JP4701539B2 - 糖液の精製装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デンプン糖化液からブドウ糖を高度に回収するための精製装置として好適な糖液の精製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブドウ糖或いはその異性化糖は、次のような工程を経て製造されている。
【0003】
まず、原料デンプン(コーンスターチなど)が酵素液化工程、酵素糖化工程を経て、下記組成及び粘度のブドウ糖溶液(デンプン糖化液)が製造される。
[デンプン糖化液組成及び粘度]
ブドウ糖 :33%
脂肪酸 :0.2%
タンパク質 :0.1%
その他の不溶物:0.1%
粘度(60℃):1.0cp
【0004】
このように酵素糖化工程からのデンプン糖化液は、原料由来の不純物や原料の液化、糖化工程で混入する塩類等の不純物を多く含む粗製品であるため、これらを除去して精製する必要がある。従来、このデンプン糖化液の精製には、まず、濾過工程で不純物を分離してブドウ糖を回収することが行われている。従来、この濾過工程では、珪藻土のプレコートフィルターを用いる珪藻土濾過法が採用されている。この方法では、デンプン糖化液中の不純物を珪藻土上に残し、透過液側にブドウ糖液を回収する。
【0005】
この濾過工程を経て精製されたブドウ糖液は、次いで活性炭による脱色処理、イオン交換樹脂による脱塩処理を経て更に精製され、その後、精製ブドウ糖液を得るためには濃縮処理され、精製異性化糖液を得るためには異性化工程、脱塩工程及び除菌のための膜濾過工程を経た後、濃縮処理される。
【0006】
しかし、珪藻土濾過法によりデンプン糖化液を濾過する従来の方法では、大量の珪藻土を使用する必要があり、しかも分離した不純物を含む珪藻土のスラッジが大量に排出される。このスラッジは珪藻土を含むため焼却処理することができず、産業廃棄物として投棄処分するため、処分場の問題がある。
【0007】
この珪藻土濾過法の問題を解決するものとして、限外濾過(UF)膜又は精密濾過(MF)膜を用いた膜濾過法が提案されている。膜濾過法によるデンプン糖化液からのブドウ糖の回収は、デンプン糖化液の濾過、濃縮(ブドウ糖の透過と不純物の濃縮)とダイアフィルトレーション(加水処理による、濃縮液側に残ったブドウ糖の透過液側への回収)とによって行われる。即ち、まず、デンプン糖化液を膜濾過処理してブドウ糖を透過液側に回収すると共に不純物を濃縮し、不純物の濃縮がある程度進んだ後に、濃縮液側に水を徐々に添加(加水処理)しながら膜濾過を続けるダイアフィルトレーションと称される操作を行うことで濃縮液側に残留するブドウ糖の透過液側への回収を促進する。
【0008】
この方法であれば、珪藻土を使用しないため、珪藻土の費用削減に加えて、産業廃棄物の大幅な削減が可能となる。また、濾過残渣は有機物のみから構成されるため、これを生物処理により廃液処理することができ、肥料や家畜用飼料としての有効利用も可能になる。
【0009】
しかも、膜濾過法であれば、珪藻土濾過法では除去し得ない色度成分を除去することができるという利点もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、膜濾過法の適用で、色度成分をある程度除去することはできるが、十分ではなく、その後段で脱色処理を行うことが必要である。従来において、この脱色処理には、活性炭による処理が行われているが、活性炭による処理では製品規格値以下まで色素成分を除去することはできないため、その後段のイオン交換樹脂で残留する色素成分を除去する必要がある。このため、活性炭処理の後段の脱塩処理で用いるイオン交換樹脂には、脱塩だけではなく、活性炭処理でなお残留する色素成分の除去も行う必要がある。
【0011】
