JP5201313B2 - 電気化学素子用電極およびその製造方法 - Google Patents

電気化学素子用電極およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5201313B2
JP5201313B2 JP2007093554A JP2007093554A JP5201313B2 JP 5201313 B2 JP5201313 B2 JP 5201313B2 JP 2007093554 A JP2007093554 A JP 2007093554A JP 2007093554 A JP2007093554 A JP 2007093554A JP 5201313 B2 JP5201313 B2 JP 5201313B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
graphite
active material
binder
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007093554A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008251965A (ja
Inventor
智一 佐々木
英和 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Priority to JP2007093554A priority Critical patent/JP5201313B2/ja
Publication of JP2008251965A publication Critical patent/JP2008251965A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5201313B2 publication Critical patent/JP5201313B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタなどの電気化学素子(本発明では、繰り返し充放電可能な、二次電池とキャパシタを総称して電気化学素子という。)、およびこれに用いられる電極に関する。
小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放電が可能な電気化学素子は、その特性を活かして急速に需要を拡大している。リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が比較的大きいことから携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの分野で利用され、電気二重層キャパシタは、急激な充放電が可能なので、パソコン等のメモリバックアップ小型電源として利用されている。更に、電気二重層キャパシタは電気自動車用の大型電源としての応用が期待されている。また、金属酸化物や導電性高分子の表面の酸化還元反応(疑似電気二重層容量)を利用するレドックスキャパシタもその容量の大きさから注目を集めている。これらの電気化学素子は、用途の拡大や発展に伴い、低抵抗化、高容量化、機械的特性の向上など、より一層の改善が求められている。このようななかで、電気化学素子の性能を向上させるために、集電体や活物質層を形成する材料についても様々な改善が行われている。
電気化学素子用電極は、電極活物質、導電材および結着剤とを含む活物質層を集電体上に積層してなるものである。電極活物質としては、各種の活性炭(カーボンともいう。)が一般的である(特許文献1)。活性炭は、その表面積が大きく、得られる電気化学素子の電気容量を大きくすることができるからである。特許文献1においても、活性炭の表面積が500m/g以上に大きいことが好ましいとされている。
一方、電極活物質として、活性炭に代わって黒鉛または黒鉛状粒子を用いることが提案されている(特許文献2、特許文献3)(本発明では、黒鉛状粒子は、黒鉛からなる粒子の表面に、該黒鉛の結晶構造とは異なる結晶構造を有する炭素同素体による被覆層を有するものをいう。)。これらの文献によれば、黒鉛または黒鉛状粒子を用いることにより、例えば3.8Vの高電圧においても、電気容量が大きく、充放電サイクルにおける信頼性の高い電気化学素子用電極が得られるとされている。これらの文献では、電極活物質としての黒鉛、導電材および結着剤と溶剤とをスラリー状にし、これを集電体上に塗布、乾燥して活物質層とし、電気化学素子用電極を得ている(本発明では、このように、スラリーを塗布、乾燥して活物質層を得る方法を湿式法という。)。また、バインダーとしては、PVDfやPTFEなどのフッ素樹脂や、ゴムなどが使用可能であると記載されている。
特開2002−260634号公報 特開2006−332625号公報 WO2006/054747公報
しかし、本発明者らの検討によれば、特許文献2および特許文献3に開示される方法に従って、電極活物質として黒鉛を用い、湿式法で活物質層を形成しようとすると、電極表面でスジ状のムラや、塗布端の盛り上がりなどが発生しやすいという不都合があった。また均一なスラリーを調製するためには、黒鉛がスラリー中で分散しにくいため、十分な剪断を与えるか、攪拌時間を長くして、スラリーを調製する必要があり、電極の製造工程が複雑となり、生産効率が劣っていた。
本発明の目的は、例えば3.8Vの高電圧においても、電気容量が大きく、充放電サイクルにおける信頼性の高い電気化学素子を製造することができる電気化学素子用電極、その生産性に優れた製造方法、およびそのような電極を用いた電気化学素子を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意努力した結果、電極活物質として黒鉛または黒鉛状粒子を用いて活物質層を形成する場合、電極活物質としての黒鉛、導電材および結着剤を含む複合粒子を得て、これを集電体上に乾式法により成形して活物質層とすることが適していることを見出した。さらに、本発明者らは、結着剤として、電解液に対する膨潤度が小さいものを組み合わせて用いることが好ましいことを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
かくして、本発明によれば、
集電体と、その表面に活物質層を有してなる電気化学素子用電極であって、該活物質層が、電極活物質、導電材および結着剤を含む複合粒子を乾式法により成形したものであり、該電極活物質が黒鉛または黒鉛状粒子を含むことを特徴とする電気化学素子用電極が提供される。
この結着剤は、プロピレンカーボネートに1.0mol/Lの濃度でトリエチレンモノメチルアンモニウムテトラフロロボーレートを溶解した電解液に対する膨潤度が2以下であることが好ましい。
一つの実施態様として、電極活物質は、黒鉛状粒子であることが好ましい。黒鉛状粒子は、黒鉛の粒子の表面に、該黒鉛の結晶構造とは異なる結晶構造の炭素同素体による被覆層を有するものである。該被覆層は結晶性の炭素同素体でもよいし、非結晶性の炭素同素体でってもよいが、非結晶性の炭素同素体あることが好ましい。
また、本発明によれば、黒鉛若しくは黒鉛状粒子、導電材および結着剤を含む複合粒子を得る工程、およびこの複合粒子を集電体上で加熱および加圧することにより活物質層を形成する工程を有することを特徴とする電気化学素子用電極の製造方法(本発明では、このように、複合粒子を集電体上で加熱および加圧して活物質層を形成する方法を乾式法という。)。複合粒子を得る工程は、噴霧乾燥造粒法であることが好ましい。
得られる、電気化学素子用電極を、正極電極または負極電極として使用して、電気化学素子とすることができ、正極電極として用いることが好ましい。そのような電気化学素子は好ましくは電気二重層キャパシタである。
本発明によれば、電気化学素子用の電極、その生産効率に優れた製造方法、およびそのような電気化学粗使用電極を用いた電気化学素子が提供される。得られる電気化学素子は、静電容量が大きく、容量保持率が高く、充放電サイクルにおける信頼性の高いものである。
<複合粒子>
本発明では、それぞれの粒子が、黒鉛若しくは黒鉛状粒子、導電剤、および結着剤を含む複合粒子を用いる。
本発明では、電極活物質として、黒鉛または黒鉛状粒子を用いることが必須である。黒鉛は炭素の同素体であり、sp混成軌道により炭素原子が6炭素環が連なった結晶構造をもつ部分を有する物質である。黒鉛は、天然に産出するもの(天然石墨)と人工的に製造されるものに大別される。天然石墨は、六方晶系または六角板状の平たい結晶であり、通常は鱗状、粒状、または土状である。人工的に製造されるものは鱗状または塊状である。ここで黒鉛は一般的に「黒鉛」として認識されている材料を含む概念である。また、本発明では、電極活物質として、活性炭などの黒鉛(および黒鉛状粒子)以外の、炭素同素体等の電極活物質として公知のものを、本発明の目的を損なわない範囲で併用して用いることもできる。この場合、電極活物質中に於ける、黒鉛および黒鉛状粒子の割合は、通常50重量%以上であり、70重量%以上であることが好ましい。
好ましい黒鉛は、X線回折によるd(002)間距離が小さく、通常0.3390nm以下、このマイクは0.3370nm以下、特に好ましくは0.3354〜0.3362nmの範囲である。好ましい黒鉛は、比表面積が10m/g以下、好ましくは7m/g以下、より好ましくは5m/g以下のものである。比表面積は、吸着剤としてN2やCO2などを用いたBET法により決定することができる。好ましい黒鉛は、高結晶性のものである。例えば、002面の結晶格子定数C0(002)は0.67〜0.68nm、好ましくは0.671〜0.674であればよい。更に、CuKα線を用いたX線結晶回折スペクトルで002ピークの半値幅は0.5未満、好ましくは0.1〜0.4、より好ましくは0.2〜0.3であればよい。黒鉛の結晶性が低いと電気二重層キャパシタの不可逆容量が増大する傾向がある。好ましい黒鉛はグラファイト層に適度な乱れを生じ、ベーサル面とエッジ面の比がある一定の範囲に入るものである。グラファイト層の乱れは、例えば、ラマン分光分析の結果に現れる。好ましい黒鉛は、ラマン分光スペクトルにおける1360cm−1のピーク強度(以下「I(1360)」という。)と1580cm−1のピーク強度(以下「I(1580)」という。)との比(以下「I(1360)/I(1580)」という。)が0.02〜0.5、好ましくは0.05〜0.25、より好ましくは0.1〜0.2、更に好ましくは0.13〜0.17となるものである。なお後述するCVD処理を施すと、該強度比は成立せず、2.5以上の値を示す。被覆した炭素が基材よりも結晶性が低いためと見られる。また、好ましい黒鉛はX線結晶解析の結果で特定することもできる。つまり、X線結晶回折スペクトルにおける菱面体晶のピーク強度(以下「IB」という。)と六方晶のピーク強度(以下「IA」という。)との比(以下「IB/IA」という。)が0.3以上、好ましくは0.35から1.3となる黒鉛である。
