JP5201294B2 - 糖液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セルロースから糖液を製造する方法に関する。
近年、石油資源枯渇と地球温暖化への懸念から、石油代替原料としてのバイオマス利用が注目されている。特に、デンプンやセルロースなどの多糖を含むバイオマスを加水分解し、糖を得る方法に関して活発に研究が行われている。その理由は、糖を原料とした微生物発酵により様々な化学品を生産できるからである。
セルロース由来糖液には、リグニン、タンニン、シリカ、カルシウムおよび未分解のセルロースなどの微粒子、オリゴ糖、多糖、タンニンおよび酵素などの水溶性高分子、ならびに低分子の発酵阻害物質が不純物として含まれており、それら不純物の除去方法として、微粒子は精密ろ過膜によって非透過側にろ別され、水溶性高分子は限外ろ過膜によって非透過側にろ別され、発酵阻害物質はナノろ過膜や逆浸透膜によって透過側から除去されることが知られている(特許文献1)。
WO2010/067785号
本発明者は、分離膜を利用してセルロース由来糖液から不純物を除去する工程において、長期運転に伴って分離膜に目詰まりが生じることを見出した。そこで本発明は、分離膜を利用してセルロース由来糖液を製造する方法において、セルロース由来糖液の不純物、特に水溶性高分子が要因となる分離膜の目詰まりを洗浄する方法を提供することによってセルロース由来糖液から効率的に不純物を除去する方法を提供することを課題とする。
本発明は、次の(1)〜()より構成される。
(1)セルロース由来糖液を、限外ろ過膜、ナノろ過膜および逆浸透膜からなる群から選択される1以上の分離膜に通じてろ過する工程を含む糖液の製造方法において、ろ過後の分離膜を50℃以上の温水で洗浄する工程を含み、該温水が、HMF、フルフラール、クマル酸、フェルラ酸、クマルアミド、フェルラアミド、バニリンからなる群から選択される1以上の化合物を含むことを特徴とする、糖液の製造方法。
)温水が、セルロース由来糖液をナノろ過膜または逆浸透膜に通じて得られたろ液であることを特徴とする、(1)に記載の糖液の製造方法。
)温水が75〜90℃の範囲であること特徴とする、(1)または(2)に記載の糖液の製造方法。
)セルロース由来糖液が、精密ろ過膜でろ過されたものであることを特徴とする、(1)〜()のいずれかに記載の糖液の製造方法。
)温水のpHが9〜12の範囲であることを特徴とする、(1)〜()のいずれかに記載の糖液の製造方法。
)温水を分離膜でクロスフローろ過することにより分離膜を洗浄することを特徴とする、(1)〜()のいずれかに記載の糖液の製造方法。
)温水の膜面線速度が5〜50cm/secであることを特徴とする、()に記載の糖液の製造方法。
本発明によりセルロース由来糖液特有の不純物による分離膜の目詰まりを膜劣化を抑えながら低コストで除去できるため、目詰まりした分離膜をセルロース由来糖液の製造工程に再利用することができる。
分離膜洗浄装置の基本構成の略図。 糖液の膜処理を行う機能と、分離膜の洗浄を行う機能とを兼用する分離膜洗浄装置構成の略図。 糖液の膜処理を行う機能と、分離膜の洗浄を行う機能とが独立した分離膜洗浄装置構成の略図。 セルロース含有バイオマスの前処理物からセルロース由来糖液を製造するシステム全体の略図。 洗浄水に含まれる各低分子芳香族化合物の濃度と膜洗浄後の膜ろ過率の関係を示す図。
1 洗浄水保持タンク
2 保温装置
3 循環ポンプ
4 クロスフロー式膜モジュール
5 バルブ
6 pHメータ
7 コントローラ
8 酸・アルカリタンク
9 pH調節用ポンプ
10 循環ライン
11 圧力計
12 圧力計
13 圧力計
14 糖液供給タンク
15 糖液送液ポンプ
16 3方バルブ
17 3方バルブ
21 糖化反応槽
22 スラリー移送手段
23 保温装置
24 固液分離装置
25 固体残渣
26 保温装置
27 限外ろ過膜供給槽
28 限外ろ過膜供給ポンプ
29 保温装置
30 限外ろ過膜モジュール
31 ナノろ過膜供給槽
32 ナノろ過膜供給ポンプ
