向に移動可能に挿入されるフリーピストン4と、上記チューブ部材T外に設けられるハウジング5と、このハウジング5の内部にベースロッド7を介して固定されるベース部材6とを備えている。
チューブ部材Tは、上記したように、アウターチューブt1と、このアウターチューブt1に出入りするインナーチューブt2とからなりテレスコピック型となっており、緩衝器D1の外殻を構成している。そして、チューブ部材Tの上側開口がキャップ部材Cで塞がれ、チューブ部材Tの下側開口が車輪側ブラケットWで塞がれ、アウターチューブt1とインナーチューブt2の重複部の間に形成される筒状隙間の下側開口が環状のダストシールs1及びオイルシールs2で塞がれているので、チューブ部材T内に収容される液体や気体が外気側に漏れないようになっている。本実施の形態においては、アウターチューブt1に図示しない車体側ブラケットが取り付けられるとともに、インナーチューブt2に車輪側ブラケットWが取り付けられており、路面凹凸による衝撃が前輪に入力されるとインナーチューブt2がアウターチューブt1に出入りして、緩衝器Dが伸縮できるようになっている。なお、本実施の形態においては、アウターチューブt1が車体側に連結されるとともに、インナーチューブt2が車輪側に連結されてフロントフォークが倒立型に設定されるが、アウターチューブt1が車輪側に連結されるとともに、インナーチューブt2が車体側に連結されてフロントフォークが正立型に設定されるとしてもよい。
チューブ部材T内に起立するシリンダ1は、筒状に形成されてキャップ部材Cに吊り下げられた状態に保持されており、内側にフリーピストン4が挿入されるサブシリンダ10と、このサブシリンダ10の図1中下側に連結されて内側にピストン2が挿入されるシリンダ本体11とからなる。サブシリンダ10は、内周にシリンダ本体11が螺合する保持部10aと、この保持部10aの上側に同軸に連なる摺接部10bと、この摺接部10bの上側に同軸に連なり内径が摺接部10bの内径よりも大きく形成される拡径部10cと、この拡径部10cの肉厚を貫通する連通孔10dとを備えている。そして、サブシリンダ10の上側開口がキャップ部材Cで塞がれるとともに、サブシリンダ10とシリンダ本体11の連結部分がシールs3で塞がれている。また、シリンダ本体11の図1中下側開口部には、ピストンロッド3が貫通する環状のロッドガイド8が設けられており、このロッドガイド8に保持される図示しないシールでシリンダ1とピストンロッド3との間が塞がれている。
シリンダ1内には、サブシリンダ10に挿入されたフリーピストン4で区画される図1中上側の第一液溜室b1と図1中下側の作動室Aとが形成されており、この作動室Aは、シリンダ本体11に挿入されたピストン2で図1中下側のロッド側室a1と図1中上側のピストン側室a2とに区画されている。シリンダ1内に形成される第一液溜室b1、ロッド側室a1及びピストン側室a2には、それぞれ作動液が充填されており、本実施の形態において、この作動液は、作動油と称される油からなるが、水、水溶液等の他の液体からなるとしてもよい。他方、シリンダ1外には、チューブ部材Tとの間にリザーバRが形成されており、このリザーバRには、作動液が貯留されるとともに、この作動液の液面を介して上側に気体が封入されている。
フリーピストン4は、有底筒状の隔壁部40と、この隔壁部40の外周に保持される上下一対の環状のシール41,42とを備えている。そして、上側のシール41は、常にサブシリンダ10の連通孔10dよりも上側の拡径部10cの内周面に摺接し、隔壁部40とサブシリンダ10との間を塞いでいる。他方、下側のシール42は、通常、摺接部10bの内周面に摺接して隔壁部40とサブシリンダ10との間を塞いでいるが、シリンダ1内における作動室Aの作動液が増えたり温度上昇により作動液が膨張したりした状態でピストンロッド3のシリンダ1への進入量が大きくなると、拡径部10cに到達し、拡径部10cと下側のシール42との間に隙間が生じる。これにより、上記隙間と連通孔10dを通してピストン側室a2の作動液をリザーバRに移動させる、即ち、リリーフさせることができる。つまり、本実施の形態においてリリーフ機構Eは、フリーピストン4が所定量後退した時フリーピストン4との間に隙間を生じさせる拡径部10cと、この拡径部10cに形成されてリザーバRに開口する連通孔10dとを備えて構成されている。そして、緩衝器D1は、当該リリーフ機構Eを備えることにより、シリンダ内圧の過度な上昇を抑制するとともに、作動室Aに析出した気体をリリーフ時にシリンダ1外に排出させることができる。
