JP5199663B2 - 難燃性ポリアミド組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、靭性などの機械物性、リフローはんだ工程における耐熱性および特に流動性に優れ、かつ成形時における熱安定性が良好な難燃性ポリアミド組成物に関する。
さらに詳しくは、本発明は、特に薄肉でコネクター端子間距離が短いファインピッチコネクターなどの電気電子部品を成形し、鉛フリーはんだのような高融点はんだを使用した表面実装方式で部品を組み立てる用途に好適な難燃性ポリアミド組成物に関する。
従来から電子部品を成形する素材として、加熱溶融して所定の形状に成形可能なポリアミド樹脂が使用されている。一般に、ポリアミドとして、6ナイロン、66ナイロンなどが広汎に使用されているが、このような脂肪族ポリアミドは、良好な成形性を有するものの、リフローはんだ工程のような高温に晒されるコネクターなどの表面実装部品を製造するための原料としては、充分な耐熱性を有していない。このような背景から、高い耐熱性を有するポリアミドとして46ナイロンが開発されたが、吸水率が高いという問題がある。そのため、46ナイロン樹脂組成物を用いて成形された電気電子部品は、吸水により寸法が変化することがあり、成形体が吸水していると、リフローはんだ工程での加熱によりブリスター、いわゆる膨れが発生するなどの問題を生じた。特に近年、環境問題の観点から、鉛フリーはんだを使用した表面実装方式に移行しつつあるが、鉛フリーはんだは、従来の鉛はんだよりも融点が高く、必然的に実装温度も10〜20℃上昇してきており、46ナイロンの使用は困難な情況になってきている。
これに対して、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸と脂肪族アルキレンジアミンとから誘導される芳香族ポリアミドが開発された。芳香族ポリアミドは、46ナイロンなどの脂肪族ポリアミドに比べてより一層、耐熱性、低吸水性に優れる特徴を有している。しかしながら、46ナイロンと比較して剛性を高くすることは可能なものの、靭性が不足する問題を抱えている。特に、薄肉ファインピッチコネクター用途では、端子圧入時および挿抜作業時においてコネクター材料の靭性がないと、製品の割れ、白化などの現象が発生するため高靭性を持つ材料の開発が望まれている。
上記の問題に対し、ポリアミド樹脂の割合を増やし、難燃剤の量を削減すれば靭性の向上は可能となるものの、コネクターのような電子部品用途は、一般的にアンダーライターズ・ラボラトリーズ・スタンダードUL94で規定されているV−0といった高い難燃性や耐炎性が要求されることが多く、難燃性を損なうことなく良好な靭性を得ることが困難であった。
さらに、ポリアミド樹脂と難燃剤との相溶性を改善させて靭性を向上させるために、難燃剤として臭素化ポリフェニレンエーテルや、分子中にエポキシ基を有するポリ臭素化スチレンを使用することは公知の技術となっている。しかしながら、芳香族ポリアミド樹脂のような成形温度が非常に高い樹脂の場合、成形時における熱安定性が十分でないために、成形材料の分解、製品の機械物性の変動、低下および変色物の発生といった現象が起きるため使用が制限されることがあった。
特許文献1には、芳香族ポリアミドと低粘度の臭素化ポリスチレンとからなる難燃性ポリアミド樹脂組成物が開示されている。しかしながら、十分な靭性および耐熱性が得られない問題がある。また、特許文献2には脂肪族ポリアミドと特定の分子量を有する臭素化ポリスチレンとからなる難燃性樹脂組成物が開示されていが、耐熱性および流動性に問題がある。また、特許文献3には、難燃剤としてポリ臭素化スチレンを使用した難燃性ポリアミド樹脂組成物が開示されているが、十分な耐熱性が得られない問題がある。
上記の問題に加え、融点が300℃以上の芳香族ポリアミド樹脂を用いた難燃性組成物は、成形温度が非常に高いため、難燃剤中に含有される臭素基の一部脱離に伴った成形材料、成形品の変色および臭素ガスの発生による金型の腐食といった現象が起き易く、したがって、成形性が良好な材料の開発が望まれている。
また、特許文献4、5には、ナイロン4,6と、難燃剤として芳香族ハロゲン化合物およびハイドロタルサイト化合物を用いた難燃性組成物に関する技術が開示されているが、高温、長時間下における成形時の熱安定性が不足している。また、鉛フリーはんだを使用したリフローはんだ工程時の耐熱性(耐ブリスター性)に劣っている。
特許文献6には、芳香族ポリアミド樹脂と難燃剤として末端変成ポリブロモフェニレンオキサイドおよび結晶水を30%以上排除処理されたハイドロタルサイト化合物からなる難燃性組成物が開示されている。しかしながら、該難燃性組成物においても、高温、長時間下における成形時の熱安定性が不足している。
特開平6−263985号公報 特開平9−227625号公報 特開平5−194842号公報 特開昭63−223060号公報 特開平6−345963号公報 特開2001−31863号公報
本発明の課題は、高い温度条件下における成形時の熱安定性に優れ、かつ難燃性、流動性、靭性および鉛フリーはんだを使用した表面実装でのリフローはんだ工程における耐熱性が良好な難燃性ポリアミド組成物を提供することにある。
本発明者らは、このような状況に鑑みて鋭意研究した結果、ポリアミド樹脂、難燃剤として特定の臭素含有量および分子量を有する臭素化ポリスチレンおよび難燃助剤、さらに必要に応じて特定のハイドロタルサイト化合物を含む難燃性ポリアミド組成物が、成形安定性、難燃性、流動性、靭性に優れ、かつ鉛フリーはんだを使用した表面実装でのリフローはんだ工程における耐熱性が良好な材料であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)ポリアミド樹脂(A)20〜80質量%、難燃剤(B)5〜40質量%および難燃助剤(C)0.5〜10質量%を含む難燃性ポリアミド組成物であって、難燃剤(B)の臭素含有量が65〜71質量%および重量平均分子量が1000〜4800であることを特徴とする難燃性ポリアミド組成物、
(2)ポリアミド樹脂(A)が、テレフタル酸成分単位30〜100モル%、テレフタル酸以外の芳香族多官能カルボン酸成分単位0〜70モル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族多官能カルボン酸成分単位0〜70モル%からなる多官能カルボン酸成分単位(a−1)と、炭素原子数4〜25の多官能アミン成分単位(a−2)とを含む(1)に記載の難燃性ポリアミド組成物、
