JP2011033053A - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加圧スプリングにより付勢されるフリーピストンによってシリンダチューブ内油室を加圧するに際し、加圧スプリングが油圧緩衝器の圧縮行程の後半でフリーピストンに及ぼすばね力を減じ、シリンダチューブの内部に進入するピストンロッドの圧縮ストロークに対する過大な抵抗を減ずること。
【解決手段】 フリーピストン61をサブピストン52の側に向けて付勢する加圧スプリング66を有してなる油圧緩衝器において、シリンダチューブ16の内部をリザーバ30に連通する連通路64の開口部より上部に、フリーピストン61と相対するリリーフピストン71を移動自在に設け、リリーフピストン71をフリーピストン61の側に向けて付勢する付勢手段74を有してなるもの。
【選択図】 図3

Description

本発明は油圧緩衝器に関する。
油圧緩衝器として、特許文献1に記載の如く、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパのシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブを設け、シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対するフリーピストンを移動自在に設け、このフリーピストンによりシリンダチューブの内部のサブタンク室に対する上方に体積補償室を区画し、フリーピストンが所定位置まで移動したときに、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室を、シリンダチューブの外部のリザーバに連通する連通路を設け、フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有してなるものがある。
この油圧緩衝器では、ピストンロッドがストロークする度に、リザーバの油室からピストンロッドに付着してシリンダチューブの内部に持ち込まれた余剰油がフリーピストンを所定位置まで移動させたときに、この余剰油をサブタンク室からシリンダチューブの連通路経由で該シリンダチューブの外のリザーバに戻すことができる。
また、この油圧緩衝器は、フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有している。フリーピストンは、サブタンク室を加圧し、この加圧作用をサブピストンの圧側減衰バルブを介してシリンダチューブ内に波及させ、ピストンロッドがシリンダチューブに進入する圧縮行程で、圧側減衰バルブの減衰力特性の安定を図るものである。
特許2870678
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、車体側チューブに車軸側チューブが進入し、ピストンロッドがシリンダチューブに進入する圧縮行程で、車両が路面から受ける衝撃力を吸収するに必要な油圧緩衝器の反力を、車体側チューブと車軸側チューブの間に介装されて圧縮される懸架スプリングのばね力と、車体側チューブと車軸側チューブの内部でダンパの外側に設けられるリザーバの気体室に閉じ込まれて加圧される気体のばね力により発生させることとしている。従って、油圧緩衝器の圧縮行程では、リザーバの気体室により一定の気体ばね力を確保する必要がある。
ところが、油圧緩衝器の圧縮行程でリザーバの気体室により確保される上述の気体ばね力は、リザーバからシリンダチューブの連通路を介してサブタンク室に及び、ひいては前述の加圧スプリングのばね力とともにフリーピストンを付勢し、シリンダチューブの内部の油室を加圧するものになり、シリンダチューブの内部に進入するピストンロッドの圧縮ストロークに対する抵抗になる。特に、圧縮行程の後半で、リザーバの気体室により確保される気体ばね力と加圧スプリングのばね力はピストンロッドの進入に対して過大な抵抗を及ぼし、衝撃吸収性能を損ない、乗り心地を損なうおそれがある。
本発明の課題は、加圧スプリングにより付勢されるフリーピストンによってシリンダチューブ内油室を加圧するに際し、加圧スプリングが油圧緩衝器の圧縮行程の後半でフリーピストンに及ぼすばね力を減じ、シリンダチューブの内部に進入するピストンロッドの圧縮ストロークに対する過大な抵抗を減ずることにある。
請求項1の発明は、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパのシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブを設け、シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対するフリーピストンを移動自在に設け、このフリーピストンによりシリンダチューブの内部のサブタンク室に対する上方に体積補償室を区画し、フリーピストンが所定位置まで移動したときに、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室を、シリンダチューブの外部のリザーバに連通する連通路を設け、フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有してなる油圧緩衝器において、シリンダチューブの内部で前記連通路の開口部より上部にフリーピストンと相対するリリーフピストンを移動自在に設け、リリーフピストンをフリーピストンの側に向けて付勢する付勢手段を有してなるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記付勢手段が弾性体からなるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記リリーフピストンがシリンダチューブの内部の体積補償室に対する上方にリリーフ室を区画してなるようにしたものである。
