JP5200945B2 - 自動車のサスペンション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、上端部が車体側に連結され且つ下端部が車輪側に連結されたコイルバネと、該コイルバネの下端部を支持する座面を上面に形成してなるバネ座部材と、該コイルバネの下端部と該バネ座部材の座面との間に配設されるクッションシートと、を備えた自動車のサスペンション装置に関する技術分野に属する。
この種のサスペンション装置に使用されるクッションシートとして、コイルバネの下端部に内挿される円筒状部と、この円筒状部の下端部に鍔状に接続され、コイルバネの着座面を上面に形成してなるシート部とを備えたゴム製のもの知られている(例えば、特許文献1参照)。このクッションシートでは、着座面が平坦状(平面状)に形成されていて、コイルバネに負荷荷重が作用すると、着座面がシート厚さ方向に凹んで衝撃を吸収するようになっている。
この他にも、クッションシートの全体形状を略C字状とし且つ断面をU字状に形成して、コイルバネの下端部の素線にクッションシートを嵌め込むようにしたものが知られている(例えば特許文献2参照)。
実開昭62−013237号公報 特開2008−024158号公報
しかしながら、上記特許文献1に示すものでは、図10に示すように、コイルバネ201に負荷荷重が作用すると、着座面202がコイルバネ201によって下側に押されて凹むため、着座面202上に存在する異物203等が、コイルバネ201とクッションシート205との間に巻き込まれて噛み込んでしまうという問題がある。
ここで、着座面202にコイルバネ201を嵌める嵌合溝を設けることも考えられるが、この場合、コイルバネ201の組付誤差や負荷荷重による変形により、着座面202とコイルバネ201との間に隙間が生じて異物を噛み込み易くなるという問題がある。
また、特許文献2に示すものでは、クッションシートをコイルバネの下端部に嵌め込んで組付ける必要があるため、組み付け性が悪いという問題がある。また、クッションシートの全体形状がC字状とされていてるため、その位置決め強度が不足して、コイルバネからの荷重により径方向や周方向の位置ずれを生じ、延いては、コイルバネとクッションシートとの間に異物が侵入するという問題があり、コイルバネ表面のコーティングを保護する観点で改善の余地がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成でコイルバネの表面を確実に保護可能な自動車のサスペンション装置を提供しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、上記クッションシートを、環状体と、環状体と一体にその外周面に沿って延び、コイルバネの着座部とバネ座部材の座面との間に配設されるシート部と、シート部に連接され環状体とは分離してその外周面に沿って延びる分離部とで構成し、コイルバネの着座部をシート部で支持し、コイルバネの傾斜開始部を、分離部の上面に形成した嵌合溝に嵌め込んで支持させるとともに、上記クッションシートの分離部における上記嵌合溝の下側の部分の厚さを、無負荷状態にある上記コイルバネの傾斜開始部と上記バネ座部材の座面との該コイル軸心方向に沿った距離よりも大きくするようにした。
具体的には、請求項1の発明では、上端部が車体側部材に連結され且つ下端部が車輪側部材に連結されたコイルバネと、該コイルバネの下端部を支持する座面を上面に形成してなるバネ座部材と、上記コイルバネの下端部と該バネ座部材の座面との間に配設されるクッションシートと、を備えた自動車のサスペンション装置を対象とする。
そして、上記コイルバネの下端部は、上記バネ座部材の座面に沿って形成される着座部と、該着座部から延びて該座面に対して離間するように上側に傾斜する傾斜開始部と、を含んでおり、上記クッションシートは、環状体と、上記環状体と一体にその外周面に沿って延び、上記コイルバネの着座部と上記バネ座部材の座面との間に配設されるシート部と、上記シート部に連接されて上記環状体とは分離してその外周面に沿って延び、上記コイルバネの傾斜開始部と上記バネ座部材の座面との間に配設される分離部とを備え、上記分離部の上面には、上記コイルバネの傾斜開始部に沿って延び、該傾斜開始部が嵌り込む嵌合溝が形成されており、上記クッションシートの分離部における上記嵌合溝の下側の部分の厚さは、無負荷状態にある上記コイルバネの傾斜開始部と上記バネ座部材の座面との該コイル軸心方向に沿った距離よりも大きいものとする。