(3)ポリアミド樹脂(A)の融点が280〜340℃であって、温度25℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.5〜1.2dl/gである(1)に記載の難燃性ポリアミド組成物、
(4)難燃剤(B)の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が、1.05〜1.25である(1)に記載の難燃性ポリアミド組成物、
(5)難燃助剤(C)が、アンチモン化合物、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸カルシウムおよびモリブデン酸カルシウムから選択される少なくとも1種以上である(1)に記載の難燃性ポリアミド組成物、
(6)強化材(D)としてガラス、マイカ、酸化チタンから選択される少なくとも1種以上を0〜60質量%含む(1)に記載の難燃性ポリアミド組成物、
(7)ハイドロタルサイト化合物(E)を0.05〜0.4質量%含む(1)に記載の難燃性ポリアミド組成物、
(8)ハイドロタルサイト化合物(E)が下記式(1)で示される(7)に記載の難燃性ポリアミド組成物、
Mg1-xAlx(OH)2(A)n- pmH2O (1)
ここで0.27≦x≦0.35、p=x/n、A:n価のアニオン、0.3<m<0.7
(9)(1)の難燃性ポリアミド組成物を成形して得られる成形体、および
(10)(1)の難燃性ポリアミド組成物を成形して得られる電気電子部品である。
本発明の難燃性ポリアミド組成物を使用することにより、成形時の熱安定性、難燃性、流動性、靭性に加え、鉛フリーはんだを使用した表面実装で要求される耐熱性に優れた成形品を得ることができ、工業的価値は極めて高い。
図1は、本発明の実施例および比較例にて実施したリフロー耐熱性試験のリフロー工程の温度と時間との関係を示す図である。
符号の説明
a リフロー工程加熱温度270℃
b リフロー工程加熱温度265℃
c リフロー工程加熱温度260℃
d リフロー工程加熱温度255℃
e リフロー工程加熱温度235℃
以下、本発明について詳細に説明する。
[ポリアミド樹脂(A)]
本発明のポリアミド樹脂(A)は、多官能カルボン酸成分単位(a−1)と、多官能アミン成分単位(a−2)とからなる。
[多官能カルボン酸成分単位(a−1)]
本発明で使用するポリアミド樹脂(A)を構成する多官能カルボン酸成分単位(a−1)は、テレフタル酸成分単位30〜100モル%、テレフタル酸以外の芳香族多官能カルボン酸成分単位0〜70モル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族多官能カルボン酸成分単位0〜70モル%であることが好ましく、これら多官能カルボン酸成分単位の合計量は100モル%である。テレフタル酸以外の芳香族カルボン酸成分単位としては、例えば、イソフタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などが挙げられるが、これらの中で、特にイソフタル酸が好ましい。また、これらは単独でも2種類以上組み合わせて使用しても構わない。3官能以上の多官能化合物を使用する場合は、樹脂がゲル化しないような添加量、具体的には、全カルボン酸成分単位の合計100モル%中10モル%以下にする必要がある。
また、脂肪族多官能カルボン酸成分を導入する際には、炭素原子数が4〜20、好ましくは6〜12、さらに好ましくは6〜10の脂肪族多官能カルボン酸化合物を使用する。このような化合物としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、アジピン酸が機械物性向上の観点で特に好ましい。この他にも、必要に応じて、適宜3官能以上の多官能カルボン酸化合物を使用することができるが、樹脂がゲル化しないような添加量に留めるべきであり、具体的には、全カルボン酸成分単位の合計100モル%中10モル%以下にする必要がある。
また、本発明においては、多官能カルボン酸成分単位の合計量を100モル%とするとき、テレフタル酸成分単位は、30〜100モル%、好ましくは50〜70モル%、さらに好ましくは60〜70モル%の量で含有され、テレフタル酸以外の芳香族多官能カルボン酸成分単位は、0〜70モル%、好ましくは0〜25モル%、さらに好ましくは0〜10モル%の量で含有されることが好ましい。芳香族多官能カルボン酸成分量が増大すると、吸湿量が低下し、リフロー耐熱性が向上する傾向にある。特に、鉛フリーはんだを使用したリフローはんだ工程においては、テレフタル酸成分単位が60モル%以上であることが好ましい。また、テレフタル酸以外の芳香族多官能カルボン酸成分量は、その含有量が少なくなる程ポリアミド樹脂の結晶化度が高くなるため、成形品の機械物性、特に靭性が高くなる傾向にある。さらに、炭素原子数4〜20の脂肪族多官能カルボン酸成分単位は、0〜70モル%、好ましくは0〜60モル%、さらに好ましくは20〜60モル%の量で含有されることが好ましい。
[多官能アミン成分単位(a−2)]
本発明で使用するポリアミド樹脂(A)を構成する多官能アミン成分単位(a−2)は、直鎖または側鎖を有する炭素原子数4〜25、好ましくは4〜8、より好ましくは直鎖で炭素原子数が4〜8の多官能アミン成分単位が挙げられ、これらの多官能アミン成分単位の合計量は100モル%である。
直鎖多官能アミン成分単位の具体的な例としては、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカンなどが挙げられる。この中では、1,6−ジアミノヘキサンが好ましい。
また、側鎖を有する直鎖脂肪族ジアミン成分単位の具体的な例としては、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,6ージアミノヘキサン、2−メチル−1,7−ジアミノヘプタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン、2−メチル−1,9−ジアミノノナン、2−メチル−1,10−ジアミノデカン、2−メチル−1,11−ジアミノウンデカンなどが挙げられる。この中では、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタンが好ましい。