(請求項1)
(a)加圧スプリングにより付勢されるフリーピストンによってシリンダチューブ内油室を加圧する油圧緩衝器において、シリンダチューブの内部をリザーバに連通する連通路の開口部より上部に、フリーピストンと相対するリリーフピストンを移動自在に設け、リリーフピストンをフリーピストンの側に向けて付勢する付勢手段を有するものにした。従って、油圧緩衝器の圧縮行程で、シリンダチューブへのピストンロッド進入分だけフリーピストンが上方へ移動するとき、リザーバの気体室から連通路を介してサブタンク室に及ぶ気体圧力(気体ばね力)が車体側チューブと車軸側チューブの収縮分だけ昇圧され、この気体圧力がリリーフピストンを付勢している付勢手段を圧縮させて該リリーフピストンを上方へ移動させる結果、このリリーフピストンとフリーピストンの間に介装されている加圧スプリングの圧縮たわみ量、換言すれば加圧スプリングがフリーピストンに及ぼすばね力はリリーフピストンの上述した上方への移動量分だけ低減される。リザーバの気体室から連通路を介してサブタンク室に及ぶ気体圧力(気体ばね力)は圧縮行程の前半よりも後半でより高くなるから、加圧スプリングがフリーピストンに及ぼすばね力の低減度は、圧縮行程の前半よりも後半でより大きくなる。これにより、付勢手段によって付勢されているリリーフピストンによりバックアップされる加圧スプリングは圧縮行程の前半ではサブタンク室を必要十分な程度に加圧して圧側減衰バルブの減衰力特性の安定を図る。加圧スプリングは圧縮行程の後半ではサブタンク室の加圧程度を減じてシリンダチューブの内部に進入するピストンロッドに対する抵抗を減じ、衝撃吸収性能を確保し、乗り心地を向上させる。
(請求項2)
(b)リリーフピストンのための付勢手段は、金属コイルばね、ゴム等の弾性体によって構成できる。
(請求項3)
(c)リリーフピストンがシリンダチューブの内部の体積補償室に対する上方にリリーフ室を区画する。従って、密閉したリリーフ室に封入される気体のばね力をリリーフピストンのための付勢手段として用いることができる。
図1は油圧緩衝器の最伸長状態を示す全体断面図である。 図2は図1の下部断面図である。 図3は図1の上部断面図である。 図4は油圧緩衝器の最圧縮状態を示す上部断面図である。
フロントフォーク10(油圧緩衝器)は、図1〜図3に示す如く、車体側チューブ(アウタチューブ)11内に車軸側チューブ(インナチューブ)12を摺動自在に挿入し、両チューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装するとともに、単筒型ダンパ14を倒立にして内装している。
車体側チューブ11は車体側に支持され、車軸側チューブ12は車軸に結合される。
車体側チューブ11の上端部にはダンパ14のシリンダチューブ16(上シリンダチューブ16A)の上端部がOリングを介して螺着され、シリンダチューブ16の上部開口端はフォークボルト15により閉塞される。フォークボルト15は、Oリングを介して上シリンダチューブ16Aの内周に気密に挿入されて螺着される。
車軸側チューブ12の下端部内周にはオイルロックカラー17がOリングを介して液密に嵌装され、このオイルロックカラー17をボトムボルト18で車軸ブラケット19にOリングを介して液密に固定してある。また、ボトムボルト18にはダンパ14のピストンロッド(中空ロッド)20の基端部が螺着されるとともにロックナット18Aでロックされ、このピストンロッド20の先端部をシリンダチューブ16に挿入してある。ピストンロッド20は、シリンダチューブ16(下シリンダチューブ16B)の下端側の開口部に螺着したロッドガイド21のブッシュ21Aで支持され、シール部材21Bを貫通してシリンダチューブ16の内部に挿入されている。シール部材21Bは、シリンダチューブ16の後述する油室43Bを密封し、油室43Bの油がシリンダチューブ16の外に逃げ出すのを阻止する一方向性のシール機能をもつ。尚、ロッドガイド21の外周部にはオイルロックカラー22を設けてある。また、ロッドガイド21の内側端面にはリバウンドスプリング23が支持されている。尚、シリンダチューブ16A、16Bはパイプナット16Cで接続ロックされる。
懸架スプリング13は、オイルロックカラー17の基端部外周面に装着したスプリング受け24と、シリンダチューブ16(下シリンダチューブ16B)に外装して軸方向に係止した孔開きスプリングカラー25(多数の連通孔25Aを備える)の先端部に固定したスプリング受け26との間に介装されている。また、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部で、ダンパ14の外側にはリザーバ30を構成する油室31と気体室32とが設けられ、油室31と気体室32とは自由界面を介して接触し、気体室32に閉じ込められている気体が気体ばねを構成する。車両が路面から受ける衝撃力を吸収するに必要なフロントフォーク10の反力を、懸架スプリング13のばね力と、気体室32に基づく気体ばね力により発生するものであり、フロントフォーク10の圧縮行程では、リザーバ30の気体室32により一定の気体ばね力を確保する必要がある。