脱塩だけの目的であれば、弱酸性イオン交換樹脂と弱塩基性イオン交換樹脂の2床段方式で十分な脱塩処理効果を得ることができるが、従来法では、活性炭では除去し得ず、また、このような2床段方式でも除去し得ない色度成分を製品規格値以下にまで除去するために、強酸性イオン交換樹脂塔と弱塩基性イオン交換樹脂塔の後段に、更に強酸性イオン交換樹脂と強塩基性イオン交換樹脂の混床塔を設け、3段方式でイオン交換処理を行う必要があった。
【0012】
このため、従来法では脱塩処理工程の装置設備が大型化し、また、イオン交換樹脂の再生や交換に多大な費用と手間を要するという問題点があった。
【0013】
一方、イオン交換樹脂のような薬品による再生処理を必要とせず、完全な連続採水が可能な脱塩装置として、電気再生型脱イオン装置が提供されているが、従来法では、活性炭処理後の脱塩工程において、脱塩のみならず、色度成分の除去を必要とすることから、この脱塩手段として電気再生型脱イオン装置を適用できないという不具合もあった。
【0014】
また、このような脱塩手段の長寿命化、再生等のメンテナンスの軽減のためには、脱塩手段の負荷を軽減し、脱塩手段の汚染を防止することが望まれるが、従来法では、脱塩手段の前段での不純物除去が十分でないために、脱塩手段の負荷が大きいという問題もあった。
【0015】
本発明は上記従来の問題点を解決し、不純物を含有する糖液を膜濾過した後、脱色し、その後脱塩処理することにより精製する装置であって、脱塩手段の前段で色度成分やその他の不純物を高度に除去することができ、従って、その後段の脱塩手段の負荷を軽減して、脱塩手段の小型化ないし多様化、更には長寿命化を図ることができる糖液の精製装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の糖液の精製装置は、不純物を含有する糖液を膜濾過する膜濾過手段と、該膜濾過手段の透過液を脱色する色素吸着手段と、該色素吸着手段の処理液を脱塩する脱塩手段とを備えてなる糖液の精製装置において、前記色素吸着手段が、繊維に粉末活性炭と塩基性イオン交換樹脂を固定した吸着剤を用いた色素吸着手段であることを特徴とする。
【0017】
膜濾過により予め色素成分の一部が除去された糖液を、繊維に粉末活性炭と塩基性イオン交換樹脂を固定した吸着剤で処理することにより、残留する色度成分を高度に吸着除去して、製品規格値以下まで低減することができる。しかも、繊維に粉末活性炭と塩基性イオン交換樹脂を固定した吸着剤は、糖液通液時の圧力損失も極めて少なく、効率的な脱色処理を行える上に、蛋白質等の高分子物質をも効率的に除去することができるため、後段の脱塩手段の負荷を低減し、長寿命化を図ることができる。
【0018】
本発明では、このような色素吸着手段で色度成分を高度に除去できるため、その後の脱塩手段では、脱塩のみを行えば良く、色度成分の除去機能は不要となることから、酸性イオン交換樹脂と塩基性イオン交換樹脂の2床段方式又は混床式、好ましくは強塩基性イオン交換樹脂と弱塩基性イオン交換樹脂の2床段方式又は強酸性イオン交換樹脂と強塩基性イオン交換樹脂の混床方式を用いることができ、従来の混床塔又は2床段方式のイオン交換塔を省略することができる。また、薬品による再生処理が不要な電気再生型脱イオン手段を採用することも可能となる。
【0019】
しかも、本発明では、前段の色素吸着手段において、色度成分を高度に除去すると共に蛋白質等の高分子物質も除去されるために、このような脱塩手段の負荷が軽減され、汚染も防止されるため、脱塩手段のメンテナンスの軽減、長寿命化が図れる。
【0020】
本発明において、膜濾過手段は、有機膜を用いた第1膜濾過手段と、無機膜を用いた第2膜濾過手段と、無機膜を用いてダイアフィルトレーション濾過を行う第3膜濾過手段とを備えるものが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
図1(a),(b),(c)は本発明の糖液の精製装置の実施の形態を示す系統図、図2は本発明に好適な膜濾過装置を示す系統図である。
【0023】