また、脂環式多官能アミン成分単位としては、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルプロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジメチルジシクロヘキシルプロパン、α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−p−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−1,4−シクロヘキサン、α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−1,3−シクロヘキサンなどの脂環式ジアミンから誘導される成分単位を挙げることができる。これらの脂環式ジアミン成分単位のうちでは、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタンが好ましく、特に1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどの脂環式ジアミンから誘導される成分単位が好ましい。3官能以上の多官能化合物を使用する場合には、樹脂がゲル化しないような添加量、具体的には、全アミン成分単位の合計100モル%中10モル%以下にする必要がある。
[ポリアミド樹脂(A)の製造]
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)を製造するに際し、公知の何れの方法を採用することも可能である。一般的には、上記のような多官能アミン成分と多官能カルボン酸成分とを加えて、触媒の存在下に加熱することにより製造することができる。また、この反応において、多官能アミン成分の全モル数が、多官能カルボン酸成分の全モル数より多く配合されることが好ましく、特に好ましくは全多官能カルボン酸成分を100当量とした時、全多官能アミン成分が100〜120当量である。この反応は、通常、不活性ガス雰囲気下で行われ、一般には反応容器内を窒素ガスなどの不活性ガスで置換する。また、ポリアミドの重縮合反応を制御するために、水を予め封入しておくことが望ましく、水に可溶な有機溶媒、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類が含有されていてもよい。
本発明で使用するポリアミド樹脂(A)を製造する際に用いられる触媒としては、リン酸、その塩およびエステル化合物;亜リン酸、その塩およびエステル化合物;並びに、次亜リン酸、その塩およびエステル化合物を使用することができる。これらの中でも、リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウムなどが好ましい。これらのリン系化合物は、単独であるいは組み合わせて使用することができる。このようなリン系化合物は、上記のような多官能カルボン酸100モル中に、通常、0.01〜5モル、好ましくは0.05〜2モルの割合で用いられる。
本発明で使用するポリアミド樹脂(A)を製造するためには、末端封止剤を使用することが好ましい。この末端封止剤としては、安息香酸、安息香酸のアルカリ金属塩、酢酸などを使用することができる。このような末端封止剤は、多官能カルボン酸100モルに対して、通常、0.1〜5モル、好ましくは0.5〜2モルの範囲内の量で使用される。この末端封止剤の使用量を調整することにより、得られる重縮合物の極限粘度[η]を制御することができる。
このような重縮合物を調製する際の反応条件は、具体的には、反応温度が通常200〜290℃、好ましくは220〜280℃、反応時間が通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。さらに、この反応は、常圧から加圧のいずれの条件にても行うことができるが、加圧条件にて反応を行うことが好ましく、反応圧は、通常、2〜5MPa、好ましくは2.5〜4MPaの範囲内に設定される。
このようにして重縮合反応を行うことにより、25℃の96.5%硫酸中にてウベローデ型粘度計を用いて測定した極限粘度[η]が、通常は0.05〜0.6dl/g、好ましくは0.08〜0.3 dl/gの範囲内にある低次縮合物を得ることができる。こうして水性媒体中に生成したポリアミド低次縮合物は、反応液と分離する。このポリアミド低次縮合物と反応液との分離には、例えば、濾過、遠心分離などの方法を採用することもできるが、生成したポリアミド低次縮合物を含有する反応液を、ノズルを介して大気中にフラッシュすることにより、固液分離する方法が効率的である。
本発明で使用するポリアミド樹脂の製造方法の好ましい態様においては、上記のようにして得られたポリアミド低次縮合物について、さらに後重合を行う。この後重合は、上記ポリアミド低次縮合物を乾燥した後に加熱して、溶融状態とし、この溶融物に剪断応力を付与しながら行うことが好ましい。この反応に際しては、乾燥ポリアミド低次縮合物が少なくとも溶融する温度に加熱する。一般には、乾燥ポリアミド低次縮合物の融点以上の温度、好ましくは融点よりも10〜60℃高い温度に加熱する。剪断応力は、例えば、ベント付き二軸押出機、ニーダーなどを用いることにより溶融物に付与することができる。こうして溶融物に剪断応力を付与することにより、溶融状態にある乾燥ポリアミド低次縮合物が相互に重縮合するとともに、縮合物の重縮合反応も進行するものと考えられる。
本発明で使用するポリアミド樹脂の製造方法の、他の好ましい態様においては、上記のようにして得られたポリアミド低次縮合物について、さらに固相重合を行う。すなわち、上記のようにして得られたポリアミド低次縮合物を、公知、公用の方法により、固相重合させて、上記方法にて測定した極限粘度[η]が0.5〜1.2 dl/gの範囲のポリアミドを調製することができる。
本発明で使用するポリアミド樹脂の製造方法の、他の好ましい態様においては、上記のようにして得られたポリアミド低次縮合物について、固相重合を行った後、さらに溶融重合を行う。すなわち、上記のようにして得られたポリアミド低次縮合物を、公知、公用の方法により固相重合させたあと、さらに溶融重合を行い、極限粘度[η]が0.5〜1.2 dl/gの範囲のポリアミドを調製することができる。
本発明のポリアミド樹脂(A)は、温度25℃、96.5%硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.5〜1.2dl/g、好ましくは0.5〜0.9dl/g、より好ましくは0.7〜0.85dl/gである。[η]がこの範囲にある場合、流動性に優れ、靭性に優れるポリアミド樹脂を得ることができる。さらに、上記の範囲内で[η]がより低い範囲にある程、溶融混練後のポリアミド樹脂中における難燃剤の分散性が良好となるため、得られる成形品の靭性、難燃性が向上する傾向にある。