33 保温装置
34 ナノろ過膜モジュール
35 逆浸透膜供給槽
36 逆浸透膜供給ポンプ
37 保温装置
38 pH調節機構
39 逆浸透膜モジュール
40 膜洗浄ポンプ
41 逆浸透膜ろ液槽
42 逆浸透膜ろ液槽ポンプ
43 保温装置
44 pH調節機構
本発明でいうセルロース由来糖液とは、セルロース含有バイオマスである木質あるいは草本系のバイオマスを加水分解し、その結果得られた糖液のことを指す。セルロース含有バイオマスの加水分解の方法は特に限定されないが、酸、アルカリ、糖化酵素などを適宜組み合わせた手法であることが好ましい。セルロース由来糖液には、グルコース、キシロース、マンノースなどの単糖、セロビオース、セロオリゴ糖、キシロオリゴ等などの水溶性多糖を含んでおり、こうした糖類を微生物の発酵原料(炭素源)として使用することができ、微生物によりエタノール、乳酸、アミノ酸へ変換することができる。
また、セルロース由来糖液には、こうした糖類以外の成分として、加水分解の過程で分解されなかったリグニン、タンニン、シリカ、カルシウムおよび未分解のセルロースなどの微粒子、オリゴ糖、多糖、タンニンおよび酵素などの水溶性高分子、ならびに低分子の発酵阻害物質など多種多用な不純物を含んでいる。こうした不純物は、水溶性成分と、水不溶性成分の2種に分類することができ、水不溶性成分は、あらかじめセルロース由来糖液の固液分離により固形分として除去することが好ましい。
セルロース由来糖液の固液分離の方法としては、遠心分離、精密ろ過膜によるろ過などの手法があるが、精密ろ過膜によるろ過は、ミクロンオーダーの水不溶性成分まで除去することができるため、本発明におけるセルロース由来糖液は、後段の分離膜によるろ過に加えて、精密ろ過膜によりあらかじめろ過されることが好ましい。なお、精密ろ過膜については、WO2010/067785号に記載のものを使用することができる。
本発明では、前述のセルロース由来糖液を限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜のいずれか1以上の分離膜に通じてろ過することを特徴とする。セルロース由来糖液の分離膜によるろ過については、WO2010/067785号に記載の方法に準じて実施することができる。また、本発明で使用される分離膜に関しても、WO2010/067785号に記載の内容のものを使用することができる。
セルロース由来糖液を前述の分離膜に通じてろ過する場合、その長期使用に伴って分離膜の目詰まりがおこってしまう。本発明では温水(以下、洗浄水ともいう。)によって分離膜の目詰まりを洗浄することを特徴とする。以下、温水による分離膜の洗浄工程(以下、膜洗浄工程ともいう。)について説明する。
本発明の膜洗浄工程では、分離膜を50℃以上の温水で洗浄することを特徴とする。50℃以上の温水で洗浄する場合に限り、分離膜表面および内部に付着し、膜目詰まりを誘起している成分を効率的に除去でき、著しく分離膜のろ過速度を回復させることができるためである。なお、温水の温度を高くすればするほどその効果は更に高められ、およそ75℃以上で最大の洗浄効果が得られる。但し、90℃を超えると熱により分離膜そのものが損傷を引き起こし、逆に膜のろ過性能を低下させてしまうことがある。したがって、温水の好ましい温度範囲は75〜90℃である。また、膜洗浄実施中、温水の温度は温度調節機構により目的の温度範囲に保持することが好ましい。
前記温水による膜洗浄工程においては、温水がHMF、フルフラール、クマル酸、フェルラ酸、クマルアミド、フェルラアミド、バニリンからなる群から選択される低分子芳香族化合物を1以上含むことにより、更に洗浄効果を高めることができる。これは、分離膜の目詰まり成分中のリグニン由来芳香族化合物が、前記低分子芳香族化合物と親和性を持つためと考えられるが、そのメカニズムは明確ではない。温水中の低分子芳香族化合物の濃度範囲としては、合計で50〜10000ppmであることが好ましく、5000〜10000ppmであることがより好ましい。