黒鉛の粒子の形状や寸法は、得られる複合粒子が電気化学素子用電極に成形できる範囲であれば、特に限定されない。例えば、黒鉛として、薄片状黒鉛粒子、圧密化黒鉛粒子及び球状化黒鉛粒子等を使用できる。これら黒鉛の粒子の性状及び製造方法は公知である。薄片状黒鉛粒子は一般に厚みが1μm以下、好ましくは0.1μm以下であり、かつ最大粒子長は100μm以下、好ましくは50μm以下である。薄片状黒鉛粒子は天然黒鉛や人造黒鉛を化学的、あるいは物理的方法で粉砕してえられる。例えば、天然黒鉛や、キッシュ黒鉛、高結晶性熱分解黒鉛等の人造黒鉛材料を硫酸と硝酸の混酸で処理、加熱して膨張黒鉛を得て、超音波法などで粉砕して薄片化黒鉛を得る方法や、硫酸中で電気化学的に黒鉛を酸化して得られる黒鉛−硫酸の層間化合物や、黒鉛−テトラヒドロフラン等の黒鉛−有機物の層間化合物を外熱式あるいは内熱式炉で、更にはレーザー加熱等により急速加熱処理して膨張化させ、粉砕する等の公知の方法に従って製造することができる。あるいは天然黒鉛や人造黒鉛を機械的に例えばジェットミルなどで粉砕して得ることが出来る。上記薄片状黒鉛粒子は、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛を、薄片化及び粒子化することにより得られる。薄片化及び粒子化の方法としては、例えばこれらを超音波や各種粉砕機を用いて機械的或いは物理的に粉砕する方法がある。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛をジェットミルなどシェアをかけない粉砕機で粉砕薄片化した黒鉛粒子は、ここでは特に鱗片状黒鉛粒子と呼ぶ。これに対し、膨張黒鉛を超音波などを用いて粉砕、薄片化した黒鉛粒子をここでは特に葉片状黒鉛とよぶ。薄片状黒鉛粒子は2000℃ないし2800℃で0.1〜10時間程度、不活性雰囲気中でアニーリングし、更に結晶性を高めてもよい。圧密化黒鉛粒子は嵩密度が高い黒鉛粒子であり、一般にタップ密度が0.7〜1.3g/cm3である。圧密化黒鉛粒子はアスペクト比が1〜5の紡錘状をなす黒鉛粒子を10体積%以上含むか、若しくはアスペクト比が1〜10の円盤状をなす黒鉛粒子を50体積%以上含むと定義される。圧密化黒鉛粒子は、原料黒鉛粒子を圧密化することによって製造することができる。原料となる黒鉛の粒子としては、天然黒鉛、人造黒鉛のいずれを用いても良いが、結晶性の高さと、入手の容易さとから、天然黒鉛が好ましい。
以上の天然黒鉛および人造黒鉛はそのまま若しくは粉砕して、本発明で用いる黒鉛とすることができるが、さらに圧密化処理を施して用いてもよい。圧密化処理は、原料となる黒鉛の粒子に衝撃を加えることにより行う。振動ミルを用いる圧密化処理は、特に圧密化を高くでき、より好ましいものである。振動ミルの例としては、振動ボールミル、振動ディスクミル、振動ロッドミル等が挙げられる。アスペクト比の大きな鱗片状の原料黒鉛粒子を圧密化処理すると、原料黒鉛粒子は主に黒鉛のベーサルプレーン(基礎面)で積層しながら二次粒子化し、同時に積層した二次粒子の端部は丸く削られて厚みのあるアスペクト比1〜10の円盤状、或はアスペクト比1〜5の紡錘状に変化し、アスペクト比の小さな黒鉛粒子に変換される。このようにして黒鉛粒子をアスペクト比の小さなものに変換した結果、黒鉛の粒子は高結晶性であるにもかかわらず、等方性に優れ、タップ密度が高い黒鉛粒子が得られる。そのため、得られる複合粒子を用いて電気化学素子用電極を成形する場合、そのような電極中の黒鉛の密度を高くすることができる。
黒鉛は球状の粒子であってもよい。そのような球状の黒鉛の粒子は、高結晶性黒鉛を比較的破砕力の小さい衝撃式粉砕機で粉砕しながら、この薄片を集めて、圧縮球状化して得られる。衝撃式粉砕機としては、例えばハンマーミルやピンミルを使用することができる。回転するハンマーやピンの外周線速度は50〜200m/秒程度が好ましい。また、これらの粉砕機に対する黒鉛の供給や排出は、空気等の気流に同伴させて行うことが好ましい。粒子の球状化の程度は、粒子の長軸と短軸の比(長軸/短軸)で表すことができる。即ち、粒子の任意の断面において、重心で直交する軸線のうち長軸/短軸の比が最大となるものを選んだときに、この長軸/短軸の比が1に近い程、真球に近いことになる。上記の球状化処理により、長軸/短軸の比を容易に4以下(1〜4)とすることができる。また、球状化処理を充分に行えば、長軸/短軸の比を2以下(1〜2)とすることができる。
黒鉛は高結晶性の黒鉛であってもよい。そのような高結晶性黒鉛は、炭素粒子が網目構造を形成して平面上に広がるAB面が、多数積層することにより厚みを増し、塊状に成長したものである。積層したAB面相互間の結合力(C軸方向の結合力)は、AB面の結合力に比べて遥かに小さいので、粉砕すると結合力の弱いAB面の剥離が優先して、得られる粒子は鱗片状となりやすい。黒鉛結晶のAB面に垂直な断面を電子顕微鏡で観察すると、積層構造を示す筋状の線を観察することができる。鱗片状黒鉛の内部組織は単純であり、AB面に垂直な断面を観察すると、積層構造を示す筋状の線は常に直線状であり、平板状の積層構造である。
高結晶性の黒鉛に対し、前述の球状の黒鉛の粒子の内部組織は、積層構造を示す筋状の線は曲線状のものが多く、また空隙も多く見られ、著しく複雑な組織になっている。即ち、あたかも鱗片状(板状)の粒子が折り畳まれ、或いは丸め込まれたような状態で球状化している。このように、元々直線状であった積層構造が、圧縮力等によって曲線状に変化することは「褶曲」といわれる。球状化黒鉛粒子について更に特徴的なことは、不作為に選んだ断面であっても、粒子の表面付近が、表面の丸みに沿った曲線状の積層構造となっていることである。即ち、球状化黒鉛粒子の表面は、概ね、褶曲した積層構造で覆われており、外表面は黒鉛結晶のAB面(即ちベーサル面)となっている。
上記で説明してきた黒鉛の粒子の表面に、そのような黒鉛粒子の結晶構造とは異なる結晶構造の炭素同素体による被覆層を設けて、これを本発明の黒鉛の代用として用いることもでき、好ましい。本発明ではこのような被覆層を有する黒鉛を、炭素被覆黒鉛という。この炭素被覆黒鉛を電極活物質として用い、乾式法と組み合わせて電気化学素子用電極を形成すると、特に得られる電気化学素子の充放電速度が著しく向上するなどの特性が向上して好ましい。
黒鉛粒子の表面に被覆層を形成する方法としては、流動床式の反応炉を用いる化学蒸着処理が優れている。化学蒸着処理の炭素源として使用する有機物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素や、メタン、エタン、プロパン等の脂肪族炭化水素を挙げることができる。流動床式反応炉には、これらの有機物を窒素や希ガス等の不活性ガスと混合して導入する。混合ガス中の有機物の濃度としては、2〜50モル%が好ましく、5〜33モル%がより好ましい。化学蒸着処理温度としては、850〜1200℃が好ましく、950〜1150℃がより好ましい。このような条件で化学蒸着処理を行うことにより、原料となる黒鉛粒子の表面を結晶性炭素のAB面(即ちベーサル面)で均一、かつ完全に被覆することができる。被覆層の形成に必要な炭素の量は、原料となる黒鉛粒子の粒子径及び形状によって異なるが、炭素被覆黒鉛中における被覆層の炭素量として、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜7質量%がより好ましく、0.8〜5質量%が更に好ましい。少なすぎると被覆層の効果が得られず、逆に多すぎると、炭素被覆黒鉛中の原料となる黒鉛粒子の割合が低下するので、得られる電気化学素子の充放電量が低下する等の不都合を生じる。
炭素源の種類および化学蒸着処理の条件により、被覆層中での炭素同素体は、ダイヤモンド状の結晶構造をとったり、グラファイト(黒鉛)状の結晶構造をとったり、その中間の非結晶の状態(両方の結晶構造が部分的に成長し、全体としては非晶質の状態)をとることができる。被覆層中での炭素同素体は、これらの2種の結晶状態であってもよいし、非結晶状態であってもよく、非結晶状態であることが好ましい。好ましい非結晶性の被覆層を有する炭素被覆黒鉛は、例えば東洋炭素社からPYROPRAPHの製品名で入手することもできる。
導電材は、導電性を有し、電気二重層を形成し得る細孔を有さない粒子状の炭素材料からなり、電気化学素子用電極の導電性を向上させるものである。導電材の重量平均粒子径は、上記の黒鉛りも重量平均粒径の小さいものを使用し、通常0.001〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmの範囲である。導電材の粒径がこの範囲にあると、より少ない使用量で電気化学素子用電極の高い導電性が得られる。導電材として、具体的には、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック(アクゾノーベル ケミカルズ ベスローテン フェンノートシャップ社の登録商標)などの導電性カーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;が挙げられる。これらの中でも、導電性カーボンブラックが好ましく、アセチレンブラックおよびファーネスブラックがより好ましい。これらの導電材は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
導電材の量は、電極活物質100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。導電材の量がこの範囲にある電極を使用することによって、電気化学素子の容量を高く且つ内部抵抗を低くすることができる。
結着剤は、結着力を有する化合物である。結着剤としては、分散型結着剤が好ましい。分散型結着剤とは、溶媒に分散する性質のある結着剤であり、例えば、フッ素系重合体、ジエン系重合体、アクリレート系重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン等の高分子化合物が挙げられ、より好ましくはフッ素系重合体、ジエン系重合体、及びアクリレート系重合体が挙げられる。これら結着剤は単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