また本発明で使用するポリアミド樹脂(A)は、結晶性であるため融点を有し、上記製造法にて得られたポリアミド樹脂について、示差走査熱量計(DSC)を用いて10℃/分で昇温した時の融解に基づく吸熱ピークを融点(Tm)として測定した場合、その融点は、280〜340℃、特に300〜340℃であることが好ましく、より好ましくは310〜335℃、さらに好ましくは315〜330℃である。融点がこのような範囲にあるポリアミド樹脂は、特に優れた耐熱性を有する。また、融点が280℃以上、さらに300℃以上、特に320〜330℃であると、鉛フリーリフローはんだ工程、特に高融点を有する鉛フリーはんだを使用した場合において十分な耐熱性を発揮することができる。一方、融点が340℃以下であると、ポリアミドの分解点である350℃より低く、成形時に分解に伴う発泡、ガスの発生、成形品の変色などを生じることがなく、かつ十分な熱安定性を得ることができる。
[難燃剤(B)]
本発明で用いられる難燃剤(B)は、樹脂の燃焼性を低下させる目的で添加するものであり、本発明の難燃性ポリアミド組成物に、温度300℃以上での成形時の熱安定性、難燃性、流動性、鉛フリーはんだのリフロー温度に耐え得る耐熱性および46ナイロンと同等以上の靭性、さらには成形時における熱安定性を付与するためには、特定の臭素含有量および特定の分子量を有する臭素化ポリスチレンを使用する必要がある。
本発明で使用される臭素化ポリスチレンは、ポリスチレンまたはポリα−メチルスチレンを臭素化することにより製造したものである。スチレンあるいはα−メチルスチレンを原料として用いてポリスチレンなどを重合生成させた後、臭素化して得られる臭素化ポリスチレンは、芳香族環を形成する炭素原子に結合した水素原子の一部が臭素原子で置換されているが、製造方法によっては、ポリマーの主骨格をなすアルキル鎖を形成する水素原子の一部も臭素原子で置換されている場合もある。本発明においては、芳香族環を形成する炭素原子に結合した水素原子の一部が臭素原子で置換されているタイプのもので、ポリマーの主骨格をなすアルキル鎖を形成する水素原子は実質的に臭素原子で置換されていないタイプであって、かつ臭素含有量が65〜71質量%、好ましくは67〜71質量%である臭素化ポリスチレンを使用することが必要である。
また、ポリマーの主骨格をなすアルキル鎖を形成する水素原子が実質的に臭素原子で置換されていないとは、ポリマーの主骨格をなすアルキル鎖を形成する水素原子が臭素原子で置換されている割合が0〜0.5質量%、好ましくは0〜0.2質量%、より好ましくは0〜0.1質量%であり、このような臭素化ポリスチレンは熱安定性が良好であり、さらにはそれを用いて得られる難燃性ポリアミド組成物の熱安定性も向上する。このような難燃剤の熱安定性は、難燃剤を加熱した時の臭化水素の発生量で確認することができ、発生量が低い程、熱安定性は良好となる。
一方、上記難燃剤とは別に、臭素化スチレンを重合させることにより得られる、ポリ臭素化スチレンも公知の材料として挙げられるが、一般に67質量%以上の高臭素含有品を製造することは困難であり入手も極めて難しい。したがって、それを用いた難燃性ポリアミド組成物およびそれを用いることにより成形品の難燃性を損なうことなく高靭性化することは困難である。またポリ臭素化スチレンには、臭素化スチレンモノマーまたは低重合度のオリゴマーが残存しているため、長時間の連続成形時における熱安定性に劣る。
さらに、本発明の他の特徴としては、上記難燃性、耐熱性、靭性などの各種物性を損なうことなく成形時に高い流動性を得られることが挙げられる。高い流動性を有する難燃性ポリアミド組成物を得るためには、特定の分子量を有する臭素化ポリスチレンを使用する必要があり、具体的には、ゲルパーミュエーションクロマドグラフィー(GPC)を使用してポリスチレン換算で求めた臭素化ポリスチレンの分子量が、重量平均分子量(Mw)で1000〜4800、さらに2000〜4500であることが好ましい。また、メルトフローレート(MFR)が200〜1000g/10分、好ましくは400〜900g/10分であることが望ましい。ここで、重量平均分子量は、GPCを用い移動層をクロロホルムとしカラム温度40℃にて示差屈折計検出器を使用して測定し、ポリスチレン換算にて求めた値である。また、MFRは、荷重1200g、温度270℃、オリフィス内径2.095mmにて測定された時の値である。MFRは荷重2160g、温度220℃、オリフィス内径2.095mmで測定することも可能であり、この場合のMFRは、4〜15g/10分である。
また、分子量はさらに、上記重量平均分子量であって、かつ数平均分子量(Mn)が800〜4800であって、分子量分布(Mw/Mn)が1.05〜1.25のものが好ましい。上記の平均分子量と分子量分布とを満たすことで、得られた難燃性組成物の成形時における高い流動性と加熱時のより高い減量開始温度(高熱安定性)とを得ることが可能となる。臭素化ポリスチレンの分子量が上記範囲の下限値以上、すなわちMFRが上限値以下であると、本発明の難燃性ポリアミド樹脂を成形して得られる成形品に十分な難燃性および靭性を付与することができる。また分子量が上記範囲の上限値以下、すなわちMFRが下限値以上であれば、成形時の良好な流動性が得られるとともに、得られる成形品の靭性を損なうことがないので好ましい。
本発明で使用される難燃剤(B)である臭素化ポリスチレンは、市場から容易に入手することができ、例えば、アルベマール株式会社製のSAYTEX HP−3010、SAYTEX HP−3010G、SAYTEX HP−3010Pなどが挙げられる。
[難燃助剤(C)]
難燃助剤(C)は、難燃剤(B)と併用することで難燃化作用を著しく高めるものであればよく、公知のものを使用することができる。具体的には、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムなどのアンチモン化合物、2ZnO・3B23、4ZnO・B23・H2O、2ZnO・3B23・3.5H2Oなどのホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、モリブデン酸カルシウムなどが挙げられ、これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中で、アンチモン酸ナトリウム、硼酸亜鉛、リン酸亜鉛が好ましく、より好ましくはアンチモン酸ナトリウムおよびホウ酸亜鉛の無水物、すなわち2ZnO・3B23である。