前記低分子芳香族化合物を含む温水は、温水に該低分子芳香族化合物を添加することにより調製してもよいが、該低分子芳香族化合物を予め含むものが好ましく用いられ、具体例として、セルロース由来糖液をナノろ過膜および/または逆浸透膜に通じて得られたろ液(以下、NFろ液等、という。)には前記低分子芳香族化合物が含まれていることが知られており、NFろ液等を50℃以上に温めたものが挙げられる。セルロース由来糖液の製造プロセスではNFろ液等を廃液として処分するのが通常であるが、これを分離膜の洗浄水として再利用することにより水が節約できるため、経済的に有利になる。
分離膜の長期使用においては、上述の温水による洗浄のみでは徐々にろ過速度の回復が悪くなってくる場合がある。こうした場合、前述した温水洗浄の際、温水のpHを9以上、好ましくは11以上のアルカリとすることにより、更に洗浄効果を向上させることができる。これは、分離膜の目詰まり成分である、パラヒドロキシ安息香酸、フェルラ酸、クマル酸、グアヤコールなどの芳香族化合物や、ペプチド、タンパク質などが前述pHで易溶なためであると推定されるが、その理由は明確ではない。こうしたpH9以上の温水による膜洗浄は、定期的に毎回行う必要は無く、たとえば10回通常の50℃以上の温水による洗浄を行い、次にpH9以上の温水洗浄を1回実施するなどの洗浄条件を設定し実施すればよい。こうすることにより、アルカリの使用およびアルカリ廃液量を抑えながら高い洗浄効果を得ることができる。なお、pH12以上の温水では膜を損傷し、膜のろ過性能を低下させてしまう可能性があるため、温水のより好ましいpHの範囲は11〜12である。また、膜洗浄実施中、洗浄水のpHは、pH調節機構により目的の範囲に保持することが好ましい。
温水による分離膜の洗浄方法としては、温水に分離膜を浸漬する方法、温水を分離膜で全量ろ過する方法、温水を分離膜でクロスフローろ過する方法などがあるが、これらの中でも温水を分離膜でクロスフローろ過する方法は、膜面に対し平行な流れを作ることで温水によって除去された目詰まり成分を洗い流しながら洗浄を行うことができるため好ましい。
温水を分離膜でクロスフローろ過することによる膜洗浄においては、洗浄水の膜面線速度は5〜50cm/secであることが好ましく、より好ましくは30〜50cm/secである。その理由として、5cm/sec未満の場合は分離膜表面の洗浄効果が不十分になり、また、50cm/secを超える場合は、これ以上膜面線速度を増しても洗浄への効果はほとんど変わらないためである。なお、洗浄水の膜面線速度は、洗浄水送液ポンプ流量の増減により調節することができる。
また、温水を分離膜でクロスフローろ過する膜洗浄方法における膜間差圧は特に限定されないが、分離膜の細孔内を洗浄するためには膜間差圧をかけながら洗浄することが好ましく、限外ろ過膜においては5kPa〜2MPa、ナノろ過膜または逆浸透膜においては0.5〜7MPaの膜間差圧をかけることが好ましい。膜間差圧とは、膜処理において膜をはさんで膜前後に生じる圧力の差、すなわち原液(濃縮液)側とろ液側との差圧のことである。本発明において、洗浄時の膜間差圧が上記範囲未満の場合、膜の細孔を通る洗浄水が極端に少なくなり、細孔内の洗浄が不十分になるため好ましくない。また洗浄時の膜間差圧が上記範囲以上の場合は、膜の細孔を通る液が過剰になり、洗浄水の消費量が増大するため経済的に不利である。なお、膜の種類にも寄るが、上記膜面線速度および膜間差圧の範囲における洗浄水のろ過流束は、通常0.05〜0.5m/day程度である。
膜洗浄工程による膜洗浄の効果は、目詰まりにより未使用時と比べて低下した膜ろ過流束が洗浄によってどれだけ回復したかをもって評価するものとする。すなわち、洗浄前の目詰まり膜および洗浄後の目詰まり膜のろ過流束を、未使用膜のろ過流束で除した値をろ過率(%)と定義し、洗浄前後のろ過率の差、あるいは洗浄後のろ過率の大きさによって洗浄効果を評価した。なお、ろ過率は理論上100%が最大値となる。本発明では、セルロース由来糖液の膜処理に関し、ろ過率が70%未満に低下した膜は処理速度の低さゆえ実用に不適であるため使用不能とみなし、また、ろ過率が70%以上の膜であれば、処理速度の観点で十分実用的であるため糖液の膜処理に使用可能であるとみなした。すなわち、本発明における膜洗浄工程は、ろ過率が70%未満に低下した分離膜に関し、ろ過率を70%以上まで回復させることにより、セルロース由来糖液のろ過に再使用することを可能にするものである。