フッ素系重合体はフッ素原子を含む単量体単位を含有する重合体である。フッ素系重合体中のフッ素を含有する単量体単位の割合は通常50重量%以上である。フッ素系重合体の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が挙げられ、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
ジエン系重合体は、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン由来の単量体単位を含む重合体及びその水素添加物である。ジエン系重合体中の共役ジエン由来の単量体単位の割合は通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。具体的には、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエン単独重合体;カルボキシ変性されていてもよいスチレン・ブタジエン共重合体(SBR)などの芳香族ビニル・共役ジエン共重合体;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NBR)などのシアン化ビニル・共役ジエン共重合体;水素化SBR、水素化NBRなどが挙げられる。
アクリレート系重合体は、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル由来の単量体単位を含む重合体である。アクリレート系重合体中のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル由来の単量体単位の割合は通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。アクリレート系重合体の具体例としては、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸・アクリロニトリル・エチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸・メタクリロニトリル・ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・スチレン・メタクリル酸・エチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル・アクリロニトリル・ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、およびアクリル酸ブチル・アクリル酸・トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体などの架橋型アクリレート系重合体;エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、およびエチレン・メタクリル酸エチル共重合体などのエチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体;上記エチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体にラジカル重合性単量体をグラフトさせたグラフト重合体;などが挙げられる。なお、上記グラフト重合体に用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタクリル酸などが挙げられる。その他に、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体などのエチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体等が結着剤として使用できる。尚、本発明において、「(メタ)アクリル」はアクリル及び/またはメタクリルを意味する。
これらの中で、集電体との結着性や表面平滑性に優れた活物質層が得られ、また、高静電容量で且つ低内部抵抗の電気化学素子用電極が製造できるという観点から、ジエン系重合体および架橋型アクリレート系重合体が好ましく、架橋型アクリレート系重合体が特に好ましい。
また、結着剤は、電解液に対する膨潤度が小さいものが好ましい。ここでは、膨潤度の指標として、代表的な電解液であるプロピレンカーボネートに1.0mol/Lの濃度でトリエチレンモノメチルアンモニウムテトラフロロボーレートを溶解した溶液に対する膨潤度を採用するが、膨潤度はが好ましくは2以下である。膨潤度をこのような範囲にする方法としては、例えば結着剤として、溶解度パラメータ(以下SP値という)が16〜20MPa1/2、好ましくは17〜20MPa1/2である、重合体または共重合体を用いることができる。SP値が低すぎると、電解液と結着剤の親和性が低くなり、電気化学素子の内部で電極内に電解液が浸透しにくくなって電気化学素子の製造が困難になる。逆にSP値が高すぎると、結着剤が電解液に膨潤、溶解しやすくなって、電解液性に対する耐性劣ることになる。
ここで、SP値は、J.Brandrup,E.H.ImmergutおよびE.A.Grulk編“Polymer Handbook” VII Solubility Parameter Values,p675−714(John Wiley & Sons社、第4版1999年発行)に記載される方法に従って求めることができる。この刊行物に記載のないものについてはSmallが提案した「分子引力定数法」に従って求めることができる。この方法は、化合物分子を構成する官能基(原子団)の特性値、すなわち、分子引力定数(G)の統計と分子容とから次式に従ってSP値(δ)を求める方法である。
δ=ΣG/V=dΣG/M
ΣG:分子引力定数Gの総計
V:比容
M:分子量
d:比重
上記の好ましい範囲のSP値を有する結着剤は、例えば、下記の、化合物(a)、化合物(b)および必要に応じて添加されるその他の単量体成分とを共重合することにより製造することができる。
化合物(a)は、一般式(1):CH=CR−COORで表される化合物である。一般式(1)において、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは、アルキル基またはシクロアルキル基をあらわす。Rは、得られる共重合体のSP値が所定の範囲に入るように選定されるべきであるが、好ましくは炭素数が3〜18のアルキル基であり、より好ましくは炭素数が4〜14の、特に好ましくは炭素数が5〜12のアルキル基である。化合物(a)としては、具体的には、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリルなどのメタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸イソボルニルなどのアクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸シクロアルキルエステル;が挙げられる。中でも、アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アクリル酸n−ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシルが特に好ましい。これら一般式(1)で表される化合物は、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。共重合体中における化合物(a)由来の単量体単位の量は、共重合体のSP値が所定の範囲に入るように適宜決定されるべきであるが、通常90〜99.9質量%、好ましくは92〜99.5質量%、より好ましくは94〜99質量%である。
化合物(b)としては、多官能エチレン性不飽和化合物が用いられる。多官能エチレン性不飽和化合物を添加することによって、化学素子の電極の電解液に対する耐性を向上させることができる。多官能エチレン性不飽和化合物とは、重合可能なエチレン性基を2個以上有する化合物のことであり、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリル酸エステル類;ジエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールアクリレート、1,4−ブタンジオールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、1,9−ノナンジオールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどのジアクリル酸エステル類;ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;等の二官能エチレン性不飽和化合物や、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのトリメタクリル酸エステル類;トリメチロールプロパントリアクリレートなどのトリアクリル酸エステル類;等の三官能エチレン性不飽和化合物などが挙げられる。得られる共重合体の結着性の点から、化合物(b)としては、二官能エチレン性不飽和化合物が好ましい。
共重合体中における化合物(b)由来の単量体単位の量は、共重合体のSP値が所定の範囲に入るように適宜決定される。化合物(b)由来の単量体単位の量が多すぎると結着剤の結着性が低下してしまうという問題があるため、通常0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%、より好ましくは1〜6質量%である。
共重合体を製造するための他の成分として、化合物(a)および化合物(b)の他に、他の単量体成分も用いることができる。他の単量体成分の代表的なものとして、エチレン不飽和カルボン酸(c)が挙げられる。
エチレン不飽和カルボン酸(c)の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、イタコン酸などのエチレン性不飽和ジカルボン酸;等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸が好ましい。これらを添加することによって、結着性をより向上させることができる。共重合体におけるエチレン不飽和カルボン酸(c)由来の単量体単位の量は、好ましくは0.1〜9.9質量%、より好ましくは1〜9.9質量%、さらに好ましくは2〜7質量%である。