また本発明で使用される難燃助剤(C)は、ポリアミド樹脂(A)、難燃剤(B)、難燃助剤(C)および強化材(D)の合計量100質量%中、0.5〜10質量%、さらに0.5〜5質量%、より好ましくは1〜4質量%の割合で添加することが望ましい。
[強化材(D)]
本発明では必要に応じて強化材(D)を用いてもよく、強化材としては、繊維状、粉状、粒状、板状、針状、クロス状、マット状などの形状を有する種々の無機充填材を使用することができる。さらに詳述すると、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、ワラストナイト、ケイソウ土、クレー、カオリン、球状ガラス、マイカ、セッコウ、ベンガラ、酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛などの粉状あるいは板状の無機化合物、チタン酸カリウムなどの針状の無機化合物、ガラス繊維(グラスファイバー)、チタン酸カリウム繊維、金属被覆ガラス繊維、セラミックス繊維、ワラストナイト、炭素繊維、金属炭化物繊維、金属硬化物繊維、アスベスト繊維およびホウ素繊維などの無機繊維、さらにはアラミド繊維、炭素繊維のような有機繊維が挙げられる。このような繊維状の充填剤としては、特にガラス繊維が好ましい。ガラス繊維を使用することにより、組成物の成形性が向上するとともに、ポリアミド組成物から形成される成形体の引張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率などの機械的特性および熱変形温度などの耐熱特性が向上する。上記のようなガラス繊維の平均長さは、通常は、0.1〜20mm、好ましくは0.3〜6mmの範囲にあり、アスペクト比(L(繊維の平均長さ)/D(繊維の平均外径))は、通常、10〜5000、好ましくは2000〜3000の範囲にある。平均長さおよびアスペクト比がこのような範囲内にあるガラス繊維を使用することが好ましい。
これらの充填材は、2種以上混合して使用することもできる。また、これらの充填材をシランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤などで処理して使用することもできる。例えば、ビニルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのシラン系化合物で表面処理されていてもよい。
また、本発明における強化材(D)である繊維状充填材には、集束剤が塗布されていてもよく、アクリル系、アクリル/マレイン酸変性系、エポキシ系、ウレタン系、ウレタン/マレイン酸変性系、ウレタン/アミン変性系の化合物が好ましく使用される。上記表面処理剤は、上記集束剤と併用してもよく、併用することにより本発明の組成物中の繊維状充填材と組成物中の他の成分との結合性が向上し、外観および強度特性が向上する。
[ハイドロタルサイト化合物(E)]
本発明において、ハイドロタルサイト化合物は熱安定剤として使用され、難燃剤中から遊離した臭素基を補足することにより難燃性ポリアミド組成物の変色、炭化を抑制する。本発明において特に好適なハイドロタルサイト化合物は、下記の化学式(1)で示される。
Mg1-xAlx(OH)2(A)n- pmH2O (1)
ここで0.27≦x≦0.35、p=x/n、A:n価のアニオン、m=0〜0.7である。金属元素種としては、Mg/Al系が必須であり、それぞれの元素の構成比はMg/Al=0.65/0.35〜0.73/0.27、好ましくは0.67/0.33〜0.70/0.30である。上記数値範囲を満足することで、成形時における臭素ガスの発生および変色炭化物生成の抑制に高い効果が得られる。
アニオン種Aとしては、OH-、CO3 2-、SO4 2-などを用いることができ、好ましくはCO3 2-が挙げられる。また、ハイドロタルサイト化合物の層間に存在する結晶水の数(式(1)中のm)は、含有していなくてもよいが、含有する場合には、化合物1モルあたり0.3<m<0.7の範囲であることが好ましく、特に好ましくは0.4<m<0.6である。結晶水を有さないものは、結晶水を含有するものと比較して臭素基の補足能力に劣り、成形時における臭素ガスの発生、変色炭化物生成が増加する傾向にある。また、mの値が上記範囲を超えると、リフローはんだ工程における耐熱性(耐ブリスター性)が低下する傾向にある。
本発明に係るハイドロタルサイト化合物の粒子粉末は、BET比表面積値が7〜30m2であることが好ましく、より好ましくは7〜15m2であり、粉体pH値が7.5〜9.5、好ましくは7.5〜9.0である。
また、上記ハイドロタルサイト化合物の分散性を向上させるために、粒子粉末の表面を被覆することが好ましく、被覆材としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸化合物、デシルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物などが挙げられ、より好ましくはステアリン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムである。
[その他の添加剤]
本発明に係る難燃性ポリアミド組成物は、上記のような各成分に加えて本発明の目的を損なわない範囲で、上記以外の耐熱安定剤、耐候安定剤、流動性向上剤、可塑剤、増粘剤、帯電防止剤、離型剤、顔料、染料、無機あるいは有機充填剤、核剤、繊維補強剤、カーボンブラック、タルク、クレー、マイカなどの無機化合物など種々公知の添加剤を含有していてもよい。特に本発明に係る難燃性ポリアミド組成物は、上記のうち繊維補強剤を含有させることにより、より一層耐熱性、難燃性、剛性、引張強度、曲げ強度、衝撃強度が向上する。
さらに、本発明に係る難燃性ポリアミド組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で他の重合体を含有していてもよく、このような他の重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、ポリオレフィンエラストマーなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキシド、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、PPS、LCP、テフロン(登録商標)などが挙げられる。上記以外にもポリオレフィンの変性体などが挙げられ、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基などで変性された、変性ポリエチレン、変性SEBSなどの変性芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合体またはその水素化物、変性エチレン・プロピレン共重合体などの変性ポリオレフィンエラストマーなどが挙げられる。