この構成によれば、クッションシートにおける着座部を受け止める部分が環状体で構成されているため、クッションシート全体としての位置決め強度を高めることができる。また、コイルバネに負荷荷重が作用したときに変位量(コイル軸心方向及びコイル軸心方向に垂直な水平面内の変位量)が最も大きくなる傾斜開始部を、環状体から分離(分岐)させた分離部により保護するようにしたことで、傾斜開始部の変位(特に水平面内の変位)に対して分離部を確実に追従させることができる。
したがって、嵌合溝の内面とコイルバネとの密着性を、コイルバネの負荷荷重の大小に拘わらず十分に確保することがでる。よって、嵌合溝内への異物侵入を防止して、コイルバネ表面のコーティングを確実に保護することが可能となる。
そして、上記クッションシートの分離部における上記嵌合溝の下側の部分の厚さ、無負荷状態にある上記コイルバネの傾斜開始部と上記バネ座部材の座面との該コイル軸心方向に沿った距離よりも大きくすることで、コイルバネが無負荷状態にある状態で嵌合溝の内面をコイルバネの傾斜開始部に密着させることができるとともに、コイルバネに負荷荷重が作用した場合でも、コイルバネ(傾斜開始部)のコイル軸心方向の変位に応じて、分離部の厚さを迅速に変化させて該密着状態を維持することができる。
尚、本明細書において、コイルバネが無負荷状態にあるときとは、コイルバネをサスペンションに組み付けた状態で、ホイール位置が最下位置にあるときを意味するものとする。
請求項の発明では、請求項1の発明において、上記コイルバネが無負荷状態にある場合において、上記分離部の幅方向に沿った断面で見て、該分離部の上面と上記嵌合溝の内面とが当該溝の縁にてなす該分離部側の角度が90°以下とされているものとする。
この構成によれば、コイルバネの傾斜開始部が、コイル軸心方向の下側に変位して嵌合溝の内面を下側に押し下げた場合に、嵌合溝の縁に近い位置にある異物が、この押し下げとともにコイルバネとクッションシートとの間に挟まれるのを防止することができる。
請求項の発明では、請求項1又は2の発明において、上記環状体は、その径方向において上記分離部に対面する部分の該径方向の幅が、下側ほど細くなるように形成されているものとする。
この構成によれば、分離部を設けるためのスペースを、下側(座面側)に向かうほど広く確保することができる。
請求項の発明では、請求項1乃至のいずれか一つの発明において、上記コイルバネは、所定の車体側壁部材に対して車幅方向外側に配設されており、上記コイルバネの下端部を支持するバネ座部材には、その外周縁に沿って該下端部を囲むように形成された周壁部が設けられ、上記周壁部における上記車体側壁部材との距離が最も近くなる部分には切欠部が形成されており、上記バネ座部材における、上記切欠部に対応する部分には、径方向外側に突出する座部延長部が形成されており、上記クッションシートの上記分離部の下面には、径方向外側に膨出する補強支持座が設けられ、上記補強支持座は、上記座部延長部に位置するように形成されているものとする。
このように、上記周壁部における車体側壁部材との距離が最も近くなる部分に切欠部を設けるとともに、該切欠部に対応する部分に座部延長部を設けて補強支持座を支持させるようにしたことで、スペースの有効利用を図りながら、分離部がコイルバネからの反力により幅方向に倒れる(撓む)のを確実に防止することができる。
請求項の発明では、請求項の発明において、上記バネ座部材の座面には、周方向に段差を生じさせる段差面が形成されており、 上記環状体の外周面には、径方向外側に突出してその周方向の位置決めを行う位置決め片が設けられており、上記位置決め片には、上記段差面に当接する当接部が形成されているものとする。
この構成によれば、位置決め片の当接部を、バネ座部材の段差面に当接させることで、環状体(延いてはクッションシート)の周方向の位置決めを容易に行うことができる。したがって、クッションシートのバネ座部材への組付け性を向上させることができる。
請求項の発明では、請求項の発明において、上記環状体と上記シート部とは、該環状体の径方向に沿った断面で見てL字状をなしているものとする。
こうすることで、コイルバネのクッションシート上へのセット作業を容易に行うことができる。