図1に示す如く、本発明の糖液の精製装置は、酵素糖化工程からのデンプン糖化液等の糖液を膜濾過装置1で膜濾過した後、その透過液を色素吸着塔2で脱色し、更に強酸性イオン交換樹脂塔3及び弱塩基性イオン交換樹脂塔4よりなる脱塩手段(図1(a))又は電気再生型脱イオン装置5よりなる脱塩手段(図1(b))又は強塩基性イオン交換樹脂と強酸性イオン交換樹脂の混床塔6よりなる脱塩手段(図1(c))で脱塩処理するものである。
【0024】
膜濾過装置1では、糖液中に含まれる不溶解性のデンプンや蛋白質などの懸濁物質を膜で除去し、透過液中にブドウ糖を回収する。
【0025】
このような膜濾過装置1としては、図2に示す如く、有機膜を用いた第1膜濾過装置12と、無機膜を用いた第2膜濾過装置15と、無機膜を用いてダイアフィルトレーション濾過を行う第3膜濾過装置17とからなるものが好ましい。
【0026】
図2の膜濾過装置では、糖液は、第1循環槽11を経てポンプP1により第1膜濾過装置12に送給され、クロスフロー濾過方式で膜濾過処理され、膜を透過したブドウ糖を含む透過液(第1透過液)は透過液貯槽13に送給される。一方、不溶解性のデンプンや蛋白質などの懸濁物質等の不純物が濃縮された濃縮液は第1循環槽11に戻され、循環処理される。この濃縮液(第1濃縮液)は次いで第2循環槽14に送給され、ポンプP2により第2膜濾過装置15に送給され、クロスフロー濾過方式で膜濾過処理され、膜を透過したブドウ糖を含む透過液(第2透過液)は透過液貯槽13に送給される。一方、不純物が濃縮された濃縮液は第2循環槽14に戻され、循環処理される。この濃縮液(第2濃縮液)は次いで第3循環槽16に送給され、加水配管18からの洗浄液で希釈され、ポンプP3により第3膜濾過装置17に送給され、クロスフロー濾過方式でダイアフィルトレーション濾過が行われる。この第3膜濾過装置17の膜を透過したブドウ糖を含む透過液(第3透過液)は透過液貯槽13に送給される。一方、不純物が濃縮された濃縮液は第3循環槽16に循環される。この第3循環槽16内の濃縮液(第3濃縮液)は系外へ排出され、排水処理されるか、或いは適宜処理された後、肥料又は飼料として有効利用される。透過液貯槽13内の透過液は、色素吸着塔2に送給される。
【0027】
各膜濾過装置の分離膜としては、有機のスパイラル膜や中空糸膜、無機のセラミック膜や金属膜等を用いることができるが、本発明では、特に、第1膜濾過装置12の分離膜として有機膜を用い、第2膜濾過装置15及び第3膜濾過装置17の分離膜として無機膜を用いるのが好ましい。
【0028】
第1膜濾過装置12の有機膜としては、分画分子量5万以上のUF膜、孔径0.01〜10μmのMF膜で、中空系型、スパイラル型等のポリテトラフルオロエチレン膜、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)膜、ポリオレフィン膜、ポリスルホン膜等を用いることができ、この第1膜濾過装置12では糖液を5〜20倍に濃縮し、被処理糖液の80%以上を透過液として回収するのが好ましい。
【0029】
一方、第2膜濾過装置15及び第3膜濾過装置17の無機膜としては、特に下記のようなチューブラー型のステンレスチタン膜を用いるのが好ましく、第2膜濾過装置15では、第1濃縮液を更に2〜10倍に濃縮し、その75%以上を透過液として回収し、第1膜濾過装置12と第2膜濾過装置15とで、糖液を20〜50倍に濃縮し、この第2濃縮液を第3膜濾過装置17でダイアフィルトレーション濾過するのが好ましい。
[ステンレスチタン膜]
均一なステンレスパウダー(粒径30〜40μm、SUS316L)を焼結させたステンレス支持体(肉厚0.8〜1.5mm、孔径1.0μm)の表面に、同じくチタンパウダー(粒径0.3〜0.5μm、TiO2)を焼結させたチタン活性層(膜厚0.8〜1.5mm、孔径1.0μm)を形成したMF膜。
【0030】
このように、第1の膜濾過装置12の分離膜として有機膜を用い、第2及び第3の膜濾過装置15,17の分離膜として無機膜を用いることにより、装置の大型化、設備費の高騰を防止した上で糖液の高濃縮、ブドウ糖の高度回収を可能とすることができる。