[難燃性ポリアミド組成物の調製方法]
本発明に係る難燃性ポリアミド組成物を製造するには、公知の樹脂混練方法を採用すればよく、例えば、各成分をヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダーなどで混合する方法、あるいは混合後一軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練して、さらに造粒あるいは粉砕する方法を採用することができる。
[難燃性ポリアミド組成物]
本発明の難燃性ポリアミド組成物は、ポリアミド樹脂(A)、難燃剤(B)、難燃助剤(C)、強化材(D)およびハイドロタルサイト化合物(E)の合計量100質量部中に、ポリアミド樹脂(A)を20〜80質量%、好ましくは40〜60質量%、より好ましくは40〜50質量%の割合で含むことが好ましい。難燃性ポリアミド組成物中のポリアミド樹脂(A)の量が20質量%以上であると十分な靭性を得ることができ、また80質量%以下であると十分な難燃剤および難燃助剤を含むことができ難燃性を得ることができる。
また、難燃剤(B)を5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%、さらに17〜25質量%含むことが好ましい。難燃性ポリアミド組成物中の難燃剤(B)の含有量が、5質%部以上であると、十分な難燃性を得ることができ、40質量%以下であると成形品の靭性などが低下することがないので好ましい。
また、難燃助剤(C)を0.5〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜4質量%の割合で含むことが好ましく、難燃性ポリアミド組成物中の難燃助剤(C)の含有量が、0.5質量%以上であるとポリアミド樹脂に良好な難燃性を付与することができ、10質量%以下であると、溶融成形時におけるガス発生量および成形品の変色物発生量が増大することがなく、さらに靭性も低下することがないので好ましい。
また、強化材(D)を0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは20〜45質量%の割合で含むことが好ましい。強化材を添加することにより、難燃性ポリアミド組成物に剛性を付与することができる。また、目的とする成形品の形状にもよるが、難燃性ポリアミド組成物中の強化材(D)の含有量が60質量%以下であれば成形品表面の外観を損なうことがないので好ましい。
また、ハイドロタルサイト化合物(E)を0.05〜0.4質量%、好ましくは0.1〜0.3質量%の割合で含むことが望ましく、添加量が0.05質量%以上であると、成形時における変色炭化物生成が減少する傾向にあり、0.4質量%以下であるとリフローはんだ工程における耐熱性(耐ブリスター性)が良好となるので好ましい。
さらに、本発明の難燃性ポリアミド組成物は、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記の[その他の添加剤]を含むことができる。
本発明の難燃性ポリアミド組成物は、UL94規格に準じた燃焼性評価がV−0であり、温度40℃、相対湿度95%にて96時間吸湿させた後のリフロー耐熱温度が250〜280℃、好ましくは255〜280℃、より好ましくは260〜280℃、さらに好ましくは265〜270℃である。機械物性、すなわち靭性の指標となる破壊エネルギーは、50〜70mJ、好ましくは53〜70mJである。また、バーフロー金型への樹脂の射出成形によって求めた流動長は、55〜90mm、好ましくは60〜80mm、さらに好ましくは65〜75mmであり極めて優れた特徴を有しており、鉛フリーはんだを使用した表面実装に要求される優れた耐熱性、46ナイロン同等以上の高い靭性を有するとともに、高い溶融流動性、難燃性および成形安定性を有する材料であって、特に電気電子部品用途に好適に使用可能である。
[成形体および電子電気部品材料]
本発明の難燃性ポリアミド組成物は、圧縮成形法、射出成形法、押出成形法などの公知の成形法を利用することにより、各種成形体に成形することができる。
本発明の難燃性ポリアミド組成物は、成形安定性、耐熱性、機械物性において優れており、これらの特性が要求される分野あるいは精密成形分野の用途に用いることができる。具体的には、自動車用電装部品、電流遮断器、コネクター、LED反射材料などの電気電子部品、コイルボビン、ハウジングなどの各種成形体が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例において、各性状の測定および評価は、以下の方法で実施した。
[極限粘度[η]]
JIS K6810−1977に準拠して、ポリアミド樹脂0.5gを96.5%硫酸溶液50mlに溶解し、ウベローデ粘度計を使用して25±0.05℃の条件下にて試料溶液の流下秒数を測定し、以下の式に基づき算出した。
[η]=ηSP/[C(1+0.205ηSP)]、 ηSP=(t−t0)/t0
[η]:極限粘度(dl/g)、ηSP:比粘度、C:試料濃度(g/dl)、t:試料溶液の流下秒数(秒)、t0:ブランク硫酸の流下秒数(秒)
[融点(Tm)]
Perkin Elemer社製DSC7を用いて、一旦330℃にて5分間保持し、次いで10℃/分の速度で23℃まで降温せしめた後、10℃/分で昇温して測定した。この時の融解に基づく吸熱ピークを融点とした。
[燃焼性試験]
射出成形で調製した1/32インチ×1/2インチ×5インチの試験片を用いて、UL94規格(1991年6月18日付のUL Test No.UL94)に準拠して、垂直燃焼試験を行い、難燃性を評価した。
さらに、UL94 V−0の評価基準の一つである、5本の試験片に対する各2回(合計10回)の接炎終了後の有炎燃焼時間の合計がより短いものが、難燃性に優れるとして評価した。なお、UL94でV−0の評価を得るためには、上記の有炎燃焼時間の合計の基準は50秒以下である。
成形機:(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3A、成形機シリンダー温度:各ポリアミド樹脂の融点+10℃、金型温度:120℃。