次に、本発明の装置実施形態に関して説明する。本発明を実施するための装置は、洗浄水の温調機能を有する洗浄水保持タンク、および洗浄水を膜に送液するための送液ポンプを少なくとも具備する。また、洗浄水を循環させるための循環ポンプおよび循環ライン、洗浄水の膜面に対する圧力を調節するためのバルブ、洗浄水の温度を目的の温度に制御する温度調節機構を具備することが好ましい。また、洗浄水のpHを目的の値に制御するpH調節機構を具備することが好ましい。以下、本発明を実施するための装置について、図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、実線の矢印は液体または固体の流れおよび配管を示し、点線の矢印は電気シグナルの流れおよび配線を示している。
図1は、本発明を実施するための装置の、最も基本的な構成例の略図である。図2は、図1に含まれる必須要件に加え、洗浄水保持タンクに、糖液の膜処理に使用する糖液供給タンク14としての機能を兼備させた応用例の略図である。図3は、図1に含まれる必須要件に加え、糖液の膜処理システムを独立に有しており、バルブの操作によりこれらの膜処理工程、膜洗浄工程を切り替えることが出来る応用例の略図である。図4は、セルロース含有バイオマスの前処理物からセルロース由来糖液を製造するシステム全体の略図である。
図1の装置に関して詳細に説明する。洗浄水を保持する洗浄水保持タンク1は、洗浄水を保温する保温装置2と、洗浄水のpHを制御するpH調節機構を備える。pH調節機構は、洗浄水のpHを測定し、測定したpH値を電気シグナルとして出力するpHメータ6、pH値シグナルの入力により、予め入力されたpH設定値と、pH現在値との差を算出し、その値でもってpH調節用ポンプ9の駆動を制御する電気シグナルを出力するコントローラ7、シグナル入力により駆動するpH調節用ポンプ9、pH調節用の酸またはアルカリを保持する酸・アルカリタンク8、から成る。洗浄水保持タンク1に保持された洗浄水は、送液流量を調節できる循環ポンプ3によってクロスフロー式膜モジュール4に供給され、循環ライン10を経由して再び洗浄水保持タンクへと戻ってくる。また、バルブ5の開閉度および循環ポンプの流量操作により、膜間差圧を調節することができる。なお、膜間差圧は、圧力計11〜13を用いて算出可能である。すなわち、圧力計11と圧力計13の測定値の平均と圧力計12の測定値との差を膜間差圧とみなせる。
図2の装置に関して詳細に説明する。図2に示される装置は、糖液の膜処理を行う機能と、膜の洗浄を行う機能とを兼用する。糖液の膜処理の際に、糖液を保持する糖液供給タンク14は、膜の洗浄を行う際には洗浄水保持タンクとしても使用され、洗浄水を保温する保温装置2と、洗浄水のpHを制御するpH調節機構を備える。pH調節機構は、洗浄水のpHを測定し、測定したpH値を電気シグナルとして出力するpHメータ6、pH値シグナルの入力により、予め入力されたpH設定値と、pH現在値との差を算出し、その値でもってpH調節用ポンプ9の駆動を制御する電気シグナルを出力するコントローラ7、シグナル入力により駆動するpH調節用ポンプ9、pH調節用の酸またはアルカリを保持する酸・アルカリタンク8、からなる。洗浄時、糖液供給タンク14に保持された洗浄水は、送液流量を調節できる循環ポンプ3によってクロスフロー式膜モジュール4に供給され、循環ライン10を経由して再び洗浄水保持タンクへと戻ってくる。また、バルブ5の開閉度および循環ポンプの流量操作により、膜間差圧を調節することができる。なお、膜間差圧は、圧力計11〜13を用いて算出可能である。すなわち、圧力計11と圧力計13の測定値の平均と圧力計12の測定値との差を膜間差圧とみなせる。