以上説明したように、本発明の自動車のサスペンション装置によると、簡単な構成でコイルバネの表面のコーティングを確実に保護することができる。また、コイルバネが無負荷状態にある状態で嵌合溝の内面をコイルバネの傾斜開始部に密着させることができるとともに、コイルバネに負荷荷重が作用した場合でも、コイルバネ(傾斜開始部)のコイル軸心方向の変位に応じて、分離部の厚さを迅速に変化させて該密着状態を維持することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車のサスペンション装置1を示し、このサスペンション装置1は、自動車のホイールハウス100内に配設されて、左右の車輪を車体に懸架することでその接地性を高めるものである。本実施形態では、この懸架方式としてストラット方式を採用するようにしている。すなわち、サスペンション装置1は、ショックアブソーバ2と、ショックアブソーバ2に外挿されたコイルバネ3とを有していて、このショックアブソーバ2とコイルバネ3とを含む支柱(ストラット)構造によって、ホイール4を車体に懸架するように構成されている。
上記ショックアブソーバ2は、内部にオイルが充填された筒状のシリンダ2aと、シリンダ2aに対してその軸心方向にストローク(伸縮)可能に内挿されたアブソーバロッド2bとを備えていて、ホイールハウス100内において、上端側が下端側に対して車幅方向内側に傾斜して配設されている。すなわち、ショックアブソーバ2は、上側に向かうほど車体側壁部材100a(ホイールハウス100の側壁部を構成する車体部材)に近づくように傾斜している。
上記アブソーバロッド2bの上端部は、ロッド接続部材5を介してストラットアウタブラケット6に固定されており、ストラットアウタブラケット6が、ホイールハウス100のアーチ部100b(車体部材)の上端部にボルト(図示省略)で固定されている。アブソーバロッド2bの下端部は、シリンダ2a内に摺動可能に配設されたピストン2cに連結されており、ピストン2cには減衰力(ピストン)を発生させるためのオリフィス孔(図示省略)が形成されている。尚、図1中、符号10は、アブソーバロッド2bをロッド接続部材5に固定するためのナットである。
上記シリンダ2aの下端部は、ナックル7を介してホイールハブ8(ホイール4)に連結されている。ホイールハブ8は、ナックル7に対してハブベアリング9を介して回動可能に支持され、このホイールハブ8に対してホイール4が回転一体に取り付けられている。
シリンダ2aの上端部には、コイルバネ3の下端部を支持するための下側バネ座部材15(詳細は後述する)が溶接して取り付けられている。
コイルバネ3は、素線を略螺旋状(コイル状)に形成してなる圧縮コイルバネであり、素線の表面にはコーディングが施してある。コイルバネ3の上端部は上側バネ座部材16に支持され、下端部は下側バネ座部材15に支持されている。
下側バネ座部材15及び上側バネ座部材16はそれぞれ、コイルバネ3を支持するための座面15a及び座面16aを有しており、コイルバネ3の上端部は、伸縮カバー17の上端部の鍔部17aを挟んで上側バネ座部材16の座面16aに当接し、コイルバネ3の下端部は、後述するクッションシート18を挟んで下側バネ座部材15の座面15aに当接している(間接的に当接している)。伸縮カバー17は、その下端部が下側バネ座部材15に取り付けられていて、アブソーバロッド2bと共に伸縮するようになっている。
下側バネ座部材15は、図3乃至7に示す如く、上側に向かって小径化し且つ上端部がシリンダ2aの外周面に密着するように外嵌された筒状部21と、筒状部21の下端部より径方向外側に鍔状に延び且つ上面に座面15aが形成された座部22と、を有している。
座部22は、上記筒状部21の軸心方向(シリンダ2aの軸心方向に一致する方向であって、以下Z軸方向という)から見て略円形状をなしていて、車幅方向内側が外側に比べて低くなるように傾斜している(図3参照)。
座部22の外側周縁部のうち車幅方向内側(ホイールハウス100の側壁面側)の略3/4周ほどの範囲には、Z軸方向の上側に突出する周壁部23が設けられている。
周壁部23には、クッションシート18の位置決め片35(後述する)が嵌り込む第1切欠部23aと、クッションシート18の補強支持座52b(後述する)が位置する第2切欠部23bと、が形成されている。第2切欠部23bは、周壁部23における車体側壁部材100aに最も近接する部分に形成されている。尚、図4及び図7中、符号24は、座部22上に水や泥が溜まるのを防止する水抜き孔である。
上記座部22の座面15aは、図7に示すように、上記第1切欠部23aに対応する位置を始点として、Z軸回りに同図の反時計回り方向に向かって所定のリード角で上側に(螺旋状に)傾斜する緩傾斜面25と、緩傾斜面25の終点側の端部に連接されて高さが略一定のまま反時計回り方向に延びる平坦面26と、平坦面26と緩傾斜面25の上記始点側の端部(低い側の端部)とを接続する段差面27と、を有している。段差面27は、上記反時計回りに方向に向かって低くなる傾斜面とされ、その傾斜角は緩傾斜面25の傾斜角に比べて大きい。