つづいて、作動室Aをロッド側室a1とピストン側室a2とに区画するピストン2は、シリンダ本体11の内周面に摺接しており、このピストン2には、ロッド側室a1とピストン側室a2とを連通する伸側と圧側のピストン通路21(圧側のピストン通路21のみ図示し、伸側のピストン通路を図示せず)が形成されるとともに、図1中上側となるピストン側室a2側に伸側減衰弁V1が積層され、図1中下側となるロッド側室a1側に圧側逆止弁V2が積層されている。伸側減衰弁V1は、図示しない伸側のピストン通路をロッド側室a1からピストン側室a2に移動する作動液の流れを許容するとともに、その反対方向の流れを阻止する。また、伸側減衰弁V1は、開弁圧が高く設定されており、図示しない伸側のピストン通路を通過する作動液に所定の抵抗を与えるように設定されている。他方、圧側逆止弁V2は、圧側のピストン通路21をピストン側室a2からロッド側室a1に移動する作動液の流れを許容するとともに、その反対方向の流れを阻止する。また、圧側逆止弁V2は、開弁圧が低く設定されており、圧側のピストン通路21を通過する作動液に与える抵抗が小さくなるように設定されている。なお、伸側減衰弁V1及び圧側逆止弁V2の開弁圧は、緩衝器D1の減衰特性が所望の特性になるように任意に設定することが可能である。
また、ピストン2は、環状に形成されてシリンダ1に挿入されるピストンロッド3の図1中上端部外周に保持されている。ピストンロッド3は、ロッド側室a1及びロッドガイド8の軸心部を貫通してシリンダ1外に延び、図1中下端部が車輪側ブラケットWの底部に固定されている。ロッドガイド8の内周には、図示しないが環状のブッシュが嵌合されており、ピストンロッド8は、上記ブッシュで軸方向に移動自在に軸支されている。また、ピストンロッド3には、伸側と圧側のピストン通路21(圧側のピストン通路21のみを図示し、伸側のピストン通路を図示せず)を迂回してロッド側室a1とピストン側室a2とを連通するバイパス通路30が形成されており、このバイパス通路30には、このバイパス通路30を絞って周知のオリフィスを形成するニードル弁31が挿入されている。そして、バイパス通路30の開口量は、プッシュロッドを操作することにより調節することができるようになっている。
つづいて、チューブ部材T外に設けられるハウジング5は、中空部を有しており、ハウジング5内には、弾性変形可能なブラダ50で区画され、作動液が充填される第二液溜室b2と、気体が封入される気室Gとが形成されている。そして、第二液溜室b2から作動液が流出すると、気室Gが拡大するので第二液溜室b2が縮小され、第二液溜室b2に作動液が流入すると、気室Gが縮小されるので第二液溜室b2が拡大する。つまり、本実施の形態においては、第二液溜室b2がブラダ50で気室Gと区画されており、これにより第二液溜室b2が膨縮することができる。なお、第二液溜室b2を膨縮させるため、ブラダ50に替えて、例えば、フリーピストンやベローズ等を利用するとしてもよい。
また、ハウジング5には、第二液溜室b2と第一液溜室b1とを連通するホース等からなる連通部材Hが接続されるとともに、連通部材Hと第二液溜室b2との間に設けられ第一液溜室b1と第二液溜室b2とを区画するベース部材6と、このベース部材6を先端部に保持するベースロッド7と、圧力センサ51と、アクチュエータ52が取り付けられている。
ベース部材6には、第二液溜室b2と第一液溜室b1とを連通する伸側と圧側のベース部材通路60,61が形成されるとともに、第一液溜室b1側となる図1中上側に伸側逆止弁V3が積層され、第二液溜室b2側となる図1中下側に圧側減衰弁V4が積層されている。伸側逆止弁V3は、伸側のベース部材通路60を第二液溜室b2から第一液溜室b1に移動する作動液の流れを許容するとともに、その反対方向の流れを阻止する。また、伸側逆止弁V3は、開弁圧が低く設定されており、伸側のベース部材通路60を通過する作動液に与える抵抗が小さくなるように設定されている。他方、圧側減衰弁V4は、圧側のベース部材通路61を第一液溜室b1から第二液溜室b2に移動する作動液の流れを許容するとともに、その反対方向の流れを阻止する。また、圧側減衰弁V4は、イニシャル荷重がかけられて開弁圧が高く設定されており、圧側のベース部材通路61を通過する作動液に所定の抵抗を与えるように設定されている。なお、伸側逆止弁V3及び圧側減衰弁V4の開弁圧は、緩衝器D1の減衰特性が所望の特性になるように任意に設定することが可能である。