上記エチレン不飽和カルボン酸(c)の他にも、他の単量体成分として、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の共重合可能な単量体単位を用いてもよい。上記共重合可能な単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの1−オレフィン;例えば、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘプタジエン等の共役ジエン;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸ブチル、クロトン酸イソブチル、クロトン酸n−アミル、クロトン酸イソアミル、クロトン酸n−ヘキシル、クロトン酸2−エチルヘキシル、クロトン酸ヒドロキシプロピルなどのクロトン酸エステル;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのマレイン酸エステル;フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチルなどのフマル酸ジエステル;イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチルなどのイタコン酸エステル;が挙げられる。これらの単量体は2種以上併用してもよく、これらの単量体由来の単量体単位の量の合計は共重合体中8質量%以下であり、好ましくは5質量%以下である。
このような共重合体の製法は特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法または溶液重合法などの公知の重合法により前記の各単量体を重合して得ることができる。中でも、乳化重合法で製造することが、共重合体の粒子径の制御が容易であるので好ましい。その際、集電体の腐食の原因となるアルカリ金属イオンの混入をなるべく減らすために、重合用脱イオン水中のアルカリ金属イオン含有量を減らしたり、重合開始剤や乳化剤等の重合副資材としてアルカリ金属を含まないものを用いたりすることが好ましい。共重合体のガラス転移温度は、好ましくは10℃以下であり、さらに好ましくは0℃以下であり、特に好ましくは−20℃以下である。ガラス転移温度が高すぎると柔軟性が低下し、電気化学素子用電極を製造するための捲回時にクラックが生じやすくなる。
このような共重合体は、テトラヒドロフラン(THF)に対する不溶分を、30質量%以上、好ましくは30〜98質量%、さらに好ましくは40〜95質量%含有することが好ましい。THF不溶分がこの範囲であると、耐電解液性が向上し、かつ、バインダーが活物質表面を覆って内部抵抗が増加することを抑制することができる。ここで、THFに対する不溶分とは、THF20ミリリットルに対して、ポリマー0.2gを温度25℃で72時間浸漬した後、80メッシュの篩で濾過し、篩上成分を乾燥して求めた質量の、元のポリマー質量0.2gに対する百分率で表した値である。このような共重合体は、通常は水又は有機溶媒に分散又は溶解して用いられ、好ましくは水分散体として用いられる。
本発明に用いる結着剤は、乾式法での使用に適したものであれば、その形状によって特に制限はないが、結着性が良く、また、作成した電極の静電容量の低下や充放電の繰り返しによる劣化を抑えることができるため、粒子状であることが好ましい。粒子状の結着剤としては、例えば、ラテックスのように、結着剤の粒子が溶媒に分散した状態(分散液)のものや、このような分散液を乾燥して得られる粉末状のものが挙げられる。
また、本発明に用いる結着剤は、2種以上の単量体混合物を段階的に重合することにより得られるコアシェル構造を有する粒子であっても良い。コアシェル構造を有する結着剤は、第一段目の重合体を与える単量体をまず重合しシード粒子を得、このシード粒子の存在下に、第二段目となる重合体を与える単量体を重合することにより製造することが好ましい。上記コアシェル構造を有する結着剤のコアとシェルの割合は、特に限定されないが、質量比でコア部:シェル部が通常50:50〜99:1、好ましくは60:40〜99:1、より好ましくは70:30〜99:1である。コア部及びシェル部を構成する高分子化合物は上記の高分子化合物の中から選択できる。コア部とシェル部は、その一方が0℃未満のガラス転移温度を有し、他方が0℃以上のガラス転移温度を有するものであることが好ましい。また、コア部とシェル部とのガラス転移温度の差は、通常20℃以上、好ましくは50℃以上である。
本発明に用いる結着剤は、粒子状であることが好ましく、結着剤が粒子状である場合、その平均粒子径によって格別な限定はないが、通常は0.0001〜100μm、好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは0.01〜1μmの平均粒子径を有するものである。結着剤の平均粒子径がこの範囲であるときは、少量の結着剤の使用でも優れた結着力を活物質層に与えることができる。ここで、平均粒子径は、透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだ結着剤粒子100個の径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均粒子径である。粒子の形状は球形、異形、どちらでもかまわない。結着剤の使用量は、電極活物質100重量部に対して、通常は0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。
結着剤として、分散型樹脂のほかに、さらに溶解型樹脂を用いることができ、これを併用することが好ましい。この溶解型樹脂は、溶媒に溶解する樹脂であり、好適には電極活物質、導電材等を溶媒に均一に分散させる作用をさらに有するものである。溶解型樹脂は結着力を有していてもいなくても良い。溶解型樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ならびにこれらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩;ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩;ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリドン、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、キチン、キトサン誘導体などが挙げられる。これらの溶解型樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、セルロース系ポリマーが好ましく、カルボキシメチルセルロースまたはそのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩が特に好ましい。溶解型樹脂の使用量は、格別な限定はないが、電極活物質100重量部に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.8〜2重量部の範囲である。溶解型樹脂を用いることで、活物質層形成用組成物をスラリーとする場合のスラリー中の固形分の沈降や凝集を抑制できる。また、活物質層形成用組成物を噴霧乾燥する際のアトマイザーの詰まりを防止することができるので、噴霧乾燥を安定して複合粒子を連続的に行うことができる。
複合粒子を製造するにあたり、以上の成分の他に、さらに必要に応じてその他の添加剤を追加して用いることもできる。その他の添加剤としては、例えば、界面活性剤がある。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、およびノニオン性やノニオニックアニオンなどの両性の、界面活性剤が挙げられるが、中でもアニオン性またはノニオン性界面活性剤で、熱分解しやすいものが好ましい。界面活性剤の量は、格別な限定はないが、電極活物質100重量部に対して0〜50重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
複合粒子は、例えば次に述べる二つの製造方法によって、製造することができる。
第一の製造方法は、流動層造粒法と呼ばれる製造方法で、電極活物質と他の成分を別々に供給して造粒する方法である。この方法は、導電材および結着剤、並びに必要に応じて添加するその他添加剤を含有する活物質層形成用組成物をスラリーAとする工程、黒鉛を必須成分とする電極活物質を流動化させ、そこに前記スラリーAを噴霧して、流動造粒する工程、及び前記流動造粒工程で得られた粒子を転動造粒する工程を有するものである。先ず導電材、結着剤、及び必要に応じて溶解型樹脂及びその他添加剤を含有するスラリーAを得る。スラリーAを得るために用いる溶媒として、通常水が用いられるが、有機溶媒を用いることもできる。有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルキルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのアルキルケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキサイド、スルホラン等のイオウ系溶剤;などが挙げられるが、アルコール類が好ましい。水よりも沸点の低い有機溶媒を併用すると、流動造粒時に、乾燥速度を速くすることができる。また、結着剤の分散性又は溶解型樹脂の溶解性が変るので、スラリーAの粘度や流動性を有機溶媒の量又は種類によって調製できるので、生産効率を向上させることができる。スラリーAを調製するときに使用する溶媒の量は、スラリーAの固形分濃度が、通常は1〜50重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲となるような量である。固形分濃度がこの範囲にあるときに、結着剤が均一に分散するため好適である。
前記導電材及び結着剤を溶媒に分散又は溶解する方法又は手順は特に限定されず、例えば、溶媒に導電材、結着剤を添加し混合する方法;並びに、結着剤として分散型樹脂と溶解型樹脂の両方を用い、溶媒に溶解型樹脂を溶解した後、溶媒に分散させた分散型樹脂(例えば、ラテックス状)を添加して混合し、最後に導電材を添加して混合する方法、および導電材を溶媒に溶解させた溶解型樹脂に添加して混合し、それに溶媒に分散させた分散型樹脂を添加して混合する方法などが挙げられる。混合の手段としては、例えば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどの混合機器が挙げられる。混合は、通常、室温〜80℃の範囲で、10分〜数時間行う。