図3の装置に関して詳細に説明する。図3に示される装置は、糖の膜処理を行う機能と、膜の洗浄を行う機能を別々に備えており、3方バルブ16、17の操作により、その機能を切り替える。糖液の膜処理において、糖液供給タンク14に投入された糖液は、糖液送液ポンプ15によりクロスフロー式膜モジュール4へと供される。膜の洗浄に関しては、洗浄水を保持する洗浄水保持タンク1は、洗浄水を保温する保温装置2と、洗浄水のpHを制御するpH調節機構を備える。pH調節機構は、洗浄水のpHを測定し、測定したpH値を電気シグナルとして出力するpHメータ6、pH値シグナルの入力により、予め入力されたpH設定値とpH現在値との差を算出し、その値でもってpH調節用ポンプ9の駆動を制御する電気シグナルを出力するコントローラ7、シグナル入力により駆動するpH調節用ポンプ9、pH調節用の酸またはアルカリを保持する酸・アルカリタンク8、から成る。洗浄水保持タンク1に保持された洗浄水は、送液流量を調節できる循環ポンプ3によってクロスフロー式膜モジュール4に供給され、循環ライン10を経由して再び洗浄液保持タンクへと戻ってくる。また、バルブ5の開閉度および循環ポンプの流量操作により、膜間差圧を調節することができる。なお、膜間差圧は、圧力計11〜13を用いて算出可能である。すなわち、圧力計11と圧力計13の測定値の平均と圧力計12の測定値との差を膜間差圧とみなせる。
図4の装置に関して詳細に説明する。セルロース含有バイオマスは、糖化反応槽21内で糖化酵素と混合され、加水分解される。糖化反応後のスラリーは、スラリー移送手段22により、固液分離装置24へと移送され、固体残渣25と1次糖液とに分離される。1次糖液は、限外ろ過膜供給槽27に保持された後、限外ろ過膜供給ポンプ28によって限外ろ過膜モジュール30に供給され、高分子濃縮液と2次糖液(ろ液)に分離される。高分子濃縮液は限外ろ過膜供給槽27および限外ろ過膜供給ポンプ28によって循環され、更に濃縮される。2次糖液は、ナノろ過膜供給槽31に保持された後、ナノろ過膜供給ポンプ32によってナノろ過膜モジュール34に供給され、濃縮糖液と、NFろ液に分離される。濃縮糖液はナノろ過膜供給槽31およびナノろ過膜供給ポンプ32によって循環され、更に濃縮される。NFろ液は、逆浸透膜供給槽35に保持された後、逆浸透膜供給ポンプ36によって逆浸透膜モジュール39に供給され、RO濃縮液とROろ液に分離される。RO濃縮液は逆浸透膜供給槽35および逆浸透膜供給ポンプ36によって循環され、更に濃縮される。RO濃縮液は、逆浸透膜供給槽35から、膜洗浄ポンプ40によって限外ろ過膜モジュール30やナノろ過膜モジュール34に返送され、膜モジュール洗浄に再利用される。なお逆浸透膜供給槽35は、槽内の液体を保温する保温装置37と、槽内の液体のpH調節を行うpH調節機構38を備える。ROろ液は、逆浸透膜ろ液槽41に保持され、必要に応じて逆浸透膜ろ液槽ポンプ42によって糖化反応槽21や限外ろ過膜モジュール30、ナノろ過膜モジュール34に返送され、糖化反応の固形分濃度調整や膜モジュール洗浄に再利用される。なお、逆浸透膜ろ液槽41は、槽内の液体を保温する保温装置43と、槽内の液体のpH調節を行うpH調節機構44を備える。また、糖化反応槽21、固液分離装置24、限外ろ過膜供給槽27、ナノろ過膜供給槽31はいずれも保温装置(それぞれ23、26、29、33)をそなえており、糖液の温度を保温しながら各工程の処理を行うことができる。
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(参考例1)目詰まり膜作製方法
本発明による膜洗浄の効果を正確に評価するためには、汚染状態が同一の膜を多数準備する必要がある。以下にその作製方法を説明する。