上記座部22における第2切欠部23bに対応する部分には、径方向外側に突出する座部延長部28(図4及び図7参照)が形成されている。座部延長部28は、Z軸方向から見て周方向に長い略矩形状をなしている。座部22における座部延長部28とその両側の周壁部23との境界部には、成形時の割れを防ぐべくU字状の切欠部29(図7参照)が形成されている。
上記コイルバネ3の下端部は、素線を上記座面15a(緩傾斜面25)に沿ってコイル軸心回りに3/4周ほど周回させてなる着座部3a(図3参照)と、座面15aから離間するように上側に傾斜する傾斜開始部3bとで構成されている。傾斜開始部3bは、コイルバネ3に負荷荷重が加わった場合にコイル軸心方向の変位量が最も大きくなる部分であって、換言すると最大応力が作用する部分であるとも言える。
上記クッションシート18は、例えば天然ゴム(NR)等の適当なゴム材料からなる一体成形品であって、略円環状のシート本体31(図8参照)と、シート本体31から分離(分枝)して該シート本体3に沿って周方向に延びる分離部32とを有している。
上記シート本体31は、コイルバネ3の素線外径寸法と同程度の高さ寸法を有する円環状の環状体34と、環状体34の外周面より径方向外側に突出する位置決め片35と、環状体34の下端縁に沿って、該位置決め片35を始点に反時計回り方向に略3/4周に亘る範囲に形成されたシート部36とを有しており、シート部36の終点側端部が分離部32に連接されている。
位置決め片35の幅W1(図6参照)は、第1切欠部23aの切欠き幅W2に略等しい。尚、組み付け性を重視すれば位置決め片35の幅W1を切欠き幅W2よりも若干小さめに設定することが好ましく、位置決め精度を重視すれば位置決め片35の幅W1を切欠き幅W2よりも若干大きめに設定することが好ましい。
位置決め片35には、クッションシート18の位置決め完了状態で、下側バネ座部材15の段差面27に当接する傾斜面35aが形成されている。この段差面27と傾斜面35aとの当接によりシート本体31の周方向の位置ずれを防止することができる。
シート部36は、環状体34と一体にその外周面に沿って形成されている。そして、シート部36は、コイルバネ3の着座部3aと下側バネ座部材15の座面15aとの間に配設されて着座部3aを受け止めるように構成されている。
シート部36と環状体34とは互いに略垂直な関係にある。すなわち、シート部36と環状体34とは、環状体34の径方向に沿った断面において略L字状を呈している。
分離部32は、シート部36に連接されるとともに環状体34とは分離してその外周面に沿って延びており、分離部32と環状体34との間には隙間41が形成されている。
分離部32は、図3に示すように、その幅(径方向の幅寸法)が下側ほど(座面15aに近づくほど)広くなるように形成されている。これに対して、環状体34は、その径方向にて分離部32に対面する部分の厚さ(該径方向の厚さ寸法)が下側ほど細くなるように(断面逆三角形状に)形成されている。
上記分離部32の上面45には、上記コイルバネ3の傾斜開始部3bに沿って延び且つ傾斜開始部3bが嵌り込む嵌合溝46が形成されている。
この嵌合溝46の断面形状(溝の延びる方向に垂直な断面形状)は、コイルバネ3の素線の形状に対応した半円状とされ、その半径は素線半径と略等しいか若しくは若干小さめに設定されている。
上記分離部32における嵌合溝46よりも下側の部分の厚さd1(クッションシート18上にコイルバネ3をセットする前の厚さd1)は、コイルバネ3が無負荷状態にあるときに、コイルバネ3の傾斜開始部3bと嵌合溝46の内面との間に隙間が生じないような厚さに設定されている。
すなわち、コイルバネ3が無負荷状態にあるとした場合における傾斜開始部3bと座面15aとのコイル軸心方向に沿った距離(該座面15aに垂直な方向に沿った距離)をd2とすると、d1>d2の関係を満たしている(図3参照)。
上記分離部32の上面45は、嵌合溝46の縁において、コイルバネ3の傾斜開始部3bの素線表面に対し略垂直に(略90°で)当接するよう形成されている(図3参照)。
すなわち、上記分離部32の幅方向に沿った断面で見て、該分離部32の上面45と嵌合溝46の内面とが当該溝46の縁にてなす該分離部側の角度は90°とされている。尚、この角度は90°未満であってもよいが、嵌合溝46の側壁厚さを十分に確保する観点では90°とすることが好ましい。
嵌合溝46の縁及び先端には、溝46内への異物の侵入を防止するべくコイルバネ3側に僅かに突出したリップ部47(図3及び図5参照)が形成されている。また、嵌合溝46のシート部36側の縁は、上側から見て漏斗状に広がっていてコイルバネ3と嵌り易くなっている(図8参照)。