次に電極活物質を流動化させ、そこに前記スラリーAを噴霧して、流動造粒する。流動造粒としては、流動層によるもの、変形流動層によるもの、噴流層によるものなどが挙げられる。流動層によるものは、熱風で電極活物質を流動化させ、これにスプレー等から前記スラリーAを噴霧して凝集造粒を行う方法である。変形流動層によるものは、前記流動層と同様であるが、層内の粉体に循環流を与え、かつ分級効果を利用して比較的大きく成長した造粒物を排出させる方法である。また、噴流層によるものは、噴流層の特徴を利用して粗い粒子にスプレー等からのスラリーAを付着させ、同時に乾燥させながら造粒する方法である。本発明の製法としては、この3つ方式のうち流動層又は変形流動層によるものが好ましい。噴霧されるスラリーの温度は、通常は室温であるが、加温して室温以上にしたものであってもよい。流動化に用いる熱風の温度は、通常80〜300℃、好ましくは100〜200℃である。流動造粒で得られる粒子Aは、熱風で完全に乾燥したものであってもよいが、次の転動造粒工程での造粒効率を上げるために、湿潤状態にあるものであることが好ましい。
次いで前記流動造粒工程で得られた粒子Aを導電材及び結着剤を含有するスラリーAの存在下に転動造粒する。なお、転動造粒に用いるスラリーAは、導電材及び結着剤を含有するものであればよく、流動造粒で用いたスラリーAと同一のものであっても異なっているものであってもよい。転動造粒には、回転ざら方式、回転円筒方式、回転頭切り円錐方式などの方式がある。回転ざら方式は、傾斜した回転ざら内に供給した粒子Aに前記スラリーAを噴霧して凝集造粒物を生成させ、かつ回転ざらの分級効果を利用して比較的大きく成長した造粒物をリムより排出させる方式である。回転円筒方式は、傾斜した回転円筒に湿潤した粒子Aを供給し、これを円筒内で転動運動させ、前記スラリーAを噴霧して凝集造粒物を得る方式である。回転頭切り円錐方式は、回転円筒の操作方式と同様であるが、頭切円錐形により凝集造粒物の分級効果を利用しつつ比較的大きく成長した造粒物を排出させる方式である。この転動造粒工程では、主に被覆造粒が行われ、一部で凝集造粒が行われる。転動造粒時の温度は特に制限されないが、スラリーAを構成している溶媒を除去するために、通常は80〜300℃、好ましくは100〜200℃で行う。さらに、複合粒子から残留溶媒を除去するために、転動造粒の後、必要に応じて乾燥することができる。
以上の方法によって、電極活物質、導電材及び結着剤を含む複合粒子が得られる。この複合粒子は、電極活物質および導電材が結着剤により結着されており、好ましくは、複合粒子外層部が平均粒子径の比較的小さい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成され、複合粒子内層部が平均粒子径の比較的大きい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成されている。
第二の製造方法は、噴霧乾燥造粒法と呼ばれる方法であり、複合粒子に必要な成分を全て含む(電極活物質、導電材及び結着剤を含有する)スラリーBを得る工程、及び前記スラリーBをピン型アトマイザーで噴霧乾燥して、噴霧造粒する工程を有するものである。
先ず、前記の、電極活物質、導電材、結着剤、および必要に応じて使用されるその他の添加剤を溶媒に分散又は溶解して、各成分が分散又は溶解されてなるスラリーBを得る。スラリーBを得るために用いる溶媒としては、前記第一の製造方法で挙げたものと同じものを挙げることができる。スラリーBを調製するときに使用する溶媒の量は、スラリーBの固形分濃度が、通常は1〜50重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲となるような量である。
前記の、電極活物質、導電材、結着剤、溶解型樹脂及びその他の添加剤を水に分散又は溶解する方法又は手順は特に限定されず、例えば、水に電極活物質、導電材、結着剤を添加し混合する方法;並びに、結着剤として、分散型樹脂と溶解型樹脂を用い、水に溶解型樹脂を溶解した後、水に分散させた分散型樹脂(例えば、ラテックス状)を添加して混合し、最後に電極活物質及び導電材を添加して混合する方法、および電極活物質及び導電材を水に分散させた分散型樹脂に添加して混合し、それに水に溶解させた溶解型樹脂を添加して混合する方法などが挙げられる。混合の手段としては、例えば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどの混合機器が挙げられる。混合は、通常、室温〜80℃の範囲で、10分〜数時間行う。
次に、前記スラリーBをピン型アトマイザーで噴霧乾燥して、噴霧造粒する。噴霧乾燥法は、熱風中にスラリーを噴霧して乾燥する方法である。噴霧乾燥法に用いる装置はピン型アトマイザーである。ピン型アトマイザーは、噴霧盤を用いた遠心式の噴霧装置の一種であり、該噴霧盤が上下取付円板の間にその周縁に沿ったほぼ同心円上に着脱自在に複数の噴霧用コロを取り付けたもので構成されている。スラリーBは噴霧盤中央から導入され、遠心力によって噴霧用コロに付着し、コロ表面を外側へと移動し、最後にコロ表面から離れ噴霧される。噴霧されるスラリーBの温度は、通常は室温であるが、加温して室温以上にしたものであってもよい。噴霧乾燥時の熱風温度は、通常80〜250℃、好ましくは100〜200℃である。噴霧乾燥法において、熱風の吹き込み方法は特に制限されず、例えば、熱風と噴霧方向が横方向に並流する方式、乾燥塔頂部で噴霧され熱風と共に下降する方式、噴霧した滴と熱風が向流接触する方式、噴霧した滴が最初熱風と並流し次いで重力落下して向流接触する方式などが挙げられる。
図1にこのような方法で用いる、噴霧乾燥機の模式図を示す。図中、(51)はホッパー、(52)はポンプ、(54)は送風機、(55)は熱交換器、(57)は噴霧ノズル、(58)は乾燥塔、(59)は吸引機、および(62)は冷風ファンをそれぞれ表す。
スラリーBを噴霧乾燥してスラリー中の溶媒が除去されることで、電極活物質、導電材、結着剤を含む複合粒子が得られる。この複合粒子は、電極活物質および導電材が結着剤により結着されており、好ましくは複合粒子外層部が平均粒子径の比較的小さい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成され、複合粒子内層部が平均粒子径の比較的大きい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成されている。
複合粒子は、外層部と内層部とからなり、外層部及び内層部が前記電極活物質及び導電材を結着剤によって結着してなるもので構成され、外層部を形成する電極活物質及び導電材の平均粒子径が、内層部を形成する電極活物質及び導電材の平均粒子径よりも小さくなっていることが好ましい。この場合、複合粒子外層部は平均粒子径の比較的小さい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成される。そのため緻密で、空隙の少ない層になる。一方、複合粒子内層部は平均粒子径の比較的大きい電極活物質及び/又は導電材が結着したもので形成される。平均粒子径の比較的大きいもので形成されているので、電極活物質及び/又は導電材間の空隙が多くある層になる。
導電材として、電極活物質よりも小さい粒子のものを使用すると、導電材は複合粒子外層部に多く分布し、電極活物質は複合粒子内層部に多く分布するようになる。導電材が外層部に多く分布することにより複合粒子の表面は導電性が高くなる。活物質層を形成したときに複合粒子同士が表面で接するので、電気が通りやすくなり、抵抗が低くなると考えられる。また、内層部に多く分布する電極活物質に通ずる空隙が多くあるのでイオンの移動性が良好となると考えられ、そのために容量が高くなるのであろうと推測される。
複合粒子は、その重量平均粒子径が、通常は0.1〜1000μm、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜100μmの範囲である。
<集電体>
本発明で用いる集電体は、電気化学素子用電極に用いられることが公知である集電体であれば特に制限無く用いることができる。集電体の材質としては、純アルミニウム、または、アルミニウムと、鉛、ケイ素、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛やチタンなどの他の金属との合金であるアルミニウム合金を用いることができるが、純アルミニウムが好ましく、この場合、JIS H2111に従い測定される純度が98質量%以上であるものが好ましく、99.5%以上であるものが特に好ましい。アルミニウム箔は、このような材質を用い、公知の方法により製造されるものである。厚みは特に限定されないが、通常1〜200μm、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。
炭素被覆アルミニウムを集電体として用いることもでき、好ましい。炭素被覆アルミニウムは、基材としての上記のアルミニウム箔の表面に、介在層を介して、炭素含有層を設けた材料である。介在層は、基材であるアルミニウム箔の表面の少なくとも一部が、炭化され、アルミニウム元素と炭素を含む層になった部分で、アルミニウムの炭化物を含む層である。炭素含有層は、好ましくは基材であるアルミニウムの表面から繊維状またはフィラメント状に延び、アルミニウムと炭素との化合物である。この炭素含有層は、アルミニウムの粒子、炭素粒子、またはこれらの両方を含んでいてもよい。このような炭素被覆アルミニウムは、基材であるアルミニウム箔上に、カーボン粒子を結着剤なしに、アルミカーバイドウィスカーで固定する処理(アルミカーバイド処理という。)により得られるものであることが好ましい。このような処理をすることにより、アルミニウム箔上に形成されている自然酸化被膜の影響を受けることなく、集電体表面を電子伝導させることができる。
アルミカーバイド処理は、具体的には、必要に応じて、炭素含有物質、アルミニウム粉末、またはこれらの両方を、基材であるアルミニウム箔の表面に付着させた後に、炭化水素を含む空間で加熱することによりなされる。炭素含有層の厚みは、基材であるアルミニウム箔の厚みに対して0.1倍から1000倍以下である。薄い炭素含有層を形成する場合には、基材であるアルミニウム箔の表面に何も付着させることなしに、炭化水素を含む空間中で加熱することにより、炭素被覆アルミニウムが得られるが、炭素含有層の密着性をよくすることができるため、アルミニウム箔の表面に炭素含有物質を付着させて用いることが好ましい。厚い炭素含有層を形成する場合には、基材であるアルミニウム箔の表面に炭素含有物質を付着させた後に、炭化水素を含む空間で加熱することにより、炭素被覆アルミニウムを得ることが好ましい。より厚い炭素含有層を形成する場合には、基材であるアルミニウム箔の表面に炭素含有物質とアルミニウム粉末を付着させた後に、炭化水素を含む空間で加熱することにより、炭素被覆アルミニウムを得ることが好ましい。ここで、基材であるアルミニウム箔の表面を予め、エッチングやブラスと処理により粗面化して用いてもよい。