セルロース含有バイオマスとして、2mmサイズまで粉砕した稲藁を使用した。前記セルロース含有バイオマスを水に浸し、撹拌しながら180℃で5分間オートクレーブ処理(日東高圧株式会社製)した。その際の圧力は10MPaであった。処理後は処理バイオマス成分に遠心分離(3000G)を用いて固液分離した。この溶液成分に“アクセルレース・デュエット”(ジェネンコア協和株式会社製)を添加して50℃で24時間反応させ、溶液成分由来の糖液を得た。その後、フィルタプレス処理(薮田産業製、MO−4)を行い、未分解セルロースあるいはリグニンを分離除去したバイオマス由来の糖液を得た。更に、本糖液を細孔径0.22μmの精密ろ過膜に供することにより、ミクロンオーダーの不溶性粒子を除去した。このようにして得られた糖液約40Lを、限外ろ過膜、ナノろ過膜または逆浸透膜からなるスパイラル膜モジュールに供した。いずれの膜を使用した場合も操作温度は50℃、膜面線速度は20cm/secとし、操作圧力は限外ろ過膜の場合0.1MPa、ナノろ過膜の場合2MPa、逆浸透膜の場合4MPaでそれぞれろ過を行った。ろ過流束が0.05m/day以下に低下した時点で運転を停止した。このようにしてろ過流束が低下したスパイラル膜モジュールを分解し、膜部分を190mm×140mmのシート状に裁断した。
以降の実施例では、このようにして得られたシート状の膜に関して、スパイラル膜モジュールのろ過小型試験として使用できる小型の平膜ユニット“SEPA CF−II”(GEオスモニクス社製:有効膜面積140cm)を使用して膜の洗浄試験および透過試験を行った。
(参考例2)ろ過流束測定方法および膜洗浄効果の評価方法
ろ過流束測定における、限外ろ過膜、逆浸透膜共通の条件として、操作温度25℃、膜面線速度20cm/secとした。操作圧力は、限外ろ過膜の場合0.1MPa、ナノろ過膜の場合2MPa、逆浸透膜の場合4Mpaとした。本条件にて純水のろ過を1分間行い、その間の平均ろ過流束(m/day)を測定した。なお、この際クロスフロー流の循環は行わず、そのまま排水した。また、膜分離装置は参考例1に記載のスパイラルモジュールを想定した小型の平膜ユニットを使用した。
以降の実施例では、未使用膜、洗浄前の目詰まり膜、洗浄後の目詰まり膜のそれぞれにつき、上記操作にてろ過流束を測定した。そして、洗浄前の目詰まり膜および洗浄後の目詰まり膜のろ過流束測定値を、未使用膜のろ過流束測定値で除した値をろ過率(%)と定義し、膜洗浄前後のろ過率の回復、あるいは洗浄後のろ過率の大きさによって膜洗浄効果を評価した。なお、ろ過率は理論上100%が最大値となる。
(参考例3)HPLCによる低分子芳香族化合物分析
水溶液中のHMF、フルフラール、クマル酸、フェルラ酸、クマルアミド、フェルラアミド、バニリンの濃度は、下記に示すHPLC条件で、標品との比較により定量した。なお、クマルアミド、フェルラアミドは、市販の標品が流通していないため、委託合成(委託先:VSN社)により標品を取得した。
機器:高速液体クロマトグラフ“Lachrom elite”(Hitachi社製)
カラム:“Synergi 2.5μm Hydro‐RP 100A”(Phenomenex社製)
検出方法:Diode Array 検出器
流速:0.6 mL/min
温度:40℃。
参考例4)限外ろ過膜の温水洗浄
参考例1の方法により得られた、ろ過流束の低下した耐熱性限外ろ過膜(デサル社製、“HWS UF”シリーズ)について、温水温度条件として25℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃の8通り設定し、更にそれぞれについてpH5、7、9、11の4通り設定し、すなわち合計32通りの条件で膜洗浄を実施した。温水として2Lの純水を用いて、操作圧力0.1MPa、膜面線速度30cm/secで20分間膜洗浄を行い、クロスフロー流を循環させた。膜分離装置は参考例1記載のスパイラルモジュールを想定した小型の平膜ユニットを使用した。ろ過流束は、参考例2の方法に従って、膜洗浄前後に測定した。ただし、膜洗浄前のろ過流速は全条件について共通とみなし、1条件について測定した値を、全条件に共通の膜洗浄前ろ過流束とした。参考例2に従い、ろ過流束をろ過率に換算した値を表1に示す。なお、未使用膜のろ過流束測定値は、0.258m/dayであった。表1からも明らかなように、50℃以上の温水で膜洗浄した場合に膜ろ過性能が格段に回復した。また、50℃以上において、pH9以上のアルカリ条件により、膜ろ過性能がさらに回復した。