また、ベース部材6は、環状に形成されてハウジング5の内部に固定されるベースロッド7の先端部外周に保持されている。このベースロッド7からハウジング5にかけて、伸側と圧側のベース部材通路60,61を迂回して第一液溜室b1と第二液溜室b2とを連通するバイパス通路70が形成されている。以下、このバイパス通路70と、ピストンロッド3に形成されるバイパス通路30とを区別するため、ピストンロッド3に形成されるバイパス通路を第一バイパス通路30、ベースロッド7からハウジング5にかけて形成されるバイパス通路を第二バイパス通路70とする。この第二バイパス通路70には、第二バイパス通路70を開閉する弁体V5が設けられている。また、本実施の形態において、ハウジング5には、第一液溜室b1の圧力を検出する圧力センサ51と、弁体V5を閉じ方向に附勢するアクチュエータ52が取り付けられている。そして、このアクチュエータ52は、周知の比例ソレノイドからなり、圧力センサ51で検出された値を基にアクチュエータ52のコイルに供給する電流量を変更することで、弁体V5の開弁圧を任意に調節することができる。例えば、アクチュエータ52への電流供給量を増加させると、弁体V5の開弁圧を大きくすることができ、反対にアクチュエータ52への電流供給量を減少させると、弁体V5の開弁圧を小さくすることができる。
以下、本実施の形態に係る緩衝器D1の作動について説明する。
インナーチューブt2がアウターチューブt1から退出し、ピストンロッド3がシリンダ1から退出する緩衝器D1の伸長時において、ピストン速度が低速領域にある場合、伸側減衰弁V1が開弁しないので、ピストン2で加圧されたロッド側室a1の作動液が第一バイパス通路30を通過してピストン側室a2に移動する。また、緩衝器D1の伸長時に、ピストン速度が高くなり、低速領域を脱して中高速領域に達すると、伸側減衰弁V1が開弁し、ピストン2で加圧されたロッド側室a1の作動液が図示しない伸側のピストン通路を通過してピストン側室a2に移動する。
このような緩衝器D1の伸長時には、シリンダ1から退出したピストンロッド体積分シリンダ内容積が拡大するので、フリーピストン4が図1中下側に前進するとともに、伸側逆止弁V3が開いて第二液溜室b2の作動液が伸側のベース部材通路60及び連通部材Hを通過して第一液溜室b1に流入して気室Gが拡大する。
本実施の形態において、伸側逆止弁V3による抵抗は小さく設定されているので、緩衝器D1の伸長時にピストン速度が低速領域にある場合、緩衝器D1は、主に作動液が第一バイパス通路30を通過する際のニードル弁31によって形成されるオリフィスの抵抗に起因する伸側低速減衰力を発生し、緩衝器D1の伸長時にピストン速度が中高速領域にある場合、緩衝器D1は、主に作動液が伸側のピストン通路(図示せず)を通過する際の伸側減衰弁V1の抵抗に起因する伸側中高速減衰力を発生する。
反対に、インナーチューブt2がアウターチューブt1に進入し、ピストンロッド3がシリンダ1に進入する緩衝器D1の圧縮時には、圧側逆止弁V2が開弁し、ピストン2で加圧されたピストン側室a2の作動液が圧側のピストン通路21を通過してロッド側室a1に移動する。
このような緩衝器D1の圧縮時には、シリンダ1に進入したピストンロッド体積分シリンダ内容積が縮小されるので、フリーピストン4が図1中上側に後退する。そして、ピストン速度が低速領域にある場合、圧側減衰弁V4が開弁しないので、第一液溜室b1の作動液が連通部材H及び第二バイパス通路70を通過して第二液溜室b2に流入し気室Gが縮小される。また、ピストン速度が高くなり、低速領域を脱して中高速領域に達すると、圧側減衰弁V4が開弁し、第一液溜室b1の作動液が連通部材H及び圧側のベース部材通路61を通過して第二液溜室b2に流入し気室Gが縮小される。