ダンパ14は、メインバルブ装置(伸側減衰バルブ装置)40と、サブバルブ装置(圧側減衰バルブ装置)50とを有している。ダンパ14は、メインバルブ装置40とサブバルブ装置50の発生する減衰力により、懸架スプリング13と気体室32の気体ばねによる衝撃力の吸収に伴う車体側チューブ11と車軸側チューブ12の伸縮振動を抑制する。
(メインバルブ装置40)
メインバルブ装置40は、ピストンロッド20の先端部にピストンホルダ41を装着し、このピストンホルダ41にメインピストン42を装着している。メインピストン42は、シリンダチューブ16の内部をピストンロッド20が収容されないピストン側油室43Aとピストンロッド20が収容されるロッド側油室43Bとに区画し、該シリンダチューブ16の内部を摺動する。メインピストン42は、伸側減衰バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側減衰バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側流路45とを備える。
また、メインバルブ装置40は、アジャスタ46に結合されている減衰力調整ロッド47をボトムボルト18の外方からピストンロッド20の中空部に通し、アジャスタ46の回転操作により軸方向に進退する減衰力調整ロッド47の先端のニードル47Aにより、ピストンホルダ41に設けてあるピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとのバイパス路48の流路面積を調整可能とする。
(サブバルブ装置50)
サブバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの上端部に螺着されている前述のフォークボルト15にガイドパイプ51(支持軸)を螺着し、ガイドパイプ51の先端部にピストンホルダ51Aを螺着し、このピストンホルダ51Aにナット51B等によりサブピストン52を保持している。サブピストン52はシリンダチューブ16の内部でメインピストン42に相対配置され、上シリンダチューブ16Aの内周部に液密に接し、前述のピストン側油室43Aの上方にサブタンク室53を区画形成する。サブピストン52は、圧側減衰バルブ54Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする圧側流路54と、伸側減衰バルブ55Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする伸側流路55(不図示)とを備える。また、ピストンホルダ51Aは、圧側流路54と伸側流路55とをバイパスしてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とするバイパス路56を備える。
フォークボルト15に螺合された減衰力調整ロッド58は、アジャスタ59を備えるとともに、ガイドパイプ51に挿入され、アジャスタ59の回転操作により軸方向に進退する先端のニードル58Aによりバイパス流路56の流路面積を調整可能とする。尚、フォークボルト15は頭部端面の中央部にアジャスタ59とそのホルダ59Aを埋込み保持している。
また、サブバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの内部であって、上シリンダチューブ16Aとガイドパイプ51の間の環状空間にてフリーピストン61を移動可能に設ける。フリーピストン61の外周環状溝には、ピストンリング61Aが装填され、フリーピストン61はピストンリング61Aを介して上シリンダチューブ16Aの内周を液密に摺動する。フリーピストン61の内周凹部には、オイルシール62が装填され、フリーピストン61はオイルシール62を介してガイドパイプ51の外周を液密に摺動する。フリーピストン61は、サブピストン52の側でピストン側油室43Aに連通しているサブタンク室53と、サブタンク室53に対する上方の体積補償室63とを区画する。体積補償室63は、上シリンダチューブ16Aの軸方向中間部の拡径部に設けた連通孔64(連通路)で気体室32と連通している。サブバルブ装置50は、フロントフォーク10のピストンロッド20がストロークする度に、該ピストンロッド20の外周面に付着した油室31の油をロッドガイド部21のシール部材21Bからシリンダチューブ16の内部に持ち込む。これにより、シリンダチューブ16の内部の油室43A、43B、53の作動油が徐々に増加し、フリーピストン61がその増加により図4に示す如くに上方へ移動し、作動油が一定量以上になってフリーピストン61の外周のピストンリング61Aが上シリンダチューブ16Aの内周の上記拡径部(連通孔64)に到達したときに、シリンダチューブ16の余剰油をサブタンク室53から体積補償室63、連通孔64、気体室32経由でシリンダチューブ16の外の油室31に排出するブロー機能を有する。
また、サブバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの内部の体積補償室63に、フリーピストン61をサブピストン52の側に向けて付勢する加圧スプリング66を有している。加圧スプリング66はシリンダチューブ16の油室圧力により加圧されて支持されるフリーピストン61と後述するリリーフピストン71の間に予圧縮されて介装される。加圧スプリング66は圧縮コイルばねからなる。シリンダチューブ16内にピストンロッド20が進入する圧縮行程で、ピストンロッド20の進入容積分の油がフリーピストン61を上方へ移動する結果、加圧スプリング66が圧縮され、このときの加圧スプリング66によりシリンダチューブ16内の油室が加圧され、この加圧作用がサブピストン52の圧側減衰バルブ54Aを介してシリンダチューブ16内油室に波及され、圧側減衰バルブ54Aの減衰力特性の安定を図るとともに、伸長時におけるシリンダチューブ16内油室のキャビテーションの発生を防止する。