Figure 0005201294
参考例5)ナノろ過膜の温水洗浄
参考例1の方法により得られた、ろ過流束の低下した耐熱性ナノろ過膜(デサル社製“HWS NF”シリーズ)について、操作圧力を2MPaとする以外は参考例4と同様の条件で膜洗浄を実施した。参考例2に従い、ろ過流束をろ過率に換算した値を表2に示す。なお、未使用膜のろ過流束測定値は、0.246m/dayであった。その結果、表2からも明らかなように、50℃以上の熱水で膜洗浄した場合に膜ろ過性能が格段に回復した。また、50℃以上において、pH9以上のアルカリ条件により、膜ろ過性能がさらに回復した。
Figure 0005201294
参考例6)逆浸透膜の温水洗浄
参考例1の方法により得られた、ろ過流束の低下した耐熱性逆浸透膜(デサル社製“HWS RO”シリーズ)について、操作圧力を4MPaとする以外は参考例4と同様の条件で膜洗浄を実施した。参考例2に従い、ろ過流束をろ過率に換算した値を表3に示す。なお、未使用膜のろ過流束測定値は、0.245m/dayであった。その結果、表3からも明らかなように、50℃以上の熱水で膜洗浄した場合に膜ろ過性能が格段に回復した。また、50℃以上において、pH9以上のアルカリ条件により、膜ろ過性能がさらに回復した。
Figure 0005201294
参考例7)膜面線速度の膜洗浄効果に対する影響
参考例1の方法により得られた、ろ過流束の低下した耐熱性ナノろ過膜(デサル社製“HWS NF”シリーズ)について、膜面線速度条件を、5cm/sec、10cm/sec、30cm/sec、50cm/sec、70cm/sec、90cm/secの合計6通り設定し、その他の条件については実施例2と同様の条件で膜洗浄を実施した。参考例2に従い、ろ過流束をろ過率に換算した値を表4に示す。なお、未使用膜のろ過流束測定値は、0.246m/dayであった。その結果、表4からも明らかなように、膜面線速度が30cm/sec以上の範囲において膜ろ過性能は格段に回復しており、50cm/sec以上で上限に達した。一方、膜面線速度5cm/secにおいても膜ろ過性能の回復は良好であり、ろ過率88%を得たが、10cm/sec以上の場合との落差が大きいことから、5cm/sec未満の膜面線速度においては膜ろ過性能が格段に劣るであろうことが推察された。
Figure 0005201294
(実施例)低分子芳香族化合物を含む温水による膜洗浄
参考例1の方法により得られた、ろ過流束の低下した耐熱性ナノろ過膜(デサル社製“HWS NF”シリーズ)について、50℃、pH7(水酸化ナトリウムを使用して調整)の純水にHMF、フルフラール、クマル酸、フェルラ酸、クマルアミド、フェルラアミド、バニリンの群から選ばれる低分子芳香族化合物のうちいずれか1つを0.5g/Lの濃度で含む水溶液を洗浄水とした6通りの条件と、低分子芳香族化合物添加しない純水を洗浄水とした条件の合計7通りの条件を設定し、膜洗浄を実施した。前記洗浄水2Lを用いて、操作圧力0.1MPa、膜面線速度30cm/secで20分間膜洗浄を行い、クロスフロー流を循環させた。膜分離装置は参考例1記載のスパイラルモジュールを想定した小型の平膜ユニットを使用した。ろ過流束は、参考例2の方法に従って、膜洗浄前後に測定した。ただし、膜洗浄前のろ過流速は全条件について共通とみなし、1条件について測定した値を、全条件に共通の膜洗浄前ろ過流束とした。参考例2に従い、ろ過流束をろ過率に換算した値を表5に示す。なお、未使用膜のろ過流束測定値は、0.246m/dayであった。表5から明らかなように、50℃の純水を使用した場合に対し、上記の低分子芳香族化合物を含む50℃温水を使用した場合のほうが、膜ろ過性能が更に回復した。
(比較例1)低分子芳香族化合物を含む常温水による膜洗浄