【0031】
即ち、有機膜は無機膜に比べて安価で装置が小型であるため経済的に有利であるが、化学的、機械的強度が無機膜に比べて劣り、過酷な条件での運転ができないことから濃縮率を上げることができず、10〜20倍濃縮程度が限度であるという短所がある。一方、無機膜は、有機膜に比べて化学的、機械的強度が高く、有機膜よりも運転条件を上げることができ、50倍濃縮程度まで可能であるが、高価で装置が大型化するため、経済的に不利である。
【0032】
本発明では、このような有機膜と無機膜の特性を生かし、第1膜濾過装置12による低濃縮時に有機膜を使用し、第2,第3膜濾過装置15,17による高濃縮時に無機膜を使用することにより、装置の大型化、設備費の高騰を防止した上で糖液の高濃縮、ブドウ糖の高度回収を可能とすることができる。
【0033】
なお、第1膜濾過装置12、第2膜濾過装置15及び第3膜濾過装置17の分離膜の膜面積は、第1膜濾過装置12の分離膜の膜面積>第2膜濾過装置15の分離膜の膜面積>第3膜濾過装置17の分離膜の膜面積となるように、後段の膜濾過装置ほど分離膜の膜面積を小さくすることが、濃縮によるデッドスペースを無くし、効率的な濃縮処理を行う上で有利である。
【0034】
この膜面積比は、各膜濾過装置の倍率や運転条件によっても異なるが、第1膜濾過装置12の分離膜の膜面積を1としたとき、第2膜濾過装置15の分離膜の膜面積は0.02〜0.2、第3膜濾過装置17の分離膜の膜面積は0.005〜0.1とするのが好ましい。
【0035】
また、ブドウ糖の回収率を上げるためには、第3膜濾過装置17におけるダイアフィルトレーション濾過で加水する洗浄液量が多い方が好ましいが、この加水量が過度に多いと後工程での濃縮又は排水処理の負荷が大きくなる上に、装置が大型化してしまい好ましくない。従って、このダイアフィルトレーション濾過における加水量は、処理する糖液量に対して、得られる全透過液量が120%以下(即ち、増加液量が20%以下)、特に90〜110%(増加液量−10〜10%)となるような加水量とするのが好ましい。なお、このダイアフィルトレーション濾過の洗浄液としては、通常脱イオン水、一般工業水(井水)、緩衝液が用いられる。この洗浄液の加水形態には特に制限はなく、連続加水、間欠加水、或いはバッチ毎の加水であっても良いが、濃縮液量を一定に保ちながら透過液量に見合った水量を徐々に加えてゆく方法が一般的である。
【0036】
このような膜濾過装置であれば、被処理糖液から0.05〜1%の懸濁物質を除去すると共に、色度成分をも除去し、被処理糖液中のブドウ糖の98%以上を透過液中に回収することができる。
【0037】
このような膜濾過装置1の透過液は、次いで色素吸着塔2で色度成分及び蛋白質等の高分子物質の除去を行う。
【0038】
本発明においては、この色素吸着塔2の吸着剤として、繊維、好ましくはセルロース繊維に粉末活性炭と塩基性イオン交換樹脂、好ましくは強塩基性イオン交換樹脂を固定した吸着剤を用いる。
【0039】
ここで、セルロース繊維としては、平均繊維径0.01〜0.1mm、平均繊維長0.5〜5mm程度のものが好適に使用され、粉末活性炭としては、平均粒径0.005〜0.2mm程度のものが、また、塩基性イオン交換樹脂としては、平均粒径0.01〜0.5mm程度のものが好ましい。
【0040】
セルロース繊維の繊維長が0.5mmより小さいと液通過のための空隙が少なくなるため、目詰まりが起こりやすくなる。セルロース繊維の繊維長が5mmより大きいとプレコート処理が困難になる。また、セルロース繊維の繊維径が0.01mmより小さいと強度を保ちづらく、プレコート時や通液時などに破砕し、目詰まりの原因になりやすい。セルロース繊維の繊維径が0.1mmより大きいとプレコート処理が困難になる。
【0041】
このような吸着剤は、カラムに充填し、この吸着層に前段の膜濾過装置1の透過液を通液して処理しても良く、また、リーフフィルター等にこの吸着剤をプレコートして吸着層を形成したものに膜濾過装置1の透過液を接触させるようにして処理を行っても良い。