本実施の形態において、圧側逆止弁V2による抵抗は小さく設定されているので、緩衝器D1の圧縮時にピストン速度が低速領域にある場合、緩衝器D1は、主に作動液が第二バイパス通路70を通過する際の弁体V5の抵抗に起因する圧側低速減衰力を発生し、緩衝器D1の圧縮時にピストン速度が中高速領域にある場合、緩衝器D1は、主に作動液が圧側のベース部材通路61を通過する際の圧側減衰弁V4の抵抗に起因する圧側中高速減衰力を発生する。上記圧側低速減衰力は、圧力センサ51で検出された第一液溜室b1の圧力に応じて弁体V5の開弁圧をアクチュエータ52で変更することにより調節することができる。
さらに、緩衝器D1の圧縮時において、シリンダ1内の作動液が増えたり温度上昇により作動液が膨張したりした状態でピストンロッド3のシリンダ1への進入量が大きくなると、下側のシール42が拡径部10cに到達するまでフリーピストン4が後退し、ピストン側室a2の作動液が下側のシール42とサブシリンダ10との間に生じた隙間と、連通孔10dを通過してリザーバRに排出、即ち、リリーフされる。なお、リリーフによりピストン側室a2の圧力が下がると、第一液溜室b1の圧力でフリーピストン4が前進して下側のシール42が摺接部10bに対向するので、上記隙間が閉じられピストン側室a1とリザーバRの連通が遮断される。
なお、上記説明において、ピストン速度の領域を低速領域と、中高速領域とに区画しているが、各領域の閾値はそれぞれ任意に設定することが可能である。
以下、本実施の形態に係る緩衝器D1の作用効果について説明する。
本実施の形態において、アクチュエータ52は、比例ソレノイドからなる。
このように、アクチュエータ52が比例ソレノイドからなる場合、緩衝器D1の発生する減衰力(本実施の形態においては、圧側低速減衰力)を電気的に調節することができるが、当該アクチュエータ52をチューブ部材Tに直接取り付けると緩衝器D1が軸方向に嵩張り、緩衝器D1の搭載性が悪化する。このため、アクチュエータ52が比例ソレノイドからなる場合には、チューブ部材Tの外側にチューブ部材Tから分離して設けられたハウジング5にアクチュエータ52を取り付けることで、寸法的制限を受けにくくなるので、特に有効である。しかし、アクチュエータ52以外の構成により減衰力を調節するとしてもよく、例えば、手動操作用のアジャスタを利用するとしてもよい。
本実施の形態において、緩衝器D1は、第一液溜室b1と第二液溜室b2とを連通する第二バイパス通路(通路)70と、作動液が上記第二バイパス通路70を通過する際の抵抗を変更可能なアクチュエータ52とを備えており、このアクチュエータ52は、ハウジング5に取り付けられている。
上記構成によれば、チューブ部材Tの外側にチューブ部材Tから分離して設けられたハウジング5にアクチュエータ52を取り付けることで、寸法的制限を受けにくくなるので、アクチュエータ52の選択自由度が向上する。しかし、アクチュエータ52をキャップ部材Cに取り付ける等、チューブ部材側に固定するとしてもよい。
また、本実施の形態において、シリンダ1は、フリーピストン4が摺接する摺接部10bと、この摺接部10bに連なるとともに内径が上記摺接部10bの内径よりも大きく形成されて上記フリーピストン4との間に隙間を形成できる拡径部10cと、この拡径部10cに形成されてリザーバRに開口する連通孔10dとを備えており、リリーフ機構Eは、上記拡径部10cと、上記連通孔10dとを備えて構成されている。
上記構成によれば、リリーフ機構Eの構成を簡易にすることができるが、リリーフ機構Eの構成は上記の限りではなく、フリーピストン4が所定量後退したときに、ピストン側室a2内の作動液をリザーバRに排出できるようになっていればよい。
また、本実施の形態において、緩衝器D1は、アウターチューブt1とこのアウターチューブt1に出入りするインナーチューブt2とからなるテレスコピック型のチューブ部材Tと、このチューブ部材T内に起立するシリンダ1と、このシリンダ1内に軸方向に移動可能に挿入されるピストン2と、このピストン2の一方側に起立して上記シリンダ1外に突出するピストンロッド3と、上記ピストン2で区画され作動液が充填されるロッド側室a1及びピストン側室a2と、上記チューブ部材Tと上記シリンダ1との間に形成されて作動液が貯留されるリザーバRとを備えている。