洗浄水の温度を25℃とすること以外は実施例5と同様の条件で膜洗浄を実施した。参考例2に従い、ろ過流速をろ過率に換算した値を表5に示す。なお、未使用膜のろ過流速測定値は、0.246m/dayであった。表5から明らかなように、25℃の純水を使用した場合に対し、前記の低分子芳香族化合物を含む25℃の水溶液を使用した場合では全く差が見られなかった。本結果および実施例5の結果より、低分子芳香族化合物による膜洗浄効果の向上は、洗浄水の温度が50℃以上の場合に限ることが示された。
Figure 0005201294
(実施例)低分子芳香族化合物濃度の洗浄効果に対する影響
実施例と同様の方法において、洗浄水中の7種の化合物の濃度に関し0.5g/L、1g/L、3g/L、5g/L、7g/L、10g/Lの6通りを設定して膜洗浄を行った(ただし、クマル酸、フェルラ酸については5g/Lを超える濃度では溶解が困難であったため、7g/L、10g/Lの濃度については検討しなかった。)。参考例2に従い、ろ過流速をろ過率に換算した値から作成したグラフを図5に示す。なお、未使用膜のろ過流速測定値は、0.246m/dayであった。図5から明らかなように、いずれの化合物でも濃度が高くなるにつれて膜洗浄効果が高まり、5g/L以上の濃度で最大の膜洗浄効果が得られた。
(実施例)セルロース由来糖液をナノろ過膜に通じて得られたろ液による膜洗浄
参考例1の方法に従い、セルロース由来糖液をナノろ過膜に通じたNFろ液を得た。更に、NFろ液の一部を、逆浸透膜(“UTC−80”、東レ株式会社製)を用いて、常温にて操作圧力6MPaでろ過を行い、各成分濃度がおよそ6倍、10倍、20倍となったRO濃縮液を調整した(以下、それぞれ6倍NFろ液、10倍NFろ液、20倍NFろ液、という。)。これらの液中の低分子芳香族化合物濃度を、参考例3の方法により分析した結果を表6に示す。
Figure 0005201294
前記NFろ液、6倍NFろ液、10倍NFろ液、20倍NFろ液を洗浄水としたものと、実施例での純水を洗浄水としたものについて、実施例と同様の条件で膜洗浄を実施した。参考例2に従い、ろ過流束をろ過率に換算した値を表7に示す。なお、未使用膜のろ過流束測定値は、0.246m/dayであった。表7、8から明らかなように、低分子芳香族化合物濃度が高いほど膜洗浄効果が高まった。
Figure 0005201294
本発明はセルロース由来糖液を限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜のいずれか1以上の分離膜に通じて濾過する工程を含む糖液の製造方法における分離膜の洗浄方法として利用することができる。

Claims (7)

  1. セルロース由来糖液を、限外ろ過膜、ナノろ過膜および逆浸透膜からなる群から選択される1以上の分離膜に通じてろ過する工程を含む糖液の製造方法において、ろ過後の分離膜を50℃以上の温水で洗浄する工程を含み、該温水が、HMF、フルフラール、クマル酸、フェルラ酸、クマルアミド、フェルラアミド、バニリンからなる群から選択される1以上の化合物を含むことを特徴とする、糖液の製造方法。
  2. 温水がセルロース由来糖液をナノろ過膜および/または逆浸透膜に通じて得られたろ液であることを特徴とする、請求項1に記載の糖液の製造方法。
  3. 温水が75〜90℃の範囲であること特徴とする、請求項1または2に記載の糖液の製造方法。
  4. セルロース由来糖液が精密ろ過膜でろ過されたものであることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の糖液の製造方法。
  5. 温水のpHが9〜12の範囲であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の糖液の製造方法。
  6. 温水を分離膜でクロスフローろ過することにより分離膜を洗浄することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の糖液の製造方法。
  7. 温水の膜面線速度が5〜50cm/secであることを特徴とする、請求項に記載の糖液の製造方法。
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