炭化水素は、特に限定されないが、メタン、エタン、プロパン、n−ブタンやi−ブタン等の直鎖または分岐鎖状の飽和炭化水素、エチレン、プロピレンや1−ブテン等の炭素炭素二重結合を一つ有する不飽和炭化水素、ブタジエンやイソプレン等の炭素炭素二重結合を二つ有する不飽和炭化水素、アセチレン等の炭素炭素三重結合を有する不飽和炭化水素、およびこれらの位置異性体等を挙げることができる。これらの中でも、直鎖または分岐鎖状の飽和炭化水素が好ましく、特に沸点の低いメタン、エタンおよびプロパンがアルミニウム箔を加熱する空間において、ガス状になりやすいので取扱いやすく好ましい。特に好ましいのはメタンである。炭化水素は液体と気体のいずれの状態で用いてもよく、前記空間中に、単独または不活性ガスとともに充填して用いることができる。前記空間の圧力は特に限定されず、常圧、減圧、加圧下のいずれであってもよい。用いる炭化水素の量は、特に限定されないが、処理しようとするアルミニウム箔100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部である。
炭素含有物質は、活性炭素繊維、活性炭クロス、活性炭フェルト、活性炭粉末、墨汁、カーボンブラックまたはグラファイトから適宜選択して用いればよい。付着方法は、必要に応じて結着剤、溶剤、または水を用いて、スラリーまたは溶液状にして、塗布または熱圧着等によりアルミニウム箔上に付着させればよい。溶剤や水等を用いた場合は必要に応じて、20〜300℃の範囲で、乾燥させてもよい。アルミニウム粉末を用いる場合は炭素含有物質100重量部に対して、通常は0.01〜10,000重量部の範囲で用いる。
上記の加熱の際の温度は、通常300℃以上であり、好ましくは450〜660℃、より好ましくは530〜620℃である。加熱時間は温度にも依存するが、通常は1〜100時間である。アルミニウム箔を加熱し冷却したあと、再度の加熱をしてもよい。再度の加熱の温度は、100〜660℃である。
このような好ましい炭素被覆アルミニウムは、市販されており、例えば東洋アルミ社からトーヤルカーボの製品名で入手することができる。
<電気化学素子用電極>
集電体上に活物質層を形成し、必要に応じて適当な大きさに裁断することにより電気化学素子用電極が得られる。本発明では、上述の複合粒子を用い、乾式法により活物質層を形成する。乾式法とは、複合粒子を集電体上で加熱および加圧して活物質層を形成する方法である。乾式法の例としては、加圧成形法、押出成形法(ペースト押出とも言う。)などがある。加圧成形法は、活物質層形成用組成物に圧力を加えることで複合粒子の再配列、変形、破壊により緻密化を行い、活物質層を成形する方法である。押出成形法は、活物質層形成用組成物を押出成形機で押し出しフィルム、シートなどに成形する方法であり、長尺物として活物質層を連続成形することができる方法である。これらのうち、簡略な設備で行えることから、加圧成形を使用することが好ましい。加圧成形としては、例えば、複合粒子を含んでなる複合粒子をスクリューフィーダー等の供給装置でロール式加圧成形装置に供給し、活物質層を成形する方法(この方法において、集電体を複合粒子の供給と同時にロールに送り込むことによって集電体上に直接活物質層を積層することができる。)や、複合粒子を集電体上に散布し、複合粒子をブレード等でならして厚みを調整し、次いで加圧装置で成形する方法、複合粒子を金型に充填し、金型を加圧して成形する方法などがある。成形時の温度は、0〜200℃であることが好ましい。ここで、複合粒子を例えば二つのロールの間に供給して、加熱及び/または加圧することにより、別の層状物として予め形成してから、集電体と重ねてさらに加熱及び/または加圧することにより積層して電気化学素子用電極としてもよいし、複合粒子を例えば集電体とロールの間に供給して、加熱及び/または加圧することによる活物質層の形成を集電体上で行い、活物質層の形成と、活物質層と集電体の積層を同時に行ってもよい。
図2には、このような乾式法による、電気化学素子用電極の製造に適したロールプレス機の模式図を示す。図中、(1)は集電体、(2)は活物質層、(3)は複合粒子、(4)はフィーダー、および(5)はロールをそれぞれ示す。
成形した電気化学素子用電極(またはその裁断前に)の厚みのばらつきを無くし、活物質層の密度を上げて高容量化をはかるために、必要に応じて更に後加圧を行っても良い。後加圧の方法は、ロールによるプレス工程が一般的である。ロールプレス工程では、2本の円柱状のロールをせまい間隔で平行に上下にならべ、それぞれを反対方向に回転させて、その間に電極をかみこませ加圧する。ロールは加熱又は冷却等、温度調節しても良い。
<電気化学素子>
得られた電気化学素子用電極を、正極および/または負極の、電極として用い、必要に応じて間にセパレータを挟み、所定の電解液を封入することにより、電気化学素子が得られる。本発明によって得られる電気化学素子用電極は、特に電気化学素子の正極として用いることが好ましく、この場合、負極の電極としては、従来公知である、例えば電気活物質として活性炭を用いた電気化学素子用電極や湿式法により製造した電気化学素子用電極を用いてもよい。セパレータや電解液は、電気化学素子用として公知のものを適宜選択して用いることができる。
以下に実験例により、本発明を更に具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各成分の使用量は、特にことわりのないかぎり重量基準である。
まず試験方法について説明する。
(活物質層の密度)
電気化学素子用電極のシートから40mm×60mmの大きさの電極(実施例や比較例の電気化学素子を形成したのとは別の部分)を切り出し、その電極の重量と体積を測定し、集電体部分を除いた活物質層の密度を電極密度(g/cc)として計算した。
(静電容量と内部抵抗の算出)
電気化学素子として、ラミネートキャパシタを作製し、電圧2.7Vで1時間で充電し、電圧2.0Vへ15分間かけて放電し、1C放電特性とした。得られた充放電曲線より容量を算出し、前記電気化学素子の電極の活物質層だけの容積で除して、活物質層の単位容積あたりの容量を求めた。また、内部抵抗は、充放電曲線より社団法人電子情報技術産業協会が定める規格RC-2377の計算方法に従って算出した。
(フローティング特性評価)
上記のラミネートキャパシタのフローティング特性評価を、45℃の環境下で電圧2.7Vに72時間保持した後に、電圧2.0Vへ15分間あっけて放電し、得られた充放電曲線よりフローティング後の容量を算出し、フローティング特性評価前の容量との変化から、容量維持率として算出した。
(結着剤の膨潤度の測定法)
結着剤が固体であれば、その固体をフィルム状に成形して試験片フィルムとすることができるが、結着剤がラテックス状などの溶液または分散液である場合は、以下のように試料片フィルムを作成した。溶液または分散液を、ポリテトラフルオロエチレン製のシャーレ上に流延し、風乾して厚み約0.5mmのフィルムを作製し、これを試験片フィルムとした。試験片フィルムを1cm角に裁断し、重量を測定した後、電解液に浸漬し60℃で72時間後に試験片フィルムを電解液から取り出し、ろ紙で軽く押さえつけて電解液をふき取り、浸漬試験後の重量を測定した。(浸漬試験後の重量/浸漬試験前の重量)を膨潤度(単位:倍)とした。
参考例1(結着剤Aの製造)
攪拌機付き反応容器に、モノマーとしてブチルアクリレート494部およびイタコン酸5部、架橋剤としてトリエチレングリコールジメタクリレート1部、分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、イオン交換水1000部および重合開始剤として過硫酸カリウム5部を投入し、十分撹拌した後、80℃に加温し重合した。モノマー消費量が99.0%になった時点で冷却して反応を止め、結着剤Aの水分散液を得た。この結着剤Aの膨潤度は1.52倍であった。
参考例2(炭素被覆黒鉛の製造例)
ブラジル産天然黒鉛を振動ロッドミルで圧密化した後、孔径53μmの篩でで篩い分けを行い、その通過分である嵩密度0.800g/cmの黒鉛粒子に、空気酸化処理を施す。空気酸化処理はロータリーキルンを用い、黒鉛1kg当り25リットル/minの空気を送りながら、温度650℃で、滞留時間5分とする。酸化による燃焼損失は、2.1質量%である。酸化処理した黒鉛60kgを流動床反応炉に仕込み、窒素を50リットル/minで流しながら、反応炉内温度を1000℃まで昇温した後、炭素源としてトルエンを40モル%含有する窒素ガスを80リットル/minで供給して流動状態を保ちながら25分間化学蒸着処理を行う。得られる炭素被覆黒鉛を孔径53μmの篩にかけ、通過分を炭素被覆黒鉛の試料として用いる。
電気化学素子用電極のシートの作製例1(電極シートA)
電極活物質として黒鉛(TIMREX KS6;ティムカル社製)100部、分散型結着剤として参考例1で製造した結着剤Aの水分散液(固形分を40%に調整)14部、溶解型樹脂(カルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液「DN−800H」:ダイセル化学工業(株)製)93.3部、及びイオン交換水327.7部を混合機(特殊機化社製、製品名TKホモミキサー)で攪拌混合して、固形分20%のスラリー(詳細な説明のスラリーBに相当するもの)を得た。次いで、このスラリーを図1に示すようなスプレー乾燥機(大川原化工機(株)製ピン型アトマイザー付)のホッパー51に仕込む、ポンプ52で塔頂部のノズル57へ送り、ノズルから乾燥塔58内に噴霧する。同時に熱交換器55を経て150℃の熱風をノズル57の脇から乾燥塔58内に送り、粒径10〜100μm(平均粒子径50μm)の球状の複合粒子Аを得た。
得られた複合粒子Aを、図2に示すような、ロールプレス機(押し切り粗面熱ロール;ヒラノ技研工業(株)製)のロール(ロール温度100℃、プレス線圧3.9kN/cm)に供給して、厚さ40μmのアルミ集電体上に成形速度10.0m/minで成形し、厚さ350μm、幅10cm、電極密度0.92g/cmの活物質層を有する電極シートAを得た。
電気化学素子用のシートの作製例2(電極シートB)
電気化学素子用のシートの作製例1の電極活物質の黒鉛を、参考例2の炭素被覆黒鉛に代える以外は作製例1と同様にして複合粒子Bと電極シートBを得る。電極シートBの厚さは350μm、電極密度は0.84g/cmであった。
電気化学素子用のシートの作製例3(電極シートC)