図4及び図9に示すように、分離部32の外周面には径方向外側に膨出する膨出部51が形成されており、該膨出部51は、上記位置決め片35が第1切欠部23aに嵌った状で上記第2切欠部23bに位置するように形成されている。
分離部32の下面には、図9に示すように、下側バネ座部材15の座面15aに当接して該分離部32を支える支持座52が形成されている。この支持座52は、本体支持座52aと、本体支持座52aに対して径方向外側に膨出して膨出部51を支持する補強支持座52bとを有している。そして、この補強支持座52bが、上記下側バネ座部材15の座部延長部28(図4参照)に支持される。
以上の如く上記実施形態では、上記クッションシート18は、略円環状のシート本体31と、シート本体31から分離して該シート本体31に沿って延びる分離部32とを有しており、コイルバネ3の傾斜開始部3bは、該分離部32の嵌合溝46に嵌り込んで支持されている。
このように、シート本体31(環状体34)を略円環状に形成するようにしたことで、例えばC字状に形成するようにした場合に比べてその位置決め強度を向上させることができる。
また、コイルバネ3に負荷荷重が作用した際に最も変位量が大きい傾斜開始部3bを、シート本体31(環状体34)から分離(分岐)する分離部32にて支持するようにしたことで、コイルバネ3の径方向及び周方向の変位に対して分離部32を素早く追従(変位)させることができて、嵌合溝46の内面を傾斜開始部3bの表面に常に密着させることが可能となる。したがって、嵌合溝46内に異物が入り込むのを防止してコイルバネ3の表面のコーティングを保護することができる。
また、上記実施形態では、クッションシート18の分離部32における嵌合溝46よりも下側の部分の厚さd2は、コイルバネ3の組み付け完了状態における傾斜開始部3bと座面15aとの該コイル軸心方向に沿った距離d1よりも大きくなっている。
このように、分離部32の厚みを大きめに確保することで、コイルバネ3が無負荷状態にある場合のみならず、コイルバネ3に負荷荷重が作用した状態においても、嵌合溝46の内面をコイルバネ3(傾斜開始部3b)の素線表面に常に密着させることができる。したがって、嵌合溝46内に異物が入り込むのを確実に防止することができる。
また、上記実施形態では、クッションシート18の分離部32における嵌合溝46の縁において、該分離部32の上面45と上記コイルバネ3(傾斜開始部3b)の表面とのなす角度が90°とされている。
これにより、コイルバネ3に負荷荷重が作用して傾斜開始部3bが押し下げられた場合に、この押し下げとともに、嵌合溝46の縁の近くに存在する異物がコイルバネ3とクッションシート18との間に噛み込まれるのをより一層確実に防止することができる。
また、上記実施形態では、上記分離部32は、バネ座部材15の座面15a側ほど幅が広くなるように形成されている。また、分離部32の外周面には膨出部51が形成されており、分離部32の下面には、この膨出部51を支持する補強支持座52bが形成されている。
これにより、分離部32が、コイルバネ3の組付け時や負荷荷重の入力時におけるコイルバネ3からの反力により幅方向に撓むのを防止することができる。
また、上記実施形態では、第2切欠部23bは、周壁部23における車体側壁部材100aから最も近い部分に形成されている。この第2切欠部23bを設けない場合には、図3の破線で示すように、上側に向かうほど、周壁部23と車体側側壁部材100aとの距離が小さくなって、スペース的な余裕が失われる。そこで、上記実施形態では、第2切欠部23bを設けて、上部スペースを十分に確保しながら、スペース的に余裕のある下部スペースに座部延長部28を設けて補強支持座52の支持部として利用するようにしたので、スペースの有効利用を図りながら、コイルバネ3からの反力による分離部32の幅方向の撓みを抑制することが可能となる。
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、サスペンション装置1の懸架方式としてストラット方式を採用するようにしているが、これに限ったものではなく、マルチリンク式やトレーリングアーム式を採用するようにしてもよい。
本発明は、上端部が車体側に連結され且つ下端部が車輪側に連結されたコイルバネと、該コイルバネの下端部を支持する座面を上面に形成してなるバネ座部材と、該コイルバネの下端部と該バネ座部材の座面との間に配設されるクッションシートと、を備えた自動車のサスペンション装置に有用であり、特に、ストラット方式を採用したサスペンション装置に有用である。