従って、フロントフォーク10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
フロントフォーク10の圧縮時には、サブバルブ装置50において、サブピストン52のニードル58A或いは圧側減衰バルブ54Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、メインバルブ装置40において、メインピストン42の圧側減衰バルブ45Aを流れる油により、必要に応じた設定の圧側減衰力を生じる。
(伸長時)
フロントフォーク10の伸長時には、メインバルブ装置40において、メインピストン42のニードル47A或いは伸側減衰バルブ44Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、サブバルブ装置50では殆ど減衰力を生じない。
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
尚、フロントフォーク10の最圧縮時には、シリンダチューブ16の下シリンダチューブ16Bの下端部のオイルロックカラー22が、車軸側チューブ12の下端部に設けてあるオイルロックカラー17に嵌合し、両者の間で圧縮した油によりオイルロック作用を生ぜしめ、ダンパ14の底つきを防止する。
また、フロントフォーク10の最伸長時には、ピストンロッド20に設けているピストンホルダ41の下端面が、シリンダチューブ16の開口部に設けてあるロッドガイド21に支持されているリバウンドスプリング23に衝合し、伸切りの緩衝作用を果たす。
しかるに、フロントフォーク10の圧縮行程では、リザーバ30の気体室32により確保される前述の気体ばね力が、リザーバ30からシリンダチューブ16の連通孔64を介してサブタンク室53に及び、ひいては加圧スプリング66のばね力とともにフリーピストン61を付勢し、シリンダチューブ16の内部の油室を加圧するものになり、シリンダチューブ16の内部に進入するピストンロッド20の圧縮ストロークに対する抵抗になる。特に、圧縮行程の後半で、リザーバ30の気体室32により確保される前述の気体ばね力と加圧スプリング66のばね力はピストンロッド20の進入に対して過大な抵抗を及ぼし、衝撃吸収性能を損ない、乗り心地を損なうおそれがある。
そこで、フロントフォーク10のサブバルブ装置50にあっては、加圧スプリング66により付勢されるフリーピストン61によってシリンダチューブ16内油室を加圧するに際し、加圧スプリング66がフロントフォーク10の圧縮行程の後半でフリーピストン61に及ぼすばね力を減じ、シリンダチューブ16の内部に進入するピストンロッド20の圧縮ストロークに対する過大な抵抗を減ずるため、以下の構成を具備する。
即ち、サブバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの内部で、連通孔64の開口部より上部に、フリーピストン61と相対するリリーフピストン71を設け、このリリーフピストン71を上シリンダチューブ16Aの内部の連通孔64の開口部より上方域にて移動自在にする。リリーフピストン71の下側の外周環状溝にはガイドブッシュ71Aが、上側の外周環状溝にはOリング(シールリング)71Bが装填され、フリーピストン71はガイドブッシュ71A、Oリング71Bを介して上シリンダチューブ16Aの内周を液密に摺動する。リリーフピストン71の内周凹部にはオイルシール72が装填され、リリーフピストン71はオイルシール72を介してガイドパイプ51の外周を液密に摺動する。リリーフピストン71は、上シリンダチューブ16Aの内部の体積補償室63に対する上方、かつフォークボルト15の下方にリリーフ室73を区画する。
また、サブバルブ装置50は、リリーフピストン71をフリーピストン61の側に向けて付勢する付勢手段74を有する。付勢手段74は加圧スプリング66のばね力により支持されるリリーフピストン71とフォークボルト15の間に予圧縮されて介装される。付勢手段74は圧縮コイルばねからなる。尚、サブバルブ装置50は、前述のリリーフ室73をフォークボルト15の外部空間とリザーバ30に対して封止しており、リリーフ室73に閉じ込められる気体が構成する気体ばねも上述の付勢手段74として機能させている。付勢手段74は、圧縮コイルばねだけから構成される他、リリーフ室73の気体ばねだけから構成されるものでも良い。