【0042】
このような吸着層への膜濾過装置1の透過液の通液条件は、0.05〜0.5m/hrの範囲とするのが好ましい。
【0043】
このような吸着処理により、膜濾過装置1の透過液中の色度成分を高度に除去して、製品の規格値以下にまで低減することができる。
【0044】
この色素吸着塔2の処理液は、次いで、脱塩処理することにより、液化や糖化工程で酸の中和等により混入した塩を除去して、規定の導電率まで脱塩する。
【0045】
この脱塩処理手段としては、図1(a)に示す強酸性イオン交換樹脂塔3と弱塩基性イオン交換樹脂塔4との組み合せか、或いは、図1(b)に示す電気再生型脱イオン装置5を用いるのが好ましく、図1(a)に示す強酸性イオン交換樹脂塔3と弱塩基性イオン交換樹脂塔4との組み合せであれば、従来の混床塔を省略して、良好な精製液を得ることができる。
【0046】
また、電気再生型脱イオン装置5によれば、薬品による再生を行うことなく、連続採水にて良好な精製液を得ることができる。
【0047】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0048】
実施例1
酵素糖化工程からの下記組成及び粘度のデンプン糖化液を5000L/hrの処理量で図1に示す装置で処理した。
[デンプン糖化液及び粘度]
ブドウ糖 :33%
脂肪酸 :0.2%
タンパク質 :0.1%
その他の不溶物:0.1%
粘度(60℃):1.0cp
【0049】
各装置の仕様及び運転条件は次の通りとした。
(1) 膜濾過装置1:図2に示す膜濾過装置
▲1▼ 第1膜濾過装置12
使用膜 :スパイラル型PVDF膜
膜面積 :108m2
膜孔径 :0.1μm
第1透過液量 :4500L/hr
第1循環槽への循環濃縮液量 :2000L/hr
第2循環槽への移送第1濃縮液量:500L/hr
濃縮倍率 :10倍
▲2▼ 第2膜濾過装置15
使用膜 :チューブラー型ステンレスチタン膜
膜面積 :5.3m2
膜孔径 :0.1μm
第2透過液量 :450L/hr
第2循環槽への循環濃縮液量 :1000L/hr
第3循環槽への移送第2濃縮液量:45L/hr
濃縮倍率 :5倍(合計50倍)
▲3▼ 第3膜濾過装置17
使用膜 :チューブラー型ステンレスチタン膜
膜面積 :2.7m2
膜孔径 :0.1μm
第3透過液量 :300L/hr
第3循環槽への循環濃縮液量 :500L/hr
洗浄液(脱イオン水)加水量 :300L/hr
系外への排出第3濃縮液量 :45L/hr
(2) 色素吸着塔2
平均繊維径0.05mm、平均繊維長さ2.5mmのセルロース繊維に、平均粒径0.05mmの粉末活性炭を40重量%と、平均粒径0.2mmの強塩基性イオン交換樹脂35重量%とを固定した吸着剤1.7kgを、直径450mmのフィルターに厚さ20mmでプレコートしたものをカラムに充填したもの。
通液速度:0.2m/hr
(3) 強酸性イオン交換樹脂塔3
強酸性イオン交換樹脂50Lを直径200mm、長さ1500mのカラムに充填したもの。
通液速度:5m/hr
(4) 弱塩基性イオン交換樹脂塔4
弱塩基性イオン交換樹脂50Lを直径200mm、長さ1500mのカラムに充填したもの。
通液速度:5m/hr
【0050】
各装置の出口水の組成を調べ、結果を表1に示した。
【0051】
比較例1
色素吸着塔として、粒径150μm以下の粉末活性炭3Lを直径450mmのフィルターに20mmの厚さでプレコートしたものをカラムに充填したものを用い、通液速度0.2m/hrで処理したこと以外は実施例1と同様にして処理を行い、各装置の出口水の組成を調べ、結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】