さらに、緩衝器D1は、上記シリンダ1の反ピストンロッド側に軸方向に移動可能に挿入されるフリーピストン4と、このフリーピストン4で上記ピストン側室a2と区画され作動液が充填される第一液溜室b1と、上記チューブ部材T外に設けられるハウジング5と、このハウジング5内に形成されて作動液が貯留され膨縮可能な第二液溜室b2と、上記第一液溜室b1と上記第二液溜室b2とを連通する連通部材Hと、上記ハウジング5に固定され上記第一液溜室b1と上記第二液溜室b2とを区画するベース部材6と、上記フリーピストン4が所定量後退したとき上記ピストン側室a2の作動液を上記リザーバRに排出するリリーフ機構Eとを備えている。
上記構成によれば、緩衝器D1がリリーフ機構Eを備えていてもベース部材6をシリンダ1から分離できるので、緩衝器D1が長手方向に嵩張ることを抑制し、緩衝器D1の搭載性を良好にすることが可能となる。
また、シリンダ1内にフリーピストン4が配置されているので、作動液中に溶けていた気体が作動室Aに析出したとしても、この気体をリリーフ時に作動液とともに排出できる。
さらに、上記構成によれば、ロッド側室a1、ピストン側室a2及びリザーバRに収容される作動液(以下、作動室用の作動液とする)と、第一、第二液溜室b1,b2に収容される作動液(以下、液溜室用の作動液とする)が混じらないようになっているので、作動室用の作動液と液溜室用の作動液の種類を異なるものにすることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
a1 ロッド側室
a2 ピストン側室
b1 第一液溜室
b2 第二液溜室
D1 緩衝器
E リリーフ機構
H 連通部材
T チューブ部材
t1 アウターチューブ
t2 インナーチューブ
R リザーバ
1 シリンダ
2 ピストン
3 ピストンロッド
4 フリーピストン
5 ハウジング
6 ベース部材
10b 摺接部
10c 拡径部
10d 連通孔
52 アクチュエータ
70 第二バイパス通路(通路)

Claims (4)

  1. アウターチューブとこのアウターチューブに出入りするインナーチューブとからなるテレスコピック型のチューブ部材と、このチューブ部材内に起立するシリンダと、このシリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されるピストンと、このピストンの一方側に起立して上記シリンダ外に突出するピストンロッドと、上記ピストンで区画され作動液が充填されるロッド側室及びピストン側室と、上記チューブ部材と上記シリンダとの間に形成されて作動液が貯留されるリザーバとを備える緩衝器において、
    上記シリンダの反ピストンロッド側に軸方向に移動可能に挿入されるフリーピストンと、このフリーピストンで上記ピストン側室と区画され作動液が充填される第一液溜室と、上記チューブ部材外に設けられるハウジングと、このハウジング内に形成されて作動液が貯留され膨縮可能な第二液溜室と、上記第一液溜室と上記第二液溜室とを連通する連通部材と、上記ハウジングに固定され上記第一液溜室と上記第二液溜室とを区画するベース部材と、上記フリーピストンが所定量後退したとき上記ピストン側室の作動液を上記リザーバに排出するリリーフ機構とを備える緩衝器。
  2. 上記シリンダは、上記フリーピストンが摺接する摺接部と、この摺接部に連なるとともに内径が上記摺接部の内径よりも大きく形成されて上記フリーピストンとの間に隙間を形成できる拡径部と、この拡径部に形成されて上記リザーバに開口する連通孔とを備えており、
    上記リリーフ機構は、上記拡径部と、上記連通孔とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 上記第一液溜室と上記第二液溜室とを連通する通路と、作動液が上記通路を通過する際の抵抗を変更可能なアクチュエータとを備えており、このアクチュエータは、上記ハウジングに取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の緩衝器。
  4. 上記アクチュエータは、比例ソレノイドからなることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の緩衝器。
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