[リフロー耐熱性試験]
射出成形で調製した長さ64mm、幅6mm、厚さ0.8mmの試験片を、温度40℃、相対湿度95%で96時間調湿した。
成形機:(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3A、成形機シリンダー温度:各ポリアミド樹脂の融点+10℃、金型温度:100℃。
エアーリフローはんだ装置(エイテックテクトロン(株)製AIS−20−82−C)を用いて、図1に示す温度プロファイルのリフロー工程を行った。
すなわち、上記調湿処理を行った試験片を、厚み1mmのガラスエポキシ基板上に載置するとともに、この基板上に温度センサーを設置して、プロファイルを測定した。図1において、所定の速度で温度230℃まで昇温して、次いで20秒間で所定の温度(aは270℃、bは265℃、cは260℃、dは255℃、eは235℃)まで加熱した後、230℃まで降温した場合において、試験片が溶融せず、かつ表面にブリスターが発生しない設定温度の最大値を求め、この設定温度の最大値をリフロー耐熱温度とした。一般的に、吸湿した試験片のリフロー耐熱温度は、絶乾状態のそれと比較して劣る傾向にある。また、ポリアミド樹脂/難燃剤量の比率が低くなるにつれて、リフロー耐熱温度が低下する傾向にある。
[曲げ試験]
射出成形で調製した長さ64mm、幅6mm、厚さ0.8mmの試験片を、温度23℃、窒素雰囲気下で24時間放置した。次いで、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で曲げ試験機:NTESCO社製 AB5、スパン26mm、曲げ速度5mm/分で曲げ試験を行い、曲げ強度、歪量、弾性率およびその試験片を破壊するのに要するエネルギー(靭性)を測定した。
成形機:(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3A、成形機シリンダー温度:各ポリアミド樹脂の融点+10℃、金型温度:100℃。
[流動長試験(流動性)
幅10mm、厚み0.5mmのバーフロー金型を使用して以下の条件で射出し、金型内の樹脂の流動長(mm)を測定した。
射出成形機:(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3A
射出設定圧力:2000kg/cm2、シリンダー設定温度:各ポリアミド樹脂の融点+10℃、金型温度:120℃。
[滞留安定性試験]
難燃性ポリアミド組成物を、330℃のシリンダー温度条件下にて、60秒単位で成形機内に滞留保持した後、前記曲げ試験片の金型に射出成形を行った。得られた成形品に、変色物、黒色炭化物が確認された時の滞留時間を記録した。
成形機:(株)ソディック プラステック、ツパールTR40S3A、成形機シリンダー温度:330℃、金型温度:100℃。
[発生臭素ガス量測定試験]
難燃性ポリアミド組成物1.0gをアルゴンガス雰囲気下において、加熱発生ガス装置を使用して密閉石英管内で温度330℃にて30分加熱して発生したガスをヒドラジン水溶液に捕集し、イオンクロマトグラフ法により発生した臭素ガス量を測定した。
[加熱減量試験]
難燃性ポリアミド組成物15mgを下記の条件で加熱し、質量が減少を開始した時の温度を記録した。
装置:EXSTAR TG/DTA6200
昇温速度:20℃/分、窒素気流下(300/分)

実施例および比較例において、ポリアミド樹脂(A)、難燃剤(B)、難燃助剤(C)、強化材(D)およびハイドロタルサイト化合物(E)は、下記の各成分を使用した。
[ポリアミド樹脂(A)]
(ポリアミド樹脂(A−1))
組成:ジカルボン酸成分単位(テレフタル酸:62.5モル%、アジピン酸:37.5モル%)、ジアミン成分単位(1,6−ジアミノヘキサン:100モル%)
極限粘度[η]:0.8dl/g
融点:320℃
(ポリアミド樹脂(A−2))
組成:ジカルボン酸成分単位(テレフタル酸:62.5モル%、アジピン酸:37.5モル%)、ジアミン成分単位(1,6−ジアミノヘキサン:100モル%)
極限粘度[η]:1.0dl/g
融点:320℃
(ポリアミド樹脂(A−3))
組成:ジカルボン酸成分単位(テレフタル酸:55モル%、アジピン酸:45モル%)、ジアミン成分単位(1,6−ジアミノヘキサン:100モル%)
極限粘度[η]:0.8dl/g
融点:310℃
(ポリアミド樹脂(A−4))
組成:ジカルボン酸成分単位(テレフタル酸:100モル%)、ジアミン成分単位(1,9−ノナンジアミン:82モル%、2−メチル−1,8−オクタンジアミン:18モル%)
極限粘度[η]:1.0dl/g
融点:305℃
[難燃剤(B)]
各難燃剤の平均分子量およびMFRは以下の条件にて測定した。
(平均分子量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用し、以下の条件にて測定した。
測定装置:Shodex GPC SYSTEM−21
カラム:Shodex GPC K−G+K−806L+K−806L
カラム温度:40℃、移動層:クロロホルム、検出器:示差屈折計
流速:1.0ml/分
平均分子量:ポリスチレン換算値
(MFR)
測定装置:自動押出型プラストメーター
オリフィス内径:2.095mm、荷重1200g、温度270℃
オリフィス内径:2.095mm、荷重2160g、温度220℃
(難燃剤(B−1))
臭素化ポリスチレン:アルベマール(株)製、HP−3010−1
臭素含有量:68質量%
数平均分子量(Mn):3400、重量平均分子量(Mw):4000、
Mw/Mn:1.2
MFR:490g/10分(温度270℃、荷重1200g)
MFR:6g/10分(温度220℃、荷重2160g)
(難燃剤(B−2))
臭素化ポリスチレン:アルベマール(株)製、HP−3010−2
臭素含有量:68質量%
数平均分子量(Mn):2800、重量平均分子量(Mw):3200、
Mw/Mn:1.2
MFR:780g/10分(温度270℃、荷重1200g)
MFR:11g/10分(温度220℃、荷重2160g)
(難燃剤(B−3))
臭素化ポリスチレン:マナック(株)製、PRF−1200ZEX
臭素含有量:68質量%
数平均分子量(Mn):15500、重量平均分子量(Mw):122000、
Mw/Mn:7.9
MFR:3g/10分(温度270℃、荷重1200g)
(難燃剤(B−4))
ポリ臭素化スチレン:GLC(株)製、PBS64−HW
臭素含有量:64質量%
数平均分子量(Mn):4900、重量平均分子量(Mw):24,000、