尚、サブバルブ装置50にあっては、フォークボルト15に排気プラグ81、82を螺着して備える。排気プラグ81は、フロントフォーク10の伸縮によって車体側チューブ11と車軸側チューブ12の摺動部から気体室32に侵入した空気を排出可能にする。排気プラグ82は、フロントフォーク10の伸縮によって上シリンダチューブ16Aとリリーフピストン71の摺動部からリリーフ室73に侵入した空気を排出可能にする。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)加圧スプリング66により付勢されるフリーピストン61によってシリンダチューブ16内油室を加圧するフロントフォーク10において、シリンダチューブ16の内部をリザーバ30に連通する連通孔64の開口部より上部に、フリーピストン61と相対するリリーフピストン71を移動自在に設け、リリーフピストン71をフリーピストン61の側に向けて付勢する付勢手段74を有するものにした。従って、フロントフォーク10の圧縮行程で、シリンダチューブ16へのピストンロッド20進入分だけフリーピストン61が上方へ移動するとき、リザーバ30の気体室32から連通孔64を介してサブタンク室53に及ぶ気体圧力(気体ばね力)が車体側チューブ11と車軸側チューブ12の収縮分だけ昇圧され、この気体圧力がリリーフピストン71を付勢している付勢手段74を圧縮させて該リリーフピストン71を上方へ移動させる結果、このリリーフピストン71とフリーピストン61の間に介装されている加圧スプリング66の圧縮たわみ量、換言すれば加圧スプリング66がフリーピストン61に及ぼすばね力はリリーフピストンの上述した上方への移動量分だけ低減される。リザーバ30の気体室32から連通孔64を介してサブタンク室53に及ぶ気体圧力(気体ばね力)は圧縮行程の前半よりも後半でより高くなるから、加圧スプリング66がフリーピストン61に及ぼすばね力の低減度は、圧縮行程の前半よりも後半でより大きくなる。これにより、付勢手段74によって付勢されているリリーフピストン71によりバックアップされる加圧スプリング66は圧縮行程の前半ではサブタンク室53を必要十分な程度に加圧して圧側減衰バルブ54Aの減衰力特性の安定を図る。加圧スプリング66は圧縮行程の後半ではサブタンク室53の加圧程度を減じてシリンダチューブ16の内部に進入するピストンロッド20に対する抵抗を減じ、衝撃吸収性能を確保し、乗り心地を向上させる。
(b)リリーフピストン71のための付勢手段74は、金属コイルばね、ゴム等の弾性体によって構成できる。
(c)リリーフピストン71がシリンダチューブ16の内部の体積補償室63に対する上方にリリーフ室を区画する。従って、密閉したリリーフ室に封入される気体のばね力をリリーフピストン71のための付勢手段74として用いることができる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明は、加圧スプリングにより付勢されるフリーピストンによってシリンダチューブ内油室を加圧する油圧緩衝器において、シリンダチューブの内部をリザーバに連通する連通路の開口部より上部に、フリーピストンと相対するリリーフピストンを移動自在に設け、リリーフピストンをフリーピストンの側に向けて付勢する付勢手段を設けた。これにより、加圧スプリングが油圧緩衝器の圧縮行程の後半でフリーピストンに及ぼすばね力を減じ、シリンダチューブの内部に進入するピストンロッドの圧縮ストロークに対する過大な抵抗を減ずることができる。
10 フロントフォーク(油圧緩衝器)
11 車体側チューブ
12 車軸側チューブ
14 ダンパ
16 シリンダチューブ
20 ピストンロッド
30 リザーバ
32 気体室
42 メインピストン
43A ピストン側油室
43B ロッド側油室
44 伸側流路
44A 伸側減衰バルブ
52 サブピストン
53 サブタンク室
54 圧側流路
54A 圧側減衰バルブ
61 フリーピストン
63 体積補償室
64 連通孔(連通路)
66 加圧スプリング
71 フリーピストン
73 リリーフ室
74 付勢手段

Claims (3)

  1. 車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、
    車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパのシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブを設け、
    シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、
    シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対するフリーピストンを移動自在に設け、このフリーピストンによりシリンダチューブの内部のサブタンク室に対する上方に体積補償室を区画し、
    フリーピストンが所定位置まで移動したときに、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室を、シリンダチューブの外部のリザーバに連通する連通路を設け、
    フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有してなる油圧緩衝器において、
    シリンダチューブの内部で前記連通路の開口部より上部にフリーピストンと相対するリリーフピストンを移動自在に設け、リリーフピストンをフリーピストンの側に向けて付勢する付勢手段を有してなることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記付勢手段が弾性体からなる請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 前記リリーフピストンがシリンダチューブの内部の体積補償室に対する上方にリリーフ室を区画してなる請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105114391A (zh) * 2015-08-25 2015-12-02 中国船舶重工集团公司第七一九研究所 一种顺序动作液压缸

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