表1より、繊維に粉末活性炭と塩基性イオン交換樹脂を固定した吸着剤であれば、従来の活性炭に比べて色度成分を高度に除去することができ、また、蛋白質をも除去することができ、2段イオン交換処理のみで、良好な精製液を得ることができることがわかる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の糖液の精製装置によれば、不純物を含有する糖液を膜濾過した後、脱色し、その後脱塩処理することにより精製するにあたり、脱塩手段の前段で色度成分やその他の不純物を高度に除去することができ、従って、その後段の脱塩手段の負荷を軽減して、脱塩手段の小型化ないし多様化、更には長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の糖液の精製装置の実施の形態を示す系統図である。
【図2】本発明に好適な膜濾過装置を示す系統図である。
【符号の説明】
1 膜濾過装置
2 色素吸着塔
3 強酸性イオン交換樹脂塔
4 弱塩基性イオン交換樹脂塔
5 電気再生型脱イオン装置
6 混床塔
11 第1循環槽
12 第1膜濾過装置
13 透過液貯槽
14 第2循環槽
15 第2膜濾過装置
16 第3循環槽
17 第3膜濾過装置
18 加水配管
Claims (5)
- 不純物を含有する糖液を膜濾過する膜濾過手段と、
該膜濾過手段の透過液を脱色する色素吸着手段と、
該色素吸着手段の処理液を脱塩する脱塩手段とを備えてなる糖液の精製装置において、
前記色素吸着手段が、繊維に粉末活性炭と塩基性イオン交換樹脂を固定した吸着剤を用いた色素吸着手段であることを特徴とする糖液の精製装置。 - 請求項1において、前記膜濾過手段が、
有機膜を用いた第1膜濾過手段と、
無機膜を用いた第2膜濾過手段と、
無機膜を用いてダイアフィルトレーション濾過を行う第3膜濾過手段とを備えることを特徴とする糖液の精製装置。 - 請求項1又は2において、前記脱塩手段が、
強酸性イオン交換樹脂を用いたカチオン除去手段と、
弱塩基性イオン交換樹脂を用いたアニオン除去手段とを備え、この順で通液する手段であることを特徴とする糖液の精製装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記繊維がセルロース繊維であることを特徴とする糖液の精製装置。
- 請求項4において、前記セルロース繊維が平均繊維径0.01〜0.1mm、平均繊維長0.5〜5mmのセルロース繊維であり、前記粉末活性炭が平均粒径0.005〜0.2mmの粉末活性炭であり、前記塩基性イオン交換樹脂が平均粒径0.01〜0.5mmの塩基性イオン交換樹脂であることを特徴とする糖液の精製装置。
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JPH09511651A (ja) * | 1994-04-07 | 1997-11-25 | インターナショナル フード プロセッシング,インコーポレイテッド | サトウキビから直接砂糖を製造するためのプロセス |
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JPH10229900A (ja) * | 1997-02-17 | 1998-09-02 | Nippon Rensui Kk | 甜菜浸出液の精製方法 |
JP2000333692A (ja) * | 1999-03-23 | 2000-12-05 | Oji Paper Co Ltd | キシロオリゴ糖の製造方法 |
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2001
- 2001-05-21 JP JP2001151171A patent/JP4701539B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN109852735A (zh) * | 2019-03-15 | 2019-06-07 | 中国科学院过程工程研究所 | 一种果葡糖浆的精制工艺方法 |
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