電極活物質として活性炭(比表面積2000m/g、平均粒子径5μmの活性炭)100部、導電材(アセチレンブラック「デンカブラック粉状」:電気化学工業(株)製)5部、分散型結着剤(平均粒子径0.15μm、ガラス転移温度−40℃の架橋型アクリレート系重合体の水分散体:「AD211」:日本ゼオン製)14部、溶解型樹脂(カルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液「DN−800H」:ダイセル化学工業(株)製)93.3部、及びイオン交換水347.7部をTKホモミキサーで攪拌混合して、固形分20%のスラリーを得た。次いで、このスラリーを、作成例1と同様に処理して、粒径10〜100μm(平均粒子径50μm)の球状の複合粒子Cを得た。複合粒子Cは内層部と外層部とからなり、外層部の平均粒子径が内層部の平均粒子径よりも小さくなっている。得られた複合粒子Cを、作成例1と同様に処理して、厚さ350μm、幅10cm、密度0.58g/cm3の活物質層を有する電極シートCを得た。この電極シートは、電気化学素子用の負極の電極用として好ましいものである。
電気化学素子用のシートの作製例4(電極シートD)
電極シートの作製例1の分散型結着剤を、結着剤Aの水分散液から、分散型結着剤B(平均粒子径0.15μm、ガラス転移温度-40℃の架橋型アクリレート系重合体の40%水分散体:「AD211」:日本ゼオン製)14部に代えた以外は作製例1と同様にして電極Dシートを得た。AD211について測定した膨潤度は2.33であった。電極シートEの厚さは80μm、電極密度は0.89g/cmであった。
電気化学素子用のシートの作製例5(電極シートE)
電気活物質として黒鉛(TIMREX KS6;ティムカル社製)100部、分散型結着剤(「AD211」:日本ゼオン製)7.5部、溶解型樹脂(カルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液「DN−800H」:ダイセル化学工業(株)製)93.3部、及びイオン交換水60.2部を混合機(TKホモミキサー)で攪拌混合して、固形分40%のスラリーを得た。次いで、スラリーをドクターブレードを用いて厚さ40μmのアルミ集電体上に塗布して乾燥し、電極シートEを得た。分散が不十分で電極の表面が荒れていた。電極シートEの厚さは80μm、電極密度は0.89g/cmであった。
電気化学素子用のシートの作製例6(電極シートF)
電気活物質として参考例2の炭素被覆黒鉛100部を用いた外は作製例5と同様にして電極シートFを得た。分散が不十分で電極の表面が荒れていた。電極シートEの厚さは80μm、電極密度は0.81g/cmであった。
キャパシタの作製方法
以上のようにして得られる電極シートのそれぞれを、を5cm×5cm(未塗工部は除く)に切り出し、未塗工部に超音波金属溶接機を用いてタブ材を取り付ける。タブ材を取り付けた電極を正極および負極として1組用意し、電極層を向かい合わせ、その間にセパレータ(厚み35μm、TF40:ニッポン高度紙工業製)を挟み、この電極ペアを160℃で10時間真空乾燥した後に、外側をポリエチレン板で固定し、アルミ包材で包み込んだ後に、タブ取り出し分に液漏れ防止用シール材を挟み、180℃で5秒間シールする。最後に、電解液1.5MTEMA・PF6/PCを注入し、180℃で4秒間真空シールすることで、電気化学素子の例として電気二重層キャパシタを作製する。
実施例1:正極に電極シートAを負極に電極シートCを用いてキャパシタを作製する。
実施例2:正極に電極シートBを負極に電極シートCを用いてキャパシタを作製する。
比較例1:正極負極ともに電極シートCを用いてキャパシタを作製する。
実施例3:正極に電極シートDを負極に電極シートCを用いてキャパシタを作製する。
比較例2:正極に電極シートEを負極に電極シートCを用いてキャパシタを作製する。
比較例3:正極に電極シートFを負極に電極シートCを用いてキャパシタを作製する。
以上で得られるキャパシタの試験結果を表1に示す。
Figure 0005201313
表1から、以下のことが分かる。正極の電気活物質として黒鉛または黒鉛状粒子を用い、乾式法で電極シートを作製した、実施例1、2および3は、得られるキャパシタの静電容量と容量保持率のバランスに優れる。特に、結着剤の膨潤度が2よりも小さい実施例1と2の場合は、静電容量と容量保持率が特に優れ、内部抵抗も小さくて優れる。乾式法を採用した場合でも、正極の活物質として活性炭を用いた場合は、比較例1のように静電容量が非常に劣る。正極活物質として、黒鉛または黒鉛状粒子を用いた場合でも、乾式法で電極シートを作製した場合は、比較例2や3のように、得られるキャパシタの静電容量と容量保持率のバランスに劣る。
本発明によれば、電気化学素子用の電極、その生産効率に優れた製造方法、およびそのような電気化学粗使用電極を用いた電気化学素子が提供される。得られる電気化学素子は、静電容量が大きく、容量保持率が高く、充放電サイクルにおける信頼性の高いものである。得られる電気化学素子は、パソコンや携帯端末等のメモリのバックアップ電源、パソコン等の瞬時停電対策用電源、電気自動車又はハイブリッド自動車への応用、太陽電池と併用したソーラー発電エネルギー貯蔵システム、電池と組み合わせたロードレベリング電源等の様々な用途に好適に用いることができる。
本発明で用いることができる、噴霧乾燥機の模式図を示す。 本発明で用いることができる、電気化学素子用電極の製造に適したロールプレス機の模式図を示す。
符号の説明
51:ホッパー
52:ポンプ
54:送風機
55:熱交換器
57:噴霧ノズル
58:乾燥塔
59:吸引機
62:冷風ファン
1:集電体
2:活物質層
3:複合粒子
4:フィーダー
5:ロール

Claims (8)

  1. 集電体と、その表面に活物質層を有してなる電気化学素子用電極であって、
    該活物質層が、電極活物質、導電材および結着剤を含む複合粒子を乾式法により成形したものであり
    該電極活物質が黒鉛または黒鉛状粒子を含み、
    前記結着剤が、架橋型アクリレート系重合体であり、かつ、プロピレンカーボネートに1.0mol/Lの濃度でトリエチレンモノメチルアンモニウムテトラフロロボーレートを溶解した電解液に対する膨潤度が2以下であり、
    前記複合粒子は、外層部と内層部とからなり、前記外層部及び前記内層部が前記電極活物質及び導電材を結着剤によって結着してなるもので構成され、前記外層部を形成する電極活物質及び導電材の平均粒子径が、前記内層部を形成する電極活物質及び導電材の平均粒子径よりも小さいこと
    を特徴とする電気化学素子用電極。
  2. 該電極活物質が、黒鉛の粒子の表面に、該黒鉛の結晶構造とは異なる結晶構造を有する炭素同素体による被覆層を有する黒鉛状粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学素子用電極。
  3. 該被覆層が結晶性の炭素同素体であることを特徴とする請求項2に記載の電気化学素子用電極。
  4. 該被覆層が非結晶性の炭素同素体であることを特徴とする請求項2に記載の電気化学素子用電極。
  5. 黒鉛若しくは黒鉛状粒子、導電材および結着剤を含む複合粒子を得る工程、および
    この複合粒子を集電体上で加熱および加圧することにより活物質層を形成する工程
    を有し、
    前記結着剤が、架橋型アクリレート系重合体であり、かつ、プロピレンカーボネートに1.0mol/Lの濃度でトリエチレンモノメチルアンモニウムテトラフロロボーレートを溶解した電解液に対する膨潤度が2以下であり、
    前記複合粒子は、外層部と内層部とからなり、前記外層部及び前記内層部が前記電極活物質及び導電材を結着剤によって結着してなるもので構成され、前記外層部を形成する電極活物質及び導電材の平均粒子径が、前記内層部を形成する電極活物質及び導電材の平均粒子径よりも小さいことを特徴とする電気化学素子用電極の製造方法。
  6. 複合粒子を得る工程が、噴霧乾燥造粒法である請求項に記載の電気化学素子用電極の製造方法。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の電気化学素子用電極を、正極電極または負極電極として有する電気化学素子。
  8. 電気二重層キャパシタである請求項に記載の電気化学素子。
JP2007093554A 2007-03-30 2007-03-30 電気化学素子用電極およびその製造方法 Active JP5201313B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007093554A JP5201313B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 電気化学素子用電極およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007093554A JP5201313B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 電気化学素子用電極およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008251965A JP2008251965A (ja) 2008-10-16
JP5201313B2 true JP5201313B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=39976537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007093554A Active JP5201313B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 電気化学素子用電極およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5201313B2 (ja)

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101548028B (zh) * 2007-05-15 2011-12-07 东洋铝株式会社 碳包覆铝材及其制造方法
US20110129731A1 (en) * 2008-08-05 2011-06-02 Yasuhiro Wakizaka Electrode for lithium-ion secondary battery
JP5293383B2 (ja) * 2008-12-25 2013-09-18 日本ゼオン株式会社 支持体付電極組成物層及び電気化学素子用電極の製造方法