本発明の実施形態に係る自動車のサスペンション装置を示す、車両前後方向に対して垂直な断面図である。 サスペンション装置の支柱部(ストラット部)を示す拡大斜視図である。 図2におけるIII-III線断面図である。 クッションシートを下側バネ座部材にセットした状態を示す斜め上側から見た斜視図である。 図4におけるV-V線断面図である。 図2のVI方向矢視図である。 バネ座部材を示す斜め上側から見た斜視図である。 クッションシートを上側から見た図である。 クッションシートを下側から見た図である。 従来技術を説明するための説明図であって、(a)はコイルバネが無負荷状態にある場合を示し、(b)はコイルバネが最大負荷状態にある場合を示す。
1 サスペンション装置
3 コイルバネ
3a 着座部
3b 傾斜開始部
15 下側バネ座部材(バネ座部材)
15a 座面
18 クッションシート
23 周壁部
23b 膨出部用切欠部
27 段差面
28 座部延長部
32 分離部
34 環状体
35 位置決め片
35a 傾斜面
46 嵌合溝
52b 補強支持座
100a車体側壁部材

Claims (6)

  1. 上端部が車体側部材に連結され且つ下端部が車輪側部材に連結されたコイルバネと、該コイルバネの下端部を支持する座面を上面に形成してなるバネ座部材と、上記コイルバネの下端部と該バネ座部材の座面との間に配設されるクッションシートと、を備えた自動車のサスペンション装置であって、
    上記コイルバネの下端部は、上記バネ座部材の座面に沿って形成される着座部と、該着座部から延びて該座面に対して離間するように上側に傾斜する傾斜開始部と、を含んでおり、
    上記クッションシートは、
    環状体と、
    上記環状体と一体にその外周面に沿って延び、上記コイルバネの着座部と上記バネ座部材の座面との間に配設されるシート部と、
    上記シート部に連接されて上記環状体とは分離してその外周面に沿って延び、上記コイルバネの傾斜開始部と上記バネ座部材の座面との間に配設される分離部と、
    を備え、
    上記分離部の上面には、上記コイルバネの傾斜開始部に沿って延び、該傾斜開始部が嵌り込む嵌合溝が形成されており、
    上記クッションシートの分離部における上記嵌合溝の下側の部分の厚さは、無負荷状態にある上記コイルバネの傾斜開始部と上記バネ座部材の座面との該コイル軸心方向に沿った距離よりも大きいことを特徴とする自動車のサスペンション装置。
  2. 請求項1記載の自動車のサスペンション装置において、
    上記コイルバネが無負荷状態にある場合において、上記分離部の幅方向に沿った断面で見て、該分離部の上面と上記嵌合溝の内面とが当該溝の縁にてなす該分離部側の角度が90°以下とされていることを特徴とする自動車のサスペンション装置。
  3. 請求項1又は2記載の自動車のサスペンション装置において、
    上記環状体は、その径方向において上記分離部に対面する部分の該径方向の幅が、下側ほど細くなるように形成されていることを特徴とする自動車のサスペンション装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の自動車のサスペンション装置において、
    上記コイルバネは、所定の車体側壁部材に対して車幅方向外側に配設されており、
    上記コイルバネの下端部を支持するバネ座部材には、その外周縁に沿って該下端部を囲むように形成された周壁部が設けられ、
    上記周壁部における上記車体側壁部材との距離が最も近くなる部分には切欠部が形成されており、
    上記バネ座部材における、上記切欠部に対応する部分には、径方向外側に突出する座部延長部が形成されており、
    上記クッションシートの分離部の下面には、径方向外側に膨出する補強支持座が設けられ、
    上記補強支持座は、上記座部延長部に位置するように形成されていることを特徴とする自動車のサスペンション装置。
  5. 請求項記載の自動車のサスペンション装置において、
    上記バネ座部材の座面には、周方向に段差を生じさせる段差面が形成されており、
    上記環状体の外周面には、径方向外側に突出してその周方向の位置決めを行う位置決め片が設けられており、
    上記位置決め片には、上記段差面に当接する当接部が形成されていることを特徴とする自動車のサスペンション装置。
  6. 請求項記載の自動車のサスペンション装置において、
    上記環状体と上記シート部とは、該環状体の径方向に沿った断面においてL字状をなしていることを特徴とする自動車のサスペンション装置。
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