Mw/Mn:5.0
MFR:60g/10分(温度270℃、荷重1200g)
(難燃剤(B−5))
ポリ臭素化スチレン:GLC(株)製、PDBS−80
臭素含有量:60質量%
数平均分子量(Mn):4900、重量平均分子量(Mw):24,000、
Mw/Mn:5.0
MFR:115g/10分(温度270℃、荷重1200g)
[難燃助剤(C)]
(難燃助剤(C−1))
アンチモン酸ナトリウム:日本精鉱(株)製、SA−A
(難燃助剤(C−2))
ホウ酸亜鉛:ボラックス社製、FIREBREAK500(2ZnO・3B23
[強化材(D)]
ガラス繊維:セントラル硝子(株)製、ECS03−615
[ハイドロタルサイト化合物(E)]
表1に示す構造式の各ハイドロタルサイト化合物(E−1)〜(E−6)を使用した。
Figure 0005199663
上記以外に、燃焼に際して熱で樹脂が溶融することで液状化して垂れ落ちることを防止することを目的としてマレイン化SEBS(旭ケミカルス(株)製、商品名:タフテック
M1913)をドリップ防止剤として、さらにワックス(クラリアントジャパン(株)製、商品名:ホスターモントCAV102)およびタルク(松村産業(株)製、商品名:ハイフィラー#100ハクド95)を、ポリアミド樹脂(A)、難燃剤(B)、難燃助剤(C)、強化材(D)、ハイドロタルサイト化合物(E)、マレイン化SEBS、ワックスおよびタルクの合計100質量%中、マレイン化SEBS1.4質量%、ワックス0.3質量%、タルク0.7質量%となるように添加した。
[実施例1〜8]および[比較例1〜5]
上記のような各成分を、表2および表3に示すような量比で混合し、温度320℃に設定した二軸ベント付押出機に装入し、溶融混練してペレット状組成物を得た。次いで、得られた難燃性ポリアミド組成物について各性状を評価した結果を表2および表3に示す。また比較対象品として、市販されている高い靭性を有する難燃性ポリアミドである46ナイロン(商品名:Stanyl TS250F6D、DSM社製)の評価結果を表3の比較例5に記載した。
Figure 0005199663
Figure 0005199663
[実施例9〜13]
上記のような各成分を、表4に示すような量比で混合し、温度320℃に設定した二軸ベント付押出機に装入し、溶融混練してペレット状組成物を得た。次いで、得られた難燃性ポリアミド組成物について各性状を評価した結果を表4に示す。
Figure 0005199663
[実施例14〜19]および[比較例6]
上記のような各成分を、表5に示すような量比で混合し、温度320℃に設定した二軸ベント付押出機に装入し、溶融混練してペレット状組成物を得た。次いで、得られた難燃性ポリアミド組成物について各性状を評価した結果を表5に示す。
Figure 0005199663
本発明の難燃性ポリアミド組成物は、靭性などの機械物性、リフローはんだ工程における耐熱性、難燃性および流動性に優れるとともに、成形時における熱安定性が良好である。
特に、ファインピッチコネクターのような薄肉成形品を、鉛フリーはんだのような高融点はんだを使用して表面実装方式で部品を組み立てる電気・電子用途、あるいは精密成形分野の用途に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. ポリアミド樹脂(A)20〜80質量%、臭素化ポリスチレン(B)5〜40質量%および難燃助剤(C)0.5〜10質量%(ただし、(A)(B)(C)の合計は100質量%を超えない。)を含む難燃性ポリアミド組成物であって、臭素化ポリスチレン(B)の臭素含有量が65〜71質量%および重量平均分子量が1000〜4800であることを特徴とする難燃性ポリアミド組成物。
  2. ポリアミド樹脂(A)が、テレフタル酸成分単位30〜100モル%、テレフタル酸以外の芳香族多官能カルボン酸成分単位0〜70モル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族多官能カルボン酸成分単位0〜70モル%からなる多官能カルボン酸成分単位(a−1)と、炭素原子数4〜25の多官能アミン成分単位(a−2)とを含むことを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  3. ポリアミド樹脂(A)の融点が280〜340℃であり、温度25℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.5〜1.2dl/gであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  4. 臭素化ポリスチレン(B)の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が、1.05〜1.25であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  5. 難燃助剤(C)が、アンチモン化合物、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸カルシウムおよびモリブデン酸カルシウムから選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  6. 強化材(D)としてガラス、マイカ、酸化チタンから選択される少なくとも1種以上を0〜60質量%(ただし、(A)(B)(C)(D)の合計は100質量%を超えない。)含むことを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  7. ハイドロタルサイト化合物(E)を0.05〜0.4質量%(ただし、(A)(B)(C)(E)の合計は100質量%を超えない。)含むことを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリアミド組成物。
  8. ハイドロタルサイト化合物(E)が下記式(1)で示されることを特徴とする請求項7に記載の難燃性ポリアミド組成物。
    Mg1-xAlx(OH)2(A)n- pmH2O (1)
    ここで0.27≦x≦0.35、p=x/n、A:n価のアニオン、0.3<m<0.7
  9. 請求項1に記載の難燃性ポリアミド組成物を成形して得られる成形体。
  10. 請求項1に記載の難燃性ポリアミド組成物を成形して得られる電気電子部品。
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