JP5549672B2 (ja) * 2009-07-30 2014-07-16 日本ゼオン株式会社 電気化学素子用電極および電気化学素子
CN102742051A (zh) * 2009-12-03 2012-10-17 日本瑞翁株式会社 电化学元件用粘合剂粒子
JP5354205B2 (ja) * 2009-12-22 2013-11-27 日本ゼオン株式会社 電気化学素子用電極および電気化学素子
KR101137375B1 (ko) * 2010-02-09 2012-04-20 삼성에스디아이 주식회사 2차 입자 및 이를 구비한 리튬 전지
KR101181841B1 (ko) 2010-07-02 2012-09-11 삼성에스디아이 주식회사 고전압 리튬 이차 전지용 양극 및 이를 포함하는 고전압 리튬 이차 전지
JP5699592B2 (ja) * 2010-12-22 2015-04-15 日立化成株式会社 リチウムイオン二次電池用負極材の製造方法、リチウムイオン二次電池用負極、およびリチウムイオン二次電池
KR101753197B1 (ko) * 2011-05-31 2017-07-03 제온 코포레이션 리튬 2 차 전지 정극용 복합 입자, 리튬 2 차 전지 정극용 복합 입자의 제조 방법, 리튬 2 차 전지용 정극의 제조 방법, 리튬 2 차 전지용 정극, 및 리튬 2 차 전지
US9685658B2 (en) 2011-07-15 2017-06-20 Zeon Corporation Composite particles for electrochemical device electrode, material for electrochemical device electrode, and electrochemical device electrode
JP2013084351A (ja) * 2011-10-06 2013-05-09 Nippon Zeon Co Ltd 電気化学素子電極用複合粒子、電気化学素子電極材料、及び電気化学素子電極
JP5974578B2 (ja) * 2012-03-27 2016-08-23 日本ゼオン株式会社 二次電池正極用複合粒子、二次電池用正極及び二次電池
JP6102085B2 (ja) * 2012-05-30 2017-03-29 日本ゼオン株式会社 二次電池電極用複合粒子及びその製造方法、並びに、二次電池電極材料、二次電池電極
JP6170149B2 (ja) 2013-06-27 2017-07-26 日本ゼオン株式会社 リチウムイオン電池用電極の製造方法
JP6124751B2 (ja) * 2013-09-27 2017-05-10 イビデン株式会社 炭素被覆黒鉛材料の製造方法
JP6274935B2 (ja) * 2014-03-25 2018-02-07 日本ゼオン株式会社 リチウムイオン電池用電極の製造方法
CN106233507B (zh) * 2014-04-28 2019-08-16 日本瑞翁株式会社 电化学元件电极用复合粒子的制造方法
JP6344111B2 (ja) * 2014-07-22 2018-06-20 日本ゼオン株式会社 電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、電気化学素子電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法
JP6344132B2 (ja) * 2014-07-22 2018-06-20 日本ゼオン株式会社 電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、電気化学素子電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法
JP6344110B2 (ja) * 2014-07-22 2018-06-20 日本ゼオン株式会社 電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、電気化学素子電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法
KR102418499B1 (ko) * 2014-09-05 2022-07-06 니폰 제온 가부시키가이샤 이차 전지 전극용 바인더 조성물, 이차 전지 전극용 슬러리 조성물, 이차 전지용 전극 및 이차 전지
CN107078299B (zh) 2014-10-31 2020-11-13 日本瑞翁株式会社 锂离子二次电池及其所用负极、负极用糊组合物、负极用复合颗粒、以及负极用浆料组合物
JP6358470B2 (ja) * 2015-05-11 2018-07-18 トヨタ自動車株式会社 二次電池用負極の製造方法
KR101891063B1 (ko) 2016-06-17 2018-08-22 티피알 가부시키가이샤 전기 이중층 커패시터
JP7010192B2 (ja) * 2018-10-24 2022-02-10 トヨタ自動車株式会社 電極シートの製造方法
CN113169301A (zh) * 2019-03-28 2021-07-23 日本瑞翁株式会社 非水系二次电池负极用浆料组合物、非水系二次电池用负极及非水系二次电池
JP7156258B2 (ja) * 2019-11-25 2022-10-19 トヨタ自動車株式会社 水系電池

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4150331B2 (ja) * 2003-12-25 2008-09-17 Tdk株式会社 電極及び電気化学素子、並びに電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法
US7914704B2 (en) * 2003-08-04 2011-03-29 Zeon Corporation Binder for electric double layer capacitor electrode
JP2005064221A (ja) * 2003-08-12 2005-03-10 Nippon Zeon Co Ltd 電気二重層キャパシタ電極用バインダー
JP4748439B2 (ja) * 2004-07-30 2011-08-17 日立化成工業株式会社 リチウム電池電極用バインダ樹脂組成物、電極および電池
JP2006332626A (ja) * 2005-04-25 2006-12-07 Power System:Kk 電気二重層キャパシタ用正電極及びその製造方法
JP4876478B2 (ja) * 2005-05-27 2012-02-15 日本ゼオン株式会社 電気化学素子電極用シートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008251965A (ja) 2008-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5201313B2 (ja) 電気化学素子用電極およびその製造方法
JP4978467B2 (ja) 電気化学素子電極材料および複合粒子
JP4840358B2 (ja) 電気化学素子電極
JP4840357B2 (ja) 電気化学素子電極用複合粒子
JP4839669B2 (ja) 電気化学素子電極用複合粒子
JP4929792B2 (ja) 電気化学素子電極用複合粒子
JP5311706B2 (ja) 電気化学素子電極用複合粒子の製造方法
JP6020452B2 (ja) 粉体成形装置及び粉体成形物の製造方法
JP2008098590A (ja) 電気化学素子用電極およびこれを用いてなる電気化学素子
JP2006339184A (ja) 電気化学素子電極用複合粒子の製造方法
JP4985404B2 (ja) 電気化学素子電極の製造方法、電気化学素子電極材料及び電気化学素子電極
WO2013128776A1 (ja) 電気化学素子電極用複合粒子、電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、電気化学素子電極材料及び電気化学素子電極
JP5767431B2 (ja) 電気化学素子電極形成用材料、その製造方法および電気化学素子電極
WO2013118758A1 (ja) 電気化学素子電極用複合粒子の製造装置及び電気化学素子電極用複合粒子の製造方法
JP4899354B2 (ja) 複合粒子の製造方法、電気化学素子用電極材料、電気化学素子用電極の製造方法及び電気化学素子用電極
JP2016027573A (ja) 粉体圧延装置及び圧延シートの製造方法
JP4839726B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用電極
JP6281278B2 (ja) 電気化学素子負極用複合粒子用のスラリー組成物、電気化学素子負極用複合粒子および電気化学素子負極用複合粒子の製造方法
JP6281488B2 (ja) リチウムイオン二次電池電極用複合粒子、リチウムイオン二次電池電極用複合粒子の製造方法、リチウムイオン二次電池電極材料、リチウムイオン二次電池電極及びリチウムイオン二次電池電極の製造方法
JP5790353B2 (ja) 粉体圧延装置及び圧延シートの製造方法
JPWO2009119553A1 (ja) ハイブリッドキャパシタ用電極の製造方法
JP2013062202A (ja) 電極成形装置及び電極成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110804

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110804

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120409

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120409

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121213

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20121218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5201313

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250